心理戦でジャンプなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの心理戦でジャンプな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月05日の時点で一番の心理戦でジャンプなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.5 1 心理戦でジャンプなアニメランキング1位
DEATH NOTE-デスノート(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (2467)
12856人が棚に入れました
「そのノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という力を持つ、死神が落とした恐るべきノート・デスノート。
天才的な頭脳を持ち、退屈を持て余していた高校生・夜神月(ヤガミ・ライト)がそれを拾った時から、すべては始まった。デスノートを使って、世の中に溢れる犯罪者たちに次々と死の制裁を下していく月(ライト)は、いつしか「キラ」と呼ばれるようになる。
果たして月=キラは、世界を救う救世主なのか。それとも独裁的な殺人者なのか。
キラを崇拝する者、その行為を否定する者。世界は大きく揺れ動いていく…。
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

2006年…

 テレビシリーズ全37話。このレビューで取り上げるのは第25話だけです。
 最近チラッと見ただけなんですが、もう10年近くになるんですね。驚きました。

 数多あるアニメの中で、我が家にホームステイしてきた留学生の一番人気がおそらくこれ。アニメ好きを自称する子からそうでない子まで、多くの子が見ている作品です。今いる留学生は両親もファンだと言っていました。アメリカでは、子供向けのカートゥーンではなく、アニメというジャンルを受け入れさせるくらいの大きな影響力をもたらした作品だ、とも聞いています。本当かどうかは知りませんけどね。そう指摘される作品は結構ありますから。

 アニメにおいては、宗教的なモチーフが使われることが結構あります。私が見た限り、デスノートのアニメ版はマンガ版を省略しながらも、非常に上手く再現していました。一方で、省略しながらも大幅に追加されていたのが第25話。その内容こそが宗教的なモチーフを取り入れることでした。


第25話の内容:{netabare}
 第25話は、ライトのライバルであるLが死亡する回です。おそらくここが第一部の終わりというべきところ。

 私はLが死ぬまでの第一部を「思考力はあるものの行動力に欠けるLが、思考力と行動力を併せ持つライトに負ける話」と整理しています。続く第二部は、「思考力と行動力を持つものの一人きりであるライトが、思考力と行動力をそれぞれ持つ二人組に負ける話」ですね。

 終わり方に関しては様々意見のあるところだとは思いますが、個人的には「足りない方が負ける」という一貫性に関して不満はありません。第二部ではライトを応援していた部分は少なからずありましたけどね。
 ライトが勝つ結末も描けたかもしれませんが、元々が少年誌での連載だったことを踏まえると少し難しいのかもしれません。マンガ版のラストがテレビ版にないのは結構不満かな。あれなくして終われないよね。
{/netabare}

第25話における宗教上のモチーフ①:{netabare}
 第25話には、ライトとLの二人が雨に濡れた後、Lがライトの足を拭いてあげるシーンがあります。見る人によってはなんだか気持ちが悪かったり、ホモホモしい感じを受けたりするかもしれません。私もそう思いました(笑)
 他人の足を拭くなんて、基本的にはあり得ないですよね。

 このシーンは新約聖書、つまりキリスト教から引用されたものです
 新約聖書には、最後の晩餐の直前に、イエスが弟子の足を洗うという話があります。弟子がイエスの足を洗う、のではなく、イエスが弟子の足を洗う、です。キリスト(救世主)であるイエスの謙遜と愛が表現されているらしいです。
 困惑する弟子たちに、イエスは「お互いの足を洗い合い、お互いに愛し合いなさい」と語ります。そして、弟子たちは互いに足を洗い合い、その後、最後の晩餐が始まります。イエスは、自身の肉と血としてパンと葡萄酒を分け与え、ユダの裏切りを指摘する、と展開します。
 
 完成度の高いマンガ版に、わざわざ追加してまで足を拭くシーンを描いたわけです。監督の意図が含まれているはずですから、それを探る必要があります。ここから察するLとライトの関係性は、「Lがイエスでライトが弟子」「Lとライトが弟子同士」の二通りです。
 前者も後者も検討してみましたが、結論としては前者に至りました。後者についてのレビューも用意したのですが、記載してもあまり意味がないと判断しましたので、前者だけを載せることにします。

 ちなみに、足を洗う話は新約聖書には他にもあります。ある女性がイエスの足を涙で濡らし、自身の髪でイエスの足を拭くというものです。第25話との類似性を指摘できるかもしれませんが、こちらは懺悔の意味合いが強そうですから、Lとライトの関係からは適切ではないと思います。
{/netabare}

第25話における宗教上のモチーフ②:{netabare}
 「Lがイエスでライトが弟子」とした場合。

 そうであっても、さすがに「Lがイエスとして神格化されている」と読むわけにはいかないと思います。「神格化」の程度にもよりますが、日本的な神様ならまだしも、キリスト教における神様には違和感があります。原作者もそこまで意図してはいないでしょうし、アニメ版の監督も同様だと思います。「ライトがLにとっての弟子だ」というのもありえないと思います。
 ですから、あくまでも裏切るライト(ユダ)と裏切られるL(イエス)の関係が軸になりそうです。

 「Lの謙遜とライトへの愛」が表現されていた、というのはあるかもしれませんね。Lにとっての唯一の友達がライトですから。
 イエスがユダの裏切りを指摘したのに引っ掛けて、「Lがライトの裏切りを確信した」というのもありそう。マッサージと称して手に力を入れていた描写や、髪の毛から落ちるしずくが涙として表現されていた描写を踏まえれば、十分すぎる論拠になります。
 血と肉を与えたというのが、この後のストーリーで「ライトがLの機能や立場を獲得する」に転換されるのも納得のできるところです。

 第25話には、教会や鐘の音、ミサの歌に「神様」が出てくることを含めて、宗教的な表現が多いです。これらは、この足を洗うシーンが宗教上の引用であることを気付いてもらうための布石だったのだと思います。
 マンガ版のこの辺りは、ライト・L・レムがそれぞれの心理戦を繰り広げていたために、非常にセリフが多いです。ここをダラダラとやらずに、モチーフを使ってスッキリと表現したわけですから、アニメ版監督のセンスを感じます。緊迫感が失われてしまった部分もありますが、不思議な余韻が残っていました。
 マンガ版にないシーンを追加したわけですからかなり気を使ったんだとは思いますが、後付けの域を超えての効果は出ていたんじゃないかな、と個人的には思います。
{/netabare}

マンガ版との関連:{netabare}
 マンガ版では、倒れ込んだLに「やはり私は間違ってなかったが…」というセリフが入ります。つまり、死のタイミングでライトがキラであることを再認したのです。でも、アニメ版にこのセリフはありません。そのまま息を引き取った。

 足を拭くシーンを入れたことで、Lによる「裏切りの指摘」を暗示したのであれば、ライトがキラであるという再認は前倒しされていたことになります。それならば、件のセリフを入れなかったことにも合点が行きます。セリフを入れてしまうと重複した表現になってしまい、蛇足になってしまいますからね。

 「Lの神格化」についてもちょっとだけ補足します。視聴者がマンガ版を読んでいることを前提にしているのならば、必ずしもこれを否定できません。
 マンガ版では、ワタリとLを殺したレムが、その死の際に「夜神月…死神をも殺すとは…死神を超えてる…」と言っています。マンガ版のライトが「死神を超えたもの」であることの対比として、アニメ版のLを「救世主」として描いていたのならば、非常に興味深い示唆を感じ取ることができます。

 私はマンガ版から入りましたが、改編にはあまり不満は感じませんでした。
{/netabare}

おまけ(英語でデスノ):{netabare}
 日本とは違い、宗教色が徹底して消されてしまうのがアメリカ。デスノではどうなっているのかを調べてみました。上記に関連して、主に「神様」に類する表現を見てみます。マンガとアニメの両方から引用しています。私が見せてもらったのは北米版だと思います。

 前提として、「God」と「god」の使い分けを確認しておきます。
 「God」はキリスト教を代表とした一神教の唯一神をいいますから、固有名詞のようなもので複数形はありません。冠詞も不要で、「God」と単体のまま使えばいいだけです。
 「god」は一般的な神様をいいますが、主に一神教以外の神様をいう場合に使われます。一般名詞ですから複数形もありますし、冠詞も必要です。日本の神様を言いたいときには「a/the god」や「(the)gods」となります。
 デスノの英訳マンガ版は全部大文字書かれていますから、冠詞の有無などでこれらを判別することになります。ヒアリングするときも同様です。


「死神」:{netabare}
 マンガ版でもアニメ版でも「shinigami」でした。「死神」という意味を持つ英語には「Death」や「Grim Reaper」がありますけど採用されていませんね。イメージが違うんでしょうか?
 「a/the Death God」という表現もありました。固有名詞だから大文字なだけで、冠詞が付いていますから「god」の方ですね。私の経験上ですが、一神教の人は「悪い神様もいる」って概念をあまり持っていない気がします。「a/the Death God」は「shinigami」の説明のためにチラッと登場しただけでした。
{/netabare}

「神の教えに従うべし…」:{netabare}
 アニメ版第1話だけにある英語の授業から。①が先生で、②がライトです。
―①「Listen for the voice of God then follow it...」
―②「Follow the teachings of God...」
 表現は違いますが、どちらも意味は一緒です。ここで「God」が使われているのは「教え」があるからでしょうね。戒律があるのは基本的には一神教です。
{/netabare}

「僕は新世界の神になる」:{netabare}
―「I will reign over a new world」(マンガ版第1話)
―「I'll become the god of this new world」(アニメ版第1話)
 マンガ版の方を直訳すると「新世界に君臨する」という感じですかね。「神になる」は、宗教にうるさいアメリカではいらぬ突っ込みを受ける可能性がありますから、基本的には使われないと聞いたことがあります。「英語的な表現」に変えられているようですね。ファンサブかもしれませんが、後ろに「as a god」を入れているものもありました。原作の表現に近づけようとしたのかな?
 一方、アニメ版は直接的な表現になっています。意訳を嫌う原作表現至上主義の人も多いらしいですから、そちらに配慮しているのかもしれませんね。近年はこちらの傾向が強いとも聞きました。

 ちなみに、アニメ版第25話の「僕は新世界の神だ」は、「I am the god of the new world」でした。ライトは「the god」になれても「God」にはなれませんでした。日本語では出てこない表現ですよね。
 この前のシーンで新約聖書を引用しているというのは上述の通りです。「神様」なら何でも一緒にしてしまう日本と、「God」と「god」が別物だと考えるアメリカの、宗教的文化的ミスマッチが顕著に出ています。
{/netabare}

ニアのセリフ:{netabare}
 マンガ版第105話のニアのセリフ。アニメ版ではカットされていました。デスノの英語版ウィキペディアには記載がありましたから、名言や結論として認識されているのかもしれません。
「何が正しいか正しくないか、何が正義か悪かなんて 誰にも分かりません」
―「Nobody can tell what is right and what is wrong, what is righteous and what is evil.」
「もし神がいて、神の教示があったとしても…」
―「Even if there is a god, and I had his teachings before me,」
「私は一考し、それが正しいか正しくないかは、自分で決めます」
―「I would think it through and decide if that was right or wrong myself.」
 「teachings」がありますから、アニメ版の「神の教えに従うべし…」のように「God」でも大丈夫な気がします。でもこちらでは「a god」を採用しています。やはりマンガ版は宗教色を消しているようですね。
{/netabare}
 同じ作品を同じ言語に翻訳しているのに表現が全く異なってしまうところがある、というのは少し意外ですよね。お国の事情というやつですかね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

アリス★彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

迷子の迷子の夜神くん

ジャンプ作品。

成分:心理戦 ピカレスク的な価値観 

全体的に反社会的です。
テーマ性とエンターテイメント性の釣り合いが取れていて、評価に値する作品だとは思います。
しかし、ピュアな価値観を持っている方や反社会的な内容が嫌いな方は視聴をおすすめしません。


■漫画からアニメへ

漫画の手法をそのままアニメに持ち込んでいるので、映像的な視点から行くと、安直すぎるのではないのでしょうか。特に主人公が周りの状況を語り口調で説明するところ。
それでも、ストーリー的には問題が無い気がします。映像的な視点です。

映像においての脚本技術について、語られたサイトにも説明口調で入るのはまずいと書いていますから(これについても色々と人によって意見が変わるので、一概には言えませんね。私の主観です)

■正義とは何か

作品では二つの正義が描かれています。一つは夜神月視点の弱者が被害にあっているのを見過ごせない、犯罪者は徹底的に裁くべきだという正義。それが法の範囲を超えても、「自身の正義に当てはまっていればそれでいいの」、という自己中心的な思考回路。

もう一つは、L視点の正義。捕まえるためなら、倫理的に問題がありそうなことでも(監禁したりだとか)犯す、秩序の維持のための正義。何事にも客観であり、どのような目的が合っても、ルールを破った者は、秩序を維持するために裁く、正に管理者の考え方ですね。(以下、秩序維持者とします。)


■分かりきってることなのに

真面目に生きている人間が損をして、悪人が得をする事が許せない夜神くん。
その考えは分からなくもないのですが、そんなことが世の中から無くなるわけ無いのですから、割り切ってそういった人間はほっとけばいいのに。

とはいっても、自己中心的な価値観の持ち主の夜神くんは、そういった世の中の既成事実を受け入れらない訳ですから、世界を自分の思い描くように改変しようと、デスノートを使い自分で悪人を裁き始めます。派手な事はせずに、「ここね」といった時のために取っておくという手もあるのに。
世界を自分の思い通りにするよりも、自分の見えている世界に入ってくる邪魔者を排除する方が効率的で楽なのに、そうはしないところが、夜神くんの自己中心的な所なのですよね。バレる確率も高くなってしまいますけれど。

要するに、夜神くんは、自分と違う価値観を受け入れられないのでしょう。邪魔者は排除している所を見ると、それが伺えます。

「自分のためには使わずに、世界のために力を振るっているんだ」
個人的に正しい事をしているつもりなのでしょうけれど、それが大衆における正義かどうかは分かりませんよ?
自分が正しい事だと思っていても、他人は違う考えを持っている事はありますからね。そういうことをするのなら、自分のためだと割り切りましょうね。

自分が不満に持っている事を国民もそう思っている事にすり替えて、正当化している夜神くん。作中でも、キラを支持する声が強くなってきます。実績を出したからでしょうね。
国民にとっては、犯罪率を減らせない国家よりも、犯罪率を減らせるキラの方が支持しやすいのでしょうね。そういうところが、キラの考えを正当化していると思われてもおかしくないですけれど。

謎の方法を使って、人を殺している犯罪者を支持しますか?
例え、殺しているのが犯罪者でも、演出で正当化していたとしても、人によって変わりますよね。

夜神くんのキャラクターを観ていると、デスノートを支持する理由として、「社会的に不満を持っていて、それが解消されるから観ている」という理由もありそうです。夜神くんの価値観が徹底的に正当化されていますからね。

ジャンプ作品の中では、邪道だと言われていますが、その理由は夜神くんの価値観を観れば分かりますよね。ジャンプ作品は子供向けの悪影響を及ぼさない作品が掲載されるべきなのでしょうが、反社会的な考えを正当化しているために、邪道と呼ばれているのでしょう。人は理不尽に死ぬし、友情、勝利、努力は無いに等しいです。勝利だけはありますけれどね。

■秩序維持者としてのL

Lのキラへの考え方を簡潔を説明するとこうです。

どんな方法であれ、人を裁くの法であり、決して個人の主観で決めてはいけません。ましてやキラの考え方は、「痴漢しただけで死刑」などといったやり過ぎの領域に入っていきます。
よくいますよね。悪口を言われたくらいで、殴りそうになったり、いじめようとする人。キラはあの考え方にそっくりなんですよね。
キラは何でもかんでも死刑で済ませてしまう罪の重さも計れない人間。
新世界の神になるといったフレーズ。新世界を作るという表現がピッタリですよね。もしも、そんなやり過ぎがまかり通る世界が来たのなら、それはもう新世界ですよね。

ともあれ、ゲームプレイヤーとしては超一流なので、どうしても意識してしまいます。

■Lもやり過ぎてしまいます

監禁してしまいます。結局、作者がリアリストであったためなのか、Lは夜神と対抗するためには、監禁という犯罪的な手段を使うしか無くなり、やり過ぎてしまいます。

殺し合いには、道徳なんてもの必要ないと言った作者の価値観が伺えます。
そういうところが、デスノートの魅力であって、好みの分かれるポイントなのでしょうね。

こういう所が、Lの秩序維持者を描き出しているシーンなのですよね。秩序のためなら無感情になれる。傍から見ると、女の子を監禁しているのが正義なのかどうかは、疑問が湧く所なのでしょうね。少なからず、正義だと言う人もいますし、やり過ぎだと捉える方もいると思います。

無感情、事件の事以外は無頓着。そういったキャラクターです。


■トリックの上手さ

子供っぽい価値観の持ち主の夜神くん。
それでも、トリックだけは上手いのです。

デスノートの魅力はここだと言ってもいいくらい。
{netabare} 電車の中で、FBIの職員を一気にデスノートを使って殺害する{/netabare}シーンは圧巻でしたね。

演出やストーリーの面で行くと、確かに過小評価というタグは頷けます。



逆に、Lとの決着のシーンは、静けさがあって、映画と比べると盛り上がりに欠けるという意見もあります。かといって、悪いというわけでもなく、あの静かな演出は味のあって芸術的です。色々と意見がありますが、私は後者の方です。
{netabare}
■ニアとメロ

この辺りから夜神くんが、天狗になって攻められる立場になります。Lを殺害するまでの過程は、策略家だとは思えるのですけれど、ニアとメロの下りからは自分が上の立場にいるためか、油断する事が多い印象です。

ニアは、行動するよりも部屋で黙って考えていることが多いです。派手な事はせずに地味な手段で、夜神に近寄ります。
一方、メロは、ニアとは対極と言っていいほど、行動します。不良の子は行動力があると言いますが、メロは正にその例に当てはまります。

野蛮な格好が出来たり、強気な姿勢で望めるという不良の特性を生かして、行動しているところは流石です。それでも、法律を守るという考えは彼の頭の中には無いのでしょうか。



やっぱりこの作品って反社会的な人...多いです。
メロについては、不良的なアレなので当たり前なのですが。

そんな感想はさておき。
メロの行動力が夜神くんの計算を追い詰めます。


メロとニアの活躍を描くために、夜神くんの活躍が削られたのでしょうか。
夜神くんの方が有利だったために、どうしても二人が目立ってしまいました。
天才(夜神)と天才(L)が戦う話に魅力があったのに、一方的なゲーム展開になったのは残念です。

もう一つだけ。
ニアはLに比べてあんまり行動しませんから、どうしても話が面白くなくなっている気がします。Lの唐突な行動が視聴者を惹きつける展開となり得たのに。
その役目はメロにあたるのでしょうが、メロは途中でリタイアしてしまいますしね。
{/netabare}

■報い
{netabare}
夜神くんの価値観を正当化させていたので、最後は夜神くんが勝つのかな、と思っていました。ちゃんと夜神くんに報いを受けさせてくれて良かったです。
夜神くんが思ったこと(真面目に生きている人間が損をして、悪人が得をする事が許せない)は嫉妬して、ありうることでしょう。
それでも、社会ではそういう感情を我慢して相手に従わなければ、合わせないといけない事があるという事をちゃんと描けています。

「それが嫌だから、新世界を作るんだ」
そういう夜神くんの妄想もしっかりと打ち破っています。最後は死神が夜神くんの命を奪いますが、味方に裏切られることも、現実味を感じてグッドです。
{/netabare}


■コードギアスと対比してみると

コードギアスのラストは、デスノートとは違って、ルルーシュの思い描く通りになってしまいます。コードギアスの方が、反社会的な価値観を正当化するのには適している作品ですよね。

私は、ギアスの方が好きだったりします...。キャラクターがかっこいいから、と言われれば否定は出来ないのですが。
どうしても、そういう世界、理想の世界に憧れてしまうのでしょうね。私って。

■スピンオフはいらなかったです。(関係ないこと)

映画の話になりますが、Lのスピンオフは蛇足でしか無かったです。
作風もデスノートとは違いますし、本当にスターシステムは嫌いです。

■総評

昔は好きだった作品です。ちょっと夜神くんに共感が出来なくなってきたからかな...。
心理戦が味噌。少年ジャンプに連載されていたことと、夜神くんの自己中心さを考えれば、少年向けに売り出そうとした事は分かります。Lの価値観も、作者の価値観が表れていますからね。編集者の意向は分からないものの、結果的に大人の層にまでヒットしてる上に、最後で現実味のあるラストを迎えているので、後半にさえ目を向けなければ、大人の方にもおすすめしたい作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

竜頭蛇尾。一世を風靡した有名作だけど、既に賞味期限切れかも。

アニメ作品は全37話で、人気を博した原作マンガと細部に若干の違いを残しながらも基本プロットはちゃんと共通しつつ完結してる感じなのですが、

(1) 前半の第15話までは作画は悪いながらもシナリオ自体は緊迫感があって面白かったのに、
(2) そこからシナリオも急に崩れ始めて、第25話で大きな動きがあって第一部を終わり、
(3) その後の第27話から先は、5年後の話(第二部)に切り替わって色々とシナリオの粗を挟みつつ結末まで駆け足で進行する、

・・・という展開となっています。

主人公&ライバルが、どちらも「幼稚で負けず嫌い」の自信家で、凄く中二病っぱいところは面白くて良かったんですが、本作の場合はヒロインがかなりの残念キャラなので(※第12話で{netabare}「ダメだコイツ、早く何とかしないと。」{/netabare}という主人公の少年の有名セリフが出てきます)、どうしても個人的な評価は下がってしまいます。

もし「一流の中二病作品」というのがあるとしたら、本作の場合は第15話まではそれに当て嵌まるのかも知れないけれど、それ以降は二流かな(そういう意味でレビュータイトルに「竜頭蛇尾」と入れました)。

あと主人公が、自分の保身のために{netabare}途中(※第4話)から犯罪者以外もどんどん殺害{/netabare}していっちゃうのは流石に観ていて気持ちのいいものではありませんし、そういう意味で基本設定は面白くとも細部の詰めが随分甘い作品・・・という印象が強く残りました。

人気マンガをアニメ化&実写化の2本建てで映像化すると、大抵の場合はアニメ版の方が出来が良くなるものですが、本作の場合は珍しく実写版の方が出来が良くなった例かも知れませんね。


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      大場つぐみ(シナリオ)小畑健(作画)(『週刊少年ジャンプ』2003年12月-2006年5月連載)
監督         荒木哲郎
シリーズ構成     井上敏樹
キャラクターデザイン 北尾勝
音楽         平野義久、タニウチヒデキ
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========= DEATH NOTE -デスノート- (2006年10月-2007年6月) ========

 - - - - - - - 第一部 - - - - - - -
  ^^^^^^^^^^^^^^^^^ OP「the WORLD」、ED「アルミナ」 ^^^^^^^^^^^^^^^^
{netabare}
第1話 新生 ★ 夜神月(やがみライト)、DEATH NOTE、リュークとの出会い
第2話 対決  ★ 救世主キラ伝説、Lのテレビ発言
第3話 取引  ☆ 捜査局長(夜神総一郎)、ライトの挑戦、尾行者、死神の眼の値段
第4話 追跡  ★ キラの実験、バスジャック事件、DEATH NOTEに狂いなし
第5話 駆引  ★ FBI捜査官レイ・ペンバー、FBI捜査官一斉殺害、捜査本部の残留者 
第6話 綻び ★ Lの素顔、キラとLの推理戦、ライトと南空ナオミの接触
第7話 曇天 ★ 偽名、元FBI捜査官南空ナオミ殺害 ※ラストの演出がいまいち×
第8話 目線 ★ 夜神家への監視モニター設置、アリバイ作り ※演出は×
第9話 接触  ★ 東応大学入試試験、入学式、「私はLです」、‘流河旱樹’の罠、知恵比べ開始
第10話 疑惑 ☆ 親睦テニス、相互プロファイリングと心理戦、局長の心臓発作 
第11話 突入 ☆ さくらTV(キラのメッセージ報道)、宇喜多捜査官死亡、警察の拒絶 、第2のキラ(弥海砂)登場 ※脚本が唐突×
第12話 恋心 ★ ライトの捜査協力、死神の眼を持つ第2のキラ、弥海砂(あまね・みさ)とレム、死神を殺す方法
第13話 告白 ★ キラ青山誘い出し、弥海砂のキラ特定、押しかけ・弥海砂の事情
第14話 友達 ★ レムへのL殺害依頼
第15話 賭け ★ 海砂身ばれ・拘束、海砂を救出する唯一の方法 ※脚本そのものはイマイチ
第16話 決断 × DEATH NOTE所有権放棄、ライト監禁 ※これだけ長期間の3人監禁は無謀
第17話 執行 × 迫真の演技、ヨツバ・グループ登場 ※50日も監禁でLは何のお咎めなしは無理 
第18話 仲間 ☆ 警察とヨツバ・キラの取引、Lの新体制、アイバー/ウェディ登場 
第19話 松田 ☆ ヨツバ・ブループ内偵{/netabare} 

  ^^^^^^^^^^^ OP「What's up, people?! 」、ED「絶望ビリー」 ^^^^^^^^^^^
{netabare}
第20話 姑息 ☆ 続き
第21話 活躍 ★ 続き、ヨツバ・キラの正体(ミサミサ大活躍)
第22話 誘導 ☆ 続き
第23話 狂騒 ☆ 続き、車中の謎会話(火口-レム)、死神との取引
第24話 復活 ★ 火口逮捕。死神の可視化、記憶回復、ライトの秘策(種明かし)
第25話 沈黙 ☆ L最後の挑戦?、ワタリ死亡、L死亡、レム死亡、新世界の神
第26話 再生 ☆ ※13分過ぎまで総集編、その後新展開(L成り替わり、新世界の創生へ)、真のLを継ぐ者{/netabare}

 - - - - - - - 第二部 - - - - - - -
{netabare}
第27話 誘拐 ★ 2012年(5年後)、警察庁長官誘拐、FBIの接触、ニアとメロ、妹(粧裕(さゆ))誘拐、SPKのN
第28話 焦燥 ★ Nとの操作協力、L.A.渡航便ジャック、誘拐犯の要求、妹とNOTEの交換、メロのゲーム
第29話 父親 ☆ 死神シドウ、夜神次長と死神の取引、メロとの対決、次長死亡
第30話 正義 × 偽のルール、Nとライトの心理戦、相沢の裏切り 
第31話 移譲 × 魅上輝
第32話 選択 ☆
第33話 嘲笑 ☆
第34話 虎視 ☆ 
第35話 殺意 × メロ殺害、高田殺害
第36話 1.28 ☆
第37話 新世界 ☆ ライト死亡 ※ED「Coda〜Death note」{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)16、☆(並回)16、×(疑問回)5 個人評価 × 3.4


====== DEATH NOTE -デスノート- リライト (2006年7月、2008年8月) =====
{netabare}
リライト  幻視する神 ※OP「アルミナ」、挿入歌「絶望ビリー」
リライト2 Lを継ぐ者 ※OPなし、ED「ライトの演技」
{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 個人評価 ※未視聴

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

76.0 2 心理戦でジャンプなアニメランキング2位
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (764)
4402人が棚に入れました
ジョースター家の宿敵・DIO復活の影響で、「幽波紋(スタンド)」と呼ばれる能力を身につけた青年・空条承太郎。DIOの呪縛によって倒れた母・ホリィを救うため、祖父・ジョセフや仲間と共に打倒DIOの旅に出る。長き旅路の中で、次々現れる刺客を退けながら、ついにDIOのいるエジプト上陸を果たした承太郎たち。だが、そんな彼らの行く手を阻むかのように、奇怪にして恐ろしき新たなる敵の影が迫っていた――。

声優・キャラクター
小野大輔、石塚運昇、三宅健太、平川大輔、小松史法、福圓美里、子安武人、大川透
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

決着

スタンドで戦う第三部後編

ザ・ワールド無敵すぎるやろ!と思いつつスタープラチナもか!!となりつつ、一応因縁に決着をつけるわけであります。

オインゴとボインゴの兄弟話はなんだか滑稽で面白かった印象。こいつらもしれっと最強では?

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!というポルナレフ原作通りで声もぴったりいいですね!


OP
ジョジョ その血の記憶〜end of THE WORLD〜 歌 JO☆STARS〜TOMMY,Coda,JIN〜(富永TOMMY弘明、Coda、橋本仁)
ED
Last Train Home 演奏 Pat Metheny Group
アク役◇協奏曲 歌 オインゴ(保村真、第27話)、ホル・ホース(木内秀信、第36話・第37話)、ボインゴ(くまいもとこ)
第27話は「アク役◇協奏曲〜オインゴとボインゴ〜」、第36話・第37話は「アク役◇協奏曲〜ホル・ホースとボインゴ〜」
OPの第47話・第48話ではDIOが「ザ・ワールド」で時を止める演出、承太郎の「スタープラチナ」と殴り合い時の掛け声オラオラ…、無駄無駄…入り。ほんと凄い楽曲やで。オラオラ言いまくり。これまた盛り上がる。
EDのアク役◇協奏曲も面白い楽曲。意外と癖になるかも。


{netabare}
原作セリフたち
「悪には悪の救世主が必要なんだよ。フフフフ」(ンドゥール)
「ジャン・ピエール・ポルナレフ、お前の命もらいうける」(チャカ)
「あああーっ、これは私のイメージじゃあない…トイレでの災難はポルナレフの役だ!」(アヴドゥル)
「味なまねをしおってこのッ!ビチグソどもがァァーッ!!」(マライア)
「て…てめえ、人間の基本道徳というものがないのか?主人公なら絶対に考えもしねえ行為だぜ…!全然エラくないッ!エラくないッ!」(アレッシー)
「脳みそ床にブチまけやがれDIOさんよーッ」(ホル・ホース)
「このダービーにハッタリなどかましやがって。そのポーカーフェイスをゲドゲドの恐怖づらに変えてから敗北させなきゃあ気がすまん!」(ダービー兄)
「だめだ…実力の差がはっきりしすぎている…これじゃあ…甲子園優勝チームに、バットも持ったことがない茶道部か何かが挑戦するようなもの…みじめ…すぎる…」(ジョセフ)
「蹴り殺してやるッ!このド畜生がァーッ!」(ヴァニラ・アイス)
「腹の底から“ザマミロ&スカッとサワヤカ”の笑いが出てしょうがねーぜッ!」(ヌケサク)
「ケッ、祝いになんかくれるっつーなら、てめーの命をもらってやるぜ」(ポルナレフ)
質問だ…右のコブシで殴るか?左のコブシで殴るか当ててみな」(承太郎)
「ひ…ひと思いに右で…やってくれ。ひ…左?りょうほーですかあああ~。もしかしてオラオラですかーッ!?」(ダービー弟)
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!『俺は奴の前で階段を登っていたと思ったら、いつの間にか降りていた』。な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」(ポルナレフ)
「今…感じる感覚は…おれは「白」の中にいるということだ…DIOは「黒」!ジョースターさんたちは「白」。「黒」と「白」がはっきり別れて感じられるぜ!傷ついた体でも勇気が湧いてくる。「正しいことの白」の中におれはいるッ!」(ポルナレフ)
「凄まじい殺気ってやつだッ!ケツの穴にツララを突っ込まれた気分だ…!」(ジョセフ)
「今まで出会ったどのスタンドをも超えている凄味を感じたッ!エンジン音だけ聞いてブルドーザーだと認識できるようにわかった!」(花京院)
「山を登る時、ルートもわからん!頂上がどこにあるかもわからんでは遭難は確実なんじゃ!確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!」(ジョセフ)
「承太郎ッ!君の意見を聞こうッ!」(花京院)
「知るがいい…!『ザ・ワールド』の真の能力は…まさに!『世界を支配する』能力だと言うことを!」(DIO)
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」(DIO)第
「せっかく祖父のジョセフがわたしの『ザ・ワールド』の正体を、試験終了チャイム直前まで問題を解いている受験生のような必死こいた気分で教えてくれたというのに…」(DIO)
「早く持って来いッ!!スチュワーデスがファースト・クラスの客に酒とキャビアをサービスするようにな…」(DIO)
「“ジョースター・エジプト・ツアー御一行様”は貴様にとどめを刺して全滅の最後というわけだな」(DIO)
「ジョースターの血統というのは我が運命という路上にころがる犬のクソのようにジャマなもんだったが…最後の最後はこのDIOに利用されるのがジョースターの宿命だったようだ」(DIO)
「最高に『ハイ!』ってやつだアアアアア!アハハハハハハハハハーッ!!」(DIO)
「とるにたらぬ人間どもよ!支配してやるぞッ!!我が「知」と「力」のもとにひれ伏すがいいぞッ!」(DIO)
「『無理』だと?この旅は無理なことばかりしてきた旅だった…無理だとか無駄だとかいった言葉は聞きあきたし、俺たちには関係ねえ」(承太郎)
{/netabare}


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ジョースター家の宿敵・DIO復活の影響で、「幽波紋(スタンド)」と呼ばれる能力を身につけた青年・空条承太郎。DIOの呪縛によって倒れた母・ホリィを救うため、祖父・ジョセフや仲間と共に打倒DIOの旅に出る。※「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ(全24話)」の後編 


1. 「愚者」(ザ・フール)のイギーと「ゲブ神」のンドゥール その1
DIOのいるエジプト上陸を果たし、ジープで砂漠を横断中の承太郎たち。彼らのもとに、一機のヘリコプターが降り立った。そのヘリは、一行の旅をサポートしていたスピードワゴン財団のもので、ジョセフの要請を受けて承太郎たちの新たな仲間を連れてきていた。

2. 「愚者」(ザ・フール)のイギーと「ゲブ神」のンドゥール その2
新たにイギーを仲間に加えた承太郎たちだったが、水のスタンドの急襲によって花京院が重傷を負う。アヴドゥルは姿の見えない敵からの攻撃に対して一計を案じるものの、すんでの所で看破されてしまう。圧倒的不利な状況が続くなか、イギーはなぜかのん気にいねむり中…。

3. 「クヌム神」のオインゴと「トト神」のボインゴ
ンドゥールとの闘いで重傷を負った花京院とアヴドゥルの治療中、アスワンの街で小休止を取る承太郎たち。敵スタンドの襲撃を警戒する一行は、ポルナレフが無作為に選んだカフェに入ることに。だがそのカフェには、すでに「クヌム」のスタンド使い・オインゴと、「トト」のスタンド使い・ボインゴの兄弟が潜んでいた。

4. 「アヌビス神」 その1
承太郎たちは一路、DIOのいるカイロを目指してナイル河を下るための小型帆船を探す。一方、一行の近くの河べりを歩いていた農夫のチャカは、道ばたに落ちていた一本の装飾刀を拾う。周囲の人間が刀を抜こうとしてもびくともしないが、チャカが抜こうとすると、妖しく光る刀身があらわになった。

5. 「アヌビス神」 その2
コム・オンボでアヌビス神のスタンド使い・チャカを倒したポルナレフだったが、同じくアヌビス神のスタンドと語る理髪店の主人に襲撃される。そのことで、チャカの持っていた「刀」こそがスタンドであると気がついたポルナレフは反撃を試みる。

6. 「バステト女神」のマライア その1
ナイル川中流の街・ルクソールに到着した承太郎たち。その道中、ジョセフは傍らの岩に奇妙なコンセントがついていることに気がついた。不思議に思いながらも何気なくコンセントに触れた途端、感電してしまう。だが感電した以外は特に異常が見られないため、そのまま承太郎たちと合流を果たすジョセフ。

7. 「バステト女神」のマライア その2
敵スタンドの能力により、磁力を帯びた体になったジョセフ。敵の本体らしき女の行方を追ううちに、アヴドゥルもコンセントに触れてしまい磁力を帯びてしまう。磁力の影響でくっつきあうジョセフたちは、互いの体を引き離してから街を駆け巡り、女を追いかける。やがて、余裕を見せるスタンド使いの女を捉えるふたりだったが・・・。

8. 「セト神」のアレッシー その1
ジョセフとアヴドゥルがマライアと戦闘を繰り広げていた頃、承太郎たちはふたりが来ないことを不審に思い、ルクソールの街中を探る。すると、ポルナレフが殺気を出しながら自分たちを尾行する男を発見。男の正体を探ろうした直後、男の影が伸びてポルナレフの影に迫ってくる。

9. 「セト神」のアレッシー その2
「セト神」を暗示する敵スタンド使い・アレッシーの能力で、心も体も子供に戻ってしまったポルナレフ。混乱する彼を救ったのは、通りがかりのマレーナという女性だった。だが彼女の家の中までも、アレッシーの魔の手は迫る。浴室でアレッシーに襲われたポルナレフは、丸裸のまま本体と同じように縮んでしまったスタンドで抵抗を続ける。

10. ダービー・ザ・ギャンブラー その1
長い旅路の果て、ついに目的地であるエジプト・カイロへと到着した承太郎たち。さっそく、立ち寄ったカフェでDIOの館の聞き込みを開始する。すると、その場にいた客のひとりが「その館に見覚えがある」と静かに声を上げる。詳細を聞き出そうとするジョセフに対し、その客は情報の対価としてギャンブルでの勝負を要求。

11. ダービー・ザ・ギャンブラー その2
敵スタンド使い、ダニエル・T・ダービーとのギャンブル勝負に敗れ、魂を奪われてしまったジョセフとポルナレフ。ふたりの魂を取り戻すため、承太郎はポーカー勝負を挑む。承太郎は勝負の前にスタープラチナの精密さを見せつけ、ダービーにイカサマが困難であることを宣言。

12. ホル・ホースとボインゴ その1
カイロでDIOの館を探す承太郎たちを追い、カイロ空港に降り立ったホル・ホース。彼は新たなパートナーと手を組み、再び承太郎たちの命を狙っていた。そのパートナーとは、予知能力を持つスタンド使い・ボインゴ。ホル・ホースは、ボインゴの予知に目をつけて強引に連れ出したものの、いまいち予知能力を信じきれずにいた。

13. ホル・ホースとボインゴ その2
カイロで承太郎たちと遭遇したホル・ホースたち。ボインゴの予知で示された通り、路地裏でポルナレフのスキをついて鼻の穴に指を突っ込むことに成功したものの、ホル・ホースは次にとるべき行動がわからず身動きがとれないでいた。そこにポルナレフを探す承太郎たちが姿を現し、予知の通りに行動したことで逆に危機に陥ってしまう。

14. 地獄の門番ペット・ショップ その1
カイロの街でDIOの館の捜索を続ける承太郎たち。アヴドゥルのツテで、カイロに詳しいサングラスの男に館の捜索を依頼し、一行はしばらく待機することに。一方、単独で街を散策していたイギーは二匹の大型犬に絡まれる。イギーの眼力にひるんだ犬たちは、近くの館にいた鳥を次のターゲットに。

15. 地獄の門番ペット・ショップ その2
DIOの館を守っていたスタンド使いのハヤブサ、ペット・ショップと下水道で死闘を繰り広げるイギー。ペット・ショップは、その生態を活かした恐るべき速度でイギーに襲いかかる。イギーはペット・ショップの放った氷柱のミサイルで足に重傷を負ってしまうが、かろうじて川の中へと逃げ込む。

16. ダービー・ザ・プレイヤー その1
イギーの負傷と引き換えにしながらも、ついにDIOの館の所在をつきとめた承太郎たち。館に入った一行を待ち構えていたのは、テレンス・T・ダービーと名乗る執事だった。かつて倒したギャンブラーの弟でもあるこの男は、自身のスタンド「アトゥム神」の姿をさらし、その能力の一端を見せつける。

17. ダービー・ザ・プレイヤー その2
白熱するダービーとの魂をかけたTVゲーム対決。レースゲームで勝負を挑んだ花京院はダービーの策略の前に自ら敗北を認めてしまい、魂を奪われてしまう。

18. 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その1
DIOの館内部で進行する、ダービーとの野球ゲーム対決。劣勢のはずの承太郎は、なぜかダービーに対し投球予告を行う。ダービーは承太郎の行動を不審に思いながらも、相手の魂の状態を判別できるスタンド能力を駆使して優位に立とうとするが…?

19. 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その2
長く険しい旅を共にしてきた仲間との、突然の別れ――。あまりにもあっけなさすぎる事態に、感情を抑えきれないポルナレフ。怒りを爆発させて剣を振り回したことで、姿の見えない敵に傷を負わせたものの深手にはならず。だが、突然空間から姿を現して襲いかかってくる謎の敵スタンドの攻撃はとどまることがない。

20. 亜空の瘴気 ヴァニラ・アイス その3
ヴァニラ・アイスの容赦のない攻撃で窮地に追いやられるポルナレフ。死を覚悟した彼を寸前で救い出したのは瀕死のイギーだった。最後の力を振り絞り、徐々に力を失っていくイギーのスタンド。隙をついて飛び出したポルナレフの剣先はヴァニラ・アイスの頭を貫いた。

21. DIOの世界 その1
ついにDIOとの対面を果たしたポルナレフ。敵意をむき出しにするポルナレフに対し、DIOは「再び仲間になることを許す」と声をかける。誘いを拒絶するポルナレフだったが、謎の現象によって近付くことすらできない。せめてスタンドの正体を見極めようと「銀の戦車(シルバーチャリオッツ)」で攻撃をしかける。

22. DIOの世界 その2
闘いの舞台は闇夜に包まれ始めたカイロの市街地に。ジョセフと花京院はDIOから逃亡しながら闘い、承太郎とポルナレフはDIOを追いながら闘うという、挟撃の形をとる一行。そんな中、花京院は「DIOのスタンドの正体を暴く方法を思いついた」と、周辺の建物に罠を張り巡らせる。

23. DIOの世界 その3
ジョセフは花京院が残したメッセージで「世界(ザ・ワールド)」の能力を見破るが、DIOの非情な攻撃で倒れてしまう。激昂する承太郎は「星の白金(スタープラチナ)」で「世界(ザ・ワールド)」とのラッシュ対決に挑むものの、DIOのパワーに押し負けてしまう。

24. 遥かなる旅路 さらば友よ
ポルナレフの奇襲と自らの命を懸けたトリックで、ついにDIOへ反撃の一撃を与えることに成功する承太郎。重傷を負ったDIOは時を止めながら逃亡をはかる。承太郎はラッシュ攻撃でトドメを狙うが、それこそがDIOが仕組んだ「逃走経路」だった。承太郎に吹っ飛ばされたDIOの先には、倒れ伏したジョセフの肉体が…!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

高らかな人間賛歌で綴じる長い旅の終わり

勇気と知略、ドラマとホラー、ファンタジーとリアル、痛快な台詞回しと独特な擬音が織り成すジョジョの世界は言葉で語るには深過ぎる。

初期作品「魔少年ビーティー」から脈々と受け継がれた、因果関係の明確なトリック、ポーカーフェイスからさりげなく飛び出すハッタリ、このジョジョ第三部でもやはり、荒木先生お得意の思考のゲームをたっぷりと楽しめるのです。

粒よりのエピソードの詰まった第三部ですが、私のお気に入りの回についてのレビューと総評だけにて失礼をば。

34話と35話「ダービー・ザ・ギャンブラー」の構成は特によく出来ていると思います。
{netabare}
このお話、ギャンブル3番勝負といった内容なんですが実に無駄が有りません。

最初のギャンブル、ダービーの口車に乗せられてポルナレフが挑むのは"ねこは地面に放られた2枚の魚の燻製の内どちらを先に食べるか?"というもの。私的にはこのお題だけでも面白い。ねこも燻製も大好きなので(笑)‥と言うのは半分冗談として、ここでは"バレなきゃイカサマじゃない"ルールが提示され、第三者による協力の可能性も暗示させます。同時にギャンブルで勝負しなければならない状況をも作り出し、後の展開へと繋げるという軽妙さ。漫画で言うとほんの数ページのお話なんですが、情報が凝縮されています。

次の勝負"グラスとコイン"では先の条件を踏まえた上で百戦錬磨のジョセフがダービーに挑みます。ここで初めてダービーは本領を発揮、イカサマ師として、ギャンブラーとして、実力を明確に見せてきます。ジョセフの言葉に苛立ちを見せるダービーの描写がそれとなく後の展開への布石となっている点も巧みです。

そして最後、満を持して真打登場、とうとう承太郎が勝負の舞台に上がります。ジョセフと比べればギャンブラーとしての経験や技巧に劣る承太郎ですが、ここで彼の用いた武器が言葉とハッタリ。先の勝負でジョセフの用いた戦術、言葉による揺さぶりと、スタープラチナによる目眩ましが、両者の実力差を見事に埋めていくのです。

自然に張り巡らされた数々の伏線が最終的には整然と収束するところにジョジョの物語としての完成度の高さ、荒木先生の完璧主義振りが伺えます。

余談、ダービーが指先で本のページ数とか、トランプのおもて面を読み取る能力について、子供の頃のわたしにとってコレが最大の疑問でしたが、よくよく考えてみれば、もしかしたら印刷箇所のインクの盛り上がりや手触りの違いとかでページ数や絵柄を特定してたのかも‥とか想像出来たり‥。まぁそれはそれで超能力染みていますけど。

ですがダービーのその能力を、スタープラチナの目の良さ&素早さと共にゲームルールの中に組み込んでいるので、現実離れした特殊な条件下であってもフェアなゲームが成り立つんですよね。ファンタジーでもSFでも成立するミステリーと言うものが古くからありますが、ジョジョは正にそれに該当すると言えます。

大川透さんのナレーションによる細かな解説(原作にもある)も公正さに一味加えています。もしゲーム終了後に"こんな超能力があったんだよ"とか種明かしされるお話だったら、拍子抜けして唖然としちゃうだけでつまらないですよね。

これで煙草描写の規制さえなければ、もっと素直に楽しめたんですが‥アニメ版はその点だけが残念でした(汗)
{/netabare}
次いで40話と41話の「ダービー・ザ・ゲーマー」。
{netabare}
ダービー弟(テレンス・T・ダービー略してTD)とのTVゲーム勝負も抜群の面白さ。

「エジプト編」初回エピソードでリタイヤしたまま、長らくのあいだ戦線離脱していた花京院が先鋒としてTDに戦いを挑みます。一度は強大な敵DIOの威力の前に圧倒され、恐怖に屈してしまった彼がTDとの勝負に選んだゲームがF-MEGAというレースゲーム。ここが最初の注目どころです。

レースゲームではフレーム刻みのタイミングの遅れやキー捌きの微妙なズレがそのまま数字としてレコードに反映されますので、些細なプレイングミスで全てがおじゃん、心の揺らぎが極めて顕著に表れる、精神的タフさが要求されるゲームと言えるのです。それゆえにこのシーン、"過去を乗り越える"と言わんばかりの決意が覗く花京院の選択にゲーマーの端くれであるブリキ男としてはシビレてしまうのです。

全編に渡って花京院の度胸と集中力の高さをこれでもかと言うほど見せ付けられるお話ですが、最終的にはTDの策略とウラ技染みたテクの前に敗北してしまうという点が個人的には残念。もっともここで花京院を勝たせてしまうとTDのスタンドの謎が解けずじまいという事になるので致し方ないんですが‥。

おこがましい事を言ってしまえば、私的には承太郎を先に勝負させ敗北させ、後に花京院を勝利させる構成もアリだった気はします。TDのスタンドのインチキ能力の入り込む隙を与えないレースゲームを選ぶという必然性も加わりますし、承太郎という切り札を失う事で緊迫感がより高まると思いますし、‥蛇足な妄想ですね(笑)

あれこれ不満めいた事を書いてしまいましたが、決着に至るまでの心理描写、ゲーム展開などがとても丁寧に描写されている3部でも屈指の良回になっていると思います。

続く承太郎とTDの対決ではTDのスタンドの謎の核心にじわりじわりと近付いていく展開が面白い。

歴然とした実力差のある二人の隔たりを埋めるのが、TDの軽んじている兄ダニエルの最も得意とする奇策(イカサマ)であったりする点も皮肉めいていて味があります。TDもスタンドでイカサマ染みた事やってますが、筋金入りじゃないからギャンブラーとしての目がからっきしという点にも合点がゆくのです。
{/netabare}
放送中は歯抜けで見ていたので改めて通して観ると、やはりジョジョ、面白かったです。

第三部は陣営も目的も年齢もバラバラだったキャラたちが、長い旅を通して、泣き、笑い、怒り、喜び合いながら、除々に友情を深め、いつしか一蓮托生の固い絆で結ばれていく過程が丁寧かつ自然に描かれている所に唯一無二の心地良さがあります。消えてゆく命の尊さと儚さが痛烈に心を刺すラストへ向けての展開は、人の死が意味するものを若干分かる様になった大人の目を通して見ると、より心に響くものがありました。

ジョジョの中でも荒木先生の言う人間賛歌というテーマが特別に強く脈打っているシリーズと言えるのでは無いでしょうか?

追加シーン等を添えながらも、原作の持つエッセンスを余す事無く凝縮させた、作画、構成、演出、全てにおいて(規制箇所だけは残念でしたが)素晴らしかったです。製作者の方々のJOJO愛と不断の努力が伺えるアニメでした。


※:喫煙などの規制シーンはDVD版では解除されているそうです。3周目する機会があれば是非そちらでしてみたい(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

david productionはジョジョだけではなく「魔法少女まどか☆マギカ」にも制作協力している。

マンガ好きが選んだ、「絶対に無理だろうけど…実写化してほしいマンガ」
昨今のドラマや映画は、原作モノが多い。とりわけ、小説ではなくマンガを原作としたものは、その“トンデモ設定”をいかに実写化するのだろう…と話題になりがちだ。最近でいえば、『暗殺教室』『進撃の巨人』『テラフォーマーズ』などなど。

そこで今回は、全国のマンガ好きを対象に、「絶対に無理だろうけど…でも実写化してほしいマンガ」についてのアンケートを実施してみた!

♠リアルなジョジョ立ちは、ぜひ見てみたいもの
3位:『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦/集英社)
20年以上にも渡り連載されている長寿タイトルもランクイン。ときに哲学めいた複雑な会話やストーリーが展開され、理解不能と脱落する者も少なくないが、ハマってしまえばもう抜け出せない。それゆえに、「登場人物の雰囲気を出せる人がいない」と、ファンの想いは熱烈なものだ。バトルシーンのカギとなる、精神エネルギーを具現化した能力“スタンド”に関しても、「CGだとしょぼくなる」という声が寄せられている。ちなみに、本作を語る上で外せないのが、“ジョジョ立ち”と呼ばれる、登場人物たちの奇妙なポージング。イラストだからこそ許されているが、これが実写化されてしまったら、どんなにシリアスなシーンでも爆笑してしまう自信がある。

どのアニメを視聴するか迷っている方に。今期アニメを制作会社からチェックしてみよう!

まだ単なるアニメ好きだったころ……どれくらい作品自体に惹かれるかで視聴を決定していた若者も多いだろう。しかし、アニメ好き→アニオタへと大人の階段をのぼったとき、気になるのがアニメーション制作会社。今期の「(会社名)の作品はコレか……視聴してみよう!」となっているファンも多いはず。

ひと昔は少々コアなアニオタたちが決める手法ではあったのだが、どうやら最近ではライトなアニメファンにも広がっている様子。筆者の周りのライトなアニメ好きの口から「来期のシャフトは~」といった話が出たときには驚いた。

思い返してみれば2006年あたり、「涼宮ハルヒの憂鬱」を京都アニメーション(通称:京アニ)が制作したあたりから、ライト層にも制作会社で視聴を決定する傾向が強まったように感じられる。

【david production】
今期放送中:ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 後半
過去の作品(例):超次元ゲイム ネプテューヌ(2013)、妖狐×僕SS(2012)、ベン・トー(2011)

とにかく毎回驚くようなクオリティの絵と動き、演出に魅了されるジョジョ。そのため、ジョジョのイメージが非常に強いのだが、実は「魔法少女まどか☆マギカ」や「黒子のバスケ」などヒット作にも制作協力している。

魔法少女まどか☆マギカ
魔法少女というモチーフとかけ離れた驚愕のストーリーは話題を呼び、社会現象にまでなった。
「自分が知る限り、これは完璧なアニメ!」と太鼓判を押すのが『魔法少女まどか☆マギカ』。
「ビジュアルは驚くほどクリエイティブで、サントラもパワフルで刺激的。
物語とあらゆる要素が完璧に細工されたオルゴールのように所定の位置に置かれている!」。

『ジョジョの奇妙な冒険』から「911」の描写が削除! 同時多発テロ事件への配慮か
2015年1月からスタートした、アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ~スターダストクルセイダーズ~』のエジプト編。1989~1992年まで週刊少年ジャンプで連載されていた漫画シリーズの第三部が原作となっている。

・近い未来を漫画として予言する能力
三部には、未来を予言する能力をもった少年ボインゴが登場。彼は近い未来を漫画として予言することができるのだが、原作とアニメで一部の表現が変化しており、視聴者の間で話題となっている。

・Tシャツに書かれた911の文字
ボインゴの予言の漫画には、日本人漫画家が交通事故に遭い、電柱に刺さって死亡する描写がある。実際に登場する日本人漫画家のシャツにも「911」と書かれており、それが予言の漫画にも反映されているわけだ。

・飛行機の描写もなくなっている
しかしアニメ版には「911」の描写がなく、さらに予言の漫画に描かれていた飛行機の描写もなくなっているのだ(原作では、電柱に突き刺さる日本人漫画家の背景に飛行機の描写があった)。

・911に関するジョジョの噂話
日本人漫画家のTシャツに「911」の数字 → 2001年9月11日に同時多発テロ発生
日本人漫画家は「おっ10時半だ」と言ってバスに乗る → 世界貿易センタービル崩落が10時28分
日本人漫画家がバス事故で死亡した背景に飛行機 → 同時多発テロを連想させる描写
日本人漫画家が突き刺さったシーンに電柱が4本 → 同時多発テロでハイジャックされた飛行機は4機

・アメリカ同時多発テロ事件
そもそも、『ジョジョ』の911描写は、2001年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件」よりも前に描かれたものである。よって、作者の荒木飛呂彦先生は事件をもとに911を描いたわけではない。

・たべっこドーナツにも注目!!
しかし、「911」と「飛行機」と「死亡」の描写が予言の漫画にあるため、テロ発生後、読者の間で大きな話題となった。そのため、アニメでは描写を控えたのかもしれない。

・忠実すぎて感動した!
この件に関してジョジョマニアに話を聞いたところ「それよりアニメにもしっかり『タベッコドーナツ』の描写があったのが素晴らしかった。ボインゴの漫画のほうだけ平仮名で『たべっこドーナツ』になっていたのも忠実すぎて感動した!」と言っていた。

2013年10月18日、テレビアニメ版公式サイトなど各メディアにおいて、原作のPart3『スターダストクルセイダース』のテレビアニメ化が正式に発表された。テレビアニメとしては第2シリーズということになる。『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』のタイトルで、2クールずつ分割で合計4クール放送。前半2クールが2014年4月から9月まで放送、後半2クールはエジプト編として2015年1月から6月まで放送された。
花京院がチェリーを食べる時に発した擬音のような台詞「レロレロレロレロ」は、2014年度アニメ流行語大賞金賞(第1位)を受賞した。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

60.2 3 心理戦でジャンプなアニメランキング3位
HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(アニメ映画)

2013年1月12日
★★★★☆ 3.4 (258)
1328人が棚に入れました
ゴン=フリークスと共に旅をしていたキルア=ゾルディックは兄のイルミ=ゾルディックに「お前には友達はできない」と迫られる夢にうなされていた。
しばらくして二人はマリオネットを操って路上ライブにいそしみ、ライブ終了後に投げ銭を受け取る人形師に出会う。人形師の名はレツといった。
一方、クラピカはレオリオとの道中、竪琴を弾く少年と出会う。少年は、かつて試験官が引き連れてきた者から同伴者を一人選んで行う試験で、競争相手であるはずの隣相手を選び、共に合格した程の仲である目の見えない少年、パイロだった。クラピカはレオリオに先を促して二人の時間を作った。
再会も束の間、クラピカはパイロに両の目を奪われてしまう。クラピカが病室で静養している中を幻影旅団No.4のヒソカが現れ、奪った相手が以前の幻影旅団No.4だった男である者だと語った。その男の名は……。
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

消ゆること幻影の如く

これは何と言って良いのやら……。
見てると製作者さんが心配になってくる作品です。
きっと24時間不眠耐久やったあとにでも作ったのでしょう。

まずストーリー軸がブレブレです。
あちこちつまみ食いして、結局何がしたかったのか全く分からなくなってます。
設定も同じ状況です。
原作少しでも知ってる人なら、突っ込まざる負えません。
キャラは生気が感じられません。
皆、オモカゲに操られてるんですね。
演出や音楽に関しては新アニメ見ればわかるかと。

原作未読の方はわけわからないだろうし、原作好きな人にはオススメできないし……。
1年くらい経てば、皆の記憶から消失してしまうかもしれませんね。

細かいところ→{netabare}
①ストーリー
  上記の通り、筋が通ってません。
  クラピカ一本に絞るべきだったと思います。
  旅団はまだいいとして、ゴンたちは要らないのでは?
②設定
  他は目を瞑るとしても、どうしても気になるところが一つ。
  中指で強制絶状態なのにレツが動いてるのはなぜ?
  人形だったはずですよね?

  能力に関しては、ヒソカさんが「メモリの無駄遣い」と仰っております。
  大きな制約も設けてないみたいですし、相当弱かったんじゃないかな?
③キャラ
  ゴンが賢くなって、他は皆お馬鹿さんになってます。
  一番気に食わなかったのは、旅団の鈍足っぷり。
  幾らゴンたちが追跡手段持ったとはいえ、目的がハッキリしてるなら旅団の方が早いんじゃ?
  そもそもマチならファーストコンタクトの際に追跡糸付けてるでしょうよ。

あとは……面倒くなったので割愛します。(-`Д´-;)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2
ネタバレ

AKIRA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

おいおい頭脳戦、心理戦、念能力はどこへ行ったんだよ

原作が好きなのでわずかな期待をもって見に行きました
やや酷評気味ですorz

友人と優待券で見てきました。0巻はジャンプに載っている内容と同じな上あとは1問1答くらいだったし
映画館で配られているのをみて想像以上に薄くてびっくりしましたが

話の時期としてはヨークシンとグリードアイランドの間のはなしだと思われます(旅団のメンバーやゴン、キルアの念能力の習得具合から考えて)

もっとクラピカメインだと思っていましたが意外とキルアもでばってきたりでそこらへんも意外だった
もう少し伏線とか張って最後に大どんでん返しを期待したのでしたが非常に普通な内容でがっかりしましたね。

やはり原作の設定をもう少ししっかり理解して製作をして欲しかったと切に思った。原作を多少なりとも読んでいる人は突っ込みどころが多少なりともあったはず。

作画も正直映画でこのレベル?といった出来でした
特に{netabare}ゴンとキルアが丘の上から探す時のヒキのシーン あれなんて目が点状態ですよ(笑) 映画館でもまわりが苦笑していましたしねw {/netabare}

戦闘シーンもまともに見れたのも最初くらいでイルミのシーンあたりは酷すぎて目も当てられない状態

主題歌もTV版の使いまわしなのに唖然 同じTV版使うならゆずのよりもHUNTING FOR YOUR DREAMのほうが合っていると思うのだが…

総括すると原作を知ってれば知ってるほど突っ込みどころがとても増えてくるかんじ… 公式をパロってそれをさらにパロッた B級では収まらずC級な内容でした。 

エンディング後に第2作の製作が発表されましたが製作するなら設定の矛盾くらいは解消して欲しいですね

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

ホロムギ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

せめて漫画読んで作って下さい。

レビューを見ていたので評価がものすごく低いこは知っていました。
ハードルを低く低くして見ました。


ハードルも何もないところで躓いてしまうとは。。。



言いたいことはいろいろあるのですが、今回の映画の大きな宣伝材料として、映画特典としてクラピカの過去を描く漫画0巻がついてきます。

映画の内容もクラピカの過去がメイン。のはずだった!!!!


クラピカの同郷であり、親友だったパイロ。
空気じゃないか!!!

いてもいなくても同じ存在となっていました。
その代わり、ゴンとキルアの友情を描いているのですが、これも酷い。
キルアを襲う悩みや葛藤ですが、漫画やアニメで回収されるフラグであり、映画で触れても何の解決にもならない事。
漫画を読んでいたらわかる小ネタ満載。その小ネタを広げすぎたのが今回のキルア。人気のあるキャラや話をとりあえず詰め込んだ内容でした。

わざわざ映画でする内容なの?そんなのよりパイロとクラピカを出せ。


そして、ハンターハンターの面白みである念能力。
せめて設定を漫画などで知っている人に作って欲しかった。


90分間が苦痛でした。ただ二時間あると思っていたので、終わったときは喜んでしまいました。

残念ながらファンの方にはおすすめしません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
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