レジスタンスで恋愛なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のレジスタンスで恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月14日の時点で一番のレジスタンスで恋愛なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.2 1 レジスタンスで恋愛なアニメランキング1位
戦場のヴァルキュリア(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (665)
3854人が棚に入れました
時は征暦1935年。ヨーロッパ大陸は東西の二つの大国に分断されていた。
鉱物資源・ラグナイトをめぐり勢力争いを広げる専制君主国家「東ヨーロッパ帝国連合(通称・帝国)」と、王政を廃した共和国の連邦国家「大西洋連邦機構(通称・連邦)」の両国がついに開戦する。
争いは、武装中立を国是とする小国・ガリア公国へも飛び火し、国境の町・ブルールで出会った少女アリシアと青年ウェルキンは、「必ず故郷へ戻る」ことを誓い、義勇軍への入隊を決意する。

声優・キャラクター
千葉進歩、井上麻里奈、櫻井孝宏、桑島法子、皆川純子、乃村健次、田中敦子、福山潤、大原さやか、大塚明夫、大塚周夫

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

戦場の荒野で育まれる愛・・・

この作品の原作は未プレイですが、PCやPSを媒体に複数作のゲームが制作されており評判も上々・・・そして、何よりジャケットの女の子が可愛いとなると俄然興味が湧いてくるわけですが、今回は皆さまのレビューのタイトルを少しだけ拝見させて頂きました。
2クールもの作品を全くの無知で挑んでいく事に少し抵抗があったので・・・^^;
目についたキーワードは「恋愛ファンタジー」で、この一言が私の背中を後押ししてくれて・・・今回の視聴に至りました。

この作品の舞台は架空のヨーロッパ・・・そして人類は大きく3つの民族が存在しています。
現代の世界を征する大多数を占める一般人類、超人的な力を備えたヴァルキュリア人、そしてかつて大陸を手中にしていましたがヴァルキュリア人によって打ち倒され、現在では差別される民族として苦汁の生活を送るダルクス人です。
そして、物語は自国の領土を広げようとする戦争の真っ只中・・・ガリアの義勇軍を構成している小隊を中心に動いていきます。

この作品の主人公はガリア義勇軍第7小隊長のヴェルキン・ギュンター・・・かつて「ガリアの英雄」と称えられたベルゲン・ギュンターの息子なのですが、大学で生物社会学を専攻する彼は、戦という単語が凡そ似つかわしくなく、生物のスケッチを趣味とするのんびりで穏やかな性格の持ち主です。

ですが祖国の保有する資源に目を付けた他国からの攻撃を受けたことをきっかけに戦争が始まってしまい・・・徴兵制度という法律の名のもとにヴェルキンも戦争に参加することを余儀なくされてしまいます。
そして、ただでさえ戦争が不似合いであるヴェルキンに課せられた枷はそれだけではありませんでした。
英雄の家系に生まれ育った彼は義勇軍の一個小隊の長になってしまうのです。
もともとは祖国を守るため・・・ですが戦争に出る前から守るべきモノが膨れ上がったヴェルキンでしたが、彼の冷静な判断と奇策が部隊の危機を何度も救うことになるのです。
こうしてもともと最前線で血を流している兵から決して快く思われる事のない士官候補生である彼は、自らの行動で仲間の信頼を勝ち得ていきます。
「部隊が危機を乗り越える」
言葉にすると単純ですが実践し・・・繰り返していく事はとても難しい事だと思います。
それが自らの生命のかかった戦争なら尚更です。
それをやり遂げられるのは、小隊の皆んなが隊長に命を預けているからに他なりません。
そして隊長はそれを自覚し・・・その責務を果たすためにあらゆる方向から物事を捉え、常に最適な答えを選択し続ける・・・
ヴェルキン隊長率いる第7小隊の人間模様・・・とても魅力的に描かれています。

そしてこの第7小隊・・・隊長が優秀なだけではありません。
傍らで隊長をサポートし続けるヒロインのアリシア・メルキオットも絶対に外せない存在です。
彼女は頭にスカーフを付けているのですが、そのスカーフは彼女がパン職人である証なんです。
例え戦争の様な過酷な状況でも自らの本分を見失わない・・・それだけでも十分に彼女は魅力的なのですが、明るくて・・・優しくて・・・正義感に溢れていて・・・そして愛くるしい彼女は、まるで第7小隊の太陽みたいな存在でした。
レビューの冒頭に記載した「恋愛ファンタジー」の鍵となっている彼女・・・彼女の一挙手一投足からは決して目が離せません。

アリシアが太陽なら第7小隊のお月様は、ヴェルキンの義理の妹であるイサラ・ギュンターだと思います。
イサラは・・・ダルクス人です。どの様に生まれるかなんて人に選択肢はないのに・・・彼女はきっとこれまで数え切れないくらいの偏見の眼差しに耐えてきたんだと思います。
その様な自分の持つハンデを理由に横道に逸れてしまう・・・或いは自分への下手な言い訳で本心を誤魔化そうとする・・・人間の心は弱し傷つくのも苦手だから仕方無いことだと思います。
イサラの偉いのは、周囲の目線に動じることなく、誹謗中傷にも怯むことなく自らの使命に没頭するんです。
彼女は亡き父が残してくれた「エーデルワイス号」という戦車の操縦士兼整備士なのですが、小隊の皆んなのため常にエーデルワイス号を最高の状態に整備し続けるんです。
小隊の中にはダルクス人を許せないくらい憎んでいる人もいるというのに・・・
私の中で言動に一番心が震えて・・・涙で前が見えなくなった存在だったと思います。

一部のキャラの紹介しかできませんでしたが、他にも魅力的なキャラがたくさん登場します。
戦争の行方・・・戦場で育まれる愛の行方・・・見どころはたくさんある作品だと思います。
圧巻の全26話でした。気になる方は是非本編を視聴してみて下さい。
視聴者が納得できる範囲までしっかり描かれていたと思います。

いま悩んでいる事・・・アリシアのフィギュアの出来が良いんですよね〜
とネットで見ていたらAmazonからアリシアのフィギュア情報がバンバン入るようになっちゃいました^^;
何度も見ていると・・・ホントに欲しくなるんですね^^;
これって新たな商法なの・・・^^;?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦争とは?を考えさせられる作品

原作はセガの発売したシミュレーションRPGゲーム作品。
架空のヨーロッパが舞台となり小国・ガリア公国と敵国の東ヨーロッパ帝国連合の戦いを描いています。

主人公は一応ウェルキン・ギュンターでヒロインはアリシア・メルキオットになります。

なかなか面白くハラハラしながら見終えました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

NoName さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

原作に劣らず面白い

ゲーム原作。登場人物達のやり取りを重視している為か物語の描写は少な目だが悪くは無い。原作済みの場合はより楽しめるが、初見でも問題無い内容なのも良い。全体的に前半は王道だが後半からは面白くなっていく。原作から戦闘ゲーム要素を削った分が上手く埋まっていた良いアニメだった。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

64.8 2 レジスタンスで恋愛なアニメランキング2位
逆転世界ノ電池少女(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (120)
366人が棚に入れました
西暦2019年、改元を目前とした日本。その上空に突如現出した異次元の裂け目。そこには天地逆転した異世界「真国日本」があった。かつての軍国主義を維持したまま、永世昭和の世を続ける並行世界は、現行兵器を無効にするガス兵器「幻霧」と巨大人型兵器「伽藍」を駆使し、私たちの日本を軍事的侵略。瞬時に政府を掌握し、事実上の征服を果たす。我らに「令和」という時代は訪れなかった......。―――それから十年後。真国の属国として生まれ変わった幻国・日本。厳しい検閲の中、かつて隆盛を誇ったマンガ、アニメ、アイドル等のサブカル文化は完全に死に絶えた......かに見えた。しかし、Otaku is not dead!サブカル文化を守るため真国に真っ向から抗う集団が存在した。その名も秘密結社「アラハバキ」。そして主力兵器「ガランドール」と、その動力源となり戦う少女たち。人は彼女たちを称してこう呼んだ…、電池少女と…。
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アキバレンジャー好きにおすすめしたい

<2021/12/30 追記>
全話見終えました。
結構楽しんでしまいました。
設定とかはなぜこんななのかわけわからんこと多かったけど、まあそういうの気にしなくても楽しめ、というスタンスなんでしょね 笑

アキバレンジャー好きなら楽しめるんじゃないでしょうか。
私はアキバレンジャー結構好きだったので。

今季ロボものがたくさんありましたが自分が唯一完走できた作品です。
といってもバトルシーンはドカンドキューンバーンみたいな感じで終わってましたが。

{netabare}黒木ミサが電池少女{/netabare}の時のネコ型ガランドール。
そのコタツを背負って空飛ぶ姿が、ガンダム0083のデンドロビウムっぽくてそれは嬉しかった。

<2021/10/12 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です

オリジナルアニメなんでしょうか?
とりあえず録画予約だけしといた、ほぼノーマークの作品だったのですが。
妙に完成度が高い。
今期ヤバくないですか?
いつもは1つのクールで10作品〜多くても15作品ぐらいしか見ないのですが。
今期は今のところ25作品ぐらい見たい候補があります。
物語の今後の展開でうまく行くかは置いておいて。
アニメ制作のレベルが上がったのでしょうか。
パッと見「無理」という作品が今期は少ない気がします。

本作はロボもの。
今期はロボもの多いですね。
自分の視聴中だけで4作目です。
ロボットアニメで原風景が形成された私にはうれしい悲鳴です。

ロボの造型は「プラネットウィズ」を思い起こさせる。
なんかノリもプラネットウィズっぽい。
つい数年前までアングラの定番だった、
最近はあんまり見かけない「秋葉原のオタク」っぽさ
そういうとこもなんか似てる。

そういえばそういうオタク文化ってなんか濃さが薄れてきてませんか、最近。
オタク文化が受け入れられつつあるせいか、オタクの「臭み」みたいなものが消えつつある様な。

そんな「オタクの臭い」を充満させている本作。
もしかしたら超ダークホースかも。
(着外かもしれんですけど)

<2021/10/26 追記>
第3話まで見ました。
映画でもドラマでも小説でも漫画でもアニメでも
なんのジャンルか良く理解できないで見たり読んだりするといま一つハマれないことありますよね。

本作もそんなところあります。
ロボなのか
ギャグなのか
SFなのか
恋愛なのか
ハーレムなのか

よーわからんなー
と思いながら3話見ててふと
「あれ?これはジャンル『中二病でも恋がしたい』では?」

バトルシーンがあの妄想シーンっぽい
厨二、オタク礼賛なところも

なんか向いてる方向が似てるんですよね。
もちろん作品としては全然別物だし
そもそもラブコメではなさそうだし

というわけで、とりあえず「アキバレンジャー」お好きな方におすすめしたいです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

気軽に視聴できるコメディアニメ

【紹介】
2019年、元号が変わろうとしていた日本。
何故か上空に異次元の裂け目が発生し、そこには帝国主義日本を維持した異世界日本があり、日本は異世界の真国日本によって征服されてしまう。
その支配の中、アニメや芸能といった文化はすべて規制されてしまった。
そんな中、文化を守るために戦う秘密結社アラハバキと、その戦士として戦う電池少女というロボットの話。

なんか禁止されたエンタメを取り戻すという設定が同期のtakt op.destinyやムテキングと似てますね。

【音楽】
主題歌がOPもEDもかなりいい感じで、今期でも上位にくるいい曲だと思いました。BGMもちゃんとアゲるべきところで盛り上げてくれます。

【作画】
かなり良い感じだけど、ちょっと古い感じのデザイン。
主人公のキャラデザが神のみぞ知るセカイの主人公に似ているような。

【シナリオ】
コメディとシリアス、さらに個性の強い様々な設定がごちゃまぜになっていて滅茶苦茶な設定ですが、キャラの掛け合いがテンポよく話がわかりやすいので視聴しやすい。
世界観設定やロボの設定はかなりギャグよりなので、バトルに緊張感はないですが、これはこれで面白いと思います。
キャラの個別回がかなり多くてなかなか話が進まないし、最後まで緊張感がないシナリオなのは好み分かれるかも。

【残念なところ】
オタクのイメージがちょっと偏見に満ちていてかなり古い感じなのが残念。

アイドルとかボカロとかアニメのイベント行っても、昔あったイメージのオタクって感じの人そんなに多くないですよね?
私が子どもの頃は確かにまだオタクって見た目に気を使ってなくて変わった人っていうイメージがあったように思うけど、ゲームとかアイドルとか声優の番組ってテレビでもyoutubeでも大人気で、ようやく好きなものを好きって言うのが許される国になってきたと思うんです。
私も友達や家族とアニメやゲームの話たくさんしています。

そんな世の中の流れとは逆行して、アニメ制作に関わる人達がわざわざ古い典型的なオタクのイメージを引っ張り出してこなくてもいいんじゃないの?って思った。

【キャラクター】
ロボの頭身が低いのが特徴でカッコよくはないけど、作品がコメディよりなので悪くないと思いました。
電池少女はとても可愛いですが、電池という特性上、電池切れで登場しない時間が勿体ないかな。
もっと思う存分活躍させても良かったのではないでしょうか?

敵よりも借金取りが嫌い。
借金取りだから金にうるさいのはわかるんだけど、なんか間が悪いというか、
盛り上がってるところに空気読まずに水さす感じが嫌いかな。

最初は周りのバカバカしいノリにシニカルな態度をとる主人公が逆に痛々しかったけど、少しずつ周りに溶け込むようになっていく主人公には好感が持てました。

【総評】
ストーリー的な面白さはないけど、雰囲気を楽しむ作品だと思いました。

盛り上がりそうでなかなか盛り上がらないじれったさがありますが、
可愛いキャラクターとコメディなノリが良い感じで、惜しいところも多いけどいいところも多い作品ですね。

面白かったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

秋葉原版「堕落論」

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
日本は、令和の直前、異次元から現れた「真日本」という軍国主義国家に占領される。そして、アニメやゲームなどサブカルはその一切を封印されてしまう。

それを解放すべく立ち上がる主人公と巨大ロボ、、、という作品。

キャラデザなどは子供向けに作っているが、内包するテーマはオッサン向け。というか、かつて子供で、今でも子供の心を持つオタク向け。それに、クオリティはかなり高い。バカアニメのフリをした、バカじゃないアニメ。

ヲタクのヲタクによるヲタクのためのアニメ。という感じ。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
つまりは、堕落論だなと思った。

坂口安吾の書いた堕落論は、(wikiから引用){netabare} 第二次世界大戦後の混乱する日本社会において、逆説的な表現でそれまでの倫理観を冷徹に解剖し、敗戦直後の人々に明日へ踏み出すための指標を示した書。敗戦となり、特攻隊の勇士も闇屋に堕ち、聖女も堕落するのは防げないが、それはただ人間に戻っただけで、戦争に負けたから堕ちるのではなく、人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ、と綴られている。旧来の倫理や道徳の否定といった次元ではなく、偉大でもあり卑小でもある人間の本然の姿を見つめる覚悟を示している作品である{/netabare}。とある。

私自身、堕落論を読んだ感想としては、「人間の在り様を絶対的に肯定する」作品に感じた。何が正しいとか何が悪いということではなく、「今、ココに存在する、人間の姿が、結果として正しい」ことを伝えたいだけだと感じた。

中畑邦夫さんが、「安吾の思想を右翼的であるとする観方も左翼的であるとする観方もともに一面的であり、そういう観点で作品を捉えることは、安吾の思想のもつはるかに広い射程を見失ってしまう」と言うように、あまり政治的な視点で読むべき作品ではないなと思った。

(ちなみに、私自身、堕落論や安吾の考えに賛同する、或いは否定するということではない。彼は彼の価値観の中で、論理的かつ正直に自分の思想をまとめており、それは、文学的に「作品」として一見の価値があると思っているだけだ。例えば、私は、芥川の小説が好きだし「凄い」と思っているが、芥川のような人間が好きなわけじゃないし、もし彼が身近にいても友達にはなれないだろうというのに近い立場である)

さて、本作はそこまで高尚ではないけれど、やっていることは近いのかなと思った。

本作も、ともすれば右とか左の話になりそうだし、むしろ、それによる炎上商法を意図しているのかとも思うけれど、私自身、アニメに現実の政治を組み込みながら観るのは好きじゃないので、そういう見方はしていない。ただ、「好きなものを、好きだと叫べば良い」というテーマのアニメとして観たし、その立場でレビューも書きたい。

だって、漫画、アニメ、ゲーム。これに読書と酒と露天風呂を加えると、ほぼ、私の人生になるからね(笑)

ともすれば、世の中で悪者にされがちなこれら。実際、凶悪事件が起きた時、アニメや漫画、ゲームとの関連が報道されることがある。その真偽は分からないが、イチアニメ(漫画・ゲーム)ファンとしては、悔しい気持ちになる。

真誅軍は、それらサブカルにハマることを、「人としての堕落」として禁止した。

安吾は堕落論の中で、「国が戦争末期に未亡人の恋愛を書くこを禁止したのは、軍人達の悪徳と女心の変わりやすさを理解していたから」「武士道は人間の弱点に対する防壁である」と述べているが、そこからすると、サブカルを禁止する真国が実は、一番「サブカルの力」「サブカルの魅力」を信じているということになる。

アラハバキはそれに抗う。

「好きなことを好きと言って何が悪い」「好きなことが電池になって頑張れる人間だっているんだ」。

こんなバカみたいなアニメを、バカみたいに真面目なクオリティで作る、彼ら作り手の気概が、アニメ内で語られるテーマと重なる。

安吾の堕落論を再び引用するなら、「二十の処女をわざわざ六十の老醜の姿の上で常に見つめなければならぬのか。これは私には分らない。私は二十の美女を好む。」と言っている。ロリコンだろうが猫耳好きだろうが堂々と胸を張れ、ということだろうか(笑)

日本映画の興業収入トップ10のうち、6作品はアニメ。しかも、あと2作はハリー・ポッター。

これだけでも、どれだけ日本人がアニメ好き、ファンタジー好きかが分かると思う。

それを堕落と呼ぶなら、呼べば良い。

「ゲームばかりすればバカになる」「アニメばかり観ているから引きこもる」「漫画みたいに夢ばかり語るな」

そんな批判に真っ向から立ち向かう本作。今の日本を、「これでいいのだ」と肯定してくれているアニメのように感じた。

(ちなみに本作で一番笑ったのは、「お台場送り」というパワーワード。リア充スポットを、そんな刑務所みたいに言わんでもw)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
サブカルチャーが封印された世界。作画はまあ、良いか。

2話目 ☆3
ホスト。がらんどう。皮肉を込めつつ、懐古主義全開のサブカル復活の宴。

3話目 ☆3
リトル本田(笑) オタク>ホスト(笑) ヲタクしか楽しめないアニメだよな。

4話目 ☆3
今度は、アイドルね。こうやって3話ごとにアキバ文化を紹介。7話からはPCとかラジオとかその辺の電気オタク。ラストの2~3話で、アキバの総力をあげてシン国を退けるのかな? トキメキの充電(笑) アホになる、トキメキエンプティ(笑) お台場送り(笑) プロのアイドル(笑) 

5話目 ☆3
アイドル。サイリウムファンネル(笑)

6話目 ☆3
なるほど、逆転世界って、そういうことか。戦争に勝った日本が、新国ね。堕落論だな、これ。

7話目 ☆3
フルアーマーって感じだな。

8話目 ☆


9話目 ☆


10話目 ☆3
原作者の息子ね。

11話目 ☆3
トラックで突っ込んだとこは熱いね。

12話目 ☆
秋葉原恋愛アレルギー爆発(笑) 逃げたから爆発(笑) トキメキや愛に優劣はない。これ、2期に含み持たせるのか(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

67.5 3 レジスタンスで恋愛なアニメランキング3位
蒼き流星SPTレイズナー(TVアニメ動画)

1985年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (64)
300人が棚に入れました
1996年、人類は地球を飛び出し火星へ進出したが、アメリカとソ連の冷戦もまた火星にまで拡大していた。同年10月3日、国連主催のコズミック・カルチャー・クラブ(宇宙体験教室)に選ばれた少年少女達は、火星に到着して間もなく、突如現われた謎の機動兵器・SPTによる攻撃に晒される。窮地に陥った彼らを救ったのは、蒼いSPTを駆る少年アルバトロ・ナル・エイジ・アスカであった。彼はグラドス星によって地球が狙われていること、そして自分が地球とグラドスの混血であることを告げる。コズミック・カルチャー・クラブの少年少女達は、エイジに不信の眼差しを向けながらも、戦いの中で徐々に絆を深めていく。そして共に地球へ帰るため、彼らは火星を脱出し苦しい旅に出発した。

声優・キャラクター
井上和彦、江森浩子、梅津秀行、鹿股裕司、鳥海勝美、平野文、戸田恵子、塩沢兼人、広瀬正志、横尾まり
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

時は流れてYouはShock!

全38話。2部構成となっており、前半25話まではハードSFの様相を呈していて、後半は‥‥!

太陽系外から突如として現れた異星文明グラドスの襲撃を受け壊滅した火星観測基地。コズミック・カルチャークラブ"火星体験教室"でそこ居合わせていた少年少女達は辛くも生き残った仲間達、引率の先生、本作の主人公でもある、地球人と異星人(グラドス人)のハーフ!である少年エイジとの絆を深め合いながら、共に地球への帰還を計ります。

キャラについて、強力な戦闘マシンに乗りながら、死地にいてなお人殺しを頑なに拒絶する心優しいエイジの印象は、当時のロボットアニメの中では異彩を放ちますが、初回から人格が完成されている感があるので、成長を追う楽しみはあまり見出せず、同じく真面目過ぎるアンナ、シモーヌ、エリザベス先生の印象もやや薄め。むしろデビッド、ロアン、アーサーという、どちらかと言うと脇に追いやられがちな華の無いキャラたちに魅力を感じました。直情型、知性派、お調子者と性格付けがしっかりとされているので、この三人の存在が物語に適度なスパイス、精彩さ与えている印象があります。男性陣の中では唯一ロボットに乗らないお留守番キャラ、表情豊かで時に臆病者なムードメーカーのアーサーが特にイイ味出してました。

メカについて、主人公機のレイズナーのデザインはガンダムモドキっぽくもあり、「翠星のガルガンティア」のチェインバーっぽくもあり、何となく中途半端なデザインで、あまり見栄えはしないのですが、要は中身、人工知能が搭載されている所に大きな特徴があります。単にパイロットの命令を復唱したり、状況分析したりするだけのステロタイプのAI描写とは違って、主人であるエイジとの対立、自分自身との葛藤が描かれている点は、当時としては斬新な試みであったと想像されます。頭部のドーム上のフォルムも何となく似ているし、もしかしたらチェインバーの元ネタはこのレイズナーなのかも知れません。

レイズナーを始めとする※1SPTの主力武器は自由電子レーザー砲「レーザードライフル」とSFチック。まぁ、実質的にはガンダムのビームライフルとあまり変わらないんですが(汗)接近戦ではビームサーベルとかじゃなくて(実は後半で似た兵器が出るけど)電磁破砕装置「ナックル・ショット」を用いて戦います。こちらも何となくSF的なスマートさがあり、高橋良輔監督らしい機能性重視の嗜好が見て取れる様に感ぜられました。

上記に加え、変り種として、ジェット戦闘機の※2チャフみたいなLCMパウダーを利用したトリッキーな戦術なども見られ、戦闘描写には随所に工夫が見られます。

SPTの動きに関してはそれら地味な武器に反して派手。他のロボットアニメとの差別化を図る為か、宇宙空間での方向転換時に頭部を中心にして機体をグルグル高速回転させる動きとか、アクロバティックな攻撃の避け方とかがけれん味のある印象を残します。パイロット、大丈夫か‥?

しかし本作のロボットアニメとしての最大の魅力といえば、やはり主人公機レイズナーの切り札、その代名詞と言っても過言では無い「V-MAX」でしょう。

「レイ、V-MAX発動!」エイジの指示に呼応して「レディ」とOSの音声が発せられれば、荘厳なBGMと共にレイズナーの真の力が解放されます。機体の速度が通常の三倍(笑)となり、赤い彗星、否、蒼き流星となって並み居る敵をばったばったとなぎ倒すのです。強力な防御フィールドを身に纏ってレーザーを弾き返し、体当たりでSPTをも粉砕出来る無双モードに‥。ただし発動限界時間は長くなく、終了すると必ず冷却モードへ以降するというリスク付き。でもこれが直接ピンチに結びつく様な展開は全編を通して1回くらいしか無かった様な‥(汗)


第26話「時は流れた!」からは衝撃の展開が待っています。
{netabare}
3年の時を経て‥

前半のハードSF的な世界観から雰囲気はがらりと変わり、洋画「※aマッドマックス」、というよりは「北斗の拳」的な世紀末バイオレンスアクションな作風に‥‥「誰か! 説明してくれ!!」

敵役として登場するル・カイン閣下などは外見的な特徴も含め、※b南斗聖拳の達人と見紛う姿。白鳥を思わせる豪奢なコスチュームを身に纏い、額にサークレット、両肩にプロテクター、片手には乗馬用鞭という出で立ち‥。演ずるは同年同時期に放映されていた「北斗の拳」のレイ役の故・塩沢兼人さん。ファンの方ならば華麗なる閣下の振る舞いに酔いしれる事でしょう‥。

一方主人公のエイジの変わり様もスゴい‥。前半ではパイロットスーツの姿しか殆ど拝めませんでしたが、時流れれば赤シャツにGパン、Gジャンルック、そして当然の如く膝パッド。両袖には鋼鉄製トンファーを隠し持ち、武装警察、発狂サイボーグを相手に回し、我流拳法で縦横無尽の大暴れ。顔もちょっとケンシロウ化している‥。一体どうなっちゃったんだ‥このアニメ? と思うも束の間、グラドスによる地球統治、レジスタンス、聖女、敵味方に分かれてしまった旧友との再会、確執など、矢継ぎ早に提示される謎、訳の分からない状況や言葉が画面上から次々と飛び出すものだから、見ないわけにはいかない気持ちに‥。

この混沌とした世界の中で、悪鬼と形容してもお釣りが来そうなアニメ史上最も救い難い悪役達かも知れない、破壊と殺戮を好む一触即発チーム"死鬼隊"も登場します。サイボーグのゴステロをリーダーとするならず者戦闘部隊。どいつもこいつも見ているだけで気分が悪くなる様な面々ですが、性格の破綻振りが突出しているゴステロの生き様には一見の価値があるかも知れません。敵であろうと味方であろうと、全て利己的な理由から分け隔てなく殺害し、横恋慕した相手に殺戮の喜びを語り、拒絶されれば逆恨み。他者の善意も自らの悪意の原動力に‥。後半のエピソード「ああ、ゴステロ」で退場?するまで"死んだと思っていたら実は生きていて"を繰り返し、物語の要所要所に顔を覗かせては暴虐の限りを尽くします。序盤グラドス軍での階級が大尉なのが今もって謎。この男、メインキャラを完全に喰ったキャラの立ちぶりから、一部のファンから「ゴステロ様」とか「ゴステロ大先生」とか呼び習わされ、親しまれているそうです。なんてこった‥(汗)怪役を完璧に演じ切った広瀬正志さんには尊敬の念を抱かざるを得ません‥。

後半では登場ロボットも様変わり。リアルロボット系からスーパーロボット系への転身というべきか‥特に上述の死鬼隊の乗り込むロボがとんでもない事になってます‥。武装の名称を挙げればその禍々しさが自ずと分かるかも知れません‥。ブロークン・ネイルにレーザー・バズソー、ハード・コーンにスクイーズ・アーム、そしてスネークドリルに火炎放射器。住む世界間違ってるんじゃなかろーか? 人もロボも(笑)

※a:核戦争後の荒廃した世界を舞台にしたアクション映画。悪役として仮面の男とかモヒカン男とかが登場する。

※b:「北斗の拳」の主人公ケンシロウの使う北斗神拳の対極にある、陰と陽で言うと陽に当たる派手な技の目立つ拳法。
{/netabare}
物語について、前半では米ソ冷戦の延長上の世界を想定した地球人同士の対立、、後半ではグラドス人創世の秘密、異種族間の抗争と融和への道など、壮大なテーマが描かれますが、どれも大味感が否めなく、むしろそれよりも印象に残ったのは、前半の宇宙逃亡劇のスリリングさ、全編を通して描かれた愛憎劇であった様に思います。でもオゾン層破壊ビームとか、ドリルとか、宿敵打倒トレーニングとか、インディジョーンズとか、ゴステロとか(笑)変なものがそれらにごった煮にされているので、特に後半はそっちの要素ばっかり楽しんでいた様な‥。結局の所、アクションシーンとキャラで魅せる娯楽作品という評価に落とし込むしかありませんでした。

残念なのはこのアニメ、※3打ち切り作品なので、37話~38話までの繋ぎの展開が全く描かれていません。いつの間にか最終局面に‥初見の方はさぞがっかりする事でしょう。でも御安心あれ。お話は総集編OVA「蒼き流星SPTレイズナーACT-III 刻印2000」にて一応補完されています。視聴後、気になった方はそちらで真の最終回をご確認下され。

音楽について、劇中音楽については全て故・乾裕樹氏によるもの。名作「装甲騎兵ボトムズ」シリーズの全ての楽曲を担当された方としても有名。ジャズ~フュージョン、クラシックなどバリエーション豊かな曲調が耳を楽しませてくれます。V-MAXのBGMはわたしの様に※4スパロボからこの作品に入った者としては特に感慨深いものがありました。やはりオリジナルはカッコイイ!

80年代の某男性アイドルグループの歌声を髣髴させる「そ~ら~に~あおいりゅう~せ~い~♪」の導入で有名?な主題歌「メロスのように -LONELY WAY-」の流れるOPムービーも注目どころの一つ。歌の途中に本編のハイライトシーンが挿入される演出が妙に楽しいのです(笑)OP、EDとも歌詞が軽薄だな~と思えば目にした名前は秋元康。まぁ、こちらには目を瞑っておきましょう‥(汗

前半と後半で全く異なる作風、一粒で二度美味しい? 作中人物の「脳が痛ぇ」とかの台詞による精神汚染の危険もあるけれど、強烈な印象を残すロボットアニメ(主に悪役のおかげで)を御所望なら「蒼き流星SPTレイズナー」勇気を出して観てみるのも一興かも‥?

「レディ?」


※1:人型戦闘兵器。全高10メートル前後。頭部がコクピットになっている。

※2:空中に散布することで、レーダーによる探知を妨害する金属片など。電波誘導のミサイルなどを回避する際に用いられる。

※3:提供の不祥事とか、プラモの売り上げの伸び悩みとかが原因らしい‥製作の責任では無いと思う。

※4:ゲーム「スーパーロボット大戦」の略称。ゲッターロボ、マジンガーZ、ガンダムなど、様々なアニメからロボットやキャラが登場する戦略シュミレーションゲームというか生粋のキャラゲー。SDながら再現度の高いロボ描写とか声優さんの熱演が楽しい。

※:レビュータイトルの"YouはShock!"は「北斗の拳」の主題歌「愛をとりもどせ!!」の第一声。文法的に変だけど細かい事を気にしてはいけない(笑)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

空に蒼い流星~♪(/°°)/ ̄ハィ♪ いや、それ彗星じゃね?(・・;)

(2013.8/22) 
80年代の作品を全然知らない・あまり観た事がなかったので名前だけ知ってるレイズナーを視聴する事に…

メカニックデザインが大河原邦男さん(ガンダムシリーズ、最近だと革命機ヴァルヴレイヴ)なんですね。それにしてもレイズナーのコックピット部分がオカッパにしか見えないwww

物語としてはSFに在り来たりな異星人vs人類という構図なんですが、放送当時の1985年は米ソ冷戦時代という現実(リアル)でも戦争が起こっている状況でした。その状況を上手く物語に組み込んでいるので「リアルロボットアニメ」と呼ばれているんですね。

全38話(打ち切りがなければ4クール?)の内、前半(1~25話)までは丁寧にストーリーが進んでいくので中だるみや急展開は無かったと思います。まぁ、エイジの「地球は狙われている!」と「○○先輩!」の台詞には笑ってしまいましたけどwww
酷いのは終盤の34話あたりから彗星の如く、話が飛び始めた事と{netabare}V-MAX{/netabare}の安売り状態が続き、いくら打ち切りとは言え伏線({netabare}地球とグラドスの関係{/netabare}と{netabare}レイズナーに隠された秘密{/netabare})が回収されなかったのは仕方ないとして最終話のストーリー展開は、どうなんだろう(-_-;)

OVAで補完されているようなのでレンタルか配信で気が向いたら視聴してみます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

VーMAX発動!!

サンライズアニメのいいとこ取りというか・・
メカは小さい、あくまで量産、テスト機、デザインがカッコイイ。ヤマハの某バイクと同じVMAXも強いのは最初だけ。でもシステムはかっこいい。マシンのボディはただの皮であくまでコンピューターが本体っての、当時は新しいですね。
さすがにいまの作品みたいにハードからの換装はしませんけど。
主人公がキリコと違ってチートじゃない。等身大でいいですね。

子供達が主人公だけど子供向けではない・・そりゃねZZあたりのほうが人気でますよ・・。
グラドスに漂着した地球人とのハーフの少年エイジが母星の地球侵略の阻止と融和のために奮戦する。前半と後半がありますが、後半はwwwまさにあのあべしな漫画wなにやってんだか・・
ストーリーは結構重い。
エイジ以外のキャラクターが薄いのがやはり高橋さんだね・・
ワンマンアーミーモノなのでいいんですけど。終始追い回すカッコイイライバルがいないのはやっぱりなんか好きになれないなぁ・・。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
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