SFでロケットなTVアニメ動画ランキング 2

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早速見ていきましょう!

69.8 1 SFでロケットなアニメランキング1位
Classroom☆Crisis(クラスルームクライシス)(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (605)
3301人が棚に入れました
火星に作られた日本の新たな都道府県のひとつ、「第4東京都」。この都市の経済特区である「霧科市」に、
航空宇宙事業で名をあげた超一流企業、「霧科コーポレーション」があった。
この会社は様々なジャンルにシェアを広げつつ、「霧科科学技術学園」という私立学校も運営していた。
これだけでも特殊なのだが、さらに異彩を放つクラスが学園内にある。
昼は学園で生徒として勉学に勤しみ、放課後は社員として会社に出社し発展型試作ロケットの開発という重要なプロジェクトに携わっているのだ。
それが「霧科コーポレーション先行技術開発部 教育開発室」――通称「A-TEC」である。

この部署の室長を務める若き天才エンジニア瀬良カイトは、学園に通うA-TECの生徒達の
担任教師でもあり、熱血ロケット先生と呼ばれ親しまれて(?)いた。

物語はこのA-TECに転校生・霧羽ナギサがやってくることから始まる。
創業者一族の名を冠するこの男は、先行技術開発部部長に就任するやいなや、A-TECがこのまま高コストのお荷物部署であり続けるようならばメンバーをリストラし、部署を解散させると宣告する。
それを防ぐには今まで湯水のように使ってきた予算を節約し、開発コストを大幅に削減しなければならない……。
今まで目を逸らし続けていた現実をつきつけられたカイトは、果たしてA-TECの危機を乗り切ることができるのか。
そして霧羽ナギサの真の目的とは――。

声優・キャラクター
森久保祥太郎、雨宮天、小澤亜李、洲崎綾、夏川椎菜、津田美波、豊永利行、南條愛乃、近藤孝行、堀江由衣、阿澄佳奈

神撃のニャンコ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

5.5話を観なかったら 評価するの忘れてたw

一話を見て 今後このクラスの行く末を観たいと思いました
面白いかは 最後迄見る事が出来たとき改めてコメントします

とりあえず 面白そうな気がしたので 観て観ようかな~

※その後の追記
 最終話を見終えた後 評価にいたるまで だいぶ時が経ってしまいました
 5.5話が放送を観た時 改めて あぁ~ 面白かったな~って思い
 
 なんか かなり贔屓目な ☆になってしまったかもです
 其処は、私の気紛れで 減点するかもです

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最初の1~3話からは想像できない面白いシナリオです。

十分楽しめる作品です。最初の印象とは全然違う話になっていき、1話目からは全く想像できない最終話でした。私は今夏の作品の中で一番好きな内容でした♪

最終話{netabare}
霧羽ナギサ救出作戦とA-tecの新エンジン公開プレゼンを同時にやってのけ、霧科コーポレーションから独立宣言をするカイトとナギサ。爽快な終わり方で良かったと思う。ただ、続きがあるんじゃないかな・・・?と思わせるエンディングで2期があったらいいなぁ…とも思うが、これはこれで、完結ということでも十分に楽しめたシナリオでした。{/netabare}人間関係とビジネス感の融合度合いが非常にいい割合で、一定の距離感がある人間関係の構図がうまく描けていたと思う。グダグダでドロドロな人間関係に陥らず、常に前向きな方向へ動こうとするカイトとA-tecの仲間たちの爽快さが観てて気持ち良かった。淡白な人間関係に見えて芯では結びついている信頼関係の描写はしっかりと受け止めることができました。
12話{netabare}
ユウジに囚われの身になったナギサの救出のために、ハナコ達はユウジのアジトを突き止めるが、ナギサは救出できず、ナギサは超高性能なロケットエンジンを積んだ宇宙船でコールドウッドへ飛ばされ、7時間後にはそのまま爆死ということになるのだろう。ハナコはユウジに銃で撃たれるし、緊迫の展開でした。来週はどうなるんだろうか・・・。本物の科宮ナギサ(イリス)は守れたわけだが、コールドウッドへ向かったナギサ(霧羽)を救えるのはA-tecの再生計画のプレゼンで使うジェットだけじゃないかな?カイトはその腹づもりみたいだし、来週も緊迫した内容になりそうだ。ハナコは生きてて欲しい!!{/netabare}
11話{netabare}
ナギサを中心に目まぐるしく変わる状況の推移が非常に分かり易く紐解かれてきました。自分が守ろうとしたA-tecをカズヒサの策略から守りきれないと一度はあきらめるが、ミズキのひたむきなエンジニアとしての生き方に触れ、ナギサはカイトと共にA-tec再建計画を図ろうと動き出し始めた矢先に・・・なんと、ユウジに刺されてしまう。
また、イリスは幼き頃のナギサとのいきさつの記憶を徐々に取り戻し、ナギサに話そうとするが、ミズキとナギサの抱擁・キスシーンを目の当たりにし走り去ってしまう。記憶を失くす前のイリスはナギサを好きだったんだろうな・・・と思わせる描写に見えたが・・・。
しっかりと考えられた展開で、事件と人間模様が絡み合っていて、よくできたシナリオだと思います。今夏NO.1といえる内容じゃないかな?次週、ナギサとイリスがどうなるのか・・・また、A-tecは存続できるのか、興味は尽きない緊迫感のある状況となります。{/netabare}
10話{netabare}
常務取締役に昇格したナギサは役員会でA-tecの存続を訴えつつ、カズヒサの解散政策に批判的なプレゼンをするが、ナギサ以外の全員が反対に回り、権力構造の中の裏切り・策略の罠にはまった感じがする。一方、A-tecでは新型のロケットを開発し、イリスがテスト飛行に出るが、アクシデントに見舞われ、過去の記憶が呼び覚まされていく。イリスは自分が科宮ナギサであることを思い出す。会社で窮地に追いやられた霧羽ナギサとパイロットのイリス(科宮ナギサ)との関連性はかなり明確になったが、A-tecc存続のために霧羽ナギサがこれからどのように奔走していくのか、色々と興味は尽きない。見続けてよかった♪どんどん面白くなっていきます。{/netabare}
9話{netabare}
ナギサはA-tecを踏み台にしてユウジとカズヒサへの復讐を仕掛ける。まずはユウジを蹴落とすことには成功。カズヒサとの抗争が見物です。
しかし、A-tecを見捨てるような今回の行動は当然カイトを怒らせた。
今後はカズヒサとの抗争がメインになるのか・・・。
しかし、ナギサとイリスとの関係が曖昧だし、イリスの記憶に関しても未だ謎。A-tecのロケット開発の話がここで流れるような感じでもないので、A-tecと霧科コーポ抗争をどう絡めていくのかが非常に興味深い。なかなか面白いです!!{/netabare}

8話{netabare}
A-tecの予算を不正流用していることが判明し、霧羽ユウジをどう追い込んでいくのかが今後のみどころの一つです。ユウジの不正を暴けば、A-tecの開発予算も作れそうだし、霧科コーポレーションも大きく変わりそうです。
宇宙開発費用を捻出するために、やはり政治家やスポンサー会社が必要で、それを悪用する人をどう成敗してくれるのか・・・ナギサ君の手腕が試されるとこだね。{/netabare}

7話{netabare}
話が複雑になってきていますが、最初の頃よりもずっと面白くなってきています。霧科コーポにおける覇権抗争もありそうで、A-tecのメンバーがどのようにナギサの心を動かしていくのか、物凄く興味深い感じに深まっていきそうです。アンジェリーナ先生強い~~!!カッコ良かった!!
{/netabare}

5・6話{netabare}
霧科コーポレーションの内部事情は込入っているけど、話の辻褄は合っていると思う。ナギサの本心はどうなのか・・・?
ストーリーの焦点はどこにあてられているのか明確ではないけど、これから面白味が増しそうな予感もするし、学園青春ものに落ち着いていくような危惧もある。{/netabare}
 
4話
ようやくこの作品の面白い部分が見えてきた感じです。イメージとしては学園の予算を確保するための{netabare}半沢直樹的な感じの話になるのかな?エンジニアの資金確保の難しさを通して、アニメ制作における資金集めの大変さがメタファーとしてあるのかもね?
お仕事アニメのカテゴリーに突入していくようなら、{/netabare}それはそれで面白さがある。興味深くなってきました!!
 
3話{netabare}
3話でアンジェリーナという経理のプロが登場し、ごもっともな経費論を盾にAtecの杜撰な現状を戒めにかかる。当然のことではあるが、ビジネスにはコスト意識が必要だ。ただ単純に夢だけ追い求める若者や教師の話で終わらないのなら、もっと視聴しようと思う。社会の薄汚い一面も影に隠れていそうだし、展開次第ではもっと面白くなりそうな気がします。
先生が、自分の思い通りにいかなくてホッピー飲んで騒いで酔い潰れるシーンは同情もできないし、逆にこんなやつが過去の栄光を背負って教師面してんなよ・・・とも思ったが、この先生も含めて、残った生徒達の奮闘も今後の楽しみな点です。
論理的なアンジェリーナは色ボケしなければ、個人的にはとても好きなキャラだったのだが・・・。
{/netabare}

1・2話
正直パッとしないお話で始まりましたが、キャラは嫌いじゃないし、ただの学園ものでもなさそうなので、一応継続視聴してみます。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 26

しるまりる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

おもわぬところで名作に出会った

この作品はタイトルで損しているかなと。
このタイトルだと、教室で起きる危機的状況から大きく逸脱するような展開は想像しにくいです。が、実際は物語は教室にとどまらず、会社組織における暗闘あり、政界の手練手管あり、宇宙をロケットで駆け抜けるシーンありと広がりを見せます。

僕は評価の点数をつけるときに滅多に5.0はつけないのだけど、この作品は「物語の評価」に5.0つけちゃいました。
後半の怒涛の展開と思わぬ伏線回収には涙を流さずにはいられませんでした。
第1話と最終話の対になる物語構成もすばらしいですね。

主人公2人のギミックが面白く、片方が上司で生徒、片方が部下で先生という関係性なので、物語の場面場面で立場の強弱が変わります。
部下が稟議書を上司に止められたかと思えば、生徒が先生に赤点で補修にされるなど、ころころ目まぐるしくて面白い関係が物語を通して描かれ、非常にいいスパイスになっています。僕の見てきたたくさんのアニメでも、こういうギミックはなかったはず。

ヒロイン2人の設定もよく、それぞれが主人公の片方を好きになる理由に筋が通っていて、見ていて気持ちがよく、応援したくなります。ハーレムアニメの、謎の好きになる理由とは一味違います。

主人公ズとヒロインズ以外の登場キャラクターもみな魅力的。物語のためだけに存在するかわいそうなキャラは見当たらなかったですね。みんな生きています。

さらに、べたに水着/温泉回も備えていて隙なし。

このアニメは奇麗に完結しているうえに次回作を出す余地が残されているので、次回作がもし出るなら絶対観たいですね。

髪の毛のロングで両側にリボン結んだ子がかわいいです!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

57.8 2 SFでロケットなアニメランキング2位
Project BLUE 地球SOS -プロジェクト・ブルー(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (34)
147人が棚に入れました
西暦2000年、人類は公害を出す事の無い究極のエネルギー発生装置・G反応機関を利用した爆発的な技術進歩と調和の時代を迎えていた。そんな折、地球首都・メトロポリタンとニューヨークをわずか1時間半で繋ぐ超弾丸列車・イナズマ号が開通式当日にナゾの光に包まれ、文字通り“消失”するという奇怪な事件が発生した。偶然消失の場に居合わせた2人の天才少年 ― ビリー・キムラ、ペニー・カーター ―は事件を調査するうちに、世界各地で同じような事件が続発しているという事実を知る。
ネタバレ

PeachFly さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

残念! レトロの焦点がちょっとずれてる

2006年のアニメで、レトロな雰囲気を出そうとしたけれど、いまひとつ的を得ていないような作品でした。

レトロって何でしょう? ストーリーが昔風なのはわかります。では、レトロの真髄は? 勧善懲悪、完結大団円、主人公がヒーロー、派手なアクション …いろいろ考えられますが… 

私が感じるところは、レトロ(懐古)アニメはストーリー、脚色はとってもシンプルなんだけど、その中に人々の思いが複雑に絡んでいて、またストーリーの展開は、各話はばらばらでも、全話を通じた共通の目的意識みたいなものがあってと… レトロ作品の中で良い作品というのは、そこが上手く表現できている…と思っています。

では、この作品はというと…
{netabare}
画風は古いです。わざと古さを表現したような感じで、「昔風をわざと装った」という感じが拭えません。 タイトル、OP、次回予告のキャッチ…と、すべてにおいて古臭さ全開なので、ちょっとやりすぎの感があります。

登場人物のキャラクター、台詞は、…これも「レトロを上手く表現した」のではなく、「古いアニメを真似たけれど、真髄のコピーにはいたらなかった…」というところでしょう。
聞いていて歯が浮くような台詞が各所に出てきますが、どうにもその場面とマッチしていないようです。

登場人物の関係が薄いのは、今のアニメでもあることですが、主人公二人の立ち位置がどうもわかりません。 各所にそれらを説明するようなイベントを設けているけれど、それらが上手く伝わってきません。

ストーリーの設定で、いわゆるお気楽設定の「時空の超越」、「敵は実は地球を脱出した人造人間の末裔だった」、「たかだか30年前に今後100年かかっても成し遂げられないような発明がたった一人の科学者でされている」、「最強・最先端の空中要塞が完成・発進したが、後話になって、実はその要塞を遥かに凌ぐ戦艦をそれ以前に作っていた…」等、いささかギャグめいたストーリー展開であり、レトロとは観点がずれた作品となっています。
{/netabare}
最後に、声優に大原さやかさんの名前があったので見てみましたが、キャラクター設定が特に大原さんじゃなくても良かったのでは…ということで「残念!!」でした。

また観ることはないですね~。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3

おみや さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

昭和と平成のミックス作品。(違和感は否めないが、、、)

バンダイチャンネルにて視聴。

もともとは小松崎茂さんという昭和のイラストレーター(主にメカ系
を得意としてました。)が1948年に発表した作品です。

ですので作中の都市やメカ(宇宙戦艦、戦闘機、敵の円盤、等)は
当時のレトロな感じで表現されています。
昭和生まれの方なら見れば「ああ、そういうことね。」って感じです。

それに対しキャラは思いっきり平成の作画で描かれています。
このミックス感がなんとも、、、不思議に思えました。

ストーリーはバリバリの昭和テイストで、簡単にいえば地球侵略に来た
バグア遊星人(このネーミングも今じゃ浮きますね。)を2人の天才少年
が中心になってやっつける内容です。

どちらかというと、低年齢層向け(小学生あたりか)の作品かなぁと
思います。

ただ特筆すべきは1948年の作品ということ。
終戦が1945年ですから、わずか3年後にこれだけの空想を巡らせた
という事はとてもすごいことじゃないかなぁ、、、。
人間が月に到達するのがその21年後ですからねぇ。

まあそんなことで、普段観ている作品とは離して作品自体の時代背景を
頭に入れた上で視聴していただければ少しは楽しめるんじゃないかな。

おまけ
OPはなかなかカッコイイです。(おしゃれな感じ)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 16

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

他の追随を許さない"不死身の男"ジェームズとスカイナイトの活躍に刮目せよ

サンダーバードとかのプラモのボックスアートで有名な小松崎茂先生による※1絵物語「地球SOS」が原作のSFアニメ。

物語の主人公はペニーとビリー二人の天才少年。人類と異性人の熾烈な戦いを、切磋琢磨して成長する少年達の姿と共に描きます。

いきなり酷評ですが、この作品、SF作品でありながら原作が古い所為なのか、脚本にかなりの強引さを感じます。たった二人で敵要塞を破壊するとか、制御パネルを壊してドアにロックを掛けたり、素手でロボをやっつけたりとか‥、味方の弾は当たって敵の弾は当たらないというシーンは、古い漫画とかでは特に良く見られるお決まりの描写ですが、絵柄や演出が刷新された新しいアニメ作品にそれらをそのまま転用すると違和感を禁じ得ず、ご都合主義とSFという組み合わせの相性の悪さを感じました。

中でもレビュータイトルにもある、神出鬼没であまりにも頼りになる"不死身の男"ジェームズの存在は極め付けで、科学力でも数でも勝る、並み居るUFO軍団をたった一機の戦闘機で壊滅させたり、少年達のピンチに絶妙なタイミングでバイクで駆けつけたり、何でも出来てしまう所がとても痛快なのですが、この人が一枚噛めば必ず事態が好転してしまう為、物語の緊迫感をかなり減退させている印象がありました。このジェームズという人、完全無欠なナイスガイの上、誇張無しにスーパーマンなので、ある種、水戸黄門の印籠的な存在としか評価出来ない場面も多々ありました(笑)

会話パートについて、両者とも若年の天才であるゆえの孤独を抱えている、冷めたペニーと傲慢なビリーのライバル関係、ぎこちない会話を重ね、お互いの才能を認め合ってゆく姿、次第に深まっていく友情ドラマついてはとても好感が持てました。

一方、地球軍の実質的な司令官に当たるブレスト博士とジェームズの問答を始めとし、幾度も繰り返される「危険過ぎる」に続く「やらなければいずれ人類は侵略される」という台詞回しについては古典的な三文芝居の一場面を見る様で脚本の無駄を感じました。結末が最初から決定している不毛な会話なので、全て取り除くか、もうちょっと決断に説得力を加える様な合理的な説明が欲しかった気がします。

科学描写について、SFらしく表層をかためているものの、結局はG反応炉とか、天使の髪とか、エレメントXとか、重要な部分の多くを便利なファンタジーの産物に頼り切っていたり、敵であるバグア遊星人の描写にばらつきがあったり、徹底さに欠ける印象が残りました。

SF小説なら、例えば無尽蔵のエネルギーだったら、反物質とかレーザーによるエネルギー送信とかでの正体を説明してくれたり、生物の正体も~の遺伝子、酵素に由来するとかで説明してくれたり、既存の科学、あるいはその延長上にあるかも知れない未来の科学で説明してくれるので、知的好奇心を書き立てられるのですが、説明不能なファンタジーとなると、そういった知る楽しみが得られず、どうしてもSF物語としての面白さに欠けてしまいます。(G反応炉の説明ではありませんが、後半には一応"対消滅エンジン"という語を含む台詞はありました。)

またキルリアンエネルギーという言葉、この作品で初めて知ったのですが、そんな得体の知れないものを持ち出すよりも、ただのサーモグラフィーで十分だったのでは?と思える場面もあり、この様なわざと似非科学っぽい方向へ持っていこうとする試みを見ると、製作者の目的がSFを描く事にあるのではなく、単に懐古にあるのではないかと疑いたくなってしまいます。

スカイナイト、ヘルメットワーム、スーパーモール、ピンクのスーパーカーなど、登場するメカについては、どれもカッコ良く描かれていますが、やはりテクノロジー描写の方は割とかなりイイ加減で、デザインも「謎の円盤UFO」「宇宙戦争」「サンダーバード」などの古典特撮のメカからの流用が殆どなので、斬新さに欠け、リファインバージョンの枠を出ないという印象でした。後半に登場するインビンシブル号についても、ファイナルファンタジーとか実在の空母ではなく、恐らくスタニフワフ・レムの「砂漠の惑星」からの引用という徹底の模倣振り‥。キャラについても一部ハリウッド映画から飛び出た様な、役柄も風貌をそのままに近い人が何人も登場していて、パロディ色をより一層強めてしまっていた様に思います。

上記の様に説明不十分な科学描写やパロディがあるのに「他の追随を絶対に許さない」とか「圧倒的スケール」とか、終幕時のナレーションで言い切ってしまうので、的外れの自画自賛の印象を抱いてしまい、これも心から楽しめない一因になりました。

超高性能戦闘機の"トリックスター"及び"スカイナイト"の航空アクションについてはスピード感が際立っていて、飛び抜けて素晴らしい映像だったと思います。ただ、敵側の主力兵器であるヘルメットワームの動きが単調なので、ドッグファイトとかがほぼ無く、ただのジェームズ無双の様に見えなくも無いのは残念でしたが‥。

エンディングテーマ「風の産声」に続く、次回予告の関西弁による漫才(主にビリーとベニーの)については、シリアスな作風に水を差す以外の意味を見出す事が出来ず、むしろ聞くと興が削がれてしまうので毎回飛ばす様にしてしまいました(汗)

手塚治虫先生や石ノ森章太郎先生の時代のSF漫画でさえ、既存の科学に即した描写が多く見られたのに、今から10年前の作品である本作はまだしも、最近のアニメ(極一部を除いて)では、それを無視しても良いとする気風があるのは奇妙な傾向です。何となくアニメの乱造と関係がある様に思えてなりません。

難しいテクノロジーでも、かいつまんででも説明してくれれば、SFとしての説得力に深みが出ますし、それが物語の整合性を際立たせる演出にもなるのでしょうが、あんまり難解な説明だとかえって鈍重な印象になったり‥バランスが重要なのだと思います。

全てのSFアニメに「攻殻機動隊」とかで描かれる様な精密な描写を求める訳にはいきませんが(その基準だと殆どはじかれてしまいそうなので)仮にもファンタジーでなくSF、あるいは空想"科学"とするならば、せめてそれよりもやさしい「サイコパス」とか「紅殻のパンドラ」くらいの合理的説明が必要なのではと思ってしまうブリキ男なのでした。‥説明が難しくても、専門用語とか飛び出しても、後でwiki見て調べるので(笑)

以上全体的に酷評となってしまいましたが、色々と見所はある作品だと思います。古典SFや特撮もの好きの方には軽い気持ちでお勧めしたいアニメです。


※1:漫画雑誌「冒険活劇文庫」で1948年から連載していた作品だそうです。打ち切りで終わってしまったらしい‥。

※:レビュータイトルの「~に刮目せよ」は作中ナレーションからの引用です。失礼な言い回しでスミマセン(汗)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9
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