認知症おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの認知症成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月29日の時点で一番の認知症おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.3 1 認知症アニメランキング1位
アニメで分かる心療内科(Webアニメ)

2015年2月13日
★★★★☆ 3.5 (331)
1471人が棚に入れました
うつ・ED・認知症~えっちなお悩みまでわかりやすく解説する臨床心理士・療と、突飛な方向へ誤解しがちなナース・あすながお届けする最先端のメンタル治療!? 心療内科にて扱う症例をテーマに、"笑えて学べる"異色の心療内科ギャグアニメ。

声優・キャラクター
三木眞一郎、遠藤ゆりか、日笠陽子、内田真礼、緒方賢一

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

下ネタ警報発令中

ショートアニメ、全20話。
ショートアニメとしては結構なボリューム。
そして、笑いが下ネタに偏向しています。

精神疾患を茶化しながらも、意外と専門的。
心療内科で扱われる病気について巧みに解説しています。
しかし、このアニメはもちろんそこじゃありません。
人のかなりの部分を占める性に焦点を当てています。
ということで、下ネタの雨あられです。

主人公は、心療内科の先生と助手。
そして助手の姉たち、および個性派?クライアントが脇を固めます。
ツッコミの大半は先生ですが、先生もストレスが溜まっている模様。
先生暴走時には、助手が丁寧にツッコミます。
姉たちwithクライアントも、もちろん病的。
テンポのよい下ボケの大乱舞です。
下ネタ大好きの私としては、大笑いの嵐でした。

ある日、隣の部屋で大笑いしていると、
嫁「何がおもしろいの?」
私「アニメ」
嫁「ラブライブよりも?」
私「ある意味」
何故ラブライブ?
そこは深くツッコミませんでした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 35

71.5 2 認知症アニメランキング2位
便利屋斎藤さん、異世界に行く(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (254)
830人が棚に入れました
今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。 運動も、勉強も、そこそこ。決して一番になれない普通の人間……それが、斎藤さん。 職業“便利屋”の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。 そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。 呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいの モーロック。 姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。 斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。 鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。 元の世界で身につけた“便利屋”の経験を異世界で活かす。 異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。 しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。 斎藤さんは充実していた。

声優・キャラクター
サイトウ:木村良平
ラエルザ:ファイルーズあい
ラファンパン:東山奈央
モーロック:チョー
メヴェナ:大橋彩香
ギブングル:相馬康一
リリーザ:花守ゆみり
ギーブル:田所陽向
フランリル:青木瑠璃子
ニニア:田所あずさ
カインズ:松岡禎丞
ライチ:芹澤優
モンプイ:本多力
キスルギ:笠間淳
プリマス:井澤詩織
ラーヴェラ:斎藤千和
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

x=v₀t+1/2at^2

2023/06/07 初投稿

最初の印象は『かぐや様』みたい。
かなり短いギャグ寄りのエピソードを積み重ねていく感じ
一見関連性無く,場面や登場人物も次々と変わっていきます。
『かぐや様』のナレーションに相当する者として『斉藤さん』ではテロップが使われています。

そして,なんかビミョーなのです・・・イマイチ面白くない・・・
危なく切る所でした^^;
この回で切ろうと思いながら3話を見ていたら
(3話の)終盤横穴を見つけた当たりからちょっと面白くなってきましたw

視聴を継続すると
なんかドンドン加速度的に面白くなって行くではありませんか!!
4話で主要な登場人物がそろったのでしょうか(たぶん)
5話当たりからストーリーが見え始めます。5話で忍者のストーリーが始まり6話でもーロックさんのストーリーが始まりと言った具合で
意外とシリアス要素も感じさせながら,それぞれのストーリーも平行して描かれていきます。
8話で忍者の{netabare}ストーリーが完結します。思いの外感動的。
序盤単なるギャグアニメと思わせ,中盤以降もギャグに軸足を置きつつ,意外と真面目なストーリーを展開します。{/netabare}

色々突っ込みたくなる自分のような面倒くさい輩でも,ベースにギャグがあるので問答無用で色々納得させられちゃいました。
おかげで,ストーリーに集中できなんやかんやで感動的でした。

OPは1回しか見ませんでしたが。ED「ひだまりの彩度」はだいたい毎回見ました!

最近,評価の基準が狂ってるかも知れませんf^^;

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意外と楽しめる。毎回、ただ「いい話」では絶対に終わらない(笑)。

「便利屋」という商売があります。

鍵を無くした時に開錠道具を使って開けてくれたり、漏水などの応急処置をしてくれたり、簡単な修理を請け負ってくれたり…。

そんな便利屋に勤務している斎藤さんが異世界に転移して、便利屋として身に着けた様々なスキル(ゲーム的な意味ではない)を用いて冒険者パーティーの支援職として自分の存在価値を見出していく、そんなお話ですね。

各話ストーリーとしては基本的にはお笑いの方向に軸足を置いているのですが、恋愛要素があったり、シリアスな展開につながる過去回想があったりといった感じでけっこうバランス良くエピソードが配置されています。

こちらの世界では自分の価値を信じられなかった斎藤さんですが、異世界で徐々に自分のポジションを確立し、自己肯定できるようになってゆく様はこのアニメのグランドストーリーになっています。

そんな笑いとシリアスの両輪で進むこのアニメの脚本が心掛けているのではなかろうかと思う点としては、「各話の最後はシリアスでは締めない」という点が挙げられます。

しんみりさせたり感動的なエピソードが入ってきて尺的に「この話はこのエピソードで終わるのかな?」と思わせても絶対に笑いの要素で締めてきます。

そこに妙な安心感・安定感を感じてなんとなく楽しんで完走してしまう、そんなアニメでしたね。

2023年冬(1~3月)クールは視聴したい作品数に比較的余裕があったので、そんな中ではお勧めできる作品だと思います。

ただ、後から観たいアニメを探すという観点だと「絶対観ておけ!」的な強力なお勧め作品でもないような気がします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

剣も魔法も使えない。でも――サイトウの代わりはどこにもいない。

この作品の原作は未読ですが、私の中で今期のTOP10入り間違いなしの作品でした。


今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。
運動も、勉強も、そこそこ。
決して一番になれない普通の人間……
それが、斎藤さん。

職業"便利屋"の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。
そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。
呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいのモーロック。
姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。

斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。
鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、
カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。
元の世界で身につけた"便利屋"の経験を異世界で活かす。

異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。
しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。
斎藤さんは充実していた。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品も異世界転生モノです。
異世界転生って、本来なら有り得ない話なんですが、アニメの世界では既に一般常識レベルで常態化していると思うのは、きっと私だけじゃないはずです。

この作品の最大の魅力は、斎藤のパーティーメンバーによる掛け合いに尽きます。
掛け合いというより、モーロックのボケとラエルザのツッコミがヤバい作品と言う方がしっくりくるかもしれません。

斎藤(CV:木村良平さん):現代日本から転移した盗賊。日本では便利屋さんに勤めていた。
ラエルザ:(CV:ファイちゃん):本作品のヒロインで重戦士。
モーロック(CV:チョーさん):伝説級の魔術師だったが、物忘れが激しいのが難点…
ラファンパン(CV:奈央ぼう):月光妖精の神聖魔術師で主にパーティーの回復役を担当。

起点は殆どモーロックさんから始まります。
ダンジョンでの戦闘中に魔法の詠唱を忘れたり、腰痛が酷いのに女の子とギャンブルが大好きだったり、とかく破天荒なおじいちゃんです。
この破天荒さ故に、緊迫した状況にあまり遭遇しないというか、遭遇していても緊迫感が感じられなかったりと、常にどこかほんわかとした優しい雰囲気が感じられる作品だったと思っています。

そう言えば、wikiをチラ見した際に知ったのですが「モーロック」って本名じゃないみたいです。
きっと、耄碌(もうろく)したおじいちゃんだから「モーロック」と誰かが勝手に付けたのではと想像しています^^;

個人的に大好きだったのは各話の終い方です。
物語は毎話色々あるのですが、ラストは大概「今日も一日お疲れ様でした。また、明日も頑張りましょうね。」的な優しい雰囲気になるんです。

これはきっと性なのかもしれませんが、そこで必ずモーロックさんが何かをやらかすんですよね。
そして間髪開けずにラエルザの激しいツッコミが入ってエンディング…というパターンが堪らないほど大好きでした。
何故ならエンディングのイントロがメッチャ心地良いメロディで、本当に物語を全部包み込んでくれるような感じを強く受けたからです。

このエンディングを迎える度に視聴して良かったと思いながら、終盤は何故かエンディングもイントロを聞いただけで何故か目頭がじーんと熱くなったり…(*ノωノ)
時に自分のチョロさに辟易することもありますが、これはきっと不治の病みたいなモノなんでしょう。
回を重ねるうちにどんどん可愛らしくなるラエルザや、奈央ぼう演じるラファンパンも十分魅力的だったのが個人的には加点要素だと思っています。

気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Teary Planetさんによる「kaleidoscope」
エンディングテーマは、konocoさんによる「ひだまりの彩度」
言わずもがなですがエンディングに軍配です。

1クール全12話の物語でした。
これは続きが見たいでしょう。
斎藤とラエルザの顛末は、誰だって気になると思いますし…
ラエルザはラファンパンに対する警戒だって必要になるかもしれません。
モーロックさんは、これからもずっとマイペースなんだろうなぁ…
そんな温かなひと時を過ごさせて貰った作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

68.3 3 認知症アニメランキング3位
しわ(アニメ映画)

2013年6月22日
★★★★☆ 4.0 (20)
265人が棚に入れました
かつて銀行に勤めていたエミリオは、認知症の症状が見られるようになり、養護老人施設へと預けられる。同室のミゲルは、お金にうるさく抜け目がない。食事の時のテーブルには、面会に来る孫のためにバターや紅茶を貯めている女性アントニアや、アルツハイマーの夫モデストの世話を焼く妻ドローレスらがいる。施設には様々な行動をとり、様々な思い出を持つ老人達が、日々の暮らしを送っている。そして重症の老人は2階の部屋へと入れられることがわかる。エミリオはある日、モデストと薬を間違えられたことで、自分もアルツハイマーであることに気づいてしまう。ショックで症状が進行したエミリオは2階へ送られる日も遠くない。そんなエミリオのことを思い、ついにミゲルはある行動に出るのだった...

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

【人生が】この物語から目を背けてはいけない【オーバーラップするとき】

物語の主人公、老人エミリオは認知症の症状悪化を理由に息子夫婦の元から養護老人ホームへ送られてしまう
自分にとって唯一無二の真実だと思っていることを語っても、虚言と思われたり若かりし頃の記憶と区別が付いていなのだと周りから相手にされない
かろうじて正気を保っているエミリオは、厄介者の目で見られることに苛立ちを感じつつも、他人に迷惑を掛けたいわけではないのに・・・と寂しさも感じていた


仕方なしに現実を受け入れようとするエミリオだが、老人ホームの実態は・・・

人の話をひたすらオウム返しするだけで会話の出来ないひと

家族に「自分は完治したから迎えに来てくれ」と電話するために1日中電話を探して彷徨うひと

火星人に怯えるひと

部屋の窓をオリエント急行の車窓だと思い込んでいるひと

そして、重度のアルツハイマー(あえて作中の言葉を用いるのであれば、それはもう人ではなく「物体」)


娯楽など皆無
老人達の家族にまるでホテルの様だと装うためだけで一度も使われたことのない「お飾りのプール」が鎮座する施設は、むしろ刑務所のようでした
まともな会話やゲームの相手も出来ない老人達に囲まれて、不安になっていくエミリオだったがルームメイトのミゲルとは友人になる
金にはガメツイが面倒見はいいミゲル
ミゲル曰く、病状の重い人は施設の「2階」へ送られるのだという
徐々に悪化する病状に、自分はアルツハイマーなんだと自覚したエミリオは「2階行き」に怯える日々を過ごす
そんなエミリオを見兼ねたミゲルは、エミリオを連れて施設からの脱走を図るのだったが・・・・










老い、とは誰にも避けられるものではありません
そしていつかもしかしたら、オイラもアナタも認知症やアルツハイマーに人としての生きる力や大切な思い出を蝕まれてしまうかもしれない
そういった意味で今作は全世界、全人類にとって共通のテーマを描いていると言えます
人生とは?老いていくとは?
この、出来ることなら目を逸らして通りたい難しいテーマを、今作は実に堂々と正面から描いているのが凄いところです
ですからこの作品に少しでも興味が湧いた方は絶対に目を背けてはいけない、是非最後まで観ていただきたいです


原作はスペインのコミック
この映画版も原作と同じくヨーロッパ圏のアニメ独特の柔らかいタッチのキャラデザ、それとアースカラーが主体の配色で一見すると『ぞうのババール』みたいな子供向け作品を髣髴とさせます


その優しい絵柄で、シリアスな話を淡々とやっていくのだからシビれますね
さらにアニメならではの演出と言いますか、『今敏作品』等にも通じる“妄想と思い出と現実”が一緒くたに同時展開されるシーンが見所ですね
認知症患者の“曖昧な現実感”を表現すべく、現実の風景と時空を超えた風景がオーバーラップしていく様はちょっと怖さもありますが、ミステリアスな魅力やファンタジックな興奮も同時に掻き立てられるところであります


特にアルツハイマーの症状がかなり進行しているはずのモデスト、彼が時々微笑む理由を妻ドローレスが語る回想シークエンスを挟んでくる部分は涙モノです


シークエンスによってはセリフも少ないため、そんな場面で生きてくるラテンの劇伴も大変素晴らしいです










今作は観た人に元気やパワーを与えるような作品ではありません
ですが悲観や絶望に満ちた作品というわけでもないのです
最後にもう一度、「この物語から目を背けてはいけない」


ちなみにラストシーンに関しては「Anotherなら死んでたw」と言わざるを得ないショッキングなもので、そこだけは凍りつきましたw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18
ネタバレ

サブアカウント01 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

老いがテーマの個人的NO1鬱作品。

スペインで公開され、賞を受賞。日本でも受賞された作品。
正直見る前はあまり期待していなかったんですが・・・・
非常に×3素晴らしい作品です。


何故?NO1鬱作品なのか?
個人的にアニメの鬱って、どちらかと言えば現実的な話ではない事が多い。
あくまでフィクションじゃないか。
と心を救う事ができますし考える事をやめる事ができる。

しかし本作のテーマは「老い」「認知症」と非常に現実的すぎる。
全ての人間が直面する問題であり、考えなければならない問題
非常に多くの事を考えさせられます。
ダメージがでかいです・・・・
20代の内に見ていて良かったです。
50代になって見たら寝込むレベルかもしれない。


物語の簡単な説明・・・・・

{netabare}
かつて銀行勤務のエミリオは、認知症の症状が見られるようになり、養護老人施設へと預けられる。
同室のミゲルは、お金にうるさく抜け目がない。
食事の時のテーブルには、面会に来る孫のためにバターや紅茶を貯めている女性アントニアや、
アルツハイマーの夫モデストの世話を焼く妻ドローレスらがいる。

施設には様々な行動をとり、様々な思い出を持つ老人達が、日々の暮らしを送っている。
そして重症の老人は2階の部屋へと入れられることがわかる。

エミリオはある日、モデストと薬を間違えられたことで、
自分もアルツハイマーであることに気づいてしまう。
ショックで症状が進行したエミリオは2階へ送られる日も遠くない。
そんなエミリオのことを思い、ついにミゲルはある行動に出るのだった...
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3
ネタバレ

大滝政人 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Arrugas

いやぁ、おそれいりました。
お見事としか言い様がありません。
観よう観ようと思いつつも、
ずっと後回しにしていた私のアホウ。

私の様に若者と呼ぶには苦しい年齢の人は、
いずれ観ておきたい作品ですね。

自分の親や自分自身が体験するかもしれません。

とは言え本作から老後の対策指南を…
という感じではないです。

登場人物の一人が老人ホームの事を、
悪く言ったりもしていて、
あながち間違いではないのだろうが、
施設側の人に悪意はない訳でして、
施設に入居した者ゆえの考えなのでしょう。
ただ、何かしらの娯楽は持ち込んだ方が良さそうです。

私も老後は人に迷惑をかけない為に~
なんてカッコつけて施設に入りますが、
本作の様な二階には行きたくないと思うだろう。

これまでの人生で強く残る記憶の断片が、
重度の症状が来た時の糧として、
吉とも凶とも出るのかもしれません。
それをどちらか決定づけるものは、
やはり人の支えと支えられる心の有無かと。

本作の様な老後は重くのしかかりますが、
重いと言ってもクドすぎずアッサリしすぎずの、
絶妙な加減の作品なので比較的、観やすいでしょう。

BD版だけの特典とかは、なさそうなので、
購入の際はDVDでも問題ないとは思います。

色々と書きましたが一番、重要なのはココ。
耳が遠いジジイは最高である…コレだぁ!
このジジイが本作の全てなの!
他のオマケ要素はネタバレにでも追い払っておきますね。

{netabare}
本作を観ていくと考えるであろう窃盗の件ですが、
靴下ごときが盗まれたと騒ぎ出すのには、やられます。
靴下の中にブツが入ってますけど、
時計を隠す時には財布を発見しているはず。
エミリオは病魔に蝕まれ、そして結果的に、
人は思いたい様に思う悲しい生き物なのか…

靴下ってところがサンタクロースを強調してる様で、
ミゲルの身になると、なんとも切ない。
エミリオが口にしていた「落第」って言葉が頭をよぎる。

一応、言っておきますけど、この靴下…
前にミゲルの靴下がタンスから出てきますが、
これだけでは彼の物だったと判断できないですし、
エミリオは水泳の時しばし靴下を履いています。
はっきりと見れるのはミゲルの靴下の方で、
ベッド下の靴下とはデザインが違います。
黒い靴下なんて言われても他にも持ってるかもしれませんが、
ミゲルの靴下であるという伏線は張られてないと思うので、
エミリオの靴下である可能性の方が高いです。

ちなみにエミリオはミゲルの事を、
マヌエルと呼ぶ時がありますが、
この件についてはブックレットに書いてあります。

あと本作の音声はスペイン語のみなので、
字幕について書いてみよう。
日本語以外さぱーりな私にも分かりやすく、
適切な翻訳をしているのだろうと感じました。
しかし「長いお別れ」と「インチキね」は少々気になります。
より適切な言葉が日本語にはあると思いますが、
あえて、そのまま翻訳したのかもしれませんね。
各々の脳内で変換する事としましょう。

それにしても表現の自由とは言え、
フェリックスのチェーンソーの様なイビキとやらが、
実際に回想シーンとして、ない…だと!? 残念だ。

----追記----

やっぱり書いときますね。
靴下についてです。

財布と時計を隠す理由はミゲルに盗られない為。
エミリオは隠した事を忘れている。
ミゲルが発見した黒い靴下はエミリオの物。

そして盗まれたとエミリオが騒ぐ順番は…

財布がない。
 ↓
時計がない。
 ↓
靴下がない。

です。これらを踏まえた上で…

エミリオは最初に財布を隠す時から、
靴下を使用して隠していたと考えてみます。

財布がない、と騒いでから時計を隠すまで、
それなりの日数が経過します。

つまり何が言いたいかと申しますと、
時計を隠す前に靴下がない、と騒いでしまうのでは?
という問題が出てくるからです。

経過する日数の数がエミリオが所持している、
靴下の数より少なければ問題なかったりします。

財布を隠した次の日に財布がない、と騒ぐ。
 ↓
財布がない、と騒いだこの日に時計を隠す。
または数日、経過後に時計を隠す。
 ↓
時計を隠した次の日がクリスマス。
 ↓
クリスマスの日に時計がない、と騒ぐ。
 ↓
その後、所持している靴下を履く事が1サイクルし、
黒い靴下がない事に気づき靴下がない、と騒ぐ。
 ↓
問題なさげ。

数日と書きましたが、たとえ1~2日ほどの経過でも、
毎日、靴下を履き替える事まで考慮しますと、
エミリオの靴下の所持数は多いと考える事になります。

実際はミゲルの伸びた髭が決定打となり、
かなりの日数が経過している事が分かります。
その結果、この説のままでは問題を回避できません。

そんな訳で深く病魔を吟味して解釈します。
アルツハイマーの説明は省きますが…
エミリオは同じ靴下を何度も履いたりして、
隠すのに使用した靴下を履こうとするまでに、
なかなか辿り着けなかったという事です。
靴下のサイクルが正常にできていない。
したがって最後に黒い靴下がない、
と騒ぐ事になるのは特に問題ありません。
(以下この説を「サイクルの説」と書きます)

大滝のアホウは、いったい何を言ってるんだ?
とか思われそうですが、その通りである。
フハハハハハ! 自爆してやったぜ!?
とかノってもみましたが、まぁ最後まで読んで下さい。

エミリオは少し前の事すらも忘れたりしてます。
忘れる事柄を選ぶ事もできはしないのです。
たとえエミリオ自身が靴下を洗濯していたとしても。
この病魔は日に日に悪化していきますが、
そもそも本作が開始した時から、
すでに軽い症状とは言えない状態です。
エミリオは老人ホームに入居してからも、
銀行の支店長を演じている事でしょう。
あの手この手で本作はエミリオの病魔を描きます。
単にテンポが良い作品ではないのです。

補足しますと…

財布と時計を隠す時に1組の靴下の、
片方づつを使用した場合は問題が出ます。
財布を隠した時点で、もう片方が残ってしまいます。
時計を隠す時に片方だけ残った靴下を使用する為には、
分かるところに避けておく必要があります。
なぜなら忘れてしまうのに使用するからです。
その後、財布を隠した事を忘れたエミリオは、
この片方だけの靴下の存在に気づいたが、
時計を隠す前に靴下がない、と騒がないどころか、
不思議に思いながらも片方だけの靴下を使用して、
時計を隠そうとする…という行為(思考)は、
いくらなんでも不可解です。

この奇妙な問題を回避する解釈は…
エミリオはブツを隠した事は憶えているが、
それをどこに隠したかは忘れてしまった、
という内容に変化させるしかありません。
しかしこれだとミゲルとのケンカの件を、
行き場のない自分への怒りをミゲルにぶつけてしまったと、
やや強引に説明ができても、この説明のせいで、
ミゲルの持ち物を調べる事までは、
説明できなくなって詰んでしまいます。

よってエミリオは1組の靴下を使用して財布を隠し、
他の1組の靴下を使用して時計を隠そうとした時に、
財布と1組の靴下を発見したので、
(この時、自分で財布を隠したであろう事を、
理解しますが時計を隠した後ほどなく忘れる)
1組の黒い靴下の方に財布と時計を入れ、
もう1組の黒い靴下じゃない方(どんな靴下かは知らんが)は、
回収した事になります。

それと単純にブツを隠した次の日にはブツがない、
と騒ぐはずなのに少なくとも時計を隠す前に靴下がない、
と騒がないのは、おかしい…とは考えない事とします。
隠すのに使用した靴下は履こうとするまで気づかないかと。

そう…履こうとするまで気づかない…
時計を隠す前にエミリオが突然、
「あの靴下でキメるぜ?」とか思ってしまったら、
この「サイクルの説」も崩壊します。

レアケースとは言え、これすらも回避したい場合、
または靴下を履くサイクルを何週もさせたい場合は、
エミリオのボールの件を主張する事です。
隠すのに使用した靴下の存在そのものを忘れた後に、
その靴下を都合よく最後に思い出して靴下がない、
と騒いだという、ただの運に頼った回避になりますが。
(以下この説を「ボールの説」と書きます)

「サイクルの説」に「ボールの説」…
どちらもスッキリしないので、
「靴下を隠す説」に移行します。

財布を隠す(単品)
 ↓
時計を隠す(財布と一緒)
 ↓
靴下を隠す(さらに財布と時計を靴下に入れる)

これなら全ての問題を回避可能です。
ただ、サンタ要素は薄まります。
靴下を使用するのがクリスマスすぎちゃってますから。
まぁイベントがあったからこそ、
隠す物がなくなったエミリオは、
靴下ごときに目が留まる訳ですけど。
エミリオの衣類は、それなりに高価な物でしょうが、
その中で、あえて靴下が選ばれる。

靴下を隠す理由はミゲルに盗られない為ではなく、
エミリオ自身のテスト(トレーニング)となります。

ついでに言っておきますと、
黒い靴下はミゲルの物であると解釈する場合。
ミゲルの持ち物を調べるのは、
時計がない、の後であり、
靴下を盗むのは靴下を隠す当日です。
(隠す直前が望ましい)
ブツを単品で隠したのではなく、
エミリオの靴下内にあったとした場合は、
結局は「サイクルの説」か「ボールの説」と、
ミックスする事になります。
ミゲルの靴下を隠す時にエミリオの靴下を、
回収するという事です。

エミリオがミゲルの靴下を盗む理由は、
盗まない時(要は隠す理由)と変わりませんが、
盗んだ方が意味あいは強くなります。
誠実なエミリオにとって窃盗なんて行為は、
脳裏に強く刻まれる事と理解しているからです。

では、そろそろ屁理屈はやめて、
真面目な説を書きますね。
ここまでくれば私の答えは出てるも同然です。

財布だけを単品で隠した次の日に財布がない、と騒ぐ。
 ↓
かなりの日数が経過した後に時計を隠す。
この時に発見した財布もエミリオの黒い靴下に入れる。
靴下を使用する事を思いつく理由は、
次の日がクリスマスであり、
隠すべきブツが2つになったからです。
 ↓
時計を隠した次の日がクリスマス。
 ↓
クリスマスの日に時計がない、と騒ぐ。
 ↓
その後、所持している靴下を履く事が1サイクルし、
またはエミリオ自身が靴下を洗濯しようとし、
もしくは黒い靴下でキメたくなり、
黒い靴下がない事に気づき靴下がない、と騒ぐ。
 ↓
問題なし。

これが私の本当の解釈である。
前置きが長くて、すみません。
先に他の説の分析を書いた方が、
納得してもらえるかなと思い書きました。

エミリオが水泳をするエピソードは、
監督さんの手腕によるオリジナルのものですが、
履いていた靴下は水中だから詳細に描きはしない…
という事で同じデザイン(同じ黒い靴下)とは決定できません。
まったく違う靴下を見せても仕方ないですし。
なんとも憎らしい演出ではないか。

なんにせよ時に人は同じ行動を繰り返し、
その結果も同じ事になりえるのです。悲しいですが。

なんだか靴下ごときで熱く語ってしまいましたが、
もちろん私は靴下フェチではありません。

以上です。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3
ページの先頭へ