図書館で魔法使いなTVアニメ動画ランキング 2

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77.1 1 図書館で魔法使いなアニメランキング1位
無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (360)
1557人が棚に入れました
2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』。理不尽な孫の手の著による本作は、多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」のまさに先駆者的作品であり、幅広いファンを獲得している当ジャンルの代表作。働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。


声優・キャラクター
ルーデウス・グレイラット:内山夕実
前世の男:杉田智和
フィッツ:茅野愛衣
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

【ネフィリム】の【生存戦略】

●一見するとスピンオフみたいな今期?

もちろん主人公は登場しますが、わざわざ「エピソード0」みたいな
スピンオフの展開を噛ませてくるのにはどのような意味があるのでしょうか?

本作のアンチである当方には{netabare}「シルフィ」{/netabare}なる耳長キャラには印象が皆無な状態でありまして
正直このキャラが前期で登場したかどうかも記憶があやふやであったりします。

前期では作画を含めかなりの高評価を得た本作でありますが、{netabare}この耳長キャラを
全面的に押し出したような展開には微妙なものを感じた人も少なくはなく、
恐らくは前期と比べると評価の方もかなり厳しいものとなるような気がいたします。

特に今期は、一般的に見て面白いと言える要素はほぼ無く、どちらかというと
マニア向け作品の傾向が強く、例えば円盤が普通に売れない現代にも拘らず
円盤の売り上げで奮闘してる「鬼舞い」に似たものを感じます。

熱狂的なファンには好評であるようですが、そうではない人からしてみると
高評価のポイントが今一つ見えないわけであります。{/netabare}

個人的意見では9話「白い仮面」こそが本作の本筋に繋がる展開でありまして
もっとそちらの描写に尺を割くべきであると考えるわけですが、{netabare}フィギュアやら
獣人族やら阿修羅男爵?やら、一見すると脇道それ過ぎでどうでもいいような話が
多かったような印象を受けてしまいました。

もちろん、裏設定的に考えれば耳長族のヒロインとの絡みに意味があると
解釈も成り立ち、アホ毛同士は結ばれるというのも鉄板法則と言えるのでありますが、
一般論として言えば、{/netabare}特に今期は第三者にお奨めできるほどの作品ではなかったように思います。

主人公のキャラ設定等には当然意味があるのですが、理解はできても面倒くさいと言いますか
{netabare}「ルー」+「デウス」という主人公の名前由来が【ケルト文化】であるように
ケルト、フェニキア、アングロサクソン、等々混血種族の文化的なバイアス負荷が
かかり過ぎているため車酔いにも似た感覚を覚えてしまいます。{/netabare}

「異世界行ったら本気出す」のタイトル回収のために今期の展開は必要不可欠であったと
考えられるわけですが、そのために各種の設定に「諸刃の剣」が仕込まれてしまうのが
本作の致命的な欠陥であると言えるのかもしれません。

{netabare}主人公は中身がおっさんの変態的なエロ人格者でありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」のが本作のテーマである以上
エロくなければ話が成り立たなくなるというわけであります。

結論から言いますと色々な種族と交わり「混血種」を作り出し種族を繁栄させるのが
「彼ら」=【ネフィリムの眷属の生存戦略】であります。

耳長ヒロイン=「シルフィ」の名前の元ネタは「風の妖精シルフ」でありまして
妖精とは【妖魔族】であり、【魔族】ということになります。

魔族の頂点に君臨するのは【魔王=サタン】でありまして、【堕天使ルシファー】であります。

【堕天使】とは人間の女を孕ませる衝動が抑えきれずにこの世に堕天した
【堕落の天使】でありまして、その特性は【エロ】ということになります。

【堕天使】と「人間の女」から生まれたハイブリットを【ネフィリム】と言いますが、
【ネフィリム】の第一世代は【巨人族】であり【鬼族】であるとも言われています。

【鬼族】は【ネフィリムの眷属】でありますので、頭に【角】が生えておりまして
その【角】は【堕天使】の遺伝子に由来するわけであります。

【堕天使】の血が濃い【ネフィリム】はノアの大洪水でほぼ壊滅しまして
現在に生き残った【ネフィリムの眷属】は混血化が進んだ影響もあり、人間化しておりまして
見た目では人間種と区別が不能な状態であったりするようです。

「名家」や「名だたる英雄」こそが【ネフィリムの眷属】のでありまして
例えば【オリンピアの祭典】では【黄金の魂を持つ勇者】を讃えるわけですが
【黄金の魂を持つ勇者】は後の【王家】となり、故に「王侯貴族」は【ネフィリムの眷属】
であるということになります。

「天皇すり替え説」という奇説もありますが、もしも今の天皇に「異能」の類があるとしたら
恐らくは【ネフィリムの眷属】ということになるのでしょう。

もしも「天皇すり替え説」が真だとすると本物の帝は【八咫烏】ということになるでしょう。

通常の人間には魔法の類は使えないのでありますが、【シャーマン】であった【卑弥呼】には
【呪術】などの異能が使えたようでありまして、だからこそ「邪馬台国の女王」に
なれたわけであります。

通常の人間とは違う【ネフィリムの眷属】を表すために頭に「アホ毛」を描くわけですが
その元ネタが「ゲゲゲの【鬼】太郎」の「妖怪アンテナ」であるように
「鬼の魂」を有する【ネフィリムの眷属】には【角】が生えていて然るべきというわけであります。

何度も繰り返される【人狼ブーム】についての詳細は「生首女」の方で書くつもりですが
【獣人族】、「ウェアウルフ」の類の元ネタが何なのかと言えば、神話であり古代宗教
でありまして、【人狼】に限らず亜人種の類は古代宗教の神々である故に
アニメなどでは当たり前のようにごり押しされるわけであります。

「おおかみかくし」という作品がありますが、タイトルが何故「ひらがな」表記
なのかと言えば、ダブルミーニングが仕込まれているからでありまして
「おおかみ」は「狼」であり=「大神」というわけであります。

【獣】の種族である「もののけ姫」の名は「サン」でありますが
「サン」=「sun」は「太陽」であり、従いまして太陽神「天照大神」を暗示しています。

「天照大神」は「あまてらすおおみかみ」ですが
「あまてらす【おおかみ】」とも読んだりもします。

「狼の神」と言えば【アヌビス】であり、【フェンリル】でありまして
【フェンリル】に似たものに【エンリル】というのがいまして
この【エンリル】と【エンキ】兄妹が神社にいる「狛犬」の元ネタであると言われています。

【エンリル】のことを「アッカド語」では「ベール」とも言いまして
「ベール」が転じて【ベル】となり【バアル】となるわけであります。

「狛犬」には「角」が生えていますが、【エンリル】にも「角」が生えており
【フェニキア人】の神=【鬼神バアル】そして【ケルト人】の鬼神も同様であります。

【ケルトの鬼神】その名を【ベル】と言いまして、
「ジングルベル♪ジングルベル♪鈴が成る♪」の【ベル】=「鐘」が教会やお寺に
当たり前のようにあるのは【ベル】が「神の名」を意味するからなのであります。

「12月25日」は何の日でしょうか?
「イエス・キリスト」とは全く関係ありません。
この日のルーツは【ベル】と【バアル】と【ニムロド】の物語に由来しますが
詳細については長くなるため今回は割愛いたします。

要するに【ローマカトリック教会】は謎の宗教儀式を世界に拡散しているのであります。

アホ毛の耳長族エロ女=エリナリーゼ・【ドラゴン】ロード
一見するとどうでもいいキャラのようでありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」というのが本作の主題でありますので
このエロ女キャラも伏線的な意味合いが込められているというわけでありまして
本作【8】話でそれとなく描写された決闘=求婚の儀式につながるわけであります。
獣人族の発情期が「収穫祭」と重なるわけですが、そもそも収穫祭というのは
地母神信仰に基づく宗教儀式でありまして、実りをもたらす地母神=【豊穣の女神】に
感謝の意を示す祭典であります。

豊穣の女神には様々な名があり、【イナンナ、フレア、ヴィーナス】などがありますが
これらは【金星の女神】であり、よって【8芒星】=【イナンナスター】で
暗示されるわけであります。

【金星の女神】は「エロエロ」の女神でありまして、なのでそのエロ属性を持つ
エリナリーゼがクローズアップされ、獣人族の求婚儀式に繋がるわけであります。

「イースター」は春に行われる復活祭という祭典ですが、元ネタは
【イシター】=【イシュタル、アシュタルト、イシス】という女神の名が由来でありまして
復活祭というのは大嘘であり、実は古代から伝わる女神信仰の儀式を単に
リメイクしただけだったりします。

「天空の城ラピュタ」の「シータ」もこの女神の名が由来と言われています。

本来の【イースター】では女神に多産を祈願する意味合いがありまして
そういうことで女神信仰を暗示する「収穫祭」と「子作り」が繋がるわけであります。

エリナリーゼ・【ドラゴン】ロードの【ドラゴン】と言えば【竜】でありまして
オルステッドも【竜神】ということで同じキーワードで繋がります。

【龍】も【竜」も同じわけでありまして、【竜】とは年老いた【蛇】が変化したものと言われています。

【蛇】と言えば「アダムとエバ」を誘惑して【禁断の果実】を食べさせた【サタン】でありまして
【光の天使ルシファー】であります。

【明けの明星】のことをラテン語で【ルシフェル】と言いますが
【明けの明星】は【金星】でありますので「エロエロの女神」と【堕天使ルシファー】は
等号で結ばれ、【女神アシュタルト】が【鬼神バアル】の妻であることから
【堕天使】と【鬼神族】が同じ種族であるのが見えてくるのであります。

そしてバーディガーディは阿修羅であり、カーリー、ドゥルガー、
へカントケイル(百手巨人)と一致します。

阿修羅は【鬼族】であり、へカントケイルは【巨人族】でありますので
バーディガーディ=魔王は【ネフィリムの眷属】ということになります。

【エリス】にもアホ毛が生えていまして、故に【ネフィリムの眷属】と言えるわけですが
名前がギリシア神話の不和と争いの女神でありまして、新型567変異株の名前とも一致します。

ギリシア神話の女神と言えばエロいのが当然でありまして、しかも
先代の最高神【クロノス】が【ティターンズ】=【巨神族】であることから
【エリス】なる女神も【ネフィリムの眷属】であることが確定します。

「白い仮面」の転生者が登場するわけですが、「仮面」と言えば【マスカレード】でありまして
貴族文化の【仮面舞踏会】を意味するわけであります。

【マスカレード】の発祥の地は【ヴェネツィア】でありまして、ここを拠点に
活動していたのが【ヴェネツィアの黒い貴族】であります。

「黒い貴族」と言われる理由は肌の色がスレッタ・マーキュリーのように浅黒い感じだった
からでありまして、中東から来た種族であると言われています。

「黒い貴族」は「ユダヤ人」であるという説もあるのですが、商業や金融業に向いているのは
どう考えても【フェニキア人】でありまして、しかも【マスカレード】はかなり
いかがわしい宗教儀式でありますので、ユダヤの思想とは全く接点がないことからしても
黒い貴族の正体が判明するわけであります。

【マスカレード】とは乱交パーティー的なものであるようでして、
その詳しい内容については「ベルセルク」の原作に詳しく描写されています。

ざっくり言えばダークギャザリング的な黒ミサでありまして、
「ベルセルク」ではドラッグを吸引した上で行われていました。

ヴェネツィア発祥の【マスカレード】の秘密について命がけで暴露しようと試みたのが
今は亡き「スタンリー・キューブリック」監督でありまして、その作品が
「アイズ・ワイド・シャット」であります。

そして【マスカレード】と全く同じような仮装するのが
「ハロウィンパーティー」の元ネタとなった【ケルト人】の【サウィン祭】であります。

悪霊からの攻撃を回避するために悪霊と同じ格好をしたのが仮装パーティーのルーツ
であるようですが要するにコスプレの起源も【ドルイド教】の宗教儀式にある
ということになるわけであります。

悪霊は【ケルト人】にとっての神に匹敵するため、これに生贄を捧げるわけですが
「ガリア戦記」に記されていたように彼らは「人間」を供物として捧げる
【人身御供】を行っていたと言われています。

【ドルイド教】の【サウィン祭】は【ハロウィン】に継承され、大変残念な話でありますが
【人身御供】の儀式も現在進行形で続いているわけであります。

元「サタニスト」であり現在は「クリスチャン」へと転じた「ジョン・ラミネス」の証言によれば
【ハロウィン】では人間の子供を生贄に捧げる儀式を行っているということでありまして
熱狂的な信者の信仰心というものがいかに恐ろしいかを物語るわけであります。

奴隷は【人身売買】と繋がりまして、個人的見解では【人身売買】と彼らの宗教儀式も
繋がると予想しています。

本作では【人身売買】と「ダークギャザリング」が繋がる描写はなかったようですが
【呪術文化】ではドラッグを用いた「儀式」を積極的に行っており、最終的に
主人公のEDを回復させたのもなにかしら薬物であることから、「ベルセルク」で
描写されていたドラッグを用いた性的儀式に通じる要素があると見ることができるわけであります。

「ドラッグパーティ」は芸能界にも普及しており広末涼子やキムタク、酒井法子、
ジャニーズなどがその関係者であるとして名が挙がっています。

現在進行形で騒がれているジャニーズの問題は、ある種の【人身売買】案件でありまして
大規模な人身売買マーケットの起源が何処なのかと言えば恐らくは【古代バビロン】でありますが
それが現在の形に整備されたのが【英国東インド会社】設立の時なのでしょう。

ドラッグとは【呪術文化】の宗教儀式には必須のものでありまして
【偶像崇拝】とは【呪術文化】特有の形態であります。

【呪術文化】では【人身御供】が当たり前のように行われるため人命が軽視され
【人身売買】も気軽に実施されるわけであります。

本作だけの話ではありませんが、人身売買案件を当たり前のように描写するのは
【呪術文化】の思想が背景にあるからであると考えられます。{/netabare}

フィクションなんだから表現の自由を尊重すべきだろうという意見もあるかもしれませんが
主人公の倫理観があまりに破綻し過ぎて話になりません。

倫理観が破綻した性犯罪者みたいな主人公に感情移入できるのかと言えば
それは無理というのが結論であります。

銀魂の銀さんの生き様と本作の主人公を比べると同じおっさんでも
ここまで差があるのには愕然とするしかありません。

年取ったおっさんほど清く正しく美しく生きるべきであるというのが個人的意見であります。


●「ルー」+「デウス」が示す【ケルト人】の信仰

正直ぱっと見は意味不明な変態的フィギュア回であります。
わざわざ{netabare}奴隷{/netabare}を購入してまで行おうとする壮大なるフィギュア構想・・・
更にフィギアに関するただならぬ彼らの拘りから今回事件が起こります。

正tお直当方としてはフィギュアマニアの気持ちは理解できませんので、非常に冷めた目でフィギュア回を
見送るつもりでおりましたが、 {netabare}主人公の「例の下着」に対する異様なまでの信仰心を見て
フィギアの意味するところが見えて参りました。

「フィギュア」は【偶像崇拝】のシンボルでありまして
「例の下着」も同じく【偶像崇拝】を示しているというわけであります。

【ケルト人】は【鬼神】を崇め奉るという意味では【フェニキア人】と一致します。

お宝フィギュアを破壊し侮辱した獣人2匹を拘束し顔に「呪文」の類を書き記します。
「偶像」を侮辱した2匹を断罪する【生贄の儀式】を実施したわけであります。

【生贄の儀式】では「家畜(ゴイム)」が供物として捧げられます。
半人半獣の獣人族ですので【人身御供】の意味合いが秘められているとも考えられます。

主人公は拘束した獣人に対して体を触るというエロ行為に及びますが、
このエロ行為も【偶像崇拝】の儀式を示しているのだと解釈できます。

「刺青」、【偶像崇拝】、【生贄の儀式】や「性的な儀式」
これらはすべて【呪術文化】と密接な関係があり
【ケルト人】や【フェニキア人】に繋がります。

獣人族に辱めを与える儀式を【フリーメイソン】を暗示する「魔法大学」内で
敢えて行うことに特別な意味があったという話であります。

【フェニキア人】がもたらした「黒魔術【カバラ】」と【ケルト人】の【ドルイド教】が
融合され混血の種族が誕生した真実を暗示しているように思えて仕方がありません。

【アシュケナユダヤ人】が褐色の肌ではなく白人種であるのが世界最大のミステリーでありますが
【ケルト人】と融合したと考えれば合点のいく話であります。

「ユダヤ人」とは人種に関係なく「ユダヤ教」を信じている信徒のことでありますが
「バビロン捕囚」以降の「ユダヤ教」は、パリサイ派のラビ(司祭)によって取り込まれた
【バビロニアタルムード】の影響を受け異質なものに変えられてしまいます。

「魔法大学」の元ネタである【フリーメイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを
「ユダヤ神秘思想」【カバラ】というのもパリサイ派による宗教改変が関係している
というように推測できます。

「ユダヤ人」という人種が確実に存在していたのは【ソロモン王】以前のことであり
それ以降に発生した「ディアスポラ(=離散)」以降は「ユダヤ教」や「ユダヤ人」という概念は
曖昧になり、今ではどういうわけか180度違う意味合いのものとなったようであります。

【バビロニアタルムード】を信仰するものが「ユダヤ人」であるなら、【フェニキア人】や
【ケルト人】も「ユダヤ人」ということになり、「ルー」+「デウス」という名の
【偶像崇拝】信者も「ユダヤ人」ということになります。

日本のアニメの主人公やヒロインが白人であるパターンが多いのも、
【アシュケナユダヤ人】=【アシュケナジー】が世界の勝ち組であることを
暗示しているからなのかもしれません。

混血種を続々と生み出し彼らの子孫を繁栄させることが彼らの【生存戦略】でありまして
そして「グレートファミリー」による世界支配の構想が実現するわけであります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公は魔法大学で【カバラ】の真理を会得し
恐らく「グレートファミリー」の眷属になるのでしょう。

「エリートになりたきゃ楽しちゃだめだよ心臓どくどくマヤマヤポン」であります。{/netabare}


●やはり本作は今期人気アニメの筆頭格か?

例えアンチの糞レビューでもそれなりの方々に読んでもらえることは有難いことでありまして
ただ作品を貶すだけではなく、わざわざ読んでくれる人に伝わるものを書くべしと
思うに至るわけであります。

「魔法大学」なるものが登場しますが、もちろん元ネタは「ハリーポッター」でもお馴染みの
「魔法学校」の類でありまして、【フリーメイソン】であります。

現在の【フリーメイソン】はただの社交クラブ化しておりまして、由緒正しき「古代メイソン」とは
まるで違うものになってしまいましたが、本来の「メイソン」は【黒魔術】研究機関でありました。

{netabare}「古代メイソン」で研究していた【黒魔術】のことを(「ユダヤ神秘思想」)【カバラ】と言いますが
「ユダヤ教」を信じてる「ユダヤ人」が【黒魔術】に精通している?という発想はそもそも
ズレておりまして、矛盾しているのでございます。

「ユダヤ人」と言えば「創造主ヤハウェ」に選ばれた「選民」でありまして
創造主との契約により選民性と創造主による特別な庇護を賜ったのであります。

父なる「創造主」は、生み出した子どもたち=「ユダヤ人」に対して律法=戒律を介して
「やるべきではないこと」を教えるわけであります。

純血の種族ユダヤ人が最もやるべきでないことと言えば、「異教徒」に関わり
「異教徒」の思想や文化に染まることでありまして、【偶像崇拝】とはまさに
創造主が最も忌み嫌うユダヤ人の最大タブーでありました。

【黒魔術】とは【呪術】とほぼ同じ種類のものでありまして、【呪術文化】で有名なのは
【古代エジプト】や【古代バビロン】でありますが、これらの【呪術文明】がユダヤ人に悪影響を
及ぼすということで、創造主はユダヤ人保護の名目で【呪術文化】の国々に災いをもたらし
容赦なく次々にこれをぶっ壊すのでありました。

創造主はユダヤ人に安住の地として「カナン」を与えるのですが、そこに住んでいた
先住民=【カナーン人】については聖絶=殲滅してよしとユダヤ人に指示するのであります。

捕虜としたり奴隷として生かす選択肢など全くなく皆殺しの一択なのは、子どもたちに
与える悪影響の芽を完全に摘んでしまおうという創造主の親心の現れでありました。

【カナーン人】は【アモリ人】と同じ血族であり、【呪術文化バビロン】の眷属であります。

【カナーン人】は【モレク神】を信仰しており、
【モレク神】を崇め奉る【偶像崇拝】の儀式にご執心でありました。

【鬼神】をかたどる【モレクの偶像】の下腹の当たりには炉が備え付けられておりまして
そこで火を焚くことができるわけであります。

【モレクの儀式】の際には「ドラム」をガンガン叩いて盛り上げて火を焚いて、そうして
【モレクの像】の火の中に子供を生きたまま投げ入れて【モレク神】に供物を捧げるわけであります。

かなり残酷な【生贄の儀式】でありますが、【等価交換の原則】により「※願い事」が
何でも叶うと言われるこの【偶像崇拝】の儀式に自分の子どもたち=ユダヤ人が嵌ることを
嫌う創造主は【カナーン人】に対して容赦することはなかったのであります。

【古代エジプト文明】は「ユダヤの預言者モーセ」を支援するために発動した
創造主の災いにより衰退し、そして滅び去りました。

【バビロンの王国】も(自分の子どもたちのために)それを望んだ創造主の預言通りに崩壊しました。

選ばれた民=ユダヤ人に対抗する勢力=【バビロン】の血族
最後に残ったのは【フェニキア人】であります。

「ノアの大洪水」、「ソドム」と「ゴモラ」、「バベルの塔」の計画も
勝つのは常にユダヤ人でありましたが、【フェニキア人】の「生存戦略」が功を奏し
「ユダヤ人の選民性」を覆すことに成功するわけであります。

ユダヤ人には創造主の鉄壁なる庇護があるため、まともにやり合っても勝てる見込みがないと
考えた【フェニキア人】は、ユダヤ最強と謳われる【ソロモン王】を懐柔する計略を企て
そしてユダヤ人を異教徒文化に染め上げて【堕落】させることに成功したのでありました。

「イスラエルの国旗」にも記される【✡】=【六芒星】は「ダビデの星」とも
【ソロモンの星】とも言われます。

【✡】を神として崇めたり、神聖視することは【偶像崇拝】と同じ意味があり
「ユダヤ人のタブー」であるはずなのですが、【✡】のことをどういうわけか
【ソロモンの星】と呼ぶのであります。

【ソロモン王】は預言の警告を無視して、【フェニキア】のティルス王である【ヒラム】と関わり
【666】タラントの報酬を得たと言われています。

【6】つの頂点、【6つ】の三角形、内部に【6】角形で構成される
【✡】は【666】を表していると言われます。

ユダヤの【ソロモン王】が【666】=【獣の刻印】を受けたことにより
ユダヤ人の「選民性」は失われます。

【フェニキア人】と交流を持ち異教徒の文化に毒された【ソロモン王】は拝金主義者となり
異教徒の宗教の影響が鮮明に表れた【ソロモン神殿】を建設するのであります。

そしてこの【ソロモン神殿】建設に関わる重要人物が、
【フェニキア人】のカリスマ石工職人の【ヒラム・アビフ】であります。

【ヒラム・アビフ】には高度な建築学の知識があっただけでなく神秘主義的な秘術に精通しており
恐らくそれが【錬金術】と呼ばれるものであります。

石工職人と言えば【バベルの塔】や【ピラミッド】を建設したのも彼らの仕事であると
言われていまして、数学や幾何学やなどに精通していただけでなく、
どうやら【錬金術】の知識もあったようであります。

【錬金術】とはほぼ魔法と同じようなものでありますので、
【黒魔術】であるとも解釈できるわけであります。

【ソロモン神殿】には【ボアズ】と【ヤキン】の柱がありまして、これと同じものが
現在の【フリーメイソン】のロッジにもシンボルとして設置されております。

【古代メイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを「ユダヤ神秘思想【カバラ】」
と言うのですが、【ソロモン王】の堕落と【ソロモン神殿】の建設の逸話は
ユダヤ人的には災いをもたらす駄目駄目なNG行為の事例ということになります。

更に言えば黒魔術の【カバラ】にしても【フリーメイソン】にしても、そのルーツは
ユダヤ人ではなく敵対していた【フェニキア人】にあったと考えるのが妥当でしょう

「魔法大学」の元ネタは【フリーメイソン】であり黒魔術=【カバラ】であるのですが
そもそも【カバラ】と「ユダヤの思想」には明確な関係性などあるはずもなく
【黒魔術】や【呪術】なら【バビロン】の種族に繋がると見るのが自然と言えます。

【黒魔術】の元ネタとして一つに【カバラ】というものがありますが、
もう一つは【ケルト人】の宗教である【ドルイド教】の神官=ドルイドの秘術であります。

【錬金術】と言えば【古代メイソン】の石工職人との関係性が強いと言えますが
一般的な「魔法」と言うなら【ドルイド】の呪術の類というように区分できるのかもしれません。

純血の人間には魔法は使えません。

魔法が使える種族がもしいるとしたら?それはそもそも純粋な人間でない何かの混血か?
特別な【禁断の秘術】をどこかで得たということになるでしょう。

【呪術文化のシャーマン】はドラッグを服用してトランス状態になり
神々や悪霊の類と【チャネリング】します。

所謂「神降ろしの儀式」でありまして、例えば【鬼神バアル】などから啓示を受け
特別な「知恵」を賜るわけであります。

人類に【禁断の知識】を与えたのは【鬼神】であり、【ネフィリム】であり、
【堕天使】であるわけであります。

【呪術文化】に毒されたものたちは【堕天使】の種族であり【ネフィリム】の眷属であります。

「知恵」を得て「目」が開け「明るく」なることを【啓蒙】と言うわけですが、それは
【プロビデンスの目】を得たということでありまして、「光の祝福を受けた」
ということを意味します。

【イルミナティ】とは「光の祝福を受けた」者でありまして、教科書に載ってる
【啓蒙思想家】とは【イルミナティ】のことでありまして、
「フランス革命」を引き起こしたのも【イルミナティ】であります。

「光をもたらすもの」は「エデン」にいた「蛇」でありまして、
アダムとエバに【禁断の果実】を食べさせた【光の天使ルシファー】であります。

【ルシファー】は【堕天使】であり、【デーモン族】の悪魔であるので
頭に【角】が生えているわけであります。 {/netabare}

【堕天使】は人間の女に欲情し女を孕ませるため地上に降りたということで
その性質はエロで満ちております。

本作の主人公並びにエロエルフの女が「アホ毛」ホルダーであるのは
【堕天使】の血族=【ネフィリム】であることを示しています。

「アホ毛」は【鬼の角】を表し、その種族の血統を示すのであります。

「アホ毛」ホルダーは特別な知恵や能力を持っている一方で、【堕天使】のエロエロの特性も
継承しているという表現でありまして、「アホ毛」ホルダーの性格はエロでも
あったりするということであります。



「無職転生」には残念ながら悪い印象しかありません。

今期の0~2話くらいまでは主人公が大人しくしていたのでまだマシだったのですが
やはりこの作品特有の脂っこい感じのエロネタ、エロ表現が炸裂しまして
それを見るとゲンナリするわけであります。

嫌なら見なければいいというのは正論でありますが、{netabare} 何故この作品がここまで評価されているのか
気になり、分析してみたいということで視聴継続しているわけであります。

結論から言えば、前期にしても今期にしても大して面白くもなく、主人公のキャラ設定にクセが
ありすぎて、感情移入することができず、このやり過ぎ設定には多くの疑問が残ります。{/netabare}

「Re:ゼロから始める異世界生活」と本作を比べてみれば一目瞭然でありまして
人気もあり実力もありキャラ設定も機能している「Re:ゼロ」に対して本作は
{netabare}あらゆる面で劣っているわけであります。{/netabare}

前期の作画が良かったと意見については理解はできますが、物語のレベルは
せいぜい「3」がいいところで、{netabare}そこにマニアックなフィギアネタとか下ネタ
エロネタなどなどの要素を減点したら、最悪「1」にもなり得ると個人的には考えております。

一番ひどいのは主人公のキャラ設定でありまして、エロゲーマニア程度なら許容できますが
猥褻性犯罪行為を犯す主人公というのはかなり厳しく、例え原作がそうだったとして
アニメ化するなら自主規制した方が良かったのではないかと思えて仕方ありません。

成長物語を描こうとしているのはなんとなく理解できますが、その点についても
「Re:ゼロ」比べると全く描けていないと言わざるを得ません。{/netabare}

「ルーデウス」という名は「ルー」+「デウス」という形で構成されています。
「デウス」は「神」を意味します。
「ルー」は【ケルト神話】の「太陽神」=「光の神」であります。

主人公が【ケルト人】の神の名を持つことが重要なポイントでありまして
このことが極端なキャラ設定の秘密に関係するとも考えられます。

{netabare}【ケルト人】と言えば【ドルイド教】という宗教でありますが、今ではいつの間にか
日本でも祝われている【ハロウィン】は【ドルイド教】由来の宗教行事であります。

11月1日の【サウィン祭】の前夜祭に当たるのが【ハロウィン】であります。

【ケルト人】は【フェニキア人】とよく似たところがあり、宗教儀式として
【人身御供】を行います。

所謂【生贄の儀式】でありまして、【ウィッカーマン】という木でできた巨大な人型の檻に
人間を閉じ込め火を放ち焼いて供物を捧げるわけであります。

「ベルセルク」では黒ミサ的な儀式の描写が詳しく示されていますが、どうやら
【ケルト人】や他の種族の実際にあった儀式を参考にしているようでありまして
非常にリアリティがあったわけであります。

【人身御供】に最も好ましいのは「子供」でありまして、そもそも「子供」には
「供物」の意味合いがあったと言われています。

「祇園祭」でも子供を生贄に捧げる【人身御供】が行われていたとのことであります。

【フェニキア人】か【ケルト人】か他の民族かは定かではありませんが、子供を
性的凌辱する儀式の類があるようでありまして、「ベルセルク」で性的な儀式の
描写があったのと関係してくるのであろうと考えられるわけであります。

児童人身売買を暴く大ヒット映画「サウンド・オブ・フリーダム」は現実世界のタブーに
触れていまして、【グローバルエリート】たちが「ペドフェリア」であり人身売買に
深く関わっているというネットの噂話を補完する内容が描かれています。

「ペドフェリア」とは「小児性愛」と訳されますが、「ロリコン」よりも
変態性癖が強いニュアンスが含まれる言葉であります。

因みに当方が「鬼舞い」アンチな理由は「ペドフェリア」と関係する
【ジェフリーエプスタイン事件】を知ったからでありまして、ジャニーズの件も含め
現実世界の酷い有様を目の当たりにしたことにより、ロリコン変態は誉め言葉であるという
冗談めいたご意見には全く以て理解不能という立ち位置なったというのがあります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公が「アホ毛」ホルダーであり、猥褻性犯罪を行う
「ペドフェリア」であるのが設定であるとするならば、そこから導かれる結論はやはり
【グノーシス主義】的な宗教思想というのものが作品の背景にあるということなのでありましょう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャプテンE.D.

世の中、たいていのことには『良い点』と『悪い点』が混在いたします。
禍福は糾える縄の如し、とはよく言ったもの。
EDのもつ最大の良点は『腹上死する危険性がなくなる』ところかと。

死というものは万人に等しく訪れますが、
その価値は、ほんとそれぞれ。
欧米では『友のための死が最も尊い』とか言われます。

  腹上死というのはたぶん、
  その対極に位置する存在ではあるまいかと。

もちろん『性欲はオレの友だ』と言い張ることもできるにはできます。
キャプツバ的に『リビドーはトモダチだよ』と爽やかに言うこともできます。
ほんとできるっちゃできるんですが、
それはあくまでも『言論の自由』というケンポ-上の話であり、
うんうんそうだね、と言ってくれるヒトは、
早くその話題を終わらせたいから相づち打ってることをお忘れなく。

  実際の話、そういう大往生をしてしまうと、
  残されたご遺族の心境もけっこうフクザツでありましょうし、
  弔辞の書き方にも困ってしまいます。
  さらに、お葬式の雰囲気も微妙なものになってしまいかねませんので、
  オトコがなるべく避けたい往生の仕方の一つと言えるでしょう。

  その心配がゼロになる、というのですから、
  EDというのもなかなか捨てたものではないのかも知れません。
  (自分がなるのはゼッタイごめんですが)


さて、本作『無職転生Ⅱ』第一ク-ルは、
エリスに去られて自己憐憫をこじらせたルーデウスがEDになり、
魔法大学でシルフィと再会してそれを克服するまでを描いたおハナシです。
完全に前作『無職転生』の続きなので、
まだ見ておられない方はまるっとおいてけぼりですね。

今ク-ルはこれまでの血わき肉踊る異世界冒険譚とは趣を異にし、
どちらかと言うとせせこましい、
ぶっちゃけ半日常系みたいな話がちくちく紡がれていきます。

とは言っても、話のすすめ方がザツ、ということはありません。

0話まるっと使ってシルフィが魔法大学に入った経緯を説明してから、
1~4話がいわゆる『泥沼編』。
大切な放送期間まるまる一か月をかけて、
ルディ(ルーデウス)の見事な自己憐憫っぷりからのED発覚、
そして魔法大学入学までを描きます。

  これを『しっかりと経緯や心情を描いている』と評価するか、
  あるいは『展開が遅くてまだるっこしい』と考えるかは人それぞれ。
  きちんと物語を描きたいカントクの意図はわかりますが、
  昨今はやりの『なぜもへったくれもない』展開になじんだ方々は、
  早よシルフィだせやゴラァ、と思うかも知れません。

  まあ実際、
  そんなに面白い・引き込まれるエピソードでもないし、
  鬱モードに入ったルディがうっとうしいし、
  プロットヒロインのサラがええとこなしでかわいそうなので、
  半分の尺でもよかったかな、とは思うところ。

そして5話からがラノア魔法大学編。

基本的に『魔法学校』という舞台設定は、
おなかいっぱいというか、創造力のないラノベ作家が選ぶド定番であります。
あまりにも亜種が多すぎてよくわかんないほどなんですが、
本作は草分け的存在なので、
発表当時はまだ鮮度が残っていたかも知れませぬ。

ただし、ルディが魔法大学に入学した目的が
向学心のためとか祖国のためとか憧れの師匠に追いつきたいためとか、
そういう内面的かつふわっとしたものではなく、
  EDの治療法を探すため
という『はっきりしていて切実』なものなので、サベツ化は充分かと。
てか、ぶっ飛んでいて好きかもです。

で、ここからはおハナシの趣がガラリと変わり、
けっこう既視感の強い、下ネタおおめの異世界学園ラブコメふうとなります。
旧キャラに加えて新キャラもけっこう出てきます。
{netabare}
  ロキシーがパンツしか登場しないため、
  萌えという絶対領域はシルフィがほとんど一人でカバ-いたしております。
  ドワーフっ子のジュリエットもかわいいっちゃかわいいのですが、
  萌えとしては、上級者向けではあるまいかと。
  ケモナ-さん向けにもふたりご用意しておりますが、扱いがリョナ。

  ナナホシという、
  今後の物語展開でキーパ-ソンになりそうな娘も再登場しますが、
  今ク-ルで何かが大きく動くわけではありません。

  ヒトガミとルディの前世姿の登場も、泥沼編の一回こっきり。
  ルディがこまめに肉体を鍛え、
  ふつうのファンタジーヒ-ロ-っぽく、かっこよくなっていきます。

  つまるところ、
  小さなプロットがけっこうあるものの、何をやっても物語の主たる関心が、
    シルフィがいつ身バレするのか
    ルディがどんなふうにEDを克服するのか
  の二点に帰結してしまうという、
  わりとミもフタもない展開のク-ルだったりするわけです。{/netabare}


それじゃつまんないんですかと問われると、
決してそんなことはなく、
熱狂するような感じじゃありませんが、ふつうに楽しく見られます。

個々のキャラの心情もしっかりと繊細に描かれていますし、
『萌え』『笑い』『シリアス』『業』『バトル』
みたいなものがきちんと、しかもほどよく配合されておりまして、
  ヨ-グルトがけグラノーラ、オレンジジュースつき
みたいな、バランスの良い朝食的仕上がりなのではあるまいかと。

  ただし『ED』というクセの強いシードが含まれているため、
  とりわけ女性の視聴者さんにおかれましては、
    えっと……笑ったらいいんですか?
    それとも同情した方がいいのかしら?
  などと、咀嚼に困惑される場合もあろうかと存じまず。

  どうぞ笑ってやってくださいまし。
  そもそもルディの未熟な自己憐憫が原因ですから自業自得ですし、
  同情なんかされたらそれこそいたたまれませんから。


拙的な本作のおススメ度は、
前期を視聴済みという前提でAランクです。
(てか、第二ク-ルから見はじめる人ってあんまいないよね)

前期みたく、
エンタメ性を存分に発揮しながらも『人間の業』に深くえぐり込む、
というキレッキレ感はあまりありません。
もちろん、ヒトガミやナナホシとの会話などで片鱗は見せるのですが、
通して視聴すると、
やっぱ下ネタおおめの異世界学園ラブコメみたいな印象かと。

  なんでそうなるのかとと言うと、
  物語全体の印象というかインパクトを、
  シルフィ(茅野さん)が全部もってっちゃってるんですよね。
  ひさびさの茅野さん無双でありまする。
   {netabare}
  とりわけラスト二話、
  シルフィの身バレとED完治が同時ではなく別プロットになり、
  茅野さんがそれぞれのプロットで披露したお芝居、
  ゴジョ-先生もまっつぁおの領域展開が、インパクトやばいレベルです。
  
  ふつうのアニメだったら、
  身バレでソッコ-完治、愛はEDを救う、みたくなると思うんですよね。
  だけど本作では、
  『それはそれ、EDはED』
  ということで仕切り直し。キビしいです。

  え~~、やっぱあっちとそっちって違うもんなんですか?
  とか女性の方から聞かれても、なったことないからわかりませぬ。

    ほんとわかんないんですが、
    何となくわかるような気がするかも、
    というのがこっち側の大半の意見なんじゃないかしら。

  でまあ結局、ふたりでクスリ飲んでキメ〇ク、という
  かなり身もフタもない解決方法に至っちゃうわけでありまして、
  まさにディ-プインパクト。ぜひもなし。{/netabare}


作画は、相変わらずの高水準ですね。

ただ、前期に比べると粗くなったという声もあり、
そう言われると確かに、
ロングやモブの描き方がザツだとか仕上げがちょっとアレかなあとか、
前期になかった「ん?」は感じますが、
それでも他社との比較論で言うならけっこうなお点前ではあるまいかと。

  今ク-ルから監督が、
  前期まで副監督を務めていた平野宏樹さんに変わっております。
  また、成長したキャラを描くにあたり、
  キャラデの担当者も前期とは違う方になっており、
  そのへんの影響は、やっぱあるでしょうね。


役者さんは、キャラ替えもなく、全員ハイレベルです。

特にルディ役の内山夕実さん。
前期からルディの年齢が変わって肉体的に成長していますし、
おまけにEDという女性には理解がムズカシイ役どころなんですが、
うまく咀嚼して『青年ルディ』を創り上げています。

その他、今期からは新キャラで
上田麗奈さん(アリエル役)や若山詩音さん(ナナホシ役)など、
旬の実力派役者さんも参加していて百花繚乱。
プロットヒロインのサラを演じた白石晴香さんも、
けっこうアシリパ入ってたけれど頑張っておられました。

ただ、そんな中においても、
インパクトという観点においては、
すでに述べたように茅野愛衣さん(シルフィ役)が無双状態かと。

茅野さんって、
最近はご自身のyoutubeでお酒ばっか飲んでるイメ-ジなんですが、
もともと卓越した演技力をお持ちの方なんですよね。

  彼女のお芝居で拙が「マジすげえ」と思わされるのは、
  セリフの『硬度』と『温度』の使いわけです。
  これはもう、天性のものと呼んでいいんじゃないかしら。
   {netabare}
  本作でも物語冒頭、アスラ王国に飛ばされてきてすぐのときは、
  ガチガチに緊張した、バリカタの声ですね。
  それから『無言のフィッツ』として新生活になじんでくると、
  緊張がややほぐれて声の硬度が一段階さがります。
  (それでも初対面の相手と話すときは硬度かために)

  そして、フィッツとしてルディと会話している時には、
  リラックスできるのか、
  まったく同じ話し方なのに声のトーンはやわらかくおだやかに。

  こうした同じ話し方での『声の硬度』の使いわけ、
  『バリカタ』『かため』『ふつう』が自然にできてるんですよね。
  あの『氷菓』伊原摩耶花役でも披露してましたが、
  なかなかマネできない、ものすごい技術だと拙は思います。
  (たぶん、鳴らす場所や緊張させる筋肉を微妙に変えてるんでしょうね)

  で、それに加えて『声温度』の上げ下げができるんです、この方は。

  ナナホシとの会話などでは、声温度かなり低め。
  ルディとの会話でも、
  感情の起伏に伴って面白いぐらい上がったり下がったりいたします。

  そして、今ク-ルで最大の見せ場は、やっぱ最終話。
  ド-ピングの前後で声温度爆上り。
  その温度のまま究極の最終奥義、オトコ殺しの頂上セリフが炸裂します。

    どうぞお召し上がりください。

  これはあかん。
  わりと身持ちのかたい僕ではありますが、耳元でこれは殺られる。
  まさにアルテマウェポン。奥さんほんとごめんなさい。

  というか、マジなハナシ茅野さんって、
  『声バリカタ冷え冷えで』とか『声やわ激アツで』とか、
  どんなオーダ-にも応えられるすごい役者さんだと思う次第であります。
{/netabare}

音楽は、
劇伴は前期と同じく藤澤慶昌さん。
古楽器を駆使した安定した音作りで、世界観もドンピです。

OP/EDは、
前期は大原ゆいこさんが全部やってたんですが、
今ク-ルのOPはLONGMANさんが担当。
わりといいんじゃないかしら、世界観にもハマってますし。

あと、最終話のEDは大原さんの曲を茅野さんが歌唱しております。
ただし、セリフにかぶせてBGM的に使っちゃったので、
印象としてはかなり薄めかと。
(拙は初見のとき気がつきませんでした。お恥ずかしい)



いずれにいたしましても、
見て損をするようなアニメでは決してありません。
他の『なろう系』を見るぐらいならぜひこっちを、という感じかと。

ただ、前期については、
 『異世界転生もののハイエンドモデル』
と評価させていただいたのですが、
今ク-ルについては、さすがにそこまで言えませぬ。

既に述べたことだけど本作品の通奏的なテ-マは
  『人間の業と再生』
みたいなモノだと拙は愚考しているわけです。

そこんところ今ク-ルは、かなり薄味になっちゃってるんですよね。

そして『テ-マ』ではなく『ギミック』の一つである、
ルディのEDが前に出すぎちゃったことで、
なにがしたいのかイマイチわかりづらいク-ルになっちゃったなあ、と。
{netabare}

  もちろん、ルディがEDになったのって、
  エリスの真意をはかりきれないルディの『未熟さ』と、
  それがゆえの自己憐憫をこじらせちゃったのが原因であります。

  前世で死んだのが34歳だから通算年齢ほぼ50歳、
  ええ歳こいたおっさんがそんなんでええんか、自業自得やんかジブン、
  という意味では『業のなせるワザ』と言えなくもありません。

  ただ、その乗り越え方が、
  なんか頑張ってジブンの弱さを克服した、みたくリッパなものではなく、
    クスリでキメたらうまくいったぜキャホホイ
  という、リアルではあるけれどドラマ性のかけらもないものでして、
  え……あ……よかったね、としか言いようがありませぬ。

  人間の未熟さとか腐った性根というものはカンタンに治んないですよ、
  という背骨の部分は前期から一貫しているのですが、
  だからといってこの展開で、
    何かカンド-したり学んだりしろ、
  なんていうのは、さすがにムリ筋に過ぎるかと。{/netabare}


とはいえ、ルディくんの冒険譚は、まだまだ道半ば。
見てくれがいっぱしの青年になったとしても、
いきなり中身までリッパになられては、お話が回せません。

第二ク-ルは来年四月からとの由、
  とりあえず性的に充足したルディくんにどんな冒険が待っているのか、
  おパンツ以外のロキシーの姿は拝めるのか、
  ヒトガミやフィットア領転移事件の謎は明かされるのか、
  いいかげん下ネタを卒業してドラマにシフトしてくれるのか、
いろいろと興味の尽きないところであります。

今ク-ルはちょっとまあアレな感じでナニな出来ばえでしたが、
それでも面白いっちゃ面白いし、
物語自体はよく練られていてすごく興味深いものなので、
次ク-ルを楽しみに待ちたいと思います。

  あと、レビュータイトルがアレなので、
  某所からクレームが入り、
  BANされたらごめんしておくんなまし。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

失意のルーデウス…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
そう言えば原作は完結しているんですよね。
メッチャ原作の気になる作品ですが、時間が無くて手に取ることが出来ないのが分かり切っています。

時間を捻出するには…
もう宝くじを買って一攫千金を狙うか、仕事を定年退職した年金生活の老後の2択しか頭に浮かびません。
しかし、私たちが老後になった時って、年金ってどれだけ貰えるんでしょうね…^^;
その前に何歳まで働かなければならないのか、さっぱり見当が付きません。

さて、そんなお先真っ暗な状況はルーデウスも一緒…
ルディに課せられた精神的苦痛が、肉体にまで影響を及ぼすようになってきました。
きっとこの辛さは体現した人にしか分からないと思います。

ルディはこの経験を経て、これまで以上に人に優しくなるのではないでしょうか。
そうあって欲しいと期待しています。


「俺は、この異世界で本気だす!」
34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。
両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。

目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!
ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓うー!

ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼馴染、凶暴ツンデレお嬢様、
そのほかの様々な人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。

新しい人生が動き出す!
「人生やり直し」ファンタジー、開幕!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

公式サイトのINTRODUCTIONやSTORYを見ても殆ど物語の内容に触れられていません。
これは切り売りせずとも視聴者を納得・満足させられるクオリティであることを作り手の皆さんが自負している何よりの証だと思います。

こういう潔さって個人的には嫌いじゃありません。
寧ろこの作品「らしさ」を感じる気がします。

TVアニメ第1期ではロキシー師匠とエリスにスポットが当てられて物語が展開してきましたが、今回はまさにシルフィ回でしたね。

これまでルディは過酷な旅路を強いられてきました。
エリスに対する心情の変化も、あまりにも過酷過ぎた帰途の日々であったことも拍車をかけていると思います。

誰もが等しく刻まれる時間を生きてきたシルフィも、やっぱり大変だったと思います。
シルフィは元々引っ込み思案な性格なんです。
それが強制的に独りぼっちで生きていかなければならない選択を突き付けられたんです。
心を許せる人が居ないって、物凄く寂しいと思うんです。
でも、シルフィは見事その壁を乗り越えました。

そんな頑張り屋さんなシルフィも大好物ではあるのですが、個人的にはルディと接点を持った以降のシルフィの方が大好きです。
故あって身分を明かす事は出来ませんでしたが、サングラスの色味を通して時折覗くシルフィの瞳が兎にも角にもヤバい…

見た目だけでもシルフィは十分可愛いのに、演者がかやのんってどれだけ…
もう言葉になりません。
かやのんがシルフィの魅力を限界まで引き出してくれたからでしょう。
終盤は何度も萌え死にそうになりましたよ。
特に「なに…ルディ?」の台詞には電撃が流れました。
流石かやのん…
最高のシルフィを見せて頂きありがとうございます!

これから物語がどの様に動いていくかが楽しみで仕方ありません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、LONGMANさんによる「spiral」
エンディングテーマは、大原ゆい子さんによる「ムスビメ」

1クール全13話の物語でした。
今、視聴順序がメチャクチャなのでBEST10が何時作れるかは自分でも分かりませんが、間違いなくBEST10のトップクラスに入る内容だったと思っています。
第2クールは2024年の4月から放送される予定です。
あと半年…きっとあっという間だと思います。
第2クール、メッチャ期待しています!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

73.1 2 図書館で魔法使いなアニメランキング2位
聖女の魔力は万能です(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (410)
1354人が棚に入れました
ちょっと仕事中毒な20代会社員・セイは、残業を終えて帰宅した夜、突然光に包まれ異世界に「聖女」として召喚されてしまった。しかも召喚されたのは二人!?現れた王子はもう一人の女子高生にかかりきりで、セイのことは完全スルー。それならこっちも自由にやっていいでしょう?と、セイは王宮を飛び出し、元々の植物好きを活かして、薬用植物研究所で一般人として働くことになった。所長のヨハン、教育係のジュードに支えられ、ポーション作りや魔力の使い方を学んでいくセイ。だが、作ったものはすべて効能が5割増しで、思いがけず「聖女」としての能力を発揮することになる。そんなとき、セイのポーションが瀕死状態だった騎士団長・アルベルトの命を救い、次第に、セイこそが本物の「聖女」ではないかという噂が囁かれはじめるのだった……!?

声優・キャラクター
石川由依、櫻井孝宏、江口拓也、小林裕介、八代拓、市ノ瀬加那、福山潤、上田麗奈、梅原裕一郎
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

6回目くらい。異常な出来の異世界もの。画面・表情が最高です。

22年11月 再評価 異常な出来の異世界もの。他と比べてどうしてここまで力が入っているのか?

 レビューを初めて1年半。昔からアニメ好きでしたが、この1年半でかなりの本数のアニメを見ました。
 この作品の脚本は素晴らしいと思いますが、作画、表情、背景、構図、演出等の画面作りの良さは異常です。なんで、ここまで美しいアニメが出来たのか不思議でしょうがないです。

 本数的にはまだまだで、目が肥えたとはいいませんが、いろんな異世界ものを見たと思います。ちょっと過大評価だったかなあ、と思って本作を再視聴(正確には再々々々々視聴くらい)しました。

 うーん、かえって過小評価だった気がします。1話でセイが髪をかき上げて耳を出す作画があるのですがそれだけでゾクゾクするくらいでした。顔のパーツのクローズアップが上手い。画面の切り取り方が上手い。気持ちを伝えようという意図が素晴らしいです。うーん、なんで他の作品もこれくらい出来ないのでしょうか?というかこの作品だけ異常だと思います。

 最後の3話が駆け足で評価を落としていましたが、良く見直すとちゃんとセイが聖女の術と向き合って、使えるようになるプロセスが、緊迫感と癒される両方からよく描かれていました。

◎アニメ作りとしていいところ。
作画に乱れがないのは当然。
表情・仕草に感情がよく表現されいている。
人物の構図がよくどこで何をしているか臨場感がある。
引き画とクローズアップを上手く使った演出で、人物の内面を見せている。
服装が美しくTPOをわきまえてきちんとデザインされている。
貴族が貴族っぽい言動をしつつも堅苦しくないいい具合の設定。
BGMがオーケストラっぽくて華やか。コミカルさも出ている。
セイの発声が感情が出ていて、聞きやすく素晴らしい。


◎ストーリーとしていいところ。
聖女設定とセイの一般人の性格のギャップがコミカルに描けている。
設定に設定を重ねるような感じではなく、ポーション(料理・化粧品)と回復魔法、聖女の力に集約しているので、シラケない。
ストーリーが職業物と恋愛ものとして、ちゃんと脈略ある展開をしている。
スキルウィンドウがない。
アイラちゃんを置いて話の展開に面白みが出た。
セイもアイラちゃんも異世界転生した人間の反応として自然。

等々挙げるとキリがないです。とにかくストーリーが面白いのは大前提ですが、しかし、アニメの出来の良さがすごい。「無職転生」もすごかったですが、本作は超高予算が付くような感じでもないし。画面作りという点で一般的な量産型のアニメとしては、本作の見やすさ、伝えたい事を伝える力、美しさはちょっと類例が見ないと思います。

 メジャーな他の異世界モノ作品を差し置いてなぜここまでの出来なのか理解できません。それくらい凄い作品だったと思います。

 一応、評価点はつけますが、主観評価は95点/100点くらい、心情的には120点です。




以下 初見の総評レビューです。

 俺TUEEEの振りをした、シンデレラストーリー 美しい作画と構図の良さが驚異的です。

 最後まで視聴しました。このアニメがきっかけで、非常に面白い原作小説と、その小説を美しい絵でコミカライズしたマンガを知ることができて、良かったです。
 が、アニメについては、どうでしょう。結末の付け方や最後3話くらいの駆け足感などで、少し作品としての出来に疑問符が残りました。
 この終わり方だと、普通の異世界転生ものとして、埋もれて行く数々の作品の一つになってしまいそうですね。残念ですが。

 とはいえ、1クール通じて十分楽しめました。面白かったです。以降は小説・マンガで続きを楽しみます。


以下、視聴中のレビューです。

{netabare}2話までみて、小説版、マンガ版を全巻購入。追加8話みました。

 この話「なろう」ということで、異世界転生、俺TUEEEテンプレになっていますが、実態は、平凡な女子が、急に美しさと力を手に入れたことで、別世界(貴族世界)の中心人物になる、というシンデレラストーリーです。

 そういう話を楽しめるなら、かなり良質の作品かと思います。大変楽しく見ています。

 ですが、マーケティング的に考えるとパッケージ(題名)と中身が違っていた感がかなりあるかもしれません。その意味で、試しに見た人の期待を裏切る確率が高いのでしょう。
 強敵に対して無双するとか、悪意のある貴族と対峙して叩きのめす、もあるにはあるのですが、それは味付けみたいなものです。敵と戦い打ち勝つ、魔王に挑むために旅立つ、そして…みたいなカタルシスを期待すると、評価は低くなるかもしれません。

 初めから、異世界とか聖女というのはギミックで、本当は恋愛エッセンス強め、一人の女性を取り巻く人間模様の話だと思えば、非常に面白いと思います。


5話までみて追加

 セイの作画はやっぱり素晴らしい。ちゃんと美人です。ですが、今回くらいは衣装はなんとかならないのかなあ、と思います。もうちょっと神々しくしてあげられなかったのかと。
 
 セイの衣装に絡んで。リズにしても、他の貴族も最小限しか宝石を付けていないのは、宝石は魔法付与のための素材とかいう設定を反映しているのでしょうか。だとすれば、想像以上に緻密にこのアニメというか原作は作られているようですね。

 ステータスウインドウの概念が出てこないのはいいですね。(原作はあり)

 今回のセイを鑑定する場面で、原作にはあったステータスウインドウがアニメ版だとほぼないことが確定しました。レベルとかHPとかそういった概念の有無はまだ不明ですが、無い感じですね。これは良い改変かと思います。となると何を鑑定しようとしていたのが、よくわからないですが。
 セイが聖女かどうかを本人も確信が持てない、という状態のほうが自然ですし、なにより、転生ものでいつも不満なのがこのステータスの数値化という安易な強さのモノサシだったのでこれは良いと思います。

 第1王子が原作ではあまり関わらなかったのですが、ストーリーに説得力を持たせるために関わってくるのでしょうか。これからの展開が気になります。


7話みました。
 アイラのスピンオフ、注文しているのにまだ届かないので、ここで見られて良かったです。アイラ、滅茶苦茶可愛いんですよね。 
 普通、セイの対立軸なら嫌なキャラになるはずなのに、そこを上手い具合に第1王子が引き受けてくれてたんですね。本当は第1王子は悪者じゃないのもいいですね。

 異世界に召喚された女子高生が帰れない、と言われて「泣く」という自然な反応が新鮮でした。

 それにしても、主要女性キャラのキャラデザが本当にいいですね。萌えではなく、素直に美人だなあ、可愛いなあ、と言えます。

8話見ました。
 セイの表情を少しコミカルに表現しているが今回はよかったですね。
 また、脚本というか構成ですが、かなり省略していますが、うまくカットしているので原作を知っていてもあまり不足感は感じませんでした。やっぱり丁寧に作り込んでいる感じがします。ただ、1点、最後の沼のところ、もう5分…いや3分でもいいので、もうちょっと丁寧にしてもらえれば完璧だったんですけど。

 ちょっとアルベルトホークを殺したくなったりしますが、まあ、それは仕方ないでしょう。

11話みました。
アイラちゃん、すっかりなじんで良かったですね。是非活躍してほしいところ。
それにしてもアルベルトホークは殺す。 {/netabare}


追記です。再視聴しました。初見の時は面白さは過大評価していたかもしれませんが、再視聴してアニメの出来の良さは逆に過小評価していた気がします。あらためて驚きました。

{netabare}  この半年で、かなりの本数のアニメを見ましたが、最近のアニメの中で、本作の人物の作画の美しさは驚異的です。キャラデザはもちろんですが、線の一本一本まで美しいです。衣装も良く考えられてデザインもおろそかにしていません。動きも表情も自然です。

 なにより人物の配置がいい…というか構図がいいんですよね。どういう部屋のどういう場所にいて、どこに誰がいてどいう位置関係でいるか、とか非常に見やすいです。で、構図がいいから人物がちゃんと演技しています。そこが素晴らしいです。
 どういう理由でこんなレベルの高いアニメが生まれたのかが気になります。
(追記 手がちゃんと演技しているのと、姿勢にも注目してください)

  私はセイのキャラが異常に気に入ったのであまり客観的な見方はできませんが、それでも異世界ものとしてのストーリー性、テーマ性は弱いと思います。
 が、頑張る女性のシンデレラストーリーとしてはかなり面白いです。魔法が出てきますし、ヒロインのアイデンティティでもありますが、設定に振り回されずヒロインの特徴としてストーリー上で機能しています。
 また、ヒロインの年齢が高めで、かつ年齢にあった性格をしているのが良かったのでしょうか。

 登場人物のキャラ造形が自然で、ヒューマンドラマが成り立っているのも良いのかもしれません。
 音楽が抑え気味でセリフがゆったりしているのもいいです(ただ、エリアヒールを始めてかけた時の声はもうちょっと抑えた演技の方が良かったですね)。

 やっぱりおしいのは最後3話ですね。駆け足で尻切れですね。2クールでやってくれれば…
{/netabare}


 アマゾンから単行本8巻が届いたら、なんと帯に2期の決定が。この先はキャラ萌えというか、パーティーとかラブラブ要素とか、これから8巻読みますけど、温泉とかでしょうか。もちろんいいんですけど、ストーリー的にはせっかくアイラちゃんのキャラが立ってきたので、アイラちゃんの成長が見たいかなあ。とまあ、うれしいので追記しました。


 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ナチュラルOLの『騎士団長ごろし』

けっこう痛い作品の多いなろう系ですが、
その中でもとりわけ視聴者に激痛を与えるテイストというのは、
  いい国作ろうキャバクラアニメ
みたいなハーレムものではないかと個人的に思っております。

モテ要素どころか人間的な魅力を全く感じられない男が美少女たちからもてもて、
という超自然的な現象は、
アニメかキャバクラ以外ではめったに観測されることがありません。

もちろんキャパ嬢の方々は男に「オレ、もてもてじゃん」
と誤解させてお金をしぼりとる『お仕事』をしているわけです。
ですがそうしたアニメキャラの女の子たちもまた、視聴者に
  ボクの前にもこんな天使みたいな子が現れてくれるかも
と誤解させて円盤等でお金をしぼりとる『お仕事』をしているわけで。

              現れませんて。たぶん、一生。

ただし、いわゆる逆ハ-レムもの、
ヒロインを男たちが取り巻くお話は、その限りではありません。
登場する男がどいつもこいつもホストみたいなのはいただけませんが、
ヒロインにはしっかりと人間的な魅力が備わっています。

これは「世の中、たいていは女の方が男より『オトナ』である」
という不変の定理をよく表しているのではないかと。

  a.いまの自分を肯定したままもてもてになりたい。
  b.もてもてになりたかったらいまの自分を変えなきゃダメよ。

のどちらがオトナの考えることなのか、という話であります。


さて、本作『聖女の魔力は万能です』は、
厳密に考えると、逆ハ-レムものに属する作品ではありません。
OLさんがイケメンに囲まれてスローライフを満喫する異世界召喚物です。
  ……こう書くと、やっぱ広義の逆ハ-レムものかな。

{netabare}
聖女召喚の儀でいきなり中世風の異世界に呼ばれてしまったヒロイン(セイ)は、
同時に召喚されたもう一人の少女(アイラ)が聖女ということになったため、
することがなく、薬用植物研究所というところで働き始めます。

はじめは魔法の使い方すら知らなかったセイですが、
少しずつ能力が開花し始め、
やがては身体の欠損部位まで再生するほどの奇跡を起こせるようになります。

そこで、たぶんこっちが本当の聖女さまじゃね? みたいな話になって、
研究所の研究員という立場のまま、
騎士団の魔物討伐に帯同するようになっていきます。

実際に、アイラではなくセイの方が本物の聖女さまだったわけで、
やがて聖女の術(広域浄化魔法)の使い方を会得し、
王国を救って、最後は騎士団長と甘々ハッピーエンドとなります。
{/netabare}

とにかく、出てくる男キャラが軒並みイケメンで、
一つ間違うと『逆ハレユカイ』みたいになってしまうところですが、
そこは何とか踏みとどまっています。

{netabare}
というのも、セイのことを恋愛対象の女性として見ているのは、
  騎士団長一人だけ
なので、無節操にもてもて、というわけではないからです。
あくまでも周りがイケメンばかりという、
いわば『環境ハ-レム』状態であるに過ぎません。

これ、現実的に考えると、かなりの理想郷です。

仕事の関係者が目の保養になるような美形ばかりというのは、
確かに楽しいことなのですが、
その中の複数あるいは全部から言い寄られるような事態になると、
めっちゃ仕事や生活に支障が出てしまいます。

まわりは美形ばっかり。だけどグイグイくるのは本命だけ。
お仕事と私生活を楽しく両立できる、まさにアヴァロンであります。

ちなみに、騎士団長以外がグイグイこないのは、
セイに魅力がないのではなく、
それぞれが余裕のあるオトナの男だからではないかと。
(女性目線だと、この辺もポイント高いのでは)

セイの飾らない性格は、男女を問わず好感度高いのではと思います。
誰に媚びることもなくナチュラルで、
適度にダレたり黒くなったりする部分もあり、 
かなり気軽に、友だちとしても楽しく付き合えるタイプの女の子です。
おまけに仕事ぶりが真面目なので、
           部下に欲しいわ。マジで。

イケメン騎士団長が惹かれていくのも納得。
というか、あまりもてない男に激しい誤解を与えそうな、
やや天然の『男殺し』みたいな感じであります。

{/netabare}

さて、設定だけ見ると腐ってんじゃね-かと疑われそうな本作ですが、
なかなかどうして、しっかりした作りであり、
物語にリアリティを持たせるための仕掛けがあちこちに見られます。

{netabare}
最初に「おっ」と思わされたのは、第一話の終盤でした。
セイが、大けがをした兵士にポ-ションを飲ませようとするのですが、
意識が朦朧としていてうまく飲んでくれません。

これ、男性作家なら十中八九、口移しで飲ませます。

だけど普通に考えると救急隊員でもない一般女性が、
朦朧とはいえまだ意識のある男性に口移しをしようだなんて、
いかに緊急事態であっても考えないのではないか、と。

で、セイはどうしたかと言うと
      飲みなさいっ!
と一喝。で、飲んでくれて助かってよかったね、と。

これ、ものすごく思慮深く作られた、いい演出だったと思います。

ただ単に一般女性の心理をトレースしているだけでなく、
実はこの兵士、騎士団長だったわけで。
ここで口移しなんかしていると、
物語がありがちな安いラブコメになってしまいますから。


ちなみに、原作では自分のレベルだのHP・MPだのがわかる
ステイタスウインドウが表示されるのですが、
ゲ-ム世界に取り込まれたのではなく『異世界召喚』なのですから、
こちらはばっさりカットされています。
             よくやった、井畑監督。

また、セイはオタクでもなんでもない普通のOLさんだったので、
元いた世界の知識でチート的な大活躍、というご都合展開もありません。

薬草やハ-ブが趣味的に好きだった、ぐらいで、
それが地味に役立ったりしますが、
特になにか画期的なことにつながるというわけでもないんです。


そして、舞台が中世風なのですから電子音が存在するわけもなく、
劇伴は全て管弦楽などのアコースティックのみ。
唯一、最終話のラストでEDテーマが重なるところだけが例外です。
しかもそのED、作詞・作曲は結城アイラさんなのですが、
わざわざ別人に英語の訳詞を依頼して、
本編の会話と日本語がかぶらないように配慮されているんです。
              見習って、新海監督。


セイが20代半ばにもなってカマトトではないか、という声もありますが、
少なくとも僕は、そんな感じしなかったです。

確かに草食系ですし、リアクションにウブなところが多いですが、
そもそも女性ってマジで恋すると『乙女がえり』をしてしまう傾向があり、
一概に「あざとい」とは言えないのではないかと。

というか、隣に超絶美男美女がきたら誰だってそうなるのでは?
僕にしたって、たとえば新垣結衣さんあたりが隣にすわり、
           ちょっと手相見せてね、
とか言って手なんかとられた日にゃあ、
周りに白い目で見られるほど上ずってしまう自信があります。
{/netabare}


おすすめ度としては、人にもよるけどAランク、みたいな感じです。

ナチュラルで素敵な女性の、環境ハ-レムにおけるスローライフもの。
ラストはややこっぱずかしめ。
考えさせられる部分や学べることはおおよそ一つもなく、
平和な世界観に浸りながら、
まったりゆったり見るのに適しています。

僕はけっこう好きだったのですが、
あまり難しい理由はなく、セイのキャラ一択だったような。

イケメン嫌いの方には、絶対におすすめできません。
あと、魔物とのバトルシーンがかなりしょっぱいので、
そっちに期待している人は、逆鱗に触れるかな。

人物作画や背景はかなり丁寧にできていて、
女の子目当ての方は、
セイの豊かな表情を追いかけるだけでも一見の価値ありです。

そして、そのセイに声をあてている石川由依さん、すごくいいです。

ミカサだのヴァイオレットだの、
シリアスでかたくなな演技イメ-ジが強い石川さんですが、
こんなに自然で愛らしい三の線も演れるんだな、と。
グリッドマンの宮本侑芽さんしかり、
ダイナゼノンの若山詩音さんしかり、
劇団ひまわり系列のナチュラルお芝居、おそるべしです。

ええ、もちろんイケメンボイス好きにはたまらないキャスティングです。
個人的には、あまりにも人の好さげな、
ジュ-ド(八代拓さん)の声が一番好きです。別に萌えたりしませんが。


ちなみに、騎士団長の名前はアルベルト・ホークといいます。

あえて名前を出さなかったのは、
そっちの方がわかりやすいかなと思っただけで、
決して村上春樹さんのマネをしているのではあらないのだよ諸君。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

9話までの感想{netabare}
面白い。
面白い…のは面白いのだけど、取り立ててここがこうと言える尖った部分は無くて、教科書通りに基本を忠実になぞった手習いの様。
それって教本が面白いのであってこの作品がということでは…ないようなあるような?
ついつい「これでいいんだよこれで」と言いたくなるのだけど、他の作品に無いもの・独自性を出そうとして変に捻ってコケた作品とコレ、どっちが良いのか?と考えるとナンとも言い難い。
女性向け(そうなのか?)って共通点から、ストーリーは全然違うけど感覚的に“アルテ”が近い感じかなぁ。
まぁその…これといって書くことが、無いw
ハハハ参ったね、面白くないってことじゃないんだけどねー。

それでも敢えて言うのなら、8話のイヤボーンがお手本の様な惚れ惚れとするイヤボーンで、こんなん爆笑せずには居られない。
こんな見事なイヤボーンは久々に見たかも?と思ったら、いや最近“ストライクウィッチーズ”で見たばかりだ。
ハテ?あっちは苦笑いするしか無かったのにこっちとは何が違うんだ?と考えると…まぁやっぱ「ハイ、教科書通りに作りました」という実直さをこっちからは感じるからだろうか?
「その教科書ちょっと古くない?」と思わなくもないけど、娯楽の本質って時代でそんなに変わるモンでもないのかなー?と“スライム倒して~”で思い始めてるのもあってか、そんなに悪くない。
分かっててやってる安心感があるというか…。

で、散々教科書みたいと書いたけどそれはストーリーの方で、演出は今っぽさを取り入れてる。
ネットミーム?ネットスラング?を多用してて、直近の9話だけでも「めっちゃ早口で言ってそう」「そんなふうに考えてた時期が俺にもありました」「言わせんな恥ずかしい」等。
そのままダイレクトには使わずアレンジを加えてイヤミにならないように気を配ってる(もしダイレクトに使ったら“のうきん”みたいになってたかと)あたりに丁寧さを感じる。
ひょっとしてスタッフにベテランが居るのかな?と思ったらそうじゃなくて、監督は作監上がりの新人で、シリ構が“俺ガイル”の渡航でした。
ああ、この人の力…なのか?


と誉めてる感じになったけど、これでも序盤は結構批判的でした。
書くほどでもないってことで黙ってたけど、評価変わったので「始めのうちはこんなこと思ってたなー」を忘れないウチに残しておこう。

まず、その作品の世界観を把握する重要な1話でのケレン味が弱い。
薬用植物研究所と謳っておきながら絵からそれっぽさを感じさせる小物が無い、研究所内が殺風景。
棚を覗くシーンで辛うじて乳鉢があったけど、他にもっとこう…薬研とか蒸留器とか無いのかと。
えーっと…ちょっと前のアニメであったじゃん?エンディングが実写で「いかにも錬金術やってる研究室のテーブルの上っぽさ」を再現(ハッタリ)かましてたヤツ…。
何だったっけー?と思い出せずに数日悩んだ末、思い出した、“ノブレス”のエンディングだ。
https://youtu.be/IsM6PoELeYs
ここまでしろとは言わんけど、こんな感じのを目指した形跡も無い。
ってか前のシーンでラベンダーを登場させたせいで、精油取りの蒸留器が無いのが余計に気になって…この世界にそういうのがあるのかどうか知らんけど。
でもってポーション作りの手順がヘボくて(原作がそうなのか?)、じゃあせめて鍋にそれっぽい呪(まじな)いでも彫らせときゃいいのにそれも無い。

で2話、この世界は薬効のあるものを食事に取り入れる発想が無かったってことなんだけど…。
いや厨房の背景にニンニク吊るしてあるじゃんw薬効を期待して使ってるんじゃないの?
味付けだか香り付けなだけで「ニンニク食ったらなんか元気が出るんだよねー」みたいなことを現地人はそれまで感じたことが無かったのか?
更に後半、化粧品を作るシーンで…あるじゃねーかよコイント剣がよ…じゃなくて蒸留器あるじゃん!
頭がグラグラするというか…まぁTVアニメだしねナーロッパだしねでそこら辺のディテールはいい加減なんだろう、と、序盤は凡そ「丁寧に作られてる」とは程遠い印象でした。
薬草の薀蓄もヘンチクリンだしね、気にしない様にはしてるけどさー。

あ、それでも7話だか8話だかで研究室の壁にパン焼き窯の蓋みたいなのが据えてあって…オートクレーブ?そんなのまであるの!?わっかんねーなぁ。
次回で薬草の聖地へ到着するそうで、そこで「如何にもそれっぽい(正確である必要はない)」と思わせるモノがあることに期待するけど…どうかなー?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
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