アニメミライで異世界なおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番のアニメミライで異世界なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.3 1 アニメミライで異世界なアニメランキング1位
アルモニ(アニメ映画)

2014年3月1日
★★★★☆ 3.7 (221)
1105人が棚に入れました
人は皆、それぞれ自分の世界を持っている。34人の生徒がざわめくこの2年1組の教室の中にだって、沢山の世界がある。吉田や渡辺なんかと一緒に昨晩のアニメについて熱く語れるのが、僕---本城彰男の世界。楽しいし、居心地だっていい。……でも、本当はいつも考えている。教室の向こう側で華やかな友人に囲まれて笑っている、真境名樹里の世界のことを。ある日、僕は彼女の世界に触れることになる。言うほど単純なことではないんだけれど。

声優・キャラクター
松岡禎丞、上田麗奈、沼倉愛美、大地葉、松本健太、岩崎了、古川慎
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

隠されたハッピーエンド!

 初見でした。25分ほど作品です。
 ジャンルは、恋愛ものとは言い切れないように思います。正しくニュアンスを伝えられるとすれば、高校生の男の子と女の子の出会いに着目した作品、ということになるでしょう。最終的には恋愛ものでいいんですけどね。
 絶対音感(ぽいもの)を持った主人公が、ヒロインのオリジナル携帯着信音を聞いたことに端を発する物語。大雑把ですが、あらすじはそんな感じです。

 人間関係の描き方がとても上手いという印象を持ちました。人物を描写するのに、セリフや表情だけでなく、トラブルを用いていました。大きなトラブルに目が行きがちですが、25分という短い時間の中で、これでもかというほど小さなトラブルを見せています。この小さなトラブルの発生原因とその解決方法への振る舞いを描くことで、その人物の人となりや立ち位置などを伝えていました。この作品で描かれる教室内の人間模様は、異常なほどまでにリアルに感じられます。おそらくこれは、このトラブルの描写による効果であると思われます。トラブルがたくさん描かれるせいで、胸がチリチリ焼けるというか、そわそわするというか、そういう印象が積み重なっていきます。
 通常のアニメよりも狭く描かれる教室も、現実感や圧迫感を上手く演出していたと思います。

 結論としてはかなり面白かったです。あからさまなハッピーエンドではないんですけどね。あまり悪い点というのが浮かびませんでした。ショートストーリーということもあって、「もう終わり!?」という感じも確かにありましたが、その辺は理由があるので、考察で補足します。


対象年齢:
 思春期以上ならどなたでも。オススメするので、ぜひご覧になってください。


アルモニとは?:{netabare}
 アルモニというのは、フランス語のハーモニーのことです。フランス語ではHの発音がありませんからね。
 ということで、まずはこの作品の何がハーモニーだったのか、から考えていきます。

 作品内で最初に語られているのは、ホンジョウの友人が語る「共通の世界を持つこと」ですね。これが人間関係を進展させるのだと説明されています。そして、ホンジョウとジュリが夢の世界という共通の世界を持ったことで、二人の人間関係が進展していきます。このハーモニーが表面上のストーリーと紐付いています。

 ですが、これ以上に重要なハーモニーがあります。現実の世界と夢の世界のハーモニーです。

 夢の世界の女の子は、「ロボット、人形みたいな女の子」と表現されていました。これは当然ジュリのことです。眼鏡っ子が「高校デビュー頑張ったみたいだけど」と言っていましたからね。本心で語る人を人間とすれば、本心を隠しているジュリは人形ということになります。作中でも、ジュリの笑顔は張り付いた感じで表現されています。
 ジュリ自身も一番好きな夢のシーンについて、女の子が洋服をたくし上げて、機械の身体を見せているところだと言っています。ジュリは、本心を出して否定されてきた過去があり、高校生活では本心を隠している。つまり、本心を出したいという願望が根源にあるとみて間違いないのでしょう。そのためか、ホンジョウに理解を得られたと分かったときには、ものすごいハイテンションになっていました。

 夢の世界の男の子は、もちろんホンジョウです。男の子は、暗く狭い部屋に居て、そこに光が射し、女の子と出会う前に塔の屋上へと上がっていきました。この描写は、ホンジョウが教室内での居場所に乏しく、ジュリの着信音を聞き、学校の最上階へ上っている描写と一致しています。

 人物描写からもシーン描写からも、夢と現実は確かにハーモニーを奏でていました。面白いのは、現実世界ではボーイミーツガールのストーリーですが、夢の世界ではガールミーツボーイになっているというところですかね。
{/netabare}

エンディングその後:{netabare}
 中途半端なところで終わっているようにも見えますが、この作品はきちんと完結しています。なぜなら、現実の世界と夢の世界がハーモニーを奏でているからですね。
 以下では、具体的なハーモニーの内容を確認してみます。上が夢の世界で下が現実の世界です。

①暗く狭い部屋にいた男の子に、光が射す
→教室内に居場所が乏しいホンジョウに、ジュリの着信音が聞こえる

②他人の流れに沿って歩いていた女の子が、列を外れて駆け出す
→友達に合わせていたジュリが、独自の行動を取り始める

③男の子と女の子が、塔の屋上で出会う
→ホンジョウとジュリが、学校の最上階で出会う

④女の子が黒服の手によって男の子と引き裂かれそうになり、男の子の手から赤いビンが落ちる
→ジュリが彼氏()の手によってホンジョウと引き裂かれそうになり、ホンジョウの手から絵が叩き落される

⑤女の子が男の子の手を取って、駆け出す
→?

⑥塔の屋上で、男の子が叩く三色のビンに合わせて女の子が踊り、女の子が三色のコードを見せる
→?

 ①~④までの描写は夢の世界と現実の世界がピッタリ一致しているのが分かると思います。ですが、現実世界で描かれたのは、⑤の途中まで、すなわち、女の子が男の子の手を取るところまでです。ここに該当するのが「私と一緒」というジュリのセリフです。
 ⑥の機械の身体を見せることというのは、本心を明かすことに相当しますが、「私と一緒」というセリフはあくまでも共感であって、本心を明かしているわけではありません。男の子と女の子が互いに手を伸ばす描写が、ホンジョウとジュリの互いを思い合う行動になっているのだと思います。したがって、現実の世界で描かれたのは、⑤の途中までだということになります。

 ⑤の「駆け出す」以降は、作中で描かれていないわけですが、夢の世界と現実の世界が強くリンクしていることを見せているからこそ、同様のことが現実の世界でも起こるだろうと考えられるのです。具体的には、「ホンジョウとジュリが二人で学校の最上階に上がり、ホンジョウの弾くピアノに合わせてジュリが歌い、ジュリが本心を語る」といったところだと思います。ジュリが踊るということは、さすがにないでしょうからね。
 描かれたハーモニーと描かれなかったハーモニーがある。でも、ハーモニーを奏でているのだから、現実の世界も夢の世界と同じようにハッピーエンドに至るんだ、ってことですね。「ハッピーエンドではない」のではなくて、「ハッピーエンドが隠されている」のです。


 この作品では、ハーモニーが「人間関係」と「夢の世界と現実の世界」という重層の構成になっており、また、描かれたハーモニーに対して描かれなかったハーモニーという構成にもなっています。25分の短編ながら、内容の詰まった非常にいい作品だったと思います。まさにアルモニというタイトルに相応しい作品でした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アルモニ、エルメス、アマグリ

学校の生徒たちの空気感がリアル(なのかな?)でハラハラでした。
繋がると思えなかった縁が繋がる、というのは面白いですね。
さえない男友達のヨシッ!がヨシッ!でした。

勘違いが恋に発展したとして、誤解させたままでいいのかな。誤解がほどける時がドラマティックなのかもしれない。
あるいは誤解だったとしても、彼がまず彼女の歌を素敵だとこっそり思っていたって、その眼差しが、大事なのかもしれないですね。彼女は友達にもあまり心を開いている様子ではなかったし。
自分の夢中になっていた世界に魅力を見出してくれた、ということが有難く重要で、あんなに堰をきったような態度になったのでしょうか。わかってくれる人がいる。
また、 {netabare}聴くことで同じような夢をみられた、 {/netabare}それで充分、誤解でもなく本当に繋がりあえたってことなのかもしれないし。
打ち明けられる相手に出逢えたのだから、これから先は過去に縛られず、彼女自身が本当に心惹かれる世界を楽しめたらいいのかもしれない。案外わかってくれる人が増えて彼と疎遠になったりして^^;

彼がオタクな友達たちと仲間うちでだけ共有できる楽しみを持っていたってことが、効いてますね。
コレが無くて、絶対音感だけ携えて登場した主人公だったら、もっとキザな話になっていた気がします。誰にでも自分の世界がある(オタクでなくても)。
そこに触れ合えるかというラブストーリーでした。
彼はどうして彼女が気になっていたのかな?高校デビュー前の夢見がちな匂いを感じ取っていたんでしょうか。



お母さんがいろんな人連れてくるって…そのへんを心配すると、女の子の夢の真偽よりも、お母さんの処置がどうなんだと…気にしすぎか

なんだこの煮え切らない感じ。


ある日娘が彼氏を紹介するとして
{netabare}「お母さん!私の夢の中での話を知っている人に出逢えたの!もう一人じゃないの!!」ってきたらば

さあ お母さん、どうするんだ。

・「まぁ…この子にも、心を打ち解けられる相手が出来たなんて。この子、現実離れした事ばかり言っているでしょう…至らない子ですが、よろしくお願いしますね。」

・「夢を共有…?ちょっと座ってください。本当にあなたも同じ夢を見られたのか、その相違点をきちんと検証させてください。」

・「この子の特殊性は、今にして思えば才能です。あなたのご好意はありがたいのですけれど、無理に同調はしていただかなくとも構いませんのよ。」

・「趣味は?アニメ、あー、なるほどねー。そんな年頃だよね。(この子らしい子を選んできたわね)」

それとももしも、ジュリがお母さんをそこまで信頼しなくなっていたら、「夢を共有しているのは二人の秘密ね?」ってコトになるのかしら。


彼が催眠学習的に夢を見られたのだから、彼女のほうも始まりはそういった断片や刷り込みが繋がったものだったのかもしれない。 {/netabare}


まことにまことに邪道ながら夢判断
(参照http://www.geocities.jp/dreamusic7/)

{netabare}機械、ロボット
「繊細な感情レベルや心と身体と精神の相互のふれあいを欠いている。鍵のかかった思考力。無感動。自分が出来ないことを代わりにやってくれる存在。現在の自分の非力や社会的存在感が希薄な状況。」

「心理的確立。精神的到達。霊的精神力。権威。力。明瞭さ。見通し。理想や目標。攻撃性。孤立。自己防衛。」
葬列
「今までの複雑な人間関係から解放されて本来の自分の姿に帰りたい願望。」
孤独、集団の中で自分だけが独り取り残される
「他の誰かが自分を捨てたいと思っているのではないかという不安。」
水の入った美しい瓶「輝く未来。」 {/netabare}


アルモニ〜。フランス人はハヒフヘホの発音ができないので、ヘルメスはエルメスになるようで、知り合いがフランス人の料理教室に通ったとき「アマグリがない!アマグリを買ってこい」と言われ、右往左往で甘栗を買ってくると「これはっ、アマグリじゃ、ナーイ!!」と激怒したそうな。
そう、彼が求めたのはハマグリでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 41

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

これは面白いっ!

アニメミライ2011~2014のレビューまだ全然書けてないけど、他のレビューは後回しにして、とりあえず今はこの感動を伝えたい!
ということで、一押しの作品です。

軒並み高クオリティだったアニメミライ2014でしたがその中でも本作は頭一つ抜け出た、話の独創性と面白さを持っています。(好みの問題かもしれないけど)
観る前は、アルモニっていう良く分からないタイトルと、ぼけ~っとした女子の表情から、シュールなギャグアニメなのかな?と思っていました。が、やっぱり全然違いました(笑)

【あらすじ】
とある学校の、どこにでもありそうな教室の風景。
ちょっとイケイケな人たちや、じめっとしたオタクっぽい人たち、あとその他大勢。
普段通り友人とアニメのネタをくっちゃべっている「本城」(主人公)の目に映るのは、華やかな友人に囲まれて笑う「真境名樹里」の姿。本城は、一曲の歌の世界を通じて彼女の意外な一面・過去を知ることになる。




以下感想↓

根暗でオタクな男子生徒の目線からみた学園の人間模様、その陰鬱さを描く作品も増えてきていますが、人物の極端な描き方に納得できず「なんだかなー」と、少し嫌気を感じていました。
こういうのって他の素材と違って身近なものだったから、やっぱり丁寧に描いて欲しい。過去にそんな男子生徒だった一人としては。ヒエラルキーだったり中二病だったりと、作品ごとに強調されるものが違いますが、比較的シリアスな作風が多く、その割には中途半端で粗が目立つものが多い気がします。本作も、そういうテーマを扱った作品なのかなぁーと思って最初みてたんで全然期待はしていませんでした。

しかし見進めていくうちに、一曲の歌の世界を共有し合う男女の不思議な関係性がテーマなのだと気がつき、そのファンタジー要素が強いおかげで嫌味がなく、なんだかふわっとした気持ちになれました。
でもそう言うと、登場人物の頭の中にお花が咲いている感じの話を想像してしまいがちですが、下手にシリアスぶったものよりも生徒同士の会話がリアルです。人間観察がきちんとなされている。主人公が友人たちとする会話には笑ってしまうこともしばしば。良い意味でオタクの特徴を押さえています。場面一つ一つに「ありそうな光景」が広がっている。
夢の描写も、幻想的な美しい空間の中に不安や恐怖を感じさせる部分なんかもあったりして何とも言えない雰囲気が出ている。現実と向き合うドラマでありながらも、幻想的な世界を見せつける。その往復というか、絶妙なバランスが個人的にはツボ。

カメラワークで魅せる演出も多く、見所がたくさんあった。
特に、絵の束を床に落とすシーンとラストシーンがお気に入り。
ラストシーンの「引いて、一旦止めて、また引く」というカメラワークで主人公の感情を表現する演出は見事で、感動を覚えた。あのシーンの良さをぜひとも観て感じ取って欲しい。


1つの曲から想起させる物語というのはやっぱり刺激的で面白い。
(あれ、もしかしたら物語が先にあるのかな?)
アニメ化された(される)ものではブラックロックシューターやカゲロウデイズが思い浮かびますが、本作のサウンドプロデュースにボカロPで有名なトラボルタさんが参加していることからも、そういった流れを汲んでいるんじゃないかと思います。いろんなところからインスピレーション引っ張ってくる作品がアニメミライの企画にはたくさんあって、作品の出来不出来関係なく観ていて飽きません。

今回、原作・脚本・監督を務めたのは吉浦康裕さん。
彼自身まだまだお若いのに第一線で活躍されていて、本作では新人さんたちの指導も引き受けるなんて・・・すごいですね。そんな彼の姿が、今の若手アニメーターのモチベーションに貢献してるんだなぁ~なんて想像すると、ますます応援したくなります^^
購入したBDに付いてきたポストカード裏のメッセージには「おもしろかった」「楽しかった」という言葉が他の作品の中でもひときわ目立っていた。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

67.2 2 アニメミライで異世界なアニメランキング2位
リトルウィッチアカデミア(アニメ映画)

2013年3月2日
★★★★☆ 3.9 (285)
1444人が棚に入れました
幼い頃に見た魔法ショーで魔法の魅力に取り憑かれ、ヨーロッパの魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学したアッコ。大きな期待とは裏腹に日々の授業は意外と退屈。保守的な魔法界の雰囲気を打ち破り、魔法に夢を取り戻そうと張り切るアッコだが、周囲の目は冷ややかで授業でも空回りの連続。唯一の味方はルームメイトで親友のロッテとスーシィの2人だけ。 そんなある日、学校でとんでもないハプニングが発生。思いがけず事件解決の鍵を握ってしまったアッコは、ロッテ、スーシィ達と共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子
ネタバレ

ぽよぞー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

天才アニメーター吉成曜 初監督作品

『リトルウィッチアカデミア』は文化庁若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ』2013年度の参加作品の1つ。
製作は、ガイナックスで天元突破グレンラガン、Panty & Stocking with Garterbeltなどを製作していたスタッフが結集し、独立した会社『トリガー』によるものだ。

かわいい魔女、ド派手なモンスター、心躍るストーリー、動きまくるアニメーション、作り込まれた設定。
どれを取っても高いレベルでまとまっており、約25分の短編アニメとは思えないほどのクオリティ!!

この作品を手掛けるのは、世界でトップクラスのアニメーター「吉成曜」であり、今回待望の初監督となる。

「新世紀エヴァンゲリオン メカ作画監督」を初め、ゲームのキャラクターデザインから、
アニメのメカニックデザイン、コンセプトアートまで手掛けるなど、アニメーター・イラストレーターとして超一流の実力を誇っており、業界内でもスーパークリエーターとして認知されている。

そんなすごい人物が、監督として初めて手掛ける作品の評価は…

まさに傑作!!の一言。

本作品は、2週間の劇場公開で絶賛され、劇場公開終了後、公式でYoutubeに全編UPするなどして話題をさらい、日本国内だけでなく、海外でも絶大な反響を呼び、続編の制作も決定した。
続編では、クラウドファウンディングによる資金調達を行う手段としてKickstarterを利用し、
続編を期待するファン達から直接的に製作資金を集める等、新しいアニメビジネスとしても注目される。

『真のアニメファン』なら、今後最も注目しなければならないアニメの1つである。

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●あらすじ
小さい頃に見た魔法ショーで魔法の虜になってしまったアッコは、期待を胸にヨーロッパの魔法学校に入学するが、
魔法ショーのド派手でワクワクなイメージとは違い、実際は退屈で眠たい授業ばかり・・・
しかしそんなある日、学校で思わぬ大事件が発生してしまう。
思いがけず事件解決の鍵となってしまったアッコは、親友のロッテとスーシィと共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

●脚本
25分と短い制約はあるが、斜に構えず、王道に書き切っている。
昨今のアニメは、伏線を立てまくり、それっぽく回収した風に見せかけて投げっぱなし等の非王道な脚本が多い印象だが、そんな時代に敢えて、クラシックなスタイルで王道を貫き、傑作足らしめたのは見事。

●映像
『元ガイナックス』と言っただけで想像出来る人は多いと思われる。
いわゆる金田的な動きなど、キャラクターがケレン味たっぷりに動きまくる作画が特徴。
それに加えて、本作ではカートゥーン的な動きがブレンドされているので、日本のアニメしか知らない人にとっては新感覚を味わえるだろう。
しかし最も注目するべきは、監督、吉成曜さんによるレイアウトの凄さ!必見。

※動画枚数約17,000枚

●楽曲
大島ミチルによるフルオーケストラ。しかもフランスでオーケストラ生収録!
25分のアニメなのに気合入れすぎでドン引きするクオリティ。

●作品の属性(ピン!と来たら是非)
魔女
カートゥーン
{netabare}ダンジョン
ミノタウロス
ドラゴン
空中戦{/netabare}

●吉成曜さんの過去の代表的な仕事
新世紀エヴァンゲリオン (1995-1996) メカ作画監督
ヴァルキリープロファイル (PS/1999) キャラクターデザイン
天元突破グレンラガン (2007) メカニックデザイン
Panty & Stocking with Garterbelt (2010) コンセプトアート コンテ・演出・作画監督・設定協力

●アニメミライとは?
2010年度から始まった文化庁若手アニメーター育成プロジェクト。
国内のアニメ制作プロダクションからオリジナルアニメーションの企画を公募し、
選考の結果選ばれた4社が、未来を担うアニメーターを育てながら、約25分の短編アニメを生み出す。

※『若手アニメーター育成』の為に行う事業なので、営利目的でないという所が重要です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

見習い魔女の魔法学校にて!

人々に魅せる魔法でショーを開くカリスマであるシャイニー・シャリオに憧れて魔法学校に入ったアッコ。
やる気と情熱は誰よりもある!だけど実力がついてきてはくれず、常に空回りしてしまいます。
私の憧れであるシャイニーもここでは「魔法の間違ったイメージを植え付ける」と忌み嫌われている。
でもアッコはめげません!頑張ってシャイニーに追いつくんだと彼女なりに精一杯取り組みます。彼女なりにね。
そんなある日、実習の最中に古代のドラゴンが蘇っちゃった!
さらに、たまたまアッコが拾った杖はなんとかつてシャイニーが使っていた杖だった!
二度と輝きが戻らないとされていたのにその杖は微かな光を灯していました。
と、なればドラゴンを倒せるのはもうアッコしかいません。がんばれアッコ!負けるなアッコ!

単純爽快な「選ばれし勇者」ストーリー。
数多の作品で使われてきたパッケージをごっそりと中身だけ変えてそのまま作ってきました。
おいおい、そんなもん何が面白いんだいと不思議に思われます。いやまあ大して面白くはないんですがw
魅力は、というか目立つ違いは、キャラクターと柔らかい作画ということになると思います。
主人公のアッコと大人しく控えめな友人ロッテ、ちょっとマッドなスゥシーの三人が基本の登場人物です。
そこでほんの少し異なった個性や人間関係を描くことで差別化があるような、ないような…
でも作画はすごく良いんですよ。動きが柔らかいし、キャラの表情もとても豊かです。
静止画はほとんどなくどの場面も細かいところまで動かし、リアルな動きを追及しています。
魔法の見せる魅力も過去どの作品と比べても落ち度はありません。
炎や魔法の矢を放つ瞬間やドラゴンの爆発シーン、箒で空を飛ぶ様子などかなりいい。
特にキャラクターはこの作品の目玉です。デフォルメもちょうど良く、線を太く濃くはっきりと描かれています。
僕はアッコのカエル顔が好きです。カエルに似てません?彼女は喜怒哀楽がはっきりしていてとても愛らしいです。
一番好きなキャラはスーシィです。スーシィとっても好きw全身のシルエットやあの独特なしゃべりがツボです。

好きなシーンはアッコがシャイニーの杖を持ってきて先生に見て見て!ってやってるとこ。
ここはちょーかわいいです!ホントかわいい!あとスーシィの毒殺シーンも好き。なかなかグロいけどw



でも、作品自体のレヴェルは僕は低いなあと思います。ほんとに面白くない。
単発的に映像にワクワクさせられることはあっても、話の流れの中に戻るとすごく味気ないです。
既視感もそうですし、いささか単純すぎるシナリオそうですし、話の流れそのものが単調であると感じます。
これはどう言ったら伝わるのかわかんないけど、場面が変わっても変わってもそこに落差がなく、
いつまでも同じものがずっと連なっている感じというか、そんな感じです(笑)
あと個人的にはアッコ役の藩さんの芝居があまり好きではありませんでした。声はアッコに合ってると思います。
ただ、ちょっとうるさいw 甲高い声自体好きではありませんし、ちょっとオーバーにやり過ぎで芝居臭いです。


表紙パケの花火をバックに立つシャイニーのかっこよさに惹かれて観てみたけれど、まあそれなりのものでした。

あでゅー。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

『魔法使い』でも『魔法少女』でもなく10割が『魔女っ子』で出来ています(キリッ 最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ

今年度のアニメミライはヲタ向けに振っていると散々言ってきましたが、今作はまさにそれの典型であり本当の意味でコアなヲタが狂喜乱舞しそうな内容の全く持って偏った作品であることを先にお詫びしておきましょうw
つまりオイラ向けです!w


最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ
これだけでも十分じゃないかなってくらい軽快な作品ですw


幼い頃に魔法ショーで見た魔法界のヒロイン『シャイニィ・シャリオ』
その魔女にそぐわぬ派手な外見と大袈裟な魔法の数々に「いつか自分もシャリオのように」と憧れた少女『アッコ』
やがて月日は経ち、理想と現実のギャップに四苦八苦し、劣等生とからかわれながらも仲間達との魔法学校での日々を一生懸命に過ごすアッコ
ある日のこと、ダンジョン探求の実地授業で危険なドラゴンが暴れ出す事件が起きる
ドラゴンの暴走から学校を守るべく、アッコと仲間達は奮闘する・・・


まずこまけぇことを言ってもしょうがない
ようつべで“公式に無料配信されてます”のでまずご自分の目でお確かめ下さい


https://www.youtube.com/watch?v=RBlqxEIJ_Cg


アニメミライ関連作品はほとんどの場合は限られたカタチでしか公開されないが、プロジェクト終了後に作品の権利は制作会社に返却されるはず
にも関わらず、これまでプロジェクトの作品はほんのわずかな数量しかソフト化されず現在では入手困難なものばかり;
今作のように無料配信されるのは大変に喜ばしいことです
今のうちに目に焼き付けておかねば、次はいつ観れるのかワカラン!w


さて、今作の監督についたのは天才アニメタ、吉成兄弟の弟である吉成曜
作ヲタならその名を知らぬであろう名アニメタでありまして、古くはテレビシリーズ『エヴァンゲリオン』の戦闘シーンの大半を
特に12話で陸上競技のように疾走する三機のエヴァは有名
近年だとやはり『グレンラガン』とか『パンスト』が記憶に残りますね
そんなスーパーアニメタの氏が遂に監督を務めることとなり、業界各所や作ヲタは歓喜に湧きました


『パンスト』でも氏が愛するカートゥーンアニメーションの要素が持ち込まれていましたが、今作は自身の監督ということで自らキャラクターをデザイン
やはりどこか70~80年代の海外アニメ作品の雰囲気を匂わせるモノで、ダークグレイッシュな色調、陰影のハッキリしたベタ塗りな色使い、大きな白目など
『フリクリ』や『トップ2』に似た要素ですよねw
これらは昨今の美少女系作品の傾向とは真逆のベクトルを向いてるのが面白いところです



そんな氏の可愛らしいキャラが、とにかく所狭しと動きまくる
細かい芝居はモチロン、魔法を使うってことで光や炎などエフェクト類もホンマ丁寧
魔法バトルの迫力はむしろスクリーンで観た方が痛感しますかな?
作画に関しちゃ言うこと無しの100点満点
メチャクチャすげぇっすよ!


個人的に推したいポイントは主人公の友人スーシィやライバル役となるダイアナさんといった濃ゅいサブキャラクターの可愛さが異常なところw
微グロな場面もあるので決して子供向けではないのですが、そこだけ割り切れば、、、というか前述の通り「ヲタ向け」に振り切ってる作品なのでご視聴の際は覚悟を決める必要アリです^q^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32
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