冒険で列車なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の冒険で列車な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番の冒険で列車なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.7 1 冒険で列車なアニメランキング1位
デジモンフロンティア(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (110)
836人が棚に入れました
日常生活に退屈していた神原拓也は、弟・信也の誕生日の日に携帯電話に謎のメールを受け取り、その指示に従い同じメールを受け取った謎の少年と共に、渋谷駅の地下へ向かいトレイルモンに乗り込む。そして同乗していた織本泉、柴山純平、氷見友樹とともに未知の世界・デジタルワールドへとたどり着く。
だが到着した場所ではケルベロモンがデジコードを奪って暴れていた。その地に眠っていた炎のスピリットに選ばれ、拓也は炎の闘士・アグニモンへと進化、ケルベロモンを倒し、デジタマへ還した。
そこで出会ったボコモン&ネーモンとトレイルモンに同乗した3人、そして再会した謎の少年・源輝二と共にデジタルワールドを支配するケルビモンを倒すため、拓也達の冒険が始まった。

声優・キャラクター
竹内順子、神谷浩史、石毛佐和、四反田マイケル、渡辺久美子、杉山佳寿子、菊池正美

はふ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

充分に良作の部類

前三作には劣るが充分面白い作品
正直作品自体の出来よりも、好みの問題や自分の思うデジモンじゃないという理由で不当に過小評価されていると思う。

パートナーデジモンの不在などの設定や全体的に敗走気味な部分がシリーズ視聴者からすれば人を選ぶところかも。
負け続けでも粘り、やがて強敵と渡り合えるようになる地味な展開は逆にフロンティアの良い所だと個人的には思う。
他にもフロンティアなりの良い点はあるがやはり前三作には敵わない。及ばない。
それでも決して駄作などではない良作
あとシューツモンの進化バンクでの目つきがめちゃくちゃ良い。

というかデジモンらしさを残したままある程度深い内容を毎年連続でやるのは、フロンティアで限界ギリギリだと思う。ネタ的にも新鮮さ的にも
良くも悪くも視聴者のデジモンに求めるもののハードルが高すぎるゆえの世間一般の評価だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

Kちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

デジモン再視聴キャンペーン第4弾(映画除く)

3日くらいで一気に見てみた。50話長い…。
フロンティアまではリアルタイムで見ていたので、所々覚えていて懐かしみながら視聴することが出来た。
感想は…当時も、前3作に比べてアレっ?て内容だった気がするけれど、やはり間違っていなかったかな…。
最終回の別れがあっさりしすぎていて(パートナーデジモンが存在しないからというのもあるが)シリーズの最終回で唯一泣けなかったのが残念。
音楽はやっぱり素晴らしいと思う。「an endless tale」だけで☆5まである笑

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

映里 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

テイマーズの方が充分

デジモンアニメにおいては、02と本作が駄作でした。お話とかはスカスカで、キャラデザもダメ。
デジモンアニメであり得ないほど、駄目っぷりです。テイマーズと無印の方が面白いです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

72.1 2 冒険で列車なアニメランキング2位
銀河鉄道999-スリーナイン(TVアニメ動画)

1978年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (150)
873人が棚に入れました
舞台は、銀河系の各惑星が銀河鉄道と呼ばれる宇宙空間を走る列車で結ばれた未来世界。宇宙の多くの裕福な人々は「機械の身体」に魂を移し替えて機械化人となり永遠の生を謳歌していたが、貧しい人々は機械の身体を手に入れることが出来ないばかりか、機械化人の慰み者として迫害されていた。そんな中、無料で「機械の身体」をくれるという星を目指して、主人公の星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに銀河超特急999号に乗り込む。

声優・キャラクター
野沢雅子、池田昌子、肝付兼太、高木均
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

古き良き迷作

40年近く前の作品で100話の超大作になるので、なかなか手が出せずにいたのですが、さよなら銀河鉄道をみたことをきっかけに視聴を開始しました。

ストーリーは
機械の体を手に入れるために999の終着駅にあるアンドロメダを目指す鉄郎と、初対面なはずなのに鉄郎を良く知っていて、高価な999の乗車券をほぼ無償でくれて、鉄郎が危ない目に合う度に、仕込み武器で鉄郎を助けてくれるサポーターのメーテルさんの道中ぶらり旅って感じです。

もっと高尚な作品なのかと思っていたのですが、意外と俗世的で、毎回人が死んでる気がするし、世界設定のツッコミどころが多くて、迷える名作って言葉がぴったりかな。
観る前のイメージとはだいぶ違いましたが、別の方面で楽しめています。


まだ観始めたばかりですが、ツッコミたい話が多かったので話数毎の感想を

1話 出発のバラード
{netabare}初対面(の、はず)の少年に999の乗車券をあげちゃうメーテルにもびっくりしたんですが、鉄郎が母を殺された怨みで、機械伯爵の邸宅に忍び込み、伯爵および部下を皆殺しにし、家に火をつけるインパクトが半端じゃなかったです。
一瞬これが少年漫画の主人公のやることか!と一瞬引きました。
あ、でも物語の構成は面白くて、結構引き込まれました。
{/netabare}

2話 火星の赤い風
{netabare}
今回は社内で起こる事件でした
機械人間にもいろんな人がいるようで・・・
ガラスの体の人もいるんですね。
ガラスは絶縁体のハズだけどどういう動力で動いているんでしょうか。気にしちゃいけないんですよね、きっと。
最後に出てきたしずく型のガラスは今後の展開に繋がりそう・・・?{/netabare}

3話 タイタンの眠れる戦士
{netabare}この話の意義はやはりハーロックの親友トチローの帽子と銃を手に入れたことですね!
あとメーテルの下着が見れるっていうのも見どころかな。
メーテルは澄ましていてもっと清楚な感じかと思っていましたが、結構体張って頑張っていて好感度が高いです{/netabare}

5話 迷いの星の影
{netabare}冥王星を訪れた鉄郎とメーテル
鉄郎の母親に騙されて墓場の管理人に魂を奪われるところだった鉄郎でしたが、メーテルの隠し武器のおかげで無事帰還を果たします。
鞭に打たれるメーテルの姿が衝撃的
・・・これって、本当に19時台にやっていたアニメだったんですよね・・・?
40年前のテレビ局の無法地帯っぷりが伝わる回でした。{/netabare}

6話 彗星図書館
{netabare}
彗星の巣=コメットステーションを訪れた鉄郎
この星はとても不安定で重力がいろんな方向を向いている空間です。
そんなに重要な話ではなさそうですが、不安定な空間でタバコの火を踏み潰して火を消す男には思わず笑ってしまいました。{/netabare}


重要そうな話だけセレクトして書いていくつもりでしたが、本当に沢山のツッコミどころがあってついここがおかしいよ!と指摘したくなっちゃいますね。もしかしてこの作品の面白さはそこなのでしょうか。

100話見続けられるかどうかは量的に不安ですが、面白いので合間を見つけて見続けてみようと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

くあれ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

良作でした。

何十年前だ…この作品、、、。

銀河鉄道999に乗って、てつろうとメーテルが
冒険する話。

いろいろな星に降り立って
出発時間まではその星を見学していく。
簡単に言えばこれの繰り返し。

この物語を作る側としては
その星でどんな物語が展開できるかが
一番の勝負どころだと自分で考察しました。

実際に観てみると、本当に泣けるお話。

そもそも、この作品に関しては暗い印象が
あるので、そういう要素が強く感じとれてしまいます。

そして、いっつも無茶するのがてつろう。
ホントにひと時の間しか入れないのに
てつろうはいつも、深く首を突っ込んでしまい
問題に直面してしまう。
誰かを救いたいという気持ちもあれば
てつろう自身にも目指す場所がある。

てつろうの心理模写が描かれるたびに
いろいろ考えさせられた部分がいくつもありました。

メーテルにして言えば
かなりダークホース的な印象。
何者なんだ…と観ている最中にずっと思っていた。

今では美人だったという印象しか残っていない。

OPは『銀河鉄道999』
カラオケで歌おうとすると、周りの人は
みんな違う方の銀河鉄道999を想像してしまう。

こちらとしては、少々、その時だけアウェー感の
ようなものを感じてしまうが
それでも、この曲だけは必ず歌う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

もくぷ~ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

昔のアニメはテンポは良い

テンポは良いけど、超展開な内容が凄く多く正直「えぇ~なんでそうなるのww」
って場面が多かったです。

設定、キャラ、音楽、どれをとってもクォリティーが高く見てて飽きないです。
まるで自分が銀河鉄道に乗ってるような感覚?

キャラは昔のアニメにしては美人が多く、現代のアニメキャラと引けを取らないくらいです。
しかし女性キャラはロングヘアーが多くどれも似たようなキャラだったのが少し残念です。
もう少しいろんな髪型のキャラを出してもよかったと思います。

設定は母親を殺された哲郎が、母との約束のため謎の女性メーテルと一緒にただで機械の体をくれる星に行くという内容なんですが、哲郎自身「機械の体をもらう!」
と言う意思が強いようなのですが、作中機械人間にたいして
「どうして機械の体にしたんだろ?」
という場面がちらほら見えて、彼はアホなのか?と思ってしまいました。

最近もアニメは尺のばしが酷く(海賊王ェ・・・・)見れたもんじゃないものもありますが、999はそういったこともなくとても見てて不快感がありませんでした。

とりあえずTV版を見終わったら劇場版、OVAと見ようかと思っています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

62.7 3 冒険で列車なアニメランキング3位
二十面相の娘(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (97)
627人が棚に入れました
義父母に命を狙われる孤独な日々を送っていた美甘(みかも)家の令嬢・千津子(チコ)は、世紀の怪盗・二十面相にいざなわれて、未知の冒険の世界へと旅立つ。初めて触れる自由な空気、新しい仲間に囲まれ、自分の居場所を見つけたチコは、少しずつ変わっていく。
 “二十面相の遺産”と呼ばれる巨大な謎をめぐって起こる、数々の奇怪な事件。それにまつわる人々の哀しい思惑。チコは、それでも前に進まなくてはならなかった。その先に、さらなる数奇な運命が待ち受けていたとしても…。

声優・キャラクター
平野綾、内田夕夜、松風雅也、佐藤利奈、新井里美、浜田賢二、竹田雅則
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

どこか影のある懐の深い男に助けられ…

物語:3.8 作画:2.9 声優:3.9 音楽:3.4 キャラ:4.0 【平均:3.6】                           (58.7)

ジャンル        :ミステリー
話数          :全22話
原作          :小原愼司(漫画)
アニメーション製作 :ボンズ、テレコム・アニメーションフィルム
監督          :富沢信雄
シリーズ構成     :土屋理敬
キャラデザイン    :堀川耕一
音楽          :三宅一徳
主人公声優      :平野綾
OP           :「霞」作詞 - 369、Ryoji / 作曲 - 369、tasuku / 編曲 - tasuku / 歌 - 369(ミロク)
ED           :「Unnamed world」作詞 - 畑亜貴 / 作曲 - 黒須克彦
              / 編曲 - nishi-ken、黒須克彦 / 歌 - 平野綾

参照元        :Wikipedia「二十面相の娘」

【あらすじ】
 日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。そんな折、二十面相は美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。 Wikipedia「あらすじ」参照

【特徴】
①年頃の娘と憧れの人
②謎(推理はしない)
③戦後の日本(昭和39年以前の物語)
④アクション
⑤古めの演出

【長所】
①年頃の娘が二十面相に憧れを抱く様子が巧く描かれる
②二十面相に関する謎は多いが、小出しで明らかになる
③物語の山場が幾つかある
④格闘アクションがアクセント

【短所】
①ご都合主義の度が過ぎている
②違和感のある描写
③蛇足となる人物のエピソードがある
④雰囲気が突然変わる

【理由】
{netabare}[ 長所 ]
①11歳のチコは冷静沈着で大人びた性格ですが、恩師となる二十面相(おじさん)の事を敬愛する純心な女の子です。そんな年頃にありがちな甘酸っぱさが描かれており、見所となっています。 
②キーパーソンである二十面相は謎多き人物です。この謎が物語の引きを強めています。また、最後まで引っ張る謎もありますが、徐々に明らかになる為、途中で嫌気が差すことは無いと思います。
③短所④と被る部分もありますが、山場のおかげで飽きが来ません。
④格闘シーンもあります。基本的に二十面相の謎を追うストーリーですが、度々アクションシーンがあります。中々かっこよかったので毎度期待が持てました。

[ 短所 ]
①ツッコミを入れたくなるシーンが多いため、許容できる度量が必要となる。 
②例に挙げると、互いの距離がかなり離れているにもかかわらず声が聞こえたり、死角に居るにもかかわらず様子が分かったりなど、違和感を感じるシーンもある。
③上で挙げた通りです。尺の使い方に無駄を感じ、少々残念に思いました。
④飽きさせない為の工夫と考えられるが、人によっては雰囲気を壊してしまっていると感じるかもしれない。{/netabare}

【総括】
 二十面相(おじさん)が、恵まれない境遇にいるチコを二十面相の後継者として育てるところから始まり、二十面相の謎を追う物語。また、徐々に明らかになる謎と先の気になる展開によって最後まで飽きずに観る事が出来ます。尚、留意して欲しい事として、短所①のご都合シーンは高頻度になります。ですが、綺麗にしっかり締まるストーリーは観て良かったと思える作品でした。



【思った事・蛇足】

断りを入れると
Wikipediaに記載されたジャンルはミステリーですが
推理して事件を解決する作品という訳ではないです。


雰囲気はなんとなく世界名作劇場の作品に似ていて
その雰囲気にアクションが加わった感じです。


尺は22話で世界名作劇場作品より短めですが
序盤以外は良いテンポです。


そしてその他に観終えて感じた事は
序盤こそ中々動かない展開で不安でしたが
動き出した途端物凄く引き込まれました。
それで兎に角先が気になりました。


付いた点数こそ低めですが
点数以上に楽しめました。
なので選んで良かったと満足できました!



●演出
特徴⑤に挙げた古めの演出ですが
偏見かもしれないです。
短所に入れようか迷いましたが
時代設定に合わせた演出か分からなかったので
特徴に挙げる事にしました。


一応古いと感じた演出を挙げると
①OP曲に効果音が入っている
②背負い投げに使われた縦線の背景をぐるっと回す
などです。



●どんな人におすすめ?
これも偏見ですが
純粋にストーリーを楽しめる方。
又は
作画を気にしない方。


そして一般向けです。


内容は難しくないので
子供から大人まで楽しめると思います。
一部ギョッとする場面もあるかもしれませんが
子供が見ても許容の範囲だと思いますw



●グラフ[物語の転機が分かってしまう可能性あり※閲覧注意]
http://shinbakuns.blog.fc2.com/blog-entry-32.html

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

《怪盗二十面相》をめぐる少女の軌跡

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江戸川乱歩の小説を人物名などに踏襲していて小説を知っているとニヤリと出来る場面や単語もあるが別作品。
次回への引きや伏線の貼り方が上手いので、はやく次の話が観たいと思わせてくれる好感度の高いアニメ。

印象は60年代から80年代あたりのファミリー向け作品を現代風に深夜アニメとして作り上げた、といった所。
作中で明言されませんが、何らかの大戦があった後の時代を描く。単なる怪盗・推理モノでは無い事が特徴で、
時代背景からは考えられない科学力が存在し、歴史上では明るみにされない戦争の遺物として再々登場する。
原作は漫画。コミックフラッパーで連載されていた。本編8巻の他に番外編2巻と後日談1巻をアニメでは、
時系列通りに並び替え再構成している。その為に、作中で何度か変化する雰囲気が視聴者を困惑させる。
しかし、一貫して“二十面相の娘”と呼ばれる主人公、“美甘千津子”_「チコ」が置かれた境遇からの脱出と
一人の女性として成長する過程が描かれ、男性社会における対等な女性像を体現し、時代背景にそぐわない
男女同権が爽快だった。チコだけが異質な事を強調する、女性たちの立場を表す対比は素直に感心した点。
チコは聡明で大人びた少女で、時たま見せる子供らしさのギャップや、男性顔負けのアクションにやられます。
女性の社会的地位は時代特有ですが、本作の女性はみんな強い。そこはかとないフェミニズムを感じる。

惜しむらくは22話の中で骨太なスタッフ陣の安定した構成とバランスの良い演出・作画を見せてくれる反面、
何度も残り時間を計算させられるほど「これで物語を畳むのは惜しい」と感じさせられる遊びのない尺だった。

22話でよくぞここまで濃い時間の流れや出来事をまとめたと感心もするが、長いスパンでやってほしく、
ゴールデンタイムの放送を出来たなら更に良かった。残酷描写もある為にこの時間帯だったのだろう。
主人公以外の人物を深掘りすることで更に面白くなったことは想像に難くないので、「もっと観たかった」のが本心。
ただ、余韻をもたせた幕引きを含めストーリーは綺麗に完結するので誤解の無いように。

ウケが悪いだろう箇所と視聴の際に引っかかるものも入れたが、わかりやすく悪く映る点を書き出すと、

>扱う時代とキャラクターデザインの古さ
>超越した科学を創作だと飲み込めない緩急
>しっかりとした構成だが欲を言えば倍は欲しい尺
>時系列を並べ替え正順にしたことで流れに乗って観られる反面、趣旨・ジャンルを最初に理解させづらい

こんなところだろうか? 私自身は、良い点悪い点すべてを踏まえた上でとても好きな作品であると言えます。

[余談]
リアルタイムでは無く少し後から視聴したのですが、きっかけは本作に参加するアニメーター「田中敦子」さん。
作画ファンなら誰もが知る方で、ルパン三世TV第二シリーズから原画として活躍し、「死の翼アルバトロス」や、
「名探偵ホームズ」「風魔一族の陰謀」や数々の劇場作品、ジブリ作品などに関わり、“大塚康生”氏に
「アニメを描くために生まれてきた」と言わしめた方。本作のアクション等に過去作への既視感を感じたら、
スタッフを見れば一目瞭然だと思います。何話かハズレだなと思う回があり、原因は予想通り脚本家でした。
集団で創り上げるアニメーションにおいて「人」は大事な作品の一部だと感じます。本作を観終わった時に
同じような感想を持った方は、高等技術のアクションシーンと、脚本担当回の答え合わせもしてみて下さい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

レトロな作風から今のアニメには無い哀愁が

本作は小野愼司の「二十面相の娘」(コミックフラッパー)を原作に製作された。江戸川乱歩の「怪人二十面相」から着想を得ており、江戸川乱歩の孫の許可を得て書かれた。
世界観に合わせる為敢えて古臭くレトロに描かれている。
作品名から錯覚する方が多いだろうが、二十面相の娘が、二十面相の様に神出鬼没に登場し、鮮やかに盗みを働くと言った様な作品ではなく、二十面相に憧れるチコの環境や心情の変化にスポットが当てられた作品である。
明智小五郎と二十面相の力関係は逆転し、平気で拳銃を使用し人を殺害したり、ターゲットを中傷したりと紳士的で洒落の利いた少年探偵シリーズの二十面相の面影は無い。
平野綾演じる主人公チコがとても可愛らしい。
ファンによる非公式略称は「メンムス」。


あらすじ

{netabare}
日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。聡明なチコはそのことに気がつき、叔父夫婦が勧める食事を口にしないようにしていたが、体は衰弱するばかりであった。そんなチコを見かねたのが、巷を騒がす怪盗・二十面相だった。二十面相は美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。
{/netabare}

感想

全体的に、主人公チコの成長記としての側面が非常に強い作品だ。
インパクトに欠けるストーリーであるが、安定して視聴出来る良作である。
{netabare}
中盤から登場するオーバーテクノロジーや、終盤の柿島耕平の陰謀など、SFサスペンス的側面が序所に強くなってきて引き込まれるように観終わった。
ただ、ご都合主義感が否めず、チコが病気持ちの癖にとたんになんでも出来るようになる展開や、終盤のオーバーテクノロジーや陰謀などの暴走展開も「成長記」に必要とは思えず、
「ぐだぐだ」な展開へと収束した。中盤の衝撃的事件から作品がカオス化した印象だ。
世界観や背景、事件などに説得性がほぼ無く、極めて残念である。
序盤から柿島の陰謀の伏線を張ったり、チコの子供らしさを含んだキャラ設定、必要な描写の挿入、説得力のある世界観、綿密に練られたストーリーがあれば大変良い作品に仕上がったと思う。
{/netabare}

総評

世界観は独特だが考察には値しない滅茶苦茶な設定だった。
主人公の成長記としての側面も終盤は微妙である。
しかし、突っ込み所が満載な作品であることもまた、作品の魅力である。深いことは気にせずに楽しんで視聴することを勧める。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
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