艦隊戦で潜水艦なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの艦隊戦で潜水艦な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月04日の時点で一番の艦隊戦で潜水艦なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.5 1 艦隊戦で潜水艦なアニメランキング1位
蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1398)
7038人が棚に入れました
2039年、人類は温暖化に伴う急激な海面上昇により、地上での版図を大きく失った。
それに呼応するかのように、霧を纏う謎の軍艦群「霧の艦隊」が世界各地の海洋に出現、搭載した超兵器で人類の艦を攻撃し始めた。
人類は持ちうる戦力を投入し、最終決戦「大海戦」に臨むも、「霧」の圧倒的な武力の前に脆くも敗れ去った。
すべての海域、運搬経路を「霧の艦隊」によって封鎖され、政治経済は崩壊、人類は疲弊の一途をたどっていた―――――――
「大海戦」から7年。
士官候補生・千早群像の前に現れた「霧の艦隊」の潜水艦「イ401」。
敵であるはずの「イ401」、そのメンタルモデル「イオナ」との出会いは群像に、そして人類に何をもたらすのか?
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アルペジオ2周目の感想 & 「艦これ」との比較

(※アルペジオ劇場版が公開された2015年当時の投稿内容です。)

①1月末から総集編映画が公開され、その後に完全新作の続編映画の年内公開が控えていること(10月3日封切り予定)
②本作と同様に旧日本海軍艦艇をモチーフとした話題の新作アニメ『艦これ』がTV放送中であること(加えて両作はコラボしていること)
③最近視聴した、本作と同じ監督(岸誠ニ氏)&シリーズ構成(上江洲誠氏)の組み合わせのTVアニメ『結城友奈は勇者である』(2014年秋)が、予想外の良作で、このコンビの作品に俄然興味を持ったこと

・・・以上3つの理由から、本作品について2013年秋のTV放送時以来、2周目となる全話視聴を行い、レビューを全面的に書き換え、併せて「艦これ」とのコア・コンセプトの違いを考察してみました。


◆各回の評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- (2013年9-12月) =========
{netabare}
第1話 航路を持つ者   ★ 航海の目的、イオナとの出逢い
第2話 嵐の中へ     ★ 対タカオ戦
第3話 要塞港、横須賀 ☆ 軍との対峙
第4話 横須賀急襲    ★ 対キリシマ・ハルナ戦
第5話 人ならざる者  ☆ メンタルモデルと人の接触
第6話 ともだち    ★ メンタルモデルと人の接触(続き)
第7話 硫黄島      ★ コメディが面白い回
第8話 人形の家    ★ 兵器が「愉しい」という感情を持つな
第9話 決死の脱出行  ★★ 対コンゴウ戦1、ED後に急展開
第10話 その身を捧ぐ  ★★ イオナ・タカオに生まれる恋情
第11話 姉妹      ★★★ 対姉妹艦(イ400・402)戦
第12話 航路を拓く力  ★ 対コンゴウ戦2、余韻を残すラスト{/netabare}
----------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)2、★(良回)7、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3


※上の★表記のように、本作は外れ回が少なく(全12話で☆は2回)かなり濃い楽しみ方が出来ました。
※特に終盤の第8話後半から第11話までの展開は見事だと思いました。
※最終回(第12話)は本作としてはイマイチの感がありましたが、それでも悪くない出来と考えます。
※まとめると、現時点では自分にまだ上手く表現し切れない特有の面白さがある作品と考えますが、以下のように考察を進めて、なるべく明瞭に本作の美点と欠点を抽出していきたいと思います。

◇各話内訳
{netabare}
バトル回=計5話(第2/4/9/11/12話)
メンタルモデルと人との交流回=計5話(第1/5/6/8/10話)
その他の回=計2話(第3/7話)
{/netabare}

◇登場するメンタルモデル
{netabare}
※全部で以下の9体

大戦艦コンゴウ ※他のメンタルモデルとの間に感情発生
大戦艦キリシマ ※蒔絵との間に感情発生
大戦艦ハルナ ※蒔絵との間に感情発生
大戦艦ヒョウガ ※他のメンタルモデルとの間に感情発生

重巡洋艦タカオ ※群像との間に感情発生
重巡洋艦マヤ ※感情プログラムは実装されていない

潜水艦イ400 ※他のメンタルモデルとの間に感情発生
潜水艦イ401(イオナ) ※群像および他のメンタルモデルとの間に感情発生
潜水艦イ402 ※他のメンタルモデルとの間に感情発生

※その他にメンタルモデルを持たない艦艇が多数登場(ナガラ級軽巡洋艦、アイオワ級などアメリカ方面の霧の艦隊)
{/netabare}


◆内容考察

(1)本作の他にない美点
{netabare}
・フル3DCGIによる迫力の艦隊バトル描写
・バトル描写と並行して、メンタルモデル同士の謎空間での緊張した対話を描出している点(非常に斬新な印象を受けました)
{/netabare}

(2)明白な欠点
{netabare}
・メンタルモデル同士の対話の描写が秀逸なのに比較すると、人間とメンタルモデルの交流の描写が
 ①余り洗練されておらず、少し古臭い(蒔絵とハルナ・キリシマの交流)か、
 ②感動できるが、初見では分かり辛く、ハイライト(第10話)に後述するようにせいぜい半分程度の理解に留まってしまい、非常に惜しい(群像とイオナ・タカオの交流)こと
・シリーズ構成が甘いこと、特に
 ①第1話が分かり辛く、余り後の話に上手くつながっていない点
 ②軍との関係の描写がストーリー全体から見るとほとんど無駄になって浮いている点
 ③さらに最終第12話の盛り上がり方・まとめ方がイマイチで期待外れだった点
・ナノマテリアルが万能すぎて(それさえあれば、どんな物体でも自由に再生できてしまう)、設定の縛りの無さに時々白けてしまう点
・タカオ、マヤのギャグ設定までは良いとしても、ヒョウガのギャグ設定が作品に不必要に安っぽい印象を与えてしまっている点(ギャグが滑っていてこれもかなり白ける)
{/netabare}

(3)現時点で評価保留の点
{netabare}
・《論理思考ルーチン》に過ぎないメンタルモデルに、《論理》を超越した《感情》や《意思》が生まれてしまう、という《心身問題》を本作はどのくらいの深度で描いているのか、その深さや意味合いが自分の現時点の知識では掴めない点

※興味はあるけれども現時点では私には確り調べる意欲が欠けています→詳しい方がいたら簡潔に教えて欲しいところです(以下は参考サイト)

¶心身問題(mind-body problem)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E8%BA%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C

¶心の哲学(philosophy of mind)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E3%81%AE%E5%93%B2%E5%AD%A6
{/netabare}


◆本作のハイライト

※現時点では以下の2点と考えています(ただし今後、第12話も追加する可能性が高い)。

◇第10話『その身を捧ぐ』
{netabare}
10分過ぎ、艦内気温が低下し群像の呼吸が乱れているいることに気付いたイオナが、「私は擬似的に代謝機能を再現して体表温度を上げることは可能」といって自分の両掌(てのひら)を見つめて、その後、少し戸惑った表情で群像に視線を移し「だけど・・・」とつぶやくシーン
群像が、あれっと少し驚いた表情を浮かべて、それからフッと笑って「そうだな。エネルギーは節約すべきだ。救命キットからブランケットを持ってきてくれないか」

*つまり、イオナは自分が群像と抱き合えば、艦内気温を上げなくても群像の体を温めることが出来ることに気付くが、同時にそうすることを躊躇(ためら)う感情が彼女に生まれており、群像もそれに気付いて「ブランケットを・・・」と婉曲に彼女の行動を脇に逸らしている。
*イオナのこの躊躇(ためら)いは、メンタルモデルらしからぬ乙女の羞恥心ないし淡い恋情の発生と解釈できる。
*そして、これが、16分過ぎに来る「嫌(いや)。私は、私は一人になりたくない」というイオナの発言と行動につながっていく。

→しかし第1回目の視聴時は、私はそこまで気付かず、この後に来るタカオの群像への切ない恋情だけを認識できていた。

*タカオ「全く、本当にあんたってば。これじゃ・・・私の入り込む隙間なんて、どこにも無いじゃない」は、イオナの恋情のもたらした行動に気付いた彼女が意を決してつぶやいた言葉。
*「自らを犠牲にして他者を救う、それは本来、霧には有り得ない行動。まさかイオナ姉様がそんな選択をするとはね。そしてあんたも」(ヒュウガ)「それが艦長の、千早群像の望みならば」(タカオ)

→つまり、イオナに発生した群像への恋情(※但しイオナ自身はそれが恋情であるとは気付いていない)が彼女を自己犠牲へと向かわせ、そしてその行動がさらに、タカオの恋情を募らせて、その第二の自己犠牲をもたらした、と解釈できる。

*タカオの恋情はともかく、イオナの恋情は視聴1回だけでは分かり辛いと思うので、この回の評価を★★としました。
{/netabare}

◇第11話『姉妹』
{netabare}
20分近くで、イオナが姉妹艦を喪失してしまうシーン
*メンタルモデル同士の心理的なやり取りの描写が秀逸。
*ここの演出は第10話よりもずっと分かり易く優れていると思うので、この回の評価を★★★としました。
{/netabare}

※なお、第12話『航路を拓く力』は、現時点では残念ながら、第10話・11話に比べると内容が幾分雑で感動が少ないように感じてしまいました。
→本作の私の全体評価を、もう一つとした原因のひとつ。
→ただし、この回については、前記した◇(3)現時点で評価保留の点、に直接関係する箇所なので、時間を置いて再々視聴し、考えを整理したいと思っています(その際には評価が変わる可能性が高いです)。


◆『艦これ』とのコア・コンセプトの違い

・アルペジオの艦は、{netabare}
 ①旧日本海軍艦艇の艦容そのままの外形を保ちつつ、
 ②別に、メンタルモデルという人型の制御ユニットを持っている。{/netabare}
・このメンタルモデルは、{netabare}
 (1)「人間のような感情を持つことなど、兵器である自分には不要かつ異常である」と自己定義していたはずなのに、
 (2)人間ないし人間に感化された他のメンタルモデルとの接触によって次第に、「後悔」「恋慕」「憤怒」「愛惜」といった人間的な「感情」{/netabare}に目覚めていってしまう。
(※ここが本作の最大の注目点)

・これに対して、艦これの艦娘(かんむす)達は、
{netabare}その身にまとう艤装(ぎそう、船の装着物のこと)を別とすれば、最初から生身の人間と変わらない極めて豊かな喜怒哀楽の感情に溢れた存在{/netabare}として描かれている。
・ただし、艦娘たちは、
{netabare}あくまで「先の大戦当時に実在した軍艦の擬人化」であり、自身が軍艦であることを自明とする発言や行動をとっていて、なおかつ、先の大戦での個別エピソードに由来する悲劇的な運命を背負わされていること、{/netabare}がストーリーの端々(はしばし)から予感される描き方をされている。
(※ここがアルペジオとの最大の違い→アルペジオの艦は、{netabare}ただ単に日本海軍艦艇の外形を模倣しているのみであり、それとの内面的ないし運命的な繋がりは切断されている{/netabare})

・以上まとめると、『アルペジオ』も『艦これ』も、{netabare}
 ①先の大戦当時の日本海軍艦艇をモチーフとして、
 ②人間側ではなく、擬人化した艦側の《悲劇》を描き出す作品{/netabare}
と要約できると思いますが、
その描き出される{netabare}《悲劇》{/netabare}が
 ①『アルペジオ』の場合は、{netabare}艦(メンタルモデル)が人間的な感情に不可逆的に目覚めていく点{/netabare}にあるのに対して、
 ②『艦これ』の場合は、{netabare}艦(艦娘)が先の大戦でのエピソードを運命的に踏襲してしまう予感に満ちている点にある、{/netabare}
と考えます。

・このどちらに、より心惹かれるか(あるいは惹かれないか)、は個人の好みによると思いますが、私個人は現時点では、後者(艦これ)の側に、より強く心を惹かれています。

・いずれにせよ、1月末公開のアルペジオ劇場版総集編およびその後10月初めに公開予定の完全新作続編が楽しみです。


◆追記:続編映画の評価

(1)劇場版蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-DC   ★  4.0
(2)劇場版蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-Cadenza ★★ 4.5

※(1)は、約2/3がTV版の総集編、残り1/3(正味30分強)が新規の展開
※(2)は、フル新作で、TV版のコンセプトを引き継ぎつつ、この手の作品に求められる要件を十分に満たしてストーリーを完結させている。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 73

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

魅せる戦艦バトル作品

ジャンル:SF戦艦バトルアニメ
製作会社;サンジゲン
監督:岸 誠二

久し振りに何も考えずに カッコイイ!!! と褒めたくなるほど夢中で楽しく観れた作品。小難しいことを考えず4話まで観て判断してもらえると嬉しい。正直、1話は概要で不安要素たっぷりです(苦笑) 基本的に戦艦バトルがメインとなるドンパチ合戦の作風に加え、キャラを含めほぼフルCGの映像美になっている。さらに艦これブームも相まって期待値は上げられた。実際、BD売上も1万枚と好調なスタートとなっているようで私的ながら嬉しい限りである。超重力砲連射の勢いで2期作成して欲しい気持ちがいっぱいです(笑)

先ほど述べた艦これ(正式名:艦隊これくしょん~艦これ~)と比較される理由の多くは、萌キャラとの一体感ある構図が類似している。戦艦の名前と同じキャラ名に加えキャラデザの違いといった比較要素も多いと思います。実際、どちらのキャラデザが好みかはユーザー次第ではあるが、これはこれ、それはそれと楽しんだもの勝ちと感じている。

あえて区別するなら、
艦これ:萌キャラだけに留まらずミリオタ向けに作られており戦艦の名称・由来といった綿密さ、自分の戦術を楽しむ

アルペジオ:萌キャラどんぱちフルCG戦艦アニメ

という具合です。そもそもアニメとブラウザーゲームと路線が違うが、今年夏アニメ化される艦これの出来栄えに期待しつつアルペジオを超えるクオリティになるのか怪しいところではある。

ストーリーはシンプルで、霧と呼ばれる謎の艦隊から人類の危機を救う為に未来を模索する千早
群像と霧の裏切り者である401イオナの航海。その行く先を阻む霧の刺客達もイオナと群像に影響され自我を持ってしまう。戦艦に芽生えた感情という不確定な思考ルーチンは、何の為に獲得するのか未だわからない道筋となっている。

戦う萌キャラにしか見えないが、突如、人型に擬似化された戦艦AIという設定・人類を滅ぼす目的、アドミラリティ・コードとは何を指すのか?その意志はどこにあるのか?と伏線ばかりではあるが、最終的には人類と未知の人種(戦艦)を受け入れる共存を描く王道な作りを漂わせている。
その過程において、意思とは何か?人間とは何か? 個としての尊厳を問う哲学的な側面を描きつつ切っても切れぬ科学と人を結びつけたヒューマンドラマ性を植え付けている。
原作とアニメ版では改変されているらしいが、1クールで終わらすには勿体無い作品だと感じる。

それもストーリー展開はテンプレではあるが、戦艦バトルシーンは心熱くさせる絵の魅力が一番の見所となっていた。それだけに同じカットを無駄に観ていたら、気づくと2週目していた(笑)
最近はCGを使うアニメが多いなか違和感もなく目立った粗さもなく溶け込んでいたと感じる。
特に超重力砲発射シーンは圧巻。私の下手な文章で説明するよりPVを観る方が確実と思う(笑)
是非、観てから判断して欲しい。

ドンパチ合戦の構図が多いのだが撃ち合いシーンを盛り上げる要素として戦術の描き方がシンプルに魅せることで、ここから熱い展開が来るぞ! と観ている方も夢中になってしまう。
基本的に 潜水艦 VS 大戦艦 とのバトルで勝てる可能性はない。危機的状況から覆す博打勝負となる。王道ではあるがワクワクドキドキ感が絶えずズルズルと観てしまう中毒性がある。
相乗効果としてBGMの使い方もセンスも巧く一体感が生まれていた。

また、各話のシナリオ構成も戦艦バトルを見所にする尺の取り方にしている。
多くの作品は1話のバランスとして起承転結で物語運びをする構成にしている。視聴者に結にあたる次回への引きとして、来週も見て欲しい為である。要は気になる終わりにして来週も見てね と、モヤモヤ感を与える。実際、好きな作品ほどこれは効果覿面となるが、その続きに拍子抜け・期待ハズレといった感性を与えることにもなる。そこで打切る判断材料になる。

だが、アルペジオはどうだろうか。1話に結をいれない構成にしている為、起承転となり引きが弱くなっている。当然、単調な物語運びとなるのだが見せ場である戦艦バトルに1話まるごと使う構成にすることで見応えが生まれる。1話 起承転 2話 結 と2話セットにしている。
ただ、序盤の物語の掴みがわからない為に不安を抱くが、加速していく4話辺りから引き込まれる。
超展開要素もあるが展開として妥当だと思う。 ただ、戦艦同士の融合には唖然としたが、カッコイイから許してしまう気持ちとツッコミしかなかった(苦笑) この辺りは派手さを魅せる意味もあるが、危機感の装置にもなっており、最後の悪あがきを誇示している。特撮によくある敵の巨大化演出みたいなものと解釈するといいかもです。

また、政治・経済といった戦略的な深みとなる演出をほぼ省くことで、戦術の見せ場である絵を重視した見やすい作品に仕上げている。萌キャラに戦略的な深みを備えれば銀英伝に次ぐ作品・・・と無謀かな(苦笑)  ただ、このクオリティの高さでリメイクやこれから発信される作品に転用できれば、もっと充実する作品が増えることは確かだろう。

キャラ設定。
自我が芽生え意思を持つという共通事項をベースして個性を植え付けている。思考ルーチンが乏しい為、興味対象に沿った行動心理が優先になっており、全体的に単純だけど許せるバカという可愛げあるティスティングにしている。無機質な戦艦であると同時に成長段階の子供といったギャップがコメディ要素を膨らませ愛着を持たせている。あえて心情描写を掘り下げる展開はないので気楽に観れる。

私の好きなキャラは、ちょろインなあの子です(爆)
最近ちょろインな子がツボですね~某アニメではちょろインしかい出てきませんが(苦笑)

少し内容が逸れたが萌要素も過不足なく織り込んでいる。
ベタなキャラ設定と感じるかもしれないが、これぐらい良い案配と思う。
それも最低限のキャラ立ちすることでバトルに箔をつける意味を成している。

それだけにキャラ・序章に近いストーリー展開は全てはバトル演出を盛り上げる為に構成していたと感じる。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 46
ネタバレ

ほったっる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

留守番嫌いっ、お出かけ好きっ、一人はさみしっ、二人は楽しっ、私はマーヤ、友達コンゴウ!

原作未読

絶賛ハマっている「艦これ」のコラボイベントから興味を持って観たアニメです。

突如現れた圧倒的力をもつ霧の艦隊が世界の海を制圧し、世界が遮断されてしまう。(通信も妨害されている)陸に直接攻撃してくることはないが、人類も霧の存在に危機を感じている。
主人公の千早群像は霧でありながら群像に従う伊401と出会い、政府にも霧にもつかず、現状を打破する力を求め、霧に対抗するカギとなる兵器をアメリカへ届ける依頼を引き受ける。

とまぁ、話だけ聞いても「ん?」となるような内容ですのでつべこべ言わずに見た方が早いかと・・・笑

ざっくり言うと、人類の存続をかけて艦が擬人化した女の子と一緒に、これまた艦が擬人化した敵と戦うという感じですね。(適当)

つまんねーこと言わずに要点だけまとめていきます。
このアニメはとにかくかっこいいのです。

かっこいいところその1:音楽
OPからかっこよすぎます。特に蒼き鋼のクルーが海を眺めているシーンはしびれます。イオナがいつもの定位置でのそのそしているのもかわいいですね笑
OPだけではありません。戦闘中を始め、BGMが本当に最高。戦闘がBGMでより一層、緊迫感を増していきます。

かっこいいところその2:艦
すべて3DのCGで描かれているため、登場する潜水艦や重巡洋艦、戦艦がかっこよく描かれております。そのため、登場人物がかくかくしているように思えますが、そこに目を瞑らずともなおあり余る圧倒的な作画と言えます。潜水艦の修理シーンや補給シーンなどでそのすごさを体感できるはずです。特に霧の最強兵器とも言える超重力砲が出るシーンは圧巻です。

かっこいいところその3:専門用語
戦闘シーンではなにやら難しそうな言葉が飛び交っています。ATフィールドならぬクラインフィールドや、浸食魚雷や超重力砲、アクティブデコイ。戦闘中はとにかく忙しそうなので、聞いてるだけで「お・・・お、おお、なんかすげぇ」という感じになります。(結局稚拙な感想で申し訳ない)

かっこいいところその4:構図
ここはネタバレを含む私なりの考察なので長くなります。読むのは面倒だと思いますので、一応隠しておきます。
{netabare}
一見するとこのアニメはSFもののような気もします。
しかし構図で言えば現在の世界となんら変わりはないと私は考えます。

アルペジオでは「人類」と圧倒的力をもつ「霧」が対立しています。
その霧に対抗するために、人類は振動弾頭と言う最先端の兵器をデザインチャイルドという倫理的にも問題がある手法で開発に成功します。
そして主人公である群像はこういった旨の発言をします。
「振動弾頭が人類の未来であり、これがあれば霧と対等になれる」※原文ままではありません

これを聞いたときにすぐに連想したのが、現在の「核兵器」です。
核兵器が開発されて以来、どの国も核兵器をもつ国に対抗するために核の保有を行ってきました。最たる例がご存知、冷戦です。
一体、なんのために核の保有が増えていくのか。それはやはり「対等になるため」でしょう。

私は大学で中国人留学生と核に関してのディスカッションをしたことがありますが、彼ら曰く
「中国は核兵器を保有できたからこそ、アメリカのような先進国と初めて対等になり、外交ができるようになった」
との旨の意見をいただきました。
すでに力の差がある状態で外交なぞできないというのが彼らの言い分です。

実際、そうなのかもしれません。
例えば北朝鮮も核兵器を持っているということをちらつかせ、先進国に支援物資などをねだっております。つまり核兵器と言う力で他の先進国と対等になり外交を行えると考えていることが窺えます。
これがもし、北朝鮮のようなならず者国家が核兵器を開発できていなかったら、世界は大して相手にしていなかったでしょう。
これは外交と言うより一種の脅しに近いかもしれませんが、実際、核兵器をもったことで(あるいは持つように見せかけることで)世界は北朝鮮について真剣に考えるようになったのは間違いありません。
もちろん対極的な方法としては、核を放棄し、支援を真摯にお願いするという平和的な方法も行えますし、それも実現可能なのかもしれません。
このような素晴らしい方法がありながら、悲しいかな、人間は「抑止力」なる兵器を持たずには相手との議論を行うことができないという考えが一般的なようです。その考えも無理はないでしょう。過去の戦争などを見れば、人類は「力」に頼ってしまう弱さをもった生物なのだとわかるはずです。(あ、なんかキザだ)

それ以前に、そもそも交渉というのは立場が有利なものが有利に事を進めようとするのが、ごく自然のことなのです。

本作における千早群像も敵のメンタルモデルと和解するために最大限の努力はしますが、最終的には敵を沈めることを厭いません。
彼は振動弾頭を手に入れ、霧と人類が対等になり、そこで初めて霧と和解できると考えているかもしれません。
もし振動弾頭が量産されるようであれば、霧も容易に攻め込むようなことができなくなり、和解のためのテーブルに座ってくれるかもしれません。

まぁこれは全て私が勝手に考えたことなので、軽く流してください笑 正直、知識も乏しいので。
{/netabare}

見所は戦闘シーンに留まらず、ちょっとした日常パートのようなものもあります。
関連して言えば、このアニメの良いところとして、いちいち山場をつくろうとしていない所が挙げられるかもしれません。
日常系でもない限り、どうしてもアニメは1話で1つの山場を作りたくなりますが、本作品では話の最後に山場が来て、次週最初から最後までクライマックス!といった展開が結構あります。

日常パートではギャグ展開も見られ、和みもあります。
{netabare} どの艦も戦闘するまでは気難しそうな子ばかりですが、一度負けると一人残らずギャグ要員になっているのはおもしろいですね笑
コンゴウはさすがに除きますが{/netabare}

とにかくかっこいい本作品。ぜひご視聴ください。

原作も読みたいなー。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

69.1 2 艦隊戦で潜水艦なアニメランキング2位
劇場版 蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-Cadenza(カデンツァ)(アニメ映画)

2015年10月3日
★★★★☆ 4.0 (226)
1181人が棚に入れました
劇場版第2弾。

今回は完全新作エピソードとなる。

声優・キャラクター
興津和幸、渕上舞、沼倉愛美、山村響、ゆかな、藤田咲、内山夕実、松本忍、宮下栄治、津田美波、東山奈央、原紗友里、M・A・O、福原綾香、佐藤聡美、三森すずこ、五十嵐裕美、木内秀信、置鮎龍太郎、釘宮理恵、中原麻衣、中田譲治
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

コンゴウ推しです。あの目が、目線がですね。。。

[2020/03/12 v1 コンゴウ推しです。あの目が、目線がですね。。。]

タイトル何にも思いつかなかったので、とりあえず自分に正直になっておきました。

原作知らず。

テレビ放送版、劇場版D.C.に続く、テレビシリーズとしての完結編(劇場公開)。テレビ版未視聴ならば、D.C.視聴はマストとなります。テレビ版視聴済みでも、D.C.のラスト3分の1が本作の下地となるので、いずれにしてもD.C.の視聴に続いて本作、と辿るのが良いと思います。

フル3DCGで描かれる迫力のハイパー艦船バトル(船である保証はない)を楽しむ。メンタルモデルと称する擬人化美少女美女艦船(艦娘とはちがうぞ)を愛でる。どちらの方向性でも楽しめる一作だと思います。

Cadenza(イタリア語らしい)ってどういう意味なのか分からなかったので調べてみたら、音楽用語で「即興的独奏・独唱」もしくは「和音進行」を指すらしい。んー。アルペジオ(分散和音・経時和音)からハーモニーへ。。。ってこと?あるいは、「独り立ち」?

テレビ版から続く物語としては・・・・(無駄に長いので畳みこみ)
{netabare}

― 物語全体について
{netabare}なんか、いろんなテーマがもりもりに盛り込まれてしまって、僕個人としては消化不良な感じ。

・ こころ・Self Identity・存在証明
・ 人とは何か。人とメンタルモデルの対比から。人が人たる要件。
・ 家族
・ 幸せの定義
・ 「生命体・地球」と人間
・ 種あるいは存在を超えた思慕・愛・ともだち・共生
・ 変化・進化・未来。その先の「可能性」
・ 為すべきことを為す
・ 規律・規範・守るべきもの

ざっと挙げるだけでもこれくらいは出てくる。
「こころ・Self Identity・存在証明」と「人とは何か」については、おおよその主張があったと思います。
が、残念ながら、のこりは中途半端に思える。いずれもそれなりの解釈の余地が与えられたという見方もできるが、ある程度の「回答」は欲しかったな。それにしたってもりすぎ。あるいは、なんかいい雰囲気のものを適当に詰めた、という感じなのかしら。{/netabare}

― D'où venons-nous? Que sommes-nous? Où allons-nous?
{netabare}ちょっとカッコつけてみました。
ゴーギャン[1897]のタイトルですね。"Where do we come from? What are we? Where are we going?(我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか)"。テレビ版のED入りに示され、また、作中でも繰り返された問い。残念ながら、この問いに対する回答も明確には示されませんでした。

「We=メンタルモデル」に限定するのならば、その回答は提示されています。
 何処から来たのか:
  霧自身が形成したもの
 何者か:
  人を模し、理解するために作られたもの。言ってしまえばSim。ただし機能拡張しすぎたっぽい。
 何処へ行くのか:
  自らの意思でこれから考えてくね。ばいびー。(本作Finale)

ですが、「We=霧」となると、最初の問い二つが未回答のままです。ガイア理論とか振りかざすのかな?原作あり、かつ、まだ終わっていないということなので明示は避けたのでしょうか。むしろ、原作の方(本作とは全然違うお話だとは聞いていますが)でどう問われ、こたえられているのかが気になります。{/netabare}

― 結局ムサシは何をしたかったのだ。
{netabare}メンタルモデルを破棄すれば即座に解決なのでは。でも、それをしたくないムサシ。「受け入れがたい感情とやらを打ち消すために、否定するために、何もかもを無に帰すの。」という感情(冒頭のセリフ)。出だしから自己矛盾の塊なわけで、その後のヒエイにぶちまけた「幸福論」とも相まって、何かのタガが外れた我儘ちゃんという方向性が見え隠れ。ちょっと、内面描写が浅かった感じがする。{/netabare}

― イオナの嘘とイ401のサブマリナー達
{netabare}ムサシによる事実上のハッキングを受けたイオナは、自身がヤマトのバックアップであると認識し、来るであろうムサシとの会戦において(ムサシの演算能力に対抗するためにはヤマトとならなければならないから?)イオナとしての自己を失い、ヤマトとなるであろうことを予想する。すべてを打ち明けることができず、群像に対して「嘘」をつく。

本作の中でも、重要な展開を持つシーンです。

この後ろめたさゆえか、あるいは、自己喪失の不安からかイオナ&イ401は霧の戦艦としての機能の多くを失い、「結構普通の潜水艦」になってしまう。。。。もう、ヒトそのものじゃん。それでいいじゃん。と、正直思ってしまった。

その状態で、無動力航行&隘路をぬける操艦をやってのけた副長とソナー。カッコよかった(直後にあれなんだけどねー)。{/netabare}

― 最終盤におけるイオナ:あれは必要だったのか
{netabare}ヤマト化したイ401、および、ヤマト化したイオナを指しています。
一つ上で書いた理由で霧としての機能を失ったイオナは、お茶会におけるコンゴウとの対話で「自己の存在証明」を得、霧の戦艦としての機能を取り戻したうえでヤマトど同化する。。。。のだが。

伊号四〇壱のままではだめだったのか。メンタルモデルの意識空間において、イオナとヤマトがオーバーレイするのは必要だと思う。けど、船までヤマトにする必要があったのだろうか。結局は、超弩級戦艦(ライクなsomething)同士の戦いになってしまう。こんなところにまで大艦巨砲主義持ち出さなくても・・・・

挙句にムサシ上空にワープして上からドカーンです。海江田艦長(沈黙の艦隊・かわぐちかいじ)がこれ見たら冷静で理知的な言葉で貶されるよ。海中直立下からドーンでもよかったじゃん(と、書いてから、それをやると丸パクリになるから駄目だったのかと思ったわけです)。

正直なところ、最後の戦いのシーンはエフェクト過多で見づらかった。{/netabare}

― 最終盤におけるイオナ:あれは必要だったのか・2
{netabare}ヤマト化したイオナの消失を指しています。
アフタークレジットにおいてイオナ生存(?)の含みを持たせる形で終わっているとはいえ。。。
イオナの消失を描く必要があったのだろうか。確かに、ヤマト・ムサシの対消滅という形がとられた以上、イオナを実質的に形作ってきたヤマトの演算能力も消えることになる。そちらのロジックを採れば、イオナの消失は必然とも思えます。が、人-霧共生の象徴たる群像・イオナの関係性を消してしまうことがこの物語に必要だったろうか。
感動シーンを演出したいということで(実際に良いシーンです。それは認める)このようにしたのだろうか。自らの問いかけに対する責任放棄なのではないだろうか。{/netabare}


以下、あまりまとまらない雑多な感想など。
―― 周辺情報:登場戦艦 ――
{netabare}知らなくとも問題ないとは思いますが、後付けでも知っておくと楽しめる幅が広がるかも。

大和型:ヤマト、ムサシ
金剛型:コンゴウ、ヒエイ、ハルナ、キリシマ
伊勢型:ヒュウガ
高雄型:タカオ
妙高型:ミョウコウ、ナチ、アシガラ、ハグロ
伊400型潜水艦:イ401

なお、金剛型のうちコンゴウだけは英国建造、なのでノリがちょっと違うのかな。
ヒュウガとタカオは、なるほどなんとなく(作中では)One and onlyな感じかな。
自信をなくした日向か。砲塔事故?失敗改造?

ヤマト・ムサシはそのまんま姉妹艦。生徒会はヒエイ以外は4姉妹。一方、蒼の艦隊はヒエイ以外の3姉妹が集結。
ヒエイさん、寂しい立ち位置に立たされていたのね・・・・

でも、どれとどれとってもそんなに似てるとか似てないとかわかんねーなこれ。{/netabare}

―― どうでもいいけどどうでもよくない細かいこと ――
{netabare}不満と疑問。気になっちゃうと、気になっちゃうんですよねぇ(笑)。

― 大海戦・・・前夜
{netabare}冒頭の話です。いえ、別に大したことではないのですがね。「大海戦」と字幕をだして4秒ほど。消して「前夜」。わかりにくいわ。いま目の前に映し出されたものが大海戦かそうか~と理解したあたりでひっくり返す。正直、出だしでこういう理解を妨げる情報の出し方をされると、残りを勘繰りながら観ることになるのでやめてほしかった。{/netabare}

― 渋谷駅前・・・・水没してないんだ。
{netabare}あと、タイムズスクエアとか。北極にあまり氷がない様子が描かれていたけど、極冠の氷がなくなった場合、60mほど海面が上昇するってのを読んだ記憶がある。渋谷って、高いところで海抜60mくらいで、駅前って谷地なので低めなはず。{/netabare}

― 演算リソースと代償(生徒会の面々の兵装)
{netabare}一応、僕もプログラムする人間なのですが。。。そりゃ、すべての演算を並列()でやるっていうのなら、演算リソースがボトルネックとなることはあるだろうけど。。プロセス切ればいいことでは?船体の維持にも「演算」が必要で、特殊な兵装と超重力砲を船体に組み込めないってことなら、そう言ってほしい。{/netabare}

― お、量子通信実装済みか?(振動弾頭のロック、および、ロック解除)
{netabare}なんかUSBメモリみたいな装置でロックとその解除が制御されているようなんだけど。
通信は霧に遮断されているんだよね?降伏勧告以降は解放されたとしても、それ以前にロック→装置を持ってイ401出航、の段階で通信制限に引っかかる状態になっているはず。ロックの実施と解除って可能なのだろうか。"コード"と言っているので、もしかしたらRSA秘密鍵みたいなものかもしれないが、だとしても以下は同じこと。日本でその装置に何かしらのアクションをしたとして、San Diegoに居並ぶ振動弾頭にどうやってロック解除が伝わるのだろう。電波に頼らない(その他媒質を必要としない)通信ってことなら、量子通信が実用化されているってことになるが。。それならそもそも霧による通信遮断が無効になるし。ちょっとこのあたりの理屈が入ってこなかった。まぁ、どこかの島にいるヒュウガ・タカオとイ401が通信できているので、霧由来の通信技術が応用されているということなんだろう。きっとそうだろうということで一応は呑み込んだけど。{/netabare}

― 群像、死ぬって、死んじゃうって
{netabare}ムサシ撃沈後、群像はイオナの無事を確認しに船外に飛び出す。。。おそらくは感情の盛り上がり最高潮・THE感動シーンのはずですが。。。僕は「減ったとはいえ氷山浮かぶ北極海に飛びこんだ」群像の命の心配しかできませんでした。{/netabare}

― なんで空母いないの?
{netabare}ま、船自体が戦闘力を持たない(ゼロではないが、他艦船に護られる対象)ので、ふさわしくないというのはわかる。が、最終的に船の形すら保ってないのだから、空母もいたっていいと思うんだ。なんでかな。{/netabare}{/netabare}

―― どうでもいいけど結構よかった細かいこと ――
{netabare}
― 頑張ったCG、惜しかったCG
{netabare}本当に細かいことで恐縮なんですがね。
開始20分少し手前の、とあるシーン。機関長・いおりが機関のなにがしかをチェックしているシーン。コンソールにあれこれ打ち込みながら、壁からポコポコと出るサムシングを目視確認しているのだが、この際の身体描写に「お・・」となった。左右を大きく振り返り、顔を向けるという動作をしているのだけど、上体の回転に伴う足の動きや、髪の毛の揺れ、胸の揺れなど、ほんの数秒のシーンだったけど妙に丁寧な感じがした。上半身がまだ固い印象は受けるが、よくやったもんだな―、と。
しかし、直後のシーンで「ん~」となってしまった。機関室に入ってきた群像・イオナと会話した後、いおりがイオナのおなかをくすぐる描写があるのだが。どうみてもくすぐってない(触れていない)。イオナのおなかの前で両手をうにうにしているだけで、イオナの体からいおりの手が浮いている。それでもOKっちゃOKなんだけど、イオナの反応からすると実際にくすぐっていてほしいところだった。これ、きっとすごく難しい&面倒なんだろうな。いや、あと少しだよ、きっと。

これに限らず、いずれもちゃんと「人物」が「演技」していたと思う。もちろん普通のアニメと比べたらいろいろ変な感じはするけれど、アニメと自称する静止画よりははるかにいい。でも、だからと言ってフルCGのほうが制作が楽ってわけでもないんだよね、きっと。
{/netabare}

― おい、双葉杏がいるぞ。
{netabare}おそらく多くの方が思っただろうけど。ハグロがまんま双葉杏(アイマスシリーズ)。僕でもわかる特徴的な発声に加え、キャラ付けも狙ってるとしか思えない。{/netabare}

― アシガラの水中シャウト
不覚にも笑った。イオナ通訳に対する副長・僧の「はぁ」にも笑ってしまった。その後も律義に通訳し続けるイオナに対しても、ふふってなった。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キャッチコピーは「霧の風紀は 地球の風紀。」「これは、人類への降伏勧告である。」

完全新作として上映されたこの作品は、TVアニメ版と「劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC」の続編に位置する作品です。物語に繋がりがあるので、見逃している作品があればそちらからの視聴をお薦めします。

TVアニメ版では「霧の艦隊」であるタカオ、ハルナ、キリシマと東洋方面第1巡航艦隊旗艦であるコンゴウとの激闘が描かれていました。群像に触れ徐々に変わっていくメンタルモデル・・・その変化に順応できるか否かがポイントになっていました。
変わることは決して悪いことではありません。でも、これまで変わることを「悪」としてきた霧の艦隊にとっては受け入れがたいのでしょう・・・
これまでと180度真逆の事を実行しろと言われたら私たちだって混乱します。

「劇場版D.C.」では、TVアニメ版の焼き直しに新作部分が追加されて上映されました。
その新作部分において、更なる戦いの広がりを目の当たりにしました。
「霧の生徒会」なぜ彼女たちの組織が生徒会なのかは正直分かりませんでしたが、そこの知れない強さと超戦艦武蔵の登場によって今回の新作がとても楽しみになったのを覚えています。

しかし・・・潜水艦、駆逐艦、巡洋艦、戦艦、大戦艦に超戦艦・・・改めて見ると戦艦のバリエーションに脱帽です。
でも、これらは第2次世界大戦までに実際に作られた艦だと思うと、戦争は如何に多くのモノを失ってしまうか・・・そんな事実を突きつけられている気がします。

そして今作・・・これまでの集大成の様な構成と展開だったと思います。
「霧の生徒会」は執拗にイオナを沈めようと躍起になって攻めてきます。
そのしつこさには正直辟易しますが、何とも憎めないのが生徒会の皆さま・・・
この生徒会の凄いのは完全に分業していて、それぞれが専門に特化している事です。
いくらハイスペックでも単騎でできる事は限られています。
ありとあらゆる可能性を考えた上で構成された船隊なのでしょう。

もともとの潜在能力は決して低くはない生徒会の皆さんですが、思考回路がそれほど複雑ではないのかもしれません。
若しくは群像が素晴らしすぎるのかもしれませんが・・・^^;

イオナ vs 霧の生徒会が激しく戦火を交える一方、超戦艦である大和と武蔵にも動きがあります。
この動き・・・メンタルモデルであるが故の言動だったと思います。
違いは変化を望んだ大和と拒んだ武蔵・・・
本来であればこの違いは望ましい・・・と考えるべきなんだと思います。
異なる意見をぶつけて、そこから真実を導き出す・・・我々にとっての常套手段です。
でも、「霧の艦隊」となると話は別です。
彼らは変化を「悪」としてましたから・・・
この違いが巻き起こす動き・・・気になる方は是非本編でご確認頂きたいと思います。

一方で「霧の艦隊」が「人間」を制圧しようとする動きも活発化してきます。
そんな中、群像は総旗艦代理である武蔵との対話を試みようと動き出す事で・・・戦いの火蓋が切って落とされるのです。

ここから先は実際に映像と音声でお楽しみ頂くべきと思いますが、集大成という名に恥じない展開だったと思います。
やっぱり戦艦同士の戦いはアツい・・・迫力が半端無い・・・とにかく面白いの3点セットです^^

群像に合わせて動き出したのがタカオとヒュウガ・・・このタカオの群像に対する思いも相変わらずでGood!
学校での一幕には彼女の持つ可愛らしさを感じさせてくれます。
でも、タカオが本領を発揮するのは群像に頼まれたお使い・・・これだけ群像の狙い通り忠実に遂行できるのはタカオならではでしょう・・・

群像らに手を貸すのはタカオとヒュウガだけではありません。
刑部蒔絵率いるハルナとキリシマも参戦します。
もともと戦艦級である二人がタッグを組む・・・
このタッグは今に始まった話ではありませんが、ハルナとキリシマの融合した船体はお初にお目にかかるように思います。
そんな新たな艦で戦艦級の活躍が思う存分堪能できる・・・そんな感じです。

そして群像らの援軍は・・・ここから先が気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。

戦艦同士のバチバチ・・・
この作品はこれだけでは終わりませんでした。
何か・・・物語の原点に帰ったような気がします。

自分の存在理由・・・
幾つかありますが必要だと認めて貰う事・・・
でも、それがが自分の思い描いていた理由と異なっていたら・・・^^;?

自我の覚醒・・・
自分が他人ではなく自分であると気付く事・・・
それじゃ自分が自分じゃ無くなってしまったら・・・^^;?

そもそもこんな有り得ない自問自答に何の意味が・・・^^;?
きっとこんな自問自答の先にしか答えが見いだせなかったから、終盤の展開に感動し涙したんだと思います。

約1時間45分程度の作品ですが、時間の経過があっという間に感じられるほどのめり込める作品です。
気になるのは今後の展開です・・・何より群像の最後の一言が気になります。
きっと想像通りの結末で間違い無いとは思いますが原作は未だ連載中の様ですし・・・
何が起きるかは分かりませんよね。
そんな奇跡が起こってくれることを期待しています^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

ホワイトマウス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

カメオが意味するもの、それはコピーじゃない、自分自身。

アルペジオCadenzaでロシアの港町で群像さまがイオナに買ってあげたもの、あにこれの男性はご存知かどうかわからなかったので気になって書いてます。これをご存知の男性の方はとっても素敵だと思います。群像さまがイオナに買ってあげたもの、それは単なるブローチではなく {netabare} 、カメオです。

カメオの説明のwikiです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%82%AA

私もそうですが、光るプレゼントを頂くと、きれいですし、とっても嬉しいです。でも、カメオの場合、私の気持ちとしてはちょっと違う。奥深い感じ。カメオはもともと、ローマとかギリシャの時代は、ハンコのような役割をもってて自分の分身というものでした。それにカメオは偽造されないようにとっても細やかに作られていて、きれいで芸術性もあるけど、それが本当じゃなくて、本来は自分自身を証明するもの、コードとか認証とか暗号とか、そういったものだったようなんです。群像さまが最初にイオナに出会った時、イオナは群像さまのコードがわかって動いたけど、今回、群像さまが自分でカメオをイオナに買ってあげたことで、それがとても強く感じました。でも、イオナはヤマトの偽物だと思ったときから、カメオを着けていませんでした。大事なものを身に着けないって、とっても悲しいこと・・・・。でも、ラストシーンで、イオナはコンゴウとのふれあいで、ヤマトという人格じゃない、ヤマトに託された自分自身、イオナはイオナなんだとわかって、最後にカメオを身につける。でも、結局、別れの時だったんですよね、その意味を私が理解した時って。
イオナが自分自身がわかったのに、消えていくなんて、あまりに悲しすぎて、つらくて・・・

この作品で、群像さまがカメオを買ってあげるシーン、私にとってすごく重くて、 {/netabare}このシーンはアルペジオCadenzaではとってもささやかなんだけど、重要なシーンだったと思います。


これまでのレビューです。


●2015.11.14 01:14 イオナ、あなたは・・・・

今日、お仕事が終わったあとにレイトショー、見てきました。

私、前回見た時はラストシーンでイオナが{netabare}艦長の前に戻ってきたんだと思ったんですけど、今日観た感想は・・・悲しいけど、イオナの魂だけが帰ってきたみたい・・・・。そう見えたんです。そう感じた途端、{/netabare} 艦長どうして笑っていられるの? どうしてお帰りって言えるの? 

悲しくて、でも素敵な作品だったと思います。

最後のnanoさんの歌、ほんとうに素敵でした。

でも、これでアルペジオは終わるのかと思うと、とても寂しいですね。

●2015.11.03 16:55
人間よりもなんて素敵なの、メンタルモデルって・・

アルペジオCadenza、見てきました。もう、涙があふれ出てしまって、最後のほうは、もう耐えられなくなって・・・・

ひどいよ・・・予告編やアルペジオのHPではCadenzaでnanoさんの曲が使われるなんて全然書かれていなくって、がっかりしてたんだけど、それがCadenzaのラストで、あんな素敵なnanoさんの曲が流れるなんて、もう、反則だよ・・・・
{netabare}

群像さまのおとうさん、心変わりしたんじゃなくてよかった。
ヤマトとの会話してるシーン、群像さまがタカオやハルナ、キリシマ、ヒュウガたちとお話ししているのと同じ雰囲気で素敵でした。結局、人類との戦いを混乱させたのは、群像さまのお父さんの暗殺だったのがすごい衝撃で、それでムサシにあんな行動をとらせたんですよね。ムサシの気持ち、とってもよく分かって、悲しかった。それにヤマトって、優しくって素敵。だからイオナが生まれたんだよね。
ヤマトとムサシのシーン、とっても悲しくって、見ていられなかった。人間と同じだよね。いえ、人間よりも純粋かも。メンタルモデルのほうが人間よりもとっても素敵に思えてしまう。

コンゴウとイオナのシーンも感動しました。TV版の最終回とは立場が逆転していて、でもコンゴウがイオナを励ます場面、とても自然でした。この時のコンゴウ、とてもきれいでした。

そして、イオナ、きれいでした。ラストは特に。それとロシアの街のシーンもすてき。特に群像さまがイオナにカメオを買ってあげるシーン、大好きです。そして、nanoさんの歌とともに消えていくイオナ、群像さまの絶叫。あの絶叫が、nanoさんの歌が、いまだに耳から離れません。

群像さま、ご両親のお墓の前で、再会できたのでしょうか。

あれ、なんかこのシュチュエーション、「結城優奈は勇者である」に似てなくもないかも。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 55

55.1 3 艦隊戦で潜水艦なアニメランキング3位
タクティカルロア(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (53)
390人が棚に入れました
西太平洋に巨大な停滞性台風が発生した。その名は「グランドロア」。その台風はアジア各国に甚大な被害をもたらし、様々な影響を与えた。その自然災害を「ケースオメガ」と呼ぶようになったのだ。

それから約半世紀近くのこと。復興を成し遂げて、海洋航路の重要性が再認識されるようになった。しかし海洋時代に暗躍するかの如く、テロリストグループ・所謂海賊が目立つようになった。それに対応するため、民間自衛機関を組織することになったのだ。本作はそれら民間自衛機関の1つであるharu-nico警備保障に所属する、女性のみをクルーとした護衛艦「パスカルメイジ」、そしてそのクルー達の日々の戦いの物語である。

声優・キャラクター
中原麻衣、菅沼久義、高橋美佳子、植田佳奈、小林由美子、比嘉久美子、新井里美、皆川純子、三宅華也、夏樹リオ、乃村健次、中村大樹、中尾衣里、樋口あかり、緒乃冬華、小野涼子、日笠山亜美、辻親八、佐藤利奈、渡辺明乃、門脇舞以、柚木涼香、鈴木菜穂子、小林希唯、織田圭祐、能登麻美子

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ラスボス戦は水平線の彼方へ

~世界観~
消えることなく西太平洋上に停滞し続ける巨大な台風。
これにより世界の気候が大きく変化。
海洋航路の重要性が再確認され、訪れる第二次大航海時代。
世界の様相は混沌としていく――。

世界観に惹かれ視聴しました。



女だけの護衛艦「パスカルメイジ」。
そこに主人公(男)が派遣される準ハーレムもの。
しかし、艦隊の海上戦はけっこうな迫力があり、それに加えて残酷な描写もあったりと意外に油断ならない作品です。


内容は、戦闘×恋愛だった印象。
ハーレム的な男女の割合ではありますが、実質ヒロインとなるのは約2名。
血の繋がらない姉・七波とツンデレボクっ娘・翼。
男主人公は気弱なので、他の女子クルーたちからはかわれるのが常でした。


中盤から恋愛色強めに。
デレデレ翼ちゃんが可愛らしい。
なな姉もクールな魅力。実はオトメってのも大変良い。
正妻争いは必見かもです。



感想。

官職おっさんたちの会議、艦隊の統制など、
軍事的な面からみてもわりと楽しかったです。
それに、パスカルメイジを煙たく思うおっさんの行動が何だか面白い。
お決まりとそうでない物語の進め方も気に入っています。
そんなわけで本サイトでの評価はイマイチですけど、私は好きな作品ですね。

そして最近私は新井里美声に敏感です。
いやはや本作でも存在感ばっちしでした。



OP「たったひとつだけ」 歌-yozuca*
ED「モノクローム」 歌-中原麻衣

yozuca*さんのOPは毎回楽しみでした。


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戦闘と恋愛どちらに重きを起きたいのか分かりかねるバランスの悪さ、アクション以外の漂う低予算感、これからという中途半端なところでエンディングを迎える構成の粗さなど、一つの作品としての作りの甘さはひしひしと肌に感じました。


しかし、これらのことを考慮してでも私は好きだと言える作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

白猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

船と戦闘シーンはかっこ良かった記憶が

近未来の艦隊戦もの・・・かな。
観たのは相当昔(たぶん2010年頃)ですが、その時古いなぁと思いながら見た記憶があります。
でも2006年の作品なんですね。もっと古いのかと思ってました。

民間警備会社に所属する女性だけで運用する護衛艦がどこぞの悪の組織の野望に巻き込まれて行く話。

主人公達が乗る船は旧式で、見た目は現行の後甲板にヘリ格納庫を持つ現代の護衛艦がモデル。
ヘリの代わりに偵察用のVTOLを搭載。
艦船の艦内装備は未来的なものですが戦闘は現代の艦隊戦っぽい。
戦闘シーンは結構好きだったのですが、半分以上は戦闘のない回で全体に戦闘シーンは少なかったような記憶があります。もうすこし戦闘が見たかったかなぁ。

主人公達が乗る船以外は結構ひどいデザインだったような気が。
未来感出したかったのかと思いますがちょっと方向性間違ってないか!って感じ。

まあ、兵器好き人なら戦闘目当てでみるのも良いかなと。
船と戦闘シーンはかっこ良かった記憶があります。
ただ、ラブコメ中心の話に「何だこれ?」と思いながら見た覚えがありますけどね。
まあ何だかんだ見てしまうくらいに話は悪くはなかったし、
割りと面白かった作品ではあるのですが、
ちょっとお目当てが違ったかな。

世界観や民間警備会社の護衛艦を女性だけで運用。割と面白い設定なので、
シナリオや作画、デザインを見直してリメイクしたら面白くなると思うんですよね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

こたろう さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

稀にみる存在感ゼロの主人公

近未来の洋上艦のバトル!
もうね、OP見て胸躍らせましたよ。メッチャ好み。
期待どうり戦闘シーンは対艦ミサイルが飛び交いカッコよくもストイック。
設定も面白いし、シナリオも悪くない。


でも、全体を通してグダグダでした。
流行ってるモノは何でも手を付けてやれって感じで、コメディ入れたり、微エロ入れたり、恋愛入れたり・・・それの全部がハンパで薄っぺら。
後半、展開がシリアスになってからは一本筋が通りましたが時既に遅しでした。


女性キャラは個性があってそれなりに魅力的なんですが・・・
主人公が本っっ当に何の役にも立っていない空気。ただ居るだけ。こんなに無個性で魅力のない主人公は見たことありません。
だから恋愛話も全然感情移入できませんでした。
「なんでこんな奴がぁ?」ってな感じで醒めまくり。


ちゃんと拘りをもって丁寧に作れば面白くなっただろう題材だけに残念の極みです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
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