親友で闇堕ちなTVアニメ動画ランキング 4

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68.3 1 親友で闇堕ちなアニメランキング1位
ひぐらしのなく頃に卒(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (303)
950人が棚に入れました
2021年7月放送開始
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

「ひぐらし」としては駄作、「うみねこ」としてはまぁ・・・

※前半は業/卒の全話完走後に書いたまとめレビュー、後半はリアルタイム視聴時に書いていた各話レビューになっています。
※「うみねこのなく頃に」の内容にも触れますので、その話は聞きたくないという方はBack
※私は思ったことを全て書ききりたい超長文体質です。読んでいただける方はセクションを開き始める前にざっと一通り眺めて、気になるところだけ読むのをお勧めします。

※最終話のレビューの後に、「うみねこ」の設定も踏まえた考察も書いてみました。当たっているかはわかりませんのであしからず。(考察部分は何か思いついたら ちょこちょこ書き足します)


【完走後のまとめレビュー】
業/卒を総括するとこんな感じでしたね。

①リアルタイム視聴者に対しては、放送前のプロモーション(番宣など)から既に失敗していた
②「旧作ひぐらし」は必修、できれば「うみねこのなく頃に」も履修しておくが吉
③「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しすぎ

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① プロモーション(番宣など)については細かく愚痴りたいです。

ひぐらし業の「マニュアル」的な情報・・・例えば旧作と新作との関係性、業のコンセプトや楽しみ方などを、放送前からしっかり広報すべきだったんじゃないかと思います。少なくとも私は、制作側が仕掛けたサプライズのせいで、この作品との向き合い方を見誤りました。

どういうことかと言うと、{netabare}業の放送開始当初、制作側は「リメイク」なのか「続編」なのかを曖昧にしていました。タイトルも放送開始当初は『ひぐらしのなく頃に』とだけで、『業』を冠したのは話数が進んでからでした。これは制作サイドからしたら『サプライズ効果(ドッキリ)』を狙っていたのでしょう。

ゆえに放送開始当初は、多くの方が『リメイク』だと思っていたはずです。

しかし、そうすると視聴者はどう考えるか・・・?

まず、新規勢は「旧作を観てなくてもリメイクから入れば良いんだ」と誤解します。また古参勢にしても「リメイクなら、新たなミステリー作品として 3要素(誰が/どうやって/なぜ) を解き直す必要はないんだな」と誤解します。

一応 察しの良い古参勢なら、「鬼騙し編」のラストで展開が変わったことで、この作品との向き合い方を考え直せたかもしれません。しかし、私は『単に これも あったかもしれないカケラの1つってことでしょ?』と解釈して進んでしまいました。

よもや「黒幕も 手段も 動機も、何もかもが異なる惨劇」だとは思い至れず、『新たなミステリー作品として挑戦する』という発想自体を持てませんでした。(私は この情報はちゃんと広報すべきだったんじゃないか? と思っています)

そして新規勢も古参勢も ある程度話が進んだ頃に『絶対的な違和感』を感じますが、新規勢は『ここまで継続視聴したのにふざけんな!続編って知ってたら旧作から観ていたわ!』と思うでしょう。古参勢は『ここまで見進めちゃって、今更 謎解き目線で細かい描写を1話から確認し直すなんて面倒すぎるわ!』ってなるでしょう。私は初めから「新作ミステリーに挑戦するスタンス」で観始めたかったです。

短期戦略(PR)としての『ドッキリ要素』に何の意味があったのでしょうか?? 確かにドッキリはしましたよ?ただ、それ以上にムカつきました。急に続編ヅラしだしたことに。そのせいで「新たな謎解き」という視点を持てなかったのですから、憤らずにはいられません。しかもこのサプライズ効果は半年も保たないのですから。今となっては『旧作の続編』『業と卒のワンセット』という情報は出回っているのですから。

中長期戦略(PR)として『惨劇の世界を抜けた先で新たな惨劇に囚われてしまった梨花。どうかその真相をもう一度暴いてください(私はキャッチフレーズのセンスないので誰か考えてw)』とプロモーションした方が、新規/古参の全員が納得した上で視聴開始できたでしょう。

※最近の人にわかりやすく例えるなら・・・

ゲームのFF7リメイクにて、もし『原作はRPGでしたが、リメイクではアクションRPG化します!!』という情報を一切伏せたままプロモーションしていたら、どうなっていたと思います?

リメイクと聞いて “原作RPGを現代技術でまた楽しめるんだ♪” と期待して買った人々が、『フタを開けてみたらアクションRPGでした』と知って、どういう反応をみせると思いますか?・・・“わぁドッキリだよ〜w” と和やかな空気で済むと思います?

実際は制作サイドが前もって入念に『アクションRPG化する』という広報をしていたから、買う側もそれを納得の上でアクションRPGを買ったんです。この『作品に関する広報(周知)』と『ユーザー側の納得』が重要なんです。

それと対比させてみてください。

新作ひぐらしの放送に際し、『旧作ひぐらしの続編である』『旧作とは異なる3要素で描いた新作ミステリーである』という情報を伏せたことでどんな事態を引き起こしたか・・・。ちゃんとこのプロモーションの『デメリット』と向き合ったのか、小一時間問い詰めたいです。{/netabare}

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② これまでの各話レビューで「うみねこのなく頃に」の名前は伏せるようにしてましたが、もう伏せない方が良いと判断しました。「ひぐらし」と「うみねこ」の関連性を知っていた方が、よくわからない描写や思わせぶりな描写でいちいちモヤモヤせずに済むと思います。

{netabare}特に最終話にあった数々の描写は、明らかに「うみねこのなく頃に」の世界観に繋げるための描写でした。(私的には嬉しいサプライズでしたが、うみねこを知らない人にとっては・・・)

正直、思わせぶりな描写をしておきながら本作内でその関連性を描く気がないのなら、余計な描写を交えない方が良いのでは?と思っていました。こんなの「うみねこ」を知らない勢からしたら余計な混乱、無駄な推理を招くだけでしょうに、と。(まさか最終話で畳み掛けてくるとは思いませんでしたがw)

竜騎士07氏はインタビューで「うみねこを知らなくても楽しめるようになっています」とは言っていましたが、私が感じた印象はちょっと違いましたね。私は「余計な情報を交えたせいで、うみねこを知らない勢は話がよく見えずに憤りを感じたのではないか?」と心配になりました。

むしろ本作は「うみねこを知らなければ 納得できない作品」とさえ言えると感じました。

両方を知っている人は『この描写は本作の推理として必要な情報だな、この描写はうみねこにつなげる情報だな』と分別できますが、旧作ひぐらししか知らない人は『本作の全ての描写』をひぐらしの世界観で説明しようと試みるんですから・・・。①の話にも通じますが、だからこそ「この作品の楽しみ方(作品の位置付けなど)」をちゃんと広報すべきだったと思います。

でもなんだろう・・・「うみねこを知らない勢」を心配している自分と、うみねこに繋がる情報を求めている自分もいて、葛藤しながら観ていましたw

本作は「ひぐらし」単体の視点で観る分には率直に言って駄作な気がしますが、「ひぐらし」と「うみねこ」の繋がりを考察するためのアニメと考えれば、やや楽しめる部分はあると感じました。
{/netabare}

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(1)まず、「新作ひぐらし」の惨劇は、そこに至る経緯(動機)があまりにも稚拙です。「旧作ひぐらし」や「うみねこ」で描かれた経緯とは比べ物にならないほどにお粗末。

理由・・・ {netabare}「旧作ひぐらし」の黒幕には壮絶な過去があり、特に「うみねこ」はそれを凌駕するほど壮大な悲劇が起きており、感情移入しすぎて辛くなったものです。

しかし「新作ひぐらし」の動機は「梨花と離れたくないから聖ルチーアについて行く」、あるいは「梨花と離れたくないから雛見沢に縛り付けたい」、あるいは「沙都子と離れたくないから一緒について来て」・・・何にせよ ただの「わがまま」から生じているんですよ。

普通なら 納得いくまで話し合うなり 喧嘩するなりで流れて行く青春の1ページを、何とかして無理やり「大量殺人」や「凶悪テロ」に仕立て上げただけ・・・話の作り方が強引すぎです。{/netabare}

(2)また、ひぐらしにおける奇跡が『何でもありの安物』になってしまった気がします。

理由・・・ {netabare}旧作で起きた数々の奇跡は、積み上げた惨劇と後悔の末に垣間見える「解決の糸口」のようなものだったと思います。それはあくまで「きっかけ」であり、奇跡を起こして「ハイ 解決♪」とはいかないものでした。

しかし、新作で起きた数々の奇跡はもう「直接的解決手段」になっています。奇跡を起こして何でも解決しちゃうのは「御都合主義」というものです(詳細は最終話のレビューに書きました)。

「旧作ひぐらし」で起きた数々の奇跡のうち、「直接的解決」をしたのはおそらく1度だけ。最後の最後、{netabare}鷹野が羽入に向けて撃った銃弾を、時が止まった世界で梨花が取り除いた時だけ。ただし、それは鷹野が終末作戦を失敗して逃走した後・・・つまり梨花を捕らえ続けた惨劇に決着がついた後の話。

羽入がオヤシロサマとして鷹野の前に現れ、鷹野の罪を許そうとしたことで起きた描写であり、そこは梨花の物語の幕引きとして必要だったのではなく、鷹野の物語の幕引きにとって必要だったこと。梨花の惨劇自体はもう解決{/netabare}したエピローグ的な部分なので、そういうのは許容します。後味を良くするための飾り付け程度の「ご都合」は全然あり。{/netabare}

(3)世界観をぶっ壊したなぁと感じた点は他にもいくつかあります。

理由・・・ {netabare}「梨花は死の直前の記憶を保持できない」という大原則を 奇跡という建前でなし崩したり、数々のキャラクターを大した背景を描かずに惨劇の実行犯に仕立て上げたり、ドラゴンボールさながらのどっかんバトルに発展したり・・・{/netabare}


「旧作ひぐらし」のファンとして、また 特に“心”を大事に描いていた「うみねこ」のファンとして、なんだか裏切られた気分になりました。


あ、ちなみにドラゴンボールのような超常バトル展開になったのは、おそらく「うみねこ」成分を取り入れたせいだと思います。

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(超脱線:うみねこの世界観について)興味のある方だけどうぞ
 {netabare}うみねこは、自分の存在を認めさせたい「魔女 ベアトリーチェ」と、魔女や魔法の存在を否定したい「人間 バトラ(探偵役)」の、ミステリーに準じた謎解きバトルを描いた物語です(ただし ミステリーとも ファンタジーとも言い切れません)。

※主人公が否定したいのは「この世すべて」の魔女と魔法の存在ではなく、「自分の目の前で起きている惨劇において」の魔女による魔法殺人説を否定したいだけです。

まず魔女側は「人間には到底不可能であろう殺人事件」を次々に起こしていきます。探偵役である主人公は当然 殺害シーンを直接見ることはできません。主人公は探偵が行う一般的な調査手段と、犯人である魔女との直接問答から情報を得ることになります。

その際、魔女はその殺人シーンを幻想的な描写で再現してみせ「わらわが魔法で殺害した」と主張します(だいぶ語弊がありますが、知らない人への説明としてはこれで十分)。

一方、主人公(探偵役)は魔女と魔法の存在を否定したいので、魔女に見せられた幻想を拒絶し、人が死んでいるという「事件の結果」だけを信じ、殺人事件のすべてを「人間の手による殺人トリックとして立証を試みる」という物語です。

で、この世界は『主人公が殺人トリックの立証を諦めないうちはミステリーに、推理を諦めて魔女に屈服したらファンタジーになる』という、かなり独特な謎解き物語です。

ちなみに、魔女に殺されているのは主人公の親族一同とそれに仕える従者たちです。そして ひぐらしの梨花と同様、主人公が真相にたどり着けない限り惨劇のループに囚われ続け、無限に殺され続けます。{/netabare}
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なので「うみねこ」はひぐらし卒14話で繰り広げたドラゴンボール展開が霞むほどの「超常バトル(魔法バトル)」が展開します。でも「うみねこ」なら良いんです。うみねこの場合は {netabare}『これが魔法ではなく殺人トリックだと主張するなら立証してみろよぉおw できねぇだるぅぉお?w』という魔女ベアトリーチェからの挑発(宣戦布告){/netabare} と解釈できるので。

ただ、この世界観を「ひぐらし」に持ってきたのはかなりの悪手だと思います。この描写は「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しています。「うみねこ」の世界観を受け入れた私でも、「ひぐらし」で同じことをされたら拒否反応が出ます。・・・特に『うみねこを知らない勢』からしたら、共感できる余地なんて一切ないでしょう。

(ちなみに、うみねこに興味を持った方はマンガかゲームをおすすめします。アニメは出題編までは制作されましたが、解答編の制作は頓挫しています)

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※ここからはリアルタイム時に書いていた各話レビュー(不定期)です。

【9話までの感想】====================

{netabare}ひぐらし業の後半・・・具体的にはエウアが登場してからずっと不安に感じていたのですが、ひょっとしてこの作品・・・「ひぐらしの世界観」だけでは全ての真相にはたどり着けないのでは?

いや、業で起きた「事件の裏側」は卒ですべて明かしてくれるんでしょうけど・・・『なぜ沙都子をこんなクズ人間として描かなければならなかったのか?』という部分が、ひぐらしの世界観だけで納得のいく説明がつくのか・・・。

もし・・・ もしもこれが『沙都子の意思ではない』という結末に持っていこうとしているのなら、いよいよ竜騎士07氏(原作者)の別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の話をしなければならなくなるかも?・・・そうならないことを願っています。( “ひぐらしのなく頃に” は、あくまでひぐらしの世界観で完結して欲しいので)
{/netabare}

【12話の感想】=======================

{netabare}「業」の時点でものすごく不満を抱いたものの、最終話と同時に「卒」が制作発表された時点で評価を保留していたことがあったのですが・・・「卒」を踏まえても結局その不満点は最悪なままでした。

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何が不満だったかと言うと・・・{netabare} 赤坂と 茜さんと 公由のじいさんを 使い捨てにしたことです(圭一はもともと別のカケラで何度も発症した経緯があるのでさほど気になりません)。

いや、茜さんと公由のじいさんは物語上そこまで重要な役ではないのでまだ許容できなくはないですが、「赤坂」はあんな使い捨てにして良いキャラじゃないでしょ・・・。

なぜかって(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}旧作の暇潰し編は1編まるまる梨花と赤坂のエピソードでしたよね? そのエピソードの賜物(反動)があってこそ、祭囃子編(最終章)の結果につながったはずですよね?めちゃくちゃ重要なキャラじゃないですか。

旧作アニメでは尺の都合で詳しく描かれませんでしたが、赤坂が山狗の小此木の軍隊格闘に対抗できるほどに鍛錬を積んだのは、暇潰し編における誘拐事件での戦いと後悔があったから。赤坂が皆殺し編と祭囃子編で雛見沢に帰ってくるのは、暇潰し編での梨花からの「助言」と「ヘルプサイン」を信じたから。普通の赤坂なら ほぼ全てのカケラで梨花の言葉を信じず、惨劇が起きたのちに梨花の死を知り、激しい後悔に苛まれるのが常でした(つまり、赤坂にも圭一と同じような奇跡が起きています)。{/netabare}

部活メンバーはもちろんのこととして、「赤坂」「大石」「富竹」「入江」は絶対に使い捨てにしてはならないキャラだと思っています。

なぜなら(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}鷹野の『終末作戦』を表舞台で阻止したのは部活メンバーですが(山狗たちとの徹底抗戦)、裏舞台で「山狗の一時撤退→仕切り直し」という選択肢を潰したのが「赤坂」「大石」「富竹」「入江」なんですから。(赤坂は表でも大活躍。あとキーマンとまでは言えないかもしれませんが、裏の功労者に「詩音」と「葛西」も加えてあげたい)

たとえ部活メンバーが山狗部隊を退けたとしても、重火器を持って再戦を挑まれたらどうなっていたかわかりません(この戦闘は日中かつ棉流し当日で人が多いため、山狗部隊は拳銃使用は認められていません。人目がつかない裏チーム側では銃撃戦しまくりですが)。

その『撤退後の選択肢』を潰してくれたのが大人たちでしょう。

赤坂はかつて「梨花の予言」を聞かされていた者として、大石に詳細を告げて真相究明のための仲間に引き入れ、なぜこんな予言ができたのか 改めて二人で梨花の話を聞きに赴きました。時を同じくして、梨花は入江から「自分が死ぬことで終末作戦(雛見沢大災害)が決行されること」を聞き出せており、入江と二人で「鷹野に殺される可能性がある」と富竹に警告しています。そして大石・赤坂がその話を立ち聞きできたことで、ようやく警察側と入江機関側が腹を割って情報共有できるようになりました。

梨花が暇つぶし編で告げたオヤシロ様の祟りの予言を、『赤坂が信じなければ』この舞台は整いません。

入江は、入江機関所長として把握していた「終末作戦(雛見沢大災害)」の詳細を全員と共有し、特に大石に対しては「オヤシロ様の祟りの真相を全て入江機関要因で説明できる」とも告げました。梨花は、部活メンバーと相談できたことで導き出せた「仮説」を披露します。

一通りの情報を共有したことで、富竹は「本当に自分が殺される可能性がある」と信じて警戒するようになり、また大石は長年園崎家が黒幕だと思っていたことが誤解だと知って和解できました(園崎家の協力が得られるようになる)。大石は「終末作戦」に対して「48時間作戦」という罠を仕掛け、警察内で“東京”の息がかかった諜報員をあぶり出して園崎県議に引き渡し、富竹は入江機関と“東京”の連絡員として機密管理などのための『番犬部隊』を招集してくれました。{/netabare}

祭囃子編の結末にたどり着くためには、必ずこの4人が『真の肩書き』として出会わなければなりません。この4人それぞれが持っている情報と人脈が、本当の意味で惨劇を終わらせたのですから。そのきっかけを作ったのが『赤坂に起きた奇跡』でしょう。

このキーマンたちを惨劇の首謀者に仕立て上げるなら、相応のエピソードがないと納得...というか満足できないです。

大石刑事の惨劇はしっかり描かれて満足できたのですが、赤坂だってあれくらいの物語はあって欲しい重要なキャラだと思うのですが・・・。卒で付け足された要素なんて『沙都子の仕業でした。以上』だけって・・・。そんなの業でわかっていることなんだから、もうちょっと何かあって欲しかったです。 {/netabare}
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話は飛びますが、羽入の角のヒビの意味、それが12話で修復された意味、羽入とエウアとの関係性・・・この辺の設定って結構昔の竜騎士07氏のインタビューを聞いたことがある人じゃないと意味がわからないのでは?

いや本作中でも「あれは○○の出来損ない」とかは言ってましたけど・・・。そもそもエウアがどういう存在で、どういう立場でこの物語に関わっているのかってのは、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らないと訳がわからないんじゃないでしょうかね?

私は両方のファンだから別に混乱していないですけど、ひぐらししか知らない人は話ついていけているんでしょうかね?
{/netabare}

【13話の感想】=======================

{netabare}もう何もかもが御都合主義に感じて来ました・・・。特に今回は「そこだけは設定変えちゃダメでしょ!」って所を、奇跡という建前で変えてきましたね。まぁ12話で羽入に起きた変化からして、こうなることは覚悟していましたけど。御都合主義はその変化からすでに始まってますね。

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私が納得いかなかった点は・・・{netabare}奇跡によって「梨花が死の直前の記憶を保持できるようになったこと」です。

「そうは言っても、旧作でも何度か同じような奇跡が起きたじゃん」と思われるかもしれませんが、明確に違う点があります。

例えば旧作の罪滅し編でも、圭一が「別のカケラの記憶を垣間見る奇跡」が起きていますよね。そして魅音に謝罪する一幕が。

圭一に起きた「奇跡」については、私がその発想に至らなかったというだけのことで、物語のルール上禁止していないのだから、いつそんな奇跡が起きてもOKなんです。

圭一以外でも「部活メンバーや大石・赤坂・富竹・入江たちが、別のカケラの記憶を垣間見ることなんてあり得ません」なんて一言も言っていないのだから、いつどんな奇跡が起きてもOKなんです。

しかし、梨花だけは違います。梨花だけは物語上『絶対的な制限』がかけられていたはずです。

ひぐらしの世界すべてを通して『梨花は死の直前の記憶を保持できない』という大原則ですべての物語が作られていました。それは羽入が不完全な存在だから(詳細割愛)。ゆえに『自分(梨花)を殺した犯人だけは絶対にわからない』はずでした。その大原則だけは普遍であって欲しかったのですが、今回そこをぶっ壊してきたということです。

ならばこう考えられませんか。・・・その奇跡を起こして「犯人当て」をして良いのなら、旧作の惨劇ループなんて1回で十分じゃないですか?と。いや、1回はさすがに少ないか。

ただ100年も1000年も惨劇を繰り返す必要なんてないんじゃないですか?あの人(黒幕)が直接手を下す惨劇のカケラを引ければ、その記憶を保持すればもう「犯人当て」は即終了ですよね。そこからは対策を講じるために何回かループし、数手でチェックメイトじゃないですか?

「超常的な能力で犯人を当てる」って、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の中で散々説明してくれた、ミステリーで絶対にやってはいけないことに抵触していますよね(ノックス十戒とヴァンダイン二十則)。

もちろん、ひぐらし卒の時点ではもうミステリーではありませんが、だからってこんな酷い犯人当てがあって良いんですかって・・・(ひぐらし業まではミステリーと言えますが、業の時点ですでに犯人は明かされているので)。

旧作での序盤のコンセプトにしたって『これは “オヤシロ様の祟り(ファンタジー)” なのか “殺人事件(ミステリー)” なのか』を問うており、圭一が「どうか真相を暴いてください」と出題しているのですから、旧作もミステリー要素はあったはずなんです。旧作は皆殺し編で大石を味方に引き入れたことで、ちゃんとロジカルに黒幕を究明したんです。

だから本作もなるべくならミステリーの原則に準じ、「ひぐらしの世界観」をちゃんと保って欲しかったです。

ちなみに強いてひぐらし卒をミステリーで例えるなら、刑事コロンボや古畑任三郎スタイルですかね。冒頭であえて犯人も犯行方法もバラした状態で、『どうやって探偵役がその犯人に迫っていくのか』を描くスタイル。

なのに『古畑任三郎が捜査中に突然超能力に目覚め、唐突に犯人を言い当ててしまう』なんてことになったら・・・駄作にもほどがありますよね。この13話のシナリオはまさにこういう内容なんですよね。{/netabare}
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<余談:原作と脚本について>
{netabare}業の頃からなんとなく違和感を感じていたのですが、これ・・・よくよく考えたら竜騎士07氏は新作ストーリーにほとんど関わっていないんでしょうかね?

原作者として名前がクレジットされていたので、てっきり竜騎士07氏がストーリーを描いているのかと思い込んでいましたが・・・よくよく考えればそもそも「業/卒そのものの原作」は無いですもんね。このクレジットの意味は、本当の原作(無印のPCゲーム)のこと・・・ですかね?

なので新作のストーリーを描いたのは別人なのかも?・・・きっと。そう考えれば、やっと合点がいきます。

別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』で、ノックス十戒や ヴァンダイン二十則を組み込んだ緻密な物語を描き、その作中で「事件を起こす動機(心)」の大事さを熱く語り、登場キャラが「(推理において) 心をないがしろにするんじゃねぇ」と何度も口にしていました。実際、それに見合うだけの壮大なストーリー(心)がちゃんと用意されていました。

旧作ひぐらしにしたって、数々の惨劇を誘発させていた黒幕には、その凶行に駆り立てるだけの動機がちゃんとありました。そして、それを少なくない話数をかけてしっかり描いてくれました。

竜騎士07氏の作品は、ちゃんと『心の機微』が克明に描かれていたんですよ。少なくともこれまでの作品では。そんな原作者が、本作のような「心をないがしろにしまくった 精神崩壊ストーリー」を描くとは思えませんからね。別人が描いたストーリーなのであれば腑に落ちます。

本作は『凶行の動機』がまったくもって意味不明なんですよ。動機は『沙都子が梨花と雛見沢でいつまでも楽しく暮らしたい』と・・・。全然納得はいかないですが、一旦それで理解しましょうか。

しかしそこをスルーしても『何故そこまでの執着を見せるのか?』すらもさっぱりわからない。仲間を再び惨劇に突き落とし、それどころか仲間が凶行に及ぶよう企て、時には自らの手で殺しもする。それらの行為に対して何も思わないほどの『狂気』を発揮する理由がまったく描けていないと思います。

じゃあ、例えば梨花が結婚して沙都子にかまう時間がなくなった時、それすらも沙都子は許さないのでしょうかね??遅かれ早かれ、いつかは『それぞれの人生を歩み出す時』が必ずくるはずですが。

それが惨劇の出発点となった最初のカケラでは『聖ルチーアへの進学』だったのでしょう。そして普通に考えれば、沙都子が聖ルチーアへの進学を諦め、それぞれの道に進むことを受け入れるべき事でしょう。しかし、沙都子はそれだけは受け入れられなかったんですよね?なぜかは知りませんが。大量殺人をもいとわないほどに。その愛すべき梨花を無限に殺しても構わないほどに。

ならば『梨花に対する常軌を逸した執着』にそれ相応の理由が無いと、物語としてめちゃくちゃ不自然なんですよ。遅かれ早かれ必ず別々の人生を歩む将来が来るのに、『大量殺人』を犯してでも『凶悪テロ』を起こしてでもそれを拒むだけの理由が。

私がこの物語に抱いた評価を上方修正するとしたら、『沙都子があれほどまでに梨花に執着する理由』をちゃんと描いてくれたら、もう少しマシになるかもですね。まだ納得いく理由を聞いていないので。・・・まさか聖ルチーア編だけで描き切ったつもりなら、「心をないがしろにすんじゃねぇ」と言わせてもらいましょうかね。

まぁ、もう動機の掘り下げについては「シナリオライターのエゴに巻き込まれ、沙都子がただのクズに成り果てたから」という事で諦めていますが・・・。{/netabare}

さてさて残りあと・・・2話ですかね? いろいろ書いてしまいましたが最後まで事の顛末を見届けたいと思います。
{/netabare}

【14話の感想】=======================

{netabare}これは完全にやらかしましたね・・・もう落胆を通り越して笑えてきました。もう理屈抜きの勢い任せのアニメになっちゃいましたね。

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今回の不満点はもはや致命的・・・
{netabare}
何これ、急にドラゴンボールでも始まったんですか? いや衣装チェンジがあったから魔法少女モノですかね? あの超常バトルはどうしちゃったんですか?ww

これが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』だったら、魔法バトルの演出は許してましたよ。でもこれ、『ひぐらしのなく頃に』ですからね?ちょっとおイタが過ぎるのでは?

しかもバトル中にコロコロ場面転換しましたが・・・あれ、何を意味していますか?勢い任せで見過ごせる描写じゃないですよ。

時代も年齢も服装もコロコロ変わってましたよね? 指パッチンの描写も何度かありましたよね?まさかとは思いますが・・・そのたびに「死に戻り」してますか??

よもや『新作で追加した設定』は忘れてはいないですよね?

『沙都子は梨花が死んだ後に自分が死ぬことで、梨花の意識の飛び先のカケラまで追いかけることができる』んでしたよね?? 沙都子の慢心をたしなめるように、エウアが何度か釘を刺して説明しましたよね?

ということは、突如始まったあの超常&連戦バトルは
①『必ず毎回 沙都子が勝利し、梨花を殺し続け、沙都子が追いかけ続けた』

しかも鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)を奪い合っているにも関わらず、
②『毎回 鬼狩柳桜を使わずに普通の凶器で梨花を殺し続けた』

という描写として解釈しろということでしょうか。もしあの場面転換中、1度でも沙都子が先に死んでいたら、ありえない光景ですからね。

ということは、あんな接戦しているようでいて、その実「梨花はクソザコ。あれは一方的な殺戮ショー」って脚本ですか?えぇ・・・。

もしくは、二人とも「死なずにカケラを飛び越える力」すら手に入れちゃってます?

っていうか、エウアが釘を刺した設定が結末の肝になると思っていたのに、いつ活きてくるんでしょうか?最終話?・・・実はこの設定どうでも良かった????

ちなみに、私はてっきり沙都子が先に死んでしまい、梨花の上位世界の意識を見失い、梨花は沙都子から永遠に逃げ続け、沙都子は梨花を永遠に追い続けるという愛憎劇を妄想し、

それが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の『{netabare}奇跡の魔女 フレデリカ=ベルンカステル{/netabare}』と『{netabare}絶対の魔女 ラムダデルタ{/netabare}』の2人の関係に繋がっていくのかなぁ・・・なんて予想していたのに。

で、もちろんエウアは『{netabare}観劇の魔女 フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ{/netabare}』と同一人物なんだろうなぁって想像してたのに。

今回「ひょっとしてその辺のクロスオーバーしている世界観に切り込んでいくのか!?」と、ちょっと期待してしまいましたが、このままだと匂わせすらないまま終わりそう・・・w
{/netabare}
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<余談:原作と脚本について> (※大幅修正しました)
{netabare}私が最初に書いた内容に誤解があったので訂正しました。訂正前のコメントを読んだ方、申し訳ございません。この項目は改めて書き直しています。

[シリーズ構成(脚本の総責任者)]
 ハヤシナオキ(久弥直樹)

[各話脚本]
 鬼騙し編1〜4 ハヤシナオキ
 綿騙し編5〜8 川口敬一郎
 祟騙し編9〜13 ハヤシナオキ
 猫騙し編14〜17 ハヤシナオキ
 郷壊し編18〜24 ハヤシナオキ

 鬼明し編1〜3 ハヤシナオキ
 綿明し編4〜6 ハヤシナオキ
 祟明し編7〜11 ハヤシナオキ
 神楽し編12〜15 ハヤシナオキ


(訂正)
原作と脚本の関係について、竜騎士07氏が業の終了後にインタビューを受けていたようです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
記者
「アニメ制作についてですが、竜騎士07さんが書いたプロットをアニメスタッフに預ける形で制作しているんですよね。」

竜騎士07
「そうです。(中略)もちろん、私も監修という形でシナリオやコンテに関わらせていただきましたけど、“ちょこっとセリフを修正する程度” でした。

(中略)
私自身の感覚としては、魚市場から200キロのマグロを仕入れて、それをアニメスタッフの方々にドーンとお渡ししただけという感じなんです。それを川口監督が見事に解体して、さらに脚本のハヤシナオキさんがキレイに三枚におろしてくださったというか。

(中略)
私はアニメに関しては素人同然ですし、プロットもそれを意識したものではないので、うまく捌いていただけたなと思います。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ということで、物語の「骨組み」自体は竜騎士07氏が組み立てて、

キャラの心情・行動・セリフや、各シーンの描写、どこに時間をかけるかなど、細かい話の「肉付け」をしていったのが前述の作家さん2人という感じみたいですね。(もちろん そこに演出家なども加わってくるのでしょう)

ミステリーで言うところの「who:沙都子、why:梨花と雛見沢で暮らしたい、how:死に戻りの力で梨花の心をくじく」という大筋を描いていたのは、竜騎士07氏ということでしょうね。

ということは「沙都子をクズに仕立て上げる」という方向性を決めたのも、竜騎士07氏本人ということになりそうですね。脚本家は、どれくらいのクズにするかの「さじ加減」を考えて脚本を用意した・・・ということですかね?

そしてインタビューの中で、竜騎士07氏が猫騙し編(聖ルチーア編)の脚本で「沙都子の内面をちゃんと描けた」と満足していることが、何よりもショックでした。私はあそこが一番不満に思っていたので。どこが描けているんだよって。

ひょっとして竜騎士07氏や脚本家陣的には、沙都子と梨花の言い分(正当性)は50:50だと思っているんでしょうかね?? 私的には梨花100:沙都子0、いや譲歩しても95:5くらいだと感じていますが。あれじゃ沙都子がただクズなだけですよ・・・。

そもそも「沙都子は勉強ができない」「梨花と離れたくない」という前提に則った上で、沙都子の内面に対して2点つっこんでも良いでしょうか。

沙都子の内面に関するツッコミ①
{netabare}沙都子は少なくとも2度は聖ルチーアでの学園生活を送っていますよね? 沙都子は2度目以降で何を変えようと努力したんですか?? アニメの中でこの流れを完全に省きましたが、沙都子が「2度目以降にどんな努力をしたのか」は非常に重要なことだと私は考えています。

旧作の梨花の場合、常にみんなが生還する幸せな結末を迎えるための「奇跡」にたどりこうと、努力し続けましたよね。それが旧作のすべてのカケラに共通していた梨花の心情。

じゃあ新作の沙都子は?・・・梨花のセリフから推察できるように、どの世界でも「沙都子は梨花のせいにし続けただけ」じゃないのでしょうか?しかも「みんなのため」ではなく、「自分のため」のループですからね。

1度目で勉強ができなくて落ちこぼれたなら、なぜ2度目以降で素直に「梨花の助け舟」を受け入れなかったのでしょうか?

そもそも大前提として、梨花の助けを借りて受験も乗り越えたんでしょう? 梨花は同情しているわけでも、見下しているわけでもなく、沙都子と進学したかったから手を取り合ったわけで。沙都子も梨花の気持ちと助け舟を受け入れて一緒に進学したはずなのに、なぜ今さら意地を張るのでしょうか?(・・・それは梨花が学園に順応していく様を僻んだからですよね?つまり ただの逆恨み)

1度目で学園で孤立したことを悔いているのなら、なぜ2度目以降で「梨花の招き」を受け入れなかったのでしょうか?

これは単純に沙都子が友達作り、あるいは高校デビューに失敗しただけのこと(ただし、進学して友達作りに失敗することはよくあることなので、この点だけは同情します)。しかし、それを梨花のせいにするのは沙都子の性格が歪んでいると思います。しかもせっかくループする力を得たのに、同じことを繰り返したのならそれはもう沙都子の問題です。

どちらにも共通して言えますが、1度目と同じことをすれば「何度だって同じ結末を迎える」のは当然でしょう。だから「沙都子が何を努力したのか」は重要なんですよ。このストーリーはそこを軽視していると思います。

さらに、これが致命的。

1度目で『どうやっても自分は梨花のようには変われない』と悟ったのなら、なぜ2度目以降も『聖ルチーアへ進学しよう』と思ったのでしょうか?普通に考えれば、そこが2人の人生の「最初の分岐点」でしょう。・・・ここに関して『沙都子が梨花に妄執する理由』が何1つ描けていません。

ゆえに私の印象では、聖ルチーアに順応すべく自分を変えていこうとする梨花に対し、沙都子がそれを僻んだだけのことだと解釈しています。だからいくら沙都子が梨花を糾弾しようと、『沙都子が僻み根性丸出しにして噛み付いている』ようにしか感じません。ゆえに動機が恐ろしくチープだと感じています。

梨花と沙都子の正当性を50:50のつもりで描いているのだとしたら、もう意味不明です。
{/netabare}

沙都子の内面に関するツッコミ②
{netabare}たかが神経衰弱(ゲーム大会)で完封勝利する演出のために「死に戻り」するような人間が、そして現にそれを丸暗記できてしまう人間が、何で「テストの答案」ごときを丸暗記できないんですか。神経衰弱の盤面を丸暗記するより、テストの答案を丸暗記する方がはるかに楽ですよ。

しかも、ただの一夜漬けによる丸暗記ではないですよね? あれって勢い任せでスルーできる描写じゃないですよ。

沙都子と梨花は「たった1日だけ」をループしているわけではないはずなので。沙都子は梨花の死後を追いかけながら、時には「数年間」巻き戻ってからゲーム大会の日を迎えているわけで、長い月日の中のたった1日、その中のゲーム大会の盤面を、「巻き戻った分の月日を過ごしながら記憶を保ち続けている」んですよね。・・・ただ事じゃないですよ。

それとも、あの指パッチンの描写は・・・「梨花を殺さずに沙都子だけが自殺し、梨花がそのカケラを離れる前に戻ってこれて、沙都子の自殺の数分前から再スタートできる」ような使い勝手のいい能力だったんでしたっけ?この場合は『沙都子が先に死んでいる』としてもその事実は都合よくスルーできるんでしたっけ? それだったらあの記憶力は「一夜漬けや瞬間記憶程度のものにすぎない」と認めますけど・・・そんな設定は聞いた覚えないですよ?

ならば「テストの答案」だけを記憶できない道理がない。勉強なんかできなくたっていい。神経衰弱と同じように「丸暗記」すれば良いだけなのだから。それなら聖ルチーアでも「勉学」で落ちこぼれることはないですよね。

まぁテストをやり直すために、どうしても死に戻り(梨花との心中)が条件にはなってしまいますが、「梨花や仲間たちを無限に殺し続ける」よりもよっぽど楽な覚悟で済むはずでは?

あ・・・、というか「梨花を屈服させる」という思惑が生じてしまったから梨花の死後を追いかける必要があるだけで、単に「自分がやりなおしたいだけ」なら梨花の意識を追いかける必要はないから、沙都子は一人で死んでも構わないですよね。なら余計に「梨花を屈服させようと思った正当な動機」が欲しいところですね。正当ってのは逆恨みや僻み根性丸出しの動機以外で、という意味で。{/netabare}
{/netabare}

あぁ・・・次が最終話か・・・どう収拾つけるのでしょう。 {/netabare}

【最終話の感想】======================

{netabare}呆れた・・・もう呆れるしかないです。

私がこれまで散々文句を言ってきたこと・・・というか誰しもがそう感じていたであろうことが・・・まさか「最終話の結論に持ってくる想定」だったから、こんなにも無茶苦茶で回りくどいシナリオになっていたなんて。

ーーーーーーーーーーーーー
何が回りくどいって・・・

{netabare}まず、私は業の聖ルチーア編の時から一貫して『沙都子が聖ルチーアに順応できないのなら、梨花は梨花の道を、沙都子は沙都子の道を歩むのが当然の摂理だ』と指摘してきました。「自分の進路は自分で決めるもの」ですし、「親友と進路を違える」なんてごくごく普通のこと・・・誰しもが経験することなのだから、と。「親友と離れたくない」なんて稚拙な動機で大量殺人や凶悪テロなんてされたらたまったもんじゃないですよ。

また卒に入ってからは『大量殺人や凶悪テロを起こしてでも梨花との別離を拒むのなら、その凶行に見合うだけの動機が必要だ。梨花に対する妄執の背景を描かないと物語として不自然だ。』とも指摘してきました。それこそ旧作のあの人に匹敵するか、それを超えるような動機を描いてもらわないと誰も納得できませんよ。

なのに・・・えぇ・・・。『超常バトルの末に、ようやく “別離” という結論に至る』って何?w

いや・・・だからそれ・・・視聴者のほぼ全員が『聖ルチーア編で即答していた結論』だと思うのですが。普通の人間同士なら「殺し合い」ではなく「話し合い」で解決できることですよ??この当たり前の結論に至るまでに、私はいったい何を見せつけられていたのでしょうか?

この惨劇の解決手段(別離)は・・・言うなれば「1+1は?」と聞かれて全員が「2」と即答する程度の結論。

それを回りくどく『1でもなく、3でもなく・・・4、5、6でもなく・・・というかこんな大きな数字にはたぶんならないよなぁ・・・それに奇数と奇数を足しているんだから偶数のはずだ。ということは、きっと2に違いない!どうだ!?』なんて問答を見せつけられたら、

さすがに『君の頭の中ではいったい何が起こっていたんだ??』と、じゃっかんの苛立ちを込めて突っ込みたくなりませんか?こんなん相手すんのメチャクチャしんどいでしょうよ。

しかし『ひぐらし業/卒』はこれに匹敵するしんどいシナリオ構成になっていたようですね。相手するのがしんどくなるような・・・ね。

『ひぐらし業/卒』とは、誰もが即答するであろう「当たり前の結論」に至るために、『常人には到底共感できないような遠回り』を描いた作品だったようですね。{/netabare}

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ついでに もう1つ不満点を・・・

{netabare}羽入 vs エウアについては・・・う〜ん。個人的には『奇跡』は数々の行いを積み重ねた上で導かれる『最後の一押し』という概念であって欲しかったです。

数々の惨劇と後悔を積み重ねた上で「別のカケラの記憶を垣間見れた奇跡(罪滅し編など)」、運命は変えられると信じなかった最後の一人が それを信じたことで訪れた「羽入顕現の奇跡(祭囃子編)」、いずれの奇跡も「直接的解決手段」ではなかったと思うんですよね。

一方、「羽入のもとに鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)が届く」って・・・それもう直接的解決手段じゃないですか。これまでのカケラとの脈絡もあまり感じませんし・・・。

言うなれば「アンパ○マン新しい顔よ〜! ア○パ〜ンチ! バイバ○キーン」の流れと同じでしょう(この作品をバカにしているわけじゃないです。「ひぐらし」がこれをやるのはどうなの?という話です)。

これだけじゃない。梨花が死の直前の記憶を保持できるようになって「犯人当て」しちゃった時もそう。そんなのミステリーの探偵役が急に超能力に目覚めて犯人を特定しちゃうようなもの。

ん〜、それならもう梨花惨殺シーンを見た羽入がブチ切れてスーパーサ○ヤ人化し、かめ○め波を撃ってエウアを蹴散らすって展開でも良いんじゃないですか?奇跡の力で直接解決しちゃいましょう!w

何だろう?・・・私が抱いていた『ひぐらしにおける奇跡の価値』がちょっと下がりましたw{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー
あと細かいところで気になったのですが、『聖ルチーア学園』って・・・

{netabare}どこにあるんでしたっけ? どこかで語っていたのを聞き逃したかも?

詩音が通っていた学校ってのは覚えていたので、てっきり詩音がいる興宮だと思っていたのですが・・・『新幹線』で行き来するほどの距離だったんですか?興宮署の大石刑事や 興宮在住の詩音は、新幹線で行き来するような距離を移動して雛見沢に来ている・・・?

あるいは 興宮とは関係ない遥か遠くにあるんでしたっけ?(ググっても聖ルチーアの所在地情報がヒットしませんでした)

ちなみに郷壊し編の1話で、二人は『合格発表』の日に聖ルチーアに直接見に行ってますよね?新幹線でわざわざ見に行ったの?w

(追記)急いで旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たところ、少し記憶違いがありました。

聖ルチーアは園崎お魎が詩音を幽閉する意図で入学させたものの、詩音があまりの『上品さ』と『陰湿さ』に息苦しくなって脱走してしまった学校でしたね。目明し編で詩音が聖ルチーアを酷評していたことを忘れてました。その後、詩音は悟史の事件を機に園崎家に居場所がバレ、ケジメをつけたのち興宮での生活を許され、「別の学校」に通い直していましたね。

ただ、やはり聖ルチーアの所在地情報は無かったですね。

ちなみに目明し編の経緯があるなら、沙都子のねーねーとして進学を引き止めてあげなさいw
{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー


と、ここまで批判ばかり書いてしまいましたが、一応ちゃんと良かった部分もありますね。

例えば、EDにあの名曲のアレンジ『YOU-卒業-』を持ってきたのは素直に『おぉ!』って驚きました。まさかあのイメージソングを公式EDに採用してくるとは・・・良い意味でゾワッとしました。

あとは えっと・・・うん、それよ それ(震え声)

いや、まじめに言うともう1点あるんですが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らない人にとってはどうでも良いことなんですよね・・・。ここが何というか・・・ん〜、もったいない。知っていればゾワっとする描写はいくつかありました。

最終話での・・・
「エウアの角にヒビが入り、エウアが子供化した描写」
「新幹線での別れ際で、赤い瞳になった梨花と沙都子の一連の会話」
「“そろそろ追いかけますわよ...梨花” のセリフ」
「“もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ” のセリフ(この口調は重要)」

これらは一見謎めいた描写に見えますが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知っていると、いろいろ思い当たることがあるんですよね。特に最後のセリフ。この情報によって『なぜ沙都子があんなにもクズになったのか』について1つの仮説が思い浮かびました(当たっているかはわかりませんが)。

また、あっちの作品でもハッキリとは明言されなかった「裏設定」に対する原作者からのアンサーとも受け取れそうな描写もありましたね。

でもこれ、『ひぐらししか知らない勢』にとってはこういう楽しみ方はできないと思います・・・。エウアが出てきた頃からクロスオーバー的な要素が濃くなるのではと心配していましたが、まさか最終話で畳み掛けてくるとはw

私的には新作ひぐらしは全然楽しめたものではありませんでしたが、最後の最後でクロスオーバーしている「裏設定」に関する情報が得られたので、結果的に最後まで諦めずに観て良かったです。最後にちょっとしたご褒美をもらえたことが、せめてもの救いになりましたw{/netabare}


【考察】==========================

ちなみに別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の方のネタバレをしても良ければ、私の想像できる範囲で考察を書いておきます。そっちの作品をご存知の方は「脱線」部分は飛ばしちゃってください。

かなりの長文なので、先に結論を書きます。「うみねこ」の世界観がわからない場合は、詳細の方を読まないと理解不能です。

結論=>{netabare}
沙都子がクズムーブする羽目になった本当の理由は『本作に一度も姿を現していない魔女たち』のせい。

ひぐらしの世界観で作られた『ゲーム盤(惨劇の舞台)』にて、
 『奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル』と
 『絶対の魔女:ラムダデルタ』が対局している。
その『盤上の駒』としてベルンが梨花を、ラムダが沙都子を動かしている。

『観劇の魔女:フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ(エウア)』は、
沙都子に“繰り返しの力”は与えたものの、それ以上の干渉はしていない。

魔女たちの戦いに「駒の感情」なんて不要なので、心をないがしろにした惨劇が繰り広げられている。

・・・これが私の予想です。{/netabare}

ーーーーー以下、詳細ーーーーーーー
{netabare}新幹線での一連の会話は、うみねこのEpisode5とEpisode8にて「奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル(ベルン)」と「絶対の魔女:ラムダデルタ(ラムダ)」が別れを惜しんでいた時の会話との共通点が多々ありました。

「うみねこ」の序盤は主人公バトラと 惨劇の元凶ベアトリーチェとの戦いなのですが、裏では「ベルン」がバトラを、「ラムダ」がベアトを応援し、二人の戦いを散々引っかき回す役どころでした(徐々にこの対立構造も変わっていきます)。

この2人の魔女は、「お互いに愛し合いながら 憎みあってもいる」「誰よりもお互いのことをわかり合っている自負がある」という複雑な愛憎関係で、特にラムダは異常なまでにベルンに執着しています。一時の別れを済ましても、ベルンの姿が見えなくなった途端また会いたくなって探し始めるほどに。

つまり、本作の梨花と沙都子の関係に酷似しています(旧作ではなく本作の2人の関係に、です)。

つまり、新作ひぐらしの世界は「ベルン・ラムダ・エウア(フェザリーヌ)」の3人の魔女が積極的に干渉してきている可能性がありそうです。

そして“そろそろ追いかけますわよ....梨花” のセリフは、口調こそ沙都子のものですが「ラムダがベルンに抱いている感情」を表している気がしますし、何より「うみねこ」の世界でラムダがベルンに同じような主旨の発言をしています。

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode5のセリフから引用)〜〜〜
ゲームが決着しかけた時の別れ(未遂)の挨拶

{netabare}ベルン「最後にはベアトも剥製にしてやりたいわ。そして大広間に高々と飾ってやるの」
ラムダ「銀河鉄道?」
ベルン「夜じゃない方」
2人 「・・・・・」
ラムダ「それで?あんたも鉄道に乗ってこのカケラから旅立つのかしら?」
ベルン「ええ。このカケラにはもう遊べるものはないみたいだし。また退屈を埋めに旅立つつもりよ」
ラムダ「次はどこへ行く? どうせ旅立ちはお互い背中を向けてでしょ?」
ベルン「あなたに退屈したくないからよ」
2人 「・・・・・」
ラムダ「ありがとう、ベルン。でも私はきっと百を数えたらまたあなたを探し始めるわよ」
ベルン「退屈させない子ね。だから好きよ、愛しているわ。またどこかで会いましょう。もっとも、百年先か千年先か、未来永劫 再会しないかもわからないけれど」
ラムダ「大丈夫よ。愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」{/netabare}

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode8のセリフから引用)〜〜〜
全てのゲームが決着した後の別れの挨拶
(?となっているのはコマ割的にどっちが言っているのかはっきりしないセリフ)

{netabare}ラムダ「今度はどこへ行く?」
ベルン「あんたが北なら私は南へ」
ラムダ「ベルンが東なら私は西へ行くわ。次の物語ではベルンが**役じゃないと良いわね」
ベルン「あら。**役も楽しかったわよ」
2人 「・・・・・」

ラムダ?「次はどんな物語を見つけられるかしらね」
ベルン?「そしてどんな物語で再会できるのかしら」
ラムダ?「愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」
ベルン?「天井桟敷。カケラの海は広大だわ」
ベルン?「殻の中の幽霊」
ベルン「いつか会えるわよ。また何かのなく頃に」
ラムダ「良いじゃない。それにしましょ」

2人 「いつか会えるわ。また何かのなく頃に」{/netabare}


ちなみに うみねこに登場する魔女は何人もいますが、ひぐらしと密接な関係がある魔女が3人います。
ーーーーーーーーーーーーーーー
(脱線:うみねこに登場する魔女と ひぐらしとの関係について)
 =>{netabare}
「うみねこ」の考察が盛んだった頃、魔女のモチーフの最有力説は下記の通りでした。

 フレデリカ(古手梨花)=ベルンカステル、
 ラムダ(30)デルタ(4)・・・34・・・鷹野三四(田無美代子)
 フェザリーヌ(羽入)=アウグストゥス=アウローラ(羽入、あぅあぅ)

 ベルンは『可能性が0ではない限り、その“奇跡”を手繰り寄せる』性質を持ち、
 ラムダは『“絶対の意思”によって望む未来を手繰り寄せる』性質を持っています。
 観劇の魔女フェザリーヌの設定は多すぎるので、要所要所で説明します。

(※フェザリーヌはおそらく本作のエウアと同一人物だと思いますが、なぜエウアと名乗らせたのかは私の知識ではわかりません)

ただし、ラムダデルタだけは「鷹野ではなく 沙都子がモチーフなのでは?」という声もわずかながらありました。理由は、ベルンとラムダは憎み合ってもいるが「仲良し」でもあり、その仲良しの描写が梨花と鷹野がモチーフではしっくりこないからです。また、新作ひぐらしが放送されてからは、ラムダ=沙都子説がやや強くなってきています(ただ私は今回の物語を経てかなり悩みましたが、やっぱり鷹野がモデルかなぁ?と思いました)。

また詳細には描かれませんが、ラムダはかつてベルンを手籠めにすべく「絶対の意思」で惨劇の輪に捕えようとするも、ベルンの「奇跡」の力によって破れたことがある、と述べられています。おそらく、これは「旧作ひぐらし」か あるいは「新作ひぐらし」との繋がりを示唆していると思います。

作品順的に旧作ひぐらしの中では語られませんが、旧作ひぐらしの背後でも梨花側にはベルンが、鷹野側にはラムダが何らかの形で支援していたのではないか、と想像しています。

マンガ版うみねこのEpisode8にて、ラムダが『この私に期待させてくれたのは、私に“神になる”と誓ったあの子以来よ。気に入ったわ。あんたも、あんたの魔法体系も』と述べるシーンがあります。おそらく「神になると誓ったあの子」とは、旧作ひぐらしの作中で「神になる」と言い放った鷹野のことだと思います。

(追記)旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たら、そもそもベルンは「皆殺し編」の冒頭で梨花と対話していましたね。ベルンは旧作ひぐらしの時点で登場しているので、この時点でラムダも存在していると考えられそうですね。

そして観劇の魔女フェザリーヌが鑑賞役の駒として投じたのが、自身の分身体である羽入(完全体)なのかなぁと思っています(ここは干渉ではなく鑑賞)。

ただし観劇の魔女フェザリーヌ(エウア)の設定として、フェザリーヌは人間が想像もできないほどの歳月を生き、全てのカケラなどを鑑賞し記憶するためには 記憶補助具(後頭部の輪っか)が無いと記憶を保てなくなっているという欠点があるそうです。

そして分身体に想定外のことが起こり、その記憶補助具が欠損し「不完全な存在」になってしまった姿が羽入なんだと思います(その際に記憶補助具が「角」としてデフォルメされているのはご愛嬌かと)。ゆえに駒としての自覚やフェザリーヌとの接点を見失い、自律行動をとるようになっているのだと思います。新作の中で、エウアが羽入に対し『我の出来損ない』と何度か言っていたのはこういうことだと思います。{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーーーー

新作での死に戻りの際に、梨花は記憶を保持できず 沙都子だけが保持できるのは、上記の通り 羽入(不完全)とエウア(完全)の力の差かと思います。終盤あたりで羽入の角のヒビが修復されたこと、梨花が記憶を保持できるようになったこと、エウアの補助具に傷が入り角化や子供化のようにデフォルメされたことなどは、すべて『フェザリーヌ(エウア)と羽入が有している裏設定』から来ていると思います。



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(また脱線:「うみねこ」の世界からみた「ひぐらし」の世界について)
 =>{netabare}
うみねこは、ひぐらしの世界観のさらに上層にある「俯瞰視点」のような世界観です。

まず、ひぐらしの雛見沢村と同じように「現実世界での惨劇の舞台(六軒島)」があります。魔女と呼ばれる存在達は、その惨劇で閉ざされた舞台を「ゲーム盤」とみなし、上層世界からそのゲーム(惨劇)を覗き見しています。また、その惨劇の舞台を作り上げた存在を「ゲームマスター」と称します。

うみねこの魔女達は、ゲームマスターが繰り広げるゲームを鑑賞したり、ゲームマスターが対局から降りた場合はマスターの代行としてその世界の駒(登場人物)を動かしたりすることができます。盤上の駒を動かせるのは、ゲームマスター(黒幕の駒)と 対戦相手(探偵役の駒)のみ。

また、繰り返される世界(並行世界)を「カケラ」と呼んでいます。

うみねこの魔女たち視点からは、旧作ひぐらしの世界も「数あるゲーム盤のうちの1つ」なのかと思います。さしずめゲームマスター鷹野三四が作り上げたゲーム盤ということか・・・。そして、鬼隠し編も 綿流し編も「数あるカケラのうちの1つ」ということかと(なお鷹野自身にはゲーム盤だのマスターだのカケラだのという認識は無いはず...?)。

Who:鷹野三四が
Why:学会に虐げられてしまった「最愛の祖父」の研究を世に知らしめることを目的に
How:大量の雛見沢症候群(雛見沢大災害)を引き起こして研究成果を証明する
   (そのためには女王感染者の殺害が必須条件)

ルールX:不特定の誰かが疑心暗鬼に取り憑かれ、凶行に誘われる
ルールY:誰が凶行に走ろうが関係なく、鷹野と富竹は殺されてしまう
ルールZ:雛見沢で起きる事件のすべては園崎家の仕業、と誰もがそう信じている

マスターの勝利条件:雛見沢大災害の誘発(梨花殺害)
対戦相手の勝利条件:雛見沢大災害の阻止(梨花生存)

という「ゲーム盤」に見えているのだと思います。


鷹野は『絶対の意思』をもってこの計画を完遂すると決めており、登場人物(すべての駒)がどんな動きを見せようが、誰かしらが疑心暗鬼に囚われるように様々な仕込み(スクラップ帳)を用意しています。この絶対の意思と全てに対応する計画性が「ゲームマスター」たる所以ですね。


ちなみに脱線のさらに脱線になりますが、前述で羽入のことを「フェザリーヌが観賞役に投じた“駒”ではないか」と述べましたが、そうではなく実は羽入も“ゲームマスター”だった可能性もあります。梨花には梨花のゲーム(惨劇)が、鷹野には鷹野のゲーム(惨劇)が強いられていた説が。うみねこEpisode8も「2人のゲームマスターが、たまたま同時にゲーム盤を開いてしまった」というイレギュラー展開で開幕しますので・・・あり得なくもないかと。

〜〜(脱線:マンガ版うみねこEp.6の ラムダと あるキャラの会話にて)〜〜

{netabare}エリカ『ラムダデルタ卿も かつてどこかの大魔女のゲーム盤で駒と弄ばれ、無限地獄に閉じ込められた経験がおありとか・・・』
ラムダ『あるわ。私は何年閉じ込められたかしらね・・・。でもベルンみたいに律儀に数えなくて正解だったわ・・・』
エリカ『我が主も魔女の駒で・・・ロジックエラーの地獄に落ちたことがあるというのですか・・・?』
ラムダ『そうよ。そしてベルンは数えてしまったから、壊れてしまった』

ラムダ『あの子の“主”がこれはまた酷いヤツでね。自分で作ったゲームのはずだったのに、途中でゴールがわからなくなって、スタートとゴールが繋がった壊れたスゴロクを作ってしまったのよ・・・つまりロジックエラーね。ならば自分一人で悩んでロジックを考えて出せば良いのに、“そいつ”はあろうことか、その考えることさえもベルンに任せっきりにしたの』

(この会話中、発狂している“梨花と思しき”影絵と、メビウスの輪の横でサイコロを降っている“羽入と思しき”影絵が描かれている)

(中略)
ラムダ『あの子は奇跡に愛され、見事に奇跡を打ち出し、魔女となってあの地獄を生還したわ。でもその地獄にいたのがあまりにも長すぎて、過酷すぎて、あの子の心は壊れ、あんなにも**で**な魔女になってしまった』

・・・この会話から、ラムダは鷹野の幼少期(田無美代子)、ベルンは梨花との繋がりを匂わしているのだと思います。また、旧作ひぐらしのゲームマスターは2人だった可能性も匂わされています。羽入がゲームマスターの1人だったのに、その途中で羽入が記憶補助具を欠損して不完全体になってしまい、梨花にとってのゴールがわからなくなってしまった、という意味かと想像しています。{/netabare}
{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーーーー

旧作ひぐらしの結末をうみねこ風に置き換えると、鷹野の『絶対の意思』によって作られたゲーム盤は、梨花の『奇跡』によって突破され、ゲームマスター鷹野三四は最終的に敗北してゲーム(惨劇)の幕は閉じられたということ・・・。

あるいは羽入(完全体)が作ったゲーム盤、かつ羽入(不完全体)のせいでゴールがわからなくなってしまったゲームで、梨花が「奇跡」によってゴールを見つけ出したということか・・・。

いずれにしても「うみねこ」の世界では、魔女たちが永遠にゲームを鑑賞したり遊んだりできるように「優秀なゲーム盤は保存されている(原文は忘れました)」と語られています。

とすると新作ひぐらしの物語は、ゲームマスターが不在となったゲーム盤にて、ベルンとラムダがプレイヤーとして直々に対局をおっ始め、その盤上の駒として沙都子や梨花が動かされていた、ということなのかもしれません(ラムダがどうやってベルンをゲームに巻き込んだかはともかく)。

ゲームマスター代行がラムダで、ラムダが沙都子を動かして惨劇を次々に起こし、ベルンが梨花を動かしながらどうにか惨劇回避の糸口を探っていたとか・・・?

そしてゲームマスターが交代しているからこそ、本来のゲームマスターの目的を無視した異なる惨劇が展開されているのかなぁと。実は「うみねこ」にも似たような展開があります(うみねこキャラのロノウェ風にいうと「愛がない、義理が通らないゲーム」が繰り広げられているのかと)。


あるいは ここまでの考察からぶっ飛びますが、・・・この物語、あの新幹線の別れ際が「ベルンとラムダの誕生の瞬間」だったのかも?・・・いや、この説は多分違うかな?
ーーーーーーーーーーーーーーー
(考察の脱線:竜騎士07氏はType-Moon作品のファンなので・・・)

※「Fate」と「月姫」の内容に触れても良いよという方だけどうぞ
=>{netabare}ベルンは古手梨花から、ラムダは鷹野三四(田無美代子)から「生まれ出でた魔女」か、(ラムダ 旧作由来 説)

あるいは、繰り返す力を手に入れてしまった「梨花と沙都子の成れの果て」かな?と想像しています。(ラムダ 新作由来 説)

どちらにしろ、それだと『古手梨花が人間として奮闘している最中なのに、何で “その成れの果て” やら “自分がやがて生み出す魔女” やらが同時に存在しているんだよ?』という疑問も湧きますよね。でもこれを成立させる仮説も1つあります。

それは竜騎士07氏はType-Moon作品のファンで、「ひぐらし」の中にも数々のオマージュを散りばめているからです。例えば、{netabare}カレー好きで青髪の知恵留美先生は、「月姫」のシエルに由来しています。名前も当て字ですし、キャラデザもほぼ寄せていますし、チョークを投げる時の持ち方が シエルの黒鍵(武器)の持ち方と同じです。キャラデザは全然別ですが、魅音と詩音も「月姫」の琥珀と翡翠の“あるエピソード”に由来していると思います。

「ひぐらし(アニメ)」のスタッフクレジットSpecial Thanks欄に「Type-Moon」の名前が(常に?)あるのは、Type-Moonのオマージュを明言しているからだと思います(これは予想)。{/netabare}

話を戻しますが、この『魔女』の概念は、Type-Moon作品の -Fate/stay night- の『英霊召喚システム』から着想を得ているのかもしれません。『英霊になる運命が確定している者』は過去・現在・未来を問わず、いつの時代の聖杯戦争にも召喚されます。つまり『未来に誕生する英霊を、現代の戦争でも召喚できてしまう』ということです。

ベルンやラムダもここから着想を得て、『未来に誕生する魔女が、自分の出生起源であった過去のゲーム盤(ひぐらしの世界)に囚われていた』ということなのかもしれません。

作品順は 月姫(2000年)、ひぐらし(2002年)、Fate stay night(2004年)、うみねこ(2007年)で、ベルンとラムダの詳細設定を作り込んだのは「うみねこ」のはず(ひぐらしに出ないラムダの方は特に)だと思うので、一応矛盾しないと思います。{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーーーー

いずれにしても、沙都子があんなクズムーブをしていたのは ラムダの仕業の可能性が高そうですね。最後に「もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ」と言ったのも、おそらくラムダということなんでしょうね。

この物語にはエウア(観劇の魔女:フェザリーヌ)しか姿を現していませんが、あれはエウアの口調ではないですからね。もしエウアの発言だったなら「もうよい、北条沙都子。そなたに そなたを 返そうぞ」のはずなので。

他に沙都子を駒として動かしそうなのは、ラムダデルタくらいしか考えられません。

「Who:この惨劇の黒幕は沙都子」「How:沙都子が繰り返す力を手に入れていた」「Why:沙都子の梨花に対する執着を利用した」ということがバレた時点で、もうベルンとラムダの勝負に決着がついたようなものだから、ベルンを解放し、ラムダもこのゲーム盤からは立ち去ったということかな・・・?

そもそも観劇の魔女フェザリーヌは、人間が奮闘する様や、嘆き もがき 苦しむ様など、人間が見せる「ありのままの姿、ありのままの物語」を鑑賞して愉悦に浸っている魔女でした。ゆえに物語がどう転ぼうが「自らが直接介入すること」はありませんでした。

その背景を知っていると、「エウアが沙都子を操っている」とは考え難いんですよね。うみねこの感覚で捉えると「沙都子に繰り返す力を授けたこと」すら かなりイレギュラーな行動に見えました。まぁでも、羽入が梨花にそれをした以上、エウアが沙都子に同じことをするのはある意味フェアとも言えますが・・・。

ということで、『うみねこを知らない勢』からしたら納得いかないでしょうが、おそらく沙都子にクズムーブをさせていたのは、この物語には一切 姿を現していない「絶対の魔女:ラムダデルタ」だと推察しました。

強いていうなら、何話だったか忘れましたが、エウアと沙都子が会話している世界で、沙都子からもう一人の沙都子が出ていく描写がありましたよね。どういうセリフだったかも忘れましたが、沙都子の口から「魔女」という単語も出てましたよね。

あれらの描写が「沙都子とは別の存在(絶対の魔女:ラムダデルタ)」がいることを示唆していたのかもしれませんね。

ん〜、ここまで書いてはみたものの・・・まったく自信がないw いつか竜騎士07氏に答え合わせしてもらえると良いな。{/netabare}




【冷静になってからの感想追記】===============

梨花と沙都子の正当性について100:0だと書きましたが、冷静になって、いろんな人の意見も聞いてみて、梨花にも多少の悪い部分はあったなぁとは思いました。ただ私が思うに「梨花の悪かった部分」がうまく描けてないような気がしました。

50:50くらいに描くなら・・・ {netabare}まず聖ルチーアでの「梨花からの助け舟」は描かなくてよかったかと。勉強の面倒をみようとしたり、友達グループの輪に誘おうとしたり・・・の描写は無い方が良かったかも。

梨花は「助け舟」を出したのに、沙都子の意地っ張りのせいで避けられて、その上でなお梨花がどうすべきだったかってのは・・・正直「視聴者の価値観」によるところが大きくなってしまうと思います。

沙都子の境遇に近い人は『それでも無理にでも助けようとしてよ!私のことだけ考えてよ!』って思うかもしれませんし、梨花の境遇に近い人は『自分でなんとかするって言ったんだし、これ以上の無理強いしても余計避けられちゃうかも』と思うかもしれません。

ここの流れは、誰の目にも「梨花が沙都子を放ったらかしにした」と見えるようにすべきだったかなぁ・・・。私の目には「梨花が放ったらかしにした」ようには見えていなかったですし、むしろ「沙都子が自分から孤立していった」ように見えていたので。「視聴者の価値観」に委ねている以上、私には梨花が悪いとは思えませんでした。

あとは出発点となったカケラ、進学の誘いのシーンにて、あそこでもっと「梨花のしつこさ」と「沙都子の拒否反応」を念入りに描いた方が良かったかな。あの描写だけだと、梨花がそこまで執拗に食い下がっているとは感じなかったです。だって人生をかけた「二人の進路相談」をしている場面なのだから。多少の食い下がり程度では「しつこい」とまでは感じないですよ。『梨花の醜さ』を出しきるぐらい執拗に描いた方が良かったかも。

あとこの主張はブレませんが、そもそもその最初の進学相談の場面で、お互いの気の済むまで腹割って話し合うなり、なんならその時にこそ「取っ組み合いの喧嘩」でもしてれば良かったこと。特に、失敗と後悔の記憶を持っていた「2巡目の沙都子」ね。2巡目の沙都子は、本当に何がしたかったのかよくわからないです。

惨劇を始めてから「超常バトル」に突入する必要なんかありません。そもそも惨劇を始める前に解決できることです。{/netabare}


【最後に】=========================

こんな酷い役回り、えげつない憎まれ役を演じきった「かないみか さん(沙都子)」と、それを最後まで捌ききった「田村ゆかり さん(梨花)」に敬意を表します。お二人の演技は本当に凄かったと思います。


(余談)
あにこれの採点仕様を改善してほしいです・・・。本作の「声優」「作画」「音楽」の項目はもっと評価したいのですが、そうすると総合2.5点超えちゃうんですよ。

5点満点で2.5点以上になったら、その作品に「どちらかといえば満足」したことになっちゃうじゃないですか・・・。「物語」と「キャラ」を最低点にしているにも関わらずにですよ?せめて「物語」の配点は圧倒的に多くしておかないとおかしいでしょ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ひぐらしで泣く羽目に

旧作知りません


話数多かったりシリーズラインナップ複数あるとどんな順でいきゃいいのか路頭に迷います。私も迷子の一人かもしれませんが立ち位置というか遍歴は明示しときたいと思います。

1.名作の誉れ高い旧シリーズを未経験です
2.10何年ぶりの新作『業』視聴しそこそこ満足してます
3.その『業』を補完する役割と聞いて『卒』を観るためここにいます

白状すると旧作を3話くらい観て、並行して新作『業』も3話くらい観てあんま変わらんと思って『業』に専念。完走後にあにこれで答え合わせしてみたら旧作の内容と途中分岐する新作だったと判明。その後、貪欲に旧作を貪る気にもならず今日に至る。以上です。

 普通でした

普通よりちょっと面白いかなってくらい。クール平均の中上位層ぐらいのポジションです。ベテラン声優さんの“転調”演技が素晴らしくて引き込まれます。声優さん続投してるし旧作ファンは同窓会みたいでニワカな僕よりもっと楽しめそうな気がします。
それとやっとこからくりが見えてきた『業』を受けて、その『業』を別人物の視点から辿るのが本作『卒』でした。答え合わせしてる面白さがあります。本編と同時間帯を別人物の視点で追うスピンオフみたいなもん。
できれば『業』『卒』は一気に3クール分駆け抜けるのが吉かもしれません。
名作の誉れ高い本作ですが、ところどころ片鱗は感じることができる佳作といったところでした。

旧作必須かどうかはよくわかりません。…がしかし新規で59話分を追いかけるのは負担に感じますね。
こちら新シリーズも3クール費やしたわりには満腹感には欠ける。
少なくとも『業』『卒』をもって「ぜひ旧作を!」という気は起きなかったです。


※ネタバレ所感

■沙都子あれっ!?

“繰り返す者”堪能しました。
{netabare}だがしかし、梨花にバレた時点で即ゲームオーバーとなる仕様でしたよね。沙都子にやられる前にやってしまえば解決。
結局ロリお社様のテレパシーみたいなのでループ地獄の綻びが生じたわけですが、なんか思っていたよりあっさりで肩透かし食らった気にさせられて消化不良でした。田村さんとかないさんの熱演でお釣りがくるのかもしれませんが、この設定なら“梨花にバレたら最後”の緊張感があっても良かった。梨花の絶望に比べて沙都子がワンサイドすぎましたね。
梨花VS沙都子のどっちに転ぶかシーソーゲームとワンサイドゲームどちらが盛り上がるかといえば一部例外を除き前者でしょう。本作は徹底して後者でした。では後者で盛り上がる“一部例外”はどんなか?といえば胸のすく一発逆転以外考えられません。{/netabare}


■沙都子と梨花の二人ともあれっ!?

“繰り返す者”同士の決着や如何に?
{netabare}これ不満でしたね。ワンサイドゲームからの一発逆転みたいな展開ではなくちょい残念。さらに閉鎖的農村社会でのホラーという作風もぶちこわ…超越しちゃった感のある最終盤でした。
バレたら最後なんですけどバレてから2話費やしてやったことが

 {netabare}拳で語り合おうぞ!{/netabare}

前田慶次と奥村助右衛門みたいなことになってました。実際“拳”より異能バトルでしたけど旧作ファンの方はあれでいいのかしら?
余韻もへったくれもないのでこれでテンションだだ下がりでした。{/netabare}


■総論

{netabare}近くにいる親友を囲いたくなる感情なんて成長と共に薄れていくもんなんですけどそこに固執し100年というのは凄いですね。凄惨な1か月を1200回繰り返したわけです。
それを「ありえない」と思うのはあくまで常人の感覚であって、そうじゃないからホラーとして成立してたわけです。秀逸でした。だからこそホラーらしくホラーのままにっていうホラーのお作法に沿った結末だったら良かったのに~って思います。あるでしょ?惨劇継続の匂わせみたいなやつ。{/netabare}


※オマケ

■1983年

年表見たら戸塚ヨットスクール事件をなぜか覚えてるくらい。
沙都子/梨花より年下と気づきちょっぴりテンション上がりました。まだ若い



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.12 初稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

完全新作、まだ誰も知らない雛見沢へ

言わずと知れた名作で、OVAを除くと本作がちょうど4期目になります。
無印の解答編が「解」であったように、本作は第3期「業」の回答編という位置付けになっています。


都心から遠く離れ、色濃く残る自然に囲まれた集落──雛見沢村。

かつて、ダムの底に沈むはずだった村は、
今もなお昔と変わらない姿で、
転校生・前原圭一を迎え入れる。

都会で暮らしていた圭一にとって、
雛見沢の仲間と過ごす賑やかでのどかな生活は、
いつまでも続く幸せな時間のはずだった。

一年に一度行われる村の祭り、綿流し。
その日が来るまでは…。

昭和五十八年、六月。
ひぐらしのなく頃に。

日常は突如終わりを告げ、
止まらない惨劇の連鎖が始まる──。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

基本的なストーリーは無印や「解」と一緒なんですが、所々物語が改変されているので、流れは知っていても視点の違いから新たな気付きが得られる構成になっているのは、この作品ならではの楽しみ方なのではないでしょうか。

ですが、無印や「解」と、「業」と「卒」で大きく異なっている部分もあると思います。
一番の違いは、「業」と「卒」には無印や「解」で感じたホラー的要素が殆ど無いことです。
そして、その代わりに大きく盛られたのが「痛み」だったのではないでしょうか。

何度も何度も繰り返される惨劇…
目の前で繰り広げられる惨状に、何度か心が折れそうになりましたよ。
能力が暴走を超えて飽和している感じがしたのも、拍車を掛けていた気がします。

ですが、ラストまで視聴して腑に落ちた気がしました。
最大の理由は、島みやえい子さんの歌う「you-卒業-」が流れてからの展開が、物語の序盤からは考えられないほど穏やかだったからです。

この作品が「解」で終わらなかったのは、このラストのためだったんだと個人的には思っています。
このシーンが見れただけでも、心が救われた気持ちになりました。
しかし、「you-卒業-」は何て素晴らしい曲なんでしょう。
聞くだけで目頭の熱くなる曲です。

オープニングテーマは、彩音さんによる「Analogy」
エンディングテーマは、鈴木このみさんによる「Missing Promise」で、最終話のみ「you-卒業-」

1クール全15話の物語でした。
本当は2クールで放送される予定だったのでは…と思ってしまいました。
中盤から終盤にかけての展開がこれまで以上に早かったので…
全15話というのも少し中途半端ですしね。

素晴らしい結末をありがとう…
と思っていましたが、なんと令和の雛見沢を舞台に圭一の子供ら描く「ひぐらしのなく頃に令」の連載が始まったんだそうです。
いずれ、令和の雛見沢もアニメ化されるかもですね^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

58.7 2 親友で闇堕ちなアニメランキング2位
BLUE REFLECTION RAY/澪(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 2.8 (75)
235人が棚に入れました
これは煌(きら)めく<想い>を繋ぐ物語――喜び、悲しみ、怒り―。人の想いは、誰もが持っている、しかし目には見えない力。その力は時として、世界さえも変えてしまうかもしれない。常に前向きで、困っている人がいれば放っておけない平原陽桜莉(ひらはらひおり)と、人と仲良くなろうとしても付き合い方が分からず、不器用な羽成瑠夏(はなりるか)。対照的ともいえる2人の少女の出会いは、彼女たち自身を、そして世界をどのように変えていくのか―。

声優・キャラクター
石見舞菜香、千菅春香
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

エクスプローラーウーマンとは関係無い

13話までの感想{netabare}
コーエーが“ウィクロス”(DIVAじゃないやつ)や“ブラックロックシューター”みたいなのを目指したのかな?というのが第一印象。
悪いってことじゃなく、最近“聖女の魔力は万能です”や“破滅フラグ~”等、アンジェリーク世界を土台にしたような作品が出てきて、いっそ本家が直々にアンジェリーク世界パロをやったら良いんじゃね?と思いつつも、逆に本家のプライドでできないのかなー?とも思ったり。
そんな中、原作ゲームを全く知らなかった私としては「へーこんなことにも挑戦してたのねー」って感じで好意的に受け取ってるんだけど…。

見てみると結構面白い。
面白いのだ・け・ど…作画が…作画ががが。
けどこれはこれで良いのかも知れない。
作画の段階でかなり人を篩にかけたんじゃないかな、もし多くの人に見られたら…な、なんか叩かれそう。
話が進むと予想以上に“まどマギ”で、「滅亡まであと3日」と出た時はまーたムジュラかよと突っ込まずにはいられなかったw
謎空間内の小動物もイヌカレーを意識したのかなぁ、最初の内は気にならなかったんだけどね。
私はまどマギに思い入れが無いので「こっちの方が“まぎレコ”より続編orスピンオフっぽいw」と平気で言えるけど、思い入れの強い人には不快に映りそう。
もしこれが“アサルトリリィ”や“グランベルム”の作画だったらまどマギのパクりだと言われて叩かれてたんじゃね?
更にこれはかなーり個人的なこと(園芸ネタ)になるので畳んでおきますが{netabare}

OP最初の方にハスが写るんだけど、葉っぱがハスじゃなくてスイレン。
この違和感が私にはかなり効く。
1話の最後に初めて流れて「ん?」と思って、翌週OPになって再び見てみたらいやぁ~違和感が凄い。
ハスとスイレンは全く別の植物で…そりゃ混同されてるのはよく見るけど、一回こっきりの本編じゃなくてOPですよ?オープニング。
更にOP後半ではハスの花が散る描写があるんだけど、散り方がこれまた大間違い、ガクが残るってなんぞ??
また、もしスイレンのつもりだったらそもそもスイレンは花が散らない(閉じて水中に潜る)し、実はあんな形はしない。

まぁその…あんま口うるさく言っても、ね、弓道警察みたいになりたくはないので「何度も見てりゃそのうち慣れるのかな」と願って毎週OPチャレンジしてたのだけど、全然慣れない。
むしろ違和感が募って気持ち悪くて仕方無いw
けどねー、この「OPチャレンジ」のために1話切りや3話切りせずに見続けた側面もあったり無かったり。
視聴継続させるためのフックとして意図的にヘンテコなハスにして違和感を演出してたんだとしたら大したモン。
ないかなー、さすがに…けど何度も見るOPだよ?ちょいと調べりゃ分かる程度だぞ?

で、ね、2クール作品とのことで2クール目に入ったらOP変わってマシになるだろう、と思ってここまでじっと黙って感想書かずに見守ってたんですよ。
そして13話で待望の新OPになって…。
ぎゃああ、気持ち悪さに磨きがかかったwww
葉の質感をハスっぽくしようと頑張ってはいるんだけど、根本的に間違ってるので旧OPより余計酷いことに。
ハスの葉っぱは水面に浮くんじゃなくて水面から飛び出るんだよ。
何度も流すOPじゃなくて一回こっきりの本編でやった“少女終末旅行”のハスのモニュメントの方が正確に描かれてるやん!
それともあれかなぁ、水没した世界をイメージした?

これが意図的ではなくポカだとしたらやらかした部署は…美術だか背景になるのか?セル塗り丸出しだったらまだ笑って流せた気がする。
先述の“聖女の魔力は~”も背景がヘボいのでは?という結論に至ったのだけど、実際そんなことってあるの?
原画よりずっと「職人」が手掛けてるモンだと思ってたのだが…。

但しこれは私が園芸ヲタだから気になるだけで、作品的に致命的というワケではない。
むしろこの違和感=気持ちの悪さがクセになってくるというか…。
皮肉にも本編作画とバランスが取れてるのでこんな風に感じるのかも?これでキャラは良作画だったら目も当てられなかったと思う。{/netabare}

と、作画は確かに悪いけど、それに救われてる部分もあるんじゃないかなー?と思ったり。

でもって内容ですが、設定や台詞が結構辛辣なのが注目かな。
話自体、過去に問題を抱える少女が云々ってことなので家庭にワケありな連中ばかりなのだけど、ウィクロスのあきらっきーみたいなキャラ付けが過ぎてこっちの理解がついていけないってことは無い、今のところ。
モモは2留でミヤコに元ヤン呼ばわりされるわ、ウタはニナからありきたりのメンヘラ女呼びされるわ。
言いたいことをハッキリ言う連中ばっかりで「言いたいのに言えない」「大事なことを作り手の都合で言わない」みたいなじれったさを感じない、サバサバしてて子気味いい。
・ヒオリ→如何にも主人公なグイグイ引っ張る系で遠慮が無い
・ルカ→コミュ障でなにが失礼に当たるのか分からない
・ミヤコ→お嬢様系でやや高飛車
・モモ、ニナ→ヤンキー系で言葉遣いが荒い
・ウタ→ポストあきらっきー
こう並べるとホントみんな言いたいことをずけずけ言うw、押し黙るタイプはMIOだけで、そりゃ病むってw
それでいてそんなにギスギスはせず、そこらの仲良しごっこをしてる作品よりよっぽどリアルに感じることもあったり。
某所で山田を野良JKと呼んでてちょっと笑ったが、よく考えたらニナって義務教育受けてないんだよなぁ。
なによりモモがえっらいイケメン、ワンダーエッグのモモよりイケンw
女にしとくのが惜しいくらいで、2クール目からは退場状態になっちゃうのかな?それはちと惜しいなぁ。
序盤の敵の目的「フラグメントを取り去る」だけど、要は悩みの元をキレイサッパリ忘れさせる…で、ああ、これって「誰にも言えない秘密」を賭けて戦って負けたら忘れる“永久アリス輪舞曲”(個人的に妙に評価が高い)と共通するのか。
だからこの作品を面白いと感じるのか?そうなのか?

ほんでもって気になる謎。
一周目、何故原種に勝てなかった?モモが変身してないことも気になる。
二週目のワルプルギスの夜は回避したんじゃなくて先送りになったってことでいいのかな?
また一周目はヒオリとルカは出会ってない?
二週目はモモが相棒の居ないせいで余らせてた指輪をルカが拾ってセレクターじゃなくてリフレクターになれた…ってことで良いのかな?
けど、じゃあヒオリがユズとライムを知ってたのはどうして?
つまりは一周目は本当に蚊帳の外だったのかどうか気になる。
ヒオリとルカが共鳴した時のビジョン&ルカの待ち受け画面のゼフィランサスは何か意味があるのか?と思ったが現在のところ掘り下げは無し。
新OPに時かけっぽいカットがあるせいかな、ひょっとしてリセットは1回だけじゃなくて何度もやってたりして?…あ、益々まどマギになってまう。
ニナが居候してた先の元ノゾミは殺された?ドナーにされた?そこも含めてMIOの計略(芝居)だった?

2クール目入って新キャラ投入され、謎の解明を引き伸ばされるんじゃないかというのが目下の懸念材料。
1クール目が子気味の良いキャラばかりだったので、ここで面倒臭い(情報をもったいぶる)キャラ追加されたらヤダなぁ、とついつい警戒してしまう。{/netabare}

16話までの感想{netabare}
2クール目に入って登場した新キャラが変に勿体ぶる──視聴者の知らない情報を視聴者に教えないでダラダラと引っ張る──だったらイヤだなぁと危惧してたけど、そうではなくて良かった良かった。
「キャラの知らないこと=視聴者の知らないこと」になってて、やっぱこういう方のが「一体何があったんだろう」と興味を抱き易い。
アミルの失った想いは「リョウカと今より一歩進んだ関係になりたい」で、だけど相手はそれを望んでないので抜いて貰ったって感じか。
確か似たようなの最近あったような…あ、“アサルトリリィ”のユユの前スールか、禁断の恋で起きる悩みとしては定番なのかの?
そして唯一はっきりモノを言わないタイプのMIO(シノは黒幕っぽいのでこいつはさすがに隠し事をしてても構わない)と意識共有して過去を知る山田を通してかつて何があったのか覗きに行く…ってところで16話終了。
いや~面白い、純粋に次回が楽しみ。
PSO2(オラクルの方)で「10年前に何があったんだ?」を時間遡行して知るのも17話だったし、ペース的にも妥当?

2クールあるという余裕なのかキャラの描写もよく出来ていて、山田を仲間に引き入れようと提案したらミヤコが反対して、「まぁミヤコの性格ならそうだよな」ととても納得できる展開。
これが1クールや雑なシナリオだと二つ返事でOKを出して「え、そんな物分りのいいキャラだっけ?」となってたんじゃないかな。
それでいて1年モノほど反目を長く引っ張ることなく、早い段階で妥協点を見つけて渋々ながら承服してくれるのも子気味がいい。

難点を言えば、この子気味の良さを出しすぎたせいなのか…よく見てないと分からない描写がちょっと多いかも?
14話、山田が歩道橋を上がろうとしてキャリーケースでモタついたのは取っ手が壊れてて収納できなかったせい。
16話、ウタが山田に怒ったのはミヤコを庇って戦闘をしてたから。
今ぱっと思い出せたのはこんなもんだけど、TV作品でよくある「いちいち言葉で説明する」が若干少ない。
それと「その場に居ないキャラ」の話をする時、そのキャラの顔を映してくれないw
「~って斉木さんが言ってた」とか「このままじゃ高岡ユキコみたいになる」とか、誰だっけ?と一瞬戸惑う。
16話山田のキャリーケースが家だと言ってた回想が入り、全部に同じ演出をやるワケには行かないのは分かるけど、ちょっと不親切かなぁ?
(ってかケースの中はプリュシュカが入って…って冗談は置いといて、胎児のミイラが入ってたらどうしようと思ったが、さすがにそんなことは無くてひと安心)

一番不親切なのはユズとライムだけどねー。
モモがミオから聞かされて、ヒオリはモモから聞かされて、ヒオリはかつて聞いた声(蝶とトンボ)がその2人だと特定して、ここまでヒヨリは姿を知らないハズで、12話で初めて姿を認識…のハズ。
1周目で見知ってないのなら。
それにしちゃあ16話ではよく知ってる様な体で、なんか不思議さを感じる。
ここら辺の説明は今後次第かなぁ?


…というか、その…ゴメンなさい、実はアニメが面白いのでつい原作ゲーム“BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣”のプレイ動画を見てしまいました。
「買わんのかい!」と責められたらホントごめんと謝るしかない。
こんなことやったのは“P5”以来、なんせその…パッケージ売りなので「物語がちゃんと完結する」んよ、これがデカい。
視聴意欲的にネトゲやスマホゲーと大きく異なる、正直投げっ放しで終わるそこらのアニメよりも面白い。
あくまで大半「音声有りムービー」を繋げただけの動画なのでこれで詳しくなった気にはならない様に気をつけたいトコロだけど、見てみたらアニメのみの状態で抱いてた感想が若干変わりまして…まぁそりゃそうか。

ってことで以下“BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣”を踏まえての感想、超ネタバレになるので注意。{netabare}
原種と言ってるけど実質神様、インド神話的な。
5柱居る神様が10万年ごとに戦いをしてて、ディフェンディングチャンピオンは次の試合で自分に有利となるホームグランドを用意していい優遇措置がある。
で10万年前、つまりひとつ前の戦いで勝利したダアトは「人間の意志を力に変えるフィールド(ついでに人間を代理に立てて戦わせる)」が勝負を有利に進められるとして今の世界を構築した。
もし負けると他の原種は自分に有利だと思う世界に作り直してしまう→今ある世界の崩壊、ということで主人公は懸命に戦う──ってのがゲーム版の設定。
「ダアトって悪い奴じゃないじゃん」ってのが私の感想で、他の原種も人間はあくまでダアトの用意した試合会場の設備で、勝てば撤去するだろうが試合中にこっそり壊そうとかいう狡いことはしない、結構紳士的。

アニメはてっきり1話で出た原種(ネツァク)が何かしてリセットがかかった→悪いのは侵略者のネツァクだと思ってたんだけど、ひょっとして…勝負に物言いが付いた?
MIO・ユズ・ライムの3人を同時に相手にしないと試合として認められないとか。
ネツァクは紳士的に仕切り直しに応じた…ってことかなぁ?
もしくは一度は勝利したが後で反則が発覚して優勝取り消しになったとか?w
さもなくばもう勝負はついてて、一から作り直しまではしないで一部修正(ちょいとリセットするだけ)に留めた…とか?
シノ次第ではあるけどアニメはクライマックスで原種と戦うモンだと予想してたが、ひょっとしたらそうじゃないのかも??

あくまで“BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣”の設定を踏襲してる前提ですけどね、“帝-TIE-”がどんなんだかは全く知らない。{/netabare}{/netabare}

17話感想{netabare}
1周目でそれぞれのキャラがどんな経緯を歩んでたのか描写されたけど…ウタはブレないなぁwこいつ最強じゃね?
シノは2周目になったら突如出現したキャラだと睨んでたが、1周目は普通の少女として存在してたのね。
じゃあどうして2周目ではあんなことに?というのが作り手の用意した謎ポイントになるのかな。
ユズとライムがちゃん付けで呼んでたので見知った間柄だと思うのだが…ってかユズライムはMIOと一緒に戦闘してないのか。
モモが私服姿のままなのもカラクリがありそうな気がするが、そもそも現実世界・コモン・リープレンジ・ハザマと空間が色々あって紛らわしくはある。
シノに受け取りを拒否られた指輪(赤)をMIOはオルゴール箱にしまって(※)それをヒオリが手に入れて…ってハズなんだが2周目のヒオリの持つ指輪は色が違う。
これが1周目と2周目の分岐ポイントかなぁ?
まぁそれ言ったら2周目モモは誰から指輪を手に入れた?になって、それはAASAで斉木有理で…そっちまで話が膨らむとアニメ本編中でタネ明かししてくれるかどうか怪しい予感。


オルゴール箱に入れておいたのはMIOからの何かのメッセージだと睨んでたんだが、単に収納しといただけなのか?


2周目、MIOは山田を引き込むために周到な根回しをしててどこまでがその範囲かが謎だったんだけど、どうやら家出少女ビジネスにはMIOの干渉は関係無かったらしい。
詩集だけになるのか?
MIOの戦意消失と闇墜ちの理由は別モンだと漠然と思ってたら、同じだったのねw
今まで沢山の人を救って来たのに一番大切に思ってる人を救えてなくて茫然自失──相手を気遣って良かれと思ってやったことが裏目に出た──ってことだが、ヒオリが予想以上に心が弱かったというか、今までそういう素振りを見せてなかったので意外。
2周目も密かに折れかけた危うい状況があったりして?…ルカの方が剣折れてるが。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
1周目でMIOに指輪を渡したのがユズライムだったのが、2周目ではシノ(赤)と斉木(青)に改変。
そもそもモモが感謝の正拳突きをした後に心の暴走を起こし、それをMIOが目撃することがリフレクター界隈に足を踏み入れるキッカケだったハズで、2周目はモモが暴走せずにすれ違ってるということは──
2周目って、本来心の暴走が起こらない世界線だったのでは?原種も襲ってこないんだし。
それをリーディングシュタイナー持ちのシノがなんやかんやしてる?

ヒオリがすっかり気弱になってフラグメントが暴走しかけたのはシノMIOにとっては「計画通り」だったらしいが、山田が過去を見せなけりゃああはならなかったと思うので、それも計画の内?
山田ももうちょい悔いろw
あー、けどもし2周目が暴走を起こさない世界線だったとしても、MIOの干渉が無ければ山田が殺人犯になるのは避けられないのか。

ウタは1周目からして何度フラグメントの固定を図っても暴走を起こす、リフレクターの力では直せないレベルで「元から壊れてる」キャラなので、コイツはほんとど~にもならんw
周囲の状況が変わっても変わる事のない、ある意味一番マイペース…壊れた状態で安定って感じか?


──なんてことを思いつつ、ふと公式のSPECIAL→用語集を見てしまったんです、ついうっかり。
そしたらなんとまぁ…

ネタバレ食らったああああ!!!

普通に楽しんで“BLUE REFLECTION澪”を見てる方は公式は見ちゃダメだ。
別に楽しんでなくて「何なんだかワッカンネー」って方は見ても平気だろうけど…うわああなんてこったー。
「リセットされた世界」の解説、いつ追加されたんだ?
ご丁寧に画像まで付けて。
謎として引っ張ってるのかと思ったらハッキリと{netabare}「日菜子の活躍により原種は倒され──」と書かれてて…いやいやアニメではヒナコのヒの字も出てないやんw
“幻に舞う少女の剣”と地続きの世界かどうかも不明だったのに、こんな形で明かされるなんて…ああもう!
ってことは…ユズライムは成仏してないのか、ヒナコに会ってやれよ、泣いて喜ぶぞ。
1周目、MIOと一緒に戦わなかったのはヒナコの方が忙しかったからか?あっちはエトワールで特別だった??
ヒナコの願いを受け入れたダアトの改変が不完全だったということだろうか、それとも他の原種が罠を残して行った?
澪では原種がやって来ない理由を登場人物達は理解してないが、それを知って終わり…だったりして?{/netabare}
いずれにせよ「どうなってるのかなー?」と想像を膨らませるのを潰された感じ…というか、ここで明かしてるということはアニメ本編では明かされないことを示唆してる?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

よくある百合美少女戦闘モノ

PSVitaのゲームが原作となっているアニメ。
まあ、いかにもゲーム原作という感じで説明不足で、ストーリーもアニメとして見たら全然面白くなかった。

{netabare}
最初はまどマギやWIXOSSに近い作品かと思ったけど、意外と理不尽に戦わされている感はなく、上記の作品とは結構違う感じ。

ただ、正直言って最初から最後まで全く面白くない。
まず、わけのわからない用語や設定、キャラが一期に沢山出てきて原作未プレイ勢は大半置いて行かれると思う。
自分も置いて行かれた。
終盤になるとある程度理解はできてくるんだが、前半は謎に戦ってるアニメぐらいにしか思えない。
原種や1回目の世界、AASAについては明らかに説明不足。
最後まで完走しても未だによくわかってない。

それでいて、理解できてもあまり面白くない。
展開、キャラ、戦闘とどこを取っても酷かった。
まず面白くない展開としては唐突な裏切りや謎の仲直りかな。
ゲームだと裏切り展開はあまり違和感がないんだがアニメ化されるとすごく違和感がある。
特にアミルとリョウカが急に敵の言うことを信じて裏切るのはなんか急に頭が悪くなったなと言う印象を受けた。
それで裏切ったかと思えばすぐに味方に戻ってきて、えぇと言う感じ。
それらの行動に至るまでの理由に全く説得力がないせいで全くキャラに感情移入ができない。
姉と主人公の和解もそう。
そもそも姉があそこまで敵対している理由も説得力がないし、あんな理由で敵対する狂った姉となぜか最終回付近の説得だと和解に成功する理由もわからない。
唯一仁菜が味方になるのは少し説得力があったかな。
他で言えば仁菜の過去回も文句なしで面白かった。

そもそも、敵の目的がしょうもないのもあって面白くなかったというのもある。
敵のやろうとしていることに全く共感できない。

こういうのもあって不快なキャラが多い。
その不快な行動を取るだけの理由が大してないから。
詩は最後まで不快で改心する展開もなかったが、なんだったんだ?
それと、最後まで空気なキャラが多い。
何なら主人公のペアの瑠夏ですら空気。
もう少しこの辺のキャラの掘り下げが欲しかった。
瑠夏に関する話とか一切なかったし。
そのせいで百合展開が適当に感じた。
なんというか、女の子をこうやって戦わせて適当に百合しとけばいいんでしょ?感。
百合は決して嫌いじゃないしむしろ好きなんだが、キャラに愛着がないせいで寒く感じた。

戦闘も微妙。
まあこれは作画のせいもあるのだが、ひたすら同じ相手とグダグダ戦ってるだけだから面白みがない。
人それぞれ独自の武器を使うとかぐらいしてくれないと面白くない。
実際は使ってたのかもしれないけど、アニメだけだとその部分が強調されてないから全然面白くなかったかな。

作画、というかキャラデザは何でこんなふうにしたのか。
ゲームに近づけるよりもアニメ向けのキャラデザを作った方が良かったと思う。
キャラデザじゃなくて作画も悪いけど...。

これ言っちゃ悪いかもしれないけど典型的なでんでん現象アニメという印象...
OPとEDは外れ無し。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話
まどマギ意識されてそう。キャラデザが見にくい。
とりあえずよくわからないから様子見。
冒頭にあのシーン挟む必要性を感じない。
ループものじゃなさそうだし。

2話
なんか内容が頭に入ってきづらい。
リフレクターになって戦うアニメ?この独特な作画がこのアニメの致命的欠点になってる。
設定が多すぎて内容が頭にまるで入ってこない。
演出もダサい。なんというか、まどマギとかいろいろ足した感...

3話
WIXOSS感もある。
公式サイト見ながらメモを取って視聴しないと全然キャラもストーリーもわからん。
戦闘も酷い、剣と剣をぶつけ合ってるとこ全然立体感も重量感もないし、効果音もダサいw

4話
風呂当たりの会話がきつい。
ストーリー全然進展ないなぁ

5話
敵キャラが気持ち悪すぎる。
ウタがこの話の黒幕?

6話
話が分かりにくいなあ。
にいなの話わけわからん。
???1話のシーン??モモがなんかおかしくなった?
理解できない。
1話の冒頭は主人公の姉(みお)とももで、昔は一緒に戦っていた。
今はみおがにいなと組むと決めた、そういうこと?
中盤の過去回想はみおとみおの母の過去。 
ひおりがいなかったのはなんでだろう。
のぞみは誰だろう。
みおがループしてるもしくはももが記憶喪失だった?
見直してやっと理解。

7話
杉浦かなって誰だ。
記憶にないのに戦ってたという実感があるってことはやっぱりリープか?
共鳴もしたらしい。
てかルカが偉そうすぎて鬱陶しい。
主人公のせいで姉が何かあったっぽい?
あの薔薇って抜かれたらどうなるんだ?
敵は苦しい思いを抜いてるのか。
これ敵が正しかったオチありそうだなぁ。

8話
思いを抜いたらなんかデメリットってあったっけ。
AASAってなんだ。
思いを抜くと自分(自我的な何か)が消える?
手が結晶化してる人がw
セブンナイツか?w

9話
まあまあ面白くなってきた。
まどマギが好きすぎるせいか真似事に見える。
三日後死ぬ?にいなVSもも面白かったな。
ここまであんまりおもしろかった戦闘とかなかったけど。

10話
今期ループ系多いね。よくわからん。
やっぱひよりVSみおか。
しのがとりあえずの黒幕?
全く理解できない、AASAってほんと何。
要するにこの世の悩みを全部なくそうとしてるってこと?
あほくさ。
なんかとりあえず百合やっとけ感。
? ルカつかまったままなのに何で指輪結局回収するんだ。
もう何もかもわからん。
ここでこの定番の姉妹の仲の話されても全く盛り上がらない。
ここまで全然展開がなかったし目的も不鮮明だから。
モモみおペアも全然掘り下げがなかったから何も感情動かねえ。
魔女化かな?w
見直したけど、要するにこれループではなくて一話の原種のせいで世界がおかしくなったってことか?
あの黒髪はみお達の敵でみお達が世界のひずみを広げてる?
これみお達の目的はやっぱりこの世から負の感情ををなくすこと?
しょうもないな。

11話
OPの入りがいい。視聴者置いてけぼり作品。
とりあえず適当に百合やっとけ感がなぁ。
何もかも薄っぺらいからセリフが寒く感じる。

12話
意味わからん。

13話 1/10
これ何がどうなったんだ?意味わかんねぇ...。 

14話 3/10

結局何かが起こるって言ってた日、何も起こらずそのままじゃん。

15話 5/10
百合展開が悉く滑ってる。会話がつまらない。
思い抜かれても全然変わってないな。
ほんとにそんなデメリットなさそう。

16話 1/10
もうほんとにわけわからない。
そんな普通に行き来するのかよ。滅茶苦茶展開。
見せ方が下手で裏切りにも一切意外性がないし、裏切りの理由も全く理解できない。
予想外の展開をしたいだけに見える。
はぁ...急に頭が悪くなる涼楓
てか、アミル想いを抜かれたんじゃないの?どういうことだ?
やっといろいろ明かされるのか。

17話 6/10
ひおり高校生なのに母が帰ってくるって信じてるの?w
結局黒幕的存在もいるのか?
みおは誰に誘われたの?
これ結局まどマギでは?
ところでなんで山田はこんな記憶をひおりに見せることができるの?
これ要は願いをかなえて2周目してるってこと?

18話 0/10
ウタとかいう一生不快なキャラ。
ほんとしょーもない百合作品。
何が原因かはわからないけどほんと寒く感じる。
なんでこいつらいきなりここまで敵対してんだよw
こいつらIQ100ぐらい下がってそうだな。
バディでも姉とのことに関係はないじゃんw
百合するのはいいけどしてる理由が一切理解できない。
ほんとにどうしてこんなことになってんだよw
もうギャグだろ。 キャラがブレすぎだし、性格の変化が極端すぎる。
唐突に変な行動取りすぎ。
あーもう滅茶苦茶だよ。

19話 3/10
姉、ラスボス(ほんとはシノだろうけど)がただの狂人という一番嫌いなパターン。
この二人味方に戻ってんのかよw
意味不明な敵対させる意味あった?
あの1話前の狂いっぷりからは想像できない真面目っぷりだな。
ほんとキャラブレすぎ。
まあ姉の過去話はちょっと良かった。

20話 1/10
とりあえず百合しとけばいいってのが透けて見えるのがな。
ルカの影薄いなぁ。どうなってんだこれ。

21話 3/10
ブルーリフレクションってなんだよ。
姉こんなに冷静になってるのかよ。
結局AASAとは。こいつどの面してここにいるんだ。

22話 10/10
これ今世界やばい状況になってるのか?
そういうのもっとちゃんと表現してほしい。
シノが宗教指導者的なのをやらされてるってことか?
時が来たわよってw 
こんな狂った母なら子も狂うはずなのにな、いや狂ってるか。
てかなんでこんな意味不明な過去なんだw今の日本で。
なんで飛び降りしたのにシノは生きてるんだ?
このフラグメントはカノってオチ?
今回初めてこのアニメをちゃんと面白いと思えた。

23話 1/10
正直詩を引っ張りすぎな割にあまりライバルという印象もないんだよな。
おい作画、というか見せ方w
いや、指輪何の意味があるのかわからん。
やっぱり駄目か。22話見てワンチャンこの先面白くなってくれると思ったんだけどなぁ。
草、そんな理由だけで姉打つなや。
おい、本物姉のこと気にしなくていいの?
前回面白かったのが奇跡か。

24話 2/10
久々の主人公ルカコンビ。百合の花w
詩はどこに行った。
なんか色々と分からないアニメだったな
見なければよかった。
{/netabare}

曲20段階評価
OP1「DiViNE」9.5/10
ED1「最深」9.0/10
OP2「アトック」 9.5/10
ED2「fluoresce」8.5/10
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

少女の最深部……共鳴、乱反射。

“リフレクター”と呼ばれる変身ヒロインたちが、同世代の少女たちや自分自身の深層心理と関連した世界の異変に立ち向かっていく青春&バトルRPG『BLUE REFLECTION』シリーズ(一作目のPS4版中盤過ぎで挫折)
4年ぶりの新作ゲーム『~帝』、アプリ『~燦』の新展開に合わせ、
メディアミックスの一環として制作された連続アニメ化作品(全24話)

【物語 3.5点】
原作ゲームと関連はあるが、また違った世界の話。予備知識はそこまで必須でもない。
ただ、後半の種明かしで多用される設定用語。例えば深層心理世界“コモン”などについてはゲーム版を知っていれば理解の一助にはなる。


注意すべきは唐突に繰り出される鬱展開。
平時は、きらら系とはまた風味が異なる、微百合、“姉妹”成分配合の、ゆるふわしたヒロインたちの掛け合いが繰り広げられる。

で、まったりと萌えれば良いのかと油断していると、
思春期少女たち鋭利な心のささくれにブスリ!とやられる。
こんなに悩み多く苦しい現世なら、いっそ心など捧げて空っぽになった方が良いという虚無の沼に引きずりこまれる。
極端なシナリオバランスはゲーム版同様。

むしろ昨今の子供の貧困や虐待、自己責任論と魔合体したカルト宗教など、現実社会で可視化された社会問題をも取り込み、闇はゲーム版より深くなっている印象。
取り敢えず、第{netabare} 6{/netabare} 話と第{netabare} 22{/netabare} 話はガチガチにガードを固めて挑むよう警告しておきます。
いきなりバイロン詩集を吟じ、居場所はないのかと鬱々し始めた時は、私もこの世は地獄と絶望しましたw

えぐり出された深層心理の肝を、まとめきれず生煮えのままぶつけるのもゲーム版同様。
佳境になるほど、セリフがポエムの応酬の様相を呈するのが、やや勿体ないです。
ただ、立ち向かったテーマの重たさを考えれば、簡単に答えを出すのも無粋でしょうか。


【作画 2.5点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

乱調。
メディアミックスの予算配分が柱のゲーム重視だったからなのか、
カロリー不足によるものと思われる顔面、等身などのキャラデザ不一致が目に余ります。

剣をメイン武器にする変身ヒロインという希少性も見どころですが、
総じて剣戟も迫力不足。

何よりゲーム版キャラデザ・岸田 メル氏が生み出した美少女たちの造形の良さが全く失われてしまっています。


ただ、シナリオが掘り下げた心情を作画で汲もうとする意志は感じられるのが評価に困る所。
顔面福笑い状態になりながらも、眼だけは死んでいない。

背景に草花のフィルターをかぶせて演出した異能バトル空間なども万華鏡みたいで個性的。
戦力不足でも、コンテは諦めていない印象。
基準点は付けられないけど、そこまで底割れした評点でもないかなと。


尚、やたら雨天、曇天が多いですが、これは鬱だからではなく仕様。
ゲーム版のウリの一つに、JK変身ヒロインの雨で濡れ透けた制服姿をリアルに表現するというフェチズムがありましてw
ですがこのアニメでは制服を透けさせるだけの作画カロリーすらもなかった模様。
そこも残念無念?でしたw


【キャラ 3.5点】
主人公・平原 陽桜莉(ひおり)の明るいキャラに潜むシスコンの深さ。
敵方として対峙する姉・美弦(みお)。
姉妹の依存、愛憎がメインストーリーの一つの軸。

そんな陽桜莉の人懐っこさにツンツンしたりデレたりするクールな羽成 瑠夏(はなり るか)が定番の凸凹バトルヒロインコンビを形成。

あとは主人公コンビを目の敵にするライバルコンビ。
過ちは繰り返すまいと世話を焼く先輩コンビ。
と一式揃えて少女たちの想いの結晶“フラグメント”を巡って乱戦させる。
人物相関自体は、ヒロインバトル物では割りと無難。


この種の鬱ヒロインバトルで必ず出没する、もっと叩いて虐めて欲しい系のキャラ。
本作の駒川 詩(うた)は責められる機会を待つのではなく、挑発的言動で暴言暴行を自らに向けさせる積極的なMw
心の闇が深いヒロインズの中では、Mな言動がコメディーリリーフにすらなるw
ただ、こんなに苦しい世の中じゃ、痛みこそが実存とか強弁されると笑って否定することなど出来ないんですよね……。


“リフレクター”たちには対象の少女の想いと“共鳴”する能力設定があります。
言葉にできない想いを拾う。言葉にできない鬱も拾うw
悩める少女たち最深部に潜り共鳴するには相応の覚悟が必要なのです。


【声優 4.0点】
キャスト陣には若手も目立ちますが、外面と深層心理の振れ幅が大きいメインどころには数年のキャリアを積んだ声優を配して心情をカバー。

ヒロインの姉・平原 美弦(みお)役の上田 麗奈さん。
水崎 紫乃(しの)役の井澤 詩織さん。
特に、世界を呪いたくなる程の運命を背負う要所には実力者を起用。
特に井澤さんは紫乃だけでなく{netabare} 双子の姉・加乃{/netabare} もフォローする難役でしたが好対応。


“毒親の見本市”との異名も誇る本作。
狂気を提供したCV.石井 未紗さんは映画吹き替えも経験。
鬱よりヤバい躁も提供したCV.森なな子さんは元・宝塚歌劇団の男役。
アニメ声優一筋とは異なる畑も知ったご両人が、
湿度高めの病んだ演技で泥沼の深度アップに貢献。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は篠田 大介氏。やはり心情深部で鳴り響く重たいストリングスが耳に残ります。
日常シーンではゲーム版のピアノ曲も使用。懐かしく軽やかな旋律が本作の数少ない救い。


主題歌は前後期とも、しんどくても前を向かせる風味の力強い女性ボーカル曲。
特筆したいのが前期OP・EXiNA「DiViNE」

EXiNAとは、アニメ版『艦これ』のOP「吹雪」のヒット等で知られる西沢 幸奏さんのソロ・プロジェクト。
中低音ボーカル、ハードなエレクトロロックと、デビュー時とは曲調が一変しているので気が付かない方もいるかもしれません。
ビジュアルも闇落ちしたネーヤ(※『無限のリヴァイアス』のキャラ。古くてスンマセンw)みたいに変わり果ててしまってw

EXiNAで世間に迎合せず、自分の音楽を追求して闇に潜伏していたからか、
アニメタイアップとは縁がない日々が続きましたが、最近また戻って来ましたね。
アーティストとして我を通す生き様。結構好きです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

62.7 3 親友で闇堕ちなアニメランキング3位
Lostorage incited WIXOSS(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (232)
978人が棚に入れました
池袋――幼少期にこの街で過ごした高校2年生の穂村すず子が戻ってきた。
「ずっと友達だよ!」幼いころに仲良しだった森川千夏と誓った大切な記憶。その千夏とまた会えるかもしれない…それだけですず子の胸は高鳴る。
 転入した高校にもすぐには溶け込めず、早々に浮いた存在となっていたある日、「WIXOSS」を覚えれば友達ができるかも……そう思って学校帰りに立ち寄ったカードショップでデッキセットを購入する。
 家に帰りカードデッキを開封すると、カードの中に描かれた少女が動きだし、口を開く。

 「ようこそ、セレクター」

 selectorとして選ばれた人間は、自分の記憶のすべてが詰まった5枚のコインを賭けたバトルに参加しなければならない。コインをすべて取り戻し勝利すればこのゲームから脱出できる。逆にすべてコインを全て失い、敗北すると、そのペナルティーとして──。

 「Lostorage」―――この不条理なゲームに巻き込まれる事となったすず子の運命は!?そして、すず子と時を同じくして、千夏の手にも……

声優・キャラクター
橋本ちなみ、井口裕香、伊藤静、金元寿子、井澤詩織、久保ユリカ、興津和幸、菅原慎介、山岡ゆり、洲崎綾、後藤沙緒里、間島淳司、日岡なつみ、西明日香、生天目仁美、中村悠一
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最終話 オチに気づいた人がいなかったので解説してみた

前作の続きなのかどうかわからないけど、しょうもない終わり方だけはやめてほしい。

第1話 バトルシーンはよくなったかな
{netabare}
前作をなんとかして思い出してみると、
・バトルで何度か勝つと願い事が叶う
・セレクターとルリグが入れ替わり、願い事は入れ替わったルリグが叶える
・最終回は腰砕けだった

願い事に関してはとてもあいまいだったし、それ以外にもおかしなところがけっこうあった。

前作の続きなら、すず子のルリグであるリルは、千夏の可能性が高い。音信不通なのと辻褄が合う。ただ、前作を知っていると驚きはないのでちょっと物足りない。初めて観る人なら面白いだろうけど。

白い部屋だったか白い世界だったか、それも存在するから前作と関係はありそう。だけど、ルールが変わっている点が気になる。前作はラスボス倒して完結したんじゃなかったかなあ。

バトルシーンはよくなったと思う。コインを使った大技みたいなのもあって。キャラクターは前作のほうが個性的だった。ただ、今回のキャストは興味深い。
まず、主役はいもちょの橋本ちなみさん。いもちょでこの声優さんを覚えたくらいだ。リルはエロいお姉さん役の印象がある伊藤静さん。珍しいなって思った。
{/netabare}

第2話 予告のあとも面白かった
{netabare}
あまり評価は高くないけど、今期のアニメで面白いほうだと思う。というか、胡散臭いところが色々あって考察したくなる。

気になっているのは三点。
まず、入れ替えはあるのか。ルリグはセレクターの記憶から作り上げたもののようだけど、OPにすず子やほかのセレクターがカードに入っているシーンがある。だから、入れ替えがないとは言い切れない。
ちなみにセレクターがルリグになっても声優は変わらない。前作のルリグが人間の姿に戻って(?)ちょっと出ているけど、どちらも声優は大西沙織さん(たぶん)。
ルリグは記憶をコピーしてるから入れ替えがあったとしても普段通りに過ごせるだろうし。

次はラスボスについて。前作でラスボスは倒されて、ルリグが元の姿に戻って終わりだった気がする。
今回もセレクターになったときに現れたルリグ(?)がラスボスっぽいけど、さらなるラスボス、黒幕がいるような。

最後に報酬。これが一番胡散臭い。記憶を変えられるって、それって本人だけなのか? 記憶は変わっても記録が残っていたら変な子になるだけだし。前作と同様に、勝っても負けてもまともな結果にならないオチなんだろうな。
{/netabare}

コインについての考察
{netabare}
カードも5枚あると思ったら違った。5枚あったら0か5が出たらその時点でバトル終了になってしまうので。

バトルに負けてコインが黒くなると記憶も消えていくように描かれているが、すず子はゴールドが一枚でも記憶は確かなまま。例えば、すず子のゴールドが3枚になってから負けてまた1枚になったら記憶が消えたりするのだろうか。たぶん、そんなことはないはずだから、バトルの勝敗と記憶には因果関係はないといえる。とはいってもそういう細かいところまで気にせずに作られていそうだけど。

ゴールドが5枚になったら、記憶の改ざんができる。この場合記録まで変えられるなら願い事をかなえることと似ている。記憶と記録を変えればアイドル声優にだってなれる。記憶だけなら変なことを言う子ができるだけだが。

コインすべてが黒くなった場合は、”消える”の解釈がいろいろ考えられる。物理的に消えるのか、それとも記憶と記憶が消えるのか。後者なら生まれたばかりの赤ん坊状態といったところか。前作と同様にルリグになる可能性もあるだろう。
{/netabare}

第3話 やっぱりこういう展開だったか
{netabare}
まだわからないけど、セレクターが消えてルリグが成り代わったのだろう。HPにはキャストがないけど、かがり(cv:西明日香)、ゆきめ(cv:生天目仁美)のペアなら、かがり(ゆきめ)(cv:生天目仁美)になっていると思われる。
面白いのはルリグはセレクターの記憶からできたから、成り代わった人物と似たような人物が存在するってことだ。
セレクターはどこに行ったのか? あの白い世界に行ってルリグとして戻ってくると前作と同じになってしまう。

バトルをしなくてもタイムリミットがあるから消えてしまうルールがあるけど、そのタイムリミットはコインが黒くなることでわかるのか? でもコインはゴールドになったり変動があるからタイムリミットが一定の期間にならないと思うんだけど。

まだ疑問点はある。ルリグはセレクターの記憶オンリーではないはず。セレクターが知らないバトルのルールも知っていたわけだから。ルリグのテンプレートがあってそこにセレクターの記憶が追加される仕組みなのかも。

OPで気になるのは、すず子と千夏のバトルシーン。なぜか千夏の姿が見えない。バトルに勝ち抜いた千夏が記憶を改ざんして、茶髪とかになって格好も変わってしまったからか。でも、バトルから解放されているはず。
そもそも、すず子と千夏のストーリーは同じ時間軸なのか疑問にも思っている。
{/netabare}

第4話 ルリグの微妙な変化に気付いた人はいるだろうか
{netabare}
バトルのたびにルリグの髪飾りが増えている。これは前作でもあった。作画ミスと思っていたけど、今回もあるってことは意図的なのだろう。

今後の展開を予想すると、記憶を消したい千夏とそれを止めるすず子、この二人のバトルを主軸に話が進んでいく。さらにブックメーカーの正体をあばきつつ最後はバトルの仕掛け人を倒し、消されたセレクターたちを取り戻す……というのが普通にありそう。

現時点で、ブックメーカーははじまりのルリグとつながっているとしか考えられない。セレクターの情報を把握できるのははじまりのルリグしかいないから。はじまりのセレクターなんかもいるのかもな。それがブックメーカーの近しい人でバトルをさせることで記憶を取り戻せるとか。

すず子と千夏の思い出がすでに改ざんされたものとか、面白そうなんだけど、それだとバトルを終えていなければおかしい。千夏がすでにルリグというのもありそうなんだけど、それだとすず子のような性格になっていなければおかしい。

あまり凝ったストーリーにはならない気がしてきた。
{/netabare}

第5話 このアニメがどうやったら面白くなるか考えてみた
{netabare}
前作を見ているせいか新鮮味がない。深読みしたくなるような伏線も見当たらない。

オリジナルアニメは序盤で出てきた謎を終盤で明らかにして視聴者を驚かせるのがほとんど。だから序盤と中盤はそれほど面白くない。終盤の謎解きにかかっているのだが、それもイマイチだったりする。このアニメもその方向に進んでいる気がしてならない。
こういった構成はもうやめるべきだ。謎がなくてもいい作品は生まれる。SHIROBAKOがいい例だ。

このアニメを面白くさせるなら、中盤に入る前に謎の答えをすべて出し、主人公たちの目的を明確にさせる。キャラクターたちの駆け引きに重点をおけば前作と違ったテイストになるしバトルももっと熱くなるだろう。
{/netabare}

第6話 キャストで面白いことに気づいた
{netabare}
千夏にすぐにやられたルリグと、はじまりのルリグ(cv:日野まり)の声優が同じだった。モブ同然のルリグが伏線だったら面白い。たぶん、声優を二人雇うよりギャラが安くなるから二役やってるだけだろう。新人声優に機会をあげたらいいのに。

すず子と千夏のバトルがあったのは予想外だった。終盤と思っていたから。でも中途半端に終わってしまった。決着をつけたほうがよかった。金が5枚、黒が5枚になってもそのあとがあるのだから。スポンサーのことを考えるとカードバトルを入れる必要があるんだろうな。
{/netabare}

第7話 千夏とはじまりのルリグには関係があると推理を立ててみた
{netabare}
深読みしたくなるネタがないので無理やりひねり出してみた。
千夏とはじまりのルリグには関係があることを示してみる。

まず、セレクターに選ばれるのはごくわずかである。すず子は千夏の幼馴染み。今回出てきた男は千夏の同級生。ごくわずかなセレクターのうち千夏に関係する人物が二人もいる。これは偶然ではなく必然と言っていいい。

セレクターバトルが千夏と関係あるなら、ブックメーカーやはじまりのルリグも彼女と関係があるだろう。ブックメーカーは兄妹といった近しい関係。髪の色やニヤリと笑うところが似ている。ブックメーカーが選ぶバトルの相手は千夏が知る人物に限定されているのではなかろうか。

はじまりのルリグは千夏が生み出したのか千夏そのものか。こう考えるとセレクターは無作為に選ばれたのではなく千夏に関係ある人物が選ばれていると言える。
{/netabare}

第8話 ひょっとしたら千夏も…?
{netabare}
セレクター全員ルリグだと疑ったことはあるけど、さらにセレクターになるのは無理があると思ってた。あとズルいのは、ルリグのカードを所持してなければセレクターと気づかなれない点(たぶん)。伏線か前フリがほしかったな。
いまのところルリグは女性だけなのでブックメーカーも中身は女性だろう。そうなるとブックメーカーには性格の悪い女性が二人いたことになる。(説明は長くなるので省く)

では、千夏もルリグかどうか検証してみる。まず疑わしい点を挙げる。

・OPですず子の対戦相手に千夏がいない
作画ミスとは考えにくい。意図的に消しているはず。千夏がすでに消えていることを意味しているのでは?

・はじまりのルリグに会ったシーンで千夏はメルを召喚していない
尺がなかったからとは考えにくい。ハンナの場合はちゃんとナナシが出ている。千夏の最初のルリグはメルではないのかも?

・メルはすず子に似ていない
千夏はすず子に対して「むしずが走る」と言いながらも、すず子の分身であるルリグをそばに置いている。メルはすず子とは関係ないのでは?

以上のように状況証拠はあるがどれも簡単にひっくり返されるだろう。
それに千夏が入れ替わっていたらすず子のような性格になってなければおかしいし、子供時代から声優も変わっていない。

結論としては、千夏がルリグの可能性は低い。ただし、メルに関しては疑わしい点が多い。
{/netabare}

仮面のルリグの正体を推理してみた
{netabare}
アニメの場合、仮面キャラはすでに登場しているキャラと関係があったりする。それに新キャラを出したところでエピソードの尺がないだろう。
ルリグは女性のみでセレクターの記憶から生まれるなら、ブックメーカーの近くには性格の悪い二人の女性がいたことになる。
該当するのが前作にいる。アキラとイオナだ。この二人はモデルで一緒にいるときも多かった。

ブックメーカーの現在の性格から元ルリグはアキラ、妖艶さから考えて仮面のルリグはイオナ。
ブックメーカーはマネージャーか事務所の社長。これなら二人をよく見ていただろう。

ブックメーカーはアキラに好意を寄せていて、セレクターに選ばれたときアキラに似たルリグを生み出した。そしてバトルに負けていまの性格になる。さらにセレクターになり、イオナに似たルリグを生み出した。アキラならピルルクになりそうだが(清衣のルリグはピルルクだし)、ブックメーカーの記憶にはないので生み出せないはず。
{/netabare}

カードの色は名前に関係しているだけ?
{netabare}
キャラの名前から連想されるだけで、カードの色に意味はないのかもしれない。

穂村すず子→炎→赤
森川千夏→森→緑
御影はんな→影→黒

ほかのキャラも似たような感じ。
このアニメ、期待するほど深くないかも。
{/netabare}

第9話 懸念した通りになった
{netabare}
コインがすべて金になっても期待したほどのオチではなかった。
前に指摘したけど、序盤で謎を出して終盤で解明する手法はやめたほうがいい。先延ばしにするほど視聴者の期待は増す。だけど期待に応えるだけのオチを作れない。オチがイマイチだとその作品の評価も下がってくる。謎はあってもいいが一つに絞るべきだろう。

ハンナは記憶を消すのだと思っていた。そういった視聴者の思惑を外したんだろう。でもハンナの関与はわかりきっているのでそれを思い出したと言われても…。ちょっとずれている感じがした。
ハンナは記憶を消したいのか思い出したいのかはっきりさせておくべきだった。謎にしておけば面白くなるとは限らない。

キャラも設定も悪くはないが作り方を間違っている。いい材料があっても料理人によって味が変わってくる感じかな。
清衣を主人公にして今回の話を第1話にすれば面白くなったと思う。いい素材をうまく使っていない印象を受けた。
{/netabare}

ハッピーエンドになる最終回を考えてみた
{netabare}
はじまりのルリグは声優がモブルリグを担当しているくらいで伏線らしい伏線がない。謎だけど絞り込むことはできる。今回から登場したキャラははじまりのルリグに会ってからルリグを知った。だからはじまりのルリグという名前をつけられるのは清衣しかいない。

清衣以外では新キャラになるが、終盤にきて新キャラに謎の説明をさせるアニメほどつまらないものはない。だから新キャラの可能性は低い。すでに登場しているキャラとつながっているはず。

該当しそうなのが莉緒。まだ過去エピソードが出ていない。莉緒は泣きエピソードを持っていそうなキャラなのではじまりのルリグとつなげればいい。前作も子供の遊びからルールができたような気がする。
もう一人いる。グズ子だ。外見がはじまりのルリグと似ているのも気になる。ただあのキャラでシリアスな説明をするのはどうかと思う。


このアニメをハッピーエンドにする方法はある。記憶が変わるとき周りの状況も変わればいい。ハーレムを持っていたと記憶を変えれば周りが美女だらけになるってこと。これなら千夏が思いとどまるし、セレクターバトルが初めからなかったことにもできる。
{/netabare}

第10話 謎のまま終わりそうな気がしてきた
{netabare}
残り二話なら謎を明らかにするには足りない。オリジナルアニメにありがちな終わり方になりそう。はじまりのルリグですら答えを出さないかも。

今回見ていてやっぱり清衣を主人公にしたほうがよかった。ファンタジーにありがちなラスボスと一度戦って負けるというパターンにもなったし。

次回はすず子と千夏の対決になりそうだけど、ブックメーカーと戦うのはイレギュラーなバトルができるすず子だろう。
{/netabare}

第11話 こうなるような気はしていた
{netabare}
すず子と千夏の対立が主軸なのに、二人のバトルは物足りないもので終わってしまった。千夏が自戒してバトルに負ける展開は読んでいたけどあまりにベタすぎると思っていた。

このような展開になった原因は二つある。
一つはブックメーカーがセレクターだったこと。千夏より強いラスボスが出たためにすず子とのバトルが通過点になってしまった。
もう一つはハンナのオチ。金が5枚になってもハンナのようなオチをつける必要がある。だけど千夏にはそういった伏線がないため、金を5枚にするという展開がなくなってしまった。
どちらも視聴者を驚かせようとして入れたものだろう。それがかえって二人のバトルを中途半端なものにしてしまった
{/netabare}

最終話 オチに気づいた人がいなかったので解説してみた
{netabare}
千夏が当初願っていた通りの結末になっている。
つまり、すず子に関する記憶を消すという願いがかなっている。
皮肉がきいて面白いオチなんだけど、ネットの感想を読んでもこれに気づいているコメントがなかった。

オチはもう一つある。
バトルが終わって千夏はこう言っている。「すずが守ってくれたこの記憶を大切にする」と。
このセリフで最後の一枚がすず子に関する記憶だとわかる。つまり、千夏もすず子との思い出を大切にしていたというオチなのだ。
記憶が消えるにもかかわらず、千夏はバトルしてコインを増やす気はない。
すず子との思い出を消すのが、千夏の贖罪だから。
タイムリミットがきたから千夏の記憶が消えたという感想をよく見るけど、これは間違い。千夏の最後のコインは徐々に黒くなってほんの少し金色を残してタイムリミットを迎えたのだ。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「selector spread WIXOSS」から2年…今度の代償は無形の宝物…

この作品はオリジナルアニメのようです。「selector spread WIXOSS」の放送から2年…満を持しての登場という形となったこの作品…個人的私見ですが、制作に踏み切るのは勇気のいる選択だったと思います。

なぜなら「selectorシリーズ」は緻密な構成に基づく溢れ出る程の痛みを抱えた作品でしたから…
繭…そして白と黒のルリグ…翻弄されるセレクター達…バトルによる明確な勝敗の線引きと敗者に対する容赦の無い仕打ち…
願いは人に対して均等に与えられた権利…その権利を餌に勝っても負けても出口の無い迷路を彷徨い続けるセレクター達…
本気で救いの無い物語だと思っていました。

だからこそこの作品には後発故の難しさがあったと思います。
前作が素晴らしかったから尚更です。
でも個人的には踏み切って貰えた事が嬉しくて仕方ありませんでした。
この作品が放つオーラ…個人的には大好物なので…

この作品の主人公は高校2年生の穂村すず子…彼女は父親の仕事の都合で転校を繰り返してきましたが、8年ぶりにもと住んでいた池袋に戻って来ることができました。
すず子はこの街に戻ってくるのが嬉しかったんだと思います。
なぜならここは幼いころの親友が住む街だったから…
だから転校を繰り返してもその親友の事だけはずっと忘れなかった…

ずっと親友だと思っていた…
出した手紙が宛先不通で帰ってきたとしても、何らかの事情があるだけでお互い顔をみたら直ぐに昔に戻れると思っていた…

だから学校の友達と仲良くなれなくても、たった一人の親友さえ傍にいてくれたら他に何もいらないと思っていた…
でも8年という歳月は振り返ればあっという間の事かもしれませんが、前を向いて歯を食いしばっている人にとっては気の遠くなるような時間…

そんな最中、すず子は気晴らしに「WIXOSS」の構築済みデッキを購入するのですが、そのカードの中に「はじまりのルリグ」が入っていてセレクターにされてしまうんです。
こうして再びセレクターバトルの幕が上がり、物語が動いていきます。

私は「WIXOSS」の細かいルールは分かりませんが、分かっているのはバトルの代償が5枚のコインに置き換わっていること…5枚のコインを全て失う、若しくは5枚全てを集めればセレクターバトルが終わるという事…
私は迂闊にもこのルールを甘く見ていました。
なぜなら「selectorシリーズ」は願いの大きさによって勝つ回数に違いがあれど3回負けたらお終いだったので、こちらの方が条件が厳しいと思ったからです。

でも蓋を開けたら全然違っていました…
代償が5枚のコインに置き換わる…という事は1枚1枚のコイン全てが意味を持っているんです。
だからコインを1枚失えば自動的に1枚分の代償が支払われる…という事なんです。
これがセレクターの精神をどれだけ傷付けるか…少し考えれば分かる事です。
だって、ある瞬間を境にポッカリと穴が開いてしまう訳ですから…

こうして自分の開いた穴に気付きながら、その穴を塞ぎたいと思ってもその保証はどこにもなく、むしろその穴が更に拡大する事を恐れてしまう…
今回のセレクターバトルは自らの意志で死地に赴く…そんな類のバトルだと思いました。
自分自身を構成するモノですからそう思うのも仕方ないと思います。
中途半端に穴が開いた状態…もしそれが自分の身に起こったら本気で怖いと思います。

すず子の大切な親友である森川千夏…ちーちゃんとはセレクターバトルの最中に出会う事となります。
再開を素直に喜ぶすず子…ちーちゃんも一緒だと思っていた…
ですが、ちーちゃんの言動はすず子の予想とは真逆のモノだったんです。
空白の8年…この間にちーちゃんにも色々あったようです。

すず子は大好きだった昔のちーちゃんを取り戻すことができるのか…
そして今回のセレクターバトルの抱える痛みは…
気になる方は是非本編でご確認下さい。
一つ確かなのは、今回のバトルも決して甘くない…という事です。

オープニングテーマは、井口裕香さんの「Lostorage」
エンディングテーマは、Cyuaさんの「undeletable」
井口さんのオープニングが断然恰好良くてお気に入りです。

1クール12話の物語でした。最終話で続編の制作が発表されたのも嬉しい限りですが、この物語の本質はむしろここからだと思います。
これまではこのバトルを知るための前哨戦…きっとこの物語の闇はもっと深く…もっと暗い…
そんな深淵で何が見られるのか…今から楽しみです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

jujube さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

最初からハイリスクノーリターン[完走後追記]

前作も見てるけど、カードゲームだけが同じで設定も何もかも別物だなぁ。
なんか前作に出てた脇キャラもチラ見せあったけど、何だっけ?思い出せない。

まあ新シリーズてことで、スタッフも一新したようだから、完全新作で見るけど。
取り急ぎ、2話まで見てのネタバレ無しのあらすじ的印象を。

今作はセレクターに選ばれたのが、女だけでなく男もいる。つか、OP男率高くね?
ストーリーは、セレクターが最初から記憶を奪われてゲームに強制参加、しかもゲーム達成時は記憶を返すよ♪って、参加者には全くノーメリット。
メリット2話でちょい付け足しされたが、お好みの記憶改変ができますって、それって糖質ですね(笑)
実が伴わないのに妄想だけ肥大しちゃってどうすんの。忘れたい記憶消したい人にしか嬉しくないよ。それも良くないけど。

前作はそこがネタバレ案件で二転三転して面白かったんだけどねー。徐々に高まる絶望感が。
今作は設定は全く違うけど、最初からこんなストレートにしちゃって、どう展開させるのか。

あと、前作より全然キャラ立ってない。
1話の主人公と思われる女の子(すず子)が全く影が薄くて、2話目はもう1人の女の子(千夏)が主役ってくらい出張ってたし。こっちは闇落ち感満載。テンプレ展開しそう。
で、この2人小二まで幼馴染みで、高校生の今現在会えて無い設定なんだけど、お互いに当時の想い出が大切…ていうか、片方は引くぐらい依存してるんだが。
普通そんなガキの記憶忘れてるし、よもや相手の住所大事に保管、近年まで連絡取りあってた?(宛先不明封筒の描写があるのに、相手の自宅まで訪ねてって、3年前にここに住んでいた人は?って、もしそれまで文通してなかったらストーカーか⁈)
これからの描写なのか、なんか色々ミスマッチ感が散見。
それにカードゲームやるよーの導入が強引すぎて笑った。
女子高生が普通にカードゲームやる世界観と、本当なら男くさいTCGショップに初心者が簡単にすぐ入る(笑)
前作主人公中学生だっけ?あれくらいなら分かるけど、今時のJKがコイバナも美容にも興味無くカードゲーム…
なんか作り方が雑なんだよなぁ。
前作はメリットに釣られてってのあったから、色々バランスとってたんだが。

作画やバトルは、前作で稼いだ潤沢な資金で特に文句は無い。
しかし、OP・EDは安易な声優アーティスト起用で質下がったかな。
前作のサバイバルゲーム本編に合致するような不穏感とか、緊張感とかが楽曲に表現されて無くて、前作・分島さんを失った穴はデカイなと。

これで面白くなりますって可能性は2割いかないかなぁ。視聴継続するか、悩みどころ。
(この時点の評価:2.0)

ーーーー上記2話迄、下記完走後ーーーー

結局最後までダラダラと見てしまった。
やっぱり設定が弱かったね。途中どんでん返しがある訳でもなく、想定通りのことをこなしてった感じ。

幼女生き残りすぎ。遅かれ早かれ消されるのに温情かけてるの馬鹿なの。
千夏は全く贖罪してないのは不合理すぎた。
消えていったセレクター達の謎を解明することもなかった。
白い世界に力もなかった。
何故セレクターが再び現れてバトルが始まったのかの説明や設定がなかった。(無意識の集合体とかゆーあれはもはや説明じゃないよ?)
つまり、全体的に薄かったねー。
根本的に問題解決してないから、この世界観でどこまでも続くよ♪
前期のようなウィクロスフィーバーは夢幻となりました、残念!

結論、セレクターになってしまったらコインがラス1になるまで戦い続けて勝ち抜けるか、コインラス1からのタイムリミットで記憶無くすが正解。
そうすれば少なくとも、自分でなくなる事は無いし、最低限の事は分かって生活して行けるようだから大事。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

61.7 4 親友で闇堕ちなアニメランキング4位
モンスターハンター ストーリーズ RIDE ON(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (23)
81人が棚に入れました
ここは人とモンスターが共存する世界。モンスターを狩る者たちはハンターと呼ばれた。そのハンターの世界の片隅に、モンスターと絆を結び共に生きる者「ライダー」がいた。ライダーは、モンスターの秘められた力を目覚めさせることが出来る「絆石」を持ち、絆を結んだモンスター 「オトモン」と密かに暮らしていた。ライダーの村「ハクム村」に住む少年リュートの夢は、"世界一のライダー"になること。12歳になったリュートは「絆石」を授かる儀式を前に、最初の「オトモン」を自分で見つけようとする。心優しい幼なじみのシュヴァルと、同じく幼なじみで好奇心旺盛なリリア、リュートの相棒でお調子者のナビルーと共に森の奥深くへと足を進めたリュートは、そこでリオレウスと奇跡的な出会いをするのであった─。 「ライダー」と「オトモン」たちの絆を結ぶ物語が、今始まる!

声優・キャラクター
田村睦心、M・A・O、逢坂良太、高橋未奈美、杉田智和、水樹奈々、牧野由依、後藤哲夫、柳田淳一

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

日曜日朝の子供向けアニメ(第2部突入 → 視聴終了)

タイトルの通り、『モンスターハンター ストーリーズ』(以下、「ストーリーズ」)というゲームの世界観に基づくアニメ作品。

普通の『モンスターハンター』シリーズが協力プレイによるモンスター退治などのクエストを中心とするゲームなのに対し、ストーリーズでは単独プレイあるいは1対1での通信対戦を行うゲームであり、また特定のモンスターをパートナーとして選ぶ(作中で「オトモン」と呼ばれる)という、まったく異なるゲームシステムになっている。

モンスターを狩る「ハンター」とは違い、オトモンを連れるプレイヤーの職業は「ライダー」と呼ばれる。

アニメ作中でも主人公はライダーであり、どうやらライダーとハンターのそれぞれの成り立ちや違い、ライダーとしてのモンスターたちとの調和などが話のテーマになるようだ。

録画機(Panasonic DIGA)が勝手に新番組を録画してくれる機能があったため、たまたま1話目を視聴することができたのでなんとなく観続けているが意外と悪くない(笑)。

2017.10.4追記:
普通の『モンスターハンター』シリーズには無い、「ストーリーズ」特有の設定と思われる異能ナビルー達である「ナンバーズ」が登場。途中、彼らの名乗りで尺を稼ぐダメ演出があり、ちょっと鬱陶しかったです。

「白き竜の伝説」編とでも呼ぶべき<第1部>が終了し、9月から「ブラックライダーズ」編とでも呼ぶべき<第2部>に突入。

ところでこれ、いつまで続くんです…?

2018.4.1追記:
約半年間の「ブラックライダーズ編」を経て、無事終了。そしてなぜか視聴の方も完走。

ゲームの側の設定に合わせてライドオン時に鎧を着るようになったり、「重ね合わせの儀」で他のモンスターの能力をオトモン(自分がライドオンするモンスター)の能力に付加できるようになったりしましたね。

主題歌がジャニーズWESTだったりと終始「子供向け」っぽい空気を醸し出そうとしつつ、番組最後の似顔絵コーナーでは「◯◯さん30さい」とか大きなお友達余裕展開なのは笑いを禁じ得ません。

お付き合いで観終わりましたが、「ずっと観てました」とか「モンハン好きです」とかでなければわざわざ観るようなものではないと思います。

あ、でもお調子者でいろいろやらかしてくれたマネルガー博士は意外と好きです(笑)。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

とらお さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

アニメ版は見てないですが実写との情報なので

実写版のトレーラー見てきました
予測通りです、みなさんの予想にある通りなのです
ハリウッドスター中心の作りですよわははは、、、
ミラ・ジョボビッチ出ると中心に据えるよなそりゃ
モンスタームービーの主役はモンスターでしょうに
ジョーズを100回見せたいよまったく

装備もモンスターから剥ぎ取った素材感なくいまいちな出来でした
ただし、砂漠からドーンとわいてくるディアブロのCGはさすがハリウッド
モンハンマニアなら「ハリウッド骨格実装はよ」でしょうなあ
※CGは針がね的な骨格に、肉や装甲を付けたしてるだけであり、
 骨格が動くと連動して肉や装甲が動く、つまり骨格が本体です

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

くっく さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

なんか違うけど……………

「モンスターハンター」シリーズで初のRPGで、ほぼゲームと同時に始まりました。主人公たちはモンスターを操って、乗ることができる「ライダー」です。しかし、主人公リュウトは、相棒となるモンスター(オトモン)に悪戦苦闘。彼らは一人前のライダーになれるのか。

放送時間が日曜日の朝であり、ゲームの方も全年齢対象なので(基本的にモンハンは全て15歳以上)親子で楽しめる作品だと思います。ちなみに、モンハンをずっとやってきている人からしたらなんか微妙な作画(モンスターの絵)でしたが。まぁ内容はいいので見てみて下さい。

ああ、ダブルクロス発売楽しみだなーー

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
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