刑事でサスペンスなTVアニメ動画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の刑事でサスペンスなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.8 1 刑事でサスペンスなアニメランキング1位
富豪刑事 Balance:UNLIMITED(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (231)
803人が棚に入れました
ケタ外れの資産をもつ神戸家の御曹司・大助が赴任したのは、警視庁で問題を起こした人間だけが送り込まれる「現代犯罪対策本部準備室」、通称「現対本部」。そこで大助は情に厚い男・加藤 春とバディを組まされる。人の命すら値踏みする大助に対して「世の中金じゃねぇ」と反発する加藤。対立する2人の前に立ちはだかる、様々な事件と謎。常識を超えた捜査が今、始まる――!

声優・キャラクター
大貫勇輔、宮野真守、塩屋浩三、神谷明、熊谷健太郎、上田麗奈、高橋伸也、小山力也、榎木淳弥、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

声優神谷明のお仕事

3話以降延期。7/16~ノイタミナ枠にて第1話から

『放課後ていぼう日誌』『天晴爛漫!』同様に2020春クールからのスライド放送。
筒井康隆氏の原作は既読であり今回の視聴動機。映像化ととても相性のいい作家さん。アニメだと『時をかける少女』『パプリカ』なんてありますね。昔やってた深キョンドラマも良かったし断る理由はありません。「たった100億で人を殺すなんて…」は名言でした。今回の主人公は原作準拠で男♂です。

全11話とコンパクト。財閥の御曹司がなぜか刑事をやっていて札束で顔を引っぱたきながら事件を解決していく痛快な刑事物。
ドンパチ起こすからビルごと買う。毎度億単位の金をばら撒きながらクレームをねじ伏せたりという発想がナイスですね。ありそうで…いや、ないわ(笑)

制作は『青春ブタ野郎は…』『約束のネバーランド』のCloverWorks。とアニメーターに着目したいとこですが、ここは筒井康隆氏に注目しときます。
原作は45年前の代物。アニメ化にあたって古びた部分はメンテナンスが必要だったのでしょう。本作ではAIの執事“ヒュスク”といった原作にない設定をズンドコ投入してるわけですが、原作者があっさり許しちゃってるんですよね。そしてうまく機能している。『時をかける少女』も細田守監督にフリーハンド与えてますし、『パプリカ』の今敏監督にも同様に。それでいて「原作よりいい感じ」と原作者本人が褒めてたりします。一見軽い爺さんなんですが放任ぶりがなんとも絶妙。作品の本質を抑えて抜くところを抜ける柔軟さは尊敬に値します。しかもちょっと前にライトノベルも書いてたみたいですね。きっと前頭葉が柔らかいのでしょう。

しかして、リノベーションが上手くいった令和の『富豪刑事』は当初の想定以上にぶっ飛んでて面白いです。深キョンみたいな綺麗な女性でなくても面白くて一安心。
破天荒な設定とわりと短め11話の取っつきやすさが売りかと思いきや、しっかりミステリ要素ありのサスペンス展開へと発展していくのも意外性があってよし。
OP担当は令和デビューの“SixTONES”。ジャニーズながら(失礼!)いい感じです。EDは“OKAMOTO'S”。当たり前のようにかっこいい。かっこいいことやる時のノイタミナですね。

声優さんは数名“棒”がいます。仕方ないので男性は真綾さん、女性は真守で耳を癒されときましょう。
棒はこの際気にせず置いといて、けっこうなベテランさんが出演されてるのを楽しみにするのも一興かもしれません。スポットでの小山茉美さんや主人公の祖母役としてそれなりに出演時間のある方は青二プロの創立メンバーだとか伝説すぎます。それよりなにより私の世代にとってのレジェンド声優神谷明さんが老刑事役でヘビーローテーション。重要な役どころを演じられてるのも嬉しい。

原作者・設定・声優さん。このへん引っ掛かりのあるようでしたらオススメです。原作もののしょっぱいアニメ化にならなかった佳作といっていいでしょう。



※ネタバレ所感

■声優神谷明のお仕事

定年間際の老刑事。仲本長介(CV神谷明)通称ちょーさん役。富豪刑事のバディが加藤だったのでうっかり志村と高木の登場を密かに期待したけどこちらは叶わず。
昼行燈の老刑事よろしくいい感じで枯れた演技されてました。『キン肉マン』『北斗の拳』『CITY HUNTER』のテンション高めの演技とは真逆。重ねた年月を感じさせます。

{netabare}そう思ってた矢先の回想シーン。若かりし頃のちょーさんになったらいきなり声に張りがあることあること(笑) 演じ分けは隠れたみどころですね。あーもう一度必殺技叫んで欲しいなぁ…
当然ちょーさんにも相方がいたわけでその役回りは後輩の武井克弘(CV小山力也)。つられて小山さんもしっかり若返ってました。この2人の掛け合いはけっこう多かったです。{/netabare}

{netabare}そういえばこのお二人。{netabare}新旧の毛利小五郎ですね。{/netabare}{/netabare}


■主人公神戸さん※原作ネタバレ

{netabare}アニメは俺様キャラでしたが原作の神戸大助は人当たりの良い好青年。一見常識人なのに金の使い方が壊れてるギャップが面白い作品でした。こうみると深キョンのも世間知らずお嬢設定だったり原作ともアニメとも違いますね。自由過ぎです。

先述のAI執事の新設定もそうですが2020年になると電子決済になるわけですもんね。物理的に札束で引っぱたくことはもはやありません。
金の使い方も違いがあります。アニメでは豪快に金を使って事件を解決。捜査絡みでの被害には倍額補償するので犯人以外の外野はハッピー。原作でも豪快は豪快でばら撒くのは一緒なんですが、どういうわけかばら撒いた以上に儲かってしまうみたいな展開でした。
今のご時世だと、バリュー投資でリターンが戻ってくる原作の説得力よりも、コンプラ順守や賠償リスクなどうるさい世の中を問答無用でぶった斬るかのようなアニメ描写の痛快さのほうが受けるのかもしれませんね。{/netabare}

これだけ豪快だと

 世の中けっきょく金じゃん

と斜めに構えることすら馬鹿馬鹿しくなってきますよ。しっかりエンタメしてます。
主人公の設定すら千変万化してるわけです。半世紀近く前に作ったプロットが使えすぎていくらでもバリエーションが作れる状態であり、今回の改変もわりと成功したんだろうって思います。


■いったん加藤を

これあくまで希望です。

{netabare}結果としてちょーさんの邪魔をしちゃった井村の事情聴取。井村は半堕ちしてたし弁護士の接見遅らせてる間にゲロった可能性が高そう。そしてあのように死ぬこともなかったかもしれない。「時には刑事は泥水すすらなきゃいけない時がある」としたちょーさんの言葉の重みをかみしめるために、加藤が己の妨害行為を後悔する展開もありだったのではないかと思われる。
過去の判断ミスと現在の判断ミス。ここからませればその後のちょーさんの顛末とあいまって面白さ増しそうだったのにちょい残念。
ヤル気ある無能が現場引っ掻き回してそのことにペナルティの無い展開を私が嫌いなだけですけどね。{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.26 初稿
2020.10.31 タイトル修正
2021.06.16 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

刑事。だが正義とは限らない。

この作品の原作は未読です。
完走後にwikiをチラ見して知りましたが、原作は1975年~1977年に発表された作品なのだそうです。
今からもう40年以上前の作品には思えませんでしたが、アニメ制作に際し原作者の了解を得て物語の舞台を現代に変更した他、当時存在しなかったAIなどの設定を織り込んだとか…
こういうリメイクの仕方もあるんですね。


ケタ外れの資産をもつ神戸家の御曹司・大助が赴任したのは、
警視庁で問題を起こした人間だけが送り込まれる
「現代犯罪対策本部準備室」、通称「現対本部」。

そこで大助は情に厚い男・加藤 春とバディを組まされる。
人の命すら値踏みする大助に対して「世の中金じゃねぇ」と反発する加藤。
対立する2人の前に立ちはだかる、様々な事件と謎。

常識を超えた捜査が今、始まる――!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

個人的には何でもお金で解決するという方法も考えもあかり好きではありません。
モノが壊れたら修理代がかかるし、怪我をしたら治療代が必要になるのも認識しています。
もちろん、生活や仕事をする上での経費が必要であるのも理解しています。

ですが、過度にお金をかければ良いという訳ではありませんし、お金じゃ絶対手に入らないモノだって世の中にはたくさんあります。
それに、現在の経済…米中の貿易摩擦やコロナウィルスの影響で日本の産業はガタガタで、生き残るために必死にみんな努力しているというのに…

この作品の主人公である神戸大助は、われわれが血の滲むような努力を嘲笑うかのように、真逆の路線を突き進むんです。
完全に時代と逆行している行為と受け取ってもおかしくないと思います。

ですが、金銭感覚が我々一般人の認識できる範疇を凌駕しているので、ファンタジーを見ている感覚に陥った結果、他の作品同様、普通に視聴できるのですから驚きです。

大富豪で神戸家の御曹司である神戸大助がどうして刑事となる道を選んだのか…
そもそも資産運用さえしていれば、別に定職に就かなくても生活に困らないのでは…?
と思わなくもありませんが、彼には彼なりの理由がなかった訳ではありません。

ですが、正直個人的な私的理由だったと思わざるを得ませんでした。
追いかけていたヤマが大きかったので、結果的に線と線は繋がりはしましたが、繋がらない可能性だって十分にあった筈なんです。
それに刑事になる道が最善かは正直今でも分かりませんし…

むしろ、宮野さん演じる加藤の方が私の中で株は高かったかな。
いや、ここは紅一点の麗奈ちゃん演じるまほろちゃんか…
或いは、捜査に協力的だった真綾さん演じる鈴江さんか…
お二人とも物語に彩りを添えてくれていたことだけは間違いないと思います。

オープニングテーマは、SixTONESさんの「NAVIGATOR」
エンディングテーマは、OKAMOTO'Sさんの「Welcome My Friend」

1クール全11話の物語でした。
ノイタミナらしい作品だったのではないでしょうか。
ノイタミナと言えば「あの花」「ギルティクラウン」「君嘘」「冴えカノ」など、たくさんの名作を輩出してくれています。
次の期待作は、約束のネバーランドの第2期でしょうか。
これからも、引き続きノイタミナには頑張って欲しいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

めちゃくちゃだけど、それがいい。

笑いはあまりないけど神戸と加藤のやり取りを
微笑ましく見守ってる自分がいましたw

作品を観る前は神戸がお金をばら撒いて
何でもお金で解決する話と思っていたので、
お金で解決する男・神戸vs心で解決する男・加藤
なのかなという印象を抱いてて期待してなかったのですが
全然そういうのじゃなかったです!!

神戸のお金の使い方を観てて
嫌な感じだな〜と思う方も多いかと思いますが、、
{netabare}人の為や事件解決の為に使っている事がほとんどで
自分の娯楽の為じゃないんですよね。

素直じゃない同士で神戸と加藤はぶつかる事も多いけど
思い合ってるのがこちらには分かるので
もどかしく何とも言えない気持ちになります‪(*ˊᵕˋ* )

4話目の神戸がAI執事のヒュスクを持たずに家を出て
加藤の家に1日泊まった時の2人のやり取り好きでした。
庶民の生活を目の当たりにして
神戸は加藤にいちいち文句を言っているんだけど、
こういう事に関する文句は他の人に言ってるところを
見たことがない事から信頼関係が垣間見えてきます(˶‾᷄ ⁻̫ ‾᷅˵)
{/netabare}

神戸のキャラは好きなんだけど声が不自然で
くぅーーー!惜しいーーー!もったいないーーー!
という感想が結構大きいですね、、
通行人などモブ達の声もとても気になるレベルでした。
{netabare}
11話しかないので神戸がお金を使って
次々と事件を解決していき終わるのかと思いきや
亡くなった母と父、神戸グループが関わっているという
きな臭くて足を突っ込んだらヤバいと言われる
大きな事件の解決にも最後挑んでいくのはいいですね。

長さんと武井さんが殺されてしまうのは
生きてて欲しかったからとても悲しかった、、

黒幕が神戸のおばあちゃんだったので
神戸グループに始まり神戸グループに終わるという
まぁ結果的にお騒がせグループだったな〜
とあっさり終わってはしまいますが、
その後の現対本部内の雰囲気がこれまでの暗さがなくなり
明るい方向に変わっていたのでいい終わり方でした(*´`)
{/netabare}

❁⃘❁┈┈┈┈┈INTRODUCTION┈┈┈┈┈❁❁⃘
ケタ外れの資産をもつ
神戸家の御曹司・大助が赴任したのは、
警視庁で問題を起こした人間だけが送り込まれる
「現代犯罪対策本部準備室」、通称「現対本部」。
そこで大助は情に厚い男・加藤 春と
バディを組まされる。
人の命すら値踏みする大助に対して
「世の中金じゃねぇ」と反発する加藤。
対立する2人の前に立ちはだかる、
様々な事件と謎。
常識を超えた捜査が今、始まる――!(公式引用)
❁⃘❁┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❁❁⃘

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

68.2 2 刑事でサスペンスなアニメランキング2位
DOUBLE DECKER! ダグ&キリル(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (208)
691人が棚に入れました
都市国家リスヴァレッタ。
二つの太陽が昇るこの街には、人々が平穏な生活を営むその影で、
犯罪や違法薬物がはびこっている。
中でも致死率の高い危険な薬物「アンセム」は街に暗い影を落としていた。
SEVEN-O特殊犯捜査係──「アンセム」を専門に取り締まるこの捜査機関は、
二人一組のバディで行動する捜査体制「ダブルデッカーシステム」を敷き、
その対応に当たっていた。

経験豊富な捜査員ダグ・ビリンガム、
そして彼の元へとやってきた実力未知数の捜査員キリル・ヴルーベリ。
飄々とした掴みどころのないベテラン刑事と、
やる気だけが空回りする新米刑事。
型破りな二人の刑事の物語が今はじまる。

声優・キャラクター
三上哲、天﨑滉平、早見沙織、安済知佳、大地葉、種﨑敦美

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「ここから先は、俺たちの管轄です。」最悪で最高の相棒刑事ドラマ、ここに開幕!

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
「TIGER & BUNNY」から続くアニメシリーズプロジェクト「バディシリーズ」のひとつとして制作され、制作スタッフには同作品の制作にも参加経験のあるスタッフが名を連ねているそうです。

「バディシリーズ」というプロジェクトの全容は分かりませんが、「TIGER & BUNNY」とは所縁のある作品である事は知っていました。
だから「TIGER & BUNNY」を視聴していれば、きっと見方も変わるんだろうなぁ…と思っていましたが、結局思っているだけで「TIGER & BUNNY」未視聴のまま、本作品を完走してしまいました。
この作品も十分楽しめたので、きっと「TIGER & BUNNY」も堪能できる作品だと確信しています。
何せ、あにこれランキングで2019年1月4日現在で総合得点88.8点の序列50位の作品なのですから…

ここで改めて感じるのが、ランキングの層の厚さです。
序列1位と50位の点数の差は僅か3.8点しかありません。
その僅かな数値の間に約50作がひしめき合っているのですから、層の厚さを感じずにはいられません。

一方本作ですが、出演されている声優陣も凄いですよ。
はやみん、安済さん、種崎さんに遠藤綾さんや小山力也さんなど…
それに、キャラデザは桂正和さんなので、ヒロインの可愛らしさには折り紙付きなんです。
もう楽しみな要素しかありませんよね。

この物語の舞台は、都市国家リズヴァレッタという犯罪や違法薬物のはびこる世界…
中でも「アンセム」という致死率の高い薬物が出回っているので、「アンセム」を専門に取り締まる専門捜査機関SEVEN-O(セブンオー)特殊犯捜査係が、二人一組のバディで行動する捜査体制「ダブルデッカー」を組み、その対応に当たっています。
ヒーローに憧れる若い警官キリル・ヴルーベリは、ひょんなことからSEVEN-Oに配属され、ベテラン捜査官ダグラス・ビリンガムと「ダブルデッカー」を組み、物語が動いていきます。

SEVEN-O特殊犯捜査係には、3組のダブルデッカーが所属しています。
・ダグ(CV:三上哲さん)と、キリル(CV:天﨑滉平さん)
・ディーナ(CV:はやみん)と、ケイ(CV:安済さん)
・マックス(CV:大地葉さん)と、ユリ(CV:種崎さん)

実はレビューを書いていて少し悔しいことが…
3組のダブルデッカーを紹介しましたが、ディーナのCVがはやみんだと全く気付きませんでした。
はやみんの役なら聞いて分かると思っていたのに…
はやみんと知ってもう一度見ると、確かに所ではやみんを感じられる節はありました。
でも、リアルで気付けなかったのがちょっと悔しいです。

あと声優さんで感じたのは安済さんかな…
キリルと同じ新人さんとして配属されるのですが、声のトーンが新人さんらしく兎に角純粋で真っ直ぐなんです。
安済さんがこの手のキャラを演じるのも珍しいのではないでしょうか。

物語はテンポよく進む上、ナレーションが緩急を上手くコントロールしていたので、終始楽しみながら視聴できたと思います。
刑事物語なので、難事件を解決していく雄姿を見るのも良いのですが、個人的にはSEVEN-Oの人間関係の物語の方が面白かった気がします。

アンセムは本当に危険な薬物です。
アンセムを使用すると、自身の制御が不能になり暴走するので、対応には細心の注意が求められます。
その細心の注意の一環が「ダブルデッカー」です。
これはつまり、「一人で立ち向かえる相手ではない」ことを意味しているのだと思います。
言い換えれば、常に死と隣り合わせの仕事であるという事です。
実際に、そういう場面を何度も目にしてきました。

それでも、SEVEN-Oのダブルデッカーは自身の立ち位置に愛着を持っているんです。
もちろん、一朝一夕で愛着が持てるはずはありません。
ここまで来るのに、たくさんの心の汗をかいてきました。
そんな仲間が寄り集まってできた組織なんです。
だから相棒…強いては仲間への信頼度の高さ…気持ちの熱さは半端ありませんよ。
まさか、この作品に泣かされるとは思ってもいませんでしたけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、霧雨アンダーテイカーさんの「ステレオとモノローグ」
エンディングテーマは、ビッケブランカさんの「Buntline Special」
個人的にはオープニングの方が好みでした。

1クール全13話の物語でした。
刑事モノの作品って久々に見た様な気がします。
見どころ満載の作品でしっかり堪能させて貰いました。

しかも、嬉しい続報があるんです。
本編の中で描かれることのなかった物語が、「DOUBLE DECKER! ダグ&キリル EXTRA」として全3話制作されることが決定したんだそうです。
これらは配信サービス若しくは円盤での提供となる様なので、気になる方は要チェックですね!

2019年2月配信 EX #01
「七人の刑事の日常!」

2019年3月配信 EX #02
「インファナル・アンフェア!」

2019年4月配信 EX #03
「刑事カリアゲ 湯けむり殺人事件簿!」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

“桂正和”本領発揮 !? この際“男子”は放っておく

2019.01.09記


しまった!『TIGER & BUNNY』を観ていない


観始めて気付いたのが、名作の誉れ高い『TIGER & BUNNY』関連の新作アニメということ。
本家を知らないながらこちらもなかなか面白いです。アメコミ的な雑味加減がちょうど良い。

と言いつつ実は二・三話見た頃に断念を考えました。
一種のバディものには違いありません。その相棒の一人キリルがどうにも性に合わない。彼を一言で言い表すなら

 “やる気のある無能”

仲間にいるとそのチームに壊滅的破壊をもたらす可能性のある存在。やる気がない分には行動も想定内に収まるのですが、この手のタイプは予想の斜め上をいき、余計なことしかしないため味方にいるととても厄介です。
『トミーと松』『あぶない刑事』『相棒』例外無くコンビを組む二人とも魅力的です。裏を返せば片方イマイチだとバディものでは致命的と言えるでしょう。今回はこれ。

{netabare}転機は第四話。ボスのトラヴィスが「上からのお達しだ」とチームの他のメンバーたちに光があてられ始めます。要はダグ&キリル以外のキャラ回。英断です。{/netabare}
{netabare}きっと俺の心の声が届いたんだ!と多くの視聴者が思ったはずでしょう。{/netabare}

“アンセム”という薬物を取り締まる専門機関“SEVEN-O”の捜査員たちの活躍を描いております。
マル暴が捜査対象に合わせてそのテの筋の方っぽくなっていくのと同じように、超危険薬物アンセムを摂取するイカれた連中を相手にする彼らは相当尖っております。
メンバーはこちら↓

ダグ(ダグラス・ビリンガム):三上哲
キリル(キリル・ヴルーベリ):天崎滉平
ディーナ(ディーナ・デル・リオ):早見沙織
ケイ(キャサリン・ロシュフォール):安済知佳
マックス(マキシーン・シルヴァーストーン):大地葉
ユリ(ユリ・フジシロ):種崎敦美
トラヴィス(トラヴィス・マーフィー):小山力也
ソフィー(ソフィー・ゲンズブール):遠藤綾
アップル(アップル・ビーバー):永塚拓馬

超危険な職場でこの男女比おかしくないですか?(褒め言葉)

危険を分散させるためにコンビを組ませるとのトラヴィスの方針から、ダグ&キリル以外のコンビも出てきます。一応のところ軸は二人に置きながらも、途中から純粋なバディものとは違うチームバトルの方向へと進んでいったような気がします。
あだ名呼び含めてまるで“太陽にほえろ”的ななにか。
もしくは浅野温子が前面に出てくる“あぶない刑事”と言ってもいいでしょう。

{netabare}まさか第一話のサブタイトル“二つの太陽にほえろ”をこういうかたちで回収してくるとは思いませんでした(嘘)。{/netabare}

こうしてダグ&キリルが後ろに下がって他のメンバーが前に出てくるとなればさきほど挙げた男女比が効いてきます。女性キャラにスポットがあたり本領を発揮してくるのが

『キャラデザイン:桂正和の絵』

この造形に声優さんが命を吹き込みます。
ディーナ役の早見さんは最初彼女が演じているとはわかりませんでした。気性荒くガサツな言葉遣いのディーナを好演されてます。艶のある演技で大人の女性がハマリ役と私が勝手に思っている遠藤綾さんのロリボイスも貴重です。
一方、男ではありますが、くえないおっさんトラヴィス役小山さんや人をくったようなナレーション上田燿司さんも好きなタイプの芝居をしてくれてます。


EDはとても良い。作品に合ってるというよりも楽曲そのものがかっこいい。Beastie Boysの「Fight For Your Right」をマイナーに転調したような曲調です。

最後までキリルは好きになれませんでした。第一印象って大事ですよね。。
{netabare}「主人公補正していかないと間に合わなくなるぞ」とスタッフが必死になったと思えるくらいに、キリルアゲの要素を終盤に盛り込んできましたが、体裁が整ったかどうかは微妙なところでした。{/netabare}


バディものという括りを取り払ってフラットに観たら。。。
雰囲気が良いのと{netabare}第四話{/netabare}以降の展開はそこそこ見れる佳作だと思います。


■余談
本作の早見さんにびっくらこいたのもそうですが、同クールの『RELEASE THE SPYCE』でのダミ声傭兵役も早見さんが好演されてました。こちらも誰かわからなかったですね。貪欲に攻めてきてるところ、演技の幅を広げにきている姿はとても好印象ですね。頑張って長く続けてほしいです。



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2019.06.16追記
《配点を修正》


やはりキャラ絵が突出して良いかなあ。
『タイバニ』は2,3話観ていったん保留してますが、どこかで腰を据えて鑑賞したいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 41

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

バディ物。「近頃のサンライズ感」が出ている気がする。アクション・ドラマ志向?→ エンタメ度高めの良作!

「『TIGER & BUNNY』新アニメシリーズプロジェクトのひとつ“バディシリーズ”作品」という触れ込みで制作されたオリジナルTVアニメのようです。

オリジナルは爆死するかもしれないけどけっこう面白いこともあるよなとか思いつつ、とりあえず第1話を視聴。

あらすじにもある通り架空の都市国家リスヴァレッタではびこる「アンセム」という薬物に関連する犯罪を専門に扱う警察の特殊犯捜査係「SEVEN-O(セブン・オー)」に配属された新米刑事キリルと、ベテラン刑事ダグによるバディ物のようです。

リスヴァレッタの町並みには日本っぽさは皆無。ちょっとアメリカのTVドラマ『CSI:科学捜査班』みたいな感じもあるかも?

第1話はそもそも普通の部署での巡査だったキリルがSEVEN-Oに配属される経緯を見せてくれた導入回といったところ。

SEVEN-Oのトップであるトラヴィスが自分のことを「ボス」と呼ばせたり、他のメンバーにあだ名をつけてそのあだ名で呼ぼうとしたり、SEVEN-Oの「SEVEN」がなんとなく「七曲(ななまがり)署」を意識してるっぽいネーミングだったりと、なんとなく昔のTVドラマ『太陽にほえろ!』を意識しているっぽい。

ちなみに第1話のサブタイトルは「二つの太陽にほえろ!」(笑)

ちなみにSEVEN-Oにはキリルとほぼ同時に配属された女性の新人ケイがいます。SEVEN-Oのメンバーにはアンセム使用者と対抗する特殊な武器が使えるようですが、ここに何か裏がありそうな気がして興味を持ちました。

少なくともしばらくは視聴継続すると思います。

2018.11.21追記:
第8話まで視聴終了。個人的にはけっこう面白くなってきました。世間での評価は知らんけど。

リスヴァレッタが都市国家という設定なせいなのか、住民はおそらくみんな移民ないしはその子孫という感じで人種的にも多様(でもムスリムっぽい人は出てこない)であり、文化・風習的には概ね1980年代アメリカ東海岸みたいな感じになっていますね。

なのでアメリカで制作された1970年代の警察物や1980年代の学園物ドラマを観てきた層には違和感なく受け入れられるストーリー(作中の文字情報なども全て英語)で、けっこう海外市場(特に北米)を意識した作品になっていると思います。第8話「踊る! 学園捜査線!」に出てきたプロムとかパーティークイーンとかは、彼らにはきっと説明は不要でしょうしね。

中盤6~8話は1話完結形式でメインストーリーを停滞させたように見せつつ、恐らくは個々の事件や登場人物が終盤への伏線になるシリーズ構成なのではないかと予想していますが、如何に…?

そんな中盤では伝統的な考えが多数派な中でSEVEN-Oやその周辺の面々はなんとなくリベラルな考えを持っている感じが伝わってきます。ただ、まだストーリー中で宗教的マイノリティは出てきてません。出すと面倒なことになるので最後まで出てこないかも。

私は大丈夫ですけど、「ポリコレ臭」が鼻につくって人はいるかもしれないですね。でも逆に日本人だと、多くの人はあんまりその辺は気にしてないで観てるのかな?

2018.12.31追記:
第13話(最終回)を視聴終了。極めてエンターテイメント性が高く、日本以外の市場も見据えた良作に仕上がっていますが絵柄のせいなどもあって「日本のアニメっぽさ」が一見弱く、海外でもあまり注目されなかったようで残念です。

終始コミカルな要素を交えながらもちゃんとしたグランドストーリーや回を跨いだ伏線とその回収など、けっして行き当たりばったりではないきちんとしたシリーズ構成で、作画的にも3DCGの使用も相まって終始安定していました。

ただ、ACCAなどでも感じましたが実写の連続ドラマなどに通じるような脚本・シリーズ構成で、普通の深夜アニメを好む視聴層にはウケが悪い作品かもしれません。

個人的にはとても楽しめました。オリジナルでこれを作れるサンライズの健在を感じた作品でした。

余談: 最終回のBパートでエピローグ的なシーンで使われてたBGM、『太陽にほえろ』感が満載だったなあ…。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 41
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