戦いで陰謀なアニメOVAランキング 7

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの戦いで陰謀な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月01日の時点で一番の戦いで陰謀なアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.0 1 戦いで陰謀なアニメランキング1位
翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 後編(OVA)

2015年5月27日
★★★★☆ 3.8 (181)
1076人が棚に入れました
半身ともいえる愛機・チェインバーとの壮絶な別れからおよそ半年後が舞台。

大海原を往く船団ガルガンティアで仲間たちとともに新たな人生を踏み出したレドが、チェインバーとの絆を胸に刻み、1人の青年として空と海のもたらすすべてに立ち向かってゆく物語が描かれている。
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ガルガンティア船団の人々といつかまた巡り会いますように‥‥‥

約53分

翠星のガルガンティアのOVA ~めぐる航路、遥か~ の後編です。前編から観ることをオススメします。

前編から出てきた新キャラが中心となって物語は進んでいきます。

一応一区切りで終わっていますが、伏線などがまた新たに出てきましたね。{netabare}(陸地のこと、リーマの行方){/netabare}

この後編はレドとエイミーがそれほど目立つ活躍がなかったのでちょっと残念でした。

でもこの世界観は好きなので観て良かったと思います。

翠星のガルガンティアが好きな方は前後編一緒に是非観てくださいね。

OPはTRUEさん、EDはChouChoさんと前編と同じです。

最後に、これで終わりだったら消化不良ですね。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 22

なみかぜ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

うむ!よかった(^^)

我が家では子供の夜鳴きと戦いオムツが桜吹雪のように散っていく昨今(・・)

やっと視聴できました。
最近家で見れないんで車の中でもんもんと楽しんでおりもうす。
ちょっと寂しいかもて、まあ家の中でもそんなに大差ないか・・・・
嫁さんはがんばってますな~我輩ダウン気味っす

あ、本題
チェインバー無き後の物語は火が消えたようでありまして・・・じつに
アットホームな感覚の物語になっちょりますな(><)
前編で復活を思わせる期待あったんだけど、ま!こんなもんかな?
いろんなレドくんの周りは事件が尽きないようでドンパチが続きますけど
ロボット物にしては平和的な戦いが好印象ですわ(^^)
我輩の受けた感じですが・・・まだまだ物語を続ける余裕の感じる作品
様子見で期待したいです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 2

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

これが最後のレド、これが最後のエイミー、でもガルガンティアの旅はずっと続くんだ

テレビシリーズの純然たる続編である60分×2話のOVA、後編
前編でも申し上げましたが普通に劇場アニメ級のクオリティなのでBD-BOXのオマケみたいのを想像してもらっては困ります
少しでも『ガルガンティア』が好きだった方は必視の内容です
残念ながら『ぷちっとがるがんてぃあ』はありませんので(笑)前編を未視聴の方はお断りです


前編のラストでクーゲル船団から加入した新人、リーマが謎のロボット(←クレジットでもロボットと表記されてます)を所持していることが判明
遂に彼女の本当の目的が明かされます


まず最初の見どころはガルガンティア船団が物資調達のために訪れる巨大フロート型都市、竜宮城での一幕
リーマを含めたお馴染みの面々での休日、“まさかの水着”、酔いつぶれるリジット船団長、ピニオンにベタベタなラケージ
しかしそんな楽しい一時も束の間、これまで設定だけが仄めかされていた“陸の国”が不穏な動きを見せているという噂が流れ・・・


クライマックスを飾るのは壮大な海戦、そしてやはり“リーマのロボット”
この結末は涙無しでは観れませんでした(ノд;)イイハナシダナァー
脚本の谷村さんが最初考えていたラストはめちゃくちゃバッドエンドだったっぽいですが、ハッピーエンドともバッドエンドとも付かぬ【手放しではない終わり】にはホント拍手ですよ


その一方、リーマの出生の秘密に関しては本編中では全て明かされることは無いままで、続編やスピンオフの構想がかなり膨らんでいたことが分かります(ヒディアーズを人類と認めるか否かも含めて)
諸般の事情により続編の制作は中止となったそうですが、逆を言えば今作のラストカットと最後のセリフで【レドの物語】に決着が付いたことがハッキリとし、【ガルガンティア船団の物語】は未来永劫に不滅ということなんだ、とオイラは思いました
ファンの方には強くオススメする一作ですb

投稿 : 2024/10/26
♥ : 18

69.1 2 戦いで陰謀なアニメランキング2位
ロードス島戦記(OVA)

1990年6月1日
★★★★☆ 3.8 (136)
688人が棚に入れました
暗黒皇帝ベルドに率いられたマーモ帝国軍と「至高神ファリス」を奉じる神聖王国ヴァリスを中心とする国々との戦い(英雄戦争)を背景として進む。アラニア王国出身の若き戦士パーンは、亡き父と同じ騎士になる夢を求めて仲間と共に冒険の旅を続けるうちに、英雄戦争の狭間で暗躍する「灰色の魔女」カーラの陰謀に巻き込まれ、「大いなる破壊」を回避するため「光と闇の均等」を説くカーラの言葉に戸惑いつつも誘いを断ってフィアンナ姫を救出し、自らの進むべき道を求めヴァリス王国に向かう。そしてマーモ帝国とヴァリス王国の緊張が高まる中、カーラの考えがロードス島の平和と相容れないものであると悟ったパーンらは、六英雄の一人である大賢者ウォートに助力を求め、遂にカーラの居場所を突き止め魔女に挑む。

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本のファンタジーを語る上では外せない作品

自分の人生に最も影響を与えた本です。アニメ、漫画、ラノベ、全てを通して、自分的No.1は、ロードス島戦記の原作です。

人生で初めて読んだラノベ。学校に持ってく本を探していたら、たまたま本屋で安く束売りされてたんで買っただけ。それがまさか、こんな歴史的な名作だったとは(偶然の出会いに感謝)。

エルフは高慢ちきで耳が長く、動きが素早い。なかなか子孫ができない。ドワーフは大酒のみで力が強いが、手先が器用で装飾品などを作るのに適している。

そんな、ファンタジーの「当たり前」を、日本で初めて紹介したのが、このロードス島戦記。(世界初ではない)

日本の国産ファンタジーとしては、シリーズ累計1000万部を超え、「ドラクエ」「FF」と並び、草分け的な作品です。

(TRPG版は)ラノベの老舗、角川スニーカー文庫の初作品でもあります。

まあ、とにかく、偉大な作品ということです。

さて、アニメですが、原作ファンからすると、やっぱり不満は残ります。(尺が限られてるからしょうがないけど)色々カットしてるし。作画と音楽は素晴らしい。作画は、今見れば古くさいですが、同時期の作品の中では高クオリティー。音楽は、いずれも透明感があり、幻想的で、ロードスの世界観をよく現しています。初めてサントラ買っちゃいましたし♪

とにもかくにも、原作小説を読んでほしい。それだけですな。正統ファンタジーとはこうあるべき、という教科書みたいな作品です。

初代ヒロインのディードリットは、歴史上一番可愛いエルフです! それだけでも、観る価値はある(笑)

投稿 : 2024/10/26
♥ : 32

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメの角川の原点

ものすっごい制作費を投じて豪華スタッフで作った逸品。
角川スニーカー、角川アニメといえばロードスである。
あとガンダムが朝日から移籍してきたんだよね。
スニーカー文庫はこの2作品のイメージ。

OVA全盛期で高い値段で出しても儲けが出た時代、作品の人気がものすごかった。
原作の発表は85年とずいぶんと昔になる。
指輪物語、D&Dをリスペクトしており、
日本だけでなく世界中のファンタジー、RPGのテンプレートになったんで有名な作品です。エルフの耳がああなったのはディードリットのせい。

肝心のアニメですが絵はきれい、話もそのままなんですが、
ケツから勧善懲悪にされてしまっているのが非常に腹立たしい。
ガンダムも角川だし好きだし、それに習ってか原作は勧善懲悪ではない。
ネタ元の指輪物語との最大の違いなんです。
暗黒神と邪神、がいても、その名は善側からの呼び名。本当に司るは自由の神と破壊の神。悪とは、邪悪とはなんなのかというのが大きなテーマのひとつ。破壊は創造の母であり、私欲は人間の生きる原動力ではないか?律されず自由に生きるのは人として当たり前の行動ではないか?という問いが読者に投げかけられます。
そこだけが非常に気に食わない作品です。
作者のほうからネタバラシしてあったそうですが・・
実際に水野さんも苦言を呈しています。なにテーマ変えてんだと。
まぁ作者が遅筆なのもいけないww。
原因は当時『完結してないから』なんですw
あの頃はみんな遅かったけどクオリティは良かった。
いまは消費ペースはやいから大変だね・・・。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 12

chance さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【王道ファンタジー】ハーフエルフはエルフ差別、ハーフマンで

当時学生時代に「何でもいいから文庫を読め」指令が先生から出され、プラプラしてた時に見つけた角川文庫の「ロードス島戦記」がキッカケでした。
その後、スニーカー分離後も追いかけ、「イース」等ソレ系の文庫に目覚め、パソコン持ってもないのに「コンプティーク」を購入し、ロードスの元となった「ドラゴンランス」も読んだ人間が、ロードス島戦記OVAにハマらいでか。
ただ正直な所、文庫のドラゴンランスシリーズの方が好きだったり・・・

ちなみに私的にはこの作品が初めて「ツンデレ」を認識した作品ですが、当時「ツンはいらんだろツンは」と思ってました。いったんですね。
ドラゴンランスを日本風タッチの絵にしてアニメ化して欲しいものです。ひゅーん、どかん。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 2

66.7 3 戦いで陰謀なアニメランキング3位
冥王計画ゼオライマー(OVA)

1988年11月26日
★★★★☆ 3.7 (90)
318人が棚に入れました
大迫力のメカアクションと衝撃的なストーリーテリングで、数多のロボットアニメファンを魅了したOVA。秘密結社・鉄甲龍を率いる少女・幽羅帝は、配下の八卦衆に対し世界征服のための決起を表明した。しかしその前に立ち塞がるは、組織を離反した木原マサキが奪取した八卦ロボ・天のゼオライマー! 現在は普通の少年・秋津マサトによって操られているその機体が秘めた絶大なパワーは、次々に八卦衆の命を奪っていく。気弱なマサトが、ゼオライマー搭乗時に突如豹変するその冷酷さの正体とは? 原作となったのは18禁コミックで、時折挿入されるセクシャルな描写にその名残がある。とはいえ引用したのは部分的な設定のみであり、基本的にはアニメオリジナルといっていい作品となっている。

声優・キャラクター
関俊彦、本多知恵子、田中秀幸、荘真由美、鈴置洋孝、佐久間レイ、佐々木優子、勝生真沙子、玄田哲章、塩沢兼人、速水奨、辻村真人、政宗一成
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

脳髄に直接叩きつけられる衝撃。神と悪魔の如き聖戦。

これは、イクサー1と同じくレモンピープルという雑誌に連載されていた漫画作品(原作者は違います)を平野俊弘(現:俊貴)監督が映像化したアニメです。

こちらもやはり美少女が出てくるし際どい性描写も出てくるのですが、イクサー1のような娯楽要素はなく、むしろ対極のような存在であります。


原作からの改変もなされ(原作読みました)、より『人の業』が感じられる哲学めいたストーリーですね。

敵味方入り乱れる人間関係。
どのキャラも自分の欲望や感情を包み隠さずぶつけ合う、対立の連続。どこまでもドロドロな人の闇が描かれています。

そして愛し憎み合う中で発覚する驚愕の真実・・・!
自分は自分なのか?どこまでが自分でどこまでが他人なのか?
設定の妙によって黒幕の存在意義がますます高まっています。
(これに似た設定を平野監督はロウランでも使ってましたが、ゼオライマーの秀逸さには敵いませんでしたね。)


このアニメで最も揺さぶられるのは『自我』の概念だと思います。
非現実的な設定なのに、登場人物の心情描写が生々しい現実感を帯びているせいで説得力があります。
ここでも幽羅帝(ゆうらてい)を演じる荘真由美さんの好演が素晴らしいです。今回は主人公のマサキを演じる関俊彦さんの鬼気迫る演技も鳥肌ものです!!



僕はスーパーロボット大戦というゲームはやったことがありませんが、どうやらゼオライマーはその性能から有名らしいですね。
スーパーロボット、と呼ぶにふさわしいと思います。ゼオライマーは本編では人の業を裁く神のごとき存在です。搭乗する人間によっては悪鬼に姿を変えます。
どんなときでもゼオライマーを見ているとその異様なオーラに呑まれてしまいます。怖いし、身震いさせられます。



最後までどうか見届けて下さい。最後の晴れやかな三人の表情にこそこのアニメの真髄があります。
時間の都合上話の繋がりに雑な部分があるのは残念でならないですが、とても感銘を受けたロボットアニメです。



すごーーくどうでもいいこと。
{netabare}
駅の改札で他の利用者がICカードで通ろうとして。
そしたら残高不足で『チャージしてください。』って引っ掛かってたんですよね。
そのとたん頭の中に『チャージなどさせるものか!!』ってマサキの声が浮かんできて(笑)
笑いをこらえるの大変でした。


それだけです。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 10
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ややこしいよ!

 初見でした。全4話各30分のロボットもの。
 ロボットものなんですが、この作品の魅力はロボットよりも人物描写にあるように思えます。ストーリーもよく練られていますし、かなり堪能できました。その後の作品にかなり大きな影響を与えていることは間違いないでしょうね。影響を受けていそうな作品がいくつか浮かびました。想像したよりも平均評価が低くて少し残念です。

 私はロボット関連の知識は全くないので、その辺については言及しません。
 そもそも私がロボットものを見るときは、組織の相関図と人物の相関図がどう動いていくかしか見ていませんからね。この見方が常に正しいとは思いませんが、この作品に関して言えば正解だったように思えます。ロボット好きな方もそっちの方に目を向けてみると、違う視点で楽しめるかもしれません。

 この作品を一言でいうと、「ややこしい」です。陰謀系のストーリーなので、全体像が明らかになるのが後半になってから、というのもあるのですが、陰謀のネタの部分はその後の作品で流用されていたりするので、意外と何とかなると思います。それ以上にややこしいのが、首謀者のキャラクターですね。非常に読み難い。組織間の争いがあって、ロボット同士が戦って、人物描写もトリッキー、ということもあって、2時間作品にしては結構てんこ盛りだったように思えます。尺が短いというよりは、分厚いという印象を受けました。

 以下では、物語の骨子の部分とエンディングから入って、これを前提に個人の話に移っていこうと思います。全ての基礎はマサキにあり、です。以下ネタバレが過ぎるので要注意。


組織間の争い:{netabare}
 二つの組織が争っているように見えるのですが、この裏には常に第三勢力が見え隠れしています。この第三勢力の台頭が、エンディングにつながっていきます。エンディングを読み解くために、陰謀やロボットの要素を排除して、普遍化した全体像を掴んでおきます。

 世襲された王政に対し、軍事クーデターが起こって、さらに市民革命が勃興する。
 これだけですね。歴史的な流れと同一視で構いません。

 ユウラという人物。彼女は先代のもと、ゼオライマーに搭乗するはずだったわけです。つまり、軍事統帥権を持って後継するはずだった。それにもかかわらず、ゼオライマーの搭乗資格が備わっていないし、ゼオライマー自体も指揮下にいないわけです。軍事統帥権が毀損された状態で、女王に就いてしまいます。しかも、広く知られていたわけではないものの、種(たね)の不適格まで明らかになる始末。彼女には、女王たる資格が名実共に備わっていなかったわけです。これにより王政は弱体化していきます。

 これに対して反旗を翻したのがマサキという人物。彼は、女王の力を減退させた張本人なわけです。彼はゼオライマーを開発・管理し、パイロットも手中に収めています。軍事力しか持っていないものの、その軍事力に関してはハードもソフトも備わっている。この力を背景にして、王政に対してクーデターを起こします。そして、女王の近衛軍を蹂躙していきます。

 しかし、このクーデターにほころびが生じ始めます。協力者からの反発(イサオ)です。何とかこれを撃退するも、今度は「内部分裂」が生じます。取り込んでいたはずの弱きもの、第三勢力であるマサトの反乱によって、軍事政権は崩壊し、武装市民が戦場に現れます。
 マサキを取り込んだマサト(新マサト)は、ユウラのもとへと到達します。

 面白いのは、マサトもユウラもマサキであるということです。すべて同一人物を使って、上記のような疑似戦争が描かれているんです。
 つまり、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。こういう構造を持っているわけです。これを上記の例に当てはめると、<王政vs軍政vs市民>の戦いは、<人間同士の戦い>である、ということですね。
 無力なままのマサトでは、この戦争を終結させることは出来ませんでした。戦争を終結に導いたのは、ユウラでもマサキでもなく、武装した新マサトです。力無き者が力を得ることで、戦争を終結できると説明されています。その終結の方法とは?これがエンディングとテーマにつながります。
{/netabare}

エンディングとテーマ:{netabare}
 ユウラは新マサトに対して冥王決定戦を持ちかけます。「勝者こそが真の冥王」だと言っています。そして「全世界を破滅させるスイッチを入れる」ことを伝え、「止められるなら来るがいい」とまで言っています。破滅させたいだけなら宣言する必要はないわけですから、止めて欲しいわけです。

 それに対して新マサトは、「もう一人の僕(ユウラ)と決着を付け、たった一人の男(マサキ)の怨念を消さなければならない」と言っています。また、ゼオライマーの前で「お前が僕の宿命ならば、共に消えればいい」とも言っています。つまり、新マサトが消したいのはマサキ(ユウラと新マサト)であり、ゼオライマーなわけです。新マサトが消したいものに自分が入っているがポイントですね。

 そして、ユウラはスイッチを押し、その前に新マサトが現れます。このとき、新マサトが行ったのは、ユウラと新マサト、そしてゼオライマーの消滅を同時に達成できる手段、「自爆」なんだと思います。すべての発端であるテッコウリュウの本拠地を巻き込んで、終焉となります。

 世界は滅んだのか、というと滅んでいません。描写的にも地球の一部に大規模な爆発が起こっただけとして表現されています。ユウラの破滅スイッチによる効果が全世界に波及する前に、新マサトの自爆スイッチによる阻止が成立したんだと思います。そもそもユウラと新マサトの思惑は合致しています。二人とも世界を破滅させたいのではなく、マサキの遺産を無くしたいだけです。「勝者こそが真の冥王」なわけですけど、「自爆」によるマサキ同士の同士討ちですから、勝者なし、冥王なし、すなわち破滅なし、という終結なのでしょう。新マサトは確実に勝てる状況にあるんですが、勝者(冥王)になりたかったわけではない、ということです。


 で、テーマの話。前項で述べた例で言えば、市民が王政を打倒してハッピーエンド、というのが通常の流れだと思います。でもこの作品では、市民が王政もろとも自爆してしまったわけです。なぜ自爆しなければならなかったのか。それは、力無き市民ではなく、武装した市民だったからです。力無き市民というのは、マサトのことであって、新マサトのことではありません。市民であっても武装してたらダメなんだと、この作品は言っています。テーマって反戦力っぽいんですよね。例え出自が弱きものであっても、戦力を取り込んでしまったり、戦力自体を持ってはダメ、と描いているわけですから。
 ゼオライマーは、核を優に超える能力を持っています。こんな強大な戦力を描いておいて反戦力なの?と思ってしまったんですが、否定したかったからこその強大な戦力だったんでしょうね。戦争を悲惨に描かなければ、反戦は出てこない、というのと同じ論理です。
 ゼオライマーは、とことん強い存在でなければなりませんでした。ただ否定されるためにだけに。そんな悲しいロボットなんだと思います。
{/netabare}

マサキ①(ユウラ・マサト):{netabare}
 主人公はマサトなんですが、彼について考えていくと、最終的にはマサキという人物に行き着いてしまいます。一方、マサキを中心に考えていくと、マサト以外の人物もクリアに見えてくる。この作品は、マサキという人物が軸としてあるように思えます。彼はどういう人物だったのか。
 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である。ここから始めます。

 ユウラ。彼女は、マサキのコピーの中で愛が一番強く描かれています。マサトとマサキで新マサキであるならば、彼女もユウラとマサキで新ユウラというべき存在であったはずです。新ユウラの中にマサキがいることを知っているルラーンは、彼女を「美しい」と言っています。

 マサキ。彼は、破壊衝動に駆られ、その願いを完遂するために、ゼオライマーと幾人かの人物を造った男です。これだけを見れば、悪の存在なんですが、必ずしも悪だけとは言い切れないところがあります。
 そもそも破壊衝動に疑問が残ります。単に世界を破滅するためならば、テッコウリュウの長になるユウラの破滅スイッチだけで足りたはずです。ユウラがゼオライマーに乗れば盤石です。でも彼は、マサトというもう一人の分身を用意してゲームを始めました。しかし、ユウラとマサトの行き着く先は、マサキの破壊で一致しています。自分の野望を止めるためにゲームを始めたのでは?そんな風にも勘ぐってしまいます。
 また、マサキは「愛」という言葉に拒絶反応を示しています。にもかかわらず、マサキが造ったゼオライマーのシステム(ミク)は人型です。しかも女性型。また、彼の分身であるマサトとユウラは「男と女」です。そして皮肉なことにも、彼らはいずれも「愛情」を知ることが出来ました。彼らがマサキの造ったものであることを踏まえると、「マサキは愛を求めていた」そんな風に写ります。

 マサトとミク。「僕が造ったみんながきれいで、なぜ僕だけがこんなに薄汚いんだ」これは、新マサトの中にいるマサキの言葉。「あなたの中にきれいなものがあったから、それを生んだのよ」がミクの返しです。「造った」に対し、「生んだ」と返す。これはミクの優しさなのか愛なのか。少なくともマサキが単なる悪であるのならば、ミクのこのセリフは出てこないはずです。


 <ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>である、と述べました。これを今度は縮小側のベクトルで見てみます。<マサキvsマサキvsマサキ>の戦いは、<マサキ内部の戦い>である、となります。つまり、人間の内部にある破壊衝動と愛情のせめぎ合いが、別のキャラクターを使って描かれているのだと思います。
 象徴的なのは新マサトの「ゼオライマーがある限りキハラマサトになる」というセリフです。これはマサキの「戦力がある限り破壊衝動を持つ」という自戒なのだと思います。作中のマサキは、その悪の部分を担ったキャラクターだというだけであって、マサキという「人間」自体は、悪が全てではなかったのだと思います。

 新マサトや新ユウラが愛情を知ったことや、ルラーンの「美しい」という言葉は、元来のマサトとユウラの影響によるものだというのは、否定できません。しかし、マサキを悪に固定してしまうと、なぜマサトが生まれたのか、なぜミクに人格を与えたのか、という主人公達の存在意義が薄れてしまうのです。
 マサトは「自分が誰なんだ」と自問しています。マサトとマサキの間で揺れるマサトの姿というのは、愛情と破壊衝動の間で揺れるマサキの姿に他なりません。マサキという「キャラクター」は破壊衝動を担ったものですが、マサキという「人間」には、破壊衝動と愛情が混濁していたんだと思います。
 マサトはマサキを受け入れました。その上で自爆という選択をしています。つまり、人間の中には、愛情以外にも破壊衝動があることを受け入れ、そのうえで破壊衝動に飲み込まれないように、戦力を放棄したんだと思います。つまり、この作品は、一人の人間の中にある愛情と破壊衝動を、複数の人物に分離させることで、擬似戦争を描いている、とも言えるのです。
{/netabare}

マサキ②(テッコウリュウ):{netabare}
 流石に長くなってきたので簡潔に。テッコウリュウもマサキが求めた「男女の愛」という視点から見てください。個人のコンプレックスではなく、「男女の理想像」からの乖離として描かれているのが分かると思います。
 第一話のタイハは、本音は充足していますが、建前(社会性)の部分で不足しています。
 第二話のアエンとタウは、サイガ(男)を断り女性二人での出撃です。
 第三話のリツは、一人で男性と女性の役割を担っています。
 第四話のロクウェルとギソウは片思い、サイガは偽りの愛です。

 これをベースにマサキ・マサト・ユウラの「男女の愛」の部分を掘り下げていくと、「ゼオライマーは男女が乗っているから強いんだ!」みたいに見えてくると思います。
 マサキは他人の愛を否定していましたが、マサトとユウラのカップリング、つまり自己愛を目指していたわけではなかったんだということも見えてきます。
 「ゼオライマーのパイロット」という概念が、「男女の理想像」を担っていて、それを具体化したマサトとミクは、理想から乖離していってしまったということも分かると思います。

 少なくとも、ストーリーの骨子も、キャラクターの解釈も、全てマサキを起点に始まり、マサキに帰着するというのを忘れずに。何度でも言いますが、<ユウラvsマサキvsマサト>の戦いは、<マサキ同士の戦い>ですよ!
{/netabare}

対象年齢等
 ロボットものとして見るなら、中高生の男子が中心かな。サラッと見ようとすれば見れてしまうのですが、考察しようとするとかなりの高難易度だと思います。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 7

夢咲ヒロ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

スパロボMXの影響で見たが

ゼオライマーがカッコ良すぎて惚れ惚れしました。
後、キャラクターが個性的でいい!
ただ、尺の短さが気になりましたね。
1クールぐらいの長さでやれば良かったのかな……なんて思います。
しかし、それすらもどうでも良くなるロボットデザイン!
私は特にゼオライマーはもちろんのこと、月のローズセラヴィーがかなり好きです。
さらに、物語を面白くしてくれるのが、木原マサキの外道なカリスマ性でしょうか。
見てて、スカッと(!?)出来た、そんな作品でした。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 0

69.7 4 戦いで陰謀なアニメランキング4位
RWBY Volume3(日本語版)(OVA)

2016年12月21日
★★★★☆ 4.0 (30)
286人が棚に入れました
人類は元来持っているその強さと賢さによってダストという力を発見する。ダストによってグリムという脅威である存在を退けることに成功した人類は、ついに訪れた平和な時間を謳歌していた…。15歳の少女ルビー・ローズ(Ruby Rose)はグリムを退治する存在であるハンターに憧れ、ハンター養成所であるビーコン・アカデミーへと入学を果たす。ビーコンにてチームRWBY(ルビー)のリーダーとなった彼女に様々な苦難が襲い掛かるが、そんな苦難を仲間と乗り越えていくとともに徐々に成長していく。

声優・キャラクター
早見沙織、日笠陽子、嶋村侑、小清水亜美、下野紘、伊藤静、洲崎綾、斉藤壮馬、前野智昭、中島ヨシキ、潘めぐみ、川澄綾子、甲斐田裕子、三木眞一郎、井上麻里奈、緑川光、中村悠一、井上和彦、浅野真澄、てらそままさき、平田広明、堀内賢雄、井上喜久子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

When! It!! Faaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaalls!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2015年秋~2016年冬に掛けてyoutube他web上にて公開された米国Rooster Teeth社の3DCGアニメ『RWBY』の第3シーズン全12話
(現在も無料公開されています)
『vol2』に引き続き日本語版が制作されました
ちなみに前作までのあらすじとか無いので『trailer』『vol1』『vol2』までの視聴は最低でも必須です


2015年1月、我々『RWBY』ファンを深い悲しみが襲いました・・・
シリーズの産みの親であるMonty Oum監督が急逝されたのです
当然、製作現場では混乱があったようで、一時期は『vol3』の完成も危ぶまれました
しかしMonty監督の意志を受け継いだRT社スタッフの尽力によって『vol3』は日の目を向かえることが出来たのです


まず、勘違いの無きように留めておいてほしいのですが、Monty監督夭折の前に全体のシナリオ構想は既に完成していたようです
監督が亡くなったことでストーリーが迷走する、といったことは無いようですのでご安心を


しかし今作、アクションシーンのモーションに関してはやはり試行錯誤が見受けられます
『RWBY』のアクションシーンは、Monty監督のセンスの賜物によるものだったことが改めて思い知らされるわけです
具体的にはエピソード毎でアクションシーンの演出がだいぶ異なってくるのがこの『vol3』です
物語は『vol1』の時から散々言われていたヴァイタルフェスティバルのトーナメントに突入し、ほぼ毎話に戦闘シーンがあります
その演出や動きのテンポ感が話数によってだいぶ違うのです
どうも複数の制作班が同時並行式に制作しているようですね


ですがご安心を
物語の終盤に差し掛かる頃にはMonty監督をも凌駕せんというアクションをRT社のスタッフ達は見事にモノにしてきます
さらに技術的な向上もありエフェクトやカメラワークの類に至っては『vol1』や『vol2』を上回る完成度です
キャラクターは一気に倍に増え、モブや背景のディティールも作り込みもさらに細かくなっていく
(ちなみに動く必要の無いモブがモデリングではなく作画なのは『アルペジオ』でもやってましたね)


また、既に本国版BDを購入したファンの報告にはあったのですが、WEB版からBD版へのマスタリング時に施されたリテイクがかなり大量にあります
主にアクションシーンでのブラーの掛け方などのエフェクト類が綺麗に掛かっており、WEB版でイマヒトツかな?と思っていたシーンも迫力やスピード感が増していてほとんど別モノと言っていいです
オイラはCrow vs Winter戦やRWBY VS FNKI戦の印象がだいぶ変わりましたよ
楽曲の差し替えというか、少しアレンジとマスタリングとタイミングを変えたのも良かった
正直WEBで無料で観られるからいいや、で済ますのはもったいなさ過ぎます


ああ、ちなみに公式発表されてませんがチームFNKIの一人でローラーブレードとサイリウムヌンチャク(笑)で戦うNyan Cat(というYouTubeで謎の世界的ヒットを記録したボカロ曲)を擬人化したNeonタソの吹替声優は『響け!ユーフォニアム』で夏紀先輩を演じた藤村鼓乃美さんなので注目して欲しいところです


あとこれはvol1、vol2のページに書き忘れたのですが、この日本語吹替版は現在視聴可能な世界中全てのWEB版、米国公式BDパッケージ含めたどのどのバージョンの『RWBY』よりも高画質に収録されております
音声に至っては5.1ch化されており、吹替版はさらにリマスタリングされています
原語ver派もこの日本語吹替版BDは入手の価値あるわけです


お話も大きく動き、起承転結で言えば転、序破急で言えば破、『スターウォーズ』で言えば『シスの復讐』です
劇場でオイラは後半1時間涙が止まりませんでした;;
散々名前だけが語れていたCrowおじさん、Winterお姉さま、Taiyangパパも遂に登場します
そして、前作でビーコンにまんまと潜入したCinder一味がいよいよその悪しき計画を実行に移します
前作にも増してエピックでスペクタクルな展開にご期待下さい


ちなみに原語版は10/22よりいよいよ『vol4』の公開がスタートします
この機に『vol3』までチェックしていただければ、この『RWBY』というビッグウェーブに乗ることが出来るのです
乗るしかねぇ!この波にぃっ!!!


Ruby Rose(ルビー・ローズ)早見沙織
Weiss Schnee(ワイス・シュニー)日笠陽子
Blake Belladonna(ブレイク・ベラドンナ)嶋村侑
Yang Xiao Long(ヤン・シャオロン)小清水亜美
Jaune Arc(ジョーン・アーク)下野紘
Nora Valkyrie(ノーラ・ヴァルキリー)洲崎綾
Pyrrha Nikos(ピュラ・ニコス)豊口めぐみ産休の為→代役 伊藤静
Lie Ren(ライ・レン)斉藤壮馬
Ozpin(オズピン)井上和彦
Glynda Goodwitch(グリンダ・グッドウィッチ)浅野真澄
Sun Wukong(サン・ウーコン)前野智昭
Penny Polendina(ペニー・ポレンディーナ)潘めぐみ
Roman Torchiwick(ローマン・トーチウィック)三木眞一郎
Cinder Fall(シンダー・フォール)甲斐田裕子
Neptune Vasilias(ネプチューン・ヴァシリアス)中島ヨシキ
Emerald Sustrai(エメラルド・サストライ)井上麻里奈
Mercury Black(マーキュリー・ブラック)緑川光
Coco Adel(ココ・アデル)伊藤静
James Ironwood(ジェームズ・アイアンウッド)てらそままさき
Adam Taurus(アダム・トーラス)中村悠一


↓『vol3』からの新キャラ&吹替キャスト↓
Winter Schnee(ウィンター・シュニー)川澄綾子
Qrow Branwen(クロウ・ブランウェン)平田広明
Taiyang Xiao Long(タイヤン・シャオロン)堀内賢雄
Salem(セイラム)井上喜久子


ちなみにオイラのイチオシはココ姐さん、それとちゃんニオことニオポリタンです^^b

投稿 : 2024/10/26
♥ : 9
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

これで終わりでじゃなかったんだぁ!です。

 お墓参りから始まって、ルビーのお父さん初登場だったです。この世界の天下一武闘会、ヴァイタル・フェスティバルトーナメントがついに開幕。

 チームRUBY圧巻の所詮も含めて、バトルシーンがまた更にパワーアップした感じだったです。ジョーンのチームの戦いも戦いの中仲間でもめ事してあっさり勝っちゃうし、サンとネプチューンのチームも水をよけて戦うネプチューンが受けるです。

 ルビーのおじさんクロウ、ワイスのお姉さんウィンターの登場から、このトーナメントの裏で何やら陰謀が渦巻く展開で、Volume2から登場のエメラルド、マーキュリー、Volume1から登場のシンダーが、本格的に動くです。

 トーナメントが順調に進むと思われたさなか、{netabare}とんでもない罠にルビーのお姉さんのヤオがハメられ、ジョーンのチームのピュラまでもが・・・・だったです。物語が、思いもよらない方向に進んでいき、グリムが乱入したり、ブレイクの元仲間のホワイトファングまで出てきたり、前回捕まったローマンが脱走して参戦するなど、ハチャメチャな戦争みたいになったのは、凄かったです。ビーコンアカデミーの生徒総動員で結束も見どころです。ローマン、ルビーと戦って押せ押せだったけど思わぬ展開であっけなかったです。

 ここまで来て学長のオズピンも、軍隊のおっさんも活躍意外と凄いなぁです。今回から話のあった妖精の力だか何だかが、このシーリーズのカギになるみたいな感じです。
 その力が、敵の手に落ちてしまいピュラが・・・・。それを見た駆け付けた{/netabare}ルビー、何かに覚醒した展開は、謎だったです。どうなったか?は見てのお楽しみ。

 この戦いで、チームRUBYがまさかの展開に・・・。これから、新しい出会い??チームがあって、どんな展開になるのか?気になる気になるです。最後のほうに出てきた悪の根源みたいなおばさんが、これから出てくるみたいで印象的で謎めいてたです。
 今回も話の長めなアニメだったけど、見入ってしまうです。今までのRUBYより、キャラに今までにない表情が多くあったのは、良かったでしたです。いつ上映されるかわからないVolume4、もっと凄くなるみたいで、ワクワクワクワクです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 9
ネタバレ

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

衝撃のVol.3

アメリカ発の3DCGアニメ、RWBYのVol.3
2016/12/3(土)より2週間のイベント上映とのことで、
レビューの投稿が遅くなりイベント上映は今日入れて3日残すのみという
こんなタイミングで言うのも申し訳ありませんが、もし可能であるならば
劇場での観賞をおススメしたいアニメです。
なぜならこのボリュームのアニメを劇場で観賞する機会など
そうそうないからです。

前作Vol.2でも150分を超えていた上映時間ですが
Vol.3は180分に届かんとする内容になっています。
予告の時間など含めれば確実に3時間以上劇場の席に座っているという状況は
アニメ映画としては珍しいのではと思います。
その分、お手洗いなどは万全に済ませて視聴したいですね。
ちなみにVol.2では声優さんの台本が他のアニメに比べてやたらと厚いという
エピソードがありましたが、Vol.3はさらに内容が多いために台本が2冊になったのだとか。


物語としてはVol.1から話に出ていた
ヴァイタル・フェスティバル・トーナメントという
ハンターを目指す学生たちのトーナメントと
その裏で暗躍していたシンダー達の起こす大事件がメイン。
トーナメントのお祭り騒ぎとその裏にある陰謀というのが
何とも80年代以降に少年ジャンプで連載されたバトル物の漫画らしい感じです。


本作Vol.3はその完成前にRWBYのクリエイター、モンティ・オウム監督が亡くなられるという
悲しい出来事があったと伺っていますが、それを乗り越えて
このような大作を制作されたRT社制作陣の皆様には心より敬意を表します。
モンティ・オウム監督の不在によりVol.1、Vol.2とは
戦闘シーンの描写にだいぶ変化があり、本国のWEB公開時の
トーナメントにおける戦闘シーンはちょっと物足りないものがあったとは感じています。
ただ、WEB公開時でも本編後半の戦闘シーンは十分な迫力があったと感じられましたし、
今回の日本語吹き替え版にあたり、全体の戦闘シーンがかなり修正されているようですので
そこは余裕があれば一度見比べてみたいと思っています。


吹き替えについては主人公ルビーの叔父、クロウを演じる平田広明さんの
おじさんっぷりがとても聴きごたえがあり好印象です。
個人的に吹き替えで一番好きな台詞は前野智昭さん演じるサンの台詞
「もう、いい加減にしてちょうだい」なのですが...
もちろん全体を通して声優陣の名演が光る内容となっており
吹き替えの日本語演出をされた打越領一さんのセンスには度胆をぬかれます。
本作は個人的に劇中音楽がVol.1~Vol.3で一番聴きごたえのある
シリーズだと思っていますので、吹き替えと合わせて耳が幸せな気分です。
{netabare}ただ、サウンドトラックで音楽を聴かれる方がいらっしゃいましたら
先ほどのサンの台詞直前の戦闘時に流れる「I May Fall」という曲は
なぜか「Vol.1」のサウンドトラックに収録されていますので
気に入った方は気を付けていただければ。{/netabare}


Vol.3のストーリーによってRWBYの序章は終わり、Vol.4からは
また新しいストーリーが描かれていきます。
Vol.3の後半はそんな序章の終わりに相応しい衝撃を持っていますので
ご興味ある方は是非ご覧ください。
そしてVol.4以降も日本語吹き替え版で視聴できるよう期待しましょう。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 7

63.6 5 戦いで陰謀なアニメランキング5位
装甲騎兵ボトムズ-ペールゼンファイルズ(OVA)

2007年8月30日
★★★★☆ 3.8 (33)
188人が棚に入れました
レッドショルダー部隊を除隊したキリコ・キュービィは、惑星ロウランでの「タイパス渡河作戦」に従軍していた。60万以上の大兵力を用いた史上最大規模の渡河作戦だが、キリコが配属された部隊は最も過酷な戦場に送り込まれた。一方、レッドショルダー部隊司令のヨラン・ペールゼンは、軍事法廷の被告席に座っていた。検察官の怒号交じりの詰問に、終始無言を貫くペールゼン。その2人を、1人の男が見つめていた…。
ネタバレ

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

異能生存体の謎を巡る物語 A+

この作品を見る方は、ボトムズの全52話を既に見終わった方だと思いますが、万が一未視聴でトライしようというチャレンジャーの方に向けて、少し解説を書いておこうと思います。

この作品に入る前に、まず、レッドショルダーという言葉を理解しておいた方が良いです。

レッドショルダー、正式名は、ギルガメス宇宙軍第10師団メルキア方面軍第24戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1。
ヨラン・ペールゼンの上申を受けた参謀本部によって編成が認可された部隊です。
部隊のスコープドッグ(ロボットの一種と思ってください)は、その右肩を血のような赤で塗っていたことから、通称「レッドショルダー」と呼ばれました。
訓練で見方同士を殺し合わせたり、凄惨な戦いからも味方を犠牲にしてまで帰還したと噂されたりと、吸血部隊として恐れられていました。


この物語は、レッドショルダー部隊を除隊した主人公キリコ・キュービィーが、史上最大の作戦・タイバス渡河作戦の最も激しい戦いの渦中に放り込まれるところから始まります。

一方、ペールゼンは、レッドショルダーにまつわるスキャンダルで失脚し、軍事裁判にかけられていますが、情報省次官ウォッカムによって法廷から救い出されます。

ペールゼンの残した秘密文書に着目したウォッカムは、「異能生存体」の有用性を実験し、戦後における地位の足掛かりにしようと目論んでいました。

こうしてウォッカムの監視下となったキリコは、秘密文書にピックアップされていた4人とともに、次々と過酷な戦場を転戦させられることになります。

「異能生存体」でなければ生き残れないような過酷な戦場を。

この「異能生存体」については作中で少しずつ明らかにされています。

{netabare}
かいつまんで言えば、どんな過酷な戦場でも生存していること、生存率がずば抜けて高いこと、さらに突き詰めて言うと死なないことが、「異能生存体」の指すものです。
また、ペールゼンは、レッドショルダー部隊で異能生存体の研究をし、究極的に死なない兵士による軍隊の創設を目論んでいました。
そのリストに主人公のキリコが入っていたという訳です。
{/netabare}

要は、キリコを含む5人は「異能生存体」のテストをされる訳ですから、夥しい死者がでるような凄惨な戦場に次々送り込まれるハメになるのです。

当のキリコは、さも当然のように愚痴の一つも言わずに、任務を着々とこなします。
まるで何の意思も持っていないかのように映る、戦いのためだけに生まれてきたような人間、それがキリコ・キュービィーなのです。

このキャラクターを理解していないと、見ていても楽しくないかもしれません。
主人公が何の自己主張もしないのですから。
でも、旧来のボトムズファンからすると、これぞキリコ・キュービィーなのです。

まさにボトムズ大好き人間のための作品。
一度は見てみましょう。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 5

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あぁ、やっぱカッケェよ(涙)

ほぼオッサンの思い出話なので、スルーして頂いた方がイイと思います。

 とある方の方とのメッセのやり取りで、今更無性にスコープドッグが観たくなり本編のお気に入りの16話"掃討"と21話"遡行"、んでペールゼンファイルズの"冷獄"を観ちゃいまして。
いい歳して最近のアニメを立て続けに観た反動なんでしょうね。
戦闘シーンの派手さで言えば孤影再びの黒い稲妻旅団との戦いが香港のアクション映画みたいな感じでキリコ無双なんですけど、あれはちと引く位強すぎなんすよねw

 まぁボトムズなんて正直、私ら世代しか観ない作品とは思うんです。
私自身も今のアニメの質の高さとか話の練り具合なんて、昔のアニメとは比較にならないぐらい底上げされてると感じてます。

 ただ久しぶりにボトムズ見たらやっぱり戦闘シーンでワクワクするんですよ、今でも。思い出補正なのかもしれませんけどね。
でも、正直私が観た最近のロボット・メカ物での戦闘シーンにはこんな高揚は無かったんすよね。
ボトムズ本編なんて、絵なんか今の視点で観たら酷くて見てらんない筈なのに。
やっぱグライディングホイールで滑走するスコープドッグやパイルバンカーでスタンディングタートル串刺しにするベルゼルガとか、パラシュートで無数に降下してくる姿とかね。痺れちゃうんすよね。
 ボトムズのOVAでも野望のルーツ・赫奕たる異端・幻影編が物語の続きを楽しむ作品とすれば、ラストレッドショルダー・ビッグバトルと続いたは"昔のリアルロボットのアクション物"としての集大成としての完成形がペールゼンファイルズだと思ってます。

個人的にはですけどねw
私ら世代はこの手のばかり見た世代だから、バルキリーの板野サーカス一番の方も居れば出渕デザイン好きも居ますしね。

 まぁ本作を今の若い方にもお勧めなんて言う気は更々有りませんが、観たらどういう感想持つのかなと言うのは興味ありますね。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 7

66.2 6 戦いで陰謀なアニメランキング6位
機甲猟兵メロウリンク(OVA)

1988年11月21日
★★★★☆ 3.6 (26)
115人が棚に入れました
ギルガメスとバララント両国家によって展開された百年戦争の終結間近、濡れ衣という形で軍上層部の陰謀に巻き込まれた少年兵士メロウリンクは、戦友たちを死に追いやり、自らをも陥れた士官たちへの復讐の旅に出る。その後に待ち受ける過酷な運命も知らず……。

声優・キャラクター
松本保典、大塚明夫、玉川砂記子

60.1 7 戦いで陰謀なアニメランキング7位
ボトムズファインダー(OVA)

2011年4月7日
★★★★☆ 3.6 (24)
105人が棚に入れました
 遥かに深い崖の底にある世界“ボトムズ”。そこに、崖の上にあるという世界“トプ”へと想いを馳せる少年が居た。少年の名はアキ・テスノ。持ち前のAt(アルトロ)操縦技術からタンブラー(曲芸師)と呼ばれている。その彼に突然トプから、ディアハルトという男によってボトムズの地に誘拐された少女を助けて欲しい、との依頼が舞い込んでくる。二つ返事で引き受けるアキ。相棒のエイビィと“島”と呼ばれる廃墟へ向かい、ディアハルトのAtと対峙する。そして無事に少女の救出に成功!―――と思いきや、事態は予想外の方向へと!?
ページの先頭へ