中学生で親友なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の中学生で親友な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月14日の時点で一番の中学生で親友なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.2 1 中学生で親友なアニメランキング1位
カラフル-Colorful(アニメ映画)

2010年8月21日
★★★★☆ 3.5 (412)
1772人が棚に入れました
死んだはずの“ぼく”は、プラプラという天使らしき少年から“おめでとうございます。あなたは抽選に当たりました”と話しかけられる。大きな過ちを犯して死んだ魂のため輪廻のサイクルから外れてしまうはずだったが、再挑戦のチャンスが与えられたというのだ。そして、自殺したばかりの中学生“小林真”の体を借りて、自分の犯した罪を思い出すため下界で修行することに。ところが、父は偽善者で、母は不倫中、そして自分をバカにする兄とは絶縁状態という最悪の家庭環境。おまけに学校でも、友だちがひとりもいない上に、秘かに想いを寄せる後輩ひろかが援助交際をしていた事実を知ってしまうなど、まるで救いのない日々だった。そんな中、真の体に収まった“ぼく”は、真っぽくない振る舞いで周囲を困惑させてしまうのだが…。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

簡単そうで実は難しいこと

金木犀の花が満開の日から散っていくまでの短い間、
死んだはずの少年が、中学生の小林真としてもう一度命を与えられ
日々の生活の中で修行をし、あることに気づけるか否かで
生まれ変われることができる、と天使から言い渡されるところから
展開していく物語。

小林真という少年を生きる、そんな修行期間を与えられた彼。
天使から言い渡されたその本当の目的は何なのか?
以前の記憶はないので、戸惑いながらも「小林真」という人間をみつめ、
彼を取り巻く家族やクラスメイトをみつめなおし、
そして一番、気づかなくちゃならないことを見出していく。

ここでひとつ、大切なのは、甦る前の記憶がないという枷のおかげで
客観的に自分をみつめることができる点だと思う。

全体通して流れる、穏やかなピアノの旋律も綺麗だったし
いろんな色を持つ人間と言う生き物の、愚かさ滑稽さの中、
普段当たり前のように思っているさまざまなことへの
ありがたみについても、気づかされる作品だった。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 68
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

人生の追試

原恵一監督作品、サンライズ制作。
原作は森絵都のロングセラー。

前世で大きな過ちを犯し死んだ「ぼく」が、
罪深い魂の償いであるかのように、
自殺したばかりの少年「小林真」の体を借り、
もう1度下界へ戻され人生を再挑戦をする。
自殺した少年の日常を追体験し、
人生を違った角度から見直し始める。

平凡な少年の静かな日常と、
丁寧に書き込まれた美しい街並み。
{netabare}その背景には家庭内の不和や学校でのいじめ、
密かに想いを寄せる少女の援助交際と、
前半は陰鬱とした展開が淡々と描かれます。
少年には絵を描くことだけが救いだったのですが、
未完成の絵を残したまま死を選ぶのです。{/netabare}

小林真の中に入った「ぼく」は、
彼の世界を知り、息苦しい日常を知るにつれ、
青臭くも反発しながら人生の意義を見つけていく。
これは小さな現代版ファウストでしょうか。

生きるということはたくさんの人に支えられ、
知らないうちにたくさんの人の支えになっている。
見方を変えれば世界はこんなにも色で溢れている。

世界を肯定するまでの繊細な物語です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人生とは普通である。

人間の記憶って怖いものですね。
この作品は2年ぶり2回目の視聴ですが、ラストの記憶が完全に欠落してました。
それだけラストの印象が普通だったと言うことでしょうか。

内容は、何らかの理由で死んだ人間が、少年として人生の追試を受ける話です。
設定に強引さを感じますが、シナリオが巧みなため時間を忘れて視聴しました。

人生とはカラフル。
この訳を考えるうちに、生きる上でもっとも大事なことに気づく筈です。

最後に残念なお知らせです。
声優さんの演技がちょっと・・・普通すぎます。
人生とは普通といえば、それまでですが・・・。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

68.2 2 中学生で親友なアニメランキング2位
きんいろモザイク Pretty Days(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★☆ 3.9 (155)
684人が棚に入れました
イギリスからやってきた高校生、アリス・カータレット! 大親友・大宮忍の家にホームステイしています。アリスに忍、凸凹コンビの小路綾と猪熊陽子、アリスを追いかけてきたもう一人のイギリス人留学生・九条カレンたち仲良し5人組は高校2年生の秋を迎えます! アリスと忍、二人一緒に玄関をくぐれば朝日に照れされてキラキラ輝く通学路。通い慣れた道を小走りに駆けていって、いつもの駅前でいつものメンバーと待ち合わせて。綾に陽子、そしてカレンが笑顔でアリスたちを迎えます。どこにでもあるようで、世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常――プリティ*デイズ! 二度目の学校祭が近づいてきたこの頃、忍の様子がちょっとおかしい!? 「このところ、なんだか朝が眠くて……」いつものんびりしている忍ですが、クラスの演劇で脚本&衣装リーダーを任され、頑張りすぎているみたいです。違うクラスのアリスと陽子も、その様子は気にかけているけれど……果たして忍たちの劇は無事成功するのか、どうなる学校祭当日!?

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

劇場版も安定のゆるふわ感

原作未読。TV版は1期・2期とも視聴。

1時間と、劇場版としては短い作品ですが、そう感じさせないほど盛り沢山の内容。
ゆるふわ感とちょっぴり感動の物語。
『TV版大好き!』って方には安心してお勧めできる作品です。

本作の主役は綾。
中学生の時の忍と陽子との出会い。
そして、同じ高校に進学するエピソード。
ちょっぴり感動しました。

忍は相変わらず。
『はろーはろわーはろりすと』はさすがに笑ってしまった。

アリスとカレン『そわそわダンス』は必見。

後半の文化祭のドタバタ演劇は、きんモザワールド全開!って感じでした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

受験生の皆さんにこのトーテムポールの歌を贈りたい。

原作コミックは五巻まで購読中。

短編アニメ映画一本のために、
わざわざ映画館に遠出するのもどうか?とも思いましたが、
冬の寒さが厳しくなっていく、ここ北陸でも、
一月遅れで映画館で難民向けに期間限定で金髪パワー配給が実施される
ということで行ってきました♪


短さ以上に、日常系だから、ふわふわしているだけで
上映時間が終わってしまうのではw
との懸念もありましたが、
それなりにストーリーもあって難民として
一定の満腹感はありました。


本作の実質的な主役は{netabare}小路綾でしょうか。

要は些細なことで仲間内での自らの存在意義を見失い、
クヨクヨしてしまう、あややの十八番(苦笑)
……あややが悩み出したら、映画一本くらい軽くできますねw


本作はそこから中学時代のあややとシノ、陽子、
三人の進路、高校受験のエピソードから、
あややの存在意義の再確認が行われる壮大な?展開にw

ある意味、『きんモザ』最大の?ミステリーである、
学力壊滅なシノと陽子が、偏差値に大差があると思われるあややと
何故、同じ高校に通っているのか?
という謎も解き明かされます。


この受験奮闘記を鑑賞していて、
ふと、受験と友情についての回顧から、
受験に友情は必要か?という問答が私の頭で回り出しました。

私の現役時代、教師の中には、
勉強は自分一人でやるもの。受験は孤独。進路は自己都合。
みんなでお勉強会なんて馴れ合い。
とお説教なさる方がいらっしゃいました。

確かに、一人で集中して学力を高め、合格を勝ち取ることができるなら理想的です。

ただ世の中、それを貫ける人は少数。
孤独に負けそうになったり、自分だけの視野狭窄に陥り空回りする人の方が多いと思います。

そういう時、進路や勉強について相談できる仲間がいれば心強い。
私も情報交換の中で勉学についても、ふと気付かされた視点が多々ありました。

自分一人で集中する時間も、仲間との情報交換も、
両方あって初めて受験を乗り切れたと私は思います。

だから、もうすぐ受験という大戦に挑む方の中で、
もし一人で煮詰まっている人がいらっしゃったら、
是非、周りとコミュニケーションを図って欲しいと思います。

残された時間はそう多くはありませんが、
アプローチの転換ひとつで一変するのが若者のポテンシャル。

恥を捨てて、周りやあややにしがみつけば、
トーテムポールみたいにニョキニョキ!っと
合格ラインまで偏差値が伸びるかもしれませんよ。{/netabare}


……とゆるふわ日常系で、無駄に熱弁してしまいましたがw
本作はTVアニメ1期の第一話くらいのストーリー内容はある作品。
難民の方なら、一見する価値がある作品だと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

綾ちゃんたちの美しい日々

この物語は 「ハロー!! きんいろモザイク」の続きのようです。
未視聴の方は、「ハロー!! きんいろモザイク」を先に見てください。


この物語は、どうやら綾(あや)ちゃんの視点で描かれているようです。
そしてこの物語は高校二年の今の出来事と中学のときの思い出で構成されています。
どちらとも楽しく見ることができます。


学校祭でのクラスの出し物である演劇の衣装をつくり続けているシノを手伝うため、シノの家に訪れた陽子、カレン、綾の3人。そしてシノの家に住んでいるアリス。
シノが買い物に行っている間、なぜシノはこの高校に合格できたのかとカレンが陽子に尋ねます。
それほどシノの成績は惨憺たるものだったからです。

陽子は中学のときのシノの様子をアリスとカレンに説明します。それと同時に綾の思い出が始まるのです。

綾は成績優秀で奇麗な少女。でも中学の時に転校してきて不安で不安で仕方ありませんでした。
そのときに最初にできた友達が陽子とシノ。二人とも性格はすごく良いのですが勉強が大の苦手。

高校を選択する際、シノと陽子は近くにある「もえぎ高校」を大変気に入ります。
でも、今の二人の成績では、もえぎ高校に合格することは不可能に近いものでした。

だから…

中学のときの話では、綾の気持ち、綾の優しさが十分に味わえます。

そして高校での学校祭の演劇当日、それはそれは、とても味わい深い出来事でした。
シノの頑張りに応えようとする綾、綾の頑張りに応えようとするカレンやアリスや陽子。
見ていて思わず笑顔になります。


金髪でもなく、シノとの古い付き合いでもない綾は、シノから親友と思われているか不安でたまりませんでしたが、シノのおバカな行為が綾の不安を払拭してくれました。
シノのおバカな行為は普通みんなからは顰蹙(ひんしゅく)を買いますが、このときだけは綾の心を救ってくれましたね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

63.0 3 中学生で親友なアニメランキング3位
花とアリス 殺人事件(アニメ映画)

2015年2月1日
★★★★☆ 3.6 (142)
537人が棚に入れました
2004年に岩井俊二自身が原作・脚本・監督を務めた、ふたりの少女を描いた映画『花とアリス』の新たなストーリーをアニメで描くことになる。

『花とアリス』の前日譚となり、史上最強の転校生のアリスと史上最強のひきこもり 花が出逢ったとき、世界で一番小さな殺人事件が起こった、とのストーリーになるという。ふたりの出会いの物語だ。

アニメ映画では、鈴木杏と蒼井優を彷彿させるデザインのキャラクターが登場し、さらにふたりがこの声を演じることで10年ぶりに競演するのもみどころだ。

ちなみに映画は先に声を録音するプレスコを採用している。

声優・キャラクター
蒼井優、鈴木杏、勝地涼、黒木華、木村多江、平泉成、相田翔子、鈴木蘭々、郭智博、キムラ緑子
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

少女A

監督原作脚本、岩井俊二。

映像化された「花とアリス」の前日譚。
花とアリスはいかにして出逢ったのか、
2人の少女が世界一小さな殺人事件の謎を解く、
出逢いと冒険の物語。

純朴で些細な日常を描く物語ですね。
監督らしい美麗な背景と光のレイヤー、
台詞の間や物に触れるちょっとしたしぐさ、
実写をトレースしているだけあって、
人の歩行に関しては感銘を受けます。
ゴミ出しのおばさんまで正しく歩いている。
心情の多くを語らせない演出家ですので、
その余白に感性を近づけなければいけない。
極めて文学的な作品だとも言えます。

新世代の芸術家に関して特集が組まれると、
その才能が何に影響されたのか興味は尽きません。
彼もまた多くの方に影響を与えた一人でしょう。

{netabare}私は「物語」があることに衝撃を受けましたが、
そもそも「物語」の排除が、
岩井作品の真髄ではなかったのかと。{/netabare}

不思議な魅力を持った作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

芸能人ありきのアニメかもしれない?

アニメーション制作:ロックウェルアイズ、スティーブンスティーブン
2015年2月に公開されたアニメ映画。

【概要】

 史上最強の転校生、アリス。史上最強のひきこもり、花。

二人が出逢った時、世界で一番小さな殺人事件が起こった。

 ↑公式サイトより引用

2003年、2004年に公開された岩井俊二監督による実写映画『花とアリス』
の11年ぶりの新作はアニメ作品。

二人の主人公である荒井花(鈴木杏)、有栖川徹子(蒼井優)が、
実写映画(高1)より一年前(中3)に出会い親友になるまでの経緯話。

【感想】

取り敢えず、思ったことを箇条書き。

・タイトルからしてメルヘン+サスペンスと思いきや、
 女子中学生のユーモラスな日常+ミステリーもどき。
・ジャンルは青春コメディ?
・なんでアニメにしたの?といえば、
 主演女優の鈴木杏と蒼井優。前作から歳月が流れてアラサーになった2人を、
 フイルムの中だけでも中学3年生に見えるように加工するためのツールとして、
 実写撮影→トレースというロトスコープの手法はうってつけだった!
 フォトショップでお見合い写真を見栄え良くするのとだいたいが一緒です。
・大人にタメ口の14歳がやりたいように行動してるだけの内容。親の躾がなってないね。
・会話のノリがお笑い芸人っぽい!声の出し方からして、可愛さや萌えや繊細さとは全くの無縁。
・アニオタとは全く違う客層を当て込んでる作品、ドラマ好きな若い女性向けか?
・物語に山場もなく、ほんに一つの目的を達成して主役二人のプロローグだけで終わった感じ。
・背景の色使いは好き。
・『悪の華』と比べたらロトスコープを活用できていたような?
・でも、やっぱり登場人物に感情移入できなくて心に響く場面が1個も存在しなかったので、個人的にはちょっと微妙です。

先に実写作品の『花とアリス』を観ていれば別の視点もあったかもしれませんけど、
特に観たいとは思わないですので今回はパスということでw

ほんとうの意味でアニメである必然性を感じない作品でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

【今作があればもう日本には“アニメも邦画もイラネ”ってなる!!!】「いやぁ~どぉだろぉかぁ~σ(^^;)」【第3の映画誕生の瞬間を目にした!!!】

『Love Letter』や『スワロウテイル』で有名な天才邦画監督、岩井俊二が初めてアニメ長編に挑んだ意欲作
『サイコパス』の本広克行など、最近有名映画監督がアニメに乗り込んできたことをオイラの友人は「アニメが売れると分かってシャシャり出てきてる」と批判しました
ソイツの気持ちもワカランでも無いですが、今作に関しちゃ技術的にも物語的にも完成度的にもとても素晴らしい歴史的傑作に仕上がったと思っています
どうか【食わず嫌いだけはしないで欲しい】という気持ちで今作を応援させていただきたい


事の始まりは2003年にネスレKitKat(キットカット)のホームページ上で配信された連続webドラマ
所謂「続きはwebで」と銘打ったCMドラマです
蒼井優が演じる天真爛漫な元気娘“アリス”
鈴木杏が演じるアリスに振り回されがちな内気で惚れっぽい“花”
この二人を軸に描かれる受験生応援&青春恋愛ドラマでした


webドラマが思いのほか人気だったので2004年には続編となる長編映画が公開
映画の1年後には今作のプロットが出来ていたらしいですがお蔵入りになってしまい10年の月日が経った・・・そしてまさかの10年越しの復活、それもアニメで、という斜め上に意表を突いたのが今作なんですね


さて、なんでよりにもよってアニメ?
となるところですが、コレ物語が中学3年生の花とアリスの“出会い”が描かれるという前作の前日譚になってるんです
つまり10年越しに【鈴木杏と蒼井優】を10代の【花とアリス】に若返らせる為に「残された手段はアニメしかねー!」ってワケでオリジナルキャストを尊重した結果の決断なんですね


だから演出方法は基本的に実写と同じで、実写では普通に出来るカメラワークを純粋にアニメへ落とし込むためには・・・って努力がアニメ初挑戦の岩井監督ながらとにかく凄い
3本柱となる技術がロトスコープ、トゥーンシェード、背景をパーツ化してのモーフィング


監督自らデジタルコミック作成ツールを使って絵コンテを起こす

蒼井優ら前作オリジナルキャストが集結しプレスコ録音

実写ロケハン&ロトスコ撮影専門キャストで演技撮影

撮影した実写を元にロトスコープ作画&トゥーンシェード3DCGによるアニメート
(ロトスコとCGはカットごとに使い分けてます)


すんげぇ手間が掛かってるんですよ
2013年の『悪の華』が全編ロトスコだったり、最近でもトゥーンシェードのアニメが注目を浴びたりしてますが、今作は現代映像技術で出来ること全てを投入した結果といえる
魅せる動きのカットはスーパースローで、という演出の再現は基本中の基本
すごいのがアニメではまずやらない、ってか出来ない“フォローパン”を背景の立体化も含めた技術で完全にアニメートしてること
この背景自体も美監が滝口比呂志でコミックスウェーブフィルムも関わっていたりとあの『言の葉の庭』のスタッフが集結し“超美麗”っす
つまりあの『言の葉の庭』の美麗背景がシームレスに動いてるんですよ!?
その映像はまさに目からウロコ


もちろんこの作品を手放しで賞賛する気はオイラにも無く、まだ課題が残ってたりもします
『悪の華』では実写キャストにとにかく似せよう、というスーパーリアル調なキャラデザが賛否両論となりましたが、今作の場合は岩井監督の“ヘタウマ”な絵コンテが全てのベースになっている為、表情の描き込み等が乏しいのがタマにキズ
この岩井監督の絵を、「可愛い」と取るか「単に下手」と取るかで賛否は真っ二つでしょう
目が単なる棒線になってしまっているカットとか(こんな感じの→ |0| )、みんな同じ顔してるモブキャラとか、端的に粗末でもっと作り込めたな・・・ってカットが多々あったのは残念ですかね
もっと作画監督とか立てても良かったのでは?と


さてここまでは技術の話ばっかでしたが、物語的にもホント素晴らしい


転校生のアリスはクラスメートから何もしてないのになぜか無視をされ続けている
どうも1年前に同じ教室で“ユダ”なる人物が殺され、ユダの呪いが封印された座席に転校してきたアリスが座って封印を破ってしまったらしい
アリスは謎だらけのユダ殺人事件の詳細を唯一知る人物で、1年前から不登校を続ける花に接触を図る・・・


ユダとか殺人とか謎だらけのキーワードが物語を力強く引っ張り、コージーミステリとしてとてもよく出来ています
さらに中盤からユダの謎が徐々に解け、やがて思春期特有の淡い感情が生んだ小さな事件であることが明かされる・・・


プレスコによって伸び伸びとした演技が出来たキャスト陣が個性溢れる濃ゅいキャラクター達をより生き生きとさせており、小気味良いマシンガントークのさながら撃ち合いがテンポよくお話を進める
よく「非声優をアニメに出すな下手だから」とかいう人がいますが、それはアテレコの話であってプレスコの今作はむしろ本領発揮なワケです
そういった意味でも安心して楽しめると思います


とにかくずっと笑っていられる、そんな生暖かい目で観れる青春ミステリー傑作と呼べるでしょう
『氷菓』とか好きな人は絶対観るべきです、素晴らしかった


何気に作画協力に磯光雄が携わっていて“磯さんの生存が確認出来た(笑)”ことも個人的には面白かった


今作で用いられた技法は決して安易に作品を量産出来るものではありません
しかしながらこの技法の確立によってアニメでも実写でもない【第3の映画】が生まれたんじゃないか、とオイラ思ってます
岩井俊二ってだけでアニヲタドン退き、アニメってだけで大衆ドン退き、ってことで今作はイマイチ注目度が低いようです
けみかけは『花とアリス殺人事件』を全力で応援していきます

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39

58.1 4 中学生で親友なアニメランキング4位
WAVE!!~サーフィンやっぺ!!~(アニメ映画)

2021年1月11日
★★★☆☆ 2.8 (24)
66人が棚に入れました
海の上なら僕たちは自由になれる!文字通り一年中大きな波が海岸を洗い続ける、茨城県の大洗海岸で生まれ育ったマサキは、王子様のような転校生ショウと出会い、一枚の板を挟んで地球と対峙する究極のスポーツ・サーフィンを知る。それは、波乗りの魅力に憑りつかれた少年たちの、終わらない物語の始まりだった。

声優・キャラクター
前野智昭、中島ヨシキ、白井悠介、岡本信彦、小笠原仁、佐藤拓也、土岐隼一、森久保祥太郎
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ドキ! 丸ごとウェットスーツ! 男だらけのサーフィン大会!(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
し、視聴率がとれなそう(笑)

まず、「作画やっぺ!!」ですし(苦笑)、女子向けのイケメンパラダイスではありますが、ホモホモしい描写はなく、普通にイケメン同士がサーフィンして友情を深めているアニメです。

ストーリーは、王道と言えば、王道。初心者の成長物語。

ただ、サーフィンの技術的なことはあんまりやらないので、サーフィンが好きな人には物足りないだろうし、私のようにサーフィンにまったく興味がない人間にとって、サーフィンのことには詳しくなれないアニメでした(笑)

視聴終了、とはいえ、実は何話かとばしてしまったのですが、良くも悪くも気になりませんでした(笑)
 
《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
色んなところで書いていますが、私は、スポーツそのものが好きなので、スポーツアニメにはマニアックな技術面をしっかり魅せてほしいんですよね。

本作は初心者の成長物語ですが、技術的な成長よりも、主に精神的な成長を描いているので、これじゃあサーフィンを題材にしている意味がなくなる。

精神面なら精神面で、「サーフィンならではのメンタリティ」を描くなら良いけど、「憧れの人を追いかけるのではなく、自分らしくプレーする」という、サーフィン関係ないものですからね。

唯一、へ~と思ったのは、「湘南は波が小さい」というネガティブ情報。私は、サーフィンに疎いので、勝手に湘南はすんごい波が来る、だから聖地だと思ってましたが、違うんですね。単純に、都会で人口が多くて、グルメや観光など波以外の要素が充実しているから聖地なの? それとも、初心者向きの小さな波が多いからサーファーの絶対数が増えて聖地になってるの?

よく分からないけど、サーフィン導入アニメで、ネガティブな情報流して何がしたいんだろうね。この辺は、実際にサーフィンやっている人に聞きたいですね(私は北国なので、サーファーじゃなくてボーダーなのでw)。

ラスト、ショウが実は生きているのがはっきり描かれるけど、本当は「生きているかも」くらいの方が良かったかな。

ショウが死んだフリをしていたのは、コーギーが自分の影を追っていることに気づき、このままではコーギーが成長できないから、自立と成長を促すために目の前から消えたってことでしょうね。んで、コーギーが一人立ちしたから、姿を表したと。

まあ、分かるけど、海での行方不明は、実際は海上保安庁やら地元漁協やらが動いて、大変だっただろうな~と。アニメだから別に良いけどさ。

にしても、大洗か~。まあ、陸ではガルパン、海では本作と、住み分けられるから良いのかな。駅のガルパンパネルは、追い出すことは出来ないだろうけど(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
なんか、男ばかりで嫌な予感が(笑) てか、王子さま、どやってスマホ持ってるの?(苦笑) 

2話目 ☆3
サーフィン導入ですね。私には、なかなか魅力が分かりませんが(笑)

3話目 ☆3
サーフィンをちゃんと魅せてくれるなら、そりゃそこそこは面白いよね。

4話目 ☆


5話目 ☆4
まあ、本当に死んだ? 記憶喪失、とか、そんな感じで再登場? なかなかじっくりとストーリーを魅せる。丁寧だな。

6話目 ☆3
それぞれの道。湘南って、波小さいんだ、意外。本場と思ってたのに。まあ、初心者が多くないと、流行らないしね。なるほど、小さい波をどう扱うか、ね。

7話目 ☆


8話目 ☆
解説の棒読み、ヤバイな(笑)

9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆2
ショウ、生きてたんか。はっきり見せない方が良かった。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

マサキのサーフィン!!

 『WAVE!!~サーフィンやっぺ!!第一章』見たです。

 ガルパンでも知られる大洗を舞台とした、波乗りに魅了された少年、陽岡マサキがひたすらサーフィンに打ち込み、最後に大きな目標を見つけたお話だったです。戦車は出てこなかったです。

 犬かきしかできないマサキが、秋川シュウとの出会いをきっかけにサーフィンの素晴らしさを知り、親友の田中ナルとともに3人で、サーフィンにのめり込んでいったです。
 マサキのひたむきな姿はとても純粋で、それがゆえに無理な行動もしてしまう姿があったです。シュウ、ナルのそれらに絡む姿も、見所です。
{netabare} 「Show must go on !」という言葉が、キーワードになると思うです。{/netabare}

 サーフィンを題材にしているアニメなので、海もきれいだし、出てくるキャラたちによって、波に乗る姿が結構カッコいいです。

 終盤に様々なライバルたちも登場し、盛り上がったです。上達したマサキは、どれだけ通用するのか?シュウ、ナルの本気にも注目です。そこで、マサキは何を見つけるのか?見てのお楽しみです。

【2020/10/05】少年を変えたきっかけ



『WAVE!!~サーフィンやっぺ!!第二章』見たです。

 サーフィンが全くないわけでないけど、今回は波乗りが、目立たないような印象だったです。マサキが進学して舞台は、大洗から湘南になるです。
 先の夢を見つけてこれからというとき、思わぬ波乱が起きたです。死んだような空気の中、マサキもふくめ出てくるキャラ達3人、話が進むなかで落ち込みから、サーフィン少年たちの励ましもあって、立ち直るお話だったです。

 落ち込んだ時、サーフィンがそれぞれ自分にとってどういうものなのかを見直す少年の展開だけに、一章に比べると沈んだような面があたので、話的には、面白みに欠けるかもしれないです。

 丸く収まって、三章どうなるのか?予告映像では、今作で波乱があったと思った誰かさんの登場がある?PVだったです。


【2020/10/17】 マサキにとってのサーフィンは?



 『WAVE!!~サーフィンやっぺ!!第三章』見たです。

 二章で後半、少し出てきた新キャラ、フケ倫道の登場が、マサキ達、マサキ自身の進む方向に大きな影響を与えたです。マサキが、自分自身これから、何をしていくのか?マサキのサーフィンを見出すお話だったです。

 はじめは、自分のサーフィンしか眼中になく、マサキを相手にしないそぶりを見せる、フケ倫道がどうかかわっていくのかも注目です。

 さらに舞台は、一転し湘南の次は、ハワイと舞台の大きな変化があるです。いろいろくつろぎもある中そこで、前回行方不明になったシュウに大きく関わる新キャラの登場で、マサキにさらに影響があったのです。
 シュウの過去も知り、これからのサーフィンについて、マサキはどういう結論を出すのかが、成長させていくのです。

 それとはべつにそれた、仲間を思うサイドエピソードありというのもあるです。

 やはり最後は大洗と、自分を見つめなおしたマサキは、どんな決意とどんなサーフィンを見せてくれるのか?な感じです。{netabare}このあたりになると、フケ倫道のマサキ達に対する態度にも変化があるかもしれないです。{/netabare}

 また、最後の最後になると、この人いるんだったら、なんで今まで出てこなかったのと思える前作のPVに関連したキャラの登場は、何を意味するのか?なみたいだったです。

 この三作の感想としては、一章のほうが盛り上がった気がしたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

作業用でいいかな?

 
4話くらいまでちゃんと観てたが、あとは作業しながら横で流して完走。
それでもそれなりに内容は追えた気がするんで、自分的には良かったかなと。

あまり人間臭さを感じないキャラたちの、サーフィンにかける青春みたいな話。
同時期に「スケートリーディング☆スターズ」「SK∞ エスケーエイト」など男だらけの運動系作品もあったが、それらに比べると良くも悪くもあっさり。キャラにイラつくこともなく、道具で殴り倒したりもなく、粛々と展開する。

作画は、まあ、ボチボチ。
音楽は土橋安騎夫氏。レベッカの「フレンズ」と言えば知ってる人も多いだろうか。あまりアニメで聴かない特徴的なサウンド。
OP/ED曲は別の方の担当だが、そっちは残念感が漂ってた。

悪い意味ではない軽さがあるんで、気楽に観たい人にはオススメ。
心に残る作品を求めるならスルーかな?といったところ。

投稿 : 2024/05/11
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