閉鎖空間でSFなTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の閉鎖空間でSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月09日の時点で一番の閉鎖空間でSFなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.4 1 閉鎖空間でSFなアニメランキング1位
涼宮ハルヒの憂鬱(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★★ 4.1 (7748)
33161人が棚に入れました
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」入学式後の自己紹介で、このぶっ飛んだ発言をした県立北高校の1年生「涼宮ハルヒ」。成績も運動神経も容姿も優れているのに、傲岸不遜な態度と中学以来の奇人ぶりから、クラスで浮きまくる。その上、普通のクラスメイトをつまらないと拒絶し、ますます孤立していた。そこで、ハルヒの前の席に座るクラスメートの「キョン」が話しかけたことをきっかけに、SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)に加入させられてしまうのだった…。

声優・キャラクター
平野綾、杉田智和、後藤邑子、小野大輔、茅原実里、松岡由貴、桑谷夏子、白石稔、松元惠、あおきさやか
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

平凡なハルヒと鬱屈した仲間たち

※2018年6月26日、ネタバレタグの付け方を変えました(ついでに、【おまけ】を追加しました)。

 アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』は、表面で繰り広げられるSFタッチのラブコメという枠から大きく逸脱し、必ずしも明示されない形で人間の本質に切り込んだ傑作である。
 こうした特色を示す例として、第1話「涼宮ハルヒの憂鬱I」(話数は第2期での放送順を示す)で、キョンが髪型についてハルヒに話しかけ、それに対してハルヒが独り語りのように答えるシーンを上げたい。
{netabare}
 キョンは以前に、しょっぱなの自己紹介についてハルヒに問いただし、けんもほろろの応対をされている。なのになぜ、自分でも「魔が差した」と言いながら、「曜日で髪型変えるのは宇宙人対策か?」と尋ねたのか。また、この奇妙な質問に対して、ハルヒはどうして、前とは打って変わった穏やかな態度で答えたのか。
 実は、初めて見たとき、このシーンに胸がキュンキュンして『ハルヒ』に取り憑かれてしまったのだが、これほどまでに心惹かれる理由がわからず、「涼宮ハルヒの憂鬱I~VI」を何度もループするうちに、漸くアニメーターの巧妙な企みに気がついた次第である。
 「涼宮ハルヒの憂鬱VI」の終盤、キョンはハルヒに自分がポニーテイル萌えだと明かし、「いつだったかのお前のポニーテイルは、反則的なまでに似合っていたぞ」と語る。さて、彼はどこでハルヒのポニーテイル姿を見たのか。
 原作では、曜日が進むごとに髪の結び目を増やすと述べた際、結び目1つの火曜日に「どこから見ても非のうちどころのない」ポニーテイルでやってくると記される(角川スニーカー文庫p.23)。ところが、アニメの同じ場面、火曜日のハルヒはポニーテイルでない。その代わり、体育の授業中、ポニーテイルで短距離走をする(原作にない)ハルヒが描かれており、キョンはその姿に見惚れている。
 キョンが懲りずに再度声をかけたのは、ポニーテイルがいちばん似合うのに、それ以外の髪型ばかり選ぶことが気になったからだろう。しかし、キョンのポニーテイル萌えが明らかになるのは(第1期の)最終回なので、はじめて見る視聴者にキョンの心の動きはわからない。このシーンは、キャラに心を奪われ繰り返し見るようなディープなマニア向けの伏線なのである。
 一方、ハルヒがキョンの問いに答える姿には、心の内がにじみ出ている。まず、顔をキョンに向け、少し視線を上げつつ「いつ気付いたの」と言い、キョンの返答に「あっそう」と気がなさそうに横を向くと、ほとんど無表情で語り始める。原作には「面倒くさそうに頬杖をついて」(p.28)とあるが、そうは見えない。
 ハルヒが髪型を変えるのは、そこに自分の独自性を込めようとしたからだが、「どうせアホな男子は真意に気づかないだろう」と見くびっていた節がある。にもかかわらず、キョンは、たった一言でハルヒの狙いを言い当ててしまう。そんな瞬間に、人はどんな表情をするのか。私ならば、動揺を隠すために視線を逸らし、懸命に無関心を装う。ハルヒは、まさにそんな姿を晒したのである。
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 アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の面白さは、原作者が充分に顧慮しなかったキャラの内面をアニメーターが深く掘り下げ、丹念に見ればそれとわかるように描き込んだことにある。
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 ライトノベル『ハルヒシリーズ』で最初に活字になったのは、短編「涼宮ハルヒの退屈」で、そこに基本プロットの原型が示されていると考えて良いだろう。登場するのは、宇宙人・未来人・超能力者がすぐそばにいるのに気づかず、我が儘に振る舞う自己中心的で脳天気な女の子ハルヒ。彼女の望みを叶えるため、長門が一般人の前で超常的な能力を発揮しているのに、ハルヒは全く無頓着である。笑えることは笑えるものの、さして深みのないSFコメディにすぎない。
 さすがに、作者の谷川流も、これでは物足りないと感じたのだろう、長編『涼宮ハルヒの憂鬱』になると、SOS団結成前の不機嫌で刺々しいハルヒを描写する。しかし、私には、SOS団メンバーをいいように弄ぶ姿との落差がありすぎて、一貫した人間性が感じられない。他のキャラも似たようなもので、原作のストーリーや台詞をそのままなぞってアニメ化したならば、単に笑えるだけの凡庸な作品になったろう。
 しかし、石原立也に率いられた京都アニメーションのスタッフは、ありきたりのアニメにすることを肯んじなかった。キャラ設定に不自然な断絶がある原作を作り替え、それぞれの人物を統一された人格の持ち主として再構成して見せたのである(私には、キャラごとに専属のアニメーターがいるように感じられたが、実態は不明)。
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 ハルヒの場合、…
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…原作における分裂した姿は、「思いっきり背伸びをする平凡な少女」という一貫した人物像に変更された。
 ハルヒは、かなりの美貌と優秀な頭脳を持ち、運動能力はトップクラス、歌唱や楽器演奏もこなせる。とは言え、この程度なら、少し偏差値の高い高校なら、学年に一人くらいいる人材にすぎない。学生時代は人気者になれるかもしれないが、社会に出ると、凡人の大群に紛れてしまう。ハルヒ自身、平凡であることへの恐れを、第5話「涼宮ハルヒの憂鬱V」で生々しく語る。
 ところが、平凡さを恐れているにもかかわらず、彼女はどう見ても根っからの常識人で、規格外の非凡な人間ではない。夏休みの宿題は最初の何日かで片付け、きちんと予習・復習をしてテストでは時間を持て余す。第20-24話「涼宮ハルヒの溜息」に登場する自主映画の台本は独創性の欠片もなく、第26話「ライブアライブ」では、ステージで熱唱し歓声を浴びたことが嬉しくて堪らないようだ。ハルヒの平凡さが何よりも明瞭になるのが、第12-19話「エンドレスエイト」(正当に評価されていないが、紛れもない傑作)で、何度チャンスが訪れても、盆踊りとか昆虫採集といった当たり前のイベントしか思いつかないところ。原作の場合、ギャグのネタか、せいぜいハルヒの天真爛漫さを示す事例として扱われるこれらの出来事は、アニメでは、ハルヒの人物像を浮き上がらせる重要なポイントとなる。
 ハルヒがどんな人間かを知る上で、最もわかりやすい手がかりが、彼女が、自身の発言とは裏腹に、宇宙人・未来人・超能力者の実在を信じていない点である。実際、すぐそばにいるのに気がつかないというプロットは、『ピーターパン』などのおとぎ話で、妖精を信じていないと目の前にいても見えない状況と酷似する。「エンドレスエイト」で、「人類が火星に到達したときには、地下に隠れていた火星人が歓迎してくれるはず」と語るハルヒだが、学業トップクラスの高校生が真面目に口にする言葉とも思えず、単に「そうだったらいいのに」という夢想を語っているだけだと知れる。
 自分が平凡でないことをアピールしたいハルヒは、時々、あえて奇矯な行動を取ろうとする。しかし、実際に彼女が行うのは、バニーガール姿でビラ配りをしたり、校庭に宇宙人へのメッセージを記すなど、誰にでも思いつきそうなことでしかない。隠者の視点から世界を見つめるキョンに比べると、なんとも平凡な発想である。平凡でありたくないと足掻き無理に背伸びをするあまり、いかにも非常識そうな行動や宇宙人を信じるそぶりを繰り返す姿は、ちょっと痛々しい。結局、自分の周りに個性的な人材を集め、彼らを防壁とするサークル内で好き勝手に振る舞うだけで、満足してしまう。
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 ハルヒに限らず、SOS団のメンバーは、いずれも複雑な人間味を感じさせる。
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中でも印象的なのは、第24話「涼宮ハルヒの溜息V」の後半、突然、背後に蠢く陰謀について語り始める古泉の姿。「疲れ気味の皮肉な笑み」(p.256)と記される原作と比べると、アニメの古泉は憔悴しきった様子に描かれており、シーン全体に重苦しい雰囲気が漂う。原作の古泉は、作者を代弁して状況説明をしていたものの、話が長引いて辻褄が合わなくなってきたので、作者がわざと混乱気味の発言をさせたと解釈できる。ところが、アニメになると、本人が実際に混乱しているとしか思えない。耐え難いほど苛酷な役割を背負わされながら、仮面のような笑顔で本心を隠す、影のある高校生の素顔が見える。
 アニメの朝比奈さんや長門も、原作とは異なる鬱屈した内面を垣間見せる。特に劇場版アニメ『涼宮ハルヒの消失』の長門と古泉は、鬼気迫るものがある。
{/netabare}

 アニメは、原作者に加えて、複数のアニメーターや声優、音楽家による共同作業を通じて制作されるため、単一のクリエーターが創造する個人芸術に比べて純粋性に欠けると思われるかもしれない。しかし、実は、多人数の参与を通じて内容を膨らませ、豊かな芸術性を獲得することが可能なメディアなのである。『涼宮ハルヒの憂鬱』は、特に傑出した作例である。この作品が、現代の古典として長く愛されることを切に望む。

【おまけ】長門は何を読んでいた?
 『涼宮ハルヒの憂鬱』に登場する長門有希は、汐宮栞やクラエスとともに、日本のアニメでしばしば描かれる文学少女の代表格。部室では、いつも熱心に本を読んでいる。では、何を読んでいるのか。
 画面から確認できるのは、サイモン・シン『暗号解読』、笠井潔『哲学者の密室』、阿部和重『グランド・フィナーレ』、綿矢りさ『蹴りたい背中』などで、かなりマニアックでハードな作品が多い(個人的には、ハイデガーを糾弾する哲学的ミステリ『哲学者の密室』がオススメ)。
 彼女が読んだ本の中で、物語の進行に重要な役割を果たすのが、ダン・シモンズ著『ハイペリオン』と続編の『ハイペリオンの没落』。
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まず『ハイペリオンの没落』を読んでいる長門の姿が描かれ、その後、間に挟んだ栞を見せる目的で、キョンに『ハイペリオン』を手渡すシーンとなる。なぜ、正続の順番が逆になったのか。
 栞さえ目に留まれば本は何でもいいはずなのに、自分が読み終えたばかりの続編ではなく、順番通り正編の『ハイペリオン』を渡さなければと考えるほど、長門が律儀だったのか(私は、そう解釈する)。あるいは、そこに書かれた内容に意義を認めたのか。
 『ハイペリオン』には、未来予測も可能な統合知性と時間を逆転させる謎の存在「時間の墓標」が登場し、長門の情報統合思念体やみくるちゃんのTPDDを連想させる。正統的なハードSFとして、かなり面白い。だが、『ハイペリオンの没落』になると、ほとんど支離滅裂で内容が把握しにくい(と言うか、私は途中から流し読みで済ませた)。自分たちと似たものがきちんと描かれているからこそ、『ハイペリオン』を選んだとも考えられる。
 そうだとすると、長門は、あの顔で結構食わせ物だと言えそうだが…。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

劇場版(消失)まで一気見が“吉”、ハズレのない《面白作》

原作ラノベの方はアニメ化された分から更にシナリオに進展があり、尚且つ最近は原作者(谷川流氏)が続編を書いてくれなくて未完のまま・・・ということらしいです。
ただ、アニメとしては劇場版『涼宮ハルヒの消失』で、登場キャラたちの感情関係に一定のケリがついた形になっているので、いい塩梅で一応見終えることが出来る作品となっています。

※因みに、感情関係に上手くケリがつかなかったパラレルワールドの話も数年前にアニメ化されています(『長門有希ちゃんの消失』)。

・・・ということで、本作は、一見すると“トンデモなキャラ達の巻き起こす、お馬鹿な話”のように思えますが、実際に見始めるとその意外な面白さにドンドン引き込まれてしまい、とくに終盤には“予想外に繊細に登場キャラ同士の心のアヤが描き出されている”ことに気づかされて、劇場版まで見終わったころには、結構な喪失感(もっとこの作品の色々なエピソードを見続けていたかったのに・・・というちょっと寂しい気持ち)に囚われてしまう可能性が高い、まさに「瓢箪から駒」みたいな美味しい視聴経験が出来る作品と思います。

もしかしたら、原作ラノベの続編の方は実は結構マンネリな展開になってしまっていて(※未読)、本作の場合は『消失』までのアニメ化で留めていることが、逆に私のようなアニメしか見ていない視聴者には「腹八分目」になってて、極めて良い視聴終了後の印象に結びついているのかも知れませんね。

《結論》劇場版まで含めてもせいぜい35話分の長さの作品なので未視聴の方はトットと見始めたほうが“吉”です。きっと。


◆作品別評価

(1) TVシリーズ ★  4.3  (28話)
(2) 劇場版   ★★ 4.6  (2時間42分≒約7話分)
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  総合    ★  4.4  (約35話分)


◆制作情報
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原作ラノベ       谷川流(『ザ・スニーカー』2003年-連載(未完))
総監督         石原立也(1期の監督)
監督          武本康弘
シリーズ構成      涼宮ハルヒとやっぱり愉快な仲間たち
脚本          石原立也、山本寛、村元克彦、武本康弘、ジョー伊藤、賀東招二、谷川流、志茂文彦
キャラクターデザイン  いとうのいぢ(原案)、池田晶子
音楽          神前暁
アニメーション制作   京都アニメーション{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回
話数の前後に*付きは2009年放送時の追加回

=========== 涼宮ハルヒの憂鬱 (2006年4-7月、2009年4-10月) ==========

 - - - - - - - OP「冒険でしょでしょ?」、ED「ハレ晴レユカイ」 - - - - - - -
{netabare}
第1話 涼宮ハルヒの憂鬱Ⅰ ★ 高校1年の春、SOS団発足
第2話 涼宮ハルヒの憂鬱Ⅱ ★ 情報統合思念体派遣ヒューマノイド・インターフェイス(長門有希)
第3話 涼宮ハルヒの憂鬱Ⅲ ★ 未来人(朝比奈みくる)、超能力者(古泉)転入
第4話 涼宮ハルヒの憂鬱Ⅳ ★★ 朝倉涼子の襲撃・消滅、朝比奈さんの異時間同位体の助言
第5話 涼宮ハルヒの憂鬱Ⅴ ★ ハルヒの自分語り、閉鎖空間と神人、古泉の超能力
第6話 涼宮ハルヒの憂鬱Ⅵ ★★ 世界崩壊の危機、白雪姫 ※ED「冒険でしょでしょ?」
第7話 涼宮ハルヒの退屈 ★ 野球大会 ※ハルヒの上機嫌と不機嫌の行き来が割と○{/netabare}

 - - - - - - - - - - - OP「Super Driver」、ED「止マレ!」 - - - - - - - - - -
{netabare}
*第8話* 笹の葉ラプソディ ★★ 七夕、3年前の7月7日へ{/netabare}

 - - - - - - - OP「冒険でしょでしょ?」、ED「ハレ晴レユカイ」 - - - - - - -
{netabare}
第9話 ミステリックサイン ★ SOS団への悩み事相談、異次元空間のカナドーマ退治
第10話 孤島症候群(前編) ☆ SOS団夏合宿、孤島別荘密室殺人事件
第11話 孤島症候群(後編) ☆ 続き{/netabare}

 - - - - - - - - - - - OP「Super Driver」、ED「止マレ!」 - - - - - - - - - -
{netabare}
*第12話* エンドレスエイトⅠ ★ 8/17~8/31のSOS団の楽しい活動
*第13話* エンドレスエイトⅡ ★ 続き(不可思議な既視感、終わらない夏休み)
*第14話* エンドレスエイトⅢ ★ 続き 
*第15話* エンドレスエイトⅣ ★ 続き
*第16話* エンドレスエイトⅤ ☆ 続き ※流石に飽きてくる
*第17話* エンドレスエイトⅥ ☆ 続き
*第18話* エンドレスエイトⅦ ☆ 続き
*第19話* エンドレスエイトⅧ ★ 続き、ループからの離脱、秋学期開始
*第20話* 涼宮ハルヒの溜息Ⅰ ☆ 体育祭、文化祭の出し物決定、映画作り
*第21話* 涼宮ハルヒの溜息Ⅱ ★ 続き(配役決定、撮影開始)
*第22話* 涼宮ハルヒの溜息Ⅲ ★ 続き(みくるビーム・・・現実改変発生)
*第23話* 涼宮ハルヒの溜息Ⅳ ★ 続き(鶴屋家での撮影、キョンとハルヒの喧嘩、撮影再開)
*第24話* 涼宮ハルヒの溜息Ⅴ ★ 続き(撮影進行、映画完成){/netabare}

 - - - - - - - OP「冒険でしょでしょ?」、ED「ハレ晴レユカイ」 - - - - - - -
{netabare}
第25話 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 ★★ 上映会 ※挿入歌「恋のミクル伝説」
第26話 ライブアライブ ★★ 文化祭当日(軽音楽部ライブ出演)、翌日 ※挿入歌 「God knows...」 「Lost my music」
第27話 射手座の日 ★ 文化祭後の平和な日々、コンピ研との茶番バトル(長門の本気)
第28話 サムディ イン ザ レイン ★★ 木枯らしの季節、SOS団の平和な一日 ※長門の微細な変化の描写が◎{/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)6、★(良回)16、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3

※OP 「冒険でしょでしょ?」、ED 「ハレ晴レユカイ」 → 2006年に初めて放送された回
※OP「Super Driver」、「止マレ!」 → 2009年に初めて放送された回


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================ 劇場版 涼宮ハルヒの消失 (2010年2月) ==============

全1話 ★★ 4.6 {netabare}12月の異変の顛末(12/16~24){/netabare} ※2時間42分(=約7話分)

OP 「冒険でしょでしょ?」
ED(主題歌) 「優しい忘却」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

憂鬱の所在

初めて2009年版ハルヒを見てから、早4年の月日が経ちました。そして、2006年版を見てから2ヶ月、いよいよレビューを書くときがやって来ました。ハルヒが持つ、超個性的な魅力を感じていただければと思います。


◆ハルヒがヒットした理由◆

涼宮ハルヒの憂鬱と言えば、京アニ初期の大ヒット作品。当時を知らない者で大変恐縮ですが、この作品がヒットした理由を考察したいと思います。

ヒットの理由、その1。神がかった作画技術。

私は上述したように2009年版を先に視聴したのですが、初めてこの2006年版を見た時は「あれ?私は間違えて2009年版を見てるのかな?」と錯覚してしまいました。それほどまでに、絵がきれいです。もう10年くらい前の作品なのに、下手すると現在放送されている作品よりもクオリティーが高いくらいです。そう考えると、2006年当時では圧倒的だったと思います。

また、丁寧で細かく描かれているため、一つひとつの場面がとてもリアルに感じられます(特にあのライブシーン)。さすがの、変わらない京アニクオリティーです。

ヒットの理由、その2。個性豊かなヒロインたち。

これも京アニのお家芸ですが、3人の女の子キャラが個性的で魅力的なのもやっぱり大きい。見た目も中身も派手で、ワガママし放題の涼宮ハルヒ。おしとやかな性格とは裏腹に、大きな大きな二つの果実をもつ朝比奈みくる。無表情で無口だが、困ったときのおたすけマン長門有希。3人みんなが強力な個性を持っており、誰が押しメンなのかは、意見が分かれるところだと思います。

ちなみに、私は{netabare}ハルヒがお気に入りです。実際にいたらどう思うかは謎ですが、SOS団を、そして世界を良い意味でも悪い意味でも引っ張っていく彼女の姿は魅力的だと思います。あと、ハルヒも意外と○がでかい。(ここ重要){/netabare}

ヒットの理由、その3。独特の世界観。

この作品がヒットした3つ目の理由は、ちょっと小難しい世界設定にあると思います。ハルヒに対する捉え方も、宇宙人・未来人・超能力者、三者三様あって、そのどれもが一応の説得力を持っている。そして、それらも含めて視聴者にも独自に自由に考察する余地が多分にあったことに、多くのファンが深く心を奪われたのではないでしょうか。

ちなみに、私は{netabare}超能力者派で、「ハルヒは世界を作り変える神」理論を採用しています。まあ、そんなに深くは考察していないのですが。{/netabare}

ヒットの理由、その4。バラエティーに富む主題歌。

名作には名曲ありと言いますが(たぶん)、この作品はほんと名曲揃いです。王道のオープニング、「冒険でしょでしょ?」。THEアニソンのエンディング、「ハレ晴れユカイ」。そして、アニソンとは思えない挿入歌、「God knows…」。これだけ多彩な楽曲が揃っている作品は、とても珍しいと思います。また、曲はカッコイイしキャッチーな振り付けもあって、今も変わらずに人気を博しています。

ちなみに、私は{netabare}カラオケに行くと、ほぼ毎回「God knows…」を歌います。声出しにちょうどいいですし、曲も純粋にカッコイイのでとても重宝しています。(そして、PVのおまけもついてくる){/netabare}


◆この作品で伝えたかったこと◆

さて、これまでヒットの理由をいろいろと挙げてきましたが、実はそのどれもが一番の要因ではないと思います。

そう、私が考える最大のヒット要因は、『キョンやハルヒが、当時の視聴者の気持ちを代弁していた』ということです。

得てしてヒット作品というものは、その当時の「世相」といいますか、視聴者の状況や傾向を強く反映していると思います。

たとえば、最近でいえば「俺ガイル」。現代は一人でいることを好む若い人たちが増えていて、そこに焦点を当ててボッチが持つ強さやたくましさを面白おかしく描いたがために、この俺ガイルという作品はヒットした。そう言えると思います。

では、このハルヒでは。それは当時の人々が、日々のありふれた日常に「退屈」を感じ、その未来を思って「憂鬱」になっていたからではないでしょうか。(完全に私の憶測です)

だから、主人公のキョンやハルヒに強い「共感」を抱き、非現実的な世界の中で青春を送る彼らを「羨望」のまなざしで見ていたのでは、と思うのです。

では、この作品が視聴者の内なる気持ちを映し出しただけの作品なのかというと、そうではない。ちゃんと退屈や憂鬱から抜け出すための方法論を、視聴者に提示している。

それは、『ハルヒのように自分の力で世界を変える』ということ。

もちろん、ハルヒのように何でも自分が望んだように世界を変えることはできませんが、世界を変える「可能性」は人間誰しもが持っている。また、ハルヒが閉鎖空間を作らずに楽しい日々を過ごせたのは、キョンに出会い、SOS団を作り、キョンたち団員とともに過ごしていたからです。

だから私たちも、誰かと出会い、一歩前に踏み出すことによって、新たな世界を創造することができるのかもしれません。

SOS団。それが憂鬱を乗り越え、輝かしい青春を手にするための一つの方法論なのかもしれませんね。


◆それでも苦言を呈したい◆

ただ一点、腑に落ちないことがあります。それは、「放送された話の順番」です。

何かと問題のあるハルヒシリーズですが、この2006年版だと話が飛び飛びで、時系列のむちゃくちゃなストーリー構成になっています。私は最初に2009年版を視聴していたので問題なく見ることができましたが、原作も読んでいない人では、初見で理解するのは難しいのではないでしょうか。当時視聴していた人たちも、ついていけたのか少し疑問が残ります。

ただ、この演出自体はありなのかな、と私は思います。遊び心があって、いい意味で深夜アニメらしい。まあ今やって受け入れられるかについては、これまた疑問が残りますが。


◆まとめ◆

この涼宮ハルヒの憂鬱という作品は、「深夜アニメの王道」とも言える作品です。

学園での青春、小難しいSF設定、かわいい女の子たち、中毒性のある音楽など。これぞ深夜アニメという要素が詰まっていて、そしてそのすべてが見事に調和し合うことによって、完成された一つの世界を作り上げています。

間違いなく、「今見ても面白いか?」と聞かれても、自信を持って「面白い!」と言える名作です。

ぜひ唯一無二である「ハルヒの世界」を、味わってみていただけたらと思います。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 55

62.9 2 閉鎖空間でSFなアニメランキング2位
サクガン(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (202)
533人が棚に入れました
遠い未来。人類は岩盤に隔てられた「コロニー」で肩を寄せ合い生きていた。コロニーの外には危険な未開地帯「ラビリンス」が広がり、命を懸けて「ラビリンス」を開拓する者たちは、未開に印付ける者、すなわち「マーカー」と呼ばれた。 マーカーになりたい少女・メメンプー、マーカーをやめた男・ガガンバー。そんな凸凹な父娘が今、ラビリンスに挑む!

声優・キャラクター
天希かのん、東地宏樹、花澤香菜、豊永利行、緑川光、津田美波
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

「なぜ?」の嵐。原作は普通に完結してました。理由がわからない。

 本作はどうしてこうなったのか?があまりに気になって、エブリスタの小説版を読みました。

 比較的短い話なので、普通に1クールでアニメ化できる分量だと思うのですが、なぜ余計なものを入れて尻切れトンボにしたのかがものすごく不思議です。普通に展開していれば父娘ものとして、普通にいい話にできたと思うのですが。

 原作の舞台設定はOK。世界観も悪くありません。母の部分とメメンプーの見た夢の正体ははっきり言えばSFにはなっていません。設定倒れ、説明不足ですね。最後の方も実はこういう設定で…という伏線回収が甘いのでSF的なカタルシスは弱いです。

 ただ違う設定でもストーリーそのものは同じ展開でアニオリで作れたと思いますので、そこはアニメ制作陣が脚本を変えればいい話だと思います。ラビリンスの正体はちゃんと明示がありました。
 そしてアニメならではの、父娘の絆の映像を母を含めて作れて悪い話にはならないと思うのになぜ?という疑問がものすごいです。

 原作者は怒っていいのでは?というレベルでした。原作者も共犯で2期とか続編を考えたんでしょうか?うーん。わかりません。残念ながらそこまでの力がある作品ではないのはプロデューサーなら分かるでしょう?1期で丁寧につくれば、なかなかいい作品というレベルでした。

 モヤモヤしている人はWEBで82ページしかないので、すぐ読み終わります。「削岩ラビリンスマーカー」で検索すればエブリスタで読めるでしょう。アニメ制作陣が何を考えているのかますます理由がわからなくなると思います。

 アニメ版のストーリーは2→1.5に落とします。視聴者をどう考えているのでしょうか?





1話 原爆による火星のテラフォーミング?

SF心を大いに刺激されました。ので、考察をやりたいと思います。全然外れていたらごめんなさいですが、こういう話は大好物です。

{netabare}  途中のC12H16O+H2S という化学式が気になりました。宝石のようなものが3Dスキャナーに入っている場所をネットワーク経由で特定されたというニュアンスでした。
 そのときこの化学式が表示されて、ディテールの後にアドレスのようなものがありました。つまり怪獣に狙われたのはこの宝石だということでしょうか。

 H2Sは硫化水素です。そしてEDのテロップに公益法人環境科学技術研究所とありました。
 ただ、C12H16Oは同じ式の分子が多すぎてなんのことだかわかりません(毒性がありそうなのが多かったです)。
 
 塔の周囲が花畑になって一面の星空…なのでしょうか。流星が絶え間なくふっているなら地球の近くで天体が破壊して、その残骸が流星になっている?硫化水素は彗星の成分ですから、多分彗星?で、硫化水素が地表を覆った?その影響で地上に出られないというという感じ?(ただ、一般的には彗星の尾の毒性ぐらいでは生命に影響はないそうですが…)
 それを浄化する秘密をUROROPは知っている?
 UROROPは文字になんか秘密がありそうですが、それはいずれ。敵か味方かわかりません。

 作画はいいですね。父娘ものですが、作品の雰囲気から父はいずれ…という感じがしますね。
 設定はディストピアの定番ですので類似例の考察は後にします。

 そうそう怪獣に対してケーブルを狙えと言ってました。つまり、あれは人工物のロボット?

追記 いろいろチェックポイント
 公益財団法人 環境科学技術研究所は六ケ所村にある放射能の環境汚染の研究施設でした。という事は彗星ではなく原発事故?それでも筋は通りそうですね。(ただ、こういう考察はつまらないですね)

 uroropは女性で地図を作った人とのことでしたが…母?(追記 セリフからいってないですね)
 コロニー内の塔はなに?
 写真の中央の塔ですよね。地球でない可能性も…うーん。でもメメンプーが見ていたPCの写真だと滝とか鍾乳洞らしきところとか地球の地形なんですよね。
 ただ、何を掘っているかです。光ってました。エネルギー源…でしょうか。地球ではあまり思いつく物質はないと思いますが…。


再追記
 そういえば、思い出しました。火星のテラフォーミングで原子爆弾を爆発させるというのがありました。
 植物しかない地表と合わせて考えると火星の極の氷に核爆弾を投下して、水と二酸化炭素を広げて植物を使って酸素を作っている?これが一番面白そうな設定だし、写真との整合性もありそうですね。あとは流星ですが巻き上げられた土砂が流星になるものでしょうか。
 たしか鍾乳石が火星にあるかも、という話があったので、これの気がします。
 また、それにしては地表が澄み切っていました。後は次週にしましょう。


再々追記 完全に妄想ですが、次週と言いましたが、ちょっと思いつきました。

 火星の原爆によるテラフォーミング(ちなみにイーロンマスクで話題になりました)だけだと空気の量とか温室効果とか不十分だという説もありますので、だから写真の空は夜空ではなく、空気が薄くてレイリー散乱(アルドノアゼロ参照)がおきず青くないのでしょう。

 地球は環境悪化で住めなくなっていて移住してきた。そして、テラフォーミングまで地中社会を形成するために作ったロボットを投入した。ただ、制御するAIが人類が地表に出るとまた環境破壊を起こすので地面を掘るロボットで、人類が外に出ないよう分断している、あるいは地表に出るための最後のキーを握らせないようにしている。
(ここはグレンラガンや過去のAIものを連想した結果の完全な妄想です)

 写真の塔が装置、そして掘っている物質がエネルギーになっているのでは?
 その秘密が記載してあるのがあの宝石のような地図…に見せかけたなにかのキーで、C12H16O+H2Sという数式が関係している?…いや、考察というより妄想ですね。これくらいにします。{/netabare}

2話 面白すぎます。いくらでも語れそうです。

{netabare} オープニング映像でについてです。ラビリンス内と思われるところで鳥が飛んでいました。また、先週の映像でドームが壊れても気圧差があるような感じはないので、ラビリンスとドームとで環境に違いはあまりないのでしょう。また、ちょっと仮面をつけた敵の組織的な人物もいました。1話目のラジオの放送でテロリストといっていたので、AIではなくて思想集団が敵なのかもしれません。いややっぱり怪獣の正体がわかっていないなら、人類以上のオーバーテクノロジーが相手でないとおかしいですね。

 外にでた映像で、2人が外に出て塔の下にいたのがちょっと気になります。風も吹いていました。そういう映像は本作のどこかには出てくるのでしょう。イメージ映像?

 あとエンディングで出てきた白と青緑のボーダーのヒツジみたいな生物がすごくきになるんですが、なんなんでしょうか。

 本編です。怪獣は人工物でほぼあってる感じですね。ただし、2体目の怪獣についての出現の仕方はどこかに隠してあった感じですね。ケーブルの設定からいって、人類が開拓した場所ではないといけない感じでしょうか。

 ただしです。街やロボット、ゲートを制御している事務所みたいなところの感じと、ドームとか中央の塔のテクノロジーの感じにギャップがありますので、相当時間が経過して怪獣の来歴とか当初の人類の本当の目的を忘れているという設定かと思いました。

 その割に人種の混血が進んでいないということが気になります。これはメタ的にいってポリコレにしただけなのか、中国向けのマーケティング的なサービスなのか、物語上の時間の経過なのか。そのあたりはちょっと読み取れませんでした。ただ、作品として明確に街並みをかき分けていました。
(追記 ここは4話を考えるとアジア系のドームということでしょう。ピンインという音も中国語的でした)

 人種と歴史に関して気になるポイントは言葉です。役所のドキュメントは英文でした。内容は普通に申請者は権利をすべて失うとか埋葬されないとか、親の同意とかそんな文章で秘密はなさそうです。ロボットのインターフェイスも英語ですよね。ただ、採掘現場の文字は日本語なんですよね(「火気厳禁」は簡体字では「禁止点火」なので多分ですが)。そして街の看板は中華街ぽい感じです。欧州風の街並みもありました。どういう歴史があるんでしょうか。

 人種とか言葉とか、ここは考察のワナで裏設定の気がするのでスルーが良さそうですが、どうも本作の細かい映像表現を見ると考えたくなります。

「夏の名残という」セリフがありました。四季があるの?
 首になにか当てて処理してましたね。インプラント社会ということでしょうね。
 ガガンバが昔マーカーだったのは、ロボットの存在から言って自明でしたね。
 ラビリンスにもパイプが通っていますので、ラビリンスは人工物でだから怪獣がケーブルからエネルギーを取れるということでしょう。自然物だとしても少なくとも人の手が入っていそうです。
 最後にでてきたバイクに乗った女性がUROROPなんでしょうか?ルーファスという固有名詞もでていますが…。
{/netabare}


3話 今週は進みませんでした。

{netabare}  あの薔薇のような鉱物はばら輝石、ロードナイトという鉱物でしょうか。マンガン鉱床にあるそうです。火星の地表にマンガンは有るらしいですので火星説が強化されたかなあと。

 地下トンネルについてはスペースX、イーロンマスクが地下トンネル構想というのを発表していましたし、それとは別に火星の地下には大量の水が流れていたという説もありますので、ここもOKです。

 ただ、火星の地表の重力は地球の40%のはずなんですよね。ちょっとそこが気になりますか。
 火星説にこだわってるわけではないんですけどね。

 ストーリーは、親子喧嘩回でした。マーカーは慎重なのか大胆なのかちょっとセリフに矛盾がありましたが、どっちでしょう。
 それにしてもあのボーダーのヒツジが気になります。ロボット?電気ヒツジといえば…アンドロイドの夢ですが…。{/netabare}


4話 まあ、そういう回なんでしょう。早くSFに戻して。

{netabare} ローマのコロッセオの遺跡があっておやっ地球だった?と思いましたが、水路と言えばヴェネチア、ピサの斜塔はフィレンツェの辺りです。やっぱり旧イタリアそのままではないですね。まあ、地下なはずですし。前のコロニーが中華系だとしたら、そんなに近いはずもないですし。

 イタリアは路面電車が発達してますし、ティラミスといい男女ばっかりのバーといい、敵がマフィアですし。まあ、イタリア系の移民が作ったということでしょう。地図の上のほうにアルプスウォールという記述がありましたし。
 前のコロニーでカップ麺ばっかり食ってたのは、中国系だからということでしょうか。それにしても食糧生産はどうなってるのか気になるところです。

 少なくとももし移民だとしたら、各国または民族が分かれて植民したという歴史は感じられました。

 で、やっぱり街の中に、青い塔がありますね。テクノロジーを理解しているのかどうかがポイントになりそうです。

 ザクレットゥはメメンプー親子をマークしてましたし、それで近づいたので裏があるのは明確ですね。飽きれて表に出る振りをしてましたが、サングラスをわざわざ置いていましたから、つながりを残す意図があったのでしょう。 {/netabare}


5話 SF設定は秀逸。エピソードが…。

{netabare} やはりテクノロジー的には先史がありましたね。これは映像で隠そうともしていなかったのでいいでしょう。ただ、現在の科学水準からしてもオーバーテクノロジーですね。

 地球の可能性が捨てきれなくなりましたが、やっぱり印象は火星なんですよね。
 重力問題も解決できるかもしれません。ARIAかAQUAのマンガ版でありましたが、火星の人工重力の話がありました(パイプの中を光速に近い速度で物体を移動させることで相対論的に質量が無限に大きくなるから重力が生まれる…だったと思います)。
 同じ仕組みかわかりませんが、技術水準をかなり未来においていいなら問題なさそうです。

 途中でてきた写真です。たとえばアンデスコロニーといえば、地球の南米を連想しますが塩湖がひっかかります。火星には大量の塩水が過去あった証拠があるらしいです。氷河も砂漠も当然火星にはありますので、やっぱり、地球と火星に共通な自然を見せてミスリードしている気がします。

 とまあ、設定は非常に興味深いのですが、いやそれで修理できんのかよ…という感じはあります。エピソードとしての作りが残念なのがなあ…。{/netabare}

6話まで リバタリアニズム批判?少し政治の話をしましょうか…回ですね。

{netabare} リバタリアニズムの行きつく先は自由でなくポピュリズムと保護主義だった、みたいなギャグ的状況がトランプ政権の正体だとすると、そういったアメリカの状況を揶揄していたのでしょう。SFには政治的な思想をデフォルメする役割もあるので、悪いとはいいません。
 ギャンブルというのも、資本主義の象徴なようなところもあるのでいいとします。労働奉仕も利息の話も、ひょっとしたら資本主義に引っかけていたのかもしれません。

 支配層はリバタリアニズムやリベラルを唱えながらも、裏では保守に走ります。自分が儲けるための市場=世界市場が欲しいので、グローバリズムや自由貿易、自由競争を推進します。一見進歩的に見えますが、自由という言葉を利用して市場を拡大します。一方で自分たちの利権の仕組み=産業構造を変えない=保守的になります。WASP(白人、アングロサクソン、プロテスタント)は壁や保護貿易に反対します。
 そういったアメリカの状況をよく表しているといえばあらわしていました。

 しかし、本作についていえば、解決しているようで全然解決していないですよね。スキャンダルで失脚させるだけなら、別の誰かが同じことをやるだけです。
 
 思想的に民主主義と社会福祉は諸刃です。自由が悪だという考え方もでてきます。民衆が一番望む政治が実現するのは、人格者が独裁者になることです。ですが、これは必ず腐敗します。ヤンウエンリーが語っていますので、興味がある人は銀河英雄伝で。

 語りだすときりがないのでこれくらいにしますが、孤児院の復活=正義で解決ですという程度の底の浅さだったら、しっかりディストピアロストテクノロジーもののSFをやって欲しいです。

 SFについては、ちょっとマンホールのふたに5542671というナンバリングがされていたのがきになりました。これはメメンプーの持っている地図と関係あるのでしょうか? {/netabare}


7話 感情の起伏で話を作らないでほしい。あと、今回はつまらないです。

{netabare} 作画の使いまわしとストーリーも繰り返し…お金と人手を節約しちゃいましたか?SF的な要素もほぼありません。トンネルの地形が目新しかったくらいですけど、ずっと同じですし。

 メメンプーの過去の出来事の暗示でしょうが…しかし面白くないとなあ…あの怪人みたいな奴の目、メメンプーの母、ガガンバ―の怪我は過去なんでしょうか。それくらいですか。今回は。

 なお、ガガンバ―の言い方がきつかったかもしれませんが、今回はメメンプーに非があるでしょう。それと感情の起伏で話を回し過ぎ。もうちょっと理屈で話を作って欲しいかなあ。
{/netabare}

8話 うーん…なんといいますか…要る?その話…見てられなくなりそう…

{netabare}  ザクレットゥの行動というか心理が不自然すぎです。ヒューマンドラマは駄目ですね。前回の余計な酔っ払いの話からたまたま寄ったのが故郷?
 で、ガガンバ―はあれで助かって…でラストに何があったかも明かされないし…。なんなんでしょう。ストーリーとしてはちょっと見てられなくなってきました。
 SF的な興味のみですね。ここのドームはスケール感が小さいなあくらいですが、考察の集中力が無くなってきました。これだけ余計な話が続くと、SFの深さも期待がもてなくなりつつあります。{/netabare}

9話 もう少しの我慢だ、と言い聞かせて見ています。

{netabare} 気候が亜熱帯になるくらいの距離を移動していたということなんですかね。あとスコールがあるというのは、トンネル内の環境下における現象なのか外とも関係あるのか…天井から降り注ぐ光が自然光なのか太陽光なのか。

 で、ドーム内のあの塔についての何かがありました。次の子供…とは?エネルギー源で何かあるのでしょうか。今回もあまり面白くはないですが、次回は話の展開がありそうでした。

 まあ、もう少しの我慢です。最後数話だと思います。是非SF的な展開をお願いします。{/netabare}

10話 いや説明じゃなくて物語でみせてよ…

{netabare} あれだけダラダラストーリ-停滞させて、世界観を一気に映画で説明するって…どうなっているんでしょう。テーマ性はストーリーで読み取るからアニメで見る意味があると思うのですが…
 環境問題またはシステム維持に関する哲学なのか思想なのかの議論がありました。これが語りたい事ならテーマとしては大いに結構なのです。だったら物語の出来事を通じて環境やシステムの設定や問題を見せるなど、物語の本筋そのものにしてほしいですね。6話から9話。何をやっていたんでしょう?

 そして父性あるいは父親の振舞い、親子愛の話もありますが、ガガンバ―が感情的すぎてちょっと辛いです。

 さて、そうは言っても展開し始めました。プリンセスという名の権威があって、エネルギー源の供給に関して暗躍している組織があった。そして、バランスの上に成り立ってる現人類社会の環境を組織を保守的に維持しようとしている。破綻が目の前に来ているのでしょう。人類の希望が最終回に明かされるのでしょう。それは結構楽しみです。

 虹の子って?遺伝子操作でもでてきますかね?そして、やっと怪獣が登場…と思ったら…それだけ?
 あと、羊っておもったよりもSF的な話に絡まない?

 で次回予告。スピードグラファーみたいの来ましたね。ここにきていきなりでてきたプリンセスです。伏線がないとんでも設定でケリをつけるのだけはご勘弁を。
{/netabare}

11話 映画が好きなんですね。SFか冒険譚か…なんなのでしょう?

{netabare}「ローマの休日」のノブレスオブリージュに「死ぬまでにしたい10のこと」を組み合わせた感じですね。歌ってるシーンは「フィフスエレメント」?まあ、映画好きな人が脚本を書いたのでしょう。
 当然なんらかの感動をねらったのでしょうが、いや11話でこれかよという感じです。話進んだの最後の1分だけだし。

 テーマとしては義務からの解放と責任なんでしょうけど、違和感があるのはローマの休日は王女という身分に縛られていましたが、こちらは「歌姫」というクリエータ、表現者という才能に縛られているわけです。ここが、イヤイヤやっている表現者って?と思いました。

 超1流の歌姫なのに努力抜きでここまで来たということ?やっぱり歌が好きじゃないと無理だと思います。たった1日だけ息抜きに抜け出したい、歌は大好きだけど、大好きな自分を忘れてしまっていてそれを再発見する1日なら意味がわかります。

 上流階級で抑圧されていたという理由と絵のエピソードを入れてしまったので、ここが曖昧になってしまいました。筋が通っているようでテーマ性と人間の心理を無視していると思います。歌は大好きという部分をもっと入れるべきでした。

 それにしても…ひょっとして冒険譚だった?〇〇の国…って魔女の旅々みたいですけど。だとしたら中途半端過ぎますね。あと1、2話ですかね。最後まで付き合いますけど…最後にうれしいセンスオブワンダーを見せてもらいたいなあ。{/netabare}


12話 設定にはSF魂を感じたんですけど…なぜこうなった?

{netabare} 1話2話は良作の予感がしたんですけどね。続きって言われてもなあ…

{netabare}  親子のバディもの、メメンプーの出自やガガンバの過去に何かがあるという設定ですが、やり散らかしても厳しいですよね。親子の絆というテーマなんでしょうが、気合いだけなんですよね。無条件の愛情なんですけど脳筋すぎてストーリーが上滑りというか…

 因縁も内面も浅いので、少なくともヒューマンドラマには見えないですね。

 現在の地球の各国の価値観をデフォルメしたロードムービーという見方もちょっとできますが、コロニーの内情を描いたのは数話です。ディストピアというには絶望感も退廃感もないです。

 母を訪ねて?にして母がクローズアップされません。映像でそれらしき人はいましたが。

 虹の子って、遺伝子改変で新しい世界に対応できる新人類?ドームから外に出られるような体質になって地底ではなく地表で生きられる…ということなんでしょうか。そのためにコロニーの人たちが犠牲になる、みたいな。死人の役割はそれを阻止すること?

 とにかく、12話で余計な話が半分以上ありました。実はあまりに納得いかないのでさっきエブリスタで原作を読んだんですけど、アニメ版になって設定をかなり加えているようですね。そして、エピソードはある程度なぞっていますが、肝心の本筋がズレています。だったら、アニメの制作陣は責任とって欲しいです。本当にENDではないということで、いいんですよね?{/netabare}

 考察をしようと思って気合いをいれてスタートしただけに残念としか言いようがありません。ただ、1話2話の作り込み、設定を見る限りSF魂は感じたんですけどね。なぜ、こうなったんでしょうか。よくわかりませんでした。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

大迷走作品

1~3話はそこそこでそこから急降下したアニメ

{netabare}
1話時点ではマーカーになって地下世界を旅するという目標が示され、そののち怪獣が登場しロボを使ってそれを打倒する...という感じで始まった本作。
当然その後もそのような話を期待するが、4話以降は全く別のアニメになるという謎作品だった。

この設定なら未開拓地をロボに乗って旅する話を期待するだろうに、なぜか人の住むコロニーをひたすら回っていくというキノの旅みたいな話に迷走していく。そうかと思えば今度はルパン三世みたいな話が始まったりととにかく滅茶苦茶。
そのせいで冒険している感が全くなく、ただの旅アニメかのようになってる。
こういうのやるなら地下世界設定もマーカー設定も全く持って必要ない、ただの旅人でいい。

その後もゲロを吐くだけの回とかクソつまらない回をたくさん挟んだ後、色んな仲間と合流し、また別のコロニーをめぐり...と全く期待してない話が次々と展開されて行く。
そして最終的には何もかも回収せずにすべてぶん投げて終わる(二期想定だろうけど)
ほんとに酷い作品だった。

キャラはガガンバとメメンプの親子(実際は違うらしいけど)の絆の話を3回ぐらい挟むというくどさ。もういいってってなる。
その割に他のキャラの扱いはかなり雑で全く印象に残らないという。
そんな状態で急にザグレットゥとガガンバの対立とかやられても全く共感できないし意味が分からない。
11話で、最終回に関係ない新キャラを出したのも正気か?って感じ。

怪獣も一話キリ全然出てこないって言うね。
ほんとに何がしたかったんだこの作品、作者のやりたいことを詰め込んだだけに感じる。

世界観の設定も雑でこんな世界なのに将棋とか日本の文化が存在したり、草木の名前が日本語だったり、カップヌードルがあったり、空気感作りもかなり雑

ノリも寒すぎる。ゲロ・薬草回はほんとに地獄。
下品な酔っ払いシーンとか吐くシーンがくっそ多かったけど作者はゲロフェチでも持ってるのか?

ほんとにいいところが一つもない作品でした。
2期いらないです。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
地下世界? 大人げない父だなw
何アニメなのか読めねえ。父死亡フラグ経ちすぎw
えぇ...この子が死んじゃうんか。
よくわからん、様子見

2話 ☆6
一話から立ち直りすぎじゃない?
ちょっとノリがきつい。サクガンって削岩かよw
戦術がしっかりとあるのが面白いな。

3話 ☆6
旅なのか。どうしてもこのノリが好きになれない。
上が崩れそうだったりマジでやばそうなときはしっかりとメメンプを守る父
メメンプ自分勝手すぎるw 父も大変だな。
叱責ぐらいしたらどう?

4話 ☆4
メメンプもつかまってるの?
これ地上どうなってるんだろうなぁ。
父浮気しようとすんな。
妻死んだとかじゃなくて出ていったのかよw 
何アニメなんだこれ?

5話 ☆3
地下なのに森があるの?
やっぱりなんか思ってたのと違う。
何で将棋がここにあるかなぁ。

6話
これなら地下世界設定もマーカー設定もいらないよね。
1話2話とは全く別のアニメのようなものが展開されて行く...
キノの旅見てたっけ?
やりたいことを詰め込みまくっただけの脚本。
孤児院を閉鎖する理由も意味不明よく通ったな
これが境界戦機ですか。
パン盗む方が悪いじゃん。
自分勝手に暴れているようにしか見えない。

7話 ☆2
迷走アニメ 
いや待て何でこの女もついてきてんだよw
都合よくあるっていう...。
なんだよこのだるい流れ。つまんね。
このアニメそもそもノリが合わん。
このしょーもない草の話で何分尺潰しとんねん。
またキノの旅始まりそう。
この夢パートだけは面白くなりそうな雰囲気が出てる。
ゲロ回やめてくれ、何回吐いてんねん。
ガガンバが死ぬ夢なのにあの場所にガガンバと行こうと思うの不自然すぎないか。
ここであいつに登場させるのちょっと展開下手じゃないか。
まさかもう回収されたりはしないよね。

8話 ☆1
このアニメいつ面白くなるんですか。
もうキャラが嫌いになってしまってるからきついところがあるんだよね。
何回酔っ払いシーンやるんだよ。
これきついんだよ。来た事あるところなのかよ。
これじゃ冒険じゃなくて旅行じゃんw
いや草、もうあの場所にたどり着いてるのかよww
睡眠薬飲ませる意味ある?糞展開すぎる。
どうせ茶番劇なんでしょ?この誘拐。
寒すぎる。いやガチ裏切りなのかよw
こいつに印象全くないから意外性が何もないよこの展開。
人質使えやw 反動無し射撃
ルーファスがだれかわからんから全く面白くない。
ザクレットゥとの対立もルーファスのことも唐突すぎる。
ここまで白ける感動シーンも珍しい。声優の演技は評価する。
普通に許されるのも草。
からのただでさえ尺足りないし別にかわいいキャラもいないのに水着回と言う地獄。クソアニメ

9話 ☆0
クソアニメの時間。旅終わるの?
普通に仲仲直りしてるって言うなw
いやほんとになんでだよ。水着回とかいう悪しき風潮。
てか、あの塔向かうとやばいかもしれないのになんであそこ行こうとしてるの。
ほんとこのアニメ汚い、作者ゲロフェチだったりする?
地下世界なのになんでネットあるんですかね...。
てか太陽ってどうなってんの。キャラが寒い。
又怪獣と戦えよどうなってんだよほんと。
辿り着いたら父死ぬかもしれないのに?w
カップヌードルにパパイヤって...。
もっとこの世界特有の何かにしろよ。
いや救助来るのかよここw
ほんと冒険してる感が微塵もないんだよ。
親子じゃなくて相棒ってのも気持ち悪いわ。
あいつ遠くの国にいたはずだが何で再登場。
マブラヴとこれどっちが酷いか。

10話 ☆4
激寒アニメ。怪獣もっと出せや。
キャラがほんと子供っぽい。
死人とかここまで逢ってすらないのに解説しちゃうって言う無能脚本。
いきなり喧嘩し始めて草。
この白髪唐突に性格悪くなるじゃんw
感動展開のはずが全然感動できねえ。ムーロ可愛い。
怪獣くんやっと再登場w
最後のあのメローロの展開必要ある?

11話 ☆1
なんで攫われたってそんな実況風に言うんだよ。
もっとまじめにニュースやれよ。
又ルパン三世か...。これ子供向けアニメ? 
この話に全く興味が持てない。
今やる話か?これ 何で最終話手前で脱線してるの。
てか子供が誘拐犯だって普通に考えておかしいだろw  
気づけよ。死ぬほど退屈。ブルーピリオド。
逃げろってなんだよ。なにこれ。
ほんとにやりたいことを詰め込んだだけの脚本だな。

12話 ☆2
娘じゃなくてもいいだろ。11話でキャラ出す意味あった?
この物語、ガガンバとメメンプ以外必要ないんだよね。
虹の子ってなんだよ。
父の演技だけよくてそれっぽいっていう。
しばらく預けておこうw いやなんでだよwww 
思い出したかのような削岩。
2期くるんかなこれ。糞つまらんからいないけど。
ルパンごっこやめろって。

曲評価(好み)
OP「恍惚ラビリンス」☆6
ED「Shine」☆9
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

2話までの感想{netabare}
このテの世界、そしてマーカーという危険を伴う職業が…あくまで先入観では底辺労働者(貧困者)がやるものかと思ったら、どうやらそうでもないらしい。
鉱石掘削(ワーカー)とマーカーは別モンで、後者は高給取り?
スーツ姿の管理職的な連中(安全な生活をしてそう)が居たり、富裕層の居住区的なモノが出たせいで余計に混乱する。
なによりメメンプーが9歳で大卒という天才設定で、そんな逸材が危険な作業に従事してるのを周囲の大人が放っておいているのが不思議。
もっと言えばメメはピンインコロニーという狭い世界内では超有名人だと思ったのだが、2話のゲートの管理人は全く知らなかった模様…9歳で大卒はウソなのか、この世界ではよくあることなのか?
閉鎖空間・その中で生まれ育った天才児設定にしたいならそれに伴う波及部分ももうちょっと練って欲しい。
とりあえずメメは安全性の高い研究所で探知機の開発をしてるくらいが丁度良いと思う(「それの実地テストで現場に来た時に事件が~」って展開でいいのでは?)…現地に赴いて指揮しなきゃならない様な逼迫した世界って感じでもない。

と、まぁそれはいいんだ、ひょっとしたら「これってどういうことだろう?」と視聴者に興味を引かせるためのフックなのかも知れない。
ただ、それとはまた別のアプローチで「ん?」と思うことが…。

キャラが妙に心情を吐露する、「このキャラはどう思ってるのか」をセリフで全部説明する。
「こう考えてこう行動してるんですよ」というのをこれでもかと口頭で解説する。
う~ん、これって…。
私は他の作品の感想、特になろう系で「キャラが空虚で自我が無い」「キャラが書き割れ」みたいなことを何度か書いて来たのだけど──別にスタッフがそれを見たとは言わんが、所詮私の感想如き同じ様に思った人は他にもいくらでも居るだろう──そいつらに向けてのあてつけの様。
けど、なんか…全部言葉で説明されると、これはこれで深みが無いような…。

特に、ガガがメメのことをどう想ってるのか、メメはガガをどう想ってるのか、そこら辺なんてわざわざ言わんでもいいでしょう。
こういうのって口に出さずに話数をかけて態度で見せる部分じゃない?
と思ったりもしたんだけど…けど、これもなぁ…キャラ同士の関係性の説明はとっとと済まそうという狙いなの、かも?
それ以上に描きたいものがあって、それを1クールに収めるには仕方無い選択だったのかも?とも思えたり。

ということで、以上の2点(この世界に住む人間達の生活水準の違い、どこまで心情を台詞で説明するのか)に注目して見続けようか、と思ったのが2話までの感想。{/netabare}

5話までの感想{netabare}
3話、予定調和。
相変わらず心情を口で説明するのが多い。
それよりも、メメが地下水脈?に飛び込んだ先で遭難したマーカーの遺骨を見つけてってシーンがあるんだけど…ドクロの作画やべぇ。
頭部と顎で2パーツなところが一体成形になっててスピグラの蟹を彷彿とさせる。
その前のシーン、落下して地表を滑るところもおかしかった(後ろ髪が進行方向)んだけど、だ、大丈夫か?

4&5話、なんか中国アニメを見てるような感じ。
1話の舞台がピンインだったからってことではなく、ノリというか理屈の繋げ方が…。
4話、ガガがメメとザクレットゥを逃がしてマフィアに捕まり、そこへ一端逃げおおせたザクレが助けに来るんだが、その際金銭を要求されるというのはなかなかに不条理。
まぁお尋ね者だしガガと因縁を繋ぐための方便かも知れないのでそこはいいとしても、助けに来た瞬間ガガはメメを心配しろよ。
そしてひと段落したら約束の金銭を要求されるガガを見てメメが怒るのだが…怒る相手そっちじゃなくね?
つーか借金はマフィアに包囲された時ザクレのバイクで駆けつけて助けたことでチャラなんじゃね?
この全く釣り合わない約束っぷりを平然とやっちゃうのは…中華の香り。
5話もそうで、人を騙して安くコキ使うのが美徳みたいな感じで、なかなかに…う~ん…。

そういやサテライト+中華といえばパンドーラで、そこはかとなくそれと同じ雰囲気を感じる。
そん時のツテだか開拓したシェア(あるのか?)拡充とかで作品に影響出てる?

それはそうと5話冒頭、森に生える樹木の紹介がウバメガシ・コルクガシ・ピスタチオ・オリーブで…何故このラインナップ?
何か意味はあるのか、ただ思いついたのを並べただけなのか。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
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