好奇心で心温まるなアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の好奇心で心温まるな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月17日の時点で一番の好奇心で心温まるなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.8 1 好奇心で心温まるなアニメランキング1位
ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)

2018年8月17日
★★★★☆ 3.8 (260)
1208人が棚に入れました
小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。

声優・キャラクター
北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

私たちはどこから来て、どこへ行くのか

スタジオコロリド制作。

石田祐康監督、待望の初長編作品。
ひと夏の不思議な体験を鮮やかに描く、
心弾む思春期ファンタジーの良品であろう。

主人公アオヤマ君は研究熱心で、
世界の不思議に興味津々、
日々学んでは、知の探究に励む。
少年特有の好奇心と冒険心も旺盛で、
気になるお姉さんのおっぱいにも、
多大な関心を持つどこにでもいる少年だ。
{netabare}突然、広場の空き地に現れたペンギンたち。
忘れる事の出来ない、ひと夏が始まる。{/netabare}

少年の視点で描かれる数多くの演出、
世界や異性に対する戸惑いと妄想こそ、
どこにでもある思春期の原風景なのだ。
ペンギンハイウェイとは何であろうか!?
{netabare}それは人が歩む、進化への道であり、
思春期から大人になるための道標だ。{/netabare}

ここでは2つの世界が衝突している。
{netabare}折りたたまれ亀裂が生じた世界の果てと、
成長の儀礼として、少年が歩む内的世界だ。{/netabare}
どこか村上春樹「海辺のカフカ」を想像する。

移ろいゆく記憶を、夏という季節に見出す。
それは美しい等式、解けない夏の方程式、
どれだけの冒険をして大人になるのだろう。

私たちは幾つになっても、道の途中なのだ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 63

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

子供の時に図書館で読んだらはまりそう

<2019/6/9初投稿>

WOWOWで昨夜放送されてたの観たので、蒼井優結婚記念レビューです。

小4の理系の男の子を主人公としたジュブナイル・フィクション。

サイエンスのない方のファンタジーなので現象に理屈を求めても意味のない作りになっています。

大人が見てもそれなりに楽しめると思いますが、小学高学年〜思春期ぐらいまでに「小説」で読むと真価が発揮されるタイプではないでしょうか。

小学校の図書室によく置いてあるちょっと不思議な話。
それを森見登美彦テイストに大人でも楽しめるようにしました、という印象。

例えば「花田少年史」とかは、あれも子供を主人公としたファンタジーですが、視点は「読者」「視聴者」。
つまり読んだ人目線で作ってある。

本作はあくまで小4の主人公アオヤマくん目線。
なので年齢が近い人の方が楽しめるんじゃないかと。

そして、映像は素晴らしかったのですが、何が起きてるのかを映像と台詞だけで説明するのは少しむずかしかったのかな、という気も。

小説で、文字で、「アオヤマくん」になりきりながら、起きていることを理解し、その映像を想像して、読み進めていくと楽しさが広がっていく気がしました。

以下、感想。
・アオヤマくんのおっぱい好きが異常。
このまま偏執的な巨乳好きに成長しそうで将来が心配。
ところで巨乳好きな男の嫁さんや彼女って意外とそうでもないこと多いんですよね。

・お姉さんが魔性っぽい。
蒼井優だからかな。
それはそうと蒼井優さん、魅力的な演技でしたねえ。

・アオヤマくんの子供部屋。
あんなん最高だろ。子供としては。恵まれてる子供だ。

・アオヤマくんのおかあさん。
能登さんなんだけど、能登さんの子供ってうらやましいと真剣に思ってしまった 笑。
看病のシーンとかさ。
確か、割と最近出産されたんですよね。
生まれてきたお子さんがうらやましい(←自分でもおかしなこと書いてるって自覚はある)

・監督さんが「フミコの告白」の人。
へえ。そうなんだ。という感じ。
まだ作風は掴みきれてません。

以上です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

愉快で不思議で、ちょっと切ないファンタジー

これからの季節にお勧めです!

科学的探究心が旺盛な、小学校4年生のアオヤマ君のひと夏の活躍を描く、
ミステリーのような、冒険譚のような、楽しくて、ちょっと不思議な味わいのお話しです。
いろいろ辻褄合わなくても全然かまいませんw そういうお話しじゃないって思うから。

小学生のくせに、大人ぶっていて、でも大人の女性の胸に興味津々で、
それを恥ずかしいと自覚するまでにも至ってない、二次性徴を迎える前で
恋とか愛とかも、当然知りもしないアオヤマ君。
潔い、というより、まだ性に目覚めていないから、
素直に「おっぱいが好きだ」って堂々と主張して悪びれもしない。
なんだかそんなところ、すごく可愛い!
きっと2~3年もしたら、自分の「お姉さん研究ノート」が、
死ぬほど恥ずかしくなって、
黒歴史として封印しちゃうんだろうなあww
ああ可愛い(^^)
わたしショタとか全然趣味じゃないですけど、
こんな、無自覚に背伸びして小理屈こねくり回してる子供がいたら!!
可愛くて堪らなくていじりまくりそう!

お姉さんもなんだかとっても素敵です。
奇麗なだけじゃなくて、キュートでファニーな、
それでいてちょっと謎もある、少年の目にも大人過ぎない、
ちょうど魅力的に映える感じで。
あと重要なファクターの、
お姉さんの胸の描き方が、いい意味でアニメっぽくなくて、
グロテスクな巨乳とかじゃなくて、ちゃんと普通に、女性の胸らしく、自然で綺麗な線で描かれているのがとってもナチュラルでいいって思います。

それと、サブヒロインになるのかな?
ハマモトさんもすごく、可愛いんです。
プライドは高いんだけど、子供らしく真っ直ぐに生きてて、
年相応に賢いのがとっても好感度高いです。

お話し自体は、ジブリっぽいっていうか、
トトロとポニョを足して二で割ったような感じで、
夏休みにファミリーで楽しめるように作られていて、
森見さんの原作なのに嫌味な感じが全然しなくて。
監督も、教えられるまで気付かなかったけど、
あの「フミコの告白」作った石田祐康さんなんですね。
初の長編商業作品で、ここまで出来るってすごい!

アニメ上級者の方にはちょっと物足りないかもですけど、
そんな方以外の、普通の人なら、
誰が観ても楽しめるんじゃないでしょうか。

アニメ初級者の私は、すごく楽しめました(*^▽^*)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

84.8 2 好奇心で心温まるなアニメランキング2位
おおかみこどもの雨と雪(アニメ映画)

2012年7月1日
★★★★☆ 3.9 (1827)
9955人が棚に入れました
いまや全世界が待望する、細田守監督の最新作は「母と子の物語」。おとぎ話のような不思議な恋をした女性・花は、おおかみこどもの姉弟、"雪"と"雨"を育てることになる。「親と子」という普遍的なテーマを、人間とおおかみの二つの顔をもつ ≪おおかみこども≫ というファンタジックなモチーフで描く。いまだかつて誰も見たことがない傑作が誕生する。

声優・キャラクター
宮﨑あおい、大沢たかお、黒木華、西井幸人、大野百花、加部亜門、林原めぐみ、中村正、大木民夫、片岡富枝、平岡拓真、染谷将太、谷村美月、麻生久美子、菅原文太
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

その屈託のない笑顔にやられた

細田守監督作品のオリジナルアニメーション。約2時間。

大学生の花(ハナ)は「おおかみおとこ」と恋に落ちる。
そして、ふたりの子供をさずかる。
人間と「おおかみおとこ」の間の子、「おおかみこども」の雨(アメ)と雪(ユキ)。

「大きくなるまで、見守ってやろう」

しかし、その父は事故で命を落としてしまう。
ハナは、女手ひとつで子どもたちを育てることになった。
ただでさえ大変な子育てなのに、子どもたちは人間とおおかみのハーフ。
これから待ち受けるであろう子育ての苦労。
しかし、そこにはいつも笑顔があった。


表現力がすばらしいです。
美しい春夏秋冬の風景、ダイナミックな動きとシンクロしたBGM。
また、ユキの回想という形式で語られているのも特徴的。
語りに加え、独特の演出を入れることで、10年以上に渡る時間を、流れを切らずに自然に描いています。

学年が上がっていく表現は面白かったです。
まさかあんなテクニックで1年の流れを見せるとは……。


テーマは「子育てと自立」という一般的なもの。
しかし、はっきりしたテーマ性を持ちながら、まったく押しつけがましくありません。
言動がとても自然なんですよね。
歯の浮くようなセリフがなく、ごく自然な日常会話。
賛否両論あると思いますが、プロの声優を使わなかったことで、自然さが出ていて良かったと思います。
そして何より、登場人物の笑顔がとても魅力的です。
苦労やつらさという負の空気を吹き飛ばしてくれます。

{netabare}
地盤さえ整っていればあとは「大きくなるまで『見守って』」やればいい。
アメが去るときに、ハナはこう言っています。

ハナ「私、まだあなたに何もしてあげてない。なのに……」

ハナは地盤を作り、笑顔という光を与えた。
十分すぎるほどいろんなことをしてあげてるじゃないですか;;
{/netabare}

子どもを育てるとはどういうことか。
大人になるとはどういうことか。
自然に心に流れ込んでくるストーリー。

子育ての話から子離れの話に変化していることに、まったく気付きませんでした。
希望と寂しさが一緒になった大きな余韻を残しますが、そのことをEDテーマの歌詞で監督自らが言葉にしています。

「親子」という広く受け入れられる題材を使っていますので、万人にお勧めです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 79

魔女旅に出る さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おおかみ?にんげん?どちらとして生きるか?それを見守るお母さん!

おおかみ男と結婚した女性から生まれた子供はおおかみと人間のハーフでした。子供は2人いて一人は活発な女の子、もう一人は引っ込み思案な男の子。その二人の子供を育てるお母さん。この三人が主人公です。小学校高学年になった少女と少年はおおかみとして生きるか人間として生きるかを決断します。それを見守るお母さん。どうなるかは実際にご覧ください。自分で道を決めることに大切さや子育ての楽しさや苦しさを観ることができる作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 79

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

母の愛を感じられる素晴らしい映画☆☆

「時をかける少女」や「サマーウォーズ」を手掛けた細田守監督の長編アニメーションです☆

”あらすじ”
大学生の"花"は、ある時"おおかみおとこ"と出会い恋をします。やがて二人の間に"雪と雨"というおおかみと人間の血を引いた姉弟が誕生します。しかしある日を境に一家は苦悩の生活を強いられることになります。
この作品はそんな親子とおおかみの子である姉弟の成長、母の愛を描いた作品です。


前作のサマーウォーズでは世界の危機に立ち向かう大家族の絆がテーマでしたが、この作品は家族という部分は同じですが、「親子」「母の愛」といったところがテーマでしょうか☆

子供向けと思いきや、実は母親の年代が一番感情移入できるのではというぐらいの大人なアニメでもあります!!

ストーリーもそこまで難しくなく、気づけば見入っている感じになります!

CGも多く使われていて、街並みや自然描写などの背景が本当に綺麗です。


何より良かったのは、懸命に生きていく家族や姉弟の成長過程、そしてその先の....

こういった部分が実際のドキュメンタリーのように描かれていて、もう本当に泣けるし感動出来ます☆

随所に笑えるところなどもあって、見ていて色んな感情が流れこんでくる作品でした!!

今回、花役の声優さんは宮崎あおいさんでしたが、素晴らしい声の演技でした(*^_^*)


宮崎アニメとはまた違う、細田守の長編アニメーションには個人的には今後も本当に期待しています♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

65.8 3 好奇心で心温まるなアニメランキング3位
借りぐらしのアリエッティ(アニメ映画)

2010年7月17日
★★★★☆ 3.6 (662)
3145人が棚に入れました
とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。アリエッティの一家は、屋敷の床上に住むふたりの老婦人、女主人の貞子とお手伝いのハルに気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。借りぐらしの小人たち。そんなある夏の日、その屋敷に、病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。人間に見られてはいけない。見られたからには、引っ越さないといけない。それが床下の小人たちの掟だった。そんなある日、アリエッティは翔に姿を見られてしまう・・。

声優・キャラクター
志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、藤原竜也、三浦友和、樹木希林

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

尻切れトンボ

ジブリ作品。

心臓に病気を抱える少年・翔(しょう)と、小人のアリエッティとの出会いを描いた作品。
アリエッティの冒険活劇です。


小さいものが大きく描かれる世界。
動物や虫、草花が圧倒的な存在感を持っています。
特に見事だったのは「水滴」。
表面張力で丸く固まる水は、よく観察され描写されているのがわかります。
また、BGMも場面にマッチしたかっこいいものが多かったです。

そんな中を駆け回るアリエッティにはワクワクさせられました。


ただし、オチが微妙。
見ていて、「あれ? もう終わり?」となりました。
一応悪役のばあさんがいますが、勧善懲悪でもなければ、特に何か大きなものを得るわけでもない。
シンデレラストーリーにはなりません。
登場人物も少ないし、全体的にこぢんまりとした印象です。

テーマもはっきりしませんでした。
小さいけれどたくましい命と、大きいけれど弱い命。
その対比で「死生観」を表現しようとしていたのかな?
ただ、見せ方があいまいであまりメッセージが伝わってきません。

悪くはないんですが、小人視点での世界観以外は、印象に残らない作品でした。


【おまけ】

生物学的にいうと、小さい生物ほど声帯が小さくなります。
その結果、発声時の音域が上がります。
つまり、人間をそのままの構造で縮小すれば、どんどん声が高くなっていきます。
アリエッティら小人たちの声は、翔にはさぞかし高く聴こえたことでしょう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

えんな さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

感想

なんかもったいない
全然ワクワクしない

つまらなくは無いけど、面白くも無い。

酷評ですみません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

ato00 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

レンタル生活、アリエッティ

小人少女アリエッティと病弱な少年の交流を描くジブリアニメ。
登場人物は少なく、話はシンプル。
ただし、笑いも涙もメッセージ性もないので、どちらかと言えば退屈です。

借ぐらしのところにひっかかりを感じます。
いろいろレンタルしているのに、それを返さないなんて。
ジブリとは思えないほどの反社会的な作品ですね。

悪い意味で印象的なのは、素人声優の起用。
揃いも揃って破壊的な演技をするのは、何かを狙っているのか?
せめて、オーディションにより声優さんを選んでもらえませんでしょうか?
ジブリさん!

良い意味で印象的なのは、映像表現。
小人から見た世界がリアルです。
とくに巨大な虫が気持ち悪い。
その描き方は新鮮でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

62.6 4 好奇心で心温まるなアニメランキング4位
マイマイ新子と千年の魔法(アニメ映画)

2009年11月21日
★★★★☆ 3.6 (136)
389人が棚に入れました
小学3年生の新子は、山口県の片田舎に住む普通の女の子。友だちや家族に囲まれ、この町にあった平安時代の地方の国の都「国衙」について空想することが好きだった。そんなある日、東京から貴伊子という生徒が転校してくる。貴伊子が気になった新子は、次第に親しくなっていくが……。

声優・キャラクター
福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、本上まなみ

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「マイマイ新子」→「この世界の片隅に」の流れでOK。

原作未読で視聴。


『空想好きな主人公の少女「新子(しんこ)」が、1000年前の歴史に思いを馳せながら、同級生や上級生達との遊びを通して出会いや別れ、そしてどうする事も出来ない厳しい現実を経験して共に成長していく』という93分の物語。 物語の舞台は昭和30年代の山口県防府市(ほうふし)。


この作品の監督・脚本は、「この世界の片隅に」という名作を世に送り出した「片渕須直」さんです。ちなみに、この作品は2009年に発表され、「この世界の片隅に」が2016年です。


この作品を観終えた後で、「どんなストーリーだった?」と聞かれてもハッキリとは答えられません。作品終盤までとくに大きなイベントなようなものはありません。簡単に言えば、昭和30年代の山口県に住む子供達の日常を描いた作品と言えばよいかと思います。日常系ですね。

作品の7割は、新子と友達とが野山や麦畑を駆け回って遊んでいるシーンでした。ハイキングしている気分になれますよ。遊びも昔の子供の遊びなので、ノスタルジックな気分を味わえると思います。 トトロ好きなら楽しめる。と言えば、作品の雰囲気を分かってもらえるのではないかと思います。


東京から転校生してきた親友の「喜伊子」を通して、都会っ子と田舎の子供との対比がありました。都会っ子はオシャレで、田舎の子供はボロを着て、都会っ子は靴を履き、田舎の子供は草履を履き・・といった具合にです。なかなか面白い見せ方でした。意識して観てみて下さいね。


新子が空想して1000年前の平安時代を想像する場面がよく挿入されるのですが、ちょっと説明不足で分かりづらいかと思います。ので、「新子が空想してるんだなぁー」ぐらいでいいと思いますよ。


時々、方言や訛りが凄くてセリフが聞き取れない事がありますが、そこはノリ一発で乗り越えましょう。大丈夫、同じ日本語じゃないですか。それにしても方言や訛りはいいですよね?聴いていると癒されますよ。ちなみに、オラもぉよぉ~、田舎さぁ育じぃだもんでぇ~ 訛りさぁ酷いんだぁけんどぉもよぉ~ だどもぉ、こんなオラっちぃでぇさえ~ 都会さぁ行ぐぅと・・・「私は地方出身ですが、都会では方言など死んでも話しませんよ、死んでもね」と標準語になります。何なんでしょうねこの現象って。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

童心に返る

私が子供の頃って、どんな感じだったっけ?と
見終わってから少し考えてしまった。

公園の遊具さえ遊園地に見えたり
想像力と好奇心で普通の世界さえキラキラ輝いて見えた。
大人になることは子供の頃の自分を忘れることだって
誰かが言っていた気がする。それを誰が言っていたのかさえ忘れてしまった。

<マイマイ新子と千年の魔法>
アニマックスで放送していたので録画してみました。
タイトルさえ聞いたことがなくてマイナーなのかな?と思えば
調べてみると、無名なまま上映公開が始まって口コミで広まったらしい。
スタジオジブリ『魔女の宅急便』のスタッフと
『サマーウォーズ』のマッドハウスがコラボしたらしくその名残がある。
両者が好きな方にはオススメかもしれない。

山口県防府市が舞台で草が生い茂って自然豊かな
のどかな田舎風景と想像上の平安時代がリンクする世界観が良い感じ。
淡々とした中にノスタルジーな子供時代の輝きだけでなくて
苦い思い出や関係する綺麗なだけではない大人達が物語を静かに引き立ててくれている。

感想 ネタバレあり{netabare}
普通に観ているだけだとわかりづらいですが、
(実際私も前半はよくわからなくて後半は見入った。
時々出てくる平安時代が現実とリンクしていて
中には幼い清少納言も関係していたりします。)
金魚が死んでしまうシーンやひづる先生のこと、
たつよしの警察官のお父さんなど、苦しいエピソードもあります。
ウイスキー入りのチョコレートボンボンを食べるシーンは思わず共感してしまいます。

特にラストシーンの新子が引っ越すのはあまりにも切なくて
映画が終わらないで欲しい・・もっと観たいとさえ思いました。
都会っ子のキイコが新子と過ごす内に心を開いていって
最後には引越し旅立つ新子を見送るたくましい子になっていて
その姿に思わずグッときました。 {/netabare}

芥川賞作家・高樹のぶ子先生が、
自身の少女時代をモデルに描いた自伝的小説を原作としているので
リアルな温かみを感じます。
前髪が逆立っている新子のマイマイ(つむじ?)が
時々アンテナのように何かをキャッチし、想像力が膨らみカンが鋭くなるのを見て、
私も朝、寝起きの時など寝癖が酷いと前髪が鶏のトサカのように逆立つので
もしかしたら、それもマイマイかな?と思うとワクワクします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

マジでゲスな言い方を許していただけるのなら『ALWAYS 三丁目の夕日』+『耳をすませば』or『今敏監督作品』≒『おもひでぽろぽろ』

昭和30年代の山口県防府を舞台に、芥川賞作家の髙樹のぶ子が自らの子供時代をモデルにした自伝的小説が原作


当時の防府は1000年前の平安時代の遺跡が出土することが話題となっていたため、主人公の新子は平安時代の人々がこの地でどんな生活をしていたのか?
そんな空想に耽る日々を過ごしていた


新子の通う小学校にやってくる東京からの転校生、貴伊子や男子生徒達のリーダー格、タツヨシらとの忙しない子供時代が語られます


ひょんなことから揺らいだり、また元通りに結ばれたりする友情の話だったり
大人の都合に振り回され、子供だけでは如何ともし難い状況に立たされる無力感の話だったり
いくつものジュブナイルストーリーに時折“新子の空想の平安時代”がオーバーラップしつつ美しい映像で紡がれていきます
作画面はホント凄い


この作品が持ってる価値の半分はコレが2009年制作だってことでしょう
現代においてこんな作品が生まれるってのがなんとも希有なことです
セル時代のジブリ作品を髣髴とさせる温かみと懐かしさを感じる映像が、かつてジブリ作品にも関った片淵須直監督を中心としたスタッフの技術力で見事に作り出されていることに感銘
良い意味で既視感のある映像とお話


既にこのことをご指摘のレビューも多数見受けられるようですが、昭和30年代のノスタルジーにすんなり浸れる方に一番オススメ


正直にお話自体はそれほど後味の良いものではありませんw
良くも悪くも気恥ずかしくなるような話や、エグい内容のクライマックスがリアリティをかきたてる


『おもひでぽろぽろ』のように“あえて今、過去を振り返っているんだ”という自覚的な演出は特別ないです
完全に昭和30年代へのタイムトリップ状態
ノスタルジー以外に昭和への【浪漫】みたいのを求めてご覧になるのであれば『コクリコ坂から』の方が全然良い作品ですよ(キリッ


興味深いのがこの作品、公開当時は興行的にあまりにも振るわなかったため、片渕須直監督が「このままだとDVD化も難しいかも・・・」と苦言を発する状態にまで追い込まれたものの、「この作品を子供と見たい!」というお母さん層を中心とした口コミで一気に火が付いて、公開劇場を増やそうと署名活動まで起こる騒ぎになり、結果的に1年以上のロングラン公開となった逸話があること



こんなにもアニメファン、一般層の両面から愛された映画も昨今珍しいです
逆に子供と一緒に見ることを強要するのはちょっと微妙な気がしますがw
先述の映像面や村井秀清さんの軽快な音楽とか、何気見所もイッパイなんで「ハッピーエンドじゃなきゃやーよー」ってお方以外は率直にオススメします
いやまあwハッピーの定義なんて知りませんけどねwww

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28
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