調味料で冒険なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の調味料で冒険な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番の調味料で冒険なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.5 1 調味料で冒険なアニメランキング1位
とんでもスキルで異世界放浪メシ(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (280)
932人が棚に入れました
ある日突然異世界へと召喚された普通のサラリーマン、向田 剛志(ムコーダ)。 異世界の住人となった彼の固有スキルは 『ネットスーパー』という一見しょぼいものだった…。 落胆するムコーダだったが、 実はこのスキルで取り寄せた現代の食品は異世界だととんでもない効果を発揮して……!?

声優・キャラクター
ムコーダ(向田 剛志):内田雄馬
フェル:日野聡
スイ:木野日菜
ニンリル:内田真礼
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

終わる世界の食文化

●着色料:赤色102

紅しょうがは食べ物でしょうか?
あれはただの色取りなので食べない方がいいでしょう。

漬物が欲しいならば自分でつけるべきです。
野菜を塩で漬け込むだけ、とても簡単です。

料理は嫌いじゃないとか得意げな割に基本的なことを知らず
ジャンクフードばかり食ってる主人公と作者が可愛そうに思えて仕方ないです。

肉欲にまみれたペットの獣や貪欲な女神たちが象徴する世界のように
我らの世界の食文化も既に終わっているのでありましょう。

料理とは作り、食べるものでなく、ただただ消費するだけのものであると
本作は我々にその真実を示しているのかもしれません。

●ガンで死ぬ運命

から揚げとか、あんぱんとか、兎に角ジャンクフードが好きな主人公は{netabare}食生活の惨さから
3分の2以上の確率で将来ガンを患うことが確定しているように思います。

仮に「異世界転生」先での食生活はリアルの身体には悪影響を及ぼさないとしても
から揚げ等の揚げ物を喜んでばりばり食べるような思想性がある時点で、この主人公は
完全に詰んでいると言わざるを得ないでしょう。

そんな主人公でありますが、「異世界転生」先では複数の【女神】の加護を受けるなどで
無敵のキャラになりつつあるようであります。

ということで、今回は加護を与えた【女神】に注目してみることにいたします。

新たな女神3人が加わり、4人の女神が登場しますがほぼ全員が「アホ毛」もしくは
頭に「尖ったもの」を身に着けています。

「アホ毛」のプロトタイプは「ゲゲゲの鬼太郎」の「妖怪アンテナ」であり、
「【鬼】太郎」の頭ですから当然「【鬼】の角」を表しているということになります。

「アホ毛」は「【鬼】の角」を表しているわけですが、同時にそれは種族を表している
と言えるのでございます。

【鬼】は【デーモン】であり【悪魔】であります。
そして【悪魔】とは【堕天使】のことであります。

【悪魔】という【堕天使】の「角」は「エゴ」を象徴的に表したものであるということで
ありますが、頭に「角」を生やした【悪魔】とは貪欲な性格を有しており、例えば
【女神】たちが供え物と称して甘味を主人公に要求する様子なども貪欲さという観点で
見たらこれに一致するというように考えられるわけであります。

「貪欲な女神」たちに対して主人公は半端ない量の供え物をせざるを得ないような状況に
持ち込まれるわけですが、これにより女神の本質が見えてくるわけであります。

太古の昔より世界中で大流行し、今なおその勢い衰えない「女神信仰」とは
「豊穣の女神」を崇め奉る「ご利益信仰」でありました。

「豊穣の女神」に「豊作を祈願」するとその「ご利益」が受けられるということで
人々はこぞってこの女神を熱心に信仰したのでありました。

但しのこの「ご利益信仰」には絶対のルールがありまして、それは
女神のご加護を得たいならば「供物」を捧げねばならないというものでありました。

日本の神社で賽銭箱に投げ銭して祈願するというのも、そもそもはこの女神信仰に
由来するという話でありますが、「供え物とご利益」の関係性は「等価交換の原則」を
示していると言えるわけであります。

「等価交換の原則」はファンタジーやダークファンタジー作品でよく見られるもので
特に「【ベル】セルク」ではそれが顕著に示されていたように思います。
「【ベル】セルク」のグリフィスは「覇王の卵」を用いて「※願い事」を果たします。

もちろん「※願い事」の対価としての「供物」も捧げました。

「【ベル】セルク」の「ゴッドハンド」なる存在が神なのか【悪魔】なのかは不明ですが
【悪魔】は「人間の魂」と引き換えに「※願い事」を叶えます。
この取引には「等価交換の原則」が働いていますが、女神信仰にもこれと全く同じ原理が
見られるわけであります。

【悪魔】も「女神」も「※願い事」を叶え、その見返りに「供物」を請求します。
【悪魔】には「角」が生えていますが、女神には「アホ毛」が生えています。
【悪魔】も「女神」も貪欲であります。

「土魔法属性の女神」は首に【ベル】をぶら下げています。
「女神」たちがいる空間の背後には「3本柱」がさり気なく置かれています。

「3本柱」は「多神教の神」を表しますので、【ベル】もそれに関係する
であろうという予想が立ちます。

本作の女神たちのことを更に探ってみますと「創造神」と言われる目上の存在がいるらしい
ことがわかりますが、この「創造神」とは誰のことを指しているのでしょうか?

「創造主」ならばユダヤ教の唯一神「ヤハウェ」ということなり、この全知全能の「創造主」
は天使を使役しますが、女神を部下には持っておらず、そもそも神は唯一絶対的存在であり
女神なんてものとは無関係ということになります。

【反逆した堕天使】が勝手に地上の神を自称したという話は聖書の内容に一致しますが、
少なくとも【反逆した堕天使】は「創造主」との関係性が断たれてしまうので、
このような「女神」と「創造主」との関係性は成り立たないということになります。

「創造主」ではなく「創造神様」と言うところがポイントでありまして、女神信仰を前提
としたとある宗教思想に基づく神話の内容とこの「創造神様」という存在が意味する状況は
どうやら一致するものであると看做すことができるわけであります。

「女神信仰」の中でも特に有名なものに【聖母マリア崇拝】がありますが、その辺の思想を
分析してみますと「創造神」の正体を含め「ユダヤキリスト教」と敵対する関係性にある
特殊なある思想が見えて参ります。

それこそがすべての謎を解く手掛かりとも言えるものでわけありまして、
引き続きその謎に迫って参りたいと思う次第であります。 {/netabare}
そして、「アホ毛理論」の話はまだまだ続きます。


●作画良ければすべて良し!?

なろう系異世界転生ものを代表するように・・・
そのパフォーマンスを見事発揮しているようであります。

異世界転生ものが流行っている{netabare}らしいという怪情報が世間では飛び交っているようですが
そんなデマ?が果たしてどこから出たのか疑わしいものを感じずにはいられません。

本作を見ても明らかなように人気パフォーマンスともに低水準
その一方で似たようなゲーム設定的な物語が馬鹿の一つ覚えのように繰り返されます。

「ネットスーパー」という特殊なスキルで独自性を示すはずが、いつの間にか魔法のレベルを
上げるといういつものワンパターンになってしまっています。

取り敢えず視聴者にしてみたら、いい加減ウンザリしているとしか思えませんが{/netabare}
それでもこの展開をまだ続けるのでしょうか?

●「女神崇拝」に必要なこと
今回の魚料理はシンプルに塩焼きが{netabare}あっただけ大分マシで、調理工程を省いているのも
ぼろが出ず無難な描写と言えるものでありました。

幻獣や女神が甘党とかいうのはどうでもいいとして、
女神の加護を受けるには、代償を払うべしという真理をそれとなく示しているのには、
「なろう系異世界転生もの」のなかなかに食えないある種の特殊性を感じました。

「女神」の暗示は前回の地図を探すエピソードでの宿屋の看板で示されていました。
恐らくは「月の女神」だと思われますが、手のひらの上に輝く星が【八芒星】
であったのがそれを表しています。

【8】は【女神】と【金星】を暗示し、「※願い」が叶えられるというものであります。

女神は主人公に「対価」を求め、「※願い」を叶えます。
同じことは「TRIGUN」でも描かれていましたが、世界中で大流行した?している?
「女神崇拝」に必要なことは、何度も繰り返されるのが鉄板であるということであります。

【金星】と言えば【ヴィーナス】という名が一般的ですが
【八芒星】には【イナンナスター】という呼び名があり
【八芒星】と敢えて表現した場合ならばむしろ
【イナンナスター】と言うべきもので、女神のルーツ的なプロトタイプであります。

【イナンナ】とはシュメール神話の女神でありますが、
あらゆる女神の一般的表現とも言える存在であります。{/netabare}

●現代の畜産業が完全崩壊するフラグ!?
持続可能な社会を{netabare} 作るためにはあらゆるものが【グレートリセット】されると確定した以上は
現代の大量消費社会を前提とした畜産業界も例外なくぶっ壊されるというオチでございます。

よって少なくとも庶民階級は近い将来肉が一切食えなくなると暗示が、
本作の肉食マンセー志向に表れているということになるのかと思います。

願いが何でも叶う異世界転生では肉食グルメ旅が満喫できるという意味においては
相応に需要があると見込まれるわけでありますが、現実世界の食文化の衰退は回避不能で
完全に終わっているとしか言いようがありません。

料理は嫌いじゃない言い誇るB級の料理スキルしか持ち合わせていない主人公も遂に
料理することを諦めたのか?ネットスーパーで取り寄せたジャンクな菓子パンなどを
聖獣フェンリルの餌として差し出す始末であります。

100%ジャンクな菓子パンにまるでどこぞのグルメ番組に登場するお笑い芸人の如く
大げさな食レポを敢行するフェンリルさん、と言いますか、声優さんのプロ根性はあっ晴れで
ある一方で、自称グルメを気取った方々の大げさな食レポだけで成り立つのがマスコミ様が
ゴリ押しするグルメ番組の本質であることをここまであから様に暴露してるのは、
逆に潔いとも言えるわけですが、しかしながら物語の方向性的にはとめどない迷走感に溢れ
果たしてどこに向かって進んでいるのか見当つかないような印象が否めません。{/netabare}



●甘っタレ現代人の迷走逃避行・・・

今期放送中アニメの≪放送延期≫の発表が続々と出されております。

悪いのは「エバラのタレ」だけではないのはもちろんですが・・・
流行り病の影響で{netabare} 制作に支障が出るというのは、プロとして如何なものなのでありましょう?

体調管理を徹底すべきとかいうのは烏妃も誰もが知っている周知の寿雪です。

流行り病に感染しないためには、特に食生活に気を配り「免疫力」を高める必要がある
のですが、現代人は兎に角既製品の体に悪い食べ物ばかり食べて体内毒だらけのため、
「免疫力」が極めて貧弱脆弱で、流行り病などにいとも簡単に感染してしまいます。

病気になったら医者や薬に頼りっぱなし、自分で病気に対処せず、健康管理もしない。

何が体に良くて何が体に悪いかも考えず、まるで薬物中毒者がドラッグを摂取するように
脳が喜ぶ刺激を求めて無分別に化学薬品塗れのジャンクを貪り食う始末。

「チャイニーズレストランシンドローム」の味がする「焼き肉のタレ」を平然と消費
しまくる習慣に、牛や豚、鳥などの化学薬品まみれの安い家畜の肉を無思慮に摂取して
それで健康な体を維持できると思っているのかどうか以前に生活習慣病という概念がないのです。

所詮西洋医学は対処療法に過ぎないので病を治しません。

つまりワクチン打ったら流行り病に感染しないというのは、全く以て
見当違いで的外れな妄信なのであります。

日本国のワクチン接種率は世界最高峰の80%超えですが、
流行り病感染者数は世界最悪レベルです。

「チャイニーズレストランシンドローム」風味の食べ物三昧で毒まみれとなり
そして西洋医学に頼り薬漬けのジャンキーとなった寝たきりの生きる屍が
病院のベッドでアンデッドモンスターのようにコールドスリープしながら心臓だけが
生命維持装置により自動的に起動している結果、平均寿命だけは無駄に長いという皮肉。

「エバラのタレ」だけが悪いわけではないですが、この国の食文化は完全に詰んでいます。

何故放送延期作品が続々と増えていくのか、{/netabare}改めて考えてみるべきではないでしょうか?

●B級グルメの暴れん坊将軍が行く!?
{netabare} 何が何でも肉料理でないと気が済まないので、パスタがミートソースと言う日本人的発想
100%のB級料理になることについてはなんとか理解はできますが・・・

豚肉に卵を絡めて焼く??という、発想が謎過ぎる「ポークピカタ」なる
なんつって洋食料理には脳内が軽くフリーズを起こしてしまいました。

イタリア人やフランス人やアメリカ人が豚肉に溶き卵を絡めて焼くという意味不明な調理法を
やるのかと言えば、100件に1とか1万件に1とかいう極めて特殊な事例であるように思います。

牛肉や豚ヒレ肉などに小麦粉まぶして焼くのが本来のやり方でありまして、
火の通り方が全く違う豚肉の表面に卵を絡めて卵が焦げやすい状態で
敢えてソテーする意味が謎過ぎます。

豚肉を最初に焼いてから、後工程で溶き卵をフワトロ状態に焼いて肉を包み込んだ
とん平焼きの方が遥かに完成度が高い料理と思いますが、カピカピ状態になった
ポークピカタの卵の衣にどのようなプラスの効果があるのでしょうか?

料理の基本を知らない原作者が料理について語り出す時
想像を絶する摩訶不思議なB級グルメの{/netabare}異世界ファンタジーが炸裂しまくります。

●「エバラのタレ」を売るためにあるアニメ

本作の何よりも画期的なところは、異世界転生ものなどのファンがまるで望まない
糞作品の類がやたらと乱発される謎や素朴な疑問に対して、これ以上ないような明確な形で
その回答を見事に示しているところであります。

制作サイドにとっては{netabare}制作費を出資するものこそが正義であり、制作費を出してない
庶民階級のファンなどどうでもいいと言うのが結論であります。

「嫌なら見なければいい」そして「庶民はタレを買え」というとてもわかりやすい
メッセージ性が込められた{/netabare}本作はある意味「勝ち組代表アニメ」と呼べるのかもしれません。


異世界転生のメスゴリラアタック!?というくらいに超絶ゴリゴリな強襲に面を食らっております。

異世界で金貨を稼ぐって話も、中々に剛腕突破的猪突猛進感を禁じ得ないわけですが
とんでもスキル? {netabare}ネットスーパーで現代的な{/netabare}食材をお取り寄せして異世界人に振舞う
というのが本作では描かれるようであります。

主人公曰く、「料理は嫌いじゃないし」ということですが・・・
発想?思想?が根本的にズレているようで、お湯を沸かしてカップラーメンに注ぐのも
料理と思い込んでるようなトンデモ思考がそこかしこに漂っているカオスな物語であります。

「チェンソーマン」に登場するヤクザの孫の言葉は改めて「名言」であると
ただただ痛感するしかありません。

彼の痛烈な皮肉の如く{netabare}「味覚がバカ」になっている現代人に本当に美味い料理は作れないという
残念な事実をまざまざと突きつけられるが如き、本作主人公の自称料理には突っ込みどころ
多すぎて突っ込み役の行列のできるお店がオープンできてしまうほどであります。

日本で市販されている「あんぱん」などのパンですが、確かにグルテン強化型の
現代小麦の効果としてもちもちした触感があり、植物油脂類や化学薬品がもたらす
持続可能な保存力の恩恵により独特な柔らかさがあるのはその通りでありますが、
このような混合物入りの小麦を焼くと匂いは臭いし味も不味いのが当然のオチであります。

せめてパンを取り寄せるなら北欧諸国の無駄に科学的混合物が入ってない
より天然に近いパンを選ぶべきでありましょう。

ポトフにはベーコンとソーセージが入っているという思い込みもいかにも残念な日本人の
発想丸出しすぎて、軽く豚骨ラーメン3杯分のため息が漏れだしてゲッソリしてしまいます。

料理というのは素材を調理するものであって、むしろ生肉からベーコンやソーセージを
作る行為を料理と呼ぶべきはずですが、その過程をすっ飛ばしてベーコンやソーセージが
いつの間にか完成していて?ポトフを作るためにベーコンを炒める?という奇々怪々。

ポトフは煮込み料理でありますので、必ずしも生肉からベーコンを作って炒める?という
意味不明な過程は必要なく、生肉を使って野菜と一緒に煮込めばそれで
済むというオチであります。

ポトフという商品を作るのではなく、肉と野菜の煮込みを作るのが料理というやつで
ありまして、それをポトフと呼ぼうが煮物と呼ぼうがどうでもよく、要は肉や野菜のなどの食材の旨味を生かして調理するのが料理というものであります。

エバラ焼き肉のたれが美味いというならパンにエバラをぶっかけて
食えばいいだけの話でございます。

素材の肉が美味いなら味付けは塩胡椒だけで十分であり、
エバラのタレが味の本質と思い込んでる辺りは味覚音痴の現代人丸出し味噌であります。

豚肉と野菜の相性は良好でありますからキャベツというのも理解はできますが
生姜焼きに玉ねぎ入れない発想には全く理解できず、更に最も重要な生姜のすりおろしを
使用しないのは問題外過ぎてもはや手に負えません。

エバラのタレには生姜も入っているから生姜は不要という時点で
味のクオリティーはジャンク止まりとなるのは確定の運命であります。

オチとして考えられるのは異世界人は現代の日本人より味覚音痴だったという
皮肉なジョークなのかもしれませんが、本作を目の当たりにして日本の食文化の終焉{/netabare}も近いと
痛感する以外に成す術無しという心境にございます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

のんびり、まったり、雰囲気が好き系でした。

B級グルメならぬ「B級異世界物」に間違いはないと思うんだけれども・・・多分。
期間別の放送ランキングで割と高位に位置している作品という事で少し気になっていた作品です。

とりあえず1~4話まで視聴した所感:
・うあw設定ざっつい ⇒ ネットスーパーっていう固有スキルって・・・、
             さすがに雑&違和感あり過ぎでは?
・主人公だっさw ⇒ ふつー過ぎるw
・フェンリルざっこ ⇒ 飯テロならぬ飯コロ(飯でコロンと転んだ)
・イオンつっよ ⇒ 企業名実名wイオン、エバラ懐でけえな、をぃw

的なw。

なんか、悪口みたいになってしまいましたが、レビュータイトルにあるように、結局は好きな部類の作品です。

あくまでも、ここまでの視聴になりますが、何となく真面目に作ろうとしている感と、実際の登場人物が割といい人ばかりだったので、作品自体の印象が良くなっているという事はあるかもしれません。
登場する企業名も正々堂々の実名ですし、これも特に意味はないのですが、許した企業サイド、作品制作サイドも正面から動いている感じに好感が持てました。

また、作品自体ものんびりと、まったりとした雰囲気があって、気軽に楽しんで観れました。
主人公のお供のフェンリルのフェルとの掛け合いもマンネリも含めてのんびりと視聴できました。
ちょろゴンならぬ、ちょろリルですわな。
ここまでに登場して絡みを持った人物も結構いるのですが、「放浪」という事で、一期一会的な関係性になっているようですが、個人的には、どこかのタイミングでまた、ご縁が絡み合うようなストーリーもあったらいいな、と思っている所です。

そして、4話まで視聴した中で、じじむさいwフェルだけでなくもう少しかわいげのあるキャラもいてもいいかな、と思い始めたころ、へんてこスライムと、女性の神様っぽいキャラが登場する気配が・・・。

ってとこまで視聴です。

さて、続きを見てみましょうかね。

いやー、続きを観てみたけど・・・なんも変わらなかったw。
いや、確かに「何も変わらなかった」は言いすぎかなw。

でも、雰囲気とフローは基本的にそのまま。
スイちゃんが頭角を現してきてはいるのと、フェルおじさんwがこなれてはきているけれども。

ネットスーパーでのお取り寄せを固有スキルとして持ち込まれた日には、どんなガバガバな作品なんだ、と思った時もありましたが、この一人と一頭?と一匹の珍道中的なwロード₋ムービー的な、グルメ番組的なw、何か・・・、1クールにして、様式美というか、カタチ化したのは大したものか。

そうだなぁ、個人的に雰囲気が似ているのはドラマ「孤独のグルメ」かなぁ、と思ったり、思わなかったり。
あちらも、いろいろな展開はあるもののパターンは一緒、しかもロングランシリーズとなっています。
この作品も、そういう「雰囲気」は持っていると思うのですが、いかがでしょう。

あと、この作品のエライ所は、主人公を冴えないおっさん(おにいさん?27歳でしたかw)にしている点でしょうか。
また、個人的には登場したら、したでいいのですが、いわゆる可愛い系を周囲に配置していない事でしょうか。
スイちゃんがかろうじて、その役回りかもしれませんが、アイドル的な役回りとは少し違いますよね。

そのわちゃわちゃ系、賑やか系を女神様グループが担うのかもしれませんが、今のところ一線を引いた場所にての登場で、主人公の日常とは切り離しています。
意外と、ここら辺が地味ながら、飽きのこない作品作りにプラスに働いているのではないかと推察する次第です。

また、放浪というロードムービー的な作品作りというと、登場人物との別れがあると、はいそれまでよ感があったりして、寂しい感じがするのですが、今作はあまりそれを感じません。
別れ際にご縁のあったキャラ達が「また何かあったら言ってくれ」的な別れをしているからではないかと個人的には思っています。
繰り返しになりますが、どこかのタイミングで、またご縁がつながるような演出があればいいな、と個人的には思っています。

私的には、とても楽しく拝見できました。
続くシリーズを希望、期待したいと思っています。

地味で、物語にあまり起伏はないのですが、放送期間別評価の「いい所」にいる理由を感じられる作品でした。

ただ、今後、話を膨らます要素(勇者PT、女神-ズ、国々のパワーバランスなどなど)はいくつもあるので、なんとでもできそうですが・・・。
私自身は、あまりそれを望んでいないかもw、今までの雰囲気を大事にしてほしいと、個人的には思っています。

肌の合う人には、のんびりと、楽しく視聴できる作品ではないかと思います。
機会がありましたら、ご覧くださいませ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

モストマスキュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ストレスフリーな異世界スローライフ料理アニメ

個人的に大好きなアニメです。
2周目の視聴が終わった段階でレビューを残すことにしました。

原作は未読、コミックス版は最新刊まで読んでいます。

本作は、異世界からの勇者召喚に巻き込まれて、一緒に召喚された一般人男性「ムコーダ」を主人公とするアニメ。

召喚された国に不信感を抱いたムコーダは、異世界でスローライフを送るべく、平和でまともな国を目指して旅に出ます。

ムコーダは「ネットスーパー」という特殊なスキルを持っており、これは現代日本のネットスーパーに売っているものを異世界に召喚することができるというもの。
これにより、ムコーダは異世界では味わえないような美味しい料理を提供することができます。
それに目をつけたのが伝説の魔獣であるフェンリルの「フェル」で、美味しい料理目当てになかば強引にムコーダと従魔の契約を結びます。

目立たず地味に生活したいという思惑とは裏腹に、どうやっても目立ってしまう伝説の魔獣を仲間にしてしまったムコーダ。フェル以外にも様々な人や魔物達に振り回されながらも、異世界スローライフを目指すコメディアニメです。

本作の好きな点は、ストレスを感じない作りになっている点。特に主人公に嫌味なところを感じない点です。
いわゆるなろう系アニメによくあるような、主人公の無双感や、都合の良さをあまり感じないんですよね。

なろう系アニメというと、主人公がチート能力や前世の知識で無双し、周囲からの信頼や尊敬を集め、女の子にもモテモテ・・・という作品が多いように思います。
そういう要素は、「作者の自己投影」と言われることもあり、人によっては忌避されることもあります。
実際、私もそういう展開が苦手です。
今作の主人公も、ネットスーパーというチート能力を持っていますし、主人公自身の戦闘力は低くても、従魔が最強クラスなので、間接的に無双はしています。
それにより、ある程度周囲からの信頼を集めることもありますし、多額の金銭を得ることもあります。

では、なぜ今作の主人公にはそういった不快感が少ないのか。
それはそういう展開が、主人公が望んでいるものではないからだと思うんですよね。
主人公はあくまで地味に暮らしたい。でも、周りがそれを許してくれない。
そうして主人公を、振り回される立場に置くことで、主人公が加害者から被害者の立場になり、結果的に視聴者が感じる嫉妬に似た嫌悪感が緩和されているのではないでしょうか。
また、主人公が謙虚で裏表がない良い人である、というのも不快感緩和に一役買っている気がします。

望んでいないのに、勝手に周囲の信頼を得てしまう、有名になってしまう、というのも嫌味に感じる要素になり得ます。
でも、そこを嫌味に感じないように作っているのが、この作品の上手いところだと思います。

この作品では、主人公が無双しても、女の子にモテモテ・・・ということがありません。
この手の作品にしては、性的な描写がかなり少なめに作られていると感じました。
この作品に性的描写を入れなかったことは英断だったと思います。

別に、性的な描写が悪いものだとは思っていません。
ただ、スローライフと性的描写は相性が悪いと思うんですよね。
スローライフという要素は、視聴者に「癒やし」を与える要素だと思います。
一方、性的描写は、視聴者に「興奮」を与えます。
この「癒やし」と「興奮」という要素の相性が悪い。
アニメに癒やしを求めて見た人間にとっては、性的描写による「興奮」要素がノイズになって、不快感を覚えるでしょう。
アニメに興奮を求めている人間にとっては、スローライフの「癒やし」要素が退屈になってしまう。
どちらのためにもならない、どっちつかずのアニメになってしまう。
なので、スローライフと性的描写というのは、一つの作品内に混在させるべきではないと思っています。

性的な描写が強いスローライフ作品というのは意外と多いものです。
私はスローライフものの作品が好きでよく見るのですが、そういう作品を見るたびに、「この作品にエロはいらないよな~」と思ってしまいます。

本作はそういうものがない、のんびり見ることに特化した作品だと思います。
ストレスがないので、のんびりと見ることができて大変気に入っています。

既に2期の製作が決定しているようですね。
1期のように素晴らしい作品になることを期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

66.3 2 調味料で冒険なアニメランキング2位
八男って、それはないでしょう!(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (413)
1502人が棚に入れました
――ある日の朝、目を覚ますと……平凡な若手商社マンである一宮信吾(25)は、僻地に領地を持つ貧乏貴族の八男ヴェンデリン(5)という存在意義さえ怪しい子供に憑依していた。信吾は、家門と領地継承もなく、内政無双の知識もないこの身と己に絶望するも、魔法の才能に恵まれたという一点を突破口に独立を目指す。この物語は、そんな若造が魔法で金を稼ぎ自由に生きる(もちろん世界なんて救わない)、当面は脱ボッチのお話である。

声優・キャラクター
榎木淳弥、西明日香、三村ゆうな、小松未可子、M・A・O、山根雅史、石上静香、ゆかな
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

観終わった

1話感想{netabare}
ん?末子が跡目争いで兄達を謀殺してく話…じゃないのか。
下手に目立つと兄達の面目潰しかねないので昼行灯を演じる…ってことでもない?
貧乏貴族で長男(予備で次男も?)以外は家を出るって、もう既に「八男」設定が死んでるような…まぁこれからか。
ってか兄達の振る舞いを見るに職業選択が制限されてもなさそうだし、主人公は何で不満げなのか分からない。
これが“盾の勇者”だったら想像してたゲームのお約束と違ったという一応の説明があったが、こっちは…あれ?
血縁主義?血統主義?正しい言葉が出てこないけど血筋を重んじる貴族(実際は結構いい加減とも聞くが)である一方、魔法の才能に血筋は関係ないんだそうな。
じゃあ主人公はこの2つの価値観の板挟みになってどうこう…って話なら面白そうだが、どうなんだろう?
最初の方、ハーレムみたいなの築いてたけど、どんなに子供をこさえても魔法が使えるとは限らないんだよね?
まいっか。

それよりも気になるのが…なんか雰囲気が“毛玉のゴンじろー”っぽい。
OPがデーモン閣下だから(ゴンじろーではEDを歌ってた)ってことも関係してると思うが、それだけじゃない気が。
スタッフも制作も全然違うのに、妙にキッズ向けっぽいというかナンというか。
後半のイノシシとか、実は悪い毛に汚染された毛ノシシなんじゃね?とさえ思えたり。
どーなんだろ?“高木さん”でキッズ臭さ抜きを習得したと思ったんだが、なんだかんだでカラーって出ちゃうもんなのかね?{/netabare}

7話までの感想{netabare}
突っ込みどころ多くて何から書いて良いやら…。
「主人公ヨイショがキモい」というのはこの際忘れるにしても、「主人公ヨイショするにしてももうちょい書き方あるんじゃない?」と思ったり。
例えば、エリーゼは竜が退治されるまで被害者の世話をしてたんだよね?
じゃあ聖女と呼ばれる働きっぷりを見せる回想シーンでも入れて、竜の被害の規模や犠牲者の無念とか映せば良いのに。
そうすりゃどれだけ感謝される行いをしたかも視聴者に実感が沸くじゃん?
治療魔法が追いつかず目の前で死んだ被害者を思い出して「あの方々も浮かばれます」とか、遺族から「家族の仇を討ってくれてありがとう」みたいなさ。
作中では「なんとなく成り行きで竜を倒した」ってだけですっごく軽い、これじゃ報酬もあぶく銭みたい。
多分「ボクまた何かしちゃいました?」を演出しようとしたんだと思うけど、な~んか「そうじゃないだろ」と思ってしまう。

「お前タダ者じゃないんだから振る舞いには気を配れ」みたいなことは師匠の師匠から言われてるし、それに気付いてく(成長してく)話なのかね?
だとしても、転生前は成人だったじゃーん?
なんかイマイチ意図が分からんのよね。
アニメスタッフも、原作見て「これのどこがウケたんだ?」というのを理解しないまま手探りでアニメ作っちゃったような感じ。
あくまで感じ、実際は知らん。{/netabare}

最終回までの感想(これだけ読めばいいかも){netabare}
これはこれは…上級者向けというかナンというか。
原作がどうあれアニメの監督や脚本がマトモならどうにかしようと知恵を絞るハズ、という前提で最後まで耐えて見てたのだけど…。
「耐えて」と書いた通りかなりアレな内容で、これを見た後だと耐えられずに途中で切った“防振り~”や“本好き~”が随分マシに思えて来る。
防振りは少なくとも主人公は楽しそうだったし本好きはこの世界の住人ではないと疑われる、これがあるだけ全然マシじゃん、と。
つまりは“八男”はそれらが無い。

誰も転生者を疑わないので師匠すら馬鹿にしか見えない。
そしてとにかく辛かったのが主人公に意思が無い。
いや、意思はあるか、あるのだけど心の中でツッコミを入れるだけで態度に表さない、主張しない。
一番酷かったのは政略結婚を迫られ、心の中では「恋愛結婚じゃないのか」と突っ込んでおきながらこれといって難色を示すことなく言われるがまま婚約を結ぶ。
全部が全部そんな感じで周囲に無関心、ただ流されるだけ周囲にお膳立てしてもらうだけ、それでいて一人前に心の中では突っ込みを入れるので心証が悪い。
せめて心の中で折り合いをつける葛藤とかでもありゃいいのだが、それも無い。
人形というか屍というか、生きてるのがつまらなそうで、死ぬのが面倒臭いから生きてるだけで作中出てくる「語り死人」とは主人公のことなのでは?とさえ思えてきたり。
同期放送の他作品、記憶を失い感情を無くして、それでも何か芯のある“プリコネ”のユウキと対極だなぁ、こっちはコレで健常者だぞ、と。

例外的に自発的な行動はあるにはあるが、それは味噌や海苔、マグロ等の食べ物に関してなだけで、味噌開発などが失敗しても被害らしい被害が出るものでもない、責任を取るまでもない軽微なモノ。
でもってそんな食べ物関連がストーリーに絡むことも、ほぼ無い。
辛うじて海苔がキャラ弁に繋がったくらい?

いっそのこと主人公は画面に一切映さず、「そういうヤツが居る」って体で周囲の人間が右往左往する話にした方がよっぽど面白かったのでは?
と思うくらいの出来だったのだけど、ここまではあくまで10話までの話。
11話からは流れが変わります。

11話で遂に、主人公が自発的に、自分の意思で、行動を起こす

遅ぇw
けどこれ、渡された原作をどうにかマトモに見れるモノにしようとしたアニメスタッフの苦労の結果なのでは?と思ったりしてしまうのだけど、どうなんだろう。
11話は決意をして最終回の12話でその結果どうなったかが描かれ、上記の突っ込んだポイントを主人公が反省する内容になってました。
笑ったのが12話でカタリーナ(婚約者)に「俺のことどう思う?」と尋ね、「近くに居るのに、遠くに居るよう」と答えられた時。
もうこっちとしては「そうそうソレソレ、全部他人事www」と指指してゲラゲラ笑っちゃうちゃうレベル、そういう意味ではそこまでに当てはまる出来事がよ~く描写されてた、むしろ描写しすぎ。
また、12話の王とのやりとりも、アームストロングはじめ「主人公の意思で予め味方の貴族と根回ししてた」ってことなんだけど、それ以前が余りにも周囲が都合よくお膳立てしてくれるシーンが多かったため、その流れのままで解釈しそうになる。
意地悪な言い方しちゃえば10話までの酷い内容はスタッフも分かっててやってたんですよ意図的だったんですよと、そういった言い訳みたいなものに見えなくもない。
10話までのフラストレーションがあったから11話以降にカタルシスを得られただけ(不良が捨て猫に餌やる程度)かも知れないし、フラストレーションパートがアレすぎて、ちょっと上級者向けな気が…。


と、以上が主人公について。
11話からはソコソコ見れた内容だったが、そこに至る10話までは話も演出も酷い。
ストーリー自体、主人公が何をしたいのか分からないのでパっとしないのは当然だけど、パっとしないものをパっとしないまま見せられる。
「巻き込まれ型」とも何か違うんだよね。
3話で舞台が冒険者学校へ移るのだけど、主人公は既に魔法が凄いと周囲に認められちゃってて。
あれ?それ知られるとヤバいから実家住まい時代は隠してたワケで、上京してからバレるまでのイキサツはひとつの見所だと思うのだが…カット?
主人公にとっては興味のない部分だから見せる必要が無かったってこと?だったら10話まで全部カットになるような…。
仲間が増えるのもあくまで「なんとなく」、言い寄る奴らは人柄ではなく力が目当てで、中身空っぽの主人公に対し「きっとヴェンデリンは私のことを○○と思ってるに違いない、○○すれば気に入られるハズ」と疑心暗鬼というか、自分自身の価値観を当てはめて想像・対処するだけの一人芝居を見せられる、何度も。
また8話では、ようやく正式の冒険者となったところで王から書状が来るのだけど、書面には「王国強制依頼」と書かれてて…これどういうこと?
画面には一部しか映ってないけど本文には「○○想定ニヨリ、下記ノ依頼ヲ命ズル」とも書いてある。
「強制」なのか「依頼」なのか、「依頼」なのか「命令」なのか分からない。
王からの命令なんだから「勅」や「上」や「下」って漢字一文字の方がインパクトありそうなものだが…歴史とかよく知らんのだけど、そういう表現ってあったりするもんなのかね?(「自粛要請って言ってるけど命令だよね?」みたいな)
もしくは「冒険者」と「貴族」を両立させてる相手に対してだからこんな表現になったのか?
でもって冒険を達成して多額の報酬や地位を手に入れても冒険者を続けるつもりで、単に他にやることが無かっただけにしか見えない。
報酬額に関しては、本来軍隊がやる規模のものを少数の冒険者で成し遂げたため軍事費(国家予算)レベルの報酬が個人に支払われることになった、と納得できなくはないが、だったら軍と冒険者って何が違うのかもうちょい見せて欲しかった。
そしてヴィルマは…登場する意味あった?何か活躍するシーンってあったっけ?
しかも「食いしん坊キャラ」で、ここでも“プリコネ”と被って「うわぁ」、実際は“超人高校生”の銭勘定大好き幼女奴隷と被る(つまり要らない)。


ってことで総評。
11話まで耐えればそこそこ楽しめるかも知れないけど、とても人にそこまで勧める気は起きない。
物凄く好意的に言えば、「冒険者にさえなれば貴族のしがらみから抜け出せる」を信条に、日本食のみを心の拠所として個人の主義主張を徹底的に抑え、周囲に流されるままやり過ごそうとしたが、実際に冒険者になっても結局貴族のしがらみからは抜け出せないことを思い知らされ一念発起する、という話を目指したのかなぁ?
ただ一念発起するまでの描写がやっぱりどうにも…空虚で抜け殻のような、それでいて心の中では突っ込みを入れる、色盲でもないのに世界が灰色に見えてそうな息をするのも面倒臭そうな主人公とか見ても、ねぇ?
恥ずかしながら私は11話からは「遂に、遂に主人公が立ち上がったぞ!」と結構好きだったりするんだけど、そこまでが辛すぎる。
なんというか、凡庸な異世界転生モノとはちょっと違う部分を出そうとした意思は感じるんだよね。
だけどそのために必要なお約束まで省いちゃったような…。
できれば10話までの「人間未満時代」のツケはもっとデカいものにして欲しかった。
それと貴族だ八男だって要素はそこまで意味のあるものではなかった気がする。
「魔法の才能は遺伝しない(個人主義)」と「親族主義の貴族」がいま一つ噛み合わなかったような?
11話以降の内容から10話までの空虚感はスタッフが意図したものだと解釈してるけど、じゃあなんであそこまで空虚にしたのか真意を探る・考察すると面白いのかも知れない、私はお断りします。
あ、それと主人公がため息をする回数をカウントすると面白いかもしれない、私はお断りします。


余談
アニメ本編がアレだったことの原因として挙がる「OPに予算かけすぎた」って説。
え?逆の可能性は?
「デーモン閣下を使うことを条件にレコ社から出資してもらった」ってことは?
まぁ違うかも知れんけど。
要は予算を出すのと使うのは曖昧な関係で外部から分かるものではない。
他の作品では深夜アニメに対して視聴率を気にしてる人なんかも居て…あのぅ、それ無いから。
どこからそんな発想が飛び出してくるのか私にはちょっと分からない。
あくまで“かぐや様~”の鈴木雅之の様に、「よくアーティスト本人が了承したな」って所が注目ポイントだと思うのだけど、デーモン閣下に於いては“けだまのゴンジロー”やってるし“sin七つの大罪”もそうだし(テラフォーマーズリベンジは知らんかった)、もっと昔なら“MAZE爆熱時空”だったり“うろつき童子”だったりあるワケで、そこまで驚くようなことでもない…ような?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

憎みきれない好敵手(いせかいてんせい)〈~八男である意味がわからないって、それはないでしょう!~追記あり〉

2020年春アニメ。
原作未読。ウェブ小説原作であること以外事前情報は無しで見始めました。
※レビュータイトルは少々マイナーな90年代ラノベの副題からで、異世界転生物が自分にとって鬼門気味だからぴったりだなと(笑)

【第1話感想】
とりあえず無難な滑り出しでしたね。
{netabare}
アバンで女の子達に囲まれた15歳の姿を見せるのは妥当かと。第1話では子ども時代をある程度は描きたかったのでしょうね。5歳のヴェンデリンが可愛らしいのが良かったです。お兄ちゃんの「怠けていると苦労するよ」って台詞も結構好き。
転生前の一宮信吾がまめまめしくて印象悪くないのは意外だったかな。これで魔法の修業もきちんと描いてくれると嬉しいけど、はしょられるかなw残念だけど。
ハーレムは苦手なので、メインヒロインが婚約者らしいのは期待しています。{/netabare}


【EDの話】
ED良かったです。余韻も楽しめる曲ですし、歌唱の華やかさも引き立っていました。
{netabare}
…OPの奇跡のコラボに隠れがちだけどEDも奇跡のコラボなんですよw
ウェブニュースでこのコラボ知ったときは、方向性も年齢も違いすぎるAKINOさんと新居昭乃がどうなるかと…w
聞く側を圧倒するAKINOさんをメインボーカル、コラボ経験の多い新居昭乃をリードボーカルという感じで合わせているのが上手いです。明らかにこの二人の個性を生かす曲を作ってる。プロデューサーの功績ですね。
個人的には、新居昭乃を久しぶりにアニメで聞けて感謝しかない。しかもこういう華やかな曲を提供されるのは珍しいんですよ。

以下、新居昭乃のことを何となく書いとくよ。
長いので暇つぶしにでも。(以下、恐れ入りますが敬称略。)

新居昭乃はデビュー30余年となる女性歌手。歌唱もコーラスも作詞・作曲・少数ですが編曲も自身のグッズなどのデザインやイラストレーションもする、独特なクリエイターであります。(ちなみにタッグ組んでる編曲家・保刈久明はやなぎなぎ「未明の君と薄明の魔法」(『色づく世界の明日から』ED)が記憶に新しいですね。)
ソロでアニメのOPやEDを作って歌うのはもちろん、90年代には菅野よう子の曲を歌っていたり、ZABADAKや谷山浩子とコラボしていたり、手嶌葵や三重野瞳や悠木碧に楽曲提供していたり、どこかにコーラス参加していたり。
一部の人々を独特の世界に引きずり込み、コアなファン層を作り上げています。
もうお分かりだと思いますが、ファンです。20年来のw



これまで新居昭乃が担当した主なアニソンはこんな感じ。
「星の木馬」…『地球防衛企業ダイ・ガード』ED
「覚醒都市」…『東京アンダーグラウンド』ED
「ユメミル雨」…『ハンドシェイカー』ED
「キミへ ムカウ ヒカリ」…『ゼーガペイン』OP
「金の波 千の波」…『ARIA The ORIGINATION』ED
「Unknown Vision」…『まおゆう 魔王勇者』ED
「花数え」…『魔法使いの嫁』挿入歌
他にもあるので、それなりにアニメを見る人ならどこかで出会っているかも。私は見れてない作品も多くて恐縮ですが…

数は少ないですが編曲もしてます。
『ガサラキ』ED「LOVE SONG」(歌唱・作詞/種とも子)は作曲・編曲が新居昭乃。
映画『西の魔女が死んだ』ED「虹」(歌唱/手嶌葵 詞曲/新居昭乃 編曲/保刈久明)のセルフカバーでは自身の声に合わせて編曲しなおしていたり。なので、新居昭乃版「虹」は珍しく歌唱・作詞・作曲・編曲全てを本人が行っています。

興味があれば何か聞いてみてください。最新のミニアルバム「ツバメ」は新居昭乃らしさとキャッチーさのバランスが良いのでおすすめです。{/netabare}
(2020.4.8)

【最終話まで視聴感想】
出来が良いとは言いにくいけど、個人的には「憎めない作品」でした…って、それはないでしょう!
{netabare}
色々と端折ってるんだろうなとか、側室に立候補する女性パーティーメンバー(しかもヴェルは承諾しちゃうし)ってどうなんだろう?とか、最後に参入したよく食べる女の子は見せ場があまり無くて勿体なかったとか、それなりに引っ掛かりはあったものの無事完走。

とりあえずアニメではヒロインがエリーゼ一強だったので良かったです。2期があるかはわからないけど前提として貴族の社会制度があるわけだし、他の女子は恋愛感情を見せてないし今は細かいことは気にしないでおこう(笑)。

全体的に人情噺としては悪くなかったかと。亡くなった師・アルフレッドの存在がヴェルを支え、エルヴィンにワンエピソードと見せ場があり、賑やかしかと思っていたローデリヒに役割が用意されていたことなど、好印象を残した点がいくつかありました。

私が意外と楽しかったのは主人公が料理上手で、前世から持ち込んだ知識が料理のことしかなく、それが周りの人達を喜ばせることにしか使われていない所(笑)。原作だともう少し色々あるのかも知れませんが、少なくともアニメでは前世の知識が大きなアドバンテージとしては描かれていないのが落ち着いて見られた理由だったと思います。
単純にわいわい食事を囲むシーンを見るのが好きなのに加え、新しい世界での食事シーンを繰り返し描いて、主人公の置かれた環境の変化を見せてくれたのは良かったと思う。

ヴェルは前世のモラルや感覚に振り回されて、兄との直接対決に至るまで新しい生を歩むことに積極的になれずにいました。
貴族という強い立場と足枷を背負って血生臭い肉親との争いを経験して、最後にこの世界で生きる覚悟を決める物語だと考えれば、私はこの作品悪くないと思います。

兄嫁の様子から最後に一波乱あるのかな?と思っていましたが、二人の甥に貴族としての生を保証することでヴェルは彼女との衝突を回避します。この甘さが後々大きな問題になる可能性はありますが、ヴェルが肉親の情を捨てれば兄嫁もまた同じ選択をしたでしょう。兄のせいで疲弊した領地・領民の現状を考えれば必ずしも悪い采配ではなかったと思います。それにヴェルが意図していなかったとしても、彼女を敵に回さないことは足場が固まっていない状況では結構大切じゃないですかね。
何より、子を守ろうとする母は追い詰めると怖いから…。

今季の大変な状況で最後まで予定通りに見られて良かったと思います。最初に感じていたよりも色々考えさせてくれる作品でした。{/netabare}
(2020.7.12)


【八男である意味がわからないって、それはないでしょう!】
結構皆さん疑問に思ってるんですね、八男である意味…。
色々と感想漁ったりして「『八男(=貴族)って、それはないでしょう!』ということだと思う」というような感想があり、ああその通りだなと。
転生当初は貴族に期待したものの自分は跡取りになれない八男で、しかしだからこそ約束されていた冒険者としての自由は、結局貴族の末っ子であることにより失われていく。
それがこの作品の骨子なのだと思います。

個人的に考えたことなど置いておきます。
{netabare}
まず、転生した時点でヴェルは貴族なら良い暮らしができるかも!と期待してますが、食事シーンに見られるように実家は貧しく、貴族の現実を見せつけられます。その時にヴェルは家督を継げないことや見栄を張って暮らさなければならないことを知り、貴族でいるよりも魔法使いとして身を立てることを選びます。
独立したときに日々の食い扶持を稼ぐ技能を身につけておきたいという考え方は、転生前に社会人であったことも影響していますし、家を出る兄に「遊んでいると後で苦労するよ」と言われたことも理由です。野山を駆け回るときの方がヴェルは生き生きしていましたから、家を出る頃には貴族に嫌気が差してもいたのではないでしょうか。
王都に出てからも、王命には逆らえずしがらみも多く、兄弟の結婚式に実家から祝いの品も届かない、そもそもそんな見栄を張らなければならないことにヴェルはうんざりしていました。
それでも、転生前からのサラリーマン気質が抜けないヴェルは波風を立てるようなことはできません。

パーティーを組む時も身分に関わらず「面白そうな子たちだから」という理由でメンバーを選び、パーティーメンバーもヴェルの能力や肩書よりも人柄を見ていこう、と反省している。競技大会でのエルヴィンのエピソードからしても、本当はヴェルは彼らを仲間・友人と思って付き合いたいんですね。なのに結局爵位を与えられて仲間を部下や未来の側室として受け入れることになる(まあ側室の件はヴェルも男の子なんだなあと生ぬるい笑いがこみ上げてきましたけどw)。前世でのサラリーマン気質のためか、本人が優柔不断なためか、貴族の不自由さばかり募っていく。ヴェルの性格からして、楽しく安定した生活が送れれば命懸けの仕事はあまりやりたくはないでしょうし。

極めつけが兄との家督争い。本人は家督を継ぐつもりなど全く無いのに、上からお膳立てされ下からも突き上げられ、外堀ばかり埋められていく。下手に抵抗して自分が処罰されるような事態になれば、自分の仲間達も危険にさらしかねない。
クルトが何故ヴェルに敵愾心を燃やしたのか不明なので私は同情的にはなれないのですが、あれほど領地・領民を蔑ろにしていては国としては他の当主を立てざるを得ないと思います。二人の息子がもう少し成長していれば、長男が継ぐことになったかもしれませんが…。

結果、ヴェルは領民のために家督を継ぐ覚悟を決めますが、それでも出来る限りクルトとその妻子を守ろうとします。一家皆殺しになりかねない貴族の慣例に対して抵抗を試みるわけです。ヴェルにとっては彼らは疎遠になっても肉親なのですから。
ヴェルは一貫して前世の感性…優柔不断さと情が捨てられず、貴族社会に翻弄されているんですね。

結局兄を死なせたヴェルにとっての最後の抵抗が、兄嫁と二人の甥を守ることだったのだと思います。
周りの人達に臭い芝居をしてもらい王に具申して二人分の貴族の任命権を奪い取ったのは、甥二人が成人した暁に貴族に奉じるためです。それは兄嫁が「息子達が貴族として生きていけるなら自分は何でもする」という内容のことを言ったからです。そうでなければ兄嫁は肉親の情を捨て、ヴェルを害してでも二人の息子を守らなければならなくなる。
命が助かっても母子三人で平民として生きていくのはかなり大変な世界だと思いますし、ヴェルが守ってくれなければ住み慣れた土地では恨みを買って酷い仕打ちを受ける可能性もありますからね。貴族であることは酷いしがらみでもありますが、少なくとも私刑からは守ってくれるでしょう。

八男だから面倒くさい貴族をやめて好きなように生きられる!と思っていたのに、結局貴族として生きて行かざるを得なくなる。ヴェルがその覚悟を得るまでの物語だったのだと私は思っています。{/netabare}
(2020.7.23)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

貴族社会の悲哀をアニメで垣間見れる作品

原作小説は、既刊19巻(2020年3月現在)の内6巻まで既読。
この手の異世界転生のなろう系の作品は、沢山ありすぎて食傷気味な今日この頃ではあるものの、
魅力があるキャラが比較的多く、割と好きな作品のひとつ。

お話は、もうお約束と言っていい。
この手の話に飽き飽きしてる視聴者の1話切りも多いだろう。

個人的に主人公に対し残念に思うのは、同ジャンルの
「転スラ」リムルの、ゼロから国を興すカリスマ創建者としての魅力や
「デスマ」サトゥーの暗躍系最強主人公の魅力には及ばない所か。

本作の主人公は、
類まれなる魔法の才能(ギフト)に恵まれ、
貴族社会に取り込まれ成り上がっていく。
冒険者として自由に生きたいという願望はあるものの
結局、貴族社会の枷から逃れられないのは悲哀とも愛嬌ともいえる。
根っこが商社マンなので、環境への適応力が高いのだ。
そんなサラリーマン的世知辛さ(1話でのアバンタイトルでその片鱗が出ていた。)が漂う作品なので
英雄譚と呼ぶのは憚れる。末子成功譚が適切だろう。

レビュー書きたくなったのは1話を観てアニメの構成に興味が湧いたから。
アニメは全12話しかない中で、原作の忠実な流れを潔く放棄し、アニオリな展開も躊躇せず
最終話に向けて起承転結のある流れに再構成している。

本作は、小説、コミック、アニメそれぞれが独自の流れで話が進むよう。
それぞれの味を楽しむのも一興だと思う。
キャラデザ、OP&EDも好 みでアニメ本作は最後まで完走したい。

<今作の異世界舞台設定>
{netabare}
リンガイア大陸の二大大国の一つ人口約5000万人のヘルムート王国が主人公の国籍。
大国のもう一つは、仮想敵国のヘルムート神聖帝国。
両国は、ここ200年戦争がない平和な状況。

ドイツ語読みの固有名詞が圧倒的に多いのに文字はなぜか日本語。
しかも一部英単語も交じり、ローマ字表記も存在するなど、ご都合主義全開。

人類の天敵の魔物、竜などは存在するが
エルフやドワーフと言ったファンタジーお約束の種族はいない。
社会構造は中世ヨーロッパの封建貴族世界に近い設定。

魔法は存在するものの、それなりに使える魔法使いは5000万人中多くて5万人くらいで
その中でも国家戦略級の上級魔術師は超貴重。
さらに魔法の遺伝性もないので魔法使いの家系など存在しないそうな。
{/netabare}

★第1話「八男って、それはないでしょう!」
{netabare}
初回は原作知らずとも非常にわかりやすく構成されていたと思う。

アニメのアバンでサブ&本タイトル早々に回収。
また初回のアバン冒頭は、小説1巻から5巻の半ばから3分の2までの話をアニメで描きますよ
と予告しているようなもの。

原作では普通にベッドで寝て、目が覚めたら異世界の別人のベッドに寝ていたという流れを、
夜遅くの会社からの帰宅後の食事準備中に居眠りしたら、
長男の結婚披露パーティーの食事中に覚醒に変更。
これは、転生状況を「本好きの下剋上」と被らせない工夫としても有効だった。

さらにアニメ独自に、転生前の豚バラ自炊飯、
転生後のパーティ限定貴族メシと日常の貧乏ゆえの粗末メシを
対比させ主人公の環境変化と置かれた状況を演出。
プラス、兄弟紹介と主人公の状況を短時間で説明するための構成。
このダイジェスト化は、視覚重視のアニメではとても意義があったと思う。

多くの兄弟の存在は、封建的な貴族社会の環境で成り上がっていく話の上ではとても重要だ。
子孫繁栄のため、一夫多妻が貴族では常識の世界。
一夫一婦制の日本の現代常識とは倫理観が根本的に違う。

主人公の父親(45)は、下級貴族で正妻と妾の二人の間に10人の子供がいる。
側室がいないのは、人口800人程度の農業主体の辺境領地では経済力が乏しいから。
以下、()は主人公がヴェンデリンとして覚醒時の年齢

正妻(44)の子
長男(25)、次男(23)、三男(19)、四男(17)、五男(16)、八男(5)(主人公)
妾の(31)子
六男(14)、七男(13)、長女(11)、次女(10)

愛人がいてもそれは周知事項。
妻公認であり、後ろめたいことはない。
以上の内、貴族社会で生きていけるのは、正妻の子6名のみ。
愛人の実家は地元名主ではあるが貴族ではないのでその子たち4名は、
貴族と同じ土俵には立てないし、ヴェルと一緒に生活することもありえない。

以上を台詞と登場キャラで初回の内に
視聴者になんとなく理解させようという工夫があった。
そして尺の残りで、師匠との出会いまで描く。

原作既読者にとっては、声優の配役(ベテラン声優の配置)や
公式HPで登場予定のキャラ表をチェックすれば
アニメでは全12話で何をメインイベントに置くのかは明白だろう。

今回は、ダイジェストではあってもアニメ独自の構成が光り、
導入として良好な回だった。
次回も原作の素材をどう料理するのか楽しみになった。
{/netabare}
★ 第2話「お家騒動って、それはないでしょう!」
{netabare}
どうやらアニメのサブタイトルは「○○○って、それはないでしょう!」で統一されそう。

才能は偉大なる先達に導かれてこそ花開く。
主人公ヴェルにとってわずか2週間とは言え、師匠との修業の日々は一生を決めるものとなった。

原作では、ヴェルは師匠から卒業した後、
12歳で冒険者予備校に入学するため家から旅立つまで
家族は完全放任、アニメのように長男から監視される描写もない。
毎朝食事もそこそこに、書庫で読書、読み書きや計算の勉強。
さもなくば、遠出して人里離れた領地内での魔法の独学の鍛錬。

その成果として、狩りの獲物や採集した食料などを家族に提供。
家の仕事をほとんど手伝わずに済んだのはそんな事情もあった。

師匠に出会うのはそんな鍛錬時で、その時彼は中級魔法も使えるほどに。
師匠との2週間の修業後は、一人黙々と
5歳から12歳になるまでの長きに渡り師匠の教えをベースに
魔法の技を発展応用開発。
攻撃魔法以外にも飛翔、瞬間移動、精製、熟成など様々な魔法の技を磨く。

そのかいあって通常は山越えで片道一か月位以上かかる
人口約20万人の大商業都市ブライヒブルグを
瞬間移動で一瞬で往復できるほどになる。

そして人知れず都市で魔法で採集した素材、狩りの獲物などで商売したりと逞しい日々だった。

以上、今回まるまるカット。
尺の都合とは言えそこはちょっとでも描いたほうがいい。

今後、そんな修業プロセスが見えないと視聴者は、
ヴェルのあまりの成長が唐突過ぎて
話に付いていけなくなるかもしれないからだ。
そこら辺を次回以降どうフォローするんだろうか?

また、師匠から物質的に相続されたもの(今後必要になるものも含まれる)は
アニメ今回ではスルーされた。
別れをドラマティックに、そして生臭いものにしないために必要な演出だとは思うのだが、
次回以降そこらへんどう扱うのか?そんなところも興味深い。

話のテンポはとてもいい。
{/netabare}
★ 第3話「ボッチって、それはないでしょう!」
{netabare}
ボッチだったヴェルに冒険者パーティの仲間が出来る。

辺境のバウマイスター家にとって寄親(保護者)のブライヒレーダー辺境伯家に目を付けられたヴェル。
早速、貴族社会の柵に絡めとられる。

<キャラが原作から微妙にずれてきた>

今回は特に、パーティ結成の流れが原作と大幅に違う。

【原作小説】
ヴェルとエルは入学早々既に気の合う友人に。攻撃の連携も相性がいい。
→二人で組んだ狩りの最中に偶然ルイーゼとイーナを大量の狼から救出
→ルイーゼとイーナはそこで初めてヴェルたちを意識
→皆で食事したりと、四人の交遊が始まる。
→ルイーゼが、ヴェルとエルに無断でちゃっかりパーティ申請書提出
→学校側は4人の実力バランスが良好だと認め申請は問題なく受理される
→ヴェルとエルは「二人とも悪い奴じゃなさそうだし、様子見と言うことでいいか」と事後承諾

【アニメ】
ヴェルは入学後、友達作ろうにも不器用に空回りでボッチのままを気にする。
→エル、ルイーゼ、イーナは既に交友関係があり学内でヴェルに目を付ける
→ヴェルをパーティに組み込むことを目論む
→ヴェルに認めてもらうための狩りの最中、エル、ルイーゼ、イーナは大量の狼に襲われる
→偶然その危機を察知したヴェルは、当然助けに赴くが、友達作りの下心もあった。
→なぜかヴェルからパーティ結成を申し出る

以上、前回からの流れからは無難な改変とは思えるものの
アニメでの弱気なヴェルにどうもしっくりこなかった。

自己紹介で失敗とか、ヴェル特製の山椒を学友に勧めるとか、
アニオリ描写も気に入らない。

原作でのヴェルはボッチであることの自虐感を醸しつつもそこは中身が大人。
ボッチ上等的に達観。淡泊で飄々としていた。

原作では前世の商社マンのセンスで出稼ぎ商売も良好。
相当な蓄財も出来るくらいの駆け引き上手なヴェル。
マイペースで強かな逞しさの魅力があったがアニメではそれが無くなった。

今までの地道な修業プロセスを描かなったこともあり、
シャイな優等生キャラに見えてしまった。
中の人の声質が草食系なのも一因か。

さらにエル、ルイーゼ、イーナの実力の横並び感が増し
ヴェルも認めるエルの剣士や弓士としての実力描写もなく
三人一様に原作より実力が下方修正されてしまった感があった。

元から真面目キャラのイーナはまだいいとしても、
ルイーゼのマイペースで強かな個性までも薄まってつまらなくなってしまった。
原作のルイーゼは、ヴェルを初対面でいきなりヴェル君と愛称で呼ぶような図々しさがあったのに...

今回で物語3.5→3.0、キャラ3.5→3.0に下方修正。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
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