仮想世界でA-1_Picturesなアニメ映画ランキング 1

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65.2 1 仮想世界でA-1_Picturesなアニメランキング1位
ガラスの花と壊す世界(アニメ映画)

2016年1月9日
★★★★☆ 3.6 (204)
1032人が棚に入れました
原案は、新進気鋭の創作ユニット「Physics Point(フィジクスポイント)」によるシナリオ&イラストレーション作品『D.backup(ディー・ドット・バックアップ) 』。2013年に募集された「アニメ化大賞 powered by ポニーキャニオン」の大賞作品。

声優・キャラクター
花守ゆみり、種田梨沙、佐倉綾音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

お話以外は大変素晴らしかったのですがお話が最悪・・・;

ポニーキャニオンのアニメ化大賞を受賞した2人組創作ユニット、Physics Pointの『D.backup』を原案にしたオリジナル映画
2015年冬の時点で企画が発表され、2015年10月の東京国際映画祭の時点で試写会は開かれていたので結構制作に余裕はあった模様
上映時間は67分
既にアメリカでの公開も決まっています


キャラデ原案はカントク、脚本は志茂文彦、そして監督ははましーこと石浜真史
総作監は瀬川真矢、平野絵美、川村敏江(女神)
メインキャストは花守ゆみり、種田梨紗、佐倉綾音のぽにきゃんお抱えの3人


人類の歴史を様々な時代や地域別に記録した人類と地球のバックアップデータを保存する「知識の箱」という装置の中でアンチウィルスプログラムとして存在するデュアルとドロシーという名の二人の少女
彼女達の日々は知識の箱を監視し、保存されたデータを一つ一つ解凍してはウィルススキャンをし、必要であればウィルスに汚染されたデータを圧縮、削除する
そんな彼女たちの前に、ウィルスに襲われ記憶喪失となった少女、リモが現れた・・・


ざっくり言って【プログラム擬人化SF】です
ぽにきゃんやはましーとしては、ターゲットを男性客に絞りたい、という思惑から登場人物は美少女オンリーになったそうです
キャラソンに合わせて料理や洗濯をしたり、お菓子を食べたりするシークエンスは日常系深夜アニメのような描写でした


プログラムの世界の、擬人化されたプログラムの話、なので会話の中では「トロイ」「デッドロック」「ヒューリスティックエンジン」等のIT用語が平然と飛び交います
さらに今作のキーワードとなる「Violet Operating System(ViOS)」「mother.exe」といったオリジナルの専門用語が唐突に出てきたりもします


また、‟バックアップデータを解凍して復元された仮想の世界”と‟その上層にあるデュアル達の日常がある世界”が場面転換と共に突然切り替わったりもします
(こーゆーのは映画『インセプション』かTVアニメ『アルペジオ』の最終回が個人的には思い浮かびますね)
このような構成には頭が着いていかないよ!って方にはまずオススメできません


で、ぶっちゃけ露骨に肌色多めのあざといキャラ描写だろーと、IT用語のキャッチボールで素人置き去りだろーと、その辺一切を目ぇ瞑ってもこの作品、オイラとしては全然評価出来ないんですわ;


リモが終盤に言う「綺麗なもの」が結局なんだったのか提示されてないんですよね
「ガラスの花」という外観と「意思決定しない人間」というワードでしか提示されてない
具体的にどんな人間がガラスの花たるのか、それを明示した方が良かったでしょう


それにデュアルやドロシーはウィルス扱いされた人間こそが=綺麗なものだとリモを否定しにいかならなければならないはず
スミレやドロシーの家族こそが=綺麗なものだと反論すべきだったがそれをしなかった
(二人の最後のセリフが視聴者に回答を委ねるという暗喩にはなっていましたが)デュアルとドロシーは、本来見つけ出すべき回答に辿り着けてはいないので、テーマに対して未完結であると取れます


それにダイアナが「mother.exe」を作った理由が「娘のような存在を増やさぬため」とか言っちゃてるけど、娘に何があったのかは示唆されてない
まあ娘には不幸があったんだという暗喩がこのセリフ一つに込められてるんだろうけど、ダイアナ博士を擁護する描写が何も無いから結局「mother.exe」を作ったダイアナこそがトンデモサイコ博士だったという結論になってしまう
「mother.exe」が勝手に暴走しただけで人類滅亡はダイアナの予想の範囲外だった、とか一言付け足せばダイアナは救われるのにね


そんなこんなであのバットエンド?です
こんなに救われないアニメは中々無いw
なんでもセリフで説明すればいいってものではありませんが、流石にあの観終えた後の胸糞悪さは何なんだホント;


そう、お話がダメダメなだけでその他の点、特に画作りは申し分ないんですよ
髪や瞳にハイライト入れまくってカントクさんのキャラデを再現しようとするスタッフの努力は凄い
女神こと川村敏江さん降臨しまくってる
キノコ雲を伴った爆発のエフェクトやべぇ
バックアップデータを3人でチェックしていく世界旅行のようなシークエンスでは唐山大地震やハリケーンカトリーナの被災地を出したり、アルプスやエアーズロックなどの大自然を背景画、音楽などと共に世界の残酷さや美しさとして魅せてくれる
この辺りは素直に魅入った


でも事前の期待も大きかっただけに、これはちょっといただけないってのがオイラの率直な感想です
本来ならば「短いなりによくまとめた」という言葉を掛けたいのですが【なんせまとまってない】
泣いてください!というラストなんだけど泣けるとこまで持ってけてない
男に媚びたキャラ作りやキャラ描写が余計にシリアスなシークエンスへの感情移入をさせづらくしてる
脇がいちいち露出するポージングとレイアウトを選んでるのはあまりに露骨過ぎて正直退く
ドロシー(あやねる)がウザイ・・・のはまあ逆に魅力か(笑)
原作の「d.backup」はいくらでもアレンジ出来そうな感じなのでもう一度作り直してみてはどうだろうか?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

終盤駆け足過ぎてちょっともったいない感じ

初日舞台挨拶行ってきました

作品を観ようと思ったきっかけは
去年の夏に君嘘のオールナイト一挙上映を観に行った時でした
新宿バルト9の入り口のところに特設コーナーがあって
そこでイメージソングのセンダンライフにのせてPVが流れていました

キャストに種田氏&あやねる
音楽に横山克
アニメーション制作A-1 Pictures
これだけ君嘘と共通項があれば
徹夜で君嘘を観に来る層なら
きっと興味を持つに違いない!
っていうバルト9の策略に見事にやられました
同時にセンダンライフが耳から離れなくなったので
帰ってすぐ公式サイトで前売り券付のCDを買ってしまいました
結局前売りの効かない舞台挨拶に行ってしまって
前売り券はまだ手元にあるんですがw

元々はアニメ化大賞 Powered by ポニーキャニオンの大賞受賞作
数千作の応募の頂点に立ったという事なので
ストーリーはそれなりに練りこまれたものだったはずですが
60分でそれを表現しきるっていうのは
なかなか簡単なことではなかったみたいですね

日常系アニメ的なかわいらしい女の子の描写と
終末世界を生き抜くかっこいいセカイ系バトルアクション
この二つの両立がこの作品の柱だと思いますが

カントクキャラデザの魅力的なキャラクターを
日常シーンでかわいく映すことに関しては
一切の文句なしに成功していました
だから中盤{netabare}の家族ごっこしたり
自分探しの旅をしてるあたり{/netabare}はとても良かったと思います
カントク絵の女の子たちが魅力的にアニメーションするってのは
これだけでもお金払って見に行く価値はあるんじゃないですかね?

それに対して戦闘シーンはよく動いてはいるものの
今一つインパクトに欠けるというか
この作品ならではと言えるような売りが見当たりません
アンチウイルスソフトとウイルスとの戦いを擬人化
というアイデア自体は中々面白かったと思うのですが
武器の形状にその片鱗が見られる程度で
攻撃手段がそこら辺の魔法少女アニメと代わり映えしません
そしてバトルフィールドもどっかで見たような異空間が中心で
なんか勢いでごまかしてる感が拭えません
TVアニメなら及第点かもしれませんが
残念ながら今の劇場アニメに求められるアクションは
もう1段階上のレベルにあります

ストーリー展開についても
中盤までに少しづつ謎を撒いていって
終盤にそれらを一気に解決させるという手法は
それ自体間違ってないと思いますが
あまりにたくさんの情報をラスト付近に一気に詰め込みすぎです
緊迫したシーンの合間に無理やり説明を挟んでしまうと
どうしても間延びした印象を受けてしまいます
しかも、それだけやって詰め込んでも
結局どうしようもなく説明不足なので
この情報の渡し方自体が破綻しているんだと思います

これは小説原作のアニメでよく見られる失敗です
活字で受け取る情報は多少複雑であっても
読み手一人一人が自分のペースで情報を咀嚼し
時には前に戻って確認しながら進むことができますが
アニメーションでなおかつ劇場版ともなると
同じだけの情報量があっても整理が追い付かなくなってしまいます

以下多分にネタバレを含みます
{netabare}
そもそも一番まずかった情報の出し方は
告知段階で人類滅亡後というところまでネタバレしてしまっている点
劇中キャラクターたちがそれを前提として動いているならともかく
物語開始直後のデュアル達は自分たちが人間の指示でウィルスと戦っているつもりです
視聴者達にもそういうふうに錯覚させておいて
実は人間は既に滅亡していました!
とやったほうがわかりやすいサプライズになったと思います
月並みな設定ではありますが短時間のアニメでやるなら
それくらいわかりやすい方が受け入れやすいでしょう
滅亡理由に関して物語の核心に近い設定もあるわけだし
ここをうまく料理すればもっと違った物語の魅せ方ができたはず

リモに関してもすみれの孫娘のリモーネが
名前の由来になっているんだろうな
・・・と思わせるミスリードで
実はマザー・リモートの略称でした
というのが本作の流れなわけですが
ミスリード部分の描写が弱すぎて
人によってはミスリードされていたこと自体に気が付かないのでは?
すみれが英語でヴァイオレットなことも
ギミックの一部なんだからもうちょっとはっきり伝えないといけない{/netabare}

素材は抜群にいいのに調理段階でひと手間間違えた
というのが正直な感想ですね
もうちょっとうまく料理すれば傑作になり得た惜しい作品でした

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「セカイを復元する。「知識の箱」の少女たちの物語。」

この作品は2016年に公開された作品です。
何でも2013年の「アニメ化大賞 Powered by ポニーキャニオン」の大賞受賞作品を基にしているんだとか…

キャストを見てビックリしましたよ。
ゆみりん、種ちゃん、あやねる、かやのんってどんだけ最強布陣なの^^?


2100年人類滅亡!?

色とりどりの光がきらめき浮遊している無重力の空間…「知識の箱」。
デュアルとドロシーはそこで敵と戦っていた。
敵、それは世界を侵食する存在…ウイルス。

ウイルスに汚されてしまったデータは消去しなければいけない。
それが彼女たち「アンチウイルスプログラム」の使命だった。

「知識の箱」には、地球上のあらゆる時代やさまざまな場所が記録(バックアップ)されていた。
そのデータを収集している存在こそが「マザー」。
「ViOS」というこの世界をつかさどるシステムの中で動いている環境管理プログラムだった。

あるときデュアルとドロシーは、ウイルスに襲われているひとりの少女を救う。
「リモ」と名乗る少女は記憶のほとんどを失っていた。
デュアルとドロシーは、リモの招待を探すために、この「知識の箱」をめぐりはじめる。

「マザー」の真意とは? ウイルスがなぜ発生するのか? リモの正体とは?
…旅の果てに少女たちは真実を目撃する。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

物語の舞台は「知識の箱」という電脳の世界で、デュアルとドロシーは知識の箱の中に時折発生するウイルスを殲滅・消去する役割と使命を受けており、そしてある日リモが知識の箱の中に迷い込み…物語が動いていきます。

世界中の色んな場所が出てきますが、これらは全て知識の箱の記録を見ているに過ぎず、彼女たちが現実の世界と行き来している訳ではありません。
でも、予めその様に頭にインプットしておかないと、この設定を忘れちゃいそうになるんですよね^^;

序盤におけるウイルスとの戦闘は、「ゆゆゆ」と「まどマギ」の戦闘シーンから重力を差し引いた後、足して2で割った感じ…
既視感ゼロではありませんが、決して悪くはありません。

そしてキャラ…
アニメーション制作会社がA-1 Picturesさんということもあり、本作でも良い仕事をしてくれています。
キャラデザは綺麗で作り込みも丁寧で、激しく動いても殆ど乱れることはありません。
何よりキャラデザが可愛い…

しかもこの作品を視聴して気付きましたが、ゆみりんのwikiのプロフィール欄に抱き枕を抱えた写真が掲載されていますが、ゆみりんの抱えている抱き枕のキャラが本作に登場する「リモ」だったんです。
この様な繋がりが知れるのは個人的に嬉しかったり…^^;

一方、物語の方ですが「プログラムに感情は要らない」の1点張りだったデュアルとドロシーが、リモと一緒にいるうちに少しずつ感情が備わっていくのが感じられるんです。
デュアルは、感情にそれほど抵抗感は無いみたい…
一方、ドロシーは感情の受け入れを頑なに拒んでいた節がありましたが、3人一緒の時間はそんな冷え切った思考を甘やかに溶かしてくれたみたいです。

だって物語の終盤…感情が一番が爆発していたのは間違いなくドロシーだったので…
きっと「無くて困らないモノ」があるように、感情や夢は「有って困らないモノ」だったんでしょうね。

優しくて…寂しい物語でした。
それでも涙腺に結構ガツンと来るのは、声優さんの演技にほかなりません。
あの4人が本気の演技をしたら、私の涙腺が耐えられるはずないんですけどね^^;
これぞアニメの醍醐味…と思いながら視聴させて貰いました。

上映時間67分の作品でした。
若干脳内補完が必要な作品ですが、それを差し引いても余りある魅力溢れた作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
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