脱走で脱出なTVアニメ動画ランキング 3

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月02日の時点で一番の脱走で脱出なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.5 1 脱走で脱出なアニメランキング1位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1117)
5360人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 78
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 83
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 97

66.5 2 脱走で脱出なアニメランキング2位
OVERMAN キングゲイナー-オーバーマン(TVアニメ動画)

2002年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (204)
1182人が棚に入れました
時代は地球環境が悪化した未来。
かつて人間が暮らしていた豊かな土地は食用地として保全され、 人々は凍えるツンドラ地帯や灼熱の砂漠地帯のドームポリスに押し込められ、中央政府や食料を運んで来る鉄道公社には逆らえなかった。
そんな生活が何代も続いたとある時代に、ふと疑問を抱く人々が現れ始める。『自分達の先祖が生活していた土地への帰還』=エクソダス。
そんな中、シベリアのドームポリス『ウルグスク』に住む少年、ゲイナー・サンガは、シベリア鉄道警備隊に逮捕されてしまう。容疑はドームポリスから脱出する『エクソダス』だった。
ゲイナーは留置場で出会ったゲイン・ビジョウという男と共に脱走するが…。

声優・キャラクター
野島裕史、かわのをとや、小林愛、鬼頭典子、子安武人、水城レナ

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

深いことを考えてはいけない。

FFのごとく厨二的専門用語が多発。
いつものことだが、だいたいはあとでわかったり説明的な台詞で補足してるれるのが毎度のことだが、今回は一切ない。
ただ話の流れでああ。。なるほど。。。となる。
ここいらは禿げ御大の天才たる所以。
近年のFFノムリッシュには到底及ぶことはデキない。

まじめにみようとするとかなりの気合がいる。
ニュアンス、フィジカルで感じればいい。
一番問題なのは『あきまん』デザインのぬいぐるみ型ロボットを受け入れられるかにある。ガチコはマジでかっこいい。であきまんは2chで管巻いてるオッサンらに人気がでてしまったのがムカつくらしい・・相変わらずかわいいな。
あきまん、キヌ先生(キャラデザの一人)と似た絵で有名な吉田さんのキャラ、作画はあいかわらずすばらしい。吉田神と呼称されているのであのタッチの元祖は彼ということなのか・・。
富野監督自身はキヌ先生派のキヌシタン・・。とか・・じゃないとか・・。おらはストZEROあきまんが一番すきだなぁ。


終盤があまりにぶっとびすぎててついていけない。
いや話はわかるんだが、なぜそうなった!的な・・・。

ちなみによく聞かれるので 主題歌のシャウトは『メタルフルコート』っていってる。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12
ネタバレ

イワレニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ザブングル+ZZ+ガンダムX+Gガン  恐ろしくポジティブなキレイな富野

まず、率直な直感だけの感想として
面白いし、感情引入も出来、感動する。
これに尽きる。

しかし、ガイナックス作品を見たとき天野っぽいな~と思ってしまうことが多々あるが(エヴァとかエヴァとかエヴァとか)

この作品も非常に「富野」っぽい作品である。
ストーリー、メッセージ性、セリフ回し、テンション、どれをとっても富野らしい作品であると言えよう。

感じ的には、ザブングル5割+ZZガンダム4割+ガンダムX1割と言った配分。
もしも、上記の作品が好きならばハマれると思う。
(他にもGガン、Wが好きでもイケる)

と、だいたいスペックは分かってもらえたと思う。



要するに、この作品。面白いは面白いんだが一癖あると言ったところ。

まず、見るのに下記のハードルがある。

1、モビルスーツ(ロボット)の形が独特。
生き物のようなぬいぐるみの様なものに乗って戦う。(コックピットなんてファスナーだしねw)

2、しゃべり方が独特。
(ZZガンダムっぽい)

3、テンションは高い。
はじめはついて行けないかも?w

4、専門用語が多い。
序盤6話ぐらいにすべての用語が登場するといってもいいぐらい序盤は詰め込んでいる(説明っぽい?)これを乗り切れるかどうか。
実際には理解しないでノリで突き進むのが正しいであろう。



この、いくつかのハードルを乗り越えることが君にできれば「面白いキングゲイナーワールド」が待っているだろう!


俺の好きなところ

{netabare}
・もう一回見れるアニメというのを結構高く評価してるのだが、このアニメは1~5話ぐらいに情報がとにかく多くそこが2回目見たときに全て分かる。というのがよかった。

・富野と言ったら「富野だったら死んでた」の名言を残してるぐらい普通に重要キャラが死ぬ。しかし、このアニメ重要キャラはおそらく誰も死んでないであろう。敵も含め。戦争をしているのに死なない作品は珍しい。そういう意味では、富野っぽくない作品とも言える。

・明るい富野。先にも言ったが死なないだけでもなくメッセージがとてもポジティブ。普段だったら、「全員死んだらそれで終わりなんだよ」ともとれる鬱になるようなメッセージがこの富野はキレイで正反対。「ポジティブにやり直ししよう!」という気持ちが伝わってきます。

・とにかくOPのノリが素敵。
アナ姫さんがいちいちかわいい。それだけでも見る価値ありなアニメ。アデットさんもいい女すぎてヤバイ。

・引きこもりなゲームマスターが主人公。
なんかぐっと来るシチュエーションでした。アクセルワールドを思い出すような設定w

{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『OVERMAN キングゲイナー』作品紹介と総評

富野由悠季総監督による『∀ガンダム』以来2年半ぶりのTVアニメシリーズ。
自ら始めたシリアスな作風のロボットアニメとは異なる明るく楽しいエンターテイメント作品を目指した作品です。

(あらすじ)
時代は地球環境が悪化した未来。シベリアのドームポリス「ウルグスク」に住む「ピープル」の一人ゲイナー・サンガはドームポリスからの脱出「エクソダス」に反対していた両親を暗殺され、日中は学校に通い、家ではテレビゲームに埋没するという孤独な毎日を送っていた。
そんなある日、ゲイナーは授業中唐突に現れたシベリア鉄道警備隊に拉致されてしまう。その理由とは自らの忌み嫌う「エクソダス」の共謀だった。ゲイナーはメダイユ公爵邸内の牢獄でゲインと知り合う。ゲインと共に脱走したゲイナーは成り行きの中で乗り込んだオーバーマン「キングゲイナー」への執着をきっかけに忌避していた「エクソダス」に係わっていくことになる。(wikipedia参照)

作品テーマを侵略や戦争ではなく「エクソダス」(環境保護を大義名分とし聖地ヤーパンへの回帰)とすることで、以前の富野監督作品(黒富野)で扱った悲惨な死の描写を軽減する事が出来ています。

また、作中のロボットであるオーバーマンの特殊能力を「盗み取る」「幻を作る」といった捻りのあるものとすることで、戦いの場面を単なる力と力のぶつかり合いでわなく、展開を楽しませるものへと発展させています。

作品は全体的に明るく作られ、主人公であるゲインが様々な人達と接し、成長する様をポジティブに描いています。
また、OPも70年代~80年代のロボットアニメでは普通だった「主役ロボットの名前を連呼する」スタイルをとり、メロディに合わせて登場人物がミュージカル風にポーズを取ったり、登場人物や作中に登場するオーバーマンがモンキーダンスをしたりする楽しい映像となっています。

まぁ、個人的には「世界一恥ずかしい告白」のイメージが強すぎますが…。(第17話参照)

『天元突破グレンラガン』が好きな方にはとても相性のいい作品だと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13

66.9 3 脱走で脱出なアニメランキング3位
エスタブライフ グレイトエスケープ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (103)
246人が棚に入れました
「生きるのがツライ? なら逃げちゃえばいいんですよ」 ずっと先の未来。人間はそれまでの姿形だけでなく、獣人・サイボーグ・魔族など多様な姿を持つようになった。東京の街は、AIが管理する高い壁に囲まれた数多の地域「クラスタ」となり、自由な行き来をやめ、それぞれが独自の文化・常識を育んだ。人々は、自らが生まれたクラスタの常識を基準に幸せな人生を送る。 しかし、なかには自らのクラスタに適応できない者も現れる──。 そうした人々を、別のクラスタへと「逃がす」ことを生業にする者たちがいる。 「逃げたい人」たちから依頼を受け、あらゆる方法を駆使してAIの裏をかき、本来は不可能であるクラスタ間の移動を成し遂げる者たち──「逃がし屋」。 逃げて、逃げて、逃げまくる!! 逃げたい人をお手伝いする、5人の逃がし屋たちの物語──!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「○○から逃げられない」は思い込み?

「シリーズ構成・脚本 賀東招二」は、さもありなん。社会の捉え方というか、実社会のネタにされ具合には『コップクラフト』なんかと似たような空気は感じます。ストーリー自体は全然違うんですけどね。

なお、「エスタブライフ」は「ESTABLISH in LIFE」のことらしいです。

視聴勘みたいな物のある人には早めに作品世界の空気はわかるんだと思うんですけど、そこが良くわからないまま視聴を止めちゃう人が続出しそうな作風です。各キャラがリアルにそういう生物なのかアバターなのかとか、気になると視聴が進まないタイプの人には向きません。

逆に作品世界自体は単なる舞台装置で、各クラスタの存在は現実の主義や思想に呼応したモデル化だと思えると、それなりに楽しんで視聴できるような気がします。各階で揶揄される思想の元ネタは知っている方が面白いのは間違いないので、ある程度は頭を使って観るタイプのアニメではあるでしょう。

原作なしのオリジナルアニメとしては至極ごもっともな、わりと高めの志で作られた良作だったと思います。そして売れようが売れまいが続編を作るような作品でもない気はしますが、それはそれとしてたぶんあんまり売れないだろうなという気がします。

でも、Ultra+枠で放送されたのに次のクールである今、MXやAT-Xで放送されているのはなぜなんだぜ?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

逃がし屋エクストラクターズはコソコソとは逃がしませんよ。

コソコソとは逃がしませんよ。いつの間にか豪快に逃がします。
池袋で逃がして
上野で逃がして
秋葉原、新宿、お台場、白金台でも逃がしちゃいます。

「それでは、逃げましょう!」
と、チームのリーダー、エクアはおっとりとした口調で依頼を請けます。
逃がしプランは何通りかあるのでしょうが主にワイヤー&滑車でシャーッと行くかまたは大砲でドッカンして逃がします。
能天気な逃がし屋ですよ。

また、いつも治安部隊に追われるのですが、不思議と弾幕からも逃げることができます。
なぜでしょう。逃げれる理由はあるのです。実はエクアは {netabare}本編観てください{/netabare} なのです。

本作品、世界設定はしっかりしているからこそ、逃がすというシンプルな設定で、豪快にドンパチして、依頼人のお役に立つ。
深い設定はあえて見せることなく終わらせていることが、このアニメの楽しめるところだと思います。

どうやら、劇場とゲームを組み合わせて制作しているようなので、深い設定はそちらに任せて、ノープランで楽しんでください。

スピード感があるOP、世界感のED。どちらも良い曲です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

逃げちゃいましょう!

全編CGだが、違和感なく見られる。
ゆるーい逃がし屋のお話だが、
どーでもいいことを大真面目にやっている感のあるアニメ。
逃げたい理由も大したことないのだが、意外と命懸けで脱出している。
というのも、この「逃がし屋」、ポンコツ揃いだからだ。
自力脱出の方が良くない?と思ってしまうぞ。
逃げたい本人も、魔法少女になりたい、とか、パンツ履きたい、とか
なんだそりゃという感じ。
子供向けアニメなのか、これを大真面目にやっていること自体が面白い。

とか言っていると、第8話のような感動回もあるし。
第9話の大脱走もすごい。
そして10話~最終12話まで、逃がし屋が逃げ回る展開。
あなどれないアニメ。
最後に行くほど盛り上がったのだが、ラストはやっぱり?・・
という感じでした。

真面目につらいことに頑張っている人にこそ言いたいですね。
「逃げてもいいんですよ?
 逃げちゃいましょう!」

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8
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