艦隊戦で未来なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の艦隊戦で未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番の艦隊戦で未来なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.5 1 艦隊戦で未来なアニメランキング1位
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1399)
7041人が棚に入れました
2039年、人類は温暖化に伴う急激な海面上昇により、地上での版図を大きく失った。
それに呼応するかのように、霧を纏う謎の軍艦群「霧の艦隊」が世界各地の海洋に出現、搭載した超兵器で人類の艦を攻撃し始めた。
人類は持ちうる戦力を投入し、最終決戦「大海戦」に臨むも、「霧」の圧倒的な武力の前に脆くも敗れ去った。
すべての海域、運搬経路を「霧の艦隊」によって封鎖され、政治経済は崩壊、人類は疲弊の一途をたどっていた―――――――
「大海戦」から7年。
士官候補生・千早群像の前に現れた「霧の艦隊」の潜水艦「イ401」。
敵であるはずの「イ401」、そのメンタルモデル「イオナ」との出会いは群像に、そして人類に何をもたらすのか?

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

僕はストライク! マニアおすすめ!!

原作 漫画(2013年12月現在 既刊8巻) 未読

全12話

ジャンル:SF海洋アクションファンタジー


突如、世界各所に現れた、超兵器を搭載する“霧の艦隊”(正体不明の艦船群)と呼ばれるその軍艦群に人類は敗北を喫し、制海権を失う
“霧の艦隊”と戦えるのは、人類側についた“霧の艦隊”の潜水艦・イ401に乗る士官候補生の千早群像のみ。。。

霧の艦は、それぞれ自分の意思を持つ女性の姿(メンタルモデム)をしていて、
イコール艦艇のパーソナリティと言う設定。


“霧の艦隊”は、外観が第二次世界大戦時の艦艇を模しているので、海洋マニアにはたまりません。
だけど、中身は未来型なので現代の通常兵器では全く歯が立たない
そこで主人公が潜水艦のイオナ【イ401】の 艦長として霧と戦うんだけど、単艦で航行していく所が
自分の好きな漫画「沈黙の艦隊」によく似てるな~っと。

でも、あまりマニアックな専門用語が出てこないので、自分にはちょっと物足りなさを感じました。
もっと専門用語出てくれば、マニア心をくすぐられて、もっと良かったのにな~^^
でも、普通の人には、こっちの方がいいんだろうけどね。。。

話が進んでいくと、いろいろと突っ込み入れたくなる設定あったけど、海洋マニアな自分には、十分惹きつめられる魅力がありました。

それに、妙に納得できたのが
霧のメンタルモデルが皆 女性型なのは、「大抵の人類の言語で、艦船を指す場合に女性形で語られるから」って言う説明があったのでw
上手い事言うな~っと^^


キャラでは、ツンデレ タカオが好きかな ^^
一番 愛深き女性に感じました

それと「シャキーン」が可愛い 金髪ツインテール ハルナ

あと、コンゴウ役がユカナさんなんだけど、
「IS」のセシリアや「げんしけん」の大野さんの声のイメージが強いんですが、
コンゴウ役では、今までと全然ちがうキャラ声だったので、ちょっとビックリでした。^^;


映像綺麗だし、CGもそんなに違和感なかったです

OP&ED曲も良かった
特にOP曲、カッコいいですね!

原作がまだ続いていようなので、2期が見たいです!

海洋マニアや、「艦これ」が好きな人にはオススメです!


OP:「SAVIOR OF SONG」(第2話 - 第8話、第11話)
歌 - ナノ feat.MY FIRST STORY

ED:「ブルー・フィールド」(第2話 - 第4話、第6話 - 第8話)
   歌 - Trident(渕上舞、沼倉愛美、山村響)
  「Innocent Blue」(第5話、第9話)
   歌 - Trident(渕上舞、沼倉愛美、山村響)
  「Our Story」(第12話)
   歌・作詞 - ナノ


PS:面白かったので、原作漫画 購入しようか検討中です ^^;

投稿 : 2024/05/11
♥ : 87

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

うれしい~♪♪♪蒼き鋼のアルペジオ、映画化なのです♡♡♡♡♡

今日、お昼休みに何気なくネットを見てたら・・・・
蒼き鋼のアルペジオ、映画化決定のうれしいニュースが!
ヽ(≧▽≦)ノ ワーイ ウレシイナ♡

発表は6月29日とのことで、千葉・舞浜アンフィシアターで開かれたイベントで発表されたとのことです(イキタカッタナ~)。

映画は2015年に2回上映で、最初がアルス・ノヴァの総集編、2本目が新作とのことでした。でも、こちらは都会じゃないし、近所の映画館ではあまりアニメは上映されませんので、そのときは遠征するしかないですよね。p(*^-^*)q

第1回目の総集編ではオリジナルストーリーも少し入るようですので、とても楽しみです。早く来年、来ないかな~


【2013/12/30】
最初見たときは淡々としていて、後半こんなに盛り上がるとは思いませんでした。

ハルナとキリシマあたりから面白くなって、10話ではタカオが~~~で、涙、涙でした。最終回、コンゴウを説得するイオナ、荒れるコンゴウの場面ではゆかなの演技が圧倒していました。
作品的にもクオリティが高く、2期もぜひ作ってほしいです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 76
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美少女戦艦アニメを体験してみました~!

このアニメ、一隻に一人 女の子が戦艦を操ります!

航行する優美にも見える戦艦の姿。
そしてそこからは想像もつかない強力な砲撃

整った顔つきが目を惹く 見た目麗しい女の子が操る戦艦が容赦なく敵艦隊をブッ飛ばします!!

スピーディーで迫力のある戦艦アクション
その姿は圧巻のひと言です。

物語序盤では よくある正義の名の下に戦うアクションなのかな?と思いながら視聴していましたが

このアルペジオ。それだけではありません。
そう、進撃だけではないということ。

思いがけずに不意打ちを 食らってしまったのはキャラクターが織りなす人間ドラマ

そんなつもりなく観ていた私は
涙がポロポロと止まらなくなってしまいました。

ネタバレなしに ざっくり言うと こんな物語でアクションよりもキャラクターのドラマの部分が面白く見どころ豊富なんです。

ストーリーはというと霧の艦隊イオナと千早群像の出会いから
とってもきれいな水色ストレートロングヘアーにパッチリの瞳の美少女イオナ
見た目はとっても可愛いのですが
話し方に抑揚がなくて無機質で感情のない表情。
第一印象を言うと「あなたは操り人形なの?」
{netabare}
キャラクターに好きという気持ちが生まれて 初めて物語に入り込むことが出来る私にとって
イオナとの出会いは少々の不安を感じながらのスタートとなりました。

人類は「霧の艦隊」という未知の敵の出現によって絶滅の危機を迎えます。

「霧の艦隊」は謎に包まれた存在です。

霧の行動原理は戦うことです。人工知能を持つ人類を殺戮する兵器なのですが揃いに揃って個性的な美少女

人類はこの霧の美少女に勝つことができるのか?

敵に立ち向かうのは主人公の群像。若いのに落ち着きと思慮深さがあります。
非凡な発想から戦闘で圧倒的な才覚を発揮するキレ者です。
やはり自分の中に明確な信念や意志を持つ男性はモテるもの
戦闘後、彼に惹かれ霧の艦隊に反旗を翻す霧の美少女が後を絶ちません
・・気がつけば一大「群像艦隊?」を築いてしまうほど…なんです。
例外として強い女性に支配されたがる変態さんの女性もいて笑えます。

戦闘前は無機質な話し方だった霧の美少女も人類と接することで
まるで本当の人間が成長を遂げるかの様に、感情が芽生えるのです。 

それぞれの表情を見れば一目瞭然です。

キャラクターが思い入れのある存在へと変わり出してからは、物語の世界に吸い込まれていました。

個性的揃いのキャラクターによる軽快な掛け合いも声を出して笑っちゃうほど楽しいのです。
私が特にお気に入りはこの3人
(上からお気に入り順)

・ハルナ
金髪ツインテール。黒の大きなコートに身を包み強気なハルナ、けれどコートを はだけられてしまうと途端に弱気なハルハルなんです。いたずらっ子マキエちゃんとの掛け合いが最高に面白い。
「シャキーーン」にハマりました。

・タカオ
長身でこの物語で一二を争うの抜群のプロポーションの持ち主です。海をイメージしたのか?ブルーの個性があるポニーテール美人。そして恋をしているせいかな?おしゃれ。
群像へのデレがとにかくかわいい♡
10話では群像とイオナへの深い絆を見るも愛を貫く彼女に感動しました。

・ヒュウガ
栗色のロングの巻き髪。一見知的(風)ですが、ちょと、、すごくかな…
イオナねえ様ラブの超かわいい変態さんです。

作品の中でも心の機微が繊細に描かれていた私の心に残るシーンを選んでみました。

・6話。
ハルナ、マキエちゃん、キリシマの熱い友情に涙と優しさが溢れていて
この作品の中で一番 光が当たっていた回だと思います。

・10話。沈む戦艦の中でイオナと群像の絆を目の前に、、けれど愛を貫くタカオ、切ないね。


・12話。コンゴウの戦う理由は兵器であるから。それを第一としています。
しかしイオナとの接近で孤独感を抱く自分に気がつくコンゴウ
本当は助けてもらいたいのに素直になれなくて涙を流しながら戦うシーンは悲しく表現されていました。
一番人間らしい心を持っているのはコンゴウ、あなただよ!

イオナの強い意志、愛のパワーから成長が、はっきり見てとれましたね。
信義を持って接したイオナによって頑なだったコンゴウの心を動かすことが出来たのは、とてもハピーでした。

【LOVE回】
群像と二人の美少女が織りなす恋模様の行方に思いを馳せずにはいられません。
イオナと群像の絆を前に嫉妬をするタカオは本当の人間の様です。
タカオ贔屓な私の心境はかなり複雑ですが、変わらず応援しています♪

戦って、ぶつかって、ときに恋をして、成長していく彼女たちの生きた感情の揺れが痛いほどに伝わってきます。
それは感情が芽生え成長した結果でしたね!

次に観たいポイントは?

・メンタルモデルの存在の意味の解明
・ハルハルの活躍
・タカオの恋の行方
・ヌイグルミ脱却するの?キリシマ
・イオナとコンゴウの絡み
{/netabare}
劇場版 アルペジオ DC→アルペジオ Cadenzaと順に視聴しようと思います。
お友達のオススメ「アルペジオ Cadenza」までもう少し。期待を持って進もうと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 76

69.9 2 艦隊戦で未来なアニメランキング2位
星界の紋章(TVアニメ動画)

1999年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (136)
746人が棚に入れました
『星界の紋章』は、森岡浩之によって執筆されたSF小説(スペースオペラ)、ライトノベル、及びそれを原作としたアニメ作品。また「星界の紋章」の番外編で、ラフィールの出生に関する話を描いた「星界の断章」がある。
 人類が、太陽から0.3光年離れたところに発見した「ユアノン」なる素粒子を利用した恒星間宇宙船を開発し、惑星改造により太陽系外に居住惑星を拡大し始めて何世紀も後のこと…。ハイド星系・惑星マーティンの政府主席の息子ジント・リンが幼少の頃、彼の故郷は「アーヴによる人類帝国」なる星間帝国の大艦隊によって侵略を受けた。彼の父ロック・リンは降伏と引きかえに貴族の称号を得、そのためジント自身も帝国貴族の一員となる。それから7年後、ハイド伯爵公子となったジントは、皇帝の孫娘ラフィールと運命的な出会いをする。 その時からジントは帝国貴族として生きていく事を決意する。

声優・キャラクター
今井由香、川澄綾子、高島雅羅、遊佐浩二、友川まり、陶山章央、藤貴子、千葉一伸、塩沢兼人、小杉十郎太、深見梨加、土井美加、鈴木英一郎、子安武人、日野由利加、石塚運昇、池水通洋
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

簡単にデレない娘さんの強烈な魅力

原作未読


劇場版控えてるとか祝円盤発売とかの商売っ気を感じない&空気を読まないラインナップが魅力のJ-COMさんの今クール再放送メニューのうちひとつ。
1999年1月~3月と“製作委員会”方式もまだまだおおっぴらになったかどうかな20年以上前の作品です。かつ衛星放送のみの On Air で知名度は底の底。

・WOWOW放送で認知度低め
・OPが服部克久のインストゥルメンタル
・Bパート終了。CM後のED。
・鬼籍に入られた声優さんらの在りし日のお姿

スペースオペラがどんなものか私はよく知りませんし、宇宙空間のあれやこれやで興奮する男の子でもなかったし、時系列でアニメ文化史を語れるほど造詣も深くありません。
どんな位置づけの作品か語る言葉は持ちあわせてませんが、上記4点をもって古い作品に価値を見い出してもいいかも。20年以上前の作品は視聴のハードルが上がるものですが古典もいいもんです。

今は配信会社。昔は衛星放送。聴けば一発でわかる曲の数々、服部克久氏。御年80歳を超えお見かけする機会もなくなり郷愁を誘います。OPインストとEDへの入り演出も最近は滅多に見ることはありません。
塩沢兼人、石塚運昇、鈴置洋孝。声を聞いただけでその人だと分かるのが声優さんという存在でした。
ためしに同時期の作品眺めたら、子供向けなキャラもの。頭身低めで目が大きい女の子を前面に出したもの。パッと見そんなのが大半ですね。「あー秋葉原にいる人こういうの好きそうだよねー」な作品群です。明らかにそれらとは違う匂いがします。
1999年は宇多田ヒカルのファーストアルバムが邦楽アルバム売上史上最高位を記録した年です。リアタイ時は家電買う以外の目的では秋葉原に目もくれない人生を歩んでおりました。


前置き長くなりましたが、普通に面白いですよ。
ハヤカワ文庫のSF小説が元ネタです。『グインサーガ』や海外の翻訳ものの堅いイメージがあってあまり読んだことのないレーベル。複数巻刊行済なので1クールで収まるわけないのですが、きちんと13話の中で一定の結論を用意してます。
最近「俺たちのなんとかは…」「大事なお知らせ!2期決定!」「続きは劇場で!」「この続きは3か月後だよん」とぶん投げエンドばかりに遭遇してたので、やや駆け足だったとしても作り手の誠意に静かに感動します。たまたまかは置いといて過去作品はきちんとけじめつけてるものが多い印象です。

画面比率ワイド(16:9)とスタンダード(4:3)の差も懐かしかったり、ここまではほぼ昔の作品の作り方ならではの部分しか書いてませんが、内容も古臭いって感覚は僕の場合ありませんでした。


では内容について。
地球ではない、とある人間の住む惑星に人外さん“アーヴ”が押し掛けて、降伏勧告みたいなことをするところから始まる物語。
で、何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった.的な話に発展するのですが、この侵略する側のアーヴの皆さんが誇り高く聡明でこちらに感情移入してきます。それでいて“奴隷の平和”みたいなテーゼは微塵もありません。


 ね?わかんないでしょ?


基本は人間ジント♂(CV今井由香)と人外さんラフィール♀(CV川澄綾子)のボーイミーツガールなんです。
ヒロインのデザインは置いといてとにかくこのラフィールが魅力的です。「俺は女性を見た目ではなく性格で」とポイント稼ぎたい男子はぜひご視聴ください(適当)。

誇りが高く聡明で寿命の長い種族です。人間との寿命差が引き起こす哀感はあります。ここを全面アピールの『さよならの朝に約束の花をかざろう』という名作もありますが本作この1クールでの優先順位は高くありません。
むしろ“誇りが高く聡明”この種族適性を前面に出してくることで生じるジントくんとのすれ違いを楽しみ、徐々に絆を深めていくさまに目を細めることができると思います。

さらに

「そなた」「であろう」「するがよい」

が口癖のやんごとなきご身分のラフィールにひざまずく快感がありますね。これニッチなフェチシズムであるかどうかは現物を確かめていただければと。

{netabare}「ラフィールと呼ぶが良い」

と笑顔で語りかけた某シーンでは自分電気が走りました。{/netabare}

一見尊大に見えますが、本来の性格は素直。嘘がつけない性格でもあります。
簡単にデレないし、ほっぺ赤くしないし、ラッキーなんとかも皆無だし、サービスショットもありません。あの冴えないヒロインだって感情を爆発させたのにラフィールはそれがない。


耐えられますか?

1.好き好き光線だしまくりな女の子の好意に気づかない鈍感主人公を「ヘタレてんな~」とマウントとりながら睥睨することに

2.テンプレ化したツンデレ娘に「あーまたこのパティーンかよ」と辟易したフリして実は安心している自分に

慣れてしまっているそこのあなた!

簡単でない娘をいざ目の前にしたからって掌返しのクレームは受けつけません。…と煽っときます。



※オマケ

■子安さんとゲスキャラの好相性

いやもうこれはそれっぽいのが出てきた時にエンドテロップで答え合わせしましょう。
「あ~やっぱり!」となるかと思います。

{netabare}クロワールのことですよ。{/netabare}



■帝国軍の敬礼

誇り高く聡明なアーヴの皆さんの帝国軍。軍略は妥当性があり、リスクを一つずつ排除して合理的な判断を下そうと助力している描写あり。事にあたっての指揮官の覚悟と部下への命令内容もアツいものがある。上官も上官なら即座に意を酌む部下たちもかっこよい。
そんな彼らの敬礼。

{netabare}オリラジ藤森が「サンキューでーす」してるようにしか見えないという罰ゲーム{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 地上波再放送

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2020.03.14 初稿
2020.09.27 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ボーイ・ミーツ・ガール(SF風味)(2017.5.23: 大幅改稿)

視聴時点で原作小説(ハヤカワ文庫刊)既読。WOWOWでの有料放送だったため、たぶんアニメ自体の知名度は低めだと思います。

<星界>シリーズとして『星界の戦旗』へと続き続巻刊行中です。原作シリーズとして『星界の戦旗』は未完なのですが、その前日譚である本作はきっちりストーリーの区切りがついています。

原作のカバーイラストは、プリンセスメーカーなどで有名な赤井孝美さんです。そのままの絵柄だとアニメでは動かせません(笑)ので、アニメではそれなりに線の整理されたキャラクターデザインになっていますが、原作イラストの面影はなんとなく残っている気がします。

本作品世界では居住可能惑星の探査と亜光速宇宙船による宇宙移民により人類は銀河の各星系に広がっていますが、主人公ジントが居住するハイド星系は超光速航行の技術を持っておらず、惑星ハイドは独立した経済活動を行っている民主的な惑星国家です。

そんなハイド星系である日、宇宙空間での謎の爆発が発生して「アーヴによる人類帝国(フリューバル・グレール・ゴル・バーリFrybarec Gloer Gor Bari)」、通称「アーヴ帝国」に所属しているという宇宙船が出現して、ハイド星系の帝国への帰属を迫るのです。

その日から、ハイド国政府主席だった父の息子であったジントの数奇な運命が始まり、それから数年の時を経て皇女ラフィールとの運命的な出会いを果たすのです…。


<星界>シリーズはいわゆる「スペースオペラ」です。スペースオペラではどうやって星間航行を可能にするかが1つの課題だと思うのですが、本シリーズではそのアイディアがユニークで、またこの航行手段により宇宙船同士の戦闘が特殊なものになっています。この効果により、潜水艦での戦闘のような独特の緊張感が産まれ、かなり見ごたえある戦闘シーンとなっていると思います。

またヒロインであるラフィールを含めて「<アーヴ>は宇宙での活動に適するような遺伝子改造により発生した種族で、ビジュアルが普通の人類と異なる」という設定があります。

逆に<アーヴ>が地上世界(惑星の地表)で生活することは皆無で、この辺りの生活習慣の違いから発生するジントとラフィールの常識のギャップもなかなか面白いところですね。もちろん、我々の常識はジントに近いわけですけれども。

<アーヴ>の設定に忠実なビジュアライズをすると、普通のアニメキャラ(髪や瞳が青くエルフ耳の美形キャラ)になるというのは、原作者が狙ってやっていることではあるのですが、これも面白いですね。

あと、言語オタク的には作中のオリジナル言語「アーヴ語」が面白いかもしれません。アニメでは、ストーリー冒頭のナレーションがアーヴ語です。

OPはオーケストラ演奏による雄大なもので、インストゥルメンタルです。いわゆる「主題歌」という奴ではありません。めっちゃカッコいい曲ですね。

SF、スペースオペラ好きにはお薦めです。ジュブナイルものとしても楽しめると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

服部克久氏率いるオーケストラによる壮大なOPは紛れもない名曲。

サンライズ作品。
星間戦争の類です。

強大な「アーブ」の帝国(遺伝子操作された人種で
人間の倍の寿命がある)が領地を拡大し、主人公の星も
その属国となります。

そしてその星の代表として帝国に向かうわけですが
その際、帝国の皇女ラフィールと出会い行動を共に
します。

すんなり行けば良いのですが、当然敵も存在して
道中攻撃に遭いながらも帝国を目指します。

主人公ののんびり感と皇女さまのどっしり感が
うまく描かれていると思います。
(恋愛感情というより、同士的な感じ)

作画に古さがあるのは否めませんが、
OPだけでも聴く価値あると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

59.1 3 艦隊戦で未来なアニメランキング3位
スターシップ・オペレーターズ(TVアニメ動画)

2005年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (88)
402人が棚に入れました
舞台は西暦2300年。人類が宇宙に進出し、数々の「惑星国家」が成立。
惑星国家の一つである「キビ」所属の新造宇宙戦艦「アマテラス」は、航海実習で試験航海を行っていた。しかし、航海終了のとき、強大な軍事力を誇る「ヘンリエッタ星域惑星国家同盟」(王国を指す)が突如宣戦を布告。
その奇襲により護衛艦を撃破され、そちらに対し即降伏を余儀なくされる。アマテラスも王国に明渡されるが、訓練生たちはそれに反発。訓練生の発案は「銀河ネットワークをスポンサーとして、艦の運営費用を調達し、その代償に同盟との戦いを中継させる」であった。
惑星国家「キビ」を平和に戻すため、訓練生たちの戦いは続く…。

声優・キャラクター
伊藤静、浅野真澄、渡辺明乃、新井里美、能登麻美子、甲斐田裕子、榎本温子、浅川悠、川澄綾子、小尾元政、清水香里、小林ゆう、加藤将之、坪井智浩、川田紳司、入野自由、志村知幸、生天目仁美
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

TVの中の宇宙戦争

水野良氏の原作ライトノベル(未完)は未読。

ポスト冷戦の世界で一時加速した紛争のTV露出。
戦場の実況生中継。センセーショナルな映像が世論に与える影響は、
時に戦局をも左右する程。

この傾向が続けば、報道各社はやがて戦争すらも支配するのではないか?
近年では国家権力も戦争報道に対する統制を取り戻しつつあること、
戦況情報を拡散するのがマスメディアから個人のネット動画配信やSNSに移っていることもあってか、
流石にここまで極端なメディア台頭論は後退してきていますが、
90年代~ネット普及辺りまでは“第四の権力”マスメディアに対する畏怖は相当なものでした。


21世紀初頭から展開された本コンテンツもこうした時代の空気を受けたSF作品だと思われます。

西暦2300年……「惑星国家・キビ」の亡命政府艦として「王国」の支配に抵抗する宇宙戦艦アマテラス。
実習生主体の乗組員らが資金源として当てにしたのは、
戦場実況番組をビジネスにするマスコミが支払う巨額のギャラ。

引き換えに、メディア側はより数字を取れる刺激的な展開を求めて作戦に口出し。
のみならず、{netabare}感動を煽る宇宙葬の挙行。窮地に花咲く恋バナ、告白ドキュメンタリー。{/netabare}
さらには画面映りの良い可愛い女の子を艦橋に並べるための人員配置。
果てはメイクアップまで指示。戦時下の艦内に漂う口紅が象徴的です。


生き残るためならばビームは勿論、茶番劇すらも飛ばして利用する。
こうした化かし合いに妙味がある本作ですが、
この要素は反面、演出が綻びれば、作品自体が視聴者に茶番と見放されかねない諸刃の剣。

上記で触れた、現実離れした美女比率という
普段エンタメ作品鑑賞時はあまり意識しないお約束ですら、
生存に必要なショーの一環と根拠付けられることで、思わず斜に見てしまう。
設定から来る低評価のジレンマが本作にはあります。
加えて心理描写飛ばし気味なハイペースによりリスクはさらに拡大。

恐らくはこの辺りが、角川グループ創立60周年記念作として、
劇伴・川井憲次氏やOP・川田まみさん、ED・KOTOKOさん。
豪華声優陣などの陣容でアニメ化した力の入れ具合とは裏腹に、
今一つ人気が盛り上がらなかった一因かと思われます。


ですが個人的には戦争報道に対する視点だけでなく、
ブラフも交えて練り上げた作戦が盤上競技の勝負手の如くキマり、
即時撃沈という成果として現れるドライな宇宙戦闘の描写など、
観るべき点はあるSF作品だと思います。

ですから、視聴の際は、戦争を玩具にする胸クソな報道人や政治家たちに絶望して、
こんなの茶番だと匙を投げたりせずに、
是非、粘り強く終点を目指して欲しいなと願います。

飛ばした茶番にその人なりに責任を取る、一定のケジメくらいは拝めるかと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

にゃんた さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

静寂を楽しめるか、退屈だと感じるか

~頭脳戦~
「勝敗は、砲を撃つ前にほぼ決まっている」

本来の戦争はそういうものだと思う。
敵味方の間で、相手の腹を探りあいながら「知」の応酬が繰り広げられる。
主人公が、予想外の作戦を思いつくたびに感心させられ、
その後、その作戦が上手くいくのか
ハラハラしながら展開を見守ることになった。

~戦闘シーン~
派手な戦闘シーンは無い。もっさりした戦艦戦闘がメイン。
大型艦を動かすのだから、そんなにヌルヌルとは動かない。
遥か遠方の敵艦を砲撃し、相手からも砲撃される。
当然、撃ってから砲が届くまでにかなりの時間がかかる。
その間、静寂の中で「次の瞬間には死ぬかもしれない」という緊張を感じ続ける。

本作品の戦闘シーンは、このような静かな緊迫感を描いている。
潜水艦映画のような、じわじわとした静かな緊張感に興奮を感じられる人には良いかもしれない。

~難点~
・1クール内に収める都合からか、特に恋愛パートで性急かつ強引な展開になる。
・なぜ1国家に1隻が基本なのか、艦載機は無いのか等、世界設定の説明不足。wiki等で、原作の世界設定を理解して補充するといい。
・声優陣がかなり豪華だが、彼らを活かすだけの人間関係のドラマが描けていない。尺不足だと思う。

~まとめ~
難点はあるものの、個人的には結構楽しめた。
原作はきっとさらに面白いのだろう。
宇宙バトルモノで「ジワジワ」とした緊張感を描いている作品は珍しいと思うので、試しに観てみては?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

あーるぐれい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

あえて褒めるなら、映像クオリティ?

原作ラノベらしいですが未読。
スペースオペラの看板に引かれて観てみたのですが、
中途半端さだけが目立った作品でした。

・『若き士官候補生が新鋭戦艦を駆って悪い帝国と戦う』といったベタなストーリー。
『悪い帝国』も、時代劇の越後屋ばりのベタさ。
→ 従来と差別化するために「マスメディアを利用する」という要素を取り入れていますが、視聴率のために宇宙戦艦を買って戦争させるテレビ局など、逆に現実味が。。。

・「俺達の手でやってやろーぜー」みたいな学園祭ノリで反旗を翻す主人公達をはじめ、物語の導入部からあまりに軽すぎるシナリオ展開。
→ 意味不明な愛の告白でなぜか皆の士気が揚がったり、逆に戦死者はサクっと葬式して終了。誰かの成長のキッカケ、なんてことにもならない犬死に。
じゃあシナリオ捨ててキャラで押すのかと思いきや、恋愛や人間ドラマ要素もゼロ。

・頭脳戦が魅力の艦隊モノなのに、毎回特にヒネりもない作戦で、どかーん!ばーん!うわぁ~やられた~!で、敵戦艦がサクっと撃沈。
→ 主人公が孔明すぎるのか、戦闘シーンに全く駆け引き要素がなく、つまり2転3転することもない、ただの的。


逆に、作画面での安定したキャラ造形や、CGでぐりぐり動く戦艦同士のバトルシーン、スペースオペラっぽい用語飛び交う艦橋の雰囲気は◎でした。

小説原作を無理矢理1クールに押し込めたが故に、荒さだけが目立ってしまった感じ。
観ていて常に「???」が消えません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11
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