大統領でサイボーグなアニメ映画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の大統領でサイボーグなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

63.7 1 大統領でサイボーグなアニメランキング1位
アップルシード APPLESEED(アニメ映画)

2004年4月17日
★★★★☆ 3.5 (177)
956人が棚に入れました
公安警察組織に所属しているデュナンとブリアレオスの活躍を描いた近未来サイエンスフィクション作品。
22世紀。世界は第五次世界大戦を経て荒廃し、北大西洋(アリゾナ州とカナリアの間)の人工島オリュンポスに設置された総合管理局が台頭、世界をその影響下に置いている。主人公である女性隊員デュナンと戦闘サイボーグであるブリアレオスは総合管理局の内務省部隊、ESWAT(ESpesialy Weapon And Tactics)に所属して対テロ作戦などに加わる。その中で巨大な計画、旧大国の策謀が明らかになっていく。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テーマ性や設定はいい。ストーリーはまあまあだけど単調です。

 本作は2004年ですが、原作は1980年代です。テーマである人類の滅びについては、1999年以前は不思議なリアリティがありました。人類の滅亡は何が原因でおこるのか、ということを今よりもみんなが真剣に考えていたのではないでしょうか。もちろんノストラダムスの予言という戦後日本最大のオカルト都市伝説があったからこそです。
 現実には今現在の方がいつ核兵器が飛んできてもおかしくない状況ですけど。

 オカルト、コンピュータ問題、東西問題などいろんな視点で語られ、創作物でも作られていました。その中でもSFはかなり多角的な視点で人類の滅びを描いていました。本作もその一つです。リアルタイムではないですが、2005、6年には見たと思います。

 本作については、戦争による人類の滅亡が予言される中、{netabare} 遺伝子操作…というか遺伝子を組み合わせて作られた新たな人類に世界を明け渡すかどうかが、テーマでした。新たな人類に生殖機能を付与しメンテナンス不要にし、逆に人類の生殖機能を停止させることで安楽死を迎えよう、{/netabare}というのが本作のメインテーマです。
 で、その舞台になるのは戦争で荒廃した世界の中に作られた人工の都市でした。

 このテーマについては、初めは「ん?」と思うのが、新人類を作る必要があるかどうかでしたが、人類が滅びるときに生活出来なきゃ困るし、穏やかに最後を迎えるためには優しい新人類が必要なのでしょう。

 この人間-新人類-ロボット彼氏という3種類の人類の在り方プラスAIという構造が、生殖問題と相まって愛情とか感情についての多様性と可能性を示唆していました。が、示唆どまりだった気もします。

 本作は、滅びや人類の愛情の形問題は解答を必ずしも出しません。考えようによってはバッドエンドです。が、多分ここでの問題提起が攻殻機動隊にもつながり、ネット、情報、魂、集合的無意識などの「人間とは何か」という問題につながってゆくのでしょう。

 ストーリーは、開始24分くらいのドライブのシーンから始まる10分くらいで世界観や設定など丁寧にセリフで説明してくれますし、その後の展開もさらに10分くらいで理解できます。非常にわかりやすく説明されたあと物語が展開します。その後の話もほぼセリフでの説明があるので攻殻機動隊のようなめんどくささは無く、非常にわかりやすいです。

 その分、ストーリーそのものについては、面白みに欠けるのも事実です。ヒロインに感情移入することで、サラッと見る分には十分面白いんですけど、奥行きがある映画かといえば、そうでもないです。

 それと冒頭の20分くらいがかなり冗長なバトルシーン等で占められていました。この冒頭のシーンの冗長感でかなり損している感じもあります。

 キャラについては、ヒロインもいいんですけど、初めモブの案内役かと思ってたヒトミやメカニックの男がかなり重要でしたし、なかなか新人類の性質をキャラに落とし込んで良くできたキャラだったと思います。ただ、ロボット彼氏がちょっと内面が残念だった気がします。

 本作の結末近くのパスワードの場面については、まあネタバレになりますので描きませんが、ヒトミの役割というか正体についてはちょっと考えますね。単純にその役割だけということかもしれませんけど、なんか乗っかってないと浅い感じですし、その余白は十分ありそうですけど。

 テーマや設定、キャラは良かったんですけど、ストーリーがちょっと単調だった気もします。原作は1980年代ですが本作は2004年ですから、その辺はちょっと古臭さを感じました。

 で、本作で外せないのが、3D表現ですけど、無機物(メカ、建物など)は非常に迫力がありました。これは素晴らしかったと思います。ただ、キャラですね。「3DCGとしては」カッコ付きのすごさでしかありません。本作の人物を2D作画したほうが10倍いい絵になったと思います。

 ただ、ヒロインの戦闘時、顔から立体感を無くしたのっぺりしたレンダリングの時はかなり良かったと思います。つまり、アニメっぽくしたときは、コスチュームの硬質感は3DCGとマッチしていたのだと思います。ただ、通常の衣服の時はやっぱり残念でしたけど。そもそも色っぽくないですね。各キャラが。

 メカニカルデザインは後…というか映画的にはこれ以前の攻殻機動隊とほぼ同じデザインコンセプトですね。ただ、世界観を共有しているかというとどうなんでしょう?ちょっとAIや世界観の方向性は違う気がしますので、世界観の統一性は感じませんでした。

 ちょっとエイリアン2のような映画の影響が感じられました。拾っていけばハリウッド映像の影響が大きいと思います。それが既視感につながって新鮮味が無かった気がします。


 ということで総評すると、コンセプトは素晴らしいと思います。テーマ性は2022年現在の状況を表したようなテーマで普遍性があるテーマだと思いますし、結論を見せるのではなくオープンエンディングにして考える余韻があるのもいいでしょう。

 ストーリーとしてはちょっと単調だった気もします。中だるみというよりも前弛みですね。
 ただ、分かりやすくテーマが織り込んであり、1時間40分の中で主義主張についてはかなり深い話だったと思います。物語が軽いですけど。セリフの説明が多いですけどね。

 映像はバトルシーン多目で迫力があります。が、既視感もあります。人物の3DCGはやはり3Dとしてはがんばったんでしょうけど、2Dのような魅力がないのは残念です。

 ということで、人類の行く末については1999年以前の世紀末感が今は薄れているので、若干ピンとこないかもしれませんが、逆にほぼ第3次世界大戦の真っただ中の状態の今、改めて見る価値があるかもしれません。

 ただなあ…なんか単調で飽きるんですよね。全体的に…構成かなあ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

HIRO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

荒牧伸志さんの監督デビュー作品。

2004年劇場映画アニメ

原作は士郎正宗さんのマンガ作品です。
アップルシード APPLESEEDは荒牧伸志さん監督デビュー作品です。
フル3Dライブアニメという表現手法によって映像化された作品です。

(フル3Dライブアニメ:3DCGをセルアニメのような画風に変換するトゥーンシェーダーと、登場人物のリアルな動きを可能とするモーションキャプチャ技術を融合させた手法を示す造語である。セルアニメに近い画風でありながら、従来のアニメーションと比べ、自由なカメラワークやよりリアルな動きが表現できる。)

まず驚いたのは2004年作品での画像クォリティーの高さ。2014年にアップルシード アルファを発表していますが、さらに進化しています。

難を言えば、3DCG作品全般に見られる機械の描き方や動きの速さに人の顔の表情がついてこれず主人公、ヒロインが人形のように感じてしまうところです。
そうはいえど2014年製作のアップルシード アルファにおいてはアバターやタイタニックの監督のジェームズ・キャメロン氏が「もはや新次元の領域だ」と言わしめているように次の時代を担っている荒牧伸志監督デビュー作は観ておいて損はないと思います。

あらすじ
世界大戦後の廃墟で生き延びていた女性兵士デュナンは、人類への奉仕者として肉体・感情を制御されたクローン人間バイオロイドの管理する理想都市オリュンポスに連行され、そこで全身サイボーグ化していた恋人ブリアレオスと再会する。彼の所属する元老院ESWATの一員となったデュナンは、やがてバイオロイドの開発とオリュンポス計画に自分の両親が関わっていた事実を知り、自身もバイオロイドの軛を解き放つ鍵「アップルシード」をめぐる陰謀に巻き込まれていく。

・スタッフ
監督 : 荒牧伸志
脚本:半田はるか、上代務
絵コンテ-:秋山勝仁、九市、吉田英俊、荒巻伸志
製作 - アップルシード・パートナーズ(ミコット・エンド・バサラ、TBS、ジェネオン・エンタテインメント、やまと、東宝、TYO、デジタル・フロンティア、MBS)

キャスト
デュナン : 小林愛
ブリアレオス :小杉十郎太
ヒトミ :松岡由貴
ウラノス将軍 :藤本譲
ハデス :子安武人
アテナ :小山茉美
ニケ :山田美穂
義経 :森川智之
ほか

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

h02dvvd さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

作画が気にならなければアリ

【萌え】★☆☆☆☆ 【シリアス】★★★★★
【ヒューマンドラマ】★★☆☆☆ 【アカデミック】★★★★☆
【ギャグ】☆☆☆☆☆ 【演出】★★★☆☆

・目がでかい
 全編フル3DCG(フル3Dライブアニメっていうらしいです)でお送りしているこの作品。かなりリアルです。でまあリアルな分には問題ないのですが、キャラクターだけはアニメ絵です。そのため目の大きさがアニメキャラのそれに近い。「どこぞの少女漫画なみにでかい」ということはないのですが、周りの風景がリアルなだけに違和感バリバリ。最初のシーンでデュナンがゴーグルを外した時に「凛々しい!」と感じるか「ん!?」と感じるかでその後楽しめるかどうかが変わってきそう。ただ慣れるに越したことないです。ファイト。

・他は素晴らしい
 上に書いたキャラクター造形など「いかにも作り物」みたいなCGに抵抗がなければ、もしくは慣れてしまえばとても面白い作品。テーマは「人間とアンドロイド」(作中にバイオロイドという言葉が出てきますが要するにアンドロイドのことです)という古典的なものですが生殖機能の有無を中心に絡めてくるのは「ほほー」といったところ。そして特筆すべきはやはりアクション。モーションキャプチャーを使用しているということで動く動く。キャラクターが大きく映っていなければ3Dであることを忘れるほどです。

・アクションSFロボ映画
 基本的なつくりは「いかにしていいタイミングでアクションシーンを持ってくるか」というハリウッド映画のようなものなので、同じシロマサさん原作の攻殻機動隊(特にSAC)を期待して観るのはやめましょう。きれいにまとまっている良作です。ロボットがたくさん出てくるのでロボ好きはぜひ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

66.7 2 大統領でサイボーグなアニメランキング2位
クラッシャージョウ(アニメ映画)

1983年3月12日
★★★★☆ 3.7 (54)
209人が棚に入れました
 宇宙のなんでも屋“クラッシャー”であるジョウとその仲間たちの活躍を描いた、SF冒険アクション。原作は高千穂遥の同名小説。本作の脚本も同氏が執筆。キャラクターデザイン・脚本・監督を、原作小説の挿絵を担当している、安彦良和が手掛けた。時は未来。人類は宇宙へと進出し、他惑星への移住を開始していた。クラッシャーを生業としているジョウたちは、休暇中に飛び込みで依頼された仕事を“クラッシャー評議会”を通さずに引き受けてしまう。仕事の依頼人はバレンスチノフという男性。依頼内容は、病気の治療のために冷凍保存されている大企業の令嬢・エレナを、手術のできる医師が待つ星へと送り届けて欲しいというもの。だが、航行中に機体が原因不明の事故に遭い、全員が気絶している間に、エレナとバレンスチノフが消えてしまう。実はこれら一連の事件はすべてバレンスチノフが仕組んだ芝居だった。依頼人バレンスチノフは本当は海賊の一味で、エレナも彼が誘拐していたのだ。しかも、彼女はエレナという女性ですらなく…。果たして事件の真相は? ジョウたちは汚名をすすぐことができるのか?

声優・キャラクター
竹村拓、佐々木るん、小林清志、小原乃梨子、二又一成、武藤礼子、大塚周夫、納谷悟朗、小林修、久米明

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

宇宙が、熱い

<2021/6/13 追記>
CSで放送されてたので久しぶりに見ました
あらためて面白いですね。

アニメとして、そしてSFとしての出来が良い。
クラッシャーという稼業がカッコよい。

ただ一つ残念なところとして
本作(映画版)は原作に比べ少しストーリーが薄い感じがするのです。
原作の複数のストーリーの面白いシーンをつなぎ合わせたような気もする。
なんかぎこちないんですよね。
トラブルに巻き込まれていく必然性や
ゲストヒロインとの関係性や
キーとなるテクノロジーのヤバさや
そこら辺の掘り下げが物足らないからラストのカタルシスが物足らない

原作はそこら辺が丁寧によくできてる印象があって。
同じく宇宙海賊を敵に回す原作第2巻「撃滅!宇宙海賊の罠」なんかは物語にズンズン引き込まれました。

他にも第3巻「銀河系最後の秘宝」、第6巻「人面魔獣の挑戦」、そして第4巻「暗黒邪神教」と第7巻「美しき魔王」の話なんかは大好物でした。
タイトル安っぽいけど笑

でも総じて面白いですよ。
今のアニメにはなかなかない「スペースオペラ」としての面白さがあります。。

<2017/12/12初投稿>
昔映画館で観ました。
原作が好きで。
映画も好きでした。

そんな好きだった作品をうろ覚えでレビューしてみます。

ワープ航法が開発され普及し人類が地球から銀河の各地へ飛び出して数十年後。
極端なガス状のものを除くあらゆる惑星がテラフォーミングされ、いろんな恒星系の惑星に人は移り住み、無数の太陽系国家が形成された時代。
そこには犯罪以外のあらゆる荒事を生業とするクラッシャーと呼ばれる猛者達がいました。
元々はテラフォーミング作業を主業としていたクラッシャーは時代が移るに連れ、宇宙空間の巨大デブリの除去から要人警護、重要物の搬送、人探しなど仕事は多方面に広がり、比例して軍には及ばないものの強力な武力と高度な戦闘力を得ていきます。

そんなクラッシャーの一つ、チーム・クラッシャージョウが大暴れする痛快アクション・スペースオペラです。

クラッシャージョウは最高のSランクを誇る凄腕チーム。
若干18歳にしてリーダー、超腕っこきで技術も根性もある、ぶっきらぼうなイケメンの「ジョウ」。
パイロット兼リーダーの補佐兼後見人、全身の90%をサイボーグ化しているクラッシャー経験値∞の大男「タロス」。
紅一点で元王女とは思えないようなやりたい放題の「アルフィン」。
元浮浪児で15歳と経験は浅いがすばしっこいムードメーカーの「リッキー」。

こんな凸凹チームがとある大きな依頼を受けるところから物語は始まります。

ジョウのチームは受けた依頼を淡々とこなそうとしますが、そこには巨大な陰謀を背景とする巧妙な罠が。
彼らは騙され、窮地に陥っていきます。
そして、そこからの・・・!
あとは観てのお楽しみですが、とにかくハラハラ、ドキドキしたのを覚えています。

クラッシャーはそのルーツからならず者と見られがちですが、実は厳しい掟に縛られ、犯罪に加担したとみなされるとクラッシャー業界から追放されてしまう。(と言いながら裏社会から巧妙に情報を入手したりなんだりするんですけど 笑)
そんな縛りがあるせいで追い込まれ感がさらに増していきます。

そして、クラッシャー達が使う装備などがまた子供心をくすぐる♪
・同サイズの宇宙船では銀河中でも最高性能を誇るミネルバ
・ミネルバに搭載された複座型戦闘機のファイター1とファイター2
・おなじくミネルバ搭載の汎用型戦車ガレオン
・防弾耐熱で、あらゆる物質を燃え上がらせるアートフラッシュを胸のボタンにあしらった多機能スペーススーツのクラッシュジャケット
・小型の小惑星を一瞬で消滅させる分子爆弾
・宇宙空間でも発砲できる無反動ライフル
・ライトセーバーやビームサーベルを思い起こさせる電磁メス
・口径により破壊力が異なる戦艦兵器のブラスター砲
・通常航行の加速によるGを無効化していく慣性中和機構

などなど。

声優も覚えてます。
ジョウは竹村拓、アルフィンは佐々木るん(他にどんな作品出演されてたかはすみません。知りません)
タロスは次元大介の人。リッキーは元祖のび太。

スピード感あふれるアクションとダイナミックな宇宙での戦闘が安彦良和クォリティで楽しめます。

書き忘れてました。
安彦良和の初監督作品です。

うろ覚えなので雑な感じになってしまいましたが、数年前に映画館でリマスター・リバイバル上映してたようです。

こういうの好きな方は是非お試しくださいませ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

旅に終わりはない~Oh! Our trip would never end♪

昨今はGA文庫・MF文庫J・角川スニーカー文庫等々ラノベ繁盛で人気が出るとすぐアニメ化されてますね。
かくいう本作も朝日ソノラマ文庫(現在は解散)で人気が出てアニメ映画になったようです。

原作は高千穂遙先生。クラッシャージョウシリーズ第1作目「連帯惑星ピザンの危機(1977年)」がデビュー作らしいです。
シリーズ全編の挿絵を安彦良和先生(もう漫画家だから)が担当されておられます。
時おりしも第1次アニメブームの真っ只中、特にSFに飢えていた青少年たちは文庫本「連帯惑星ピザンの危機」の表紙のカッコ良さそうな雰囲気に思わずジャケ買いした人も多いはず。
SF活劇でイラストカッコよくて創造と妄想を夢見ていたアニメファン(この頃はまだオタクという言葉はなかった)は「アニメになんねーかなー・・・」と思ってたら6年後に劇場映画に!
監督・キャラデザは安彦先生。メカデザインは「スタジオぬえ」。戦艦コルドバをデザインした(マクロスの)河森正治さんは自慢してましたが動画はマンはかなり泣かされたというのは有名な逸話。
ゲストキャラに当時の注目されてた漫画家のデザイン協力もあり、かなり期待されてたんですが・・・・・受けは今一つだったようです。
私もあまり見る機会というか縁が無かったので公開から三十余年たちますが「1度」しか見ていません。偉そうに言うつもりは無いのですが感想として・・・なんか盛り上がらなかった感じが。
安彦先生も後年、制作にはあまり乗り気じゃなくてスペオペの面白さがよくわからなっかったとおっしゃってました。
でも作画は全然手を抜いてないのでプロ作品としては尊敬に値します。

舞台は宇宙開拓が進んだ未来。そこで「クラッシャー」という職業で活躍するジョウのチームの物語。

【クラッシャー】
報酬さえ払えば何でも引き受ける宇宙の何でも屋。但し犯罪は絶対引き受けなない。ボディガードや用心棒・災害事故のある管轄行政が出来ない人命救助や危険物処理など様々。
スパイミッションとかもあるので身を守るための武装は自前の特注品。しかし地元治安組織(警察・軍隊)とソリが合わないのが悩みのタネ。(「他所モンが偉そうにするなっ!」ってゆうアレ)
特に連合宇宙軍とは犬猿の仲。

【ジョウのチーム】
ジョウ:若くして特Aクラスのクラッシャー。クラッシャー創設者ダンの実子。度胸のいい行動と判断力は絵に描いたようなヒーロー像。ガッチャマンでいうところのケンとジョーがミックスした感じ。
タロス:見た目がドズル・ザビ。かつてダンの右腕だったベテランクラッシャー。チーム専用機ミネルバの操縦士。ガッチャマンでいうところのリュウ。
アルフィン:惑星ピザンの元王女。ピザン事件でジョウに一目惚れ。ミネルバに密航してまでついてきてクルーになったお転婆娘。ガッチャマンでいうところのジュン。
リッキー:チーム最年少でお調子者のムードメーカー。アルフィンとは姉弟みたいな仲でタロスとは喧嘩仲間。ガッチャマンでいうところのジンペイ。
ドンゴ:サポートロボット。リッキーをよくからかったりする人間クサイところがある。ヤマトでいうところのアナライザー。
{netabare}
物語は1度しか見ていないので記憶があやふやなんですが、ジョウが謎の積み荷をミネルバで運搬中、船が勝手にワープして気を失うことに。
気が付いた時には積み荷が消えており、納得がいかないジョウは独自に調べると宇宙海賊マーフィーパーレーツが「宇宙船を外部からワープコントロールする装置」を手に入れたけど未完成で、完成のカギを握る女性、ドクター・マチュアをめぐっての大活劇。
ラストでマーフィーパーレーツを掃討し装置を破壊した今回の事件はジョウは何も知らされず仕向けられたことにプンスカ怒り、エアカーでアルフィンと共にハイウエイを猛スピードですっ飛ばすシーンでは背景がフル動画でスゴかったような記憶が・・・{/netabare}

機会があればもう一度見直してみたいものです。

日東・タカラが出してたプラモ。ミネルバ・ファイター1・コルドバ・ガレオン・パワードスーツetc、欲しかったなあ・・・・

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

対象はスペースオペラ好き、SFアニメ史に興味がある人…くらいですね

 最近の背景が精密で人物が簡素な画面ではなく、背景が簡素でメカに気合いが入っている感じなのが古さを感じます。人物とメカは丁寧ですけど、当時の日本はアニメにまだ金をかけられなかったのか、動きは単調でした。だからでしょうか。瞳の動きで演技をさせていましたね。

 安彦良和氏がキャラデザ、作画なのでガンダムっぽいのはもちろんですが、スタッフに河森正治氏とか板野一郎氏が入っているせいか、メカはマクロス感があります。キャラの鼻の下の影もマクロスっぽいです。そういう優秀なスタッフが集まったので、画面は綺麗でした…画面の止め絵だけは。というより妙に色が綺麗でしたね。宇宙もちゃんと黒かったし。

 ストーリーはジュブナイルですから極めて単純です。宇宙空間や様々な星で主人公たちが陰謀に巻き込まれ窮地に立たされますが、大活躍で勝利ということです。小学生の時、原作が好きでよく読んでいたので、レンタㇽ屋で借りてみたら、内容の浅さに驚いたものでした、というレベルの内容です。ナウシカ以降でアニメ映画の意義が変わりましたからね。本作は旧時代の遺物でしょう。
 スペースオペラって、宇宙を舞台にしたソープオペラ(安っぽいメロドラマの事)っていう意味ですので、その浅さが大事なんですけどね(今は違う意味とされています)。要は活劇です。

 裸も出てきますのでターゲットはミドルティーンでしょう。今のラノベよりキャラ達は背伸びして大人の世界感はありますし、物語の組み立てもしっかりしていますが、その「大人の世界への憧れ」の単純さに違った意味での幼さがある感じです。

 アルフィンの造形も非常にティーン受けするだろう非常に可愛い造形です。ただ、マスコットというかなんというか、彼女じゃなくても置き換え可能なキャラですよね。お姫様設定が全然活かせていません。ここも子供向け感がある原因です。ただ、アルフィンのデザインはいいですね。今見てもときめきます。ガンダムのメンバーにいたら大人気だったでしょう。

 設定の説明不足も感じます。私は原作を何度も読んでいたので困りませんでしたが、要するにファン向けなんでしょうね。だから話の作りもジュブナイルの読者層であるミドルティーン向けなのでしょう。
 せめて設定の緻密さの説明があればもう少し奥深さがあるんですけど。原作よりも更に子供っぽい原因はこの辺りでしょうか。
 
 アニメ史的な位置付けとしては、当時のアニメの状況や著名なスタッフをエンドロールで楽しむとか、声優さんに歴史を感じるとかくらいしかないですね。当時としてはかなり出来がいい作品だと思いますけど。

 私にとっては思い出深い作品ですが、本作を名作・秀作と強弁する気はありませんし、面白いかと言えばスペースオペラ好きならまあまあ面白いかもしれません、という感じです。

 2022年2月現在、アマプだとレンタル料が発生します。DアニメにもネトフリにもUNEXTにもないみたいです。まあ、そういう作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
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