日常でコメディなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の日常でコメディな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月05日の時点で一番の日常でコメディなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.5 1 日常でコメディなアニメランキング1位
はたらく魔王さま!(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (5729)
27541人が棚に入れました
「はたらく魔王さま!」は勇者に敗れ、異世界エンテ・イスラから現代日本の東京にやっていき魔王サタンが、日本経済の荒波にもまれながらフリーターとして働く庶民派ファンタジー。
魔王を追って日本にやってきた勇者エミリアもまた、テレアポとして生計を立てている。

魔王と勇者でありながら、額に汗して働く二人が東京で再会することになり――?

声優・キャラクター
逢坂良太、日笠陽子、東山奈央、小野友樹、下野紘、伊藤かな恵、西明日香、内山夕実、浅倉杏美、安元洋貴、宝亀克寿
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

庶民派魔王誕生

異世界の魔王が現代の東京(笹塚)にやって来て、
庶民的な生活を送りながら異世界への帰還を探るお話です。

出だしとのギャップはツッコミたくなります。
勇者も含め安易な名前の付け方にもツッコミたくなります。
コメディ枠としてはかなり良い手応えで気楽に観続けそうです。
作画も良いですしね。 
声の影響で今は俺修羅の中2病状態と被りますが。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※1話感想{netabare}
今回の成分 魔王4:バイト生活4:勇者1:カツドゥーン1

魔王が庶民派生活って良いアイディアですね。
流石(?)魔王、適応能力が早いです。真面目だしバイトとしては重宝されそう。
その代わり威厳は急速に下降してしまいましたが。
早くも勇者と出会いましたがどうなるのか期待しています。
{/netabare}

※2話成分{netabare}
今回の成分 痴話喧嘩2:節約生活2:ストーカー2:一宿一飯2:襲撃1:地震1
{/netabare}

※3話感想{netabare}
今回の成分 デート5:地震2:脅迫1:身元保証人1:電波1

魔王は善人ですね。あちらの世界でも人と共存出来ても良さそうなのですが。
毒も抜けてしまったのでしょうか?
これならモテてもおかしくはないです。

ちーちゃんも実に可愛らしい娘ですね、デートの服もさわやかでイイ。

地震が起きて地下街が潰れたみたいですが地下街の耐震強度を考えると、
地上はさらに大変な事になってやしないでしょうか!?
まぁ都合良く被害がこの地下だけでも勇者たちも集まっていたからと考える事にします。
(一時的に2話を見逃していましたのでこう書いてますが、やはり超局地的なものですね)

とりあえず脱出ですが姿か少し戻ったのは闇のせいかな?
謎の通信と関係しているのかな?

襲撃とか脅迫とか【予想】(一応伏せます){netabare}オルバ{/netabare}が怪しくないですか?

次回も楽しみです。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今回の成分 復讐心3:友情2:優しさ2:離別1:修羅場1:大家1

当初コメディだと思っていましたがコレは想像以上にストーリーがしっかりしています。
(おかげで成分難しい…)
魔王の優しさに触れ勇者の思い描く魔王像とのギャップに葛藤が生まれてきました。
今までの彼女の人生ごと揺れ動いている様でしたが無理もないです。
本当に「勇者」である事が全てだったのですから…。

勇者と梨香の間だの友情も深くなり物語とどう絡むのか楽しみになって来ました。

黒幕(?)のルシフェル登場でバトルの色も見えてきました。
アルバートやエメラダという勇者一行も次回登場しそうです。
それでも【予想】(一応伏せ){netabare}オルバと今回で教会も雲行きが怪しい{/netabare}という予感は変わりませんが。

そして大家さんは何者なのでしょうか?気になります。
魔王同様名前ならシヴァっぽいですが神話違うしな…。
今回でかなり物語に広がりが見え楽しみが増しています。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
今回の成分 共闘5:魔力2:裏切り2:バイト1

前回、物語に広がりが見えたのですが早くもコンパクトに纏めてしまいました。
まるで続編ありきの最終話の雰囲気。

オルバや教会が裏で糸を引いている事も露わになりましたが、
もう少し引っ張っても良かったんじゃないでしょうかね。

魔界復帰よりもバイトを選ぶなど、その言動にも違和感が残っています。
結局「魔王にバイトさせる」為に都合良く話を持っていった感じになりました。
キャラの魅力が高く、コメディ路線の方が無難にウケるとは思いますが、
ここまで良い盛り上がりだったのでもったいない気がします。
ストーリーを真剣に考えてみていた分、ちょっとした失望感が…。
キャラものと割り切って観ていた方が良かったのかな?と思ってしまいました。

魔王はかなりの善なので魔界の状況との落差があります。
エミリアの親殺し他、教会が相当悪い事をしてないとこの矛盾が払拭できませんから、
今後は教会を悪く描いて行くのだと思います。
ただストーリーとしては単純になりすぎて面白味を感じられるのか心配になってきました。

まだ序盤なのでまだもう少し期待して観てみます。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
今回の成分 学校の階段4:ネット開通2:同居1:写真1:異端審問会1:肉1

ルシファーくんはとりあえず許して同居までさせてあげてました。やはりお人好しです。
教会自体もさほど悪くもなさそうなので魔界の状況には謎が残ります。
オルバ一人の背信とも思えないので教会内でも派閥があるのかな?
そのオルバは捕まっちゃったみたいで暫く出て来ないかも。
でも何の罪なんだろ?前回の事は一応無かった事になってるんだよね??

夜の学校探索では勇者がドタバタ暴れていました。
落ち着きなさいって!
出し渋っていた聖剣も出しちゃってますが、魔力的なの平気なんですかね。

神隠しで向こうに行った人間がいるのならその点も気になりますね。
そして「おうどん」は何なんでしょうか?

大家さんの写真は凄い破壊力です。見たい気もするけど。
次回以降もキーアイテムになるんじゃないでしょうか?
多分、意味のある物だと思うのですが。
今回は意外と謎をばらまいた気はしています。気のせいかも知れませんが。

次回は口封じの刺客がくるのかな?
っと思ったらお隣さんに可愛い子が越してきたみたいです。
まさかこの子なのでしょうか?
{/netabare}

※7話感想{netabare}
今回の成分 ライバル3:刺客2:ストーカー2:弁当1:うどん1:ホーリービタンβ1

なんだか裏の有りそうな鎌月さん登場。
魔王狙いってどういう意味なんでしょうかね。やはり怪しいです。
弁当やうどんで素直に近づいているのか?
それとも薬(毒)入りで魔力弱らせてるのかな?
前回もうどん出てましたし芦屋くん体調崩すから色々勘ぐってしまいます。
普通に恋のライバルでもちーちゃんにとっては危機ですけどね。
バイトもライバル店登場だし勇者にも刺客が現れて今後色々な事が激戦になりそうです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
今回の成分 修羅場3:刺客2:時代劇2:ちびっ子店長2:グリーンランド1

5話で一旦ストーリーを纏めてしまいましたが、
その割には良く話を盛り返している気がします。

ちーちゃん純粋で本当に可愛いです。応援してあげたくなります。
世界や種族を越えて結ばれちゃってもいいんじゃないでしょうか?
でも怒った時の膨れ顔が可愛いから上手く行き過ぎるのも良くないかな。(^_^;)

んで鎌月さんはやはり刺客審問官でしたね。
魔王狙いもやはりそっちの意味でした。
今後彼女の動向も気になってきそうですが、なんとなく魔王一行に感化されそうな予感。
時代劇に流されたり天然な所に魔王や勇者と同じ仲間の匂いがします。

【予想:猿江について】(隠す程でもないけど一応){netabare}
ちびっ子店長は色々な意味で怪しいです。
ちーちゃん狙いも去る事ながら、前回勇者襲ったヤツっぽいです。
証拠のペイントはグラサンと香水で誤魔化されてしまいましたけど。
目出し帽姿ならペイントの跡は目の周りでしょうしね。
襲撃犯だとすると向かいに建てられたセンタッキー自体も裏で組織が関わってるのかも。
それと勇者、尾けられてないですかね? 見切れる車が何となく気になります。
怪しい奴ついでですがオルバはオルバで最近現れないですね。
何の罪で捕まったか分からないですがそろそろ現れてもいい気がします。{/netabare}

次回はマグロVSセンタの店対決になるのでしょうか?

余談ですが個人的には
チキンはセンタでボテトはマグロのが好きなのですが、
好きな物同士、両方テイクアウトして家で食べたら脂っこく相性が悪かったです。
センタのチキンにはセンタのもしゃほくポテトが合いますし、
マグロのカリカリポテトにはマグロのバーガーが合うように出来ているみたいなので
変にハシゴするのは止めておきましょう。

あと昔、ビックマグロを頼んだらパテが二つとも下の段に入っていた事がありました。
食べたら食感が結構違ってビックリ! 内容物的には合っているんですけどね。
…マグロのお客様センターレビューになっちゃうのでこの辺で。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
今回の成分 修羅場2:例え話2:七夕祭り2:リサーチ2:客争奪戦2

サブタイトルでは恋の修羅場を予感させましたが、
時間帯責任者としての修羅場の意味合いが強かったですね。

芦屋君、流石参謀だけあって話が上手いです。
実力の一端は見られました。ちょっとばかり頬痩けすぎてて心配ですがね。
梨香が存在感を高めどうやらこちらにも恋のフラグが立ちつつあります。

ちびっこ店長は相変わらず怪しさが漂います。
梨香の言うように面倒抱え込んでそう。
アイスコーヒー2つとアイスティー、メープルビスケットで一万円渡して、
お釣りが小銭しかなかったように見えたんですが、ぼってないですか?

魔王の指揮っぷりもなかなかでこちらも実力がちょっと出ましたかね。
現代日本のサービス戦争もなかなか激しいものがありますからね。
笹の登場により形勢が良くなって来ましたが、魔力が関わっている気配も。
恐怖だけでなく願いの感情も別のベクトルで魔力に影響してないですかね?
ひょっとしたら魔王も天使も似たような存在、元々は同じ存在なのかも知れない…。
あまりの魔王の善人ぶりもあり、そんな気もしないでもないです。
善行で向こうに帰れればハッピーエンドなのですがね。
って、怪しんだ審問官が睨んでる睨んでる。怖い怖い。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
今回の成分 富島園2:お化け屋敷2:爬虫類2:賞味期限2:水着1:サダオ1

休日サービス回で水着も観られました。
ちーちゃんやはり大きいです。(*^_^*)

あのお化け屋敷は怖い怖い。あのレベルだと営業向きではないですが…。

ワニワニパニックになりましたが魔王の魔力で一件落着。
魔王さまの善人ぶりがまた引き立ちました。
魔王はエンテイスラに帰る気あるのでしょうか?
全ワニ同時服従させずとも、上手くやれば魔力押さえられたのではないでしょうか。
前回から鎌月さんが怪しげな目を見せていましたが、
魔王の善行が納得できていなかった目だったのですね。
教会から無言のプレッシャーをかけられている感じで近々一悶着ありそうです。

芦屋くんは何をやっているんでしょうか?
食い過ぎとしても賞味期限が多少過ぎてたとしてもお腹弱すぎ!
{/netabare}

※11話感想{netabare}
今回の成分 任務4:口論2:策謀2:バトル1:バザー1

物語も佳境に入って動いてきました。

鎌月さんは昔から汚れ仕事をしていた様で今回も葛藤しながらも
任務(魔王暗殺)を果たそうとしているみたいです。
今までそういう生き方をして来たのですから止めようもないハズなんですが、
必死に食い下がるちーちゃんの純真さが力強く逞しい。
互いの立場で正論をぶつけ合うシーンは聴き応えがありました。

エンテイスラの状況と魔王の性格や言動がカイリしている矛盾は
まだ埋まっていない状況なのでどちらが正しいのか分からないですが、
今まで観た範囲ではどうも魔王は悪とは思えないので、
一部の魔族や教会の人間の策謀や天使の介入により
混沌とした世界になってしまっている気はします。
今後この辺りのことに触れてくるでしょうから楽しみでもあります。
「魔王が悪でない」のなら「天使も善ではない」のかな?
っという気はしますけどね。

芦屋くんの腹痛もちょっと異常なので謀略の匂いがしますね。
大家さんの送ったアイテムも意味深で伏線になっていそうです。
(魔力回復グァバジュースとか聖放器(漢字コレ?)補助仮面とかかな?)
大家さんって審判的な役割の存在なのかな? こちらの正体も明かされるんですかね?

ちびっこ店長が正体を現し(←ペイントってそんなに強力!?何日経ってんの?)、
オルバもやっとお目覚め(←寝すぎじゃオッサン!心配しちゃったじゃないか!)で
腹黒そうな人も役者が揃ってきて物語が締まって来そうで面白くなってきました。
{/netabare}

※12話感想{netabare}
今回の成分 バトル5:月3:天使1:魔王1

魔王=善、天使=悪。
シンプルに善悪をつけたバトルになりました。
もうちょい色々事情が絡むかと思いましたが、
ラストに向け分かりやすくスッキリさせてきました。
予想を裏切る驚きの展開を期待していた部分もありますが、
まぁ嫌味もないしこれはこれで良いかな。
雑念無くバトルで魔王応援できましたし。

エンテイスラの状況やエミリアの親殺し等も
裏で天使や教会が手を回してたってな事になりそうですね。
一部手の付けられない魔族も居そうですけど、
魔王自体には大きな非がない状況になるのだと思われます。
二期やるつもりなら触れないかも知れませんけどね。

次回で終わりの様だけど向こうに帰れそうもないし
このままバイトしつつ二期あるかも的で爽やかな終わりでしょうね。
アルバートやエメラダはもうちょい活躍して欲しかったですが仕方ないか。
それと私が気になっている大家さんの謎は解明されるのでしょうか?
謎のままなら神様と認定しちゃいます。
{/netabare}

※13話感想{netabare}
今回の成分 詐欺5:夢2:派遣1:クーリングオフ1:カツドゥーン1

あれ。コレ最終回? 魔王一行の日常回のようなお話で締めましたね。
カツドゥーンに始まりカツドゥーンで終わるのもこの作品らしいかも。

クーリングオフって未成年じゃないと使えないの!?
訪問とか衝動的な契約なら使える制度では?
っと思ったのですがあまり詳しくはないのでそういう物って事にしておきます。
それにしても漆原くんはトラブルメーカー。きっとこの後も問題起こすんでしょうね。
そして魔王が尻拭いをしていくのでしょう。
そんな日常がまだまだ続く事を感じさせる終わり方でした。
いつの日か二期が観られるといいですね。

…ちびっ子店長は妙な属性が付いてしまいましたしペイント跡は全然消えないですね。
{/netabare}

【総評】
開始当初の雰囲気で深みのあるストーリーを期待しましたが
底浅で「魔王を働かせる」事を貫いたコメディでした。
って書くと悪印象な感じになってしまいますが、
勝手に重厚な話を期待した私が悪かっただけで爽やかで軽快な良いコメディです。

魔王や勇者という概念を利用しそれを乱す事により楽しさを生み出しています。
魔王や勇者だけでなくどのキャラも優しさ満点で可愛さがあって好印象でした。
特にちーちゃんが良いですね。

二期あれば是非みたい作品。
どなた様でも安心して気軽に楽しめるコメディになっています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 67
ネタバレ

かおーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

原作との差分

進撃の巨人、俺妹、電磁砲とビッグタイトルと同期で、まったく注目されない完璧なダークホースでした。
制作のWhiteFoxは、同時期に公開の劇場版シュタインズゲートと並行作業だったはずなのに、この評価。恐れ入ります。

1話を見て面白かったので、Koboでポイントを使い原作を購入してみました。

原作はジャンルとしてはライトノベルですが、文章・文体は文学のそれと変わりません。風景描写も細かく、夏場の暑さの表現、食事の描写などはなかなかの物で、筆者の力量を感じさせます。「敵同士の恋愛模様」という古典バリバリな内容ですが現代に置き換えられると想像以上に楽しめます。

4話までのEDテーマ「月花」の歌詞は壮大なネタバレを含む可能性あり?かもです。Angel Beats!ばりに、終わってみたらまんまやん、になるかも。「月」「涙」「許す」「守りたい」。

原作を読んで解るQ&A
Q:魔王たちは魔力を取り戻す方法がわかったのに、なんで地球を制覇しようと思わないの?
A:魔王はその方法での制圧を望んでいません。エンテ・イスラ侵攻についても後悔している節があり、また今後の制覇計画も持っている様子です。詳しく語られませんが、「これまでのやり方ではダメなんだ!それがなぜ解らん!」と、好戦派の部下を叱咤する場面があります。
魔界の制圧、エンテ・イスラ侵攻も、魔王サタンは今までの悪魔とは違った方法を取っていました。代表例が、倒した相手を仲間に組み入れること。アルシエルも一度は敵対する仲でした。

Q:なんで魔力が戻ったのにゲートを開いてエンテイスラに戻らないの?
A:戻ったら勇者エミリア御一行にそっこーで殺されるからです。聖剣と天銀を有した恵美の力はチートばりに圧倒的です。力と計画を蓄えてから侵攻する計画があるようです。

Q:なぜエミリアは父の敵、人間の敵である魔王をソッコーで殺さないの?
A:勇者は死刑執行人ではありません。悪の象徴サタンなら斬れますが、清貧に真面目に労働する若者、それは正義そのもの。そんな真奥を殺すことができないわけです。

Q:なぜ魔王はエミリアに寛大で気に掛ける?
A:いろんな理由がありますが。1つは、命の恩人である天使ライラの娘だから。容姿は瓜二つのようすです。

{netabare}

作品はガチでファンタジーです。アニメはバイト等のリアル描写とギャグ主体で進みますが、ファンタジーを嫌う人にはキビシイ作品になっていくかもしれません。

原作ではエンテ・イスラに関する解説、設定、説明が細かく描写されます。既得権益にすがるため、勇者暗殺を目論む教会。そして勇者の持つ力を、「人間が手にしてはいけない力」として回収しようとする天使。ダラダラと設定を広げられて無駄のように感じる人も多いかもしれませんが、私は、これでも編集さんと相当削った結果だろうな、と感じました。本作品を楽しむには必要不可欠な、ギリギリのウンチクにとどめていると思います。ナルトのように誰得な謎設定と回想がぶちまけられているわけではないです。

1話
カツドゥーンはアニメオリジナルです。マクドナルドの前にも、マオウと芦屋はバイトしてましたが、派遣会社の違反行為で無職に。ちーちゃんのポテトばらまきもアニメオリジナル。ドジッ子属性を付加したのでしょうか。

2話
特売・銭湯はアニメオリジナルです。狙撃に対して、二人が共に防衛・逃亡し、勇者を泊めた理由のひとつとして、痴話げんかで警察に調書を取られたばかりで片方が死亡、では魔力を失ったこの世界で詰む可能性があるから。

3話
デュラハン号は、被害者ということで警察が直してくれました。テレアポセンターへの直通電話は、ルシフェルのハッキングによるものです。

4話
エミリアが教会にさらわれ(?)、騎士団として修行を積み、初陣にでて、16歳で聖剣を宿し勇者として魔王討伐に挑むところなどが、原作では細かに描写されます。聖剣はオリハルコンのような天の金属で、これを体に宿して聖剣化する天使の力として設定されています。

シバミキことミキティー、ジヴァ=大黒からみて神がらみの存在なのでしょう。彼女の姪っ子の名前が大黒天祢であることからも推測できます。

5話
恵美の魔法のような力、聖法気の回復手段がないため全力は出せず、聖剣は第1進化の形しか取れない、鎧も一部だけという説明がされています。
ちーちゃんを抱き留めた際にエミリアは片足を骨折しています。脂汗を出しながらも立ち上がり、その後の変身で聖法気を使い全開し、体の傷を全て回復させています。
変身後の重要なセリフ、「聖法気を遣いきって良いのか」「真面目に働いていれば良いことあるわ」があります。
飛行能力?で全盛期でも劣ったエミリアは苦戦を強いられます。それをアルシエルが作った足場で補いながら共闘する描写がされています。
アルバートのソナーの受信条件「魔王のことを四六時中考えている人間」で恵美が受け取れなかったのは圏外だったため。この会話は原作では魔王も立ち会って聞いています。ちーちゃんの真意がバレて、二人はしばらくバイトで気まずい雰囲気ではたらくことになります。
恵美は、ルシフェル戦終了後、5000円もする高級紳士傘を魔王にプレゼントします。

エメラダがゲートを開けたのは天使ライラからある羽根を受け取ったから。その天使はエミリアの母で、魔王は面識があるようすで、すでにそのことを覚っていました。エミリアはライラからの伝言「あなたの父親はいい男だった」と、その羽根を受け取ったため、いつでも聖法気なしでゲートを開けられるようになりましたがエンテ・イスラに帰りません。魔王を倒すのが自分の仕事だから、が理由です。魔王に二度とエンテ・イスラの地を踏ませないことを誓い、地球に残留します。アルバートとの会話で、あなたなら今の魔王を殺せる?と聞くシーンがあります。勇者は死刑執行人ではないので、善良な一市民として真面目に生きる青年をむげに殺すことが出来ない葛藤が深く書かれています。

6話
オリジナル回とのことですが、焼肉屋と教会でのやりとり、階段落下は原作をほぼ忠実に描写しています。

エミリアが聖法気の補充の心配が無くなったのは、エメラダから宅配便で定期的にリポDの瓶に入った聖法気が届くようになったから。ゲートは母からアイテムを受け取ったため。


7話
ほぼ原作通りの回でした。細かい差分としては・・・

鈴乃が大家の写真を出しそうになったところは、光速で制止するところをアニメではスローを使って表現してました。感服。

エメラダとの会話で、やはりエミリアの母親について触れられてませんね。作品全体としてカギを握る人物なのに登場させないのはこれいかに?

コンビニで購入したのはボリュームの割りにカロリーの低いカレー。恵美は日本に来てカレーに惚れ込んでいます。それと、エクレアとカップスープ。ガラスに突撃してきた不審人物は、釜でエミリアを切り上げます。近づいてきた店員を突き飛ばしてそれをよけるとき、カレーとエクレアはグチャグチャに。戦闘後に案内された控え室でスープだけ食べます。


8話
この回も、原作とほぼ変わりません。原作の内容を尊重しながら作成されていることがよく解ります。
恵美をお姫様抱っこしたとき、魔王は朝早くから地域の清掃に参加した後でした。
恵美はかなり時代劇好き、とくに怒りん坊将軍は携帯待ち受けにするくらい好きなんですが(勇者という職にダブるのでしょうか)、鈴乃と趣味が合う?という期待は外れました。あっさり否定されます。
鈴乃はエンテ・イスラから持ち込んだ高級品を質入れする部分、アニメでは指輪が描写されていました。高級すぎる雰囲気出てて驚き。アニメならではの表現ですね。
木崎さんの、売り上げ前日比80%のくだり、原作では前年比になっています。
ちーちゃんがデュラハン号を奪って逃走したあと、魔王と鈴乃の会話では、魔王は鈴乃の正体に気がついていながら、ちょっと気にかけるような、魔王様らしいキレものぶりを発揮してます。
原作ではなかなか書きにくい季節描写、七夕が近いことが風景の中で描かれていました。
木崎さんとのグリーンランドの会話、「グリーンランドに人住んでるんですか?」「グリーンランドの人に謝れ」と、グリーンランドに関するウンチクがあったのですがカットされてます。


9話
原作では会話中心に進むパートです。アニメでセリフ責めにするのか?コーヒーミルクをこぼす、みたいな映像を挟んでしゃべらせるのか?と、どうやって映像化するのか楽しみでしたが、これはちょっと外した結果なのでしょうか。内容がダルいですね。

梨香さんがウザくなっちゃってます。ちょっと色恋沙汰が好きな素直で良い子なんですけど。芦屋のことが気になり、恵美に突っ込まれるところとか、原作では笑える部分なんですが描き切れてないですね。

鈴乃さんは基本的静かです。原作でも静かです。今後もずっと静かです。で、今回は、魔王の勤務先を見たかった、異端審問官として恵美の動向をチェックする必要がある等の理由で、梨香にいろいろけしかけてます。修羅場をわざと演出してるのですが、これも描けてません。

芦屋の、「魔王組」の例えの下りは、原作でも屈指の笑えるパートなんですが、見事に外してました。原作でも文章で、「人材派遣=悪魔軍侵攻」「建築=魔王城築城」をイメージさせているのに、映像化しなかったのは失敗でしょう。あの映像は、エンテ・イスラでの過去をまがまがしく描くべきだった。
魔王組=魔王軍、たしかに暴力団。鈴乃は「言い得て妙」と絶賛。恵美もなぜ自分にそのような発想がなかったのか、と知将アルシエルを賞賛します。四天王に任せていたら管理しきれず、勇者の出現で次々に領土を落とされていき、最後に撤退に追い込まれた部分を見事に現世に例えているんですが・・・

恵美の勇者は派遣、について原作では、聖騎士団員として月給もらってるわけじゃなかったから確かに・・・と、もっと細かく書かれています。

マグロナルドでの、表でちーちゃんが販売したりする部分はオリジナル。


10話
完全なオリジナル回。


11話
ほぼ原作通りの内容。鈴乃のゲタに発信器を取り付けたのはオリジナル。恵美のカバンに取り付けてある分も、まだ恵美にも魔王にもバレておらず、「ちーちゃんが!」という魔王の電話に、漆原が答える形でした。


12話
ほぼ原作通りです。アルシエル入院、点滴、遅れて到達はオリジナルです。オルバ・ルシフェルもオリジナルです。
ベルのことはみんな気づいていました。彼女が付く料理は聖法気が含まれる「毒」なようなもので、悪魔には基本有害です。が、家計を助けるために気にせず食べていました。

サリエルの目から出る光線は、聖なる魔法?「聖法気」を無効化するレーザーのようなものです。これをエミリアに浴びせ続けることで、体内にある聖剣ベターハーフと、なんとかの衣(ごめん忘れたw)を取り返そうとしています。
聖法気使いには効果バツグンの光線ですが、もとより魔力を使う魔王軍にはなんの効き目がありません。

原作では月が大きくなってパニックで魔力が集まったのではなく、鈴乃が新宿駅の変電所を破壊し、ダイヤが大幅に乱れた怒りで魔力を復活させました。鈴乃曰く、「乗り合い馬車でも、時間通りに来ないとみんなイライラするだろう?」とw

魔王が、妙にサリエルについての情報に詳しかったりするのは、若き幼き魔王が傷つき瀕死だったところを、ある天使に助けられて、さまざまな知識を与えられます。その天使こそ、勇者エミリアの母親です。今後も現れる天使の刺客ミカエル、ガブリエル等々についても、魔王は博識です。そして、ただのサタン(ありふれた名らしい)ではなく、かつて災いをもたらした「大魔王サタン」を臭わせ、天使たちを震撼させるようなできごとも。

サリエルを殺さず、ゲートに捨てた理由は、まだ魔王軍は天界と一戦交えるつもりはないから。
魔王がゲートを使って帰らなかった理由は、もどったところで勇者エミリア一座にそっこーで殺されるからです。全開の勇者エミリアはそれほどまでの戦力を誇っています。

13話
これは・・・詐欺事件からのクーリングオフ、これは原作7巻の話です。芦屋が派遣された先が悪徳業者になっていますが、原作では違います、塾講師で子供達に教えていました。魔王も、工事現場で働いていません。
高級紳士傘(5000円)のプレゼントを、最後に持ってきてましたね。

傘=雨を防ぐもの、守ることの象徴ととれます。魔王からのビニール傘=小さな守護、共存を拒否し、日本でも対立しあうことを決めた恵美ですが、ちーちゃんや梨花、鈴乃との出会いや真奥貞夫との日々で自身の考えが変わり、高級傘=勇者からの停戦・共闘・共存、そしてその他を約束される、と言う意味でしょう。
とかお堅いあとがきに書かれそうですがそれは考えすぎですねw


2期があるかもしれませんが、エミリアの母親について一切触れていない、伏線を張っていないことが心配です。1期のみとしての設定で、削ったように見えるのです。
原作では、この先で大きく話が動きます。七夕から数日が経ち。お盆の時期にそれは起こります。突如いつものヴェラローザ笹塚にゲートが開き、ある少女が転送されてきます。その子は、魔王を「パパ」、勇者を「ママ」として慕います。

漆原のGPS発信器の金額を工面できない魔王たちは、大家ミキティーの斡旋で、千葉・銚子の海水浴場までバイトに行きます。ここでもまた、大騒ぎが・・・。

原作未完の作品ですが、8巻まで読んでみて思ったのは、魔王は日本に来てから、一貫して守るためだけに労働し、戦い、傷つきながら前進していることです。

魔王自身が直接エンテ・イスラからの刺客に狙われる事はありません。狙われているのは「勇者エミリア」で、彼はそのおまけみたいなものです。それでも彼はかつての部下、バイトの部下、なりゆきとはいえ勇者エミリアを守り続けます。
時には娘を守るため難敵に取り付き、母エミリアに「自分ごと切れ!」と言い放つ。
先の大戦の悪行が許されるわけがない魔王は日本での生活を選ぶ方向にいくのか。エミリアと娘を救いにエンテ・イスラに乗り込み、エンテ・イスラを良い方向へと導くのか。原作も目が離せない展開となってます。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 38
ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

もし仮に勇者と魔王が働いたら 魔王は守りました。店長代理として 2期を切実に願う

RPGでは主人公と悪役の立場になっている勇者と魔王ですが
この2人が現代で働いていたら?っていう「もしも」を象徴としたアニメだった
それと主人公は魔王です
ヒロインが勇者です(「まおゆう」とは真逆です)

魔王が「お兄ちゃんだけど愛~」の秋人さんじゃん
アルシエルは善吉か
勇者は澪ちゃんだし 胸BSC
ちーちゃんはユーギリだし 胸EXT
マックの店長さんは「貧乏神が!」の紅葉だし(彼女はパロディ演技、上手でした)

初回 ペコポンへの初陣
{netabare}「アニメ間違えたかな?」っていう感じの戦闘でした(FF並みの、いやそれ以上かも)
そして逃げて日本へワープした件(どうにかJapaneseも習得しました)
日本では魔力出ませんから!
最初っからツッコミ満載だ
アルシエルが普通にカツ丼食ってた件wwwそして綺麗に食べろwww
発音のイントネーションもおかしいwww
アルシエルのポーズを見てると中二病患者だと思ってしまうwww
それとガスで魔力を使っちゃあいけんよ
そして、帰れるのだろうか、この面々...{/netabare}

2話 澪ちゃんはアドリブ上手 「馬鹿!やめろ!オイ!」並みかそれ以上か
{netabare}百均で買ったナイフで襲いかかった澪ちゃん
でも結局警察に世話になってしまったwww(途中で音楽止まったぞ)
テレアポのオペレーターやってんだ
そういえば豆腐屋のラッパも珍しくなったなあ...
勇者の晩飯:ご飯はチンする奴かはともかく、炭水化物多いぞwww太るぞwww
で、魔王城にやってきました
「蹴るよ!いいの!?」「例のアレ出すよ!?」等のアドリブwwwそれと後で泊まりました、財布なくしたから

本来は友と一緒に行こうとしたのだが、ゲートが閉じたため単身で赴くことになったと...そりゃあ精神にくるわな
バイトから正社員になってそこから日本を乗っ取ることは可能なのだろうか(ああ、多分無理だ、プリキュアでいうナイトメアやエターナルとは全く違うから)
「今どきの名前じゃないわね」ってそれは言っちゃアカン...
魔王の生活は一ヶ月一万円生活を思い出すな
それと戦闘と銭湯を勘違いする件
それと同時に群発地震も起こっている模様、何を隠そう雑兵達がやってきそうだ
次はユーギリとデートです、新宿で{/netabare}

3話 デートに付き物と言えば...
{netabare}テレホンセンターから勇者へ宣戦布告
どうやら魔王と勇者を倒しエンテ・イスラを乗っ取りたい輩のようだ。当たり障りのない欲望だこと
(こんな系統、ゲームにあったような
ああそうだ、デイメーンか。奴の欲望は執念が足りなかったな)
「ちょちょ、おっきいわね...」は澪ちゃんのアドリブです(前の回にもあります)
確かに胸があると戦闘の邪魔になると思うが「閃乱カグラ」だと十分に反するし、スカート穿いて戦闘すると気が削がれることってごまんとあるんだよねwwww
女同士なら大丈夫だけど...男がいるとね...お互いに精神力も鍛えないと駄目だよね
アルシエルの「ちょっと待てーーーーーーー!!」でwwwwww
デートにおいてああ、修羅が来てしまった(宿敵と後輩)
豹変したら顔が怖い...(BASARAや輪廻のラグランジェを思い出すな)

だが、それを遮るように地震が襲いかかった
そして、魔王は一時的に覚醒した(見た目がトリコでした)
よし脱出だ
澪ちゃん「何故、人を助けるの!?」
勇者は昔のゲームみたいに感情が一定だった。じゃあ感情を増やしたらどうなるのだろう。何が生まれるのだろう{/netabare}

4話 揺らぐ勇者の心
{netabare}勇者澪ちゃんの系譜はドラクエⅣと似ているのだろうか(やってないから分からん)
そして、阪神淡路大震災のオマージュも...(当時俺は物心ありませんでした)
同僚の過去で揺らぐ勇者の心...
反面、魔王側のアルシエルはダメだ...使えん
何気にデュラハン号(自転車)が直ってたwww

でも、魔王が奪ったものは変わりないんだ
親も土地も世界も...勇者は異常なまでの敵意を持っていたんだ
他のRPGの主人公もそんな心情を持ってたのだろうか...

っていいシーンなのにユーギリが...で逃げたwww
大家さんがいろいろと知ってる!?まかさ...
そしてゲートから勇者の友達が来ました(もう少しかかりそう)
同時に悪魔大元帥ルシフェル(明久君)も圧参した
さあ、暴れるぜ!{/netabare}

5話 first party これは映画でなく現実です
{netabare}勇者の仲間だったオルバもルシフェルについていたとはな...ha!笑わせてくれる
最初らへんは本気(血ブシャーは無かったけど)
戦闘の合間合間にギャグを挟むのも楽しいねえ!
空中機動はやっぱ楽しすぎる(オラオラオラの部分もあったし)
そうか、人の絶望(欲望を出さなくする)があれば魔王は元に戻るのだな(故にエネルギーの一つとしても言い切れる、別世界のバッドエナジーだろう)
澪ちゃんは覚醒で髪変わってたし
中二病の変身台詞をCM前とCM明けで2回、お疲れですwww善吉はマントを取りに帰ってたしwww
凄まじい刹那で0距離からのトドメはスターライトブレイカー(鉄拳制裁)でしたwww
戦闘後、皆来ました(ユーギリにも正体を明かしました)
でも、魔王は帰らねえ、そんだけです{/netabare}

6話 魔力回収の旅
{netabare}最初っから焼肉って贅沢な...
困ったときは勇者澪ちゃんに電話ってwwwwwww
そうかあのハゲは捕まったのかwww
で、大家さんからの水着写真...「止めろ!サーティーン、それはあまりにも危険すぎる!!」
ちーちゃんのダチ=かなりの妄想癖、故に腐ってます
ちーちゃんの高校の旧校舎へやってきた御一行(剣出して人体模型を斬るな澪ちゃん...「よし!」じゃねーよ!!)
開かずの間でルシフェル(神にーさま)からの電話
「そこにPSP落ちてたろ?持って帰ってきて~」
よし、帰って殴ろうか(斬ろうか)www
最後に早苗も来ました(ゲートから){/netabare}

7話 鈴乃の推参
{netabare}いきなり鈴乃(エルシィ)が来ました
ホーリビタンβ=リポビタンDじゃんw
アルシエルは夏バテの模様
勇者澪ちゃん、貴女は完全にストーカーですwwwww
魔王はマックの店長代理になりました888
でも澪ちゃん、階段でまーた転んでるし(罠?を学習していない素人ゲーマーじゃあるまいしwww)

手作り弁当
上:おせち 下:♥を模った飯
アッーーーーーーーーーーーーーー!!

勇者サイド
コンビニ強盗なのに魔法使ってきやがった。オマケに魔力封印付きかよ!?
アニキ!次、深夜恒例の「アレ」ですぜ!!
ならぬ!ゴールデンで「アレ」はなりませぬぞ!!
そうです、修羅が訪れます{/netabare}

8話 帰ってきた...
{netabare}ユーギリの顔芸から、ああ修羅は始まるんだ...
早苗ぇ...料理ではできるな...
饂飩の段ボールで寝ていたのか、神にーさま...
秋人「なら、うちの店に来れば」⇒カッ!×4(修羅だ...)
駄目だ...こっちの秋人さんも恋に無頓着すぎる...
すぐに告白したユーギリはえらい子です!
反面勇者はやっと早苗がエンテイスラから来たことを理解
そして言い争いに...またか...
でも言い争いはなく、新宿へ。そこでお願いが
エルシィ「私と協力して魔王を倒してほしい」
澪ちゃん「断る」
でいいのか?
向かいにできたケンタッキーの店長が宣戦布告
調査のためにアルシエルを使うのかwww
負けたらグリーンランド行きってwww
次も修羅は続きます{/netabare}

9話 ライバル会社の調査
{netabare}同僚も関わってきやがった
ケンタッキーに対抗するためにアルシエルは調査(現金を犠牲は当たり前)
そうかルシフェルはパンチンググローブ替わりかwww
七夕ということで笹を飾ったら客が来たぞ!?
(「まーた魔力使ったんでしょ」な2人w)
ボランティアをする魔王か...威厳が無くなったな...{/netabare}

10話 戦闘以外の神回 胸EXTは罪か?
{netabare}ふしまえん...?ああ、としまえんか
富士急ハイランドか芝政ワールドの方を思い出したな
アルシエルは下痢で欠席w

別支店の店長さんがお市さんだと!?
ああ、ちーちゃん...貴女の胸はどこまでEXT過ぎるんだ
バイーンバイーンだし...何だこの悪意ある編集wwwwwwwグレモリーさんにしか見えねえwwwww
beatmaniaやGITADORAだったら人間が対応できる域を超える...
反面勇者澪ちゃんは...ああ、BSC過ぎる...両備の変身前と一致...目を死なせるな(bad end空間に入ってらあwww)
バーガーで分かりやすくしやがってwwwww

「クッソォ...」も澪ちゃんのアドリブですwww
これが深夜で俗にいう「胸囲の格差社会」です
おい早苗!!それは海女さんじゃねーか!!「さー仕事仕事」wwww
じぇじぇじぇ!?とツッコもうwwwww
駄目だあ魔王さん、秋人さんと同じく鈍感すぎるwww
何で「似合ってるよ」って言わないんだ?
ちーちゃん、貴女も目ぇ死なせないで...(結局bad end空間入りじゃんwww)

お化け屋敷+日笠さん=澪ちゃんだったらまた白化する...富士急のお化け屋敷を思い出したな、あのホテルは母がかつて泊まっていました
蜥蜴のスケールが全然ちげーよ!(庶民と勇者で)
そしてフラグの建設ラッシュラッシュ
でも魔王が鰐に魔力を使ってしまってまーた振り出しに
最後、ケンタッキーの店長...アンタまかさ...もう一回暴れないとな!{/netabare}

11話 パーリィ前夜 ちーちゃんの怒りと涙
{netabare}アルシエルは腹痛で病院送り(あのハゲもいたぞ)
ルシフェルの扱いひでえ...(明久君も同じだったからお相子で)
別れたら記憶と痕跡を抹消するということはちーちゃんの記憶も...
でもそうさせたくはないのは同じ気持ちだ
鈴乃は魔王を殺せるか?エンテイスラでは悪行をやってたあの魔王は地球に来ていい人になってしまった
何かしらの策を持っているかもしれないかも分からない相手を殺せるか?
話が終わった後、襲いかかったのはケンタッキーの店長!
奴は天使だった
ちーちゃんはまた眠らされた(前と同じ)
さあ、最後のパーリィを都庁でやろうぜ!!{/netabare}

12話 final Party
Are you ready? Here we go!!
魔王、魔王はなあ!ここに健在なのだあ!!
{netabare}サリエルを異常なまでに変態扱いしちゃあキレるわ!例え天使でもwww
だってゲス以上に、痴漢、変質者、根性曲がり、覗きクソ野郎、下着ドロボーとか言うんだもんwwwwwww

真の変態はSAOの...(奴の欲望は殺意以上の何かが湧いてくる、もう見る価値無い。『満たされた欲望』って存在するのか?)

奴は澪ちゃんから聖剣を取り戻し、エンテイスラに持ち帰りたかった。同時にちーちゃんも研究したかっただけだ
奴はやはりEXT好みでしたwww
オマケに武器はサーシャと同じじゃん
助けるのは当たり前だがあくまでちーちゃんはヒロイン扱いではなく、部下としてだ!⇒デスヨネーwww
どうしてヒロイン扱いじゃないんだろう...泣

オルバがサリエルの力を増強していたが、同時に人間から欲望が無くなったことで無事に魔王は変身完了!
ハゲはニート(SNEP)が昇竜拳で片付けました(例え働かなくても輝けるんです)
ちょ...ちーちゃんが殴ったあ!?(それは質量がある幻影だ)
っつーかパンツ一丁で戦う魔王ってwwwwwww
じゃあな...デッキブラシ(聖剣)からの雷刃封殺爆滅剣ーー!!
はー終わった終わった。じゃあ街直して帰ろうか!
そしてアルシエルは援護射撃遅せえ...ファンネルの代わりにもならねえ...だからマントいらないから!!{/netabare}

13話 2人は当たり障りのない日常を過ごす
{netabare}いきなりちーちゃんの夢落ち...でも別れるのかな...
勇者澪ちゃんも別の夢を見ました(魔王が笹塚乗っ取って次にグリーンランドを乗っ取ろうとする夢www)
変態天使はエンテイスラに返した模様
と思いきや冷凍庫から帰ってきやがった...オマケに両奈みたいなマゾになりやがった...つまり無力化だwww
あれ?ハーレムっちゅう地獄が構築されてらあ
魔王城に大量の荷物が、あれなんだ?
どうやら発信機の代金を払うために工事現場のバイトをしてた魔王
詐欺に引っかかったニート...ああ、また出費か...
直談判に行った矢先にアルシエル!?なんでここに?
アンタ元々悪魔大元帥だろ?どうして騙されるんだ!?
契約した人が未成年、よしクーリングオフ使え!
魔王「俺の勝ちだ!」
最後はカツドゥーンで締めでしたwww
じゃなくて最初の傘のやり取りでした。これで借りができてしまったな...{/netabare}

これ2期確定っしょ!!無かったらおかしいし
巨人もいいけどこっちの方が本気で楽しかったわwww
今は漫画版のアラス・ラムス編を見ています

投稿 : 2024/06/01
♥ : 111

67.9 2 日常でコメディなアニメランキング2位
あんハピ♪(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (515)
2373人が棚に入れました
不幸を背負った生徒ばかりが集められた高校のクラス・天之御船学園1年7組を舞台に展開されるアンハッピーなスクールコメディ。悲恋のヒバリ、不運のはなこ、不健康のぼたんら不憫な生徒たちが、幸福になるため特殊な高校生活に奮闘する姿を描く。

声優・キャラクター
花守ゆみり、白石晴香、安野希世乃、山村響、吉岡茉祐、原由実、森永千才

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

日常系アニメから観る幸福心理学~「共同体感覚」形成に至るまでの物語~

2016年6月24日 記載
今回のレビューは少し専門的な話についての主張が目立つかと思います。
予めご了承ください……





突然ですが、今まで私はアニメを観て元気づけられるという考えには些か懐疑的な人間でした。
それは私自身が作品に対しての感受性が強すぎるきらいがあるというのが主な原因です。
観ている最中は現実逃避の作用も存分に含んでいるせいか、確かに楽しい面持ちでいつも観る事が出来ます。
しかし、それによって元気をもらえるかと言えばそれはまた別の話
キャラクターの言動から何か大切な考えを手に入れたり、観ている最中に楽しさを頂戴したりする事はあれど、「元気」という物を貰った作品には今まであまり出会った事がなかったかもしれません。
寧ろ、あまりにも面白かったり作中の世界観が美しかったりすると、逆に現実の方が嫌になる事の方が多いんですよね。
そんな時は自らの割り切って観る事が出来ない不器用さを恨んだ物
こういった苦悩を一身に背負っていたせいか、アニメによって元気づけられたという他者からの感想は実の所、話半分で聞いてた節も今までありました。
そんな救いようのない私ですが、しかし今回、そんな救いようのない私の持つ考えを少しばかり解き解してくれたアニメが出てきたのでかなり驚いています。
この2016年春アニメにおいて1回目の精神革命
このアニメを観た後では、そう口にしていた友人の想いも分かってしまうというまさに優れ物
「元気」という精神安定剤を処方してくれたこの作品には本当に日々の生活を助けられたと、今になって感じるのは多分、気のせいではないでしょう。
という訳で、今回はそんな、ある意味で私を救ってくれたアニメ『あんハピ♪』についてレビューしていきたいと思います。
長々と駄文を書いていきますが、心優しい方はどうかお付き合いください。




【あらすじ】
負の業=不幸を背負った人間というのは一定数存在するのがこの世界
上手くいかない事ばかり、何をやってもドジばかりの恵まれない人生を送る人々というのは数限りなく存在する物
そんな人々の中でも、不幸に関しては右に出る者はいないと豪語できるような生徒達が名門校であるここ、天之御船学園1年7組に集められました。
中でも異彩を放っているのはこの5人
花小泉杏…この世の全てに運が無い、動物好きのポジティブガール
雲雀ヶ丘瑠璃…対物性愛のパラフィリア、オジギビトに恋する花の女子高生
久米川牡丹…虚弱体質ここに極まれり、ネガティブ1人救命病棟
萩生響…方向音痴で1番を狙え! 負けず嫌いで目立ちたがり屋の騒がし乙女
江古田蓮…女性なのに「女難」の相? 面倒臭がりお気楽寝坊助天然素材
彼女らは担任である小平先生の提案で、「幸福」(しあわせ)になる為の高校生活を送っていきます。
果たして5人はこの学園で幸福の路に至れるのでしょうか…?




【第1部】
ではここからレビューに入っていきたいと思いますが、今回は少し変則的なやり方で記述していきたいと思います。
というのも今回のは前回までのよりも遥かに分量が多くなりそうだと言う事を察した為で、従来の書き方では見ている人も混乱するだろうと思ったからです。
なので、このレビューは第1部にこのアニメの内容について感じた事、考えた事、想った事を記した感想、考察を書き、第2部に全体の総括も含めた私個人がこのアニメ自体に対して感じた事を書くという、2部構成にしてみました。
「よく分からない変な奴の戯言なんていらねえよ」という人は前半だけ。
「考察とか日常アニメなのに馬鹿じゃねえ?」という人は後半だけでも充分でございます。
読んで下さるだけで、私としてはお礼して一軒一軒参りたい位に大変ありがたい。
初めての試みではありますが、何卒よろしくお願いします。

さて、アニメが始まる前の私にとって『あんハピ♪』という作品自体はまんがタイムきららのCMで見かけてた程度の認識だったのですが、いざ観てみるととても面白い。
「不幸属性」なんて言葉も随分と浸透した世の中になりましたが、その要素を日常系に織り交ぜた作品というのはよくありそうで実の所、あまり見かけないように感じます(まあ、その方面には聡くないので私が知らないだけかもしれませんが……)
そして何より、この作品が凄い所は決して「不幸」をストーリーにとってつけた適当な要素にはしていない所です(詳細は後述)
原作者の琴慈先生は新進気鋭の女性漫画家さんで、高校生の時分に月刊Gファンタジーからデビューしたそうですが、この作品を書くにあたって心理学でも勉強したのでしょうか?
専門書を参考にしたのか、それともたまたまなのかは分かりませんが、観ていると随所にこれは……と感じる部分がいくつも出てきて、本当にこれが日常系アニメかと驚いたのが記憶に新しいです。
その驚いた部分も含めて、ここからは私の感銘を受けていった所、「不幸」をストーリーに上手く組み込んでいると思えた所を紹介していきましょう。


(1)花小泉杏は間違いなくアドラー心理学(個人心理学)の体現者
私が『あんハピ♪』の中で最も衝撃を受けたのは、主人公であり生粋の癒しキャラでもある花小泉杏、通称ハナコの言動、行動の全てです。
この娘の凄さというのは1話を観ただけだとふーん、そうか……位の感覚にしかならないのですが、今作の凄い所は2話、3話と話数を追っていく内にハナコは凄いと自然に思わせてくれる所
私はこのアニメを観ていく内、彼女の生きていく力という物を日に日に感じていった次第です。
(1)ではそんな愛すべき主人公の魅力について存分に語っていきましょう。

時に、人間というのは思うようにいかない事や失敗、不運が積もっていく日々を過ごす内、自然と2つのグループに分かれる物だと私は常々考えていました。
①嫌な事が積もり積もっていく内に、無気力状態、不安が続き、下手したら鬱状態になる人々=ネガティブグループ
②逆境にめげず、一念発起、心機一転、頑張ろうと前向きに捉えられる人々=ポジティブグループ
ハナコの凄い所はこの2つのグループに属さない類稀なタイプだと言う事
観ている人からすれば「ポジティブグループ」に属するのではないか?と疑問に思う所かもしれません。
上記のあらすじでもハナコの事をポジティブガールと評したので、その疑問に思う感覚は正しいでしょう。
ただ、正確に言うとこの表現は少しだけ間違っているんです。
他に表現しようがなかったので妥協して「ポジティブ」という言葉を使いましたが、私が思うに、この娘は「ポジティブ」という概念を大きく飛び越えています。
なぜなら、ハナコにはそんな大層な頑張ろうという意志なんて持ち合わせてすらいないからです。
ポジティブな人というのは不運に陥った時、それを乗り越えて頑張ろうとする前向きなタイプの人間だというのは上記で書きました。
しかし、こういったタイプの人であっても不運に遭った事自体を肯定するというのはなかなか出来る事ではなく、だからこそ不運な場面を踏み台にして次こそは……とそれを反動力にして前に進んでいくのです。
そこに「頑張り」という努力が見え隠れしているのはお察しの通り
しかし、ハナコは少し違います。
彼女にとって毎日の不運はただ日々を楽しく彩る為の調味料であって、乗り越えるための踏み台ではないんです。
たとえ嫌な事があったとしても、毎日を面白く生きる事はハナコにとって努力する事でも一念発起する事でもない、全く苦にならない試練に過ぎず、そこには日常を楽しくするための努力や訓練や修行なんて入る訳もない。
客観的に見たら不運な生活を送っていると思われる彼女でも楽しく生きるという事は、実になんでもない事なのです。

しかし、ここで1つ疑問がわきます。
何故ハナコはいつも楽しそうなのでしょうか?
彼女のように自分の不運が日々の当たり前になるという事は一般人からしてみれば大変なストレスです。
「なんで自分だけこんな目に……」
「他の人は上手くやれてるのに……」
そう考えてしまうのも人間として致し方ない事
自らの不運を嘆くか、不運の道を歩んでいない他人に対して羨望、嫉妬の視線を向けてしまうのが人間としては当然の事です。
そんな気配を微塵も感じさせないハナコの生き方はどのようにして形成されたのだろう?
そんな事を考えながら観ていった中で、私は1つの答えに辿りつきました。
ハナコは「不運」に遭った事自体を「幸福」だと感じているのではなく、「不運」を受け入れた先にある彼女の解釈が結果、彼女を「幸福」にさせているのだと。

ここで挙げられるのが章の見出しで紹介したアドラー心理学
ジークムント=フロイト、カール=グスタフ=ユングと並ぶ心理学三大巨頭の1人にして、時代の先駆者アルフレッド=アドラー
この心理学はそんな彼が20世紀初頭に提唱し、欧米各国に高く評価されました。
さて、アドラー心理学の特徴として挙げられるのが、人間は誰しも同じ世界に生きておらず、自分で「意味づけ」した世界に生きているという考えです。
同じ経験でも、それ次第で世界に対しての感じ方は変わり、それに対しての行動も変わってくるという理論
「認知論」と端的に表されるそれは、客観的事実よりもその事実に対してどのような意味を与えるかが重要であって、受け取る人によって意味は如何様にも変化するという事です。
ハナコはこの「認知論」を上手く日常生活の中で使って、不運な出来事に良い意味付けを与える事で日々を幸せに生きていると私は解釈しました。
だからこそ、犬を救う為に川へ落ちて結果、手を噛まれたとしても犬が助かった事に幸せを感じるんです。
たとえ頑張って取り組んだ宿題が出来なくてもみんなで一緒に遊べたからよかったと胸を張って豪語できるんです。
そして特に驚いたのが、6話でヒバリの家庭事情について彼女が考えていたのとはまた違った別の意味を教えてあげた事
ハナコがヒバリの考えを180度変えてしまうコペルニクス的転回を行った、いわゆる「認知論」の発展形を行ったシーン
未視聴組の方も見ているかもしれないので詳しくは書きませんが、さらっと交わされたあの会話に私は彼女の凄さが隠れていると感じました。
ここまでの考えを総括するなら花小泉杏は「不運」ではあっても「不幸」ではない。
だからこそ、このアニメの名前は『あんハピ♪』
UNHAPPYでもANNE HAPPYの語呂合わせが成り立つのでしょう。

そのような生き方をしているハナコの考えを基にこのアニメのPVを振り返ってみると……
最後で彼女が口にする「私はすっごくついてるよ!!」という言葉
とても力強い台詞なんですよね。
自らの辿ってきた道を全肯定しているハナコだからこそ言える発言
花小泉杏という1人の少女の性格を端的に象徴した、とても想いの入った口上とも言えるでしょう。
もし未視聴組の皆さんがこのレビューを見ているのなら予め忠告しておきます。
このハナコの発言をしっかりとよく覚えていてください。
私のつたない文では何とも彼女の凄さというのは分かりにくいかもしれませんが、明文化できなくとも観ていく内にきっと、分かってくるかと思います。
どんな想いで、この言葉を声に出していたのか……
どのような信念でもって、彼女が日々を生きているのか……
それを想像した結果、この花小泉杏という女の子は私にとって最も魅力的なキャラになりました。
分かっていてもなかなかできる事じゃないその生き方を私はこれからも尊敬していきたいと思います。


(2)雲雀ヶ丘瑠璃は「現実的」人物の代表
(1)で紹介したハナコと対極的な人物だと私が考えているのが、工事現場の看板、オジギビトに恋する雲雀ヶ丘瑠璃その人です。
ハナコといつも一緒にいる仲良しの女の子
よくキャラクター同士の会話中で対比されることが多いこの2人ですが、私にはそれすらももしかして作者的に意味があった事なのかもしれないと深読みしてしまいます。
(2)ではそんな苦労人の彼女である雲雀ヶ丘瑠璃、通称ヒバリについて書いていきましょう。

ハナコがあのような性格で人生を渡ってきたのだとしたら、1番不幸と言える境遇を歩んできたのはヒバリだと考えるのが妥当かもしれません。
ふと思い返して観てみると、このアニメは第1話時点でこの娘の歩んできた境遇というのを私達が自然と察せる作りになっています。
特異体質故の他の人とは違うという苦悩
自分が人間としてどこか欠陥を抱えているんじゃないかという不安
最初の頃はそれらが凝縮したような性格だったと、今にして思えば懐かしく感じてしまいます。
そう、彼女が歩んできた過去を踏まえてみると、この『あんハピ♪』という作品は決して「世界」その物が優しいという訳ではないのです。
個人的に思う、他の日常系アニメとこのアニメが根本的に違う箇所は、世界が圧倒的なまでに「現実的」な所
途中の話で起こったりする笑えないハプニングもそれを暗に示していると言えるでしょう。
物事は楽しい事ばかりじゃない。
外の世界には苦しい事や辛い事、怖い事も無数に存在している。
アニメ自体は敢えて意図的にぼかしている部分も多いので、私達が気に病んだり深く考えたりする事などはあまり多くありません。
しかしもし「圧倒的なまでの現実」という面において、私達の世界と『あんハピ♪』の世界がそんなに違わないと言えるのだとしたら……
もしかすると、そういった道のりを真っ正直に歩んできた雲雀ヶ丘瑠璃という少女は視聴者側にとっては最も近い存在と言えるのかもしれません。
しかし、前述しましたが、このアニメはそんな「圧倒的なまでの現実」を示すにふさわしいであろう、ヒバリの過去についてはあまり事細かに描いていない。
あくまでさらっと描写の中に入れるだけ。
どんな出来事が中学時代前の彼女に起こっていたのか?
どのような心無い言葉を浴びせられたのか?
どのようにして彼女は今までの日々を生きてきたのか?
それはあくまで、私達の想像でしか補えないのです。

では何故、そういった描写をあまり直接的に描かないのか?
「幸福」へ至るのが最終目的ならば、「不幸」とは一体どういう物か作中外で痛いほど学んできたヒバリの苦難をはっきり、詳細に見せる事によって、そんな彼女の「成長」という物を描く事も出来たはず。
これはもしかすると、漫画やアニメ制作側の大人の事情が絡んだ結果なのかもしれないので、私の答えが的外れな可能性も無きにしも非ず……と言うかその可能性の方が高いんですが(笑)
私は敢えて別の答えを作中で見出してみる事にしました。
それはヒバリの過去という物自体が既に終わった産物である事を琴慈先生は主張したいのではないかという事
端的に言えば、過去は過去、今は今という所です。
寧ろ、この作品は「今」の描写をしっかりと描く事によって、「過去」に対する彼女の考えを変えるのが狙いなのではないでしょうか?

ここでまた出てくるのがアドラー心理学
著者のアルフレッド=アドラーはひたすら、自身の著書の中で「意味づけ」によって未来は変える事が出来ると主張してきましたが、逆にそれによって過去すらも変える事は可能だと説いていました。
なぜなら、過去も所詮「意味づけ」によって成された記憶が形作った幻想であり、それを思いだす人の「今」が変わる事で昔に対する感情は変化していくとアドラーは考えたからです。
この考えを踏まえると、雲雀ヶ丘瑠璃という不幸な少女をずっと苦しめてきた嫌な過去に折り合いをつける、もしくは別の解釈を与える為に、現在の生活を豊かな物にする事
それによって、彼女が過去に対して抱く想いもまた違った物になるだろうという解釈に落ち着くのです。
これこそ彼女が「幸福」に生きる事が出来るようになる上で最も重要な事
そして、それを成し遂げる為の序章が形成されたのが中盤で行ったお泊り会なのだと私は思います。

その回でハナコとボタンが行った現時点のヒバリに対する肯定
それは単なる慰めによる元気だけでなく、彼女に新たな想いをもたらしたと言えるでしょう。
無理しなくても良いという感情、ここにいても良いという安心、そして現在こそが「幸福」だと言う確信
彼女はこの時、確かに自分の生活を「幸福」だと感じる事が出来たのです。
勿論、これで昔の情景に対する「意味づけ」が変わった訳ではありません。
その収束に至るまでには恐らく、かなりの長い過程が必要となるのは確実
しかし、この先もし、その結果に至る為のきっかけとなった最初の場面を挙げるとするならば、私はここだと思います。
ヒバリは学園に入り、2人の親友が出来て良かったという「幸福」を改めて実感したのかもしれません。
逆に言えば彼女達がいなければ、ヒバリは永久に過去の牢獄に捉われたまま現在を生きていた事でしょう。
これもそれまでのハナコが人知れず与えてきた影響その物がヒバリの中で実を結んだ結果なのか?
解釈次第ではそのように捉える事も出来るかも……?
ただ1つ断言できるのは、このヒバリという少女こそ、他者との関わりの中で最も著しい変化をもたらしてくれる存在と言える事でしょう。
彼女がこの作品の中で歩んでいく精神的成長がとても楽しみです。

主要キャラ5人の中で恐らく最も繊細で、だからこそ、最も苦しい思いをしてきたヒバリ
彼女が真の意味で「幸福」になったその時こそ、『あんハピ♪』という作品は終了の時を迎えるのかもしれません。


(3)鷺宮先生は公正世界信念信奉者
さて、今までアドラー心理学に言及して『あんハピ♪』のキャラを紐解いてみましたが、この作品にそれ以外の心理学的要素を見つけたのは物語も後半の9話に入ってからの事
その回では鷺宮先生という勉学クラスを受け持つ先生が出てきます。
彼女の考えこそ、ズバリ「公正世界仮説」という社会心理学の用語を踏襲した物です。
詳しくはWikipediaでも参照してほしい所ですが、簡単に書くと。
努力した者には報酬が与えられなければならない。
悪事を働いた者は罰せられなければならない。
上記が如く、報われなければいけないという考えに基づいた仮説の事です。
この世はそんな公正な結果が返ってくる「公正世界」であり、そうでなければならないと言うような考えを「公正世界信念」と言います。
よく日本でも「因果応報」「自業自得」「身から出た錆」などといった四字熟語・諺がありますが、これらは全てその信念を支持した物
昔からそのような教えを受けてきた影響か、日本人は特にこの考えを尊重する傾向があると言われています。
さて、そんな当たり前の事のような考えを上手く1つの単語で示したこの仮説ですが、この信仰と呼べるまでの思考は行き過ぎると少し危険な物を孕んでもいるのです。
それは断定的にしか物事を考えられなくなる所
例えば、勉強の成果が発揮されるテストに日頃から真面目に取り組んできた人があまり良い点を取れず報われなかったとします。
人間には緊張も含めたその日のモチベーション等の不確定的要素がいくらでもある為、テストの結果など、どのようにも結果が変わってくる物
少しでも柔軟な思考を持つ人なら、その可能性には易々と行き当たるでしょう。
しかし、公正世界信念に支配された人は「頑張りの努力が足りなかっただけ」「体調管理の努力を怠っただけ」と不確定的要素を簡単に一蹴して、その理由を1つだと断定する事しかしません。
様々な可能性が蠢き合う世界で物事を多極化して考える事が、自分では気付かなくとも、この信念を熱狂的に信仰している人には出来なくなるのです。
また、貧困や差別で何の罪もない人が苦しんでいる場合、この信念を正当化する理由として「その人達には実は苦しむだけの理由があるのだ」と考えます。
本当に何の理由もない人が独裁によって苦しんでいるのではないかという可能性を全面的に遮断するのです。
自分の信念を肯定する、その為だけに……
その他にも、犯罪を犯して捕まった人を「お前は罰せられなければならない」と徹底的に糾弾します。
勿論、犯罪を犯した場合、刑によって罰せられるのは必定であり、当然の事
しかし、そこに至った背景や動機を踏まえた上での柔軟な考えをする事が出来なくなるのがこの考えの欠点でもあるのです。
最近だとネット上で徹底的に糾弾してその人が犯した罪以上の罰を簡単に与えてしまう、行き過ぎた公正世界信念信奉者が数多くいるように思います。
頭の固い人と言うのは意外にこのような志向を持っている人が多い傾向にあるようです。
テストの場合だけならまだいいでしょう。
しかし、他の場合のように困難な問題に対して答えを1つにぶつけてしまうのは、視野を狭めてしまい、間違った物に辿りつく可能性も否めません。
「公正世界信念」によって様々な可能性を考慮し、理性的に、尚且つ柔軟に発想する事が出来なくなる事
これこそがこの考えにおいて最も危険な部分と言えるかもしれません。

話を戻しましょう。
このアニメに出てくる鷺宮先生は自分では自覚していなくとも、行き過ぎ一歩手前の公正世界信念信奉者と言えます。
なぜなら1年7組を
「不幸という注意力不足に甘んじて努力していない、何のとりえもないクラス」
と勝手に結論付け、彼らを他のクラスと比較して下に見ているからです。
確かに勉学クラスや体育クラスと比較してみると、幸福クラスが何故あるのか?という疑問に至るのはある意味、当然の事
このアニメを観ただけでは、視聴者の思いを代弁してくれているようなキャラと勘違いしてしまうのも致し方ないと言えましょう。
しかし、よくよく考えてみると、彼女がここまで幸福クラスを敵視する理由は実の所、アニメだけではあまりはっきりしないのです。
疑問が頭に留まり続けた私はとりあえず原作を買って読んでみる事にしました。
成程、読むととても納得です。
簡単に説明しますと、まず、アニメであまり語られていない設定として幸福クラスと他クラスの関係が挙げられます。
ぶっちゃけて言うと、この学園において幸福クラスは他クラスから酷く見下されているのです(地味に重要)
勉学もスポーツも何一つとりえのない、しかも不運なんていらない属性付きの負け組クラスというレッテルを貼られ続け、辛酸を嘗める思いでいた幸福クラス
しかし、ある時期から彼女達の大躍進が始まったのです。
「遊んでいるだけ」の(ように見える)幸福クラスの生徒が、大学の指定推薦選抜枠を「努力」しているはずの通常クラスから奪ったという事実
2年の秋以降になると、何故か幸福クラスから勉学・体育クラスを差し置いて学年トップクラスの生徒が何人も現れだしたという結果
このような実態を数多く見るのは客観的に考えると誰でしょうか……?
そう、それはまさしく教師
尚且つ勉学クラスの担任である鷺宮先生はこのような不合理の事態に多く直面してきたと言えるかもしれません。
要するに、この先生は幸福クラスの生徒の方が他クラスより優れているという事実を否定する為、現在の生徒に試練をぶつけて自らの考えを正当化しようとしているのです。
努力は叶わなければいけないと豪語する彼女だからこそ、結果は出てるが努力していない(ように見える)幸福クラスを否定しようと勝手に下に見て、あわよくばそれ自体を無くそうとしたという事でしょう。
これも努力は絶対に報われなければいけないという自身の「公正世界信念」が彼女をそうさせていたのかもしれません。

成果を認めたくないが為、また勉学・体育クラスの努力を無駄にさせたくないが為、幸福クラスに否定的だった彼女
好きな方には大変申し訳ないのですが、正直言って、教師としてはちょっと酷いと思ってしまいました。
しかし、この作品は『あんハピ♪』
それだけでは終わらない事は自明の理と言えるでしょう。
そんな頭の固い考えを持った先生が作中でどのように帰結していくのか?
それは是非、ご自身の目で確かめてみて下さい。


(4)この物語の真の目的とは……?
よく日常系アニメとはどのような作品を指すのかと言う疑問に対して、必ずと言っていい程、返される答えがあります。
日常系アニメとは「日常」という一般的シチュエーションの中に価値を見出して評価する類の作品を指し、つまらなくも愛おしい日々を考え直す為のアニメである。
そういった定義が電脳世界ではもはや常識となっているでしょう。
私もその考えに対しては概ね納得なのですが、しかし、この定義を踏まえた上で、前から疑問に思っていた事があります。
それは「日常系アニメ」の定義については分かったけれども、こういった作品のそれぞれにテーマと言うのはないのかという疑問
いや、勿論、把握しています。
こういった作品を求める人は決してそのような「テーマ」だとか「伝えたい事」だとかは考えていないという事も、寧ろあると邪魔に感じる人が大勢いるという事も十分わかっています。
しかし、こういった作品に疎い私は前から気になって気になってしょうがありませんでした。
日常系アニメに対する基準は全て満たしている物ばかりの昨今
レベルは日に日に高くなってくる物で、こういったジャンルに詳しくない私でも観れる作品が最近はとても増えてきたように感じます。
ただ、既存の作品は上記の定義に乗っ取って作られた物は数多くあれど、それを満たしておけば満足だろ感のアニメも個人的には少しあるように感じてしまいました。
勿論、それが悪いと言う訳ではありません。
寧ろ、需要層からしたらそっちの方が安心、安定した気楽に観れる最高のバランスと言えるでしょう。
ただ、私はこういった流れの中、思うのです。
「日常系アニメ」の定義と作品に込められているテーマ
この2つの歯車が上手く絡み合い、良い塩梅で両立した作品が誕生した時こそ、新しいタイプ、新次元の「日常系アニメ」と呼べる物が誕生するのではないか……?
この私の我儘な要望に『あんハピ♪』はきちんと応えてくれました。
もしかすると、私がこの『あんハピ♪』というアニメを受け入れられたのは日常系アニメにあまりない「テーマ性」という物を結構、重視していたからなのかもしれません。
そこで、最後の(4)ではこのアニメの目的、テーマについて書いていこうと思います。
ここまで読んで下さって誠にありがとうございました。
後、もう少しだけお付き合いくださいますよう、お願いします。

『あんハピ♪』と言うアニメが真に伝えたい事は何か?
『あんハピ♪』のテーマは「幸福」についてです。
観た人の誰もが「幸福」について、「幸福」とは何なのかという事だと答えられるでしょう。
しかし、これを論証していくのにはとても頭を抱えました。
なぜなら、ただこれだけだとあまりにも論理づけて考えるには抽象的だからです。
テーマ自体は単純明快なのですが、それについての詳しい証明はとても困難な代物
「幸福とは何か?」という疑問は人類が古代から普遍に抱いてきた哲学であり、だからこそ、そこに至るまでの答えがいくつも存在する産物
簡単だからこそ難しい。
多くの答えがあるからこそ、いくつもの考えに直結する。
誰の考えを参考にしたか、それとも自己流の哲学か、考えるだけでも一苦労
それが「幸福」という抽象的な単語なのです。
しかし、最終話まで観終えて、琴慈先生の伝えたい事がようやく少し分かってきたような気がします。
ここに出てくるのはタイトルで述べているのでお判りの方もいるかもしれません。
彼の心理学には今までの証明でも大分助けられました。
そう、アドラー心理学の最終目標「共同体感覚」こそ、原作者の琴慈先生が考えている「幸福」なのだと私は提唱します。

「共同体感覚」についてアルフレッド=アドラーは自著の中でこのように書いています。
-----------------------------------------
われわれのまわりには他者がいる。
そしてわれわれは他者と結びついて生きている。
人間は、個人としては弱く限界があるので、一人では自分の目標を達成することはできない。
もしも一人で生き、問題に一人で対処しようとすれば、滅びてしまうだろう。
自分自身の生を続けることもできないし、人類の生も続けることはできないだろう。
そこで、人は、弱さ、欠点、限界のために、いつも他者と結びついているのである。
自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献するのは共同体感覚である。

『人生の意味の心理学』第1章 人生の意味「人生の3つの課題」より
-----------------------------------------
他者を仲間として認める事で、人はその大切な人達に貢献する事ができ、その貢献感を持つ事によって、自分に価値があると自己肯定できるようになり、こうして新しい感覚が誕生する。
それこそが「共同体感覚」といった人間の新しい発想です。

彼は自らが提唱した新感覚において重要なのはこの3つだと述べています。
①「自己受容」……ありのままに自分を受け入れる事
「私」という存在は替えがきかない物であると理解し、自分に価値があると判断する、実は非常に難しい事
自分を受け入れる為には「自分は特別に良くなくても、悪くなくてもいい」と考える事が重要です。
「普通である事の勇気」こそ、自己受容には不可欠と言えるでしょう。

【『あんハピ♪』の場合】
これで真っ先に思い出したのが「自分が嫌になる」と口にしたりしたヒバリの事です。
彼女はどちらかというとネガティブグループ寄りの人間
失敗したり、嫌な事を思い出したりせずとも自分という存在に疑問を抱いてしまう自信の無い娘です。
詳しくは(2)でほとんど書きましたが、9話はそんな彼女が少し自分を認める事の出来たきっかけの回と言えるでしょう。

②「他者貢献」……自分が役立たずでなく、役に立てている、貢献していると感じる事
自らの行動が他者や共同体に影響を及ぼし、それが有益である事に限り、自分は自分を認められる
①につながるこの行為は実に様々な意味合いを含んでいると言えるでしょう。
極論を言うなら、「生きている事」自体が既に誰かに貢献しているという結果にもつながります。
例えば赤ちゃん、例えば恋人、好きな人、そして親友というのもまた然り

【『あんハピ♪』の場合】
この『あんハピ♪』というアニメに「助ける」「頼る」という単語が会話の節々からよく登場していた事に皆さん、気付いていたでしょうか?
「もっと頼ってください」「助かったよ」といった言葉を自然に吐く彼女達
いつもはヒバリがハナコやボタンをサポートし、ヒバリが失敗した時は日頃助けられている2人が彼女を支える。
話数が進んでいくにつれてヒビキとレンも織り交ざり、助け助けられの関係は5人の輪の中で着々と広がってきていたのが確認出来ました。
また、ハナコに関しては7話の時点で場の雰囲気を構成するのに必要不可欠だった(貢献している)事が把握出来ます。
この他者を助けあう事で成り立つ段階は作中で既に実証されていると言えるでしょう。

③「他者信頼」……他者を仲間と信頼出来る事
「信用」ではなく「信頼」です。
条件付きで信じるのではなく、無条件で人を信じる究極的利他行為

【『あんハピ♪』の場合】
もう、これについては『あんハピ♪』全12話を観ていくしかありません。
これに関しては徐々に徐々に分かっていくと思います。
何気ない学園生活で自然と築かれていく5人の関係に着目して下さい。

さて、この3つの考えこそ「共同体感覚」形成の第一歩となるのに重要な事
主要メンバーの5人含む幸福クラスの生徒達は学園に所属している過程で自然とこれらを学んでいきます。
そして、これこそが「幸福」に至る最善の路と成り得ると私は考えました。

実は元々、アドラー自身も多くの子供に上記のような考えを宿らせる教育改革こそが世界を平和的に変革する有効な手段だと考えていた節があります。
彼は児童相談所を設立し、教師には生徒の対応について助言し、子供と親のカウンセリングを行いと様々な教育活動に奔走する日々を送ってきたそうです。
彼自身は「共同体感覚」に包まれた世界は幸福になると生前、ずっと信じ続けていました。
しかし、結果は2度の世界大戦の勃発
彼の考えが世界中に浸透したのもごく最近の事(日本においてはついこの間まで全く存在を知られてすらいませんでした)
彼の理論で戦争が回避される事は生きている内には果たされる事なく終わってしまったのです。

しかし、そう考えると、アドラーの遺志は現在ではどのような形で継承されていくのでしょうか?
現実の世界を何とかしようと今でも動いている人がいるでしょう。
努力して変えようとして挫折し、諦めてしまった人もいるでしょう。
自分自身だけでも変革しようと取り組んだ人もいるかもしれません。
だとしたら、仮初の世界でだけでも形にして継承しようとした人がいても……
不思議ではないですよね?
琴慈先生はアドラーの無謀とも夢物語とも言える遺志を継いだ世界を作りたかったのか?
そうだとするともしかしたら、天之御船学園はアドラーの考えていた理想郷形成の重要拠点と言えるのかもしれません。
遊びに見える授業は見ず知らずの他人→仲間意識を持った友達→共同体感覚を共有した運命共同体に至る為の通過儀礼に過ぎない。
空想のような、楽園のような学園生活にこそ、真の「より良く生きる」知恵が隠されている。
最終話まで観て私が至った結論です。

とまあ、ここまで専門用語を用いて難しく語ってきましたが、単純に考えるなら、大切な事はたった1つだけ
皆から遅れても、遠くで自分を待ってくれる友達がいる幸福
これほど幸せな事が、一体どこにあると言えるのか?
この作品が伝えたいのは、恐らくこれが全てです。



【第2部】
最後に個人的にだらだらと全体の総括を書いて、このレビューを締めたいと思います。
今回本作の良さに気付いたのは、タイミングが良かった。
その一点に尽きる話でしょう。
恐らく、「毎日が楽しい」「日々が幸せ」と胸を張って言える人、また言わなくても内心でそう感じている人はこの作品を観て「面白い」と感じる事はあれど、私みたいに感銘を受ける事はないかもしれません。
逆に最近、精神的に参ってる人、鬱屈した思いをずっと抱えている人は思わぬ所で衝撃と言いますか、何か残る物を全12話の中から間違いなくもらえます。
そんな私自身も正直に言って、1話を最初に観た時はブラックコメディというか、シュールギャグ要素しか感じられませんでした。
結構ギャグセンスが自分に合っていたのか、個人的にはその時点でも十分面白い作品だったので、とりあえず視聴継続という形で録り貯めていたのです。
転機が訪れたのは5月に入ってからの事
現実世界で今まで考えないようにしていた事を考えなければいけなくなり、個人的不運が重なり、課題に追われるようになり、人間関係に疲れたりと多忙な日々を過ごす内に、意識が朦朧としてきてしまいました。
後で調べてみると、精神状態があまりよろしくないという結果が待ち構えており、また、他人と付き合うのがちょっときつくなってきた私は少しばかり家でひきこもりの生活を送ったのです。
限界を感じたその時の私は期間中、アニメを利用して憂さ晴らしならぬ現実逃避に勤しんでいました。
そんなダメ人間として毎日を過ごしている内に、更に気分が憂鬱になって……
精神的に脆弱な自分
気分転換として外でリフレッシュしようと思っても、そもそも外出する事すら億劫で、怖くて、嫌で、困難な状況でした。
そしてまたそんな自分が嫌になり、また気分が憂鬱になるという負のスパイラル、逃れられない始末
いや、あの時は本当に辛かったです。
私の駄文であまり苦しさが伝わらないのが幸いといった所です。

話を戻しましょう。
そんな時、たまたま観ていたのが忙しくてすっかりご無沙汰状態だった『あんハピ♪』の3話~7話でした。
ぼんやりと観て、時折笑って、またぼやっと観ている内にEDが流れていく。
そのような緩やかで安らぎに満ちた時間の流れに身を任せていると、とても心地よくて温かくて。
眺めていると、あっという間に過ぎていく日々に私は酔いしれていたんです。
賑やかで忙しないけどもどこか温かいOP
作中で時折こちらをハッとさせるようなキャラの言葉と行動
そして、切なくて、だけどとても優しい曲調のED
自然と涙が出てきました。
何回も何回もその4話分だけ視聴しました。
その度に涙が溢れて止まりませんでした。
何故急に涙が出てきたのか……?
細かい理由は、今一つ断定ができず、考えても未だに分からないままなのですが、こういうのは理屈じゃないのかもしれません。
感動アニメで大げさに笑いたくなったり、ギャグアニメで大っぴらに泣きたくなる時もあるんです!!
人間の性格は曖昧な代物であると改めて痛感させられた一時でした。

まあ、そんなこんなでこの『あんハピ♪』という作品には大分助けられました。
正直言って、あまりこういった萌え日常系アニメを観ない自分が1番驚いています。
まさか原作を買うまでに嵌るとは思わず、しかも漫画と比較するとアニメが殆どオリジナルでまたまた驚きました。
原作を生かしつつ、魅力を更に引き出した展開を生み出したスタッフの方々には敬意を表したい位です。
恐らく、このアニメが観れた理由の1つとして、スタッフの頑張りも確かにあるのだと思います。
私の苦手な百合要素という物がギャグやその他の演出で見事に上手く軽減されていたというのは地味に大きいです。
その点においても安心して観れた数少ないアニメなので、百合が嫌いだからちょっと……と言う方でも恐らく大丈夫な作品だと思います(あくまで個人的主観)

さて、大分長々と語ってきましたが、これにてレビューを終了したいと思います。
ただ、最後に1つだけここまで丁寧に読んでもらいました心優しき皆さんに細やかなご忠告を。
今回の私の考察は決して鵜呑みにしないようにお願いいたします。
何分、浅学非才な身の上、間違えて使っている箇所もあるかもしれないというのは勿論なのですが、まだ観ていない人達にとっては面白さの幅を狭めてしまう事になりかねないからです。
私のレビューで辺に斜に構えて観てしまい、アニメ本来の楽しさを損なわせてしまうのは書いたこちらとしても大変申し訳ない。
「考察」の部分を長々と書いてしまった時点で私の主張には説得力の欠片もありませんが(笑)

ただ、この『あんハピ♪』というアニメは本当に「優しい」んです。
「圧倒的なまでの現実」という優しくない世界の中に成り立っている本作でありますが、それは作中外での事
天之御船学園という「秘密の花園」で展開された世界は面白く、楽しく、そして少しばかり愛おしく感じます。
この自らの心に芽生えた感情をまとめて「優しい」という一つの言葉で表現する事が出来る。
そんな風な事をこのアニメを観ながら私は感じました。
また、今作は作中要素だけでなく、私達に対しても同じく「優しい」と言う事が出来ます。
なぜなら、このアニメは作品自体が視聴者に対してどんな風に観てもいいんだよ……と感じ方の範囲を広くしているからです。
「このキャラクター達、みんなおかしいな」と笑い転げても良し
「〇〇ちゃん、ホント可愛い」と人知れず萌えても良し
「なるほど、そういう事か」とキャラクター達の台詞に感銘を受けても良し
これらの反応は全て、このアニメによって私達が楽しませてもらってる事の証明であり、私達に頑張ろうと思わせるだけの活力も与えてくれます。
しかし、今回ので見方が固定化してしまったら本当にもったいない!!
そういう訳で、私の個人的戯言に捉われることなく、ごゆるりとアニメをお楽しみくださいますよう、お願い致します。
では上手くまとまった所でレビューもそろそろ終える事にしましょう。
ここまで長い駄文に付き合って下さり、誠にありがとうございました。
皆さんこれからもどうか、素晴らしき日々をお過ごしください。


楽しかった 時間だけ憶えておけばね
まだまだ面白くなるよ
毎日が 一緒なら まるでカレイドスコープ
回しちゃって 世界はキレイなんだってば そうでしょ?
思い出も未来もまぜて
私たちきっとなんとかなるよね…って思ったの!
『あんハピ♪』EDテーマ「明日でいいから」より抜粋


下記に書いたのは、まんがタイムきらら編集部さんがTwitterに載せていた呟きの数々
中々に良い事が書いてあるので、興味のある方はどうぞ。

1話
たとえば、列で割り込みをされたときの宝くじが当選
一見ツイてなく思える出来事が、実は幸福の種だったりする。
幸せを呼び寄せる秘訣はきっと、ポジティブなその笑顔

2話
どうなれたら幸せだと言えるでしょうか?
幸せのゴールはどこでしょうか?
たぶん、その答えは一生出ない。
けれどその時その瞬間に笑顔でいられたなら、それはきっと幸せの証

3話
新たな環境に新たな人々
新生活が始まって、右も左もわからない中で戸惑っている方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、どんなコトも楽しんだ者勝ち
いつでもその気持ちを忘れずに。

4話
人のやさしさを目にすると、自分までやさしい気持ちになる。
あたたかく、幸せな気持ちに
もしかしたら知らないうちに、あなたも誰かを幸せにしているのかもしれません。

5話
実家を出ると、親と過ごせる時間はあと何日分だろうかと考えてしまう。
ひとつの楽しいことが終わると、こんなに幸せな気持ちには人生であと何回なれるだろうかと考えてしまう。
ひとつひとつの出来事を、どうか大切に。

6話
楽しいことやうれしい気持ちは、わかち合うと大きくなる。
大変なことやかなしい気持ちは、わかち合うと軽くなる。
級友でも同僚でもネット上の誰かだとしても、わかち合える仲間がいるのなら、それはとても幸せなこと

7話
身体が弱ると心も弱る。
心が弱ると何をやってもダメに思えてくる。
けれど、そんなときだからこそ気づけるものだってある。
友達のありがたみ、家族のやさしさ、そして何でもない日常のいとおしさ

8話
昨日の事はもう変えられなくて、今日という日は今日しかなくて、明日の事は誰にもわからない。
けれど良い事も悪い事も、何が起こるかわからないからこそ、毎日には頑張る価値がある。
あなたの頑張りは、無駄じゃない。

9話
誰にだって失敗はある。
大事なのはそれをどう乗り越えるか。
……なんてありがちな言葉よりも、落ち込む気持ちを笑顔で吹き飛ばしてくれる友達さえいれば、心はスッと軽くなる。
大丈夫、失敗したって、いいんだよ。

10話
小学生の頃、無限に思えた40日間
海にプールにアイスに虫取り、盆踊りに花火に肝試し
お酒なんか飲まなくても自然と気分は高揚して、やり尽せない沢山の楽しいことに無邪気にはしゃいだ日々
そう、それが夏休み!

11話
どれだけ楽しい時間にも、必ず終わりはやってくる。
逃れられないその時に悔いを残すことだけはないように、一分一秒を大切に、今はただ一緒に笑っていよう。
だって、楽しかった思い出は、ずっとずっと残り続けるから。

12話
何かの終わりに寂しさがこみ上げてきたなら、それはその何かがかけがえのないものだった証
だから寂しさに後ろを振り返らず、前だけを見つめていこう。
まぶたを閉じればすぐに浮かぶ、いつだって幸せそうなその笑顔と。

TVアニメ『あんハピ♪』ご視聴ありがとうございました!
OPの歌詞の「幸せはどこにあるのだろう?」という問いかけの答えはまだわかりませんが、それは案外どこにでもあるのかもしれません。
見つけよう、という気持ちさえあれば。
皆さんの毎日が、これからもどうか幸せなものでありますように。

13話(嘘予告)
積み重ねた思い出のひとつひとつが、今のあなたに宿ってる。
昨日までの自分があるから、今日の自分がある。
胸を張って、明日へ。
TVアニメ『あんハピ♪』第13……え!? もうないのかーーーー!!!!
コミックス1~6巻、Blu-ray&DVD1巻、どちらもよろしくお願いいたします!

まんがタイムきらら編集部Twitterより引用


【参考文献】
アドラー『人生の意味の心理学』2016年2月100分de名著,NHK出版,2016年.


PS.
実は他にも久米川牡丹の性格は劣等コンプレックスの名残かもしれない…や萩生響は優越コンプレックスを抱えている…など色々考えが膨らみましたが、証明出来なさそうなので断念してしまいました(江古田蓮だけ見つからず…)
またこれも余談ですが、当初はアドラー心理学でなく某哲学者の理論を取り上げようとしていたので、今回のレビューは随所にその痕跡が見られる文章となっております。
興味のある方は調査、考察してみても良いかも!!



2016年9月24日 再追記
本来ならこの欄で書くべき事ではない気がするのですが、自分の思い出し用として、此処に記載しておきたいと思います。
今日、私は人生初のアニメイベントなる物に足を運んできました。
この項目に書いてある時点で既にお分かりの通り、それは『あんハピ♪』のトーク&ライブイベント『Clover Fes.』です。
しかし、実を言うと、会場に赴く前は応募した事を私自身、後悔していました。
それは私の好き嫌いに依る、言わば個人的感性から生じた物
こちらとしてはそのせいで楽しめなくなる事が何より嫌だったのです。
しかし、その心配も全くの杞憂であった事が終わった今となっては、はっきりと断言できます。

不安な気持ちや悲しい想いを全て溶かしてくれたこのイベント、控えめに言って最高でした(何分、初めてなので比較の仕様がないのはご容赦を)
プリキュ○ネタのアドリブを全員が入れまくって、最終的にはプリ○ュア声優でヒビキ役の山村さんが悪乗りする変身魔法少女モノ朗読劇
相手チームの妨害工作をしたり、泣きの一回で土下寝をしたりと、互いに勝利に執着して争いつつも、決して悪い印象はなく、最後には笑って終わった球技大会ゲーム
私がこの『Clover Fes.』で1番よく分かったのは、こういったキャスト陣全員の「仲の良さ」その物でした。
こういった関係は話数を重ねていくにつれて、強くなっていったと語ったのはハナコ役の花守さん
その「想い」がそれを伝えた彼女自身の誕生祝いに繋がっていったと思うと、こちらとしてはとても温かい物を感じます。

そして、最後の挨拶
キャストのほぼ全員が涙を流しながら、オーディションを受けた時の話や『あんハピ♪』に対しての想いを語っていたのが至極、印象的でした。
花守さんが「ハナコはいつも泣いたり弱音を吐いたりしないから、あんハピの現場ではいつも明るくいようとしたんですけど……花守はやっぱり、花守でした……」と涙交じりに語っていた事
チモシー役の森永さんが息を詰まらせながら「私、チモシーと言う役が初めてこの声で加われたキャラクターでした。受かった時は凄く嬉しかったんです。受かる前はこの地声のせいで、色々アンハッピーな事にあったりしたんですけど……でも、それでこうしてあんハピに関わる事が出来て……私、この声で良かったです……本当にあんハピは最高の作品です!!」とボロボロ想いの丈をぶちまけた事
山村さんが「自分が1番年長者だから、しっかりしないとっていう想いがプレッシャーになっていて……でも、結局、年長者らしく振舞えなくて……でも、あんハピのみんなはそんな自分も優しく迎え入れてくれました。ヒビキは方向音痴だけど、方向音痴でも幸せの方向へ向かってます。だから幸せの方向に関しては方向音痴じゃないんです……」と言葉を詰まらせながら綴った事
他のメンバーも自分が泣きつつも、話していた人の為にタオルを持ってきて、細やかな心遣いを行っていた姿
全てが心の奥底に重く圧し掛かってきました。

振り返ってみると、この『あんハピ♪』と言う作品は、成るようにして成ったと改めて感じます。
キャストそれぞれの方達が作品の良さを十分に理解し、愛していた事
スタッフがその良質さを真正面から受け止めて、更に良い物にしようと邁進していた事
そして、それに伴って教えられる大切さを肌身に痛感し、「優しい」雰囲気に色付けされる制作側
『Clover Fes.』はそれらがはっきりとこちら側にも伝わってきた……
作品と同様、とても「優しい」イベントでした。
こういった相互関係を感じられて、私はこの『あんハピ♪』と言う作品をもっと好きになれたと心から思います。

関わってくれた全ての方達にお礼を言いたいです。
ありがとう『あんハピ♪』
そしてこれからもよろしく『あんハピ♪』


2017年4月7日 再々追記
放送開始から今日で1周年
あれから少しばかり時間が経過した現在でも、活動が続いていると言うのは、1ファンとしては大変嬉しいものです。
公式twitterは適度に更新、即ち情報を発信しており、エイプリルフールには劇場版の嘘情報を流して描き下ろしの絵を加えたりしていました。
また、公式が新生活にむけて送った激励には、私も少しばかり元気を貰った物
この現状は何度も申すように、1ファンとしては非常に嬉しく、めでたい物
これからも今のような稼動が続いて、『あんハピ♪』の「優しい」輪が段々と大きく、次第に広く、浸透していく事を願わずにはいられません。

新しい生活に戸惑っている方、不安や葛藤の日々を過ごしている方
この時期と言うのは、長い人生においては自分を知れる良い機会
自分を見つめ直せる良い機会
その節目として、本作は実に相応しい
初めての方には、安らぎと癒しがもたらす「幸福」を……
1度鑑賞済みなら、何度も至れる安心と回帰の「幸福」を……
一家に一作、お薦め出来るこのアニメ『あんハピ♪』
辛い日々の中、今日から、ゆっくり1話ずつ、視聴してみるのは如何でしょう?
私も今日からまた『あんハピ♪』観直していく事と致します(絶賛リピート中)

嬉しいな 意外なつながりよありがとう
まだまだ冒険があるさ
毎日を一緒にね ずっとね遊ぼうよ
とりあえず 世界はナゾなんだってば そうでしょ?
じゃあ解いてみたくなる そうでしょ?
とりあえず 早々 眠れ 眠れ

楽しかった 時間だけ憶えておけばね
まだまだ面白くなるよ
毎日が一緒なら まるでカレイドスコープ
回しちゃって 世界はキレイなんだってば そうでしょ?
思い出も未来もまぜて
私たちきっとなんとかなるよね…って思ったの!
『あんハピ♪』EDテーマ「明日でいいから」より抜粋



2019年1月22日 最後の追記
『あんハピ♪』最終巻読み終わりました。
中々封を開けられなかった漫画は、一度開放すると、一気に読む事風の如し
彼女は少し笑顔になれて。
彼女が初めて涙を見せた。
でも、全員が幸福な日々へ至れた最終回

ファンレターを送ろうと思います。
最初で最後かもしれないファンレター
思いの丈をそこで多くぶち撒けます。
ここではもう充分語り尽くしたので、最後にこれだけ書いておきましょう。

『あんハピ♪』と出会わせてくれてありがとう。
これから先に待つ新たな幸福を求めて。
私は精一杯、生きていこうと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

天之御船学園1年7組に在籍する不幸を背負った女子高生を幸せに導こうとする物語・・・

この作品の原作は未読ですが、原作が「きらら系」だったので迷わず食いついた作品です。
でも「きらら系」といっても実は細かく雑誌が分かれているようですが、私の中で「きらら」はこれまで十把一絡げでしたので、ちょっとググってみました。

まんがタイムきらら:萌え4コマ専門誌。けいおん、ゆゆ式、三者三葉など。
まんがタイムきららキャラット:かわいさニューウェーブ♪。ひだまりスケッチ、Aチャンネルなど。
まんがタイムきららMAX:ドキドキ★ビジュアル全開マガジン。ごちうさ、きんモザなど。
まんがタイムきららフォワード:ビジュアルストーリーコミック誌。ハナヤマタ、あんハピ♪など。
まんがタイムきららミラク:「女の子の可愛さ」にこだわる。桜Trick。幸腹グラフィティなど。

なるほど・・・一部未視聴の作品を除けば、どれもキャラ萌えする作品ばかりなので雑誌による作風の違いはイマイチ理解できませんでしたが、アニメ化されたきらら系の作品情報については、「まんがタイムきららWeb」をググると良さそうだ・・・という事が分かりました^^;
でも調べてみてビックリした事もありました。人気のある雑誌だとばかり思っていましたが、中には休刊となっている雑誌も複数あるようです。
マンガの世界の厳しさ・・・そしてアニメ化に繋がる門の狭さを改めて感じずにはいられませんでした。

少し話が脱線してしまいました。
この作品は「まんがタイムきららフォワード」で連載されていた作品・・・という事になります。
物語の趣旨はタイトルに記載した通り、不幸を背負った女の子を幸せに導こうとする物語です。
視聴するまでは、これが学校の授業としてカリキュラムに織り込まれている点に突っ込みを入れたくなる気持ちもゼロではありませんでしたが、1話視聴してそんな気持ちは吹っ飛んでしまいました。

この1年7組に入学してきた女の子達・・・とことん運に見放されているんです。
自宅から毎朝学校に通学する事自体に波乱万丈が待ち受けているんです。

そんな1年7組の中でも特に抱えている業の深い女の子が以下の5人です。

花小泉 杏:本作の主人公であらゆる不運を抱えていますが、天真爛漫なのが彼女の救いです。
雲雀丘 瑠璃:優しく世話好きですが、絶対に報われない相手に恋をしちゃってます。
久米川 牡丹:普段はおっとりとしていますが、極度の虚弱体質でケガや体調不良が絶えません。
萩生 響:極度の"方向音痴"で一人で行動すると必ず迷子になります。
江古田 蓮:人間を含めたあらゆる動物のメスを無差別に魅了してしまう困った体質の持ち主。

こうしてみると、気をつけていればそれほど日常生活に影響は無いのでは・・・?
とも思えるのですが、限度を超えると立派な不幸となって本人に降りかかってくるんです。
そこで担任の先生が「幸福クラス」と題して、不幸のどん底から救い出す授業を行ってくるのですが、正直殆ど遊びです・・・

遊びながら幸せになる・・・こんな事が実現するならとても素晴らしい事だと思います。
先生だって奮闘します・・・けれど、一筋縄ではいかない不幸を7組みの生徒は背負ってるんです。
次第に先生もエスカレートしていきます・・・
先生、見た目はとても優しそうですし、言葉遣いだってとても綺麗なのですが、極度の負けず嫌いなんでしょうね^^;
何だかんだ言いながら先生がクラスのテッペンに君臨していますから・・・

彼女達はどんな業を背負っているのか・・・そして不幸から脱却できるのか・・・
気になる方は本編でご確認下さい。
きらら系作品に相応しい展開が待ってくれています。

オープニングテーマは、Happy Cloverの「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」
エンディングテーマは、Happy Cloverの「明日でいいから」
Happy Cloverは、上で紹介した5人が組んだユニット名です。
ドタバタ感溢れるオープニングに、趣向を変えたメロディアスなエンディング・・・
どちらも甲乙付け難い曲だったと思います。

1クール全12話の作品でした。アニメを視聴する上で、癒しや萌えを与えてくれる「きらら系」作品は欠かせません。
次クールの作品を検索するとき、きらら系作品の有無は私の中で結構重要なチェック項目になっています。
ちょっとブッ飛んでいた感もありますが、総じて楽しませて貰った作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 32

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

しっかり作ってある感が伝わってきて好印象。

あにこれの他のレビュワーさんの評価で興味をもって+視聴タイミングがあったので観てみました。

いやー、色々な点がしっかり作ってある感が伝わってきて好印象でした。
この手の女子ワチャワチャ系の最近の作品にも見習ってほしいくらいの安定感でした。

まぁ、いわゆるテンプレ的な要素はもちろんありますが、
物語もただの学生生活ではなく、不幸な運命を背負った(深刻な意味では無く、ちょいとした個性の変換でしょうか)女子たちが「しあわせ」になるべく、特別なクラスに編成され、あれやこれやという。
こういう意味では、一本筋がとおっているので、物語があまり無駄にブレ無くなりますし。

まぁ、その不幸を克服するための学生生活っていうのが荒唐無稽と言ってしまえば、そうなんですけど、アニメらしいと言えばアニメらしいですし・・・。
何より、観ていて不思議と元気がもらえる気がするんですよねぇ。

(例によって、私の現下の精神状態にもよりかもしれませんがwww)

その理由となるのが、主人公となる花小泉杏ことはなこ。
ありとあらゆる面で不幸(ドジっ子的要素の)が襲ってくるが、本人はいたって元気でポジティブ。
無理矢理感を出さずに、まるで気にしていない様子を上手に演出している。
ああ、ちなみに不幸タイプは「不運」だそうです。

また、その友人となるキャラクターも個性的な不幸w

雲雀丘瑠璃ことひばり。
彼女の不幸タイプは「悲恋」。
よほどのことがない限り、いや、ノーマルに考えれば叶う事のない相手に恋をしてしまっている。
この相手については、是非作品をご覧ください。

次に久米川牡丹ことぼたん。
この子の不幸タイプは「不健康」。
虚弱で虚弱で、あっちでポキポキ、こっちクラクラと・・・。
また、マインドもネガティブ発言がぶっ飛んでいて見た目かわいらしいのにwなかなかの振り切れ具合。

そして、途中から友人の仲間入りする二人。

萩生響ことヒビキ。
彼女の不幸タイプは「方向オンチ」。
作品中でも、道教えてもらった直後にどっち向いてんだ!!ってくらいの方向オンチ。
同じく、あとから仲間入りをするレン大好き少女。
百合要素要因かなぁ。

そしてヒビキの相方?と言ってもいいのかな。
江古田蓮ことレン。
彼女の不幸タイプは「女難」。
あえて「メス」といいますが、メスであれば人間動物を問わず、引き寄せてしまうというw。
確かに、本人もイケメン要素を持っている気はする。

彼女たち5人がそれぞれの「不幸」wをものともせずに学生生活を送るという。
結局、観ていると一緒に笑って、泣けてな友達がいるってことがハッピー的なところに気づかされるんですがね~。
それでも、各エピソードのなかで、やっぱり元気がもらえる気がします。

そして、しっかり作っている感の大きな要素。
キャラ、作画共にしっかりとしているんですよ。
作画がほとんど崩れない、ソリッドにまとまっている感じがしました。
キャラ絵も設定も個性的ですし(テンプレ感は許容しました)、そのほかのポイントでも崩れとか手抜きと感じられる点がほとんどなかったです。

どうやら調べてみると2016年の作品との事ですが、全然知りませんでした。
いわゆる「きらら系」って言う分類になるようなんですが、この系統、私的にもいくつか視聴したことがあって、合う合わないがあったんですが、この作品は観てきた中でもかなりレベルが高い方だと評価しています。

OP/EDも中毒性、とまではいかなかったですが、普通に観れていました。
毎回観ていても苦痛ではなかったですね。
どちらかと言うと楽しかったです。


私的にはですが、新たな発見をさせてもらった感じです。
あにこれレビュワーのおかげで、楽しい作品に出合うことが出来ました。

どうも、後に続くようなフリもある終わり方なんですが、さすがにこれだけ時間がたってしまうと難しいんでしょうね。
それほど、メジャーとは言えない作品なのかもしれませんし(私が知らなかっただけですが・・・)

とにかく、機会がありましたら、観てみていただければと思います。
私は好きでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

67.4 3 日常でコメディなアニメランキング3位
兄に付ける薬はない!2(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (57)
259人が棚に入れました
学園ライフをコミカルに描き、中国では累計約30億回の再生回数を誇る人気WEB漫画「快把我哥帯走」が原作。1期は、2017年春より日中両国で放送・配信。第1期と同様、イマジニアが、アニメーション制作、及び、日本でのTV放送までのコーディネート業務を担当。アニメーション制作は「アキンド星のリトル・ペソ」(プロデュース イマジニア株式会社)「がんばれ!ルルロロ」等のファンワークスが共に進行しております。脚本、監督は「やわらか戦車」、「英国一家、日本を食べる」、現在「アグレッシブ烈子」がNetflixで配信され海外を中心に話題沸騰中のラレコが担当。ファンワークスがアニメーション制作を担当する。2018年7月より放送・配信。

声優・キャラクター
中村悠一、雨宮天、小野賢章、花江夏樹

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

仲良し兄妹(!?)の「時分(シーフン)」「時秒(シーミョ)」が送る、日常コメディ☆

この作品の原作は未読です。
もともと中国のWEB漫画として発表され、中国国内では5億回の再生数を誇る作品です。
でもこの作品はこれだけじゃないんです。
日本の少年ジャンプ+でも配信されているんです。
つまり日本でも認められた作品、ということになるんです。

その兆候は理解できない訳ではありません。
アニメ第1期は、2017年の春アニメで1クール…
ところが今回のアニメ第2期は堂々の2クール作品になりましたから…

アニメ第1クールは、天ちゃん演じる時秒のお陰で完走できたと思っていました。
でも今回この作品を視聴して思ったのは、天ちゃんだけではなく、兄の時分や開心など時秒を取り巻くキャラ全般的に面白いから完走できた事を改めて感じました。

でもとりわけ面白いのが時分と時秒の掛け合いです。
兄の時分は、結構だらしない感じ…時間とか、お金とか…
自分で散々食い散らかしておいて、いざという時の考えが浅はかなんですよね^^;
他力本願な部分も大いにありますし…
だからこの作品の中で一番空回りしているのが時分だと思います。

そして兄のとばっちりを受けるのが妹の時秒…という構図なんです。
そりゃ、兄に対して鉄拳制裁を加えたくなるのも理解できます。
でも、時々「あぁ、やっぱり兄妹なんだなぁ…」と思うこともあるんです。
例えば恋愛に対する態度や姿勢とか…

兄妹による日常ドタバタ系が嫌いじゃなかったらきっと楽しめる作品だと思います。
天ちゃんの魅力もたくさん感じられますし…

まぁ百聞は一見に如かずと言いますから、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

2クール全24話の物語でした。
続編が制作されるなら絶対に視聴したいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

TAMA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

この兄に付ける薬を!!

1期途中から出てきたキャラも2期は結構活躍してました。中国作品ですが脚本・監督がラレコさんがやってるのでギャグ物として結構楽しめました。


原作・未読。
アニメ・全話視聴。(全24話・5分アニメ)


他作品(日本の)ではありますが『ガ○活!』みたいなノリですね。簡単に例えると。
この作品を観るにあたり大きな欠点は中国の風習や学校の行事や授業など色々と日本とは違うとこがあるので理解出来ない部分があるかもしれません。
ただそこをクリア、若しくは気にしない方でギャグ物が好きな方には楽しめる作品だと思います。
中国アニメはハズレが多いと感じてますがこの作品は中々楽しめました。


んー…簡単に作品の説明をすると中国学園物?(日本で言うと兄は高校あたりで妹は中学あたり)でギャグ作品。
兄『時分←シーフン』は学力なし、根性なし、妹おもいだが考えが浅くあくどい行為を色々やるのでいつも妹にボコボコに…。
妹『時秒←シーミョ』は格闘技が得意。なので兄はいつも…って兄が余計な事をするからだが(笑)
妹は兄の同級生の『開心←カイシン』に恋心を持っておりたまに盲目的になってしまう。
と、この兄妹と周りの人間を巻き込んだギャグ作品です。
…後半で兄と委員長のとこは中々カッコ良かったかな。フフッ、鼻毛。
そして『腐』もあるでよ!


ギャグや間のとり方などは問題なし。同級生達の悪ふざけや恋愛観なども学生ノリとしては問題なく視聴出来ると思います。
とりあえず授業中に居眠りして先生からさされたら「SAM」と答えてれば良いのかな(笑)
気になる方は本編でどうぞ!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

pooki さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

<60> 現代中国人兄妹の暴力的ショート ギャグ二期。リアル妹。

現代中国人兄妹の暴力的ショート ギャグ二期。
原作こそ中国だけど、実質的にはラレコかな。ネタは力押し。国産に比べてガサツで荒々しい。
新キャラやラブコメ要素が増えた二期。個人的にはリアル妹を拡張した感じが好きだったんで、妹の出番が減ったのは不満。でもまぁ絵柄も含めて好きな作品。

<60> 現代中国人兄妹の暴力的ショート ギャグ二期。リアル妹。
1 話視聴。
現代中国人兄妹の暴力的ショート ギャグ二期。
原作こそ中国だけど、実質的にはラレコかな。ネタは力押しで、国産に比べてガサツで荒々しい。もうちょいチャイナぽくてもええんやで。
感覚的に合わない人も居ると思うけど、リアル妹を拡張した感じが好き。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
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