2016年度のルームメイトTVアニメ動画ランキング 2

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早速見ていきましょう!

61.2 1 2016年度のルームメイトアニメランキング1位
ハンドレッド(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (407)
2413人が棚に入れました
“ハンドレッド”―それは地球を襲う謎の生命体“サベージ”に対抗できる唯一の武器。

主人公如月ハヤトは、そのハンドレッドを用いる“武芸者”を目指すため、海上学園都市艦“リトルガーデン”に入学を果たす。

だが―「会いたかったよ、ハヤトっ!」「お、お前は一体…?」

なぜか自分のことをよく知る(?)ルームメイト、エミール・クロスフォードに、どこか懐かしい違和感を覚えるハヤト。

さらに入学早々、学園最強の武芸者“女王”クレア・ハーヴェイから決闘を申し込まれてしまい…。


声優・キャラクター
長谷川芳明、大久保瑠美、吉岡茉祐、奥野香耶、M・A・O、羽多野渉、大坪由佳、衣川里佳、牧野由依、堀江由衣、佐藤利奈、今村彩夏

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

美少女に囲まれた主人公・・・ラノベ系ハーレムを満喫できる作品です^^

この作品の原作は未読ですが、キャラデザが綺麗で好みだったこと・・・そして、先日ご冥福をお祈りした松来さんがドラマCDに出演されていたことも相まって、視聴を即決した作品です。

視聴前に知っていた事は「学園バトルアクションもの」であるという程度しか作品に関する情報を持ち合わせておらず視聴に臨みましたが、直ぐに続きの気になる作品の一つになりました。
色々とテンプレ感は満載なんですけれど、この系統の作品・・・日常でモテモテの主人公に軽い嫉妬を覚えつつ、華のあるバトルアクションを堪能する・・・という作品の展開が好みなんだと自覚しました。

この物語の主人公は、高校1年生の如月 ハヤト・・・彼は地球の襲撃を続けている地球外生命体に対抗できる力・・・ハンドレッドの担い手として覚醒し、同じ担い手を育成する海上学園都市リトルガーデンに入学し、銀髪翠眼の美少年・・・エミール・クロスフォードとルームメイトになるところから物語が始まります。

ハンドレッドの担い手にはハンドレッドとの相性・・・所謂反応数値が設定されており、主人公である如月 ハヤトは歴代最高数値を叩き出して入学してきた・・・という時点で、今後の無双っぷりを期待する事になる訳ですが、何より気になるのが次々に登場する可愛らしいヒロイン達の存在と活躍です。

ハヤトに好意を抱く女性にまるで女の子のような反応を見せるエミール・クロスフォード・・・
微妙な立ち位置である事は否めませんが、一歩引いてハヤトの背中を守るエミールに内助の功を感じてしまったのは私だけでしょうか・・・(//∇//)
でも全てはエミールの言動は全て覚悟と意志に繋がっているんです。
エミールがそこまで思い切れるのはハヤトだから・・・
ハヤトとエミールの繋がりの物語は本編で明らかになりますが、エミールの美少年っぷりは正直半端じゃありません。
どの位半端じゃないかというと・・・ISのシャルルに対抗できる位といっても過言ではありません^^;
男性にも女性にも好かれるキャラだと思います。

そしてクレア・ハーヴェイ・・・この物語において彼女の存在は欠かせません。
金髪ドリルツインテで生徒会長・・・そしてグラマラスとラノベお約束の設定がてんこ盛りの彼女は、気品に溢れ常に学園を守るために必死に奔走していますが、純情で一途な一面を併せ持っています。その純情さは普段の言動と激しいギャップがあるのですが、それが彼女の最大の魅力なんだと思います。

生粋のヒロイン・・・といえば霧島サクラをおいて右に出る物はいないでしょう。
その美少女っぷりもアイドルとして歌で元気や癒しを応援してくれる皆んなに発信し続ける優しさの全てに愛おしさが感じられる彼女ですが、彼女の魅力であり最大の武器は好きを隠さない事・・・
気持ちに裏表が無く自分の素直な気持ちのままに行動する彼女は眩しい存在です。
そんな彼女の優しさはハンドレッドにも現れています・・・
本来ハンドレッドは地球外生命体への対抗手段・・・いわば傷つける兵器そのものなのですが、彼女のハンドレッドは攻撃ではなく防御に特化しているんです。
物語の中で頑張っている彼女を見ていると思わず応援したくなる・・・そんな存在でした。

そして規格外の存在・・・といえば如月 カレンが挙げられます。規格外も当然・・・彼女は、ハヤトの実の妹なのですから・・・
病弱で走り回ることのできない彼女・・・きっと元気だったら片時も兄の傍を離れることの無いくらい兄の事が大好き・・・
そんな普段の物静かな佇まいの裏には、病弱であるが故に兄を拘束している後ろめたさと好きだから束縛したい、という矛盾に葛藤があるんだろうなぁ・・・と思うと、本懐を遂げて欲しいと思えた一人だったと思います。

オープニングテーマは、D-selectionsさんの「BLOODRED」
エンディングテーマは、複数の曲が使い分けられていました。
「EYES ON ME」エミリア&サクラ
「TABOOLESS」クレア&リディ&エリカ
「Hardy Buddy」レイティア&フリッツ
「Jewels Of Love」サクラ&カレン

1クール全12話の作品でした。
振り返ってみると、テンプレながらキャラ立ちがしっかりしていたと思います。
他にも魅力的なキャラがたくさん登場してくれるので最後まで堪能しながら視聴する事ができました。
物語的にはキリ良く纏められていたと思いますが、続編・・・難しいかもとは思いつつも期待しているのが本音です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

現代の民話について

【未評価】

仕組みのよく分らない異能力によって外敵と戦う世界で、戦闘者を養成する学園での物語。

以前に別作品のレビューで書いた「学園魔法バトルハーレム」のテンプレートを地で行く世界だ。
そのレビューでも書いたが、テンプレという「型」がどうというより、その中で何が描かれるかが問題なのだろう。
エピソードをいちいちデータベースと照合して「これは○○パターン」と分類していくだけでは視聴が楽しくなるとは思えない。

が、それにしても、まず「冒頭で、入学したての主人公が、学園最強の美少女と早々に悶着を起こし、決闘する」という展開は、分類をしないように配慮していても、なお気づかざるを得ないほど頻繁に繰り返されている「おやくそく」だ。

この「おやくそく」は、ライトノベル原作の、「魔法で戦う世界における戦闘者養成学校の学生生活を舞台とした物語」に限って登場してくるように見える。

先行作で同じ展開が頻出していることを知らない筈はないのに、何のひねりもなくこれほどまで頻繁に繰り返される事態は、もはや単にライトノベル作家やアニメ製作者の無能や手抜きとして捉えるべきではないのではないか、と感じさせるものだ。
そう、「またこのパターンか」と冷笑して欠点を指摘した気になるのは、無意味ではないか、と。


膨大な数にのぼる「民話」は、大抵の場合、「むかしむかし、あるところに」という言葉で語り始められる。
ある意味では民話の「パターン」ともいえるのだが、これは、その民話の「物語=ストーリー」のパターンなのではない。

それは、「むかしむかし、あるところ」=「いま、ここ」ではない=「現実」とは異なる次元の「おとぎばなし」、という「記号」として、繰り返されているものだ。
これから語られるのは現実ではないおとぎ話だ、と宣言する「合図」として、このフレーズは冒頭に置かれなければならない。


使いまわされる「冒頭で、入学したての主人公が、学園最強の美少女と早々に悶着を起こし、決闘する」エピソードは、それぞれの作品で語られる「物語」のプロットの一部なのではない。
「冒頭で、入学したての主人公が、学園最強の美少女と早々に悶着を起こし、決闘する」事は、これから語られるのが「魔法で戦う世界における戦闘者養成学校の学生生活を舞台とした物語」であるという「合図」として置かれているものなのではないか。
おとぎ話の世界に入る前に、まず「これは現実ではない」という宣言をする「儀式」が要請されたように。

常識的な現実理解の水準からすると、「魔法で戦う世界における戦闘者養成学校の学生生活を舞台とした物語」は、「世界」の「設定」に論理的整合性という意味でのリアリティが全くない。
リアリティ=もっともらしさは、「設定」ではなく、語られる「物語」によって担保される。そのためには、まず、何はともあれ、物語の中に入り込まなければならない。
この、ある意味で「おとぎ話」と類比可能な、論理的整合性の存在しない「世界」へ跳躍する為に、「おやくそく」という「儀式」が要請されるのだろう。

民俗学者によって、さまざまな民話に共通する「骨格」が抽出されてはいる。
だが、骨格が共通していようとも、それぞれの民話のそれぞれの「物語」が、それぞれに固有の面白さを湛えている。
それゆえに、それぞれの民話は伝承され続けてきた。

パターン分類してデータベース照合することで「作品」の上位に立って見下そうとするユーザーの作為を一蹴するように、似た構造の「世界」を創り続ける〈ラノベ/アニメ〉の作家や製作者の態度は、「設定」の独自性など最初から問題にしていない、民話の語り部のようだ。


そのように考えると、冒頭のエピソードだけで「またこれww」とテンプレ認定して評価したつもりになる言説に意味はない。
この「おやくそく」の後に来るもの、「物語」で語られるもの、物語の「語り方」こそが、「作品」であるのだから。



というような感想を喚起されたものの、どうやら語られるものに関心を惹かれそうもない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今春アニメ随一のハーレムアニメかも。にしてもいろいろ強引すぎる

はっきりいいます。ハーレム作品は嫌いじゃないですw
男のバスロマンみたいなものですからね。

謎の地球外生命体の侵略に怯える地球民。反抗のきっかけになったのは、
隕石に含まれる結晶のハンドレッドから武具を生み出して闘うことだった~。

主人公は病気の妹の治療費を免除してもらうために、ハンドレッドの異能者を集めた学園に入学します。
すでに過去最高レベルの成績らしくて最強戦士の可能性を秘めているとのことで、
これはもう微塵も俺Tueee系なのを隠す気もないのがわかりますね。
堂々としたものです。

学園を取り仕切る生徒会はすべて女生徒で占められていて、これがもうスーパーゴージャスな
タテ巻きカールの金髪生徒会長とかがいる時点でハーレム要員だとひと目で見抜けるくらい自分も成長しましたw

入学式で早々にトラブって生徒会長とバトル!
そこでお約束のラッキースケベ展開!
モンスター出現で能力発揮!
またまたラッキースケベ!
おまけでいうなら、主人公はとある期間の記憶が欠如しているとか。。。
とまぁ、テンプレ通りの展開で、安心して流し見できます。

注文をつけるとしたら、もうちょっとデザインセンスが…なところか。
バトルの際にはパワードスーツのようなユニフォームをまとうんですが、
これがお約束のハイレグなのはいいとして、強化バージョンの完全武装になると
ヘンテコマスクみたいなの被ってかっこ悪いんです。

基本、主人公の性格は優しく義に厚いタイプなんですが、ちょっとまじめすぎるかなとも。
アスタリスクのアヤトや落第の一輝であるとか、ここのところのハーレムアニメの主人公は
品が良すぎて癖がなくておもしろくないというか。
最弱のルクスくらいデキる子なんだけど日頃きょどってる方が落差があっておもしろいのになとも。

あと、主人公の顔が荒野のブンタにくりそつで、つい笑ってしまいます。
いつになったら借金苦に悩むお兄さんが出てくるのかとw

これから様々な敵と戦うことになるんだろうと思いますが、
多少でもひねりのきいたシナリオを期待します。

以下、視聴しながらのネタバレです
4話~ お兄ちゃん、水と女に気をつけてね! はい、お風呂回ですね
{netabare}
かなり毒舌な妹からの忠告をうけての歌姫のボディーガード回。
安定のお風呂でトラブルでしたw

しかも前回で相部屋のエミリオが女性だったことが判明して、こちらともお風呂場でラッキースケベな展開に。
どこまでも運のいい主人公です。

にしても妹ちゃんの見通す力はすごいですね! 
自分も3話か4話あたりでやってくるかと想定はしていましたがw

というか、歌姫に結婚前提で付き合うことを告白されたり、ペースがかなり早いというかゆる過ぎる気がするんですが…。
もうちょっとエピソード絡めた関係とかあってからでないと思い出も何もないままで、
これだとただのギャグか道化になってしまいます。

みんなのアイドルの歌姫もハンドレッドの異能者だったことが判明しましたが、学園外のキャラだけに
今後、どう絡んでくるのか?
あ、次週で転校してくるのか。それで落着ですねw 本当にラノベってやつは~ あははは

ちなみに、いまだにハンドレッドの意味がわかっていません。
石から百の武装を取り出せる意味でいいのか?
それぞれの個性や能力によって、取り出せる武器が違ってくる?
で、その武器はどこに格納されてて管理されてるのか~。
いろいろと謎すぎます。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

64.2 2 2016年度のルームメイトアニメランキング2位
彼女と彼女の猫 -Everything Flows-(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (205)
906人が棚に入れました
ある夏の一番暑い日、彼女と、彼女の飼い猫である"僕"の暮らしが始まった。彼女は通っている短大の卒業を控え、就職活動に追われる毎日を送っている。いつも頑張っている彼女にとって、"僕"と過ごす時間は、互いにひと時の安らぎを感じられる、とても大切なものだった。

声優・キャラクター
花澤香菜、浅沼晋太郎、矢作紗友里、平松晶子

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

結末を知っている2回目の視聴で、より泣ける感動作

新海誠の自主制作作品が原作で、4話にわたって放送されたショートアニメ。

作品の制作などに新海氏が携わったりしているわけではないが、

もはや今となってはお家芸とも言える空気感や雰囲気、詩的な世界観は、

映像は違えど、まさに新海誠の原点、魅力を感じさせるに十分なものになっていると思う。

「言の葉の庭」が好きな人には是非オススメしたい作品。


物語は彼女と猫(ダル)がマンションで同居しており、
(ルームシェアしていた友達が出て行ったところから始まる)

ダル視点で語りが入り、彼女を描くといった内容。

原作とは彼女と猫、という構図は同じだが物語は全く別ものになっている。

ダルは彼女の抱えている悩みや問題を詳らかに把握しているが、

自分としては何かしたくても、してあげられる事がない。

しかし、年老いた老猫は「最後」に小さな奇跡を起こす(涙)


物語自体は非常にあっさりとしたものでありながら、
(ペットを飼っている人には、より共感、感じるものがあるかもしれない)

過去の新海作品のように、繰り返し視聴したくなる(視聴に耐える)魅力が備わっており、

ショートアニメだが心温まる、感動できる内容で、こういう作品は個人的に大歓迎。

時間が長くても、得るものがない、伝えたい事がよく解らないような作品を観るよりも、よほど価値がある。

こういう詩的な作品の良さを噛みしめる事ができるのは、ある程度の年齢になってからだろうとは思うが。


作画に関しては、30分作品と比べて予算は少ないながら、手抜き感を感じさせない作りになっている。

また、音楽はゴージャスな音作りでないのは明らかだが、効果としては文句無しの仕上がり。

OP,EDは印象的で、作中のBGMもピアノとギターの旋律が非常に耳障りが良く、聴き応えがある。

花澤さんが演じているので、どうしても「言の葉の庭」を想起させるけど、

やはり作品の雰囲気には合っているな、と思う。

また、ラストシーンでは新海誠自主制作の原作を視聴した人なら気付くと思うが、

猫の語り手が代わっている。

これは新海誠への最大限のリスペクト、粋なキャスティングと言えるだろう。

短くても非常に感動できた作品なので、評価は全体的に普段より+0.5点加点させてもらいました。


このウルトラスーパーアニメタイム、という枠は、「旅街レイトショー」なども観たが、

新進気鋭のスタジオやアニメーターが作品を提供する場になっているのだろうか。

個人的には売れ筋を意識しないような作風のものなどを提供してくれる場として好印象で、

今後とも注目していきたいな、と思う。


個人的なことですが、自分の家でも全く同じ黒猫の老猫を飼っている(うちに来て10年近く経つ?)

どこからともなくやって来た迷い猫なんだけど、

家から離れようとせず、飼い主を探すも見つからず結局飼うことに。

自分は猫アレルギーなんで、自分の部屋には絶対に入れないですが(汗)

うちの猫は餌くれ、遊んでくれ、外に出してくれ、と赤ん坊のようにやたらニャーニャーうるさいですが、

我々飼い主の内面を洞察しているのだろうか、と本作を観て思ったり。。

いや、それは無いだろうな(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「ダル・・・ずっと一緒だよ・・・」

今回のアニメの基になったのは、1999年に新海監督が個人で制作した5分弱のモノクロアニメーションだったそうです。
そして今回TVアニメ用としてオリジナルストーリーの作品が制作されたんだそうです(wikiより)。

この物語の主人公は、彼女(CV:花澤香菜さん)・・・彼女は社会人を目指して目下就職活動中でした。
そんな彼女の傍に付き添っているのは一緒にルームシシェアをしてくれた小学校からの友人と・・・幼い頃から飼っていたネコのダル・・・
でも友人が一足先に部屋から出て行ってしまい・・・彼女とダルとの生活が始まり、物語が動いていきます。

この作品・・・ネコのダルの視点で描かれているんです。だから物語の語り手もダルという事になります。
ご主人様が外に出かけて・・・帰ってくるまでの間、家でお留守番しているネコは何をしているんだろう・・・
何を考えているんだろう・・・
ご主人様が帰ってきた時・・・どういう気持ちで迎えに行くんだろう・・・

日常に忙殺されて中々考えられない事があります・・・
でもふと我に返って考えてしまう時があります・・・

気が付けば手の届く所にいて、ビロードの様な滑らかさと温かさを感じさせてくれる・・・
いつも、貰ってばかりだ・・・
私はダルにご飯をあげているけれど、私はダルから自由を奪っている・・・
大概こういう事を考えるときって、心が弱っているサイン・・・

社会に出るのは厳しい事だ・・・
それは分かっているけれど、未だ足りないんだ・・・
結構頑張ってるつもりなんだけどな・・・

ネコって、ご主人様のそういう心情の変化に敏感だったんですね。
ネコなので難しいことは分かりません・・・
だけどご主人様のために出来る事・・・それは存在を感じて貰うこと・・・
だからネコはご主人様の傍に寄り添うのだと思います。

でも、どんなにご主人様の事を思っても・・・老いには勝てません。
ゆっくりと静かに・・・でも確実に出来ることが少なくなって・・・
思い起こすのは幼かったあの日・・・笑って楽しく過ごせればそれだけで良かった・・・
思い出したご主人様の顔は・・・笑ってたな・・・
最近、ご主人様のあんな笑顔を何時見ただろう・・・

それでも彼女とダルは世間の荒波に向かって藻掻き続けます・・・
一人と一匹が辿りついた先には・・・
ここから先は是非本編でご確認下さい。

これまで綴ってきたのはこの作品から感じた事です。
自分なりに咀嚼しているので、作品が本来意図している内容と異なる部分があるかもしれませんが、そこはご了承願います。

新海監督の作品って・・・ホントあったかくて大好きです。
ラストは・・・やっぱり泣けてしまいました^^;

1話8分で計4話の作品です。
カラカラに乾ききった心が満たされた様な気持ちになれる作品でした。
不定期でも構いません・・・また新海監督の作品に触れる事ができたら・・・と思っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どうして猫が人間になれないんだ?

全4話、計32分で紡がれる人間と猫のお伽噺

舞台は現代、世界は現実

ではどこに不思議の要素が隠れているか?

それはこの物語の語り部が「猫」だという事

「人間」から見た「猫」と「猫」から見た「人間」

どちらも同じ観点から、視点から、世界から相手を見ているのだろうか?

それとも…


動物が何を考えているのかというのは、私自身子供の頃に動物を飼っていたので、よく考えていた事でした。
それは私だけでなく、先人たちも同じなようで…
『吾輩は猫である』を筆頭に、『シートン動物記』『ジェニィ』『カモメのジョナサン』『山椒魚戦争』等々、動物視点の本を数多く生み出してきました。
人間達は彼らの思考を想像という唯一の武器で表現してきたのです。
そんな人々が紡いできた表現作品にまた1つ、新しい物が誕生しました。
新海誠監督の処女作を基に新しく生まれ変わった本作『彼女と彼女の猫 Everything flows』
今作の魅力は何と言っても「彼女」と「猫」の関係性
これに尽きるでしょう。
不完全な世界に生きる「彼女」
そんな「彼女」を優しく見つめる「黒猫」
1人と1匹の重なり合った世界は温かく安らかで居心地の良い物
しかし、人間の「彼女」だけが知る外の世界は不条理かつ不合理で苦しい物
様々に折り重なった世界でも、それぞれ見ている物は違います。
同じ物を見ていても、恐らく、感じ方は同じじゃない…
この作品からは多種族との認識共有の難しさを感じました。

人間の見る世界と猫の見る世界
人間以外の動物は言葉を喋れません。
それは脳に言葉を扱う領域がないから…
人間のように「猫」が言葉を話せるようになるには、人間の脳を持つしかありません。
そうなれば猫は「世界」が世界である事を知る事が出来るようになる。
そして、人間が持つ「認識」という物を理解出来るのでしょう。
もし、主人公の黒猫が喋れるようになったならば、彼は彼女の経験する、辛く苦しい世界を共有する事が出来ます。
逆に、人間語を喋れない猫にとって、人間世界に対する理解は不可能に近いのかもしれません。
しかし、その可能性は本当にゼロと言えるのでしょうか?
その歩み寄って感じようとする過程が、例え喋れなくてもお互いがお互いを理解しようとする軌跡があるならもしかすると…

彼女には彼女の世界があって、黒猫には黒猫の世界がある。
それは重なり合っていても決して交わる事のない物
これは主人公の「黒猫」がそんな決して交わる事の無い「彼女」の世界と必死に交わろうとする物語
「黒猫」はこれからも「彼女」の意思を汲み取る努力を怠らないでしょう。
例え、世界が変わっても
例え、「黒猫」が「白猫」になっても
その結果、全ては創造主の描いた原点へと立ち返っていくのです…

レビュー読んで下さりありがとうございました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
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