暴力で不気味なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの暴力で不気味な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月27日の時点で一番の暴力で不気味なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.0 1 暴力で不気味なアニメランキング1位
チェンソーマン(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (637)
1837人が棚に入れました
『チェンソーの悪魔』ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジ。親が遺した借金返済のため、ド底辺の日々を送る中、裏切りに遭合い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つもの『チェンソーマン』として蘇る──。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

契約の悪魔

著名作品のアニメ化には賛否両論がつきものだが、
本作をめぐっては制作陣が志向する映画的・写実的な表現コンセプトが
主に原作ファンからの批判に曝されているようだ。本稿を書くにあたり、
自分もアニメがカバーしている範囲を一読してみて、成程、と思った。

個人的な印象に過ぎないのだが、アニメでの主人公デンジは
設定とバトルシーンのインパクト以外、存在感が希薄なのではないかと感じた。
主人公でありながら、深い部分で物語と同期できていないような気がして、
むしろ早川アキたち公安のデビルハンターの側に力点をおいて観ると
自然にストーリーに入っていかれる感覚があった。

デンジのキャラクターは多分、原作のユニークな作風と不可分なのだろう。
そのため、デンジの生きた躍動感がアニメではあまり感じられず、
映画風のリアリズムとも相性は良くないようだった。その一方で、
アキたち公安サイドのシリアスなドラマを描いた部分に関しては
それなりに見応えがあった。この主観的な見地が本稿の出発点になる。

本作の物語にはデンジとアキ、二つの対立する極が内在している。
それが作品深部の、人間と悪魔の対立の構図に対応しているわけだが、
自分の印象では、主人公デンジが中心から退いて"周縁化"する力学が
作品の構造自体に内包されているように思われた。それを確かめようとしたのが
以下の、限りなく独り言に近い作業である。参考にはなりません。



Ⅰ 夢と動機

{netabare}主人公デンジの初期設定は、インパクトが強烈なだけに注意が必要になる。

"持たざる者"である彼の唯一の拠り所であり、アイデンティティでもある
「夢」が、「貧困」によって規定されている状況、そんな風に要約できるだろうか。
彼が夢見たのは、食パンにジャムを塗り、毎日風呂に入れるようなごく普通の生活。
そんなささやか過ぎる夢を、彼の最底辺の生活と結びつけて受け取ることで、
何かを理解した気分にさせられてしまう、そこが危うい。

一生を通じて、ただ見るだけで満足して終わるはずだった彼の「夢」。
それが現実にもなり得ることを知ったとき、彼の内部では革命が起こった。
「見つけたぜ…俺の本気!俺のゴール!それは…!・・・胸だ!!」
胸を揉みたい―。ただその一心で地獄のような死闘を繰り広げてみせる
第4話の"夢バトル"に、彼の「夢」の本質が表れている。

目的と手段とのあまりの落差に、いじましさを感じてしまうのは自然だが、
その時点で、デンジ本人の尺度を見落としてしまうことになる。
彼は、自分の「夢」を低俗な欲求として見下す連中に向かって
これまで虐げられてきた怒りを爆発させるのみならず、そこには
自明とされた価値の序列を力任せに覆そうとする獰猛な破壊衝動が発現している。

デンジの「夢」は多分、「動機」や「目的」とは異質なものだろう。
この生活を続けるために戦う、とは言うが、それは動機や目的とは呼べない。
「夢」を邪魔するものはぶった斬る。煎じ詰めればただそれだけのことだ。
いわば「動機」にまつわる人間的で高尚な"ストーリー"を
剥き出しの本能的な欲求によって相対化し、無効にする凶暴な"力"。
それがデンジの「夢」の本質である。

バトルの最中、彼は狂気のようにおのれの力に酔い痴れる。
精神的ないし心情的な理由付けなどとは無縁の、直接的な力の行使として
夢とバトルは一体であり、夢とは、バトルなのである。
生温いヒューマンな"ストーリー"を拒絶し"解体"する者。それがチェンソーマンだ。
デンジというキャラクターの本質はここにあると自分は考える。

shinoさんが最近提唱された「ポストヒーロー」という刺戟的な言葉を、
自分はポストモダンの文脈に絡めてこう理解したいと思う。
"大きな物語"に終焉をもたらした何物かを、ある"力"として客体化した時に
個々人の"ストーリー"="小さな物語"をも解体するほどに凶暴な存在が出現した。
ポストヒーローとは多分、善悪その他の相対的な価値づけを無効にすることで、
「正義」という曖昧な"ストーリー"を解体する、そのような絶対的な"力"である。
新しいヒーローとは、凶暴で剝き出しの、純粋な"力"そのものだ。

そしてそれは、彼の貧しく悲惨な生い立ちをめぐる"ストーリー"にも及ぶ。
その種の残像に浸りがちな我々の夢想もまた、解体されるべきなのだろうか。
メタレベルで"夢バトル"を挑まれているのは、私たちなのかも知れない。


デンジの「夢」について注意したいのは、それが更新される局面である。
マキマの飼い犬になった結果、人並みの生活をする夢は叶ったのだが、
第5話のマキマとの「契約」によって、この初期設定は更新される。

「もしもデンジ君が銃の悪魔を殺せたら、私がキミの願い事なんでも一つ叶えてあげる」。

本作の主要な登場人物は全員、何らかの契約を結んでいるのだが、
優越的な立場を利用して有利な条件を呑ませる点にマキマの本質が覗いている。
ヒエラルヒーを想定すれば、頂点に位置するのはマキマに違いない。
彼女から漂う不穏な気配はあたかも、"契約の悪魔"の存在を予感させるようだ。

この局面で重要な点はさらにもう一つ。
デンジの「夢」の対極には、殺された家族の復讐というアキの「動機」があるが、
この両者が、銃の悪魔という同じ目標を結節点として交差することである。
「俺はもう夢にゴールしちまってるからなあ。あいつはまだ追いかけてんだ…」
デンジのこの言葉が予告していたとおり、ここでデンジの「夢」は前景から後退し、
代わってアキを中心とした公安のデビルハンターたちの"動機の物語"がせり上がってくる。

物語全体を俯瞰すると、二つのフェーズが重なり合っているように見える。
仮にそれらを「人間圏」、「悪魔圏」と呼んでおくとすると、
デンジのドラマは「悪魔圏」に属しおり、デンジとマキマの間で潜在的に進行する。
一方、本作は公安サイドを中心に、ほぼ「人間圏」の枠組みの中で展開している。
要するに、本当の物語はまだ始まっていないのである。{/netabare}


Ⅱ 悪魔と人間

{netabare}デンジとマキマが新たに契約を交わす第5話には、
「人間圏」のドラマの出発点となる場面も含まれている。
こちら側のメインキャラである姫野とアキとの最初の出会い、そして
岸辺が初登場するシーンが、姫野の回想のかたちで挿入されている。

そのシチュエーションはとりわけ注意を引く。
そこは無数の十字架が果てもなく大地を覆い尽くす、広大な墓地の中だ。
悪魔との際限のない戦い。犠牲になった人々。殉職した仲間たち・・・。
そうした濃密な"意味"を凝縮させた、一種の「トポス」とも言える場所であり、
それぞれの「動機」と結びついた、彼らの心象風景をそこに重ねることもできる。

ドラマは主に姫野の視点で切り取られ、アキとの関係を軸に進行する。
メインのプロットに並行してやや間接的に、控えめに語られるそのスタイルを、
自分は「ミニマムな群像劇」、そんな捉え方ができると感じた。
こうした手法が可能なのはおそらく、キャラクターに共通する何らかの条件が
先行して物語の"磁場"を形成しているからで、それが「契約」なのではないかと思う。
それは抑制された心情を浮かび上がらせる、一種のフィルターのように機能する。


デビルハンターたちは悪魔と契約して悪魔と戦う。
力で劣る人間が必要に迫られて選択した、合理的な対抗手段であり、
契約の対価も「魂」ではなく、身体の部位を差し出すという現実的なものである。

「力を借りる代わりに、体の一部を狐に食わせる契約だ。今回は皮膚を食わせた。」
「公安でこいつと契約している人は二人。一人は寿命半分、
 もう一人は両眼と味覚、嗅覚を差し出しています。・・・」

何気なく語られる「契約」の非情な代償。そして、その非情さに麻痺した心。
「契約」は彼らの重い軛であり、自らの命を侵食するものですらある。
常識的には全く引き合わない職務であって、余程の覚悟がなければ遂行できないだろう。
だからこそ、彼らの内部にあるモチベーションは葛藤を孕みながら強く迫ってくる。
それが作品全体を貫く、どこか沈鬱なトーンとなっているように感じられる。

「契約」のフィルターをとおして見えてくるもの、それは、
自らの「動機」と死への恐怖との狭間で葛藤する、"普通の"人間たちの苦悩である。
岸辺の人格の破綻も、頭のネジをストイックに緩め続けた結果であって、
デンジたちに情が移り、それを言ってしまうあたりに彼の人間性は覗いている。
姫野のはっちゃけぶりも、絶望から目を逸らすために演じられたキャラであることは
遺された手紙からごく普通の、心優しい女性像が窺えることからも明らかだ。
第7話の墓地の場面では抑え切れずに、血を吐くような悲痛な叫びが漏らされる。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ・・・。」

一見クールな雰囲気を装いつつ、内面に潜むこうした痛切なドラマを掬い取り、
表現する手法としては、映画的なリアリズムは有効だったように思われる。


姫野の最期は二重の意味でドラマのクライマックスと呼べるものだろう。
自らの身体の全てを契約の対価に差し出し、死体すら残らない壮絶な死にざまは、
「契約」の極限的な帰結以外の何物でもない。まさに"契約のドラマ"の極致だ。
その死はまた、"動機の物語"の完結をも意味している。
彼女の「動機」はいつしか、アキという存在の中に集約されていた。
次々に先立って行ったバディたちの死が心に重くのしかかる彼女にとって、
アキの"普通さ"は絶望の中の救いであると同時に不安の種でもあった。

「アキ君は死なないでね・・・私が死んだ時さ・・・泣いてほしいから・・・」

アキを死なせないこと。その一念を貫き、敢えて引き受けた悲惨な最期によって、
彼女の「動機」は貫徹されたのである。

これに続く最終盤のバトルが本来のクライマックスなのだろうが、
姫野の"復讐"が果され、アキの「動機」の一部が成し遂げられたという意味では
姫野の"動機の物語"の延長戦と見ることができる。その点でこのアニメの結末は、
公安サイドのドラマの結着となっていると言っていいだろう。

その戦いの最中にアキが死の危機に瀕するが、その直後、
彼の前にゴーストの手が差し伸べられる。開かれた手のひらの上には一本のタバコ。
このとき差し出された"右手"は確かに、姫野自身の右手だったのだろう。
「私の右目を食べさせた代わりに、ゴーストの右手を使えるってわけ。」
彼女の「契約」は最後に、彼女の「動機」を助けたわけである。

 Easy revenge!(気楽に復讐を!)

このメッセージの意味は、ここまでの文脈に即して
姫野がアキの「動機」を肯定し、背中を押したもの、そのように解したい。


「人間圏」のドラマの中でデンジが周縁化するメカニズムも、
同じフィルター越しに説明できるのではないかと思う。

初期設定のデンジは「契約」の犠牲者とも言うべき存在である。
「腎臓が120万、右目が30万。キンタマ片方売って、いくらで売れたっけ・・・」
その彼が悪魔になることで、起死回生の大逆転劇が生じる。
死んでも元通りに生き返るのであるから、もはや身体の欠損など問題にならない。
自力で悪魔と戦える彼は公安の人間たちに対して圧倒的に優位な勝ち組である。
逆説的ではあるが、この特権性のゆえに彼は「人間圏」の中心から外れ、周縁に退く。
初期設定が解消された後のデンジの捉えにくさは、ここに起因するようだ。

結局のところ、デンジのキャラクターについては複雑なのか単純なのか、
現段階ではそもそも判別がつかないことになっている。
例えば、仲間が死んだことに涙を流すアキを見て、自分は泣けないと感じ、
「心臓だけじゃなく、人の心までなくなっちまったのか…?」と自問するシーン。
並みの主人公ならば、この葛藤がストーリーへと展開されるところだが、彼いわく、
「ま、シリアスな事は考えなくていっか!
 楽しくねえ事考えても楽しくねえだけだからな!」・・・これがデンジだ。{/netabare}



デンジのキャラクターは現段階では未分化の状態にある。
・・・これが相応に時間を費やした挙句の、結論らしからぬ結論である。

ただし、直観に過ぎないものだが、付け加えておきたいことが一つ。
Ⅰ章で指摘したとおり、彼は価値の序列の破壊者であり、かつ、その存在が
善悪、あるいは悪魔と人間の境界で、両義性と媒介性を体現している点で、
そこには「トリックスター」の本質がベクトルとして認められるのではないか?

特に示唆的だと思われるのは、本作ラストの{netabare}"キン蹴り"{/netabare}のエピソードだ。
この悪ふざけが彼一流のリベンジであることによって、
アキのシリアスな"復讐"をコミカルに反転させた戯画になっている点が、
秩序を撹乱するいたずら者であるトリックスターの要件に合致するのではないか。
何にしても今後の展開によって、彼の正確な像が定位するのを待つしかないのだが。

あるいは本作の演出の意図も、作品が孕む二極性を踏まえた上で、
第1部「公安編」を文字通りに、公安のデビルハンターたちの物語と捉える
ややイレギュラーな視角から作品にアプローチした結果なのではないだろうか?
・・・などと想像してみたが、これはおそらく考え過ぎだろう。

ところで本稿の作業中、参考のためにWikiを開いたところ、
いきなり強烈なネタバレを食らってしまった。・・・くれぐれも注意されたい。
お蔭でマキマさんの正体も含め、衝撃的な展開がこれから待っていること、
このアニメはいわば前座に過ぎず、本当の物語はこの先にあることが確認できた。
二期が制作されないうちは、トータルな評価は時期尚早と言うべきだろうか。


2023.1.20 投稿  2.6 補完

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

売れないと叩く流れは嫌い。「ルックバック」の映画化とかマジかぁ!。

 本作もそろそろ終わりそうなので内容にはあまり触れず、「チェンソーマン」という作品の総評を書きたいと思います。


 「チェンソーマン」のまず目につく基本的な要素はアンチジャンプ、即ちクール&ドライなエモさの排除にあるでしょう。ある時期からのジャンプの王道は、能力バトルの連続+過去回想を多用した押し付けのようなエモさという面がありました(何事にも例外はありますが)。


 ジャンプだけに限らず、長期連載のエンタメバトルものなら敵も味方も重要キャラは手間をかけて感情移入させるのが基本ですが、本作は違う。もう大根の叩き売り如くポンポンと人が切られ撃たれ死んでいく。重要キャラと思った人でも次の話ではアッサリ死亡。こうなるともうシュールギャグに近いレベルで


 これは全くのアンチではなく、従来のファーマットに乗ってるように見せかけつつ、それを相対化するという手のこんだより高度な脱構築といえるでしょう。本作におけるグロや死は正直重たいものではなく、漫画のキャラクターの死ですから、という距離をとったドライさがある。アニメではそういった本作の世界を、映像の表現の仕方で巧みに構築している「雰囲気の魔術」が見事と言わざるをえない。


 映画でもあらすじではなく、それをどう台詞に頼らず映像で表現しているか重要なタイプの作品に近い。昨今の作画自慢バトル系作品で平場のシーンはなんの工夫もなかったりするが、本作はそちらこそ本気というくらいキマってる。マキマが着替える後ろ姿だけでエロい!。


 故に、とにかく引っ張るのが特徴だったジャンプ作品において、本作はそういった流れを皮肉るようにサクサクと物語が進行していく。エモさと引っ張りのコンボ、更には薄っぺらな良きことの押しつけににいい加減ウンザリしていた世代や人々にとって、「チェンソーマン」は痛快な皮肉をぶつける象徴としてヒットしたのは当然だと思います。


 では、「チェンソーマン」はアンチジャンプを目指した脱構築のみの作品かと言うとそれだけではなく、それこそ「タツキ」の本質である映画愛からくる、バトルの連続を描きたいのではなく、短い中でキッチリとした結実したドラマを描きたい、ドラマという形でテーマを展開したいという作家性がより大切だと思います。


 そういったどちらかといえば青年誌的な傾向をジャンプでやるためにフォーマットは借用しているに過ぎない。故にタツキは能力トンチバトルにも、「敵にもこんな悲しき過去…」的な展開にも全く興味も関心もないように思えます。ジャンプで売るためというより、ヒットさせてみんなに読んでもらうために戦略的に編集さんと組んで「チェンソーマン」は書かれているでしょう。「ルックバック」や「さよなら絵梨」の作家が喜々として従来のジャンプ漫画を書くわけがない。


 ではそのクール+ドライな先に何があるかというと、後のレゼ編のように短い中で見事に結実したドラマが齎す押し付けがましくない余韻を残す切れ味、或いは最終章編のようにドラマという形で現実に繋がっているテーマが上手に展開された時に齎される、言葉で語られるより遥かに心に突き刺さるテーマ性といった、それこそ素晴らしい映画が齎す言葉や説明に頼り過ぎない力に近い喜びこそが「チェンソーマン」、タツキ作品の本質だと言いたい。


 サムライソード編までは、ジャンプで枠を確保するための段階ですからアニメはまだまだ助走段階でしょう。しかし、こっから例えばレゼ編を映画でやって、そっから最終章までをこのクオリティーで映像化してくれると思うと今からワクワクが止まらないゼ!。「チェンソーマン」のテーマの部分はネタバレ無しには書けないので完結した際にその部分は書こうと思います。「ルックバック」や「さよなら絵梨」も映像化して欲しいなぁ。


 山田玲司先生のタツキ回や、Dr.マクガイヤーのチェーンソーマン回ともに素晴らしい解説なのでオススメです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 30
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

デンジの小さな夢、レゼ篇は劇場で

MAPPA制作。

チェンソーの悪魔ポチタと共に、
デビルハンターとして暮らす少年デンジ。
貧乏でド底辺な生活も裏切りにより一変する。
デンジとポチタの夢は叶うのか!?
 
普通の暮らしをして、普通の死に方がしたい。
ただ普通の生活を夢見る少年が目覚めた激烈な世界。
人や社会に対するどこか空虚な距離感、
これが新時代のヒーローなのでしょうか。

オープニング映像に魅了されますね。

3話視聴追記。
小さく閉じた世界で憂えている、
世界の大事件より、今日の晩御飯だ。
{netabare}命と等価なものに、深刻さの欠片もない。
このことが強烈な訴求に思えてくる。
そうだ、世界より自分だ。{/netabare}

8話視聴追記。
あまりにも唐突で過酷な現実に混乱する。
悪魔と契約するということはこういうことだ。
{netabare}敵味方、例外なく痛みに喘ぎ、
その死さえも、意味がわからなくなる。
残された戦場跡には、肉片と静寂が、
驚くほど絶望の効果を上げている。{/netabare}

最終話視聴追記。
序盤にして圧倒的な面白さである。
{netabare}デンジはおよそ少年漫画の主人公というより、
私の主観では犬に近い。
正義は無力化されてしまうのでしょうか、
物語からまだ、教訓は得られていない。 {/netabare}

待望のレゼ篇始動、期待して続報を待ちたい。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 59

76.3 2 暴力で不気味なアニメランキング2位
ID:INVADED イド:インヴェイデッド(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (415)
1512人が棚に入れました
殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称「蔵」。そして、「ミヅハノメ」のパイロットとして犯人の深層心理「殺意の世界(イド)」に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の影を追っていく。

声優・キャラクター
津田健次郎、細谷佳正、M・A・O、ブリドカットセーラ恵美、村治学、近藤隆、岩瀬周平、榎木淳弥、加藤渉、落合福嗣、西凜太朗、遠藤綾、島袋美由利、平川大輔、宮本侑芽、日笠陽子、蓮岳大、佐倉綾音、小林親弘

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『ミズハノメ』=「サイコメトリー&サイコダイブ」? を駆使した殺人事件捜査とジョンウォーカーの影

== [下記は第6話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第6話まで視聴終了時点で、このレビューを書いています。

コミカライズ展開はありますが、基本的にはオリジナル作品ということのようで、監督: あおきえい、シリーズ構成・脚本: 舞城王太郎というなかなかやる気を感じる制作体制の作品です。

殺人現場に残された「殺意」の残滓を読み取り、それを元に殺人者の深層心理を可視化した「イド」と呼ばれる世界にパイロットをダイブさせ、情報を収集する『ミズハノメ』と呼ばれるシステムを使用して殺人事件の捜査を行う『蔵』と呼ばれる警察の特殊セクション。

『蔵』がを捜査を進めていると、そこには複数の殺人事件に「ジョンウォーカー」と呼ばれる存在が関与していると推定され、その特定が『蔵』の重要な任務となっていきます。

『ミズハノメ』中で「名探偵・酒井戸(さかいど)」として謎を解く、パイロットの鳴瓢秋人(なりひさご あきと)、「イド」を観察してそこで得られた情報から俯瞰的に事件を捜査する「井戸端」のメンバーたち、そして現場を捜索や聞き込みなどを行い、思念粒子を採取する外部分析官のメンバーたち。

深層心理の可視化であるため、ときに一見不条理であったり物理法則を無視していたりといったビジュアル的な面白さ、殺人犯の心理や動機を巡るサスペンス的な面白さ、『ミズハノメ』自体の謎など複合的な面白さが楽しめます。

キャラクター・デザインにクセがあったり、人によっては作画的に馴染まないところもあるかとは思いますが、ストーリー性の高さではかなりお勧めできる作品だと思います。

物語の着地点まで、見守りたいです。

余談: 元々外見的な可愛らしさもあるとは思うのですが、特に見慣れてきたせいなのか本作ヒロインと目される本堂町小春(ほんどうまち こはる)さんがとても可愛く見えてきました。でも「人は見かけによらない」な感じのキャラでもあって、注目ですね。

余談その2:「頭に穴」といえば、『ホムンクルス』って漫画(ビッグコミック・スピリッツ連載)があったんですがあんまり有名じゃないからみんな知らないかも…。
== [第6話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.3.2追記:
第10話まで視聴終了。しばらく出てきていなかった小春ちゃんが登場して、いよいよ佳境っぽくなってきました。

しかし、鳴瓢に対するこの罠を計画していたとしたら(いや、きっとしてたに違いないんだけど)なかなかに気の長い話だなあ。

2020.3.23追記:
第13話(最終話)まで視聴終了。ジョン・ウォーカーの正体について予定調和な部分はありましたが、その動機や作中でどうやって正体を突き止めるか、また正体判明後の追跡や対決にも見応えはあってとても面白かったと思います。

ストーリー的にも「ジョン・ウォーカー事件」の顛末としてはきちんと綺麗に終わり、かつ続編を作る余地も残せたと思います。私は充分に満足できました。

人によってはキャラクターデザインに難があると感じるかもしれませんが、小春ちゃんがカワイイからこれでいいのだ(笑)!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 42
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

欠損した世界で生きる者たち

アニメーション制作:NAZ、監督:あおきえい、
副監督:久保田雄大、シリーズ構成・脚本:舞城王太郎
キャラクター原案:小玉有起、
キャラクターデザイン/総作画監督:碇谷敦、
音楽:U/S、原作:The Detectives United

無意識下の心の領域を示す精神機能のひとつを
フロイトは「イド」と名付けた。
つまり、本能的な欲求や生理的な衝動のことで、
「エス」ともいわれる。
この作品では「殺意」を生じさせた
無意識の世界を「イド」と呼び、
選ばれた人間が「ミヅハノメ」という機器に、
搭乗して探査する。
イドの世界では、搭乗者は「名探偵」となり、
殺人者のイドの情報を集めることで、逮捕につなげる。
イドを構築するためには、殺人現場などに漂っている、
殺意の思念粒子を「ワクムスビ」という機器で
採取しなければならない。
捜査を担当するのは、警察の内部組織「蔵」だ。

作品の土台となっている世界観に
それほど目新しさはない。
他者の思念に入り込んで探偵となる作品は、
筒井康隆原作の『パプリカ』が思い浮かぶし、
映画なら『インセプション』に通じる部分もある。
夢に潜ったり思念を感知するというだけなら、
扱っている作品は大量に存在する。
ホラー映画の『エルム街の悪夢』や『悪夢探偵』、
それを電脳に転化すれば『攻殻機動隊』や
『RD 潜脳調査室』も類似している。
残留思念なら漫画『サイコメトラーEIJI』もある。
しかし、そういう題材を用いながらも、
この作品の物語世界は、最初から最後まで
完全なオリジナリティにあふれている。

ミヅハノメによって殺意の世界に入り込んだ者は、
殺されている身元不明の「カエルちゃん」を目撃することで、
自分の名前と名探偵としての役割を思い出す。
イドに入った元刑事・鳴瓢(なりひさご)秋人は、
名探偵・酒井戸へと変わり、
カエルちゃんの死の真相を探る。
その様子を外部から観察する捜査員たちが、
酒井戸の思考やイド内での出来事から、
犯人につながる情報を掴んでいくのだ。

鳴瓢は過去に起こった事件で
心に大きな傷を負ったことが原因となり、
イドに入れるようになった。
イドに入るためのひとつの条件は、
殺意を持って人を殺したことがあることだった。

1話目から最終回までのシリーズ構成と脚本を
作家の舞城王太郎が担当していることもあり、
伏線などを含め、全体の完成度は高い。
謎が少しずつ視聴者に提示され、回を追うごとに
明らかになっていく。いくつもの展開の波が
計算されて用意されているのは見事。
ミステリーの要素があるので、犯人が誰かという
興味もあるが、この作品の面白さはそんな単純な部分ではない。
殺人鬼たちの心の問題と被害者たちの悲しみを
きちんと掘り下げて描いており、
その感情の一つひとつが心に響いてくる。

名探偵たちは、複雑な想いを抱えながら、
殺人犯たちの原風景のなかにある謎を
解き明かすために躍動する。

濃密で無駄のない脚本のため、
ちょっとしたシーンにも意味がある。
初見では分からない部分が出てくるかもしれないが、
物語を追っているだけでも十分に楽しめるし、
キャラクターたちが語る言葉の意味を考えるのも興味深い。
例えば本堂町小春が考える「欠損」についての思考は、
観る人によって、さまざまな意味をもつ。
本堂町と共通の感覚を抱える富久田との心の交流は、
マイノリティとしての喜びが表現される。

最も心を動かされたのは10話だった。
分かりやすい回ともいえるのだが、
やはり、そこまでの積み重ねが上手い。
鳴瓢が失ったもの、そして決意。
2度目の幸せを守ろうとすること。
しかし、戻ってこないものがある。
前に進まなければならないときがやってくる。

殺人鬼たちの物語でもありながら、
心地良さや厳しい現実を突きつける。
{netabare}福井県出身の作者が、ミヅハノメのメカニズムで
原発を意識させる設定は、明らかに狙ったものだろう。
飛鳥井木記=燃料棒で水に浸けて制御する。
燃料棒が露出した世界において、
人間は防護服がないと生きられない。
いつかは、なくさないといけないものだ。{/netabare}
世の中のジレンマ、見えない未来。
私たちにとって欠けているもの、
損なってしまったものがある。
しかし、そのなかで生きていかなければならない。
怒りと哀しみ、そして希望。
あらゆる感情があふれた世界に
ほんの少しの喜びがあって欲しいと思う。
(2021年2月27日初投稿)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 50

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

物語を完全に理解できた方、いらっしゃいます?

アニオリ作品。最終話まで視聴。

この手の物語って、完全に理解している人がどの程度いるんだろうって思ってしまう。
私も序盤は何度も見返しつつ、少しでも理解しようと勤めたつもりなんだけど、結局よく分からなかった。

例えば、殺人犯じゃないと名探偵になれない件。
人殺しのことは人殺しじゃないと分からないということなのか?
死刑囚なら万が一のトラブル発生時(例えば還ってこられないとか・・・)にも必要以上に良心を痛めないで済むとか?

ここで躓いてしまい、結局最後までのめり込めなかった。

だけど、最後まで楽しめなかったかというと、そういう訳でもなかった。
特に終盤からラストにかけては秀逸だったと思う。
この手の作品にありがちな、無理矢理に風呂敷を畳んだ感じにならなかったのは、さすがだと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32

86.3 3 暴力で不気味なアニメランキング3位
東京喰種(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (2768)
15601人が棚に入れました
人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人・喰種が蔓延る東京。ある青年「カネキ」は喰種に襲われ瀕死となるが、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる―――・

監督に本年度米アカデミー賞ノミネートの森田修平を迎え、前代未聞のスタッフ陣によって彩られる「東京喰種」の新たな世界に乞うご期待!

声優・キャラクター
花江夏樹、雨宮天、花澤香菜、宮野真守、菅生隆之、諸星すみれ、小西克幸、中村悠一、豊永利行、浅沼晋太郎、櫻井孝宏、伊藤健太郎、梶裕貴、浪川大輔、速水奨、立花慎之介、津田健次郎、土井美加、仲野裕、釘宮理恵
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おし…え…てよ おしぃえ…てよ…、この…魅力を…。。。

2014年7月放送。
全12話。


【前置き】

ヤングジャンプで連載されている人気漫画のアニメ化ということで、放送前から話題になっていた作品でしたね。
原作未読の私としては、知名度の高い人気漫画なだけに差異の生じかねないうメディアミックスから入ることに少々躊躇いはあったものの、
「アニメだし、実写よりはキッチリ原作再現してくれるでしょ!」
という淡い期待の元、視聴しました。

さて、結果としてこの選択は正しかったのでしょうか…。
おし…え…てよ、おしぃえ…てよ…。



【あらすじ】

人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人『喰種(グール)』が蔓延る東京。

平凡な大学生『金木 研(かねき けん)』は、好意を寄せていた少女『リゼ』との初デートで、彼女が喰種であることを知ります。
襲われ瀕死の重傷を負った金木ですが、直後にリゼが鉄骨落下事故に巻き込まれ即死状態となるのでした。

病院に搬送された後、医師の判断で金木に喰種であるリゼの臓器を移植したことで、彼は『半喰種』となってしまいます。
それ以来、金木の人間と喰種との間で揺れ動く苦悩と恐怖に満ちた日々が始まります…。


※※※
『カニバリズム(食肉の風習)』を表現する作品は、どうしても内容を説明するに辺り視覚的なグロテスク描写を含みます。
こちらに関しては、ホント人それぞれの許容量の問題なので、見る前に御自身で御判断下さい。



【語ってみる】
{netabare}
まず、見る前と見た後では内容のギャップに驚きましたね。
『半喰種』という主人公の立ち位置も魅力的でしたが、喰種の持つ「赫子(かぐね)」と呼ばれる背中から出る捕食器官に関しては、異能バトルをする上での特殊能力そのものに思えましたので。
しっかり、ヤングジャンプの層をとらえた、バトルを想定した作品だったわけですね。
徹底的に人を喰う葛藤を重厚に描き抜いてくれるのかと思っていたので、そこは少~し残念な気もしましたが…、まぁ売れないよねそれじゃ…。


まず第一話での、その衝撃的展開を彩る作画の気合いの入りようには驚きましたね。
中盤のバトルは、前半と終盤に比べると少し息切れした感もありましたが、それでも常に一定以上のクオリティーを維持したように思います。
ただ、その内容からTV放送にあたっては黒塗りで表現された部分が圧倒的に多く、内容ありきのグロが魅力の一つであろう本作にとっては、残念で仕方ありませんでしたね。
絶妙な隠し具合で、何がどうなっているかは理解出来ない程ではないので、話についていけなくなることはありませんでしたが。

演出面において記憶に残ったのは、オープニング曲「unravel」の絶妙なかかり具合でしたね。
第1話の終わり、そして最終話での終わりでもそうでしたが、あの「おし…え…てよ、おしぃえ…てよ…」から始まる歌詞は勿論、凛として時雨ボーカルのか細い声色の演出が、作中の金木君の内心と非常にマッチングしており、まさに主題歌と呼ぶに相応しい曲だったのではないでしょうか。
曲としてはエンディング曲の「聖者たち」の方が好きですが、アニメ版「東京喰種トーキョーグール」と言えば、この「unravel」ナシでは語れないとさえ思いました。



ただ、そのストーリー展開としては、まさに目まぐるしいと表現するのが一番正しかったように思います。
原作ファンの方は特に声を大にして訴えていたようでしたが、原作の丁寧な感情描写をスッパ抜いて展開が早過ぎるといった具合だったようで…。

原作未読の私からすると、毎回衝撃的な展開が続きヒキも非常に上手いので、毎週見たくはなりました。
ですが、最終話まで見て結果的に面白かったかと問われると、少し疑問が残ります。
なんというか、キャラクターを好きになるタイミングが掴みづらかったといった感じでしょうか…。

本作に限っては、原作漫画を先に見た方が良かったのもしれませんね…。
だとするとアニメ版の本作に、更に不満を言いたくなったのかもしれませんが…。
ストーリーとしては、ある程度魅力的なのは自分の中では間違いなく、それぞれのキャラクターの葛藤も片手間では見れない吸引力がありましたので、いつかゆっくり原作を熟読したいと思います。


人物の葛藤の中でも、とりわけ記憶に焼きついたのは、喰種でありながら平和に暮らしていた母娘

『笛口(ふえぐち) リョーコ』(←美人)と『笛口 雛実(ふえぐち ひなみ)』(←可愛い)

でしたね。
いや…決して双方見映えが良いからとか、そういう邪な気持ちが働いたワケではなく…。

喰種だからと言って、誰もが好きで人を襲って食しているわけじゃないんですね…。
ただ…人間の言う美味しいものを食べても、全く喉を通らない…、吐き出してしまう…。
そういう風に生まれてしまったばっかりに人目を避けなければならず、娘(←可愛い)を小学校にも行かせてやれない母親(←美人)の気持ち。
何も悪いことをしていないその彼女達(←美人母娘)は、人間が組織した喰種対策局により、一方的な制裁を受けることになります。

社会としては喰種は全員駆逐すべきという考えが一般的なようですが、それでもそういった喰種もいるのだと世論が学んだ時、この社会が考えを改める機会がくると良いですね。
決して邪な気持ちによる同情とかではなく。

作中でも、人間と喰種の対比の表現として、ヒロインの『霧嶋 董香(きりしま とうか)』がこう言う場面がありました。

『ねぇ、ケーキっと本当はどんな味なの?

 吐くほど不味いから分かんないんだけどさ、アレ…人間は美味しそうに食べるじゃない。』

「自分がもしそうなってしまったらどうする?」という問題提起を孕んだ本作。
この状況で主人公のように、目の前にある食肉に手を伸ばす自分を律せられるような『人を見失わない人』は、果たしてどれくらいいるのでしょうか…。
平和に暮らしても殺されるかもしれない、この世界で………。



作中で金木は、「あんていく」と呼ばれる初老の喰種が営む喫茶店に身をおき、以降生活をしていきます。
自殺者等を回収し、比較的罪を犯さず食肉を得られる環境を整えた本店は、この区での喰種の生活の支えとなっていたんですね。
当初は「自殺者の数だけで何人も十分に養えるの?」なんて考えておりましたが、日本の自殺者数や行方不明者数を換算して都心部の人口で割り当てた場合、結構まかり通る数なのだそうで…。
日本コワイ…。

金木はそこで、臓器を移植した大喰いの喰種『リゼ』の片鱗を見せながらも、喰種として少しずつ生活に馴染みをみせ始めるのですが…。
喰種対策局や別の区の喰種が、その生活を脅かします。

そして最終話、カタの外れた喰種による度重なる拷問で、『人を見失わない人』であった金木も、遂に『リゼ』の心に耳を傾けるのです。


『間違っているのは僕じゃない、

 間違っているのは…、この世界だ!』


『それでいいのよ金木君…、生きるというのは他者を喰らうこと…。』


ここから白髮と化した金木が魅せた、これまたカタの外れた…というより足首の骨を外した圧倒的な戦闘能力は、気合十分の作画も含めて物語のターニングポイントに感じ惹きつけられましたね。
そこから何の後日談も予告も無く終わってしまうのもこれまた衝撃的でしたが、まぁ…2期はしてくれるでしょうし、ゆっくり通知を待とうと思います。
{/netabare}



【人を喰ったような発言を繰り返す、美食家月山の魅力】
{netabare}
さて、急速な場面展開からも今ひとつ心象に欠けるキャラクターが多い中、それでもやはり異彩を放つ奴が一人。
それが、喰種対策局から「美食家(グルメ)」と呼称される『月山 習(つきやま しゅう)』でしたね。
はぁ…どーしてまたこういうキャラ好きになっちゃうかなぁ…。。。
でも、原作者の石田スイ先生も彼がお気に入りだとか…。
ですよねぇ、キャラの当て方に愛が感じられますもの。

はてさて、そんな月山という男。
見た感じはモデルを思わせる端正な顔立ちで、言葉の節々に英語や音楽用語を用い艶めかしく話すキャラクターです。
呼称としては他にも「20区の厄介モン」「気持ち悪いキザ野郎」「(ストレートに)変態」等多数。
うん、やっぱり愛を感じます。(愛の表し方は、人それぞれです。)


実際、彼は金木君に共通の話題である本を用いて近付くのですが、その本心はまさに彼を食すことであり、彼の血が付いたハンカチーフを鼻に擦りつけて


『柔らかな甘みと、芳醇なハーモニー。

 ああああああぁぁぁ、新しいごちそうの発見はっ!

 人の幸福にとって、星の発見以上のものだ!!!』


と迷言を吐き散らす、まさに変態野郎でしたね。
声を担当された「宮野真守さん」はまさにハマリ役で、「DEATH NOTEの夜神月」等の冷静沈着タイプから「STEINS;GATEの鳳凰院 凶真」といった厨二病キャラまで突き抜けてこなせる宮野さんだからこそ、存分に魅力を見出せたように感じました。


第5話で月山は、金木君をどうやって食べようかと試行錯誤した末、

『金木くぅんンがっ!! 食べながら

 金木くぅんうおっ!! 食べたい!!!』

という奇想天外な発想に辿り着き、人質をとって彼に迫ります。
ここで金木君から「変態」発言が飛び出るのですが、彼は侵害だと返しながらも「そうさせたのは君なのだから責任をとれ」と責任転嫁する天晴ぶり。
中の人繋がりで言うと、まさに「駄目だこいつ…、早くなんとかしないと…」状態でしたね。

ただ、実際に董香が割って入り彼を制止するも、「美食家」を名乗るだけあって良い物ばかりを食してきた月山は、食事が戦闘能力に直結する喰種の中でも、抜群の実力を持っていました。
そこで奇策として、董香が金木を食すことになるのですが、それを見た月山の

『僕のだぞっっ!!!』

発言には、シリアスな場面展開にもかかわらず笑ってしまいましたよ。
きっとそういう方も多いのではないでしょうか。


そんな彼も、金木くんが攫われた終盤では、

『アモーレ!! heartbreak…。

 無二の友人である金木君が…、ワケの分からない連中の手によって危険な目にあってるなんて…

 No kidding!!』

と言い放ち、「あんていく」と共に、彼を助けに?向かいます。
この月山が本作において、こういう味方とも敵とも呼べない立ち位置のキャラになったわけですね、にくい構成でした。
彼の言動を全て「お前が言うな!」で収めてしまうのは簡単ですが、皆さんもどうか彼を温かい目で見て愛でてみませんか?


そうそう、少し余談となりますが。
TV放送のCMを飛ばさない方はご存知かと思いますが、金木君と月山が行なうBlu-rayの販促CMは面白かったですね。

金木「月山さん、イベント抽選券付きBlu-rayが発売ですよ!」

月山「チュレェヴィアアアアァン!!

   イベントと言うことは、皆に祝福されながら、僕達が一緒になる日が遂にやってくるんだね!!?」

金木「人を喰ったような発言はやめて下さい…。」

最期の金木君の冷静なツッコミが良いですね。
これが聴きたくてCMは毎回飛ばしませんでしたよ、私は。
{/netabare}



【総評】

作品として魅力に感じる部分は大いにありましたが、その原作をアニメで100%活かしきれなかったように感じます。
原作未読の私から見ても、全12話で表現しようとするシナリオ構成の幅に、若干無理が掛かったように見受けられました。

それでも、内容として手を抜いた作品では決して無く、演出面にも秀でておりグイグイ見させるだけの吸引力はしっかり兼ね備えておりました。
全般的にシリアスな内容ではありますが、その分Cパートで小ネタを挟み楽しませてくれますしね。
次に見る機会があれは、ちょっと恐いですが黒塗りが無い完全版で是非見たいですね。

2期はやるのか…いつになるのか…。
今現在まだ噂の粋を出た情報はありませんが、どうせなら熱が冷めない内に放送してほしいですね。
展開が早かった分、視聴者の熱が冷めるのも早い気がしますし。

その時は、また作中にハマったを主題歌だと尚嬉しいですね。


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『月山 習』声 - 宮野真守さん

◇一番可愛いキャラクター◇
『笛口 雛実』声 - 諸星すみれさん



以下、カニバリズム(食肉文化)について。
(途中から妄想に突入してしまったので、〆ます。)
{netabare}

ちなみに私は恥ずかしながら、正直なところまだ一度もカニバリズムを体験したことがありません。
偏見を持たず多種多様な食文化に触れることは、人生観を広げる意味でも重要だと私は感じておりますので、ここは偏食なぞせずに、いつか体験しなければいけないなと考えております。

しかし、現代の日本において、そんな「ハンニバル•レクター」みたいな真似が出来る状況は早々ありません。
やはりここでも、『東京喰種トーキョーグール』の世界に妄想を抱くことで、脳内体験するのが社会人として果たすべき選択となるでしょう。


まぁ…どーせ喰べるなら、私好みの『チュレェヴィアアアアァン!!』な人間を捜すことにしましょう。

おっ、かなり好みの人間を発見!!
早速、声をかけてみましょう。


「あっ、お嬢ちゃん可愛いねぇ。

 ヒナミちゃんって言うんだぁ…。

 うんうん、髪型が(私好みな)ショートカットで似合うねぇ。(グヘヘ)

 へぇ、字のお勉強してるんだ、偉いなぁ。

 それならお兄さんが、こっちで詳しく教えてあげるよ。

 さぁ、おいでおいで!!(ゴクリ)」



……さて、数分後。
細切れになった私は、彼女の胃の中にいたワケですが…。

こんな可愛い美少女になら、喰われる側というのもまた乙なものでした。

でも、ちゃんと「ごちそうさま」って言おうね、ヒナミちゃん。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 61
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイトルなし

リゼと接触したことによって、
金木くんがかわいそうな目に・・・(´・ω・`)

■第1話~第2話
{netabare}
金木くんの発狂ブリが見どころの一つではありますが、
やっぱり一番の見どころは、リゼ役のハナザーさんですね!^^

1話目で金木くんをハニートラップにかけた
誘惑っぷり。そして2話目で永近を食べるようにそそのかしたり。
ハナザーさんがいい意味で壊れております(笑)

1話目の途中までは、ハナザーさんだとは気付かなかったです。
「となりの関くん」の横井さんがダークサイドに
落ちたみたいな感じ^^

これからますます壊れていくといいですね♪
{/netabare}

■第3話
{netabare}
今回はハナザーさん出番なしでした。。。
物語もあまり進まず、水面下で動いている感じです。
次回から動くかな??
{/netabare}

■第4話
{netabare}
今回はザ・宮野劇場って感じでした!
トイレでくんかくんかしているシーンはもう爆笑でした^^

ハナザーさんは30秒くらいの出番でしたが、
Sっ気たっぷりの見事な演技でした♪
{/netabare}

■第8話
{netabare}
久しぶりのハナザーさんでテンションあがります♪

そして残念ながら真戸さんはこれにてご退場です。
良いキャラしてたのに残念ですね^^;

あの指輪は、薫香ちゃんと何か因縁が??
{/netabare}

■第12話
{netabare}
中途半端なところで終わってしまいました。。。
原作読みましたが、確かにどこでアニメ終わらすか
は悩みどころですよね~
2期はあるんでしょうか??^^
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 94
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ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

嫌われたっていいじゃないか 人喰いだもの

2018.08.17記


原作既読。いや、アニメ観てから原作揃えた人。
もともと職場の子から原作を薦められてたんだけど、その時スルーしてたのを後悔するはめに・・・


マンガはけっこうな売れ行きで、アニメも海外含め評価が高く、そのあと実写化までした大ヒット作です。
なにせ人を喰うおどろおどろしいバケモノの話なので、実写映画版では出演女優さんの一人が良心の呵責を覚えてなのか出家してしまうという騒ぎを起こしたほどです。
タイトルだけ見たら、人間視点でバケモノとの闘いを描いたバトルものか、グロ主体のホラーみたいなのを想像しがちです。そう、頑張れ人間!

 嫌われたっていいじゃないか 人喰いだもの

はいこれミスリードです。
ん?みんなもう知ってるって?

スプラッタホラーか超絶バトルものはちょっと、、、という先入観で本作を避けてしまうのはもったいないと思われ、むしろその先入観、この際棄ててもらってかまいません。

人間と喰種を分かつもの、それはたまたま人しか喰えない種族としてこの世に生を受けたか?そうではないか? 細かいところを除けば一点それだけ、この作品の基本設定です。

時には人間、時には喰種側の視点で
何が正しくて、何が間違っていて
勝利も敗北もないまま 孤独なレースは続いていきます

{netabare}8話戦闘シーンでの言葉の応酬に端的に表れてます。

亜門VS金木戦での亜門
『罪のない人々を平気で殺め…己の欲望のまま喰らう』『親を殺された子供たち…残された者の悲しみ…孤独…』『貴様はそれを考えた事があるか?』

真戸VS董香戦での董香
『訳もなく命を狙われる恐怖 あんたにわかる?』『大切な人が虫けらのように殺される あんたにこの気持ちわかる?』{/netabare}

単純に視点をどちらか一方のサイドに寄せて、というわけではない極めてドラマ性の高い作品といってよいでしょう。グロやバトルは作品を飾る要素として欠かせませんが、メインはあくまで人間?ドラマです。


そして人間でも喰種でも多少の個体差はあれ自分サイドの視点しか持ち合わせてません。
そこに{netabare}「もとは人間、今は半分人間半分喰種の」{/netabare}主人公金木研くんがどう割って入っていくかが作品の見どころとなってます。

{netabare}『自分の意思と無関係に、自身の体に改造がなされる。』
このへんは初代仮面ライダーみたいです。世の少年少女たちが心躍らせる伝統芸と言えるでしょう。
昭和の本郷猛はいかついあんちゃんでしたが、平成の金木研はナイーヴ優男である、というのも時代の流れでしょうか。{/netabare}


OP『unravel』は物語にドはまりしてる秀曲です。ムービー含めてインパクトがあり、カラオケのアニソンランクでも上位に食い込んでます。ただし、これ原キーで歌いきれる人っているんだろうか??
OPに隠れてますが、EDもクールダウンにちょうど良い曲です。ED後の巻末4コマ的なショートアニメもほっこりできますよ。


キャラは喰種も人間も多士多彩で登場人物多めです。
1期1クール12話で全員掘り下げきれるわけにもいきません。2期待ちか必要最低限か、私は掘り下げ不足を理由に感情移入できないといったことはありませんでした。

声優さんもキャラの多さに合わせて人数多めです。回によってはEDクレジットで3カット分使うほど用意してました。そして無駄に豪華です(褒め言葉)。
{netabare}
※印象深い演者さん
■金木研:花江夏樹
悲鳴に近い絶叫を担当するのに適任でした。梶さん(今回はアヤトの役)の絶叫も捨てがたいがよりナイーヴな感じを出すには花江さんじゃなきゃ無理かな。
■ウタ;櫻井孝宏、月山習:宮野真守
ハマってることはハマってるんだけど逆も見てみたい。
■エト:坂本真綾
ただ私が好きなだけです。
■真戸呉緒:大川透
マジキチぶりが伝わる好演。 病気からの復帰おめでとうございます。(2018年8月現在)
■鈴屋什造:釘宮理恵
意外な組み合わせ。什造を女性声優でというのはすごいアリ。什造の「見た目は青年中身は子供」感がよく出てました。
{/netabare}


※以下ネタバレタグは本当にネタバレ

引き込み充分な第一話。
{netabare}リゼを媒介におどろおどろしい喰種をまずは視聴者に印象づけます。そうですよね、人を喰うんですから我々人類の敵ですよ。
それで喰種の生態やら人間と喰種の関係性など適度にレクチャーが入るので初見殺しにはならない設計。Bパートからは半喰種になってしまったカネキ君の苦悩です。そしてクール通じてカネキ君は悩みに悩みます。{/netabare}
第二話アバンで物語のコア部分に触れるので、ノリが合わなさそうなら撤退を視野に入れてOK!
{netabare}
金木「僕は人間だ。お前らバケモンとは違うんだ。」
董香「どう?あたしがバケモノならあんたはなんなんだよ?」
金木「お願いします。教えてください。僕はどうしたらいいんですか?あの日から全てが最悪なんです。」
董香「最悪か?あたしだって教えてほしいよ。」
  「ねぇ?ケーキって本当はどんな味なの?吐くほど不味いから分かんないんだけどさ、あれ、人間がおいしそうに食べるじゃない?」
  「平和な生活はどうだった?CCGやグールに怯える必要のない日々は?
全てが最悪?ざけんなよ!」
  「だったらあたしは生まれた時から最悪ってわけ?なああんた!教えろよぉぉぉ!!」

・・・からの『おっしぃえってよっ』unravelインですからねぇ。カッコよすぎです。
{/netabare}
序盤に世界観の提示がなされるので、そこに抵抗がないなら最終話までいけるでしょう。無駄回無かったと思いますよ。1期の区切りもあの箇所までだったら納得です。


グロですか?

カレー食べながら観ることができましたので平気です。
そのへんは所詮アニメーションということで実物の映像とは違いますし、規制も効いてることから血しぶき+α程度のグロです。
{netabare}ただし画よりも音が嫌だということはあると思います。11話12話の拷問シーンでの悲鳴絶叫はきつい人にはきついでしょう。画はそうでもありません。{/netabare}
受け入れる視聴者側も、進撃の巨人あたりがこのへん切り拓いてくれたおかげで、出来上がった土台に乗りやすかったかもしれません。


さてさて金木くんは葛藤の末、どういった結論を出していくんでしょうか?

 しあ○せはいつも じぶんのこ○ろがきめる

最後に一つの結論を出します。共感するもしないもそういう物語なのでね。


続きは2期で!



-----
2019.06.28追記
《配点を修正》


視聴時期:2017年11月

シリーズは2018年秋クールまでの全48話をもって完結しました。
金木くんやトーカちゃんをはじめ、1期ではまだ子供っぽさの残る登場人物らが次第に深みを増していきます。
残念なことにあにこれでは期を重ねるごとに評価を落としていきましたが、私は好きですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

62.7 4 暴力で不気味なアニメランキング4位
迷家-マヨイガ-(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (917)
3514人が棚に入れました
興味本位で参加した胡散臭いバスツアーで合流した若き30人の男女。
ツアーの目的地は納鳴村(ななきむら)と呼ばれる存在が定かではない幻の村。
『納鳴村』では現世でのシガラミに縛られないユートピアの様な暮らしができる……と都市伝説のように囁かれていた。
現実の世界に絶望している…退屈な日常を抜け出したい…人生をやり直したい…。
それぞれの思惑や心の傷を抱えた30人を乗せ、バスは山奥深くへと導かれてゆく……。
そして30人が行き着いたのは、朽ちつつも微かに生活の匂いが残る無人の集落だった。
30人につきつけられる『納鳴村』の真実とは?
1話たりとも見逃せない!
謎が謎を呼ぶスリリングな展開!
閉鎖された村での人間模様と主人公の心の葛藤を描く、前代未聞の群像アニメが幕を開ける!

公式サイト
http://mayoiga.tv/

公式twitter
https://twitter.com/mayoiga_project

声優・キャラクター
酒井広大、相坂優歌、八代拓、佐倉薫、鈴木達央、五十嵐裕美、清水彩香、加隈亜衣、多田このみ、長谷川芳明、三好晃祐

要 塞 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

生き迷う人々の群像劇

 最初は和風ミステリー+Jホラーという印象を受けました。
特にオープニングのインパクトが強かった。
なんかヤバそうな村が背景に映りこんでいて、
初見で、ホラーっぽい印象を持ったのは自分だけじゃないはずです。
もしホラーだとしたら・・・
下手すりゃ登場人物全滅?
だとしたら視聴後、ムナクソ悪くなるのではないか?
と、不安になりましたが、水島監督を信じて視聴しました。
その結果は・・・

 この作品には、
「自分」という存在に対する、問い、が含まれているように感じました。
総勢30人のツアー参加者+αの抱える心の闇。
地図に無い村の謎。
真実が明らかになったとき、
あなたがツアー参加者だとしたら・・・
どちらの結末を選択しますか?

 登場人物が多いので、どうかな、と視聴前は思っていたのですが、
案外、苦になりませんでした。
キャラ全員の名前が覚えられなくても、全然いけると思います。
主要人物は名前と特性が頻繁に描かれているので、
お気に入りのキャラを決めて応援するのも、楽しい見方かもしれません。
 社会に馴染めないと思っている方、
今の自分を変えたい、生まれ変わりたいと思っている方、
そして、自分が嫌いな方・・・
バスツアーに参加すると、
自分なりの答えが見つかるかもしれませんよ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10
ネタバレ

ポル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

面白いと思った

感想見るとみんな辛口というか評価低すぎのような気も。
ホラーで怖い部分もありましたし、普通に続き気になりました。
キャラ絵デザインも好きな感じでしたし。
謎もある程度解決?したような感じでしたし。今期のアニメではまだ見れる方だったんじゃないかと思いますよ。

シリーズ構成は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の岡田麿里とのことですが、「あの花」と比べないで見てあげてください。ジャンルは全然違いますしあまり期待しすぎるのもよくありません。

{netabare}
ただトラウマって誰もが好き好んで向かい合いたいものじゃないから気分を害する人もいるんじゃないかと。登場人物で自分のトラウマと似たような経験をされた方とかは気分良く見れなかったんじゃないかと思います。ナナキ村のトラウマの具現化がなぜあの場所だけ起こるのかや残った人たちのことは投げっぱなしで終わっちゃったな。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どの回もそれなりに面白いけれど、観終わって心に残るものは特にないかも

現実生活で問題を抱えた人たちが「人生やり直しツアー」に参加して、納鳴村(ななきむら)という謎の村に行く、みたいな設定のオリジナルアニメ。
ジャンル的にはホラー、ミステリー、ファンタジーといったあたりになるのでしょうが、なんだかどれも微妙にしっくりこなくて、どう分類していいのかよくわからない感じ。とりあえず、全体のストーリーが面白かったかというとそうでもなくて、最後まで観終わっても何か心に残るようなものは特に感じなかったけれど、毎週の話を観ていると、どの回もそれなりに楽しめました。
登場人物は非常に多くて、第1話で一気に大量のキャラが紹介されますが、当然いっぺんに覚えられるわけもなく、観ているうちに流れで目立つキャラだけ覚えるくらいでも特に問題ないと思います。
作品全体の雰囲気は、ちょっと頭のおかしいキャラがいて物騒な言動があったり、謎めいた不穏な空気が漂っている割には、あまり陰湿ではなく、ユーモアを感じる部分もあったりします。特に、処刑処刑と叫ぶ「らぶぽん」というキャラは、観ているとつい笑ってしまいました。
作画は綺麗。キャラデザも結構好みで、かわいい女性キャラもいたりしたのが、なんだか少しもったいない気がしました。(こんな変人だらけの作品ではなく、もう少し普通の作品に出してほしかった的な思考でしょうか)
声、音楽も悪くなかったです。
この感想を書くにあたって他の方の採点をさらっと見たところ、どうも評判は微妙なようですね。自分は動物園が好きでたまに行くのですが、動物たちを眺めていると、特に何か事件が起きるわけでもなく、ずっと観ているからといって最後に面白いオチがあるわけでもないのに結構退屈せずに楽しめたりしていて、今回この「迷家-マヨイガ-」という作品を振り返ったときに、なんとなくそんな感覚の面白さだったのかなと思いました。(そういえば、らぶぽんを愛でるのも珍獣を観察するのに近い感覚だったのかもしれません)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26

71.1 5 暴力で不気味なアニメランキング5位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (411)
1732人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

どっからどう見てもポップ・・・ではないよね

『これは猟奇サスペンスであり青春群像劇であるんだよ』 

相反しそうな言葉を同一の意味合いのものとしてキャラに語らせる。するとあら不思議!深淵なる哲学的ななにかに聞こえてきます。

『猟奇サスペンスである一方青春群像劇』 並列は×
『猟奇サスペンスである以上に青春群像劇』 序列も×

いずれもパンチが弱いため、ここではあくまであたかも相反するものが一体となってるような表現に努めねばなりません。

・レトリックのみでくどく、キャラをイタく感じてしまうのが “梅”
・レトリックがハマリ、キャラに魅力を感じてしまうのが “竹
・レトリックとストーリーがマッチし、作品に魅力を感じてしまうのが “松”

本作『ブギーポップは笑わない』はまごうことなき松!
抽象的な「世界の危機」という大問題を巡って登場人物たちの極めて主観的な台詞回しで進行していくサスペンスタッチの青春群像劇のようなものと言ってよいでしょう。猟奇性を帯びたキャラクターも複数登場するため、グロ描写も所々出てまいります。


1クールなのに全18話のお得感。トリッキーな放送スタイルのおかげで何話か飛ばしましたがなんとか視聴を完了しました。配信やタイムシフトのある時代で良かったです。
そんな便利なサービスの欠片もなく、ラノベという単語も浸透してなかった1998年に刊行されたヒット小説のアニメ化です。
元ネタの刊行年度を考えれば古典といって良いでしょう。私としては珍しく原作既読の作品です。作品の意義だったり影響等についてはgoogle先生あたりをご参照くださいませ。

実際に視聴してみて巷で言われるような “古臭さ” というのが実はよく分かりませんでした。
だいぶ原作の記憶が薄れているためほぼ初見のような新鮮さで堪能できてます。全18話を通してキーになる人物(人格)がブギーポップ。いくつかに別れたエピソードはこちら、

(1) 第1話 - 第3話 ブギーポップは笑わない
(2) 第4話 - 第9話 VSイマジネーター
(3) 第10話 - 第13話 夜明けのブギーポップ
(4) 第14話 - 第18話 オーバードライブ 歪曲王

計4つのエピソード。時系列は前後してたりするのでながら見は禁物です。時系列の掴みづらさと同様に、キャラ相関が難解、そして台詞回しが難解です。私は後者をあきらめました。
ただキャラ相関は小難しそうに見えて意外とシンプルなのではなかろうかと思ってます。ここが掴めてくるとテーマらしきものも見えてくる作品でした。


◆相関その1 二つの二項対立
・《世界の敵》 と 《世界の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}《世界の敵の敵》はブギーポップ。前者はブギーポップに“自動的に殺される”人が目安でした。合成人間もいいセンいってますが、MPLSと呼ばれる元は普通の人間でふと異能に目覚めちゃったのが敵認定される場合が多かった気がします。{/netabare}

・《社会の敵》 と 《社会の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}霧間お父さんの「社会の敵」というセリフに引っ掛かりを感じました。統和機構に殺されるのが《社会の敵》に見えます。ブギーポップは社会の敵は殺しません。{/netabare} 

《敵の敵》の主語は一つで《敵》はいろいろですが、《世界の敵》か《社会の敵》かに分けて整理するとスッキリします。《世界》と《社会》の違いはようわかりませんでした。
{netabare}強いて言えば
《世界の敵》はマジやばいやつ。世界を滅亡に陥れる者。
《社会の敵》はプチやばいやつ。世界を大混乱に陥れる者。{/netabare}

{netabare}ここでふと、《世界の敵》は超異能だけどスケールが小さいというか世界はさすが言い過ぎじゃね?と思ってみたり。
この作品でいう世界の規模感や質感が我々がイメージできるものならば、目立ってマークされてそのうち一個師団が出てきて壊滅させられる程度の異能ぶりです。おそらく煮詰まった上で殺される前といいますか勃興期のイケイケな時にブギーポップが登場するのかもしれません。だからこう噂されてるのかな。

{netabare}「その人が一番美しい時に、それ以上醜くなる前に殺す」{/netabare}{/netabare}


◆相関その2 宮下籐花はモブ
ブギーポップが主要人物であることはよいとして、肉体を間借り!?している籐花にも焦点をあてると混乱します。
先入観だと、ふつう主役はこの人だよって観る側に柱を作ってあげてから話を進めるとか、群像劇でもグループ(だいたい5名くらい)を作ってその囲いの中で話を進めるものだと思うのですが、それがありません。登場人物の母集団に大きな変動はないのにです。さらに4エピソードと分けてることでなおさらこんがらがります。
前のエピソードで主役を張ったかと思えば次のエピソードは台詞なしとか、ブギーポップに視点を置きたいけどなかなかもったいぶって出てこないとか。
{netabare}当初は、別人格に悩まされる少女(宮下籐花)と恋人竹田啓司との奮闘記を想像してしまったせいでとても混乱した私です。{/netabare}
{netabare}霧間凪も髪型変わってヴィジュアル判別が難しくなったりとかホント勘弁して~{/netabare}


対立の構図や人物相関が整理できたらあとは身を委ねて完走です。
こういった「世界の危機」といった抽象的な大問題をさも大事のように扱う作品って、外からだと馬鹿馬鹿しくつまらなく見えがちなのですが、中に入ってみるとけっこう陶酔できるものです。
作品が世に出た1998年あたりで例えれば、ヴィジュアル系バンドの歌詞世界とライブ模様みたいなものかと。「破滅」「追憶」「世界の果て」「彷徨」「闇」「孤独」「血」「薔薇」「憂鬱」「堕ちる」・・・とだんだん楽しくなってきちゃったのでこのへんで。あと「とりあえずフランス語」。

極めて私的で閉じた空間でのダークな物語。
きっと中学生や高校生くらいの思春期に出会ってたらドはまりしてたと思います。では思春期が遥か遠い大人の私はどうだったかというと、「とても楽しく鑑賞できました」になります。
毎度OPが楽しみだったのと、意外と大人がいい役回りをしてたことが理由としては大きいですね。語り部的な大人らしい大人もいれば、大人になりきれなくて身を滅ぼす大人と。
彼ら高校生が抱く未来への期待と不安を象徴するような大人ばかりでした。
子供ばかりだけだったら見られなかったような気がします。

思春期世代の抱える不穏さをファンタジーでふわりと包んだ良作です。

この作品に影響を受けた奈須きのこ氏の『空の境界』にドはまりした私にはとても相性の良い作風でした。



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2019.09.19追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.27 初稿
2019.09.19 追記

投稿 : 2024/04/27
♥ : 51
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

多様性から生まれる「金」の泡

アニメーション製作:マッドハウス、監督:夏目真悟、
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋、音楽:牛尾憲輔
キャラクターデザイン、澤田英彦、原作:上遠野浩平

世界が危機に陥ったときに現れる
不気味な泡、ブギーポップという人格。
左右非対称の奇妙な表情をして
筒のような帽子とマントを身に着けている。
その存在は、ひとつの都市伝説のようなものだった。

1998年に発表された電撃小説大賞の大賞受賞作。
この作品に影響を受けたラノベ作家は多く、
西尾維新は作家を志望するきっかけになったと語り、
奈須きのこは『空の境界』の「矛盾螺旋」でのアイデアは、
この作品の『歪曲王』に登場する「ムーンテンプル」に
インスピレーションを得て考案したことを公言している。
ライトノベル作家に影響を与えたという意味では、
1984年から刊行された笹本祐一の『妖精作戦』シリーズに
匹敵する作品だろう。

原作については、アニメ化された作品は既読。
しかし、読んだのは10年以上前のことで、
アニメを観て、ようやく少しずつ思い出した。
ちなみに原作で好きだったのは、
『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』と
『歪曲王』だったのは記憶している。
パンドラのほうは、残念ながらアニメ化されなかった。

そして今回のアニメ化を観て、まず感じたのは、
普通に一度観ただけでは、まず理解できないだろうと
いうことだった。私自身もそうだった。
原因は、登場人物が多すぎて覚えきれないことがひとつ。
ふたつ目は世界観が少しずつ明かされていき、
構造が複雑なため、展開に追い付いていけないことだ。
だから、この作品を1度で理解しようとするなら、
ウェブサイトなどで、登場人物や世界観を頭に入れてからの
視聴をおすすめする。その場合は、物語のあらすじを
観る前から、ある程度知ってしまうことになるが、
知ったからといって、魅力が薄れてしまう
種類の作品ではないと思う。
それを避けたい人は、2度観る覚悟が必要かもしれない。

もう20年も前の作品だが、個人的にはそれほど
古さを感じなかった。
そして原作をとても上手く映像化している。
世界の敵、統和機構、合成人間、世界の危機を回避する者、
人類の進化形であるMPLS。
これらを中心に哲学的、思春期特有の思考が重なり、
物語が展開していく。

1~3話『ブギーポップは笑わない』
4~9話『VSイマジネーター』
10~13話『夜明けのブギーポップ』
14~18話『オーバードライブ 歪曲王』
という4つの作品で構成されており、
多くの登場人物が錯綜しながら、
さまざまな伏線が回収されていく。
小説では『VSイマジネーター』が2冊分、
ほかは全て1冊で完結している。
シリーズ通しての主人公は、
ブギーポップになるのだが、
その存在を目撃したり、相対する者が
真の主人公になるため、
視点をどこに定めれば良いのかが
分からなくなってしまうのが欠点だろう。
「正義」と「悪」という明確な概念がなく、
常に視聴者に哲学的な思考を強いるのも
観にくさにつながっている。

1~3話は登場人物や世界観の紹介と、
怪奇ミステリー的な要素が色濃く、
それほど特筆すべき点はないのだが、
4話からの展開は視聴者を引き込む。
時系列順に観たい人は、ブギーポップ誕生の
10~13話を先に観て、
そこから1話に戻るのも良いだろう。

四月に降る雪、落下する鳥、
扇動者のような存在であるイマジネーター、
心のなかにある薔薇、隠された心の歪み。
哲学的なイメージをエンターテインメントに
転化させる手法が鮮やかだ。
まるでポール・オースターの初期三部作を
初めて読んだときのような感覚。

物語の構成、音楽、声優は一級品。
悠木碧が上手いのは周知のことだろうが、
やはり抜群の仕事ぶり。
また『聲の形』や『リズと青い鳥』で知られる
牛尾憲輔の劇伴が世界観と完全にマッチしている。
作画も個人的には違和感がなかったし、
上手く描き分けている。

この作品を象徴しているのが
『オーバードライブ 歪曲王』編だ。
そもそも原作の上遠野浩平は、ここでシリーズを
終了させるつもりだったので、
これまでの要素が集約されている。
『VSイマジネーター』で表現された
心に薔薇があって、誰もが何かが欠けているという
表現とリンクしている部分もある。

{netabare}合成人間の天才建築家・寺月恭一郎が
統和機構に処分される前に多くのMPLS候補者を
一堂に集め、覚醒させるために建設したムーンテンプル。
その集まりに乗じて歪曲王が現れる。
歪曲王は、人間の心残りとして封じられた
多様性ともいえる願望を「金(きん)」に変えることが、
何かを突破するきっかけになると考え、実験を行う。
自身の問いに対して答えを探すための行動でもあった。
それは人にどのような効果をもたらすのか。

年を重ねるごとに私たちは、心の奥に何かを封じていく。
それは大人になるために必要なことだが、
人間の多様性を平坦にして
可能性を摘んでいくことにもつながっているのではないか。
まるで最近の企業が取り入れている
ダイバーシティを先取りしたような思考。{/netabare}

人類に未来や進化があるとするなら、
純粋な心の中に答えが示されているのかもしれない。
(2019年4月26日初投稿)

ブギーポップと時代性
(2019年4月27日追記)
{netabare}この小説が登場した90年代は、
ノストラダムスの大予言の影響から来る終末論や
バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が
起こったことで、暗いイメージが付きまとう。
しかし、個人的には何かを突破することが
求められた時代とも感じている。
発想の転換ともいえる宮崎学の『突破者』という本がヒット。
そして音楽でいえば、生音のロックから端境期を超え、
より電子音を重視したドラムンベース、
全くの新しい音楽であるHIP HOPなどの
既存のスタイルを突破したジャンルが一気に登場した。
アニメ業界に変革をもたらした
エヴァンゲリオンの放映も90年代。
終身雇用制という働き手のあり方も変化した。
それまでの常識が覆された時代だった。
そして、純文学かミステリー、時代物しかない
小説のあり方を大きく変えたきっかけが
まさにこのブギーポップシリーズだった。
世界に「危機」が迫ったときに自動的に現れる泡。
このシリーズはそういう時代の流れを
象徴した作品といえるのだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 70

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ブギーポップは半笑い」

<2019/4/23 追記>
ようやく見終えました。
バタバタしててなかなか消化できず。

歪曲王まで見てなんとなく思い出してきました。

感想としては「アニメにしづらい原作だなぁ」とあらためてしみじみ。

敵を倒すとか
感動を催すとか
圧倒的に怖いとか

そういう話じゃなくて。
作者の伝えたいことが抽象的且つ主観的な話なので。
そういった事柄を感覚的に受け入れられないとつらいと思います。

まぁでもそうした感覚は歳を経ると得られていく部分でもあるので、「よくわかんなくて面白くなかったー。地味ー。」という方は10年後にあらためて視聴することをお勧めします。

決してわけわかんない話ではないと思いますよ。
寧ろ青臭くわかりやすい。

と、細かい考察が苦手で、本作も理解が適当な私の適当な感想でした( ・∇・)

あとOP曲は好き。


<2019/3/3 追記>
みなさん、Happyひなまつり♪

それはさておき、ブギーポップ危なかったですねえ。

何がって、10〜13話をいつもと違う時間帯で一挙放送て。
たまたま9話をオンタイムで観てて、一挙放送のテロップで気がついたから良かったけど。

なにしてくれんの( ̄Д ̄)ノ

さてはコアなファン以外に見せる気ないな


<2019/1/25 追記>
第5話観ました。
イマジネーター読んだはずだけどいろいろ忘れてる。
霧間凪に弟いたっけ?
いたような気もするけど
あれ?こんなホモォ・・・なエピソードあったっけ?
スプーキーEってこんなつぶらな瞳なの?
中年太りなのは記憶通りだけど
とかとか。

カメラが追いかける人物がコロコロ変わるのは確かにそんな感じだった。
初見のような気分で見られるのはある意味お得なのかもしれないですね。

<2019/1/14 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベ。
もう10年以上前になるのかな。
途中まで読みました。
なにせ既刊が多いので。
そしてかなりうろ覚え(´・_・`)

原作はラノベ界では有名な作品です。
ラノベをここまで流行らせたきっかけになった作品なんじゃないでしょうか(たぶん)

「ブギーポップは笑わない」
タイトルがキャッチーですね。

例えば「世界の中心で愛を叫ぶ」に通じるものを感じます。
これはエヴンゲリオン最終話「世界の中心でアイを叫んだケモノ」が元ネタで、
そのエヴァも大昔のSF小説「世界の中心で愛をさけんだけもの」が元ネタだったりしてますが、
要は意味はよくわかんないけどキャッチー

「ブギーポップは笑わない」もタイトル先行な気もしますが、書店の本棚に置いてあると目が行ってしまう、ついつい手に取ってしまいそうなナイスなタイトルだと思います。

ジャンルとしては「セカイ系」
1作目の発刊はエヴァのちょっと後ですし時代ですね。
つまりちょっと青臭い。
自分と世の中との関係性に悩む年頃に読むとピタッとハマる作品です。

主役のブギーポップさんは
「世界が危機にさらされると自動的に現れる」
そうです。
セカイ系だから、ね。
そういえば最近までグリッドマンさんもやたら
「裕太!世界の危機だ!」連呼してました。
親戚かな?

どんな危機かは見てのお楽しみです。

ただセカイ系というだけではなく、物語の展開や設定に工夫を懲らそうとチャレンジしている点は好感が持てます。

一見、敵と思える相手のことをブギーポップさんは実はそんなに相手にしておらず・・・とか。
ポイントをずらしてハッとさせる感じの作品。


アニメはまだ3話までしか見ていないですが、原作をうまく表現してます。
ただ原作読んでないと何が何やら(´・_・`)?という気も

雰囲気は一貫して暗いのでそういうの苦手な人にはさらに辛いかも。

あとブギーポップの表情。
原作では左右非対称の奇妙な表情とあります。
半分笑って、半分泣き顔でみたいな感じでしょうか。
それがアニメでは「半笑い」に見えてしまいました。
ここら辺を映像で表現するのは難しい。
文章なら一行なのに。

ものすごい好きかと言われると微妙だけど
懐かしさもあるのでたぶん最後まで見ます。


最後に

スポルディングのスポーツバッグ懐かしいなー
アニメではどうなってんだっけ?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 54

65.9 6 暴力で不気味なアニメランキング6位
ベルセルク(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (316)
1363人が棚に入れました
ミッドランド辺境の安酒場にて、黒衣の剣士・ガッツは言いがかりをつけてきた盗賊たちを撃退。居合わせたエルフのパックと少年・イシドロは、ガッツの手際と大剣に興味を抱き、彼を追う。

村を出たガッツは通りがかりの荷馬車に誘われる。そこには僧侶と娘のコレット、そしてパックが乗り合わせていた。ひと時の安らぎと思いきや、ガッツを狙う闇が迫る――。

声優・キャラクター
岩永洋昭、水原薫、日笠陽子、興津和幸、下野紘、安元洋貴、行成とあ、櫻井孝宏、大塚明夫、石塚運昇、沢城みゆき、高森奈津美、平川大輔、竹達彩奈、寿美菜子、中村悠一、石井康嗣、小山力也、稲垣隆史

beatle さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これより上は無い最高傑作のファンタジー!!・・・・・・・のアニメ化

まさかベルセルクを読まないで人生を生きている方はおられないとは思いますが、このアニメを観てない方は多々おられる事でしょう。そんな方向けに言いたい。

『ベルセルクの絵が動いとるで!!!!!!!!!!』

触のアニメも見れて良かったです。

尺の都合上やはりいろいろ飛ばされたり削られたりしてますが、それでも、あのガッツが!!あのぶっといでっかい大剣を片手で持ち上げてトロールをぶった斬りまくるのは感動しちゃうでしょう!!

FF14の暗黒騎士やってない人もやってみたくなるレベル。

ざっくざっくばっさばっさっと敵を無慈悲に殺しまくるのはある種の爽快感が出まくりです!

ベルセルクの世界観はモブがただの雑魚じゃないから好きなんですよね。強すぎないし、弱すぎない丁度よい敵役。

比較的ティーンエイジャー向けの萌えアニメのファンタジーは、剣を握ってちょっとやってモンスターをぶっ倒していくけど、この作品はそうじゃないから超絶好き。やっちゃいけないところもサックリやっちまったり描写しまくるところも大好き。

こういうところって冨樫とか平山夢明っぽいんですよね。

大概の一般人は納得のいく理由の無い殺戮の被害者に徹底してるとこ。物語ってこういうの大事ですよね。

そもそも子供が武器持ってて何かを殺せるわけもありませんし。子供がちょっとやっても大人に勝てるわけがないですし。

本作品はどうしてこんなに強いのか、どうしてこんなに頑張れるのか、それを丁寧に重厚に緻密に描きあげてる点がいいですよね。

現代社会に生きる我々は衣食住が保証された生命ですが、そんな中だからこそ根性がずぶずぶに腐って孤独に死んでいくのだと思います。世紀末な世界で突拍子も無いお伽噺の絶望の中、この作品は我々の腸に矜持を投げかける一本の槍ではないのかと。自分にはそう思えてならないのです。

ベルセルクファンはとりあえず見ておかなければならない作品でしょう。まさかベルセルクを知らない人間がいるとかはそういうのはこの日本の中に存在しないと思われるので、自信を持ってお勧めできる作品なのです。

最近のアニメってアレでしょ?よくみてないからわかんないけどどうせ高校生がなんとかアレしてこうするようなのばっかりなんでしょ?
退屈ですよね。そんな時に観れば大満足間違いなし!

まぁ人によってはアニメ観るより漫画を二度見した方が遥かに面白いと思う方もおられるとは思いますが、とりあえず観てみましょう。


平成生まれじゃ多分わかんないけど、ちょっと混沌の時代だったビーバップハイスクールを生き抜いたバリバリの昭和世代には通じるものがあるのではないでしょうか。

とりあえず死んでないなら観ないとね。話はそこからなんですよ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

意味が分からなくても(たぶん)楽しめる

中世の様な世界で戦う孤独な剣士ガッツの物語。
主人公最強系です。
中世と言ってもファッション中世ではなくて本当に暗黒の時代と言う感じの鬱々とした世界観です。
何故か人外の物が登場します。

えーと、かなり昔にやってたものの続きになるのかな?
かなり長い原作コミックの一部になります。
最初は人外の物登場しない、傭兵団の青少年が時代を生き抜くお話でした。
たしか以前のTV版はその辺でしたよね。
それから何故か人外の物がワラワラ登場して混沌としてきます。

私はモズグス篇好きなので今回のTVは楽しめました。
上記の暗黒の中世間が良く出てる面白いエピソードでした。
とはいってもこの辺から妖精のパック、泥棒少年イシドロなどの陽キャラも登場します。
私もあなたと同様最終話で「シールケタンキター!」と叫んだクチです(笑)

そんな訳で、原作を知っていればそのアニメ版として楽しめます。
評判良くないCGですが、確かになんだかゲームみたいでした。
原作はもっと禍々しくておどろおどろしい感じでしたが、なんだかアッサリになっちゃってるのが残念でした。

原作知らない人にはどうでしょうか。
大昔の序章か原作を読まないと終始意味がわかりません。
でもまあ主人公最強系で禍々しい敵をばったばったと倒すのでそれだけでも観てて面白いんじゃないでしょうか。

原作「ベルセルク」と言えば徐々にグダグダになる漫画として有名です。
実は私も読破していません。
このあとどこまでアニメでやるの?続きはまた10年後?と思ったら来年やるみたいです。

原作も覚えてるのこの辺までなので、続き楽しみです。
次はシールケタンて言う子魔女が登場しますよー
(それだけは覚えている)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

ヤマザキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なかなかいい感じ・・・。でも・・・。

H28.9.29追記

なかなかよかったのではないでしょうか?最後までテンションも落ちずに楽しく鳥肌を立てながら観ることができました。ただ、視聴途中の感想に書いたとおり、この前日譚を理解していなかったので、肝心なところ、すなわち最後に出て来たあの見目麗しき全裸の男性がナゾで、理解できませんでした。きっと、この前作のアニメを観ていたり、原作を読んでいたりしていれば、「おおっ!」って思うシーンなんでしょうね。そのあたりの気持ちが持てなかった分、やはりちょっとした「置いてけぼり感」は、正直なところ感じました。

あにこれにおいてもこのアニメに対する低評価が渦巻く中これだけ楽しめたわけですから、きっと原作や前作はすごかったのだろうと、それは確実に推測できます。それを観た上で、もう1回この作品を観直してみたいですね。そうやって初めて正しい評価を下せるんだろうなぁと思います。是非是非やってみたいですね。

ストーリーは、最後の男性がナゾだった以外は、文句のつけようがなかったくらい好きです。ちょっと気になったのですが、あの異端審問官のモズクズを初めとする法王庁の面々ですが、あれってその系統の宗教団体から苦情がいかないのでしょうか?かなりスレスレのところをいっているような気がするのですが・・・。

おっと、第2期が2017年夏に開始ですか。それまでに前作を観直さねば・・・、って思っている私はもう完全にベルセルクの虜なんでしょうか?

===

原作はタイトルだけ知っていましたが、未読です。

なかなか面白いですね。完全に大人向け。大好きです、こういうの。グロでエロで、中世のあの血なまぐさく淫靡な感じがよく出ているように思います。CG大活用との触れ込みですが、違和感は全くありません。むしろ、1970年代後半~1980年代前半の、出崎統氏のアニメ、もっと具体的に言ってしまうと「宝島」「あしたのジョー2」あたりの香りも漂っていて、ちょっと懐かしい感じもします。

・・・ただ、皆さん評価辛いですねぇ。やはり原作と比べちゃうのかな?原作付きはあにこれでは不利ですねぇ(嘆)。下手に原作を知らない方が、アニメを純粋に楽しめるのかな?

あ、でも、まったく原作のことを知らないと、かなり「置いてけぼり感」は感じます。うん、かなりじゃないな、すごくだな。

やはり原作読んだ方がいいのかな?もしくは昔アニメ化された時のもの?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

68.9 7 暴力で不気味なアニメランキング7位
バビロン(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (366)
1121人が棚に入れました
「その啓示は、静かにそっと訪れる―」東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社の不正事件を追ううちに、一枚の奇妙な書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚のまじった異様な血痕と、紙一面を埋め尽くすアルファベットの『F』の文字。捜査線上に浮かんだ参考人のもとを訪ねる正崎だが、そこには信じがたい光景が広がっていた。時を同じくして、東京都西部には『新域』と呼ばれる新たな独立自治体が誕生しようとしていた。正崎が事件の謎を追い求めるうちに、次第に巨大な陰謀が見え始め――?

声優・キャラクター
中村悠一、櫻井孝宏、小野賢章、M・A・O、堀内賢雄、興津和幸、宝亀克寿、置鮎龍太郎
ネタバレ

みゃー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

胸糞アニメの一言で切り捨てるにはもったいない

野崎まどによる小説原作、原作は未読
あらすじはネタバレになるので割愛

真っ先に申し上げたいのはこの作品、気軽に知り合いに勧めるのは絶対にやってはいけないということです。

多くの人は言います。
ただの胸糞アニメじゃねーかと。
見て損した、時間を返せと。

たしかに気持ちはよく分かります。
広げた風呂敷をことごとく置き去りにしてしまうわけですから。

そういう部分が苦手な人は絶対に見ない方がいいです。
でも好きな人はどんどん引き込まれると思います。

演出も秀逸ですしメインキャストによる怪演には圧倒されます。
{netabare}特に7話にはそれらがふんだんに詰め込まれていたと思います。{/netabare}

興味のある方は道中で感じる自分なりの主義や主張は一旦脇に置いて、純粋にサスペンスアニメとして楽しんでみてはいかがでしょうか。

ちなみに原作は未完なので早く続きを出してほしいものです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13

Pocali さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

せめてる、くそせめてる、さいこうだ

全く無駄がない。
素晴らしかったです。
普段小説は読まないのですが、初めて原作を読んでみようと思いました。

自分の神経を広げたい、ただ生きているだけでは知り得ないことを知りたい、感じたい、その為にアニメを観たり、映画を観たりする。
はたまた物語を作る人たちは、伝えたいことがあるから作り続けている。誰かに届けたい気持ちがある。
それが素晴らしい事だと、改めて考えるきっかけを、このアニメにもらいました!
私はこの終わり方が「悪」とは思えなかった。
なぜなら曲世愛がまだ本当のところは何がしたいのかハッキリしていないから。
心の中では何を思っているのか。
だから「悪」と決め付けることはできない。
何なら私は自分の身近に居る人が死ぬ事を、「悲しい」とは思うけれど、「悪」とは思わない。
自殺だってしたければ勝手に人は死んでいく、「死にたい」ということしか考えられない人を無理矢理生かす方が大変で、苦しい事だと思う。(経験があるのでそう思います)
ただ、悼む気持ちが無いわけではない。
この物語の中で自殺してしまった人たちの事も、観ていてとても悲しい気持ちになった。
でも、この気持ちに、善いか悪いかは、関係はない。

素晴らしかった。
全力でお勧めです!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10
ネタバレ

ミュー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

壮大な設定でまた難儀な世界観…でもフロイト心理学や本質的にはスタンダードで根本的な題目かもでした。

雰囲気やopの曲や作画など
とても大人じみていて格好良かったです。

内容は、初めの間はもっとも
シリアスな近未来系のサスペンスアニメかと
例えばサイコパスのような感じと思っていましたが
人間の心理や内面にかなり"直接的"に問い掛ける
心理系、哲学系アニメだったので驚きました。

アニメの内容からは少しズレますが
{netabare}
なかなか「正義と悪」「死」「性」というのは
取り上げにくいというか、深く考えても仕方無いし
全一的な考え方ばかりしているとどんどんと
非現実的な世界を統一したような誇大妄想が
広がっていくばかりかもしれません。
本気でそうやって色々考える方が妄想的かも
しれませんが、実際心理学者のフロイトは
人は性的なコンプレックスを抱くことで
精神を患うと言ってますし、ユングも
普遍的な無意識が人類にはあるとも言っています。
それを礎に個人的無意識や自我が形成されていくそうで…
また、幼少期の父がキリスト教徒であったことにも
関連してきますし、なので、ではそもそも現代に
そういったフロイトやユングを乗り越えて
何か人類が人の心理や悪に内面からそれと対峙する
誰もが認める新しい答えを出せたかというと疑問ですし
そもそも大多数が関心がないという方が現実かもしれません。
心理学は全般的にオカルティックではないですが
そういった非科学的な部分があることもあって
でも、その類の本を読むと一概に馬鹿馬鹿しいと
嘲笑えるほど人の心も単純ではないということにも
気付かされて、とても闇が深い部分でもありますね…。

もし、実際に曲世愛が居たとしたら
軽率かもしれませんが
自分も自殺していると思えてしまいました。
ですが、だからこそ本質に直接訴えかけていて
何の比喩も言い回しも無い点では
かなり人によっては抵抗を生みやすく
また、男性的な視点、フロイトの性的コンプレックス
などの考え方に傾倒している内容
であった事は確かかもしれません。
少し東京喰種のリゼやエトの雰囲気を曲世には個人的に感じました。
後は、正崎善が中村悠一さんでイラストやキャラも
サイコパスのKとモロ被って見えました。

生き続けるということが本当に今、自殺することよりも
正しくそうあれるのか?最終回の善の行動には衝撃的でしたが
もし2期があれば、見たいです。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

68.3 8 暴力で不気味なアニメランキング8位
ひぐらしのなく頃に卒(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (299)
944人が棚に入れました
2021年7月放送開始
ネタバレ

camuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

印象度:89

「ひぐらしのなく頃に業」の解答編。

{netabare}業の「〇騙し編」(「猫騙し編」を除く)は、
実は旧作の殻をかぶった騙し絵であったというコンセプト。

卒の「〇明し編」は、
旧作と表面的には同じ見た目の業の「〇騙し編」の裏側で、
旧作とは全く異なる黒幕が、
裏側でどのように画策暗躍していたかを見せていくという構成。{/netabare}

業の「祟騙し編」に旧作の解答編にあたる「皆殺し編」を
無理矢理突っ込んだ意味がよくわかりました。

作者は、邪悪を隠す殻として、ホラーだけでは物足りず、
感動物語の殻が必要だと考えたのでしょう。
旧作では感動を呼んだ「皆殺し編」までを含めた殻をかぶせることで、
その裏に隠された黒幕の邪悪さを引き立てたかったのでしょう。

ここにきて、さらなる上位世界に存在する「作者」の邪悪さまでもが露になり、
主要キャラたちは、邪悪な作者「竜騎士07」によるコマに成り下がっています。
主要登場人物たちが、まるでピエロです。心が痛みました(笑

ここまでやり切ってしまうとギャグとして笑えるものなのだなと、
気付かせてくれただけでも、作者は有能です。


そして「神楽し編」。(「かみたのし」ではなく「かぐらし」と読む)
怒涛の畳みかけと、まとめ力は、やはり天才的だと思いました。

「ドラゴン・ボール」「シン・エヴァ」「あしたのジョー」
爆笑に次ぐ爆笑。
殴り合った後に清々しくなって仲直りするテンプレートを、
女子の喧嘩に持ち込むというGJぶり。



おそらく作者は旧作「ひぐらし」制作中に、
作品内で表現しきれなかったメタ世界のアイデアを、
「うみねこ」内で思う存分発展させたと思うわけですが、

「うみねこ」で、ほぼほぼ、出し切ってしまったため、
その後、アイデアが枯渇して、
迫力ある作品がつくれていなかったように勝手に想像します。

ある日、登場人物をコマとして扱うメタ世界の住人たちは、
作品の壁など軽々超えるであろう、という悪魔的な気付きを得て、

「〇〇のなく頃に」シリーズを一つの世界観でまとめあげてしまうという
今回の悪行に至ったのだと邪推します。
(「キコニアのなく頃に」は全く知りませんが・・・)

なかなか広げた風呂敷を巧く畳めない作家が多い中で、
若干強引だとしても、まとめ力が凄いなと思った次第です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よく頑張ったと思う

業のレビューで旧作先に観て下さいと言ったんですが、卒でうみねこのなく頃にと言うスピンオフ?作品も絡んでいたようです。それは観てなかった(^^;

とは言え私は楽しく観たんですが、賛否両論と言うか、一部ひどいと炎上してるようですね(^^;
ツッコまれるだろうなとは思いましたが、(私も業よりは評価下げました)ここまでとは…

旧作からのファンとご新規さん楽しませるのは、難しいと思いますよ、しかも旧作の出来が良すぎる。インパクトで勝負するしかなかったのでは。ちょっと終盤、超展開すぎてひぐらしっぽく無くなってましたね。でも私はワクワクしたし、良い意味で驚いたり、笑ったり、よく頑張って作ったと思いますよ。

最後にですが、あるキャラが好き放題するんですよね。推しのファンの人は残念に思うかもしれません。それとやはりグロ注意です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 14
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思えばこれって死に戻りの呪い、タイムリープの元祖だったのでは!

 「ひぐらしのなく頃に業」の続きです。「ひぐらしのなく頃に業」における梨花の夢により、数々の悲劇?に見舞われた沙都子。引き続き、自分も梨花も聖ルチーア学園入学を阻止し、雛見沢で一緒に暮らす現実にさせるためにとる沙都子の巧妙な手口の数々だったです。その結末?は、どうなることやらです。

 繰り返す者の力をエウアから授かった沙都子は、異常な高度の数々とその結末を描いていたです。あの手この手を使って惨劇を意図的に仕組み、仲間も周囲の人の命も顧みず沙都子だったです。
 生きていた記憶を持ったまま、都合の良い過去から何度でも、自分の思惑を満たそうとした沙都子だったです。また、高みの見物をするエウアだったです。

 惨劇が終わらないことに見当もつかない梨花は、いつ真相に気付くのだろうか?沙都子とのチキンレースの行方だったです。
 状況を打破するためにとった誰かさんの手助け行動が、終盤で惨劇の核心に迫るです。どんな逆転が起こるのだろうか?どのように真相にきづけるのか?見所です。

 結論的には、もっと早くこの結末?に至るのが遅すぎると思えた展開だったです。梨花、沙都子の決めた未来は、これで「ひぐらしのなく頃に卒」にしてもらいたいと思えたです。

 にしても梨花、沙都子について、圭一の語った親友の定義は、心に残ったです。{netabare}「たとえ一緒に居なくても、これから会うつもりがなかったとしても、いつかまた出会ったとき、自分も相手も絶対にずっと親友どう押しでいてくれると互いに信じあうこと」。{/netabare}これは、現実であってほしい理想を越した願いだと思うです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

58.4 9 暴力で不気味なアニメランキング9位
18if(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (132)
573人が棚に入れました
ここは夢世界。
欲望、希望、絶望が形を成した意識と無意識の狭間。

いつも夢見る自分の部屋の中で、
再び眠りにつこうとした月城遥人は、偶然にも他人の夢に紛れ込んでしまう。
それは、この夢世界に心を囚われた魔女達の夢。
現実を拒絶し、夢に逃げ、眠り続ける「眠り姫病」に陥った彼女達の夢の姿。

魔女の夢世界に迷い込んだ遥人は出口の扉を探し、
彼女達と出会い言葉を交わしていく。

声優・キャラクター
島﨑信長、子安武人、名塚佳織、福圓美里、東山奈央、加隈亜衣、浅倉杏美、遠藤綾、田村奈央、折笠富美子、水瀬いのり、嶋村侑、新田恵海、南波志帆

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

『トワイライト・ゾーン』(TVドラマ)的な何か

ちなみにタイトルに挙げた『トワイライト・ゾーン(The Twilight Zone)』っていうのは、アメリカでかなり前に作られたオムニバス形式のドラマです。

『トワイライト・ゾーン』は『未知の世界』とか『ミステリー・ゾーン』とかの邦題で、日本でもテレビ放送されました。

同タイトルのTVドラマシリーズが何作か作られたり、劇場版があったりします。ちなみに特撮の『ウルトラQ』は日本版『トワイライト・ゾーン』を目指していたらしいとか、フジテレビ系列で放送された『世にも奇妙な物語』に影響を与えてたりするようです。

本作『18if』の場合は「眠り姫病」という設定があり、「夢世界」の中で「魔女」になってしまう登場人物が毎回いるという作劇上の縛りはあるのですが、監督や脚本が持ち回りだったり夢が舞台ということで普通だと起きないような奇妙なことが起きてしまったりするとか、欲望や復讐などの人間の感情がテーマだったりとかというあたりで、『トワイライト・ゾーン』っぽさを連想する点は多々あるように思われます。

こういう「わけわからんことがおきる」というお話はアニメーションという表現とはわりとマッチしているとは思うのですが、昨今の「深夜アニメ」のメインストリームからは外れた作品だと思うので、あまり一般受けはしない気がします。

ただ作中で魔女になる動機の普遍性とか夢世界での心象表現とかは良いと思いますので、私個人としては高めの得点をあげたいです。作画は良し悪しを付けづらいので、あえて評点は4にしておきます。

かなり実験的な作品ですね。流行るかどうかは正直わかりません(たぶんはやらない)。

2017.10.2追記:
全話視聴終了。こう言ってはなんですが、終わり方はけっこう普通な作品でしたね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 34
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ギャグ回はいらない/9話感想追記(9.9)

原作未読/1クール予定

現実を拒絶し眠り続ける『眠り姫病』にかかった人達を主人公が救うお話。
今んとこハズレ無し。
(毎回変わるEDもd('∀'*))

※レビューにネタバレはほとんど含みません
※最新1話のみ各話レビューから外しています
※星評価の基準は各話レビューのネタバレ内に記載

( 'ω'o[各話レビュー]o
{netabare}
※星評価の基準
---------------- 8×キリトリセン ----------------
★★★★★/神
★★★★☆/かなり面白かった
★★★☆☆/面白かった
★★☆☆☆/普通
★☆☆☆☆/微妙
---------------- 8×キリトリセン ----------------

[1話]電影の魔女/★★★★☆
{netabare}
評判の悪い1話でしたが、個人的にはかなり良かったという印象。

開始数分で世界観に引き込まれ、最後には泣いてしまいました。(まじで)

こういう[救われない人をちょっとだけ希望に導く]
好きなんですよね。
もちろん視聴継続です。

※皆さんのレビューみて知りましたが、1話完結で毎回監督変わるんですね。ハズレ回もありそう。{/netabare}

[2話]止まった時間、12才/★★★★★
{netabare}
超グロ回(神回)キタ━(゚∀゚)━!

いいですね!こういう救われない話!
主人公のひねくれた性格もなかなか好きです。

監督は西森章さん、脚本は冨岡淳広という方みたいですね。
メモしておきます(*`・ω・´)

※それにしても最後のみつけた目的ってなんだったんだろ……気になる……{/netabare}

[3話]初恋の魔女/★★★☆☆
{netabare}
世間では評判良かったけど、個人的にはまあまあ面白かったって感じかな。

脚本は良く練られてて良かったし、感動もしたんだけど主人公のモテ具合が不自然だと思いました。(:3」∠)_

まあ、回によってばらつきがあるっぼいんでそこまで気にしないかな。{/netabare}

[4話]暴食の魔女/★★★★☆
{netabare}
ネットでは1話以上に評判が悪かったみたいですが、個人的にはかなり面白かったと思います。

ある事がショックで立ち直れなかった人が、ある事をきっかけにまた1歩を踏み出すって感じが良かったです。

ドーナツやカレーの若干の飯テロ感もd('∀'*)
余裕の継続です。{/netabare}

[5話]凡庸の魔女/★★★★★
{netabare}
今回は感動系のお話。初回のおさらいかな。
3話とは違い、思いのほか普通に泣いてしまいました。
(元々涙腺はかなり緩いので宛になるかは不明)

特に良かったのが、オチ。
いい話だったぁぁぁ・・・・・・・・・・あれ?(´・ω・`)
って感じが良かったと思います。
(詳しい内容は本編で)

次回はいじめの話みたいだね。早く見たい{/netabare}

[6話]人を呪わば穴二つ…/★★☆☆☆
{netabare}
( 'ω')?
↑みてから数分こんな感じでした。

前半はそれぞれの思いが組み合わさった「ドロドロ」感がとてつもなく心地良かったんですが、なぜか後半{netabare}SF展開{/netabare}に。

女の子が改心して{netabare}宇宙へ飛びたつ{/netabare}という展開は流石に笑いました。

初めてのはずれ回(?)だったかな。{/netabare}

[7話]ソシテ ダレモ イナイ/★★★★★
{netabare}
神回キタ━(゜∀゜)━!
まさか、ここまでの回が来るとは思ってもいませんでした。

最初は{netabare}暗い感じのファンタジー系(?){/netabare}になると思っていたんですが、まさか{netabare}政治系{/netabare}の話になるとは!( °_° )

こういう{netabare}難解{/netabare}な話は大歓迎なんでこれからも宜しくお願いします!

とりま監督、脚本c⌒っ゚д゚)っφ メモメモ...

※後、今回特に各話変わるEDが良かったです。{/netabare}

[8話]THRESHOLD/★★★★★
{netabare}
まさか2回連続で神回を持ってくるとは思いませんでした( ̄▽ ̄;)

今回の話は{netabare}主人公へのお説教{/netabare}がメインの話。
詳しい事はネタバレになるんで言いませんが、結構衝撃の展開でした。(良い意味で)

肝心の{netabare}お説教{/netabare}の内容はとても素晴らしく、たくさんの名言が出揃っていました。
(内容は忘れたけど)

今回の話は今までと少し違う雰囲気を感じたので、途中で切った人には視聴をおすすめします。
(6話も違う雰囲気だったけど)

※{netabare}そういえば今回と4話は起きたまま夢世界に言ったけど法則性はあるのだろうか・・・・・{/netabare}{/netabare}{/netabare}

[9話]/★☆☆☆☆
{netabare}
今回はギャグ回。
前半の{netabare}アイドル殺害{/netabare}のシーンで面白い回になると期待したのですが、見事なや裏切られた感じてすね。

お話はほぼ{netabare}下ネタ{/netabare}。
下ネタは別に苦手でもない{netabare}下ネタ{/netabare}があっても面白い話はたくさんありますが、これは少しキツかったです。

次回で巻き戻して欲しいな。{/netabare}

( 'ω'o[総括レビュー]o
※後日追記

総合点数【】

[続編の可能性]
※後日追記

投稿 : 2024/04/27
♥ : 25

abe2 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

やりたいことはわかる

作り手がやろうとしたことはわかる。
でも完全にダダ滑りしてる。
カドやレクリエイターズと一緒。
コンセプトデザインや演出で失敗してて結局ただのファンタジーになっちゃってる。
夢の世界と言う名前の異世界でしかない。
だからわざわざ夢の世界と強調する必要がない。
結果的には作り手が最初にやりたかったことは全く視聴者には伝わらなかった。

追記
同じようなこと何度も書いたかもしれんけどこの手のネタって濃密で胸焼けして目を背けたくなるくらいの心理描写が全てなのよ。作り手の中に鬱屈したもんがないと全然ダメ。ただ絵がキレイなだけで終わり。さよなら。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6
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