2018年度の相思相愛TVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2018年度の相思相愛成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の2018年度の相思相愛TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.5 1 2018年度の相思相愛アニメランキング1位
3D彼女 リアルガール(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (294)
1193人が棚に入れました
リア充な美少女・五十嵐色葉とオタク男子のつっつんこと筒井光の関係を描く不器用なラブストーリー。

声優・キャラクター
芹澤優、上西哲平、蒼井翔太、津田美波、寺島拓篤、上田麗奈、神田沙也加
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

石野さん(♀)の「イケメンぶり」に惚れる1期

【レビューNo.95】(初回登録:2023/11/19)
コミック原作で2018年作品。全12話。
「もののがたり2期」のレビューを書いていて、「2期制作の条件」として面白
い素材かなっと感じたのが本作でした。当初は2期だけのレビューにするつもり
でしたが、下書きしてると意外に1期も書くことが出てきたので、1期のレビュ
ーから始めることに。

(ストーリー)
アニメやゲームが好きな高校3年生の筒井光(つっつん)は、様々なハプニング
を経て、男癖と女受けの悪さで有名な五十嵐色葉から交際を申し込まれる。
今まで人間関係については面倒ごととして、同じオタク仲間の(何故かいつも
猫耳をつけているw)親友伊東以外とは交流を避けていた筒井だが、葛藤の末
に付き合うことにする。
(ただし色葉が転校する半年間の条件付きで)
色葉と付き合うことで、自分が改めて人間関係を構築する努力を怠っていたこ
とを痛感する筒井。しかしそんな彼の周りにもいろいろな縁から、石野をはじ
め少しずつ交流が広がっていき・・・

(評 価)
・2期ありきの構成で損してる部分も。2期まで観て初めて評価されるべき作品
 ・本作はリアタイで観ていましたが、あまり世間的な評価も高くなく、むし
  ろ「円盤売り上げ92枚w」とか、爆死アニメとして悪目立ちしてたという
  印象ですね。
 ・その1つの要因が実質「分割2クールアニメ」という形態なのかなっと。
  コロナ以降はむしろこちらが主流になりましたが、当時は私の知識不足も
  あり、率直に「この作品の2期に需要なんかあるんか?」って感じでしたね。
  1期で「掴みはOK」ならよかったんですが、今から思うと2期ありきの構
  成でいろいろと弱く、早々に見切った層も結構いたのでは?
  2期はいい作品なのでホント勿体ないなっと。

・イベントが結構発生し展開が早く面白いのだが・・・
 ・ラブコメ作品だと、付き合うまでの紆余曲折やハーレム展開で誰を選ぶの
  かを描く作品が多いと思いますが、本作はその点は早々にクリア。付き合
  い出してから本当の関係性を深めていくところに焦点を当てた作品になり
  ます。
 ・イベントが結構発生し展開が早く面白さがあるのですが、逆にいうとそれ
  に頼り過ぎで、キャラの描写が甘くイマイチ魅力的に見えない感じがあり
  ましたね。キャラの描かれ方も
  {netabare}・主人公・筒井
   ・周りからキモオタと蔑まれている描写が多い。
   ・そういう環境を受け入れている感じで、自己否定が強い。
   ・鈍感で人の心が分からない描写が多く、不適切な行動をとってしまう
    ところがある。
  ・伊東・綾戸(園芸部員で年下女子)
   ・オタク・陰キャで周りから馬鹿にされている。
   ・そのため筒井同様、自己否定が強い。
    (特に綾戸の度の過ぎた自己卑下はかなり不快だと感じた。)
   ・あと伊東の猫耳はキャラ付けとはいえ、ちょっと受け入れられんかな。
  ただでさえ「3D彼女 リアルガール」とオタク感溢れるタイトルなのに、蓋
  を開けると「オタクが都合よく美少女と付き合える」はまだいいとして、
  ・オタク・陰キャがやたら周囲から馬鹿にされる
  ・自己否定が強いキャラが多く、イライラするところが多い
  という感じで、ラブコメ作品として楽しさに欠けるんですよ。あと追加で
  ・高梨
   {netabare}・イケメンで自信家で「お前は色葉にふさわしくないから手を引け」と
    筒井に迫り、最後は暴力。
    (筒井は石野さんの「愛ある鉄拳」以外は理不尽に殴られることが多
     くその辺も不快要素。)
   ・そして筒井の冤罪をでっち上げ、そのせいで筒井が学校中から白い目
    で見られる。(ぶっちゃけ犯罪レベルやろーw)
    → プライドの高い高梨は結局謝罪や真相を周りに白状せず。
      筒井の温情で、彼の周りの人間だけに事情説明で手打ち。
     (以降、筒井ファミリーになし崩し的に加わるようになり、意外と
      いい奴として描かれていく。){/netabare}
  こういう描写が「作品のスパイス」として受け入れられるか、嫌悪感を抱
  いてしまうかも評価が分かれるところですね。{/netabare}

・色葉の心理描写が弱い
 ・主人公は筒井なので、
  {netabare}・物語は筒井目線で語られ、どうしても色葉の心理描写が弱くなる。
  ・また筒井が鈍感設定なのでなおさら。
  {netabare}・色葉の筒井のことが好きになった理由がしっかり語られるのが、10話
   後半の色葉のモノローグ。{/netabare}
  というところでエピソードを通じて、何となく
  「色葉は筒井の内面をみて、好きになったんだろうな」
  というのはわかるのですが、人によっては
  「オタクが都合よく美少女に惚れられた」
  って感じが拭えず、軽くみえてしまうんだろうなっと。
  {netabare}(まあ実際モノローグで最初は興味本位程度って言ってるしねw
   しかし筒井が超奥手なのに、何故かキスシーンが多いのは少し笑えて
   しまうw){/netabare}{/netabare}

・1期最大の見どころは石野さん(♀)の「イケメンぶり」
 ・という感じで2期があることを知らなかったこともあり、個人的にはあま
  り1期の評価は高くなかったのですが、それでも完走できたのは石野さん
  の存在ですね。
  {netabare}・筒井のクラスメートで、はじめは筒井のことをキモイと思っていた。
  ・ひょんなことから筒井が恋愛相談して、筒井の内面や色葉とのことな
   どを知り友達になっていく。(筒井の初めての女友達)
  ・自身の恋愛もダメ男に尽くしたり、すぐに立ち直りイケメン高梨に乗
   り換えようとするなど、(男を見る目は怪しいが)自分に(他人にも)
   正直で裏表のない性格。
  ・またウジウジしたキャラの多い中で、はっきりとした物言いと時には
   ガツンと「愛ある鉄拳」で筒井にカツを入れるなど爽快感が際立つ。
   (根底には友達への愛情が溢れている)
  ・またあまりコメディ向きでないキャラが多い中で、しっかりピエロも
   演じ切るw
  1期のMVPは誰が何といおうと石野さんだろうと!!
  石野さんの「イケメンぶり」にこの1期は救われたのかなっとw
 ・あとカツを入れてくれる存在といえば、筒井の脳内に現れるアニメキャ
  ラ「えぞみち」という魔法少女ですね。
  石野さんとえぞみちが悪い流れを断ち切ってくれたから、作品が観れた
  というところがありますね。
  このCVが神田沙也加さんというのも、今から観るとまあ・・・{/netabare}

筒井が本当の意味で、自分の駄目さを理解するのが10話辺りなので、作品と
しては2期まで観てようやく評価できるという感じですね。きちんと完結して
くれますし。個人的には2期はいい作品だと思うので、興味を持たれた方は、
まずは1期を観て「石野さんに惚れろ!」って感じですね(笑)。
(むしろ2期のために1期を完走してほしいまである!)
あと作画の悪さはそこそこ目立つかな。
キャラ描写が甘い、不快感がある等マイナス面の指摘が多かったですが、ス
トーリー自体は決して悪くないので、ストーリー重視の方なら、展開も早く
視聴しやすいかなっと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ゲームやアニメの二次元の女の子さえいれば一人で生きていけると思っていたオタク少年が、超絶3D(リアル)美少女に告白されたらどうなる…の?

この作品の原作は未読ですが、芹澤さん、津田さん、上田さんが出演されると知り視聴を楽しみにしていた作品です。
それにキャラデザは嫌いじゃありませんし、シリーズ構成が赤尾でこさんと聞くと食指が動きますよね。

ですが視聴に際して気になった点もありました。
アニメーション制作が「フッズエンタテインメント」という点です。
普段、制作会社を気にしない…と言えば嘘になります。
京アニ、P.A.WORKS、ufotable、サンジゲン、シャフト、WHITE FOXなどの社名を目にすれば、良い意味で俄然視聴にも力が入ります。

でも「フッズエンタテインメント」の直近の作品といえば、2018年冬アニメで放送された「メルヘン・メドヘン」が思い出されます。
作画クオリティの改善が追い付かず、全12話が放送されずに放送が一旦終了…
まぁ、こんな風になった作品はこの作品たった1作なんですけどね。

「ファンタジスタドール」の様なオリジナル作品があったり、「彼女がフラグをおられたら」「大図書館の羊飼い」の様なゲームを原作とした作品など、普通に堪能させて貰った作品ばかりでしたから…

そして本作品ですが…制作会社を気にすることなく堪能できた作品だと思います。
何より作品のテーマが面白い…

この物語の主人公である筒井 光は自他共に認めるオタク少年。
彼は2次元のアニメやゲームだけが自分の生き甲斐であり癒しであると本気で考える少年でした。

私はゲームはしませんが、2次元のアニメは大好きだから日々視聴を欠かしませんし、フィギュアもそれなりに揃えているので、傍から見たら間違いなくオタクに見えると思います。
あ、でも高校生くらいの時はゲームの方が主体的だったかも…
だから筒井の言動が、まるで自分の事の様な気がしてならないんです。

そういう内向的な人間には、相応の相手しか選ぶ権利が無い…というか自分なんか選んで貰える訳が無い、という気持ちが先行してしまうのも仕方ありませんし、それが世の常だと思います。

でもこの物語の「if」は、そういうオタクな少年がリアルの超絶美少女に好かれるという点です。
綺麗で可愛いモノが好き…けれど、リアルで2次元ほどクオリティの高い人はそういないから、その気持ちを2次元にぶつける、という選択も有りだと思います。

でももし、リアルで超絶美少女に好かれたら…
これはきっと誰もが一度は描いた事のある夢だと思います。
だから、筒井には真剣に自分と相手に対して向き合って欲しいと思いながら視聴していました。

そう思うのも無理ないと思います。
だって、ヒロインの五十嵐 色葉(CV:芹澤さん)の可愛らしさ…半端ありませんから。
きっと男性なら誰もが振り返るような色葉…
筒井に会うまでの彼女は、少しやさぐれていた…雰囲気が感じられました。
でも筒井に気持ちを打ち明けてからの彼女…どんどん素の彼女を知るほど、自身が彼女の魅力にハマっていくのが自分で分かりましたから…

恥ずかしがり屋で、つまらない事で意地を張ったり怒ったり…
ホントに言いたいことは全然違うのに、口に出るのはやせ我慢の台詞ばかり…
本当は自分の事をもっと分かって欲しいのに…

ホント人間ってめんどくさい生き物だと思います。
でも、それが生きてるって実感できる瞬間でもあると思うんです。
だから、めんどくさくって良いじゃない…
それだって二人の共同作業の一つだし、これから続く二人の時間の過程における一歩なのだから…
まぁ、簡単に登り切れるような平坦な道のりは用意されていませんけどね…

気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
気持ちがキュンキュンすると思いますよ。

オープニングテーマは、くるりさんの「だいじなこと」
エンディングテーマは、BiSHさんの「HiDE the BLUE」
個人的にはエンディングに軍配です。

1クール12話の物語でした。
そして番組終了時に「第2シーズン」放送の発表があったのは嬉しかったですね。
2019年の冬アニメで放送される予定との事ですが、どうやら原作は完結しているようです。
筒井と色葉の織りなす恋の物語…最後まで描き切って欲しいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

わりと埋もれてますが2期でV字回復します

2018.06.21記


原作ちょっと読んだ気がする。
第一話、つっつんの昔の知り合いに色葉が啖呵をきったとこで視聴決定。男前ヒロインは嫌いじゃないのです。

ヲタクが超絶美少女に告られてからの顛末を堪能する作品です。
同クールでの『ヲタクに恋は難しい』と並列で視聴するとおもしろいかもしれません。

主人公つっつん、ヒロイン色葉ともに不器用というかコミュニケーションの取り方に難があります。付き合い始めてからのすれ違いをもやもやしながら楽しんじゃえばいいんじゃないでしょうか。

月並みですが、恋愛の数だけってところですし、好きになる理由に整合性を求めることほどリアルでも無粋極まりないとは思っていますので、アニメもそこらへん求めてません。{netabare}10話で色葉がつっつんを好きになった理由語ってるんでまぁそういうことで。。。{/netabare}


私は好きです。
タイトル含めヲタクを前面に出してますが、ただの対人コミュニケーションが苦手な主人公の話です。アニヲタ、ドルヲタ、ミリヲタ、鉄ちゃんなどなどコミュニケーション普通に出来る人が多いでしょうに。ミスリードでしょうな。
それとラブコメって周囲に「すごい勘の鋭い人」「忖度が完璧な人」「適切なタイミングで主人公たちを適切にアシストできちゃう人」といったスーパーコミュニケーターを配置するもんですが、本作では該当者が見当たらないのです。揃いも揃って見事なまでに不器用な人たちしか出てこないのはある意味斬新でした。


まとめ

二次元に耽溺してた主人公が、頑張って人の世界に溶け込もうと努力する成長物語とみればいいと思います。人と絡めば軋轢も生じますが、それでも向き合おうとするつっつんはイケメンですよ。
それも色葉がいなければ叶わなかったでしょう。恋って素敵!!
{netabare}「お前はいつも俺に新しい世界を見せてくれる」byつっつん{/netabare}

主題歌に“くるり”を持ってくるあたりも気が利いてました。
ただちょっと最終話が残念でした。


■最終話観て振り返り
{netabare}私の浅いアニメ歴上、作画に関してスゴイのは素直にすごいと思うものの、ひどい作画いわゆる作画崩壊とか言われてもピンとこなかったのですが、11話はすさまじかったです。顔が原型とどめてない。
もうこれはなんというか、貴重な経験をさせてくれてありがとう。。。
そうなると最終話も気になり始め、、、
やたら止め絵が多いなとか表情かくかくしてるなとか粗探ししちゃうんですよね。最後のラーメン屋エンドとかも適当に尺埋めしたろ、と不信感です。{/netabare}

{netabare}それで、色葉のなんか重病持ってそうフラグも、11話で出てきた色葉の弟も、伊藤の恋の行方も未回収ですが、こちらは2期待ちですか。
せめて含みだけ持たせても良かったのに、と思います。{/netabare}


■オマケ

五十嵐色葉役の芹澤優さん。初ヒロインだったのね。EDクレジットの一番上に自分の名前があって感涙したとのこと。うんいい話だな、頑張ってください。

2019年1月に2期やるそうです。



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2018.11.01追記
《配点を修正》


その芹澤さん。同クール放送してた「魔法少女サイト」穴沢虹海役とこちらはきゃいんきゃいんしたキャラの声も充ててました。つくづく声優さんはすごいというか、声変えられるって何者よ!とあらためて認識した次第。
それが第一線級ではなくキャリアの浅い方達でも出来てるのが当たり前。層の厚さを感じます。


-----
2019.09.06追記


視聴時期:2018年4月~6月 リアタイ視聴

その後の芹澤さん。2019年冬期「上野さんは不器用」の主役とこちらもまたきゃいんきゃいんしてたので、むしろそちらが正しいんじゃないかしら?と。
そして2期視聴済です。素敵なラブストーリーとして見事に完結しました。すごい良かった!

思えばこの期では、『ヲタクに恋は難しい』(ノイタミナ)に客を持ってかれて、似たようなコンセプトに見えたこちらは視聴回避された向きがあったのだと思います。
実に勿体ないことです。



2018.06.21 初稿
2018.11.01 追記/配点修正
2019.09.06 追記

投稿 : 2024/06/01
♥ : 39

64.2 2 2018年度の相思相愛アニメランキング2位
デビルズライン(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (210)
908人が棚に入れました
アクションあり、恋愛あり、切なエロありの異色ダークファンタジーが禁断のアニメ化!
鬼とヒトが共存する世界——2人の心が近づくたびに、鬼という存在が彼らの距離を引き離す。
二人を待ち受ける運命とは、そして「鬼」とは———。
鬼とヒト、究極の愛を描く本作が、今動き出す!

声優・キャラクター
松岡禎丞、石川由依、木村良平、細谷佳正、沢城みゆき、櫻井孝宏、神谷浩史、東山奈央、蒼井翔太、興津和幸、逢坂良太、石田彰、浅野まゆみ、宮野真守
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

鬼とヒト,愛と欲望が渦巻くダークファンタジー。

吸血鬼モノが好きなのとラブストーリーでもあるということで,それ以外は何も知らない状態で観始めました。
なんですが,まずキャラクターデザインが好きじゃないのと,現代の日本が舞台の刑事モノということで思い描いていたものと違ったので,ちょっとどうしようかなって最初は思いながら観てました。
でも,次々に色々事件が起こるので退屈することなく一気見しちゃいました。
観る前は正直,ヴァンパイア×ラブストーリーで小説「トワイライト」みたいな美しきヴァンパイアとの悲しくも美しい物語を勝手に想像していたのですが全然違いましたね(^-^;
(「トワイライト」は全巻一気読みしたくらい面白かったです。)

原作は「月刊モーニングtwo」という青年漫画雑誌で連載されていたものらしく女性には向かないなと感じました。
そう思う理由としてはまずキャラデザです。
漫画ほどではないですが,地味で主人公もイケメン感がないし,ヒロインの女の子も可愛くないです。
特に吸血鬼は美形として描かれるのが現代では定石ともなっているのに,鬼に変貌したときの姿がまさに日本の“鬼”っていう感じの風貌でけっこう怖いです。
目の色やばいし牙は上下とも自分の顔に突き刺さりそうなくらい出てきます。
ちょっとそそられない。。
あとはラブストーリーがメインの「トワイライト」に比べると,一応恋愛模様は常にベースとしてありつつも物語自体は事件メインのサスペンスとして動いていきます。
{netabare}特に後半は人種差別的な話とか,組織の犯行とか,警察内部にスパイが居るとか,実際は厚生労働省とかもっと大きな組織が関わっているんじゃないかみたいなところにまで話が及んでサスペンス感が増していきます。{/netabare}
これは主人公が男子というのも大きいかも…。
そして「切なエロあり」と謳われているとおり,エロさがけっこうあります。
具体的にエロいシーンってのはそこまでじゃないんですが,キャラクター達がセリフでけっこうそういうことを言ったりするんですよね。
だから,わたしは100%家族では観れません(;・∀・)
あとは,普通に人が殺されたり血がいっぱい飛び散ったり,鬼のデザインにも通じますがグロいと思うところもありました。
上記の理由でエロとかグロが大丈夫じゃない女性,特にロマンティックなラブストーリーや耽美な雰囲気を期待する方はちょっと気をつけた方が良いかもと思います。
ただ物語自体はテンポ良く面白いしエログロというより,エロはエロ,グロはグロで描かれていたのでわたしは何とか観れました。

ただそれだけじゃない残念な点があります。
まずラブストーリーとしては描き方が雑かな。
{netabare}ヒロインが突如現れた安斎くんをあっさり好きになったなという点。
助けてくれたのは嬉しいだろうけど,いきなり鬼に変貌してキスしてくるとか怖すぎるでしょ!!
秋村は大事な友達だったのに面会にも行ってないですよね??
それにつかさは“彼女が行くところに事件あり”なトラブルメーカーなんだから,頼むから大人しくしてくれよってイライラしました。
まぁメタ的に見れば,彼女がちょこまか動くから物語も動くんだけど…。
あとは吸血欲と性的衝動が同時に出てくるというところ。
ハンスが血はケチャップと表現してたけど,確かにおじさんの血とかにも一々リビドーを発動させてたらそれはそれで問題があるというか…。
吸血鬼はエロティックに描かれることが多いからそうしたいのも分からないでもないけど,なんか設定がふわっとしている感じがしました。
それに,8話の吸血欲トレーニング。
安斎くん反発してたくせにつかさと2人きりになったら大人しく加納先生の提案にのるんかい!!って内心ツッコミました。{/netabare}
あとは登場人物が多くて名前とキャラが一致しなかった点です。
もう1回観れば頭に入るのだろうけど,ダークな話なので観るのに精神的にエネルギーを使うといいますか…。
あと1番は中途半端なところで終わってしまったところです。
{netabare}これからもっと話が大きくなりそうというところで,安斎くんとつかさは離れ離れになりチームも解散。
CCCもどうにもできず…。
原作はこの後も続いているんだろうけど,このアニメだけでいえばバッドエンドです。{/netabare}
なので,どうにもすっきりしませんでした。

悪いところばかり書きましたが,物語は面白いです。
キャラクターはハンスが好きでした。
飄々としたキャラも良いし,声も良いです°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

音楽は…
OPは物語には合っていると思うけど,あまり好きじゃありませんでした。
でも,EDは切ないメロディーなのに「湧き上がる衝動に」の特に「衝動に」のところが慰めてくれるような優しいメロディーで好きになりました♪

2期があったら観たいけど,2期を作る気がないような締め方だったので期待できないですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ジャンルの相反

序盤 ええと

中盤 あぁ

終盤 終わりか…

この話は吸血鬼が存在する世界
ジャンルは恋愛・吸血・人種差別
まぁなんか少女まんがに怪我生えたような感じです。今まで恋愛をしてこなかった女子大生がとある吸血鬼警官に恋する、というものです。序盤から展開が読めます。
内容です。序盤からシリアス風展開になりますが、実際大した内容がありません。要はいかにして男性をかっこ良く見せるか、の勝負なので非常に都合の良い展開になります。その展開が受けるとおもったのでしょうか。中盤はその流れでなんやかんやに巻き込まれます。まぁ巻き込まれに行く、という感覚が正しいのでしょうかね。まぁ序盤あたりからそんな予感はしてましたが。終盤は結構面白いテーマだったです。まぁ吸血鬼という異人がテーマの作品ですから、コメディ路線に行かなければ「人種差別」というテーマはつきものでしょう。ただ結構多くのことがまだ不明瞭なままです。いやある程度は完結し、ここで終わっても全然よいのですが、本作はそんな漢字の雰囲気はだしてなかったのでちょっと驚きました。
人種差別ものは結構あたりはずれが大きいです。ものすごく深いものもあれば「訴えがとても面白い!」と評価され、浅ければ「なめてるのか」と批判を食らいます。(まぁ作品を世にだすということは少なからずその覚悟は出来てるとおもうのですが)
本作は悪くは無いと思います。基本的に的は外れてないと思いますし、過度な主張もなく視聴者に考えさせる構造が成り立っていると思います。まぁ本作の「吸血鬼撲滅運動」は視聴者からすると「行き過ぎた活動」に見えるかもしれません。が、私達がこれに匹敵する行為をしていない!とは言えるわけが無いのです。どんな些細な意見や感想でも人の人生を左右させたり、気持ちが不快になったりさせます。メジャーとかマイナーとかそういう問題ではなく、誰かを傷つける発言をしてはならないという問題でもないのです。ただ発言に責任を持て、ということです。もちろん配慮は重要です。しかし、言葉は取り消せずに相手を傷つける可能性が存在している以上責任を持ちながら発言することが登場人物、ひいては私たちには重要なのではないでしょうか。
キャラは基本的に悪印象はありません。まぁ好印象のキャラもすくないのですが。本作のテーマは悪くないと先程言いましたが、テーマは良いのです。ただ物語の展開的には「キャラに共感も同情も怒りも何も感じない」というだいぶ冷めた感じでした。私に心がない!と断言されてしまえばそうなのかもしれませんが、本作ではどこか話に重みを感じないというか。本作を文章にし、冷静に紐解けば本作の真意を読み取ることができ、作品を正当に評価できるのですが…なぜかアニメはどこか重みのないものになってしまっています。
個人的な意見ですがきっと恋愛と差別というジャンルを同時に進ませようとしたのが原因だと思っています。ジャンルは一貫性がその作品の芯の揺れ具合に反比例します。なので本作はあまりぶれていませんでした。しかし {netabare}成就する恋愛{/netabare}という比較的軽めのジャンルに対し、人種差別生物差別といった軽くしてはいけないものを混ぜてしまえば軽いのか重いのかわからない、謎の感覚が訪れるわけです。これが正体なのではないか、と思っています。勝手に。

監督は中野英明さん。青春機関銃の監督をされたかたですね。うん。
シリーズ構成は古怒田健志さんと久尾歩さん。河合荘を担当された方とシリーズ構成初の方だそうですね。
キャラデザは川口千里さん。キャラデザは初だそうですね。前に黒執事のサブキャラデザをされたそうですが。
劇伴は澁江夏奈さん。昭和元禄落語心中の劇伴をされた方ですね
アニメ制作はプラチナビジョンさん。SERVAMPを制作したところですね

作画はよかったです。細かい動きと丁寧な作画で好印象です。
opは上松範康さん作詞曲、藤間仁さん編曲、蒼井翔太さん歌唱の「Eclipse」
edは由潮さん作詞、TSUGEさん作編曲、宮野真守さん歌唱の「そっと溶けてゆくように」
声優さんはとても良かったです。豪華でしたし約似合っていたと思います

総合評価 まぁ正直普通

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

鬼とヒト、究極の愛がここにあり…

この物語の原作は未読です。
ですが、出演される声優さんで視聴を決め…1~2話見始めた頃には、すっかりこの作品の虜になっていました。
この様な作品に出会うたび、発想が無限である事を再認識している気がします。

出演される声優さんは、松岡さん、石川さん、細谷さん、みゆきち、興津さんに石田さん…
もう十分過ぎるくらいの顔ぶれが揃っています。

この物語の主人公は、松岡さん演じる安斎結貴(21歳)。
彼は吸血鬼の血を引いて生まれてきました。
例え純血じゃなくても吸血鬼の血を引いている者には、普通の人間には無い特殊な欲求を抱えて生まれてくるんです。
特殊な欲求…そう、吸血欲です。

人間世界の中で身を潜めながら静かに暮らす吸血鬼…
普段は人並みの生活を送るのに何の支障もありません。
ですが、うっかり人の血を見てしまうなどのアクシデントが引き金となって、吸血鬼特有の欲求が目覚めた結果、吸血鬼である事が世間に暴かれてしまうのです。

安斎は、吸血鬼特有の欲求を嫌悪していました。
それは、自分自身に対してもです。
だから人と鬼の共存に彼は反対していました。

例え、どんなに幸せそうな家族を演じていても、一皮剥ければ血みどろの残酷な結末しか待っていない。
警視庁公安課で鬼の存在を取り締まっている彼は、そんな光景を何度も目にしてきましたから…
そして、もし自分が同じ立場に陥った時…自分にも欲求に抗う術は無いと自覚していたのも、彼の思考の足枷になっていたと思います。

でもそれは彼が彼自身に潜む欲求に抗ってでも一緒に居たいと思える「運命の人」に未だ出会っていなかったから…
そして安斎は出会ってしまったんです。

安斎にとっての運命の人は、大学生の平つかさ(CV:石川さん)
鬼の捜査中に出会い…やがて付き合うこととなるのですが、思えばここが痛みと苦しみの起点だったと思います。

鬼と人を単純に比較すると、欲求の有無による違いがありますが、それでは、人と人だったら何の問題もないか…と考えるとこれは大有りです。
付き合いと別れ、結婚と離婚…巷に蔓延っているこれらは全て人間同士が起こしている問題です。
でも、人の所業だってこれに留まりませんよね…
殺人…暴行…傷害…窃盗…詐欺…これらも人が冒してきた大罪です。

鬼は人と違う…
人は自分との違いを「怖い」と感じる…
「怖い」存在は目の前から排除しなければ、という思想に発展するから鬼に対する風当たりが強くなるんです。
だから本当に怖いのは鬼なんかじゃない…
お互いに向き合う時間と対話が圧倒的に少ないから、人や鬼に関わらず狭間に壁や隔たりを作っていくんだと思います。

でもね…生きていくって、それだけじゃないと思うんですよ。
本作品の主人公である安斎とヒロインのつかさ…
一寸先が闇でもお互いを分かろうと…自分を知って貰おうと一生懸命だったと思いますよ。

確かに安斎の性格によって遠回りを余儀なくされた…は事実かもしれません。
でもルールや約束に縛られて大切な仲間を見殺しにするなんて安斎らしくありません。
きっとそれだけ受けていた恩を感じているから…自分より仲間を優先するんです。
鬼にしておくには勿体無さ過ぎなのではないでしょうか。

お互いの傍が相手の呼吸、鼓動、そして温もりが感じられる安らぎの場所であって欲しいと思います。

オープニングテーマは、蒼井翔太さんの「Eclipse」
エンディングテーマは、宮野真守さんの「そっと溶けてゆくように」
個人的にはオープニングに軍配です。

1クール12話の物語でした。
完走後にwikiをチラ見したら、8月に発売される単行本の限定版には最終回に続くOADが付属されるとか…
どうせなら、そこまで放送してくれたら良かったのに…
と思ってしまいました。
せめて、本編ラストに関してもう少し状況の説明は欲しかったところです。
でもつかさを演じた石川さんの声質が胸に染みたから結果オーライかな…
ヴァイオレットの時にも感じましたが、弱さの中に凛と筋の通っているキャラと石川さんの組み合わせは鉄板ですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
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