オシャレでロボットなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのオシャレでロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月27日の時点で一番のオシャレでロボットなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.4 1 オシャレでロボットなアニメランキング1位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (578)
2466人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

当たり前のことしか起こらない世界

喪失感とともに、バットを抱えたまま前に進めない少年。
恋人への想いにすがり、いじめを受ける少女。
川べりの街に建つ医療機器メーカーの工場。
同じ時刻に吐き出される煙は何かの狼煙のように見えた。
気怠い日常がただ過ぎていくはずだった。
ベスパに跨りベースギターを背負った
ハルハラ ハル子が来るまでは。

アニメーション製作Production I.G・GAINAX、
監督・原案:鶴巻和哉、脚本:榎戸洋司
キャラクターデザイン:貞本義行
音楽:光宗信吉、the pillows

エヴァンゲリオンを制作した後のガイナックスが
2000年にOVAとして手がけたSF青春アニメ。
クリエイターやコアなファンの間ではいまだに語り継がれる作品。
私はあにこれでキャッチしている人のレビューで初めて知った。
発表から20年近くも経って映画『フリクリ オルタナ』や
『フリクリ プログレ』が公開されたことからも、
OVAとして世に出たこの作品が、いかに幅広い人々から
支持されてきたのかが分かる。
ピロウズが海外で認知され、ライヴを行えたのも
この作品で音楽を担当したことが大きく影響した。

静かな展開は1話の序盤だけで、
ほかは全てがぶっ飛んでいる。
ギターリフが印象的なピロウズのロックがいつも流れ、
パロディやスラップスティックが展開されるなど、
クリエイターの遊び心が散りばめられている。
{netabare} バイクには轢かれるし、ギターではぶっ叩かれるし、
頭からロボットは出てくるし、人工衛星が降ってくる。 {/netabare}
エヴァンゲリオン特需のようなものがあったのか、
好きなことを好きなように作っている。

この作品を観ていると『うる星やつら』TVシリーズの
押井守時代後期の作風を思い出した。
優秀なクリエイターがどんどん集まり、
斬新なカットが次々と展開され、
『灰とダイヤモンド』や『2001年宇宙の旅』の
パロディが挿入される。子供に分かるわけがない。
また、タランティーノ監督の『キルビルVol.1』を
初めて映画館で観た時のことも頭に浮かんだ。

監督の趣味ともいえる分野を存分に押し出し、
危ういともいえる均衡を何とか保っている。
良し悪しは別にして、観ていてとても楽しい。

かと言って、過度なイメージとコメディが展開され、
そこにロックが流れるだけの
PVになっているかというとそんなことはない。
行き場のない心を抱えた少年少女を中心に据えた
青春ストーリーとして、しっかり成立させている。

平穏に見えた川べりの田舎町に起こる地球規模の災厄。
皆が色々な気持ちを抱えて生きている。
コメディの間に挟まれる詩的なイメージ。
この作品全体に流れている想いは
「振り切る」ことなのだろう。

私たちの世界では色々なことが起こるけれど、
日常は普通の顔をして、当たり前のように過ぎ去っていく。
鬱屈した心を抱えているだけでは何も変わらない。
バットを振らなきゃ話にならないのだ。
(2018年9月17日初投稿)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 64

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

レモンスカッシュ

本作はどういうアニメなのか?

・・・ええとですね、ベースギターで頭をぶん殴られたら角が生えてきて、
角から射精したようにドバっとロボットが現れてバトルする・・そんなアニメです。

意味不明である。
本作を未視聴の方に「こいつ何言ってるんだ?」と思われても仕方がないと思いますw
でも、そんなアニメなんですw

これ程レビュアー泣かせの作品もそうはありませんw
そりゃ表層面を掬えば、「スタイリッシュ」ですとか、「ぶっ飛んでます」とか、
「考えるより感じろ!」というアニメですなんてフレーズは出てきますが、
本作の本質部分を言葉にするのは困難極まりますw

本作の主人公であるナンダバ・ナオ太は小学6年生で、
やや斜に構えているところがあって、生意気なんですけど、実は純情で繊細と、
まぁこれから思春期に突入するであろう(または、もう突入している)
少年像の典型のようなキャラですw

ただ、彼を取り囲む異性の関係性は他の同年代よりも少し進んでいて、
ナオ太に何かとちょっかいを出してくる女子高生のサメジマ・マミ美だったり、
ナオ太の前に突如現れたハルハラ・ハル子(自称19歳)だったり、
ナオ太と同級生でナオ太のことを意識しているニナモリ・エリだったりに囲まれていて、
小学6年生のナオ太には少々刺激の強い環境です。

男の場合ですけど、思春期に突入する頃というのは、
異性への興味が即物的なものに変化していきます。
つまり、異性を性的な対象として求め始めるというということです。

他にも父と母の間には家族という関係以前に男女としての関係性が存在することに
気付き始めるのもこの時期ですかね。

あるいは、夏休み前に「学生の本分を忘れずに清く正しい生活を送るように」なんて
言っている先生が、ゲス不倫しているなんてことに気付くのもこの時期ですw

大人の世界の理不尽さに触れ、偽善と欺瞞を唾棄し、葛藤に苛まれる、それが思春期ですw

私は本作に、自身のバイブルである「行け!稲中卓球部」と似ている空気を感じていて、
思春期の時期に萌芽する初々しいまでの性への興味や、
この世(大人の世界)への葛藤だったりをギャグに昇華したのが「行け!稲中卓球部」ならば、
ハチャメチャなロボットバトルに昇華したのが本作かなと。

そのハチャメチャなロボットバトルを始めとする
(映像)制作に携わっているのは、錚々たる顔ぶれです。
価格.comでは、「ガイナックス全盛期の傑作」なんて宣伝文句もあるくらいですw
とにかく驚嘆の出来です。
アニメーションの文法に忠実に則った方法論を取りながらも、
そこに高密度な情報を乗せて、有無を言わさず直接視聴者の脳に叩き込むような、
ある種暴力的な映像です。
設定だとかストーリーだとかを考える暇もないテンポで、
言葉にしてしまえば荒唐無稽な事象が、
高い技術に裏打ちされた圧倒的映像で、形象化されています。
とにかく映像の訴求力が強くて、もうこちらはただただ呆然としていましたw
これが本作の「考えるより感じろ!」と言われている正体だと思います。

ところで、本作では様々な比喩が用いられていますが、
本作に登場するベースギターだったり、
バットだったりは男性器のメタファーというのは有名な説です。
その説に従うと、様々なシーンが実に興味深いんですけど、
そこはあまり考察せず、「考えるより感じろ!」ってことにしときますw

思春期の味が酸っぱいレモン味ならば、
そこに脳まで溶かすような強烈な炭酸が加わった
(本作にも登場する)レモンスカッシュこそが本作の味ですw

男ってのは、いくつになってもこの味が忘れられない馬鹿な生き物なんですよw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 34

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

驚愕の、ミラクル演出!!

Production I.Gとガイナックスによって製作された、1話30分、全6話のOVA作品。

謎の「べスパ女」ハル子に轢かれた事をきっかけにし、少年ナオ太の額から奇妙な角が生えてきた!
精神的に追い詰められたり、感情がに高まると、その角から××が!ここから驚きの調展開です!

挿入歌とテーマ曲は一部を除き全てthe pillowsが担当しており、脱力感のある絵と、ロックでクールなBGMのギャップが印象的。
脚本が榎戸洋司なだけあり、「少女革命ウテナ」のような、後半の凄まじい引き付け力には驚かされます。

何よりもこの作品の魅力は、他作品とは類を見ないほどの破天荒演出!!
登場人物から作画から何から何まで、かなりぶっ飛んでます!!
この疾走感を言葉で説明することは不可能!!見る物を選ぶ作品ではあるが、一度体験したら病み付きになること間違いなしです!
また、ハチャメチャな展開の裏に描かれた、シリアスで切ないストーリーも見所・・・。ハル子の男前な性格や、ナオ太のへたれっぷりも素敵です!

とりあえず、まずはご覧ください♪

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

62.6 2 オシャレでロボットなアニメランキング2位
GAD GUARD ガドガード(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (44)
312人が棚に入れました
『GAD GUARD』(ガドガード)は、2003年4月から9月までフジテレビで放送されたゴンゾ・ディジメーション制作のロボットアニメ。
【ストーリー】今から数百年後の地球。ユニットブルーと呼ばれる未来の街。そこには夜になると電力を失い暗闇に包まれるナイトタウンと呼ばれる街があった。
ナイトタウンに住む少年、真田ハジキはハチスカ運送で運び屋のバイトをしながら日々を暮らしていた。ある日、ハジキは高値で取引されている謎の物質 “GAD”に接触する。すると“GAD”は周りのスクラップを巻き込み、巨大な人型メカ”鉄鋼人ライトニング”へと姿を変えた。その時から、ハジキの周りにさまざまな鉄鋼人を持つ人が現れ…。

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

人が夢を見るといふ事

舞台は近未来。事故で父親を亡くした主人公ハジキは、母と妹と共に貧しい生活をしていたが、偶然手にしたGADが鉄鋼人に変化し操れるようになる。鉄鋼人を手に入れた若者たちはその力をどう使うか、鉄鋼人とは自分たちにとっての何なのか、絡み合う人間関係と鉄鋼人の謎、若者たちの群像劇。

色々と不遇の作品なのであまり評価はされていないようですが、私が見てきた名作迷作盛りだくさんGONZO作品の中でも最も輝いていた作品でした。まぁロボットアニメとしてはバトルもパッとしないし、そもそも敵と言える存在がいるかどうかも微妙なので評価は難しいと思いますが、青春群像劇という面では素晴らしい作品だったと思います。目的も見えず彷徨い自分の心に嘘をついたりする青春期のどこかナイーブなところを描ききったところを高く評価したい。

キャラは言動・行動に一貫性が無かったり、「なんとなく」「分からない」感じで動いてる事がとても多いのですが、つまりはそういうお年頃なのです。ロボットを手に入れた事で徐々に変化していき、おぼろげだった各々の想いの輪郭が浮かび上がっていき絡み合っていく。鉄鋼人の謎の落としどころも上手い。ロボット&青春群像劇という組み合わせが良い具合に融合しているんじゃねーかなーと思います。

あとPE'Zの音楽もこの作品独特の魅力を感じさせる素晴らしいものでした。
まぁちょっとオシャレに作りすぎだろーとか思うところはあるんですけど、案外内容もしっかりしてるので許してあげてくださいw

ラストも綺麗に纏まっていてなかなか感動的ですよ。
当時途中までしか放送されなかったので最後まで見てる人はあんまりいないと思いますが、途中退屈でもラストまで見れば満足できると思います。最終回で「人が夢を見るといふ事」が流れた時、この作品は最終回のためにいくつも丁寧に話を積み上げてきた事が改めて分かり、ぐっと評価がはね上がりました。
若者達のほんの少しの前進と家族の物語なんて言ってしまうとありきたりですが、青臭いながらも青春とロマンに溢れた秀作です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

k-papa さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

いい作品なのに放送時無理やり切られた嫌な思い出が・・・。

この当時のフジTVは酷かったですね。
深夜アニメの扱いがぞんざいで最終回になる前に
あっさり放送打ち切り。
泣く泣くDVDがリリーズされて最終回まで見れました。

主人公の何処となく世間に絶望した姿や
世界全体も収束感のある所はまるで現在のようです。

石から発生するロボットの謎がさらに宇宙まで広がって
いく展開が実に良いです。

そしてヒロインの嵐の魅力もなかなかです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ジャジーな哀愁

あにこれのレビューの数あんまりないので、一応まず作品概要紹介。

ジャジーなやや退廃的な、ニューヨーク風の街、そこで生きる生きる少年たちと、謎のエネルギー体Gad、Gadから生まれる自立ロボ、テッコードの話。全2クール。
テーマの主題は、青春群像かな。そして街で生きる人々の営みが結構大事にされている。
ロボバトルといって、宇宙で巨大ロボが大暴れということはない。

個人的にはプリンセスチュチュと相対する作品なような感じもする。
あっちが、クラシック、メルヘン路線で、こっちは、ジャズと退廃のアングラな街の話だ。
そして両者の共通点は、主人公らが、少年少女であり、子供向けじみたものと、製作者の大人のこだわりが混ざり合っている点である。
プリンセスチュチュが少女向けアニメのような枠組みを保っているのと同様、こちらは、ポケモンとかビーダマン的な少年向けアニメの枠組みを多少持っていると思う。(しかし、この作品は同時に明らかに子供向けには作っていないのだが。)


個人的にはキャラクターデザインは最初いただけないな、と思った。(特にヒロイン。)
服装とかは良いし大人のキャラはいいんだけど、、、。顔の描き方がね。


さて、この作品の特筆すべき点は、街の設定や、雰囲気づくりの完成度だと思う。
背景とかちょっとした演出が素晴らしい。これは、1話で特に如実だが、全編を通しての特徴である。
"ミチコとハッチン"や、"レッドガーデン"などの雰囲気が好きなら、結構刺さると思う。

良い点は、全2クールあることもあり、大きな話の動かし方はせず、1,2話完結の話で進行すること。それでいて、一つのことの繰り返しに終始するのでなく、舞台を移りかえて行くこと、だろうか。
最初はテッコードに出会った少年たちの話になるのだが、後半3分の1くらいは、旅の、ロードムービーみたいな話になる。話がどこに進むのかわからないような感覚があって良い。

難点は、あげるとすれば脚本が惜しい感じなことがちょいちょいあるということだ。話の大まかな方向性は好きなのだが、登場人物の行動原理が明らかに変だったり、説明不足だったり、言葉が叫ぶだけで意味をなしていなかったり、持って生き方がいただけない時がある。
なんと言うか、あるシーンを描くために犠牲になってるシーンや要素があるというか。

特に最終回のあたりは、顕著で、いや、悪くないんだけど、十分な"読後感"は、与えられないような感じがある。それが惜しいところ。いや別に最終回、ひどい訳ではないし、いいな、と思えるポイントもかなり多いんだけどね。


評価は難しいが、確実に尖った見る価値のあるアニメだと思う。
アニメで人間味とか、雰囲気が好きなら推薦。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3
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