筋肉で熱血なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの筋肉で熱血な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月26日の時点で一番の筋肉で熱血なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

55.0 1 筋肉で熱血なアニメランキング1位
TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (172)
816人が棚に入れました
時は2030年代。謎の探偵、明智小五郎の元に集う『少年探偵団』。彼らは大小様々な事件を持ち前の行動力で解決に導いてきた。ある日、メンバーの花崎健介は謎の少年、小林芳雄と出会う。『正体不明の靄』により「死ねない」身体となってしまった小林は、自身の死を望み、他人との接触を拒んでいた。そんな彼の存在に興味を抱いた花崎は「『少年探偵団』へ入らないか」と持ちかける・・・小林と花崎。彼らの出会いはやがて、世紀の犯罪者 である怪人二十面相と明智小五郎の因縁と絡み合い、二人の運命を動かしていく・・・

声優・キャラクター
山下大輝、逢坂良太、梅原裕一郎、木戸衣吹、田所あずさ、GACKT、古川慎、山谷祥生、小野大輔、増元拓也

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

登場人物の名前だけが江戸川乱歩(使命感だけで最後まで視聴しました!)

最終話まで視聴しました。
あにこれのレビューでも、次々と視聴断念者が出る中、使命感だけで最後まで視聴しました。

【結論】
江戸川乱歩と世界中の乱歩ファンに、公式に謝罪して欲しいレベルの駄作。
「江戸川乱歩」とか「少年探偵団」の名称を使うから騙されて視聴した人も多いんじゃないかな?
無論、私もその一人。
貴重な時間を返して欲しい。

【物語】
結局、最後まで何が何だか訳が分からない。
「江戸川乱歩」をタイトルに使用しながら、ミステリー要素も謎解き要素も皆無。
二十面相と小林が持つ『ギフト』については、最後まで具体的な説明無し。
視聴者置いてきぼり感、半端ない。

【作画】
前半はあまり気にならなかったが、後半段々と酷くなっていった。
最終回は特に作画の乱れが酷い。
さすがに制作サイドも心が折れたか?

【声優】
無駄に豪華。
GACKTの起用は賛否分かれるかも?個人的には、神秘的な雰囲気が悪くなかったような気がします。

【音楽】
1クールED、2クールOPを担当した田所あずささんの曲は個人的に、どストライクでした。

【キャラ】
物語と同様、この作品の問題点。
小林:正体不明のチート技を持つキャラ。
花崎:明るく元気で調子者・・・、まではまあ良いとして、短絡思考で、人の言うことは全く聞かないキャラ。
    後悔はしても反省はしないから、人間として全く成長しない。
明智:何もできない無能人間。だけど恰好だけはつけたがる薄っぺらなキャラ。

この作品がダメな所は、登場人物が「いい恰好しい」、「俺だけは何でもお見通し」キャラばかりな点だと思われます。
現実にそんな事ありえないし、凡庸な人と天才がいて、初めてキャラが際立つと思います。
天才キャラばかりでは、キャラが際立たない。⇒見ているこちらは『退屈』⇒これが長引くと『苦痛』になってしまう。
要するに、大事なのは『メリハリ』。

ただし、野呂ちゃんだけは可愛くて良い(笑)。
終始、安定の可愛さ。
しかも、チート技の小林を除けば、一番活躍する。
野呂ちゃん以外は全員リストラして、野呂ちゃん主役のミステリー物なら視聴してみたいかも?

投稿 : 2024/04/20
♥ : 28
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

この明智小五郎はどの明智小五郎?

タイトルが『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』となっていますが一体どの辺が?と言う印象を受けてしまいました。ロボとか超能力とか‥2話見た時点では推理小説的要素は僅かしか見られず、事件の謎も視聴者に十分な情報を与えずに種明かしをする類のものでかなり残念。性別が変わっているキャラもちらほら‥中村警部がデキる感じの若い女性に、※1ノロちゃんが引きこもりっぽいかわいい女の子になってました。‥ノロちゃん、お家の中だからって下着で生活するのは良くないぞ(笑)

明智小五郎のキャラ描写にもかなりの違和感。原作の明智というキャラは初期と後期ではまるで別人の様に姿形が違っています。初期の※2明智はモジャモジャ頭に浴衣に兵児帯、下駄をカランコロンの※3好事家。金田一耕介のモデルとしても知られていますが、その後、日焼けした面立ちの異国帰りの青年紳士の姿を経て、後期はスーツでバシッと決めた人格者、手品軽業なんでもござれの完璧超人、頭脳明晰の正義の人というキャラに変貌します。

本作で描かれる日和見主義的、守銭奴的人柄の明智探偵が上記の内どの明智に当たるのか私には全く分かりませんでした。

小林君については元浮浪児という設定がどこかにあったはずですので、それなりに納得。2話のシーン、なかなかの食べっぷりでした。ポケットに食べ物をいくつかしまうところもしたたか‥(笑)

6話見た時点での感想(ネタバレなし)

他の方もおっしゃっている様に、花崎くんの"殺す"という意味を含む台詞の乱用は耳障りに聴こえます。本気で言っているわけじゃないのは分かっているけれど、軽薄な口調から出る言葉の音自体が痛い。こういった場面、今後も繰り返される筈なので、心のスイッチを切り替えて見ねば‥。

小林君がだんだんと心を開いていく様子や、友情物語、はしっこい女性キャラ(主にノロちゃんだけど‥)が活躍する部分には魅力があるので、切らずにそれなりに楽しんでます。ノロちゃんの相棒のフクロウのピッポちゃんもかわいいですね。

OPはGACKTさんの「キミだけのボクでいるから」。EDは作中の中村警部の役も演じている田所あずささんが勢い良く歌う「1HOPE SNIPER」、ギターが派手に効いているロック曲調が爽快です。

EDムービーでは二十面相が明智探偵に切り替わる描写がありますが、二人とも変装の達人であるとか、小林君に執着がある所とか、支那服を着ている(原作の明智のみですが)所とか、色々と共通点があるので、作中で何かしらの関係が描かれると面白いかも知れませんね‥。同じくEDにて、一人がけソファに座ったノロちゃんがピッポちゃんを頭にのせてる画が妙に可愛かったりもします(笑)

それにしても少年時代に乱歩に触れた者にとって、明智小五郎とか怪人二十面相という語の影響力はかなりのものだと痛感。「乱歩奇譚 Game of Laplace」も当然のごとく見てしまったし、いつだったか陣内孝則さんとかビートたけしさんとかが出演していたドラマも見てしまったし‥、コントロールされちゃってますね、わたし(笑)

原作の知名度だけを利用する様なやり方はずるい気もしますが、概ね別物としてみれば良いかと‥。物語は分かりやすいし、キャラが割と面白いので、最後まで観てみようと思います。

もっとも私の様な俄かでなく、生粋の乱歩マニアの人だったら、もしかして気分を悪くするという事もあるかも知れないので、そんな人にはあまりお勧めは出来ませんが‥。

1期を見終わって
{netabare}
少年探偵団とPEACH-PITの名に惹かれ、ずっと惰性で見ていましたが、後半の花咲君の駄々っ子暴走と20面相のかまってちゃん思考があまりにも幼稚なので、かなり遠い目で見ざるを得ないアニメとなってしまいました。GACKTさんの声もどことなくやらしい感じで、長台詞など男の私にはちょっと耐え難かったです(汗)女性なら気にならないかも知れないけれど‥。

ノロちん&ピッポちゃんについては本作唯一の癒しキャラで間違いないんですが、その魅力もビジュアルと声優さん(木戸衣吹さん)のかわいさによる所が大きく、今ひとつ魅力が引き出せていない印象でした。性格が割と平凡な天才描写(笑)だったのがちょっと残念‥。

また本作において特別な存在と思われていた小林少年でしたが、後半で20面相の超能力が明かされ、ギフトという言葉が浮上してからは異能バトルものの様相を呈してきました。

SFやファンタジーを推理に組み込む事は珍しい事ではありませんが、設定がしっかりとしていないと例の※機械仕掛けから出てくる神の仕業で全ておじゃん、破綻してしまう危険があります。

2期が始まりましたが、異能者が次々と表れて、月並みなバトルもののようになって欲しくはないですね。タイトルからかけ離れた内容になっている事は重々承知ですが、一応少年探偵団のお話、ミステリーのはずですから‥。

※:デウス・エクス・マキナの事。必然性の無いご都合展開を指します。古くからある言葉でもあり、的を射た表現なので私は好んで使います。けど中二病とか言わないでね‥(汗)
{/netabare}

14話についてのあれこれ
{netabare}
え~っ!大友君15歳だったんですか! というびっくり事実を発見。どこかで見落としたんでしょうけど、中3にしてあのアダルトな立ち居振る舞い恐るべし‥。あと花崎君の身長172cm52kgにも驚愕。明らかに痩せ過ぎ‥こんなんで荒事に対処出来るんでしょーか? 「テニスの王子様」とかもそうですが、半分ギャグなんでしょうけど(笑)

お話について、学校に紛れ込んだ変態女子が男子のジャージとかを盗む事件‥かと思いきや、このアニメ、BLっぽい要素があるだけに犯人は変態おじさん? とか思っていたら、二転三転して意外な犯人像と犯行動機に結びつくのでした。この事件は後の展開の伏線になるかも知れません。

物語については特に紆余曲折はなく、いちごエクレアに釣られた野呂ちんと山根君コンビが大したトラブルも経ず普通に事件を解決という流れ。原理は良く分からないけど大抵の事なら何でも出来ちゃう野呂ちんのウィザード級ハッカー振りとか、山根君の考え無しの張り込みとか、相変らずミステリー要素が皆無で、刑事ドラマ然としていましたが、大友先輩(笑)と井上君の出番もあり、終幕では4人の円満な関係も描かれていて、何となく充実していて安定感のあるお話でした。

「野呂ちんが魅力を感じるものは全部家の中にある‥」堂々と言い切ってしまう野呂ちんの引きこもり根性にも笑いが‥。納税とか寄付とかの話が無かった方がさらに堂々としてて面白かったんですけど(笑)

今回のお話、はっきり言って花崎君とか小林君、明智先生とか20面相の絡むお話よりもいい‥。超能力関係の話は余計な感じがするので除いて、この4人に勝田君を加えた5人が主役のアニメの方がゆる~い刑事物として楽しめたりして‥。

終幕前に少しだけ触れられていた遺伝子データを売り買いする商売のお話とかも、近い未来に本当に出てきそうな気味の悪い話でもあり、リアリティの味添えも上々、伏線もそつなく仕込んだ気配がありました。(あったらダメか)

私的な印象から、やたらとねちっこい20面相絡みのBL要素がこのアニメをつまらなくする原因だとすれば、いっその事、野呂ちん主人公の「神様のメモ帳」みたいな爽やかなお話の方がいくらか面白かったかも知れないとか思ったり‥作品の根幹を否定するかの様な傲慢な感想ですが、やっぱり男としては艶かしいGACKTボイスみたいなのはなるだけ聞きたくないものなのです(汗)
{/netabare}
二期以降、暴走の末の失敗に悔やむ花咲君の姿が延々と描かれるので気が滅入ります。仲間との不和も中々解消されず‥。明智探偵、小林君、20面相も全員暗~い過去を引きずり過ぎていて、回想シーンが多目なのも見ていてきつかったです‥。

また20面相のギフト(洗脳能力)の所為で、脚本に都合の言い様にキャラを動かせる様になってしまったのも、ドラマの必然性を削ぎ、軽薄なものにしてしまった大きな原因の一つだったと思います。会話内容も鬱話か気合で何とかするタイプ、事務的なもののいずれかで、思考の余地を殆ど貰えなかったのが残念でした。活劇描写にも特に工夫が無く大雑把で爽快感もほぼ無し‥。

物語も佳境、22話まで視聴しましたが、見続ける事が義務に近くなってきましたので無理せずリタイアさせて頂きました。


※1:原作では野呂一平という名前。よく失敗をするムードメーカー的な男の子。体が小さく力も弱くて臆病‥でも意外とすばしっこい。

※2:初期「D坂殺人事件」「心理試験」などで描かれる明智小五郎。

※3:あまり一般的な単語ではありませんが"こうずか"と読みます。専門家未満の知識を無節操に貪る類の人の事。ディレッタントとも。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小林少年のAnother Story

小学生の頃、推理小説が好きで江戸川乱歩の作品は色々読みましたが、この作品の原作となっている「少年探偵団」はきっと未読だと思います。

それでもこの作品は情報が開示された時から視聴を決めていました。
この作品の決め手は、キャラデザが「PEACH-PIT」さんだったからです。
「PEACH-PIT」さんと言って私の中で真っ先に思い出すのは、お気に入りの棚にも入れている「Rozen Maiden」です。
可憐さ、儚さ、そして時には溢れんばかりの熱量を帯びたDOLLたちが繰り広げるアリスゲーム…
こちらも続編が待ち遠しい作品の一つです。

この物語の主人公は小林少年です。これまで江戸川乱歩の作品の中で小林少年は数多く登場してきましたが、本作ほど奇怪な小林少年は多分いなかったと思います。

それは小林少年の体質に拠るモノなのですが、「誰も傍に寄る事ができない」というのが適当な表現だと思います。
傍に寄れないのは自分を覆う膜の様なモノが外敵を弾いてしまうから…
でも、これって寂しい事だと思います。
身の安全は保障されているのかもしれません…
けれど、言い換えてみると人の温もりを感じる事ができない…と同じ事です。

人間誰でも生きていれば、時に人の温もりが欲しくなる事って絶対あると思いますし、生理的にも不自然ではないと思います。
気分が落ち着いたり、やる気が漲ったりとその効果はお墨付きですから…

でももしそれが欲しがっても絶対手に入らないものだったら…
そう考えると余計に孤独を感じてしまうと思います。
その孤独はやがて不安・不信へと姿を変えても決しておかしくありません。
その結果、その人の精神を少しずつ…だけど着実に蝕んでいくんだと思います。

そんな時、小林少年は少年探偵団と出会う事になるのですが、小林少年は手がつけられないほど荒んでいました。
これまで育ってきた境遇との違いに居心地の悪さを感じていまう…
仕方ありません。
だって、少年探偵団はこれまでの居場所と真逆なんですから…
物心付いてから今まで自分の身の置き場所は自分で決めてきたのに…
小林少年が少年探偵団とどの様に関わっていくのか…本作の見どころだと思います。

そしてもう一人…花崎健介の事を忘れてはなりません。
小林少年が最初に感じた居心地の悪さの元凶が彼の言動でした。
でも彼に悪気なんてこれっぽっちもありません。
だって育ってきた環境が小林少年とまるで真逆なのですから…
彼の正義感は見事なモノです。
でも正義感も行き過ぎると、付け込まれる隙が生まれてしまいます。
捻れた世の中を無理に矯正しようとしても歪が完全に取り切れない様に、丁度良い塩梅に落とし込む事だって必要だと思うんです。
それができないと…きっと心が破綻してしまいます。
まぁ、彼はそれを今回身を以て大変する事になるんですけれど…

江戸川乱歩といえば、往年のライバルである明智小五郎と怪人20面相の駆け引きは絶対に外せません。
この作品でもしっかりと見せ場が用意されています。
未視聴の方には乞うご期待…といったところでしょうか。

オープニングテーマは、GACKTさんの「キミだけのボクでいるから」と、田所あずささんの「運命ジレンマ」
エンディングテーマは、田所あずささんの「1HOPE SNIPER」と、GACKTさんの「罪の継承 〜ORIGINAL SIN〜」
オープニングとエンディングで歌い手が入れ替わっているんですね。
もう完全に田所さん推しです。田所さんの歌、超恰好良かったです。

2クール24話の物語でした。
この手の作品は原作をどう改変させるかがポイントとなる訳ですが、改変の好みで評価の分かれる作品だと思いました。
個人的にはキャラデザと声優陣で十分お腹一杯になった感じです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10

67.5 2 筋肉で熱血なアニメランキング2位
灼熱カバディ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (126)
435人が棚に入れました
宵越竜哉は『不倒の宵越』と呼ばれるサッカーの名選手だったが、高校入学を機にスポーツと縁を切ってしまう。そんな彼の元へ、とある運動部が勧誘にやってくる。その競技は、仲間と協力し縄張りに侵入する敵を捕らえ 、引きずり倒す事で勝利へと繋げる…言うなれば『走る格闘技』。競技の名は……カバディ!!

声優・キャラクター
内田雄馬、岡本信彦、佐藤元、古川慎
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ネタと寝る覚悟がここに!

原作未読


タイトルに競技名を持ってきたのは正解。
名前を知っていて、うろ覚えながらなんとなくコミカルな動きなのを知っていて、それでもって競技の詳細は知らないという絶妙な立ち位置。
『カバディ』の他には『セパタクロー』『カポエラ』がそのカテゴリーに収まります。たぶん『セパタクロー』アニメ化の暁には同じく競技名を前面に出してくるでしょう。

というわけでついつい手に取ってしまう。つかみはOK!
元々やってたサッカーに見切りをつけカバディに出会いましたな主人公宵越くん。彼に限らず幼少期からやってましたな競技者がほぼいなくて、水泳の第一人者だったり野球や相撲出身だったり喧嘩大将みたいなのもいたっけ?出自はバラバラです。
いかんせん作中でも“ネタスポーツ”と自虐するくらいだからなのか、主人公に限らず今あえて『カバディ』をやってる意味を各自自答していく。
特筆すべきは1クール12話のほとんどが試合のシーンで占められていることだろうか。日常シーンで描写されがちなドラマパートすら試合の中に盛り込んでいるため良い意味で緊張感が保たれているのです。

 全編カバディのチュートリアル

恋もなければ友情もない。萌えもなければ腐りもしない。友情の定義にもよりますが本作はあくまで“競技を通じて分かり合える強敵同士の絆”というくくりです。青春は少々。
タイトルのネーミングっぷりに続いてこちらも正解の選択だったかもしれません。中途半端にせず

 競技そのものと競技への向き合い方

に全集中。シンプルな構成で見やすかったと思います。OP「FIRE BIRD」だって曲中カバディカバディ言ってます。作品エッセンスを取り込んだアニソン理想の形。
「そういえばカバディって聞いたことあるなぁ。どんなだろう?」と好奇心ある方一定数いそうですし、そんな動機から生じる期待には応えている佳作だと思います。



※ネタバレ所感

■試合について

本作を通じて、競技そのものがどんなのかは理解できます。ケーススタディも豊富です。メンタルやバックボーンが試合のどの局面で作用するかについても踏み込んでます。
ただいかんせんしょぼさを感じます。例えば一見してわかるしょぼいところは以下

・静止画が多い
・カクカクしている

要は作画ガーってやつで、力感だったりスピード感をあまり感じられません。
ついでに主人公らの通うところが能京高校(読み:のうきん)と知性なしバイアスがかかります。もったいないですね。ただ動きそのものがしょぼくても競技が持つ熱量は伝わってきますのでそこは見せ方だと思うんですよ。前述の通り全般は好意的な見方をしておりますけど個人的にはちょっと一工夫して欲しかった点が以下

・{netabare}引きの画が欲しかった
 ⇒敵味方を俯瞰できるアングル無し。お互いの位置関係/距離感がつかめないのです。{/netabare}

・{netabare}「​STRUGGLEぅ―」がアメコミ風といかスマブラ参戦風というか
 ⇒一辺倒なのもそうだしなんだろね…そこアメリカでなくインドの風を感じたかったというか…{/netabare}

・{netabare}苦心したのはわかるがしっくりこない演出も無きにしも非ず
 ⇒ゾーンに入った王城くんなんて喰種でしたよ。“屍ディ”なんてワードがよぎりました。{/netabare}



チュートリアル系アニメ全般に言えることですけど、3~4時間ちょっとで一つの分野の外形を知ることができるってお得だと思うんですよね。
少なくともマッチョは大事なんだと思いましたもん。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.06.19 初稿
2022.05.20 修正

投稿 : 2024/04/20
♥ : 30
ネタバレ

ぽに さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Q. カバディって面白いでしょ?(最終話のセリフ) A. 間違いなく面白い(個人的な感想)

原作未読。

アニメ化前、原作マンガ一部無料のときに読んで面白いと感じた本作。「ちおちゃんの通学路」などでネタスポーツとして取り上げられたスポーツ競技「カバディ」を真っ正面から描いています。

純粋にカバディの魅力を描くことだけに注力しており、無駄な日常描写やBL要素どころか、女性キャラが一人も登場しない(=BLも含め恋愛要素ゼロ)という徹底ぶりです。カバディのルールを本作で初めて知りましたが、単純故に奥深いことがよく分かりました。

プロットはスポーツもの典型例をなぞっており、目新しさには欠けます。しかし、登場人物がカバディに抱く熱い想いがよく表現出来ているため、目立ったマイナスポイントにはなっていません。

アニメの演出的には、攻撃側のレイダーが防御側をタッチしてポイントを確保することをストラグルと言うそうなのですが、そのときに流れる『STRUGGLE』がスタイリッシュでシブ格好いいです。

欠点としては、他種目をちょっと貶めて描いているのが気になります。主人公はサッカーに嫌気がさして辞めた設定ですし、他の登場キャラでは{netabare}「水泳は一番とったしもういいや」的な発言があり、水泳種目をやっている方々に失礼で不快感を覚えました。まぁ、まだ明かされてないだけで裏事情があるかも知れませんが。{/netabare}マイナースポーツものでは、メジャースポーツが引き立て役になることはよくあること(ちはやふるの真島太一なんかが典型例)ですが、これはちょっと度が過ぎているように感じます。

むさ苦しい野郎どものみ(男の娘っぽいのは一人いるけど)しかいませんので、萌えアニメを嗜むようなオタクにはおすすめできません。一方で、青春ものやスポーツもの、特に「スラムダンク」や「ハイキュー!!」が面白いと思った方にはおすすめできる作品だと感じました。

残念なのは、{netabare}今季は他校との練習試合で終わってしまい、公式戦すら描かれていません。{/netabare}原作ストックは大量にあるので、是非2期に期待したいと思います。

余談ですが、作中でちらっと言及されたアジアの国際大会は、恐らくアジア競技大会でしょう。Wikiによれば、実施された大会全てでカバディ発祥国インドが優勝しているようです。日本は2010年に銅メダル1回が最高成績。この作品で知名度が上がるでしょうし、今後伸びてくるかもしれませんね。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 5

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

タイトル詐欺ではありません!!

原作漫画は未読ですが、アニメで観て面白そうだと思いました。

競技名や、インド発祥らしいこと、攻撃側が「カバディ」と言い続けている間は敵陣に入ることができるといったことはなんとなく知られているカバディという競技ですが、試合を観戦したりスポーツ中継などの映像で観る機会はなく、結局のところちゃんとしたルールを知らないまま一生を終えてしまいそうな気がします。

ですが、本作を観るとちゃんと競技としてのカバディのルールを教えてくれます。素晴らしい!

そしてカバディがかなり激しい肉体接触型のスポーツであることや、選手にレイダーとアンティという役割があること、具体的な得点方法などが理解できます。

主人公の宵越くんはサッカー選手からの転向ですが、他の選手たちの経歴も様々で、メンバーを揃えてチームを作ることの大変さがしのばれます。

ときおりコミカルな描写を挟みながらも練習や試合内容そのものは熱く、カバディという特殊な競技以外はかなりまともな青春スポ根部活物として楽しめます。スポーツ系のアニメが好きなら、けっこうお勧めかも。


余談: 2021年春クール、かみさんと一緒に観るアニメその2でした。
(ちなみに「その1」は『ゴジラS.P』で、「その3」は『さよなら私のクラマー』。)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 20

60.8 3 筋肉で熱血なアニメランキング3位
セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (84)
241人が棚に入れました
“為せ 汝の欲することを"かつて世界を救った英雄達がいた。数多の英雄達は〈破壊〉の力と戦い、この世界を守ったのだ。そして、時は流れ――英雄たちは歴史の彼方へと去り、彼らの力を身に纏い戦う〈継承者〉と呼ばれる少年少女達に世界の運命は託されることとなった。〈継承者〉の頂点に立つ〈セブンナイツ〉の一人、少女ファリアは押し寄せる〈破壊〉の軍勢との戦いの中、ネモと名乗る一人の少年を救う。激戦の中、ネモは自らも知らぬままに〈英雄〉の力を喚起し、〈継承者〉としての力を振るう。だが、彼の〈英雄〉は誰も知らぬ、誰も語らぬ者だった。そしてこの時より始まるのだ。過去と現在の交錯する魂の旅路が――

声優・キャラクター
山下大輝、山村響、花澤香菜、梅原裕一郎、武内駿輔、保住有哉、沼倉愛美、櫻井孝宏、嶋村侑、田村ゆかり、伊藤健太郎、松本梨香、森川智之、新井里美

Dave さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

スマホゲームのPRアニメ

最近はこちらも勘が鋭くなってきて、名前&予告編だけでダメなやつっぽいなと思ったのですが、万が一もありますので第一話だけリアルタイム視聴。しかし悪い意味で予想通りで、案の定オンラインゲームのPRアニメ、しかもゲームは韓国製ですかそうですか。

初めからゲームとして設計されているところに後からストーリーを設定したのでしょう、特にワクワクするような設定や斬新なコンセプトも見当たりません。キャラデザも(特に敵キャラが)かなり適当な感じですし、視聴を継続すべき理由がぜんぜん見つかりませんでした。

ま、それはそれで迷わず切れていいですよね。中途半端に頑張っちゃって、ズルズルつまらなくなって途中から切ることになると時間返せって気持ちにもなりますが、このように「すでにゲームやってる人専用」っていうのを分かりやすく伝えてくれると、こちらも気兼ねなく【予約取り消し】を押せるというものです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

最終話まで観てさらに下方修正

 
観終わったが…これはヤバイ。
本気で制作されてると信じたいが、終盤は思わず笑ってしまった。コーヒー飲みながら観なくてよかった。演出レベルもあるけど、とにかく話が面白くないというか酷い。
本作視聴後なら大抵の作品は良作と錯覚できそう。逆の意味で傑作。

__________

(8話視聴後)

終盤に向け盛り上がるかと思ったが、何が面白いのか全然つかめない。
王道ファンタジー風だけどバトルが単調で地味。
かつての英雄と契約してる設定が活かされてないから、人気声優が揃ってるのに存在を忘れそう。

監督は市川量也さんだが、同クールの「灼熱カバディ」にしても「すばらしきこのせかい」にしても、実質的な監督ではなさそう。お忙しそうだしお名前だけかな?
構成脚本は…苦笑い。本作の致命傷かと。
作画は不自然さも感じるけど、それで観る気が失せたわけではない。

8話まで観てしまったし、あとは倍速で話をなぞって終了するつもり。
あらためて「大人は観ないほうがいい」と強く感じた。

__________

(4話視聴後)

少しめんどくさいキャラ設定と、わかりやすく思わせぶりな描写が目立つかな。
ちょっと大人には薦められない。
ベタなファンタジー世界で少年少女が危機に立ち向かう系が好きな人なら。

作画的には…急に小学生になった?ってくらい背が縮んだりするシーンは無くしてほしいかな(笑)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

変化球の王道異世界物語

ゲーム原作 全12話

この世界の各地で世界を滅ぼそうとする破壊の軍勢と戦う英雄の継承者の集まりである学園の生徒会セブンナイツの活躍を描く作品です。英雄の継承者は、その英雄が憑依し姿を変え、能力を使うことができます。

ゲームが原作のようですが、お話はアニメオリジナルストーリーということみたいですね。

破壊され人々が逃げ惑う中、その土地に暮らしていた主人公ネモはセブンナイツの一人であるファリアに助けられるところからお話は始まります。

この世界は様々な種族がいる世界みたいですね。

ネモにも英雄の継承者の力があったことで、そのまま学園に入学することになります。

前半は、ネモが起点となりその学園で起きた様々な事件を解決して他のセブンナイツのメンバーと信頼関係を築くことになります。

後半は、前半の謎だった伏線を回収しつつ、この世界の真実を知った主人公たちが巨大な敵に立ち向かいます。
{netabare}
まさかネモが人間ではなくて、本来のネモを乗っ取っていたのは驚きました。本来のネモは優しすぎますね。
{/netabare}
綺麗に終わっています。{netabare}ネモとファリアの2人が封印できる場所に旅をするところで終わるのも{/netabare}良かったですね。

OPはflumpoolさん、EDは主人公ネモ役の山下大輝さんが歌っています。

最後に、花澤香菜さん演じるセブンナイツのキャラがいつも「主体性のない女」と言っていましたが、そういうこと言っている人に限って実は主体性があるんですよねw

投稿 : 2024/04/20
♥ : 11

61.5 4 筋肉で熱血なアニメランキング4位
タイガーマスクW(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (61)
166人が棚に入れました
東映アニメーションの60周年企画で、1969年に放送されたアニメ「タイガーマスク」のその後の世界を描くものとなる。

声優・キャラクター
八代拓、梅原裕一郎、三森すずこ、森田成一、鈴村健一、田中亮一、草尾毅、橘田いずみ、岸尾だいすけ、てらそままさき、柴田秀勝、小林ゆう、島田敏、福山潤、内匠靖明、竹本英史、千葉千恵巳、真壁刀義
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

老舗制作会社とベテランスタッフの底力を感じられる良作

2016年10月~2017年6月放送。全38話。

子どもの頃からプロレスを見ていたという知人に勧められて途中から視聴開始。私はプロレスは全く知らずタイガーマスクという作品にもはじめて触れましたが、ストーリーもプロレスシーンも、この作品のみでも充分楽しめるものになっていたと思います。

老舗制作会社とベテランのメインスタッフの底力を感じられる作品で、絵柄・演出・雰囲気は少しレトロ。地味ですが好きな人は好きだと思います。

本筋はシリアスですが、3クールの長い話数の中で息抜き回やギャグ回もありバラエティに富んだ楽しさがありました。
全体的に堅実さや細やかさ、描写の積み重ねの巧みさが感じられたのは監督の小村さんのおかげでしょうか。個人的にはプリキュアSSに同じ印象を持っています。
虎の穴などの設定は非現実的で突っ込みどころはあるものの、ストーリー面では千葉克彦さんのベテランらしい王道で堅実な脚本・シリーズ構成が光りました。
全体通して各キャラクターのプロレスに対する想いが描かれたのが特に良かったです。

プロレスシーンはコンテ・演出・作画で個性が顕著に出ていて、それぞれの回で違う魅力がありました。
組み合うまでの過程や必殺技を仕掛ける前の攻防もきちんと演出し、上手くアニメ的な見せ方に落とし込んでいました。何をしたのか見てわかるバトルが好きなので凄く良かったです。
羽山淳一さんはじめ作画スタッフに見慣れた名前が多く、ベテランアニメーターの地力を改めて感じました。
マットの音もリアルで音響にこだわっていたように感じます。

難点は見ていて痛そうなこと。…格闘技とかってリアルだと痛そうでつらいのでやっぱりアニメで見るのがいいなw


【テーマについて】
{netabare}
初代は死人が何人も出るようなハードな展開だったようですが、本作はプロレスの楽しさやプロレスに対する情熱に帰結する物語となっています。

ナオトは何人ものレスラーとの交流で、タクマは再起不能になりかねないほどの大怪我を乗り越えることで、プロレスが好きという気持ちを取り戻す描写があるため復讐劇のみで終わらなかった所が特に良かったです。
復讐を描くだけならタクマがオーディンと仲良くなることもなかったでしょうし、ナオトがプロレスラーになった背景をああいった設定にはしなかったはずです。
ナオトもタクマもGWMに一時期所属していたからこそ、自分の気持ちを客観視できたのかも。

タイガーが13話でイエローデビルの覆面を剥ぎ取ったのは復讐心からです。けれども最後のザ・サード戦でマスクに手をかけなかったのは、復讐心のみで戦ったわけではなく目指すプロレスの在り方の違いや信念のぶつかり合いになっていたからだと感じました。


もう一つ一貫して描かれたのがマスクマンの誇りです。
本編の中で「マスクの中身が変わるのはよくあること」とミスXは幾度か口にしています。
現実ではマスクは覆面レスラーのアイデンティティーなのだそうで、それを逆手に取り、ナオトとタクマが二人ともタイガーマスクWとして同じ信念を共有して新たなタイガーとなる展開はとても良かったです。
ナオト自身も、マスクを失った時には「ザ・サードとはタイガーマスクとして戦いたかった」という趣旨の発言をしているので、ずっとタイガーマスクとしての誇りも持っていたと思います。

それに対して逆の描写をされたのがケビンです。
彼は運営の都合で幾度かマスクを変えたために、マスクマンとしてのプライドやアイデンティティーを持つことが出来なかった。最後にリングの上でマスクを脱ぎ捨てたのは無理もなかったのではないでしょうか。(あのシーン描写としてはレスラーとしてリングで向き合ったタクマに対する「俺はお前の友達だ」という主張なんでしょうけど。)
{/netabare}

【キャラクターについて】
{netabare}
主人公二人もそうですが、落ち着いた等身大のキャラクターが多くて感情移入もしやすくとても見やすかったです。脚本家が違ってもキャラクターがぶれることがありませんでした。

若松龍は新日勢で唯一のオリジナルキャラクターで、演出のためにレスラーとしては噛ませになることが多く、恋にも全く脈がなくてちょっと可哀想だったかな。ケビンにも言えることですが、この二人はナオトやタクマとの人間ドラマでこそ輝くよう作られていました。
メタ的には新日の実在レスラーキャラや過去作のオマージュキャラをあまり粗末に扱うことは出来ない以上、仕方ない面もありましたね。

ふくわらマスクは本当に良いキャラクターでした。観客を楽しませることを矜持とし、勝っても負けても愛されるレスラーはこの作品には必要で、それが虎の穴出身の実力者であったのもテーマに合致していて良かったと思います。
{/netabare}

【最終話と女性キャラについて】
{netabare}
本編終了後のスペシャルステージみたいな内容ながら、本作で積み重ねてきたことがこの回でコンパクトに描写されています。レスラー、主催者、医療従事者、記者それぞれの「プロレスが好き」という気持ちをしっかり描いた楽しい回になっています。

本作で一番応援していた春奈が恋もプロレスもいい方向に向かいそうなのが本当に良かったです。…是非ともお母さんとおじさんに許しをもらう続編とか見たいですね。作画や演出が一番今風だったし、こんな感じの楽しい話をもう一話だけ見たいw

最終話迎えたらミスXが一番好きな女性キャラになってましたw 中間管理職の苦労を見せはじめたあたりからこの人なんか可愛くない?ってw
見直して思ったのは、GWMで若手選手を育てる中で実現したいプロレスの形が変わったのだろうということ。ショーの運営や、タイガー・ザ・ダーク(タクマ)のプロモーションに試行錯誤していると感じるシーンが時折あったりもして、ドライな表情に隠していても、プロレスに対する情熱があったのだと素直に思えました。本当に美味しいキャラでしたね。

医療従事者として複雑な思いを抱えながらも、ルリ子がリングドクターを続けているのが個人的には嬉しかったです。
ナオトは「誰かに生きる力を与えるようなレスラーになりたい」という最初の夢をこういう形で叶えたんですね。ルリ子にとってナオトは恋愛対象ではなかったけれど、タイガーマスクは間違いなくヒーローでした。

来間さんはタクマとルリ子がいい感じになってるのがわかってから乙女な描写が減ってしまったのが少し残念だったかもw でも記者としての情熱は失わずに頑張っているのが良かったですね。解説席に座れるって相当詳しいんだなあ…

最終話ゲストキャラのマザーデビルも渋くて好きです。場を盛り上げるために会見時からヒールを演じたり、スプリンガーとの試合でも観客が盛り上がっていないと思えば勝利が確実だった絞め技から大技の連発に切り替えるなど、ベテランレスラーとしてとても格好良かったです。
{/netabare}


本作を気に入った人には公式サイトの濃いインタビュー記事もぜひ読んでほしいですね。
関わった人たちのこだわりも感じられますし、実在のレスラーとアニメ内の同名キャラクターは違うということもきちんとアピールしています。個人的にはそういうフォローがあると安心して見られるのでとても有難かったです。
プロレスファンからは割と好意的に受け入れられているようですし、私はプロレスには詳しくはないけれど、スポーツや競技へのリスペクトに近いものは感じたのでとても好きですね。
(2017.7.20)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 16
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

なんと、このアニメは3クールです。いろいろ考察します。

このアニメの音楽は良いです。さすがはキュアメタル、最高のアニメ音楽職人これは見事です。見事な主題歌のアレンジ、
バトル音楽の激しさ和太鼓のように聞こえる響きなどなかなかです。
昔作られた主題歌のアレンジですが、それだけでしびれます。挿入曲もまあまあですね。

作品自体はなかなかストーリーは面白く、
三森すず子さんのヒロインもかわいく魅力的。
小林ゆうさんの色っぽい敵女性幹部も魅力的。
キャラは実在のキャラも含めてみんな魅力的です。
ふくわらマスクというキャラも良いです。
初登場の時はあまり注目してませんでしたがダークホースでした。
ギャグ系プロレスラーという設定ですが、それだけではなく実力も人情柄も頭の良さも
タイガーマスクさんの良き理解者、相談相手になっています。高岡拳太郎さんのポジションちょっと食ってますね。

様々なガチンコのプロレス試合は楽しいです。本当のプロレスについては下記の「蛇足のプロレス豆知識」ですからね・・・
取りざたされてるアイドル回のアイドル自体は好きになれなかったですが、魅力的な架空レスラー、ゴリラー・ジェット・シンと、今時、てよだわ口調のモブの「プロレス女子」たちが可愛かったのでヨシとします。
14話もギャグ回で良かったです。

なお、この作品はアニメ盤タイガーマスクの続編であり、
漫画盤タイガーマスク(最終回で主人公が死ぬ)→タイガーマスク二世の続編ではないという事に注意してください。
初代タイガーマスク伊達直人が存命している可能性もあります。

*この作品が全38話の3クール作品だと知っての雑記と考察を長文でつらつらと書きます。
これはこの作品に限った事ではなく、最近のアニメ全体についてですが、「最近、アニメに対してせっかちな人が多すぎる」と思います。
最近のアニメは1クール主流ですが、たかだかそんな短い話しでも「展開が遅い」だの「中だるみする」だの文句を言う人が多すぎます。
そして2クール作品だと「長すぎる、1クールにまとめるべき」みたいな意見が出ます。
昔のアニメは基本的には4クール(一年)でしたし、ヒット作品や原作が長い作品だと二年以上やるなんてゴロゴロありました。ちなみに初代タイガーマスクは105話ありました。
最近のアニメ視聴はたかだか一話や二話。たわいない話しや息抜き回があったくらいで騒ぎになり批判の嵐で「切る」とか言い出す人がいますよね?
なんだか、最近は「1クールアニメが基本」になってる人も多いようです。
長期アニメというものは確かに作品のまとまりは悪くなり矛盾も出てくる「ジャンプ漫画の法則」が発動しますが
私は好きなキャラや作品が少しでも長く続くのは好きなので、長期アニメ肯定派です。
それに長期アニメなら多少、出来の悪い回や宣伝回があっても、まあそれはそれで許容できます。
また、この作品は新日本プロレスとその親会社のブシロードがスポンサーであり、いわば「新日販促アニメ」ですが多いに結構だと思います。スポンサーあってのアニメだと私は思いますから。
こういうアニメはむしろ増えて欲しいと思ってます。

ちなみにSWS設立騒動で多くのファンやプロレスマスコミが親会社のメガネスーパーを非難しましたが、故橋本真也選手は「プロレスに大量の金を出してれるスポンサーはありがたいものだ」と擁護したそうです。
あの、宮崎駿監督ですら、「私の作品は芸術ではなく娯楽だ」と言ってますし、宣伝アニメや販促アニメ、実在の人物タイアップは大いに結構だと思います。
批判を受けたB級アイドルタイアップ回も今ではまあ「長丁場の作品だとこういう回もたまにはあっても良いかな」と今では思ってます。

23話のウォーゲーム開幕といい、19、20話のヘルインザホールといい、
この作品の強みは実際のプロレスでは実現不可能であろう仕掛けがある点です。
ヘルインザホールのような人が死にかねない地下試合は実際は刑法に触れるのでできないですし。
ウォーゲームはどう考えてもあのピラミッド型の特殊リングの建造費、設置費が高くつきすぎて実現不可能です。
しかし、そこが面白いです。

それにしても虎の穴も随分、まともな組織になった感があります。
ヘルインザホールやは地下送りはともかく、表向きのプロレスはフェアにやってます。
なんだか、この作品は「ミスXのプロレス経営奮闘記」という感じですね。
主役サイドの物語よりそっちの方がなんだかおもしろいです。

追加
最後の方まで見てみて、この作品でちょっと苦しかった事は「敵サイドの強さを示すやられキャラ」をあまり作れなかった事ですね。
普通のこの手のアニメでは主人公に敵対するキャラの強さを示すために脇のキャラがゴミクズのようにボコボコにやられて強さを示すのですが、
ブシロードの子会社の新日本ブロレス主力のオカダ、棚橋、真壁らをそんなふうに扱う事も出来ず(オリキャラの若松くらいでしたね)、
ラスボスのタイガーザグレートサードも途中で微妙に苦戦する描写があったりして「想像を絶する超強敵」と言えない感じでした。
全話を通して敵対していた敵幹部のミスXも最後は良い人みたいな扱いでしたし。

まあ、全般的に楽しく面白いアニメでした。
初代の悲壮さ壮絶さを求めていた人たちは失望したかもしれませんが、全般的には楽しく面白かったです。
ていうか、いくらなんでも「人が死ぬようなプロレス」は現代向きではないと思います。
ジャイアント馬場さんの言う「明るく楽しいプロレス」とまではいかないまでも、楽しい作品ではありましたし、それで良かったと思います。

蛇足のプロレス豆知識(プロレスに幻滅したくない人は読まないで)
{netabare}実は現実のプロレスというものはごく稀に発生するアクシデントやブック破りを除いては真剣勝負ではなく、ブック(事前の勝ち負けの約束の意味)やシナリオ、「相手にケガをさせないようにする」「相手の技を受ける」といった約束事が存在する「ショー」です。
「セメントマッチ」と銘打った真剣勝負とされている試合も実際は興行文句であり真剣勝負ではないと思われます。
勿論、痛み苦しみは激しく、必死にトレーニングして技の練習したり体を鍛えたり「真剣」にやらないと死傷したりするという意味では「真剣」ですが格闘技ではありません。もっともアニメ「タイガーマスク」は真剣勝負でしょうけど、ただ13話の女子プロレスは現実のプロレスと同じショーだったみたいです。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キャッチコピーは、「最強の虎は 俺かお前か」

この作品はオリジナルアニメ作品だったようですね。
何でも東映アニメーション創立60周年記念企画の一環として制作されたとか…
昭和44年から46年まで放送された第1作目のタイガーマスクの続編だったようですが、流石にそこまで昔の作品はチェックできませんでした。

でもタイガーマスクというプロレスラーの名前くらいだったらきっと聞いたことのない人はいないんじゃないか…というほど、メジャーなプロレスラーだと思います。
私は初代タイガーマスクだった佐山聡さんの試合は見たことはありませんでしたが、2代目だった三沢光晴さんの試合はタイガーのマスクを脱いだ後も試合を1990年代前半まで拝見していました。
タイガードライバーやタイガースープレックスなどの技を惚れ惚れしながら見ていた覚えがあります。
三沢さんの早すぎた最後がただ残念でなりません。

だからテレビアニメで現代にタイガーマスクが蘇ると知り嬉しい気持ちになりました。
もちろん、即視聴決定です。

この物語は日本の若きプロレスラー2人が虎としてリングに旋風を巻き起こすまでを描いた作品になっています。
物語は、プロレスの中堅団体である「ジパングプロレス」に海外プロレス界でも有名な「GWM」を興行に招聘するのですが、メインイベントでGWMのレスラー「イエローデビル」が「ジパングプロレス」の代表選手である藤井大助に対し不必要なまでの攻撃を浴びせて再起不能にまで追い込んだところから始まります。

この件が引き金となって団体は解散に追い込まれてしまったのです。
取り残されたのは藤井大助の息子である「藤井タクマ」と新人レスラー「東ナオト」の二人だけ…
そしてその二人もやがて姿を消してしまいます。

やがて数年の月日が経ったある日の事…GWMが再び日本にやってきたその時、突如タイガーマスクが現れGWMのレスラーを瞬殺したのです。

そのタイガーマスクは、初代タイガーマスクから「虎の遺産」を受け継ぎ、富士の裾野にある秘密の道場で自らを鍛えなおしたナオトだったのです。
ナオトがタイガーマスクとしてリングに上がったのは、これまで受けた恩義に報いるため…

その頃、GWM所属のレスラーにも虎の名を持つ覆面レスラーが現れたのです。
その名はタイガー・ザ・ダーク…かつての「藤井タクマ」でした。
彼がGWMから参戦を図ったのは、父の無念を晴らすため…

お互いの虎が誰かも分からない…
この数年の間に過酷な修行で肉体を鍛え続けてきたので、もはや昔の面影はありません。
立場の違うお互いは、お互いの道を目標に向かって歩み続けるのでしょう…
こうして2人の虎の物語が動いていきます。

振り返ってみると全38話…この道のりは決して平坦ではありませんでした。
二人とも明確な目標を持っています…
それにその目標を掴み取るだけの修行もしてきた…

だけど遠いんです…
どれだけ頑張ってもイエローデビルに手が届かないんです。

ずっと目標に向かって最短距離を突っ走ってきました。
ですが、結果としてそれが回り道をする結果になるとは予想もできませんでしたけれど…
でも一つだけ分かることが…
実際に相手を目の前にすると、気持ちが昂って我を忘れて本来の自分ではいられなくなる、ということです。

二人にとってこれまで走ってきた道は決して良い事ばかりではありませんでした。
数えきれないほどの身体と心の痛みが二人に容赦なく襲い掛かります。
良かれと思った選択肢が大きく間違っていたこともありました。
それでも歩みを止めない二人には大きな勇気を貰った様な気がします。

でも、この作品はこんな男臭い物語ではありません。
ここぞという時に三森さん演じる高岡春奈と、千葉千恵巳さん演じる山科ルリコが良い働きをしてくれるのです。

二人とも立ち位置は抜群でした。
タイガーマスクのエージェントとして振る舞う春奈ちゃんにはもう一つの顔があったり、ルリコちゃんに至っては揺れる乙女心がしっかり描かれていたり…
只でさえ男臭いプロレスである上、実名で登場するプロレスラーの一部は声の吹き替えも本人が行うという極めて濃厚な作品だったので、二人の華はなくてはならない存在だったと思います。

二人の虎は本懐を遂げることができたのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

3クール全38話の物語でした。
私は視聴できませんでしたが、実際のプロレス中継番組ともコラボしていたようです。
中でもかつて「タイガーマスク2世」が放送されたときに現実のレスラーとして「タイガーマスク」が登場したように、今回も「タイガーマスクW」を名乗るレスラーが新日本プロレスの興行に登場してくれたようです。
こういう企画…大好きです。

そして物語の方ですが…今度は「スプリンガー」を主役に展開していくのでしょうか。
そんな続編があるなら絶対視聴したいと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14
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