SFアニメOVAランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメOVAのSF成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月06日の時点で一番のSFアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.3 1 SFアニメランキング1位
planetarian ~ちいさなほしのゆめ~(Webアニメ)

2016年7月7日
★★★★☆ 3.8 (517)
2400人が棚に入れました
世界大戦後の降りやまない雨の世界。細菌兵器の影響で、人々に見捨てられた最も危険な街【封印都市】。その、デパートのプラネタリウムに、ロボットの少女がいた。彼女の名前は“ほしのゆめみ"。彼女はプラネタリウムの解説員で、1年間にたった7日間しか稼働することができない壊れかけのロボットだった。そこで彼女は、30年間いつか誰かが訪れることを信じて、1人誰もいないこの世界で待ち続けた。そして、30年目の目覚めたその日に、彼女の前に1人の男が現れた。「おめでとうございますっ! あなたはちょうど、250万人目のお客様です!」突如現れたロボットに警戒する男・“屑屋"。貴重物資を回収することを生業とする彼は、【封印都市】に潜入中、都市を徘徊する戦闘機械(メンシェン・イェーガー)の襲撃にあい、このプラネタリウムに迷い込んだのだった。「プラネタリウムはいかがでしょう。 どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき……。 満天の星々がみなさまをお待ちしています」星すら見えなくなった滅びゆくこの世界で、彼はそこで何を見るのか。1年で7日間しか稼働できないロボットの少女が、目覚めたまさにその日に訪れた偶然。そこで起こった奇跡とは――。

声優・キャラクター
すずきけいこ、小野大輔、櫛田泰道、滝知史、佐藤利奈、篠塚勝、福沙奈恵、日笠陽子、津田美波、石上静香、桑原由気、竹口安芸子、大木民夫

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

壊れているのは誰であったか? 壊れてしまったのは何であったか?

planetarian
プラネタリウム内で星空について解説を行う人を表す言葉
プラネタリウム解説員、星空解説者等とも称される。

ゲームが発売されてプレイした当時、私は初めてこの言葉とその意味を知りました。
一介のplanetarianであるほしのゆめみが願った事
その願いの行き着く先に何があるのか…
それが気になってしまった時点で、私はこのゲームの虜になっていたのでしょう。
物語を進める手が止まらず、最後に一息付いてしまう程、夢中で読んでいたあの時の事は未だに覚えています。

それから、満を持して配信された今作『planetarian~ちいさなほしのゆめ~』
ゆめみちゃんが動いてる!!
屑屋に絵が付いてる!!
と、最初はファン的思考で存分に盛り上がったのですが、観ていく内にプレイした当時の感性が見事に甦って参りました。
1番危険なのはロボットに出会った時と肝に銘じていても、心動かされずにはいられない、屑屋の人間的心理
人間の忠実な僕として全うする事に生涯を捧げた、ほしのゆめみのロボット的心理
対極的な存在の1人と1機が出会って、心移りしていく人間といつもと変わらないロボットの対比が最初はとても悲しかった…
しかし、その感覚にコペルニクス的転回が生じるのは、話も中盤に差し掛かってからの事
ゆめみちゃんは決して変わらない。
こちらがどんなにその日その時の気分で相手にしても、彼女はいつも穏やかで心優しく、人間の為に尽くそうとしている。
変わらない存在と言うのは、確かに私達人間からするなら、「気味が悪い」「悲しい」等の気持ちに陥る事もあるかもしれません。
しかし、死んでしまいたいと思ってしまう程、嫌な事があっても、もう続けていられないと感じる程、苦しい事があっても…
花菱デパート屋上プラネタリウム館に行けば、必ずそこに彼女がいる…
決して変わる事のない、同様の明るい笑顔で私達を出迎えてくれる…
変わらない存在と言うのは、人間にとってはネガティブ要素も含んでいる物です。
しかし、同時にそれは、どこかホッと心安らぐ存在でもあるのではないでしょうか?
最終話のあのシーンで私はどこか、そんな感傷に陥ってしまいました。
彼女の「思い出」がたくさん詰まった振り返り描写
彼女が1人の人間のように感じられたあの描写
ゆめみちゃんの全てでは無いにせよ、送ってきた日々に触れ、そこで分かる、彼女のずっと変わっていない優しさの結果
それは人間に愛され、感謝される彼女の姿
あそこで嘘ではない、穢れていない「真の感情」が私に届いたのかもしれません。
大変、感無量と言える作品でした…

そして劇場版の『planetarian~星の人~』
この映画は総集編+αと言った感じで、総集編部分は配信アニメと異なった演出、作画こそ成されていながらも、ストーリー展開は実質同じ
既存映像7割、新規映像3割で構成された映画です。
新しい映像がそれだけと言う事に、行く気のしない人も、もしかしたらいるかもしれません。
しかし、断言します。
その3割の映像を観る為だけに、映画館へ赴く価値は十分にあると!!
近くにいてくれる誰かは現在、存在しない。
独りで世界中を旅し、世界の美しさを語ってきた星の人にとって、誰かと共に生きた思い出は大変貴重な物
孤独と向き合った彼の心の支えとなった唯一の物が、彼女との過去であり、約束だった。
ゆめみちゃんの様に「思い出」を記録する事なんて、人間には出来ない。
しかし、大切な記憶だけを取捨選択して留めておく事は出来る。
それが星の人にとっては彼女との「思い出」であり、「約束」だったのです。
誰かが傍にいるのが当たり前でない社会だからこそ、世界凶変で狂った世界だからこそ、それは前に進む原動力となる。
そして、その小さな力が1つの系譜を紡いでいく…
自分自身の為に、3人の子供達の為に、そして彼女の為にやった事が報われていった展開には終始、涙が止まりませんでした…
屑屋改め星屋の彼が贈る物語、とても心に沁み渡る物だったと感じます。

思えば、初めてこの作品に触れた時から約10年の月日が経ちました。
当時、アニメ化決定の朗報を聞いた時は嬉しく思うと同時に、ある1つの疑問が湧いてきた物です。
「何故、今更このマイナーな作品をアニメにするんだろう…?」
私の様なゲーム時代を知る物からしたらビッグニュースでしたが、あまりに驚きすぎてそういった不思議感覚で埋め尽くされるのも致し方ない事
確か、その時はアニメをやる球が無くなってきたからだろう…と言う、如何にもネガティブな理由で思考を中断したのです。
しかし、劇場版まで見終えてようやく「現在」「この時代だからこそ」アニメにした理由が分かりました。
作中で繰り広げられている世界は、私達が生きている世界の「現在」であり、「未来」なのですね……
現代世界に生きる私達も主人公である彼と同じ
今の私達は屑屋であり、星の人であり、planetarian(惑い人)なのかもしれません。

今作を振り返って観て、改めて私は思います。
本当に壊れているのは、誰なのか…
本当に壊れてしまったのは、何なのか…
自分でそう豪語するゆめみちゃんでしょうか?
汚い事をしていかないと生きていけないと語る屑屋でしょうか?
人類全体、ロボット全体、それとも作中の世界でしょうか?
もしかすると、誰も、何も壊れていないのかもしれません。
この『planetarian』と言う作品を見終わった方はそれぞれ、特有の想いがあるかと思います。
その想った事、考えた事をどうか、決して無駄にしないで欲しい。
過去の「思い出」として置いておくのではなく、星の人の様に現在まで続く「記憶」として生き続けて欲しい…
偉そうな事は言えない私が、観た方に贈るたった1つの「願い」です。
このアニメと映画、共に私の胸に永久に留まり続ける作品となるでしょう。

最高のアニメをありがとうございました…

PS.
映画館へ行ったならパンフレットは必須!!
また、ドラマCDを聴くか、小説版を読むかで詳しい描写、ゆめみちゃんのお仕事記録、教会にあったロボットの意味、そして星の人以降の話が楽しめます!!
興味のある方は是非…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ゆめみのこころ

プロローグ(公式サイトより)
{netabare}
舞台は近未来。
全地球規模の人口超過と宇宙開拓の破綻が原因で、30年前に世界大戦が勃発。人口は激減し、厚い雲で覆われた地表では、止むことの無い雨が降り続いていた。

そんな世界にある自律型戦闘マシンが跋扈する危険な都市を、一人の男が訪れた。そして、身を隠すために侵入したビルの中で、ある施設を発見する。
プラネタリウム──昔、満天の星々を眺め人々が心を癒やした空間。そこで彼を一人の少女が迎えてくれた。
少女の名は「ゆめみ」。30年もの間、訪れる人が誰もなかったプラネタリウムで、客を待ち続けていた解説員ロボットだった。

彼は「ゆめみ」に乞われるまま、動かなくなってしまった投影機を直すために、時を忘れて修理を続ける。降り続く雨のなか、静かに流れていく「ゆめみ」と彼の日々…。

遠い郷愁のような毎日が彼の心を揺り動かす。人工の星空に、彼は何を想うのか?
そして「ゆめみ」の運命は──?
{/netabare}

感想 (ネタバレを多量に含みます)
{netabare}
【導入~屑屋の主人公はゆめみと出会い、プラネタリウムを修理する】
屑屋と聞いて、「井戸の茶碗」が頭によぎりました。まあ全く関係ないんですが。

さて、ほしのゆめみについて。

まず、ロボットと人間、そのズレ。主人公との会話中にもそのマニュアル的な対応が目に付き、感情表現はありますが、人を疑うということを知らない。そうすることはプログラムには無い。人のために作られて、決して人に危害を与えない過去の遺物は主人公にどう映ったのでしょう。

「はい、少しだけ壊れています」この言葉はガラクタの花束を主人公に渡した時の言葉です。確かにガラクタを渡したり、同じことを繰り返したり、壊れているように見えます。ですが、彼女が自分を壊れているとしたのは、それが理由ではなかった。

次に屑屋の主人公

性格は現実的で、余裕が無い感じ。
導入部分ではゆめみに対して、ロボットだからしょうがないか、どうせ理解できないだろうという感じです。
そんな主人公が、なぜかプラネタリウムを修理し始めます。

【プラネタリウムは直り、ゆめみは星空の世界への案内を始める】

主人公はゆめみとのやりとりで少しずつゆめみの事が分かり始めます。

少しずつ主人公はゆめみに対しての考え方が変わっていく。

館長たちは旅行に行って帰ってこないのだと信じるゆめみに、イラつきを覚える。
どうしてでしょうか。廃墟と化した都市に人が戻ってくることは無いと主人公は知っています。ゆめみがどんなに人間の帰りを待っていた所で、無意味になってしまうし、館長たちは捨てていったのに、こんなにも帰りを待っていることに、それはおかしいと怒りのようなものが沸いたのでしょうか。

ロボットは与えられた業務をこなすだけだと分かっているはずなのに。

一度は直ったプラネタリウムでしたが途中で電力の消失により、力尽き、ゆめみの案内を頼りに主人公は星を思い浮かべます。明瞭で、とても楽しい時間が流れます。

「神様、天国を二つに分けないでください」
ゆめみの願い事は死後の世界があるなら、ロボットと人が一緒になって、また私は、人のために働きたい、そう願っています。ゆめみは本当に人が好きなんだなと思えます

【廃墟の都市からゆめみを連れ出そうとするが、道中でゆめみは壊れてしまう】

一度はゆめみをおいて、廃墟の都市を抜け出そうとします。ですが、この廃墟の町で彼女を置いてきぼりにしていいのか?ゆめみがここにいても、客はもう二度と来ないだろう。彼女にまたプラネタリウムを案内させたい。

それくらい、主人公はゆめみに情が沸いてしまいました。

主人公はゆめみを連れ出します。どんなにゆめみが歩みが遅かろうと、その歩調に合わせて共に歩きます。

そして道中に、戦闘ロボットが現れます。主人公はゆめみを隠し、ロボットに戦いを挑みます。その最中、この都市を抜けた後、ゆめみとどう生きていくかを考えます。それは、とても楽しそうなゆめみとの将来です。

主人公は一旦は首尾よくロボットを破壊しましたが反撃により足をやられてしまいます。そして、戦闘ロボットに近づくゆめみ。戦闘ロボットがゆめみに気を取られた一瞬に、主人公は戦闘ロボットを破壊します。
どうして隠れていなかったかと問われるとゆめみは
「私達ロボットは人の幸せに作られていて、彼(戦闘ロボット)もほんとうはあんなことしたくなかったはずです」

ここでちょっと泣きたくなりました。ロボットは人の幸せのためにつくられている、そのルールから、そうプログラムされているだけだったとしても、ゆめみはロボットの心を思いやった。それは、ロボットとして必要なことなのか?
このとき、ゆめみのなかに「こころ」があるような気持ちになりました。

ゆめみは無くなっていく時間の中、走馬灯のように、来店したお客様を思い浮かべます。それは、プラネタリウムを見た人たちとの思い出。人が幸せそうにゆめみに話しかけている、楽しそうな思い出。

ゆめみは自分のプログラムが壊れているから、もう人は戻って来ないという結論を出しているんだと、思っていました。プログラムを否定する、人を好きというプログラム。それは、本当にプログラムなのだろうか?心なんじゃないだろうか。

ゆめみは嬉しいはずなのに、泣く機能があったら泣いているでしょうと言います。
心があるのだとするなら、別れに対して、心が泣いているんだと、そう思いました。

{/netabare}

長文を読んでいただきありがとうございました。とてもいいアニメでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

壊れてしまった世界の中で心を探す二人の物語

もしかしたら、そう遠くない未来の世界のお話。廃墟の中で出会った青年とロボットが心を取り戻し、見つけていく物語。主人公は名も無い※1屑屋の青年。人々から見捨てられた場所「封印都市」でロボット"ほしのゆめみ"と出会います。

ゆめみさんはプラネタリウムのアナウンスロボットという事もあって、他作品で描かれるロボット-人間と比べなんら遜色の無い、あるいはそれよりも様々な面で勝っている万能ロボット-と比べて性能があまり高くない様です。歩く事に関しても、基本的にプラネタリウムから外に出ず、平らな床のみを歩く事を想定して作られているらしく、段差などがあるとすぐに転んでしまいます。(でも階段は下りられる。瓦礫とかが苦手。)他の運動能力も人間の水準よりは劣る様に見え、私達のいる現代のロボットの延長上にあるかも知れない、未来のロボットという印象を残します。

また、ゆめみさんは、それほど高度なものではないものの、AIを搭載しているらしく、経験によってちょっとずつ学習でき、意思や感情の芽生えとも取れる成長の兆しも見受けられます。そんななので私は赤ちゃんを見守っている様な目で、ゆめみさんを応援したくなる気持ちになってしまいました。

屑屋の青年との邂逅を経て、時間をかけてゆっくりと変化するゆめみさんの一挙手一投足は繊細で愛おしい。登場時では、本当に、本当に、本当に語彙の乏しかったゆめみさんも、経験を積むにつれ、選ぶ言葉にも変化が表れ、他者に対する思いやりもプログラムされた一方通行なものではなく、柔軟な形に変化していっている様子が見受けられました。生身の人間にしたってすぐには変われないもの‥。あるきっかけを境に劇的な成長を遂げるドラマチックな描写も作品によっては楽しいものですが、人が、ロボットが、一歩一歩着実に成長する姿や、3歩進んで2歩下がる成長の軌跡を見守るのも私は好きです。多分わたしは酔っているのだと思います。

ゆめみさんの持つ穏やかで優しげな物腰は予めプログラムされたものを規範としている様ですが、スリープ前にゆめみさんに優しくしてくれた館長さんたちからの影響も少なからず受けている様に思えました。

屑屋の青年については、初対面のゆめみさんに銃を向けたり、ゆめみさんの"イエナさんです"という言葉を聞いただけで、恐れ身構えたりするなど、※2数々の死線を潜り抜け、神経過敏になっているぴりぴりとした心情が見て取れました。荒廃した「封印都市」で生き残る為に身に付けた必然の反応だったのかも知れませんが、よく言えば警戒心が強く抜け目が無く、悪く言えば人を信用出来ず、怖がりである人の特徴であるとも言えます。ゆめみさんだけでなく彼の成長も同じく、温かな目で見守って行きたい気持ちになれました。いつかその険しい顔つきが、笑顔に変わる日が来る事を願いたい。

表題が暗示する美しいプラネタリウムの描写、朽ち果てた都市の残骸の描写、作中音楽として流れた、いつくしみふかき{netabare}と最終話の星めぐりの歌{/netabare}など、世界観の表現も儚くも美しく感じられ素晴らしかったです。

屑屋さんとゆめみさんと一緒に歩んだ短い旅の記憶は、一生忘れえぬ思い出となり、私の心に残り続けるでしょう。夜空の星を見上げる時、星の世界に想いをはせる時、泣いてしまいそうになる理由がまた一つふえてしまいました。

ゆめみさん、屑屋さん、ひと時の夢を見せてくれてありがとう。


※1:いわゆるジャンク屋の様なもの。荒廃した都市から使えるものを回収し売却する事を生業とするらしい。

※2:屑屋の青年、かなりの手練です。後半に登場するロボ、シオマネキの(恐らく)行動予測による先読み掃射を反転移動で何度も回避してました。臨機応変な思考の出来る人間相手や高速思考の出来るロボには通用しない回避方法ですが、この世界のロボの性能、行動パターンを熟知した上での戦い方に見えました。この場面から見出される様に、シオマネキの思考の柔軟性、反応速度が生身の人間のそれと比べて劣る部分もあるという所からも、本作に登場するロボたちが現代の延長上のロボである事、ゆめみさんとの共通点を感じさせます。

※:暗視ゴーグルを始めとする屑屋の青年の装備、風貌、メカのデザイン、荒廃した都市と雨、空っぽの二人の出会いなど、往年の名作ロボットアニメ「装甲騎兵ボトムズ」を思わせました。でも本作「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」は活劇描写を極力廃し、屑屋とゆめみさん、二人の成長や歩み寄りを静かに描く作品の様です。Wiiゲーム「FRAGILE ~さよなら月の廃墟 ~」も思い出しました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39

67.3 2 SFアニメランキング2位
ぼくの地球を守って[ぼくたま](OVA)

1993年4月1日
★★★★☆ 3.7 (99)
571人が棚に入れました
少女たちの間でひそかな前世ブームを呼んだ人気少女漫画をOVAにしたもの。東京の高校に転入してきた少女・坂口亜梨子(ありす)は、知り合ったふたりの少年が同じ内容の夢を見ているということを聞かされた。彼らは夢の中では別の名を名乗り、月の基地から地球を見守っているらしい。しばらくして、亜梨子もまたふたりの語った世界に自分がいる夢を見る。それは三人の前世を示しているのか……、他の仲間もまた転生しているかもという可能性を探るため、雑誌の投稿コーナーで呼び掛けることに。一方で、亜梨子の隣に住む悪ガキ・輪は転落事故に遭って以降、超能力を用いて暗躍を開始する。
ネタバレ

聖剣 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

お贅沢な販促ビデオアニメ(OhVA)

偶然というか、たまたま出会って
こんなに面白い作品があるんだぁ!?って
ちょっとした衝撃を受けたのが最初の印象

それは
視聴当時まだ夏休みの膨大な時間を持て余しても許される年頃で
何の気なしにつけたTVに映っていたのがこの作品
一緒に見ていた妹もハマって
二人で結託して親を説得し
原作のマンガを買ってもらったのを記憶している

今思えば
なぜ原作購入まで至ったのか覚えていないが
Wikipediaの情報と当時の微かな記憶を辿って類推すると
全話放送したと思われるOVAの中途半端さを
「まだ続きがあるはずッ!なぜ放送されないッ!!」という思い込みから
その欲求を補完するためにマンガ購入という手段に至ったのだろう
つまり
物足りなかったんだろうな、たぶん
だって、あの時一度見たっきりだからなぁ
OVAは原作をどこまで描いているのか改めて見直してみようか


少しだけ書き足しておくと
{netabare}この作品に出会えたときは、本当に衝撃的で
「こりゃスゴい!」って思った当時の自分が誇らしく思っている
今見れば、ごくありふれた異能バトルなんだけど
当時はまだ珍しい部類だったのもあるから
この感覚は、残念だけどたぶん共有できないんだろうなぁ

前世とか輪廻という切り口も斬新だったんだ
ただ、ちょっと調べると
オカルト界じゃ「前世の仲間捜し」は当時ちょっとしたブームみたいで
その分野に通じていれば珍しい話題ではなかったようだね
「月の裏側」ってのもUFO陰謀論の定番のネタみたいだし。
そう知ってしまうと少しガッカリしてしまう
だけど自分が受けたインパクトが揺らぐことはない!
これが
原作の連載時期がちょっとズレていれば
コックリさんやツチノコ、口裂け女になったり
人面犬やUMAになっていたんだろうか?
また、今と違って情報が簡単に得られる時代じゃないから
情報元はおそらくオカルト雑誌『ムー』
原作者が『ムー』を目を皿のようにしてネタ探ししてたと想像すると
ちょっと愉快だ

加えて
作中の描写は、よく時代を捉えていて
ちょっと今見ると時代錯誤なところも多い
例えば
待ち合わせ場所に目印となる物を持って相手を探し出すだなんて…

雑誌を介して出会うことが実際にあったようだ
それこそ、
文通相手やバンドメンバーの募集みたいな内容で
名前から住所まで個人情報垂れ流し状態の雑誌が
本屋で購入可能だったなんて
今の10代20代の人にはきっと理解できないだろう

あと、Wikiにあるオカルトブームの後押しが
思っている以上に影響を及ぼしていたと見込んでおこう
自分はその末期を知っている程度だが
心霊や超能力、UFOネタを扱うTV特番が定期的に放送されていた
それも夜の7時台のゴールデンタイムにだ。
でも
1995年を期に半強制的に終焉となる
それは地下鉄サリン事件から始まるオウムの一連の事件が発覚したから
TV局はオウムをオカルトネタの賑やかしとして
軽率に扱った負い目があって一斉にこのジャンルから手を引いたのだ

オウム事件の全貌は他を参照してもらうとして、
教団の拡大していった要因にオカルトブームが一役買ってしまった
オウム信者の多くは当時20代の若者が多く
ちょっとした現実逃避やお遊び程度の集まりが
暴走し行き着く先があの事件だったのだ
つまり
作中のあの「集まり」と、きっかけは大差ない事に気付く
それが理解できると、
妙なリアリティが出てきてちょっと怖い


あと細かいとこだと、
制作が設立してそれほど経っていないProduction I.Gだとか
EDテーマに菅野よう子の名前があったりとか、
スタッフ欄もなかなか感慨深い


ついでに
原作まで読了した人向けに
{netabare}モクレンのキャラクター設定にちょっとビックリしたが
結果的に原作者のセンスの良さを感じる点だと思っている

最後の輪の姿には、腐女子の願望そのものが体現しているので
嫌悪感が否めないが、大団円に味噌をつけたくないので
歯を食いしばって我慢しよう{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

前世にまつわる人間たちが示す未来への道標。

もう20年以上も前の作品だというのに全く色褪せないものだと思いました。
名作は時代を超えて評価されるということを実感します。



主人公の坂口亜梨子(さかぐちありす)は、隣に住む少年・小林輪を誤ってマンションのベランダから突き落としてしまう。

そのことを切っ掛けに前世の記憶が甦り能力に目覚めた輪や、

同じ夢を共有し合っているというクラスメイトの小椋迅八(おぐらじんぱち)と錦織一成(にしきおりいっせい)らと出会い、

彼女は前世を共有するという人間たちの因縁に巻き込まれていく・・・・
というのがあらすじです。



見る前は前世を共有するなんてロマンチックだなあなんて思っていたら、そんなに甘いお話でもなくてけっこうショックでした。

彼女たちが前世暮らしていた月面基地の人間関係は愛憎に包まれていて、決してメルヘンではなく複雑なものでした。


もちろんその複雑な関係は現世でも無関係ではなく、お互いの前世を知ってしまった時から再び苦悩に包まれるのです。


前世と現世と来世。この全てが相互に作用しあう様が非常に巧く描かれていると思いました。


ただ、このアニメ決してBL作品ではないのですがナチュラルにそういった描写を盛り込んでくるので苦手な方はご注意ください。

自分はそういう気はないのですが、なんだかあまりにも美しいので危うく目覚めそうになりました(笑)



こういったミステリアスなテーマに合った映像、そして音楽のレベルが非常に高く、視聴者を作品の世界に引き込みドップリと浸らせるだけの魅力が詰まっています。


EDテーマの「時の記憶」。
この曲は皆さんが触れているように菅野よう子さん作曲によるものですが、本当に見事の一言。

歌っている方の歌声はもちろん、間奏などから感じる壮大な表現力は聴いていて鳥肌が立ちました。



ただ、やはり6話だけでは上手くまとまっているとは言い難いです。
最終話である6話は特に、これを見ても話の帰結を理解できるとは思えません。


登場人物の出番の比率に偏りがある所も残念ではあります。

前述の小椋くん・錦織くんはまだいい方で、前世で関係する国生桜(こくしょうさくら)や土橋大介はほとんど描かれていません。


あと最大の難点は、この作品は輪くんと亜梨子が話の核になっているのに肝心の亜梨子がおざなりになってしまっている所でしょうか。

もっと亜梨子ちゃんが他人と交流する場面や覚醒する様子をアニメで見てみたかったと思います。



その分アニメでクローズアップされていた笠間晴彦くんはお気に入りのキャラになりました。

晴彦役の山口勝平さんはらんまや新一のように活発なキャラを担当することが多いだけに、晴彦のようなか弱い美青年を演じていること自体新鮮でした。

でもこういった繊細なキャラでこそ光る勝平さんの魅力に気づかされ、
また晴彦というキャラ自体がもつ力強さと儚さに魅かれました。


あと彼の知り合いの薬師丸未来路(やくしまるみくろ)くんも二枚目でクールな所がカッコイイと思います。
無愛想に見えて人間味溢れた性格がギャップで良いです。声優さんが関俊彦さんなのも個人的に有り難い。



サクっと見られるライトな作品でなく、深く雰囲気に引き込まれるような作品を求めている方には、正にうってつけのアニメだと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

大切なのは未来

1993年12月17日 - 1994年9月23日。OVA全6話。
1987年-1994年「花とゆめ」で連載された漫画を元に制作。

あらすじ。

東京の高校に転入した"坂口亜梨子"は同級生の"小椋迅八"
と"錦織一成"から、同じ夢を共有しているという話を聞く。

夢の中での彼らは異星人の科学者で、それぞれ"玉蘭""槐"
として、他に5人の仲間と共に、「Z-KK101」と呼ばれている
月の基地で、地球を見守って暮らしているという。

その後"亜梨子"は、マンションの隣の部屋に住む7歳の少年
"小林輪"を誤ってベランダから転落させてしまうが・・

奇跡的に軽傷で済んだ"輪"は、それを切欠に何かに覚醒し、
陰では人知れず怪しい活動を開始する・・

しばらくして亜梨子は、リアルな夢を見る。

その後共通の夢を見る者が他にも居ると考えた"亜梨子"や
"玉蘭""槐"は雑誌の読者連絡欄で呼びかけてみることに。

程なく柊と繻子蘭の夢を見る者から連絡が入る。

前世の夢「ムーン・ドリーム」を共有する彼らは会合を開き、
お互いの情報から何か答えを見つけようとするが・・


感想。

簡潔に言うと輪廻転生。例え生まれ変わっても愛している。
普遍的な愛。それらを近未来SF風に描いた作品。

序盤から違和感のある雰囲気を醸し出す演出構成で・・
シリアスな雰囲気で大きな緩急がないのでミステリー風。

徐々に登場人物が揃い謎が溶けて行くけど暗く思い感じ
なので・・面白みに欠け途中でギブしそうな人も多そう。

最後まで視ないと意味不明なので全6話で良くも悪くも直ぐ
に結果が出るので何とか視られるかな。

2時間に収まる程度の映画か・・尺を取ってコミカルな描写
等を入れて緩急つけてくれたら良かったと思う。

何れにしても構成を変えて前半もう少し明るい方が見易い。
初めから"輪"が意味ありげ過ぎて・・不気味で"亜梨子"も
あまり魅力的には描かれていないので、インパクトが弱い。

中盤まで中々各キャラの役割や魅力が見え難い。
終盤でやっと其々の立ち位置等が固められて・・ラスト2話
で一気に・・と思いきや・・6話で?という流れ・・
クライマックス前にこの描写?今更?という疑問も・・


坂口亜梨子:白鳥由里 :木蓮の記憶を持つ女子高生。
小林輪  :冬馬由美 :紫苑の記憶を持つ小学生。
笠間春彦 :山口勝平 :秋海棠の記憶を持つ少年。
小椋迅八 :森川智之 :玉蘭の記憶を持つ高校生。
錦織一成 :置鮎龍太郎:槐の記憶を持つ高校生。
国生桜  :松井菜桜子:繻子蘭の記憶を持つ女子高生。
土橋大介 :飛田展男 :柊の記憶を持つ高校生。
田村一登 :小杉十郎太:京都出身のヤクザ。
薬師丸未来路:関俊彦 :可也の超能力者。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

65.0 3 SFアニメランキング3位
FREEDOM フリーダム(OVA)

2006年11月17日
★★★★☆ 3.7 (267)
1328人が棚に入れました
23世紀、人類は月に移住していた。「科学技術の研究の自由」「地球の渡航への自由」が奪われた月共和国「EDEN」(エデン)では、高度の放射能によって地球文明は崩壊したと伝わっている。一方的に与えられる自由に不満を持つタケルは、本当の自由を求める中で、EDENがひた隠しにしていたある真実に触れてしまう。
ネタバレ

PeachFly さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

やっと観終った^^;

前々から観ようとは思ってはいたものの、何故か気持ちが進まず後回しになっていましたが、6+1話のOVA短編でもあり、この機に観てしまいました。うん、やっぱり…というか、想像が当たってて、それで今ひとつ積極的に観れなかったのかな、とつくづく思いました。
{netabare}

話の流れとしては…
時は23世紀、地球は放射性物質に満ち人が住めない環境となり、(実はこの事実は嘘だった) 人々は火星探索の前哨基地であった月の都市化を進め、エデンと名づけてそこで暮らす一方、火星の探索は放棄されてしまった。 その都市に住む少年タケルは地球の本当の姿を見たくてロケットで地球に向かう。 地球に降り立ったタケルは美しい地球を目の当たりにし、月の仲間にもこの事実を知らせようと2年半後に再度地球から月に向かいロケットを飛ばす。さて、月の対応は…

…といったところですが、OVA 7話分というと、140分。劇場版1本作るより尺の長い設定ができるはずなのに、なんだか中身が薄いような…。 
主人公が活躍する場が月と地球の2手に分かられたから? それともバイクのアクションシーンに時間を取られたから? (実際結構長い時間費やしてます) 迫力はあるのですが、物語全体のストーリーからするとちょっとちぐはぐな感じもしました。

カップヌードルのCMで宣伝もされており、スポンサーでもあるからでしょうが、1話の中で必ず2回くらいはロゴ鮮明のカップヌードルが出てきます。^^;; 話の中で他にはこんなロゴ付き食品とか無い中で、このカップヌードルを食べるという1シーンは異常であり、その度に現実に引き戻される感じがして、せっかくの場の雰囲気が台無しです。(う~ん、残念^^;)

作画自体は緻密な描写とリアルな動きが相まって、臨場感はばつぐんです ! ずいぶんお金がかかっているんだろうな~と下衆な想像もしてしまいましたが、ストーリーの展開がいまひとつ「キリッ!」としてなくて、ちょっともったいないな~とも感じました。


…と、ここで思い当たるフシが… 

このアニメは出発点がしっかりした原作で人気を博してアニメ化されたのではなく、あくまでCMの延長。関係スタッフも、キャラ/メカデザインに大友克洋、歌は宇多田ヒカル、宣伝・バックアップは電通、サンライズ、バンダイ…と有名所が集まっていますが製作に当たってそれらが一枚岩になってない感じがします。(ファンの方、気を悪くしたらごめんなさい^^;)
なので、「とりあえず作っちゃえ!」的な雰囲気が漂ってます。

それと、キャラクターは… まぁ独特ですよね。「アキラ」にも通じるものがありますが、女性の描き方が明らかに日本人向けではない。主人公が想いを馳せて地球まで行く美人があれでは…^^; なんだか、OVAのプロモが成功したらUSにも展開しようとしたのでしょうか? 話の全部が海外受けするような作りになっています。

{/netabare}
…と、まぁ、ここまで酷評ですが、メカニックの作りと、背景作画の美しさは評価できます。
ただ、如何せん、キャラクターとストーリーがあれでは…。アニメは各要素の総合バランスで良くも悪くもなるので、まぁこの作品は上手くいかなかった例でしょうか。



<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 1

0:途中で挫折、 
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

自由を求める一途な物語

世界観:6
ストーリー:6
リアリティ:5
キャラクター:4
情感:5
合計:26

<あらすじ>
23世紀、人類は月に移住していた。「科学技術の研究の自由」「地球への渡航の自由」が奪われた月共和国「EDEN」(エデン)では、高度の放射能によって地球文明は崩壊したと伝わっている。一方的に与えられる自由に不満を持つタケルは、本当の自由を求める中で、EDENがひた隠しにしていたある真実に触れてしまう。
(ウィキペディアより)

たまたま視聴したYouTubeの動画でおすすめされていたので視聴しました。以下、FREEDOM SEVENも含めての感想となります。

発売から35周年を迎えたカップヌードルの新たなブランディング・プロモーションの一環として、大友克洋を迎えて制作したアニメーションを軸に展開されたプロジェクトのため、食事は全て日清のカップヌードル。久しぶりに食べたくなりました。

大友克洋氏と言えばAKIRA。キャラクターやメカはそれと思わせるデザインでした。{netabare}彼のキャラクターデザインの特徴として、男性は格好良くなく、女性はかわいくない(等身大といった感じ)のですが、本作の柱がボーイミーツガールの王道展開にあるところ、タケルがアオに惚れることの説得力がやや弱いのがもったいないと思いました。別に萌えは必要ないのですが、物語に工夫があるわけでもないので全体的に評価が低めとなってしまいました。{/netabare}

一方、本作を視聴したシーズンではフェアリーゴーンを断念してしまったのですが、それもあって、わかりやすいストーリーはそれだけで評価できると感じました。宇多田ヒカルの歌うOP(くるくる回るアニメーションも)も良かったです。

ツッコミというか、気になったところとして、月の生活空間は地球と同じ重力が働いているようでしたが(タケルらも地球に行って全くその点自然に対応していたので)、月で地球と同じ重力を発生させるのは結構難易度が高そうに思います。スペースコロニーは回転することによって重力を発生させる理論ですが、EDENは月の地表に張り付いているので別の方法になりそうです。

子供の頃は、宇宙の開拓が進んで旅行なんかもできるようになると思いましたが、コンピューター技術はかなり進歩しているはずなのに、月すらも長期間行けていないのですよね。空気なしに生きられない人間にはハードルが高いです。
未来の乗り物と教わったリニアには乗れそうなので、そちらを楽しみにしつつアニメで未来を想像しましょう。

(参考評価推移:3~7話3.3)
(2019.6視聴)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

浅間山荘事件にはおよばないけど

日清のカップヌードルの三十五周年記念CMとして作られたとか。たしかに,作中やたらとカップヌードルが主張してきます。日清の主力商品であろうカップヌードルシリーズのアニバーサリー企画とブランディング戦略を担うべく作られた本作は力の入り方が格別です。


最初に,この作品FREEDOM だけでは完結しません。FREEDOM SEVENまで見ないと全く話が終わらずかなり残念な感じになってしまいます。従って,この感想もSEVENを含めての感想です。

ストーリーはシンプルで力強くそしてテンポ良く訴えてきます。

管理された社会の息苦しさ,自由や地球の自然の素晴らしさ
そして行動することの大切さと腹が減ったらカップヌードルを食べれば良いことを(笑)

率直に言えば,自分は主人公のタケルが鬱陶しいと思います。もうちょい考えて行動しろと・・・w

後先考えずに,写真で見ただけの女の子に会うために,実際に居るか分からないどころか人類が絶滅していると言われている地球に行っちゃう。(正当化する言い分けを考えずに行動に移す)そんな,常識外れの行動力が大切なのかもしれません。
でも自分としては,タケルはやはり鬱陶しく,共感出来るキャラはアランとかカズマ,ビズ,タイラなど周りの人間なのですが^^;
めちゃくちゃな行動力を持つ人間がいて,それを支えたり,巻き込まれながらも自分の役割を果たす者が居る。おそらくこれが社会を変える力になるんだろうな,なんて感じるとともに,カップヌードル食べたいとも思いました。カップヌードルという商品の販売促進・ブランディングにとって,予期せず絶大な効果を発揮した,浅間山荘事件の中継の次くらいに歴史的価値の高い作品と思います。

カップヌードルのCMといえばこの作品以降,気になるアニメをときどき作ってきます。できたら「青春編」「ONE PIECE」編も長編にして欲しいなんて思っちゃいます。

音楽的には
OP「This is Love」やっぱり宇多田ヒカルはすごい!天才しかもアニメやゲームのテーマソングとの合性が抜群だなと改めて感じました。オープニング始まった瞬間の高揚感たるや!
EDはボーカル無しですが癖になるいい曲です。でも池さんエルゴプラクシーのEDと同じに聞こえるんですけど・・・^^;

大友克洋キャラデザインなので女性キャラに萌え要素は全くないです。(特別な趣味の人は分からないけど・・・)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
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