妖怪で笑いなおすすめアニメランキング 18

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの妖怪で笑いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の妖怪で笑いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.2 1 妖怪で笑いなアニメランキング1位
犬夜叉(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (575)
3543人が棚に入れました
犬夜叉と巫女・桔梗は、あらゆる願いを叶えるという「四魂の玉」をめぐる陰謀に巻き込まれ、愛し合いながらも殺し合ってしまう。そして犬夜叉は50年間、かごめが現れるまで封印された。
現代の中学生・日暮かごめはある日、自宅の神社の祠の井戸から500年前の戦国時代(犬夜叉のいた時代)へタイムスリップ。桔梗の生まれ変わりであるかごめは封印されていた犬夜叉を蘇らせ、四魂の玉を再び現世に戻してしまった。しかも玉は無数のかけらとなって飛び散ってしまった。
そのかけらを集めるために旅することになった二人。最初は嫌々だったが、二人は次第に惹かれ合っていく。だがその旅の中で、50年前、犬夜叉と桔梗を罠にかけた張本人・奈落の存在が明らかに。彼らは七宝、弥勒、珊瑚、雲母らと共に、奈落に立ち向かう。

声優・キャラクター
山口勝平、ゆきのさつき、渡辺久美子、辻谷耕史、桑島法子
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

恋に生きるか、生きるが恋か

各地に飛び散った四魂の玉の欠片を巡る戦国御伽草子。

妖怪との戦闘シーンが多いアニメですが
この作品の本質というべきは恋愛描写ですね。

半妖である犬夜叉はある理由でただ一人愛した桔梗という巫女と死別します。
その後犬夜叉は桔梗に瓜二つのかごめという少女に出逢い、
戦いを通し惹いては惹かれるけれど、犬夜叉はまだ桔梗のことが忘れられず、
さらにお互い素直になれない性格のために喧嘩しちゃうっていうアレですw
旅の仲間の弥勒と珊瑚も見ものです。
彼らの恋愛描写はあまり多くはないですが一つ一つがパワーを持っています。
これは個人的な感想ですが珊瑚の魅力は絶大なものですねー。
あの表情のひとつひとつ、桑島法子さんの声の強さと艶。
ホントいいなーw すっごい好きだなーww

話が反れましたが、これは単に恋愛が良いというだけでなく
ストーリーも面白く、命を懸けた緊張感のある戦いを描きながら
恋愛を上手く織り交ぜられていることに非常に感心します。

この続きは完結編に続きます。
そっちはなんだか駆け足だし、画も綺麗になった分
動きの悪さが目立つし、ストーリーもなんだかあやふやだったような気さえします。
あとアニメオリジナルストーリーいくつか観たのですが
つまらなかったのでほとんど飛ばしました。

今になってかすかではあるけれど理解に近づける
数々の恋愛描写はとても素敵なものでした。


{netabare}


一番感動した恋愛描写はやはり桔梗です。

人でありながら人ではない。
桔梗はとても強い人でいつも清らかさと気品に満ちていた。
けれど犬夜叉に話しかける際に見せる女としての桔梗は
本人とは思えないほどに脆く、崩れやすく、そして悩んでいた。
巫女として自分を殺し、過ごしてきた幾年の月日。
その存在を汚さぬためにたくさんのしがらみを背負いこみ人の役に立った。
しかし頼られ、感謝されるのは巫女であって決して私ではなかった。
では私は一体何なのだ?巫女である以前に桔梗であるはずなのに。
みなが見ているのはこの巫女服をまとうこの肉体だけなのか。
ずっと私はこのままなのか。私が私でないまま一生を終えるのか。私は、、、
そんなときに犬夜叉に出逢った。
そして救われた。

悲しかったシーンが2つありました。
約束のあの日。先に着いた桔梗が四魂の玉の他にもう一つ手にしていました。
それは貝に入れてきた紅です。
巫女となりそのようなことが許されなかった。
けれど今日でそれも無効となる。
だから少しでも綺麗な状態で会おうとする桔梗。
犬夜叉のことを想い、紅をさす姿はもう見てられませんっ!(笑)
ああ涙がw

もう一つは桔梗の最期のシーンです。
あれだけの目にあっておきながら
「お前は来てくれた。それだけで良い。」
涙ドバドバでしたw
犬夜叉がもっと叫び散らすと思ったのですが冷静でしたね。
俺の方が酷かったw


桔梗も良いけど、やっぱり珊瑚も良いです。
声も表情も、弥勒に触られて怒るところもw
あのプロポーズのシーンはホントに良かった。
弥勒の言葉もしっかりしていたし
なによりも、珊瑚の不意に一直線に流れた涙が素晴らしかった。
あれがすべてを語ってますね。
そのあとの「もう浮気はしないよね」と言い寄ってくる珊瑚が可愛いー!

ホントに良い作品でした。原作買おうかな。

ちなみに笑い所で好きなくだりは
おじいちゃんから河童や龍のなんたらをもらったかごめと弟くんがすぐさま
「ブヨ、お食べ」と言って猫に食わせるくだりですw


{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

Zel さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

かごめは俺に教えてくれた。笑顔を、人を信じる心を。

2000年放映作品
七つの章167話

いつか観たいと思ってたアニメ
本来は長期アニメも一気に視聴して感想書くスタイルだけど、この作品は話数が多すぎる
そこでシリーズ毎に簡単にレビュー書く事にしました

壱の章 全26話
{netabare}かごめと犬夜叉が出会う
二人は四魂の玉を求め旅に出る
妖怪退治をしながら七宝や弥勒、珊瑚などと出会い仲間になる過程を描く
同時に兄であり敵でもある殺生丸、宿敵奈落ともこの章で出会い、何度か戦う場面も
キャラ設定はもろ高橋留美子色w
ツンデレヒロインと素直じゃない主人公設定でやらせたら一流だね
長編なだけあって序盤の出会いを丁寧にじっくり時間かけて描いてるから世界に没頭し易い
さてこれからどう物語が展開していくか楽しみなところだ♪
{/netabare}

弐の章 全30話
{netabare}桔梗と犬夜叉の物語が切ない。奈落と何度か闘うも決着付かず。
鉄砕牙の強化と犬夜叉が鉄砕牙を使いこなせる様になる為の修行がメイン
弥勒と珊瑚の恋仲も気になるところだ{/netabare}

参の章 全30話
{netabare}鉄砕牙がパワーアップし、それに伴い犬夜叉の力も増大する章
妖狼族の鋼牙を慕う菖蒲という女妖狼族が登場
これで恋の三角関係にも終止符か?
知らなかったけど菖蒲ってアニメオリジナルキャラなのね
正直言って同じパターンの繰り返しに飽きてきた参の章でした{/netabare}

四の章 全15話
{netabare}今回の章は1~3章までの約半分の話数。内容も本編から逸れた番外編的な話が多かった。邪見が可愛くて好きになった章だったw{/netabare}

伍の章 全24話
{netabare}七人隊篇。七人隊との戦いを描く。最初は退屈だったが、生き残りが蛮骨、蛇骨、睡骨になった辺りからは結構面白くなって来た
やはり敵キャラが魅力的だと物語も面白くなるね
ラストは奈落が復活していよいよクライマックスに向かって展開していくようだ
とは言え残りまだ40話くらいあるのか・・・{/netabare}

六の章&スペシャル2本 全34話
{netabare} 邪見:赤邪見、青邪見、黄邪見!
りん:うわー邪見様早口言葉うまーい!もう一回言って!
邪見:ヤダ
りん:えー

りん:邪見様〜♪邪見様〜♪どうしてどうして緑色〜♪
邪見:うるさい!黙っておれ!
りん:えー


駄目だこの2人のやり取りに萌えまくりだw {/netabare}

七の章 全8話
{netabare}最終章なだけあって面白かった
最後まで主人公犬夜叉チームより殺生丸一味の方が好きだったなw
中途半端な終わり方なのでここから先は完結編で楽しもう!{/netabare}

4年間に渡ってゴールデンタイムにTV放送された人気作
やっと観終わったけど長かった
途中かなりダレた感がありましたが4年分を一気に観たので仕方が無いでしょう
サンデーでの原作連載に追いついてしまっての終了の為中途半端な最終回でした
後の原作終了後に完結編で最後まで描き切っている

犬夜叉を演じるは山口勝平さん
らんま1/2の早乙女乱馬も演じてます
高橋留美子作品というイメージですが名探偵コナンの怪盗キッドなども山口さんですね

珊瑚役の桑島法子さん
古くはスレイヤーズのフィリア、機動戦艦ナデシコのミスマル・ユリアなど
最近ではヤマト2199の森雪なども演じられてます

弥勒役の辻谷耕史さん
無責任艦長タイラーのタイラーもやってます
他にもふしぎの海のナディアのエアトン伯爵など
なんか無責任な役柄が多いようなw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

弑羅魏優夜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

何回見ても面白い!これぞ名作!!

私が小さい頃放送していたこのアニメですが、最近ふと思い出して急に見たくなりました。

*物語
 現代女子高生の「かごめ」が、ある日突然戦国時代に異世界トリップしてしまい、そこで出会った犬耳少年。出会った時は封印されていた彼ですが、「かごめ」によって封印は解け、そしてバラバラに砕け散った四魂のかけらを「かごめ」と共に探すことになります。笑いあり、ハラハラあり、胸キュンありの名作です。

*作画
 この頃だと、普通の作画です。ただ時折酷い作画崩壊が見受けられます(笑)

*声優
 たまに犬夜叉が何言ってるかわからない時がありますが(笑)、皆さん有名な方です。私はこのメンバーが一番ぴったりだと思います^^

*音楽
 OP・EDもいいですが、BGMは場面によって使う楽器も違ったりして個人的にすごく好きです。戦闘時の曲はとてもかっこよく、たまにギャグシーンでもシリアス曲を使用しているときはすごく笑えます。

*キャラの評価
 作者さん、よくぞここまで素敵なキャラを揃えてくださいました!!ほんとに皆いいキャラしてます。敵は敵で超上から目線だったり、阿呆だったりで面白いです。王道が出来上がった根源と思えるくらい?

かごめと犬夜叉と桔梗の三角関係もハラハラしてて好きですが、かごめを犬夜叉とコウガで取り合う姿も好きです(笑) たまに、「犬夜叉はっきりしろよ~」とツッコミたい部分もありますが、それもこの作品の良さなのでニコニコと受け入れて見ています。毎日少しずつ見ていきたい人にオススメです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

65.2 2 妖怪で笑いなアニメランキング2位
不機嫌なモノノケ庵(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (352)
1702人が棚に入れました
ある日、妖怪に憑りつかれた高校生・芦屋花繪(あしや はなえ)は偶然見かけた連
絡先を頼りに、妖怪祓いを行う「物怪庵(もののけあん)」を訪れる。そこにいたの
は不機嫌そうな主・安倍晴齋(あべの はるいつき)だった。わけあって、そのまま
芦屋は物怪庵の奉公人(アルバイト)として働くことに。
芦屋と安倍の妖怪祓いコンビと妖怪たちの物語が幕を開ける。

声優・キャラクター
梶裕貴、前野智昭、高垣彩陽、大谷育江、日笠陽子、橋本ちなみ、諏訪部順一、立木文彦、一条和矢、てらそままさき、谷山紀章、大西沙織、飛田展男、西村知道、三石琴乃
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

現世と隠世、であいとわかれ、再会の物語

本作において現世(うつよ)とは我々人間の住む世界、隠世(かくりよ)とは妖怪たちが本来いるべき世界という意味の様です。初回から受難続きの高校生の芦屋花繪(あしや はなえ)と妖怪祓いの高校生、安倍晴齋(あべの はるいつき)の二人を中心に、現世から隠世へと旅立てない妖怪達の起こす不思議な事件と、もう一つの世界"隠世"そのものを描く物語の様です。

キャラデザやOP、ED曲を、見たり聴いたりする限りでは、"これはもう女子向けの作品"という印象を受け取られる方も多かろうと思いますが、内容はゲゲゲの鬼太郎の活劇描写を大幅に取り除いた感じで、xxxHOLiCや夏目友人帖などの作風に近いかと思われます。

妖怪の関わる不思議な事件を安倍さんとその奉公人の花繪君が解決していくのが、初回から3話までのパターンでしたが、4話、5話では安倍さんとハナエ君が現世と隠世を行き来するという変わった展開もあり、紋切り型の描き方にはならない模様。2つの世界を交互に描く物語になりそうです。

私は初見では隠世を冥界の様に捉えてしまい、そちら側の世界が描かれる事は殆ど無かろうとか、現世での妖怪払いが中心のお話になるのかなぁとか思っていましたが、嬉しくもあっさりと予想は裏切られ、モノノケ庵の世界観にすっかり魅了されてしまいました。(でも少し肩透かし、隠世回は9話終了時まででは先に述べた2回のみ、ちょくちょくあると私的には面白いのですが‥。)

現世が人や動物の住まう世界ならば、隠世は正に妖怪の住まう世界。隠世の住人の殆どは妖怪の様です。浮世絵を思わせる雲や岩肌、植物などの描写、色彩の表現は異世界感たっぷり。こういった描写は他作品、例えば京騒戯画とかにも見受けられますが、モノノケ庵における、あえて緻密さを廃した描写は、より絵の中の世界という印象を強めていて、うつし世と夢の境といった趣です。安らぎと不安が綯い交ぜになったおぼろげな雰囲気は隠世独特の空気となっていたのではないでしょうか?

毎回ユニークな妖怪が登場し、目を楽しませてくれるのも妖怪好きには嬉しい見所です。中でも1話から登場のモジャは見た目ほぼ毛玉な妖怪でありながら、表情豊かでとてもかわいいです。人間も妖怪も感情の機微がそこはかとなく丁寧に描かれていた様で好感が持てました。(でも花繪君、驚くシーン多すぎ(笑)

以下は各話の視聴感想など
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~1話~
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「妖怪になっても人に尾を振ったり、芸を見せたり、でもその内に気付くんだ‥。誰も自分を見ていない事に‥。」という台詞について。

妖怪でなくたって、自分が誰にも見てもらえないと思って一人ぼっちになってしまう事は往々にしてあり得る事です。孤独が長く続けば、多分それによって受ける苦痛に麻痺してしまって、寂しさすらも薄らいでいくものだと思います。慣れって素晴らしくも恐ろしいものです。ですが、ひとたび誰かに見てもらって、その優しさに触れると、作中の※モジャモジャの様に、そこに依存してしまう気持ちが芽生えてくるのも分かります。妖怪とか子供だったら許せるけど、大人だったら相手の迷惑になる様な甘え方しちゃダメですね‥。

それでもモジャが花繪君に見てもらった時の喜びは、長らくの間がらんどうだったブリキ男にはよ~く分かりました。

※:花繪君に取り憑いた妖怪。容姿からモジャとかモジャモジャとか呼ばれている。
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~2話~
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ギギギの親分登場。親の、子に対する責任、心配などの想いが描かれていました。親子の間柄でなくても、親しくしていた人と言葉も交わさず離れ離れになってしまう事はとても悲しい事です。説教染みているという程ではないですが、ちょっとだけ80年代の教訓を含んだアニメを観ている様な気分になりました。もしかしてお話の構成が古めな感じかも? でもそこはかとない温かさを感じました。
{/netabare}
~3話~
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花繪君、初仕事のお話。今回の依頼人はお地蔵様の様な姿のミツチグラ様。

お寺の娘の藤原禅子ちゃんが登場し、物怪庵の正体も少し明かされ、作品の雰囲気が少し賑やかになりました。物怪庵は茶室そのものが妖怪なのだという。まるで悪魔くんの家獣みたいです。掛け軸を使って意思表示も出来る様で、顔文字まで‥!※どこかで見た気が‥。

お寺が大好きな禅子ちゃんですが、お父さんからは寺を継がせる気はないと言われてしまう。でも花繪君との会話を通じてお父さんの遠まわしの思いやりに気付けた様です。

※:双星の陰陽師に登場する面白キャラ鈩(たたら)、こっちは顔文字だけなのでさらに不思議。
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~4話~
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安倍さんと花繪君、隠世へ行く。2話で少し触れられていた隠世にある薬屋"亀薬堂"を訪ねます。亀薬堂の女主人とそのお手伝い、コウラ様とシズクちゃんが登場。二人とも中々に濃いキャラです。コウラ様はちょっとだけxxxHOLiCの佑子さんを思わせました。シズクちゃんはイモリの妖怪でコウラ様に心酔している様です。両者とも軽くダークなオーラをまとっておられます。

そして花繪君には思わぬ再会が‥。
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~5話~
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モジャ再登場、でも勇敢な行動の末、怪我をしてしまう。子供とか小動物とか、力の弱いものが痛め付けられる描写というものは、いつ見ても嫌なものです。

そして隠世の大物中の大物、三人の権力者の内のお一方、立法様現る。その名の通り隠世のルールを作っている人で、シズクちゃんのお兄さんでもあるらしい。他二人の権力者、司法、行政という人(妖怪?)もいるという。3人とも本名ではない様です。とても落ち着いた耳触りの良い低い声と物静かなたたずまいが美しい(男だけど)。でも結構奔放なお人らしい。

それにしてもコウラ様、立法様まで薬の材料にしたがるなんて節操ないなぁ(笑)さすが妖怪‥。まぁ、立法様を始めとしてモノノケ庵に登場する男性キャラ、皆容姿とか声が綺麗なのでコウラ様の気持ちも芥子粒くらいなら分からないでも無いですケド‥。

終幕、立法様のお許しが下り、花繪君ともう一匹が正式に安倍さんの奉公人に‥ここにモノノケ庵トリオ?カルテット?が結成される。安倍さんの前のモノノケ庵の主についても少しだけ触れられていました。来週からはもっと楽しくなりそうです。
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~6話~
{netabare}
今回の依頼人は人面ウナギの様な姿のマンジロウ、ある指輪を探して欲しいという。人面ウナギと言うと聞こえが気持悪い感じですが、外見的には割と可愛いです。でも喋り口調は江戸っ子気味。

アベノさんはこれまでに指輪の捜索を3回も試みたが、見つからなかったという。今回はハナエ君もお手伝い。前回の怪我が癒えてないので一緒に手伝う事は出来ませんでしたが、奉公人としてモジャも付いて行きました。

そしてまたしてもハナエ君の不思議な力?の一端が垣間見える。前回モジャを傷付けられた時に発現しかけた手に宿る力と何らかの関連があるのだろうか?とも思われました。

終幕、お礼を言って貰いたいからとか恩を着せる為とかじゃなく、物事の顛末を知る、知らないでは、出来事の印象に大きな違いが生まれます。結果だけ分かっても不思議な事が起きたものだ‥と感じるだけなので‥。マンジロウの想いをおばあさんに伝えようとしたハナエ君の行動は軽率ながらも優しさに満ちていました。

あと気になった事を一つ。冒頭の物怪庵さんの掛け軸に映す文字について、いつもながら女性的で柔和な感じがして和むのですが、"ありがとうねハナエ"という言葉が意味深でした。アベノさんに付いて隠世へ行ってくれた事についてお礼を言いたかったのでしょうか? 他にも込められた想いがあるのかも知れません。
{/netabare}
~7話~
{netabare}
禅子ちゃん再登場。犬らしきものに噛まれて付いた腕の歯形とあざ(何かの文様みたい)について知りたいと言う。歯形もあざも自分にしか見えず、それどころかあざが付いて以来、妖怪も見える様になってしまったらしい。

禅子ちゃんの腕に付いた歯形と文様が呪いの一種だとしたら、もののけ姫の主人公アシタカが受けたタタリ神の呪いと似た感じで、妖怪の力の一部を取り込んだという意味合いがあるのかも知れません。だとしたら素で妖怪の見えるアベノさんとハナエ君は半妖怪か何かなのでしょうか? アベノさん、人間という言葉に妙に反応するし‥。

新キャラ、ヤヒコも登場し、今までのお話には無い緊張感が‥。お話は次回に続く様です。
{/netabare}
~8話~
{netabare}
人同士でも長らくの間離れていると、相手の心が別れた時のままであるのか不安になるもの、ヤヒコはアベノさんのたった一言で疑念を払拭出来ました。信頼しているのだから一言答えが返ってくれば満足だったのでしょう。良い話だったと思います。

後半は鳥妖怪ジョウマツとアンモ姫の恋のお話。散々皆が苦労して心を砕いても、アンモ姫の気まぐれで結局振り出しに戻ってしまいました。ジョウマツ報われぬ‥。いっその事アンモ姫なんかうっちゃって別の相手を探した方が良いかも知れない。ジョウマツには多分無理だケド‥。

そろそろ隠世回が観たいと思ってしまいますが、次回も現世。でもモジャが出るので楽しみ。
{/netabare}
~9話~
{netabare}
今回も依頼解決のお話。依頼主の横柄さへの反応に、アベノさんとハナエ君の度量の違いが、ところどころに見えてしまうお話でした。アベノさん、これでもハナエ君と同じ16歳。経験値の違いも大いにあると思いますが、人間に対する無関心さも手伝っているのかもしれません。でもそういった厭世的な性格もハナエ君のおかげで徐々に変わりつつあります。今後の両者の成長に期待。

モノノケ庵の依頼解決のお話は今回に限らず、今のところ全て、バトルなどに寄らず言葉で解決する点に好感が持てます。隠世回は待ち遠しいけれど、モジャも頑張っていたし、満足のゆくお話でした。
{/netabare}
~10話~
{netabare}
今回は依頼のお話ではなく異変のお話。突如として巨大化したヤヒコ、その原因を探っていく内にノボウという妖怪に出会います。

ノボウさんは一つ目の案山子の様な姿の妖怪。自分と似た姿をしている本物の案山子を親しみを込めて友人と呼びます。でも相手はただの案山子、何も答えてはくれません。

私は中学生の頃にたった400円で買った肥後守ナイフを今でも身近に置いているのですが、このナイフ、すこぶる役に立つもので、工作に使えるのはもちろんの事、野菜やハーブの収穫、パンを切ったり、郵便物の梱包を解いたりと縦横無尽に活躍するのです。さすがにナイフに話しかける事はしませんが、このナイフを紛失してしまったら私は悲しむでしょう。新しいのを買えば?とかそういう問題ではないのです。何百回も研ぎ、何千回も役に立ってくれ、刻まれた思い出と共に魂の様なものがナイフに宿るのです。このナイフを見るだけで様々な事が思い出されます。それは自分の記憶を分けたもの、外部記憶装置としての性質さえ帯びてくるのです。ナイフが死ねば自分の一部も死にます。

なので私には作中のノボウさんがただの案山子を"友人"とした事、その案山子を助けられず失った時の悲しみも手に取る様に分かるのでした。でもこれはモノのみならず、人に対しても言える事です。強く愛しているものがいなくなった時、人は自分の一部を失います。また、強く愛しているものを傷付けてしまった時、深い後悔が残ります。そうなった時、その悲痛を補おうと人は癒しを求めますが、それが何であるかはひとによりけりです。人であったり、動物であったり、あるいはモノであるかも知れません。でも、もしいつまでも傷が癒されなければ心は沈んでいくものです。ノボウさんのいる泥沼みたいな所に‥。

作中では幸いな事に、ハナエ君とアベノさんがノボウさんの悲しみを補ってくれました。たった一言でも救われる、そういう事もあるのだと改めて考えさせてくれる、救いの見出せるお話でした。
{/netabare}
~11話~
{netabare}
今回の依頼人は盲目の妖怪トモリさん、モノノケ庵に代理としてやってきた猪柄嶽夕日滝翁神(いのがらたけゆうひたきおぎながみ)こと翁様の案内で、アベノさんとハナエ君はトモリさんの元を訪れます。

隠世払ってもらう事を望むものの、現世への愛着を持ち続けているトモリさん。彼女への思いやりから、ハナエ君はまたも無謀な優しさで自分の視力(妖怪を見る力だけ)をトモリさんに渡してしまいます。トモリさんはハナエ君の視力を借りる事で自らの視力を取り戻せるらしいのです。

かくして妖怪を見る力を失ったハナエ君ですが、いつまで経っても視力は戻ってきません。そんなハナエ君に対し「お前はやめろ」と冷たくはねつけるアベノさん。しかし一方で解雇は保留という言葉も‥

後半、隠世に再び足を踏み入れたアベノさんですが目的は不明、私にはハナエ君の視力を元に戻すのが目的なのではと思えました。でも戻せる保証は無いから何も言わないというのが、アベノさんなりの優しさなのかも知れません‥。

今回に引き続き次回も隠世回、ギギギの親分も再登場する様です。

毎回目まぐるしく物語が展開するのではなく、時たまにこの様な波が起きる運びというのも味わい深いものがあります。
{/netabare}
~12話~
{netabare}
現世と隠世に分かれてそれぞれに行動するアシヤ君とアベノさん、アシヤ君の行く先は禅子ちゃんのお寺、ヤヒコの力を借りて視力の回復を試みる様子。一方隠世のアベノさんは立法様との会談を経て、オタマジャクシホン(笑)によるシズクちゃんからの連絡を受けて、向かう先は亀薬堂、そこでアシヤ君を慕う妖怪たちの思いを組んで、彼らの助けを借りる形でトモリさんの居所を突き止めます。

結局のところ、事態は殆ど進展せず、間延びした感じの、内容の薄いお話という印象でした。楽しみにしていた隠世回であるだけに少し残念‥。

あとちょっと気になったのが、立法様の"じゃない?"とか"したの?"という語尾。オネエ言葉っぽく聴こえてしまい妙な違和感が‥。前回と比べて印象がかなり変わってしまいました。物腰柔らかな青年の様な、老人の様な、捉え所の無い雰囲気が浮世離れしていて、そこはかとない威厳があったのですが‥

最終回に期待したいと思います。
{/netabare}
~13話~
{netabare}
隠世回でカピバラ妖怪ゴイチダといざこざが起きた時に発現しかけた力については最後まで触れられる事はありませんでしたが、今回のお話でアシヤ君の妖怪を見る力について一定の解釈が与えられました。

誰にも見てもらえなかったモジャにとって、アシヤ君は最初に見てくれた人、これまでアシヤ君と関わってきた他の妖怪たちよりも一層深い愛情があったのでしょう。アシヤ君に見てもらえなくなったモジャの寂しい想いはアシヤ君にしっかりと伝わりました。

見てくれる人の想いが伝わって、その人の事が見えるようになるというのは妖怪話じゃなくてもありそうな事‥。素直に感動出来るお話でした。

妖怪(ほぼ)総出演、物怪庵さんの優しい人柄?もまた一つ垣間見れて、正に大団円という形できれいに下りた終幕でした。
{/netabare}

妖怪物語にありがちな活劇描写やギャグ描写などが殆ど無く、人や妖怪のもつ優しい気持ちが素直に語られる心温まる作品でした。

新たなお話の幕開けを期待したいアニメです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

モジャかわいすぎです…

この作品の原作は未読ですが、第1話を視聴してハマってしまいました。初見で物語の内容だって全然分からないのに…1話目から涙が溢れた作品でした。

この物語の主人公は、高校1年生の芦屋 花繪…彼は妖怪や幽霊の存在を全く信じるタイプではありませんでしたが、とある時、モジャモジャな妖怪に憑りつかれてしまうのです。
これで否応なし無しにこれまで見えなかった存在を信じる事になるのですが、突然色々と見え出したり彼の体調が一変したのはそれからでした。
毎朝学校に向かうものの、体調不良によって教室までたどり着けず保健室通いの日々が続く事となってしまいました。

そんな時、花繪は妖怪祓いの安倍 晴齋と出会い、憑りついた妖怪のお祓いを依頼するのです。
教室までたどり着けない日々を送るのは誰だって辛い…だからお祓いをお願いするのはごく自然な発想…

でも、なんでモジャモジャ妖怪は花繪に憑りついたのでしょう…
憑りつく相手ならきっと星の数ほどいたでしょう。
それでもモジャモジャ妖怪は花繪を選んだんです…
これが何を意味するのか…

ヒトに限らず地球上で生きている生命体は、当たり前ですが見えないモノには反応できません。
そしてこの世は見えないモノに気付けない存在だらけ…
本当は存在しているのに…気付いて貰えなければ、それは存在しないのと同じこと…

安倍は憑りついた真相を続けます…そしてこれまで妖怪が必死だった理由が明らかになった時、もう目から涙が止まらない状況になっていました。
花繪が妖怪に対する考え方を改めたのもタイミングが絶妙…
そして元に戻ったモジャモジャ妖怪の愛くるしさ…半端無いです。

真っ白でまん丸で…口がないので喋らない代わりに、ちっちゃい3つ並んだ尻尾と表情が、しっかり気持ちを代弁してくれています。
頬を赤く染めながら、ちっちゃな尻尾がフリフリしている姿…もう堪りません。
妖怪全てに…という事は決してありませんが、このモジャには間違いなく萌え要素が含まれていると思います。

見えざるモノが見えるようになった花繪は、安倍が主となっている物怪庵の奉公人として安部の妖怪祓いの仕事を手伝うようになります。
相手は妖怪…仕事も順風満帆に進む訳がありません。
ある時、訪れた花繪のピンチに真っ先にやってきて、圧倒的体格差も気にせず相手に突っ込で大怪我しだのもモジャでした。

妖怪と心は通じ合える…言葉が交わせるかは重要な問題じゃないんだ…と思いました。

そんな風に感じられる妖怪はモジャだけではありません。
現世で困っていて隠世に送って欲しい妖怪の殆どは、みんな義理堅い存在でした。
物語の終盤、花繪がピンチに陥った時、これまで花繪が接してきた妖怪は、進んで助けようとしてくれるんです。
そんな時でもモジャの献身さは頭一つ突き抜けていましたけれど…
ほんと、モジャ凄いです…だってそこまで尽くす義理だって無いのに…
どうしてそこまで出来るんだろう…

そんなモジャを見てきたから…最終話で頬を赤らめて尻尾をフリフリしながらコロコロ転がっているモジャが堪らなく愛しい存在になりました。

オープニングテーマは、The Super Ballさんの「トモダチメートル」
エンディングテーマは、芦屋花繪&安倍晴齋の「扉のむこう」
とにかくオープニングが大好きで、2度ほどカラオケで歌いました。
原曲キーが少し高いんですけど好きな曲です。

1クール13話の物語でした。もちろんモジャ以外にも魅力的なキャラは登場してくれます。
けれど、振り返ってみるとやっぱりモジャがこの作品の中で一番可愛い存在でした。
可愛い物の怪が見たくなったら…お勧めできる作品だと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

とにかくトゲがない。登り坂も下り坂もまさかもないw

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
モノノケ達との穏やかな交流。優しい世界観。私は観てないのだが、夏目友人帳に近い作風なんだそうで。

まあ、イケメン達がいっぱい出てくるので、そっちが好きな人にも、良いんでしょうね(別に男が視聴しても不快感なく観られます)。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤は楽しめましたが、中盤以降、飽きがくる展開に。これを、マンネリと捉えるか安定感と捉えるかかは、人それぞれかな?

萌えという要素は皆無な作品。それは良いんですが、萌えに代わる、癒しとか感動とか燃えもなくて、もおえぇわ、という感じになった(汗)

2期があったとして、あまり観ようとは思わないかな? モノノケ庵のこととか、謎はまだあるけど、これ以上の展開もなさそうな気もするんで(でも今、2期観てるw)。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
第1話
癒し系のアニメかな? なんか、良い感じの話だった。モジャは可愛かった。まあ、EDにも出てくるし、また登場するんでしょうね。

第2話
親父キャラ好きとしては、オヤビンは好きなキャラ。しかし、女子が出てこないね(笑)

第3話
ようやく、女子が出てきたが、子供ですね~(笑) もののけ庵の掛け軸は、なんか好きです♪ NHKの「グレーテルのかまど」の竈を思い出す。今回の解決の方法も一捻りあって、なかなか良かったです。

第4話
掛け軸の血、ウケたw しっかし、女子率が低いw モジャ、やっぱり来たね~♪

第5話
陰世の動かない、浮世絵のような背景は、不思議な世界、時間が止まったような感じを出すのに適してますね。芦屋の秘密が気になるな~♪

第6話
江戸っ子うなぎ、可愛いw ちょっとウルッときた。年配の方には、妖怪より幽霊の方が納得できるかもね。確かに私も、もし亡くした肉親だったら、幽霊でも会いたいしね。

第7話
貴重な女子(禅子)が、ちゃんと再登場♪ 阿倍のヒミツが、次話あたりに明らかに? まあ、まえおきてきな回でしたね。

第8話
ヤヒコは、「人間と妖怪はいくら似ていても根本的には違う」ということを表すには良いキャラでしたね。ドダバタっとしてる間に終わった。芦屋の成長を示すための回かな。

第9話
妖怪の為に祓う、というスタンスを再認識させた回かな。依頼者の娘の演技はわざと? リアル下手? ラストもよく分からないな~。

第10話
案山子と溶解の友情物語。一見、陳腐な内容にも思えるけど、物だって長年大切にされれば魂が宿っても不思議じゃない本作の世界観の中ではアリかな。いつも通り、心の温まる良い話でした。ただ、あまりにストーリーに変化がなく……キャラも愛でられず……陰世回がMAXだったかな?

第11話
いや、初期化って(笑) ようやく、話が展開しましたね。アベノの冷たい言葉は優しさだって、アシヤさんそろそろ分かってやろうよ。

第12話
オヤブンはじめ、過去キャラ勢揃いして、大団円へ……という流れ。THE 定番って感じやね。

第13話
アシヤは、徹頭徹尾、良い奴でしたね。謎は謎のまま、の最終回。まあなんか、予定調和でしたね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

70.1 3 妖怪で笑いなアニメランキング3位
地獄先生ぬ~べ~(TVアニメ動画)

1996年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (322)
1956人が棚に入れました
童守小学校に赴任してきた5年3組担任の鵺野鳴介(通称・ぬ~べ~)。
普段の彼は、ドジでおっちょこちょいなところはあるが、どこか憎めない愛すべき先生として生徒たちに親しまれている。
しかしぬ~べ~には、日本でただ一人の霊能力教師という、もう一つの顔があった。常に黒い手袋で覆われている彼の左手には、この世ならざる存在――悪霊や妖怪などに直接触れて、浄化することのできる最強の力「鬼の手」が封印されているのだ。その力は、かつてある生徒を救うため、わが身を賭して封じ込めた地獄の鬼のものだった。子供たちが〈闇の住人〉に襲われ、危機にさらされた時、ぬ~べ~必殺の「鬼の手」が闇を切り裂き、魔を祓う!

声優・キャラクター
置鮎龍太郎、藤田淑子、笠原留美、冨永みーな、根谷美智子、田中一成、浦和めぐみ、本多知恵子、白鳥由里、森川智之
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

細川美樹の乳揺れに並々ならぬこだわりを感じる ★4.545点

1996年4月 土曜日19:30~ テレビ朝日系で放送された作品
全49話


原作にあった男子生徒が女子生徒の下着になっちゃって汗と涎と鼻血でグショグショになりながら股間をべろべろ舐める話が強烈すぎてアニメの方は印象が薄かったのですが、全話見返してみたらすっごい良かったです。


やっぱり鬼の手のデザインが秀逸です。
骨ばった外郭に筋肉の繊維を思わせる表面がグロテスクと格好良さを併せ持っていて好きです。
最近だと進撃の巨人の50m級巨人みたいなデザインって言ったほうが分かりやすいのかもしれません。
他の妖怪のビジュアルもよかったです。特に「はたもんば」は個人的グッドデザイン賞でした。


あとは主人公、鵺野鳴介のキャラクターがよかったです。
これが教師の理想像、とまではいきませんが「生徒を守る」という確固たる決意にブレが無く、自分より圧倒的に強大な神にすら臆すること無く立ち向かう姿勢がカッコ良かった。それに至るバックボーンもいい話でした。


【総評】
全体的には、基本1話完結のエピソードをTVアニメという枠組みで上手く構成していて作画も年代を考えればかなり安定していた印象。
原作と比べて演出や表現方法はかなりマイルドになってはいるが作品の世界やメッセージ性を損なうほどではなかったと思います。
アニメでは鬼の力を開放するとき手袋に「鬼」の字をモチーフにしたマークが出ているんですがカッコイイ演出だと思いました。


以下、好きなエピソード

第2話 トイレの花子さんが出たぁ〜っ!
{netabare}学校の怪談定番のトイレの花子さん回
戦争で亡くなった哀しみからさまよい続ける話はありきたりながらもいい話だった。実は地縛霊と浮遊霊の2人いたっていう2段落ちもよかった。
あとヒロインの郷子ちゃんのパンツ!パンツがみえるんですよ!!!{/netabare}

第13話 教室が凶器に変身!?妖刀はたもんばの呪い
{netabare}上記でも少し話した「はたもんば」の回
とにかくはたもんばのビジュアルが怖くていい!原作ではもっとエグい絵でトラウマになった人も多いはず。
最強の鬼の手が一回敗れてしまうのも印象的でした。{/netabare}

第15話 ゆきめリターンズ!真夏の冷凍大作戦
{netabare}No.1ヒロインゆきめちゃんメイン回
ゆきめちゃんのぬ~べ~Loveが全面に出ててとってもかわいかったです。
自分のせいでゆきめを消してしまったと勘違いしたぬ~べ~が号泣してしまうシーンもぬ~べ~のどうしようもない人の良さが出ていてよかった。{/netabare}

第25話 しあわせパニック!涙に消えた座敷わらし
{netabare}みんなに幸運を運ぶ座敷わらし回
座敷わらしのマスコット的な可愛さとほっこりとするような話は物騒な話の多いぬ~べ~では珍しい回だったのではと思います。{/netabare}

第34話 今明かされる禁断の過去!鬼の手誕生の秘密!!
{netabare}一生のうち一番霊力が下がってしまう日に鬼の封印が解けかけてしまう回
生徒を助けるためにかつての恩師を鬼とともに封じ込めざる得なかった過去。なぜ生徒を助けるのにここまで執着するのかが分かるいい回だった。{/netabare}

第39話 死の底からの復讐!出るか?鬼と妖狐の合体奥義!!
{netabare}ライバルとの共闘は定番だけどやっぱりいいね回
鵺野に勝つためには愛の力が必要だと思った玉藻は生徒一人を犠牲にして街を救い人々の愛を得ようとした。すぐに間違いとわかり生徒を救うためにぬ~べ~と協力する展開が熱くてよかった。かなり作画がいい回で迫力もあった。
あと前半の健康診断のシーン、でっけぇな・・・{/netabare}


あっ!タイトルに言及するのを忘れていましたw
隙あらば美樹の胸を揺らしていましたねwww作画陣に美樹好きがいたんでしょうか。とってもいいと思います(ニッコリ) 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドジで金欠なオカルト男は、鬼の手を持つ頼れる先生!!

90年代を代表するジャンプアニメの一つで、劇場版やOVAもたくさん出ている人気作『地獄先生ぬ~べ~』

劇場版で「ゲゲゲの鬼太郎」と抱き合わせ…こほん。オカルト・妖怪合わせで同時上映されていたようです。
近所の学校では夕方から夜にかけてお祭りがあって、毎年暗くなるとバックネットにスクリーンを張り、
子供向けの映画を放映していました。確かこれもあったはず。その時期だとデジモン、ポケモン、ワンピース
なんかもあった気がしますね。近くなので毎年行ってたのですが、子供たちがキャッキャと楽しそうでした^^

格好いい先生キャラクターは沢山いますが、そんな中でも彼を一番に挙げる方は多いんじゃないでしょうか。

主人公「鵺野鳴介」は霊能があるオカルトめいた変人で、事あるごとに生徒におごり金欠で苦しむ計画性のなさや
同僚の美人でセクシーなボディコン先生にメロメロだったり(学校にそんな風紀を乱す人が居るのは置いといて)
オッチョコチョイでだらしない所があったりと、生徒にも少し馬鹿にされながら友達感覚で親しまれています。

でもいざという時は危険を顧みず生徒たちの前に立ち勇敢に戦い、親身になりアドバイスをくれる、そんな先生。

原作からの変更点や放送時間に合わせた残酷描写やお色気シーンの軽減こそあるものの概ね原作順守でした。
原作より明るい雰囲気でギャグの量も多かったですね。メインのターゲット層が小学生だったのが大きいかな。


原作の妖怪や表現は怖かったですね~

七人ミサキ、海難坊子、逆さ学校、怪人A、ハタモンバ、人喰いモナリザ、てけてけ、メリーさん、疫病神、
赤いちゃんちゃんこ、くだん、死神、寄生虫、麒麟、木登り幽霊、枕返し、口裂け女、千鬼姫、などなど…。

鬼の手にまつわる話がかなりシリアスなのですが、全48話+SPで終わりなので、OVAや劇場版で補完します。
放送では無いですが鬼の兄妹が出てくる話など、原作でも人気が高いキャラにまつわるエピソードがあり、
テレビ放送の佳境にあたる話や要所要所で雪女の「ゆきめ」は大活躍でした。流石メインヒロイン(笑)

他にも人気が高い「玉藻京介」や「葉月いずな」が目立つものの、この作品の凄いところは通常回である
“生徒のお悩み解決回”が秀逸だということ。実は印象に残るエピソードはほとんどこっちだったりします。
レギュラーキャラである5人の小学生含め、生徒たちは魅力的な子ばかり。私は美樹より郷子がエロいと思う。

好きなヒロインはアニメ第31話「誰にも言えない目玉の恐怖!!天才バイオリニストの大罪」の篠崎愛ちゃん!!

んっ? 篠崎愛!? はぇ~…こんな名前だったっけ。確かに「あいちゃん」って言ってた気がするのだ~。


『地獄先生ぬ~べ~』は今でも生徒の世代になり続編が続いているので(スピンオフ『霊媒師いずな』も)
懐かしい方は記憶を呼び覚まして『地獄先生ぬ~べ~NEO』まで追いかけるのもオツなんじゃないでしょうか。

.
.
.
.
.


この世には、

目には見えない
闇の住人達がいる。

奴らは時として牙をむき、
 君達を襲ってくる。

彼は、そんな奴らから
 君達を守る為、
地獄の底からやって来た、

―正義の使者―


…なのかもしれない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

※注.このレビューを読まないと「はたもんば」が襲ってきますよ(嘘)w

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
基本は、「鬼の手」という退魔の力をもつ先生「ぬ~べ~」が、迫り来る妖怪から生徒を守るという話。エピソードが実に多彩で、視聴者を飽きさせない。怖くて感動して笑えてエロくてほっこりして学べます。自分と同年代(30代前半)以上の方なら、かなり多くの人が知っているアニメ。数年前に(観てないけど)実写ドラマ化されたので、若い人も名前だけなら知ってるかも。

アニメか原作かと問われれば、原作の方が好きですが、原作付きアニメとしては、なかなかのクオリティです。昨今のリメイクブーム?に乗っかり、リメイクしてほしい作品の1つです。

また、OPの「バリバリ最強No.1」は、異色のアニソンとして有名です。他の方のレビューで、「サンシャイン池崎」とあり、的確すぎて笑っちゃいましたw 全く作風に合っていませんがw 凄く耳に残る名曲です。

また、EDは、B'zさんが歌う「ミエナイチカラ 〜 INVISIBLE ONE〜」。アニメにはもったいないくらいw 格好良い曲です♪ これってタイアップなんだけど、ちゃんとアニメの内容にもリンクしてる。意識して作ったのか、単なる偶然なのかは分かりませんが、(昔からEDは1回しか聴かない悪癖をもつ剣道部にしては珍しく)毎回でも聴きたくなる、チカラがある曲です。

ホントに、90年代のアニソンって好き♪ 曲だけでも聴いてほしいし、若い人には、アニメも是非観てほしい♪ 作画は流石に時代を感じさせるけど、当時としては綺麗だし、ストーリーとか、いつまで経っても色褪せないモノもあるので!

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
普段は3枚目な「ぬ~べ~」が、生徒のピンチには急に2枚目になる。そりゃ、モテるわw

ただのバトル漫画で終わらなかったのが、素晴らしさ。設定優先であり、ストーリーは後付けくさいけど、破綻してなくて凄い。ぬ~べ~が、ちゃんと先生として魅力的。1話完結で観やすい。デレたw後の、鬼の手とぬ~べ~の関係が好き。原作の方が怖かったりエグかったりする話は多い。

アニメにおいては、なんか、「ぬ~べ~が人面瘡に襲われて、学級の皆が助ける話」が印象に残ってます。流石に何話かとか細かいエピソードは忘れたけど、いつも助けられてばかり、問題を起こしてばかりだった五年三組の子供たちが、ぬ~べ~を助けるために力を合わせて頑張る姿は感動的でした。

あとは、アニメか原作か記憶が曖昧だけど、「かまいたち」「てけてけ」「はたもんば」「寄生虫」なんかが印象的。妖怪や悪霊たちは、たんに暴れる悪者じゃなくて、ちゃんと彼らなりの「暴れる理由」があって、大抵は人間(子供たち)の方に非があったりして、単なる勧善懲悪のストーリーじゃないところが好き。いつもいつも、妖怪や悪霊を退治して終わりってわけでもないしね。

あと、雪女が可愛いです♪ タブルヒロインでしたが、私は雪女一択っす♪
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

71.0 4 妖怪で笑いなアニメランキング4位
繰繰れ!コックリさん(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (925)
4857人が棚に入れました
コックリさん
 コックリさん
  おいでください……

それは禁じられた遊戯(あそび)
けっして一人でやってはいけない
コックリさんがやってきて
あなたに取り憑いてしまうから―――

自称「人形」の市松こひなが、あやしげな術で狐の物の怪“コックリさん”を呼び出した!
しかしコックリさんがどんな「質問」にも答えられたのは昔の話。今は某検索エンジンに頼るも実はデジタルが苦手。取り憑くはずが一人ぼっちのこひなを心配して献身的に家事をこなす姿はまるでオカン。おまけにこひなを溺愛する犬の物の怪“狗神”とダメオヤジな化け狸“信楽”も棲み憑いて、コックリさんの苦労は3倍に!?
デンパ少女とときにイケメンたまにモフーンな3匹のアニマルが織りなす、非日常系モフモフコメディ‼
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

市松人形と毛も耳男・犬・穀潰しの寂しがり屋敷 ⑩おいでませ ~追記、会議は終了したような気がします~

(会議の続きをのぞいては2014.12.28 19:55)

コックリさんの嘆き{netabare}
と思わせてオレの嘆き、をコックリさんボイスの嘆きでお聞きください。

「なんでオレの歌がENDじゃないんだよ~~~!
 割と落ち着いたリズムのディスコミュージックだろ~

 そりゃ、ロザ○ン2とかOPでやってるのもあったよ
 けどぉ、この作品は心温まるギャグアニメだろ?
 オレはこひなをはじめ、みんなに幸せな気分を味わって欲しかったんだよ~

 終わりよければ全て良し、オレの歌なら全てまるっと収まる
 いや、別にえんでぃんぐテーマが悪いってわけじゃなくて、
 こう、幸せな気分でい続けて欲しんだよ

 そうだな、こひなや、こひな?あとは、こひなに幸せでいて欲しいんだ
 ちょっとぐらい変わってたって良い
 明日を楽しみにできるような、そんな日々を送って欲しいだけなんだ

 そのためには、あれだ
 ごほん、やっぱり、この超美形な物の怪であるこのオレが、
 最後、送り届けるのがいいと思うんだ
 みんな幸せになる
 そして、オレも幸せになる☆
 万事丸く収まる

 最高だ♪」
{/netabare}

いつもサンデーナイトフィーバーでふぃばりたかったw

今期の癒しだったのに、これから何に癒してもらえばいいのか。





さて、コックリさんが最終回を迎えて一週間。
何を書こうか悩んだあげく、とりあえず言いたいことは言ったので、
他の下書きは削除。

結局思いつかなかったので、ノリで書きます。

おもろかった~☆☆☆☆☆

コックリさん、この作品だけのいいところは、
キャラです。
あと、ところどころ古風なネタが使われているトコええ♪

もはやそれだけです。

ギャグやパロの好き嫌いが分かれそうな作品です。
雑誌の垣根を越えたパロ具合はあっぱれw
テンポが淡々としていて、すごい心地よかった。

ということで、どうキャラを好きなのかでも語るか。

市松こひな、
カプ麺中毒っぷりがおもしろい所と思われがちだが、
感情豊かな人間だよね。かわええし、将来が楽しみです♪

コックリさん、
主夫で心配性なところがやっぱええ☆
{netabare}女の呪い回は試されましたw※
髪の毛回も良かったw アンチエイジングネタも豊富wwwww
{/netabare}モフモフとしてかわええ♪

犬神さん、
ストーカー、妄信的な溺愛っぷりも素晴らしい。
{netabare}女番犬神さん、ありです。※{/netabare}
逞しいです。

信楽、
屑とイイ人のギャップがええ。女好きっぷりが逞しい。
イイ人ver.だけならテライケ麺♪

ジメ子さん、
方向が変な{netabare}ツンデレ。{/netabare}

猫神、じゃなくてタマ、
かわええ♪ 犬神さんとは方向が違う危うさもステキ☆
猫語かわええ♪

ナレーター、
うまい!!!!!

以上。

・・・うん?
※これから会議が行われます、長くなります※
{netabare}
HKB31 第1回会議 「女番コックリさんはありか」
出席者
H=変態だが男はなし、K=かわいいは正義、B=馬鹿

H「番であってるのか?ver.なら良かったか」
B「何でもええやん」

H「まず先に簡単な問題から済ませよう、犬神は、ありだ」
K「ありに決まってるだろ!男じゃない!!」
B「かわええ♪」

H「では、コックリさん(女)についてだ」
K「ありでしょ」
B「女狐め!」

続き





・・・HKB「うん?」

ドン!!! ガシャン!!!! パララララ・・・





A「制圧した、ゴミは片づけた」
B「オレの名を騙るたぁ、ふてーやローだ!」
C「いくか」

<ABC会議 じゅっかいめぐらい>
A=エース気取り、 B=バカ、 C=ちゃっかりん♪

A「かなり時間が過ぎて何を話していたかうろ覚えだが、あれだな」
B「ああ、ありか、なしか、それだけだ」
C「建前上はなしだ」

A「心の赴くままに、それを貫く、それが答えだ!」
B「考えるな、感じるのだ!!」
C「アレがあるかないかでいいのか・・・」

A「正直どう思った?」
B「アリだ!」
C「男ver.の記憶がなければな」
B「うっせー!!」

A「そうだ、そこが大事だ」
B「かわいいは正義!」
C「らんまがアリかナシにも繋がるな」

A「正直、内容を無視して鼻っから女だったら何も問題なかった」
B「かわいければ問題ない!」
C「アリかナシか・・・」

A「考えたくはないのだが、今まで気に入ったキャラにアレがある、あったと思うと厳しいな」
B「そんなの考えねぇ!!!!!」
C「・・・会議やめようか?」

ごにょごにょ

ABC「どうする?始めたからには終わらせないとな。そんなの関係ない!ああ、からくりサーカスで学んだことだ、見届けなければ。けどぶっちゃけどーよ?アリだ!!おまえは黙れ。どうすっかなぁ、かわいいは正義とか言うゴミみたいな言葉があるよな。女は正義!おまえは黙れ。かわいい女の子は正義だよな??・・・あんまり考えすぎるとヤバいからやめようぜ。ああ、戦略的撤退も必要だ。逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ!!逃げないからダッシュする!!!!!」

ごほん

A「決まったな」
B「100%女が好きだ!!!」
C「ああ、走るか」

A「答えがないから国語が好きだ!」
B「答えが一つだから数学が好きだ!! 0点でも!!!」
C「答えは君の中にある!!!!」








・・・だっしゅだーっしゅだしゅ
きーっくえーんどだしゅ
いつかきめるぜえろえろしゅーと~
そのときの~
おんなが~
すーぱーひろいんだ~




{/netabare}




一話観た感想→{netabare}

『市松人形とケモ耳男の寂しがり屋敷 ⑩1話感想おいでませ』
物語 : 4.0  作画 : 4.0  声優 : 4.0  音楽 : 4.0  キャラ : 4.0


バンブーブレードのたまちゃん ARIAのアリス などなど
の声が好きな人が吸い寄せられる作品

開始直後 OPテロップが流れているときの風景と色使いを見て最後まで観る
とマイソウル(亡霊、あるいは知らないどなたか)に誓った。

とりあえず1話はちびっ子とケモノ耳のイケメンの出会いとじゃれ合い。

市松こひなは自称人形、エネルギーは・・・
一応コックリさんは狐の物の怪らしい。

EDは女性向けの刺激臭をスンと香らせるが
あれは作者が好きな皮を被らせ それにあった色っぽい声を乗せただけの
ギャグやコメディーや日常が好きな同類のバカを呼び集めるお祭りだ。



{netabare}ルドルフとイッパイアッテナ{/netabare}を思い出した。あの絵よかたな。
二度と使われるネタじゃないけど。

作品の雰囲気を醸し出そうとした感想は最初のnetabareの上まで。

いつも思う。調理、料理の描写がステキな作品はイイ作品だと。
お腹空いた。→脱線{netabare}
コックリさんでも幽霊でも悪魔でもいいから、
ホウレンソウと卵(+5品目ぐらいのお野菜)が入った鍋焼きうどん作ってくれないかな。
うどんをお箸でもったら切れそうなぐらいの煮込み具合で。

卵粥でもいい。
できればなんかで出汁取って。油っぽくないやつで。魚介類がいい。

卵は3つぐらいがいい。1つはかき玉、2つは完熟の直前ぐらいで。
生は胃腸に良くないが、半熟のとろとろ感も楽しみたい。

その2つがダメなら、白いご飯と豆腐がたっぷり入ったお味噌汁と納豆とお漬物かおひたしでもいい。
お味噌汁の具は豆腐、ネギ、ワカメがベストだが、豆腐が入っていれば文句を言わない。

体に優しそうなたんぱく質がほしい。
ビタミンもほしい。

薬などに頼らずも体調が良くなる栄養を美味しく取りたい。{/netabare}

静のシュールギャグホームコメディかな。
ところどころバイオレンスw
小女とイケメンの親子(風)をたんたんと楽しめる人ならいいんじゃないかな。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
ネタバレ

小歌 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

にょたショタけも化がテンコ盛り

 全12話 ※原作未読

にょたショタけも化どんとこいなドタバタコメディーでした。
安定した面白さだったけど、何がしかの地雷がある人には向かないかも。
ひとりぼっちの女の子が美形の妖にとり憑かれて溺愛されるとか、設定だけ見ればかなり美味しい。
でもたまーにシリアスに片足つっこみかけても、即効ギャグ路線に戻っちゃう。
まぁそういうライトな感じがぐぐコクの魅力なんだけど。
広橋さんや小野Dはじめ、声優陣も良い仕事してました。
こひなのカプメン愛にはすごくシンパシーを感じて、このアニメ観るたびカップ麺食べたくなってた。
ペヤングの件は誠に残念でせう。

 * * *

第1話 人形少女・ミーツ・コックリさん!
 {netabare} ぼっち少女の市松こひなと、彼女が呼び出したコックリさん(狐のもののけ)。「人形だから心がない」「ビバ添加物」と言ってはばからないこひなを放っておけず、コックリさんは彼女と暮らし、見守ることにする。広橋さんと小野Dの演技はハマってるし、ギャグのテンポも悪くない。けどBGMが微妙…! {/netabare}

第2話 爽やか笑顔は真人間への第一歩!
 {netabare} 笑おうとするとなぜか顔のパーツがズレて福笑い状態になるこひな。「笑えない子は嫌われる」と聞き、コックリさんに嫌われてしまうかもと心配になるこひな愛おしい…。Bパートで新キャラ登場、こひなのストーカー・狗神。あれコレこひな逆ハーじゃねと思ったけど、狗神の女体化でラブ要素は諦めた。 {/netabare}

第3話 狗神ステイハウス!
 {netabare} 変態さんな狗神を、犬の教本を使って躾けようとするこひな。けど3日で飽きて結局オカン(コックリさん)に散歩を押しつける。そして狗神が来てからストレスに悩まされるコックリさんは胃薬常用、はては狐形態時のモフモフに10円禿が…。こひなのやきそばカップ麺に対する愛にはシンパシーを感じる。 {/netabare}

第4話 気になるアイツはSF系!
 {netabare} 化け狸の信楽が市松家3人目の居候に。自身が取り憑いて潰してしまった家の子を養護施設に預けているが、施設への寄付はコックリさんから借りたお金という、いろいろ残念なニート。こひなの代から市松家は“憑きもの筋”になったというコックリさんの説明に、思わず厨二心が疼いてしまったよ…。 {/netabare}

第5話 机のお花はメッセージ!
 {netabare} 前話でこひなの教室の机に菊の花が飾られてたのが気になっていたのだけど、今回はそのイジメの犯人・じめ子さんが登場。でもその本当の意図は、こひなと友達になるキッカケを掴みたいがための、じみ子なりのメッセージだった。Bパートでは、コックリさんと狗神が転校生としてこひなのクラスメイトに。 {/netabare}

第6話 こひなと一つ目と信楽!
 {netabare} コックリさんたちと居ることで霊感が上がったこひなは、妖が見えるように。こひなに懐いてきた一つ目の妖を内緒で世話するようになるが、妖は所詮人と交わるものではなく、こひなの寝込みを襲おうとするのを信楽が阻止する。こひなを守るために片目に傷を負った信楽おじさん、珍しく格好良かったよ! {/netabare}

第7話 猫神タマの一目惚れ!
 {netabare} 人形マニアの猫神・タマに連れ去られてしまったこひな。逃げるための作り話とはいえ「お母さんが会いに来てましたよ。ただし…三味線になってな!」はなかなか怖い冗談だな…。Bパートでは、市松家の呪いの倉にあった箱を開けてしまったコックリさんが女体化。この作品にょたとけも化が本当好きだね。 {/netabare}

第8話 コックリさんの湯けむり秘湯めぐり!
 {netabare} 信楽がくじ引きで当てた温泉旅行先に女体化の呪いを解く秘湯があると聞き、皆で温泉旅行へ。しかし秘湯はどれもハズレ。落ち込んでいるのを隠し強がるコックリさんを、信楽は本気で落としにかかる。キスした瞬間呪いは解けたけど、なんか普通にこの2人のノマカプ楽しかった。てか信楽、刺青あるのね。 {/netabare}

第9話 悩み多きト・シ・ゴ・ロ!
 {netabare} 抜け毛が気になるコックリさんのAパート。小野Dがイキイキとしててとても楽しかった。「アルシンドになっちゃうヨー」。Bパートでは暇を持て余した狗神が、皆にかまってもらうために家出。でも誰も探してくれなくてシンミリ狗神。ぐぐコクキャラの中で1番懐が深いのって案外信楽おじさんだと思う。 {/netabare}

第10話 紅葉待ちぼうけの日々!
 {netabare} 季節外れの紅葉の木の下で人を待つ少女・紅葉(くれは)。待ち人を探してほしいと頼まれたコックリさんたちは、山の神・天狗に助言を求める。そこで分かったのは、彼女も待ち人もとうに亡くなった人物だということで…。珍しく切ない感じ。「天狗のショタ好きは日本の公式設定じゃ!」には笑った。 {/netabare}

第11話 大人ドロップアウトでコスプレイ!
 {netabare} 変若ち水を飲んだ狗神と信楽が幼児化。2人を世話するうちに育児ノイローゼになったコックリさんもヤケクソになって退児化。本当こういうネタ好きね。助っ人で来たタマによって女装コスさせられたコックリさんにドン引きしつつ、幼児退行化で記憶なくした彼を寂しげに見上げるこひなが切なくてキュン。 {/netabare}

第12話(最終話) DESTINY!
 {netabare} 疎遠な娘とせめて1日だけクリスマスを一緒に過ごしたいと言うおじさんと出会ったコックリさんとこひな。クリスマスパーティを開いて親子の仲を取り持つが、実はおじさんは既に亡き人だった…というちょっとシンミリAパート。ラストは皆で初詣。シンミリと見せつつ最後まで賑やかなぐぐコクでした。 {/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シュールでほのぼのな物の怪コメディー。後半意外にハートフル

小学生の電波系ぼっち少女こひなと、こひなの周りに集まったコックリさんら物の怪たちの愉快なコメディー。
自分を人形と称し「かぷめん(カップ麺の事)」をこよなく愛するこひな中心にユニークなキャラクターがドタバタコメディーを繰り広げる。
基本ユルーいギャグコメディーで時にシュールな感じ、しかし時折り意外にハートフルな話あったり、侮れない良作。

かなり独特のシュールな雰囲気と、大きなストーリーの無いユルい作風なので、やや好みが割れそうです。
構図は「女性向けの逆ハーレム」とも取れるが男性視聴者が観ても楽しめそう。
比較的広範な方々にオススメ出来る、良質なコメディー作品です。


{netabare}『物語』
キャラクタードラマなので、強烈な個性のあるキャラクターが増えていく程に面白くなっていく。
ギャグの一つ一つは抜きん出て笑える程ではないが、終始安定してクスリと笑えました。
コックリさんが女体化したりと(男性向けの)萌えも完備♪

冷静に見ると「女子小学生一人に対して大の大人達が集う、逆ハーレム」という結構ヤバイ構図。
オカン気質なコックリさんなんて、この手の少女漫画寄り作品の定番…
という構図なのだが、市松こひなのあまりにもユニーク過ぎるキャラクターの為か、ソレを感じさせなかったのが凄い。

本作は「冷静に見ると結構ヤバイ」危うさが見え隠れしてます。
こひなの境遇とか、一歩間違えばシャレにならん鬱設定とも思えるが。
…とにかく楽しい。非日常的なのに日常的な存在のコックリさん達のドタバタな日常によって、シュールさとハートフルさが合わさり、とにかく終始楽しい雰囲気が崩れなかったです。

基本呑気だが、ニート狸の信楽がこひなに知られぬように悪霊?始末する話で少しドキっとした。
コメディーだけど物の怪作品でもあると思い出させてくれ、若干のスパイスになったエピソードだった。

その後もユルーくかつシュールなコメディー繰り返しつつ、後半には思わぬハーフルでホロリと来るエピソードが2回控えていてビックリ。
恋人をいつまでも待ち続ける幽霊少女の話は、幻想的で美しい恋愛話で非常に良かった。
最終話も少しホロリとさせるハートフルな良エピソード、本作全般の評価好意的になりました。
それでも過度にお涙頂戴では無く、基本はシュールギャグな雰囲気を崩さないのも良い感じ。

総じて
独特のシュールさを持ったユルめのギャグコメディー
抜きん出てはいないが安定感あり
少しホロリとさせるハートフルもあって侮れない
基本的に安定して楽しめた、良質なコメディー作品でした。
キャラクタードラマなので、キャラクターに魅力を感じるか否か、かも。


『作画』
こひながほぼ常にディフォルメされているが、可愛い。
稀に作画解放された際の美少女っぷりは半端無いです!
コックリさんらのキャラ作画は普通に良い方。温泉女体化はかなりの美人♪
本作の作画評価では、背景にも注目。
こひなの家や、紅葉の描写など、物の怪ファンタジーとしても世界観に引き込んでくれる良作画な点を評価。

『声優』
極めてユニークな市松こひなを広橋涼さんが好演。
コックリさんの小野大輔さん、狗神の櫻井孝宏さん、斎藤千和さん、信楽の 中田譲治さん等々、主要キャストのハマリ役の度合いが非常に高い。
極めて個性派揃いの掛け合い、キャストの好演が大きいです。
女体化コックリさんの白石涼子さんは綾崎ハーマイオニーを彷彿としましたw

ベテランの中田譲治さんは信楽が幼児化した際、まさかの少年声!
わ、若い!?声優さんって凄いと思った…。(中田さんに驚いたのが4.5点評価の理由)

『音楽』
OP「Welcome!!DISCOけもけもけ」が極めて印象的でアメージング♪
耳にこびりついて離れない楽しい曲ながら、きちんとキャラ紹介や作風象徴した良主題歌です。
BGMも基本ユルめで時折りハートフルさもしっかり出ていて良質。

『キャラ』
極めて個性派なキャラクタードラマなので、キャラ評価が本作の評価同然。
市松こひなは無感情な人形…と見せて実は年相応の女の子らしいいじらしさも垣間見えたり、非常に可愛い。
あらゆる不条理やネガティブを全く感じさせないのは、間違い無くこひなのキャラのお陰だろう。
本作の独特の作風は市松こひなを抜きにしては成立しない、その意味で外せない主人公です。

コックリさんの男性オカンキャラは女性向けハーレム作品の定番ながら、その苦労症っぷりが本作のコメディーを牽引。
狗神のウザさや信楽の胡散臭いニートっぷり等々、女子小学生の周囲に居て良い大人じゃない!
…なのに次第に異和感感じ無くなっていくのは彼らのユニークさ故かも。
信楽はこひなに内緒で悪霊始末したり、時に渋い大人の魅力もあった(ほんと、稀にだが)

どう見ても宇宙人な山本くん(立ち位置的にはクロマティ高校のメカ沢君に似ている)や、ツンデレなジメ子さん、ある意味ヤンデレな猫妖怪タマなど、回が進む程に面白いキャラ増加。
…4.5かちょっと迷うところ。
個性やインパクトはバツグンだけど、抜きん出て好きなキャラは居ないので。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 38

65.4 5 妖怪で笑いなアニメランキング5位
幻想魔伝 最遊記(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (161)
1043人が棚に入れました
文明と信仰の源・桃源郷。しかしその桃源郷が今、大妖怪『牛魔王』の復活を目論む何者かの出現によって暗雲が立ち込める。牛魔王蘇生実験の影響は負の波動となって大地を覆い、突如として自我を失い狂暴化した妖怪たちが次々と人々に襲いかかってきたのだった。
事態を重く見た天界では、『北方天帝師・玄奘三蔵(ほっぽうてんていし・げんじょうさんぞう)』に牛魔王復活阻止の命を下す。そして、妖怪でありながら負の波動にも犯されない『孫悟空(そんごくう)』、『沙悟浄(さごじょう)』、『猪八戒(ちょはっかい)』の三人とともに遥かなる西域『天竺国(てんじくこく)』を目指す冒険が始まる!!

声優・キャラクター
関俊彦、保志総一朗、平田広明、石田彰、草尾毅、皆口裕子、松本大、茂呂田かおる

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

本当にびっくり

一応友人に昔からおすすめされていたんですが、随分昔の作品で思い出補正が掛かって面白いと思ってるんだろうというのと、本物の「西遊記」の方を面白いと思ったことがないので見てませんでした。
でも、びっくり。何か色々面白いですね^^;
内容は、西遊記で有名な例のメンバーがとんでもないハードボイルドなメンバーとなって凶暴化した妖怪を狩りながら西方への旅をするって話です。
経典を取りに行くわけではないですから、そこは原作の方とは違いますね。それどころじゃなく、キャラが違いますが^^;
漫画の方は未だに続いているほどの作品ですから、これはあくまで一期です。何も解決はしませんが、とにかくキャラで物語を動かすタイプの作品なので言ってしまえば、この魅力的なキャラ達がものすごい戦闘能力で無双してれば、目的なんか二の次でいいんです。
その上、それぞれに強烈な背後設定を持たせているため、それぞれのキャラの戦いに対する感情に理由がしっかりあります。
宿敵役として出てくるキャラにすら、背後設定があるため単純な勧善懲悪にはまりきらない面白みもあります。
ただ、やはり昔のアニメですので映像もそうですが、演出もちょっと古いのでそこだけ、今見るにはうんざりするところかなと思います。
一応これは個人的な趣味の領域ですが、音楽を「ヴァルキリープロファイル」を手がけていた桜庭統が担当しているのでそれもキーポイントでした。
如何せん古い上に、女性キャラの登場が多くなく、イケメンの集いといってもそれなりにムサいのでおすすめかと言われるとなかなか難しいですが、個人的には好きです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

ロロ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リメイクしてほしい

項目評価してません


9話まで見ましたがストーリーとキャラはすごくよくて面白そうなのに
アニメーションサボりすぎなのと展開が遅いのが我慢できずにたぶん断念します


シャフトのようないい意味のサボりではなく悪い方です


内容は名前からもわかるとおり西遊記を現代版にしたような感じです
キャラがかっこよくなりすぎてますがw
三蔵法師なんて銃使いますしw
ジャンルとしては冒険、バトルものですね
キャラ達それぞれの暗い過去もあり内容がしっかりしている感じです(途中までしか見てませんが)


ですがOPとEDはめっちゃかっこいい
OPは2つともいいと思います
見るならアニメーション付きで『幻想魔伝最遊記』で検索してください


というのは続編がいくつかあって、見るときいろいろ出でくるからです
アニメを気に入ればその続編もあるということを報告しておきます


ほかにもレビューを書いている方がいうように、一見腐女子向けのように思われますが、中身はそんなことは全くありません


そう思われるのはOPでキャラたちがかなりセクシーに描かれているからだと思います


俺と同じくらいの年の方であればリアルタイムで何度か見たことのある方いると思うので
1度OPだけでも見てもらえばきっと懐かしく思うでしょう


自分は続きを見るなら漫画で見よう思います


投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

イツキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

幻想魔伝 最遊記 の感想

かつて世は、人間と妖怪とが共存する桃源郷と呼ばれていた。しかし、禁術とされている「化学と妖術の合成」によって牛魔王蘇生実験が計画され、その影響を受けた妖怪たちが一斉に凶暴化を始めたのだ。
かくして、牛魔王蘇生実験阻止の命を受けた三蔵法師は、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を連れ、西の天竺国を目指す物語――…

物語は、おなじみ「西遊記」をもとにしたアクションコメディと言ったところだろう。
時代は、中国の首都が「長安」と呼ばれていた頃――だからと言って、何故煙草や銃やブラックカードがあるのかと突っ込んではいけない。
登場人物は全員男だが、決してBLとかではない。
もう一度言う。
この話は決して、BL等ではない。

始終目立つのは、三蔵法師一行によるノリツッコミやボケ、そして、道中現れる妖怪退治(常に妖怪達が負けるフラグ)だが、登場人物4人は何かしら心に闇を抱えて生きている。
過酷な現実を身を以て知っているから、彼らは決して綺麗事は言わない。それでも、4人の運命に負けない心や生き方にはどこか惹かれるものがある。
この物語は、唯のアクションコメディではないことを頭の片隅にでも置いておいて、このアニメを観てもらいたい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

71.7 6 妖怪で笑いなアニメランキング6位
鬼灯の冷徹 第弐期(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (281)
1450人が棚に入れました
これは地獄のお話。
あいもかわらず亡者で溢れかえっている地獄では、閻魔大王の第一補佐官・鬼灯が、大王の補佐はもとより、亡者の呵責や獄卒たちの指導に、現世への視察と大忙しの日々を送っていた。
そんな鬼灯といつもの愉快な仲間たちに、鬼灯の幼なじみや双子の妖怪、自由気ままな雪鬼などなど新たな面々も加わり、騒々しくも楽しい地獄の毎日がいま再び幕を開ける!

声優・キャラクター
安元洋貴、長嶝高士、小林由美子、後藤ヒロキ、松山鷹志、喜多村英梨、青山桐子、柿原徹也、種﨑敦美、上坂すみれ、平川大輔、遊佐浩二、佐藤聡美、小倉唯、諏訪彩花

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

閻魔大王の第一補佐官・鬼灯の、地獄での冷徹な日常を描くコメディ。

「鬼灯の冷徹」2期です。

1期を見てから時間が空いていたのですが、
内容を覚えていなくても問題なく楽しめました。

1期では、キャラはまあまあ好きだったけど
ストーリーはそこまでハマりませんでした。

2期はストーリーも用語もわかりやすくなっていて、
1期以上に楽しめました^^

どうも1期から監督さんも制作会社も変わったようで。
(キャストはナレーター以外継続でした)

全26話です。


● ストーリー
ここは地獄。

閻魔大王の第一補佐官である鬼灯(ほおずき)。

鬼灯様は常に冷静で笑顔を見せないドSな性格。

地獄の個性豊かな仲間たちと過ごしながら、
今日も仕事に励む。


地獄の日常&お仕事ものです。

基本的に1話が短いエピソード2つで構成されています。

キャラクターはたくさんいるので、
エピソードの幅もとても広いです。

昔の偉人が今は地獄で働いている設定が多く取り入れられていて、

その人が生前にどんなことをしていたと言い伝えられているのかの説明や、今回の話の舞台となる地獄の場所についての説明があってからお話に入るので、

勉強にもなるし、
言い伝えられている姿と作品の中での姿のギャップを楽しめるし、
“地獄”という場面の使い方がうまいなと感じました。

あくまで地獄の日常なので、盛り上がりやインパクトを求めている人には物足りなく感じるかもしれません。

1回に1話視聴で十分満足でした。
連続で何話も見続ける作品ではありません。笑


● キャラクター
主人公の鬼灯様をはじめ、
キャラは豊富で個性豊か。

濃すぎるメンバーを束ねている鬼灯様が有能補佐官すぎる。

閻魔大王はどこか頼りないので、
鬼灯様がいなければ地獄はここまでまとまって機能できていないでしょう。

笑顔を一切見せることがなく、
立場が上の者に対してもどこか見下げている態度、

だけど人望が厚いのは、鬼灯様の判断力が的確なのと、彼が一番の仕事の鬼であるからでしょう。

自分が面白そう、良さそうだと思ったものは積極的に取り入れ、
地獄の体制をいくつも改革してきた鬼灯様。

部下に対して面倒見がよく、指示は的確で説明は丁寧、
人物の適所を見極めてスカウト。

ああ鬼灯様のような上司のもとで働きたい…。笑

cv.安元洋貴さんの声もかっこよくて鬼灯様にぴったり。


1期では登場しなかった座敷童の双子が、知らない間にレギュラーメンバー的立ち位置で登場しているのですが、どうやらOADで登場していたキャラのようですね。

OADはまだ観ていないので、鬼灯様の子どものようなポジションにいる二人が最初は不思議でしたw


ちなみに私が一番好きなキャラは「かちかち山」の兎である芥子(からし)ちゃんです。

普段は礼儀正しいおとなしい兎さんですが、狸を目にしたり“狸”という言葉を聞くと我を失うところがお決まりネタで、鬼灯様との相性の良さが好きでした。笑


● 音楽
【 OP「大!地獄地獄節」「拝啓、地獄より」/ 地獄の沙汰オールスターズ[鬼灯(安元洋貴)、閻魔大王(長嶝高士)、シロ(小林由美子)、柿助(後藤ヒロキ)、ルリオ(松山鷹志)、座敷童子・一子(佐藤聡美)、二子(小倉唯)、芥子(種﨑敦美)、YOUR SONG IS GOOD]】

前半OPと後半OPに分かれています。

たくさんのキャラがにぎやかに歌うOP。

合いの手のセリフも可愛いです^^


【 ED「リバーサイド・ラヴァーズ(奈落の恋)」「地獄でホットケーキ」/ 上坂すみれ(作中ではピーチ・マキ役) 】

こちらも前半EDと後半EDに分かれています。

ピーチ・マキは地獄のアイドルです。
が、今回のEDはマキ名義じゃないのでキャラは関係ないようですね。

私は後半EDの方が好きでした。


● まとめ
短いエピソードで構成されているので、
気楽に見やすい作品でした。

地獄のことも勉強になりましたし^^

鬼灯様はイケメン鬼なので、
女性的にはそこもポイント高そうですね。

死後に地獄に行って辛い刑を受けないように、
現世で悪いことしないように気を付けましょう。笑

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

実写化灼熱望

実写化して地獄の恐ろしさを見せしめていただきたい。
コメディー部分を除き、地獄の罰のみをひたすら再現し、
罪びとの行き着く先、辿り着かない終わりを映す。

そうすればこの作品を観て
「地獄も面白そうだし、そろそろ人生を終わらせるかぁ」
と世迷い言を抜かすアホを減らせる可能性があるかも。
いるのかどうだか知らんが。
・・・まあ言うだけならいいか、いや言うことも思うすらも罪か??


さて、原作はちょいちょい読んでおります。
一話完結なので面白いから読み続けることはあっても
きっちり一話を読めば、続きを読まなくても大丈夫。

内容は地獄コメディー。

日本では古くから仏教と神道が根付いているので、
それらに基づいた地獄は複雑怪奇です。
古事記と経典を読んで学びましょう。
わ、わたしも古事記は持ってますよ。
ちゃんと、読んで、読みますよ、生まれ変わる前に。

数百年数千年の時代の流れに伴い、
地獄社会も成長し成熟しながらも変化を続けております。
変化のない事業は破滅の一途を辿りますからね。

主人公は閻魔大王の補佐官、鬼灯(ほおずき)様。
そしてマスコットキャラは桃太郎の仲間、犬のシロさん。
登場人物はその他大勢。
その、あの、マジで登場人物が多いので説明無理です。
日本の地獄事情は中国とも関りが深いので、
作品では桃源郷も出てきます。


このアニメ作品でも一話完結で物語が描かれております。
静かな情熱と冷徹と厳格さを持って職務を遂行する鬼灯様、
好き好んでやっているのですが、傍から見れば完璧過ぎるブラック社畜。
そして愛らしいシロさん。
そしてその他大勢。

OPでシロさんが「魑魅魍魎って絶対書けない」と困り顔になります。
撫でたいその真っ白な毛並み。
EDは話が進むに連れ少し変化しております。
さすが何千何百年も続いた地獄事業、抜かりはありません。

一期を観ていないのでその違いは評価できません。

いつもは女性キャラの評価をしているのですが、
強いて評価するならキャラデザについてしましょうか。
キャラの顔が特徴的なのですが、
まず饅頭顔。
女性キャラはそれが顕著。
そして眼が大きめ。
女性キャラは真ん丸で大き目が多いが、
垂れ目、猫目、黒目部分の大小など割とバリエーションが豊富。
基本は目が大きく黒目部分も大きい。
私の中では勝手に「いきなり団子顔」と表現している。
他の表現もなくもないのですが、何かそれではないと思うし使いたくない。
けど、その特徴的な女性の顔もかわええですよ♪

あとマキミキならミキちゃん派です。
どっちも好きですけどね。


この作品の何が面白いかってなかなか表現しづらいのですが、
地獄を学べる、
ブラックユーモアコメディ、
時事ネタ多少、
現世に行く話があるのですがBGMのチョイスが秀逸、という普通にBGMええ、
お化けや神様も出てくる、海外からも出張してくる、
登場人物が非人なので非常に魅力的、動物も聖獣も幻獣も出てくる、

そういえば動物(っぽいのを動物とする虫とかも含めちゃう)
の造詣がきれい。
すごい写実的と思えばちゃんと古典的な資料に則ってそうだし、
と思えばうまくデフォルメされていたり、
うん、
この作品の動物みんな好き♪

基本、一回で二話構成。
どの話も全てが面白いとは言い難いが、
ツボな話は爆笑する。
つまらなくても一つ二つは知らない知識や情報が手に入る。
※この作品のネタ以外の情報が正しいかどうかは確信はない、
 けど作者さんや編集さんが良く勉強してそう

3期観ます。1期も観ないとなぁ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

騒々しくも楽しい地獄の毎日が今再び幕を開ける!

1期は録り貯めした分を一気見して色々笑わせて貰ったので、続編は絶対リアルタイムで視聴しようと心に決めていた作品です。

地獄のごくありふれた日常を切り取って描いたこの作品ですが、この作品の特徴といえば、何といってもキャラが活き活きしている事でしょうか。

鬼灯さんのどSっぷりは相も変わらず健在…
1期を視聴した時には上司と部下から信頼されている理想の中間管理職像だと思っていました。
もちろん、その印象は今でも変わらないのですが、だいぶマイペースな方だという印象が付加された感じです。
そして恨みがとても根深く、やり方がねちっこい…
でも何だかんだ言いながら閻魔大王の事を気にかけている、そのギャップは嫌いじゃなかったです。

相も変わらず健在といえば閻魔大王もでしたね…
地獄で一番偉く、強大な力を持っているのが閻魔大王…のはずなのですが、この作品では閻魔大王のどの辺が凄いかが全く分からないのが面白さのポイントだと思います。
CVの長嶝高士さんの演技も閻魔大王の魅力に拍車を掛けていると思います。

この物語の切り込み隊長といえば、桃太郎ブラザーズのシロ、柿助。ルリオの3人組です。
彼らが口火を切って鬼灯が切り返して物語が動いて行く…というのが一つのパターンなのですが、シロなんかが特にあっけらかんとしているので、パターン化していても飽きがこないんですよね…

でも今回の作品で個人的に一番気になったのが座敷童の双子の少女です。
1期を視聴したのが約3年前になるのでうろ覚えですが、1期には登場していなかったと思うんです。
登場していたら覚えていると思うんですが…
だって、この双子の少女のCVは、さとさとと小倉さんですよ…
それにあんなにセカセカと画面の中を縦横無尽に走り回るんです。
このインパクトって結構強烈だと思うんですけど…

この座敷童の女の子…顔立ちはとても可愛い上、キャラの仕草や言動と声優さんの声質がしっかり噛み合っているんです。
メインの役どころではないので登場する機会は限られていましたが、登場するのが楽しみなキャラでした。
閻魔大王のお腹の上で二人でスヤスヤ眠っているシーンなんか可愛さ炸裂です。
次はもう少し登場機会が増えるのを期待しています。

座敷童の他に個人的に高評価だったのが芥子でした。
パッと見は可愛い兎さん…でも一度スイッチが入ると真っ赤な目をした狂暴兎に早変わり…
そのギャップが私のツボに入ったようです。
CVが種崎さん、というのもポイントに加算されていますけれど…

タイトル通り騒がしい地獄の日常…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、地獄の沙汰オールスターズの「大!地獄地獄節」
エンディングテーマは、上坂すみれさんの「リバーサイド・ラヴァーズ(奈落の恋)」と最終話だけ「地獄の沙汰も君次第」
上坂さんのしっとりとしたエンディングは言うに及ばず…
でも思わず笑ってしまったのがオープニングで聞こえてくるシロの一言です。
「魑魅魍魎って絶対書けない…」
はい、私も書けませんので…

1クール全13話の物語でした。
1期も相当の人気作でしたが、2期も同じくらい人気が出るんでしょうね。
続編「第弐期 その弐」が2018年4月より放送される事が決定しているようですから…
もちろん続編もリアルタイムで視聴するつもりです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

64.3 7 妖怪で笑いなアニメランキング7位
映画 犬夜叉 時代(とき)を越える想い(アニメ映画)

2001年12月15日
★★★★☆ 3.6 (29)
331人が棚に入れました
高橋留美子の人気コミック(週刊少年サンデー連載)がTVアニメ化に続いて、ついに劇場映画化。戦国時代にタイムスリップした少女かごめと妖怪・犬夜叉のコンビが、大陸から攻めてくる妖怪軍団に立ち向かう。物語は原作を離れた完全オリジナル・ストーリーで、大陸妖怪軍団の首領・瑪瑙丸など新キャラクターも登場する。 15歳の誕生日に境内の井戸から戦国時代にタイムスリップした日暮かごめは、半妖怪・犬夜叉の封印を解いてしまう。こうして出会った二人は、妖力を秘めた“四魂の玉"のかけらをめぐって邪悪な妖怪たちとの戦いを繰り広げていく。だが新たに現れた大陸妖怪軍団の首領・瑪瑙丸の狙いは“四魂の玉"ではなく、犬夜叉が持つ鉄砕牙と呼ばれる剣だった。瑠璃と玻璃の美少女妖怪を従えた瑪瑙丸は、実はかつて犬夜叉の父と死闘の末に封印された過去を持っていたのだ。そして犬夜叉とかごめが出会った御神木にも隠された秘密が存在していた……。

くろゆき* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この世に迷いなき者 一点の汚れもなき者などいるのでしょうか。

最初は四魂の玉が砕け散るシーンから始まりました。何を今更と思っていたら、その砕け散った
破片のひとつが、ある薄暗い森の奥に落下します。と、大きな木から人型の妖怪がずるりと
落ちてきました。この四魂の玉のかけらが力を与え、眠っていたその妖怪を目覚めさせたようです。
それは言います。「封印を解くためには破滅の牙が必要だ」と。
と、そこからさらに二つの人影が矢のように尾を引きつつ夜空へ消えていきました。
 どうでもいいですが、ヤロウのはだかをドアップで映さないで下さい。かといって女ならいいと
言うものでもありませんが。

 とある田園を歩く殺生丸。そこに先ほどの影が飛び掛りますが、ほんの一払いで軽く撃退されて
しまいました。これが実はのちのち弥勒と珊瑚を苦しめた二人なのですが、それを大した苦労もせず
撃退するのですから、流石は殺生丸。よっ女殺し!(それは誉め言葉ではない)
 実は殺生丸の腰にさしていた剣が「破滅の牙」ではと思ったようなのですが、どうやら違うようです。
妖怪は影に命じます。
「これではない、別のところにある」

 画面は変わって現代。かごめちゃんが何と片手で卵をらくらく割っています。今時主婦でも卵の片手
割りはどうかというのに、伊藤家の裏技も使わずなんなく割ってます。そこまでうまいなら料理もうまかろ
うと思われるのですが、フライパンを熱しすぎて白い煙が立ち昇ったり、慌ててとき卵に砂糖を入れて
いたりと手順が悪いことこの上ありません。
 しかし驚くべきはその熱しすぎたフライパンで作った卵焼きがまったく焦げなかったことです。日暮
さんちのフライパンは今ハヤリのこげないフライパンを使っていると推測されます。しかしあれはフッ素
加工のため、白い煙が出るまで熱してしまうと毒ガスが発生するのですが、こんなところで死にそうな
目にあったら今回の敵の立つ瀬がなくなるのでそれは無視されたようです。

 さて、おいしそうなお弁当が出来上がり、じいちゃんが伸ばした手を撃退しつつかごめちゃんは戦国
時代へ向かいます。そんなに飛び跳ねたらお弁当の中身はグチャグチャだろうと思うのですが、真空
パックにでもしているのかまったく平気です。井戸を潜り抜けると、駅にチャリを置いている通学生の
ようにそこにあった自転車に乗って颯爽と走り出しました。

 一方犬夜叉達はというと、大きな妖怪と格闘の最中です。弥勒によると「大陸に生息するさそりという
妖怪」とのこと。素早く動き回る上に、ハサミと尾が彼らを狙い、大苦戦です。四魂のかけらを取り出し
さえすればいいのですが、そのありかがわかるかごめちゃんはのん気に自転車をこいでいる最中です
から、もう少し戦わなくてはなりません。というかかごめちゃんが戻ってくるまで井戸のあたりにいれば
いいと思うのですが、ここは本編の伏線となるところですから、大さそりもはりきって暴れまわっています。
 きららももちろん応戦しています。サソリの尾が前足を掠めたにも関わらず飛び掛っていきます。弥勒
はあまり役に立ちません(失礼)。落ちてきたさんごちゃんを抱きとめてお尻をなで、平手打ちをくらって
います。

 やっとかごめちゃんがやってきました。四魂のかけらが尾の先にあることを見抜きます。尾を切り落とす
犬夜叉。まってましたとばかりに弥勒が風穴に吸い込み、かけらも手に入れました。
 さあここでランチタイムです。かごめちゃんの作ったお弁当が広げられます。
 「かごめ様の作られたものでしたらどんなものでもありがたいことです」
 弥勒が余計なことを言って睨まれています。
 七宝ちゃん(一応今までも画面内にいました)がたこさんウィンナーをおいしそうに食べています。が、
何故今回に限って律儀に(犬夜叉含め)箸を使っているのでしょうか。
 やっぱり犬夜叉と、卵焼きを取り合うことになり、拳にものをいわせた犬夜叉にとられてしまいました。
「子供相手に大人気ない」となだめる弥勒ですが、たこさんウィンナーに箸を伸ばしたら七宝ちゃんとかち
合い、「何かを訴える子供のまなざし」攻撃(ばーいクレヨンしんちゃん)に、たこさんウィンナーを譲ることに
しました。
 かごめちゃんは自信作だった卵焼きの感想を犬夜叉に聞きますが、犬夜叉は「それよりもあれ、ねーのか」
と倦怠期を迎えた夫のごとく無視してリュックサックをごそごそ。カップラーメンを取り出します。
 お湯沸かそうぜという犬夜叉に対してかごめちゃんは、「おすわりおすわりおすわりおすわり…」と「ファン
カーゴ」のCMの人も真っ青な早口で唱えて立ち去ってしまいました。
 地面にめり込むどころか埋まってしまった犬夜叉を前に、弥勒は「今までで一番強烈なおすわりでしたな…」
とつぶやくのでした。

 しかしそんな彼らを見つめる影がありました。よみがえった妖怪です。妖怪にはストーカー法は適用され
ないので、物陰から見放題です。
 どうでもいいですが、彼の風貌を見る限り蛾の妖怪のようですが、そこら中に蛾をはびこらせて、リンプンで
窒息死したりしないのでしょうか。それでなくとも蛾の一生は短いと思うのですが。これで最後火が弱点
だったりして、「飛んで火にいる夏の虫」というのがオチだったら笑えますが、これは落語ではないので
ちゃんと戦うと思います。

 一方かごめちゃんは、大さそりとの戦いでガタガタになったチャリに乗りつつ森へ。壊れた自転車はとても
危険なので乗ってはいけません。
 そこには、何かの気配を悟ってやってきた桔梗がいました。相変わらずこの人、職業「死人」のままのよう
です。
 あわてて隠れるかごめちゃん。ところが自転車を倒してしまったので隠れるも何もありません。この音が
聞こえないのは志村けん扮するひとみばあさんくらいです。
 かごめちゃんがそおっと顔をあげた時、桔梗の姿は消えていました。

 場面は切り替わって弥勒とさんごに。きららが先ほどのさそりの毒にやられたようです。と、突然きららが
さんごの腕から飛び降りてどこかへ走り去ってしまいました。慌てて探す二人。
 森の奥へ入って行くと何やら顔色の悪そうな今時コギャルでもやらないメイクのお姉さんが2人。きららを
その腕に抱いています。
 弥勒は近づいて言いました。「私の子を産んではくれまいか」
 さんごちゃんの飛来骨がものの見事に弥勒の脳天にヒットしました。よく考えたらこれで妖怪を簡単に
吹き飛ばしているのですから、弥勒の頭には鉄板が入っているに違いありません。
 2人は言います。「この子の手当てはしておいた」
 さんごちゃんはお礼を言ってきららを受け取ろうとしますが、きららの様子が変です。突然さんごちゃんに
牙をむきました。
 驚くさんごちゃん達に「きららは我々がもらう」と2人。その姿がさらにきっかいな衣装に変わりました。
 同時に、さんごちゃん達に木のつるがからみつきます。足元からはさそりが。
 
 そう、あの大さそりも元々この妖怪達がよこしたものでした。その毒に触れたものを仲間にしてしまうの
です。この妖怪達の名前は瑠璃(るり)と玻璃(はり)。大陸から来たそうですが、思い切り日本名なのは
どう解釈すればいいのか悩むところです。もちろん今回の敵であり、2人のボスである瑪瑙丸などは、
丸がつく限り日本の妖怪じゃないのかと突っ込みたくなるのですが、突っ込んだところで撃退できるわけ
でもないので静観することにします。
 さんごを助けようと弥勒は風穴を開きさそりを吸い込みはじめます。そこへ瑠璃が「この時を待っていた」
と、弥勒の風穴を自らの手に模写してしまうのです。
 早速瑠璃がその風穴でさんごちゃん達を吸い込もうとした時、1本の矢が彼女らを追い払います。
かえでばーちゃんでした。
 変な気配がしたからやってきた、と七宝ちゃんの変化した馬に乗ってきたようです。ばーちゃんは牛だと
思っていたようですが。

 さて犬夜叉は。
 かごめにガツンと言ってやらなければ気がすまないと言いつつ探しています。
 かごめちゃんはというと、桔梗が立ち去った場所そして今いる場所が、初めて犬夜叉と出会ったあの
ご神木の前であることに気がつきます。犬夜叉が刺さっていたその場所に手を当てているうち、矢の
めりこんでいた穴に何か光るものがあることに気がつきました。それを取ろうとして指を切ってしまうかごめ
ちゃん。
 そこに犬夜叉が飛んできました。かごめちゃんが手を切っているのに気がつくと、懐に入れていたかごめ
ちゃんのハンカチを裂いて指に巻いてあげます。行為自体はとても素晴らしいのですが、人のハンカチで
やってしまうのが犬夜叉らしいところです。
 そしてさんごちゃん達と合流しようと帰りかけた時。
 蛾のリンプンが降ってくるのに気がつきます。
 それとともに現れた瑪瑙丸。さしずめ、歩く公害といったところです。
 犬夜叉はかごめちゃんに「息をとめていろ!気を失うぞ」とムチャなことをいい、自分は戦いに。
 
 瑪瑙丸の構えがどうも変だと思ったら、冥加じーちゃんが「大陸の妖怪」と解説してくれました。元が
昔日本に攻め入ってきた時に、どさくさにまぎれてやってきた妖怪らしいです。元の戦いって、元寇つまり
カミカゼというヤツですか?なるほど、日本の歴史の勉強にももってこいですが、テストとかで元寇の戦いで
「何故元は敗北したのか」の問いに「日本の妖怪が大陸の妖怪を追い返すために戦っていたから」と
日本中で1人くらいは書くやつがいるに違いありません。
 ともかく、犬夜叉が使う日本の抜刀術と違い、向こうは刀も太刀でありそもそも拳法との合体技ですから
なかなか難しいところです。確か日本の抜刀術は刀の構えから死角が出来るため、そこをつかれたら
ひとたまりもありません。
 そしてとうとうかごめちゃんは我慢の限界に達し、息とともにりんぷんを吸い込んで倒れてしまいました。
犬夜叉も瑪瑙丸の一撃を食らい倒れました。
 ここまでは少年漫画映画の定番です。
 瑪瑙丸は、ある封印を解くために鉄砕牙が必要だったのでした。
 地面に刺さった鉄砕牙を抜こうとしますが、結界が張られていて掴むことすら出来ません。
 彼はかごめちゃんに目をとめ、彼女を連れ去ったのでした。

 犬夜叉が気がつくと、心配そうに七宝が覗き込んでいました。
 かごめがさらわれたことに気付き慌てる犬夜叉。手当てをしてくれた七宝に一言のお礼もなく、かごめ
を救い出しに向かいます。
 一方かごめちゃんは。
 木のつるでしばられ気を失っている彼女に、玻璃が瑪瑙丸からもらった四魂のかけらを埋め込んだ勾玉
を額に取り付け、体の中に潜ませます。
 目を覚ましたかごめちゃん。気丈に矢をつがえます。そこへさんごちゃんと弥勒が駆けつけてきました。
 せまい室内(というか木の中)は大変です。
 犬夜叉もやってきました。
 ここで何故か瑪瑙丸は余裕たっぷりの表情。

 単純オバカな犬夜叉は瑪瑙丸の挑発に乗って、鉄砕牙の一撃を放ちます。しかしそれは、瑪瑙丸の
狙い通り封印を解いたのでした。
 その封印とは。
 瑪瑙丸は「飛妖蛾(ひようが)」という一族であり、封印されていたのはかつて犬夜叉の父と戦った瑪瑙丸
の父の力。つまりそれを吸収しようとしていたのです。どうでもいいですが、映画中「ひょうが」「ひょうが」と
連呼されて、まるで私が悪のボスのようで困りました。
 天井が崩れ始め、慌てて逃げるかごめちゃん達。

 封印はぐんぐん小さくなり瑪瑙丸の体に吸収されていきます。やがて彼の体をギリギリとりまくだけに。
その力に吹き飛ばされて、かごめちゃん達はバラバラになってしまいました。かごめの体を庇う七宝ちゃん。
やがてそこから幾千万の蛾が飛び立っていきます。
 その蛾は村を襲い人々の魂を抜き出します。殺生丸の元にもやってきましたが珍しく邪見が追い払いま
した。殺生丸に「下がっていろ」と言われたりんは「殺生丸様すごーい!」と感心しています。
 邪見はいばろうとしましたが、大きな蛾が顔に張り付き大慌て。殺生丸の心無い見事な蹴りで何とか
助かりましたが、またもさっさと置いていかれてしまうのでした。
 一方かえでばーちゃんのいる村にも蛾の大群が。しかしこちらはばーちゃんの結界で大丈夫でした。
 そこへボロボロになったかごめが七宝ちゃんを抱いて現れました。彼女は倒れこみ、気を失ってしまいます。

 がけから様子を見ている桔梗。彼女には、瑪瑙丸が「時代樹」を大きくしていることに気がつきました。
時代樹とはご神木であり、今その時代時まったく別の時の中にいる木なのです。
 そこへ殺生丸が。しかし彼は興味を無くしたかのように立ち去ります。不思議そうに尋ねるりんに対して
「あれは死人だ」と言う殺生丸。
 魂は空を飛び、時代樹の元へ。再びそれはぐんぐん大きくなり始めます。同時に木は生い茂り始め、
あたりを覆い尽くします。

 さて。ある洞窟に結界を張って逃れていたさんごちゃんと弥勒。あのたんたんたぬきの家に逃げ込んだ
ようです。体勢を整え、迎撃に向かおうとする二人。とめるたぬき。
 もちろん2人がタダで行くはずはありませんでした。たぬきを見つめる2人の顔は、きっと三途の川に
いる脱衣ババはこんな感じに違いありません。

 時代樹が大きくなる間手持ち無沙汰な瑪瑙丸は、大分前に張った伏線を思い出します。余興余興、と
嬉しそうに葉っぱを口に当て、音を出す瑪瑙丸。きっと小さい頃は「俺草笛吹けるんだぜ」と言いながら
友達と帰っていたに違いありません。500年も前ですから羨ましがられますが、今だったら「バカじゃねぇ?」
の一言で終わりです。
 その音に立ち上がるかごめ。かえでばーちゃんの声が遠くに聞こえます。
 体が言うことをきかないと気がついた時には、妖しく伸びた爪を振り下ろしていました。

 何とかケガをした体をおしつつ、つり橋をやってきた犬夜叉。巫女の衣装に桔梗かと思いますが、それが
かごめであることに気がつき近寄ります。
 ところが。
 長く伸びた爪が犬夜叉の体を貫きました。
 驚く犬夜叉。
 かごめの指先から爪が飛びます。
 何かに操られているらしいと気がつきますが、攻撃するわけには行きません。
 逃げる犬夜叉。
 ご神木の前にたどり着きます。
 一方、意識はあるものの体が乗っ取られているかごめもそこへ。
 矢をつがえますが、それが500年前と同じ状況であることに気がつきました。
 桔梗が犬夜叉を射た時のように。
 「逃げて、犬夜叉!」
 その瞬間、瑪瑙丸がいる球体に飛来骨が。思わず彼は葉っぱを離します。
 ようやくさんごと弥勒が駆けつけてきたのでした。
 そこへ現れる瑠璃と玻璃。ときらら。
 リベンジの始まりです。

 一瞬呪縛の解けたかごめは、犬夜叉に「今のうちに逃げて」と言います。しかし、冥加じーちゃん
にも「逃げろ」と言われていい加減頭に来ていた犬夜叉は「どいつもこいつも逃げろ逃げろとうっせぇ」
と逆ギレ。今までこんなに逆ギレをかます主人公がいたでしょうか。
 再び瑪瑙丸の呪縛がかごめを襲います。
 矢をつがえて犬夜叉を狙うかごめ。
 「犬夜叉!」
 叫びもむなしく矢は犬夜叉の胸に突き刺さりました。
 同時に、かごめの額から四魂のかけらが落ち、犬夜叉に刺さったはずの矢は消滅。あわててかけ
よるかごめ。しかし、犬夜叉の意識はありません。
 人の気配に顔をあげるかごめ。桔梗がいました。
 男を巡って女同士の恐ろしい戦いの始まりです。
「所詮お前と犬夜叉は生きている時が違う」
 冷たく桔梗は言います。結婚相手が気に食わない小姑の口調です。
 桔梗は時代樹の説明をした後、井戸を指差し「あれももうひとつの時代樹、つまりご神木から出来て
おり、あの時代樹に反応している」と言います。その通り、井戸からは新しい枝や芽が出始めていま
した。
「時代樹は我々とは時代を異にするもの。今頃お前の時代にも影響を及ぼしているだろう。訪れた冬は
もう終わることはない」
 そう言って桔梗はかごめに元の時代に帰れと命令します。
「犬夜叉をおいて帰れない」というかごめに「その犬夜叉を傷付けたのはお前だ。お前と犬夜叉が
共に生きていけるはずがない」と叫ぶ桔梗。いやー、女って怖いですね。
 続いて一喝とともに桔梗はかごめを井戸に突き落とします。その上から枝が井戸をふさいでいきました。
しかし桔梗も「無論、死人の私もな…」とつぶやくのでした。

 現代に戻ってきたかごめ。
 茫然自失のまま外に出ると、雪があたりを覆っていました。出かける前はきれいに咲き誇っていた
ご神木の花も枯れ、じーちゃんが一生懸命祈りを捧げていました。
「もう犬夜叉に会えない…」
 かごめはその場に座り込んでしまいます。

 その頃、弥勒は瑠璃と戦っていました。風穴をコピーした瑠璃。風穴対決ですが、もっと吸い込んでやろう
と風穴を大きくしすぎた瑠璃は、制御できなくなりみずから吸い込まれてしまいました。
 犬夜叉は意識を失ったままです。
 現代ではじーちゃんが祈りを捧げていますが、まったく効き目はありません。
 お母さんが羽織るものを持ってきました。巫女姿で座り込んでいるかごめにもかけてやりますが、それでは
足りないと思い、コートを持ってこようとします。
「あなたはあなたのしたいようにすればいじゃない?」
 お母さんはかごめににっこり微笑んでみせました。
 
 さんごはきららにのった玻璃に大苦戦しています。きららを傷付けるわけにも行かず、玻璃の攻撃も相当
なものです。
 玻璃はきららにトドメをさすように命じました。
 襲いかかってくるきららを前に、さんごは抵抗をやめました。
「苦しいのは私だけじゃない」
 弾き飛ばされるさんご。
 もう一撃、と玻璃はきららに命じますがきららの様子が変です。岩に頭をぶつけています。
 何をしているのかと問う玻璃にさんごは「きららも頑張っている」とつぶやきます。
 そしてきららの額から、勾玉が落ちました。
 やっと正気に戻ったのです。
 一気に形勢逆転するさんご。
 玻璃の体を真っ二つ。
「まだまだこれから!」と叫ぶ玻璃でしたが、魂を瑪瑙丸に吸い取られ落下していきました。

 一方かごめは、胸の四魂のかけらが光っていることに気付きます。急いでご神木に駆け寄るかごめ。
「かごめ、そこにいるのか!?」
 何と、犬夜叉の声が聞こえてきました。
「何だよ、逃げちまったのか」
 茶々を入れる犬夜叉に、否定しかけてかごめは「私、逃げてたのかも…」とつぶやきます。
「私、居ても何もしてあげられないから」
 と言うかごめ。
 犬夜叉はふと顔をあげてかごめの姿を見ました。優しくかごめを抱きしめる犬夜叉。
「俺にはお前が必要なんだ」
 二股かけている男が、どちらの女にもよく言うセリフです。
 
 かごめちゃんは戦国時代と切れたわけではないことに気がつき、井戸に向かいます。ところがそこ
からは木の根っこがうようよと出ていました。
 ご神木に向かって「犬夜叉、井戸に入れない!木がふさいでいる」とかごめちゃんは言います。
そこに「おねえちゃんが壊れた」と突っ込む弟。なかなかツボを心得ています。
「巫女の矢があるだろうとかえでが言ってる!」犬夜叉のアドバイスに、そんなもの…と言いかけて
かごめちゃんは、何かが埋まっていてそれを取ろうとして手をケガしたことを思い出します。
 じーちゃんから破魔矢を1本もらってそれをご神木に突っ込むかごめちゃん。
 抜いた時には矢じりがついていました。
 じーちゃんから弓矢を奪い取り、かごめは駆け出します。お母さんが「これ」とクリーニングした制服
を差し出してくれました。
 それに着替えてかごめちゃんは矢を井戸の底に向けます。
 放たれた矢はみるみるうちに根をボロボロにし、その後を追ってかごめちゃんも飛び込みました。

 犬夜叉は、戦国時代の方でも木が井戸を覆っているのを見て、鉄砕牙でそれを取り去ろうとします。
七宝に下がるように言い、刀を構えた瞬間!
 爆発とともにかごめちゃんが戻ってきました。七宝と会い、「犬夜叉は!?」と言うと、吹き飛ばされて
黒焦げになっていました。
「なにしやがんでぃ!」
「井戸がふさがっていたからあんたの言う通りにしてきたのよ!」
 さっそく痴話げんかです。
 止めねばかごめが帰ってしまう、という七宝に「大丈夫、いつもの2人じゃ」というかえでばーちゃん。

 時代樹の上にある魂の固まりはますます大きくなっていました。
 さんごちゃん、弥勒の元へ犬夜叉もやってきます。犬夜叉の鉄砕牙ではまったく役に立ちません。
その上力をすっかり吸収した瑪瑙丸は雑魚妖怪で襲わせます。かなりどうでもいいですが、巨大化した
瑪瑙丸は上半身裸にスカートを身にまとっています。ハッキリいってただの変態です。きっとスカートの
下もはいていないに違いありません。とんだセクハラ妖怪です。これでは年末の忘年会でも笑いを
とるどころか静まり返ってしまうでしょう。

 援護に回るさんごちゃんと弥勒。七宝ちゃんも追いかけられながら頑張っています。
 かごめちゃんが矢を抜いてかまえました。
「あんたなんか大っ嫌い!」
 矢が瑪瑙丸を掠めます。それが強大な力を持つことに気付いた瑪瑙丸。
 そしてかごめちゃんも、瑪瑙丸の額に力が集まっていることに気付きます。
 そこに向かって矢を放ち、出来た結界の隙間に犬夜叉が爆流波を放てば勝てるかもしれない。

 1本目は外れてしまいました。ところがそれが瑪瑙丸の左の羽をもぎ落としました。そのあまりの威力に
本気でビビるかごめちゃん。まるでちょっと脅しのつもりで壁を殴ったら、その壁がもろくてぽっかり穴が
あいてしまったのに驚く不良のようです。
「今度は絶対大丈夫だ!俺が必ず爆流波を叩き込んでやる。お前はいつものように睨んでろ」
 かなり失礼な言葉ですが、犬夜叉なりに励ましています。
 ムッとしながらも狙いを定めるかごめちゃん。しかし周囲の風に流されてなかなか狙いが定まりません。
「何やってる!早くしろ!」
 かごめちゃんも言い返しました。
「あたしのことだって信じなさいよね!矢が届かないかも知れないのよ」
 犬夜叉はニヤリと笑った後、「じゃあお前の矢を俺が爆流波で加速させるぞ」と言って鉄砕牙を
構えます。
 ついに放たれた矢が、空気を切り裂いて瑪瑙丸へ。爆流波が矢を押し、見事額を貫きます。
 そして瑪瑙丸は滅んだのでした。

 木も元に戻り、たんたんたぬきに乗って一同は村へ。
「よくぞ瑪瑙丸を倒されましたな、犬夜叉様!」
 冥加じーちゃんも嬉しそうです。
「やはりワシが教えた弱点を…」
「何にもしてねぇ」
 あわれじーちゃんは叩き潰されたのでした。


 ああ、またあらすじ説明かよ私…。
 最初の方でも言いましたけど、面白いなと思ったのは途中かごめちゃんが現代に無理矢理戻されて
しまうこと。それも敵の手によってではなく、恋敵の桔梗に。憎い演出ですよ。
 ただ残念だったのは、CMのカットがいくつか使われていなかったこと。
 さんごちゃんの「きらら、ごめんね…!」はなかったし、かごめちゃんがご神木を見上げて「もう犬夜叉
に会えない…」とつぶやくシーンもなかったです。どちらかというと茫然自失状態で言ってました。制服
ではなく巫女姿で。
 あと、CMのキメとなる「俺を信じろ!」と鉄砕牙を振るうシーンも違ってたな。残念。
 ま、出来上がる前からCMしてるわけですから仕方がないですね。
 だけどホントに面白かったです。
 ジャンプ映画を否定するわけではないけど、主役の前にかつてない強敵現る→主役コテンパンに
やられる→普段は敵の人間が助けてくれる→印籠的アイテムが出てくる→敵倒す、というパターンに
慣れていたので、ライバルが助けるどころか更に敵、アイテムなし、というのはなかなか新鮮で面白
かったです。
 ただひとつだけ難癖つけるなら、殺生丸が出てくる意味が「一応オールキャストで出しとこう」的な
立場でしか描かれていなかったこと。
 何かをするわけでもなく、ただ歩いているだけ。ちょっと残念でしたね。例えば七宝を助けて立ち去る
とか、何か「この為に出てきたのか!」という役割が欲しかったかな。
 あともうひとつあったや。「時代樹」というのが非常に分かりにくかった。上の感想でも大分おざなりに
なっていますが、映画の中で私が理解したとおりに書いてます。つまり、瑪瑙丸が眠っていたのが
時代樹という木で、妖しい力を持っているらしく、その中に力が封印されていたらしいです。よーわからん。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

ootaki さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

関係性がまだまだ

アニメ第1弾なのですが、見ていて少し辛かったです。悲劇が多過ぎて、戦国時代より過酷な内容でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

65.9 8 妖怪で笑いなアニメランキング8位
GS美神[ゴーストスイーパー](TVアニメ動画)

1993年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (128)
662人が棚に入れました
GSの仕事には巨額のギャラが発生します。例えば巨大オフィスビルに住み着いた悪霊を退治して「悪霊からの地上げ」を 成功させれば、何億ものギャラが転がり込むというビッグビジネスなのです。主人公の美神令子はそんな花形職業の中でも実力も超一流ならギャラも超一流の美人ゴーストスイーパー。美神はこうした事件にまつわる妖怪、悪魔、悪霊たちを様々な特殊アイテムを使って、退治したり時には成仏させてギャラを稼ぎまくります。美神のパートナーは、美神の色香に血迷って自給250円という超安いギャラでアシスタントのバイトをしている横島くんと美神にお祓いしてもらって成仏するため日給30円のギャラを貯めている300年前の娘の幽霊おキヌちゃんの二人。これに美神の商売敵やとんでもない能力を持った世間知らずの箱入り娘GS等が絡んで、オカルチックな中にコミカルなアクションやギャグが満載。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

時代を彩った、ハイテンションギャグアニメ

[文量→小盛り・内容→雑談系]

【総括】
「悪霊からの地あげ」

なんて楽しげな作品でしょうw

主人公の美神令子は、そんな花形職業の中でも実力も超一流ならギャラも超一流の美人ゴーストスイーパー(ボディコンで、超バブリーですw)。

そして、美神の色香に血迷って自給250円でアシスタントをしている、横島くん。美神にお祓いしてもらって成仏するため日給30円のギャラを貯めている300年前の幽霊娘、おキヌちゃん。

うん、おもしろそうw 秀逸な設定。

にも関わらず、日曜朝の放送。それはムチャでしょうw そのせいで、イマイチ良さを発揮できなかった部分も(苦笑) 今の作画で深夜帯にやれば間違いなく面白いので、リメイクしてほしいな~。

レビュータイトルでは一応「ギャグ」としましたが、魅力はそれだけじゃありません。一時期のサンデーを支えた看板漫画が原作。正直、原作の方が面白いけど、やっぱり、あの美神のボディコン姿が動いているのは素晴らしいですよね(笑) 自分的にも、思い出に残る作品のひとつです。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
アニメではそこまで描ききれてはいませんでしたが、本作には、横島くんやおキヌちゃんの成長物語という側面。また、恋愛物語としての側面もあります。その辺は是非、原作も読んでほしい♪

私はとにかく、おキヌちゃんが好きでした♪ 不憫で、萌えるw 私は、「不憫萌え」「不遇萌え」なんです(笑)


、、、。さて、本作の主人公「美神令子」を演じた、「鶴ひろみ」さんですが、先日、お亡くなりになったというニュースを見て、驚きました。訃報に際し、本作を思い出すに至りました。

「ドラゴンボール」の「ブルマ」。「らんま1/2」の「久遠寺右京」。なにより、「アンパンマン」の「ドキンちゃん」。

強気で、でもちょっと抜けててニクメナイ、可愛らしいキャラクターばかり。日本のアニメを語る上でも、外すことのできない声優さんの御一人だと思います。

きっと、ドキンちゃんの声優さんは新しい方になり、その魂を引き継いで新たな歴史を作っていくのでしょう。そうであってほしいです。でも、私の中のドキンちゃんの声は、たぶんずっと鶴さんだと思います。

御冥福を御祈り致します。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ボディコン除霊師登場! 美神除霊事務所出動せよ!!

長い髪なびかせて~♪悩ましげなボディ♪

この都市(まち)を♪ハイヒールで~
跳び回れば Big money coming,yeah!

このOPがとってもカッコ良かったですね。
夜の摩天楼に蔓延る霊と戦うゴーストスイーパーたち。
EDの余韻も素晴らしいのです。

GS(ゴーストスイーパー)とは
霊退治をする国家資格も存在する職業のこと。

朝の8時半から放送されていたサンデーアニメ。
バブル時代の象徴ボディコンに身を包んだ主人公
『美神令子』と愉快な仲間たちが暴れ回ります。

日曜朝からボディコンねーちゃんが拝めるとは…

(T人T) アリガタヤ×2


朝アニメらしく原作より多少表現の軽減があるものの
全45回にしては作画の崩れも少なかったですし
回によっては原作再現120%くらいの出来でした。
何より全話原作にある話だというのがいいですね。

原作のキレキレなギャグ度を完全再現は流石に難しい…。
アニメ化によるメタフィクションも多く盛り込まれてました。


よく勘違いされているのですが、
この『GS美神』アニメとして“大成功”を収めました。
枠屈指の視聴率なのに予定通りの一年で放送が終わったのは
子供向けに玩具が売れなかった一点だけ。
いくら視聴率が良くてもスポンサーは玩具メーカーなので
そうなりますね。(慈善事業じゃないので)

同作者の『絶対可憐チルドレン』も朝枠で、
ヒロイン明石薫の母と姉がGS美神の
メインヒロインを担当した声優2人。最高。

作者も犯人役で登場と、当時とても嬉しかったのを覚えてます。

原作9巻までのエピソードがアニメ化
1話完結が多い原作なので時系列は再構成されていて、
最終話は今までの主要な登場キャラが出るお祭回。

6巻で登場する夢を操る悪魔『ナイトメア』が
佳境の話として登場します。原作はこの後10巻から
助手の横島忠夫が美神令子と並ぶW主人公として
成長し始め俄然面白くなるのですけど、
アニメでは、残念ながらここまで。

結果論ですが朝アニメとして良い作品だったので
不完全燃焼なくらいが華なのかもしれない。
綺麗な思い出として残ってよかったと今では思ってます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

01oinaris さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1993年当時のギャグアニメの中では一番だった

このアニメを見るためだけに日曜朝早起きしていたなぁ。
ふと懐かしくなって半年前に再度視聴。

容姿端麗運動神経抜群(ただし金に強欲な守銭奴で性格に難がある)なゴーストスイーパー・美神礼子が、助手の主人公・横島忠男や幽霊のおキヌちゃんを超薄給(おキヌちゃんはほぼタダ同然)で奴隷のように働かせつつ、巷に蔓延る悪霊共を退治して金儲けするというストーリー。
基本的にはギャグアニメ。典型的なボケ&ツッコミ、ちょっとしたお色気シーン(日曜朝から家族でも見られるレベルですが)、ごく稀に入る自主規制ピー音、四半世紀前を思い出しながら楽しめました。おキヌちゃんはやっぱりかわいいなぁ。
当時原作コミックも買ってましたが、そちらの方が笑いどころが多かった。アニメは原作の面白さを出し切れていないのがちょっと残念。

この年齢になって再視聴すると、あの当時とはまた違った観点になります。
美神&横島ペア、良く声を聞いていると…あの世界的人気アニメの夫婦。
そう、鶴ひろみ&堀川りょう!(鶴さん…合掌&涙)ブルマとベジータです。
声質もかなりそれに近いので、目をつぶって聞くと女王ブルマと変態ベジータの夫婦漫才にしか聞こえない!
きっとベジータは家の中ではこんな感じ…?と想像してみたり。
そして千葉繁(ドクターカオス)の怪演、うる星メガネやめぞん四谷を彷彿とさせる。

最近のアニメしか知らない若者にはあまりお勧めできる作品ではないですが、30代より上の方でふと当時のアニメを見返してみたくなった…という人にオススメします。

鶴ひろみさんの声聞いて感傷に浸る…きまぐれオレンジロードも見返そうかな…

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

70.8 9 妖怪で笑いなアニメランキング9位
平成狸合戦ぽんぽこ(アニメ映画)

1994年7月16日
★★★★☆ 3.6 (518)
3329人が棚に入れました
東京・多摩丘陵。のんびりひそかに暮らしていたタヌキたちは、ある時、エサ場をめぐって縄張り争いを起こす。原因は人間による宅地造成のため、エサ場が減ってしまったから。このままでは住む土地さえ失くなってしまうと、タヌキたちは開発阻止を目論み、科学の発達した人間たちに対抗するため先祖伝来の″化け学″を復興させることとなった。化け学の特訓が始まる一方、四国や佐渡に住むという伝説の長老たちへも援軍を頼む使者が向けられた。かくして人間たちが露とも知らぬ所でタヌキたちは勝手に蜂起した。

声優・キャラクター
野々村真、石田ゆり子、三木のり平、清川虹子、泉谷しげる、芦屋雁之助、村田雄浩、林家正蔵
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

第四の壁

 高畑勲監督による子供向けの映画ですね。二時間くらい。

 ストーリーの展開はすごく良かったです。これは、ナレーションのおかげでしょうね。「ぽんぽこ」は、普通に作ったら二時間では到底収まらない分量だと思います。でも、ナレーションを使って場面と場面をつなぐことで、大幅な圧縮が可能になっていました。また、見どころの多いところを中心につないでいくことで、エンタメ性の増大にも寄与していたと思います。落語調のナレーションも、この作品の雰囲気とよく合っていました。
 キャラの動きも良かったですね。たくさんの動物を動かすのは大変だったとは思いますけど、妥協していた箇所は見受けられませんでした。この辺の妥協の無さは高畑勲監督っぽさが出ていますかね。

 あと、高畑勲監督は、人間社会に対抗して敗北していくタヌキたちに、自分たちの学生運動などを重ね合わせていたっぽいですよね。それっぽい描写が、機動隊との対峙シーンなどに見られました。
 個人的には、インタビューやらブログやらツイッターやらで政治的な主張をしている映画監督を見ると、「作品内で語れや、この○○が!」と考えてしまう質なので、作品内で主張している分にはとやかく言う気はありません。映画自体が歴史的にプロパガンダであったり反プロパガンダであったり、ってところもありますからね。「アリス」のレビューで、主人公無双でもハーレムでも現実逃避でも原作者の好きにやったらいいよって書いているんですけど、それと同じです。原作者の趣味嗜好はもちろん、思想だって作品の質を左右しませんから、好きにやったらいいと思います。外観をもって批判するのは、ルパンを見て「泥棒だからダメ」と言うのと同じくらいナンセンスだと考えています。
 ただ、原作者の思想が透けて見えたり前面に出て来ていたりすると、やっぱり説教臭くなるんですよね。また、現実の思想が介入してくるせいで、フィクションとしてのめり込めなくなってしまう。大人向け映画ならまだしも、子供向け映画ならもうちょっとマイルドでも良かったかな、と思います。

 で、この辺の相乗効果が変な方向に現れてしまったようにも感じました。頻発するナレーションとリアルすぎるほどのリアルさ、そして、全編に漂う説教臭さ。これらのせいで、現代ファンタジーでありながらも、ドキュメンタリーに片足を突っ込んでいるようにも思えました。そこは少し残念なところ。
 でもまぁ、そうは思うものの、子供と大人で作品の解釈が変わるとか、子供にとっては娯楽作品でも大人とっては社会風刺であるとか、そういう二面性を持たせた作品を作るのはジブリのお家芸ですからね。この作品が子供向けに作られているのは確かでしょうし、子供にとって娯楽作品として成立している以上、批判する気はないですけどね。

 で、この作品を見たのは半年くらい前のことで、高畑勲監督作品のレビューを書くなら最初は「かぐや姫」がいいかなぁなんて思い放置していたんですけど、ふと思い出すきっかけがありました。
 先日、友人と食事をしているときに、今年の大河ドラマの「真田丸」が面白いよ、と言われました。私は見ていなかったので話題に乗ってあげられなかったんですけど、三谷幸喜監督が手掛けているらしいですね。
 そんなわけでの「ぽんぽこ」レビューです。


第四の壁:{netabare}
 第四の壁っていう言葉があります。
 もともとは演劇用語で、「舞台と観客を隔てている想像上の透明な壁」という意味で使われます。舞台上のストーリーと客席にいる観客には一切の関係性がありませんから、その間には見えない壁があるよねってことです。今では演劇だけではなくて、映画などでも使われています。平たく言ったら、「フィクションと現実の境界となる壁」ということです。

 ウィキペディアを参照すると、
 第四の壁は、フィクションと観客の間にある不信の停止(※)の一部である(※不信の停止:観客はフィクションを見ている間は「こんなことは実際には起こらない」などという無粋な突っ込みを抑えること)。
 通常、観客は第四の壁の存在を意識することなく受け入れており、あたかも現実の出来事を観察しているかのように劇を楽しんでいる。第四の壁の存在は、フィクションにおいて最も良く確立された約束事の一つである
 と、説明されています。

 私たち視聴者はフィクションを当然のようにフィクションとして見ていますから、この第四の壁は常に存在している、と言えます。ですが、しばしば演出として(意図的に)「ここに第四の壁があるぞ!」と明示されることがあります。
 例えば、舞台上の役者が、観客に見られていることに気づいてしまうとか、観客とコミュニケーションを取ってしまうとかですね。これにより観客は、第四の壁を意識してしまい(フィクションであることに疑いを持ってしまい)、同時にフィクションと現実の境界が破られてしまうのです。このメタ的な演出を「第四の壁を破る」と言います。

 映像で確認したい方はこちら↓をどうぞ。
 <https://www.youtube.com/watch?v=JLAaUvsKljc>
 視聴者とコミュニケーションを取ってしまう演出は、0:15~0:40、2:30~3:15あたり。
 作品世界が映画であることを明示してしまう演出は、4:30~4:54、5:00~5:45あたり。
 第四の壁を破って映画というフィクション性を壊している点ではどちらも一緒です。
{/netabare}

おまけ①アニメにおける「第四の壁を破る」演出:{netabare}
 アニメでも「第四の壁を破る」演出が使われることがあります。

 私が一番印象に残っているのは、「のんのんびより」第一期の最終回ですね。{netabare}
 エンディングテーマが流れ始める、文字通り最後のところです。カメラを背にして遠ざかっていくメインキャラ4名が、突如としてカメラに振り向いて、視聴者に向かって手を振る、という演出が入っています。フィクション内のキャラクターたちが、本来一切の関係性を持たない視聴者に対してアクションを起こしたわけですから、典型的な「第四の壁を破る」演出ですよね。これにはすごく驚きました。

 「のんのんびより」は「日常もの」の作品ではありますけど、私たちは現実の日常としては見ていませんよね。あくまでもフィクションの日常として楽しんでいます。これが、第四の壁の存在を前提とした見方です。
 でも、最後の最後になって、私たちが認識している第四の壁は彼女たちにとっては存在していなかった、ということが明かされてしまいました。「のんのんびより」には終始無言を貫くお兄ちゃんというキャラがいましたけど、私たちの存在はそれに限りなく近かったんですね。話もせず、ストーリーにも影響を与えないけれど、近くでずっと見ている存在。
 彼女たちが第四の壁を破ることで、私たち視聴者とこの作品の在り方が変わってしまいますよね。フィクションの日常であったものが、現実の日常に転換されてしまうんです。あのまま振り向かずに遠ざかってくれれば、それは単なる「アニメのキャラとのお別れ」に過ぎないんですけど、第四の壁がなくなってしまうと「現実の友人とのお別れ」に比肩してしまうんですね。これにより、「もう会えなくなる」という寂しさを増幅させる効果が、とてもよく出ていました。

 ニコニコで見つけた件のシーン。ホントはもう数秒前から欲しかった。
 如何に効果的な演出だったのかが、コメントから伝わってきます、かね?(笑)
 ホントはコメントなしのが欲しかったんですけど、残念ながら見つけられませんでした。
 <http://www.nicovideo.jp/watch/sm22644446>
{/netabare}{/netabare}

ぽんぽこ:{netabare}
 「ぽんぽこ」でも、「第四の壁を破る」演出が使われています。「のんのんびより」と同じく、エンディングで直接的にコミュニケーションを取る演出方法です。具体的には、ショウキチが「タヌキが消えたって言うけど、確かに姿を消せるタヌキもいるんだけど、ほかの動物はどうなの? 姿を消せるの?」みたいなことを視聴者に語り掛けてきます。視聴者(現実世界の人たち)が殺したんでしょ?という皮肉ですね。
 この視聴者に対する問いかけ(という名の皮肉)というのは、高畑勲監督の基本スタイルですよね。高畑勲監督は主題に対して何らかの意見を持っていて、その主張を混ぜながら、視聴者に対してどう思っているの?と問いかけてくる。これを、作品と視聴者を対比させる構成でやっています。

 「火垂るの墓」がいい例で、オープニングとエンディングは、視聴者に対する語りになっています。{netabare}
 オープニングは「僕は死んだ」というセリフだったかと思います。「死にそう」の場合はその時点での主観的な視点ですけど、「死んだ」の場合は死んだあと、すなわち、未来からの客観的な視点ですよね。
 未来からの客観的な視点というのは、まさしく視聴者の視点と同じですから、視聴者と同じ位置に立って視聴者に対して語る、というのをオープニングでやっているんです。

 エンディングはこれです↓。まずは、この動画の2:20くらいのところからラストまでをじっくり見てください。
 <https://www.youtube.com/watch?v=Dn-saPIsrd0>
 2:34からの数秒間はカメラ目線になっていますよね。目が合っているような気がして、少しドキッとします。第四の壁を破ったかどうかのギリギリのラインですけど、カメラ(視聴者)を意識しているのは確実です。そして、その後はビル立ち並ぶ未来の街(私たちにとっての現実の街)に視線を移します。ここからも、過去のフィクションに存在している主人公が、未来の現実に存在している私たちを意識している、というのが伝わってきます。
 つまり、視聴者に語り掛けるオープニングに始まり、視聴者に語り掛けるエンディングで終わっているんです。
{/netabare}

 「ぽんぽこ」も、この構成を使っています。
 オープニングでは、タヌキは現実の動物としての姿を取っています。このタヌキを丸いレンズで撮るように演出して、そこにタヌキのナレーションを入れています。タヌキを見ている私たちへのタヌキからの語りですね。キャラクターが現実にいる視聴者と同じ位置に立って視聴者に対して語るというのは、「火垂るの墓」と同じです。
 エンディングが、「第四の壁を破る」演出です。上記のショウキチのセリフを入れて、作品の総括をメッセージとして伝えています。また、この後は、タヌキたちの踊る森からビル立ち並ぶ私たちの街へと変わります。私たちにとっての現実の街で作品を締める、というのも「火垂るの墓」と同じです。

 「火垂るの墓」も「ぽんぽこ」も、構成が全く同じだってことは分かりますよね。オープニングとエンディングでは現実世界の視聴者に対する語りをしておいて、その間にフィクションとしての本編を置く、という構成です。フィクションと現実を作品内で対比させることで、主人公たちの境遇と私たちの境遇を対比的に見ているんですね。この対比をもって、両作品では、「あなたたちの繁栄は、私たちの犠牲のもとに成立しているんだよ」という痛烈な皮肉をしています。
 この「フィクションと現実の対比的な関係を作品内に作り出して、視聴者に対する問いかけ(という名の皮肉)を行う」というのが、高畑勲監督の基本スタイルなんだと思います。

 で、「火垂るの墓」と「ぽんぽこ」のエンディングでの演出方法には、ほんの少しですけど違いがありますよね。カメラを見つめるだけで第四の壁を破ったのかどうか微妙な「火垂るの墓」と、カメラに話しかけることで明確に第四の壁を破ることとなった「ぽんぽこ」。この差は、単純に子供への意識の差だと私は思います。

 「火垂るの墓」は、子供向け映画という意識はあまりなかったんだと思います。だから、見つめる程度で終えて、別に分かりにくくても良かった。数秒カメラを見つめる程度の演出では、その意図は子供には伝わらないと思います。それを分かっていて、それでも子供向けではないからいいや、大人にだけ皮肉が伝わればいいや、と判断したのでしょう。上記のエンディングで、{netabare}セイタは見つめてくるけど、セツコは寝たまま、{/netabare}というところにもこれが表れているのかもしれません。

 でも、「ぽんぽこ」は、子供向けの娯楽映画として作ろうっていうのが大前提にあったんだと思います。子供向けの娯楽映画として、何よりも分かりやすさを優先したかった。だから、直接語り掛けるという「第四の壁を破る」演出を選んだんだと思います。直接語り掛けちゃえば、子供にだって分かりますからね。そして、何を優先的に伝えるかを考えたときに、高畑勲監督個人の思想よりは、子供にも身近であろう「自然を守ろうね」にしたのでしょう。

 なお、「ぽんぽこ」が視聴者への問いかけ(という名の皮肉)のために作られていたことが、ナレーションによっても分かるようになっています。最終盤において、ショウキチの語りが途中から古今亭志ん朝のナレーションに代わるところがあるんですけど、これによって、今までのナレーションがすべてショウキチの語りであったことが判明します。最終盤に来て初めて、視聴者はずっとショウキチに語り掛けられていたことを知るのです。


 高畑勲監督の作品は、構成はかなりかっちりしているんですよね。少なくとも私個人は、宮崎駿監督よりはかっちりしていると思っています。ただ、構成はかっちりであるものの、中身は文学的というか文芸的というかそういう感じが強いですよね。説明が迂回的、と言ってもいいです。まぁ、読み取りが難しくて、分かりにくいってことです。直接悪口を言うのではなくて、皮肉として言うところにもそれが表れていますよね。しかも、エンタメ性も高くないですから、見る人をすごく選ぶような気がします。
 でも、「ぽんぽこ」に関しては、子供向けの意識が強く働いたこともあってエンタメ性が高くなっていますし、それでいて構成のかっちり感は失われていないですし、主義思想という作家性も出ています。これらが高い次元でまとまった、すごくいい作品だと思います。子供のころに見ただけだなって人は、ぜひ大人の視点で見直してみてください。
{/netabare}

おまけ②カメラを使った「第四の壁を破る」演出:{netabare}
 「第四の壁を破る」演出が、カメラによって行われることもあります。本来意識されていないはずのカメラの存在を視聴者に認識される、という手法です。カメラの存在が認識されると、そこにカメラが置いてある(=そこに撮影者がいる)となりますから、第四の壁は自然と破られてしまいます。
 「クロスロード」のレビューで、「この作品はカメラで撮影しているよ!」演出について書いたんですけど、あれも「第四の壁を破る」演出の一つです。レンズ効果によって、性能的なカメラの存在がアピールされています。
 新海監督はメタ的にこの演出を使っているわけではないですけどね。レンズ効果を使って画面内のキラキラ感を最大化しているだけだと思います。

 ここではその話ではなくて、物理的に干渉されたカメラの存在アピールの話をします。例えば、落ちてきた雨粒がカメラのレンズに当たるとか、跳ね返った泥がカメラのレンズに当たるとかですね。何かがレンズに付着することで、透明なはずの第四の壁を目視できるようになってしまいます。

 アニメでも、こういう演出は多いですよね。一番最近見たものだと、「甲鉄城のカバネリ」の第9話です。
 詳しい内容はここでは述べず、カバネリのレビューに譲ります。
{/netabare}


雑記:{netabare}
 また横断的な書き方になってしまいましたね。申し訳ないです。
 なんとこのレビューで登場したアニメ作品は、ぽんぽこ!火垂るの墓!のんのんびより!カバネリ!の4作品。このアニメ4作品に加えて、実写映画にまでリンクを貼る始末! 単発映画のレビューのはずなのに、目も当てられません。すみっこでこっそりやるシリーズへの並列すらためらわれるレベルです。

 一応、第四の壁じゃなくてぽんぽこが話題の中心なんだよって偽装するために、ぽんぽこをど真ん中に配置するという構成に変えてみたんですけど、うまく機能しましたかね? 微妙かな?
 カバネリを別レビューに飛ばしたのは、短くするためっていうのもあるんですけど、「ぽんぽこ!火垂るの墓!のんのんびより!カバネリ!を使ってレビューを書きました」だと意味が分からなくても、ここからカバネリさえ除外しちゃえば意外と通じるかもしれないな、と思ったからでもあります。

 まぁ、裏話はともかくとして、冒頭述べた三谷幸喜監督について。
 三谷幸喜監督はいろいろと手掛けていますですけど、彼が脚本を務めた「古畑任三郎」という作品があります。映画じゃなくて、ドラマですけどね。今見ても面白い作品だと思います。
 この作品では、視聴者が犯行の一部始終を目撃できるようにストーリーが進行していきます。「名探偵コナン」のような「刑事側も視聴者側も犯人を知らない」というスタイルではなくて、「刑事側は犯人を知らないけれど、視聴者側は犯人を知っている」というスタイルです。視聴者が主人公である刑事に自己投影するのではなくて、視聴者が刑事の捜査をあくまでも客観的に見ていくように作られているってことです。
 で、この作品の謎解きパートの直前に、「第四の壁を破る」演出が使われているんです。いきなりドラマが停止して、背景も暗転して、この中で主人公の古畑任三郎にだけスポットライトが当たって、それで視聴者に話しかけてくる。客観的に進行するストーリーと「第四の壁を破る」演出は、とてもマッチしていますよね。

 酔っぱらった頭で三谷幸喜監督の作品を考えていて、それでこの「古畑任三郎」にたどり着いたんですけど、アニメで第四の壁を破っている作品はなんだろ?と気になったんです。そこで、のんのんびよりに白羽の矢を立てたはいいものの、もう枠を使っちゃってたんですね。それならってことで、ぽんぽこを引っ張り出すことにしました。第四の壁やのんのんびよりありきのぽんぽこだったってことですね。
 で、第四の壁を度外視して高畑勲監督論をやるなら、大人しく火垂るの墓から入るべきだとは思います。構成を中心に書けますからね。それを分かってはいるんですけど、どうにも見返す気が起きないんですよね。年の離れた妹が、というシチュエーションが個人的になかなか辛くてね。それゆえのぽんぽこってのもあったりします。

 気が向いたらカバネリの方もどうぞ。
 うっかり迷い込む人を避けるために、ネタバレありタイトルなしで投稿しますけど、内容は動画を使って演出を見ていくだけです。ストーリーには触れませんので、ネタバレ嫌いや未視聴の方でも大丈夫です。たぶん。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ちゃんと娯楽

映画館で観て以来通して観た事はありませんでした。
「ぽんぽこ」や「火垂るの墓」や「おもひでぽろぽろ」…力がある作品だけれど、何度も観てはいませんでした。
田舎や自然は大好きですが。この社会的メッセージが含まれる作品たちに愛着を持ってしまったとして、「コレは説教くさい、だから自然派は…」というザックリした見方をされた時に、自分は反論出来ない気がして。

「アイツ正しいこと言ってるのはわかるけど、説教くさくね?」と囁かれる優等生のクラスメイトを「そうかな…」とチラ見して「まあ私と特に親しい訳じゃないし…」と深く関わらないが如くでした。



久しぶりに通して観てみました。
狸達がどうなってゆくのかがあらかじめわかっているので、途中途中のぬか喜びや空騒ぎが、とても胸に痛く、ドキドキしながら観ていました。
しかし。
相変わらず人間は自然を壊し続けて酷い。地形のもつ質や循環を無視した開発、森林の適切な活用が出来ていないための荒廃、だから未曾有の災害も尽きないのだろうか。
…等々という真面目な視点は勿論再確認できたのですが、

それ以上に…
あー!この狸達みたいに!!
思いっきり何かに打ち込みたい!!
謳歌したい!!
むくわれなくったって、乗せられたって、やり切りたーい!!
時にアホみたいに喜怒哀楽に乗って騒ぎ、そして呑気にやっぱり踊り騒ぎたい!!
という、「思いっきり」の変幻自在な心地良いエネルギーをタンマリ浴びた気持ちになりました。ちゃんと娯楽でした。
狸いいなあ。

そして、人間社会で生き抜くようになった化け狸のように、それらしくいるために疲れている人や、何とかかんとかうまくやってるよ〜って人もいるんだろうな…なんて考えたりして。


優等生だけど、作品中に叩き込まれた“みんなで全力投球しようぜ!”って勢い(と狸独特の間抜けさ呑気さ)は中々観てて気持ちがいいものでした。

狸の敗因は、人間を楽しませてしまったことな気がします。狸自身も化けることが好きで楽しくて、プロジェクトに夢中になって。
{netabare}人間を怖がらせて出ていかせるためなら、あんなに楽しいバリェーションは要らなかったのでは…^^;
狸には食物連鎖の頂点にいる人間の「恐怖」がイマイチ理解できなかったのかな。
途中出てきた団地のパレード中の、大波に団地が飲まれる幻想が一番怖いような。
前半に作品中で人間がチラホラ死亡してますが、後半の狸の死亡数と比べたら極小だからいいのかなんなのか。{/netabare}
そんな狸達は仲間の弔い中も、真剣にシンミリしようしとてても、喪の形式自体になんだか浮かれてきてしまうのが、スゲーなと思いました。打たれない。やはりシリアスになり切れない狸らの恐怖の薄さが敗因かなー。


人間の自然や動物に対する愚かさが突き刺さる点では「河童のクゥと夏休み」が勝りますね。
私は自然好きなので、もっとみんな自然好きになってしまえばいいのに(特に田舎の人ほどもっと)、とは常々思いますが。
別に茅葺屋根の家に住んでかまどでご飯炊くべきとは言わないけど、ゴミをポイ捨てしないとか、日常生活で使うものが何から出来ているのか考えてみるとか、除草剤撒かないとか…いかん説教くさくなっちまう…

夏も終わりだけど、狸気分で秋はじめの生活に入ろうと思えました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジブリベスト10のためのレビュー

【あらすじ】
多摩ニュータウン計画の推進とともに住む場所を失っていく狸たち。ぽんぽこ31年秋からぽんぽこ34年にかけての狸たちの奮闘を描く。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる★★★☆☆
恋愛★☆☆☆☆ 感動★★★☆☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★★★☆☆

【ジャンル】
ジブリ9作目(1994)、狸、都市開発、笑い

【こういう人におすすめ】
私イチオシ。「観たことない」と言っても割とびっくりされないジブリ作品。

【あにこれ評価(おおよそ)】
69.4点。あにこれ点数順では第13位。

【個人的評価】
何回考えなおしてもこれが私の中でジブリ1位になってしまう。不思議。
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
 ルパンベスト10を作った流れでジブリベスト10とコナン映画ベスト10に挑戦中。一般人でも分かるアニメ映画シリーズのベスト10があれば、私自身を理解してもらいやすいかなあと。

 ジブリ作品に共通するテーマとして「水の表現」と「対立」と「内包」があるというのをどっかで聞いた気がします。まあ水なんて2時間分のお話作ったらどっかで絶対出てくるし、対立と内包なんて曖昧な言い方したらなにかしら無理やりこじつけることは可能だと思いますが、その辺を踏まえてみてみるといいかもしれません。

 ↓以下一言くらいの感想
{netabare}
 おそらく、ジブリ黄金時代中盤の中だるみと認識されている作品。
 監督も宮崎駿監督ではなく高畑勲監督で、これ(1994)と、同じく宮崎駿監督が加わっていない「海がきこえる(1993)」の2作品が、「紅の豚(1992)」と「耳をすませば(1995)」という大作に挟まれている。
 ジブリとしても実験の時期だったことが推測される。

 この作品の内容にも「会話しているかのようなナレーション」、「ファミコン画面に似せたビット絵の説明シーン」、「神様の街づくりや巨大なショベルカーが山を削るなどの比喩的なシーン」など、随所に実験的なシーンが見られる。

 が、そんなことはどうでもよく、私の中のベストジブリ。

 何度も「マイノリティー気取ってんじゃねえぞ俺!」と自問しましたが、「紅の豚」と「もののけ姫」がどうしてもこれに勝てなかった(笑) そしてストーリーを振り返ってみて、私が好きな要素の集合体であることに気づく。

 ジブリ作品の中では例外的にゆるく、笑いに頼ったストーリー展開、そして真面目を装いながら笑いを誘うナレーション、全体から流れる実験的な空気、ジブリ品質の作画、ファンタジーでありながら妙に現実に即した展開、しかし最終的に「来るべくして来るバッドエンド」。
 「四畳半神話大系」や「秒速5センチメートル」をお気に入りの代表に挙げ、主食が「きらら枠」な私は、好きになるべくしてこの作品を好きになったわけです。

 これもレンタルで小学校上がるか上がらないかの頃に見た気がするので、九九も知らないガキンチョの頃から、今と同じような趣味嗜好だったようです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

67.9 10 妖怪で笑いなアニメランキング10位
継つぐもも(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (121)
488人が棚に入れました
平凡な少年・加賀見かずやの前に、付喪神の美少女・桐葉が現れてから、これまでの生活は一変した。怪異を呼び寄せる「忌み子」であったかずやは、土地の神・くくりから怪異を倒す「すそはらい」の命を受け、桐葉と共に奮闘していた。かずやたちは、学校の活動として、怪異の情報を集める「お悩み相談室」を立ち上げることに。しかし、平和なお悩みが寄せられる裏側で、くくりを狙う大きな計画が動き始めていた…。ドSな美少女付喪神の桐葉だけでなく、図らずも巻き起こるハプニングと共に、かずやへ想いを寄せる女子たちも参戦!学園で伝奇で美少女山盛りな欲張りコメディ、第二幕の始まり!

声優・キャラクター
三瓶由布子、大空直美、久保ユリカ、松井恵理子、芝崎典子、大地葉、大久保瑠美、M・A・O、坂田将吾、杉山里穂、内田愛美、菊池幸利、大野柚布子、湯浅かえで、徳井青空
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観終わった

2話までの感想{netabare}
本当に二期やるんだ。
個人的にこの作品は“天地無用!魎皇鬼”(特にOVA第一弾)の匂いを強く感じてて、実際に前期の後半では折笠愛が声を宛てたキャラ登場でスタッフが狙ってたのは確実だと思う。
スタッフ調べた限りではAICとは無縁っぽいんだけどどうなってるん?w
もっと言えばどの作品も良い所と悪い所があって、天地無用の悪い所(個人的には膨大)を取り除いて良い所だけを伸ばした感じで結構好印象だったり。

ということでさーて2期はどうかなーと思ったら…おおう、肝心の折笠愛キャラがOPでは1カットしか無いじゃないか…更に公式のTOP絵には、居ない!
これちゃんと本編で登場するかなぁ?

でもって内容の方なんだけど…やっべ、前期折笠愛以外殆ど覚えてないw
本編見て思い出してる状態、あーそっかそっか、主人公のスソハライの件は生徒会長は承知してたねぇ、とか。
で、1話で事情を知らなかった友人に打ち明けて部?を立ち上げて、じゃあ2話ではその活動を描くのかなーと思ったらそうではなく…あーそっかそっか、前期決闘したんだっけ。
それの後始末というか関係改善の話。
ま、まぁこのエピも必要か…早くスソハライしようぜって思うけど、参ったな、前期でやり残したことがまだあったかどうか覚えてないw
母の行方の謎とかもあるけどこれは今期でも明かされないっしょ?多分。

ところで1話のパンツがカエル柄だったけど、これはド根性なのか?{/netabare}

総評{netabare}
あれ?終わっちゃった??終わっちゃったよおいィ!?
完全に途中でブツ切り、第三期決定って情報も見ないしここで終わりらしい。
マージーでーかー。

とはいえ「ブツ切りケシカラン」と思えないのはそれまでの積み重ねのおかげか。
なんせ途中の展開がダイジェスト作品と呼ばれるラインのギリギリ一歩手前で踏みとどまったような、急ぎ足展開ではあった。
ここまで詰め詰めにしてこの終わり方だったら仕方無いのかなぁ、と。
または逆に、最終回のタイミング・原作のここまでをアニメにするという範囲をもっと前に設定して、途中を急ぎ足にしないでのんびり展開にするとしたらどこが切りどころかと考えると…う~ん難しい。
なにより今シリーズは「迷い家」関係の話に終始して、母親の謎に踏み込むヒマは無いだろうと思ってたので意外性はあった、かな?

特に急ぎ足だなぁと強く印象付いたのは4話。
夢の世界に閉じ込めるスソが居て、それの中に入ると性別が反転して“カリギュラ”だか“イド・インヴィデッド”の名探偵よろしく最初は夢であることも自覚なく、更にその世界では影の自分が入れ替わりを企んで潜んでて。
ついでに夢の世界なのでイメージしたものが具現化できるみたいで、かつてカミツキを体験したことのある人はイメージしやすいってことだろう、前期登場したカミツキを再登場させて「あー、そんなヤツ居たたねぇ」と思い出させてくれる展開もやって。
ラノベ原作だったらこれだけで1クール…は長すぎるにしろ、3・4話はかけそうなてんこ盛り内容を1話に詰め込んでた。
しかもこの回で主人公が性別転換したのは伏線?になってて、7話で複数の女性(ハーレム要員)に誰が一番か調べられ、4話の「女になった自分が一番」というオチに繋がるためカットもできない。
ってかこのオチも秀逸w、これじゃあハーレム要員は誰も責めることが出来ない・喧嘩のしようがない、一番カドの立たないベストな選択だったんじゃない?
というか7話は7話で格ゲー世界、クイズゲー世界と2本立てでやっぱりかなり詰め詰めなんですけどね。

それでいて雑に感じないのは…全体でそうだけど6話が顕著だったかな?
「何か企んでるらしい連中の正体や目的が謎」と「そのグループ内に居るアザミの正体や目的が謎」と、謎に謎を重ねる構造になってて、両方を引っ張ると何がナンだか分からなくなると判断したのか片方をとっとと丁寧に明かしてくれました。
やろうと思えばこの回カットしてそれ以降のシーンで回想ちょいちょい入れて説明することも可能だったろうけど、分かりにくいのは間違いない。
原作からそうなのかも知れないが、あんまり難解にならないようにしようとした配慮は感じる。

まぁ実際、そのおかげで「ククリが狙われてる」「ククリ大丈夫か?」みたいな感情移入というか導線?視線誘導?に容易に乗ることができた、その後の「腐っても神」も映えた。
ってか最近さぁ、説明されてもいないのにキャラクターだけが納得して行動する作品が目立ってねぇ、家族の親交を深める描写が無いのに家族だ家族だ言ったり、それまで仲良く山菜取りなんかしてたのにいきなり豹変して斬りかかってきたり、とか。
そう考えると丁寧な作りにはなってて、だけど急ぎ足で…「原作のここまでをアニメ化する」というノルマに対してスタッフの苦労ぶりが覗えるというか。

と、やや賞賛めいた感想になってしまったけどブツ切りなのは事実。
笛の付喪神はどうした?、あきとあるみ兄弟は捕まってないよね?、三年間修行に出るとなるとちさとは蚊帳の外?等、メイン以外の部分でも投げっ放しが激しい。
なにより最終回、母さんが強すぎて敵わないどうしよう!って時に駆けつけるのは折笠愛キャラじゃないのか、ってかアイツはどこ行った?
と、この範囲(二期)だけでの評価は難しい、星はいじらず保留の3にしときます。
というか三期やってくれないと困っちゃうw
原作は双葉社なので弾数はそんなに無いと思うので三期やってくれそうな気はするんだが…どうだろう?{/netabare}

余談{netabare}
炎上を再燃させたりしたくないので書こうか迷ったけど、気になったことがあったので追記。

まず、アニメ“アズールレーン”の8話を担当したアニメーターが手抜き発言をして炎上したことがあるのだけど、実際本編を見た限りそんなに酷くない。
むしろ良かったくらいで、ああ、これは「そんなこと言ってしっかり描けてるじゃん」「手を抜いてコレとは恐れ入りました」と言われたかったんだろうなー、と個人的に思ってて。
まぁまずアニメーターを人格者かなんかだと勘違いしてるのが間違いで…ただの人間だよ?性格悪い奴も居れば捻くれてる奴も居るって。
精神的にハイな時期もあれば落ち込んでる時期もあるだろう、もっと言えば言葉選びが下手な人も居るだろう。
ってことで私自身はこの炎上に関しては「どうでもいいじゃん」って思ってて。

そんな前提を踏まえて、2020 5月31日放送した“継つぐもも”9話がアクション作画がスゲー頑張ってました。
一体誰が頑張ったんだろう?と思って調べてみたら「田中宏紀」って方みたい。
…ってあれ?
この方、先の“アズールレーン”8話も担当されてる、炎上発言した人とは別ね。
あっるぇ?私がアズレン8話で「そんなに酷くないじゃん」と思った箇所は、炎上発言した人のパートじゃなくて田中宏紀のパートだったりして!?
あっるぇ~?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

公式HPのトップページのイラストが、こんなにも意味深だったなんて…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
物語の内容に繋がりがあるので、第1期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。


平凡な少年・加賀見かずやの前に、付喪神の美少女・桐葉が現れてから、これまでの生活は一変した。
怪異を呼び寄せる「忌み子」であったかずやは、
土地の神・くくりから怪異を倒す「すそはらい」の命を受け、
桐葉と共に本当していた。

かずやたちは、学校の活動として、
怪異の情報を集める「お悩み相談室」を立ち上げることに。
しかし、平和なお悩みが寄せられる裏側で、
くくりを狙う大きな計画が動き始めていた…。

ドSな美少女付喪神の桐葉だけでなく、
図らずも巻き起こるハプニングと共に、
かずやへ想いを寄せる女子たちも参戦!

学園で伝奇で美少女山盛りな欲張りコメディ、第二幕の始まり!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

第1期よりシリアスな場面が増えたように思いますが、寧ろ面白さに拍車が掛かったようで個人的には良い方向に転がったと思っています。

先のレビューにも書きましたが、私は視聴時間を捻出するために通勤電車の中でもアニメを視聴しています。
第1期はちょいちょいお色気モードが入ってくるので、電車での視聴は敬遠していましたが、第2期は車内がガラガラになる帰りの電車で視聴ができるレベルでしたので。
そしてこの作品の最終回もやはり電車の中で見ないで正解でした。

序盤から中盤までは新キャラが投入されるも、基本的には第1期の延長線上で
すそはらいを中心に物語が展開されます。
ですが中盤以降、物語は異様な展開を見せ始めるのです。

公式HPのINTRODUCTIONにも記載されていた「くくりを狙う大きな計画」が正にそれです。

ですが、一概に誰が悪いとも言えないのがこの物語…
物語の中で「迷い家」という場所が出てきます。
ここは、人間から不遇の扱いを受けた付喪神が寄り添う場所なんです。
付喪神は持ち主である人間から霊力の供給が切れてしまうと人の姿を保つことはできません。
ですが、迷い家の中でなら持ち主が居なくても人の姿のままでいられるんです。
勿論、そんなに都合の良い場所がある訳では無く、迷い家を運営するが故の代償も当然必要になります。
だから迷い家を守るため、そこに集う付喪神たちは悪事を重ねてきたのでした。

きっと決死の覚悟だったに違いありません。
大切に使われ長い年月を経てようやく付喪神になれたのに、所有者を見限らなければならないなんて…
だって、ややもするともう二度と人の姿になれないかもしれない…
もっと酷い所有者の手に渡ってしまうかもしれない…
それならもう少しここで耐えて…
という自問自答を繰り返した結果の言動だったのではないでしょうか。
少なくてもかずやの周りでそんな話は微塵も聞いたことがありません。
だから、諸悪の根源は物を大切に扱わない人間自身なのかもしれません。

だからといって、悪事が正当化されることはありません。
今振り返って思うのは、この物語りが迷い家の件で終わってくれたら良かったのにと心底思います。
突然入ってきた横やり…
その横やりが何もかも全部持っていっちゃったんですから…
いいえ、その横やりは自分の欲求を満たすためだけにやってきて、結果的に好き放題のことをやらかして、残されたのは最悪の顛末だけ…

どうして、ばっさり壊しちゃうんだろう…
どうして顔色変えずにそんなことが出来るんだろう…

残された時間はたった3年…
一度固めた決意を2度と揺るがすことなく本懐に向け邁進して欲しいと思います。
これまで沢山貰ってきた恩に…目一杯の優しさに報いるためにも…

オープニングテーマは、A応Pさんの「風吹けば月夜の果てに」
エンディングテーマは、東城陽奏さんの「春、奏で」

1クール全12話の物語でした。
まさかここでアニメ化打ち切り、なんて事ありませんよね。
アニメ2クール分で原作のストックをどの位使ったんでしょう。
アニメ第1期で原作7巻までが使われ、第2期ではそれ以降どこまで使ったかが分からないんですよね。
現時点で原作既刊25巻で、第1期から第2期までの放送期間が3年…
せめて放送時期は未定でも、「続編制作決定!」のテロップくらいは拝ませて欲しいかな^^;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

すもももつぐももももものうち

中学生の加賀見一也と付喪神である桐葉。
お悩み相談室という部活を作って、呪詛祓いを行うのであった。

序盤までは、今まで通りのシナリオ。
中盤から『迷い家』登場。
そして、最終話に大きな動きが。

だんだん物語がマンネリ化したところに新キャラが。
『迷い家』の登場はアクセントが効いて良かったです。
持ち主を失った付喪神たち。
居場所を探していました。
迷い家を提供したミウラヒ。
土地神の結晶によって、迷い家は安全でした。
ミウラヒの力が弱まり、代わりの土地神の結晶(命)を狙う事となります。
そして最終話で決戦か?というところで……

最終話は賛否がありそうですね。
修行の時間を与えられて助かった、
中途半端なところで終わらせるな、
などなど意見があると思います。
私は、ド〇ゴンボールと同じ展開か!と感じました。
おそらく、原作ではそのボスキャラと決着が付いていないのでしょう。
3期、またはOVAでの続編を期待します。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

60.2 11 妖怪で笑いなアニメランキング11位
ぺとぺとさん(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (54)
290人が棚に入れました
作品は人間と妖怪が共存する田舎町を舞台に、この住民の日常生活を描く。
山河に囲まれ、工場と山寺が豊富にあるが、「女未(にょみ)の里」と呼ばれる鮎川町(あゆかわまち)の多くに存在するのは「妹」で、2子以上を持っている家庭の第2子以降に出産する性別の10割が女児で、統計を取り始めた1920年以降、不変の数字を誇っている。
この田舎町の、中学校「大曲垣峠(おおまがきとうげ)中等教育総合校(通称マガ校)」に中学2年生の妖怪“ぺとぺとさん”ことぺと子が転校してくる。

声優・キャラクター
植田佳奈、大須賀純、宮川美保、斎藤千和、いのくちゆか、ゆきのさつき、金月真美、川澄綾子、桑谷夏子、久嶋志帆、田坂秀樹、はらさわ晃綺、谷山紀章、吉野裕行、新谷良子
ネタバレ

タマランチ会長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

出戻りアニメファンにしてくれた作品

 もう8年くらい前になるでしょうか。しばらくアニメから遠ざかり、興味も薄れてきた頃。ふとピエロ魔法少女ものみたいなくだらないアニメを久しぶりにみたいなと思って蔦屋に行きました。そこでもっともくだらなそうなタイトルの作品を2本借りました。それが「かみちゅ」と「ぺとぺとさん」でした。
 まるで期待しないで観ていたのですが・・・見てびっくり。80年代のアニメのようなでたらめで無個性なお人形アイドルと違い、作品の世界でキャラがしっかり立っている。やさしさ、純情、世話焼き、前向きなぺと子さんの性格のよさはホントに魅力的で、観ていて幸せになりました。作画も崩れることなく、12話きっちり完成していたのもまた驚きでした。昔のアニメじゃありえないことでしたから。(笑)
 「今のアニメはすごいな。昔と違うよ。こういうマイナーな作品でもこれだけのクオリティーがあるんだ。」と感心したものです。これをきっかけに、自分は再びアニメを見るようになりました。出戻りファンです。

PS1:中盤の {netabare}兄弟げんかはあまり好きな展開ではありませんでした。{/netabare}この作品の世界観にはそぐわないでしょう。

PS2:後半の {netabare}河童の娘との三角関係は面白かったです。好きな男の子を譲ろうとするぺと子さんですが、「世界はお前中心にまわってるんだ!」という河童さんの叫びは、妙に納得しました。{/netabare}ぺと子さんは、中心になるような魅力的な人だからです。

PS3:主題歌がよいです。OPの気の抜けた感じがかなりツボです。YOUTUBEでガンダムSEEDの画面に合わせたMADを見たのですが、シンクロしなてるのにあまりにミスマッチで面白いですよ。EDの「帰り道」はカラオケのレパートリーです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

はじめての……ぺとぺとさん♪  【ねこ's満足度:70pts】

妹率100%の田舎町『女未(にょみ)の里』を舞台としたドタバタラブコメディ。
人間と妖怪が織りなすちょっぴり変わった日常を、ハートフルに描いています。

ヒロインはぺとぺとさん(通称ぺと子)という名の妖怪。
見た目は普通の女の子ですが、かなり厄介な体質の持ち主です。
特徴は”ぽひゅぽひゅ”可愛らしい足音と、ほんわかとした関西弁。
この関西弁がすべて!と言ってもいいくらい(笑)。植田さん、すんごくいい味出してます。

基本はラブコメ。だけど、人と妖怪の共存から生まれる”差別”という問題も絡んでくる本作品。
それでも全体が重くならずにほのぼのとした空気に包まれているのは、ひとえにぺと子のおかげです。

他にも博多弁のくぐるや額の文字で会話するぬりちゃんなど、一風変わった妖怪キャラが勢揃い。
中でもぬりちゃんの妹・こぬりちゃんは素晴らしい☆これぞ最高の妹です。あの子欲すぃ~(笑)。

今でこそ多く見られる、いわゆる”共存系”の妖怪モノ。
放送当時(2005年)としては意外と少ないジャンルだったと思います。
その共存というテーマに対する掘り下げが浅いまま終わってしまったのは残念なところでした。

それでも、ラブコメ・キャラモノとして見ればまずまずの出来。
元々好きなジャンルでもありますし、全体的には楽しめた方だと思います♪
なによりぺと子の性格が◎。自然と応援したくなる、そんな女の子でした☆

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

ケンちゃん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

8話途中で断念...【追記】

のんびり、ほんわか、ゆるゆる系なんでしょうが...

いや、お好きな人はいると思うんですよ...

私には、笑える所があまりなくて、良くも悪くも特筆すべき評価は無く、それが逆に退屈でもあり...

ペトるお話はどうもメインではないらしいし、特定種族ってネタがあんまり生きてなくて、日常の中に笑いを求める作品にしては、中途半端なエピソードがまたつまんないし...

初めは雰囲気で見ていても、8話目にもなると、もういいかと...


【追記】
南家、らきすた、ゆるゆり、のんのんびより、等々...この系統は嫌いじゃなかったハズなのに?...
と、思い返してみれば、【特定種族】って設定がよろしくなかったんだと、気が付いた。
 身近な「あ~、あるよね~、それ」的な共感ネタが、【特定種族】が対象だと共感が得られず、単につまらないエピソードとなってしまっていると言う事だな...

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

64.0 12 妖怪で笑いなアニメランキング12位
映画 犬夜叉 鏡の中の夢幻城(アニメ映画)

2002年12月21日
★★★★☆ 3.6 (33)
293人が棚に入れました
放映開始以来絶大な人気を誇る、高橋留美子原作のTVアニメ「犬夜叉」の劇場版第2弾。本作も前作と同じく完全オリジナル・ストーリー。日本の神話『竹取物語』をモチーフに、宿敵・奈落を追い詰めた犬夜叉とかごめの前に強大な力を持つ謎の女・神久夜(かぐや)が現われ、“5つのアイテム"をめぐって犬夜叉と壮絶な闘いを繰り広げる。 時は戦国時代。現代からタイムスリップしてしまった中学3年生のかごめと、妖怪と人間の間に生まれた半妖の少年犬夜叉は、弥勒、珊瑚、七宝とともに犬夜叉50年来の因縁の宿敵・奈落と最後の戦いに挑む。そして、いよいよ奈落を追い詰めていた…。不思議なことに、その夜から満月が何日も続く奇妙な現象が起こり始めた。そんな時、犬夜叉たちの前に、“天空の姫・神久夜(かぐや)"と名乗る謎の女が現われる。時を自在に操り、犬夜叉最大の敵として現われた神久夜の正体は? そして奈落との関係とは? 封印は解かれ、夢幻の扉がついに開かれる。

くろゆき* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

命を惜しみ涙することは、 恥ではありません。

・まずこの映画の鑑賞のポイントは予告のアオリを忘れることです。
 犬夜叉と桔梗の過去もでてきますし、殺生丸様も活躍しますが、この映画のポイントはそこではないからです。

・犬夜叉ご本人様のかっこよさと子どもたちの成長がポイントです。
 この映画のクライマックスあたりを見たときに私が感じたのは、ウルトラマンティガやガイアの雰囲気です。
 ヒーローものということもあるのですが、犬夜叉が子ども達の思いを受けて、さらに強くなるあたりでそう感じたのです。
 話ちょいずれますが、ガイアは、昔、NHKで放送されていた「少年ドラマシリーズ」の雰囲気をもっているなあと感じていて、好きなんです。ジュブナイルものですね。

 犬夜叉は今回こどもたちに「犬夜叉兄ちゃん」と呼ばれています。
 いいんだな~これが!

・四闘神の刻印を受け、蓬莱島から出られない半妖の子どもたち。
 そして、鳴動の釜のいけにえになるしかない子どもたち。
 そしてその運命を受け入れてしまって、抵抗する気力のないこどもたち(そんなにはっきりと沈んでいるようには描かれてませんが)
 いずれくるだろう死を受け入れている子どもたちに犬夜叉はいらだつのです。
 「そんなに簡単に死ぬなんてこと考えるんじゃねえ」
  (のような犬夜叉のせりふがでてきます。)

 自分が犠牲になればしばらくは他のみんなが助かると思っている浅葱といっしょに犬夜叉は鳴動の釜に落ちてしまうのですが、そこでも犬夜叉はあきらめない。
 炎の中、とにかく、浅葱をかばい、はげましながら、活路を見出そうとする。
 ここでも、確か「死ぬんじゃない」という言葉があったと思う。

 この「簡単に死ぬことを考えるな!」というのが主張のひとつだと思う。

 この釜の中で、守り巫女泰と犬夜叉の会話があるんだけど、それはおいといて…

 CAP関係の本を読むと、虐待を受けている子どもは、だんだんその虐待に抵抗する気力がなくなるようなことが書いてあった。 
 前に長い間監禁されていた女の子が救出されたけれど、その時、逃げる機会があっただろうになぜ逃げなかった?という意見があったそうだけど、支配される関係ができてしまうと、抵抗する気力は失われていってしまうんだそうだ。
 監禁されてしまった場合、CAPの講習は役にたつのか?というのに対し、役にはたたないが、子どもに希望を持たせることはできるかもしれないという。

 犬夜叉のあきらめの悪い前向きな行動は、子どもたちの心に光を希望を与えたんだと思う。

 同じ刻印を持つ半妖の犬夜叉はその運命をもちろん受け入れない。
 島から逃げずに(刻印があるから逃げられないけど)、結界を壊し、四闘神を倒そうとする。
 自分の手で未来を切り開こうとする犬夜叉の姿が、もちろんそれはいつもの彼の姿だけど、すごくいいのです。
 そして、犬夜叉はただ運命にしたがうだけの子どもたちを助けようとはしない。 たちあがった子どもたちを助けようとするのです。
 (この辺、昔話のモチーフなんですよね。いい昔話っていうのは、かならず主人公が困難を乗り越えて成長するんです。園や小学校で語る(語るべき?な)のはそういう昔話なんです)


・えー、上でおいといた、釜の中の犬夜叉と泰の会話。
 ここで泰から蓬莱島の過去が話されるのだけど、妖怪と人間(と半妖)の楽土ではあるけれど、
 外の世界で、どちらにも属さない半妖の生きる道は厳しい。
 そこで泰は半妖を守るため、島を隠すことにした。

 大切なものを厳しい外の世界から隔離して守ろうとした泰の愛。
 厳しい現実を受け止め、切り開いていこうとする犬夜叉の姿。
 その姿を見て、自分は間違っていたのかと気づく泰。
 今の犬夜叉の強さは、そばにいるかごめ、仲間たちの存在のおかげ。
 それは外に出ていかなければ得られなかったものだろう。
 隠すってことは愛しているようで、その存在を認めてない、力を信じていないことにもなるのかもしれない。

 このあたり、他のアクションシーンに隠れてしまいそうですが、大事なとこだと思う。でも聞き逃してしまいそうなの。

 この後、釜からの脱出になるのですが、泰がごちゃごちゃいうのは、聞いてるんだろうけど、
 犬夜叉は「俺は四闘神を倒すだけだ!」とか言い切ってしまって、それがまたいいんだな。
 泰も「それでいい」と力を貸してくれるし。

 ここの脱出シーン、かっこいいというかおもしろいんです。


ここからはある程度、ストーリーにそった感想というか突っ込みを。

・オープニングの部分は、スタッフが「バカメインタイトル」と言っていたそうですが、それに恥じないすばらしい出来でした。もう見ていて、すごく高揚します。
四闘神の音楽が今までとは違った雰囲気を出していて、炎を刀で斬ったようなところへ「犬夜叉 山口勝平」など名前が出るわけですが、それがなぜか泣けるくらい感動する。
それがしばらく続いたあと、定番のメインタイトル。

ここで、島から逃げてきた藍を剛羅から助けるのですが、ここのポイントはパパ弥勒(笑)。
雲母の上で衣の中に藍をかばい、「大丈夫ですか?」だかなんだか声をかける。
弥勒さまの腕の中はさぞかし気持ちがいいことと…
ついでに、「もう安心ですよ……とはいえませんか…」のようなせりふがらしくて、好きです。

そして、藍の「犬夜叉にいちゃん!」が大大ポイント。(私、犬夜叉と草太のからみも好きなもので)
50年前の少しの時間の出会いで、お互いよく名前覚えてたな~というのが突っ込みどころですが、全編にただよう?「犬夜叉兄ちゃん」という呼び方はサイコーです。
ただ、好みでいったら最初に犬夜叉が藍とかごめの横を通り過ぎるポーズ(空中を歩いているようなポーズ、しかもスローモー)はいまひとつ。なんか笑えるんだもん。

・背中の刻印(傷)を犬夜叉が感じ、背中を見せるシーンは、犬夜叉が見せることを拒んだので「おすわり」で無理矢理の形だったのですが、それが残念~
これじゃ傷の手当てといっしょです~。
犬夜叉が髪かきあげて、背中を見せてくれたらよかったのに~(色っぽくね。無理!)

・殺生丸さまに関してはいうことなし。
予告の「父上の御意志(意思?遺志?)とあらば…」とは関係なく行動し(多少は気にしてたのかもしれないけど)、自分で自分の分の決着だけをつけてくのがらしくて好き。
犬夜叉とからまないのがポイント高いです。
(凶羅だけを倒しても刻印はひとつしか消えないし、犬夜叉が決着つけるまでは兄も島からでられなかったはずなんだけど、いいのよ、そんなことは)
もう見られないだろうと思っていた蒼龍破も見られたし。
自分と同類と凶羅は言っていたけど、前作までに殺兄も成長していたんだと深読みしたい。
だから、殺戮だけを喜びとする凶羅とは違う強さがあったと。

・別れの歌
この歌が流れるところは、漫画でもテレビアニメでもなかった雰囲気の絵です。
村の様子が異国の感じで、神秘的。
もう少し、こどもたちの楽器演奏を見たかった気もするんですが、この歌の導入はよかったんじゃないかな。

釜に落ちた犬夜叉と浅葱と助けるためにこの歌を解読するわけだけど、今回の「妖の手」の役は七宝ちゃんというのが、意表をつかれたというかなんというか…
私、いろんな情報を知るまでは、釜落ちがクライマックスだと思ってたので、この手は半妖だけど犬夜叉だと思ってました。というか犬夜叉にしてほしかった。
でも浅葱といっしょに落ちた犬夜叉はよかった!炎の中、浅葱をかばいながらがんばる姿。(パパ犬夜叉)
金剛槍破ででてくるとこもよかったよ~
(弥勒がもっと静かにでてこられないのかとかなんとかけちつけるとこも笑える。こういう派手な技をかますとこがツボだよなー)


・釜の中の泰と犬夜叉のせりふや、犠牲になろうとする浅葱関係の感想は上記のとおり。

・玉匣の箱は、浦島伝説の玉手箱と同じなんだけど、だから映画を見る前は色っぽいものを考えていた、というより何に使うんだ?と。
玉匣の箱はもともと櫛など化粧道具を入れておいたものだから、あずけた箱をあけるとしたら自分以外の女なわけで…
もちろんそんな展開ではなくて、「あけてはいけない箱」っていう意味で使われている。四闘神のエネルギーを封印するものに使われていた。
昔話風にいうなら、あけることは「禁忌を犯す」って感じですね。

・釜から脱出するとこは「金剛槍破」
 結界で犬夜叉の技の影響からみんなを守る弥勒様のナイスな突っ込みのような無駄な大技なのかもしれませんが、やはりここは犬夜叉らしくて、みどころでもあり、笑いどころでもあります。
 今回の映画の弥勒さまは、せりふもかなり弥勒らしさがあって、いいんじゃないかな~って思ってます。辻谷さんもやってておもしろかったんじゃないかと。
めずらしく、ご自分のサイトのBBSにも顔を出し、「今舞台挨拶に向かう新幹線の中です」とか、個レスもつけてるし。←珍しいですよね?
 あ、毒虫吸って倒れてる弥勒さまがよかったと私の友人は言っておりました。
 毒にやられる弥勒さまはポイント高いですからね~♪

・上記玉匣の箱はクローン桔梗さまに奪われ、箱を開けられ、犬夜叉は桔梗が偽者と知りつつ闘うのですが、偽者なのに斬れない犬夜叉がツボ。男ってだめだねー。
ただ私はこれがかごめだったら「偽者だー!」とばさーっと斬れるような気もするんですが。桔梗の「複製」っていうのがまた斬りにくいんじゃないかと。
ダメなやつだがそこが好き。

・今回のかごめはラストは決めるけどサポート役で、ものたりないような気もするけれど、犬夜叉との関係ではもう安定しているのかもしれないから、いいのかも。
原作でもそんなとこあるし。
 突っ込みどころとしては、いかだも躊躇なく組めるらしいサバイバル能力ですね。

・今回アクションシーンが多いというのも見所で、私はそういうのも好きなので、この部分も楽しめました。
 弥勒と珊瑚は雲母にのる空中のシーンが多く、斉天砲がばんばん打ち込まれ、そこは単調なイメージもあることはあるのですが、余裕のある2回目は背景などにも注目でき、けっこういいじゃないなんても。

 龍羅の技も絵的に派手で好きなんですが、わ、技名がわからない!
 聞き取れないー。パンフレットにも書いてなかったと思う。
 息子が○○○○と言ってくれたんだけど、さだかではない。

 龍羅との闘いでは、倒れても倒れても起き上がってくる犬夜叉がよく、そこがまた子どもたちの気持ちを動かす要因にもなっている。
 抵抗する子どもたちの様子、ラストで弓を持ってくるこどもたちは、大人の私には素直な描き方、また構図で気恥ずかしくなってしまうんだけど、でも泣ける。

 特番でも流れたラストの犬夜叉がかごめちゃんと蛍に囲まれるとこは美しく好きなシーン。がんばるものには救いの手があるもの。

・EDの後日談
 蓬莱島を出たこどもたちがどうなったかを描いていて、犬夜叉を慕っているのがうれしい。
 邪見の自転車のりも息子にはうけていた。
 私は殺生丸さまの美しいカットと右手をみつめる弥勒さまがすごくいいと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

ootaki さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

犬夜叉の4つの映画の中で一番好き

もしかして制作会社変えた?と思って見ていましたが、なかなか面白い要素てんこ盛りで楽しませてもらいました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

てんてん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

おもしろい

懐かしいー

面白いよ ぜひ見てください

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

54.8 13 妖怪で笑いなアニメランキング13位
縁結びの妖狐ちゃん(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (51)
263人が棚に入れました
妖怪と人間が共存し、愛し合える世界。しかし、人間の寿命を遥かに凌ぐ妖怪は、愛する人間が死んでも命尽きることなく生き続けていた。人は輪廻転生し、生まれ変わることができても前世の記憶は失われてしまうため、妖怪の間では、ある「サービス」が普及していた。

それは、生まれ変わった人間にかつての恋人の記憶を蘇らせることのできる「妖狐仲人」によるサービス。愛する人が死んでもなおその人を愛し続ける妖怪は、「妖狐仲人」が販売する「サービス」を買い、転生したかつての恋人と再び愛しき日々を取り戻そうとする。

この物語は、そんな仲人の仕事をする妖狐が繰り広げる縁結びのストーリーなのである。

声優・キャラクター
羽多野渉、阿澄佳奈、金元寿子、米澤円、桐井大介

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

この思い 時を超える…

この作品は中国の漫画配信サイトで連載されているようですが未読です。
最近、中国発の作品が増えているなぁ…と思いますが、中国作品の増加に伴ってある現象が発生しているんです。
少し考えれば分かる事なのですが、中国作品のキャストに日本の旬な声優さんが結構出演されるようになってきてるんですよね…
これが自然の流れである事は理解しているつもりです。

只でさえ声優業は激務なんです。
だから同じ労力を使うなら日本のアニメの発展に貢献して欲しいとも思ってしまいますけど…
この考えは我が儘なんでしょうかね…?

そしてこの作品ですが…キャストで視聴を決めた作品でもありました。
だって、あすみん、米澤さんや金元さんが出演って…日本のアニメと変わらない顔ぶれじゃありませんか。
と思いながら視聴を始めた訳ですが…

公式HPにこの作品のイントロダクションが記載されていました。


「妖怪と人間が共存し、愛し合える世界。

人の寿命には限りがある。愛する人間が死んでも妖怪は命尽きることなく生き続けていた。
人は輪廻転生し、生まれ変わることができても、前世の記憶は失われてしまう。

そんな背景の中、妖怪の間では、ある「サービス」が普及していた。
生まれ変わった人間に、かつての恋人の記憶を蘇らせることのできる「妖狐仲人」。

愛する人が死んでもなおその人を愛し続ける妖怪は、「妖狐仲人」が販売する「サービス」を買い、転生したかつての恋人と再び愛しき日々を送らんとする。

この物語は、そんな仲人の仕事をする妖狐が繰り広げる縁結びのストーリーなのである。」


確かに、序盤はそんなサービスを受ける展開も確かにありました。
でもこの作品がそれで終わる筈がありません。
なぜなら、それだけなら中国独特のオンリーワン旋風の要素が少な過ぎですから…

物語としては可もなく不可もなく…といったところでしょうか。
主人公が食いしん坊で貧乏なのですが、エサでの釣られ方がありきたりでしたね。
基本的に笑いを狙っていたような気がするのですが、笑いのツボがずれていたからでしょうか…
私はあまり笑う事ができませんでした。

かと言って、感動して泣けたか…と問われると、正直あまりそれも無かったような…
声優さんの迫真の演技には何度も素晴らしさを感じました。
流石日本を代表する声優さんだけのことはあります。

ですが物語の終盤…この時は主人公とヒロインは完全においてけぼり状態だったのですが、ここで登場したのが、まさかのくまちゃん…
正直くまちゃんが出演されるとは思っていなかったので、正直ビックリでした。
でも、これは所謂嬉しい誤算…

くまちゃんは、とある国のお姫様役として出演されていたのですが、これまで下してきた決断、これまでの習慣を是としない強い気持ち…
約束を違えぬように…姫の気持ちをちゃんと伝えようとするくまちゃんの演技に感動してしまいました。

2クール24話の物語でした。中国では先行して放送されているらしく、日本では中国で放送されたモノが尺に合わせて再編集されたものが放送されたようです。
中国作品の続編がどうやって決まるかは分かりませんが、今回の放送スタイルならアニメのストックが先行して中国で作られるので日本でも視聴されるのでしょうか…

でもどうだろう…
中国発の作品は山ほどあるんでしょうけど、日本で放送する「ハオライナーズ枠」がそもそもそれほど広くありませんから、中国作品同士の争いは、今後益々激化していくんでしょうね。
それに日本でもアニメの放送数が激増して、今では土日の早朝枠まで使っている状況ですから…
文化の一つとして位置づけられたアニメ発展のためにも限られた枠を効果的に使って欲しいモノです…

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

北山アキ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

所詮ハオライナーズ、されどテンセント

最近ガソリン車禁止のニュースが話題ですが、中国に後れをとる日本にSMH。
日本人は外国人を集めて日本を褒めさせる番組作ってる場合何ですかね?
意の中の蛙の自画自賛wちょっと気持ち悪くなる時ありますよね。
すでにテンセントはトヨタより大きいって現実を受け止めるべき。

1話で視聴終了
またもや垢抜けない物語を送り出してきたハオライナーズである。
こんなん作って売る気があるのだろうか?
これが日本の会社の作品なら、そう思ってしまう。

しかし、ハオライナーズの母体はテンセントである。
短期的な採算性なんて度外視で構わないのだろう。
数作って経験を積めば、近いうちにジャンプ・アニメの製作・制作・配信までを手掛けてしまうのかもしれない。

日本のアニメ業界の商習慣も中国商人の合理主義に呑み込まれてゆくと思う。
ファーウェイなんかのニュース見てるとそう感じざるを得ない。
実際、自分のいる業界でもファーウェイ製品が席巻している。
価格のみならず、品質やアイデアでも日本の競合他社を超えている。
そういうのを目の当たりにしているかいないかで、日本人でも「中国クオリティ」の捉え方は違ってくると思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

ef さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

気分転換に中国アニメも悪くないと思う。

初めに、今放送してる日本作品と無理やり比べず、中国アニメはこんな感じなんだなぁって感じで見て欲しい。
全体で言えば、アニメに関して日本作品が高レベルなのは当たり前なので。

物語の設定やキャラは、個人的には好き。スースかわいい。

内容面は、妖怪と人間、前世、永久の愛と・・・これでもかって言うくらい詰め込んでる割には話の内容が少し薄いと言うか、題材を活かしきれて無いと思う。メインキャラ達の前世今世の繋がり、人間側の勢力や妖怪側の勢力との関係性も現状よくわからないし。
題材をしっかり活かせるように細かで丁寧な話作りと、それらの演出を良く作り込めば日本でもそれなりの人気出ると思う。
現状の物語の構成や演出のレベルは正直低いと思うが、別にそんな作品は沢山ある訳で。
それを無視して一作品として楽しめるかどうか。

日本の作品でも最初はイマイチで中盤以降から面白いものもいっぱいあるし、
個人的にキャラはかなり気に入ってるので、今後の展開に期待したい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

71.1 14 妖怪で笑いなアニメランキング14位
鬼灯の冷徹 第弐期 その弐(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (213)
1119人が棚に入れました
これは地獄のお話。あいもかわらず亡者であふれ返っている地獄では、
閻魔大王の第一補佐官・鬼灯が、大王の補佐はもとより、
亡者への呵責や獄卒たちの指導に、現世への視察と大忙しの日々を送っていた。
そんな鬼灯といつもの愉快な仲間たちに、お久しぶりの西洋地獄の悪魔たち、
おとぎ話に出てくる強烈な姫やら鶴やら妖怪たちが加わって、
騒々しくも楽しい地獄の日々は、まだまだ続く!

※第2期第2クールとなります

声優・キャラクター
安元洋貴、長嶝高士、小林由美子、後藤ヒロキ、松山鷹志、喜多村英梨、青山桐子、柿原徹也、種﨑敦美、上坂すみれ、平川大輔、遊佐浩二、佐藤聡美、小倉唯、諏訪彩花

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

騒々しくも楽しい地獄の日々は、まだまだ続く!

この地獄の物語も2期の後半クール…
1期から物語の内容的に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

公式HPのイントロダクションには「閻魔大王の第一補佐官・鬼灯が、大忙しの日々を送っていた。」と記載されています。
確かに鬼灯様は忙しいのかもしれません。
ですが、ここまで話が続くと最早「地獄の日常」を描いた作品にしか思えなくなっている気がします。
物語の進行からあちこちで鬼灯様を見かけるのですが、正直あまり忙しそうには見えないんですよね。
その一瞬一瞬を満喫しているというか…分単位であくせく働くサラリーマンとは、忙しさが一線画しています。

地獄の日常系作品ですが、決して面白くない訳ではありません。
訪問する先々での展開も嫌いではありませんが、個人的には準主役の座にいる鬼灯様の取り巻きが一番大好きです。

私の一番のお気に入りは、獄卒を勤める芥子(からし)ちゃんです。
日常パートの控えめで丁寧な言葉遣いに加えて温厚な性格…
キャラデザ含めて全てがお気に入りなのですが、その気持ちを助長してくれるのが声優さんです…
芥子ちゃん役…種崎さんなんですよ♪

種崎さんといえば、響け!ユーフォニアム2の鎧塚みぞれや、魔法使いの嫁の羽鳥チセといった大人しく物静かなんですけれど、一本芯の通ったキャラの似合うイメージがありますが、ハイスクール・フリートの西崎芽依のような明るくイケイケの女の子も個人的には大好きです。
芥子ちゃんは、上記の静と動を足して2で割ったようなキャラ…
種崎さんが芥子ちゃんを演じるのは天啓だったのではないでしょうか^^?

そして芥子ちゃんの次に好きなのが、座敷童子の一子と二子です。
おかっぱ頭の似合う純日本人形風の双子なんですが、こちらも声優さんが…^^
一子がさとさとで、二子が唯ちゃん…
お互い声質の似ている部分を最大限に活用して演じているので、どんな感じかは想像に易しいと思います。

2期の前半クールでは、2人で閻魔庁のあちこちを走り回りながら遊んでいるイメージが強かったですが、今期の作品を見ると2人に対する見方が少し変わるかもしれません。
小さい子ならでは…なのかもしれませんけれど。
少なくても鬼灯様にタメ口であれこれお願いできるのは二人の特権なんだと思います。

アイドル活動を頑張っている「まきみき」の二人も良い感じです。
ピーチ・マキ(CV:上坂すみれさん)とミキ(CV:諏訪彩花さん)のコンビなのですが、コンビで頑張っているときより、単独で素の時の方が面白かったり…
どちらも甲乙付け難いキャラですが、敢えて優劣をつけるなら個人的にはミキに軍配かも…

我々が地獄に抱くイメージを一変させてくれる温かみ溢れるキャラデザと作画に和みながら、サラリと地獄に関する見識を深められる作品…
個性溢れるキャラの活躍を含め、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、地獄の沙汰オールスターズの「拝啓、地獄より」
エンディングテーマは、上坂すみれさんの「地獄でホットケーキ」

2クール全26話の後半クール13話で構成された物語でした。
構成が安定しているので、安心して視聴できる作品だと思います。
鬼灯様が怖くなければ、小さなお子さんでも楽しめる作品なのではないでしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

月曜日午前7:59より山手線、上野・品川・新宿辺りから声高らかにサビを歌いたい

①地獄 地獄 毎日地獄
②地獄 地獄 嘘でしょ
③地獄 地獄 ようこそ 地獄
 →②→①→②→③→ …以下エンドレス

そして8:03に
 地獄 地獄 破産地獄
 地獄 地獄 闇金
 地獄 地獄 ようこそ破滅
と歌いたい、声高らかに!

本当は(略){netabare}
午前2:03(じみ)◆ダークホース
午前2:59(じごく)☆1番候補
午前4:44 ★2番候補
午前4:27()▽苦手な相手向け
午前4:59(じごく)■M男向け
午前5:03(ごみ)□M男向け
とかに歌いたいけど電車走ってないし、人もいないだろうしね。

その時間帯に歌舞伎町や国分町や中洲でもいいけど
物理的に地獄に落ちそうだからね。{/netabare}

あらすじ省略、
多分3期に当たるんだろうけどこの作品から観ても楽しめます。

今回はルリオ・柿助・芥子さん
そして何よりマキミキのミキちゃんにスポットが当たる回が多いです。
ミキちゃんにスポット当たります。
ミキちゃん回です。
…からのルリオです、出番が多めです。
このシーズンでルリオが大好きになりました。シブカワええ☆☆☆☆☆
{netabare}ルリオが天邪鬼に突っ込んだときはシビレタ。{/netabare}
あと年配キャラいいよね、主にババア★★★★★
 ※ 登場人物ほぼ100%ちょー年配

この作品の話の広げ方ってすごい上手い。
誰かにスポット当て
逸話や都市伝説に話をひろげながらその生態・特徴を説明をする。
こういう話し方できると女の子にモテるのかな?
いや、こういう知識を持っていても話してばかりならウザがられるんだろうな。
井戸端会議の技術としては優れているんだろうけど。

鬼灯様の人事もええな。
上司を管理する人に欲しい。
直属の上司にはならないでいただきたい。
社長には向いてないと思う。現場向き。
フットワーク軽い方が良さげ。けど権限は大き目。

地獄と現世が川を挟んで繋がっていて
そこでの話が生きている自分にも響く。
地獄の住人も苦労するって聞いたんじゃ
せめて生きている間、何かできる間はがんばろうって思うよ。

なんだろうね、この作品見たり会話を聞くと心が安らぐんだよね。
そうか、ここが終着点だからか。










…天国とか贅沢は言いません
地獄でも働くんで
焼いたり寒かったり
痛いのは勘弁してください。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

地獄世界の日常(2期)

地獄に落ちると、こんな楽しい世界が待っている…いや、これは嫌だ(笑)

地獄の世界もちゃんと組織があり、そこで働く人々を中心に描いた「地獄の日常」といった感じの作品です。基本的にはコメディですが、地獄の話や神話の話、昔話、外国の宗教観など、さまざまな知識を得ることもできるという、お得な作品でもあります。

主人公である鬼灯様はじめ、この作品はとにかくキャラの宝庫。キャラたちが巻き起こす騒動やら、競争やらを見て楽しむという感じです。頭空っぽにして見ても…というより、空っぽにしてみたほうが楽しめます。

キャラデザインは独特ですが、見慣れると不思議と可愛く感じます。座敷わらしやマキ・ミキなんてまさにそう。毎話居ないと寂しくさえ感じてしまうほど。それと、驚くほど中の人たちが豪華なのも特徴のひとつ。

ブラックユーモア系ですが、それほどきついわけではありません。クスクス系の笑いが好きな人にうってつけの作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

57.0 15 妖怪で笑いなアニメランキング15位
SPIRITPACT(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★☆☆ 2.8 (60)
260人が棚に入れました
除妖師である「楊敬華(ヨウ ケイカ)」は交通事故に遭遇し、命を落としてしまい、亡霊となってしまうという衝撃の展開からスタート。楊敬華は、偶然で出逢った陽冥司の「端木煕(タンモク キ)」と契約を結び、端木煕の影霊となる。不運な亡霊「楊敬華」とイケメン金持ちの「端木煕」のコンビは、鬼や妖怪と戦うなどの幾多の困難を乗り越えながら、無二の親友となっていくという展開になっている。

声優・キャラクター
井口祐一、武内駿輔、大久保瑠美
ネタバレ

jujube さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

これが100%中華製アニメの実力だ![完走後追記]

1話視聴。ハオライナーズ系列はだいたい初回見てるんだけど、ついに制作スタッフに日本人が1人も居ないアニメを達成したよ!(吹替は別)

作画はキービジュ詐欺だよねー。
キービジュはpixiv系イラストレーターが描いた風なので、アニメ絵ですら無い。めちゃくちゃ腐狙い乙。
まあ本編絵はそこまで酷くは無いからいいけど。作画崩壊とか原型を留めていないとかは無いからご安心ください。
まあキャラのギャグ顔の崩し方が古き良き時代を感じるなぁ。80年代的な。

声優は、うーん。そういうキャラなんだろうけど、主人公がちょっと高音で騒がしすぎてウザいかな。

音楽はOPもEDも中華製ポップスだけど、90年代初頭的な。街中に流れてたとしても空気で箸にも棒にも引っかからないやつ。まあ特筆するものではない。
ただBGMがなんでこのタイミングでこれ?って感じの謎セレクトばっかりで、もうちょっと勉強した方がいいね。尺も考えずにダラっとかけっぱなしじゃあかんよ。

物語としては、中華製アニメのストーリー物の中でまだ取っ付き易い設定。
能力者一族の由緒正しき(現在没落気味)青年が事故死したら、外見はうら若き少年期の霊体になって、もう一人の能力者の韓流風イケメン青年の英霊?になれと契約を持ちかけられる話。そして2人での悪霊退治が始まる。

ストーリー物でも若干BL風味のゆるふわバトルアニメだし、突っ込んだら負け!細かいところは無視して。前後の整合性はましな方。
中国人の論理で動いてるんだから、そこを楽しもう!
ガチガチなシリアスやられて、伏線張ろうとすると途端に失敗するからね中華製は。
これは無駄な大風呂敷広げて無いからゆるっと見られる。

万人にお勧めはしないけど、中華製アニメってどんなん?って興味の人には入門編としていいかも。他のは仙境系が多く、設定が日本人に馴染みなさ過ぎと、脚本の齟齬も大きかったりで付いて行けないことが多い。
{netabare}
先行配信の中国ではご腐人方に大人気だったらしい。(話半分)
BL要素はまあ主役2人が顔が良くて主従関係ってところ。契約は金の指輪を嵌めること。→脈絡無く「結婚しろってこと?」とか言うセリフがある。
日本的な腐に媚びるってレベルに達して無いから、どうしても直接的な表現になるね。性的なものは無くカラっとしたもの。まあ一般視聴者も気にしなければそれだけのこと。
他作品では中国でのゲイの扱いが気になるほど、それ下ネタギャグにしていいの?なんてのもあったが(笑)
{/netabare}

作中で韓流言い過ぎなのは、中国内でやはり相当浸透してたんだなーってのが感じられた。
まあ、もうしばらく視聴継続できるだろう。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー
<完走後追記>
いやあ完走してしまったよ。
一応中華物にしては珍しく、起承転結を感じられた。
(中には凄まじい投げっぱなしENDも見られるからねw)

というか、すみません。これモロBLでしたわ。(訂正)
若干どころか、ガッツリ{netabare}キス{/netabare}してますやん。
愛だの、恋だのは一切言わないけどw
なんで唐突にそれをした?!一切ムード無しwww

もう見てからだいぶ時が経ったので、多くは語らない(忘れた)けど、
中華風ギャグの崩し方がやっぱり引くよなー。
それまでシリアスで引っ張っていたシーンで、いきなりキャラ崩してギャグにするんだけど、脈絡なく相手を攻撃してギャアギャア言っているように見えて全然面白くないんだが。

そう言えば、海外反応系で「ドリフターズ」のギャグシーンも欧米では受け入れられない人多数だったな。
自分としては和やかに皮肉の応酬しているとこなんかギャグシーンとして秀逸で好きだったんだが。これが理解できない欧米って…
とか思ったけど、お笑いの文化の壁は厚い。
(それにしては、自分の好きな斉木楠雄は一部の欧米人には大ウケだったな…まじで境目が分からん。)


そいや、中華製OPが途中からコロッと日本語歌詞になっていたのには笑った。無駄な労力だったね。
別に歌がメインじゃないから、そこは力入れなくても良いんだがw


まあ、全体的に耽美系BLの雰囲気を出そうとして中華なりに頑張っていたのは感じられたよ。そこは評価する。
(ふとしたシーンが妖しく儚げで美しい…まさに耽美)
最近の日本だと耽美系は少々廃れている感じがあったから余計に好ポイント。
耽美系はOVAはまだしもまずTVアニメ化されないしね。
(その日和具合がガチBLアニメが成功しない理由だと思う。セレクトする原作がまず面白くないから、本当にアニメ化するほど売れてるのか?ってまじで思うし、そういうのに限って何故か巻数が多いし。ロマンチカが売れたのはごり押しアニメ化で先駆者だったからと思っている…←独断と偏見)

まあ、そんな中で当作品においては、BL界の一筋の風のように気持ち良く吹きそよいでいきました。(大抵は風になれない・・・つまり空気ってことさ!)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ハオライナーズ枠作品…って、既に枠化されていたんですね。

この作品の原作は未読…最近各クールに1~2作放送される発信源が中国の作品の一つです。
日本と中国とでは文化、歴史、民俗的違いがあり、時にその違いを作品の中で如実に感じる事がありますが、アニメを日本で定着させる上でしっかりステップが踏まれていたと思います。

最初は日本の制作陣が中国の作品を取り上げてアニメ化…
次に日本と中国の制作陣が協働で中国発の作品をアニメ化…
そしてこの作品もそうですが、スタッフはほぼ中国の方々で占められている…
アニメの歴史に大きな差がある事を踏まえ、段階的に中国独自の作品を独自の方法で浸透させています。
なので、視聴する側も違和感なく入り込めるような配慮がなされていたように感じました。
だって、タイトルにも記載しましたがTOKYO MXでは「ハオライナーズ枠」が設定されているそうなので。

そして肝心の作品の内容ですが、やはり民族的違いを感じずにはいられません。
主人公は特別…所謂英雄で、選ばれた存在…そして強い…
最初は普通の一般人…けれど、ひょんな事から自分の背負う運命や力に目覚め、物凄い力を発揮していく…
そしてひょんな事とは…例えば運命のパートナーに出会ったり、突如戦いに巻き込まれたり…
ひょんのバリエーションは様々ですが、この様なヒーロー的な作品が好まれるのはこういう運命に憧れを抱くから…若しくは面白さが分かりやすいから…

きっと日本の人口の数倍を抱える中国なので、物語のジャンルも色々存在しているのだと思います。
だから原作の人気もさることながら、中国作品の特徴を日本で打ち立てる…という視点で見てみると、分かりやすさが大切なんだと思います。

この作品の主人公の楊敬華 (ヨウ ケイカ)は、運命の人である端木煕(タンモク キ)と出会い彼を守護する立場となるのですが、端木煕が特別な存在なので、楊敬華の事を良く思わない人が色々と企てを図り…絶体絶命のピンチを経て、楊敬華は自分自身が秘める本当の力に目覚めていく…物語はざっとこんな感じです。
これまでいくつか「ハオライナーズ枠」の作品を見てきましたが、構成はよく似ていると思います。

ただ一つ難を上げると、アニメ化される範囲が圧倒的に狭い…という事でしょうか。
2017年冬アニメで霊剣山の2期が放送されましたが、この様に中国発の作品で継続して放送される作品は決して多くありません。
続編が放送された霊剣山ですら物語としてはまだ序盤…
物語の核心に迫る前でアニメが終わってしまうので評価が難しいんです。

それでは、この作品がつまらなかったか…というと好みはあると思いますが、決してつまらないとは思いませんでしたが、物語の核心は遥か彼方なんだろうな…と思いながら視聴していました。

物語の続きが気になるなら、その続きは原作で…
という思惑もあるかもしれませんが、私はそこまで手が届きそうにありません。
だって、日本の大好きな作品ですら原作に手がついていないのですから…

これから中国発の作品がどの様な道を進んでいくのか…
これには興味があるので、これからも「ハオライナーズ枠」の作品は視聴したいと思います。
今後、あっと驚くような作品が放送されるのを期待しています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

Miyu_miyu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

続きが気になる!二期でてほしいなぁ~

まず、最初にこれは私、一個人の感想であることと、私は基本なんでもありなので、評価はわりと甘めにしています。それをご理解いただけたうえで読んでいただけると光栄です。

とうとう最終回!! 観終わりました(^^)他の皆様のコメントを拝見するとクソアニメみたいな評価ですが・・・
そうですね、私は物語としては面白いと思いました。そもそも主人公が幽霊って言う設定はここ最近のアニメでは久しぶりだったので、新鮮に思えました。
原作が中国の作品って言うのも、興味がわきましたね。たいてい外国の作品だと日本の作品には及ばない印象がありますが、取りあえず見てみようと言うノリで観始めましたが、まあまあだと思います。(もっとひどい物もあるからなぁ~www)
二人が出会ったのは偶然だったのか、運命のいたずらか・・・二人の前世(祖先)が関わっている設定も恋愛方面でも観ていてドキドキしました。過去にどんな事があったのか、その出来事が今の主人公たちの関係にどう影響しているのかが、毎週だんだん解っていくところを楽しんで観させてもらいました。
作画はまあまあかな・・・。もっとひどい物も知っているので、それと比べたらわりと丁寧な作品だと私は思います。たまに「このシーンは本当に必要なのかな??」と思うところはありましたが、全体的にはいいアニメだと思います。
BL好きな方には「物足りない!もっとドキドキするシーンが欲しい!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。けいこうで言えばSuper Loversが近いと思います。
私はこのアニメをどっちかと言うと恋愛物としてではなく、二人の信頼関係(友情/家族愛の一種?)をベースにしたアニメとして観ていただきたいなと思います。恋愛要素はあるにはあるのですが、あいまいな所なのではっきりした関係ではないですね・・・
ですがもちろん、幽霊物や妖怪系がお好きな方には見てもらいたいですね。
話は面白いので。
ただ、最後のシーンがすっきりしない分、二期をやってちゃんと物語を完結して欲しいですね。思わせぶりな場面で終わるのは正直あまり好きではないので。(笑)
それでも、観て損はしないと思います。(結局人それぞれですが・・・)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

63.3 16 妖怪で笑いなアニメランキング16位
映画『妖怪ウォッチ』誕生の秘密だニャン!(アニメ映画)

2014年12月20日
★★★★☆ 3.8 (22)
97人が棚に入れました
突然消えた妖怪ウォッチを取り戻すため、向かった先は―なんと! 過去の世界!!ある日、寝ていたケータの腕から光を放ち突然消えた妖怪ウォッチ―。さくらニュータウンに現れた超巨大猫妖怪デカニャンから「このままでは…世界はヤツらのものにニャってしまうでふ。オラッチのともだちを助けてくれ…。」と頼まれたケータは、手がかりを探しにおばあちゃんの家があるケマモト村に向かう。妖怪ウォッチが消えた謎、そのカギを握る妖怪フユニャンとの運命的な出会い―。そして、妖怪ウォッチを取り戻すため、ケータとウィスパー、ジバニャンとフユニャンは、なんと60年前の過去の世界にタイムスリップ!そこで彼らを待ち受ける強大な敵とは!? 果たして、妖怪ウォッチの行方は!?運命の出会い―、そして、今はじめて明かされる、「妖怪ウォッチ」誕生の物語

声優・キャラクター
戸松遥、関智一、小桜エツコ、朴璐美、梶裕貴、志村けん、片岡愛之助、島崎遥香
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ともだちのために

観終えたあと感動というよりも、遊園地に行ったあとの様な感覚です。
とても楽しかったです。

初めてみる人にも分かりやすいようになっていました。

ギャグがすごくベタで、ここできて欲しいってところでポンッと入ってくる。
絶対くるな~くるな、やっぱりきた!みたいな。

随所にそれが散りばめられていて、
山あり谷ありはもちろんあるけれど
落ちるところが落ち過ぎずに、ずっと楽しめました。

完全なネタバレです。
これから観る予定の方は、決して開かないでね。
{netabare}
マスターニャーダ
ホース(フォース)

例の有名な映画のパロディネタで、
私は、ケータが格好よくライフセーバーみたいなものを振り回すかと。
何かの剣、あるいは笑いをとって孫の手だとか、そんなのを予想していたけれど、
その私の予想を超えました。

ただのビニールホースだった…!っていう 笑
蛇口につければ、くたっとしているおかげて方向も変えられるし
親指でグッ!と抑えれば遠くに勢いよく水が飛ぶ。
これは凄い武器でしたね。
伝説です。


ケイゾウの一歩
自分をとどめてしまった楔、そのために強がっていたケイゾウ。
その場所から動き出せなかった、けれど踏み出したのです。
この一歩、どんなにか勇気がいったことでしょう。


最後のバトル、
フユニャンがダークニャンへ。
そこで、ジバニャンも変身するのですが、前振りがとても良いですね。
絶対何かあるあるある、やっぱりきた!っていう。
必殺技、すごく面白かったです。
{/netabare}

バトルシーンは迫力とスピード感がありハラハラドキドキする。
そんなワクワクが堪らなく楽しかったです。
凝った心理戦などの応援は難しいですけれど、
この映画は素直で率直なバトルでした。

{netabare}

悲しい過去があって悪になってしまった。
けれど救済はされませんでした。
悪いことをし続けていたら、どんな同情する過去があったとしても救われないのです。

倒さなければ、大切なものたちがいるこの世界がなくなってしまう。
   世界はトモダチ!ゼンブ守るぜ!
その為にケータとケイゾウは立ち向かったのだと思います。
{/netabare}


最後にケータたち皆が笑顔になったことが心に響きました。
笑顔にはパワーがある、ってよく言うけれど本当ですね。
その笑顔がみれて本当に嬉しかった!みて良かったなぁって思いました。


そして映画をみている子どもたちの楽しげな姿が、
楽しそうでこっちも楽しくなりました。
いつだって人の心を強く動かせることができるのは、子どもたちだと思うのです。

少し古いギャグや、田舎の風景、ノスタルジーを感じる街の雰囲気、
一緒に来ている大人も笑えたり、共感できていたのだと思います。
会場にいるみんなが楽しんでいました。

子どもが、悩んだり悲しい気持ちにならない映画です。
そこって実はとても良いところだと思うのです。

自然に助けたいと思い、勝手に体が動く
それが、ともだち なのかな。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

毒素薄め、バトル多めで大人が求める『妖怪ウォッチ』とは何か?改めて考えさせられました でもね、目から汗が・・・;これも妖怪のせいなのね

2014年のアニメ業界を本当の意味で席巻した『妖怪ウォッチ』初の映画作品です


テレビシリーズでお馴染みのウシロシンジと演出家暦18年目にして初監督の高橋滋春の共同監督
アイカツも手掛ける加藤陽一が脚本


メディアミックスが大前提であるシリーズなのにアニメ版はゲーム版を無視しまくっていたのですが、今作ではゲーム版『妖怪ウォッチ2』及びそのバリエーションである『真打』をベースにしたストーリーを展開しています
歴史をすり替えて妖怪ウォッチそのものを消滅させてしまった妖怪以上におぞましい存在である、“怪魔”の出現を受けて60年前に妖怪ウォッチを発明した祖父のケイゾウを、時空を超えて助けんとするケータくん、ジバニャン、ウィスパー、そしてゲストキャラクターのフユニャンの活躍を描く大作


結果的に妖怪ウォッチ零式を手に入れるまでの冒険活劇となっているのですが、オイラが思うに『妖怪ウォッチ』という作品の面白さってのは【戦わないこと】にあると思うんですよね
『ポケモン』ならとにかく最後はバトルで解決するところを、『妖怪ウォッチ』では戦うと見せかけてやっぱり戦わない
そこが面白いんでは?と感じていたのに今作ではよくもまぁ戦います
(まぁ、いつも通りジバニャンはほとんどなんもしないんだけどw)


映画版らしいスケール感、スペクタクル感、作画もフルアニメ多用、OPやEDも含め本編バンクを極力使わない贅沢さ、OLMお得意のCGもすげぇ
クライマックスに大集結する新旧妖怪VS怪魔の軍勢の最終決戦もモチロンみどころ
いやでもこれってアニメ『妖怪ウォッチ』なのか?
劇場に来ていたお子さん、親御さんもめっちゃ笑って観てたので許容範囲なんでしょう、オイラの目が腐ってるんですきっとorz


ドラえもん、スターウォーズ、半沢直樹などのパロディは良かったですw
そう、オイラが求めているのはこーゆー【毒素】なんですよ


うん、でもお話の後半はかなりgoodなんですね
なにより今作の真の主人公であるケイゾウが妖怪ウォッチを作ること、友達を作ることを躊躇う理由が切ない
ケイゾウがトラウマを乗り越えんとするシークエンスでの朴路美、戸松遥の新旧少年役声優による絶叫演技、大変素晴らしいです、思わず泣くオイラ


ただゲスト声優の一人でAKB48のぱるるは“正直いらんかったです”
熊本弁を話すキャラなんだからそこは釘宮理恵を呼んでくるとこちゃうんかいw


エンドロールで歴代主題歌を全部メドレーにした「ゲラゲラポー走曲」と劇場の椅子に座ったままお子さんが踊れるように上半身アップの新規作画で描き起こされたダンスも楽しい一幕


無難・・・というか普通に良い映画に仕上がったと思います
転売厨の大量発生はとても嘆かわしいことですが現にヒットしているのですから成功と呼べるんじゃないでしょうか

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

nk225 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

当作品のストーリーは、3DSゲームソフト『妖怪ウォッチ2 元祖/本家/真打』をもとにしている。

2014年12月20日より公開されたテレビアニメ『妖怪ウォッチ』の劇場版第1作である。

キャッチコピーは、「何があっても、友達は守る!!」

2014年10月22日、本映画が小惑星探査機「はやぶさ2」のオフィシャルサポーターに決定した。両者とも、誕生の秘密を解き明かす旅をするという点で共通している。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

67.2 17 妖怪で笑いなアニメランキング17位
神無月の巫女(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (322)
2049人が棚に入れました
『剣神天群雲』(ケンシンアメノムラクモ)が眠る、今は朽ちて誰もその存在を知らない月の社から物語りは始まる…。
まほろばの村にある私立『乙橘学園』に通っている普通の女子高生『来栖川姫子』、学園のアイドル『姫宮千歌音』、姫子に想いを寄せるもう一人の学園のアイドルで幼馴染の『大神ソウマ』の3人は、平穏な毎日を享受していた。
ある日、日食の黒い太陽が照らす中で16歳の誕生日を迎えた姫子と千歌音は、遠い過去に邪神『オロチ』を封印した陽の巫女と月の巫女ということが判明し、オロチの眷属たる『オロチ衆』に命を狙われる。実はオロチ衆であったソウマ自身も覚醒するが、大事な人である姫子を守る為、オロチ衆に叛旗を翻すのだった。

声優・キャラクター
下屋則子、川澄綾子、間島淳司、松本保典、大谷育江、加瀬康之、植田佳奈、能登麻美子、野中藍、西村ちなみ、南央美、斉藤茂一
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

あにこれアニメ夜話 「百合談義」 disaruto×sekimayori×takarock

このレビューは、disaruto(みりあちゃん)、sekimoyori(seki)、takarock(私)が、
「百合」について語ったものです。
以前も似たようなことをしましたが、
あの時は、企画(レビューにする)→チャットという形で作ったもので、
チャットをしている時も構成やら尺やらを考えていましたが、
今回は、まったくそんなことを考えていない、行き当たりばったりのものですw
レビューの中身なんて、そんな御大層なものは
端っから考えていませんので、あしからずw
言ってしまえば、普段しているただの雑談ですw


{netabare}taka:神無月の巫女は(全12話中)10話まで
「これ、いつおもしろくなるの?」って観てた(・ω・)

seki:そのあたりから加速するの?

taka:(11話から)一気に加速した。
「おおおおおおおおおおおおお!!尊い!!!」ってなる。

disa:長セリフ良かったでしょ?
そこしか基本見どころないから、むしろ。。

seki:百合的に有名なシーンがあるのか。

disa:「千歌音 長セリフ」で検索検索!

taka:みりあちゃんがsekiくんに言ったら逃げ出すレベル。

seki:すごいカロリーだった。

disa:神無月ってさぁ、なんかまどマギに似てない?
誰からも賛同を得られないんだけど・・・

taka:あーまどかとほむらっぽさはある。
まどか=姫子、ほむら=千歌音。

disa:キャラ造形とか、最終話の展開とか、
もうまどマギにしか見えないんだよなぁ・・・誰からも(ry

taka:話自体はどうかね? そこまで似てるとも感じなかったかな。
たとえ嫌われてもとか、1億と2千年経っても愛してる的なほむら的な愛は感じた。
まーよくよく探せばいろいろと共通点はありそうだけど。

disa:話はそこまででもないか。
まどほむに似せたキャラ造形って、百合界隈では割と多いし、特筆することでもないかね。

taka:アニメに限っていえば、
あそこまで想いの重さに説得力があったのはなかなかないとは思う。
とにかく愛が重い、尊い。

seki:重い百合いい…見たくなってきたゾ。

taka:あと、終盤からの加速が凄いって点でいえば、まどマギっぽさはある。
まどマギは、序盤から何度も加速してたけど。

まとめると、戦闘シーンイラネ。
ウザク(『コードギアス』のスザク)みたいなソウマ。
姫子、若干うざい。

disa:戦闘シーンがクソなのは歪ない事実だけどね・・・
ソウマくんカッコいいやん。地球しか救えないけど。

taka:一昔前のヒーローって感じだなw 今はあまり好かれんかもなw

disa:ワイは百合アニメでは一番好きだな。一番好きなのはストパニだけど(超理論)。

taka:俺が評価付けるとなると、戦闘シーンとかのマイナスポイントとかで多少減点かな。
ただ、観終わって興奮はしたから観てよかった。

disa:興奮はした(意味深)。

taka:神無月の巫女、マリみて、ストパニとかと比べると、
やが君は現代っぽいというか、百合作品もだいぶ変わったねー。

disa:百合作品の変遷とか語りだすと、楽しくなってきちゃうね・・・

seki:みりあちゃんは語りたい。

taka:神無月の巫女、マリみて、ストパニ → やが君
この間の作品って何? ゆるゆり?
2005年前後からやが君まで10年以上離れてるけど、
代表的な百合作品ってパッと浮かばんな。

disa:少女漫画百合(青い花など)
→CGDCT(可愛い女の子がキャッキャする系、けいおん・ゆるゆりなど)
→男性向け恋愛百合(やが君など)
→恋愛要素を多分に含む多様な百合(はなにあらし・ふたりべやなど)
みたいな流れをマンガでは感じる。

taka:漫画だとコンスタントに百合作品は誕生しているとは思うけど、アニメはゆる化したんか。
けいおんも戯れているだけだしな。

disa:超ヒット作品はやが君までなかったしなぁ・・・
やが君ヒットしてから、一段と百合が充実した感はある。

taka:今後2005年前後からの10年間に誕生した百合漫画のアニメ化あるかもしれんな。
Girl Friendsっていつくらいの作品だっけ?

disa:2006年だってさ。

seki:ラブライブとかはけいおんの延長か。

taka:一時期けいおんの延長作品ばっかだったからな。
それ以外にもハルヒ以降の生徒会ものや部活ものとか。
今は異世界もの!!

disa:そうだなぁ。。。アニメ的にはストパンやら咲やら、
レールガンやらの戦う女の子×百合が流行った気がするけど・・・時期が怪しい。

taka:それらはあくまで付随的な百合だからな~。
やが君みたいなガチ百合は結構久しぶりだったかもね。

disa:それはとても思うわ。
恋愛感情伴うやつだと、やが君・あのキスっていう
近年2大百合漫画巨頭があるんだけど、どっちも終わりそうなんだよなぁ。
時代はまた、けいおん系に行きそうな気がする。

seki:電撃NEXTだっけ?
やが君の掲載紙はやたら同じような百合推してるけど、あれも落ち着きそうなのか。

disa:電撃の百合作品は出来がいいんだけど、やが君に比べられるからなぁ~。

seki:一家の長女がエリートだと下は辛いわね…

disa:新米姉妹とかバリバリの同期だし、
熱帯魚は雪に焦がれるもやが君には及ばなそうだし。。。
どっちも好きだけど、やが君は強烈なんだよなぁ・・・

taka:やが君は評判良かったみたいだし、
売上よくて2期とかあれば、また百合の流れは来るかなー。

disa:今更だけど、桜Trickってなんだったんだろうな・・・

taka:流行りのゆる百合にガチを混ぜました的な迷作。

seki:あら^~ってなるさじ加減って難しいんだなって桜Trick観て思いましたね。

taka:あの時代は女性同士のキス=拒絶って人多かったからねー。
やが君はストーリーと演出でそういう輩を黙らせた。
やが君は百合じゃないなんて言う人がいるのもその名残。
面白いけど・・百合なんて認めたくない、く、くやしい!ビクンビクン。

seki:堕ちてもいいんだよ…

disa:やが君のレビュー書くときは「やが君は百合じゃない?」って
絶対どこかにトピック入れるんだ(展望)。
やが君が百合じゃないって言ってるやつは、
脳みそと目が腐ってるんじゃないですかね(問題発言)。

seki:それ、そのままレビューに書きなよ。

taka:やっぱ、ガチな百合作品に触れてこなかったって人も多いだろうから、
いざ対峙した時にどう反応していいのか困惑しているんだよ。。

disa:あるがまま受け入れよう(聖母の笑顔)。

seki:百合であることは前提の上で、
異性愛にも通じる普遍的な問題を提起している、が正しい(大上段)。

disa:やっぱsekiきゅんいい事いうわぁ・・・前提が抜けているんだよなぁ。

taka:免疫がないんですよ、きっと。ガチ百合アニメは冬の時代だった訳だし。
やが君に関して言えば、好きって気持ちが分からないっていうのも、
非常に現代的な切り口だよね。

seki:いまの草食系男子にはぶっささるテーマなのかも?
そういや、どこかで女性の同性愛者とバイ合わせたら全体の9%くらいいるって統計見た。

disa:恋愛観の変遷に、いい感じで乗っかった作品なんだろうか。
LGBTの人数は12%くらいじゃなかったっけか?
左利きの人数と一緒って聞いたことある。。。
レズビアンとバイセクシャルだけだと、よくわかんねえ。

seki:LGBTへの注目、個人主義とか晩婚化、それに恋愛至上主義の弱まりとかあって、
「好きってそもそもなんぞや」みたいなところに共感する下地ができーので、
(少なくとも作品内では)性欲を排除した純粋な「好き」の形を問える同性愛で
その疑問を語り―のみたいなのが、やが君のフィット感だと思ってるの。

taka:スゲー!レビューみたいだ!!

seki:「女性同士の同性愛なら性欲の影響を排除できる」って思いこみ自体が、
社会が超えないといけない色眼鏡なのかもしれないけどね(意識高い発言)。
つーかわしゃ『その花びらにくちづけを』が好きだったんじゃ!
もっとエロエロしろ!

taka:意識たけええええええ!!!

disa:エロ小僧(゜-゜) {/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この百合は「アリ!」と思わず唸ってしまった、意外にも《感情描写系》の魅力作

二人のヒロインがともに「姫」由来の名前(姫宮千歌音(ちかね)、来栖川姫子)で、第1話の最初の方のシーンでヒロイン達の通う学校の校門の上に掲げられた標札が「乙橘(おとたちばな)学園」と読み取れた時点で、これは何らかのサインだと気づくべきでした。

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【弟橘姫(おとたちばなひめ)】は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の后(きさき)で、尊(みこと)の率いる一行の東国遠征中、相模湾から房総半島へと海上を渡ろうとして、暴風雨に遭遇したとき、海神の怒りを鎮めるために自ら海中に身を投じて尊の難を救った、と古事記や日本書紀に記されている日本神話の著名なヒロインの一人。
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◎本作の前半視聴時の感想◎

※不必要にお風呂シーンが多いんですが・・・
※下着ハダカ・ロボット・百合でジャンク臭が半端ないのですが・・・
※脚本のチープさが目立つ・・・

と、こんな風に第5話までは、「百合」設定という奇をてらったジャンクでチープな作品にしか見えず、適当に流し見していたのですが、第6話で本作は実は《感情描写》が細やかで、そこに見ごたえがあることにようやく気づき始めて、その後は最終話までイッキに見切ってしまいました。
とくにラスト2話にはかなり心を動かされてしまったので、今度は最初からじっくり本作の真価を見極めようと、すぐに2周目に入りましたが、そのときもラスト2話で確り感動を味わえたので、この感動は決してフェイクではない、と確信を持つことができました。

ちなみに、「百合」設定がテーマに深く絡んでくるアニメ作品というと、私がこれまで視聴したものでは『ユリ熊嵐』『輪るピングドラム』がありますが、これはどちらも「百合」であることに全然必然性を感じない、本当に「奇をてらった」だけの安っぽい(・・・というと語弊があるならば)中途半端な設定にしか、私には思えませんでした。
それで、本作の場合も、とくに前半は「どうせ・・・なのだろう」としか思っていなかったのですが、嬉しい誤算でした。

◎要点◎
本作は、「百合」であることに必然性があり、納得がいって、あまつさえ「感動」まである点で、おそらく希少!

とくに、本作の終盤では、私が高く評価している『魔法少女まどか☆マギカ-叛逆の物語-』や、『結城友奈は勇者である』を不意に思い出してしまうシーンがあったことから、評価点数を4.0と、かなり贔屓目に付けました。

あとは、ひと昔以上前風の変なロボット設定と、ただのギャグ要員にしか見えない敵キャラ設定がもう少しマシだったら尚良かったのですが、その点だけ惜しかったです(十年以上前のアニメなので、そこは仕方ないかも)。


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


======= 神無月の巫女 (2004年10-12月) =======

{netabare}第1話 常世の国 ★ 
第2話 重なる日月 ☆ 
第3話 秘恋貝 ☆ 
第4話 思い賜うや ☆ 
第5話 夜闇を越えて ☆ 
第6話 日溜まりの君 ★ ※ここでようやく、意外なことに《感情描写系》と気付く
第7話 恋獄に降る雨  ★ 
第8話 銀月の嵐 ★ ※ここで大きく話が動く
第9話 黄泉比良坂へ ★ 
第10話 愛と死の招待状 ★ ※千歌音が「叛逆」のほむらとダブり始める
第11話 剣の舞踏会 ★★ ※ラストで結構心が揺さぶられてしまう
第12話 神無月の巫女 ★★ ※「結城友奈」「シュタゲ」とダブるシーンあり{/netabare}
----------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)6、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「Re-sublimity」
ED 「agony」

(2016.2.21)

※3周目完走。評価4.0→4.1へ引き上げ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 33
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ドラマチック百合アニメ

制作はティー・エヌ・ケーで原作は漫画です。
ジャンルはGL・SF・ロボット・セカイ系です。
ガチな作品なので、女性同士の恋愛ものに抵抗がある方は注意です。


乙橘学園に通っている普通の女子高生来栖川姫子と、学園のアイドル姫宮千歌音、姫子に恋心を寄せるもう一人の学園のアイドルで幼馴染の大神ソウマの3人は、平穏な毎日を享受していた。
ある日、日食の黒い太陽が照らす中で、16歳の誕生日を迎えた姫子と千歌音はオロチ衆と呼ばれる者に訳も分からず襲われてしまう。


二作目の百合作品視聴。
一作目は明るめな作品を見たので、今回は少しシリアスな感じの作品をチョイスしてみました。



とりあえず視聴ハードルがすごく高い作品w
チェックシート作りましたのでどうぞ。

(1)「ロボット?戦闘シーンなんて気にしない。あくまで心情を表す舞台装置でしょ」
(2)「セカイ系?他のキャラの扱いが薄くたってメインキャラが立っていればそれでいいよ」
(3)「三角関係?ちょっとくらい真剣だって構わんよ」
(4)「派手な演出?演劇見てるみたいで楽しいじゃん」
(5)「百合?レズ?何の問題もない」(これが一番重要)

四つ以上当てはまればきっと楽しめる、はずw



まず一話見てびっくりしたのはロボットが出てきたところ。
前情報なしで見たため、超展開過ぎて吹き出しました。
{netabare}ソウマがロボットに乗って叫んでいるときに、二人がキスしているのは流石に笑っちゃうw{/netabare}

普通、男子一人の女子二人だったら男子を取り合うでしょ?
本作は主人公の女子を男子と女子が取り合います。
私は「百合作品に男はいらない」と思っている脳内お花畑な人なんですが、ここまで一途で格好良いなら何の問題もありません。
一部のラノベ主人公と伊藤誠はマジで彼を見習って欲しい。
ソウマは北海道にあるどっかのファミレスの店員よりも「かわいソウマ」ですw
{netabare}そうだね、彼には地球くらいしか守れないよねw{/netabare}


序盤は世界観設定やら、独特の演出やらでちょっとよく分からない感じで進みます。
正直、敵もショボイやつが多いですし。
ほとんど掘り下げられませんし。
ロボットに期待してはいけません。
戦闘で面白いのはVSツバサ兄さんくらいでしょうか?

物語の方向性が見えて面白くなるのは中盤(7話くらい)から。
とある展開から、もう世界は彼女達だけものになりますw
ここらへんから目が離せなくなって一気見してしまった。


以下感想。
{netabare}ひめこちゃんとちかねちゃんはすてきなかっぷるだとおもいました。

千歌音は黒化して「ヤンレズか?」と思ったけど、そんなことなかったですね。
11話の千歌音の長セリフって演技なわけですが、最終話見たら「ああ言っていることは本気だったんだな」って分かるからね。
12話の姫子の思いをぶつける長セリフも凝縮されていて大変良かった。
感動しちゃった。


巫女に関する設定はあまり説明されないので、「まあそういうものなんだな」と受け止めましょう。
重要なのはそんなことじゃないはず。
結局、姫子の千歌音とソウマの二人への恋愛感情の動きが大事。
あとは千歌音の葛藤かな?
男子も混ぜて三角関係をしっかり描き切ったのは称賛に値します。

個人的に気になったのは、この作品って「まどマギ」に似てませんかね?
ループ、セカイ系な雰囲気、女性同士の恋愛感情。
「まどマギ」がちょっと要素をパクってきた感がしないでもないw
千歌音とほむら、姫子とまどかが絶妙にオーバーラップw
残される側の結果は違うけれどね。{/netabare}


総括して、百合を見たい、それ以外はあまり気にしないという方は見てみるのも良いかと。
三角関係の描き方はなかなかに濃厚で見ごたえがありました。
個人的にはツボった。
どうでもいいですが、主題歌二つとも同じ方が歌っていますね。
OP・EDのどちらも良曲な作品ってそんなに思いつかないのでそこも推しておきますw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

62.1 18 妖怪で笑いなアニメランキング18位
鴉-KARAS-(OVA)

2005年5月28日
★★★★☆ 3.6 (117)
496人が棚に入れました
夜を忘れた街・新宿。隣り合う妖怪の存在を忘れ、浮かれ暮らす人間たち。古来より、からみ合うこのふたつの世界の秩序は“ゆりね”と“鴉”によって守られてきたが、ここにきてそのバランスは大きく乱れつつあった。\n一切の「個」を捨て、街の下僕となることをさだめられているはずの“鴉”が、自らを廻向と名乗り、人間への復讐を開始したのだ。街で連続する奇妙な殺人事件。それらはすべて、廻向によって新たな体を与えられた御座衆と呼ばれる機械化妖怪のしわざによるものだった。\nそんな中、新宿駅にふたりの男が降り立つ。ひとりは猟奇殺人解決のために本庁から派遣されたエリート警部・呉。そしてもうひとりは、廻向を倒すため舞い戻った流浪の妖怪・鵺。\n人間社会の常識にとらわれるあまり事件解決の糸口さえ見つけることができない呉とは対照的に、鵺は御座衆のひとりである河童を追いつめる。鵺の狙うライフルのスコープが河童をとらえた時、もうひとりのゆりねと鴉が現れる。彼らこそ、新宿の大いなる意思が生み出した、新たなる街の守人であった。

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

漆黒のヒーロー誕生!驚愕の、ハイクオリティーアニメーション!!

タツノコプロの40周年記念作品として制作された、ハイクオリティーアニメーション作品!!
監督は、さとうけいいち監督。今期は、音楽の池頼広らと共に「TIGER & BUNNY」を製作しています!
1話30分、全6話のOVA作品。第5回東京国際アニメアワードの、オリジナルビデオ部門優秀作品賞を受賞しています。

人間と妖怪が共に住まう街、新宿。その均衡は、街を守りものである"ゆりね"と"鴉"の存在によって、古くから保たれていたのだった。
しかし、やがて人間は妖怪の存在を忘れ、己の快楽や欲望の赴くままに街を作り変え、その均衡が今破られようとしていた…。
新宿の街を舞台に、妖怪達の激しいバトルが今始まる…!

第1話のオープニングシーンから、息もつかせぬバトルアクション!むちゃくちゃカッコいいです。
スピード感のある映像と、温かみのある色彩が印象的!
新宿の町並みや歩く人々も、とても丁寧に描かれています。
バトルシーンやさまざまな場面で使われる、光の演出も素敵です。
手書きの人物達が急に、フルCGのバトルロボットに変身するのには少し抵抗がありましたが、慣れれば逆に癖になります!
特撮ヒーローのドラマを彷彿とさせる場面がいくつかありますが、実写では実現できないことを表現できるのがアニメすごいところですね。ますます実感しました!
音楽は、プラハ交響楽団も巻き込んだ、本格的なサウンド。
新宿に妖怪が暮らしているという設定も面白いです。
キャラクターデザインも魅力的で…!
鵺役の藤原啓治さん、廻向役の櫻井孝宏さん達がとてもはまり役で、すばらしかったです!
その分、俳優が本職の方々の声がどうしても浮いてしまって…。とても勿体なかったです…。
とはいっても、思わず画面に見入ってしまう事間違いなし!

圧倒的な映像技術と、感動的なストーリー!最高の音楽とスピード感あふれるバトルアクション!
タツノコプロの本気の詰まった一作を、是非一度ご覧下さい!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

超絶美麗バトルアクション

タツノコプロ40周年記念OVAとの事です。
タツノコお得意のお家芸、等身大ヒーローを超絶美麗グラフィックで魅せてくれます。
いや、ほんと気合入ってます。持てる総力を注ぎ込んだって感じです。


やれる事は何でもやろうという気概が感じられる設定。
基本、剣で戦うヒーローものですが、妖怪あり、メカあり、グロあり、ガンアクションあり、飛行機(のようなもの)での空中戦あり、と、バトルの要素をごった煮状態で詰め込んでます。
相当作画に自信アリですね。
その全てのアクション要素を、CGと手書きを融合させた見事な描写で表現しきってます。
バトルアクションの作画は近年見たどのアニメよりもハイレベル。一見の価値ありです。

ストーリーは、あらすじに書いてあるとうりで、特筆するようなところはありませんが、第1話では世界観を語ることなくとにかく派手な映像と意味深なカットを多様して畳み掛ける演出。
「オラ、俺様の美麗世界に魅入ってこいやぁ」って言われてようで正直ウゼェ。癇に障って仕方ありませんでした。(まだ1話目だけど見るのやめようかとさえ思ったw)
2話以降、ちゃんと状況が判るような展開と演出になってたんで見続けましたが。


声優は、主要キャラに俳優使ってます。
大して上手くもありません。
ストーリーが陳腐だから、素人くさい起伏の無い演技でも気にはなりませんでしたが・・・
40周年を記念する作品でしょ?
話題づくりの為かは知らないけど、なんでアニメの老舗製作会社が、アニメの質を貶めるような真似をわざわざするかなぁ。
色々大人の事情もあろうかと思いますが、この点は大いに不満です。


まぁ多少の問題もありますが、ほんとに映像は超一級です。
バトルアクションがお好きな方、是非ごらんください。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

人か鴉か

タツノコプロ40周年作品。
全6話で構成されていて、舞台は魔都市東京。
サンシャインやヒルズなども出て来るので
親近感が湧くかも?
メカニック妖怪バトルと
それに絡む人間模様という感じかな。
メカニック妖怪の1人が鴉なんですが
牙狼を彷彿させるキャラデザ。

妖怪は使い古された感があるけれど
メカニック化されている事で斬新に見える。
純妖怪も出て来るし、五行結界をはる事で
6話と短いながらも納得できるシナリオになっていて
バトルも良く動く。

さとうけいいち氏が原案と監督をやっているので
作画は抜群だし、音楽も良い。
バハとかタイバニで有名ですね。
とても良く出来てると思うのですが
知名度が足りない気がするのは何故…

ゆりねのキャラデザをもう少し神々しくして欲しかった。
町並みはもう少し胡散臭い多国籍な感じにして欲しかった。
目の付け所は良いと思ったので
アンバランスな町並みを見て見たかったかな。

最初は意味不明というか、入りにくいというか
敷居が高く感じるかもしれないけれど
3話でおおまかな流れがわかり
4話で話が動いて
5話の猫さんの囲みで鳥肌が立ち
6話で綺麗にまとまっています。

白猫さんと巳さんは絶対に殺してはならないと言われていた所以がわかります。
個人的にはかたつむりの子が好きでした。
もっと話が多ければ純妖怪も沢山見れたのかしら。
どこぞの50周年記念とは大違いでとても良かったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
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