地震で災害なTVアニメ動画ランキング 4

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早速見ていきましょう!

86.3 1 地震で災害なアニメランキング1位
東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2691)
13810人が棚に入れました
中学1年生の小野沢未来は弟の悠貴のお守りとして一緒に東京のお台場へロボット展を見に来ていた。その最中、東京にM8.0の海溝型大地震が発生、連絡橋は崩壊し、東京タワーが倒壊するなど、東京は大きな被害を受ける。
未来と悠貴はお台場で出会ったバイク便ライダー日下部真理の力を借りて世田谷の自宅へ帰ろうとする。

声優・キャラクター
花村怜美、小林由美子、甲斐田裕子、喜多村英梨、豊崎愛生、高平成美、遠藤綾、沢城みゆき、野中藍、中博史、井上喜久子、滝川クリステル
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

長尺の目と、fuushinの妄想、もう、よそう。2018.12.5 追記。

本作のレビューからズレてしまうことをお許しください。

{netabare}
先日の大阪の地震は、愛知県では震度4でした。
私は職場にいて、「あ、ついに来た!」と身構えました。
熊本地震、東日本大震災、阪神淡路大震災の実情。
桜島、霧島連山、御嶽山、草津白根山などの噴火の記憶も生々しい。

しかし、私の知識はほぼほぼ中学生レベルで止まっています。
高校で、地学を取りましたが記憶するばっかりで、実学には結びついていません。

本作では、地震学者から見ると、待望の啓蒙作品でもあるし、危機管理と対策の教本的なものなのかもしれません。

マグニチュードという言葉を調べていて、ちょっと理解が進んだのですが、先日の大阪の地震はM6.1でした。震源地は地下13㎞です。

これは、広島に投下された原爆(20キロトン)の放出エネルギーと同じです。地下13㎞のエネルギーは、地表ではあの爆発規模になるのですね。

ちなみに、東日本大震災(M9.0)は、関東大震災の約50倍、阪神・淡路大震災の約1400倍です。

(ここまでは、「日本の地下で何が起きているのか」(鎌田浩毅氏著。岩波科学ライブラリー。2017.10.18)より一部引用。)

さて、私はザックを担いで鈴鹿、比叡、伊吹山などから琵琶湖を眺めるのが好きで、その大きさに感銘を受けるのですが、同じように、北、中央、南アルプスを縦走するのも好きです。雄大な山並みや巨大な山塊には地球のパワーに圧倒されます。
体力的には2泊3日が限界ですので、そうそう長い距離は歩けませんが、見るだけなら、160㎞くらいは(富士山から槍ヶ岳)。思いを馳せるだけなら、九州・北海道の山も・・見て見たい。

それで、南海トラフの距離は、東西約700㎞と、全く私の想像を超えます。ここが動くかも・・・ということですね。


ここから先は、fuushinの虚妄です。はい。

本作を観た後のレビューとして適切ではないかもしれません。
いつものようにちょっぴり、スピリチャルっぽく書いていますので、お好みでない方はスルーしてくださいね。
 
私は、「君の名は。」や「かぐや姫の物語」などで、いささか異質なレビューを書いていますが、その視点は、縁の不思議さや魂の錬磨といったたぐいのものです。そして、そのアプローチには、言霊、数霊、シンクロニシティといったたぐいの概念を使っています。

前振りした地震についての妄想なのですが、今、こう思います。

ひとつは、ジュセリーノ・ダ・ルース氏の「予言」です。ネットでは「怪情報」としての扱いです。まあ、そうでしょう。

2018年6月21日。(夏至ですね。陽の極点です)

明日ですが、東海地震の発生を「予言」しています。本当かどうかは分かりませんが、この人の予言は結構な確率で「的中」させているので、個人的には全否定はしていません。もちろん当たらないことを祈りますが。

マグニチュードは、10.6。 東日本大震災が9.0でしたから、放出されるエネルギーは、数100倍(詳しくないのでごめんなさい)。

日本地震学会では、「中央防災会議での「現状では東海地震の確度の高い予測は困難」との議論もあり、より範囲の広い南海トラフ地震の想定震源域全体(駿河湾〜宮崎沖)を対象とした「南海トラフ地震に関連する情報」の運用が平成29年11月1日から始まりました。」と述べ、ホームページの「東海地震に関する項目」はすべて「改定中」になっています。つまり、学会としては見解を出してはいません。

これを受け、気象庁は「当面の間、気象庁は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表することとしました。この情報は、平成29年11月1日から運用を開始しました。」としています。

ちまたの官民合わせた情報においても、「いつ起きても不思議ではない」となっています。そういういろんな科学的な知見、防災予防、啓蒙に機運がかつてなく高まってきてはいます。そう思うと、私は、ジュセリーノ氏の予言もあながち間違いではなく、当たらなければいいわけで、当たれば困る・・・ということです。


それで、fuushinの思いとしてはこうです。

日本を、龍体と見立てたとき、琵琶湖は「子宮」、淀川は「産道」になります。震源地はその付近でした。それは陣痛?何かが生みだされる?それは何?

琵琶湖には、竹生島があり、都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ、竹生島神社)が坐しています。
主祭神は、市杵島姫命(イチキシマヒメ)。
天照大神の子で、皇孫(こうそん)邇邇芸命(ににぎのみこと)が降臨に際し、養育係として付き添い、邇邇芸命を立派に生育させたことから、子守の神さま、子供の守護神として、崇敬されている」との謂れがあります。
女性の人格を持った神様ですね。
仏教(4次元界)になると、弁財天です。日本最古・最初の弁財天で、日本三大弁財天とも言われています。江島神社(神奈川県 江の島)・厳島神社(広島県 厳島)

女性・子宝・生産の象意をもつ神仏の働きを予感させます。

また、『近江国風土記』には、夷服岳(伊吹山)の多多美比古命が姪にあたる浅井岳(金糞岳)の浅井姫命と高さ比べをし、負けた多多美比古命が怒って浅井姫命の首を斬ったところ、湖に落ちた首が竹生島になったという記述があって、ここにも"夷"の文字がありました。
(今季、春アニメには、この"夷"に纏わる作品がちっくと多いような・・・。ちなみに、夷→エビス→外国人→外来の知見(特に農業生産技術)→尊敬・崇敬→神社の主祭神という流れがあります。また、夷=戎≒十戒=モーセの十戒ですね。伊吹山の隠された主祭神はどなたかしら、なんてね。)



プールの壁が崩れたのは、"寿栄小学校"。
被害にあわれたのは9歳の女の子。

この小学校の校章は"六芒星"を彷彿とさせます。(一般的にも校章に6角形を取り入れたデザインは多いのですが)
六芒星は、伊勢神宮、元伊勢とも呼ばれる籠神社(京都府宮津市)の隠された印章です。一説には「ダビデマーク」とも言われています。
ダビデは、約3000年前にイスラエル王国の王となり、12部族をまとめたと言われています(旧約聖書)。

寿栄という言葉は、歴史的には地元の寿町と栄町の両方の名前を使ったものなので、それだけをみると深い意味はありません。しかし、非常に印象的な言霊の響き(ことほぎ、さかえる)です。

9は数霊では「尊いもの・人間」を意味します。
女の子は「社会的な弱者」の暗喩になるでしょう。
壁は、「重い何かが覆いかぶさっている」「出るに出られない状態=どうにかして間もなく出てくる」という意味かもしれません。

これらを、シンクロニシティしてみると、日本で、あるいは世界情勢に、なにか大きくて尊いものが現れる前兆、狼煙(のろし)のような、加えて、南海トラフ地震への直前の警鐘のようにも感じるのです。



・・・はい、そうです。ただの妄想です。もちろん大きな地震は起こらないにこしたことはありません。ただ、科学的には「いつ起きても、明日起きても不思議ではない」という評価もあるので、ちょっと気になっただけなんです。

それをどう捉え、どう乗りこえるのか。
魂をどう磨くのか。どう守るのか。
自助、共助、公助にどんな知恵を働かすのか。
当面のポイントはここのような気がしています。

不快な気持ちにさせてしまったら、本当にごめんなさい。
{/netabare}

本作を鑑賞して、ふと、要らないことを書いてしまいました。

2018.6.22追記。
{netabare}
今日から、予言は予言でなくなりました。ただ、ホッとしていいのかどうかは一概には言えなくて、これで安心して眠れるという訳にもいきません。まんじりともしない気分です。
例えれば、今日から"毎日が8月31日"のような気分です。ごめんなさい、告白します。学校なんてなくなっちゃえばいいって、何度も思ってました。懺悔します。本作の主人公と同じです。
 
ものの本によると、"正しく怖がりましょう"と書いてありました。
地域ごとで言い伝えられている伝承とか史跡とかは、激甚災害から生き延びてきた先人たちのしたたかな知の財産ですし、最新の科学(プレートテクトニクス理論からプルームテクトニクス理論へ)もまた、未来につなげられる知の財産のひとつだと思います。

プレートが4つもひしめき合っている地域は、日本、インドネシアとその周辺、コロンビアとその周辺くらいです。
この地域は、文学的に言えば、地球規模の"ムスビとすれ違い"のもっとも激しい場所。
大地と海洋の感情と情動を、敏感に感じ取って生きている地球人の一人として、こうした国々とネットワークを組み、世界一の災害強国としての知性と見識、行動と体制作りなどを共有して70億人の人々に還元できるようになるといいですね。

長尺の目で、100年、500年、1000年、1万年というスパンで、自分と周りの人たちの命も同様に、慈愛で視る目を持ち、率先避難者(逃げるが勝ち)になろうと思います。
そうして何があっても、生き延びねばと思います。サッカーならいいけど、戦争や紛争なんてしている場合じゃないな。

そういう意味でも、本作の魅力を発信し続けていくことは大事ですね。先輩レビュアーさんの感想を読んでそう思いました。感謝しかありません。
{/netabare}

2018.12.5 追記。
{netabare}
またぞろ、こんなことを書いて不謹慎なこととは重々承知しています。
おバカな fuushinの妄想かと笑い飛ばしていただければと思います。

ジュセリーノ氏ほか、直近の地震の予言をなさっています。
12月7日、9日です。9日が本震で、マグニチュードが8.5と言う人もいるようです。
書籍、ネットにも記されています。関心のある方はご覧になってみてください。
ないにこしたことはありませんが、準備だけはしっかりとしておきたいと思います。
{/netabare}

長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

本作が、みなに愛されますように。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

後悔、先に立たず。

制作はボンズ×キネマシトラスのオリジナルアニメです。
ジャンルはリアル地震シミュレーション・ヒューマンドラマです。
ノイタミナ作品になります。


中学一年生の少女・小野沢未来を主人公とし、M8.0の直下地震に襲われた東京を舞台に描かれる作品。
未来は弟の悠貴とともに、お台場のロボット展へと来ていた。
名門私立に通う彼女はどこか厭世観を持っており、鬱屈とした感情を抱えていた。
それを晴らすためか「こんな世界、壊れちゃえばいいのに。」とインターネットに描き込んだ、その時…。


東日本大震災の発生で一際注目され、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門において優秀賞を受賞している作品。
ノイタミナ作品の中でも、かなりの社会派に分類されます。
こういった題材の作品ですので、いつになく真剣に書きます。


前半は地震に対する恐怖と三助(自助・共助・公助)・それにまつわる人間ドラマについて描き、後半は未来が{netabare}PTSDとなって悠貴の存在の大切さに気づき、心理的に{/netabare}成長する姿を描きます。
流石に地震のみを題材に作品を作ると重すぎるし、尺も取れないから人間ドラマを主体にした構成としたのでしょう。
全11話ですが、正直8話くらいでも上手くまとめられた内容かとは思いますがね。


本作における“リアリティ”は“地震”という現象の捉え方や初動時の対応、一般人の描き方にあるかと思います。
この面における過剰描写はほぼなく、すっと物語に入り込めました。
建物崩壊の描写は、多分見たらゾッとすると思いますよ。
やたら性悪な人物とかが出てくると冷めてしまいますけど、そこの塩梅も上手かったですね。
もちろんフィクションなので扇動的な描写もありますけど、許容範囲かと。


逆に主要人物たちの心情描写は雑に感じる場面も多かったです。
主人公の未来は捻くれた性格という設定ですが、それを引っ張りすぎている感はあります。
最終的に改心させて、視聴者を泣かせる意図が最初から透けて見えてしまったのは少々残念なところ。
また、姉弟とともに行動した日下部真理。
正直、なぜ姉弟と一緒に行動したのか終始分からず。
劇中で触れられていますが、幼い娘がいるならばそちらを優先すると思いますが…。

また、どの建物もほぼ半壊以上というのはやりすぎではないかとも思いました。
世田谷区は密集住宅地ですのでまだ分かるのですが、都心三区の一つである港区はそこまで軟な耐震基準じゃないはず。
地震描写に関しては、ここだけ納得できなかったです。




以下ではネタバレありで、細かい部分について詳しく書きます。

○終盤における“あの演出”
{netabare}見た人の中で多分最も賛否両論となるのが、“実は終盤の悠貴が幽霊だった”という事でしょう。
最初に書きますが、私自身この設定には否定的です。

本作は“リアル地震シミュレーション”という触れ込みで制作されています。
リアリティを重視しているはずなのにファンタジーを入れてしまったら、それはもう何だか分からないシロモノになってしまいます。
人間ドラマを主眼とし、終盤の盛り上がりのための設定だと思いますが、もう少し上手く出来なかったかなと。
後述しますが、幽霊で通すならば細かいところまで描写してほしかったですね。

でも最終回は上手く泣かせに来ていますね。
幽霊だから、ちょっと「あの花」と被りましたけど、こっちの方が上手かったような気もします。
まあ “質の良い涙”ではないですから、何とも。{/netabare}



○“影”について(「妄想代理人」の第8話、「明るい家族計画」のネタバレも含みます)
{netabare}細かいところだと思いますが、私は“影”が気になりました。
正直、8話時点で悠貴が死んでいるのは読めましたので、類似していた「妄想代理人」を思い出して“影”を見ていました。
8話から10話までは実は普通に影がありますが、11話だけ悠貴自身の影がないです。
「妄想代理人」では死んでから自身の影は完全に消していたので、ここは是非とも統一してほしかったところ。
8話から10話は演出次第で上手く誤魔化せると思いますしね。

同じような論点ですけど、悠貴が物体に触れていない点は良かったと思います。
彼は幽霊として出てきてからは何も触れていませんから。{/netabare}



○ “性格”と“思慮分別”
{netabare}ここについては思う人も多いのではないでしょうか?

まず主人公の性格。
キツくて、合わない視聴者も多いのでは。
ここに関しては合う合わないの問題なので追及はしませんが、前述の通り、体の良い主人公像に見えてしまう部分もあります。
設定自体はそれでも構わないですが、経過の部分をもっと大切に描いてほしかったかな。

続いて“思慮分別”。
ロボットオタクの少年が出てきますが、彼は別に登場させる必要がなかったと思うのですが…。
ロボットを救うために自分が崩壊しそうな場所に立ち入るっていうのは、いくら中一だからって“危なすぎる行為”だと分かりそうですけど。
彼の登場が以降のエピソードに影響しているわけでもないので、ここに関しては無駄と感じてしまいました。
悠貴がロボットを追うというのならば、まだ分かりますがね。{/netabare}



○9話の真理に関する演出
{netabare}具体的に言えば、真理が小学校で娘・義母?の遺体と対面する場面です。
布で顔が隠れているわけですけど、同じ地域に、同じ年齢構成の、同じ髪型の女性二人が生活し、それが死亡する確率はいったいどれだけのものでしょう?
気が動転していて勘違いしていたでは済まされない部分だと私は感じてしまいました。
この後、娘・義母ともに生きていることが分かるわけですけど、ちょっと無理がある演出だと思います。
感動の気持ちがサーっと引いてしまった。{/netabare}



総括して、確かに悲しくて泣ける作品です。
防災に対する啓蒙作品としても優れています。
私自身、心情的には惹かれる部分も多々ありましたが、論理的には納得のできない部分も同様にありました。

でも本作を駄作・凡作とは露ほども思いませんし、「一度は見ておいてよかった」とも思います。
地震について考えてみたい方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか?
家族で見れば、防災について考える良いきっかけにもなるかと。

点数の割に酷評気味な書き方ですが、いろいろ思うところがあったからです。
本作自体に興味がなかったら、こんなに長文を書きませんからね。
それでは、長文失礼しました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

東京で大きな地震が発生。そして家族のかけがえのなさに気が付いた…。

この作品は、観るかどうかとても迷いました。

震災の恐ろしさや悲しさ…
そんなやるせなさの中に自ら飛び込む勇気が持てなかったからです。

自分たちの身にもいつか…
なんてことを考えてもどうしようもないし、

もしもの時のために備えをしても、
どれだけ覚悟をしたとしても、

「よし、これでいつ大きな地震が来ても大丈夫!」
なんて言える日は絶対に来ない。


幼い頃、阪神淡路大震災を体験しました。

あらゆる記憶がはっきりとしていないほど幼かったのですが、
それでも地震発生時の事は今でもはっきりと、鮮明に覚えています。

体験したことのない激しい揺れ。
横並びで寝ていた私と妹の上に覆いかぶさりながら、何かを叫んでいる母。
起き上がることも何もできず、
ただ揺れが収まることを待つことしかできなかった時間。

そして揺れが収まった後に見た、家の中の有様。
高速道路の下敷きになって死んだ近所の人の話。
水道が復旧するまで、地下水を汲みに行くのは私の仕事だったこと。

幸いにも大きな被害のない地域でしたが、
あの時感じた揺れと恐怖、非日常な日々は、はっきりと私の中に残っています。

その記憶で十分…
今さら、わざわざ怖いものを観なくても…。
そんな迷いがありました。

だけど観終わった今、
この作品を観てよかったと思っています。

そして、たくさんの人に知ってもらいたい作品だと思いました。

全11話です。


● ストーリー
未来の事なんてわからない。

共働きで忙しくしていて、
口を開けば小言ばかりの両親。

家族、自己中心的な人たち…
いろんなことにイライラが募る日々。

夏休み、弟の悠貴(ゆうき)に付き添って、
お台場のロボット展にやってきた小野沢未来(おのざわ みらい)。

「いっそのこと、こんな世界、壊れちゃえばいいのに。」
何気なくそうつぶやいた瞬間、その地震はやってきた。


東京を襲ったマグニチュード8.0の地震。

これは、
大きな震災を体験したことがない人ほど見てほしい作品です。

そしてこんな現実に、
いつか直面するかもしれないイメージを持っておくべきだと思います。

この作品で描かれていることは、
決して大げさなことではないから。

むしろ現実はもっとひどいと思うから。


主人公の未来が常にイライラしていて、

元気づけようとしてくれる悠貴にさえ当たり散らすのは、
観ていて気分がよくありませんが、

そこに目をつぶることができれば、
ストーリーの構成は素晴らしい。

地震発生、
お台場から世田谷の自宅へ歩いて戻る道中、
家族の安否に募る不安、
そして自宅に到着…。

こういうアニメを、本気で作ろうとする意欲が素晴らしい。
国家認定のアニメにするべきだ!

11話 {netabare} 家族との再会と、悠貴の死と、悲しさを乗り越えようとする未来の姿 {/netabare}には大泣きでした(´;ω;`)


● キャラクター
中学1年生の女の子、未来。

いろんなことに不安が募って、
毎日がイライラ。

それは等身大な中学生の姿だと思います。

だけど、ちょっと性格が歪んているのが難点。笑

弟の悠貴(小学3年生)は、
とてもいい子なのにな…。

だけど、この震災を通して、
一番心が成長するのは彼女です。

観ていてイライラする子ではありますが、
この作品の主人公としてはふさわしい子だとも思います。


偶然未来と悠貴と知り合い、
途中まで一緒に帰ることになった、マリさん。

自分の娘と母の事も心配でたまらないはずなのに、
2人の事を放っておけず、あれこれ面倒を見てくれるなんとも優しい人です。

自分がマリさんの立場だったら、
ここまでできる自信が私にはない…(;´Д`)

マリさんと出会えたことが、
2人にとって最大の幸運だったと言えるでしょう。


● 音楽
【 OP「キミノウタ」/ abingdon boys school 】

abingdon boys schoolは、
西川貴教さんがボーカルを務めるバンド。

曲もかっこいいですが、
何よりも私が衝撃を受けたのは、映像ですね。

OPで流れるのは、震災後、倒壊した東京各地の様子。

写真やテレビで見たことある有名な観光地も、
震災にあうとこうなるのかも…

というリアルな映像が、
とても衝撃的でした。

いつもOPもEDも必ず観ますが、

あまりにもOPの映像がリアルで怖くて、
とばしたくなってしまったほどです。

この映像だけでも観る価値ありですね。


【 ED「M/elody」/ 辻詩音 】

この曲単体でも、
十分いい曲です。

この作品を最終話まで観たなら、
より魅力が増します。

明るい曲調には、
未来を信じて、というメッセージが込められているような気が…。


● まとめ
「もしも大きな地震が起こったら」というテーマを、
見事に描き切ったと思います。

恐怖、不安、不便さ、心配、我慢、
家族への想い、辛い別れ、辛い想いを抱える人々…。

今ある当たり前の生活は、簡単に壊れてしまうかもしれないこと。
今ある当たり前の生活が、とても幸せで恵まれたものであること。

それを忘れてはいけないですね。
傍にいる人の大切さに気づけなかった後悔が生まれないように。

もっと多くの人に観てもらいたいと思う作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35

70.5 2 地震で災害なアニメランキング2位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (308)
1129人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

堂嶋大介は認められたい

【概要】
 2019年冬。全12話のオリジナルアニメ。3DCGで制作されたSFサバイバルアクション。監督はコードギアスなどで知られる谷口悟朗。

 このアニメの良い所。それは

一、THE ORAL CIGARETTESのOP曲「ワガママで誤魔化さないで」
二、ミロのケツ
三、ルウのケツ

-- 以上 --

 高名な監督が手掛ける作品ということで期待していたんだけどな。まさか「刻越えのデリダ」に匹敵する、時間もの失敗作オリジナルアニメを2クール連続で引くとは思わなかった・・・

【3DCGアニメ】
 revisionsは全編3DCGで制作されている。クオリティは高いと思うのだけど、実は3Dの日本アニメはrevisionsに限らず、逆に海外で人気がない。最近で国外でも好評だった3DCGアニメは「宝石の国」くらいじゃないだろうか。

 どうも海外のアニメファンは日本の伝統的なセルアニメーションの持つテクスチャに魅力を感じているようで、日本以外でも制作されている3DCGのアニメならわざわざ異国の映像作品を観ようとは思わないのかもしれない。+Ultra枠は世界を見据えた作品をラインナップをするという方針だったのだが、前作のINGRESS、そして本作と3DCGアニメはどちらも不評でフジテレビ制作サイドの戦略ミスのように思う。(さすがにまずいと感じたのか次作のキャロル&チューズデイは2Dらしい)

 3DCGは日本のアニメの特色が失われるというやや感傷的な理由だけではなく、最初のモデル作成に手間がかかるため、あまり多くのキャラやセットを用意できないという欠点がある。本作においては渋谷を舞台にしておきながら、実際に画面に映るのは学校、市役所、そして荒野と設定を活かせていないし敵キャラも親玉の3体を除いて量産型で面白味に欠ける。アーヴ側の人間がミロ1人しか登場しないのは3DCGの足枷によるもので、未来人の二大勢力が3人と1人で代表して争うというなんとも寂しいことになっている。設定は壮大なのに小じんまりした映像になってしまったのは残念である。

【SFサバイバル群像劇】
 公式での謳い文句によるとrevisionsはジュブナイル(青春)+パニック(災害)+アンサンブル(群像劇)とのことなのだが、色んな要素を寄せ集めた結果、1クールで処理できず中途半端に終わるというありがちな失敗をしているように感じた。

 {netabare}まずこのアニメは青春群像劇とは言い難い。5人の高校生がメインキャラクターだが視点は随分と偏っており、基本的に主人公の堂嶋大介+他の誰かという組み合わせでしか話は進まない。大介の「ヒーローになりたい」という葛藤が常にお話の中心で、暴走気味の主人公と他のキャラの意見がぶつかる場面が執拗に描かれる。未来の渋谷でどう生き延びるかという状況で、一般人からするとどうでもよい、大介と他の人間との衝突ばっかりやっているのだからうんざりする。視聴者からしてもどうでもいいことだ。

 一見優等生に見える他の4人にも決して欠点がないわけではない。ガイは優秀であるがゆえに人を見下しがち、ガイの双子の妹ルウも同じく優秀だが感情的、マリマリはおっとりした性格だがピンチ場面ではの優柔不断、慶作は典型的な「いい奴」なのだが、彼には悩みがある。慶作はマリマリが好きなのだが、お人良しすぎてマリマリへの恋心を打ち明けないまま大介に譲ろうとしている。マリマリは大介をちょっと意識しているのだ。

 こうしたお話のネタがあるのにも関わらず、全12話を通して5人の関係性はほぼ変化がない。ただ大介が自身のヒーロー願望とどう折り合いをつけて成長するかというだけのお話で、5人のキャラクターの心情が交錯することはあまりなく、大介がルウ兄妹と絆を修復して終わりだ。青春物として単調であまり面白いとは思えなかった。仲直りする場面でMiyuuの歌声が響けば視聴者は感動してくれると思ってないだろうか。挿入歌で誤魔化さないで!

 災害(サバイバル)としてはさらに厳しい。revisionsは未来人の思惑によって渋谷を街ごと未来に転送される、という設定である。渋谷の街の外は見渡す限りの荒野が広がっており、化け物に成り果てた未来人revisions(リビジョンズ)が襲い掛かってくる。ライフラインを絶たれた現代人がいかにして生き延びるのか、という問題は当然力を入れて描写すべき事柄だ。

 ところが、このアニメは人々の生活が全くと言っていいほど描かれないのである。食料も水もどうやって調達しているのか不明。電気は都合よくリビジョンズと敵対関係にある未来人アーヴがモビルスーツ用の電源を供給してくれる。災害時の生活の描写がなければ臨場感に欠けるし、だいいち面白くない。せっかくの面白くなりそうな設定をなぜ活かそうとしないのだろう。しかし次第に人々が不安でイライラしていく様子だけはちゃんと描かれる。何だこの本末転倒な感じは。第6話でムラついた保健室の先生がいきなり主人公を性的に誘惑してくるが、結局何のフラグでもなかった。大人の色気で誤魔化さないで!

 さらに言うとSFとしても褒められたものではない。最初のうちは量子脳という概念を持ち出して渋谷の街を未来に転送した状況を何とか筋道を立てて説明しようとしていたが、最終的にラスボスは時間の概念を超越した存在になり、完全にロジックを放棄してしまう。第一話のミロが5人それぞれに告げた予言も伏線として回収されず、一体あれは何だったの?感が果てしない。ラストバトルはどこで戦っているのかもよく分からない。そして謎の友情パワーで打開。何だ、このジャンプの打ち切り漫画みたいな終わり方は。デウス・エクス・マキナで誤魔化さないで!
{/netabare}

【主人公】
 さて、ここからが本題。本作一番の問題点、それは皆から「うざいうざい」と叩かれる主人公、堂嶋大介のキャラクターである。

{netabare}
 幼い頃、主人公の大介は誘拐事件に合い、不思議な女性・ミロによって助けられる。ミロは大介に「あなたたち5人にいつか大変な危機が訪れる。忘れないで。あなたがみんなを守るのよ」と予言を残して去る。

 その日の出来事が忘れられない大介は俺が皆を守らなければならないという強迫観念に囚われ、問題児になってしまう。独善的な正義感を振りかざし、街のチンピラに絡んで相手に怪我をさせても悪びれる様子はない。仲間からありがた迷惑だと批難されても「だってあの時ミロはみんなを守れって言ったじゃないか!」と逆ギレする。冒頭から印象最悪のキャラだ。

 さて第1話の終盤に話が大きく動く。未来人の力で渋谷転送が起こり、非常事態になると大介は「やっぱり俺が正しかったんだ!」と犠牲者が出ている状況にも関わらずニヤニヤしている。そして未来からやってきたミロからパワードスーツ「ストリングパペット」を受け取ると彼は憧れのヒーローになれたと狂喜乱舞する。しかしパペットはもう2体あり、他の4人も操縦できることが分かると大介は手柄を横取りされてしまうとばかりに露骨に嫌な顔をする。その後も人命よりも自身の功名心を優先する態度を取り、あらゆる人達の反感を買う。

 はっきりいってここまで悪く描かれる主人公は珍しい。だが、周囲の人間が彼を白眼視していることも強調されるため、「大介のヒーロー願望はやがて挫折し、そこから成長して真のヒーローになるお話だろう」とは容易に想像がつく。一応視聴者への目配せはできているのである。が、だからといって温かい目で彼の成長を見守ることができることができるかというと疑問だ。

 不人気主人公・大介クンは、要するにひたすら

 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい

と言っている。これは最近よく聞く「承認欲求」というやつである。承認欲求は誰しもが持つ欲望で、例えばレビューにサンキューを押す行為はレビュー自体の評価をするというよりはむしろサンキューを送り合うことで参加者の承認欲求を満たし、SNSを活性化させる意味合いが強い。ご存知の通り他のSNSにも同様のイイネ!機能はだいたい用意されており、このイイネ!(=他者からの承認)を集めることは現代人の関心事になっている。

 ならば彼の「認められたい」という思いはある程度共感できるのではないか?と思うが残念ながらそうは感じなかった。本作の設定はそもそもがおかしいんだよな。堂嶋大介はヒーローになろうとして問題行動を度々起こし、皆の評価を大きく下げている。これは逆で、メサイア・コンプレックスというのは他の何らかの要因で周囲の評価が低くて、すでに固まってしまった自分の評価を一気に挽回しようという思いに駆られ、自分がヒーロー的な活躍をすることに執着するんだよ。要するに一発逆転を狙っているのである。

 大介のようにわざわざ自分で状況を悪くしているだけの人間には違和感しか感じない。大介は無理にヒーローになろうとしなけば何も問題もない高校生だ。大介の設定を再確認すると、虐められているわけでもなく、友達もいるし、貧乏でもなく、隠れ巨乳の幼なじみが好意を抱いているという状況にある。彼がヒーローになりたいと意固地になる理由は何なのか全く伝わらない。(両親がいないのかと思ったらみんなを守りたいからと勝手に親元を離れたらしい。アホか。)

 あのさ、人はみんなコンプレックスを抱えて生きているんだよ。ブサイクだとかデブだとかワキガだとか頭が悪いとかハゲだとか皮膚炎だとか貧乳だとか性にまつわるエトセトラとか。それなのに特にコンプレックスもなく生きている人間が、勝手なヒーロー願望に駆られ、承認欲求を求めて自滅するアニメを観て共感できるわけがない。うざい・うざくない以前に人間として理解できないし、僕ははっきりいってこんな主人公に興味がない。
{/netabare}

 インタビュー記事(※)で谷口監督は「共感できる主人公である必要はない。」と発言していたが、本当にそうなのだろうか。もしかして制作スタッフは承認欲求が悪だと勘違いしてはいないだろうか。「もっと褒めてほしい」「評価されたい」という思いは人の誰しもが持つ基本的な感情であり、モチベーションの源として必要なものだ。問題なのは承認欲求が一向に満たされない状況にあるのであって、そこに説得力がなければいくらドラマチックな展開を先に用意しても心に響かない。大介のヒーローになりたいと渇望する気持ちにもっと共感できればこのアニメの評価は全く違ったような気がする。


※https://jp.ign.com/revisions-anime/31881/interview/revisions-cg

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ワガママで誤魔化さないで

1話感想{netabare}
自分も結構気軽に「なろう系」って言葉使っちゃってるけど、最近はそれの主流も変わってきてるみたいで、さえないクズ主人公がイケメンクラスメートと異世界行って、そこでは主人公が大活躍して、今まで自分を馬鹿にしてたクラスメートをいびり倒すってのが流行ってるらしい。
まぁ、のび太がジャイアンやスネ夫を滅多刺しにして出木杉クンから神のように信奉され靴なめさせてしずかちゃんを犯すのが流行ってるらしい(犯すと「さすが、さすが」と賞賛される)。
そういう系の作品がアニメ化され出したらキツいなぁと思ってたのだけど…あ、先手打ってきた?
この作品、主人公は暫くの間「のび太が調子に乗ってる段階」を続けるんじゃないかな?
途中で挫折なり「これじゃアカンわ」と立ち止まる展開になる…と思うのだけど、そうではなくずっと調子乗りっ放しで行ったら笑える。
1話じゃまだ分からないですけどね、なろうに阿(おもね)るかカウンター決めるか、今後の展開が気になります。
自分はカウンター決めると思うんだけどなぁ。
ただ、こういう作りは“鉄のラインバレル”がそうだったけど、当時ですら「主人公が調子に乗ってる(後でしっぺ返し食らうのがバレバレなのに)」段階で「主人公気に入らない」として見るの辞めた人が続出だったような…。
主人公は子供の頃、あんな状況でそんなこと言われたら「神から啓示を受けたレベル」で陶酔しちゃってもおかしくないかなぁ~とは思うのだが…それでもダメな人はダメなんかな。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
やっべニヤニヤが止まらないw
ニヤニヤの根拠は「コイツ鼻っ柱折られるんだろうなぁ」を感じるから…とはいえ本当にそんな展開になってくれるかどうかは未来予知能力の無い私には確証が無い。
と思ったら、これって先にネトフリで全話配信されたやつなのか。
なるべくネタバレは見ないように警戒してるけど、どうやらそこら辺は安心して良いっぽい。
但し吠え面かくハメになるのはずっと先らしい…のだけど、片鱗は早くも3話で見せ始めてるかな?

自分語りしてもしょうがないのだけど別にカッコつける気もないので言っちゃうと、主人公の言動に身に覚えが無いワケではない。
クラスで出し物するってのに練習でクラスの連中はヤル気が無く「コイツらつかえねー」と下に見てたんだけど、いざ本番になったら皆しっかり演技して、練習の時必死こいてた自分を振り返って「あれ、オレなに思い上がってたんだ?」と自己嫌悪したこと、あるあるw
他にはにわか知識をひけらかしてたら、その相手が実はその道の専門家で釈迦に説法してたと後から知って顔から火が出る思いになったり、あるあるww
大抵の人はそういう経験(下だと思ってた人間が自分よりよっぽど上等だと思い知らされる経験)って多かれ少なかれあると思うのだけど、「オレも若かったなぁ」と笑って話せるくらいでないとトラウマ抉ってキツい、のか?
自分はアレだなぁ、逆にそういうのがクセになってそういう作品を好む傾向にあるのかも知れない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああもう主人公が可愛くてキスしたいレベル、性的な意味じゃなくて孫を可愛がるお爺ちゃん的視線でね。
5話、電力はカドだし敵がまさかの…ベタすぎて「まさかそんなありきたりな展開はないだろー」と思ってたハダカデバネズミ展開。
もう何万回使い古されたネタだ?
ちょっと前にやってた“グリッドマン”でも「まさかそんなことはないだろーハハハ」と流されたネタで、ここまで直球なのはむしろ「もうひと捻りなにかありそう」とさえ思える。
なにより6話。
まぁ、こうなるわな。
ってか…う~ん、ここぞとばかりにこの作品を警棒にして他作品を殴るようなマネするのもアレですが、さっき例で出した“グリッドマン”もその意思を感じたのだけど、生温い異世界転生モノに「こりゃちょっとアレじゃね?」と思ってるクリエイターはそれなりに居るんじゃないかな。
元居る世界に帰ろうとも思わない、現地の人はあくまで自分を賞賛するための道具としか思ってない、自分と同じ立場の人間がもし居たとしても自分より劣ってることを望んでる、等々のソレ系。
クリエイターがそういうのを不快に思ってるかどうかまでは知りませんが、最近そういうのが流行ってるのであるならそのカウンター作品を作りたくなるのはある意味健全とも。
まぁ自分は不快でしょうがなかったんですけどね、ここまで直截に「言ってやりたかったこと」を出してくるとはなぁ…ゲシュペンストのメッセージね。
ってかちっと書き出してみたんだけど、ここまで辛辣に書けるのは5chでもそう居ないんじゃない?さすがプロだなーと感心するレベル。
そこまで言っちゃって大丈夫?とさえ思えるんだけど、だ、大丈夫だよね?
しっかしまぁ…これでゲシュペンストの言ってたことは大間違い・ただの精神攻撃だったで終わったらちょっと寂しいかな。
逆に主人公開き直って「ああそうだとも、オレはこの世界で一番偉いんだ、喝采せよ」とか言って終わったら皮肉利きすぎてて笑い死ぬかも知れん。

一方でユミコ先生がコワイ。
極限状態に追い込まれてヘンな宗教に目覚めちゃったみたいな…自分の本性に向き合ってるのか目を逸らしたがってる(正当化したがってる)のか、どっちなんだろうなぁ。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
キターーー、遂に鼻っ柱折られる展開に。
散々オレが守るオレが守る言ってたのに守ることができずに意気消沈、ヒャッホウ。
ところで──
あんま言わないようにしてたんだけど、すっごく富野臭くない?
反省房入りしたり、「ボクが一番ガンダムを上手く使えるんだ」みたいなこと言わせたり、目の前で母親殺されたり。
おかげで8話でケイサクの母が殺された時はキターーーと思ってしまったし、その後の激怒パンチではカミューラランバンの仇!と言って欲しいと思ってしまったり(実際のカミューラランバンでは感情露わにしてないけど)。
一方ワザとケイサクを煽ってチハルを始末しようとしたニコラスの謀反だと思うのだけど、この展開はどっちかっつーと戦隊ヒーローモノの方が近い?
折角待ち望んだヒトの体を手に入れた瞬間死亡って…RPGの復活した瞬間勇者に倒される大魔王かな?
実際あそこで死んでくれなかったら人工量子脳によって渋谷が固定されてたんだろうし、復活させてはいけない大魔王的ポジよね。
更にケイサクが消えて腕だけ落ちるところは「アブドゥルー!」と叫びそうになった。
…うん、ご免なさい、既存作品ばかり挙げちゃって非常にヲタ臭くてキモいと思われてそう。
だけど作ってる側はそういうの狙ってるんじゃないかなー?
意図的に「どこかで見たアレ」をブッ込んでるような気配を感じる、ハダカデバネズミもそうだし。
なんかの作品で似たような意図を感じる作品があったんだけど思い出せない、あっちはそれが鼻についたのにこっちはそれがむしろ楽しい。
これの違いは何だろ?と考えると、明らかに知っててワザとやってるのと、知らずに似通ってしまったことの違い…なのかなぁ?
単に自分が富野好きだからか?
よくよく考えるとこれがダメそうな方はイデオンもダメそうだし。{/netabare}

最終回まで見ての感想{netabare}
ネタバレは見ないようにしてはいたのだけどちょろっと見てしまい、そこでは「主人公はダイスケではなくケーサク」みたいなことが書かれてて、「え、そんなこと可能なん?」と、どんな展開ならそうなるのか想像できずに居たのですが──。
ナルホドそういうことか。
あはは、確かにこりゃあ主人公はケーサクだw
こういう話好きですよ、運命の星の元に生まれたワケでもない「馬の骨(ダイスケ)」が世界を救うって話。
ゲームwizardryではワザとボーナス値の低いキャラを育成したもんです。

最初に最終回の感想書いちゃったけど、10・11話くらいでは非常に勿体無いという感情に襲われました。
ダイスケが鼻っ柱折られてやっとマトモになった後の描写や、黒岩が死んで指揮系統が混乱とか、渋谷住民の不安が不満に変わって治安悪くなるとか、単純にサバイバル要素とか、もっとやってくれよ!と。
くそう、2クールあったらそこら辺ねっとりじっくりどんよりやってくれたのかなぁと思うとホント勿体無い。
この感情って前にも経験したことあるなぁと思ったら…ああ、“ID-0”だ。
監督同じじゃーん!
“コードギアス”が有名だけど、1クール作品を作る場合こういったのが持ち味なのか?
「あれ?そのネタ掘り下げればスゲー面白そうなのに流しちゃうの?」って感じの。
ぐぬぬ、なんか悔しいなぁ、この監督には2クール以上の仕事回して欲しいなぁ。

タイムトラベルの話って同期放送で自分が見てる分だけでも“えんどろ~”“デートアライブ3”でも扱ってて「ホント好きねぇ」とちょっと飽きてるキライがあるかも?
それに結局は誰が記憶保持能力者(リーディングシュタイナー持ちって言った方が通じやすそう)かでどうとでもなっちゃうというか。
物語の核になる部分なのに余り興味は沸かなかった。
最後のホウチュウの叫びは「お前ガノンかよ?」って感じだったし、ムキューの本体は“ファンタスティックプラネット”だし、最終回のCパートはもうホラー作品の定番。
わざと既視感を刺激するような作りを狙ったんじゃないか?と思ってるのだけど見当違いかなぁ?
よく言われてるダイスケの性格だけど、やっぱり自分は気にならない。
後で更正されるのは明白だし、周囲のキャラもちゃんとウザがってたし。
それよりも「どう見ても難アリの性格なのに誰も(作者含め)おかしいと気付いてなさそう」って作りの方が個人的には苦手。

同監督が1つ前に手掛けた“ID-0”と比較すると、あっちでは意図的に民衆を画面に映さないようにしてましたが、こっちでは普通に映してましたね。
個人的にはこっちのが良いかなぁ、もっと掘り下げてくれたら更に良かったんだけど…。


総評
2クール以上やってくれぇ!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


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2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 47

62.8 3 地震で災害なアニメランキング3位
よみがえる空 RESCUE WINGS(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (149)
694人が棚に入れました
ジェット戦闘機のパイロットになりたかった内田一宏は航空自衛隊に入隊。だが自分の希望とは裏腹にパイロット養成の選考過程でヘリコプターの操縦士になってしまう。同期の小坂隆が希望通りイーグルドライバー(F-15戦闘機のパイロット)になるなか、それでも気持ちに折り合いをつけて配属先の小松基地にやってくる。そんな中、配属間もなく災害が発生し、現地に向かうこととなるのだが…。

声優・キャラクター
宮崎一成、能登麻美子、石塚運昇、星野充昭、飯塚昭三、笠原留美、伊井篤史、小野坂昌也、志村知幸、さとうあい、高村尚枝、ゆみ、大本眞基子、ふくまつ進紗
ネタバレ

空知 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

人命救助という仕事の難しさや苦悩を垣間見ることのできる秀作

放送当時、居住地では視聴することができなかったのですが、最近再放送があったので視聴しました。

非常に素晴らしい作品でした。

2話目からグイグイと引き込まれてしまい、全13話を3日間で一気に観てしまうほどでした。(放送当時は12話だったそうですが、レンタルなどでは未放送分も含めて全13話となっています。)


{netabare}

航空自衛隊による人命救助の作品です。正確に言うと、航空自衛隊航空救難団と言うそうです。

人名救助の作品と言えば、例えば映画「海猿」が有名です。「海猿」では実際にはあり得ない救助を行なっており、ドラマティックな脚色をし鑑賞者をハラハラさせます。

しかし、本作はあくまでもリアルに人名救助のプロ達を描いています。
餅は餅屋とは良く言ったものです。
プロフェッショナルとは何かを考えさせてくれる作品です。

救助のプロは、二次災害を避けることを第一とします。
自分の命を危険にさらして他者の命を救おうとすることは、傍目には立派に見えるでしょうが、二次災害が起きると隊員の士気が下がるため、救助のプロはそのような無謀なことはしないのです。

作中では、自衛隊員が亡くなる場面も出て来ており、その家族の悲しみも描いています。常に、死と隣り合わせの仕事ですから、家族は常に緊張しているはずです。

本作は航空自衛隊の協力を得て制作されており、内容はリアリティーに富んでいます。

どちらかというと、ドキュメンタリー的なアニメです。

それでも尚、心を打つ内容でした。


地震や災害時に、自衛隊の方々が私達国民の命を必死に救助する姿は誰でもテレビ等で見たことはあるでしょう。
私自身、自衛隊の方々には災害時にお世話になりましたので、国民の1人として感謝しています。

作中で、テレビで評論家が好き勝手言っている場面が出て来ますが、なかなかにしてマスコミの醜さを表現していました。
数年前に大雨の影響で河川が氾濫して多くの家屋が浸水してしまい、救助を待っているとき、マスコミのヘリコプターが何機も上空を飛んでおり、救助隊のヘリコプターが非常に迷惑したらしいですが、マスコミというのは、逆に邪魔もしてるんです。

そういう場面も本作には実際に出てきており、マスコミ批判がハッキリと打ち出されている点は同感しました。


第6話のOPと第7話のEDが「ひょっこりひょうたん島」の主題歌であったことは、素晴らしい演出。

元々はファイター(戦闘機のパイロット)を目指していた内田が成長する姿は描かれているのですが・・・

第12話で、元ファイターで上司の本郷が、

「自分が空から拒絶されているようで、飛ぶのが少しも楽しくなかった。
ところがあるとき分かった。空が俺を拒絶してるんじゃない。俺のほうが空を拒絶していたんだ。」

と内田に言う場面があります。

そして、本郷は内田に「お前にはまだ分からんだろう」と。

つまり、本作だけでは、主人公の内田には、「空がよみがえっていない」のです。2期があれば良かったのと思います。
この点だけが少し残念です。

{/netabare}

ヒロインが良かったです。
主人公が職業人として成長していく様子と、ヒロインも自分の仕事を通じて成長していく姿を描いた点も良い演出です。


絵に関しては、2006年ということを勘案した上での評価です。
OP『明日をとめないで』が良かったです。
6話OPと7話のED曲、これは素晴らしかった。


これは本当の「お仕事アニメ」。
こんな良い作品を今まで観ていなかったなんてもったいないことをしました。


秀作です。
名作に近い秀作の上です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

苦労が必ず報われるわけでもないという現実

淡々としてる、盛り上げない。たぶんワザとこういう風につくってあるんでしょうが、ホント地味~な印象。
アニメじゃなくって、テレビドラマに近い。
登場人物達は特別な存在ではありません。職務を真摯に遂行する自衛官です。
あえてジャンル名を付けて本作を呼ぶのなら「職業ものアニメ」とでも言いましょうか。


お話は若手のパイロットである主人公が、航空自衛隊の「救難隊」へ配属されるところから始まります。
戦闘機乗りになりたかった青臭い主人公が、ここでヘリのパイロットとして悩みながら成長していくものがたり。
数々の災害現場を経験し色々な事を学びとっていき、仲間との信頼を深めたり、ヘリパイとしての誇りを培っていきます。
設定としてはありがち。ですが自衛隊&救難隊というのがキモです。

主人公たちは災害現場や事故現場へ派遣されるわけですが、某テレビドラマのように消防や海上保安庁のレスキュー隊ではありません。
災害派遣要請に基づいて出動する自衛隊。レスキューの手に負えない現場は過酷を極めます。
卓越した技術や根性をみせたドラマチックな救出劇を演じて要救助者から感謝感激の嵐・・・なーんてことは殆どありません。
地道な訓練と冷静な判断で全力を尽くした結果、もたらされるものを受け入れていくしかない。そういう職業です。
そんな姿を淡々と、あまり飾らずに描いています。

しかし地味だけども泣けるんです、これが。
フィクションっぽさが無いからこそ、災害現場の悲喜交々に共感ができるのかもしれません。
主人公達の複雑な胸中を想像してか、あるいは要救助者の家族の痛みに共感してか
・・・ともかく、意外にウルッと来るところが多くて参りました(´д`)


作中、あるエピソードからエンデイングでひょっこりひょうたん島のテーマがながれます。
何をふざけてるんだ、と思うことなかれ。これがものすごく感慨深く、印象に残りました。

♪苦しい事もあるだろさ、悲しいこともあるだろさ、
 だけど僕らは挫けない、泣くのはイヤだ笑っちゃお♪

この歌詞の意味と、登場人物達の職業の重み。
そういうのを想像してしみじみとする、そんな大人な一作です。

しかし、エンターテイメント性が、ホントうっすい。
そうゆーのは期待しないでみてください。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

航空自衛隊が立ち向かう困難な現実

笑いナシ笑いナシの硬派作品。
航空自衛隊のリアルを描いたものです。
実に興味深い作品ではあったのですが、
イマイチ面白味に欠けていました。
リアリティに凝り過ぎて(?)、
事実の再現ビデオ、又はドキュメントドラマのように感じました。
ただ、現実性を追求した作品ならではの魅力が詰まった作品でもありました。


~あらすじっぽいもの~
戦闘機のパイロットになりたかった内田一宏は航空自衛隊に。
しかし、希望とは裏腹にヘリコプター操縦士に…。
ヘリコプターでの人命救助に追われる日々。
不満、悔しさ、葛藤…。
負の感情を胸に、反対に彼女(めぐみ)の支えを糧に、
内田はどのようなフライトを見せるのか…。

まぁ面白かったです。
土壇場での自衛隊たちの機転には驚かされます。
ただ、どうしてもアニメを観ている感覚に浸れませんでした。
個人的にはここが残念なんですよね。
私はアニメが観たいのであって、再現ビデオを観たいわけではないのです。


とは言っても、好印象な点も少なくありません。
例えば、内田の上司にあたる本郷さんの存在。
彼のようなリーダーシップ溢れる人材は現代の日本において数を減らしてきています。
反対に、名だけの上司が増えてきている状況。
"ただ居座ってるだけ"の上司の皆様、
本郷さんの姿を見て改心してくれることを心より願います。
っ!なんの話をしてるんだ私は…。
本作がアニメっぽくないせいで、
私までレビューとは逸脱したことを…。←は

もう1つ良かった点を挙げるとすれば、
それは航空自衛隊について知れたこと。
内部情勢や外部との提携など、とても参考になりました。
話がどうこうより、『航空自衛隊』という舞台設定に惹かれましたね。


OP「明日をとめないで」 歌ー美郷あき
ED「エンブレム~名も無き英雄達へ~」 歌ーJAM Project(影山ヒロノブ)

EDが凄く良かったです。
力強くも優しい、素敵な曲でした。



読み返してみると、些か否定的なレビューになってしまいましたが、
面白いか面白くないかと問われれば、迷わず面白いと答えます。
ヒューマンドラマとしても楽しめました。

ただ、この硬い物語にもう少し捻りがあれば、
もっと良くなったのかなと感じる今日この頃です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

57.7 4 地震で災害なアニメランキング4位
太陽の黙示録(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (14)
72人が棚に入れました
舞台は大震災で富士山噴火や首都・東京及び関西水没により国土の五分の一を失い、地割れによる日本海峡誕生で本州が東西に分断されてしまった近未来の日本。南(サウスエリア)をアメリカ、北(ノースエリア)を中国に管理され、福岡と札幌にそれぞれ首都を構えて互いに自らの正当性を主張する南北両政府、分断された国民、台湾へ流れた難民、全世界に散った『棄国者』などを描く。

声優・キャラクター
松田洋治、小山力也、森川智之
ネタバレ

じぇりー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

【注意】震災トラウマのある方の視聴は慎重に…

と、表題には書いたものの、私自身も被災経験があるが、冒頭の震災のシーンはそれほど見てて辛くなる…ということはなかった。当然、思うところや感じることは色々あったけれど。

ただ、今のご時世このアニメを見て、何も感じないということは、もうないと思う。

むしろ、私が戦慄を覚えたのは、他国による「復興援助」という大義名分を掲げた事実上の簒奪行為や政治的介入、そして国が2つに分断されてそれぞれ別の政府が立ち上がることにより、もはや別々の国家になってしまうこと、そして台湾への難民となった日本人たちが{netabare}受ける迫害や差別、そしてそれに抗うためにテロリストとなってしまう姿だ。{/netabare}

もちろんこの話はフィクションだけれども、実際に、このアニメのような日本の中枢を壊滅的にさせてしまう災害が起こっても、このような状況には陥らないと、言い切れるだろうか。

「黙示録」という言葉が示す通り、私はこの物語をある種の予言…というか、「首都圏、関西主要都市、中部地区が一気に大災害を被ると恐らくこうなるよ」という「予測」と捉えた。

本アニメは80分程度でそれぞれ「海峡」編と「国境」編の2話構成だ。特に前編の海峡編は、震災のシーンからその後の政治的な動きが非常にリアルに描かれており、この物語の世界観が出来上がるまでの内容を含んでいる。

後編でようやく主人公が動き出し、日本を変えるべく旅立つまでの様子が描かれている。

娯楽作品では全くない。観終わった後の気持ち良さなんてまるでない。

向き合えるかどうか、観ていて試されている気がしたアニメだった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

某宗教アニメ作品みたいなタイトルですがこれは違います。

前編「海峡」では、大地震に見舞われ日本が壊滅状態に陥ります(「日本沈没」みたいに)。
やけに正義感の強い小学5年の舷一郎の落ち着きぶり、日本の行く末を真剣に考える政治家の落ち着きぶり。
原発でガタガタ騒ぐどこかの国の政治家に見せたい作品です。(「ローゼンメイデン」好きの首相もいましたが ・・・注)私も好きです)
後編「国境」では、舷一郎が青年になり、米中に分割統治されている日本から台湾に渡った難民達の苦悩の話です。
「国」とは何なのかを考えさせられる作品になっています。
原作漫画ではまだまだ続きます。今みたいに年一ペースで全話製作してほしかった作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

HeX さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ハードな社会派アニメ?

かわぐちかいじ原作のものらしく、非常に考え込まれて作られた、ハードな世界観。

大災害で壊滅的打撃を受け、首都機能や政府機能が麻痺した場合、近隣の大国に占領・統治を受け、その結果日本人はどのように生きることになるか。東日本大震災を経験した直後だと、妙なリアルさを伴ってみてしまいそう。

漫画原作をすべて網羅できていないので、ちょっと物足りなさはある。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
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