宇宙で艦隊なアニメOVAランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの宇宙で艦隊な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番の宇宙で艦隊なアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

63.8 1 宇宙で艦隊なアニメランキング1位
星界の戦旗 III(OVA)

2005年8月26日
★★★★☆ 3.7 (58)
321人が棚に入れました
「狩人」作戦終了で、戦況は一時膠着し、二人はジントの故郷にして3ヵ国連合から帝国が奪還したハイド伯国(旧:ハイド星系)へと向かうが、待っていたのはとても好意的とは言えぬ歓迎であった。一方、星界軍は未だ帝国に帰順しないハイド星系における戦略級演習を企画する。そしてついに、ジントは育ての親にして現・ハイド星系首相ティル・コリントと再会する。しかし、ティルの出した答えは…。

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

アニメはここで一区切り

星界シリーズ4作目。
現在アニメ化されているのは、本作で最後になります。
星界の戦旗Ⅱのその後のお話ですが、星界の戦旗Ⅲは2話しかありませんので、戦局的に大きな事件もあまりありません。
(原作ではそれなりに盛り上がったエピソードらしいですが、アニメは戦闘部分を大幅カットしたそうです)
主人公、ジントにとっては人生の大事件ですが・・・


ストーリーは、ジントの故郷にまつわる話です。
一応はアーヴ貴族という立場でありながら、決して幸福とはいえない生い立ちのジントですが、このお話でも哀しい目に合います。
基本的に穏やかな性格で、怒ったり泣いたりという感情をあまり現さない性質の彼ですが、悲惨な境遇を「仕方ないな」というような困った表情で、受け入れているように見えるのが痛々しい。
皮肉なことに、そんな試練がより一層ラフィールとの絆を深めているのですが。


あまり戦闘シーンはありませんが、星界軍の面々の粋な会話劇は健在。
部下への叱責や激励の言葉のひとつとっても、なんともまぁ、いちいち文学的でカッコイイ。
やっぱり、本作はこうでなくっちゃ!です。

シリーズのファンの方、締めくくる意味でも是非ごらんください。
前作をご覧になっていない方は「星界の紋章」から、ね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

ひごもっこす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

シリーズとしては最高

軽い恋愛話もあるけど、主題は種族間の長~い争い。

ライトノベル原作ですが、基本設定がしっかりしています。

SFものにありがちな距離を無視した通信や物理的な移動に時間がかかる設定。

かの『銀〇英〇伝〇』ですらかなり怪しいところがあるけど、このシリーズはそれが無い。


情報伝達は限られているし、亜空間(平面宇宙)を介した通信を使ったとしてもその伝達容量は非常に限られている。
しかも双方向通信ではなく電文形式の片方通信というところがマニアック。
実世界の通信も本当はこんな感じですから。


また主人公の乗艦がチート級に強い訳ではなく、単なる量産艦に乗艦、戦闘。
ま、主人公の身分が普通じゃないので、そういった意味ではチートなんですが。

明らかに玄人向けファンタジーSFです。

小説はゆっくりですがまだ執筆が続いていますが、最後まで読めるのか俺。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

星界の短編

今作は、ジントの故郷ハイド伯国と新設第1蹂躙戦隊の話となります。
全2話と短いため、ストーリーはあっさりしており、戦闘もありません。
ジントのラフィールへの思いが、ノスタルジーとともに描かれています。

ラフィールがジントにべったりなのが笑えます。
ラフィールがデレデレになりつつあります。

操縦時のエクリュアの豹変が面白いです。

今作で本シリーズは終了。
もっとみたいなあ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

74.7 2 宇宙で艦隊なアニメランキング2位
銀河英雄伝説 外伝(OVA)

1998年2月1日
★★★★★ 4.1 (138)
743人が棚に入れました
銀河英雄伝説シリーズの外伝。銀河系宇宙を舞台に、英雄たちの群像劇を壮大なスケールで描く。銀河帝国幼年学校を卒業し酷寒の惑星・カプチェランカに赴任したラインハルトたち。ベーネミュンデ侯爵夫人は彼らの抹殺をヘルダー大佐に指示する。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ヤン・ウェンリーの事前譚『螺旋迷宮』だけは見る価値あり

リメイク作品が放送されていたので、ついでにほぼ未視聴のまま放っていた『外伝』の方もこの機会に完走してみました。

◆総評

タイトルに書いた通り、自由惑星同盟の軍師ヤン・ウェンリー(※本シリーズの主人公である銀河帝国の英雄ラインハルト・ローエングラム将軍のライバル)の「本伝」が始まる以前の経歴を描いた「外伝2」だけは見応えがありました。
逆に言うと、ラインハルトと彼の盟友キルヒアイスの「本伝」開始以前の軍歴を描いた「外伝3~4」は、さほどでも無かった、ということですが。
それでも『銀英伝』のファンの方なら見て損はない内容と思います。


◆作品別評価(外伝)

※なお、私が視聴したDアニメストアでは、「外伝1」は、劇場版3本のことなので、「本伝」の方に纏めてレビュー済みです。

(1) 外伝2 ★ 4.1 ※14話
(2) 外伝3 ☆ 3.7 ※16話
(3) 外伝4 ☆ 3.6 ※22話
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  総合  ☆ 3.7 ※計52話


◆制作情報
{netabare}
原作小説       田中芳樹
監督         石黒昇(総監督)
シリーズ構成・脚本  河中志摩夫
キャラクターデザイン 清水恵蔵(全編)、今泉賢一(「汚名」のみ)
メカニックデザイン  田中精美
アニメーション制作  ケイファクトリー{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== 銀河英雄伝説 外伝2 【螺旋迷宮】 (1999年) ============
{netabare}
第1話 エル・ファシルの英雄 ★ ヤン・ウェンリーの生い立ち、初軍功
第2話 英雄の新しい仕事 ☆ ヤンの少佐昇格、環境の激変
第3話 英雄たちの横顔(プロフィール) ★ アッシュビー提督謀殺説調査、同盟軍諸将の様々な個性
第4話 過去へのささやかな旅 ★ ローザス提督宅訪問(アッシュビーの人物評)
第5話 時の女神に愛された男 〜第二次ティアマト会戦記I〜 ★ 続き(史上最大の会戦)
第6話 英雄の死 〜第二次ティアマト会戦記II〜 ★ 続き(アッシュビー最後の大武勲と戦死)、ローザス提督の突然死
第7話 喪服と軍服の間 ★ 提督の葬儀、諸将の戦後、ヤンの新しい赴任先(辺境惑星エコニア)
第8話 収容所惑星 ☆ 閑職着任(パトリチェフ大尉との出遭い)、捕虜の叛乱勃発
第9話 捕虜と人質 ☆ 続き(捕虜たちとの会話、収容所の腐敗、アッシュビー謀殺説の出所)
第10話 顕微鏡サイズの反乱 ★ 続き(コステア所長の謀略失敗、警備管区への報告)
第11話 エコニアの英雄 ★ 続き(ムライ監察官到着・裁断、ケーフェンヒラー大佐の釈放決定)、ヤンの帰還命令
第12話 過去からの糸  ☆ ケーフェンヒラー大佐の打ち明け話・死亡  
第13話 ひとつの旅の終わり ☆ 大佐の墓碑銘、アッテンボローの軍務開始事情、キャゼルグ中佐との再会
第14話 出口をさがす旅 ★ 大英雄アッシュビー提督を廻る真実の歴史(帝国軍の情報漏洩・・・ヤンの報告)、ローゼン提督の孫娘からの手紙、ヤンの作戦課配属命令{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)9、☆(並回)5、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.1


======== 銀河英雄伝説 外伝3 【白銀/叛逆/決闘/奪還】 (1998年) =======

 - - - - - - - - - - - - 【白銀の谷】 - - - - - - - - - - -
{netabare}
Kap.Ⅰ ★ 酷寒の辺境惑星カプチェランカ(ベーネミュンデ侯爵夫人の怒り、ラインハルト&キルヒアイス初軍務)
Kap.Ⅱ ★ 続き(ヘルダー大佐の裏切り、同盟軍との遭遇・交戦)
Kap.Ⅲ ☆ 続き(上官フーゲンベルヒ殺害、同盟軍の奇襲、ラインハルトの大功)
Kap.Ⅳ ☆ 続き(同盟軍基地強襲、ヘルダー大佐死亡){/netabare}

 - - - - - - - - - - - - 【叛乱者】 - - - - - - - - - - - -
{netabare}
Kap.Ⅰ ☆ ラインハルト中尉昇進、駆逐艦ハーメルンツヴァイ勤務開始(航海長)、平民兵士の反感払拭
Kap.Ⅱ ★ 小惑星帯の交戦(艦長負傷、ラインハルトの指揮の冴え、ベルトラン副長との対立) 
Kap.Ⅲ ☆ 続き(副長の自沈方針、艦内造反、艦長からの指揮権正式委譲)
Kap.Ⅳ ★ 続き(脱走者阻止、艦外修理成功、副長殉職、宙域離脱成功)、ラインハルト大尉昇進{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - 【決闘者】 - - - - - - - - - - - -
{netabare}
Kap.Ⅰ ☆ 首都オーディン帰還(軍務省内勤、帝国の腐敗)、ラインハルトの決闘代理人引き受け
Kap.Ⅱ ☆ 続き(ベーネミュンデ侯爵夫人の刺客)
Kap.Ⅲ ★ 続き(銃による決闘、剣による決闘、皇帝の裁断)
Kap.Ⅳ ☆ 刺客との再決闘{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - 【奪還者】 - - - - - - - - - - - -
{netabare}
Kap.Ⅰ ☆ ランハルト中佐昇進・巡行艦ヘーシュリッヒ・エンチェン艦長着任
Kap.Ⅱ ☆ 続き(フェザーン回廊、ヘルクスハイマー伯亡命阻止任務、マルガレータ嬢確保)
Kap.Ⅲ ☆ 続き
Kap.Ⅳ ☆ 続き、ラインハルト大佐昇進決定{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)5、☆(並回)11、×(疑問回)0 個人評価 ☆ 3.7


== 銀河英雄伝説 外伝4 【朝の夢/千億/第三次ティアマト/汚名】(1998年) ==

 - - - - - - - - - - - - - 【朝の夢、夜の歌】 - - - - - - - - - - - -
{netabare}
Kap.Ⅰ ☆ 帝都憲兵隊本部出向、幼年学校生徒不審死事件
Kap.Ⅱ ☆ 続き(ラインハルト&キルヒアイスの洞察、学校の腐敗)
Kap.Ⅲ ★ 続き(父の訃報・葬儀、ラインハルトの憎悪の対象、第二の学内殺人事件)
Kap.Ⅳ ★ 続き(ラインハルトの罠、事件の真相、色盲者ハーゼへの激励){/netabare}

 - - - - - - - - - - - - 【千億の星、千億の光】 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 ヴァンフリート星域の会戦 ☆ ラインハルト准将昇進、老いぼれ上官とラインハルトの焦燥、戦線の混迷
第2話 三つの赤(ドライ・ロット) ☆ 同盟軍後方基地配属ローゼンリッター(帝国からの亡命者隊)とリューネブルク准将(同盟からの亡命者)の因縁
第3話 亡命者たち ☆ シェーンコップvs.リューネブルク
第4話 染血の四月 ☆ リューネブルクへの敵意(ラインハルト)
第5話 危険な男 ☆ 同盟軍基地攻防戦、キルヒアイスvs.シェーンコップ
第6話 混戦始末記 ☆ 同盟軍基地司令官拿捕(ラインハルト武勲)、最年少の少将昇進、キルヒアイスの昇進保留
第7話 初夏、風強し ★ 門閥貴族の反感、キルヒアイス少佐昇進、グリンメルスハウゼン大将のラインハルト評
第8話 伯爵家後継候補 ★ キルヒアイス帰省、ライハルトの襲爵問題(皇帝の配慮と大貴族の反発)
第9話 パーティーの夜 ☆ ヒルダ嬢登場、ラインハルト&リューネブルクの喧嘩(ケスラーの仲裁)、イゼルローン回廊の戦い
第10話 真実は時の娘 ★ 続き(ラインハルトの戦術試行錯誤、ヤン大佐の作戦立案(参謀長への進言)、両雄の初対戦)
第11話 第六次イゼルローン攻防戦 ★ 続き(ラインハルトの秘策成功、両軍の戦術優先による戦略的優位の確保失敗、リューネブルク戦死、ケトラー来訪)
第12話 千億の星、ひとつの野心 ☆ 続き(ロイエンタール&ミッターマイヤー両准将活躍、同盟軍退却){/netabare}

 - - - - - - - - - - - - 【第三次ティアマト会戦】 - - - - - - - - - - -
{netabare}
前篇 ☆ ラインハルト中将昇進、ヤン准将昇進、同盟軍ホーランド中将の作戦案採用(帝国軍苦戦、待機中のライハルトの忍耐)
後篇 ★ 同盟軍ホーランド艦隊の無謀な突出、ライハルト反転攻勢成功(キルヒアイス好サポート)、同盟軍撤退、ラインハルト大将昇進・キルヒアイス中佐昇進、旗艦ブリュンヒルト貸与{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - - - - - - 【汚名】 - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
Kap.Ⅰ ☆ ラインハルトのローエングラム伯襲爵、キルヒアイスの休暇(カイザーリング退役少将救助、麻薬捜査協力)
Kap.Ⅱ ☆ 続き(カイザーリングの招待、不可解な捜査)
Kap.Ⅲ ☆ 続き(バーゼル退役中将との顔合わせ、キルヒアイス活躍、カイザーリングの告白)
Kap.Ⅳ ☆ 続き(バーゼルとの対決、事件の結末)、ラインハルト上級大将昇進・キルヒアイス大佐昇進決定{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)7、☆(並回)15、×(疑問回)0 個人評価 ☆ 3.6

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

白銀の谷('16.5.2視聴) 第三次ティアマト会戦('16.5.5視聴)そして壮大なる叙事詩の幕が上がる・・・

銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
⇒(2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
 (9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」

前作OVA「螺旋迷宮」は、自由惑星同盟のヤンを主人公として物語が描かれていましたが、本作「白銀の谷」は、銀河帝国のラインハルトが主人公の物語です。
これで自由惑星同盟と銀河帝国の主人公がそれぞれ出揃った訳ですが、両者がぶつかるのはもう少し先の事のようです。

ラインハルトは元々下級貴族の長男として生まれ、5歳年上の姉であるアンネローゼがずっと面倒を見てくれてきました。
ラインハルトは友達を作りませんでしたが、それでも隣の家に住むジークフリード・キルヒアイス(以下、キルヒアイス)がラインハルトの唯一無二の親友でした。

清楚で気品があり、そして優しく温かい微笑みを二人に向けるアンネローゼは、二人にとってとても大切な存在・・・アンネローゼの作ってくれるおやつは絶品で、こんな時間がずっと続けばいい・・・きっとみんなそう思っていたのだと思います。

でも事はそう上手くは運びませんでした・・・アンネローゼが皇帝フリードリヒ4世の後宮に召されてしまったんです・・・
皇帝を激しく憎悪するラインハルト・・・精神的ショックで打ちのめされたキルヒアイス・・・
これまで何もかもが上手く回っていた歯車が音を立てて崩れ去ったよう・・・

ここで二人は誓い合います・・・現王朝を倒し帝国の現体勢を変えてアンネローゼを取り戻す事を・・・
二人はその誓いを最短で叶える事のできる軍人への道を選び・・・物語が動いていきます。

現王朝も帝国軍も規律から大きく逸脱していたのが実態で、元々下級貴族の生まれであるアンネローゼが皇帝に見初められたこと・・・皇帝の後宮を姉に持つラインハルトが特別待遇で少尉から軍歴を始めること・・・これら全てが面白く無い、と思う輩も少なくなかったのです。

今は150年にも渡る戦乱の真っ只中・・・優先事項は限られている筈なのですが、何故人間は面白くないと人の足を引っ張るのでしょう・・・^^;?
思いがけない出世を羨む事はあって良いと思います・・・同じ目標に進んでいるライバル同士なら尚更です。
でも、そこで迷惑をかけて恩恵を受ける人なんて、ひと握りだけなんです。
そのひと握りのために尊い犠牲を厭わないんじゃ、勝てる局面も勝てなくなってしまいます。

そんな渦中に放り出されたラインハルトとキルヒアイスですが、どんな逆境にも毅然と立ち向かいます。
彼らには誓いがありますから・・・それを成就するまで負けられませんから・・・
二人の行動と事の顛末は、是非本編をご覧下さい。
約束と純愛が随所に感じられる作品だったと思います。

視聴前のキャラデザから、個人的にはヤンの方が好みかと思っていましたが、この作品を視聴して軍配がどちらに上がるか、全く分からなくなってしまいました^^;

OVA全4話の物語でした。
もう少し視聴を進めたらキャラに対する見方に深みが出てくる事を期待しながら、次作の「叛乱者」を視聴したいと思います。

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あにこれに作品が登録されてなかったので、第三次ティアマト会戦のレビューをここに記載します。

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
 (2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
⇒(9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」 (1) 「螺旋迷宮」

この物語はタイトル通り第三次ティアマト会戦が描かれた作品です。
「ティアマト会戦」は特に自由惑星同盟軍にとっては、思い入れのある戦いです。

ブルース・アッシュビー・・・士官学校を主席で卒業し、たくさんの輝かしい戦績を残した彼が僅か35歳の大将として挑んだ戦いが、先の第二次ティアマト会戦だったんです。
ですが、ブルース・アッシュビーはその戦いで自艦に被弾して戦死してしまいました。
生きていれば36歳で元帥という過去に類を見ない早さで昇進する筈だった彼は、今でも英雄として称えられています。

3度目のティアマト会戦・・・この戦いがどういう意味を持つか・・・国民が期待しているのは何か・・・
幕僚関係者には分かりすぎるくらい理解しています。
これまで帝国軍と同盟軍の戦いは一進一退の繰り返し・・・150年という戦争の歴史が、戦争の目的自体を「相手に勝利する」事ではなく「戦争を続けること」に変わってしまったのでは・・・と思えるくらい膠着状態が続いているんです。
そんな中、国民の苦しい生活を強いられているのでしょう・・・そんな国民が抱くのは「英雄の再来」による明るい希望そのもの・・・

でも、そんなにポンポン英雄が出て来る事なんて有り得ません・・・ブルース・アッシュビーが没してまだ4,50年しか経っていないんです・・・
それでも、同盟軍の荒ぶる獅子のごときポーランド中将がティアマトでの作戦を提案し・・・通算300回目の幕が上がっていきます。

第3次ティアマト会戦・・・ここでの教訓は、集団行動を行う時には仲間と蜜に連絡を取りつつ、常に余裕を持った行動をする事・・・だったと思います。
文字にすると、子供でも分かる簡単な事です。

でも、世の中にはその判断を鈍らせるトラップが張り巡らされていて、得てして気付けない時があるんですよね・・・^^;
「予想以上に上手く事が運んでいる時」なんかは最も典型的だと思います。
物事が一番見えていないのは当事者自身で、事が上手く運びすぎるとつい自分を過信してしまう・・・それが敵の罠かもしれないのに・・・
これを常に肝に銘じておき、人の話をちゃんと聴く耳を持っていればそんなトラップには引っかからないのですが・・・

今回の会戦で一番得をしたのは、殆ど働いていないラインハルトでした。
戦いにおけるポイントをしっかり押さえた結果だったので当然と言えば当然ですが・・・
第三次ティアマト会戦の具体的内容については、是非本編でご確認下さい。

OVA全2話の作品でした。そろそろラインハルトとヤンの直接対決の雰囲気が色濃くなってきましたが、一方で外伝と劇場版も残すところあと僅かです。
もしかしたら二人の真剣勝負は本編に持ち越しなのかもしれません・・・
OVAとしての続編は「汚名」になるようですが、時系列的には間に劇場版「わが征くは星の大海」が間に入るようなので、次は劇場版を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

よっしゃー。これでコンプリート?

本編を観た勢いでこちらもコンプリートなう!
いやー、長かった、長かった。外伝なのに何時間あるんだよ…

■アニメとしてはこっちのほうがベタな意味では出来がいい

 アニメとしては、こちらのほうが「普通」のアニメになっていたな、というように思います。というか、キャラクターの人格表現や、話の盛り上げ方とかは、こっちの外伝のほうが、オーソドックスな意味ではよくできいた、と言ってもいいように思います。基本的に2話~12話完結の短編がオムニバス方式で並べられているものなので、起承転結が短いターンでよくできてたな、っていう印象が残りました。
 ラインハルトとか、もはやただのツンデレじゃないかとか、キルヒアイスとラインハルトはどんどんとやおいネタ一直線じゃないかとか……まあ、そういう配慮もこちらでは前面に押し出されつつ。
 ラインハルトや、ヤン・ウェンリーの人格的な統一性は、こっちをみたほうが本編をみる前にはよかったね。

■本編の異質さがあらためて際立った

 なんか、こっちを観たことで、逆に本編の話の構成のさせ方の異質さがあらためてきわだって感じられた、という気もしました。
 本編のほうって、ヤン・ウェンリーとかは「名言」がとても多いのだけど、それが物語構成上のクライマックスにはなってないんですよね。つまり「民主主義における軍隊というのは云々~」とか、いくつかの名言は、物語においてクライマックスが登場したあとに、解説のようにして付け加わる。
 でもこれって、ベタな物語作法から言えば、クライマックスを盛り上げるために、主人公たちがどういうジレンマを抱えているかを先に書いたほういいわけですよ。
 本編ではいくつかのジレンマがあるけれども、ジレンマがクライマックスにいたる前の「仕込み」として、ジレンマ状況を説明するための認識って示すのが普通なわけですよ。でも、クライマックスが終わったあとに「解説」として言葉を付ける。何なんだ、これが、ということを思うわけです。
 一応図式化しておくと

 【ジレンマ状況の説明】→【対立のクライマックス】
 
 というのが普通の物語作法。この方法によって、クライマックスのときに、登場人物たちが何に歯ぎしりしているのかを視聴者は共感して見ることができるわけです。

 【対立のクライマックス】→【ジレンマ状況の説明】

 という形を、銀英伝の本編はとっています。

■銀英伝は、物語作法ではなく、論説文の作法を採っている

 まあ、クライマックスの前の説明がないわけじゃないんだけれども、クライマックスが終わった「後」の解説がふつうの物語よりもかなり多いのですよ。
 この「ジレンマ状況の説明」が「ヤン・ウェンリーの名言」なのですよ。これは、けっこう不思議な構成で、物語のなかのポジションとしては、エピローグみたいなところに入るのが普通でしょう。これって。なんだけれども、エピローグに入り込ませられるべきものが、本編のなかの途中途中で、入り込むことになっています。
 「ジレンマ状況の説明」を、クライマックスの前ではなくて後にもってくるという作法は、物語作法というよりも、エッセイとか論説文を書くときのノウハウ。物語を最初に紹介することで、そのあとに続く抽象度の高い議論を理解するための補助線にする、というのはエッセイとかではよくやる技法です。
 これは、ヤン・ウェンリーが歴史学者としての側面をもっているキャラだからこそ…というのもあるのでしょうけど、物語が終わった「後」に説明をするからこそ、何か抽象度の高い議論にもみえるし、銀英伝は分析的な思考をかきたてるのにも、面白い物語になっているのでしょうね。

■各シリーズごとレビュー

螺旋迷宮:★★★☆
ヤンがエル・ファシルの英雄として帰還してからの14話。某老人の人格描写はちょっとおもしろかったかな。

白銀の谷:★★★
極寒の地で生き延びろ!ラインハルト少尉!のはなし。お前ら強すぎだろう。

叛乱者:★★★★
宇宙船からの生還だ!ラインハルト中尉!の巻。これは、クライマックスの作り方がうまかった。物語技法的には、一番ベタにしっかりとしていた。銀英伝そのものの良さとは別方向だけれども、エンタメとしては出来がよかった。

決闘者:★★★
今度は決闘だ!ラインハルト!の巻。なんかハウス食品劇場もののアニメを観ているような気分になった。ラインハルトせんせい、つよすぐるよ…w

奪還者:★★★☆
今度はスパイだ!ラインハルト!の巻。これは外伝全体のなかでは三番目ぐらいによかったかな。こういう話は比較的好きですよ。

朝の夢、夜の歌:★★★
今度は探偵だ!ラインハルト大佐!の巻。なんかベタな探偵物だった。

千億の星、千億の光:★★★
今度は地上戦だ!ラインハルト少将!の巻。銀英伝らしいかんじのはなし。これは本編の雰囲気と比較的連続性がたかいと思う。

第三次ティアマト会戦:★★★☆
今度は艦隊船だ!ラインハルト中将!
これは、本編+αといえる内容。組織の無能なやつへのいらだちの表現とか、よかったですよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
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