ユーモラスで恋愛なおすすめアニメランキング 3

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月03日の時点で一番のユーモラスで恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.6 1 ユーモラスで恋愛なアニメランキング1位
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(アニメ映画)

1984年2月11日
★★★★★ 4.1 (391)
1719人が棚に入れました
あたるの通う友引高校は、本番を明日にひかえて文化祭の準備に大わらわ。だが……翌日になってもやはりあたるたちは文化祭の準備をしていた。実は友引高校のみんなは同じ日を延々と繰り返していたのだ。事態に気付いた担任の温泉マークと養護教諭・サクラは原因を究明しようとみんなを下校させるが、無事帰り着けたのはあたるとラムだけ。みんなは何度帰ろうとしても、友引高校に戻ってきてしまう。その間にも異変は起こり続け、ついに財閥の御曹司・面堂終太郎が自家用ハリアーを持ち出して空から現状を確認する事態に。すると、なんとそこには友引町を甲羅に乗せて中空をさまよう、巨大な亀の姿が…!! 脚本・監督を、「攻殻機動隊」の押井守が務めた。本作品の特異な世界観やストーリーは、現在の押井守の世界の原形とも言われている。

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、島津冴子、神谷明、鷲尾真知子、田中真弓、千葉繁、村山明、藤岡琢也
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さよならアニメーション

押井守監督作品、原作高橋留美子。

学園祭を明日に控えた友引高校、
学生は連日校舎に泊まり込みで準備に大忙し。
そんな折、夜食調達に出掛けた深夜の友引町で、
あたると面堂は、奇妙な体験をする。

通常アニメに限らず、
作り手と受け手の共犯関係が、
居心地良い「閉じた世界」を創るわけですが、
それを「おたく的なもの」と名付ければ、
その「おたく的なもの」を喜劇的に、
シニカルなメタ視点で描いてみせた傑作作品。
この共犯関係に噛み付いたのが、
エヴァの旧劇だったのだと思います。

終わりのない祝祭、
{netabare}永遠に繰り返される学園祭前日。
祝祭はノスタルジーと娯楽を提供し、
受け手も演者も居心地の良い空間を満喫するが、
何も始まらないし、何も終わらない。{/netabare}
押井守は確信犯である。

印象深い演出が終幕にあります。
{netabare}それは「夢から醒めてもまだ夢の中」ということ。
退屈な日常に戻らない地点で、
物語を着地させてみせたのです。
まだ胡蝶の夢は終わっていないのだ。{/netabare}

私たちは、次に来る朝に至らず、
未だ美しい夢の衝撃の内にあるのです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 84
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

最高のBAD END

押井守の名を一躍有名にしたアニメ映画史上に残る大傑作。
アニメ好きなら、これは本当に観るべき。
私が生まれる前、もう30年近く前の作品だが、本作の持つ独創性は全く色褪せていないと感じる。
直撃世代でなくとも楽しめたからこそ、強くお勧めしたい。

学園祭前夜の喧騒から始まり、徐々に不穏な空気を漂わせていき、そして・・・
といった具合に、日常から異常な世界への持っていき方が抜群に上手い。
幻想的な映像を用いて、視聴者をごく自然に非現実的な世界へと誘い、惹き込んでいく。
声優の熱のこもった長台詞演技、主に変拍子を駆使した劇伴音楽も作品世界を引き立たせる。
物語中盤「友引町の真実」が浮き彫りにされるシーンには鳥肌が立った。
これといった中弛みもなく、終始濃密なストーリーである約100分があっという間。

本作は学園祭前日を描いたものだが、この「学園祭前日」というシチュエーションが良い。
祭りは本番よりも準備をしてる時が一番楽しい、とはよく言ったもので
夜の校舎で仲間達と共同作業する様子が実に楽しげに描かれていて、ふと懐かしさを覚えた。
エンドロールで哀愁感漂う名曲「愛はブーメラン」をバックに、
徐々に遠ざかって行く友引高校の校舎・・これまた強烈なノスタルジーを喚起させる心憎い演出。

そしてノスタルジー以外にも、エンディングの演出には目を見張るところがある。

{netabare}本作の結末を素直に受け止めれば
「ラムの見る夢(ループ)から脱出し現実へと帰還できたハッピーエンド」である。
私も最初はそう解釈した。だが事はそう単純なものではなかったのだ。
エンドロール後の校舎の鐘の音が不気味に感じたという個人的理由から、
何となしに結末の解釈をネットで調べてみると・・・驚愕。
作中の台詞から、本来の友引高校は3階建てである。しかしエンディングの校舎は2階建て。
つまり、エンディングの校舎は本来の友引高校の姿ではない・・・
本来なら冒頭に出るはずの作品タイトルをエンディング時に掲げたのは
ここからが物語の始まりであり、冒頭へと繋がることを示す。
その冒頭であたるが何故か憔悴した顔をしているのは、世界の真実に気付いてしまったから。
「結局あたる達は夢から抜け出せず、学園祭前日という最も楽しい時間を永遠にループし続ける」
と解釈できるのである。これはある意味”最高のBAD END”とも言えるだろう。

wikiによると、TV版では作画演出上あらゆる校舎の階数が存在しており
本作ではそれを逆手に取って「校舎がセットである」という演出意図もあったらしい。
本作は全編通じてメタフィクショナルな手法が散見され
「アニメはただの動く絵であり、キャラも所詮作り物でしかない」
という痛烈なメッセージが込められている。
エヴァにも同種のメッセージ性があるが、比較してみると面白い。
「アニメばっか見てないで現実に帰れ」と、オタクを親切に説教した庵野さんに対して
「アニメを捨てて現実に帰るもよし、永遠に夢の世界(アニメ)に居続けるもよし」
と、好きな方を選ばせたのが押井さん。そもそも両者に大した違いはないんだよ、とも。{/netabare}

原作のイメージとあまりにもかけ離れた作品であり
原作ファンには不評で、原作者が激怒したという話も聞く。
原作をよく知らない私としては何とも言い辛いところはあるけれど。
「うる星やつら」というコミカルな作品と、押井監督の虚実論溢れる理屈っぽさ全開の作風。
この両者のギャップが本作を傑作たらしめる要因の一つであることは間違いない、と思う。

最初に述べた通り、今観ても十分楽しめるし、100年後でも普通に評価されてそうな作品だが
当時劇場で観た人の衝撃はどれ程のものであったか・・・本気で羨ましいです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 58

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アニメとはこうあるべき

満点である。

キャラクター、シナリオ、演出。。どれをとっても30年以上前のアニメでありながら高品質である。

アニメーションとはこうあるべき。萌えキャラの元祖とも言われるラムちゃんが非常に可愛いし、何よりも押井守はこれ以上の作品を世に出していない。

押井守は青春時代をこういった晴れやかな恋愛とは程遠かった映画青年だったと言われる。

ゴダールやフェリーニ、ピンク映画を愛し、年に100本は映画を見ていたと公言している。

そのオタク知識をフル活用し、爆発させたのが「ビューティフルドリーマー」で
あり、ありとあらゆる映画のオマージュにあふれたモンタージュになっている。

原作者の高橋留美子は本作に激昂したらしいが、作品を解体されてしまった悔しさカラに違いない。

それほど強烈で凄まじい熱量と、映画に関わるものすべてを内包する賛歌とも言えるアニメである。

こういったアニメを他に作れるのは富野、庵野、宮崎監督くらいだろう。

新房昭之でもこのレベルには達していない。

ラストにおける、これはまだ「夢」の続きであり「現実」から抜け出せていないかもしれないという曖昧なエンディングはクリストファーノーランのインセプションでも頻繁に取り上げられている。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

69.3 2 ユーモラスで恋愛なアニメランキング2位
名探偵ホームズ(TVアニメ動画)

1984年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (125)
604人が棚に入れました
『名探偵ホームズ(めいたんていホームズ)』は、小説『シャーロック・ホームズシリーズ』を原作にしたテレビアニメ。日本の東京ムービー新社とイタリアの国営放送局 RAI の合作。日本では、1984年11月6日から1985年5月20日までテレビ朝日系で放送。全26話。最初の6編は宮崎駿が監督・演出などを務め、その大部分の脚本を片渕須直が書いた。

声優・キャラクター
広川太一郎、富田耕生、一龍斎春水、大塚周夫

Zel さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

空からこぼれたSTORY

1985年放映作品

日本のアニメ制作会社(現在解散)とイタリアの国営放送局が共同で制作、監督は宮崎駿・御厨恭輔
両国で放映されたグローバルなアニメ

すごくワクワクできて、とても優しい気持ちになれる作品
登場人物が犬の姿なんだけど、これがまた可愛い
ホームズ ワトソン モリアーティ教授 ハドソン夫人
魅力的なキャラクター達が宮崎監督の演出で生き生きと動いている
人情味溢れるストーリーに温かい気持ちになれること請け合いです

OP曲やED曲も優しいメロディーで耳に心地よい
ちなみにレビューのタイトルは主題歌の題名

鑑賞したのは幼いころだけど、感動と興奮が心にずっと残ってる素晴らしい一作です

ホームズ役は(故)広川太一郎さん
宇宙戦艦ヤマトの古代守でです

ワトソン役は富田耕生さん
プロゴルファー猿のおっちゃんです

この二人のやり取りは見ていて楽しかったです

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11

ぱらっぱらっぱー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

再放送すればいいのに

確かこの作品にもはやおさんが関わっているはずです。かの有名なシャーロック・ホームズを犬化?した作品ですが、全く小難しい推理などなく敵役のモリアーティ教授達とおっかけっこっていう感じです。いいですね。出てくる登場人物がむやみやたらに死なない作品というのは(描かれていないだけで爆発に巻き込まれたりして亡くなっている人?犬?達は確実にいるような気もしますが)安心して観ることができます。それにかわいらしいじゃないですか。ヒロインに恋しちゃうモリアーティ教授なんて。推理ものとは呼べないかもしれませんが人が死なないホームズっていうのもありだと思います。確かにちゃちい子供向けかもしれませんがこういう作品が世の中には必要なんじゃないんでしょうか。今だからこそ続編作るのもありですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ラピュタ直前のパヤオ。ミステリーほとんど無し、アクションマシマシ、ルパン三世風味。

 ラピュタの直前の宮崎駿が参戦しているだけあってメカを含めた世界観のセンスの暖かさ、親しみやすいキャラクター、ワクワクするアクションとシンプルに楽しいエンタメになっている。ちなみに、パズー、シータ、大佐など後のラピュタメンバーもここで関わっている。


 1話完結のスラップスティックなアクションという点では、チチキマシンでワイリーコヨーテな感じで深味ないがは気楽に楽しめる。正直こういうタイプの作品だけあって後半マンネリ気味なところがある。しかし、前半パヤオが力を入れている回は良い!。特にハドソン婦人が大活躍の10話は白眉。


 明らかにパヤオの趣味な聖女で、同時に凛々しく戦って、しかも母のように見守ってくれるという都合の良すぎな設定だが、この時期のパヤオのヒロイン達と同じく見事に輝いてる。この辺の力業な演出力こそパヤオの真骨頂な気がする。


 パヤオは世界の宮崎!、国民的作家!みたいに褒めちぎられるようになってからは巨匠としての仕事をしなきゃ!或いは巨匠だから好きにやるからって方向が出てきちゃったが、この辺の時期を頂点に紅の豚くらいまではエンタメ作家としてのバランス感覚があった気がする。


 パヤオは黒澤明と同じく、実はシンプルにエンタメな人で思想とか深味で勝負するタイプではない気がする(原作版ナウシカは除く)。それをやってた40代ぐらいまでのが良かったかな。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

70.8 3 ユーモラスで恋愛なアニメランキング3位
きみと、波にのれたら(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.6 (101)
381人が棚に入れました
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は?そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

声優・キャラクター
片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

彼女の素直な気持ちが伝わってきます

実写には表せないSF感はアニメの長所です。
そして、アニメに多い中学生、高校生ではなく、大学生と社会人(消防士)の恋愛にある意味新鮮さを感じてしまいました。
一緒に歌うおのろけソングはとても印象に残るシーンです。私的には羨ましく感じました。

幸せなシーン。悲しいシーンが随所にありますが、アニメとしての表現の仕方、アニメによって悲しいシーンも映像によってちょっとだけ優しい感じに。また逆も然りで表現できるのアニメの良さを充分に用いているように感じました。

結論としてはエンターテインメントとして非常に優れた作品です。
もっと宣伝しても良かったのではないでしょうか。

本日レンタルで久しぶり観ましたが、やはり楽しかったです。
パッケージは完全に夏ですが冬のシーンもあるので12月に観ても問題なしですよ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋愛とオムライスを食べたくなる良作

別の作品を見に劇場に足を運んだら
そっちが完売していて
仕方なく空いてたこちらを見ました。

結論から言うと見て良かったです!
かなり楽しめました~♪

タイトルからも予測がつくように海が舞台のアニメです。
消防士のヒーローと、もう一人のヒーローが出会い
触れ合って、愛し合って、
そして波に乗って旅立つラブストーリーです。

正直な話、序盤は「もうお前ら爆発しろ!」しか思いませんでしたw
まぁ花火は爆発しまくっててなんていうか
{netabare}こんな輩がいるなら花火なんて無くていい{/netabare}
と思った次第っす…なんていうかウェーイ系にしてもあれは酷い…

ただ、二人は{netabare}花火で出会い、花火で別れる{/netabare}ので
二人には必要だったのかも知れません。

絵柄は凄く優しくてストーリーに良く合ってます。すごく好きです。
波の表現も優しいタッチで、海に行きたくなります。
音楽はテーマ曲がしつこいぐらいに繰り返しですw
ただ二人で歌っている時はすごく幸せそうで、
時折、笑いながら歌う感じがとても自然で
ほんとうに素敵なカップルだなと思いました(早く爆発しろって思いましたw)
ミュージカル的な要素なのかな?港はあまり歌うまくない設定なのかも
声優も凄くよかったです。特にひなこ。
(あと妹も{netabare}引き籠り{/netabare}っぽい感じが良く出てて良かったです。)
歌が紡いでた。ずっと前から二人を紡いでた。すごく良い歌と歌声でした。

とにかくx100 オムライスが食べたくて仕方がなくなりました(え?)
コーヒーも飲みたくなったなぁ…久しぶりに旨いコーヒーでも飲みに行こうかなー

ただ、{netabare}フラグ乱立{/netabare}しすぎたんですよね…
物語は急展開を迎えます。いきなりのファンタジー要素追加ですw
(いきなりすてーきなファンタジー要素)
このファンタジー要素、結構好感もって見れました。
色々な苦悩と、逃避と、お互いの想いと…
だけど最後には立ち止まっているヒーローを波に乗せるためそっと背中を押す。
いきなりだったけど素敵なファンタジー要素です♪

確かに、恋しないなんて馬鹿のする事だなって思ったので
皆さん素敵な恋をしようじゃありませんか!



で、こっからはネタバレ全開なので、まだ見てない人はブラウザバック
{netabare}
まぁ序盤はほんとに爆発しろって思ってたんですけど、
港があんな事になって、「爆発しなくて良いから返して」って思いました。
それは港じゃなくて、ひなこを返してって思いました。
陽気でざっくばらんで天真爛漫で明るくてとても魅力的な女の子
それがあんなになっちゃうなんて…泣きそうでしたっす
だって{netabare}便器に向かって話しかけちゃう{/netabare}ようなのって
自分がはたから見てたら「大丈夫かこの子?」って思っちゃいますよ。

皆ひなこの事を心配していて、友達もバカップルとか言ってたのを謝ってた…
友達の異名が気になる所ですがそこは触れないでおいてあげましょうw

しかし、なんであんなにフラグ乱立するかなー
おいら鈍感な方だけど、あそこまで乱立されたら流石に分かるよ。
{netabare}「あ、これこっから急降下して鬱展開なるやつだ…」{/netabare}って

・自分の苗字になったらどうすんだよ
・ヒーローになった動機の説明
・じゃあ同棲でもする?
・おばあさんになってもずっと守るよ

うん。回避不能なぐらい立てまくったね。このフラグを折るのは難しいw
だけど、そっからファンタジー要素入れて
鬱な展開になりすぎないようにした構成は素晴らしかったです。

オムライスは終始うまそうだった。なんか無性に食いたくなった。皆逃げてー飯テロよー
最初の段ボールの所でずっとヒヤヒヤしてたけど、
結局おっぱいの下敷きになって「そうなると思った」って思いましたw
ライフセーバー合格で結局お祝いはオムライス
そして、妹の渾身の掌返しw セリフが逆になったのは本当に良い演出でした♪
でもまぁ、するのもバカだと思いますよーw 妹も立派なバカップルw

そして1年越しのメッセージ…さすがに泣きそうになったっす
狙ってるんだろうからってのと劇場だから必死に堪えました。
ひなこが歌おうとして、さらに追い打ちかけてくるんだもん。正直危なかったw
願わくばひなこに良い出会いと素敵な恋が待ってますように…
{/netabare}
次はきっといい波が来るはずです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 27

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

マーメイドヒーロー

世界中の恋に焦がれる女性とリア充カップルに、この夏、絶賛オススメのファンタジック・ラブストーリー。

《物語》

海岸沿いの町に越して来たサーフィンの大好きな女子大生「向水ひな子」。
冒頭、彼女を遠目に眺めながら
「あのコ、僕のヒーローなんだ」
と語るイケメン消防士「雛罌粟港(ひなげしみなと)」。
彼が狙ったかの様な展開で二人は恋仲になります。
前半30分ほどは二人の仲睦まじくなるさまを見せつけられるんですが、二人の描写は嫌味がなくキラキラした爽快感にキュンキュンできます。
(注!女性と二人でカラオケに行ったことのない男性にはイラッとくるかもしれません~)
中盤、港に起こる悲劇から物語は一転します。
ここからがハートフルな脚本を書かせたらハズレ無し、吉田玲子さんの真骨頂。
悲しみにくれるひな子を、ファンタジーな仕掛けを使って優しさと可笑しみで包み込み、観客の心まで温めてくれます。
冒頭の港の言葉に隠されたひな子への想いが、彼女へは勇気を、観客には感動を与えてくれます。
ラスト、いつまでも変わらない愛にホロリとしながらジンワリと心地よい余韻に浸れることでしょう。

《作画&演出》

湯浅政明監督と言えば、私が観た過去作「ピンポン」「デビルマン・クライベイビー」などから、シンプルなキャラクターデザインを伸縮自在に操るアニメーションらしい大胆な演出が印象的なのですが、今作ではキャラのデフォルメは抑え気味。
その分、二人を繋ぐ「水」に魂を吹き込むかのような演出が巧妙になされています。
様々な形で描かれる水の表現は、時にコミカルに時に繊細にキャラの心情を盛り上げ、ここぞのシーンではダイナミックな動きでキャラのハイテンションぶりを際立たせます。
クライマックスのタイトルにちなんだアクションシーンは圧巻です!

また、背景作画は80年代のオールカラー漫画「ハートカクテル」を思い出す鮮やかさで、ラブストーリーに華やぎを添えてました。

《キャラクター》

主役二人は文句の付けようのないベストカップルでこれ以上言うことなし。
残る主要登場人物、港の後輩消防士「川村山葵(わさび)」、港の妹「雛罌粟洋子(ようこ)」も良キャラです。
山葵の頼りないながらも実直なところがどんどん好感が持てるし、なんと言っても洋子のツンデレっぷりが可愛い♪
彼女だけは、この非オタ向け作品の中で萌えブタ心を満たしてくれました(^^;

《声の演技》

主要登場人物は全員俳優さんが演じていて、このあたりも非オタ向けアニメ作品ではありますが、女性二人は本職声優さんと比べても遜色のない演技をされてたと思います。
特に松本穂花さんのツンデレハスキーボイスは好みでした♪
男性の主演お二人はイケボなんですが声質が被るのがまず残念。演技も平板に感じ、同じ俳優でも同監督の「夜は短し歩けよ乙女」の星野源さんは上手かったな~と改めて感じました。

《音楽》

水と共に二人を繋ぐ曲「Brand New Story」
爽やかな曲調の中に切ないトーンが混ざり、歌詞も作品にピッタリ!
元AKBでもあるひなこ役・川栄李奈さんが何度も口ずさむ冒頭のフレーズは、様々な感情が込められてて、クドくても飽きません。
声の演技では申し訳ないコメントをしましたが、EXILE系ユニットのボーカルを務める港役・片寄涼太さんの歌声も素晴らしくエンディングは聞き惚れました。

《最後に》

本作は私のように「君に届け」や「アオハライド」などの王道少女漫画もいけるクチなら男性でも大いに満足できるのですが、オッサン独りでは気恥ずかしくも・・
アニオタ男性の皆さまは、非オタ女性を誘ってのデートに本映画鑑賞を組み込み、アニメの伝導と貴殿のポイントアップにお役立てください~(^^

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21
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