宗教で恋愛なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の宗教で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の宗教で恋愛なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.4 1 宗教で恋愛なアニメランキング1位
花咲ける青少年(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (222)
1215人が棚に入れました
アメリカに本拠を置く世界的大企業のバーンズワース財閥。1代でその財を築き上げた現会長ハリー・バーンズワースの一人娘である花鹿は、幼い頃に誘拐されかけたためにカリブ海にある孤島で10年あまりのあいだ世間から幽閉同然に隔離されて過ごしていたが、彼女が14歳になったある日世間に出ることを許され、自らの希望で母の母国である日本の中学に通いだす。
しかしそれから1ヶ月、突如ハリーからアメリカに呼び戻される花鹿。久しぶりに顔をあわせたハリーは花鹿に「おまえは重い宿命を背負っており、世間から隔離して育てたのも本当はその宿命のためだ」と告げる。その宿命とはなにかと問いただす花鹿に対して、ハリーはいきなり「ゲームをしないか」と持ち掛ける…。

声優・キャラクター
遠藤綾、森川智之、小野大輔、浪川大輔、福山潤、柿原徹也、子安武人、諏訪部順一、土田大、郷田ほづみ

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ん~・・微妙・・

2009年4月-2010年2月迄NHKで放送された。全39話。

マハティ編は1987年。本編は1989年10月から連載の少女漫画
を元に制作された。

設定&あらすじ。

世界でも屈指の大財閥の一人娘の宿命の謎を「夫捜しゲーム」
での展開を軸に描く物語。貴種流離譚風の謎を含みロイヤル
な雰囲気で何処までも華やかで優雅な家系の御子息御令嬢の
恋愛模様の側面や裏側を描いたような・・世間一般とは隔離
されて育った色んな意味で天然御嬢様が洗脳していく物語。

感想。

浮世離れした上流階級の恋愛物で内容はコテコテの古典。
色々シリアスに描く様々矛盾したギャグなので覚悟を。
兎に角ぶっ飛んでます。主人公はカリスマ教祖様です。


1話目数秒で頭が異常にデカイヒロインの幼少期の回想・・
只でさえ目立つのですから云々というが地味なヒロイン。
基本ヒロイン以外はMOBまで美形なり可愛いのだけれど。
兎に角構図や演出含めて作画が酷すぎる。不安定だし。

ヒロインは体と顔のバランス不可思議な描写が多い・・
首が異様に長かったり変な角度で捻ってたり不思議・・

顔と体と別に書いて切接したのでは?と思う描写も多い・・
3D描写等は特に酷く・・初期の特撮ヒーローものクラス。
この手のアニメにしてはアクション等の構図も含め汚い。
NHKでなければ1クールで打ち切られたであろうという感じ。

当然の如く??男性キャラは鉄板の美形揃い。
徹底的に庶民とは隔絶したブルジョワとロイヤルな世界観。

2話目ユージィン=ムスターファの件は主人公の頭の悪さを
徹底的にシリアスに描くギャグなのでスルーしよう。

3話目悟りを開いた無敵頑固無双の様でアンバランスな一面
も描いて苛っと落として良い台詞も入れてフォローする。

4話目流石教祖!破天荒な原始人はムスターファ洗脳成功。

5話目王子登場!9話目以降唐突にコメディ展開や過去の話。
1クールで飽きて視聴を止めたが、展開そのものは苦手では
無く、見始めた以上結論は気になってたので再視聴。

再視聴で先ず感じたのが・・NHKだからこそ許されるスロー
スタートで徐々に盛り上がっていく。といっても低空飛行。

1クール最終話迄にギリギリ盛り上がり、梃入れもある。
唐突ではあるが、意味不明の学園パートの補足でギャク回も
設けられている・・そして2クールまでの繋ぎに伏線を引く
形で跨いでいる。主人公の謎の問題にも結論を見せている。

2クール以降はその事に関して沿った形で分り易く絡め手の
エピソードが軸になっている。
主人公の精神攻撃や洗脳にも慣れて・・物語に集中できる。
鉄板王道の展開でも有り、時より入る子供っぽい演出での
ギャグのようなトラブルと解決の展開にも慣れてくる。

一番の謎である主人公の宿命についてネタバレしているが、
20話以降は、含みではなく明確に提示されて潔い感じ。
其処が無ければ唯の引き伸ばし=中弛みに感じてただろう。

この後は明示された事により、更に何かあるのか?其の侭
鉄板王道を行くのか?物語の作風からいって主人公の大きな
成長描写は見込めない。宿命の相手が洗脳されて善人に進化
して・・主人公が其れを好き=好意?恋?愛?意識が変わる
か?っと愛も親愛か深愛・・そして一生を賭けられる相手か
を見極められるか?というだけの物語なので視聴が楽。
後は1話目で想定していた相手とどういう結論になるのか?
意外性のある展開はあるのか?という部分に3クール12話?
が・・長いので中弛みが無い事を願いつつ・・

2クールもクライマックス前にはギャグパートが入る♫
超意味不明の謎の学園パートに二度目のスポットも当る♫
道理で一般人だが主人公より可愛いだけのことはある!!

3クール目に入って色々急展開。とても素直に分り易く展開
していくのでとても視見易くスッキリ。

どの人物も予想通りの動きで待ってたよ~って感じw
24話も耐えてると其の侭王道で行ってくれないとね^^;

34話にはホッとした・・EDとか視てると間違いない方向に
進むことは予想できたけど・・尺が余ってるんで少し不安。

此処から先はもう・・ぐちゃぐちゃ弄らずストレーに・・
だって散々緩い展開や意味不明のシリアスギャグを耐えて
来たので・・最後は此れ以上無い!という王道で・・

以降も流石に色々溜め込んでいたものを一気に出してくる。
でも変に弄くるより、方向性が見えた状態のラッシュなので
何だか盛り上がって良い感じかな~

作り手の意思は何となぁ~~く・・そこはかとなく受け止め
るけど・・1クール目もう少し何とかならなかったものか?

女性層を意識した感はあるけど効果あったか微妙だし・・
純愛モノとしても・・盛上がるまで時間かかりすぎだし・・

私的には後半は評価できるのだけど・・ふぅ・・
その評価も序盤に対して待たされた分やっときたぁ~・・
なので・・制作側の狙いにハマれたのか? 待ってあげたと
言うべきか・・人に聞かれて面白いとは言い難いのは確か。

興味あるなら最低1クールは我慢。できれば18話くらい迄は
視る気で立ち向かったほうが良いかもJ?




花鹿・ルイーサ・陸深・バーンズワース:遠藤綾
世界的大財閥"バーンズワース家"の一人娘。14歳。
父親譲りのカリスマ性を持つ奔放な性格の美少女。
幼少から10年程カリブ海の孤島で隔離されて育った。
一般常識に欠ける面があり、周囲をハラハラさせる。

倣 立人:森川智之/幼少時代:井上麻里奈
華僑の大財閥・倣家の若き総帥。英才教育を受けて育つ。
知的な美貌で長身の中国人。若くして辣腕を揮う実業家。
外面は良いが内面はひねくれ者。初登場時は19歳。

寅之助・V・芳賀:柿原徹也
花鹿のボディガードを務める童顔の日系アメリカ人2世。
ボディガードの腕は確かだが、素直でやや子供っぽい。
アクの強い面々に囲まれ、日々気の休まらない常識人。


バーンズワース一族

ハリー・バーンズワース: 郷田ほづみ
花鹿の父親。自身の出生に重大な秘密を抱えている。
一代で世界的企業・財閥にのし上げた、希代の実業家。

キャスリーン・バーンズワース:久保田民絵/木村亜希子
ハリーの母親で、花鹿の祖母。拉致事件の時亡くなった。

フレドリック・バーンズワース:千田光男/野島裕史
ハリーの父親で、花鹿の祖父。愛称はフレドで、小説家。


花鹿の夫候補

ユージィン・アレキサンドル・ド・ヴォルカン:小野大輔
19歳。フランス貴族・実業家ヴォルカン家の三男。
コロンビア大学留学中。放浪癖。女性トラブルが多い。
魔性の魅力を持つ泰然自若だが若干嫌味な性格をしている。

ルマティ・イヴァン・ダイ・ラギネイ:浪川大輔/溝邉祐子
14歳。東南アジアの小国ながら、ラギネイ王国の第二王子。
王子らしく傲岸不遜な振る舞いだが、純粋で真直な性格。
神格化されたラギネイの王族の中でもカリスマ性を持つ。

カール・ローゼンタール:福山潤
20歳。名門財閥・ローゼンタール家の長男で跡取り。
仕事のできる切れ者。根が優しいく非情になりきれない。
ハーバード大学院迄を飛び級で卒業。閉所・暗所が苦手。

ラギネイ王国

クインザ・ハフェズ:子安武人/大原桃子
ルマティに仕える切れ者の侍従。

セズン・ハフェズ:入野自由
ルマティの従者の一人で、クインザの弟。

イオエ:川野剛稔
ラギネイ王国の侍従で、ソマンドに仕えている。

イザック・ノエイ:土田大
ラギネイ王国の元近衛士官の少尉。

ソマンド・イリヤ・ダイ・ラギネイ:山中真尋
ラギネイ王国の王太子でルマティの兄。気弱な性格。
病弱で王宮の外に出た事が無い。ルマティに確執がある。

イズマル:興津和幸
ラギネイ王国の王族でルマティ、ナジェイラの従兄弟。

ナジェイラ・イサ・シャドリ:新井里美
ラギネイ王国の王族でルマティ、イズマルの従姉妹。

リリカ:五十嵐麗
ラギネイ王国の王族でナジェイラの母親。

マハティ・シェイク・ダイ・ラギネイ:浪川大輔
ラギネイ王国第73代国王でルマティの祖父。
後進国だったラギネイ王国を近代化に導いた名君。
王座を退いた後は神座王として神殿の奥深くで暮らす。


倣一族

曹 望青:諏訪部順一
立人の側近にして良きアドバイザー。
曹の一族は代々倣一族に仕えてきた家系

倣 東旋:梅津秀行
倣一族の五長老会の一員で立人の伯父。

倣 玲莉:浅倉杏美
立人の従妹で、五長老会が勝手に決めた許嫁でもある。
おしとやかで、良くも悪くも天然な性格の少女。
幼い頃から立人のことを一途に慕っていた。

ローゼンタール一族

ネルソン・ローゼンタール:水野龍司
ローゼンタール財閥の会長で、カールたちの父親。
ラギネイでのオイル利権をハリーに奪われ確執がある。

カールの三人の姉たち
カールの腹違いの姉であるイザベル(声:高口幸子)
リザベル(声:溝邉祐子)マリーベル(声:上田純子)。

その他

山手 由依:松来未祐
花鹿が日本の中学校に転入した際のクラスメートの少女。

エディ・ロバーツ:間宮康弘
フリーランスの記者。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

じぇりー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

逆ハーレムもの?果たして本当にそうなのか?

原作は随分昔にはなるが既読。少女漫画はあまり好まなかった私でも、当時夢中になって一気読みした、思い入れのある懐かしい作品。

1989年連載開始の作品が、2009年放送開始と20年の時を経てアニメ化。
しかも全39話構成と、NHKさんの熱気が伝わってくるようだ。
さすがにン年も経っているので、細かい所までは覚えてはいないが、原作をほぼ忠実にアニメ化できていると思う。
当然結末も知っているので、今回はストーリーやキャラ以外の部分に、より注力して視聴できたと思う。

…故の、辛口評価だ。
まずは作画が安定せず、回によっては見る気が削がれるほどに崩れている。
キャラが美形揃いの本作にとって、これはやや致命傷。
次に音楽。OP/EDは作品のイメージには合っており、楽曲自体は良い方だとは思うものの、アレンジにどこか古さを感じる。
それよりも、BGMの古臭さといったらない。これがどうにも作品を安っぽくさせている感じがする。

さて、ストーリーに関してだが、私は本作を成分にある「逆ハーレムもの」とは捉えていない。
大財閥のお嬢様であるにも関わらず、カリブ海の離島で幼少期を過ごしたため、天真爛漫で奔放に育ったヒロイン・花鹿(かじか)が、ある日突然父親から「夫探しゲーム」なるものを提案され、魅力的な男性たちと次々と出会って心を通わせて行く―。
ここまで聞くと、やっぱ逆ハーレムものじゃん!と言いたくなるが、このゲームの過程で花鹿たちが一国の政変に巻き込まれていくことになり、そこがこの物語の壮大な「核」となってくる。
この国を巻き込んだ一大事が、少女漫画という枠を超え、秀逸に考え上げられたストーリーとなっている。

花鹿のキャラクターも、浮世離れはしているものの、お嬢様お嬢様している訳ではなく、それどころか「~だ!」「~だよ」と男の子っぽいしゃべり方をする、割とざっくばらんでサバサバした嫌味のない性格なので、美形揃いの男たちに次々好かれるおいしい役どころであっても好感が持てる。
恋愛模様の部分でこの作品を見たとき、最終的に花鹿がどういう道を選ぶのかは割と早い段階で察しがついてしまうが、そこも含めてどうやってその結末にたどり着くのかを見ていくのもこの作品の楽しみ方の一つではないだろうか。

花鹿を取り巻く男性陣も、花鹿の家に負けず劣らずの金持ちやらご身分の方々で、時折まるで雲の上の世界を見ているかのような気分になるが、各々がその頭脳と花鹿への気持ちを駆使して、それぞれの立場の中で花鹿の難局に手を貸していく様が実によく描かれている。

ただ…最終回の演出はちょっとクサすぎた。やっぱりどこか古臭い。原作こんな終わり方してたっけ…?と思った。
個人的には38話が終盤の見所としては最も感動的だった。

まぁ、色々と書き連ねたが、結局は子供の頃夢中になって読んだコミックが、こうして年月を経てアニメ化され、息を吹き込まれたことに関しては嬉しかったの一言に尽きる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ゲームをしないか・・?未来の夫探しゲームだ・・・!

アメリカに本拠を置く世界的大企業の
バーンズワース財閥の一人娘
「花鹿」
カリスマ性を持つ奔放な性格の不思議すぎる少女。
幼い頃から10年あまりをカリブ海の孤島で
世間から隔離されて育った野生児であり、
出会う男の子達にめちゃモテモテな彼女が・・

父親からある日突然・・
「お前は重い宿命を背負っている。
なぁ、ゲームをしないか・・夫探しゲームだ・・!」
という感じで・・父親が選んだ3人の男のうちから、
花鹿のことを生涯守ってくれる夫を選べと言うものだった。

ムスターファと花鹿に呼ばれる美しい「ユージーン」
暗所恐怖症のライバル財閥の「カール」
ラギネイ王国のカリスマ王子「ルマティ」
そして、花鹿を守るお兄さん的存在の「立人{リーレン}」

全39話なので長いです・・。
1-20話ぐらいまで本気で面白かったけど
途中、中だるみ?あります。

評価で作画が☆一つなのは
第一話で、花鹿の等身バランスがいきなりおかしかったり、
ほとんど毎回作画崩壊があって
{特に花鹿・・スタッフは花鹿に嫉妬したのだろうか・・}
ほんと「!?」でした(笑)
もう、こればかりは仕方ないですね。笑って許しましょう(*´∀`*)

ストーリー的に、ハーレムと恋愛と政治的戦略や歴史的ロマンも
含まれていて良かったと思います。

個人的にはムスターファの20のバースデーで・・
{netabare} 母親と同じように人生を終わりにしようとするところを
花鹿が体を張って止めるシーンがぐっときました(´・ω・`) {/netabare}

{netabare} ルマティのおじいさんのマハティ。すごく好きです。
最初偏見を持ってアメリカに来た彼でしたが、恋に落ちて
その人と愛し合って生まれたのが実は花鹿の父親で
花鹿とルマティがいとこ同士なんてびっくりしました。
突然マハティ編が始まったとき、ルマティとそっくり過ぎて
しばらく混乱しながら見ましたけど^^; {/netabare}

夫探しゲームなんて聞いたらなんだかワクワクしちゃって
見始めたんですけど、いろんなタイプの素敵な男の子と恋に落ちるのに
友情で片付けようとする花鹿は14歳の中学生の女の子だからなのか・・
それともわかってそうしているのか・・うーん。

そもそも、男性と女性のあいだに
恋愛感情が全くない
友情はあるのかな・・?

私だったら、友達になる前に好きになっちゃうかもしれない。
むしろ、友達のことさえ愛しちゃうかもしれない。
このアニメは、色々深く考えさせられちゃうなぁ・・^^;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

67.8 2 宗教で恋愛なアニメランキング2位
伝説巨神イデオン(TVアニメ動画)

1980年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (121)
520人が棚に入れました
西暦2300年代、地球から惑星ソロへと移民した人々は、第6文明人とされる先住民の遺跡を発掘する。丁度そのころバッフクランという別の地球の調査隊もソロ星(バッフクラン側から見れば、ロゴダウ)に現れる。バッフクランの調査隊に同行した軍事総司令の娘カララは、異性人に対する好奇心から調査隊から離れて見学に向かう。総司令の娘の身に間違いがあってはならぬと、バッフクランの捜索隊は地球人を攻撃し始める。地球人は逃げ惑いながら発掘中の遺跡にあった巨大メカ「イデオン」に乗り込む。するとどうしたことか、今まで全く動かなかった遺跡『イデオン』は地球人の意思とは無関係に動き出す。圧倒的な力を見せ付けられたバッフクランの捜索隊はイデオンに総攻撃を加えるが全滅してしまう。ここから、地球人とバッフクランの『イデ』を巡る戦闘が始まるのである。戦闘は憎しみを増幅しながら、イデオンとソロシップは宇宙への放浪の旅に出て行くのである。

声優・キャラクター
塩屋翼、田中秀幸、戸田恵子、井上瑤、白石冬美、松田辰也、井上和彦、塩沢兼人、佐々木秀樹、よこざわけい子、山田栄子、林一夫、一龍斎春水、石森達幸、加藤精三、木原正二郎、鵜飼るみ子
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ガッカリ長編アニメ3~精霊会議というか「幽霊」会議ですね、もはや笑

以前視聴した水島努監督の良作『SHIROBAKO』の中に、「イデポン宮森発動篇」(第6話)というエピソードがあり、その中で“伝説巨大ロボットイデポン”という作品がアニメ業界の人たちの共通の話題になっている描写があって、その元ネタが、本作『伝説巨人イデオン 発動篇』らしい・・・ということを知りました。

そしてその後も、色々な方面から「これはアニメファン必見の名作だ」という声を聞くので、やっぱりキチンと見ておかなきゃイケナイ作品なのかな?と思って、作画や演出の古さを我慢して、TVシリーズそして劇場版へと視聴を続けたのですが・・・

◎劇場版後編(発動篇)視聴終了後の率直な感想

久々に酷い作品を見てしまった(※以前みた『BLOOD-C』より更に数倍酷い・・・)。
シナリオ崩壊というか、もはや物語の体を成していませんね、これは。
死亡したはずの主要キャラが最終回で唐突に復活して、ご都合主義もいいところの意味不明のハッピーエンドを迎えるゴミみたいなアニメ作品を揶揄する言葉として、「精霊会議」という表現をよく聞きますが、本作の場合は、{netabare}“精霊”どころか、文字通りの「“幽霊”会議」{/netabare}で終わっていて、視聴料返せ!!!!と叫びたくなってしまいました。


◎絶賛する意見も多い作品なので、視聴は自己責任で

上記の『SHIROBAKO』に限らず本作を名作と推す意見も強いので、私としては、あくまでバランスを取る意味で「少数意見・感想」として本レビューを挙げておきます。

※追記
すぎやまこういち氏の手になる音楽だけは印象的でした。


◆視聴メモ
{netabare}
・合体ロボットもの!キャララデザもメカデザも凄くレトロでちょっと興味深い。
・クラン clan は「氏族(共通の祖先を持つ一族)」という意味なので、バッフ・クランは「バッフ氏族」という意味になる。
・第14話視聴終了時点
主人公ユウキ・コスモが、『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイと相似した性格と判明(ちょいマザコンぽいところ&結構な気分屋で変に怯えてるかと思うと急にうってかわって激高して凶暴になってしまう点など)。
・第26話視聴終了時点
2クール目ラストのこの回でようやく話が動き出した感じ。
それまで(第15-25話)が余りにも話に進展がなく視聴に難儀してしまったのが残念。
・第39話視聴終了時点
3クール目でようやく盛り上がるかも?と期待したのも束の間、何でもかんでも「イデの力」の発動で片づけるな!とドつきたい気分。
流石にこの終わり方はないだろう・・・ということで、問題の劇場版へ。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         矢立肇、富野喜幸
総監督        富野喜幸
キャラクターデザイン 湖川友謙
音楽         すぎやまこういち
アニメーション制作  日本サンライズ{/netabare}


◆作品別評価

TVシリーズ(計39話)    × 3.1
劇場版(接触篇・発動篇)  × 2.5
------------------------------------
総合               × 2.9


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== 伝説巨神イデオン (1980年5月-1981年1月) ============
{netabare}
第1話 復活のイデオン ★ 西暦2300年、殖民星ソロ(異星人文明遺跡)、バッフ・クランとの交戦、イデオン起動
第2話 ニューロピア炎上 ☆ イデの伝説の巨神探索、カララ迷い込み、バッフ・クラン隊壊滅
第3話 激震の大地 ☆ カララ捜索隊侵入・交戦・撤退、巨大宇宙船(第2の遺跡、ソロシップ)出現
第4話 ソロ星脱出せよ ☆ バッフ・クラン隊の巨神合体阻止作戦、反物質エンジン起動
第5話 無限力(むげんちから)・イデ伝説 ★ 亜空間ドライブ、ギジェのカララ救出作戦失敗、イデ(無限エネルギー)の伝説、親和の発生、無条件停戦
第6話 裏切りの白い旗 ☆ 挑戦の合図(白旗)、ダミド隊の攻撃、カーシャの攻撃、停戦の旗、カララの意思
第7話 亜空間脱走 ☆ 見捨てられたカララ、マヤヤ死亡、カララ強制尋問、亜空間での戦闘
第8話 対決・大砂塵 ☆ 恐竜のいる星(ザウルス星)、異星人との決闘、サムライの戦い方
第9話 燃える亜空間 ☆ ガイラ星域クリスタル星到着
第10話 奇襲・バジン作戦 ★ カララの姉ハルル登場、アバデデ死亡
第11話 追撃・遺跡の星 ☆ ルインズ星到着、ハルル指揮部隊の偵察攻撃
第12話 白刃の敵中突破 ★ ハルル&カララ姉妹再会、カララ辱め、ジョーダン・ベスの蛮勇、恋情の発生
第13話 異星人を撃て ☆ アストロベルト(小惑星帯)の戦い、武人グハバ・ゲバ戦死、バンダ・ロッタの恨み
第14話 撃破・ドク戦法 ☆ ブラジラー最前線基地、コスモの怒りと嘆き(カミーユ・ランバンの仇)
第15話 イデオン奪回作戦 ☆ シェリル母船離脱・人質化、コスモ機転、離脱の責を被るカララ ※会話だけで話を進めていて分かり辛い点が駄目×
第16話 必殺のダミド戦法 ☆ 亜空間のハーケン攻撃、ダミド戦死、コスモ&カーシャの命令違反・独房入り 
第17話 激闘・猿人の星 ☆ ギジェ隊のソロシップ追撃、ルーのはしか発病
第18話 アジアンの裏切り ☆ 殖民星アジアン到着、バッフクランのアジアン脅迫、廃墟と化すアジアン星
第19話 ギャムス特攻指令 ☆  
第20話 迫撃・双子の悪魔 ☆ 巨神とソロシップの自己防衛機能(自身の意思の存在?)
第21話 敵戦艦を撃沈せよ ☆ ハルル搭乗艦への襲撃、イデの謎の力
第22話 甦える伝説 × ※総集編(新規シーン僅少で見る必要とくになし)
第23話 戦慄・囮の星 ☆ 殖民星キャラルからの救難信号、ダラム隊の待ち伏せ、小型核爆弾
第24話 潜入ゲリラを叩け ☆ 武器補給難行、ギジェ隊ソロシップ侵入・撃退、私設戦闘部隊?
第25話 逆襲のイデオン ☆ ソロシップ側からの攻撃、コスモ重傷、キッチ死亡、バッフクランの「地球」
第26話 死闘・ゲルの恐怖 ★ 対巨神用新兵器、キッチの幻影、地球へ
第27話 緊迫の月基地潜行 × 流星、ムーンランドへのブッフクラン侵攻、ダラムに見捨てられたギジュ、イデの「無限力」 ※シナリオが分かり辛い
第28話 波導ガンの怒り × 地球連合軍との接触、ダラム隊の猛攻、新兵器 ※シナリオ色々残念
第29話 閃光の剣 ☆ イデオンの新しい力(イデの発現?)
第30話 捨て身の狙撃者 ★ 地球からの救難信号、ガラン艦轟沈、ガラン死亡
第31話 故郷(ふるさと)は燃えて ☆ 地球連合軍のソロシップ&イデオン引き渡し要求、ジョーダン・ベスと両親の再会・決別
第32話 運命の炎のなかで ☆ 地球連合との和解、土星軌道の戦い、ルクク艦隊全滅、太陽系離脱
第33話 ワフト空域の賭け ☆ イデの力発現確定 
第34話 流星おちる果て ☆ 辺境の惑星ドウモウ星の戦い
第35話 暗黒からの浮上 ☆
第36話 さらばソロシップ ☆ ソロシップ廃棄失敗、地球連合艦隊壊滅
第37話 憎しみの植民星 ☆ アジアン星の罠、リン(シェリルの妹)死亡
第38話 宇宙の逃亡者 × バッフクランの「地球」壊滅、ギジェ死亡 ※シナリオ拙劣
第39話 コスモスに君と × カララと父ドバ・アジバ(バッフ・クラン宇宙軍総司令)との再会・脱出、イデの力発動 ※シナリオ支離滅裂でこれは流石に酷過ぎる {/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)28、×(疑問回)5 ※個人評価 × 3.1

OP 「復活のイデオン」
ED 「コスモスと君に」


============== 劇場版 伝説巨神イデオン (1981年7月) ============

接触篇 ☆ {netabare}TVシリーズ中盤までの総集編{/netabare} ※1時間24分
発動篇 × {netabare}TVシリーズ終盤~結末だが、ラストが余りにも安易でシナリオ崩壊している{/netabare} ※1時間38分
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)1、×(疑問回)1 ※個人評価 × 2.5

主題歌(接触篇) 「セーリング・フライ」
主題歌(発動篇) 「海に陽に」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

デリダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アニこれを始めなければ出会うことのなかった怪作

始めに言っておくと、私はTV版→発動編の流れで視聴したので物語の精査はあまりできていないのが現状です。

アニこれを始めて細々とレビューを書いていた際出会ったfumiさんにおすすめされ視聴に至りました。
私はまだ大学生でしかも趣味程度でしかアニメに触れていなかったので古いアニメには正直疎いのですが
最近初代マクロスや銀河英雄伝説を視聴して本当に自分の守備範囲の狭さを恥じるばかりです、笑

前置きはこれくらいにして、イデオンのレビューを書いていこうと思うのですが、
正直に言って難解です。見終わって数ヶ月経ちましたが未だに消化不良です。
(なので私の☆の評価もあまり気にしないでください、決して悪い作品ではないです)
しかしこれ以上の時間を空けてしまうと記憶も薄れてしまうので書こうと決断した次第です。

しかし実際この作品をどれだけのほどが理解でき、なおかつどれだけの人が語る琴ができるのか、、、
この作品が写した物語を正確に文章で正確に描ける自信が全くないです、笑

ネットでざっと調べたり、他の方のレビューを読む限りだとタイトル意外にもいろいろ伝説的でアニメ界の巨人のような立ち位置の作品みたいですね。
第六文明設定のくだりとか、、、
これについては既に他の優れたレビュアーの方々が書いてくれているのでここでは割愛させていただきます。


未視聴の方に向けて、この物語をざっと説明すると

人類が移民のため訪れたソロ星という惑星で、人類は偶然異星人の遺跡を発見する。
しかしそこにはバッフクランという人類とは別だがとても似た見た目の異星人が探索に来ていた。
その目的は、バッフクランに伝わるイデの伝説に語られている無限のエネルギー。
この星でこの二つの文明は出会うことになる。
そしてお互いの無理解から起こってしまった小さな衝突は、大きく膨れ上がり、もはや誰も止めることのできない人類とバッフクランの戦争に繋がってゆく。
コスモたち主人公は、生き延びる為に、バッフクランがイデとよんでいる遺跡で見つけた強力だが正体不明、用途不明の人知を超えた機械イデオンとソロシップに乗り込み、終わりの見えない逃避行を始める、、、、。

つかみは多分これでおおよそ伝わると思います。


のちにアニメの一分野を築くロボットSFもののはしりであるこの作品、群像劇で、悲劇なのですが、
これを見ていてすぐに記憶に昇ってきたのが私が高校三年生の頃読んで衝撃を受けた本、
本橋哲也氏のポストコロニアリズム(脱植民地主義)での著者の語り方で
コロンブスが新大陸を見つけてから始まる原住民との悲しい争い、奴隷や支配の歴史を、
人と人との出会い損ないと語ったことです。

当時の私の世界史の理解ではヨーロッパにおける近代の華やかな時代の幕開けでもあり、
一方確かに顔と顔を合わせて異種族同士が確かに出会ったこの瞬間を、
著者は出会いそこないと語ったのです。
あたかもどっかの道ですれ違っただけのような、まるで出会えてなかったかのような言い回し非常に印象的でした。


今でも私の記憶に鮮明に残る序文にある一文なのですが、このアニメを見ている時強く思い起こされました。
うまく言い表すことができないので人の言葉を借りてしまいましたが、この作品はそういうものです。
コロンブス自身まさか自分が原住民と出会ったことが、そして、その接し方が、後の何百年にも及ぶ(まだ終わってはいない)世界サイズの悲劇の幕開けだったとは夢にも思わなかったでしょう。

少なくともアニメ史上そんな作品は他にありません。
そういった意味でも間違いなく怪作という名がふさわしい作品です。
wikiで富野監督にとってイデオンデザインそのものが障壁だったと語られているような偶然の出会いがなければ間違いなく生まれてこなかった作品です。
一見の価値は間違いなくある作品です。


少しずつ書き溜めてはいるのですが、いかんせんやはりこの作品書くのが難しい!
のでネタバレを踏まえた誰得な語りはまた随時追加していきます。取り急ぎ今はこの辺で一旦の終わりとさせていただくことをご容赦ください、、、
20171112

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

この伝説の名作はテレビ版から入ってください

1980年~1981年放送のテレビアニメ 全39話 途中打ち切り

原作監督 冨野由悠季 制作 日本サンライズ

前年の機動戦士ガンダムはストーリーの途中で打ち切り、劇場版の制作となったが、
続くこのイデオンも結果的には打ち切り、続きは劇場版になりました。

このテレビ放送版も伝説の名作と言っていいと思います。
人類のテクノロジーをはるかに凌駕するロボット兵器イデオン。
見た目はおもちゃですが・・・

wikiによるとイデオンのデザインのあまりのひどさに冨野監督が怒って複雑怪奇なストーリーにしたと、冨野さんが言っていたとあります。
もともと、トミーの肝いりで作られたのにもかかわらず玩具は売れず、ガンプラの影響でプラモデルがヒットしたという結果に。
39話は最後の2分が改変されただけの途中打ち切りとなりました。
大不評みたいなんですが、この2分がすごくいいんですよね~
ただのマニアですけど。

イデの無限力とは
第六文明人が精神の一部をエネルギー化するシステムを開発したが、暴走によって第六文明人は絶滅した。

第六文明人とは
イデオンのデザインを見た冨野があきれて、こんなもの第六文明人でもなければ思いつかないだろう、と言ったことから。

反物質エンジンの超光速航法で大宇宙を駆け抜けるソロシップ。
20世紀のアニメファンの夢いっぱいの迷作ではなくて超名作。

ただ、これと発動編では繋がっていないんです。
発動編は接触編の続編でありこれの続編ではないというめんどくさい関係です。
テレビ版(これを面白いと思える人は限られるのだろうか?)→接触編(総集編にしても時間が足りなすぎ)→発動編
と、観なければ完璧ではない。
細かいことは気にしない人なら、接触編を飛ばしたほうがいいと思うけど。

所詮は因果地平に消えていく人々の「信頼できない語り手による物語」として、
深く考えずに発動編に突入すれば、いまだかつてない感動が待っている。
この作品は王道であるとともに異様であります。
他に比べるべき作品も無い孤高の物語として心で感じてもらえれば、
後のエヴァやまどマギの理解にも関わると信じています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 33
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