北海道で戦闘なアニメOVAランキング 1

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60.9 1 北海道で戦闘なアニメランキング1位
最終兵器彼女 Another love song(OVA)

2005年8月5日
★★★★☆ 3.4 (124)
603人が棚に入れました
「最終兵器彼女」が待望のOVA化!TVシリーズでは描かれなかった、もう一つの真実が今明らかに…。
爆撃機による攻撃を受け、火の海と化した博多。
そこへ謎の物体が飛来し、爆撃機を次々と撃墜してゆく。その物体の正体は、ちせとは別の、もう一人の最終兵器・ミズキだった。兵器にされた自分に戸惑い、シュウの事を考えて苦しみながらも、過酷な戦闘を強いられるちせ。最終兵器のプロトタイプとして生み出されたミズキ。二人の最終兵器が織りなす、もう一つの真実とは…。

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

作られるべきではなかった。アニメ考察問題を浮き彫りにします。

 作品を見たときに、不明なところ、不明瞭なところ、描かないところがあった方がいいのかどうか。自分の考えで想像をひろげたいか、解答を教えて欲しいか、と言い換えることができるかもしれません。
 それは、制作者の意図ともいえるし、視聴者にとってはエンタメとの向き合い方だし、教養の問題ともいえるかもしれません。

 もちろんアニメの性質はあるでしょう。完全に脳みそを停止させて「面白い」「可愛い」「カッコイイ」で見る流行作品にそんなことは望みません。ですが、本作本編は明らかに違います。

 いわゆる「アニメの考察」問題にこの作品は大きくかかわってくると思います。

 私の考えです。本編でのチセの出会いから別れ、滅びがもたらす愛の終わり=永遠の愛情の「切なさ」は「感じる」ものです。そして、本編で描かれない兵器になってゆく過程とその時チセが何を感じていたかは「想像」するものです。
 そして、それぞれの登場人物たちがなぜそうしたかに「共感」して「反論」して「意味」を考えるものです。

 その上で、その作品が作られた「理由」とか、そういう結末になったのか、なぜこの作品が人気・不人気になったのか、この作品が生まれた時代背景などを「考察」するというプロセスで私は作品を観賞します。

 あるいは視聴時のコンディションの違いを味わうために「心のざわつき」や「引っ掛かり」がある作品はつまらないと思っても見返したりします。

 考察というのは、その作品の行間にある制作者のメッセージを読み解くともいえるし、その作品に現れた時代背景や価値観の変化など制作者が意図していない部分を拾い出す場合もあります。
 この意図している、あるいは意図していない部分を拾いだすための武器が教養であり、過去の考察のストックになります。したがって、考察は自分をうつす鏡にもなります。
 もちろん懐が深い作品でないとそういうことはできません。なので「浅い」「深い」などの「奥行」で作品の出来を判断します。この「奥行」は制作者の思想、問題意識、経験、知識、教養、作品に対する向き合い方などに関わってくると思っています。

 アニメ研究自体が好きなので分析ありきで見ることもありますが、大抵面白く感じないし、考察も深くまで入り込めません。やっぱり作品の奥に入り込むという感情、感覚、思考など脳みその作業が必要です。

 決して、もったいぶって難解に作る作品が良いとも思わないし、シンプルでわかりやすい中に深い趣や意味を感じることはあります。
 しかし、あえて明示しない「含み」や「暗示」「伏線回収」「オープンエンディング」などをするかといえば、それが考察のきっかけを産み出すからです。

 で、この作品です。この作品で描かれていること、あるいは描かれない部分は、すべて原作でもアニメでも「深さ」として読者・視聴者に委ねた部分です。異性の気持ちがわからないという恋愛感情のデフォルメでもあります。
 チセの心が機械になっているプロセスは時々シュウの前に現れて壊れて行くことに、どうしていいかわからない不安と恐怖、対する愛情のジレンマが描かれていました。これは作品ですから非現実的ですけど、現実の男女のアナロジーになっています。なぜアナロジーを提示するかと言えばそれが「考えるきっかけ」にもなり、「感情が増幅される」からです。
 ここの裏側を見せたのはどうなんでしょうか?チセの「隠していた部分」が薄まった気がします。

 そして、軍部が裏で何を意図しているかわからないのが一つの大きなポイントだったと思います。なぜ滅びに進むのかがわからない=今の世界政治が皆方向性がわからず正しいと思っているうちに滅びてしまう、という「得体がしれない恐怖」を表していました。

 そこを解説するようなOVAは、解答を求めている人にとってはいいでしょう。でも、味わいたい人間からすると「余計なお世話」です。
 じゃあ、見なければいじゃない、というのは間違いです。好きな作品の解答があるなら見ざるを得ません。それがファン心理だし、それを含めての作品だと思います。

 チセの裏の姿を少し見られたという喜びも確かにあります。ただ、やっぱり描かれたことによる壮大さや、恐怖、心情のスケールダウンというか矮小化された感じは否めません。
 ですので、余計なことをしたという気持ちもあります。

 エンタメは考察しないで楽しむこともできます。でも映画でも小説でもマンガでもそうですけど、それは刺激のインフレを起こすだけで、やがて娯楽自体に飽きてすべてがつまらなくなってゆく気がします。
 あるいは「あー楽しかった」「泣けた」「戦闘シーンがすごかった」でその時だけ終わりで、時間を消費するだけの繰り返しになる気がします。そういう作品の全部悪いわけでは無いし、それを突き詰めるなら優れた作品にもなりえます。
 でも、わざわざ本作本編のレベルを落とすことはないでしょう。

 評価はしません。しませんが、やっぱり作るべきでは無かった作品だと思います。アナザーにするならチセは登場させなければいいのに…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

スタジオファンタジア制作の最終兵器彼女のサイドストーリー

2005年発売のOVA 全2話
テレビ版最終兵器彼女は一応原作準拠なのに対してオリジナルストーリー
監督は同じ「加藤充子」制作はスタジオファンタジア

自衛隊側の視点で描かれるため、本作の主人公であるシュウジは登場しない。

ミズキ中佐と言う新キャラが主人公。
原作やアニメ版との整合性が薄く、補完にはなっていない。
加藤充子氏は長浜監督や冨野監督の下で演出の仕事をしていた人で、
ラブストーリーよりは戦記物に強いような気がする。

戦闘で大けがを負ったため最終兵器の試作品に志願したミズキ中佐の視点から、
この謎の戦争及び兵器に最も適したちせを見るという設定になっている。

謎が解けたのかと言うと、全然と言わざるを得ない。
自衛隊側が主役となったため設定崩壊が起こっている。
原作ではちせの最大の武器は意のままになる人工衛星だったが、
こちらでは自衛隊が人工衛星を使用している。
これで、神のような存在であったちせが単なる被検体になってしまい興がそがれた。
単なるサイボーグ戦闘アニメであれば普通の出来ではあるが、
最終兵器彼女としては謎を増やしただけでストレスが溜まってしまう。

GONZO版よりは作画は良く、ミステリアスなちせの戦闘も良く書けていて、
本編では物足りなかった戦闘シーンが堪能できることは嬉しい。

{netabare}時間軸は九州戦線からの撤退、本編の1話でちせの怪我、
札幌空襲、本編の一話。大阪決戦、本編の3話。駿河湾の戦い。5話くらい?
このあたりでミズキ中佐が死亡して、
ラストシーン(本編の10話)に飛ぶ。
テツ死亡により怒ったちせが仙台の大本営を消滅させるシーン。
東京から仙台にかけてのちせとテツの連戦は原作、アニメで描かれるので省かれる。

仙台から小樽へ帰ったちせはシュウジと共に逃走するのだが、
それは本編で。
と言うことで時系列は合っているが、本編の補完としては納得がいかない部分が多い。{/netabare}

ちせ物語にしてくれれば整合性が取れたかもしれないと思うが。
ただこれは、原作、GONZO版原理主義の考えで、
単体の作品としてはこれでよかったのだろうとは思う。

本編を楽しんだ人にとってはちせが戦闘するだけで楽しめると思うので、
細かいことに気にしなければ良い作品だとは思う。

原作、テレビ版、OVA版、微妙に違うが、大人の事情を考慮すれば納得の範疇。

だが〇〇版!お前は自重しろ、と言いたい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

何故、ちせなのか。。本編で描かれなかった軍隊での物語(原作購読後の補足追加)

~初見にて~
NETFLIXでは本編13話に続き14、15話として収録されてました。
アニメ本編では触れられなかった、軍隊に入隊したクラスメイトやセンパイの旦那など軍隊や戦場の話が主でした。

気になる設定の疑問についてですが。。
自分は無茶な設定でも気にしないことで作品が楽しめるのであれば想像を楽しむ事にしていますが、OVAで少し触れてくれてました。

なぜ、ちせなのか?
~{netabare}
→ちせが、たまたま適合したから。

え・・・そんだけ?w

ここでも兵器化技術については触れられませんでしたね。。
明かされなかった以上、想像するしかないですが、
おおかた、オーバーテクノロジーを手に入れ、少なくなった人口内で適合者を探したところ、ちせがそうだったというところでしょうか。

ちせの出番が少なかったのは残念ですが、上官ミズキ(声はサクラ大戦のあやめさんw)がいたおかげで、ちせの孤独感も多少は薄らいだのではないかな。そう考えると、本編にミズキを登場させなかったのは、ちせの悲壮感を損ないたくなかったのかもですね。

本編は、ちせの悲壮感。
OVAは、戦争の非常さ。
それを強調した物語にしたかったのかも。
{/netabare}~

何にしろ、戦争だけはどんな過ちが発生したとしても、起こる可能性を排除しなければいけない、虚しく愚かな行為である事を、自分は痛感ぜずにはいられません。

物語としての本OVAは、知った上でもう一度本編を観ると、また違った感慨もある内容だったかと。
あ、はい。。本編2周目行きました(ダイジェスト視聴ですが)w
観るほどに、ちせが可愛く、愛しく、悲壮に、思えてしまう。。
#ヤバ、闇落ちしそうw日常でも観よう。。

~原作購読後~
わざわざ書かなくてもいいかもですが、このOVAはアナザーストーリーと言うことが確認できました。
思えばHuluの作品紹介にそんな事が書いてあったような。。でも、自分の中では別な世界線ではなく、ちゃんと本編のウラで存在していたストーリーとして処理してしまったので、その認識を改変することはしないでおこうと思います。そう、世界はヒトが認識することで存在するのですからw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
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