愛憎劇でバトルなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの愛憎劇でバトルな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月04日の時点で一番の愛憎劇でバトルなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.9 1 愛憎劇でバトルなアニメランキング1位
るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 追憶編(OVA)

1999年2月20日
★★★★★ 4.1 (501)
2911人が棚に入れました
主人公剣心が、“人斬り抜刀斎”になるまでの経緯、雪代巴との出会いから別れ、そして不殺を誓うまでのエピソードが描かれているOVA作品。主人公が技名を叫ぶ等の漫画的な演出は排除され、徹底した脱少年漫画演出が施されている。また、テレビアニメや少年漫画誌では表現が困難と思われる、人が刀で串刺しにされたり、大量の血が飛び散るといった凄惨なシーンも目立つ(DVDでは、最初に「過激なシーンが含まれる」と出てくる)。第1幕 - 第4幕と、追加カットを収録した特別版は、アメリカの年間DVD売上チャートで7位を獲得するという快挙を成し遂げた。
ネタバレ

大滝政人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

いまさらですが

先に出た無印版と後に出た特別版があります。

無印の方はDVD4枚のバラ売り(OVA1~4話)と、
画質を一部向上したBD1枚(OVA全話入り)があります。

特別版はDVD1枚で全話をつなげたものですが、
再編集され変更点も多く見られます。

内容的には、どちらを観ても問題ないですが、
どちらを良く感じるかは人によって変わるでしょう。

本作の魅力については他の人にお任せするとして、
それぞれの違いを簡単にあげてみます。

 無印版

音声や字幕の変更ができ、お得感がある。

しかし英語で観るのはオススメしない…
とにかく無駄に掛け声や悲鳴が入っていて、
そのタイミングも良いとは言いがたい。
なんせ斬られる前から「ぐわ~」みたいな悲鳴をあげたり、
「俺と同様の影の刺客」って奴とのバトルでは、
「ハイッ!」とか変な声を聞かせてくれます。
それから剣心と沖田の声が気になってしまった。

 特別版

まず限定発売なのでレンタル店には置いてないかな?
中古で買うしかないかと。

パッケージにはビスタサイズなんて書いてあるが、
元の4:3の動画の上下を削ってしまっています。
しかしDVDの無印版よりゴミ等が目立ちません。

終盤には25秒ほどの追加シーンがあり、
メイキング映像も収録されているので、
ファンの人は無印版と特別版、
どちらもゲットする事をオススメします。

特別版について、ここから先はネタバレとしますが、
気づいた変更点を全て言う訳にもいかないので、
私的に、どちらのバージョンでもよい場面は除外します。

{netabare}
所司代御一行を斬るシーンでBGMなし。
犬や虫の鳴き声等が追加され、
斬られる音等も生々しい音に変更される。
私は音楽も好きなので無印版の方が良いです。

剣心がスカウトされる前に木を斬る時に、
画面の回転が速く…と言いますか強弱がある。
私的には無印版の方が自然で良いかな。

巴さんとの出会いの時のBGM変更。
細かく言うと、その前のバトルから。
私はサントラも持っているが、
何でこの曲の、その部分を流すんだ?
って感じでした。
問答無用で無印版の方が良いですね。

2Fで寝てる剣心に巴さんが襟巻きを掛ける前に、
襟巻きを取りに行っていた事が分かるが、
無印版では映像的に分かりにくい。
ここは特別版の方が良いかな。

人斬り抜刀斎として最初の殺しをした時、
狛犬が映っている時間が長い。
無印版では、さっさと流れてしまう。
私的には狛犬を、じっくり見たかった(笑)ので、
ここも特別版の方が良いですね。
神社で人殺しデビューした、
罰当たり者って感じが強くなります。
とは言え狛犬が映る前後にも神社の物が映るので、
気合の狛犬を見せたかったのかなって感じです。

巴さんごと斬った後に剣心が叫ばない。
ここは所司代御一行を斬る時と同じで、
昔から賛否両論でしょう。
私は無印版の方が好きですけど。
普段、剣心は物静かなので、
たまには叫び声とか聞きたいのです。

終盤に追加シーンの有り。
これも昔から言われているが、
シーンを追加したせいで肝心のシーンの時、BGMが…。
当然、無印版の方が良いです。

最後のスタッフロールで、
カメラ固定で実写風景が早送りで流れる。
これはちょっと真意を測りかねる。
どちらのバージョンが良いとかの話じゃない。

全体的に判断すると私は無印の方が好きですね。
特別版の方が良いかなと上記した内容は、
テンポとしては悪くなりますし。
…以上です。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

おふとん さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

映像とBGMの完璧な融合で魅せる、哀しい「業」の物語。

メジャータイトルのるろうに剣心とはいえ所詮はOVA・・・・

原作・アニメ本編を観たことがある人でもファン以外はOVAまで手を伸ばす人は少なかったり、
逆に原作・アニメ本編未鑑賞の人は本編飛ばしていきなりOVAは観ないだろうし、
発売から14年経って、本編もとっくに終わり、これから観ようという人は更に少なく・・・

そんなこんなで凄く損してる感があるのが本作品。文句なしの名作なんですよコレ(個人の感想です)

私個人で言えば、レンタルビデオ屋でパッケージの絵に惹かれただけの理由で本作を観て以来13年、
未だに原作コミックスもアニメ本編も未鑑賞。今後も観る予定なし。
当時、中学生のなけなしの小遣いで買ったのが、原作コミックスではなく本作のサントラCD・・・
それぐらい、「るろうに剣心」ではなく「本作品そのもの」に魅せられました。

もちろん原作を知らなくても全く問題なし、OVA4話で綺麗に完結しています。
タイトルを、 『人斬りと迷い猫』 とでも改題して、小さく隅の方に「るろうに剣心追憶編」と、
カッコ書きで入れる感じで丁度いいぐらいですよ(個人の見解です)

本作を強く印象付けているのは、内容もさることながら何といっても映像とBGMのシンクロですね。
BGMの種類はそれほど多くなく、メインBGMをアレンジして使い廻している事が多いのですが、
このメインBGMが凄くいい。鑑賞後しばらくは耳・・というより心に焼き付いて離れないですよ、本当に。
主人公とヒロインの出逢いから恋の結末までを、つまりはこの物語そのものを曲で表現するなら
これ以外にありえないと思える程のハマリ曲で、本作の名場面を見事に彩ってくれています。

{netabare} (1話中盤:剣心が人を斬ったあと昔を回想するシーン 1話ラスト:剣心と巴の出逢いのシーン
2話:新撰組による池田屋討ち入りシーン 3話:剣心と巴絡みのシーン全て 4話:スタッフロール~
~巴の幻影が後ろから剣心を抱きしめるシーン~ラストまで・・・BGMとのシンクロ率は異常です){/netabare}

今まで観てきたアニメ・映画・ドラマの中でも映像とBGMの融合という点で、
本作に匹敵するのは、ハリウッド映画「Glory」ぐらいですかね、あくまで個人的には。


誰もが安心して暮らせる新時代を創りたいと願った人斬りの「男の業」と、
ただ愛する人の幸せを守りたいと思った若い侍の「男の業」が交差したとき、
やがては自らも「女の業」に飲み込まれてゆく1人の女性に訪れた悲劇と愛憎の物語。
QVA4話・120分で末永く心に残る名作ですので、騙されたと思って1度は観て頂きたい作品です。



【要注意事項】

本作品を観るにあたり要注意なのが、1~4話を繋げて少しだけ新カットを加えた「特別版」の存在。

これは修正点はほんのわずかなのですが全然ダメです、はっきりと観ないでくださいと言いたい。
キモになるBGMと映像のシンクロ率が大幅に低下していて、特に本作を代表する名場面である、
ヒロインと主人公が出逢うシーンとラストのスタッフロールシーンが台無しになっています。
「通常版」を観ましょう。

BGMぐらいで大袈裟な、大事なのは内容だろ常識的に考えて、本当の名作なら特にな!
と言われる方もいるかと思いますが、「劇場版ガンダムⅢ」のリマスター版を観てがっかりされた方なら、
この気持ち、ご理解頂けるのではないでしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これぞ名番外編

言わずと知れた、少年ジャンプの人気漫画原作。
明治剣客浪漫譚と銘打たれた、痛快剣術アクションバトルです。
ゴールデンタイムのTVアニメとしても人気を博したのは1990年代のこと。
この追憶編はそんなTVシリーズが終了したあと、OVAとして作成されたものですが、同じ世界観でも全く違った超シリアスな内容です。
本編でも度々触れられている剣心の過去のお話。
明治維新の乱世のなか、暗殺者「人斬り抜刀斎」がいかにして流浪人となったかのエピソードです。

もうすでに懐かしのアニメになってしまった「るろうに剣心」。ですが、近年実写映画化されこれが結構良い出来。
”るろ剣”に再度注目が集まっている今、ちょっとレビューを書いてみようかと思った次第です(^_^)


この追憶編、痛快バトルのるろ剣のなかにあって明らかに異質ではありますが、れっきとした原作準拠。
ジャンプらしいバトル展開の本編も好きでしたが、連載当時にこれを読んだときはなかなか衝撃的で、忘れられないお話となりました。
綺麗事を言って不殺を貫く剣心ですが、それに至るまでの過去。
後付けの設定なんでしょうが、この物語に蔓延している、時代に翻弄された若者達の哀しみがなんともいえず人物に深みを与えていて、原作で一番印象深くて好きなエピソードです。

作品全体の雰囲気は暗く、そして終始重苦しい。
登場しているキャラクターは、確かにあの剣心なのですが全くの別人と思って差し支えないぐらい。
トボけた「ござる」口調もなければ、「おろ~」ってボケることもなく、作品からコメディ要素は一切排除されています。
絵柄も少し頭身を高くして濃くなっています。
戦うシーンもありますが、チャンバラアクションや必殺剣術を振るうバトルではなく、あくまで殺陣。人を斬り殺すための表現で、もちろん大量の流血沙汰となるもので爽快さはゼロ。凄惨なだけです。

お話の内容は暗殺者として虚しく殺伐とした日々を送っていた剣心が、幕府側の追及を逃れるために潜伏生活をしていく過程を描いたもので、とても切なく、もどかしい物語。
顛末を語るネタバレも野暮なので多くは書きませんが、人斬りでありながら誰よりも優しい男が、「抜刀斎」から「剣心」になっていったバックボーンを見事に表現したドラマです。

私個人は、暗い物語や哀しい話は好きではないのですが、これは別格。
この雰囲気、この進行、この演出、この結末。こうでなくっちゃいけないと思っていたそのまんまを、ちゃんとわかってアニメにしてある秀作。
番外編的な扱いですが、TV本編を引きずることなく、良い意味で割り切りができているのが素晴らしい。


1本の短編時代劇として視聴もできますが、やはり、本来のるろ剣を知ったうえでご覧になれば、より一層そのギャップが楽しめる一作。
実写映画で、初めてるろうに剣心に触れた方にもオススメです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

68.2 2 愛憎劇でバトルなアニメランキング2位
ブレンパワード(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (164)
883人が棚に入れました
自然災害で荒廃した近未来の地球を舞台に、海底から浮上した謎の遺跡・オルファンとともに宇宙へ飛び出そうとする思想を持つリクレイマーたちと、それを阻止しようとするサバイバル艦ノヴィス・ノアのクルーたちとの物語である。

声優・キャラクター
白鳥哲、村田秋乃、朴璐美、青羽剛、渡辺久美子、磯辺万沙子、名越志保、佐古正人、堀部隆一

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

女体がすごい。自然崇拝原始共産制的母系社会という富野氏の理想か?

 地球と裸体の女性から始まる物語。プレートから生まれるブレンパワード。こういうところから「母」の物語だろうというあたりが付きます。がそれだけではなさそうなのは見ているうちに感じられます。

 キングゲイナーで「漢」を描いているのと対照的に「女」な気もしますが、本作の方がテーマの幅は広いし深さを感じます。

 富野氏はミソジニー(女性嫌悪)であることは過去作でわかりますが、しかし母性としてマリアとしての女性に対する憧れもあると感じます。バブル経済やフリーセックス的な退廃などへの嫌悪などもあるでしょう。そして、軍事覇権国家としてのアメリカ嫌悪。核兵器嫌悪。原始共産制への憧れ。平和主義というよりは母系社会的自然崇拝です。

 ストーリーは、唐突な展開で一見分かりづらいですが、ちゃんと見ていると普通に話はわかると思います。むしろ、キャラの言動に戸惑いが残ります。
 ですが、ちゃんと対比として女性の生き方について表現しています。戦いや地球の滅亡を図るオルファンにいるときの特に女性たちの言動が頭を使って優秀ですが攻撃的で非常に感情的です。一方でノヴィス・ノアにくると女性たちは他人を思いやれるようになります。言動がちょっとスピリチュアルになってくるので違う意味で論理性に欠けるように感じます。
 ブレンパワードの制服が非常にフェミニンな感じでマタニティに見えなくもないのは意図的でしょう。もちろん比瑪は姫。つまりお姫様です。

 またオルファンを牛耳っていた伊佐未一家。ジョナサンによる母と姉の不倫というか親子丼みたいなバブル的退廃…権力至上主義とあいまって結果的にイケメンに操られるところなども描かれています。家族崩壊です。
 一方で、バロンとジョナサンの関係性がオチになっているところもまた、家族関係についての愛憎劇になっています。
 家族の因縁はいたるところに描かれていました。その一方で孤児である比瑪ちゃんなり子供たちが重要な役割を果たすことから毒親、親のエゴなどの視点もありました。


 オルファンはそのまま「孤児」という意味です。比瑪ちゃんが孤児院にいたことと子供たちがでてくることが重なります。ビープレートが子供あるいは孤児という意味ですね。
 プレートからブレンパワードなりグランチャなりが生まれることや、ビープレートが対になっていることから子宮とか精子とか男女のアナロジーでもあり抽象的な生命を産み出す仕組みのようにも見えます。登場人物がほとんど男女ペアになって行きますし。
 そもそもオルファンが初めは2つが争っていて、一方が女体なら…も一体は、という宇宙夫婦喧嘩だろうなという想像もできます。つまり、本作は性交妊娠出産育児という具体的な事象のアナロジーと遺伝、社会をつないでゆく子供たちという抽象的な象徴とがあえて曖昧に描かれていた気がします。

 オーガニック…と言う言葉は有機ですね。無機=機械との対比です。花のエネルギーですからね。それと人のつながりですから、随分と牧歌的な結末ではあります。

 と言う感じで盛沢山のものが入っているので、ストーリーそのものは唐突感がありますが、どこかに考えさせられる要素があるし、結果的に面白いです。3話くらい乗り切って見方がわかると面白くなります。

 アニメそのものの全体の設定は、やはりベースにはガンダム+エヴァという感じですね。リアルロボットに世界系的手法を入れて見た感じです。一方で「マクロス」で有名な河森氏の「エスカフローネ」時に顕著に見られた自然崇拝も感じます。オルファンの設定は「ラピュタ」+映画「インデペンデンス・デイ」のような感じがしました。


 ガンダムのララアとか、逆襲のシャアの女たちとか、Vガンダムのカテジナとかなどとのつながりを感じます。
 そういうものを分かりやすく抽出した「女」「母性」「出産」の話ではありますが、しかし、比瑪ちゃんは内面がほとんど描かれないのが面白いですね。結局富野氏は女性が単独では描けないのでしょう。

 むしろ伊佐未一家の母姉とユウの内面描写が見どころだと思います。グチャグチャともめている一家の醜さとか男から見た「おっかない女性・ビッチ」に見える女性という点で非常によく描けています。もちろん女性から見たらそんなのは男の幻想でしょ?という気もします。


 女性といてばそれにしても「女体」がいいですよね。もちろん全裸OPが顕著です。女性の輪郭線をよく見ると分かると思いますが、非常にリアルな線でしかも美しく描かれています。それでいてエロくないけど女を感じる素晴らしい線画でした。服装も胸を強調していますし。女体の描き方についてはアニメで一番すごいかもしれません。

 OP曲最高です。歌い手の方は他のアニメや曲でお見掛けしませんが、アニソンの中ではベスト10には入るいい曲です。

 ということで、少子化の今。本作は注目されていいのではないでしょうか。昔見終えましたが深く入り込めなかった印象がありましたが、改めて最近ちょこちょこ見ていたら、のめり込みました。本当に面白かったです。

 ブレインでパワード。頭脳で強化された。意味は?「お前等頭をつかえ」?




 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

理解できるけど理解しがたいアニメだった

サブカル系アニメには多い理解できるけど理解しがたいアニメ

父親が異常なほどにアニメ好きだった反動からか、私はアニメ自体余り得意なほうではなく、ガンダムとかもまるで見たことが無いのだが、調べてみるととある有名な監督の影響でこうなっているとの事だ
有名なのにキャッチーじゃない作品というのもおかしな話だが

話を戻すと下手な雰囲気サブカルアニメよりも非常にテーマが曖昧、遠まわしで難解になっている分演出自体はわかりやすい人間模様が見える

これが典型的な雰囲気アニメと貶められるアニメだとやりたいことはわかるが伝え方がもっと芸術性を高めようと抽象的なものになる事が多い(結果何かを誤ってホラーやグロアニメ等と称されることになる)

要するにこの監督が他にどんな作品を作っていて、この人はどういう趣向や性癖をしているか私の知る由ではないのだが、この作品を見た上で言わせてもらうなら自己主張の通し方がある意味でうまい人だとは思った

これはもう土台からしてわざとわかりにくく作っているのは明白だが(正直この人は雰囲気アニメを作れない直情型、というよりもキャラ立ちや台詞回しその他演出を見る限り、人を楽しませられるエンターテイメント性に強い人だと思うからこれは失敗だと思う)

もっと娯楽性に富んだキャッチーなアニメを製作した場合、物語性に於ける面白さだけに優先せずにそこに一貫したテーマや意味、伝えたいことをしっかりと封入できる才能があると思った

例えば昨今で多く量産されている若者などに大人気の萌え系、モテモテ系やらバトル系やらにはそういったものは介在しない
これは話に何の意味も持たせず、瞬間的な多幸感や娯楽性を重点としているからだ

当然そういったアニメはまた一つの正しい形であるが、古くから続けられてきたロボット作品などには大体一貫したテーマ、反戦争やらなんたら主義についての意見等が物語性に含まれているらしい
こうなってくると、物語を進めていく上での謎や伏線を回収していくにつれて第二の物語が進行していく様を垣間見るのは、悪者が現れてそれをただ悪いというだけで倒すだけで終わらせたり、なんか楽して強くなって何の脈絡もなく女の子にエッチな事してもらえたりしてグッドエンドするのとでは視聴への楽しみが二倍違うわけだ

小説やシリアス系の映画を好むタイプであれば、やはりアニメにもこういった伝えたい主張や意見を汲み取った上で納得できる楽しみがあれば面白さはぜんぜん違う

そして、こういった主張をしつつエンターテイメント性を欠く事のないだろうこの監督には頭が上がらないばかりだ

この作品では悪い部分が垣間見えた結果だと思われるが、少なくとも私としてはこの監督は高い評価に値すると考えられる作品だった

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

オーガニック的な台詞で印象に残りやすいSFロボットアニメ

このアニメは、「機動戦士ガンダム」などで
非常に有名な富野監督が制作した作品の一つである。
「白富野」作品の一つとして、あげられることが多い。

大きな特徴としては、タイトルでも挙げている通り
独特な台詞回しだ。
普段の会話では、めったに出てこないだろう。
例をいくつか示す。

「な、なんだ?この、げっっそりする感覚は!」
「死ねよや!」「ストレッチくらいさせろよ」
「それはよくない」 「ひゃっこい!!!( >Д<)」
あまりにも多すぎるのでこの位に。

一番難易度が高いと感じたのは、主人公の勇が
ヒロインである比瑪に言った台詞
「お前のブレンパワードの扱い方、イエスだね!」 だ。
何回か、リピート再生したのだが
まったくもって理解できない。
このセリフの後、なぜか比瑪が納得しているため
難解さにさらに拍車をかけている。
このやりとりに関し、完全に理解できた方が
いたらぜひ教えて欲しい。

このアニメが良いと感じたところは、
親子関係を丁寧に描いているところ。
主に、主人公・勇の家族と
そのライバルであるジョナサンの
家族に焦点を当てている。

オーガニック的な台詞でやりとりされる故に、
とても印象に残りやすいものとなっている。
また、そのセリフのほとんどが、確信を突いており
考えさせられることが多い。
見ているときは、笑ってしまうのだが。
一番強烈なのは、9話におけるジョナサンと
アノーア艦長のやりとりだろう。
その後の、ジョナサンとクマゾーの会話もすごいが。

OP映像も、脳裏に焼き付くレベル。
なぜか、女性の裸がこれでもかと言わんばかりに
登場するのだ。リアルタイムで見た方は確実に
驚いたであろう。ちなみに、女性の裸があそこまで赤裸々に
映し出されるシーンは、本編にはないのでそれ目当てに
視聴すると確実に後悔する。

良くも悪くも、富野作品が好きな人向けのアニメ
であることは間違いない。某動画サイトで
台詞をまとめたシーン集があるので、それを見てから
判断することをオススメする。
個人的には、間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
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