恋愛で飛行機なTVアニメ動画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の恋愛で飛行機な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番の恋愛で飛行機なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.5 1 恋愛で飛行機なアニメランキング1位
とある飛空士への恋歌(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (656)
3720人が棚に入れました
海の尽きる場所を、 空の果てを見つけるために。 僕らは空飛ぶ島・イスラに乗って旅に出た。
革命によりすべてを失った少年、革命の旗印とされた孤独な風呼びの少女……。
“空の果て"を見つけるため、若き飛空士たちはそれぞれの想いを抱えながら
空の孤島・イスラに乗り旅立つ。
友情、恋、冒険。
そして彼らには、守りたいものがあった。
少年少女たちの恋と空戦の壮大な物語がいま、はじまる。

声優・キャラクター
花江夏樹、悠木碧、竹達彩奈、石川界人、下野紘、立花慎之介、浜添伸也、田野アサミ、早見沙織、南條愛乃、丹沢晃之
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

憎しみと愛情を乗せて空へ

飛空士官を乗せた浮島イスラの旅の行方と
カルエルとクレアの恋物語。

追憶の方は視聴済みですが直接的に繋がった話ではないのでまた新たな作品を観る感覚。
雰囲気的にラストエグザイルに近い気もしました。

ハートフルな旅と爽やかな恋のはじまりからスタートを切りましたが、
所々、憎悪や困難を暗示した描写があり途中から急展開が予想され興味を惹かれます。
またオスプレイ型の飛行機なので
自由度の高い色々な動きも見られそうなのも楽しみの一つです。
期待して観ていこうと思います。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※6話までの感想{netabare}
ここまでは地味で低空飛行とも捉えられますが
カルエルとクレアの愛憎と苦悩や背景、それと共に学生達の交流の様子をじっくり描き
しっかりとした下地が完成したように思います。

その間にもイスラは進み続け
聖泉を越え不穏な足音が聞こえイヤな予感もして来ました。
【予想】{netabare}6話でのやり取りが死亡フラグに見えるので
近いうちにミッちゃんかチハルの片方だけが亡くなると思います。{/netabare}
愛憎と冒険のストーリーがいよいよ動き出しそうで今後更に注目です。
期待通りの作品なら今期でも一、二のストーリーになるのではないでしょうか。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
…予感はしていましたがミッちゃんの立派すぎる最期が涙を誘いました。
最愛の者を亡くしたチハルの心情を考えると心が痛みますが
「なんとなく飛空士になりたい」と語っていた彼女も
志を引き継ぎ立派な飛空士へと成長することでしょう。

今までののんびりとした学生生活から一転して戦場へ投げ出される形と成りました。
ゆっくり地道に下地が築け心情も丁寧に描けていたので重く響く衝撃を与えてくれました。
そしてここからも更に響いて行くと思います。

覚悟が出来ていようといまいと敵は襲ってきます。
それでもイスラの人々を守る為に戦地に向かう学生の姿を興味深く見届けたいと思います。

また引き込まれるストーリーだけでなく作画の方も素晴らしかったと思います。
飛行機の動きの一つ一つが丁寧で旋回等も滑らかでスピード感もありました。
期待以上の作品になりそうです。
…毎話感想しておけば良かったかな?今からでも遅くはないか。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
覚悟はしていましたが想像以上の犠牲。
ウォルフガングにマルコ、ファウストと共に貴族組はほぼ全滅。
特にファウストとはまだ絡みがありそうでしたから戦死は意外でしたが
誰しもが死と隣り合わせだという事を印象付けてくれました。
ボルトアクションVS機関銃、飛空機の技術も圧倒的な差がある中
良く奮戦し時間を稼ぎ数機撃墜までして奇跡的な戦果を挙げ
イスラ防衛に繋がりましたので無駄ではない犠牲でした。
生きている者への明日へも繋がると思います。

書簡はカルエルを救ったウミネコ戦空機の国からの物ですかね?
敵の真意も分からないけど、敵がこのタイミングでこんな手紙よこさないよね?
次回観れば分かると思うけど、正直ちょっと分かり辛い…。
書簡投下シーン入れるとかセリフ補完とかもうチョット出来なかったのかな?
{/netabare}

※9話感想{netabare}
身も心も皆一様に傷つく中いつも通り明るく気丈に振る舞うアリエルが魅力的で
それがまた悲しみを物語っていた気がしました…。

そしてついにカルエルとクレアお互いの正体が分かる事に。
ざわつく風の中での告白が何とも印象的でした。
自分の一番愛しい人が一番憎む人。
一番憎む人を愛してしまった自分。
運命と自分が許せなくなって塞いでいる様子は観ていて辛かったです。
ただ部屋から出ず水も飲まないのはリアリティに欠けます。
人間どんなに辛くても喉は渇くし排泄はするものです。
…って、そこまでは追求し過ぎかな? でもしたくなる作品なので。

「私には皆と空を飛ぶ資格はない、もう二度と。」
クレアもその身分故に戦場へ赴く事がないのは分かりつつも
皆と仲間として過ごしてしまった事に申し訳なく合わす顔もないのでしょう。
特にカルエルには過去の経緯や多くの感情ものし掛かってますし…。

イスラは前に進むしかないのですが二人の関係は前進出来るのでしょうか?
イグナシオやアリエルは架け橋になれるのでしょうか?
気になる所であっと言う間にまた次週…。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
心の整理がつかぬまま、こちらの事情などお構いなしに
また戦闘になってしまいました。

義務ではないのに、死は怖いのに、不安なのに、
少しでも皆を守る力にと己がやれる事を考え飛び立つ4人の学生達。
振り絞った勇気の行方はどの様な結果になるのでしょうか。
無事と言わずとも生きて帰って来れると良いのですが…。

空戦の作画は高レベルで安定していて
学生達の緊張感と相まって手に汗握って見入っていますね。
{/netabare}

※11~13話感想{netabare}
4人の活躍やクレアの風能力の再開眼そして援軍もあり戦闘には勝利。
しかし和平締結の人質としてクレアが空の一族の元へ。
半年後クレアを差し出した事もあり旅はついに終焉。空の果てに到達。
言い伝え通りの不思議な光景を目の当たりにした旅人達は凱旋帰国し
再会と祝福のひとときを迎える。
しかし安穏はせずクレア奪還の為にカルエルは再び戦いの空を目指すのであった。
というのがあらすじ。

うーん。序盤じっくり積み重ねてきた作品にしてはラストは大味な感じが否めない。
アリエルの歌えない恋歌のシーンは良かったけど
グッと来る感動場面には出会えず終いで高まっていた期待がやや空回り。
カルエルがイスラで多くの事を経験して成長した結果
『憎しみより愛情が勝る』という選択肢を選ぶはず、選んでるはずなのだけど
それがどうもピンと来ない、しっかり伝わって来なかった。
もう少し気持ちが伝わる演出が有ってくれれば印象は
かなり良くなったと思えるだけに少々残念です。

それとアッサリしてたけど帰りの食料や燃料とかどうなってたの?
という微妙な疑問も有ったりします。(^_^;
{/netabare}

【総評】
丁寧に作られた良作ではあるけど演出不足でパンチが足りない。

前半じっくり積み重ねてきた割に後半畳むのが拙速で活かし切れていない感じを受けました。
ペース配分から2クールものかなっと思ってしまったのだけど1クール。
これなら前半もう少しコンパクトにして後半に高まる感情の演出に力を割いて欲しかったです。
話自体は悪くないのでもっと演出に凝ってくれれば胸に残る作品になり得たはずなのですが…。
まだ完全なハッピーエンドではないので続きはあるかも知れませんが
これ以上広がる世界観は無さそうなのであっても微妙かも。

作画関連は空戦が特に素晴らしくそれだけでも観る価値はありますが
シナリオ重視だとやはり物足りなさが残ります。
少々期待が大きくなったので辛口かも知れませんが、まずまずの良作止まりというところでした。
まぁ、この手のジャンルがお好きでしたら楽しめると思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

愛は憎しみ超える

原作の知名度は低めなご様子
どうみてもオスプレイみたいな航空機に乗り、割と戦闘を繰り広げるし、王制から共和制への革命とかあってシリアスな展開も多い
恋人を守って撃墜されるのは胸熱だ
全体的な面白さはそれなりで、そこまでドラマチックとも言えないが、そこそこ見てはいられるなという感じ
地味だから話題になることはないな。

憎しみよりも大切なのは許すことそして愛ですな
ありがちと言えばそうだが、兄妹同然で育ったヒロインの頑張りが切ないですな

声優さんたちは今も活躍されている方々ばかり

次回予告をぶっつり切るのは草
日本家屋だったり箸だったり不思議に思える世界観
カップリングしてハッピーな人もいるなかで{netabare}俺たたエンドかあ。{/netabare}


OP
azurite petit milady 悠木碧、竹達彩奈
ED
風が知ってる 赤い公園
赤い公園のアニメ初タイアップ曲とのこと
今更ながら津野米咲さんのご冥福をお祈りいたします


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
“空の果て”を見つけるため、若き飛空士たちはそれぞれの想いを抱えながら、空の孤島・イスラに乗り旅立つ。それは故郷に戻れる保証のない、危険を伴う旅だった……。


1. 「旅立ちの島」
“空の果て”を見つけるため、旅立ちの時をむかえた空飛ぶ島イスラ。その出帆式典に、飛空士見習いのカルエルはいた。華やかな式典の雰囲気とは裏腹に飛空機を操縦するカルエルの目線は、イスラ管区長ニナ・ヴィエントに、憎しみを持ってむけられていた……。

2. 「カドケス高等学校飛空科」
湖畔で偶然出会ったクレアのことが気になるカルエル。カドケス高等学校飛空科に入学し、センテジュアル組になったカルエルは、実習で飛空ペアを組むことになり、クレアにペアを申し込む。しかし、ヴァンヴィール組のファウストが因縁をつけてきて……。

3. 「風の革命」
カドケス寮にクレアを招くカルエル。アリエルが絶品のカレーでもてなし、クレアの緊張がほぐれ寮生たちとも自然と打ち解ける。カルエルたちが入学して一か月が経ち、飛空演習はライフルによる狙撃や、編隊を組んでの飛空など、空戦仕様のものとなっていく。

4. 「星の海原」
ファウストの計略によって、クレアと共に遭難してしまったカルエル。海にエル・アルコンを着水させ救助を待つが、雨が降り雷も鳴り始め……。一方、カルエルたちを心配するアリエルは、父ミハエルが幼いカルエルを家に連れてきた日のことを、思いだしていた。

5. 「風呼びの少女」
出帆から4か月が過ぎ、イスラは聖泉の間近まで来ていた。飛空生たちは真夏の青空のもと厳しい陸戦訓練をこなし、湖畔で野営をすることに。和気あいあいの楽しいキャンプであったが、クレアの表情はどこか暗く、なぜかカルエルと距離をとろうとする。

6. 「聖泉」
イスラは世界の中心と予想されている聖泉に辿り着く。その壮大な景色に感動する飛空生たち。島は聖泉到達を祝い、お祭りムード一色に。しかし、騎士団が撃墜した飛空機が、空を領有するという伝説の「空の一族」であると発覚。この先の旅に暗雲がたちこめる。

7. 「散華」
「聖泉に立ち入るものを無条件に攻撃する」という空の一族の艦隊を、騎士団がいち早く発見。旧式の木造駆逐艦隊は恐るるに足らず、レオポルドが全戦力をもって殲滅する。その頃、後方空域を偵察していたチハルとミツオ機が、敵の超大型爆撃機を発見し……。

8. 「鳥の名前」
空の一族の戦略にはまり、主力を引き剥がされたイスラが爆撃を受ける。イスラで待機の任務が下っていたカルエルたちは、イスラを守るため、自らの判断でエル・アルコンで飛び立つ。しかし、敵機カマキリの編隊に次々と撃ち落され、劣勢に追い込まれていく。

9. 「きみの名は」
空の一族による爆撃を受けた二日後、合同葬儀が行われ、ミツオを喪ったチハルは泣き崩れる。その夜、級友の死に苛まれていたカルエルとクレアは、墓碑の前で偶然再会する。カルエルはクレアを抱きしめ気持ちを伝えるが、クレアは思いがけないことを口にする。

10. 「勇気の飛翔」
アリエルが怪我のせいで飛空士をあきらめること、正体を明かしたクレアが自分のせいで退学することをイグナシオから聴き、目が醒めるカルエル。その時、イスラの空に警報が鳴り響く。飛空生にも出撃命令が出るが、それは観測機の囮になることであった……。

11. 「恋歌」
撃墜された観測機に代わって、観測機を担う決意をするノリアキとベンジャミン。カルエルとイグナシオはふたりを掩護するため、敵機を引きつけ囮になる。そのカルエルの視線の先、今にも撃沈しそうなルナ・バルコの甲板の上に立つクレアの姿が見える。

12. 「空の果て」
イスラとの休戦交渉の座についた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオのとりなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、思いの丈を彼女にぶつけるが……。航行を続けたイスラはついに、旅の目的地「空の果て」に辿り着く。

13. 「きみのいる空へ」
空の一族との調停を結び、「空の果て」を見つけたイスラはその役割を終え、住人はバレステロス共和国に帰還する。凱旋式典の会場を埋め尽くした民衆の前で、カルエルは旧バレステロス皇国第一皇子カール・ラ・イールであることを明かし、ある思いを告げる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5
ネタバレ

境界線の観測者 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

空の果てを見つけるために

タイトルに「恋歌」とある通り 恋愛アニメ。
恋愛部分は べったべたの王道。

そこはいいんだけど、それ以外があまりにもひどい。

壮大な世界観、戦争、あらゆる要素はそこに集約するためだけのモノ。
だから説明不足ではないのです、鼻から説明する必要が無いのだ。

そんな主張が聞こえてきそうなくらい出来が悪い。

前半は

壮大な世界観を掲げ、意味深なワードをばら撒きながら
展開し描かれる物語は「飛空士」の学校という狭い世界。

キャラクターのバックボーンが明かされるたびに
それまでの行動に疑問符がつくことがたびたびある。

後半は

世界観の説明がようやく追いつき「空戦」という見所もあり
ようやくアニメーションとして見れるようになった。

絡んだ人間関係が様々な形で「終わり」を迎える瞬間は
物語としての見どころだろう。

作画はあやしく、雑。
アニメーションは及第点だが「空戦」に限って言えば良い出来だろう。

カラッとした恋愛モノでは間違ってもない。

全体的に、後半に向かうにつれて暗くじめめっとした物語に
なるので見るタイミングを間違えないように注意が必要だ。



自分用メモ

ここまで世界に入り込めない一話も珍しい
圧倒的に駄目な一話を耐えられるかどうか

第一話 旅立ちの島
{netabare}
「男なら笑え、門出だろうが」

キャラクターのバックボーンの出し方が雑、下手 脈略って知ってる?

幼稚で情緒不安定で自己中心的な主人公 成長がみどころ?

うーん、理解できないくそみたいなボーイミーツガール
わたしはまだまだ理解力が足りないようだ
「あの、抱きしめてくれてありがとう」 ⇒ ???

次回予告 ぶつ切り

やべ、つまんねぇ
{/netabare}
第二話 カドケス高等学校飛空科
{netabare}
主人公が恋愛脳すぎる(自称する性格との乖離が激しい)

貴族と庶民 主人公なにも出来てないぞ、おい

キャラクター紹介回

男女で組んだ方がいい?らしい?

主人公は元殿下 設定の出し方雑じゃね?

クレアとの出会い、絡み方が雑というか狙いすぎ
重要キャラクターですよー恋愛要素だけじゃないですよ

貴族と庶民の恋愛の壁だけだと薄いからなぁ

主人公が元殿下なみの秘密がクレアにもあるはず

やべ、つまんねぇ
{/netabare}
第三話 風の革命
{netabare}
主人公、女のことしか頭にねぇな

主人公、ここまでの想いと過去を抱えて よく頭お花畑でいられるな

クレアは有能

「嵐だ」 からのぶつきり
{/netabare}
第四話 星の海原
{netabare}
金髪 お兄ちゃん

劇に石を投げる少年を絶賛する民 何だこの国?
劇で女王役の女性を王役の男性がいたわっているのが小さく映るので仕込みではない?
何だこの国?

あー、一目ぼれの理由はこれか。
人外だから人扱いされたことがなかったのかな。

やっと 話が始まった。
愛する人は敵 さて面白くなるかな。
{/netabare}
第五話 風呼びの少女
{netabare}
水着回 良く迷うこと

大惨事

風呼びの力を失った

時代遅れの蛮族はどっちかねぇ
{/netabare}
第六話 聖泉
{netabare}

戦争前の日常回 雰囲気は好き

{/netabare}
第七話 散華
{netabare}
質も量も負けている

フラグは回収されるもの

話の内容は面白くなってきて会話の間もとてもいい
けど作画がなんだかあんていしないなぁ
{/netabare}
第八話 鳥の名前
{netabare}
主人公の独白がイライラする
戦闘中にべらべらしゃべるアニメはいかんよ

「大丈夫、信じろ。僕は負けない」 ⇒ 本当にこの主人公嫌いだわ
{/netabare}
第九話 きみの名は
{netabare}
敵の敵は味方

みんな死んだ!!みんな死んだんだぞ!!

本当にこの主人公嫌いだわ
{/netabare}
第十話 勇気の飛翔
{netabare}
貧乏が悪いんだ!!

関係性がつながりそしてフラグ立て回
{/netabare}
第11話 恋歌
{netabare}
学生は囮 だから情報は信じません

タイトルを引っ張って来るだけはある。
集約、意味のある回ではあった。
ここまで来るまでが色々とひどすぎたけど。

「私に答えて」 ⇒ 復活するんかい!! ……いやしないと話にならないけど
{/netabare}
第12話 空の果て
{netabare}

男性はロマンチスト 女性はリアリスト

はい、それから それから ⇒ そらのはて

全部いえたのは初だっけか?
{/netabare}
第13話 きみのいる空へ
{netabare}
革命から十年、痛みが消えるにはまだまだ短い時間
この国の民衆は駄目だ こんな国は亡びる
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

65.9 2 恋愛で飛行機なアニメランキング2位
アリソンとリリア(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (365)
2754人が棚に入れました
大きい大陸が一つだけある世界。
そこでは2つの連邦が長い間不毛な戦争を繰り広げている。空軍のパイロット・アリソンは孤児院で育った幼なじみのヴィルと共に、あるホラ吹きで有名な老人のいう「戦争を終わらせるほどの価値のある宝」を探す旅に出る。

声優・キャラクター
水樹奈々、くまいもとこ、吉野裕行、山寺宏一、桑島法子、能登麻美子、森川智之
ネタバレ

PeachFly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

NHKのアニメにしては、…もうひと押し、といったところ

いつも安定感抜群のNHKアニメですが、この作品はストーリーの展開方法の事もあって、ちょっと辛口の評価をしました。 大人から子供まで全ての年代で楽しめる設定になってはいますが、ちょっと若年向けかな。
二頭身のアイキャッチだったりとか、ちょっとギャグめいた味付けも見受けられました。

{netabare}
アリソンとリリア… おそらくこの作品の主人公であろう二人について、アリソンは1話目から登場したのですがリリアって誰?? …。 それもそのはず、リリアはアリソンの娘で、この作品自体が前半のアリソン編と後半のリリア編に分かれています。 (1~13話、アリソン編。 14~26話、リリア編)

話の展開も時系列に進んではいきますが、3~4話毎にイベント的な事件が勃発し、アリソンやアリソンの恋人ビルを交えた登場人物たちにより解決されていきます。 事件と事件との間は、割と数か月~十何年とかで簡単に飛びます。 これらの事件はその後に続く全く別の事件にも微妙に関わり、またこれらの事件の背景には戦争がモチーフとなっていて、「戦争はしてはならない事…」といったメッセージが込められています。

原作は大量虐殺や戦場の描写があったようですが、TVアニメではこれらの描写はカットされ、少年・少女の冒険活劇にアレンジされています。

作品中の事件・エピソードは大きく分けて、7つあり、
1.宝(最古の壁画)発見
2.フィオナの王家復活手助け
3.列車旅行中の武器商人の殺人事件、
4.アリソンとビルの同居と別れ
5.リリアとトレイズ編の始まり。 孤児人質の奪回事件
6.イクストーヴァ年越し、王宮離れ襲撃事件
7.トレイズ暗殺の阻止

4.は前編と後編をつなぐストーリー展開であって、事件というわけではないのですが、作品の流れから1つのエピソードとして挙げました。

アリソンとリリアは同じ声優さんがされていて、二人ともやんちゃでお転婆、自己主張の強い点で性格は一致しています。 リリアの性格は母親譲りなんでしょう。 リリアより朝ちょっとしっかりしている所は父親譲りなんでしょうね。

思いっきりネタバレですが、実はリリアの父親はビルです。 大学に進学した後アリソンと同居して、この間に子供ができますが、ビルは生まれたその顔を見ないうちにアリソンの父親(死んだと思われていたが、実は生きていて、情報部の幹部だった)が組織する部隊へスカウトされ、この世からいなくなります(いなくなった事になります)。 でも、リリア編では「アリソンの恋人のトラヴァス少佐」という設定でちょくちょく出てきます。

それで、感想ですが。
原作に沿って話が進んで行くので、まどろっこしい所とか、話の設定が苦しいところ等は作画製作側の責任ではなく、企画・脚本の問題でしょう。 作画は綺麗で、お金がかかっていると思います。 もうちょっとストーリー展開が上手く言ったら面白い作品になったと思います。

{/netabare}
ただ、まぁ、全体的にまとめられており、可もなく不可もなくというテイスト。万人受けし、ドキドキ・ハラハラする場面もあるけれど先が読めてしまう…。 悪人と対峙した時の緊張感が全くない…。等、対象年齢が少し低めに思われ、込み入った推理の展開がされていないところが惜しいかな。


<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 2

0:途中で挫折、 
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^

2014.2.18 / 3.2 誤字訂正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3
ネタバレ

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

飛行機ものと聞いて観てみたら NHK海外ドラマみたいだった

休戦中の2大国(それぞれ連邦制の様である)のある架空の大陸が舞台。
時代は1920~30年代くらい。
射撃が得意で秀才の高校生ヴィルの所に、空軍パイロットになった幼馴染のアリソンがやって来た所から物語が始まります。

飛行機あり、アクションあり、ミステリーあり の色々てんこ盛りです。
まず、全26話で大きく13話ずつ前後編に分かれます。
後半は時代が18年ほど進んでアリソンの娘リリアが主人公です。

更に全体の中で個々のエピソードに分かれる形式となっています。
そのエピソードが何というか、取り立てて熱中はしないが観てられる、と言う程度の物でしてこの感覚…
「名探偵ポワロ」とか「ビバ高白書」とか、なんか海外ドラマみたいでした。
こういう風にテンポ良く区切ってくれると観易いですね。

思えば昔はこういうのいっぱい有りましたね。「ダーティペア」とか「スペースコブラ」とか、分かり易い所で言うと「北斗の拳」とかジャンプ系バトル物もそうだし。
アニメと言えば2クールどころじゃない時代にはたくさんありました。

いうてほら「エヴァガ」もエピソード抱き合わせ物ですしね。
「エヴァガ」は個々のエピソード進行中本筋は殆ど進行しませんが、こちらは個々のエピソードが巧く本筋に絡んで来るのが巧い所。

なんですが、脚本がこれがまたガバガバで…
{netabare} テクテク歩いて行ける所にある遺跡を見つけたら戦争が終わってハイ英雄、って・・・ {/netabare}
あと悪役が馬鹿過ぎます。ひたすら状況を作る為だけに動いてくれます。
最近嘆きのレビュー書いた気がしますが「リコリコ」的ご都合展開ですね。
「いやそうはならんやろ」がハリウッド映画。
「いやそんな事せんやろ」がジャパンアニメ。この違い。


私が脚本考えた方がマシじゃね?って事がよくあります。

例えば最後
{netabare} 敵の目的はトレイズとマチルダ婚姻阻止なんだから、ピンチの所でトレイズとリリアをくっ付けさせれば盛り上がるじゃない。
大体トレイズは登場時はあんなチャラ男だったくせに途中から何であんな奥手になっちゃうのかよ。{/netabare}


しかしまあ母娘ツンデレヒロインに皇女(出番少ない)もツンデレとツンデレ好きとしてはアザマッス!でした。


それで、飛行機ものとしてどうかと言えばダメですね。
殆どの方にはどうでも良い事なので畳んどきますがネタバレはありません。
{netabare}登場機種当てゲームが難しいんですが、時代考証が全く出来てないです。
前半はユングマンみたいな複葉機で謎のエンテ式水上機が最新鋭だそうです。
後半にはフロート付フォッカーD21みたいなんのとドーラ9みたいなんのドッグファイトあります。
全体に同一技術水準ではないのが一緒に出て来ます。地上の乗り物とか無線機とかインカムとかもなんか時代が変ですし。

最初の方ですが同型機のドッグファイトあり得ない機動をします。
エンジン停止でテールスライドに移行、垂直姿勢のままエンジン始動でバックを取ると言う…。しかもどう見ても推力重量比の極小の戦闘機で。

この時点で、「あ、飛行機ものじゃない」と割り切りました。

複座水上機を遊覧用にバルクヘッド後に3座目を追加してある所なんかは結構リアルなんですけどね。バルクヘッドも軽量化してあるし。
飛行機詳しいのか詳しくないのか今一測りかねます。

他にも飛行機は色々出て来ますよ。
Ju52とか、正立エンジンのAr68Fぽいの。

詳しい方詳しくお願いします。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全年齢対象活劇

主人公が二人いる本作。(タイトルどうり、アリソンとリリアです)
彼女たちが、良きパートナーや友人達と共に、旅をしたり事件に巻きこまれたりする物語。
血生臭い事件も起きますが、20世紀中頃のヨーロッパのような舞台で明るい作風。
架空の世界ですが、ファンタジーやSF的な要素はなく、我々の住む世界となんら変わりはありません。飛行機や列車といった乗り物がレトロな雰囲気を醸していて素敵です。


主人公その1、アリソンのお話。
気っ風がよくアグレッシブ、何にでも首を突っ込むチャキチャキな女の子アリソン。この子が幼なじみの男の子とともに、冒険したりミステリーに巻き込まれたりするお話です。物語のスタートは戦争中(休戦状態ですが)それで軍人という設定の主人公ですが、本作は戦争のドロドロや殺したり殺されたりは、大きく扱ってはいません。
事件の中、かけがえのない友人を得たり、世界を平和にしちゃったりと、色々活躍してます。
もちろん恋にもアグレッシヴ。

主人公その2、リリアのお話。
気丈で正義感もあり、基本的にはお人好し。危ない目に合っても人の善意を信じる女の子。パートナーからは愛されていますが、その気持ちに応えればいいのかどうか態度を決めかねているといった立ち位置。ちょっとツンデレも入ってます。
性格は行動的なんでしょうが、事件に巻き込まれても自分から攻めて出るのではなく、王子様に護られて飄々としている受け身のヒロインです。ナイトであり幼なじみであるトレイズ君が、リリアに愛を伝えるまでに起こった様々な事件のお話です。
可愛いって、得だなぁ(^。^;)
実質、主人公はトレイズ君。間が悪く不格好でも懸命に彼女を想う物語になっています。


作品全体を通して、基本的には冒険物語といっていいですが、2人の主人公に関わる人々との人間関係を描いた色合いが強いです。
謎解きやアクションはそんなに深くはなく、事件を通じて彼女達がパートナーとの絆が深めていく事が話の中心。
調べると、原作の過激な部分の描写はこのアニメ化に際して改変されているとのこと。
ぬるい内容で多分に御都合主義的なところは見られますが、テンポよく次が見たくなるような展開の連続で安定感は抜群。さすがにNHK、ソツがない出来です。
声優陣も手堅く、文句なし。作画は、まぁそれなりです。


爽快冒険活劇(恋愛入り)、として万人に楽しめる作品に仕上がってます。
お子様にも安心な一作なので、ぬるめの冒険モノとしてご鑑賞ください。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

71.2 3 恋愛で飛行機なアニメランキング3位
月とライカと吸血姫(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (249)
740人が棚に入れました
世界大戦の終結後、世界を二分する超大国、東のツィルニトラ共和国連邦、西のアーナック連合王国は、その領土的野心を宇宙へと向けた。両国は熾烈な開発競争を繰り広げ、そして今――東歴1960年。共和国連邦最高指導者ゲルギエフは、成功すれば人類初の快挙となる有人宇宙飛行計画『ミェチタ(夢)計画』を発令する。そんな折、宇宙飛行士候補生の補欠、レフ・レプスは、ある極秘任務を命じられる。『ノスフェラトゥ計画』――有人飛行に先立つ実験として吸血鬼を飛ばす計画――その実験体、イリナ・ルミネスク を24時間監視し、訓練で鍛えろというのだ。レフとイリナ、人間と吸血鬼、監視役と実験体――種族の壁や国家のエゴに翻弄されながらも、宇宙への純粋な想いを共有し、2人は共に宇宙を目指すこととなる。

声優・キャラクター
林原めぐみ、内山昂輝、日野聡、小松未可子、木野日菜
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ちょと古い作りのアニメ。だがそれがいい。今期No1ですね。

 さて、本作は冷静に考えると、差別問題の解決の部分のストーリーが甘く、テーマという意味では期待外れかもしれません。もちろん、イリナとレフの頑張りが人の心を動かしたとのは読み取れますが、トップと女性のあの2人は政治的プロパガンダですからね。もう少しここの話に奥行きがあれば差別問題に関しては深まった気がします。

 ただ、です。本作は恋愛ものだと見た場合、あまりこの差別問題を中心にしてしまうと、尺からいって、2人の心理描写を省略したりセリフだけの恋愛ものになってしまったでしょう。ボーイミーツガール…2人の命がけの宇宙飛行そして命がけの恋愛が、差別問題解決への答えだったと思います。

 ちょっと古いタイプのラノベ的な舞台設定と物語に感じますが、それだけにストーリーにボディがあって、見ごたえもあり、何よりキャラがちゃんと活き活きしていました。
 
 古いと言えばアリプロジェクトに林原めぐみさんですからね。ゼロ年代感がすごいですね。古い言葉でいえば「だが、それがいい」ですね。

 アニメにとって作画は大きな要素だと思いますが、本作をみるとやはりストーリー、脚本、そしてキャラだと思います。本作はその意味では私にとってはですが、今年のTVアニメではブルーピリオドと並んでナンバー1かなあ。



以下 視聴時のレビューです。

 あらすじの吸血鬼という単語でちょっと敬遠していましたが、宇宙飛行士ものということで、なんとなく見始めたらまさかの出来でした。非常に面白いです。今のところ今期NO1ですね。もちろん継続視聴です。

 宇宙飛行士ものというよりもそれは物語の設定です。今のところ幹になっているストーリーは、差別される立場でもプライドと強い想いに基づく試練の選択をする吸血姫、そしてそれを支える落ちこぼれた優等生という、差別問題と人間ドラマの部分に注目ですね。
 ですので、気になるポイントは、吸血鬼全体の被差別問題まで行くのか。あるいはヒロインのアイデンティティの問題か、個人的な救済か。それは現実社会でなのか、命の捨て方による魂の救済なのか。または主人公の命がけの献身となるのか。恋愛の行方は?等々ですね。

 キャラデザは萌え絵の要素はあるんですけどちょっと写実が入っていて、物語の雰囲気とあっていてバランスが非常に良かったです。作画も丁寧だし、人も良く動いていました。

 で、7話です。 {netabare}まさか7話でここまでくると思っていなかったです。逆にいえば話の展開が早くて飽きさせません。宇宙開発もの的な詳細な話をばっさりとカットしたのが不満といえば不満ですが、そのおかげでテンポが良くなったのでキャラに感情移入しやすいのはプラスでした。

 吸血鬼が被差別民族のような感じで、命令を聞かざるを得ないヒロイン…という設定と主人公の関係をどう考えればいいんだろうと、初め戸惑いはありました。
 もちろんですが、主人公と心を通わせる展開になります。ただ、ゆっくりとエピソードを重ねながらなので自然と受け入れられます。その意味では4話が良かったですね。レモンの炭酸水をキーアイテムにしたのは良かったですね。吸血の設定もよく物語とマッチしていました。で、7話です打ち上げ成功…そして帰還と。

 そうですね。ここからが重要なテーマです。ヒロインがどうなるのか。なんか死亡フラグみたいなセリフが結構あったので心配ですが、一方で、この主人公ならなんとかしてくれるかも、という期待もあります。


 SF的にいえば、ロケットの技術的問題をどうやってクリアしたのか、という部分が根性論に見えましたね。
 ストーリー的には、吸血鬼の迫害からヒロインが宇宙飛行士に立候補するまでの心理描写が弱いこと、ロケットの研究所の研究者たちがいつの間にヒロインの心情的な味方になっている部分の描写が弱いです。ここがちょっと残念ポイントです。 {/netabare}


9話 とにかく話が面白いですね。宇宙飛行と恋愛。話の本筋が明確です。そして、テンポもいいし、ツンデレ具合がなかなか悶えます。 {netabare}白薔薇ちゃんもデレましたね。結構チョロくて笑いました。ここはもうちょっとなんかあっても良かった気がしますね。そして、ヤキモチ…ラブコメでした。{/netabare}

 後は人種差別問題ですね。ここがちょっとなあなあになりかけてるんでしょうか。それとも何かこれからあるんでしょうか。テーマ的な深掘りは、正直それほどでもない予感があります。

 ですが、とにかく見ていてこれほどワクワクするアニメは久しぶりです。吸血姫という設定と宇宙飛行競争。うまく組み合わせましたね。原作はとりあえず3巻まで買って寝かしてあります。



10話 こういうのが好きです。切なすぎる。

 設定とか作画とかがすごい…ではなく、話が純粋に面白い話っていいですね。ここまでダレるところ無しですね。

{netabare} お別れ前に何気ないデートをする。自分の死を覚悟して。もう切なすぎます。こういうストーリーできちんと恋愛感情の深さとか相手を思いやる気持ちを表現して、別れ際に笑うって…バス停のシーンとかもう涙なくしては見られませんでした。

 イリナちゃんの生存確率が上がってうれしい半面、政治的思惑の外的要因かあと、ちょっとそこは興ざめはありますね。ただ、レフとイリナががんばったから周囲の心を動かしたのかもしれません。
 最後は2人がどこかで会えるのか、心を遠くで通わせて終わりなのかわかりません。{/netabare}

 それにしても、いい話だなあ…。話の面白さなら2021年度TV部門ではNO1候補かなあ…


11話 恋も自由にできない国ではいけません。今時珍しい純愛ですね。

 そう恋も自由にできない国ではいけません。民主主義というのは欠点も多いですが、やっぱり人の気持ちが尊重されるという意味ではベターな選択なのでしょう。話が面白過ぎてこの辺りのテーマを忘れていました。

{netabare}  吸血鬼の差別問題はちょっと浅くなりましたが、2人の気持ちが痛いほど伝わってきてもうペンダントのシーンは涙失くしては見られませんでした。この差別と不自由の中で命がいつ消えるかもしれない状況で、せめて気持ちだけでも伝えたいという…もう苦しいくらい愛おしいです。{/netabare}本当に今時珍しい純愛ストーリーですね。

 暗躍する人々の思惑ではありますが、もうそういう些末なことはいいです。ぜひハッピーエンドでお願いします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

影で生きた英雄

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンルは、恋愛、ファンタジー。

冷戦期の宇宙開発競争をモデルに、吸血種族「ノスフェラトゥ」が人類と共に月を目指す姿を描く作品。

林原めぐみさんが主演ということでも話題になりました。

1期で綺麗にまとまっている作品です。個人的には、一気見が似合う作品なのかなと。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1期の尺の中で、しっかりストーリーを作り、あれだけ綺麗にまとめてくれた。よほど、原作者とシリーズ構成が優秀なんだろう、と思って調べたら、原作者がシリーズ構成やってるのね。凄く良いカタチだな。

ラストは、これ以上ないほどのハッピーエンド。ベタですが、こういう綺麗事、大好物です(笑)

私は観点別の評価をしていませんが、もしするならば、ストーリーについては☆5をつけますね。これ、林原めぐみさんのインタビューの引用なんですが、

(全文は長いので畳みます) {netabare} 「ファンタジーなのですが、史実に基づいていて、ただただ吸血鬼の女の子の頑張る物語というわけではないぞ……と。人類がずっと続けている差別に対してのメッセージ性も感じたんです。ファンタジー要素満載なので、安心して読んでいられるのですが、もしこれが本当にどこかの国のどこかの虐げられた少女の話だとしたら、とんでもないことになってしまう。でも、{/netabare}この作品はエンタメとして、過去への攻撃ではなく未来への提示をしていると感じたんです」

というのには本当に共感して、最終回はそれがダイレクトに描かれてましたよね(まだ達成できていないことへの皮肉を込めてw)

一方で、それ以外の観点では☆4かな。

あ、声優さんには文句ないです。林原めぐみさんも、同インタビューの中で、

「 {netabare} 若い子がどんどん活躍している業界の中で、今の私がこの年齢の子を演じるのは老害ではなかろうか?と、正直、頭をよぎるところもありました(笑い)。自分のキャリアや年齢を考えた時に、この純真無垢(むく)な少女を演じることに、いろいろな意見もあるとは思います。原作を読んだ時、この子の人生の苦しみ、喜び、未来への思いなど彼女の複雑な背景を表現するために、かなり深いところまで潜っていく必要があり、心のひだの部分を託されたとも感じました。お手紙、原作を読んで、私が生きてきた時間と経験が役に立つかな?と思ったんですね{/netabare}」

とある通り、制作も演者も賛否あるのを覚悟してやってるし、イリナのキャラには一番似合う声優さんだと思うし、何より私は林原めぐみさんが好きだし(笑)

唯一文句があるとすれば、作画や演出ですね。大きな崩れというより、「これだけ良い原作に、この作画はもったいない」と思いました。

特に、3話の夜間飛行、4話のスケートシーン、8話の願い事、10話の夜のピクニック、12話の2人の邂逅などは、作画次第というか、こういう大事なシーンだけでも、神作画があればな~と。まあ、そこは監督も分かっていて、人的、予算的な問題だからどうしようもなく、なんか謎の演出で誤魔化していた感じですね。そこだけが、残念な作品でした。

wiki見たら、本作は第一部ということなんで、第二部、第三部とシリーズアニメ化されてほしい作品ですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ロシアとアメリカね。まあ、イクラはロシア語だからな(笑) やたら綾波だけど、綾波より感情豊かにやってるのは、わざとなのか、キャリアからなのか。

2話目 ☆4
牛乳が血液の代わり、なるほどね。高所恐怖症でかわいい(笑)

3話目 ☆3
そこまで作画が凄いわけじゃないのに、このファンタジーな演出は、ちと似合わない作品、作風かな。負けたくないの一心。

4話目 ☆4
憐れみには強く反応。ちゃんと棺桶で眠る(笑) 酔っぱらいは安定の可愛さ(笑) スケートシーン、変な効果なんかいれず、ここだけでも神作画で勝負できればな~。

5話目 ☆4
ちゃんと生かそうとしている。事故を目撃。

6話目 ☆4
吸血前に歯を磨くか聞くの、斬新だな(笑) ラブコメ展開は面白いが、あの、吸血時の謎の演出はどうなんだろうね。

7話目 ☆4
宇宙にいる間のやりとり、空気感はとても良かった。吸血鬼が寒さに強いことが生きてきたな。レフとイリナ、素敵な2人。

8話目 ☆4
ナショナリズムはあれど、良い人もいる。もちろん、そうじゃない人も。レフの訓練生復帰を喜ぶイリナ、良いな。新たな価値を生み出し続けないと、生きる権利を奪われるか。イリニャンさん、可愛すぎる(笑) アーニャも良いキャラだよな。「吸血鬼より、宇宙を飛んだ方に驚く」。確かに。どっちがレアかということか。ある意味、吸血鬼を越える存在な。だから、そのお願い事の謎演出やめろて。

9話目 ☆3
宇宙を「そら」と言うのは、当たり前のように使うのは、どうなんだろうね。なんか、昭和の演出? 恋敵? 

10話目 ☆4
この夜のピクニックも、作画次第だよな。

11話目 ☆4
そこで、イリナの言葉を繰り返すのは、素晴らしい。白黒の演出。アーニャ、悪い顔(笑)

12話目 ☆4
はっきり言ったな。エドモンド本田(笑) まあ、乗っかるしかないやな、全力で。むしろ、アメリカへの攻撃になったか。最後は、かなり綺麗にまとめたな。好きです、こういう綺麗事(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ソ連の宇宙開発を題材とした話

宇宙開発競争時代のソ連を舞台とした話。
史実に忠実な部分もあり、その上に"吸血鬼"というファンタジー要素を足した作品。

{netabare}
個人的にこの作品は6話までがめっちゃ面白くて、その先はまあまあ面白いという感じの作品だった。
序盤の訓練回がほんとに良かった。
重力への耐性を付ける訓練や暑さに耐える訓練など、専門的な要素があったのが良かったし、着地の訓練では高所恐怖症の改善とかそういった要素もしっかりと組み込まれており、丁寧さ・専門性がちゃんとしていて素晴らしかったと思う。

その上で"吸血鬼"という忌み嫌われたヒロインを国が国とは言えちゃんと人間のように扱う主人公に魅力があった。
6話ではヒロインのために自分が投獄されようとも立場が上なおじさんに歯向かったり、とにかく最近のラノベでは珍しく主人公がしっかりしていた印象。

その先は悪くはないけど少し失速したかな。
訓練は良かったけど、いざ打ち上げとなるとなぜかあっさり感があった。
まあ変な演出をあえて入れてないんだろうけどどこか淡々としすぎていた感じ。
レフが宇宙に行くまでの流れもイリナが宇宙に行くまでの流れに比べると少し丁寧さに欠けて、良いか悪いかと言えばいいんだけど、序盤ほどの良さは感じなかった。
決め回ほどあんまりだった謎作品でした。
なんというか、展開が予定調和すぎてそこまで面白みがなかったかな。
そんな感じで最終回まで終わっていった。

最終回で連合王国ではまだ吸血鬼は差別されているみたいな情報があったけど、この作品における"吸血鬼"は黒人とかユダヤ人のメタファーか。

基本的に話にこれと言ったダメな点はありませんでしたが、声優は正直酷い。
林原めぐみにメインヒロインは正直もうきつい。
声を張り上げたときの演技とか聞いてられなかった。
灰原哀みたいに完全に定着しているならまだしも、1クールの深夜アニメで若いキャラに林原めぐみを当てるのはどうなの。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
宇宙系最近だと珍しい。久々のアリプロ。
アリプロは当たりはずれが激しい。
ハンバーガーの皮肉面白いw ラノベなのに面白そう。
あくまで萌え寄りでやるのか。
まあ自分は萌えアニメの方が好きだからいいけど。
太陽に弱いのに宇宙行けるのか。
え、さっそく吸血鬼ばれしそうだがw
まさかの林原めぐみヒロイン。正直合ってない。
一般人にばれてはいけないだけでこの人らにはばれてもいいのか。
人気のなさそうなラノベのほうが面白いのはなぜなのか。

2話 ☆9
吸血鬼って言っても身体能力は同じか。
吸血鬼要素ってどこで活きてくるのだろう。
こういうラノベっぽい要素はいらないなぁ。
牛乳が血からできてるとか細かい知識が多いのがいい。
90℃とか耐えられるのか。
人と温度の感じ方同じらしいのに。
重力への対策とか専門的な内容がいい。
これマジで辛そう。
クールぶってるのに高所恐怖症なのかわいい。

3話 ☆8
処刑する意味あるのか?
少しずつ高所恐怖症が改善していく感じがいい。
ソ連さぁ...。
ラノベだけどラノベっぽさがあまりないのがいいな。

4話 ☆8
いやいややってるわけじゃないのか。
最初は無理やり連れて来られた感じかと思った。
このアニメに一つ駄目な点があるとすれば差別描写が中途半端なことか。
人間として扱ってる人の方が多い気がする。

5話 ☆9
ずっと訓練だな。見てはいけないものを見てしまった感。
成功率5割でも低いな。

6話 ☆10
ヴァニタスかな? 
爆弾を積むという秘密をイリナに隠す主人公もつらそう。
主人公がイリナのことを思っていてしっかりと魅力あるのもいいね。

7話 ☆7
ええ、主人公あっさり脱出かよ。
粛清w なんかあっさりだな。
この料理番組って実話なの?
そっか最終的な目標は月か。

8話 ☆8
N44への待遇良くなりすぎじゃない?
あくまで"実験犬に敬意を払ってるのと同様に"敬意を払う、こういうところしっかりしてるのがいい。
あっさりと別れちゃうのか。
次の目標を有人飛行にするというセリフでイリナが差別されていることが表現されているのもしっかりしてるなと。

9話 ☆8
なんか今回作画と言うか雰囲気おかしくない?w
ちょっと今回見てられんわ、この崩し作画嫌い。
うーん全然イリナと別でやってきた感が出せてない。
一か月もあってなかった感がない。x

10話 ☆7
日常回あんまりなんだよな。
なんか映画パートイリナの知性が下がってる気がする。
血を吸われたいって...w えぇ...。
決定遅くね? レフ選ばれなそう。選ばれた。

11話 ☆7
セルフ粛清。イリナの感想を言うのか。
やっぱこのアニメ決め回はあっさり感を感じてしまう...。

12話 ☆6
この作品、主人公の年齢がもっと高かったらよりリアリティが出て良かっただろうな。
無言演出 はい粛清
こんな大々的に発表するのか。
下手したら撃たれるだろこれ。
やりたいことはわかるけど持って生き方がかなり強引。
あって真っ先にすることがマントをかけるなのは良かった。
月へ行くという更なる目標を定めるのがいいね。
連合国では差別されているということはやはり吸血鬼はユダヤ人か黒人か? 

{/netabare}

曲評価(好み)
OP「緋ノ月」☆5.5
ED「ありふれたいつか」☆9
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

64.5 4 恋愛で飛行機なアニメランキング4位
プランダラ(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (284)
994人が棚に入れました
「廃棄戦争」と呼ばれた未曾有の大戦後の世界、アルシア。そこは、強者が弱者から自らの存在を示す「数字(カウント)」を奪い取る、弱肉強食の世界。そんな世界で、2人は出逢う。仮面で素性を隠しながらも、エッチなことが大好きで、弱き者たちのために太刀を振るう青年・リヒトー。母の遺言を頼りに「伝説の撃墜王」を探して旅をする、健気でひたむきな少女・陽菜。2人の出逢いをきっかけに、「数字」がすべてを支配する世界の謎が、少しずつ明らかになっていく---。

声優・キャラクター
中島ヨシキ、本泉莉奈、小澤亜李、市川蒼、梅原裕一郎、伊藤静、悠木碧
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

観終わった

1話感想{netabare}
原作は置いといて、シリ構が鈴木雅詞じゃねーか!
これはヤバ気な匂いがプンプン、シャッフルギフトみなみけおかわりレイルウォーズISCAsin七つの大罪ロードオブヴァーミリオン、これのどれかで「それクソアニメじゃん」と感じた方は警戒が必要かも。
ってか同期に“オーフェン”が始まって、これがそうだと一瞬勘違いしたよw
だってその…古臭くね?
「普段はスケベ能面男、しかしてその実体は…」って多羅尾伴内ネタもなんつーかもう、うん。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
話がヒドいのは鈴木雅詞だしこんなもんでしょう、別にバカにしてるんじゃなくて個性が強いというか作風に合ってないというか。
この方の得意分野はほのぼの路線からの殺伐とか闇堕ち系(いわゆる一昔前の18禁パソゲ系)だと思うのだけど、最初の方のほのぼの路線パートは今ではもう古い手法になっちゃってるというか。
原作知らんけどアニメは2クールって余裕あることだし、そのうち殺伐方向にシフトするんじゃね?と思いつつダラーンと見続けてたら…9話でキター!
いやもうね、9話の展開はいかにも鈴木雅詞らしい展開で心の中でガッツポーズでゲス(一応6話の「救えなかった…」も殺伐カテに入る?)。
あ、言っておくけど面白いってワケではないです、“ロードオブヴァーミリオン”みたいになってきたってこと、コンサート会場の件が近いかな?
で、絵がヒドいのもまぁ…今期はもっとアレなのがあるし、うん…。
そして、そんなことよりもっと気になることがありまして…。

B G M が ヘ ン

ダイナミックピアノ(ググって)をずっと聞かされてる感じ、なにこれイルーム?
上記の通り話と絵がアレなので視聴切っちゃった方も多いだろうけど、画面見ないで台詞も聞き流しで良いのでBGMに注意していま一度視聴して欲しい。
そしてBGMが気になり出すと効果音も気になり始めるもので、これも注意してみるとなんかヘンかも。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
2クール目のOPとED、絵がちょっとアレすぎひん?今のご時勢考えると突っ込んじゃ悪いのかなぁ…。
で、2クール目から過去編に突入したのだけど…てっきり2・3話で終わると思ったらまぁ長いこと。
一応18話で終了でいいのかな?ってか18話だけ見れば大体の設定は把握できると思う。

でもってここまで見ての感想なんだけど…真っ先に思ったことは2つ。
ひとつは、脚本やシリ構ってひとつの作品にどれだけ時間かけるか知らんけど、ひょっとしてシリ構の鈴木はこれを手がけてる間に“ロードオブヴァーミリオン”の仕事した?と思ったり。
というのも共通する価値観が垣間見えまして。
端的に言えば「正当防衛であっても殺人は許されない」、ロードオブヴァーミリオンはこの思想がめっちゃ強く出てたんですよね。
こっちは原作アリなんだし、作者の思想に染まってる間に手がけたのかなぁ、と。
もうひとつは「あかほり作品でこんなの無かったっけ?」、えーっとMAZEだかセイバーマリオネットだかそれ以外だか。
まぁ「仮面の下の涙を拭え」って時点でアレなんだけど、原作の方全く知らんがあかほりキッズなのかい?

で、そういった直感的な感想ではない、じわじわと感じたこと。
口減らし政策ネタの作品も今まで沢山見てきたけど、この作品はいまいちピンと来ない、説得力が弱い。
で、その理由は…スタッフなり原作者なり分かってそうしてる?、ワザと危ない部分を外してるってことは…無いかな。
いわゆる宗教とか選民思想(=民族弾圧)とか、真面目に書いちゃうとどっかの団体からクレーム来そうなヤバい案件には触れないようにしてる可能性は無いかな?
とはいえ、余りにも避け過ぎててリアリティが無い。

そもそも敵って何?軍って何?貧困って何?が作品から何も感じない。
何のために戦争してるのかすら分からない。
口減らしって理由は生徒達には伏せられてたのかな?
世界規模の口減らしを目的とした戦争なら、負けた国は軍人も民間人も等しく粛清対象なんじゃない?
なら民兵がまかり通ったり国家総動員がかかってもおかしくないと思うのだが…何故か軍は徴兵ではなく志願っぽい。
まさかあの学校が大本営じゃないよね?やっぱり民兵?けどそうすると食料調達が謎になってしまう。
そんな中殺さない軍隊だなんて言われても、自分達は手を汚さないってだけにしか聞こえない。
途中でバロットによる議決が変わって「想定してたのと違う」ってことではあるっぽいけど、それでどう情勢が変化したのかよく分からない。
軍に入れば食料が貰える?じゃあそれどこから接収したんだ?市民の暴動は無いのか?貧困にあえぐ民草に思いを馳せつつ涙を流して米食うんじゃないのか。
Aクラスの集団自決も唐突というか今更かよって感じ、終戦迎えるまで気付かなかったってことか?
ってか労働人口下げてどうするんだ。
それ以前になによりも、「生産」がどう追いつかなくてどう落ち込んだんだんだかサッパリ分からない、一切触れない・見せない。
これが一番モヤ~っとする。
国すらもよく見えない…のだけど、これってひょっとして、口減らしが必要→人口が増えてる国ってどこよ(そこが悪いんじゃねーの?)と察しがついちゃうのでボカした…とかだったりして?
単に作画が大変なので手間のかからないシーンばかり映してたらこうなったってことは…まさかねぇ。
世界観の把握のためにも主人公達だけじゃなくて、他の国の軍は自国民へ銃を向けたかどうかが凄い気になるんだが、それも見せてくれないのかな。

別に戦争は悲惨に描かなければならないなんて思っちゃいないけど、それにしたって限度がある。
こんなんだったら戦争とか軍とか出さないで、普通にバロットの謎の力で大洪水とかの方が説得力があった気ががが。
あとこういう系で他作品でよく見るネタとしては「生き残るのは我々エリートのみ」ってやつだけど、そういう思惑は働いてたりするんだろうか?

なんてことを思いながらの19話、おおう…。
作画のことはもう言うまいと思ってたけどリィンの下腹の件、“異種族レビュアーズ”のうのまことだったらもっと説得力のある絵を描いたんだろうなーとふと思ってしまったり。
内容?あー、うん…。{/netabare}

総評(これだけ見ればいいかも){netabare}
あらすじ~
地上の人口が増えすぎて○○が間に合わなくなったので戦争が起き、7つのバロットを集めると発動するアルシングという事象決定装置によってアルシアという大陸(というより島?)を浮上させ、地上の○○を吸い上げて楽園を築いてましたとさ。
主人公はそれが気に入らなくてアルシアを落とそうと思ってたけど、気が変わって「とりあえず」でバロット集めようと決意しましたとさ。
(○○に当たる部分は普通に食料だと思うけど作中の描写からはそれを感じない、誰も農地を耕さない)
以上。

うん、目的がワカラン。
「現状がイヤだから反抗する」ってだけで、じゃあ解決策は?というとそれが無い。
人間の可能性は~って、それを散々模索した結果の戦争だったと思うのだが…。

途中からずっと不自然に思ってたのだけど、戦争戦争言ってる割には仮想敵すら見えてこない。
なんだろう、「イデオロギーが見えない」とでも言えばいいのかな。
それとも私の発想が貧困なだけ?
戦争の原因は作中で語られてる内容だけで判断すると「人口が増えすぎたための口減らし」、もっと言えば「総人口減らしたい」。
だったらまずは自国の労働人口以外…それこそ○才以上の国民は姥捨て山送り、テストで○点以下の国民はガス室送り、ってなりそう。
(多民族国家だったら○○人種は皆殺し、とかね)
それがイヤだから他の国民(軍人じゃなくて国民)を殺せばいいってことになって戦争になったんちゃうの?
なので降伏すれば命は助かるってことは無く、敵は皆殺しが基本になるんじゃないかな?
敵国民一人殺せば自国民一人助かるって状態じゃないのか。
なので軍と民の違いも無ければ大量破壊兵器や非人道兵器の禁止条約なんてブッチした地獄のような戦争になると思うのだが…。
ガンダムでいえば南極条約無視してコロニーでもアクシズでも落とすのを辞さない状況…じゃないのか。
実際作中の回想シーンで年端も行かぬ少年がヒットマンをやってたりしてて…でもそれが「当たり前」の戦争だったんじゃないの?
そのため「殺さない軍隊」とかいうやつも「他の連中同士で殺し合って人口が丁度良い数まで減るのを待つ」ってだけで、対症療法してるだけで根本解決とは程遠い。
ってか地下シェルターにでも篭ってろ、としか思えない。
実は戦争が起きた原因は他にあるのかも知れないが、そこら辺がボヤけてるため主人公の目的も分からない、バロットを集めるという「手段」だけが先行してる。
人口調整と生産の向上じゃあアカンのか。

ってかよう、ほんっとそもそもさぁ、地上は現在も地獄絵図なのか、人口が丁度いい塩梅まで減って復興してるのか、それすら分からない。
アルシア落としても結構平気かもよ?と思うと茶番にしか見えない。
ってかアルシアはどうやって地上の資源を吸い上げてるのかも分からない。
『キャピタルタワー』みたいなの無いの?『スコード教』みたいの広まってないの?飛行機作っちゃダメってのは『アグテックのタブー』でしょ?
上記の『』で括った単語は“ガンダム Gのレコンギスタ”の用語なんだけど、スタッフはGレコ見た方がいいと思う(面白くはないけど)、少なくとも作者はガンダムの影響強く受けてそうだし。
『ヘルメスの薔薇』を寡占してるヤツをぶっ殺せば解決とはならんだろうし、ホントもう何したいんだかサッパリ分からない。


と、以上がアニメを最終回まで見た感想。
大半の方がそこまで至る前に視聴切ってると思う…それくらい序盤もつまらない。
「これやっときゃオメーら嬉しいんだろ?」といわんばかりの下らないコメディシーン、作ってる側も下らないと思ってそうな気配を感じるのが辛い。
(むしろあれを面白いと思ってやってたらそっちのが問題だ)
鈴木雅詞はダテじゃない、を再確認できました。
「アニメスタッフはこんな原作をアニメ化しないで他の作ればいいのに…」みたいな感想をどこかで見たけど、いいえ、鈴木雅詞が係わる限り何作っても同じですよっと。
実際、原作の出来そのものは置いといて、アニメは原作から色々と改変してるらしい、というか読み込みが足りてないらしい。
調べたのがそこだけなので細かくて恐縮だけど、アニメ20話部分、原作では問題の無い行動順になってるのだけど、アニメでは時系列がおかしくて水着姿で寝てる連中が雨ざらしになるという事態に(目覚めないのかよ、と突っ込まざるをえない)。
こんな感じで順序がアベコベにされておかしいことになってる箇所が随所にあるらしい。
「らしい」ばかりでアレだけど、こっちもそこまで調べる気力無いし…ここら辺は原作既読の方がアニメではどう改悪されたか書き起こしてくれると面白い、かも?

地球の環境が深刻なほど汚染されて、人類は宇宙へ脱出して、地球の環境が回復するまで待つ。
ないし地上に残された人類を高みの見物する連中が居る、なんて話はこれまでにもゴマンとあるので、まずはそっちを見た方が良い。
その世界の文明レベルではありえない超科学兵器が登場するなんて普通だよ、普通。
主人公は“ガリアン”のヒルムカや“ゾイジェネ”のロンに当たるポジなんだと思う、ジョルディーやルージ「ではない」視点にしたのは新しい…のかなぁ?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

ナンダコリャ

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
ジャンルは、バトル・ファンタジー・エロ。

レビューでは、私の酷評系の中でもかなり酷評してます。もし読まれる方は、気を付けて下さい(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
アビスが実は現代の世界~とか、現実兵器が~とか、それはまあ別に悪くないんですけど、、、。

全体的に、ダサいというか安っぽいんですよね。ずっと。

まず、序盤のエロ展開。後のシリアス展開への伏線、高低差をつけたいのだろうけど、単純にキモい。閉じられた太ももをこじ開けようする主人公に、共感がもてるか? 「本当は心に影が」って、信じられるか?

中盤の、アビスの事実からの園原戦。映像表現がダサく、バトルがなんの能力バトルにもなってない、ゴリ押しバトル。しかも叫んで光るとパワーアップとか、「どこのドラ○ンボール?」と聞きたくなるものばかり。スピードが速いことを、背景を動かさずに「消える」で表現されても、それはもはやアニメーションではない。

また、とにかくこの園原というキャラが、というか使い方が納得いかない。

最初は「早く私を殺して」というメンヘラで登場し、バカみたいに一般市民を虐殺しといて、「実は薬を射たれてラリってただけで、本当は良い子だよ」とか、マジかよ!?と思った。

しかも、最後に少しジェル中尉とイチャついてるし。次話はふざけたエロ展開だし。街で園原に虐殺された人の家族が見たら、殺したくなるよな。

「大量殺人をしましたが、責任能力がないため無罪です」てことを、リヒトーだけならまだしも、園原自身も自然と受け入れている感じがして、かなり胸クソ悪かった。良い人にしたいなら、最初の大量虐殺をやらせたらダメでしょ。

「シリアスの中のギャグ」は、とても難しい。絶妙なバランスが必要だが、どう考えてもこの作者(原作者かアニメ制作陣かは分かりませんが)には荷が重い。

なんかこう、「ありがちでウケそうな設定・展開・キャラ」を、節操なく、無秩序に、とりあえず並べて、矛盾が出てきたら知らぬ存ぜぬで新しい刺激的な展開でお茶を濁すみたいな印象を受けた。

その辺が、自分が「ダサさ、安っぽさ」を感じた要因かなと思う。

続いて、過去世界編ですが、これもまたひどい。

そもそも、「人口が増えすぎたから食料が足りなくなり、人を廃棄する戦争」ってのが、意味わからん。

これは多分、FAOや農水省などが、「2050年には世界の人口が100億人を超え、その後も爆発的に人口が増え、世界の食料が不足する」とか言っているのをもとにしてるんだろうけど、私はそもそもこのことに懐疑的で。

まず、人口なんて、「ある日突然100億人になる」わけじゃなく、徐々に増えてくんでしょ? その間、何も手をうたないほど、人類はバカじゃない。食い物くらい、なんとでもできるでしょ。世界にはまだまだ耕作可能地はあるし、今の科学技術なら耕作可能地を増やせるだろうし(なんかバイオテロで農作物や畜産に大ダメージがあったとか、そんな説明でもあれば良かった)。

ていうか、人口増加率は1965-70年の2.06%がピークで、今はそこまで増えてない。じゃあ、1960年代以降、世界の食料が足りなくなったかといえばそんなことはなく、むしろ、穀物の価格は下がり、供給過多ともいえる状況になっている(勿論、これは地球全体の話で、紛争地帯や貧困地域などはこの限りではない)。1960年以降を見ると、人口は2.4倍に増えているが、穀物生産量は3.4倍に増えているので当たり前だ。これは、ICTやAI、バイオテクノロジーなどによって、単位面積当たりの収量が増えたことが大きく、この傾向はまだまだ続くと考えられている。

てゆうかそもそも、2050年をピークに、世界は人口減少に陥るという報告もある。実際、すでに出産数は頭打ちで、今の人口増加は、長生きできるようになったことが大きいとも言われてるしね。

まあそういう小難しい理屈を持ち出さなくても、過去編はおかしい描写だらけ。

戦争して口べらしする程の(究極ともいえる)飢餓状態なのに、電気等のインフラはバッチリ。節電の素振りすらなく、蛍光灯も全部つけてる。掃除も隅々まで行き届いている。毎日大浴場で入浴。洗濯し、糊の効いてる制服。

「軍は優遇されている」にしても無理がある。そして、この間まで究極の貧困の中にいたはずのこいつらが皆、筋肉ムキムキにおっぱいデカいって、どんな風に栄養摂取してるんだ?

それから、そんな貧困を身近で感じてきたはずなのに、海に行けば平気でビーチで遊び、乾杯してパーティ。飲みきってないビールを余裕で捨てる。それ、苦しむ民間から集めた金だろ? 殺さない軍隊とか綺麗事言っておいて、彼ら彼女ら全員、サイコパスなの?

過去編が終わった後も変わらず、最終回のできも酷い。なんで少し真面目にやると、ワケわからんエロシーンを差し込むの? 元々好感度の欠片もない主人公だけでなく、ヒロインの魅力までガンガン下げているけど、制作はドMなの?

あと、ジェル中尉強すぎでしょ。カウントも撃墜王も関係なし。作者、自分で考えた設定忘れてる?

その気になれば、あと2000文字くらい批評できそうだけど、辞めとこう(笑)

誉めるところが、かなり少ないアニメで、逆に原作の出来が気になる。自分が大好きな「封神演義」が「覇穹」であれだけ蹂躙されたので、「アニメの評価=原作の評価」だとは思ってません。2クールでアニメ化されるくらい、期待されたんだろうし。少し読んでみようかな?

とりあえず、こんなに酷評していろのに最後まで観たのは、「☆1をつける以上、ちゃんと最後まで観るべし」というマイルール(絶対じゃない)に従ったまで。あまり、良いアニメの観方ではない。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
ただの変態やん。陽菜って、めちゃ現代的な名前。数字に支配される人生。0になると死ぬって、厳しい世界だな。カウントされると、身分差。歩いた距離なら、カウントが減らないんじゃない? ん? 0になったらアビスでないの? いやいや、気付けやさっさと。髪スッキリて、無抵抗の意味ないやん。数字は身分差であって、実力差ではないのね。

2話目 ☆2
脚力笑えた(苦笑) んで、太もも開きが悪趣味。最後の展開が謎。色々としゃべる悪役は(苦笑)

3話目 ☆2
ん? なんかバカないちゃつきコントをして30分が終わったぞ?

4話目 ☆2
ギャグが致命的につまんないんだよな、センスを感じない(苦笑)

5話目 ☆2
いつの間にそんなに、リィンに夢中?

6話目 ☆2
なんか、話が繋がらなくて。空とぶの禁止ね。まあ、アビスの方が真の世界とか、実はこの世界が地下にある(アビスは空の上)とか、そんなノリかな。

7話目 ☆3
熊の解体は、ちょっと面白かった(笑)

8話目 ☆3
現代兵器がアビスからね。まあ、ありがちな展開だな。

9話目 ☆2
大分、虐殺だな。展開としては興味深いが、それを胸くそ悪さが上回るかな。ん? そんな目的、話したっけ?

10話目 ☆1
バトルが雑だな~。スーパーサイヤ人に、空中殺方、それはクリリンのことかー! 的な展開。ドラゴンボールかな?(笑) いやいや、あんだけ殺してとかメンヘラ女やっといて、死ぬのを怖がるなや。人格の上塗りとか、実は良い人とか、殺す殺す言って殺さないとか、興醒めも甚だしいわ。

11話目 ☆1
んで、軽いエロ展開か。緩急つけたいのは分かるけど、クダランナ~。街で虐殺された人の家族が見たら、殺したくなるよな。過去世界へ飛ばしたか。

12話目 ☆2
新しい展開のため、一応観てみる。殺してないんかい。

13話目 ☆1
いやいや、リヒトーに星をあげれば良いだけやん。いやいや、星は肌身離さずもっとけや。いやいや、簡単に星をあげるやつばかりか。いやいや、話からして、軍人になったことで得た食料なんて絶対に食わなそうな婆さんじゃん。いやいやいや、「暴力はNG」で「略奪(窃盗)はOK」て基準も分からんし、どこで線を引くんだよ。

14話目 ☆3
ジェル中尉の「痩せろ!」は笑えた(笑) こういう日常回なら、まだ観られる。

15話目 ☆1
そこまでの飢餓状態なのに、電気等のインフラはバッチリ。掃除も行き届いている。節電の素振りすらなく、蛍光灯全部つける。毎日大浴場で入浴。「軍は優遇されている」にしても無理がある。あの貧困を見たはずなのに、平気でビーチで遊び、ビールを捨てる。乾杯してパーティ。こいつら全員、サイコパスかな?

パンチで岩を砕き、同じ木材で、生木を一方的に破壊。

てか、この間までそういう貧困の中にいたはずのこいつらが、筋肉ムキムキにおっぱいデカいって、どんな風に栄養接種してるんだ? 落とし穴、浅い。最後、リヒトーを抱き締めるシーン、リヒトーの身長120センチくらいだけど(苦笑)

16話目 ☆1
食え、のところ、引くわ~。その理論、むちゃくちゃだよな。戦争で殺さないだけで、大分歴史は変わるしな。この作画での殺し合いは、もはやコメディ。木の板撃つなや(笑) 顔にガラス刺さってる(苦笑)

17話目☆1
首、スパーンと。

18話目☆1
エロをなんとか正当化させようと。大体、人口が増えすぎたから戦争で口べらしって、無茶苦茶なんだよな。アルシアの成立。なぜ、待ちなさいで、待つのか、だよな。幼馴染み、あっさり1シーンで死亡。

19話目☆1
なんかよく分からんが、声優さんは頑張っているな~と。結局、リヒトーは、ナナが好きなのか、ヒナが好きなか? どうしたい? そこは、兄妹愛でいくのか? コメディのクオリティは悪くないけど、そもそも、コメディを許さない作風なんだよな。

20話目 ☆2
そんなに、軍部って強いの?

21話目 ☆2
抱きついたからって、止められるの? 止血したからって、生きられるの?

最終話にして、またクソみたいな展開。やべぇな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

匿名係長 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

わたしの戦闘力は530000です。

見終わった直後の感想は、
『やっと終わった・・・』でした。

こんなに先の展開に興味が持てないストーリーは久しぶりでございます。

絵は綺麗なんですよ。
絵だけは!!たまに「ん?」となったりしますが、全体的に綺麗だったと思います。

とりあえず主人公vs敵な図式だけで進められるストーリー

戦う目的が不明瞭すぎること、そして視聴者を置いてけぼりにする展開。

何より全然ワクワクしないストーリーが2クールも続くのですから、苦行でございますよ。

後半になってやっと世界観が掴めるのですが、それからも面白くなる兆しが見えない!

てか、おもしろくない!!

辛い!見るのやめたい!けど、ここまで我慢したんだ、何とか最後まで、、早く終わってくれ、、、

視聴後は時間をかけたことへの後悔のみが残るだけでしたので、コレから視聴しようと思ってる方は内容のネタバレを読むだけにすることを強く推奨致します。

なので、下に簡単に内容まとめます。
これ以上、私のような者を出さないために。

{netabare}
ヒロイン【陽菜】の母が影のような手(リゼロの見えざる手)に地面に引きずり込まれているところから物語は始まります。

母「撃墜王を探しなさい」

ヒナは旅に出て、ある街にたどり着き【ナナ】と【リヒトー】に出会う。

ヒナ、軍に騙されてピンチ!
母の遺品の【玉(バロット)】が狙われる。

リヒトー登場でヒナ助かる。
【リヒトーは閃撃の撃墜王だった!】

玉(バロット)は持ってるだけで違法なのだそうだ。

この世界【アルシア王国】では、一人一人が体に数字が刻まれており、歩いた距離や戦闘での撃墜数など、それぞれ違いはあれど、その達成如何によってカウントが増減する。

ちなみに、カウントが多い程より強い存在ということらしい。
スカウター無しで見れる戦闘力のようなものだ。

0になるとヒナの母のように【アビス】に引き摺り込まれるという設定。

1話で大体の設定が説明されて、ヒロインを助けた主人公はヒロインの制止も聞かずに何処かへ行ってしまう。

リヒトーは別の街で軍所属の女の子と仲良くなる→追ってきた軍と戦う→逃げる→追ってきたヒナ&ナナと再会→次の街で軍とバッタリ会い、酒飲み対決などでグダグダ

その街でアビスの悪魔?が登場!!

正体は、攻撃ヘリコプター!!

メガネっ娘が登場し、ヘリを撃墜!
【メガネっ娘は追撃の撃墜王だった!】

【撃墜王は全部で7人いるのだ】

メガネ女は敵の手により薬でラリっているようだ、他の街の人を皆殺しにしてきたよ。
戦う→正気に戻す。

戦いの傷を癒していた所、急に「過去を見ておいで、出来れば変えてきて」と、ふんわりしたこと言われてナナの力で過去へ送られるヒロイン達。
【ナナは識撃の撃墜王だった!】

謎の学園生活スタート。

なんだかんだあり、リヒトーの過去は変えられなかった。

その時代は戦争の時代。
ヒナの母の形見の玉は全部で7つあり、全て集めると色々な事ができちゃうドラゴンボールだった!

人口増加により食糧難となった世界からの脱却として、玉を全部集めた学園の先生達は、選ばれた人達が住むための王国を空中に作る。

それが「アルシア王国」であり、残されたボロボロの世界が「アビス」だったのだ!

で、戻ってきたヒロイン達を置いて、この世界は間違っている!と、一人で軍に挑みに行くリヒトーと、それを追うヒロイン達。

敵軍にいた【重撃の撃墜王】と対決→勝利

最後は主要メンバー、男女6人の登場キャラ達のカップリングが決定。


{/netabare}

この物語は

1話でシステムの説明。

2〜10話で仲間的な人との出会いと謎の伏線。

11〜19話で過去から現在までの説明。

20〜24話で、これからの為?の戦い。

ということで、2クール使って殆ど何も進んでないんですよね。

無駄にエロい演出してみたり、つまらないギャグ挟んだり、とりあえず酒飲んでるだけだったり。

{netabare}
8話でヘリコプター出てきた時の置いてけぼり感はハンパなかったなぁ。

どんな敵が現れるのかと思ってたら戦闘ヘリ出てくるんだもん。

「・・・は?」ですよ。

メガネっ娘はラストで、いつの間にかまた薬打たれてて敵になってましてね、、
いい加減にしろよって感じですよ!

ヒロインは子作りしたいだけの子になっちゃって・・
でもエロエロなはずの主人公は手出さないし。

意味不明です。

全体的に意味不明なんです。
{/netabare}

大体最初に目的が無いのがグダグダの始まりです。

ヒロインが主人公と出会って別れてその後は何の目的があるわけでもなく、ただただ進んでいくストーリーは退屈せざるを得ない。

なので全く視聴者に内容が入ってこないんですよね。
自分は何を見てるんだろう。

ある世界のある登場人物達の意味不明な日常を見ているだけにすぎないので、先の事とかどうでも良くなってしまう。

そんな物語でした。

ストーリーや構成がダラダラしすぎてるのが悪かったのかな?

いや、最後まで見てしまった自分が1番悪いですよね。

どうしても見たい!って方、
1話、2話見て「ん?」となったら、それがずっと続く感じです。

視聴継続の有無については早めのご決断を。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

64.6 5 恋愛で飛行機なアニメランキング5位
フラクタル(TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (815)
4300人が棚に入れました
舞台は世界を管理する“フラクタル・システム”が完成し、人類が働かなくても生きていける楽園に足を踏み入れてから1000年後の未来。システムはかろうじて稼働していたが、誰もシステムを解析することはできず、ただ維持し続けることが幸せの条件だと信じて疑わなかった。しかし、大陸の片隅ではフラクタルが崩壊し始めていた。漫然と日々を生きる少年・クレインは、ある日何者かに追われ崖の下に転落した少女・フリュネを助ける。少女との出会いに心躍らせるクレイン。だが、フリュネはブローチを残しクレインの前から姿を消した。ブローチに残されたデータには、少女の姿をしたアバター、ネッサが閉じ込められていた。ネッサとともにフリュネを探し旅にでるクレイン。そこで彼は“システム”の秘密を知ることになる―

声優・キャラクター
小林ゆう、津田美波、花澤香菜、井口裕香、浅沼晋太郎
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ヤマカンとあずまんと、時々、マリー

【概要】
 2011年冬。原作に思想家の東浩紀ことあずまん、脚本に岡田麿里ことマリー、監督に山本寛ことヤマカンという豪華制作陣で送るオジリナルアニメ。アイルランドを舞台に繰り広げられるSFファンタジー。放送前の期待値は高かったのだが、結果は撃沈。コミカライズを担当している漫画家から「こんなつまらない作品の連載を続けたくない」と愚痴られて揉めたり、原作のあずまんから「監督が耳を傾けてくれたらいいアニメになってた」と後日批判されたり、作品の内外問わず悪評高い作品でもある。

 駄作といえば「フラクタル」、「フラクタル」といえば駄作。2010年代の有名クソアニメとして必ず名前の挙がる不名誉な作品。クソアニメと言っても最近ありがちな「いもいも」「メルメド」等の作画崩壊系ではなく作画はむしろ良い。(特に第7話は凄いと思う。)でも作画が良いということは裏を返せばそれだけ製作費がかかっているということであり、事前の宣伝も力が入っていたらしく、放送後ヤマカンは最大の戦犯としてボロクソに叩かれたそうだ。

 評判的にもパッケージの売上的にも散々な結果に終わったフラクタル。原作のあずまんは「震災があったのにサブカル批評なんてやってる場合じゃねえ!」と早々に逃亡。マリーは同年「花いろ」「あの花」等のヒットで汚名返上できたのだが、「この作品が失敗すれば引退も辞さない」と事前に決意を語っていたヤマカンのダメージは大きく、カリスマ的な権威は失墜、その後は奈落に落とされるようにして、先日破産にまで至ったのである…

 フラクタルについて、ヤマカンはBLOGでこう語っている。(何を隠そう、僕はヤマカンBLOGの愛読者なのだ。)
 https://lineblog.me/yamamotoyutaka/archives/13018660.html

 この記事の後も「フラクタルは名作、ネットの評判に潰されただけだ」「フラクタルは必ず再評価される」など自己弁護的な発言を繰り返しているヤマカン。往生際が悪いにもほどがあるのだけど、彼はフラクタルが失敗作だとは絶対に認めたくないらしい。そこまで意地になるフラクタルとは一体どのようなアニメなのか、気になっていたので観てみた。

【感想】
 結論から言うと作画が良くて、音楽も良くて、世界観も深くて、声優さんも上手くて、それでいて心躍るものがないという、何とも残念な作品でございました。世間の評判と大差ない感想になってしまったんだけど、「つまらない」と言われる原因ははっきりしているように思う。

 1つはフラクタルシステムに関する設定が分かりにくく、最後まで見ても何を訴えたかったのか漠然としている点。もうひとつは主人公のクレインが受け身体質で、理不尽な出来事に巻き込まれながら淡々と話しが進んでいくため盛り上がりに欠ける点。見た目はジブリ風の冒険活劇で、特に「天空の城ラピュタ」を連想させる雰囲気を醸し出しているのにワクワク感や達成感、人物の成長を感じられる場面に乏しく見た目とのギャップが大きい。王道の冒険ストーリーを期待すると失望することになるだろう。

 フラクタルのストーリーのあらすじはこうだ。(公式ページから転載)

 “世界を管理する「フラクタルシステム」が完成し、人類は史上初めて、もはや働かなくても生きていくことができる圧倒的な楽園に足を踏み入れた。それから千年 ―― システムはいまだに生き残り稼働し続けていたが、もはや誰もそのシステムを解析できなかった。多くの人々が、その維持こそが、人類の幸せの条件だと信じて疑っていなかった。物語は、そんな「フラクタル」が崩壊し始めた、ある大陸の片隅の島で始まる。漫然と日々を生きる少年・クレインは、ある日何者かに追われ崖の下に転落した少女・フリュネを助ける。少女との出会いに心躍らせるクレイン。だが、フリュネはブローチを残しクレインの前から姿を消した。ブローチに残されたデータには、少女の姿をしたアバター、ネッサが閉じ込められていた。ネッサとともにフリュネを探し旅にでるクレイン。そこで彼はシステムの秘密を知ることになる”

 要するに典型的なディストピアものであり、ボーイミーツガールである。その定型に従えば、主人公のクレインが世界の危機に勇猛果敢に挑み、一目惚れした少女フリュネを助け出し、フラクタルシステムの再起動を阻止し、デカダンスに陥っている人々の生活に潤いを取り戻す…というストーリーが頭に浮かんでくる。ところがこのアニメは視聴者の予想を見事に裏切ってくれるのだよ。

 {netabare}主人公クレインはフラクタルを否定し昔ながらの生活を是とする集団「ロストミレニアム」と出会うが、彼らは暴力に訴えるテロリストという一面があり全幅の信頼を置ける仲間とはいえない。見続けると、フラクタルシステムに依存する暮らしが当たり前になった世界で、システムを停止させることが正義なのか段々疑わしくなってくる。システムの管理者であり存続を図る「僧院」とシステムの破壊を狙う「ロストミレニアム」の間で板挟みになったクレインは確固たる信念を持って行動できない。そもそも設定上、彼に人々を動かし世界を変えるだけの力は一切与えられていない。見ている側からすると非常にもやもやする。

 フリュネへの恋心はぶれないが、フリュネが「何を考えているかよく分からない」女の子で話も噛み合わず、勝手に行動するから盛り上がるはずの恋愛要素で全く盛り上がらないという状態。{/netabare}

 以上、ヤマカン自身も認めているように本作はエンターテイメント性が希薄で分かりやすい面白さがないんだよね。(そこは認めておきながら、なぜ名作だと言い張るのか…)これでは「退屈」「楽しくない」「何をしたいのかよく分からない」といった感想が並ぶのも致し方無い。僕は嫌いじゃないんだけどね。少なくともハルヒ1期より好きだ。(フラクタル以下ってどんだけハルヒ嫌いなんだよと突っ込まれそうですが)

【考察】
 この不人気アニメの考察を読みたい人がどれだけいるか疑問だし、見たことある人自体少なそうだけど、折角なので書いてみよう。

 ネット上のログを見るに、原作のあずまんは制作の途中で「あなたが入ると話がまとまらない」と脚本会議から追い出され、どうも後半のストーリーは彼の構想とは違うものになったらしい。したがって本来のフラクタルについては勝手に想像するしかないのだけど、あずまんがやりたかったのはトラウマを抱えた可哀想な少女を救うKEY的な物語だったんじゃないかと思う。東浩紀ことあずまんはポストモダンという視点でサブカルチャー批評を行い話題になった人だが、「動物化するポストモダン」や「ゲーム的リアリズムの誕生」を読めば分かる通りアニメよりも美少女ゲームに造詣が深く、とりわけKEY作品が大好きなんだよね。(いわゆる鍵っ子)

 それを踏まえるとフリュネの不幸な境遇、ネッサの純粋無垢な性格はKEYヒロインにありがちだし、フラクタルシステム自体は緻密な設定を構築しておきながら再起動の鍵になるのが16歳の少女という物語の核心的な部分について何のロジックもないというのもある意味でKEYっぽい。美少女ゲームの「運命」や「奇跡」って往々にして理由付けがなかったりする。

 「ゲーム的リアリズムの誕生」によればノベルゲームには「メタ物語的」な構造が見受けられるという。あずまんは自著で「ひぐらし」「AIR」「ONE」などの作品を取り上げ、これらの作品にはゲームのプレイヤーとゲーム内の主人公の視点を同一化させてしまう巧妙な仕掛けが施されていることを説明している。たとえば「ひぐらしのなく頃に」はストーリー自体は一本道で購入者はクリックして話を進めることしかできないのにも関わらず、各編は選択肢に失敗したがゆえのバッドエンドであるかのように錯覚し、プレイヤーは自分の力で物語を正しい在り方へと導くような感覚があるといった具合だ。

 フラクタルが「メタ物語的」な想像力を実践する作品だとすれば、わがままで自分の意のままにならず話の通じない一方、なぜか惹かれてしまうし性的な存在でもあるフリュネは現実の女性の象徴、人懐っこくいつも笑顔で自分の身近にいてくれる一方で、実存しないアバター「ドッペル」でしかないネッサは虚構のキャラクターの象徴だと思えてくる。

 ここに自分を愛してくれるのは実体のない二次元キャラで、本当に愛されたい三次元の女性とは分かり合えないという悲しい構図が見て取れる。あずまんは視聴者をこの皮肉な構図に嵌め込み、男性の不能感(フリュネを救えないバッドエンド)あるいは全能感(フリュネを救うハッピーエンド)をトコトン味わわせて泣かせようという魂胆だったのではないかと予想する。ヤマカンに没にされ小説版フラクタルもなかったことにされた今となっては想像しても詮無き事ではあるが…

 結局フラクタルはヤマカンが作りたいものを作ったことになるのだけど、「アニメ業界批判(藤津亮太)」、「80年代への回帰(宇野常寛)」といった評論家の方々の評価は少し外れているように思う。萌えアニメの台頭によってキャラクターが記号化・パターン化し、客に媚びた作品やストーリーを軽視した作品が増えているという問題意識は当然あるだろう。ヤマカンがBLOGやtwitter(問題を起こしすぎて現在はアカウント凍結されているけど)で度々言及していることだ。でも当時は批判一辺倒ではなく、もう少し前向きな気持ちで作っていたんだと思う。下記の対談記事で語っている内容が一番真意に近いのではないだろうか。

 http://www.billboard-japan.com/special/detail/99

 {netabare}最終回でフリュネはフラクタルシステムを再起動させるという道を選び、クレインもフリュネの決断を止めようとはしない。見せかけの虚構によって人々の心を支配するフラクタルシステムがアニメ業界のカリカチュアであり、仮に萌えアニメを業界から一掃したいという考えがヤマカンにあるならば本システムは唾棄すべきものであり、主人公たちに破壊する道を選ばせるはずなんだよね。でも、そうはしなかった。フラクタルの聖域でフリュネとクレイン、ネッサの三人は「神」なるものの姿を観るのだけど、スクリーンに映し出された神はただの女子高生で、彼女は「ネッサ」と名付けたウサギのぬいぐるみに愛おしそうに話しかける。この演出の意図するところは、アニメの視聴者とアニメのキャラクターの関係を女の子とぬいぐるみの関係にスライドさせ、キャラクターに抱く特別な感情(もちろん萌えも含めて)を人間らしい感情だと肯定しているように僕には思える。

 この後場面は一年後になり、クレインは自炊生活をしながらもドッペルの犬を可愛がっている様子が描かれる。要するにヤマカンは「萌え要素を残しつつも従来のストーリー重視でテーマ性も感じられるアニメを俺は作るから、お前らついて来い!」と言いたくて、これを作った当時はオタクと手を繋ごうという意志がまだあったんだと思うんですよ。だからこそフラクタルを批判されると反撥するし、このアニメを否定されると身を切られるようにつらいのではないだろうか。
 {/netabare}

 以上、長々と語ってきたけど、東浩紀のデータベース消費理論を知らない人にとって、人と社会の関係、消費者と創作物の関係に相似を見出すこと自体無理な話だと思う。(どうしてフラクタルのストーリーとアニメ業界の話が繋がるのか分からないはず)

 このアニメこそヤマカンが散々BLOGで言ってるスノビズムに冒されている作品のようにも見える。こんだけアニメについて熱く表現したところで視聴者からすると「そんなの知らんがな」で終わるような気がするのだけど、僕の思い過ごしですかね?やっぱりポタクの戯言ですか!?

 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

再視聴。やっぱりアニメ視聴にはメタ情報は入れない方がいいですね。

23年10月に再視聴。以前は22年5月に1回みてレビュー書いています。

 さて、バーチャル世界と自然回帰的なもの、ベーシックインカム、ボーイミーツガール、それと鍵となる少女の性的な話をジブリ風エヴァ煮込みにしました、という感じの作品です。

 そう考えると、内容それ自体はもったいぶってはいますが、難解ということもなく、描かれていること、事象とSF設定、テーマは分かりやすいです。

 ただ、やはりフリュネの性的な問題ですね。ここは何がいいたかったんでしょうか?1回目視聴の時は、アニメ創作の世界における少女の性消費の「歪み」のアナロジーとして一番気持ち悪い「父娘」性的虐待問題を持ってきたのかなあとも思いました。あるいはNTR的な演出もあったので、アニメ消費者の処女厨批判なのかとも思いました。つまり父(加害者)、NTR(被害者)=アニメ視聴者です。

 ですが、その解釈でいいのかこの作品では確信がまったくもてません。型で読み取ればそういう感じでいいと思いますが。で、東浩之氏が執筆した「フラクタルリローテッド」という雑誌連載の小説を手にいれようと思いましたが、無理でした。
 
 私は「アニメは情報をカットして見る」を信条としていますが、さすがに気になるので、当時の制作者の言説をある程度みました。
 いやー、もめたんですね。東浩之氏と山本寛氏。岡田麿里氏は東氏サイドみたいですね。醜い争いなのと外野の意見が品がないので、すぐに情報拾うの諦めましたけど。

 前半は東氏と岡田氏のシナリオ、中盤から山本色が入って、最後は山本氏が描いたシナリオっぽいですね。ですが、東氏と岡田氏は近親相姦をテーマに持ってこようとしていたみたいで、そこに着目してしまう仕掛けはあったみたいです。

 11話の少女のモノローグは感動的なんですけど、その達観が自己犠牲なのか、父娘の関係性なのかよくわかりませんでした。結論がよれているので含意が読み取れない…ような感じです。ただ、それにしては普通に面白いストーリーにはなっていました。
 ただ、なぜ鍵は近親相姦による多重人格じゃなきゃいけないか?が、メタ的な意味でわかりませんでした。つまり、含意が分かりません。ここまでややこしい感じにした以上は気になりますが…

 まあ、やっぱりメタ的な情報は入れないほうがいいですね。せっかくある程度高く評価していた作品なのに、ニュートラルな目で見られない感じです。ですので、評価は変えないでおきます。まあ、普通に面白いとは思いますし。




以下 22年5月 1回目の視聴時。


ジブリ模倣はミスリードで「2次創作」と「少女の消費」について?

 本作はストーリー原案に東浩紀氏がクレジットされていてました。OPで気が付きましたが、「動物化するポストモダン」で有名な評論家です。宮台真司氏、岡田斗司夫氏、堀江貴文氏などと対談している動画を見たことがあります。
 彼は本作の前提となる消費だけする社会、つまりベーシックインカム条件付き肯定だったと思います。
「動物化…」でデータベース理論とシミュラークルについて語っていました。

 本作の題名が、フラクタル=自己相似性です。そして、シミュラークル=オリジナルと模倣が逆転した或いは区別がつかない状態ですね。データベース理論はアニメなどの創作物はもはや模倣による萌えられる小さな断片の積み上げで作成されており、大きな物語が提示できていない、と言うものでした。(誤解があるかもしれませんので詳しくは原典をお読みください。)

 まず、本作で目に付くのはジブリ的な作画と飛行船=ラピュタ、悪役たちはナディアっぽいです。これで1話目で「んん?」となりますが、東氏の名前を見ているので、あえて模倣しているんだろうなあ、と思います。つまり作品というのは2次創作=MADアニメでも内容が入れられるんだぞ、ということが言いたい気がします。対してオリジナルに見えてもテーマ性もオリジナリティも無い物が氾濫しているぞ、と。
 ミスリードしてるんだろうなあ、と思います。なにせあのヤマカン氏のクレジットもありますのでゲンロン畑の人たちですからひねくれてるんだろうなあ、と思います。

「ザナドゥ」とかいかにも厨2な名前の付け方もちょっと意地悪な感じです。ここのくだりで、作品に対する批評とその批評に対する病的な反論とかもちょっと入ってましたね。
 生活の2重性がベーシックインカム以上の儲け=欲望と捉えていいのかはちょっと読み取れませんでした。結局滅ぼされていたので肯定的ではなさそうですけど、

 結果として最後はエヴァを想起させるシーンが出るし、マクロスだし、攻殻機動隊でした。レールガンの御坂シスターズの模倣はナンバリングとか個人の特定というそっくりなエピソードもありました。丁度レールガン1期が2010年なのでかなり意識したんでしょう。
 とにかく細かくはいろんなものを思い出しますが、そういう断片の模倣が意図的に散りばめられています。

 本作については、ベーシックインカムで生活がない、ネット社会で個がアバターであることと同義である、という社会を描いていました。表面上は。

 ただ、ヒロインのフリュネの性的な扱い方から言って、ヒロインは巫女であることを裏切ることにより、その点で現実の女というもの、つまり、萌えに対するアンチテーゼを言いたかったのかなあという気がします。途中の露骨な診察台の部分とかやりすぎなくらいでしたが、まあ、分かりやすくしたんでしょうね。
 14歳=エヴァではなく、あえて10歳から16歳まで成長させていました。14歳で少女たちは成長を止めるのではなく、大人になるんだぞ、という事かもしれません。ネッサ・中身=10歳、フリュネ・外見=16歳もちょっと意地悪くとると今の高校生なんてそんなもんだ、と言っているようにも見えますけど。

 シンエヴァがやった自然回帰・現実回帰と少女は女に成長するという現実を2011年時点でやったということでしょう。なお、2011年冬のアニメで震災前なんですよね。この後震災によってアニメの在り方に恐らくは隠れたパラダイムシフトがあったんでしょうか。本作のアニメへの提言的な部分は全然話題にならなかったですね。
 私は本作の存在すら知らずに、本当に最近見終えたところです。

 なお、自然回帰・現実回帰については1回しかみてないので何ともいえません。フラクタル社会そのものを全否定したかどうかは読み取れてません。ちょっとニュートラル、つまり価値観を保留しておきます。


 総評です。で、素直に言って普通に面白いです。模倣性は敢えてやってるんだろうなあ、と思ったのでかえって気になりませんでした。作画もキャラデザも奇麗ですし。11話1クール作品にしては、世界観があってしっかりと一つの世界を見届けた満足度があります。結末があるのもいいんでしょうね。

 あと、私みたいに屁理屈をこねなくても面白いと思います。特に模倣はワザとやっていると割り切ってみればなかなか冒険があって、出会いがあって、視点が移り変わる秀逸なストーリー展開でした。

 主人公も言ってましたが、登場人物の説明不足でイライラしますけどね。主人公の気持ちに乗れるという点ではうまい脚本だったのかもしれません。それと主人公の無垢性も演出なんでしょうけどちょっと作りすぎな気もします。

 1回目なので私の読み込みが甘いですが、仕掛けがないかもう1度見たくなる感じですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

こんなの間違ってる。

フラクタルシステム。
これにより、この世界の人間には一定額の収入が支給され、ある程度の自由が許されるようになった。
あくせくと働くことをしなくても手元にお金がある状況ができ、大衆は好きなことに好きなように時間の全てを使うことができるようになった。
まさにある種の理想が現実となった世界なのである。人々はその自由に心までどっぷりと浸かっていた。


その世界に生きる1人の少年クレイン。科学技術が進歩し全てがデータとなっている中で
彼はビンテージ(僕らが今使っているコンピュータ)をこよなく愛す、周りからしてみると一風変わった少年だった。
その日クレインはフリーマーケットの帰りだった。自転車に乗り風を切る。とても気持ちが良い午後だった。
あたりは芝生の綺麗ないくつかの丘によって小さな起伏の波ができておりとてものどかな眺めである。
砂利道はまるでフォークを手に持ち力づくに切リ分けたケーキのような崖に沿い、彼の家までずうっと続いている。
クレインは自転車を途中で止め本日の収穫を確認した。手には成り行きで持ってきてしまったデータが一つだけ。
中を調べてみるとそれは教科書のデータだった。期待外れの収穫にがっかりし、空を見上げる。
雲はまるで関係ないような顔をして去っていった。すると急に何かが視界を通り過ぎた。
彼にはそれが最初鳥に見えた。白い大きな鳥。それは何かに追われていた。
でもそれは白い大きな鳥ではなく1人乗り用の飛行機に乗った若い女の子だった。一目見て可愛いと思った。
クレインは急いで自転車に乗り追いかけた。頑張って並走しようとする。彼女とコンタクトをとろうとする。
けれど少女の飛行機は追跡者に撃たれしまった。そのまま飛行機と一緒に少女は崖に沿って下に落ちていく。
落ちていく、落ちていく。いや、すでに堕ちているのだ。



管理社会を扱った作品です。世界観や設定はとても良いです。すごく好きです。
でもあまり面白味がなかったのがとても残念でした。そして評判もあまり良くはありません。
1話から3話くらいまではとても良かったのにそれ以降は回を追うごとに悪くなっていく。
僕が一番感じたのは何人かの登場人物の魅力の無さでした。

まずクレイン。
彼にはフラクタルシステム下で生活していたせいか意志というものが欠落しています。
だから誰かを助ける!とか構うもんか!とならなければならないシーンで熱がない。足りない。ほぼみせかけでした。
他の面で良いところはあるかと探してみても特に見つからず、ぐだぐだとグラニッツというレジスタンスの中にいた印象しかありませんでした。
「彼が何かしたかい? いやいや、ただそこにいただけさ。」

次にスンダ。
彼はレジスタンスである「グラニッツ」のリーダー。しかし頭悪いし、リーダーシップないしで、魅力も0です。
彼とクレインが一緒になることで物語もどんどん面白さを失っていったと思います。
肝心なグラニッツ一家に関してもこっちには何も伝わってきません。やっと分かるのは名前くらいです。

彼らのテロ行為もおかしいと僕は思います。
フラクタルシステムに反抗し、自活することができていればそれはそれで十分に戦っていることなります。
それはジョージ・オーウェルが『1984年』で綴った一文、「抱擁は戦いである」と同義です。
社会のシステムに身を委ねず、魂を売らず、強いられた生活の営みの中に反抗を見い出し、
自らが打ち立てる強い意志を保つことでそれが意味を成し、心の最も大切な支えとなり、剣となるのです。
それを他の人に広めたいのなら他にも手段はあったはずです。もっともこれは例えばの話ですが。
しかし、それを飛び越えて人を殺すことを目的に襲撃するのがスンダの「抵抗」と言うのなら、それはただの殺戮でしかありませんでした。
まったくもって、ただの人殺しです。
それでは世界はなにも解決されなし、誰も救えない。愚か者め。

ストーリーもはっきりしないことが多いです。どこに焦点を持っていっているのかもあやふや。
観ていて状況は分かっても結局なに?だから何なの?という感覚でした。
基本観ていて分かることはあんまりない。理解しようとする努力も水を掴もうとするくらい無駄なものでした。

良いところもたくさんあったのに全て自分達で潰してしまっている、非常にもったいない作品です。


{netabare}

1話は本当に面白かったのに!すごくすごく惹かれました。
でもあのグラニッツの2人組もすごくよかったのに片方を襲撃で殺しちゃうし…



僕がさらにここで書きたいのはフリュネについてです。

彼女は本当に悲惨でした。
彼女が登場した1話から僕は非常に好感を持っていたのであのような状況にはひどく傷つきました。
あの椅子や、あのアホの頬ずりや抱きしめられる姿には本当に胸が引き裂かれる想いでした。
最終話のアホの語りの部分は聞いているだけで頭がおかしくなるかとも思いました。
観終わった後20分くらい体育座りで泣いてましたww 俺も俺で相当気持ちが悪いww
でも本当に傷ついた。泣いた。

どうしてアニメにあんな設定が必要だったのでしょう。なぜフリュネは汚れなければならなかったのでしょう。
悲劇的要素を含ませたかっただけなのであればこれほど悲しいことはないと思います。
生み出され、汚され、自由もなく、そして無に消えいく。
最後のフリュネの姿も見るに絶えません。あんなのありえないでしょう。
道徳観がどうかしているとしか僕には思えません。どうしてあんなに酷いことができたのでしょう。

僕個人の見解としてはフリュネが汚される理由は特に無かったと思います。
ではどうしてこんなことになったか。それは作る側がただただ悲劇を生み出したかっただけだろうと思います。
話(物語と呼ぶには決して値しない)の終盤に向けてなんとか大義名分やら目的やらが欲しかったのでしょう。
単発型の扇情的な描写でしか引く手がなかったのでしょう。筆舌に尽くし難いほど素晴らしい脚本です。
視聴者を傷つけるような雑なプロットに、話は簡単には分からないように作り少しでも好奇心を持たせようというだけを目的としたストーリーはもはや灰に等しいです。


決して現実と虚構が錯綜しているわけではありませんよ!その辺はまともな人間であると自分を信じたいw
ただフリュネに関してはもっともっと掘り下げることもできただろうし、
他のことを通してあの積極的で頑固な性格を生かす手段がたくさんあったのではないかと思うのです。
おそらくこの想像があることも悲劇的運命を受け入れられない一つの理由かもしれません。
どうしてかは分からないけれど彼女にはすごくすごく惹かれました。というか大好きですねw
それも最後まで観てしまった今ではもう。とても悲しかったです。

2度とこの作品を観ることはありません。偏見の強い文章ですみません。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

69.3 6 恋愛で飛行機なアニメランキング6位
名探偵ホームズ(TVアニメ動画)

1984年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (125)
604人が棚に入れました
『名探偵ホームズ(めいたんていホームズ)』は、小説『シャーロック・ホームズシリーズ』を原作にしたテレビアニメ。日本の東京ムービー新社とイタリアの国営放送局 RAI の合作。日本では、1984年11月6日から1985年5月20日までテレビ朝日系で放送。全26話。最初の6編は宮崎駿が監督・演出などを務め、その大部分の脚本を片渕須直が書いた。

声優・キャラクター
広川太一郎、富田耕生、一龍斎春水、大塚周夫

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ふははは、ホームズ君さらばだっ! 宮崎駿監督のドタバタ活劇

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。

 NHKで放送していた名探偵ポアロとマープルのように、推理が中心ではなく、実は元気に動き回るキャラクターたちのドタバタ劇だ。

 『主だった登場人物
 コミカルで愉快な人々をご紹介』
 ホームズそのものはコナン・ドイルが手掛けた原作を金型にしているが、大きく違うところがある。
雰囲気は明るく、子供向けに修正が加えられていること。
おせっかい焼きで、かなり推論でものを言ってしまうし、それがまた外れないというご都合主義の目立つキャラになっている。がしかしこのアニメはリアリティを追及して推理をするのではなく、ドタバタ劇を楽しむ、事の成行きを見てにやつき、次第によっては画面に向かって笑いだしたりするのが目的ではないかと、筆者は思っている。
 事件の核心の部分も途方もない特殊メカで行われたりするので、奇想天外な展開が目白押しだ。いつ用意したんだそんなもの、というのが多い。
 助手であり、医者でもあるワトソンもコミカルかつお調子者で、ホームズがまだ引き受けるといっていないうちから、ホームズと私がついていれば大丈夫です、などといきなり請け負ってしまう。特に美人に弱いキャラクターとして描かれていた。
 モリアーティ教授は片方だけに眼鏡を使い、白いシルクハットとマントにステッキといういでだちで、飽くまで英国紳士を気取りたいのだが、実際はドタバタして憎めない三枚目のキャラクターだ。馬車と最初期の車が並列して使われているロンドンの町で、一際目立つ特殊メカを多用して世間を騒がせる、自称犯罪界のナポレオン、喝采願望と自己顕示欲の塊である。
 この特殊メカも宮崎駿監督独自の面白さを感じた。
 その行動力と発明力を活かしたほうがどう考えても大儲けできると思うのだが、そのあたりは突っ込んではいけない気がしてならない。
 負け続けで貧乏暮らしなのに、特殊メカの機材だけはしっかりと調達してくるあたりも、ご都合主義というより、そういうアニメだと思ってみたほうがいいと思うのである。
 モリアーティの部下、トッドとスマイリーは、海賊の一味という設定で登場する。職にあぶれてモリアーティの部下になった。背の低いトッドとひょろりと背の高いスマイリーはわかりやすい凸凹コンビで、ドジを踏んだり慌てたり、飛んだり跳ねたり、どんどんホームズに負け続けて貧乏になっていく……筆者としては一度くらい勝たせてあげたいと思ってしまうほど、愛嬌と味のある二人組である。最後までモリアーティについていくあたり、実は盗人生活を楽しんでいるのかもしれない。
 スコットランドヤードのレストレード警部は敏腕というより、こわもてと強烈な力押しのキャラクターだ。事件が起きるたびに、とりもなおさず突撃、目がくらむほどの塔の上だろうと、海上だろうとおかまいなしに空中ダイビングして、気球や特殊船に乗って逃走するモリアーティ教授を逮捕しようと躍起になる。このあたりはルパン三世に登場する銭形警部を彷彿とさせるキャラクターだ。逮捕だぁーと、叫びながら多数の部下たちを引き連れて突っ込んでいくのはお約束のパターン。また組み体操をしているのではないかと思えるような警察隊の追撃シーンも際立っていたと思える。
 ホームズが住むベーカー街B221番地の下宿管理人・ミセス・ハドソンは、登場したときには19歳の若さですでに未亡人になっている。おっとりしているかと思えば、ホームズよりも素早い身のこなしで疾走したり、一瞬の判断だけで的確な機転と行動力を垣間見せてくれる、いざというとき活躍するキャラクターだ。
 原作とは異なり若いだけでなく、とても美人で、気建が良く、暖かみを感じた。そして料理と掃除が得意。その魅力にはモリアーティ教授も一味のトッドもたじたじ。スマイリーにいたっては、いつもの気弱な一面ががらりと変わり、奮起触発されて部下と主の立場が逆転、モリアーティにですら命令口調でハドソン未亡人を気遣ったりする。
 魅力的というだけではなく、過去の設定も事件で活躍できるよう、飛行機乗り仲間の紅一点として活躍していたことになっている。
 主だった登場人物紹介のおしまいにひとつ。
 登場人物たちはみんななぜか犬の顔だ。猫は登場しても警察犬などは出てこないのだ。

 

『ちょっとした事件のあらすじ』
 全26話からなる作品群は、依頼人やモブキャラクター以外はほとんど同じメンバーで構成されている。

 1話・彼がうわさの名探偵
 プロトベンツに乗って帰路の途中、周囲を警戒しすぎて挙動不審気味な黒塗りの扉つき馬車が前方に立ちはだかり、ホームズの行く手の邪魔をする。ホームズが馬車の窓を覗いて確認できたのは、若い娘とその父親だった。港からロンドン行きの船にまでたどり着いた矢先、例の親子が馬車のタラップから降りてきていた。たまたま船に乗り合わせた医者のワトソンと知り合いになったホームズは世間話をしつつも、船上にいる親子の様子を盗み見る。その時、甲板で荷物運びが旅行用トランクを誤って不意に落してしまった。トランクの中から出てきた小箱を奪うように父親は引っ掴み、胸の懐に慌ててしまいこんだ。ホームズの鼻孔は、事件の匂いを嗅ぎ取っていた。

2話・悪の天才モリアーティ教授
 舞踏会を催していた銀行家サンプトンの屋敷からマザリンの宝冠が紛失する。連絡を受けて到着したレストレード警部は部屋の間取りを確認したが、宝冠があった部屋には犯人が逃走できそうなところはなかった。窓には鉄格子が填められて出入りはできない。舞踏会に出席していた紳士淑女は徹底的に調査を受けたが手掛かりは発見できず。部屋の鍵のありかはサンプトンと息子のザールしか知っている者はいないことから、ザールは疑われ、動顛して失踪する。ザールの婚約者ミス・シールズは、疑いを晴らすべくホームズに事件の真相を究明するよう依頼するのだった。

3話・小さなマーサの大事件!
 非常に精巧な贋金がロンドン市内に出回っていた。頭を抱えたレストレード警部だが犯人の手掛かりを掴むことができない。一方、新聞で贋金事件を知ったホームズの屋敷に、マーサという女児が一通の手紙を持って訪ねてくる。徹夜明けのホームズへの依頼は野良猫のミセス・ホリーを探してくれとのこと。ワトソンは本気で引き受けるのかというが、寝不足で混濁しつつあるホームズの着目眼はマーサの靴に付着していた泥から、歩いて三時間はかかるイーストエンドから来ていたことを推理していた。マーサの話を聞くと母親は早くに亡くなり父と子二人だけであったのに、前触れもなく外出したまま父親は帰っていないらしい。その父はプレス機の技師だという。まったく音沙汰がなかった父から初めて届いた手紙には、なぜか文字に小さな穴が開けられていた。マーサは日ごろ、父から何かあったらミセス・ホリーに相談しなさいといわれていたことを話す。この二つが結びついたとき、思わぬところから贋金事件の手掛かりが浮かび上がってきたのだ。

 全26話を記載しようと思ったが、長すぎるので割愛することにした。イギリス中を飛び回るホームズの活躍には多大な無茶があるが、理論的なものではなく飽くまで活劇だと思うべき、というのが筆者の見解である。

 筆者個人にとっての宮崎駿アニメの特徴を、本作品ホームズと照らし合わせて考えた。

1. ボーイ・ミーツ・ガールの描き方がうまいこと。
 今回はホームズが主役なので恋の話は依頼人などのサブキャラクターが行っている。恋愛関係にある登場人物たちは結婚できる年齢だ。映画館で視聴を経験しただろう諸人には一風変わった印象を与えるのではないだろうか。

2. 軍隊や警察の大隊が躍動感あふれる描き方をすること。
 スコットランドヤードの警官たちが突撃しまくる。銭形警部率いる警官隊よりさらにコミカルに、さらに派手に、さらに現実離れした動きで縦横に駆け巡る。

3. 軍事だけでなくメカそのものの愛着があり、うまく描けること。
 モリアーティ教授のメカはだんだんエスカレートして、最後のほうになると現代でもそんなメカは作れないとんでもメカまでもが登場する。

4. 空を飛ぶ表現力が高いこと。
 気球に飛行機だけでなく、人間もパラシュートなしで空中ダイビングさせる荒業の数々を繰り出す。宮崎駿と空の関係はとても大きく、夢を描きだす重要なシーンだと筆者は考えている。

5. 女性の描写が独特で魅力的なこと。
 ミセス・ハドソンはもちろん、登場するヒロインキャラは顔つきが犬なはずなのに十分魅力的に描かれていると筆者は感じた。名探偵ホームズ系のヒロインはあとの宮崎駿作品には出てこないタイプなので、新鮮さを感じる人もいるのではないだろうか。

6. 子どもたちが元気で動き回ること。
 これでもかというほど子供たちが元気で表情豊か。それが宮崎駿監督の特徴の一つだろう。子供達の集団がちゃんとホームズの手伝いをしたり、人質にされていた子どもが単独でも活躍したりするシーンがある。
 

 これらの特徴が魅力に直結している、というのが個人的な見解だ。スタジオジブリの名は不動のものになったと思えるが、それ以前の駿監督作品にスポットライトが当たることは少ない。さらには、未来少年コナンの話題が若干出ることはあっても、ホームズの話題はまず出てこないようだ。
 ジブリが好きだけれど、最近の作品はちょっと…という人には適したアニメではないだろうか。隠れた名作なのかもしれない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

saitama さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

イタリアTV局からの下請けだからか、日本人アニメーターの本気が凄い!

Wikiによれば、「イタリアの国営放送局イタリア放送協会(RAI)から日本の東京ムービー新社が下請けとして製作したアニメ」とのこと。

宮崎駿が事実上最後にTV作品監督を引き受けたアニメ(ただし6話分のみ)とのことだが、脚本も絵コンテんも演出も担当した3話小さなマーサの大事件は、まさしく宮崎アニメ。

宮崎駿以外の話数も、とにかく驚くのが背景の描写。とにかく細かい、かつ正確、デフォルメの塩梅が絶妙。建物のパースや、あらゆる背景の描写の細かさは、日本人アニメーターの本気が感じられる。いまのアニメ作品で、これほど背景描写が凄い作品は果たしてどれだけあるか…。年に数本もないかも…。

あと、カット割りというか、画作りが全然違う。立派な映画作品もびっくりなカット割りの素晴らしさ。昔の監督や絵コンテや脚本を書く人々は本当に多くの映画とかを観まくっていたのだろうな…。現代の紙芝居アニメには絶対ない。

しかも、これらは全部セル画なわけで…。エンディングを見ると、関わっているスタッフ数の少なさというか、昔は本当にこれだけの人数で作品つくりしていたのかと二度びっくり。

イタリアのテレビ局や子どもたちが夢中になれる作品を作り上げた日本人アニメーターたちは本当に素晴らしい。仕事にプライドを感じられる。もしTV版マクロスみたいな作画だったら、日本人アニメーターの評判はボロクソだったろうから…。自動車や家電製品だけじゃなく、こういうソフトウェアでも丁寧な仕事ぶりがいまの日本人の評判を作り上げたと思う。

正直、現在の日本のアニメーターたちはもっと昔のアニメを観て、先駆者たちのレベルの高さを目の当たりにした方が良いと思う。ただ、待遇は間違いなく今のほうが不遇なので、そこは今のアニメーターの苦労が忍ばれる。テレビ局や製作委員会やスポンサーはもっとアニメーターたちの待遇を憂慮すべきだろうと思う。

アニメーターたちにまともなギャラも支払えず、アニメとしての質も40年近く昔の作品の足元にも及ばないとか、恥ずかしい限りでしょう。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

Robbie さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

優しい世界観のシャーロック・ホームズ

シャーロック・ホームズは中学生の時に傑作選で有名な話をかじった程度である。
そのためシャーロック・ホームズの大ファンという訳ではなくこの作風が大ファンに受けるのかは分からない。
しかし、1アニメ作品としての出来は優れていると思う。
登場人物は名探偵ホームズというタイトルなだけあってシャーロック・ホームズから名前を借りてる者が多数。
しかし、原作とは異なり皆優しい世界観に合ったギャグ調のキャラになっている。
さらにこの作品、推理ものなのに人が死なないし犯人も基本同じ人物。
これだけ聞くとつまらなそうに見えるがこれが不思議と面白いのだ。
因みに面白いと言っても推理ものとしての面白さではない。
まずは視覚的楽しさだろう。
1984年のTVアニメとは思えない位良く動く作画。
手抜きやミスも全く見受けられず常にクオリティーを維持している。
巨匠の宮崎駿氏も関わっているため彼の他の昨品に通ずる表現も多少見られる。
また、作画だけではなくコメディー調になったキャラやオリジナルキャラも魅力的。
キャラの行動やかけ合いが面白い。
非常に上手く個性付けが出来ていると思う。
音楽面も良好。
劇中BGMの担当は初代マクロスの羽田健太郎さん。
悪目立ちせず世界観や場面に合っていた。
声優陣も有名な方が地味に多いし演技力もしっかりとあったと思う。
内容は古い子供向けアニメのため基本ワンパターンであり1話完結だが各話のテンポが良く全く退屈しなかった。
それにギャグも狙い過ぎずさっぱりとしていたため気持ち良い。
ただ、最終回が他の回と同じような回だったためもう少し最終回らしさが欲しかったというのが正直なところ。
シャーロック・ホームズの大ファン以外には勧められる優れた昨品だった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
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