2022年度の復讐TVアニメ動画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2022年度の復讐成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番の2022年度の復讐TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.7 1 2022年度の復讐アニメランキング1位
盾の勇者の成り上がり Season2(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (347)
1234人が棚に入れました
立ち止まるな──災厄は、想像を超える。
『盾の勇者の成り上がり』シーズン2

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生、内田真礼、井上喜久子、原奈津子

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

残念ながら響くものが見当たりませんでした

このタイトル「盾の勇者の成り上がり」は一期ではまさにそのとおりで、心に強く響いたのですが…
残念ながら二期では、響くものが見当たりませんでした。

なぜ一期が人気があったのかというと…
主人公の尚文(なおふみ)がどん底まで追い落とされて、必死に這い上がろうとしても何度も邪魔されてしまう。
それでもめげずに、しぶとく生きる術を学びとり、ようやく這い上がったからではないでしょうか?

それじゃ二期はどんな苦渋があったかというと…
また別の異世界に飛ばされてラフタリアやフィ―ロと一時、離れ離れにはなりましたが、その間も新しい仲間がいたので尚文は孤独ではありませんでした。
それに、すぐにラフタリアやフィ―ロと再会できたので、苦労と呼べるほどのものではありません。
しかも、女性の仲間はどんどん増えてゆくし…、まるでハーレムみたいになってしまいました。


私は一期のエンディング 藤川千愛さんの歌が大好きです。あの歌は物語を端的に表現した心の叫びのようでした。
藤川千愛さんは歌の作詞もされています。
きっと藤川さんは物語を何度も何度も読まれたからこそ、心に響く歌詞をつくられたのだと思います。

しかし、二期の藤川千愛さんが歌うエンディングは、残念ながら私の心には響きませんでした。
歌が悪いわけではないのです。歌詞が悪いわけでもないのです。
物語に響くものが見当たらなかったため、歌を聴いても感じないのです。

アニメと歌とは最高のパートナーだからこそ、物語の評価が歌にも影響するのでしょうね。

一期が大人気だったからといって、安易に二期をつくるのはどうかと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

盾の勇者が成り下がる

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界転生、なろう系の中では、かなり面白かった方の部類に入る、1期。

を、引き継いでの2期。正直、う~ん。なんか、普通のなろう系になっちゃったな~という感じ。

本シリーズは、もっとダーティーで際どいところを突いて欲しいんだけどな。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作で、唯一、「おっ!」と思ったのは、ナオフミとキョウの立ち位置の違い。

リアルのナオフミは、転生後と変わらぬ容姿(わりとイケメン)。大学生であり、ゲームはあくまで趣味のひとつ。楽しく人生を過ごしていた。

リアルのキョウは、デブのキモヲタ。引きこもり。ゲームの中では無双して崇められる。チャットを荒らしていたのがバレて、自殺。

これ、普通の「なろう」なら、キョウが主人公ポジションですよね。そして、イケメン強キャラに生まれ変わり、心を入れ換えて世界を救い、美少女にウハウハされ、元リア充を駆逐していく。

しかし、本作では、キョウが悪役。転生前の弱者(悪者)が、転生後もそのままクズとして描かれるのは、強烈なアンチテーゼ。ある意味、なろうを破壊している。

この対比は新しかった。ここをもっと掘り下げて欲しかった。

他のレビューでも書いているけれど、私は「転生前に悪人だった人が、転生してチートになったら善人になる」という展開には疑問をもっていて。

悪人に、法も抑止も及ばない力を与えたら、更なる悪を働くだけでは? むしろ、善人だって、悪を成す確率の方が高いと思う。少なくとも、もし私がその立場になったら、、、あ~んなことや、こ~んなことは、しちゃうと思う(笑)

大体、ネトゲの戦力なんて、=課金額×(インできる時間+ゲーム知識)+頭の良さ、であり、本質的な人間力とは比例しないことも多い。なのに、強い人は確かにチヤホヤされるからね。転生後の世界で、それをまた「リアル」に味わいたいという気持ちは分かる。

転生前の勝者が、変わらず勝者で、転生前の敗者が、変わらず敗者であるという、救いようのない現実。

この作品は、そういう「タブー」に挑戦してこそ、魅力的になると思っているのだが、キョウの過去から死亡まで、わずかの1話。かなりもったいなく感じた。

この設定以外は、正直、ただのなろう系。ナオフミ、ダークヒーローが格好よかったのに、ただのヒーローになっちゃったら、もうダメですよ。賢者タイムなのかな?

まあこれが、(その展開は流石に望まないが)例えば、ラフタリアが惨殺されて、更なる闇堕ちの前フリだとしたら、アリだと思うんだけどね。どうだろ?

3期は、、、あるのか? このままナオフミがただの勇者になっていくなら、あんまり観たいとも思わないけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

作中最強のヘイトを集めるキョウさん

1期目が2クールあったのに対して今回は1クール。

まあ、アニメの終わりはコミカライズ版の進展具合とほぼ同じ辺りで話の区切りとしてはちょうど良かったんじゃないかと思います。

2期目から観ようって人はあまりいないとは思いますが、1期目を未視聴な方はここでとりあえずさようなら…。



さて、1期目の第2クールで「波」が複数の世界で共有されている現象であることがグラスなどの言により判明していますが、今回は「世界間の利害関係」みたいな話がフォーカスされます。

それとこのSeason 2を盛り上げてくれるキャラとしてはオスト・ホウライとキョウは外せません。

オストさんは世話焼きな感じでありがたい人でしたね。

キョウについては、三バカ(尚文以外の四聖勇者3人)は単なるバカなのに対してキョウは一身にヘイトを集めてくれるわかりやすいキャラでした。

話の軸はわかりやすいですが同じクールに本作以上に楽しめる作品があったため個人的にはインパクト低めな感じでした。

ただ、前作を観ていたなら今作も観といて良いんじゃないかなとは思います。あ、ラフタリアの変化はちょっと意外性があって良かったかな。あと、リーシアが最初と最後で別人(笑)。(← 良い意味で)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

81.1 2 2022年度の復讐アニメランキング2位
メイドインアビス 烈日の黄金郷(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (419)
1540人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。 どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。 「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。 そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。 アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。 ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。 リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。 深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。 リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。 ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。 そこで、出会ったプルシュカと名乗る女の子は、ボンドルドに育てられ外界を知らずにいた。 リコの冒険話に夢中になり一緒に冒険に行きたいと願うが、あえなくボンドルドの実験に利用されてしまう。 しかし、プルシュカは形を変えリコの白笛となり、一同は深界六層「還らずの都」へと進む。 そこには、成れ果てが独自の価値観を持って生活している「成れ果ての村」が存在していた。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

リコさん隊

キネマシトラス制作。

探窟家の少女リコは、レグ、ナナチと共に、
秘境にあるアビスの深淵を目指し冒険を続ける。
深界五層にある絶界の祭壇の球体へ入り、
六層へと向かう。そこは還らず都と呼ばれていた。

物語は黄金郷を求めて旅をする、
{netabare}決死隊ガンジャの少女から展開されていく。{/netabare}

映像、音楽、構成、とても魅了される物語だ。

奈落の底への挑戦に鼓動は高まり、
超常の遺物、この世ならざる景色、呪い、
また新しい絶望が始まろうとしている。

7話視聴追記。
{netabare}ヴエコが語る決死隊ガンジャの回想、
そして成れ果て村の忌むべき成り立ち。
人の欲望の限りのなさに心が揺さぶられる。 {/netabare}

そこまでして得るものはあるのかと、
救いのない苦悶、あまりに不愉快である。

最終話視聴追記。
{netabare}イルミューイとその家族の物語である。
それは成れ果ての姫ファプタが継いだ、
喰われ冒涜された者たちの復讐劇である。
ファプタが生に価値を見出した時、
ヴエコは思い出とともに土へと還るのです。{/netabare}

奈落を目指すには、あまりにも試練が多い。
それでも冒険者は新たな旅を続けるのでしょう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 44
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

成れ果てたち

アニメーション制作:キネマシトラス、
監督:小島正幸、副監督:垪和等、
シリーズ構成・脚本:倉田英之、
キャラクターデザイン:黄瀬和哉、黒田結花、
音楽:Kevin Penkin、原作:つくしあきひと

アビスに下りることは、
中世ヨーロッパにおける登山のようなものかもしれない。
かつて、ヨーロッパにおける山は、悪魔の棲み家だった。
人間が足を踏み入れる場所ではなかったのだ。
これは山を「神」として崇めた日本人との大きな違いだ。

例えば、スイスアルプスの玄関口、グリンデルワルトという村について
18世紀の書物には、こう記されている。
<地獄のような永久の闇の立ちこめている谷間で、
寒さは身を切るばかり、そして底知れぬ水たまりのある、
恐ろしい食肉鳥の飛んでいる場所>
どこか、アビスの情景と似ていないだろうか。
人間の未知の場所に対する畏怖が込められている。

しかし、そんなものを飛び越えていく人々もいる。
山に登った記録は紀元前からあったが、
継続して登り、きちんと紹介したのは、
近代博物学の開祖とされるスイスのゲスナーが有名だ。
趣味で山に登り、植物や景観を楽しんだという。
16世紀にピラトゥス山に挑戦して登山記を上梓。
それが一般に広まると、次第に多くの人々が
未知の山に挑戦するようになっていった。

冒険者はいつの時代にもいた。
しかし、登山が幅広く知られ、盛んになったのは、
近代の19世紀になってからで、
その頃になると標高の高い山も
次々と登頂されることになった。
そして登山はどんどん先鋭化していく。
ガイドを付けずに単独で岩壁や氷壁に登る時代もあった。
より難しい場所、より人が入り込めないような場所に
何かを求めて挑戦し、多くの人が死んでいった。
なかでも不可能といわれたのが
先述したグリンデルワルトの近くにある
アイガーという山の北壁だった。

アイガーの北壁は凍てついた氷に覆われている難関。
天気が最高の場合以外、条件は最悪。
落石や雪崩が絶えず起こり、
冷たい突風、あられなどが降らないことのほうが珍しかったという。
万年雪と万年氷が岩の溝や裂け目から
四方八方に張り巡らされていた。
その情景から「蜘蛛」と呼ばれた最難関は、
登山者の行く手を大きく阻んでいたが、
登攀しようとする人は後を絶たなかった。
多くの犠牲者を出し続けたため、
国から登攀禁止というお触れも出たという。
ハインリッヒ・ハラーたち一行が登頂に成功した様子は、
著書『白い蜘蛛』で詳細に記されているので、
ご興味のある方は読んでみて欲しい。

そんなことを思いながら、この作品を観ていて、
栗城史多のことも頭に浮かんだ。
彼とは1度、話をしたことがあり、
未知のことに目を輝かせて反応する気のいい人だった。
エベレスト登山に何度も挑戦しては失敗し、
凍傷で指を9本失ってもなお挑み続けたが、
最後には35歳の若さで命を落とした。

最近、友人の付き合いで時おり登山をする。
お陰で富士山も天気の良いタイミングに訪れることができた。
1日で登って下山するスケジュールだったこともあり、
8合目の途中あたりから、高山病を経験して、
(アビスでいうところの「上昇負荷」のようなもの)
少しペースを落としたが、何とか山頂まで到達。
山頂では高山病も快復し、
火口を1周することもできた。
登山自体は、私にとってスポーツをしているような感覚だが、
友人と一緒に行って感じるのは、
登山者の心は、一般人とは、かなり違うのではないかということだった。

山に登っていると否応なしに危険な場所に遭遇する。
「死」を意識せざるを得ないことが多々ある。
ところが、登山者にとっては、そういう意識が薄まっている。
もしくは、そういう危険を乗り超えて、
体験する空気感や目にする壮大な景観などに
何かを賭けてまでも辿り着きたいと思っている。
個人的には危険な場所には行きたくないが、
彼らは難しい場所に挑戦したいと思ってしまう。
冬山の挑戦など、その最たるものだろう。

主人公のリコは、行方不明の母を追って
幼いながらにアビスに挑戦するが、
その道中で、真実に直面する。
下層に行くに従って、欲望のようなものが
直接体に作用して、人間性を失ってしまうことが
あることを知る。
いわゆる「成れ果て」になってしまう。
その現実を目の当たりにしても、
大怪我を負っても、彼女は怯まずに先に進もうとする。

こういう感覚は、登山者の精神性を
反映しているのではないかと想像する。
私などは、「なぜ山に登らなければならないのか?」と
思ってしまう。その人を形作っている
価値観のようなものが全く違うのだろう。
この作品でも「価値」というのが
ひとつの重要なキーワードとなっていて、
作品を読み解く鍵となっている。

1作目の後半や映画などを観ていると、
自然と関わる人の営み、その罪深さを
表現しているようにも思える。
そして今回の2期は、6層に存在する
成れ果て村とその住民の話でまとめられている。

{netabare}この成れ果て村の住人である「ガンジャ隊」は、
登山者の精神性とは少し違っている。
彼らは、故郷から捨てられた人々。
何らかの理由で故郷から見放された人の集まりだった。
そんな彼らが、自分たちの居場所としての「黄金郷」を目指す。{/netabare}

ワズキャンは「望郷」と言った。
ただし、それは「故郷を想う気持ち」を意味しない。
「どんなに求めても得られない憧れの気持ち」だという。
ヴエコにとっては、イルミューイの存在だった。

成れ果て村の真実。
人間の欲望が自身を別のものに変えてしまう。
そして、世界までを変化させる。
激烈な想いや悲しみが広がらなければ、
人は欲するものを手に入れることができないのか。
欲望や価値観の先にあるもの。
この作品は、ひとつの答えに辿り着けるのだろうか。
(2022年11月5日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

想いは驚異の錬金術

【物語 4.5点】
深界六層“成れ果て村”滞在記を描く。
冒険記としては停滞していることにもなりますが、中弛み感は微塵もないです。
約150年前に成れ果て村が出来たいきさつなど、アビスの大穴と探窟家が積み重ねて来た業が、
文字通り忌憚なく、グロも部位欠損も自重せず、情け容赦なく語られることで、
アビスの最深部を前に、物語はますます重厚化。


↓以下、道中あまりの凄惨さに取り乱して書いた長文感想。

【7-8話感想】あまりの地獄に人間やめたくなる

{netabare}
引き続き原作未読で視聴中。
既読組から、2期はもっと地獄になるだろうとは聞いてはいました。
ただ私も視聴者として、1期で折るは、劇場版で溢すは、
あれだけの惨状を乗り越えて来たなら流石に慣れるだろう。
飯時の視聴だけ避けとけば大丈夫と楽観視していましたが、とんでもありませんでした。

序盤の展開から黄金郷“決死隊”の食糧事情逼迫により人食くらいはあるかな?
とは思っていたので、その辺りを警戒して重点的に想像をたくましくしていましたが、
7~8話で語られた「成れ果て村」の成り立ちに関するエピソードは、
ガードの上から、良心をすり潰す勢いで呵責してくる衝撃。

すなわち(※核心的ネタバレ&グロ注意)
{netabare}・決死隊が飲める水は、水に擬態して産卵する宿主を探す原生生物「水もどき」のみ。飲んでも死ぬし、飲まなくても死ぬ。
・遺物「欲望の揺籃」により、1日1体、1日で死んでしまう奇形の“赤ちゃん”を生み続けるように“成れ果てた”少女。
・「水もどき」の症状を抑えるには、“母親”が泣き叫ぶのも構わずに、“赤ちゃん”を強奪し、食し続ける他ない。{/netabare}

7話、8話に関しては、視聴後、何で俺はこれを目撃して狂うことができないのだろう?
などと自問して、放心している内に数十分経過するという有様でした。
お茶でも飲んで落ち着きたい所ですが、
{netabare}あの内容では「水もどき」を思い出すので水を飲むことすら憚られます。{/netabare}


ただ、悲惨なだけでなく、価値観を揺さぶられるという意味で有意義な体験でもありました。

{netabare}私は神、原罪、救世主を夢想し、信じるものは救われると説く信仰など、
真理に目を背ける愚かしい行為だと思っていますが、
あの極限状況なら宗教も有用だと思います。と言うより信じなければ狂死あるのみです。

またワズキャンみたいに組織のために飄々と心をなくせる人間など、
私は組織の犬、歯車の慣れ果てと軽蔑しがちですが、
あの難局を乗り越えるにはベラフみたいに理性を捨てずに狂ってしまうリーダーでは生き残れません。
(にしても、ワズキャン、“新生児”をザクザク調理するのはヤバすぎでしょ(泣)){/netabare}


この先もタフな視聴が続くのでしょうが、
裁きでも何でも良いので、「成れ果て村」の彼らにも少しは救済があることを祈ります。{/netabare}


生と死、光と闇、願望と呪い。
表裏一体性にも着目し咀嚼された言葉の洗練度も相変わらず。

初回、ベラフの美と眼差しについての考察からして深さが違います。
その後、語られていく、価値とか、望郷とか、黄金とか。
とにかく熟語一発、一発が重た過ぎて悶えます。

ラストの1時間スペシャルで私が感極まったのは1期同様。
が、2期の感動は、深淵で真の価値や黄金、愛について、
真理の一端を垣間見せられた故の昂りだったように思います。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・キネマシトラス

圧倒的な背景美術によるアビスの絶景に加え、
総勢195体の成れ果て村の住民をデザインし再現した集落のワラワラ感は壮観。
マジカジャさんの“速身体”などの形態変化もバッチリです♪

新たなるモフモフ・ファプタの毛並みも触り心地が良さそうで、
モフモフには見境がないレグも楽しげ?ですw

で、{netabare}その毛並みを躊躇なく血に染め、成れ果て村住民を虐殺、捕食する。{/netabare}
ゆるキャラだろうが、モフモフだろうが、表現の踏み込みには迷いがありません。

原材料不明な村の飯テロも度し難かったのですが、
私がトラウマだったのは、{netabare}その料理に当って、腹を下したリコが利用した
触手がトイレットペーパー替わりの公衆?便所。
平然と用を足すリコの探窟家スピリッツが私には分かりませんw{/netabare}


【キャラ 4.5点】
かつて黄金郷を目指し大穴に挑んだ決死隊「ガンジャ」

如何にもリーダー気質なベラフ。→{netabare}極限状況で正気を失う有事には向かない性格。{/netabare}
飄々としているが“予言”が当たるワズキャン。→{netabare}極限状況でも怖いくらい冷静な有事のリーダー。{/netabare}
瞳も性格も暗いだけのように見えるヴエコ。→{netabare}終わってみれば“母性”を持ち闇の中に光を見出し人間であり続けた彼女が最重要人物だった。{/netabare}

“三賢”を成した3人が地獄を経て立ち位置が変わっていく様も示唆的でした。

“価値”を取引材料に成り立つ成れ果て村の経済・社会。
価値に対する執着から、この村の狂気性が滲み出ます。

そして、価値のくびきに囚われたナナチにも試練が。
ナナチは、今回もモフモフで、{netabare}終盤見せた新スタイル{/netabare}もカッコよかったです。
エンドカードで何度強行指名されようと、『ポプテピ』にナナチは絶対に渡しませんw


【声優 4.5点】
ただただ、久野 美咲さんの演技が凄まじかったです。
成れ果て村が積み重ねて来た因縁と愛憎を全身全霊で表現した彼女こそが、
本作のと言うより本年のMVP声優で良いと思うそす。

対照的に淡々とした演技で背筋が凍ったのがワズキャン役の平田 広明さん。
平坦なボイスと言えばマジカジャ役の後藤 ヒロキさんも掴みどころのない独特の味わい。

そんな中、人情味溢れる食堂のおっかさんボイスを提供したムーギィ役の斉藤 貴美子さんと、
「まあああ~」の声色の変化で喜怒哀楽を伝えたマァァさん役の市ノ 瀬加那さんが癒やし。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は1期以来のケビン・ペンキン氏。
痛切な弦楽の調べと清らかなコーラスをアレンジして、
美と狂気が一体となったアビスの世界観を好表現する手腕は変わらず。
2期になってどうか?という迷いなど一撃で吹き飛ばす、
壮大な挿入歌「GRAVITY」は火葬砲クラスの威力。

OP主題歌は安月名 莉子「かたち」
よくある自己模索型のアップテンポソング。
が、もはや原型を留めていない成れ果て村の住民を鑑みるとタイトル含めて歌詞世界は重量化。

ED主題歌はMYTH & ROID「Endless Embrace」
中盤以降に真意が明かされると心に染みてくるスルメ曲。
ケビン・ペンキン氏の心を掻き毟るようなストリングスと、
KIHOWの中低音に沈降していくボーカルの化学反応は劇場版『~深き魂の黎明』EDに続き2回目ですが、
本作でより融合度、完成度がアップした印象。


【感想】
“母子の愛”の重要性が改めて強調されたエピソードだったと思います。
そう言えば、1期にて、オーゼンはアビスの奥底でライザがリコを産み落とした時は死産だったと語っていますが、
生死をも超越する奇跡と引き換えにアビスは何をもたらしたのか?
そもそも“アビスの呪い”とは何らかの願望の結果なのだろうか?
卵が先か、鶏が先か?欲望が先か、揺籃(ようらん)が先か?
想像するだに恐ろしいですが、ここまで来たからには深淵を覗かない訳にはいかない。
蛮勇も私の中に確かにあるので、続きのアニメ化を慄きながら待望します。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

72.1 3 2022年度の復讐アニメランキング3位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (259)
1018人が棚に入れました
迷宮都市オラリオ―― 『ダンジョン』と通称される、壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。この街で、一柱の小さな女神と出会った冒険者志望の少年は、 仲間をつくり、ダンジョンに挑み、多くの死地をくぐり抜け、 さらなる<昇格ランクアップ>を遂げていた。そんな彼のもとにもたらされた一通の書状。 書かれていたのは、ダンジョン未到達階層への遠征任務。 未知なる冒険へ向けて、仲間たちと共に、少年は新たな一歩を踏み出す。これは、少年が歩み、女神が記す、――【眷族の物語ファミリア・ミィス】――
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ベル君とその他大勢

【感想】
分割2クールで変なとこで終わるので、続きが放送される直前にまとめて見るのがいいかも

とりあえず前半クールだけでの評価

作画とても綺麗だし相変わらずダンジョンの構造にこだわりがあってダンジョン設定の解説が凝っていて良かった
面白かったけど尺稼ぎなのか、特にリリとかカサンドラのシーンがぐだぐだ悩んでいる時間長すぎて引きのばしている感じがしました

さらに分割2クールみたいで変なところで終わるし最終話で次回予告されていたけど続きいつやるの?って感じで間が空くと状況わからなくなりそう

前半終了時点ではシリーズをここまで追ってきたファンならなんとか見れるけど、今クールだけに限っていえばベルくん+その他大勢って感じになってるのが残念

【シナリオ】 {netabare}
今期は原点回帰のダンジョン探索に戻ったのは良かったけど、逆に言うとダンジョン探索しかない
3期とかにあった他のファミリアとの抗争とか町の様子とか全然なくて、今回の依頼にかかわるキャラクターしか出てきません
しかもヴァレンなにがしさんはじめとした華のあるロキファミリアの皆さんがほぼ出てこないのもきつい
突然変異の怪物を倒して町に帰還してここからどうなるんだろ?って思ったらさっき帰還したばかりの層に戻って、ずっと景色が変わり映えしないのも大きなマイナスかな?

ダンジョン潜る前に仲間達が攻略準備をしていて、パーティ戦闘がどうなるのか楽しみでわくわくしていたら期待外れでした
ベル君の急激な成長の速さが見ごたえですが、周囲の仲間を完全に置いてけぼりで一人でどんどん強くなるのがここにきてマイナスに働いている感じです
3期で仲間がいっぱい増えてやっと心強いパーティになったと思いきや、ベルくん一人で単独踏破できる階層のモンスター掃除くらいしか活躍機会がなくて強敵相手だと手も足も出ない
ほぼベルくん頼みでいてもいなくても関係ないむしろ足手まといだからついていかないほうがいいような状態でした
これではとてもパーティと呼べるものじゃなくて、仲間達の成長が急務なように思います

良いとところはやっぱりベルくんの急激な成長です、純粋な憧れの気持ちや強くなりたい気持ちが原動力になっている感じで応援したくなる主人公
ただ、ベル君以外のいる意味がわからなくなってきたのと、ファイアボルトの威力がますます大きくなって戦闘が機敏な動きとファイアボルトのワンパターンで単調になってきたのでそろそろ変化が欲しい
{/netabare}
【微妙だったところ】 {netabare}
・今回の敵役ジュラがもう少し大物感が欲しかったかも

・カサンドラの予知夢で不吉なことがあるって言っても誰も聞く耳持たないし、あれだけ具体的な不吉なシーンが見えているのに強く訴えないでずっともじもじしているのがひどい、信じてもらえるかわからなくてももっと具体的にどうなるか教えて強く止めるべきでしょ、なんのための予知なの?

言いたいけど言えなくて何度ももじもじして尺稼ぎするくらいなら、最初に全部話しちゃって「危険なことが待ち受けてるのはわかった、でもリューさんを放っておけないから行かなきゃ!!」って流れのほうが自然だし、同じ行くにしても危険を承知で行くって決めるほうが仲間って感じがしていいと思う

・パーティに指示を出す才能あるって言ってたけど、全滅のピンチに決断できずに迷う時間長すぎて、見捨てない選択をした尊さよりも
見捨てる気持ちが強かったからこそあれだけ迷ったっていう印象が強くて決断の遅さで状況を悪くしたように見えます、このシーンもぐだぐだしていて印象が悪かった

・水場に落ちたらどれだけ危険なのか必要以上に解説しすぎたせいで、その後ベル君が下に落ちてバラバラになって残された仲間達が全滅しかける展開が想像できてしまったこと

・ベル君は急いで救援に向かわないといけないはずなのに、ダンジョンで出会ったゼノスの子に見とれてて、そんな場合じゃないでしょって思った
「ダンジョンで出会いを求めるのは間違ってるだろうか?」
まさにこんな状況で、時と場合を考えてください、仲間が全滅しかかっています!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

カサンドラ不要論

2022/11/12 初投稿

「新章 迷宮編」です!!
どうやら再びダンジョンへ行くようです!

自分は割と階層攻略型ダンジョンの話とか好きなのです。
「ドルアーガーの塔」とか「SAO」(なかなか素直になれず,キリトに文句をつけながらも実は割と好きw)など

胸が躍ります(笑)


結論から言うと,期待外れでした。
期待しすぎなのでしょうか?
いや,多分そうじゃないと思う。

率直に言って,悪夢(予知夢?)の設定は無い方が良かったのでは?

カサンドラが悪夢を見る。

冒険中現実にならないよう,夢と違う状況になるよう努力する

結局夢の状況になりかける

最終的には,危機脱出

悪夢の話無しで良くない?

ダンジョン探索

かなり苦戦したけど,みんなで力を合わせて,危機を乗り越える!

一人だけ違うベクトルで一生懸命動いている(本人は危機回避しようとしているつもり)より,PTの絆を描いた方がスッキリしませんか?
だいたい,全滅しないのは最初から分かっているし。

百歩譲って,1回ならまあいいけど,連続だとちょっと・・・
「カサンドラ,要らね~」って思っちゃいました・・・
ヒーラーって重要なのにもかかわらず・・・f^^;


そしてもう一点,すごく中途半端に終わっている・・・
早く続きを!!
さらに,希望を言うと
・カサンドラの夢はもう要らない!
・神様(ヘスティア)との絡みも作って!!
・ヴァレン何某出して!!!


余談
何かのゲーム(ウィザードリー?)にラビットフットってアイテムが有った気がします。確か幸運のお守り的なヤツ。
調べたら

日本語版Wikipediaによると
ラビットフット
1940年代 - 1960年代にアメリカのヒッチハイカーやバイク乗りたちの間で流行した。
当初は実物の兎の足で作っていたとか(グロ・・・^^;)

ついでに言うとFOOTなので脚ではなく足ですよね?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

70.7 4 2022年度の復讐アニメランキング4位
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (279)
918人が棚に入れました
『モブからだって、成り上がってやる――。』 とある剣と魔法の“乙女ゲー”世界に転生した社会人・ リオン。そこは超女尊男卑な世界で、例外はゲーム内で攻略対象だった王太子率いるイケメン軍団のみ。 しかし、虐げられ絶望するリオンにはある一つの武器があった。それは前世で妹に無理矢理攻略させられていたこのゲームの「知識」。 モブとして田舎でのんびり過ごすことを目標にしていたリオンだったが、ゲームの知識を使い、やりたい放題の女たちとイケメン軍団に図らずも反旗を翻してしまうのだった――。
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

たとえ物語が君を見捨てても

【紹介】
タイトルに乙女ゲームって入っていますが、どちらかと言うと男性向けです
(作品のキービジュアル見てもらえれば美少女が中心なのでわかると思いますが)

【感想】
作画など気になるところは多かったですが、面白かったです
盾の勇者の成り上がりin乙女ゲームってところでしょうか? 

作画は美少女だけはなんとか頑張ろうとしてましたが全体的にかなり悪いし、不自然な流れも多いけど話はとても面白いです
作画以外はとても良かったです

【乙女ゲームっぽいくない世界観】{netabare}
どうでもいいと思われそうですが、これはかなり気になった部分です
・乙女ゲームの主人公の女子の胸があんなに大きいことはまずないと思う
・明らかに容姿が悪いモブ女子が出てくること
※プレイヤーは女性なので、主人公が胸の大きな美少女でモブがブサイクだと結局は外見が良くないとダメなの?ってなって萎えさせるんじゃないかな
・イケメンの性格も最初は残念でした、ポンコツなうえに人を見下す男を好きな乙女ゲープレイヤーは多くないでしょうね、ただ、ひどかったのは最初だけで主人公とかかわるうちに成長も見られてなかなかいいキャラになりましたポンコツなのは相変わらずですが!
・乙女ゲーム=悪役令嬢というイメージはどこからくるのでしょうか?たぶん乙女ゲームに悪役令嬢とかいじわる伯爵令嬢とかこんなにいっぱい出てこないと思うんですよね、これの悪役令嬢は報われなさ過ぎてむしろ悲劇のヒロインに見えてくるけど
・ギャンブルやレースやロボバトルや戦争など女子ウケが悪い要素が多い、特にロボはデザインも悪くカッコ良くないから何のために入れたのかなー
・女に都合がいい世界なのは当然にしても、いきすぎた女尊男卑は人を選ぶとおもう

もう少し乙女ゲーらしさを出して欲しかった
{/netabare}

【シナリオ】
{netabare}
主人公は権力者に恵まれない人達を代表して立ち向かうダークヒーロー的なところが魅力で、リオンとオリビアの信頼関係、アンジェリカとの関係も素晴らしくて、この3人の絆がもう一つの魅力です

主人公はモブだからと遠慮せず王子たちに卑劣なことやっているのに、物語を変えちゃいけないことにこだわってモブの自分は本来愛される対象じゃないと言ってオリビアやアンジェリカから身を引こうとしていてもどかしさがある一方で彼の人の良さも感じられて一気に好感度が上がりました、
ここで転生前のゲームを攻略していたという設定がとても生きてきて、ヒロインの座を奪われたオリビアが物語の筋書きから外れたならモブである主人公と結ばれてハッピーエンドでも良かったのに彼は元々の物語を、ヒロインとしてのオリビアの気持ちを守ろうとした、それに対して原作では不幸な末路をたどる悪役令嬢は物語を変えてでも救ってあげたいと考えてて、そういうところが不器用で、自分の気持ちを抑えてオリビアの原作での気持ちを大事にしてあげようとするやさしさが良くて、でも最後はちゃんとオリビアの気持ちに向き合っててとても素晴らしかったです
発言と行動は卑劣でも、自分よりもヒロインの気持ちを優先するとても良い主人公でした
物語を破壊して自分が一番になろうと考えたマリエと、大事な人の手を取りたい気持ちと物語を守りたい気持ちに揺れ動くリオンの対比が良かった
モブという設定をうまくいかしたシナリオで、最後まで見て満足感が高かったです

主人公は最初から最後まで全然モブらしく振る舞えてなかったですね
でも、モブっていうのは役割じゃなくて生き方や行動に対する客観的な評価だと思いますから、最初に理不尽な仕打ちに反抗することを決めた瞬間から彼はモブではなくなったのでしょう

マリエをはじめいい意味で不快なキャラクターがいっぱいいて、彼女達がいたからこそ面白い話になったと思います

シナリオで一つ残念なことは、オリビアがリオンやアンジェリカの気持ちを伯爵令嬢の言葉に惑わされて疑ったことかな、気持ちはわからなくもないけどヒロインとしてはちょっと意思が弱すぎるかなって思った

{/netabare}

【世界観】{netabare}
世界観は滅茶苦茶です、浮遊する島プラス中世欧州っぽい世界設定なのにガンダムみたいなのが出てくるとかそういう目立つこと以外にも
建築様式と内装、キャラクターの服装、それから文明レベルの統一感がなくて、ベースとなる世界の設定はかなり適当なようですが、
それらはたぶんつまらないゲームっぽさを演出するためにわざとやっていると思うことにしました {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

乙女ゲー世界はモブに厳しい世界ですが、僕はモブではないので関係ありませんのアニメ

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
設定は「はめふら」に似ていますが、まったく違うアニメです。

だいぶダーティな主人公。意外とバトル要素が強い。

作画クオリティとか酷いですし、決して面白いわけではないんですが、なんか最後まで観ちゃいましたね(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まあ、主人公の人の悪さを眺めるアニメですね(笑)

ストーリーを知っているというアドバンテージと、課金アイテムのチートで無双していきます。

全然モブじゃないし(苦笑)

キャラとしてはルクシオンの淡々としたツッコミが1番良かったな。また、ルクシオンなしでどこまで出きるか、というのを観てみたかった。女尊男卑の乙女ゲーム世界という設定を生かし、何をしても認められない主人公を、もっとコミカルに描ければ良かったと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

いつもの、よくある、異世界ものとちょっと違いましたw

原作未読 全12話 

前世の記憶を思い出したら、クリアした女尊男卑の乙女ゲームの中にモブとして転生したことが分かりました。そこからゲームの知識を駆使して様々な苦難を乗り越えていくお話です。

主人公は捻くれた性格で自分はモブだと開き直っているところ面白かったですね。

イケメンVSモブの図式も面白かったです。

逆にモブだと自覚が本来のヒロインを苦しめることになりましたが、最後はいい関係になって良かったです。

女性キャラの目のデザインがちょっと苦手でした。

作画は褒められたところはありませんが、お話は面白かったですね。

OPは伊東歌詞太郎さん、EDは安月名莉子さんが歌っています。

最後に、はめふらとは全然関係がありませんw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

62.3 5 2022年度の復讐アニメランキング5位
薔薇王の葬列(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (72)
215人が棚に入れました
中世イングランド。ヨーク家とランカスター家が王位争奪を繰り返す薔薇戦争時代。ヨーク家の三男として生まれたリチャードは、母からは「悪魔の子」と疎まれる一方、同じ名を持つ父からは真っ直ぐな愛情を受けて育っていた。 リチャードの願いは、この世の光である父・ヨーク公爵が王位に就くこと。だがリチャードの純粋な願いは、イングランドに戦乱の嵐を招くことになる。 さらにリチャードは、男女二つの性を持って生まれたという秘密があった。 誰にも明かせぬ秘密を胸に秘めたまま、リチャードもまた戦いの渦中に巻き込まれていく。そこで待つのは愛の温もり、絶望の痛み。痛ましくも美しい邂逅と別離が、「悪」への道へとリチャードを誘っていく――。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ベルサイユの薔薇族

往年の名作よろしく男装の麗人つまり女性のお話のような、某ニッチ雑誌つまり男性のお話のような愛憎劇全24話。いろんな意味で薔薇祭りでしたが本筋は15世紀のイングランド界隈の歴史イベント“薔薇戦争”にまつわるあれやこれやです。日本では“応仁の乱”とかやってた頃合い。
史実を基に(A)、シェイクスピアが戯曲にしたものを(B)、原案にして日本で漫画化したもの(C)です。
原案=シェイクスピアってけっこうなパワーワードですよ。そして歴史ものってアニメ単品での面白さ判定とは別に元ネタ知っているとより楽しめたりします。私なんか中途半端で

(A)色違いの薔薇を模した家紋を持つランカスター家ヨーク家の家督争いだったことは覚えてる
(B)イギリスの劇作家で四大悲劇など悲劇のイメージ強し。触れたのは映画のロミジュリだけ
(C)未読

キリスト教社会の宿命なんですが名前のヴァリエーションに乏しく、リチャード・ヘンリー・エドワード同名が複数出てきて混乱します。リチャードと聞くと“獅子心王”を思い出したりしますがそれは1世、こっちは3世。ついでに主人公もリチャードなら父親もリチャード。同族だから同じ名前なのかというとそういうわけでもなく主人公兄(ヨーク家)とヘンリー6世息子(ランカスター家)は互いにエドワードだったりします。「名前を覚えられない」と苦情がきそう。
ただし“名前”は重要でした。

 「リチャード、私の名を残せ!王の名だ」

主人公父の遺言に沿って進む物語でした。
冒頭「薔薇薔薇してる」と茶化しましたが、耽美的なノリで終始進行してたのは事実ですが、両性具有主人公の愛の葛藤だけと見るのは尚早な気がします。男性の名前である“リチャード”を残せとの言葉は特殊な性である主人公にとっては十字架でしかないし、偉大な獅子心王“リチャード”を想定してるのは明白で家柄・血筋を残せってのも十字架。父の呪縛が物語に深みを与えています。
我々日本人がリチャードと聞いてもピンとこないでしょうが、ゴジラ松井選手や村神様が背負った背番号“55”みたいな意味合いです。王の誇りと重荷を背負ってるとみないと容易に道に迷うでしょう。


取り急ぎ迷子になりそうな作風なのと、2クール分と長丁場なのもあって、「薔薇戦争ってなんだったっけ?」とwiki洗うくらいのことしても良いと思います。

そして本題の中身です。だいぶマニアックな感じがしますね。
人の多さは人物相関を片手にしながらなんとかクリア。漠然と観てると取り残されそうです。戦争と言いながら合戦シーンはこじんまり。それに代表されるようにアニメーションは止め画を多用してるのが気にかかる。人が多くて迷子になりがちな仕様と動画のちんまり感はあまりウケる類のものではないでしょう。感情移入するには終始暗いトーンなのも気にかかります。

そんなでも私は本作を推したいですね。
人物相関図をなんとか頭の中で描ければ、ちんまり動画もある意味“観劇”の再現といえる動画表現だと腑に落ちる。モブの目線が消えてるのをよく見かけましたが、手抜きというよりスポットライト浴びてる演者の芝居に注目してねということなんだと思います。演劇の照明さんがやるようなことはアニメで表現できませんがなんとかかんとか再現してみたらこんなん出ました!ってところでしょう。そしてスポットライト浴びた演者さんの台詞回しは聞きなれたアニメ的やり取りとは違う。往々にして大仰なんです。作風からしてベテラン・新人問わず数多くの声優さんが参加されており普段とは違った演技を楽しんでたんじゃないかと想像してます。

繰り返しますが物語は終始暗いです。シェイクスピアって悲劇が得意なんでしょ?で割り切りましょう。漫画家さんの元ネタへのリスペクトを感じました。
主人公リチャード3世にとっての父ヨーク公リチャードを常に念頭に置いて楽しめた私ですが皆さんいかがでしたか?



※ネタバレ所感

■『リチャード3世』『ヘンリー6世』そして『ルパン3世』

原案としていた2点『リチャード3世』も『ヘンリー6世』もシェイクスピアの劇なんですって。それをガッチャンコしてマゼマゼしたのが本作。
{netabare}そのメインどころ主人公リチャード3世(ヨーク家)と敵方ヘンリー6世(ランカスター家)の関係性がなんとも切なかったです。
ヘンリーは最初リチャードに“天使”を重ねそう見立てていたのに、政局絡みの入れ知恵によって終にはリチャードに“悪魔”と呪いの言葉を残して非業の死を遂げるわけでして。
彫刻や絵画見てわかるようにマッチョりした男性や柔らかそうな女性、つまり“おとこおとこ”して“おんなおんな”したのを良しとする文化が根っこにあるとこでよりによって両性具有とはありえない、すなわち“悪魔”としか考えられないって彼の地の人々が考えるのはごく自然で腑に落ちるのですよ。そんなキリスト教世界での“悪魔”の意味合いは宗教的観点から重く、当事者リチャードも身体的特徴から実母から疎まれーの、本人も諦観してーの、って中での“天使だ”と好意を寄せてくれたヘンリー6世との出会いと結末がなんともほろ苦かったのですね。{/netabare}

{netabare}そして一見関係なさそうな『ルパン3世』。ま、実際にこじつけだけど以下

『この手の中に 抱かれたものは
 すべて消えゆく 運命なのさ』

ルパンの主題歌のひとつでこれほど作品の世界観を一言で言い表した詞は無いと思うのですが、本作のリチャードがまんまそれ。

ヘンリー6世(CV緑川光)は前述の通りだし
ウォリック伯の娘アン(CV鈴代紗弓)の不用意な一言で心閉ざしちゃうし
好き好き光線全開だったヘンリー息子エドワード(CV天﨑滉平)もまんざらでもなかったのよ

ご破談しまくった末「ともに地獄に…」のバッキンガム(CV杉田智和)とまるで救いがありません。{/netabare}


■ハイスコアカップリング

いやほんとどうでもいいんだけど…
先の項目で挙げたCVさんにピンとくる方いそうなんだけど…
{netabare}天﨑さんと鈴代さんってハルオと大野ですよね?
夫婦役だったし 鈴代さん声出してるし そういえば杉田さんも担任役で爪痕残してました。
某ハイスコア作品ご存じない方すみません。悪ノリついでにこれで小春いりゃ完璧だなと思ったら…

{netabare}いましたね。リチャード兄で女好きエドワード4世の子供役で広瀬さんの名が!あざっす{/netabare}{/netabare}


■これまたタイムリーなことに

{netabare}好色な長兄エドワード4世が悪い女に掴まって…

そりゃ遺恨残すだろうよって女性を妃に迎えたら王室荒れるじゃん、と雑魚キャラスタートした彼はなぜかしら中盤あたりで賢王っぽい描写が増えていく。別に成長したわけでも、なにかを起点にガラッと変わったわけでもないがそれとなくできちゃう。いかにもな感じです。家柄も大事だけどほとばしる愛も大事よねって文化。

そんでもって現代に目を移してイギリスの王室ですよ。不敬かもしらんが新国王は不倫の末に奥さん入れ替えちゃった方。前妻の息子さんの一人もある意味愛に生きちゃったかもわからん方。人間って変わらんな~と思うのです。そんで序列だなんだとマウント取り合いしてみたり。
新国王は不人気だからスコットランドが足抜けするみたいなネタも冗談と言い切れないし、権力闘争で王朝がころころ変わった歴史も納得の情勢です。{/netabare}


なんとなしに史実もののエッセンスを消化している作品に思えて満足しました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

男と女の心が愛と憎しみに揺れ動く愛憎劇の傑作

【紹介】
イングランドで起きた史実であるばら戦争をモチーフにしたシェイクスピアの歴史劇を原案とした話
人物の関係や歴史背景などがとても複雑ですごくわかりづらいですが、背景が複雑なだけで意外と単純な話で、わかれば面白いです。
たくさんの人物の思惑が複雑に絡み合ったドロドロした愛憎劇なのと、BLが苦手な人にはつらいかもしれなくて、好き嫌いが分かれそうな作品
この作品を見るなら、人物相関図や目的なんかを1話ごとに紙にでも書いて整理しながら見るといいかもです

【はじめに】
最初に身もふたもないこと言いますが、原作漫画読んだほうがいいです!
私は「この漫画が凄い!!」って感じのテンションで妹からオススメされたので原作を読んでみたのですが原作はとても描写が細かく面白くて絵もとても綺麗で繊細で妖艶な感じの絵柄ですが、その美しさとシナリオの面白さが十分に再現されていないのでとても勿体ない。

【感想】
複雑で視聴はしづらいけど話は面白い。でも原作はもっと面白い。
正に愛憎劇で、ただ愛と憎しみと嫉妬と裏切りだけの話じゃなくて、愛のカタチも結構歪んでて一人一人の愛が重くてどんどん話がややこしくなっていくし、それぞれのキャラクターの意思が強くて絶対譲れない信念とか目的があるので、激突したりすれ違ったりする
そういった面倒くさい複雑な人間関係と重たい愛憎劇がこの作品の魅力!
{netabare}
また、主人公が両性具有で男の気持ちと女の気持ちの間で揺れ動く葛藤がさらに人間関係を複雑にしていて見ごたえ抜群です!
女の気持ちの時は恋愛対象が男で、見た目が男性っぽいし本人は男であろうとしているのもあってBLに見えるんですよね
私にはその時のリチャードは女の子で普通の男女の恋愛に見えるけど、BLが苦手な人にこれがどう映るのかはわかりません

主人公は母親から愛されずに育って厄介な身体で生まれてきて不幸だと思うけど、作中ではいろいろな人から愛されるようになったのは良かったと思います
今後リチャードが愛に目覚めて幸せになるのか、愛に溺れて不幸になるのかはまた別の話ですが

とにかくダメなのは人の作画とシナリオ構成、どちらも原作の良さを殺しています
こういう題材は多少間延びしてもいいから多めに枠確保してゆっくりやったほうがいいと思いますよ。もちろん作画の予算もちゃんとつけて・・・
コミカルなキャラクターを使って各話の冒頭に人物の相関図をわかりやすくまとめてくれれば視聴もしやすいと思う。
{/netabare}
【主人公について】{netabare}
主人公はヨーク家の3男
リチャードは両性具有という扱いで、男性でも女性でもあるみたいです
母親からは忌避され、父親からは愛され、男性として育てられたので男性であろうとしていますが、
恋愛対象は男女両方なようで、どちらにも惹かれている描写があります

男性として育てられたから女性が恋愛対象になるってことはたぶんないと思うので、男女両方恋愛対象なのは身体が影響しているのでしょうね
ドロドロ愛憎劇としては面白い設定ですが、どう考えても生きづらそうな設定ですね・・・
ポジティブに考えれば男にも女にもなれるとも言えるけど、私は絶対に嫌です{/netabare}

【キャラクター】{netabare}
原作の良さが十分に発揮できていませんが、それでも素晴らしいです。
みんなドロドロしてますね。戦乱の種があちこちにあって目が離せない。

主人公の設定が人間関係をより複雑にしていて面白いと思いました。
{/netabare}
【作画】{netabare}
背景の描き方で雰囲気は良く出ているけど人物作画は残念すぎます。
また、ほとんど動きがなく、止め絵ばかりでアニメと言うより紙芝居のようです。
原作の美しく妖艶で強い意志が感じられ、どこか儚さを感じる絵柄がまったく再現できてなくて、ただ暗いだけののっぺりした絵になってしまっています。
できるだけ動かさないように、顔を描かないように手を抜くならなんでアニメ化したのでしょうか?
また、話し手以外の顔を描かないようにするのは演出なのか知りませんが、より紙芝居感を増す結果になっていると思う。
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
何度も言いますが、これは原作の漫画を読んだほうが絶対にいいです。
説明不足で場面が飛び飛びなところがあってとても不親切でわかりづらい。大事な場面をさらっと流しすぎで勿体ない。

派閥、血族、愛、嫉妬、政略、陰謀、裏切り、復讐、利害関係、リチャードの複雑な気持ち
そういった様々な要素が背景にあって、誰がどんな行動をとるのか予測不能ですごく面白い話なのですよね。
ただ残念なことにアニメはただでさえ複雑でわかりづらい関係性が描写不足と低質な作画でさらに分かりづらくなってる。
原作から色々なシーンをカットして無理やり収めている感じ
失敗とは言わないけど納得いかないですね。本当に勿体ないことをしてる。
{/netabare}
【主題歌】
1クール目と2クール目で曲が変わりますが、どれも作品の雰囲気に合った良曲です!

【薔薇戦争(史実)について調べたことまとめ】{netabare}
わたしも詳しいわけじゃないので史実を調べてまとめてみました。

大雑把にいうと、フランス人の大貴族同士(親戚同士)による誰がイギリス領土を統治するかを決める内乱です。
中世ヨーロッパの国のほとんどは、国っていう意識はあまりなかったようで
中世欧州の戦争はだいたい国同士じゃなくて有力貴族同士(しかもみんな親戚同士)の勢力争いです。
だから欧州の王族はみんな似た顔しているんです。ちなみに今のイギリス王家は元々ドイツ系がルーツです。
第一次世界大戦の時に、家名が敵国ドイツの名前だからわざわざ変更したっていう経緯があります。
この作品から400年ほど前の1066年にフランス系のノルマン人によるノルマンコンクェストという事件が起きて
フランスの一諸侯によってイギリスが統治されていて、それを気に入らないフランス王と戦いになった。それが百年戦争。
その百年戦争の敗戦責任などの言い争いから発展して戦いになったのが本作のばら戦争です。
こちらはイングランドの有力貴族であるランカスター家とヨーク家(親戚同士)の権力争いですね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シェイクスピア原案のドロドロ系アニメ

{netabare}
今期一、というか個人的に視聴済みの全アニメの中で二番目に良かった。
昔のGONZOが作ってそうな気がしないこともないアニメ。
一話を見て今後面白くなりそうと感じたなら最後まで見るべき、地味でつまらないなと感じたなら切るべき。
個人的にはコメディ要素など一切なしでずっと真面目な雰囲気の本作は常に筋が通っていて好感が持てた。

薔薇戦争中の出来事を描いた作品だが、戦争自体にはそれほど焦点は当てられず、登場人物の関係性などに重きが置かれた作品。
リチャードを中心に各キャラの心理描写が丁寧でかなり深い部分まで描かれるので共感しやすく、それぞれのキャラの顛末には感慨深いものがある。

ヘンリーの話も、バッキンガムの話も主人公が固よりの立場を取るか、それともその立場を捨てて情を取るかの狭間で揺れ動くという話。
そう言う内容だからこそ、主人公の両性具有設定も、主人公の女性的な側面と男性的な側面を表す象徴としても機能していて良かった。
時々見せる恋心的なものは女性的、だが本人は恋愛感情を優先させたくはなく、王(王族)としての立場(=男性的)を取りたいと思いつつも、時には誘惑やヘンリー、バッキンガムの後押しもあり、その狭間で葛藤する様が良く描けていた。

ヘンリーやバッキンガムがその時のリチャードにとっての心の拠り所になってることがそこまでの話の内容的に見て取れるため、実は敵だと分かったヘンリーとの接触や、バッキンガムに対する最後の決断の辛さには共感ができ、両者の殺害/処刑シーンには哀愁が漂っていた。
だからと言っても、ヘンリー編では父を亡き者にしたランカスター派に対する憎しみも理解でき、バッキンガム編では一度選んだ道でもある王の道から今更引けないことも理解でき、恋愛的感情と立場を優先しての意思双方が理解できるからこそ見ている側もより辛いものがあった。
バッキンガム編に関してはバッキンガムはリチャードとは対照的に立場よりも恋愛的感情を優先させており、その面で相反する二人のすれ違いには悲しいものがあった。

母の話も、リチャードが大きく孤立して初めて母の気持ちを理解できたということなのだろうか。
その直前のアンの愛してほしかったのに愛されず荊に縛られ続けたままだったという本音の訴えもあってこそ、同じように父から愛されずに孤立していた母の気持ちに同意できたというのもあるんだろう。
序盤から引っ張られてきた部分もきちんと回収されて良かった。

最終回のオチも良かった。
ティレルと言うヘンリーに瓜二つな存在が、(声優的にも物語的にも辻褄が合うため同一人物だろうが)、12話のリチャードの「どうか、愛してくれ」と言った頼みに呼応するかのように「愛しているよ」と言うセリフで締めるのは、ここまでの話の繋がりが感じられて完璧だった。
ただただ話が進んでいくように見えて序盤の話も後半にしっかりと活きており綿密に作られた物語だというのが実感できる。
最後には序盤からずっとリチャードのそばにいたケイツビーに行きつくのだろうか。悲しくも救済があるオチ。

キャラの描写以外にも様々なキャラの思惑が錯綜する群像劇としても見応えがあった。
主人公を含め誰がどんな行動を取るかが読めない作品でもあり、常に誰かが裏切るのではないか、敵対するのではないかと言う緊張感があった。この時代の王権は歴史の教科書などを見るだけでも暗殺とかばかりで不安定なものだというのが分かるし、その雰囲気が作品内でも見て取れた。

話が良かっただけに作画が今期でも最低クラスだったのは本当にもったいない。基本的に紙芝居。
一か所褒められるのは背景がずっと暗い色調だったのがこの作品の陰鬱な雰囲気にマッチしていて良かったということ。
よくよく考えれば、モブキャラ全員のっぺらぼうなのも、この作品の暗い雰囲気に合致していて、むしろ作画の悪さすらも偶然とはいえこの作品の暗い雰囲気を強調させていた説も微レ存...?
いやさすがにそうだとしても重要な部分で枚数が少なかったり褒められたものではないけど。

最後まで見た後にもう一周すると見える物も変わってきそうなので今年中に二周目視聴したい。
↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
跡継ぎ闘争? やばい話が全く頭に入ってこない。難しい作品。
父のために王位継承権を持つヘンリー(友人)を主人公が殺そうとしてるってこと? 

2話 ☆7
特に書くことがない、雰囲気がいい。演劇風の演出見にくい。
作画を演出で誤魔化すな。主人公父の死体見て正気なんか。
主人公狂ってる? これ後半面白くなる奴かな。

3話 ☆8
何がどうなった? ヘンリーは? 直訴大丈夫なんか。
兄弟二人どこ行った。草、エリザベス上手くいきすぎやろ。

4話 ☆6
ホモアニメ? やばいもの入ってそう。直接的すぎるたとえ話w

5話 ☆8
いつか化けそうと思って見続けているアニメ。
ほんとちょろすぎやろw 顔省略すんな。
回想に見えるから紙芝居やめろw
この脳内会議の奴結局何なんすか。
この作品の女ほんと裏があるキャラ多いな。
いや悪気はないんだろうけど。悲しいなぁ。
女が生まれたらどうするんですか()

6話 ☆8
女生まれ取るやん。手抜き作画。
同姓同名多いしキャラの書き分けもあまりできてないし単純に話が難しいしで疲れる。
ジョージとウォリック普通に組んでそうだけどな。
組んどるやんけ。主人公もやる気出してくれていい。面白い。

7話 ☆7
エドワード女好きすぎだろw
演出というか手抜き作画が滑りすぎだ。
ガバガバ警備 準備万端だな。ウォリックの方がまともじゃねーか。
言い訳苦しいぞ。なんでそこでヘンリーが出てくる

8話 ☆7
? ウォリックがやっぱ黒幕的位置なのね。手抜き作画やめろw
ほんと作画ひでーな。そこに愛はあるんか?
ホモ?

9話 ☆8
BL まだ気づいてないんかよ正体
主人公が父の影をちらつかせたおかげか。作画手抜きするな。

10話 ☆9
エドワードはほんと無能なんだな。
この謎空間結局何なんだよ。あっ

11話 ☆10
誰が殺してたっけ。主人公だったか?
ヘンリーつかまってんのかよ。ヘンリーじゃなくてエドワード?
のっぺらぼう兵士。同名多いからほんとわかり辛い。
こいつもランカスター側なんか。
主人公仲間と思ってた奴らに裏切られてばかりだな。
何で同じとこで暮らしてたの?
マーガレットも仲間思いなキャラなんだな。
くっ...殺せ! ヘンリーどこいったの?

12話 ☆8
外普通に許すのねw ヘンリー死んだか...
死体ないけど実は生きてましたにはならないよね。作風的に
作画は圧倒的に平家だけど話は個人的にこっちだったな。

13話 ☆8
2クール目。口の動きが合ってないw
草、こいつ女癖悪すぎだろ。運命の媚薬。毒盛られてそう。
やっぱり媚薬かよwイザベル一瞬で退場するじゃん。
ジェーンド正論で草。そこは殺すとこでは。EDめっちゃいいな。

14話 ☆9
ベスって誰。エリザベスの子供? バッキンガムとか言う有能。
実際悪魔のごとき所業。リチャードって言うても結構サイコパス。
ヘンリー処刑してある意味吹っ切れてんのか。

15話 ☆9
やっとあの女癖悪い奴消えるのかw キャラだいぶ減ったなぁ
エリザベスのゲスさを久々に見た。バッキンガム裏切ってて草。
まさかの再会。真っ白。モブはモブだった。悪魔の契約。
なぜ、やった。イキリモード。結局こいつらも裏切る気なの?

16話 ☆9
森(暗喩) 過激は怖い。毎回ヤってる。
殺したら同情されて、殺さなかったら単純に勝つのね。
エリザベスが噛ませになるとは。マッマ怖すぎ。
いや腕何があった。

17話 ☆9
失言。
ケイツビー空気。光が呪いに変わりとか、OPの歌詞とセリフがマッチしてていいな。芝居感ですぎやろ。宝塚かよw ここだけ本当。
そういやあの心の声の人どこ行ったの。
今更だけど国王になりたい行ってるけど目的は?
なること自体が目的? NTR また裏切るのか? 誰?

18話 ☆10
このドロドロ感いいわ。
いつのまにかバッキンガムを本気で好きになってたんか。
この仮装シュールすぎる。
別に女装してもばれないのでは。レズ堕ち。
ヘンリー生きてる? 最初から女だったらこんな感じだったのか。
最後の家パートが悲哀感漂ってていい。

19話 ☆9
ヘンリーの話あっさり終わったと思ったからあれで終わりじゃなくてまだあったみたいで良かった。二人の仲が。
廃嫡したらしたらで事実認めてるようなものでは。

20話 ☆9
恋愛思考なバッキンガムと王になりたいリチャードどっちの考えも理解できるから辛いものがある。

21話 ☆9
リッチモンドの強敵感。
前回のリチャードを殺せって、もしかして、王としてのリチャードを殺せという意味だった?
こいつらいつの間にこんなにゲスくなった。
しょけえええ
序盤とは打って変わって段々と可哀想になってくるエリザベス。

22話 ☆10
一人で突っ込む。案外平和的なオチだな。
確かにバッキンガムが一番の茨。リチャードの方が歳上なのか。
EDへの入りがずるい

23話 ☆10
中毒じゃん。結核移りそう。議会ってこの頃からあるんだ。
処刑対策。負ける前提かよ。リチャード女っぽくなったな。
アンの話が合っての母親の話か。
アンもリチャードも母もだれにも気にかけてもらえなかったのね。
本当に話が繋がっててすごい。

24話 ☆10
怪しい。いつものナレーション遅いぞ。
やっぱりバッドエンド不可避なのか。
相変わらずの紙芝居。ティレルが身代わりになったということか。
最終回も最高だった。

OP1「我、薔薇に淫す」☆9
ED1「悪夢」☆8.5
OP2「荊棘輪舞曲」☆6.5
ED2「螺旋」☆9.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1

58.2 6 2022年度の復讐アニメランキング6位
ブッチギレ!(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (58)
147人が棚に入れました
侍が日本を支配していた時代…… 新選組は何者かの手により一人を残して全滅してしまう ―― 新選組の替え玉として選ばれたのは7人の罪人 京都の治安を守るため 極秘の替え玉作戦が実行される 咎人よ、誠を背負え――

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

新選組BASARA

【紹介】
仮面を被った謎の悪党集団に滅ぼされた新選組メンバーを咎人を替え玉にして再興して復讐のために戦うオリジナルアニメ

【感想】
結構面白かったけど、評判がイマイチなのも仕方ないのかなーって思います

キャラは戦国BASARAを新選組にしたような感じだけど、やることはマジメっていうなんか中途半端な作品、どうせ新選組をここまで砕けさせるならシナリオもぶっ飛んでていいのに

個性的なキャラクター達と雰囲気はとても良くて面白くなりそうな感じはしたけど、タイトルやキャラクターの勢いの割にマジメで勢いがなくて、バトルシーンが地味なのとシナリオが盛り上がりに欠けるかも
特に終盤のシナリオが微妙で、せっかくいい素材があったのにうまく生かしきれなかった感じ
もっとメチャクチャに暴れさせたほうが良かったような

キャラクターはいい意味で武士らしくなくて好きです

【どうでもいいこと】
砂時計の砂落ちるの早すぎませんか? 10秒で落ちそう

【音楽】
西川さんのOPが好き

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

オリジナルアニメで、和風歴史ものとしては面白かった。

オリジナルアニメで、どうやら罪人が新選組の替え玉として頑張るお話観たいです。新選組が活躍していた頃の日本を舞台としており、主に京都で新選組の替え玉として連れてこられた罪人がメインのお話です。日本の実際の人物や歴史的事件を題材にしながらもオリジナルの設定を混ぜてなかなか面白かったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

無難なアニオリ作品

{netabare}
新撰組の替え玉の武士たちが鬼相手に暴れる話。
これと言っていいところもなく、かといって悪くはない何とも言えない作品。

史実に沿いつつストーリーを展開していく形式の歴史モノは結構好きだけど、これは結局新撰組云々よりも、ただただ雑面の鬼という架空の存在と戦う普通のファンタジー物になってしまって、新撰組の替え玉と言う個性的な設定があまり活きていなかった感。
敵を架空の存在にするのではなく、史実通り敵を長州藩薩摩藩にしてファンタジーバトルものにした方が面白かったんじゃないかなと思う。
これだと劣化鬼滅の刃にしかなってない感。

それに、雑面の鬼たち、あんな特殊能力を持ち合わせてるなら攘夷路線も現実的に見えるし、あそこまで悪役のように描かれていたのも少し違和感があった。
桂小五郎とか、出したはいいものの結局名前を出しただけでキャラとしてあまり扱えておらず、よくわからないまま仲間になって、何がしたいのかも分からず終わっていったし。普通に仲間になるならアキラとの関係性にも面白みがない。
キャラも一番星とアキラとサクヤ以外はあまり印象に残らず。
前半の方は全員満遍なく活躍していて良かったけど、後半になるとツキトと一番星の関係性ばかり重視されて他のキャラの出番が一気に減った。

良かった点。
こういう複数人で何かミッションをこなすジャンル(こういうジャンルなんて言うんだろう)は結構好きなので何も考えずに見たらそれなりには楽しめた。
戦闘もそれなりには凝っていて面白かった。
少なかったとはいえ所々、史実に絡んだ話もあったのは良かったと思います。
ツキトと一番星の対立に関しても長い話数にわたって丁寧にやっていて最後は上手くまとまっていたかなと。殺してほしくはなかったけど...。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
新撰組か。 朝倉っぽいキャラいるな。水落は生存フラグ。上弦の鬼?
てか主人公側にこんなクソジジイが。このじじい絶対好きになれんわ。
金髪から刀受け取ったら仮面暴徒化するのね。分かりやすい。そんな簡単に戦えんのかよ。実写並みの作画。ボカロ臭いED
親殺された回想あっさりしすぎなのと、1話から早速何も無く剣扱えるのも王道としては物足りないかな。
お面と初めてであった時の反応も親の仇ということが感じられない。

2話 ☆7
佐久間象山w 本名そのままか。有能SP キャラデザが寒いわ。
これファンタジーものと思ってたけど、幕末ものがしたいのか?
時代劇として結構いいな。

3話 ☆7
簡単とはw 写真が残ってる人物の話となると最近感があるな。
似てねえ。ハゲ。トモダチゲームでみた。わざと誘き寄せたのか。
てなると桂は替え玉? 桂小五郎死ぬの? さすがにね。

4話 ☆6
新撰組こそ奇襲してんだろw 矛盾してね?
拷問ぐらいこの時代なら普通だろ。変に美化せんで欲しいわ。
鬼滅狙いかやっぱ? そういや鬼がどうこうの設定あったな。
お前らも利用したよな? あんまり面白くはないな。やっぱ兄かよ。

5話 ☆6
鬼滅かな? 誰やこいつ。この頃まだ隠れキリシタン滅んでなかったんか。
結構やばいことやってて草。幽霊さん。
仲良くなってるじゃんこいつら。今更だがEDクソダサいな。

6話 ☆5
このじじいとデブ寒いからいらんわ。
やなんでこいつら置いておいてどこかに行く? ガバガバかよ。
1話じゃさすがにこいつに感情移入できんわ。草。
せっかく新撰組の替え玉という面白い設定があるんだからそれにもっと重きを置いて欲しいな。

7話 ☆6
銀髪の子やっぱ可愛いな。じじいとデブ結構影薄いな。
お母さんかよ。痛そう。ペラペラ喋る。池田屋事件

8話 ☆6
死にません言ってるわりに助かる率低くて草。
池田屋突入もっとちゃんとやれ。火薬しょぼいぞ。
こいつら禁断の恋してるんかよw そして部下を見捨てるw
作画回かな? 唐突に庇うの草 そんな流れなかったじゃん、見せ方下手だわ。雑だわ。兄は何がしたかったんだ。

9話 ☆7
褒められてよかったと言っても火事止められてないよね。
桂と完全に馴れ合ってるの面白くないなあ。
この時代ならそれが普通だよな。まあ殺そうとしてたなら仕方ない。
誰やねんこいつ。そういやおったな。こ
の立ち位置を坂本龍馬ではなく佐久間にしてるのは評価する。草。

10話 ☆8
いきなり歴史物っぽくなったな。発音酷すぎて共感性羞恥あるわ。
you are demonww アメリカ船襲ったって事実どうもみ消す?
いや速すぎんだろ。下関戦争かな?
長州雑面双方に策略あって面白いね。兄弟の話も面白くなった感はある。
けど他国に対応する為と言うなら雑面も別に悪くないのでは?

11話 ☆6
この力あるなら欧米と渡り合えるだろうし攘夷もありやろw
特に何も無く仲間になってしまう桂さん。ツキトなんかギャグみたいで草。
蔵面達が完全な悪役のように描かれてるのが少し違和感ある。

12話 ☆7
この骨なんか草。蛤御門の変? 謎に死ぬ金髪。
将来的にこいつら敵対するだろ。

OP「1番光れ! -ブッチギレ-」☆7
ED「断罪デモクラシー」☆4.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 7
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