ロリコンで仲間なTVアニメ動画ランキング 2

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74.5 1 ロリコンで仲間なアニメランキング1位
神様になった日(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (750)
2206人が棚に入れました
高校最後の夏休み、大学受験を控えた日々を送る成神 陽太の目の前に、ある日突然「全知の神」を自称する少女・ひなが現れる。「30日後にこの世界は終わる」そう告げるひなに困惑する陽太だったが、神のような予知能力を目の当たりにし、その力が本物だと確信する。超常的な力とは裏腹に天真爛漫であどけないひなは、なぜか陽太の家に居候することが決まり、2人は共同生活を送ることになる。「世界の終わり」に向けて、騒がしいひと夏が始まる。

声優・キャラクター
佐倉綾音、花江夏樹、石川由依、木村良平、桑原由気
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

神様の変容

酷評されてはいるが、一般人の感覚では十分楽しめる作品だったと思う。

聞くところによると、本作では「原点回帰」が目指されていたとか。
ゲームをしない自分は、Keyも麻枝准もよくは知らず、
アニメも「Charlotte」「Rewrite」くらいしか観ていないので
「原点」の意味するところは分からないのだが、素人の想像を逞しくすると
あるいは初心に帰って、シンプルで明快なテーマ性をもった人間ドラマを作ってみる、
そんな意図だったのかとも思う。本作には時間を生きる人間の自然な姿が描かれていて
幸福とは何かという、重要なテーマへのシンプルな答えも織り込まれている。

「麻枝准=泣かせ」といった予断を一旦クリアして
ごくありふれた、平凡なヒューマンドラマとして本作を観た場合、
一貫したテーマとして追求されているものが何であるかを考えてみた。


{netabare}ひな、陽太、伊座並さん。
この三人による恋愛コメディが展開される前半パートは
第五話の伊座並さん回で締め括られ、それに続く後半パートでは
ひなと陽太の二人に焦点が絞られるが、テーマ的な次元では前半部と連続している。

キーワードはおそらく、「変化」である。

前半部のひなは無闇矢鱈に周囲に変化をあおる存在だ。
世界の終わりが目前に迫っていることが直接の理由だが、
彼女自身、生まれて初めて普通の生活を手に入れることができた
その限られた時間を謳歌するためには立ち止まっていられないのだ。

ストーリーの軸となる恋愛では、子供時代からの固定した関係を変化させるに至らず、
実は陽太自身もそれほど強くは変化を望んでいなかったふしもある。
むしろそこから派生的に生じたエピソードに「変化」というテーマが濃厚に表れてくる。
ラーメン回などもこのギャグバージョンとして観られそうだ。
勿論、テーマが凝縮されているのは伊座並家をめぐる変化と再生の物語であって、
この第五話は後半への布石と見なすことができる。それは、この回で追求されたテーマが
後半部の陽太とひなの関係の中で再現されているからだ。
そのテーマとは、「苦しみながら変化を受け容れる」というものである。


後半、陽太は変わり果てたひなと再会する。

ひなを連れ帰るために自分たちのことを思い出させようとする彼の懸命の努力は
ひたすら空回りする。この部分のかなり誇張気味の描写が意図するものはおそらく、
まさに神レベルとも言える、ひなのドラスティックな変化を受け容れることができず、
逆に強引に元の関係を受け容れさせようとする陽太の苦悩の表出ではないだろうか。
本来の彼は高い受容性をもっている。それが時間の制限による焦りに加え、
ひなへの感情がすでに恋愛のそれに変わっていることから来る切実な想いが
この醜態を招いてしまっているように思う。


そして、陽太が強制的に退去させられる問題の場面。

ひなの記憶が戻るのはおかしいという点について自分はこう考える。

記憶が戻ったというのとは多分違うのだろう。
レビュアーさんの一人がいみじくも書いておられるように、
脳ではなく心に刻まれている感覚のようなものを想定してみたい。
記憶を失った人でも、特定の恐怖心などで以前の反応を示す場合があるように、
精神ではなく身体的な次元に残存する何かがあるはずだ。

このシーンが第九話の(反転した)再現であることに注意したい。
連れ去られようとしているひなを陽太が必死に追いかけようとした
あの時と同じく、陽太と引き離されて二度と会えなくなる不安をひなは感じていて
その時の恐怖と悲しみの感情がとっさに甦ったと考えられるのではないか。
だから、その同じ瞬間に陽太に対して抱いていた気持ちが同時に反復されて
「ようたすき。」という言葉がこぼれ落ちたのではないか。

「残ってたんだ、あの時の気持ちが。僕たちは今も想いあっているんだ。
 そんな気持ちもわからずに、そんな想いも僕は気づかずに・・・」

彼の自責の念は要するに、ひながとっくに彼を受け容れていたにもかかわらず
自分の方がそれに気づかずにいたということだ。だがそれも無理はない。
ひなにはもはや持続的な自我はなく、断片的な反応を示しているだけなのだから。
それでも、一個の人格の統合性は精神のみではなく、存在全体に関わるものである。
ひなは確かに、自分の存在のすべてを傾けて陽太を受容した。


記憶は失われても想いだけは消えずに残っていてほしい。
それはひなの最後の願いでもあった。
連れ去られる直前にひなはこう言い残していた。

「貴様と過ごしたこの夏は消えてなくなるが、今感じているこの気持ち、
 せめてそれだけは残っていてほしい。そう願うわしがおる。」

ここでさらにもう一つ、重要な要素がテーマに加えられる。
変化を受容すること。それが出来るのは、変わらないものがあるからなのだ。
そして、変わらないものを心に保つことは、さらに変わってゆくためでもある。
伊座並さん父娘にとってのお母さん、それから鈴木少年の束の間の学校生活。
それぞれがかけがえのない思い出を抱きながら変わっていこうとしている。
ひなにもまた、永遠に変わらない宝箱のような奇跡の夏の思い出がある。
作品冒頭で出会ったのは、それらの日々を回想しながら永遠の幸福感に包まれている
心象の中の現在のひななのだろうか。


人生の本質的な相貌である、「変化」の肯定。
これがヒューマンドラマとしての本作が内包するメッセージだろう。

無事帰宅したひなの変化を周囲は自然に受け容れる。
そもそも友人たちのほぼ全員が、直近に変化を経験している点がポイントだ。
陽太はさらに、ひなの変化をまるごと自分の人生に受け容れる決意によって
自分が変わるきっかけをつかむ。

だが、これは決して感動的な結末ではないように思う。
「奇跡は一瞬だから強く光り輝いて見える」とひなの父も言った。
神様ではなくなったひなには、この先の変化はもはや望めない。
陽太はその奇跡をもう一度起こすために自分の人生のすべてを賭ける決意をする。
これはある意味、ひなの父の予言が的中した事態とも言えるのではないか?
二人で夜景を眺めながら陽太がひなにかけた言葉は、ほぼ完全に
プロポーズになっていることに気づいてはっとした。そして見方によってはこれが
慄然とするような残酷なエンドであることを改めて理解したのだ。

終末の風景の中にただ二人だけがいて、荒涼とした世界と向かい合っている、
映画のこのエンディングは、二人の未来を暗示しているようにも思える。
あるいはゲーム原作者らしく、二つのルートのエンドを並置してきたのだろうか。
だとすればこれがこの作品の本当のエンドだと言っていいのかも知れない。
{/netabare}

(初投稿:20021.1.8)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 21

御宅 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

何をしたかったのだろうか

この作品はあまりにも物語が逸脱しすぎていて、何がしたかったのか皆目見当がつかなかった。突然にして分かる主人公とヒロインの恋愛関係であったり、伏線臭を漂わせていた発言などは一切回収せず、「ヒロインは何者なのか」といったところがおざなりになっていた。また、キービジュアルにも使い重要人物臭を出しておいたハッカーがシリアス回の駒役というありさま。

ギャグ、シリアスの両方ともに中途半端。

麻枝さんの脚本はもう厳しいと思います。10年前から言われているように、麻枝さんに関しては曲だけ制作していてほしい。曲だけは本当に素晴らしいです。

キャスト陣も役柄に合っていないような感じがしました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

君には期待してない

ある夏の日。突然「30日後に世界は終わる」と告げる一人の少女が現れてのすったもんだ。
こういったへんてこなツカミは大歓迎。多少アニメを観てる層にはおなじみの『KEY×P.A.WORKS』のゴールデンコンビ。独特なクセの強さにハマるとこのコンビが翼くんと岬くんに見えてくるわりと業界でも成功しているカップリングでございます。
当然のように2020年秋期を牽引することを期待されてた作品だったといえましょう。


さっそくの結論。感想は“つまらない”であり、端的にその理由を述べると主人公がダメ。
その前提で以下長々と失礼します。


keyはわりとプロトコルがきっちりしていて前半のドタバタとおおむね3分の2終わったあたり(8話近辺)での超展開。救いなさげなネタを投じてからのやや前向きな内容で終幕。音楽は独自性ありで映像は綺麗。演出面で秀でてるなと感じるところ。
今回も手順は同様でした。悪い意味ではなく、笑点をマンネリだと眉を上げないのと一緒です。

そのため過去の自身の立ち位置が参考になります。これまでの評価は以下

 クラナド3.9
 アフター4.6
 kanon 3.9
 Air 4.2
 AB 4・0
 シャーロット3.9

面白い/普通の分水嶺を4.0に置いており多くがボーダーライン上なのです。アフターストーリーが突出してプラス。見方を変えればムラがないともいえる実績。
完走し良いほうに転ぶと前半のドタバタ劇は「あの時は平和だったよね」となり、パッケージ全体で落ち着くところに落ち着くのですが今回はそうはいきませんでした。
高い要求レベルを求めるとそもそもクールで一つはある4.3点以上の評価に届かないKey作品群。

 共通する弱みはなにか?

尺不足だと考えます。閉じてない群像スタイルの合う作風でキャラの増加は妥当。超展開を支える骨子の説明に時間を割くのも妥当。
そうするとどうしてもキャラの深掘りはできず説明不足に陥ります。ただしこれは構成上やむを得ない二律背反。超展開止めたらそれこそブーイングの嵐でしょう。工夫は見てとれ、尺を使うキャラの“心情掘り下げ”よりも、キャラの持つ“クセの強さ”でのインパクト狙いにやや軸足置いてますよね。

充分すぎる尺をとった『CLANNAD』や1クールなら登場人物を絞り気味だった『AIR』の評価が高いためより一層そう思ってるところがある私です。


 キャラの心情描写に期待してない
 1クールでそこそこまとめてくるだろう


そんな高すぎない私の期待値すら下回ったのは、ひとえに主人公陽太くんのキャラクター性に負うところが大きい。これは好みではないかと。
私が嫌いなタイプ

 {netabare}やる気のある無能{/netabare}

そのまんまでした。花江さんこういうのやらせるとほんとに上手ですよね。さらにさらに、好き嫌いはしょうがなくても作品評価に直結してしまったのには別の理由があります。

それは大黒柱の性格。好き嫌いじゃないですよ。これまではいくらメイン/サブ問わず歴代ヒロインがぶっ飛んでいても、♂は堅実に狂言回しするタイプを配置してたんだと思います。

【歴代♂】
 岡崎朋也(CV中村悠一)
 国崎往人(CV緑川光)
 相沢祐一(CV杉田智和)
 音無結弦(CV神谷浩史)
 乙坂有宇(CV内山昂輝)

下衆いの一人{netabare}(乙坂くん){/netabare}混ざってますがそんな彼すら当時それほど気にならなかったのは、みんな一歩退いてたり、やや皮肉屋だったりどこか冷めてるところが共通していて既視感があったから。
それが本作では前に出てくるタイプへと変貌を遂げて、バランス崩壊の決定打となりました。

いくら「そう来るか!」のびっくり要素がきても
終盤の泣き要素をかぶせてきても


※ネタバレ
{netabare}ひと夏の恋で廃人の人生を背負うと決意し行動するのが意味不明。{/netabare}
{netabare}ひな父のスタンスが至極真っ当できちんとそういった人も描けているのにどうしちゃったんだろう?{/netabare}


茶番劇にしか見えなかった此度のKEY×P.A.WORKSでした。
プロトコル変にいじっちゃって途端につまらなくなっちゃった例になるのかしら。
おそらく大喜利の特番なんかで座布団運びを山田たかおじゃないアイドルにやらせちゃったことで感じる「コレジャナイ」感に近しいもの。
なんだかんだいつもながらの壮大なマンネリを強く期待してたのは私だったのかもしれません。



※ネタバレ所感

■強く擁護する

腹を抱えて笑いました。牛乳飲んでる途中でなくてほんとよかった。

{netabare}第4話麻雀回。
「二色同順」「ドラ隣」「途中まで通貫」「喰い七対子」で腰を抜かす。
アガられるか?のピンチでスキップとリバース。UNOかよ!
やってることは無茶苦茶でルールを無視したゲームは成り立たないのは承知の上で、「二色同順ドラ隣ドラ隣(2300点)」でドヤられたのが心地よかった第4話でした。{/netabare}


■絆(余談)

10年前に感じた嫌悪感。覚悟無き善意の押しつけと言ったら妥当だろうか。

{netabare}奪還するために施設に乗り込むのは構わないんですけど、普通なら施設で療養を続けるべき事案です。
そんなのを超越する情が芽生えるにはひと夏の恋で説明するには強引と思うのは既述のとおり。
後日譚が描かれることはありませんしできません。単独での介護は不可能で必ず家族を巻き込む未来が見えてます。仕事の選択も限られるし仕事中誰が面倒みるの?とかそもそも高校生は養うための収入がありません。子犬を拾ってきてもおかんに「誰が世話するの?」となるわけだし、おかんに怒られるかもと拾う時に迷うものですが、そんなの描いてたら成立しない物語となってます。

リアリティはないし、ファンタジー路線ですら寓話にもならないんですよね。
キャラクターの弱みがもろに出てました。繰り返しますが“やる気のある無能”なんです。10歳満たない子供が同情心から衝動的に捨て犬を拾うことはあるかもしらんし、「毎日僕(私)が散歩に連れてく!」くらいの言い訳は用意するだろうに、それすら微塵も感じさせない高校生というのが自分には致命的でした。しかも犬ではなく人間だもの。

これは覚悟無き善意の押しつけです。
覚悟の定義にもよりますが、気合だけで思慮のない浅い行動をとることを覚悟とは言いませんよね。考えた形跡がなくヒロイックな気分に浸って酔ってるようにしか見えませんでした。{/netabare}


さらに10年前ということで刃をあなたにも突きつける。


{netabare}「絆」「私たちにできること」という機運が生じた10年前。
震災がれきの受け入れを拒否した人少なくなかったですよね。測定して数値がほぼゼロだったと言おうががれき撤去が進まず復興が進まないと言おうが、測定値が信じられないとか漠たる不安とかやらない理由をあげつらった善意の市民。
当時の東京都知事石原慎太郎が四の五の言わず「受け入れる」と決定したのに反感をもった方々もまあ同じ穴のナントカでしょう。文句言うだけの楽な商売です。某体操選手が言ったように「どうやったらできるかを考えてほしい」の数段前にいながらこういうのに限って似非ヒューマニズムをまき散らす。非を認めず他に責を求める。ついでに感謝の意を示さないと怒る。なんで被災した身ながらお前らの感動ポルノに配慮しなきゃいかんのよと思いましたね。
いまさら掘り返して怒る気もないし、日本全国動揺しまくってた時期だとの情状酌量もあるので「当時私はそう強く思ってた」というそれ以上でも以下でもないです。{/netabare}


同情が欲しいわけではなく関心寄せるなら適切な行動を取ってくれという事案。
身近なものなのに身近なものとして捉えることを拒否したアニメ作品と身近なものになった途端逃走した現実の出来事。
災難だったり不幸を目の前にして当事者意識がないのは一緒なのですよ。


プロトコルの変更(主人公♂)で生じたメッセージ(善意の押しつけ)への非共感で沈んだ一品です。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2021.01.31 初稿
2021.09.28 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 57

62.4 2 ロリコンで仲間なアニメランキング2位
HAND MAID メイ-ハンドメイド・メイ(TVアニメ動画)

2000年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (81)
442人が棚に入れました
ドラえもんのような「知能を持ったロボット」を生み出すことを目標に研究に励む、学生・早乙女和也の元に、とある事情で1/6サイズのメイドロボットである「サイバドール・メイ」が送られてくる。メイは、高い知能と人間と変わらない外観を持っており、住み込みメイドとして和也に尽くすことを自分の任務としていた。
一方、和也の下宿先の大家の娘・谷かすみも和也に恋心を抱いており、メイが和也と同居することで次第に関係が深まっていくことに複雑な思いを抱くようになる。物語が進みメイが人間と同じサイズとなると、メイ、和也、かすみの関係は本格的な三角関係になる。
また、人間とロボットの関係がどうあるべきかということが本作品のテーマとされているが、和也は人間とロボットを平等に扱うことを信条としているため、この三角関係も複雑なものとなっていく。

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

パンチラお色気たっぷり

ドラえもんを作りたい!と言い切る主人公早乙女和也くん。
普通パロディなら名前をもじったり、モザイク処理したりするが、キムシン監督大丈夫か?と心配になってしまいます。

ドラえもんと出したからのび太を想像しがちだが、この主人公はきっとキテレツくんだと思うのだ。
イカリヤというイカ型ロボットを作ったので、コロ助っしょ!
それでああっ女神さまっの螢一のようにお人好しなので、多数登場するメイドロボットに好かれてのパンチラお色気たっぷりのドタバタハーレムラブコメになっていくのだ。
主人公のライバルというか、勝手に何かしら突っかかってくる南原というのがいるが、最初ウザいんだけど実はいいやつなんじゃね?だったりで、そういうのは好きです。

このアニメはやはりパロディ多いかな。
気づいただけでも快傑ズバット、ゴレンジャー、エースをねらえ、ベルばらと…

話の途中からヒロインのメイドロボットが等身大になってしまって、1/6サイズのままだったら武装神姫であったのにね(笑)である。

余談ですけど、あの花で売れっ子になった長井龍雪氏が制作進行をしてます。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

JBさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ただのロボと侮るなかれ・・・

全11話とちょと1クールに満たない話数ですが
しっかりまとまっていると思います。
内容としてはラブコメハーレムですが、思いやりとか思い出といった
心に通ずる物が、いかに大切な物なのかが、
描かれていて本編ラストはちょと感動できました。
そして、最後にぽろりと明かされる内容はさらりとイイ雰囲気で流されますが、
よくよく考えると・・・それって・・・
えええええええええええええええ!!!Σ(゚Д゚;)ってなりましたww

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ロボットとメイドさんにはいつだってメイっぱいの夢と希望がある

客観的に見れば、一昔前の美少女アニメです。
正直言ってキャラクターの萌え要素は今の方が洗練されていて可愛らしいです。

しかし「HAND MAID メイ」にはこの頃のアニメ特有の魅力があります。
それは、萌えアニメでありながら熱いキャラクター達とワクワクするストーリーを兼ね備えているところです。
男性キャラクターの活躍もしっかりと、ストーリーの中心となるテーマもブレずにしっかりと。そこらへん制作者のこだわりが感じられます。
がっしりと心を掴まれてしまったため長々と愛を綴ります。


・キャラ、キャスト
{netabare}
主人公である早乙女和也はPCをいじるのが大好きな大学生。
彼の夢は「ドラえもんのようなロボットを作ること」。
単に美少女ロボットが好き、というわけではなく、ロボットと人間が分け隔てなく接することができる未来を夢見る青年なのです。
声優の山口隆行さんにはあまり見覚えがありません。でも、主人公として遜色ない演技でした。
彼が愛するロボットのために奮闘する姿を見て、並々ならぬ情熱に涙します。


和也と同じくらい熱いキャラクターとして、彼のライバルである南原耕太郎が挙げられます。
とにかく和也をライバル視し、事あるごとに妨害を働きます。また稀代の変人なため毎度派手なリアクションをかまし、主人公を食ってしまうほど存在感があります(笑)
しかしライバルを自称するだけあり和也に劣らぬ熱いハートがあります。
ピンチのときにはカッコイイ男、ナイスガイです。
声優が上田祐司(現:うえだゆうじ)さんということもあり、色んな意味で忘れられないキャラクターになりそうです。


そしてメインヒロインであるメイちゃん、素晴らしいのです。
主人である和也を慕いながらも好意は密やかに胸の奥にしまっておく。そんな奥ゆかしさがまさにメイド愛だと思います。(視聴者サービスのお色気シーンや設定にはあざとい所もありますが)
OPの一カット、口づけするふりをして誤魔化すシーンが二人の関係性を上手く表していて、秀逸!
ロボットのはずが段々と感情に目覚めていき、自分の気持ちを抑えられなくなるメイちゃんに激しく萌えます。
山本麻里安さんの声には賛否両論あるかもしれませんが、個人的に激しくツボです。というか、山本さんがメインヒロインってだけで満足です。


メインヒロインの一人、谷かすみちゃんも外せないです。
長らく隣に住む和也の世話を焼きながら、積み重なっていく想い。
一人称が「ボク」であるのでまだあどけなさがあり、和也へ異性としての接し方ができず悶々としています。そこが可愛い。
ロボットであるメイを対等な関係として、恋敵として認める姿勢にも惚れます。
まだ新人であった頃の高橋美佳子さんの声がなんとも微笑ましいです。上手くないけどもしっかりした個性は既にあったんですね。


なんと、釘宮理恵さんも出演なされているではないですか!!
今まで全く知らなかったもので、声が聴こえてきた瞬間驚きました。
レナちゃんです。ポジションでいえば妹だと思います。
わがままで甘えんぼ、そんな自分を受け入れてくれる和也を慕う姿が可愛らしいです。
一度泣きだすと超音波を発生させる・・・なんてくだりはパロディが含まれている気がします。
既視感はありますが、釘宮さんのパワーで個性際立つキャラクターです。


あとまあ、キャラクターとしてはあまり好みではありませんが、
女性陣に氷上恭子さんや南央美さん、井上喜久子さんに荒木香恵(現:荒木香衣)さん。男性陣に三木眞一郎さんや神奈延年さんなど。
豪華声優陣と名乗っていいキャスティングです。
{/netabare}


・作画、音楽
{netabare}
作画は当然粗さもあります。
しかし、雑な仕事ぶりは感じられません。
少なくとも後年のTNKの作画よりは綺麗かと思います。
また、意外なほど大人しいキャラデザなので今見ても抵抗は少なかったです。

音楽も萌えを意識した感はさほどなく、爽やかささえあります。
コメディとシリアスを使い分けた多彩なサントラでした。

OP「JUMP〜メイっぱい抱きしめて」はほんと、夢がある歌詞とワクワクする音楽、名曲です。
ED「ほんとの気持ち」は、まだ高橋さんの手馴れていない頃なので生暖かい目で見ていました(笑) 主題歌歌っていたこと自体知らなかったので、これは黒歴史だったりするのでしょうか。
{/netabare}


・ストーリー
{netabare}
そもそも萌えってただ「可愛いから愛でる」ものとは違うと思っています。
萌えは燃えのごとく、心のときめきか魂の震えか、そういった情念の表れなのです。
美少女が主人公と苦難を乗り越え心を通い合わせる、その熱いストーリーに一喜一憂しつつ美少女の虜になるのが萌えだったのではないか・・と思うのです。


HAND MAID メイはそんな古き良き萌えを感じさせてくれる、主人公の早乙女和也とハンドメイド(手のひらサイズのメイド型アンドロイド)のメイによるハートフルコメディです。

メイドさんとのドキドキ同居生活というのも楽しみですが、
意思疎通の出来る人型アンドロイドという未知の技術や機械に心が宿るという夢物語に心躍らせられる、近未来SFという側面も見所です。(イヴの時間のような)


作中でも明言されている通り、『ドラえもん』をオマージュしたような節があります。
それはキャラクターではなく、設計思想とでもいうべき「なんでも出来る未来」の可能性を描いた点です。

ドールと人間で力を合わせて困難を乗り越えていくのが一番の肝ですね。
1話の些細なトラブルから出会いが始まり、10話で不思議な運命が判明する流れもなんだかドラえもんっぽいです。


2000年・・・インターネットを通じた近未来への夢と期待にあふれた時代を感じさせます。
今は実際にこの頃思い描いていた夢のような技術が着々と実現させられている一方、人々の未来への夢や希望が薄れていっている気がしてなりません。
なんでも現実的になったせいで逆に夢を見ることが難しくなったとでもいいましょうか。
今一度この時代を振り返って、夢を見る素晴らしさを思い出すのも良いと思います。
{/netabare}



と、これはダメなレビューだ・・・・・。
でもどうせ当時見ていた人達は忘れているだろうし、今からこれを見ようなんて変わり者も(自分を除いて)いないでしょうから、ぐだぐだの褒め殺しでもいいやと開き直ります。
改めてこの頃の美少女アニメが好きだな!と再認識しました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3
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