初音ミクで戦闘なTVアニメ動画ランキング 2

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早速見ていきましょう!

65.7 1 初音ミクで戦闘なアニメランキング1位
ブラック★ロックシューター(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (966)
5170人が棚に入れました
中学校へ進学した黒衣マトは、同じクラスの小鳥遊ヨミと親しくなる。1年間を通じて友情を深めあった2人だったが、2年生になって違うクラスに分かれ、マトに友人が増え始めた頃から、2人は少しずつすれ違うようになっていく。ある日、ヨミが学校を欠席していることを気にかけたマトはメールや電話をしてみるが、一向に通じない。落ち込むマトの携帯に一通のメールが入るが、それはヨミからではなく母からのものだった。「小鳥遊さんが行方不明になり、警察が事情を聞きに来ている。すぐ帰ってきなさい」と…

同じ頃。この世界とは違うどこかの世界で、左目に青い炎を灯し、大型の砲を左腕に装着した謎の少女が、何者かと戦いを繰り広げていた。

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

恐怖のマカロンのお話です(゚ロ゚*;)エェッ!?

■ブラック★ロックシューターってこんなアニメです ρ( ̄∇ ̄*)
『ブラック★ロックシューター』はOVA先に発売されているのですが、TVアニメ版はOVAとストーリー上とくに繋がっていないようですね♪
って事なのでOVAを観ないでTVアニメ版を観ることにしたのです(ノ´∀`*)
ジャンル的にはhukeさんの独創的なイラストを独特の世界観で描いた学園・異空間アクションアニメです。
それにシナリオ構成が岡田麿里さんとなってるのでさらにエキセントリックな印象に仕上がっている感じですw
この世界観にどこまでついて行けるかが楽しめるかどうかのポイントかも知れませんね♪
舞台は主人公でヒロインの黒衣マトちゃんが通う中学校で、小鳥遊ヨミちゃんと出逢うことから物語が動いていきます。
マトちゃんが夢で見る不思議な世界、ブラック★ロックシューターが戦う世界とはいったい…
思春期の不安定な感情を見事に描いたこの作品はちょっと鬱な展開もあるので見る人を選ぶ作品かもしれませんね♪


■総評
この作品ってただのアクションアニメかな?って思ってたので軽い気持ちで見始めたんですけど…油断してると話についていけなくなる可能性がありますね(〃´o`)=3 フゥ
けっこう頭フル回転で1クール8話を一気に駆け抜けた感じでしたw≡≡≡ヘ(*--)ノ
現実世界と精神世界を並行して描いていく中で、「感情」を「色」で表現したり、「心の葛藤」を「バトル」で表現したりと独特な世界観で作品を彩っていましたね♪
精神世界も異空間的な造形美と色彩感覚が満載で「まどマギ」や「夢喰いメリー」や「Persona4」とはまた違った異空間の色を見せてくれてました。
そんな中でのバトルシーンは凄惨な描写はあるのですけど、躍動感があって心の葛藤をとっても良く表現してたとも思います!
不安や心の痛みなどの負の感情を無意識に処理している映像が精神世界なんですよね♪(* ̄  ̄)b

もちろんキャラの「感情」や「表情」が誇張気味に表現されてはいますが、スピード感ある展開と感情の起伏がこの作品の最大の魅力なのかなって思います☆彡
それと精神的に未熟で不安定な年頃の少女達を中心に描いているのもポイントでしたね♪
「今まで出会ったことのない感情や痛みを知り、傷つけ傷つけられながら大人になってゆく…」
マトにとってのことりとり、マトにとってのブラック★ロックシューター、色んなメッセージが込められた作品でした d(-_^)
OVAも今度見てみようかなぁ(^ー^* )フフ♪


■MUSIC♫
OP曲『ブラック★ロックシューター』
 【作詞・作曲・編曲】ryo【歌】初音ミク
 個人的にはTVアニメなので普段VOCALOIDに馴染みがない人には敷居が高かったんじゃないかなって思います。
 歌詞や楽曲はryoさんらしい納得のデジタルチューンナンバーですね♪
 声優さんとのタイアップでも面白かったかも、supercellとしてはそうはしたくないのでしょうけどねw
 

ED曲『僕らのあしあと』
 【作詞・作曲・編曲】ryo【歌】supercell(こゑだ)
 こゑだちゃんの歌声の魅力は物憂い中にも力強さを感じることが出来るところ♪
 特に低音域の安定感は抜群で、とっても心地良く感じられます!
 こゑだちゃんの魅力をめいいっぱい表現できたローテンポなバラードナンバーです(゚∇^d) グッ!!


2012.09.02・第一の手記

投稿 : 2024/04/27
♥ : 52
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

1曲の歌から作られた「心のつながり」を扱った物語。十分な出来じゃないか!

OVA視聴済み。

「ブラック★ロックシューター」というボーカロイドの曲から作られた物語です。

主人公の黒衣マト(くろいまと)は、中学生活を始めたが、同じクラスの小鳥遊ヨミ(たかなしよみ)と親しくなることで、周囲の環境が変化していく。
その頃、どこか別の世界ではブラック★ロックシューターが何者かと戦い続けていた。
通常世界のキャラクターと、精神世界のキャラクターが密接にリンクするストーリー。


十分な出来じゃないか!

迫力のあるキャラクターの動き、色鮮やかな世界、スピード感あふれるアクション。
映像作品としてだけでも楽しめました。

ただ、精神世界での戦いと日常の作画に差がありすぎたのがちょっと残念。

設定に関していえば、世界観の説明不足があります。
しかし、何でもかんでも説明し尽くしてしまうと、キャラクターの行動に矛盾が生じたり、ご都合主義な展開が目立ってしまうんですよね。
世界観を小出しにしていったのは、プラスに働いたと思います。

そして、要所要所に歌詞と全く同じセリフが出てくるのも、忘れちゃいけないポイントです。
視聴前に歌詞を見ておくといいかもしれません。
内容、セリフともに歌詞と上手に繋がっています。

たった1曲の歌から作られたアニメとしては、ストーリーも演出も満足のいく仕上がり。


テーマは「心のつながり」です。
人間はそれぞれ自分の「色」を持っている。
しかし、他人と触れ合うことでその色は混じり合い、やがて濁ってしまう。
そんな真理を「コトリトリ」という本のエピソードを通して表現しています。

また、中学生という多感な時期の少女の心。
ちょっとしたことで、心が大きく傷ついてしまいます。
それが、異世界での激しく、そして痛々しい戦いとして描かれています。


みなさんのレビューを読むと、「意味が分からない」という意見が多いようですね。
世界観が明らかになるのは後半ですし、前半は抽象的な表現を使っているので、流し見していると、たしかに意味が分からないと思います。

↓分からなかった方はこちら(私の解釈です)↓
{netabare}
心が傷つくたび、その傷を異世界の自分が、肉体的ダメージとして代わりに引受けてくれる。
そして、異世界の自分が死んでしまえば、その傷は綺麗さっぱりなくなってしまう。
その影響は現実世界にも及び、「忘却」という形で心の奥底にしまいこまれてしまう。

他人や自分が傷つく(他の色に染まる)のを怖れ、心を開くことなく暮らしてきた黒衣マト。
おかげで彼女の分身であるブラック★ロックシューターは、力を隠し、常に戦い続けています。

一方、現実世界での苦しみに耐えきれず、精神世界のストレングスと役割を交換した神足ユウ(こうたりゆう)。
ここから、現実世界と精神世界は互いに行き来できることが分かります。

そして、この二人の立場から、心のつながりによって生じる「痛み」をどう扱うか描いています。
心の痛みの原因を作らないようにするのか、心の痛みから逃げるのか。

自分のせいでヨミがおかしくなってしまったと思ったマトは、現実世界にいたユウ(=実はストレングス)の力によって、精神世界に行くことになります。
しかし、それがブラック★ロックシューターの本当の力を目覚めさせてしまうことに……。


コトリトリのエピソードにあるように、人間の持つ色は、混じり合うとどんどん濁ってしまいます。
しかし、そうしないと人間は繋がっていけないものです。

異世界での戦い、そして、ストレングスやサヤ先生の呼びかけの中、人間は傷つけ合わないと、本当の意味で繋がっていけないことを知ったマト。
彼女は、自分を傷つけ、人を傷つけ、そうやって繋がっていく方法を選択……つまり、心を開き、世界の壁を壊すことを決意しました。

そして、最後に放った光は七色に輝き、真っ白な世界を作り上げました。
その時に混じり合った色は、絵の具の色ではなく、光の色だったのかもしれません。

すべてが終わり、精神世界にいたマトもユウも現実世界に戻ってきました。
この後も、精神世界での戦いは続くでしょうが、それはお互いがいがみ合っているからではなく、そうしないと人は繋がっていけないから。
好きだからこそ、傷つけあい、本当の友情をはぐくんでいく。
そうやって、彼女たちは大人になっていく、という物語です。
{/netabare}

8話という短さですが、内容は濃いです。
もっともっと評価されてもいい作品だと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 44

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

(感情=色)+異世界+友情=先進国専用アニメ

傑作というより秀作。

まぁまず、OVAとはまったく違う設定で、内容も異なるものでした。それはそれで全然良いのですが、この作品を本編とするならばOVAはちょっと問題が色々ありますね。
とは言いつつも、ここは本編の感想を書く場所なのでOVAについてはスルーで。

声優は目を疑う程の豪華メンバー。
花澤香菜、沢城みゆき、阿澄佳奈、能登麻美子、喜多村英梨など。
なんでこんなに豪華なんでしょうねw

作画は見てもらえば一番早い。戦闘シーンも迫力があって素晴らしいですが、私としては異世界の世界観そのものが圧巻です。


この作品を視聴して一番に感じるのは「感情」と「色」、そして「異世界」でしょう。これらは、実はそれ程珍しい設定ではありません。しかし、この作品程これらの要素を密接に繋げているアニメも少ないのは確かです。

アニメでのキャラの感情は言葉、キャラの表情、BGM、そして背景の色で表現すことが出来ます。多分一番効果的なのはキャラの表情とBGMです。しかし、背景の色も同じぐらい効果的であり、それがあまり認識されていないのは視聴者に無意識下で影響を与えるからです。
どんなアニメでも感動のシーンの背景に黒や紫は使わない。使ったとしても、それは夜だったり密室だったりと条件が追加されている筈。同じく、強い敵が出現して主人公を圧倒するという場面で光が差し込んだり、空の青さを強調したりはしない。
そういう背景の表現とは当たり前だからこそ気付かないけだけで、常に重要な役割を果たしています。

今作品は絵本とその色の世界を関連付けていました。そして、その色は色々な感情と同じ。感情を色で表現する、そんな当たり前の事を再認識させてくれる作品です。

さらに、異世界が凄かった。あの世界観は中々出そうと思って出せるもんじゃ無いと思います。
異世界が人間の負担となる感情を戦いで解消してくれる。どこかで見た事がある様な設定でしたが、重要なのはその世界観をどう描くか、です。感情という個々によって違う世界を大衆に理解できるような描写が必要になってくるんですが、この作品ではその世界を上手くキャラの心情と関連付けることで素晴らしく表現していました。

特に良かったのは小鳥遊ヨミが狂って行くシーンでした。生生しい愛情と裏切り。こういうタイプの展開が嫌いな私でも引き込まれる程の憎悪と悲しみの連鎖を上手く表現出来ていたと思います。

さらに記憶が無くなる、という特殊なケースが今作品の見所を増やしていたと思います。現実的には記憶を無くすほどの悩みがあるのかは判りませんが、これはアニメとして感動を誘う展開だったと思います。「過剰」な展開は感動を呼ぶ、の法則ですw


今作品を視聴しての一番の感想はこれぞ「日本」ということです。友達同士で自分の存在を重要視して欲しい、という感情が今回の展開の大本なんですが、これは多分先進国にしか通用しないテーマであると思います。
近年中国人やインド人の新興国や発展途上国の人たちの「やる気」が日本の産業を押している現状からも判るように彼らには日本人にない競争心を持っています。その競争心の前では如何に他者から認められるか、ではなく如何に他者を出し抜くかが重要視されます。確かに友情や知人同士のコネクションが己のさらなる発展、進化に繫がることもあります(革命など)。しかし、今作品の様に他者に認められなければ生命活動もできないやわな人間は先進国民だけではないでしょうか。

そういう意味で今作品は日本人の様な平等性、友情を社会的成功よりも重視する人間にしか共感されない作品かもしれませんね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31

65.7 2 初音ミクで戦闘なアニメランキング2位
ブラック★★ロックシューター DAWN FALL(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
218人が棚に入れました
2022年春
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

存在する意味を一撃に込めて敵を貫け

【紹介】
どうも続編みたいですけど、前作とのつながりは見てないのでよくわかりません
でも前作見てなくてもちゃんと楽しめました!

【感想】
とても面白いSFアニメでした
敵の目的や行動がかなり気持ち悪かったけど、話の展開がうまくてわかりやすいしよく動くいいCGアニメだと思いました{netabare}
最近、かなり低質でいい加減なCGアニメばかり見ているので久しぶりに良質なCGアニメが見れて良かった
CG特有の欠点はどうしても出てしまいますが、よくできてると思います
エンプレス達または敵側の目的や行動ははっきりしていてわかりやすく、SF作品でありながら設定や世界観の謎も丁寧でわかりやすく見せられるので
どうなっているのかわからないってこともなく視聴しやすい作品だと思いました

味方の動きも敵の動きもしっかり描いていて全体像もわかりやすくて良かったです
{/netabare}
【作画】{netabare}
荒廃した世界を描くのがとてもうまいですね!
かなり細かいところまで描いていて思わず絵を止めて細部まで見てしまった場面もあった、動きもいいし綺麗
安っぽく感じるところはいくつかあって最高のCGとは言えないですけど、これだけできてれば十分だと思います
色使いは独特なので苦手な人はいるかも {/netabare}

【シナリオと世界観】{netabare}
SF作品らしく世界観の謎の見せ方がうまくて物語への没入感が高め、熱い展開も多くエンプレス達の戦いは苦難の連続で応援したくなる、とても良かったです
ブラックロックシューターについては詳しく知らないので語れませんが世界観も良かった
常にエンプレス側は劣勢で息をつく暇もなく、緊張感が続くシナリオは見ていて面白い
絶望的な世界で人類を守る!!ってコンセプトがはっきりしているのでそういう作品が好きなかたには合いそう

月とのエレベーターから侵略者がやってくるのはよくみる設定ですがこういう外敵襲来の話には相性のいい設定でいいですね
{/netabare}
【欠点】{netabare}
主役やスマイリーやアルテミスはとても個性的でよかったけど、そうでないキャラクターや敵兵がとても没個性的なのは少し残念かも、でもその没個性的な動きも大量に襲来するとなると不気味で脅威を感じるので世界観には合っていたと思います

あとは女の子を性的にみてるところも気になります
例えばヘーミテオスユニットであるエンプレスや疑似のシャーロットをメンテナンスするときに透明なカプセルにみんなの前で裸で入って眠りについてますけど、元々は女の子なのであんなに外から丸見えな状態でさらすのはかなり気になりますね
スマイリーも目的があるとは言ってもいちいち発言が変態的で、洗脳とか改造とかこづくりといった少女を好き勝手いじりたいっていう嗜好が見えて、シナリオ書いた人の性癖なのかなーって思ってしまいます、面白い話だったけどそこだけ気になりました
{/netabare}
【少女を道具扱いする世界】{netabare}
シナリオは面白いけど、少女を性的な視点で見て道具扱いする世界観と敵の目的には嫌悪感があります、めっちゃキモいです
直接的なシーンはなくてもそれを想像させるようなセリフや描写が多い
ヘーミテオスユニットに適合する者を探すために少女をさらって改造手術して、自分の子どもを産ませようとするとかキモすぎでしょー
子どもを作るって言いながらやってることは少女を誘拐して強制してるだけですから最低です
{/netabare}
【主題歌】{netabare}
主題歌はなんでブラック★ロックシューターじゃないの?って思ったけど普通にいい曲で結構好きです
でも最後はちゃんと流れたので、最終回のためにとっておいたみたいです {/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 14

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

世界観が良い。バーチャル美少女を消費する日本のアナロジー…かも。

 ここまで作り込んだSFを作ったことは素晴らしいと思います。ストーリーもこじんまりと小さくまとめず、壮大な部分までもって行きました。キャラもなかなかバックグラウンドを描いていました。

 さて、本作を語るにはまず「ブラックロックシューター(以下BRS)」の名を冠するのに、ふさわしいか、ということでしょう。世界観やキャラ設定などは、あの名作のニコニコ動画の感じが出てました。ニコニコのBRSは挫折からの再生という感じのストーリーでしたので、完全ではないですが、前作のインナースペース的な訳の分からないBRSよりも格段に良かったです。

 キャラとしてのBRSですが、岩じゃないじゃん、という突っ込みはさておいて、キャラ造形は良かったですね。特に戦闘シーンはちょっと感動しました。黒い巨大な武器の雰囲気も出てます。
 室内のシーンは手足のCGが貧弱すぎるのはなぜかよくわかりません。この点だけ不満です。

 ということで、BRSの名を使った本作。かなり曲の世界観の再現が出来ていたと思います。

 で、本作について。話全体もそうですが、特に冒頭の2、3話はかなりセリフによる説明が多かったです。見てればわかるじゃん、いや、それはストーリーで表現しようよ、という印象です。
 さらに、構成として戦闘、エモいシーン、謎解き、施設の発見などを繰り返します。このパターンでの進行します。これはいくらなんでも視聴者をバカにしてるだろう、という印象を持ちかけましたが、考えなおしました。
 これは非常にゲーム的だし、説明がないと嫌になってしまう視聴者向けの配慮だろうなあ、という気はします。

 SFは設定や世界観の他、パズル、謎解き、考察を楽しむんですけど、他の作品を見ていると頭を使って読み解くのは忌避されるみたいです。設定の説明が冒頭に丁寧にされた上で分かりやすい展開にしないと、2020年代において作品として成立しないと考えたのでしょう。止むを得ません。
 が、そうはいってもラストに向かっていろんな事実が明らかになってゆく部分はうまく謎を織り込めていましたので、ここはわかりやすいながらも興味を持てる話になっています。

 次に過剰に性的な内容です。直接シーンとして見せるわけではありませんが、容易に性的な状況だとわかる表現、セリフが多用されていました。
 教育機関のスマイリー…これをなんのアナロジーとみるか、によると思います。ロリ美少女に性的な行為を繰り返す教師みたいにも見えます。が、実際は、マッチョな肉体にキューピー的な童顔は、身体は大人で頭は子供。「成長しない現代人」もっと悪意をこめれば「日本人」を表現しているのでしょう。
 自己主張を身体に文字で描いているのはSNSによる虚構のアイデンティティにも見えます。あるいは作り物のような肉体は拡張現実を想起させます。男性の部分がのっぺりしてました。本物がついているのかすらわかりません。性行為に見えて性行為でないことをしているという可能性もあります。
 教育機関=SNS、ユーチューブだとスマイリーみたいに育つという皮肉もあるかも知れません。
 
 お互いの意思を尊重しないで一方的にロリ美少女を性的に消費するアナロジーなんでしょうね。子供を作らなきゃといいながら、教育機関に赤ん坊の影はありません。美少女をさらって来ては消費する。これはこのアニメを見ているあるいはVチューバ―ばっかり見ているオタク層に対する皮肉になっている、と取るべきなのかもしれません。

 で、更に悪意があるとすれば、BRSは初音ミクの名曲・名作です。初音ミクはバーチャルアイドルですし、BRSも作られた美少女サイボーグ。ラスボスもAIの美少女です。
 皮肉な見方をすれば本作は、虚構のロリで性処理をしていると、子供を作れなくなると、世界が滅びるよ、という話につながります。
 最後、子供らしきものが現れていましたね。虚構の美少女が消えて初めて子供ができるという意味にも取れます。

 百合はまあ、ディズニーですから入れざるを得ないんでしょうね。百合も子供は作れないという意味にも取れますけど。

 AIや機械文明に対する警鐘的なものもあるかもしれませんが、そこはあまり深掘りされません。むしろ、性表現、作られたロリ美少女たちに込められたテーマを読み解くべきだと思いました。

 軌道エレベーターは外から入ってくる脅威のアナロジーなんでしょうか。そこばかり気にして作戦を立てていたら思わぬ方法で攻撃を受けますので、この軌道エレベーターが象徴するものは考えたほうが良さそうです。
 また、日本の技術ばかり吸い取られて、海外に逆転されている現状にも見えます。AIと核融合炉ですからね。
 そして、ラストはでかけて行って戦う。この結末が描かれないのは、結果よりも「日本人よ。子供をつくれ、海外と戦え」と言う風に感じました。


 類似性はいいでしょう。さまざまなSF的表現はどこかで見たものが多いですが、SFのセンスオブワンダーは今や組み合わせです。その点ではBRSというキャラありきの話をうまくストーリーに落とし込めていました。

 CGは良かったですね。一部あれ?という部分がなくはないですが、キャラ達はかき分けられてたしちゃんと美少女になっていました。日本の記号的美少女とCGというのはひょっとしたら相性がいいのかもしれません。武器やバイクなどの乗り物など、非常にSF的な映像表現になっていまいた。

 で、肝心の曲ですけど、前作があるから使われないのはしょうがない、さみしいけど、と思っていました。が、ここはまあ、見てください。

 総評すると、BRSの世界観を上手く使っています。SFとしての話も分かりやす過ぎという欠点はあるものの、ちゃんと尻つぼみにならず大きな方向に向かってゆくので面白いしワクワクもあります。キャラたちのデザインもキャラ造形も満足でした。
 性的な表現にテーマ性を見出せるかどうかで、ここで不快感を持つ人はいるかなあ、と思います。テーマについては私が考察しきれているかわかりませんので、もう1度見たい気もします。

 なお、こんな考察をしなくてもアニメ作品としてストーリーは結構面白いと思います。キャラもいいし、CGを楽しむだけでもいいと思います。曲が好きな人ならなおさらです。

 最後に、ユーチューブの無料1話見てがまんできなくなりました。ディズニー+独占かあ、と思いましたけど月990円ですからね。うまく乗せられて悔しいですが、昔のレンタルに比べれば全然お得かあと開き直って本作見られて良かったです。
 ネトフリのオリジナルもいいのが出てきてますから、それでアニメが進化するなら…でも…うーん。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

まるてろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

名前しか知らなかったけどとても満足

ディズニー+のオススメリスト最初に載っていたので視聴。
もともと名前とビジュアルぐらいしか知らず、なんとなく退廃的な雰囲気がよくて流し見していました。
見終わったあとに真剣に二周目を見てしまうぐらい熱中しました。
もしも昔からのファンだったら大満足の出来だと思うのですが、単に自分好みの作風だっただけなのかもしれません。

主人公のエンプレス=ブラックロックシューターが可愛くてかっこよくて熱いフルCGSFです。細かい設定は見てたらなんとなくわかります。

個人的にOPが限界突破するぐらい好きで、それが山場にフルで流れる6話は何度でも見ていられます。

女の子版のマッドマックスとか、ケムリクサみたいと言えば通じるでしょうか。
本当に見てよかったです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0
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