クラシック音楽で学園なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のクラシック音楽で学園な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月22日の時点で一番のクラシック音楽で学園なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.3 1 クラシック音楽で学園なアニメランキング1位
スーパーカブ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (480)
1365人が棚に入れました
山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、ある日中古のスーパーカブを手に入れる。初めてのバイク通学。ガス欠。寄り道。それだけのことが新鮮で、ちょっと冒険した気分。仄かな変化に満足する小熊に、バイクは人とのつながりも生み出していく。小熊と同じ、バイク乗りの少女・礼子や、バイクに乗って変わっていく小熊に憧れる少女・椎。小熊の世界は少しずつ、広がっていく。友達と一緒の昼ご飯。当てもなく寄り道する放課後。バイクでしかできないアルバイト。そして、これからもバイクと生きていくために少女が選ぶ進路。

声優・キャラクター
夜道雪、七瀬彩夏、日岡なつみ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

本作が第6話を機に炎上?している理由を細かく解説します

山梨県北杜市を舞台に、両親も友達もお金も趣味もない高校2年の少女、小熊ちゃんが1台の【ホンダ スーパーカブ】と出会ったことをキッカケに彼女の世界が少しずつ開けていく様を描く全12話の青春ドラマ
原作はカクヨムを発端とするトネ・コーケン先生の同名の小説
本作の第6話がプチ炎上騒ぎとなってしまった件について、細かく解説させて頂きます


修学旅行を楽しみにしていた小熊ちゃんですが急な発熱で欠席せざるを得なくなるも、すぐに体調は回復
バスで先に出発した学校側には相談せず、愛車のカブで追走
そして宿泊先の鎌倉に乗り付けてしまいます
当然先生からは厳重注意を受けるも、小熊ちゃんとカブをキッカケに友人となった礼子は用意周到にもヘルメットとタンデムステップを取り出し、憧れていた鎌倉湘南の海岸線沿いを通る国道134号線を小熊ちゃんのカブに2人乗りして走る、というちょっと不良染みた行いを提案するのです


修学旅行に原付バイクで乗り付けたり、そこからさらに抜け出して2人だけの自由行動を取る、というだけで十分常識からは逸脱した行動なのですが、問題は小熊ちゃんが運転して2人乗りをした、という事実です


この話の冒頭で本来のエンジン排気量が49㏄である小熊ちゃんの愛車は、52㏄へと改造が施され、原付一種から原付二種に登録変更をした、という旨が語られています
ナンバープレートも白から黄色に変わっている等、細かい点も再現されています
原付二種になった事のメリットの1つとして、2人乗りも可能になります
ですので車両の点では問題は無い様に見受けられます


ですが2人乗りをする為には“免許取得後1年以上”という条件が実はあるのです
免許取得の為のテストにも出ますし、教習所でも教えてくれます
小熊ちゃんが普通自動二輪の免許を取得したのはこの改造の直前、という事でかなり甘く推察してもせいぜい数ヶ月しか経過していなく
「これは道路交通法違反だ」
と指摘する視聴者も少なからずいたわけです


この案件に関して
「フィクションの中で描かれている事なので騒ぎ立てる必要はない」
と作品側を擁護する意見もあれば
「非日常や異世界を舞台にしたものならともかく、現代劇で堂々と法を無視するのは如何なものか?」
と否定的な意見もあり、正に賛否両論です
ネットニュースで取り上げられたり、便乗する形でワイドショーでも紹介される等、作品側にしてみれば不本意な広まり方で話題になってしまいました


正直、白昼堂々と黄色ナンバーで2人乗りをしている女子高生をわざわざ呼び止めて免許を確認する警察官などいないでしょう
ですから“捕まりはしない”という確証は小熊ちゃんと礼子にはあったと思います


肯定派も否定派も各々の言い分にちゃんと正当性があると思いますが、ちょっと別目線で何故これほどまでに本作が波紋を生んでしまっているのか?
について3つほど持論があるのでそれをご説明します


①【アニメ側の説明不足】
実は原作小説では小熊ちゃんが2人乗りに関して道交法違反になる事を認識していて、2人乗りを渋る一節があります
この時の礼子はこの1話手前のお話で愛車を失ってしまっており、そんな礼子を慰める為に違反を承知で2人乗りをしよう、と決意する小熊ちゃんの葛藤が描写されるのです
ところがアニメではそんな小熊ちゃんの迷いは特に描かれませんでした
主観で描かれる原作小説に対して、アニメ版ではモノローグを各話の冒頭と末尾に絞り、空気感やテンポ感を大切する構成を強調しています
この第6話のクライマックスとなるシークエンスにおいてテンポが大事と取るか、安牌として野暮でも説明台詞を入れるか、と考えて前者を取ったのが本作というわけです
あえてあそこで説明を入れておけば・・・100歩譲って9話のノンアルコールカクテルのくだりの様にテロップで注釈を入れていれば・・・批判意見の態度もまた違っていたと思います


②【本作をほんわか美少女日常系アニメと認識している視聴者が多過ぎる】
正直、本作は流行の日常系アニメとは違います
確かに表面上だけなぞればそーゆー類の作品にも観えなくもないですが、物語を深く読み込めば読み込むほど本作の登場人物は所謂“アウトロー”であることが理解できます
小熊ちゃんはそもそも友達が全くいませんでしたし、礼子はコミュ力があるだけでその実は自分とカブ以外に興味が無いというかなりの変人です
そんな2人の変わり者の非常識な青春が描かれるのが本作なのです
もしこの物語が女子高生2人組ではなく『特攻の拓』とか『あいつとララバイ』だったら誰もが笑って許した事でしょう
実はトネ先生の原作小説に限らず、片岡義男作品にしろ山田深夜作品にしろ、バイクに乗っている若者というのは“多少のハミ出し者”として描かれる傾向にあります
トネ先生もそんな伝統的な“不良の青春”を描きたかったのだと思います
そう考えると小熊ちゃんや礼子がいくらエキセントリックな行動を取ったとしても納得がいくでしょう
彼女達は法を破る事への後ろめたさは感じていても、周りの目などは気にしていないのです
ですがその点が多くの視聴者には伝わっていない、誤解を受けているというのが現状だと思います


③【原作者トネ先生の執拗なコダワリに違和感を覚える人も多い】
どんな作品でもアンチとは出てくるものですが尖っている作品であれば尚更の事です
正直に言って本作、物語そのものの魅力は別にして、トネ先生のコダワリが強過ぎて一部でアンチ化してしまった視聴者もいると感じてます
例えば第1話でバイク屋のお爺さん(シノさん)から曰く付きのカブを1万円で購入する小熊ちゃん
ですが、ヘルメットとグローブを持っていない事を見兼ねたシノさんがキャンペーンの品だとアライヘルメットのクラシックヘルメットとグリップスワニーの本革グローブをプレゼントしてくれます
本来は新車を購入した人を対象にしたキャンペーン・・・であるのにシノさんの過剰なサービス心が施した事であるのは言うまでもないです
ですが2つ合わせて新品で3~4万円もするハッキリ言って高価な品です
1万円のカブに乗る貧乏学生にはどう考えてもオーバースペック
これはトネ先生が登場人物の扱うプロップ(小物、アイテム)には自身が認める一流品を使ってもらい、作品を通してその逸品の素晴らしさを伝えたいとお考えだからです
先述のヘルメットとグローブの様に原作で細かく描写される品はもちろん、アニメ化に当たってかなり細かく実在の品がプロップとしてトネ先生から直接の指定されてるようです
アニメ化に全く口を挟まない原作者もいる一方で、トネ先生はとにかく自身で細かく設定したがる方という事なんですね
問題は貧乏学生の話なのか高級品の性能をアピールしたい作品なのかブレてしまっているという事です
例えば『ゆるキャン』という作品ならば女子高生なのでお金が無い、お金が無いなら無いなりに何か工夫をしてみよう、という話になったりするのですが本作はそういう方向へは話を広げません
トンデモナイ高級品がひょっこり出てきてなんやかんやで手に入ってしまいます
コダワリもここまで来ると考え方に隔たりを覚えてしまい、作品への没入感を阻害されてしまって結果的に、ではありますがアンチ化してしまった人もいると思います
特にバイク界隈に詳しい人ほど本作への評価は分かれているようです
オイラもシノさんが「100km走ったらオイル交換に来い」と言ったのには耳を疑いましたね
本来は最初のエンジンオイル交換って1000kmまでしなくて良いんです
メンテナンスサイクルってプロでも意見が分かれるところなんですが、本作はカブの産みの親である本田技研の監修もちゃんと入っています
それにも関わらず本田技研がやらなくて良い、と言ってる過剰なメンテをしているわけです
少し話が逸れましたがこういったトネ先生自身のコダワリで没入感を削がれてしまった人ほどアンチ化して否定的な意見を飛ばしてるようにも感じます


とまあ以上の3つの点から解るのは本作がとても“尖った作品”だという事です
先鋭化した作品であればあるほど賛否が別れるのは致し方ない事ですが、そこに火種となる第6話の2人乗りの案件が投下されてしまったというわけで、プチ炎上は起こるべくして起こった、とオイラには受け取れるんですね


ちなみにそんな騒ぎなど些細な事だとも言うように第10話では(私有地の中とはいえ)ノーヘル走行をしたり、第11話では(救命措置とはいえ)前カゴに人を乗せて走ったり、どんどん小熊ちゃん達の行動は過激になっていきます


つまり“付いて来れる人だけ付いて来い”というのが本作の最もたるところなのでしょう
本作の終盤では人畜無害を形にしたような少女、椎ちゃんが“不良に憧れる少女”のポジションとして登場し、アウトローな小熊ちゃんと礼子に少しずつ惹かれていきます
果たして椎ちゃんはこの無茶な2人に付いて行くのか否か?
そんなところに着地するのが面白いのです

投稿 : 2024/05/18
♥ : 34
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

この空気感、好き・・でした

[2021.6.24]
最終話見終わりました。(簡単な感想は一番下に・・)
5話以降の展開については、原作どおりみたいなので仕方ないのかも。
初盤のあの空気感はアニメならではの演出の成果だと思うので、アニメの出来は悪くないと思います。
結果論になっちゃいますけど、4話までの話を再構成して、親の話や免許取得の話などアニメで語られなかった部分を追加したりして映画化したほうが良い作品になった気がします。
・・あ、でもそれだと椎ちゃんの出番が。。

[2021.6.11]
4話までの感じが凄く好きだったんですが、最近のお話はあまりそれが感じられなくなってきたのがちょっと残念です。
突飛なのはいらなくて、もっと地味なお話でいいから小熊さんの小さな冒険を描いてくれると良かったんだけど。。

[2021.4.8初投稿]
ラノベが原作のようですが、未読です。
PV見たときも感じたけど、絵と音がすごくいい!

バイクのアニメなのに、とても静かでひんやりした空気感を感じます。
この空気感、好きだな。

劇中曲にクラシックを使ってるところも、雰囲気にあってると思いました。
ドビュッシーやリストなどいいですね。
ほかのピアノなどの劇伴も良かったです。

主人公の小熊さんは、かわいいけどおとなしくて地味な感じ。
両親も友達もお金も将来の夢もない女の子みたいだけど・・

彼女がスーパーカブと出会って物語がどう動き始めるのか、バイクというものに一度も乗ったことのない私も一緒にドキドキしながら見ていきたいと思います。

以下、各話の感想です♪

【1話 ないないの女の子】
{netabare} 中古のバイクが1万円!?・・と思ったらいわく付きのバイクみたい。。
バイク屋のご主人、いい人すぎ。
・・いきなり原付免許とったシーンに飛んでたけど、この辺はもう少し丁寧に描いて欲しかったかな。
バイクのエンジンを初めてかけた気持ち。
自分のバイクを見てニヤニヤする気持ち。
エンジンがかからなくて焦る気持ち。
バイクに乗ったことないけど、小熊さんの気持ち、わかる気がする。
夜のドライブにドビュッシーの「月の光」。ひんやりした夜の空気が伝わってきます。
うん。これいいわ。この空気感のまま最後まで突っ走ってほしいな。{/netabare}

【2話 礼子】
{netabare} アニメっぽくない作品だなって2話見ててあらためて思いました。
みんな黒髪だし、テンション高い話し方じゃないし、友達同士の会話もそっけないし・・
でもなぜかそういうところが好きだったりしてます。
すごーく地味な展開なのに、なぜか飽きないし面白いです。
礼子のバイク、改造バイクとかお金かかってそうだけどお嬢様なのかな?
どこまでも遠くに行けるよ、と礼子に言われて、ちょっとした「冒険」に出かける小熊さん。
ラストのニヤ顔が楽しそうで良かった♪
相変わらず、絵や音関係は丁寧ですね。バイクの音とかリアルっぽい。
EDもいい感じでした。{/netabare}

【3話 もらったもの】
{netabare}だいぶカブに慣れてきた小熊さん。
色々とパーツが欲しくなって礼子の助けももらいながら揃えていきます。
無口な子だけどきちんとお礼の挨拶できるのね。えらいな。
相変わらずのにやけ顔がいいね。
リストの愛の夢が流れながら今までの出来事が流れるラスト。
いい最終回でした!←ちがいますw
次回あたりで何か面白いことが起こればいいな・・って贅沢すぎ?{/netabare}

【4話 アルバイト】
{netabare}夏休み。礼子とどこかに出かけるのかなって思ったけど、別々なんだね。
でも確かにお金がないとどこにも出かけられないし、バイトは正解かも。
バイト代でレインコートを買って、雨の中 にやけながらの運転。
そして雨に向かってぼそっとつぶやく「ざまあみろ」。
よりもいとはまた違うざまあみろだけど、これも良かった♡
自分でバイクのオイル交換が出来て、鏡の前でヨシッのポーズを取ったり。
小熊さん、最初の頃に比べて表情が豊かになってきましたね♪
バイクのイスをぽんぽんするしぐさもいいな。
どんどん出来ることが増えていって、とても楽しそうで、見てる私もにやけちゃいます(#^.^#)
特別な何かがあるわけじゃないけど、丁寧に描かれていて不思議な魅力のある作品です。{/netabare}

【5話 礼子の夏】
{netabare}礼子が夏休みにある「挑戦」をした話。
なんか今回の雰囲気がいつもと違うような・・
小熊さんが「小さな冒険」をしながら、少しずつ世界が広がっていくところが好きだったので
番外編を見てる感じでした。
この作品にはこういうアクロバット的なお話は合わない気がします。{/netabare}

【6話 私のカブ】
{netabare}だんだん小熊さんの性格が分かってきた気がする。
色々と自分に素直な子ですねw
「このくらいで勘弁してあげる」の表情が楽しそうで良かった。
バスと同時にカブで着いたりとかwタイミング良過ぎて笑ったw
あれ絶対カブで来たいから仮病使ったと思われそう。
先生に怒られたのに、普通に礼子と二人乗りして出かけたり。
以外とメンタル強い子かも。鎌倉まで追っかけてくるくらいだしね。
次回は3人目の子が登場しそう。。{/netabare}

【7話 夏空の色、水色の少女】
{netabare}{netabare}季節は秋になり文化祭の準備が始まる。
小熊さんと礼子はバイク以外のことにはあまり関心ないみたい。
でも原付じゃムリだって言葉が許せなくて文化祭で使う備品の運搬を”手伝ってあげる”ことにした小熊さん。
小熊さん、すっかりベテランカブ乗りみたいな感じになっちゃいましたね。
初々しかった頃の小熊さんが懐かしい。。
「思わず巻き込まれてしまった文化祭」ってどゆことw{/netabare}
↑最初に感じたまま書いた感想です。
他のレビュアーさんの感想を読んでなるほどーって思いました。
カブと出会うまでの小熊さんってないないの女の子で、どこか諦めの気持ちがあって日々をただ無意味に過ごしてて、だから他人との関わりも関係ないって達観したような感じでずっと生きてきたんだろうなってあらためて1~2話を見直して感じました。
2話で礼子に話しかけられて、久しくこんなことは無かったからどうしていいかわからなくて逃げてしまったし。
そう考えるとちょっと上から目線のような話し方も、巻き込まれた発言もなんとなく理解できます。
カブをきっかけに他のみんなと不器用な感じだけど自分から話しかけて関われるようになったのは小熊さんの成長なのでしょうね。{/netabare}

【8話 椎の場所】
{netabare}前回顔なじみになった椎ちゃんにお礼にと自宅のカフェ「ブール」に誘われる二人。
椎ちゃん家ってお店と自宅いっしょだとしても、すごく大きい家なのね。
モールトンを娘に買い与えるとか、趣味でやってるようなカフェとか、結構裕福なのかなー。
コナコーヒーって最初粉コーヒーだと思って、カフェでインスタント!?って思ったらハワイでしか採れない希少コーヒーなんですね(-.-)
私は濃いめのコーヒーって苦手で、もっぱらアメリカンで飲んでます。。
寒さ対策に購入した大きい手袋みたいなの、おしゃれではないけど、すごくあったかそう(#^.^#)
周りを気にせず自分たちのスタイルを追求する小熊さんたち、いいと思います♡{/netabare}

【9話 氷の中】
{netabare}アブラッシブウールって貴重品らしいけどお値段ってどのくらいなんだろ?って思って調べてみたら、いいお値段してました。。
椎ちゃんこんないいものをあげるなんていい子すぎ。
小熊さん、ぶっきらぼうなのはいいんだけど、もらっておいて、椎ちゃんに「さっそく作って」はないでしょw
あと、椎ちゃんが小熊さんたちにカフェに誘ったりするんだけど、そっけなくされるのもちょっとかわいそうかも。{/netabare}

【10話 雪】
{netabare}雪の中、礼子に誘われてバイクで遊ぶ小熊さんたち。
青春してるなぁ~って思うけど、私が4話あたりまで「これ好きだわぁ」って感じていたものが最近のお話ではあまりなくなっちゃったのがちょっと残念かな。。
他のレビュアーさんが言ってた、バイクとJKが好きなおじさんが描いた理想のお話ってのも分かる気がするw
終盤、椎ちゃんが大変なことになっちゃったけど大丈夫かちょっと心配ですね。{/netabare}

【11話 遠い春】
{netabare}警察に連絡しないで小熊さん1人で助けに行ったのは二次災害になるし危ないなーと思ってみてたけど・・
とりあえず、椎ちゃんが無事でよかった・・
小熊さんが料理するの初めてみたかも。カレーうどん美味しそう♡
でも、モールトンのフレームがぐちゃくちゃになってしまって、もう乗ることはできないみたい。
そっか。モールトンに追い抜かれたことがカブへのきっかけだったんだ。
椎ちゃんもカブに乗ってる小熊さんたちにあこがれみたいなものを感じてたのかな。
次回、桜前線に逢いに鹿児島に行くのでしょうか?
普通は原付でムリって思うけど、この作品は何でも出来ちゃう気がしてます。。{/netabare}

【12話 スーパーカブ】
{netabare}桜前線に逢いに鹿児島あたりまでカブの旅をする小熊さんたち。
椎ちゃんは礼子のカブに同乗。
経験ないので想像だけど、原付ってスピード出ないしあんな長い距離走ったらかなり疲れそう(・A・)
特に椎ちゃんはずっとしがみついてるからかなり大変じゃないのかな?
小熊さんのぼそっとしたぶっきらぼうなしゃべり方って、小熊さんをバイク好きなおじさんに置き換えるとしっくりくるかも。
旅が終わり、椎ちゃんもついにカブ仲間に!椎ちゃんカブ、色とかかわいい♡
なんとなく2期はないような気がしますけど、これ見てバイクに興味をもった方もいたかもしれないですね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 58

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「この味は、引き出し昆布の技法を知らなくては出せん味だ!」。引き算の手本の1話以降はまぁまぁぁな。

 最後まで見たが、途中の段階で思ってた通り、驚異的な1話以降のそれほどの喜びはなかった…という印象。要素が増えることが必ずしもプラスになるとは限らないという貴重な教訓を得られた。椎ちゃんは嫌いじゃないが、礼子のような存在感を感じられなかった。日常系ではあるが、小熊ちゃんも礼子も男前というか全く動じずに自分の道を征く姿が実にええ。


 炎上した件については、書くのもアホらしいのであんまり書きたくもないが、「うるせぇ、バカ!」なメル・ギブソン方式でいいと思う。さらに、「クズ=法の奴隷、言葉の自動機械、損得マシーン」が急増しているという宮台さんの見解の証拠としては意味があるかな。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 51

64.6 2 クラシック音楽で学園なアニメランキング2位
金色のコルダ~Primo Passo~(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (168)
1106人が棚に入れました
星奏学院は音楽科と普通科が併設された伝統ある高校。普通科2年生の日野香穂子は、ある日、学院に住む音楽の妖精・リリに見出され「魔法のヴァイオリン」を託されてしまった。魔法のヴァイオリンを手に権威ある学内コンクールに挑む事になった香穂子だが、コンクール参加者は、音楽科のエリートばかり。香穂子を取りまく恋、友情、そしてコンクールの行方は…。(公式HPより)

ベキオの姉 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

逆ハーレムってだけじゃない!w

楽器を習ったことは残念ながらありませんが、
演奏する大切さや真剣な思いで何かをすることの重要さを
気づかされる作品でした

設定は逆ハーレムですが、
ストーリーが思っていた以上にヒューマンドラマというか、
一人一人のキャラクターの心理がわかって
とても興味深い作品だと思いました

全25話と結構長めの作品ですが、
長さを感じさせないストーリーラインと聞き覚えのあるクラッシック音楽で
あっという間でした

個人的に、
音楽や楽器をメインにしたアニメ作品は
自分が音楽関係に何らかの形でかかわってないと
見ていてわからないのかな?とさけていた部分があったのですが、
この作品を見て、
「音楽知識ゼロでも( ;∀;)大丈夫そうだ!w」と
安心しました。


※スペシャルは必見w
男子生徒がめっちゃ押してるシナリオになってます

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1

rei@低浮上 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

王道逆ハーレム

ちょっと古い作品と言うこともあってかちょっと作画はあまり綺麗では無かったですが
それ以外の展開は良くある少女漫画みたいな感じで面白かったです。(原作未プレイです)
キャラも一人一人の個性がしっかりしていて、
髪の色も全員違ったので分かりやすいです。
原作が乙女ゲームなので「主人公がモテる?」感が嫌な人にはおすすめできません。
あと、主人公が最初チートですww
主人公は何かと特別な存在ですね。
私は平凡より特別な方が好きなのでバリバリOKでしたが。
Q.女性向け?どうせイケメンばっかなんでしょ?
A.いえいえ、女子キャラも結構出てきます。
主人公の性格も非常に好感が持ちやすいです。
頑張り屋さんです。
必要以上にw
色々といい人なので(主人公が)、たまに苛々しましたがw
又、キャラクターたちの演奏シーンの生演奏は本当に良かったです。
クラシックを非常に身近に感じさせるアニメだったかな。
音楽好きな人は是非見てみて下さい。
音楽に興味ない人でも大丈夫です。
主人公も無知なので一緒に知識増やせますw
(↑私!)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 7

おつかレイア さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

何度も繰り返し観てしまう。

原作はコーエーから発売されている有名乙女ゲームです。

私は「金色のコルダ」「金色のコルダ2」をプレイ済みで、漫画化しているのを知らずアニメから入りましたが、あの原作のあるかないかわからないストーリーをよくここまで消化したなという印象です。キャラの特性やテーマをわかりやすく盛り込みつつ、それぞれの音楽との向き合い方や成長のストーリーをオリジナルのエピソードや設定を交えながら非常に上手く描かれています。恋愛ものというより青春ものといった感じです。

ある日妖精を見てしまったことから学内音楽コンクールに出場することになってしまった普通科の主人公・香穂子が、魔法のヴァイオリンの助けを借りて初めて音楽の世界に足を踏み入れることになる。初めは右も左もわからず戸惑うも、コンクールに関わるうち次第にヴァイオリンに魅せられ、何よりも音楽を愛するようになるその過程と、それ故の苦悩と葛藤…このあたりが一番の見どころでしょうか。
クラシック音楽というひとつのジャンルを通し、憧れ、努力、情熱、友情といったかけがえのないものを得るという、まさに青春物語の王道といえます。(ライバルと切磋琢磨の要素がもっとあればより面白かったかな?)
主人公・香穂子のキャラクターも、ゲームでは無個性(ドラクエのようにしゃべらない)だったのがほどよく味付けされていて、嫌味なくバランスのよい可愛らしさになっていると思います。

ただ漫画ほどではないですが、最終的にみんなが香穂子を好き好き逆ハーレム状態になるので、これをほくほくととるかウンザリととるかは人によるかと。メインヒーローとがっつりくっつくような恋愛模様は見られませんので、恋愛ものを期待されてる方はご注意を。学生らしい甘ずっぱいドキドキは十分に堪能できます。音を合わせるというだけの行為が、直接的なスキンシップよりよっぽどロマンチックであることを知りました。

しかしこの作品の醍醐味はなんといってもやはり『音楽』でしょう。劇中で流れるプロの奏者による素晴らしい生演奏は聞きごたえ十分。
基本的には女性向けですが、男女問わず音楽好きな方に是非観てもらいたい作品です。クラシック音楽がますます好きになります。
ちなみに私はこれの影響でヴァイオリンを習い始めました(笑)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

65.4 3 クラシック音楽で学園なアニメランキング3位
グラスリップ(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (1164)
5334人が棚に入れました
ガラス工房を営む一家の娘・深水透子は、友人の家にあるカフェ「カゼミチ」を友人たちとの憩いの場所にしている。高校3年の夏休み、彼女たちの前に現れた転校生の少年・沖倉 駆は、透子に、自分には未来の声が聴こえると語りかける。もし、あらかじめ未来を知ることができるのなら、自分は何を望むのだろう? 感じたことのない動揺を覚えながらも、透子は胸の中に、放っておけない感情が生まれていることに気が付く...。

声優・キャラクター
深川芹亜、早見沙織、種田梨沙、逢坂良太、島﨑信長、山下大輝、東山奈央、茅野愛衣
ネタバレ

アガパンサス さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

グラスリップ解説最新版・分かりました

ネット上では「分からない」としか言われていない本作品。
いくつかの話をピックアップして見ていこう。ただし最終回の伏線になっているところは途中でも解説してしまうので、一通り観てからこのレビューを読んでくださいです・・・

1話のポイント
{netabare}
1話は最終話への伏線が沢山あるので重要。
・ヤナが「先のことは分からない」と言うが、透子は「ずっと友達でいたい」と言う。
→ヤナの「不吉な」セリフが、話数の進行に伴い、従来の友達関係が壊れていくことの伏線になっている。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→このとき、目をつぶって手を合わせている点に注目。最終話で同じセリフが言われるが、その時は手を合わせないし目をつぶることもない。より前向きになっていることが分かる。つまり、1話の時点で、透子は未来を他人任せというか「なんとなく」しか意識していなかったが、最終話で「はっきりと」意識して「自分で切り開く」ことを決心したのだと言えるだろう。
・ジョナサンが浮いている。残りの名前にフッサールとか出てくる
→間違いなく、「浮いている」ジョナサンとカケルが対応している。
→最終話でユキが「ジョナサンは冒険者だが、残りの名前はみんな哲学者だよな」と言うのに注目。
・透子は「放し飼いがいい」と言うが、カケルは「猫に襲われるだろ」と言う
→自由がいいか、守られているけれど不自由なのがいいか?とも解釈できる。カケルが自分自身の殻にこもっている証拠ともいえる。これを補足するものとして、透子の家でジョナサンが暴れまわるが、これは自由への欲求とも受け取れる。
{/netabare}
2話のポイント
{netabare}
・カケルは透子と会って、初めて映像と声の両方が合わさった欠片を見た。
→カケルは音の欠片を聞き、透子は映像の欠片を見ている
・透子が4人の友達から離れて電車がドン!な欠片
→これは、4人が死ぬという意味ではない。この時点でも想像はできるが、12話で透子が「私がみんなと過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことによって、はっきりと伏線が回収される。つまり透子は4人と親しい友達でいるつもりだったが、それは表面的なもので、実は透子自身は浮いた存在であり、次第にそれが明らかになっていく、ということ。今後の話で、まさにこの映像のようなストーリー展開がなされていく。
・ユキとヤナの恋愛感情が露呈して、5人の友達関係が崩れていく
→カケルは5人にとって「部外者」。しかし部外者の登場によって5人の表面的な関係が崩れていくのである。
{/netabare}
3~6話は、あまり重要ではない。未来の欠片をめぐって視聴者はじらされる。その中で、次第に5人の中の恋愛感情が育っていく回だとみておけば、大きな間違いではないだろう。一応5、6話だけ少し。
5話のポイント
{netabare}
・ヒロの恋愛感情がサチに向いている
・ヤナがユキに棒読みな告白をする
→これで5人の友達関係は完全に崩れてしまった。5人の人間関係はヤナが1話で予言したように「変わって」しまったのである。
{/netabare}
6話のポイント
血なまぐさいケンカがあるが、それ自体はあまり重要ではない
{netabare}
・透子がカケルとのキスシーンの欠片を見る
・カケルが「透子に味方してほしかったのかな」と言う
→透子とダビデの心理的な距離は近づきつつある
{/netabare}
7話のポイント
未来の欠片の正体が判明したり、カケルの今までの人生がどういうものだったかが明確になる非常に重要な回である。
{netabare}
・3人のカケル
→カケルは常に自分を冷めた目、つまり第三者的な目で見ている。これはすべてのことについてもそうである。
・テント暮らしの象徴するもの
→カケルは常に世界の「外」にいる。透子達5人に対しても、輪に入ることはなく「外側」にいようとする。
・透子が「高いところに登っちゃダメ」と言うが、カケルは「少しでも落ちる可能性のある所には登れない」と言う
→カケルは「挫折に対する恐怖」を感じている。だから何事も夢中になることがなく、冷めた目で外から見つめている。このことが、1話で透子に「そんなのお前の価値観でしかないだろ」というセリフにつながる。つまりカケルにとって「価値観」はすべて相対化されており、「カケル自身が何をしたいのか」という部分が気持ちの中に全くないのである。
・最後の砂浜でのシーン。ヤナの後ろ姿から鳥(後にトビと判明する)が沢山飛び出してきて「お似合いカップル」と憎らしくつぶやく「映像と声があわさった欠片」を透子が見る
→「未来の欠片」は、タイムマシン的なイメージで捉えた未来の予測ではなく、その人が抱えていたり自分が遭遇している現実に隠された「本質的なもの」と考えられる。これは最終話で透子が「未来ではなく、まだ起こっていない、でもきっとこれからおきること」という言い方もしている。「未来の欠片をみる力」というのは、「現実に表面的に存在しているわけではないが、そこに潜む本物をみる」能力と言ってもよい。「本当の想いや本音、隠しているもの、隠されているものを見る力」と言ってもよい。少なくとも、「ふつうの意味での未来」とは別の意味が「未来」に隠されていると考えないと、このアニメのストーリーが意味不明になってしまう。透子とカケルは未来予知能力者では全くない。
・9話の伏線として、サチが透子への好意をヒロに打ち明けるシーンがある。その打ち明け方がドロドロしているためか、ヒロはサチと一定の心理的な距離を置くようになった。これを、「ヒロはサチの友達でしかないと悟った」と解釈する人がいる。そうも読めるが、後で二人は登山デートをして、ついにヒロがサチを背負うところまで仲が発展していくのだから、「単なる友達」ではない。10話でヒロがサチへ読書感想をメールで伝えるというシーンからも、やはり二人の関係は特別なものになっているのである。ヒロがサチから一度心理的な距離を置いて冷静になったからこそ逆に本物の愛につながっていくのではないか。
{/netabare}
8話のポイント
カケルと透子の関係が重要な段階に入る。
{netabare}
・透子の欠片:二人の女性の会話中に窓ガラスが割れる→表面的な二人の関係を見破ったということではないのか。
・雪が透子の欠片の中で降り始める
→欠片の中に透子とカケルがキスをするシーンがあり、「やはり二人は両想いであることがはっきりしていくのかな?」と予想することは簡単である。では、雪の正体とはいったい何だろうか?これは、12話で透子が見るカケルの「唐突な当たり前の孤独」のシーンにつながる。つまり、キスをするだけでなく、カケルが抱える本当に重大な問題を透子が理解することによって、二人の関係は単なる肉体関係としての恋愛ではなく「本物の関係」になるのである。
{/netabare}
9話のポイント
{netabare}
・サチが透子とヒロの二人に告白する。
・透子がスケッチに描いた鳥を消している→これがトビの姿なので、7話でヤナから飛び出した鳥はカラスではなくトビではないかと思われる。あまり本質的ではないが・・・
・サチの言う重要なセリフ:「明日のために」→最終話への伏線。明日のために今日を一生懸命生きよう、ということ。
{/netabare}
10話
{netabare}
・ヒロが読書感想メールをサチへ送る。ようやく気持ちが通じ合ったかなと言う感じがする。
・カケルが欠片を見ることができなくなった
→次第に自分自身の「外」から「内側」へカケルの気持ちが移ってきていることの証。平たく言えば、カケルの「自分自身」が「覚悟を持って生きる」決心がつき始めている、ということ。
・「唐突な当たり前の孤独」
→「自分に友達が出来ても、自分が引っ越しなどでいなくなったらその友達は自分のことを忘れてしまう」経験のこと
{/netabare}
11話
{netabare}
・透子とカケルが一夜を過ごすが、カケルは「一緒にいるのが怖い」と言う。カケルは転校しようとしていたが、母に「一緒に世界を回らないか?」と誘われてしまう。だから、せっかく透子と仲良くなったのにまた別れる羽目になってしまい、やがて透子に自分が忘れられてしまうのではないか。また唐突な当たり前の孤独を味わってしまうのではないか。だったらやっぱり透子との仲は無かったことにしよう・・・というカケルの気持ちが読み取れる。
・サチがヒロに「また山に歩いて登りたい」と言う
→そういえば3話では車で登っただけだった。より二人の仲は親密になっている。
・サチが「近くにいるのに相手が見えないって不思議じゃない?」とヒロに言う
→二人の仲はまだ本物になっていないことを想起させる。雪はその象徴であると考えれば、透子の欠片がどういう意味かも説明できる。つまり、カケルがこの孤独についての問題を解消できない限りは、カケルと透子が本物の関係になることはできない、ということ。ただしカケルと透子は二人で花火の欠片を見ることができているので、二人の世界を共有し始めているのは確かであり、本物の関係になっていくと期待できる。もしかしたら、サチも「唐突な当たり前の孤独」を感じていたのかもしれない。病弱で学校にあまり行かないから友達が出来なくて・・・そうした中で透子は大切な存在だったと・・・
・カケルの母のピアノ演奏が始まり、カケルと透子は手をつないで聴き始める。
{/netabare}
12話のポイント
2話の重要な伏線が回収される回である。
{netabare}
これは並行世界でも未来の世界でもない。カケルの感じていた「唐突な当たり前の孤独」を透子が感じるシーンが大半を占めている。透子が「私がみんなと一緒に過ごした忘れられない場所をもっていない」と言うことで、2話の欠片についての説明がなされ、伏線が回収される。最後に、透子は現実の世界に引き戻される。

※補足
「これは単純に透子が友達を失う苦しみじゃないか」という意見がある。そうではない。冒頭のシーンで透子は4人に喫茶店で会っている。でも4人はいまひとつ透子のことを見てくれていないし、花火大会で挨拶しても「覚えていない」。たぶん、カケルもこういう感覚を味わっていたのだろうなと想像できるのだ。さらに、前述したように、このシーンは透子と4人の関係が露呈するという二重の意味もある。失うのではなく、「元々本当は」友達ではないのだ。

※補足2
したがってこれは透子が4人に対して感じた疎外感でもある。その中でカケルだけは「本物」だった。カケルが透子にとって本当に大切な人になった瞬間である。

{/netabare}
13話のポイント
この回ですべての重要な伏線が回収されると言ってよい。
{netabare}
・4人が喫茶店に集まる。ヤナが「偶然5人集まること、前はよくあったよね。」と言う
→やはり2話で透子が見た欠片につながっている。やはり5人の関係は変わってしまい、透子は4人から離れてしまった。これは見方を変えれば、5人の仲は「本当は友達ではなかった」と露呈したともいえる。残る4人の関係も変化しているためヒロが言うように「何かキンチョーする感じ」である。
・カケルが山歩きをしていたのは父の影響と判明する
・透子の母も欠片を見ていたと判明。しかし「思いもしなかったことばかり起きた」と言う
→「未来の欠片」は、やはり普通の意味での未来ではないことは明らか。母は「今、精いっぱいやらないと」とも言う。これが、このアニメで最も重要なテーマと言ってもよい。
・流星には「星に願いを」と言うように、「願い事」の意味が隠されていると言える。将来への希望である。
・「ジョナサンは強いて言えば冒険者」とユキが言う
→カケルは「放浪」ではなく「冒険」を始めた、と読み取れる。前向きに生き始めた、ということ。
・透子は「何があっても全部未来の自分が解決してくれますように」と言う。
→1話の花火大会で言った時よりもかなり前向きな言い方になっていることに注目。すでに解説済み。
・テントはもうない。だからカケルはもういない。しかし一人で登校する透子には「透子」と呼びかけるカケルの声が聞こえる。
→カケルと透子は別れてしまった。二度と二人が会うことはないのかもしれない。しかしカケルのことを透子は覚えているし、二人の想いは通じ合っているのである。だから、「友達ができても自分はやがて忘れられる」ということはもうない。カケルは「唐突な当たり前の孤独」を感じて苦しむことはもうなく、人生の意味を見出して前向きに進み始めているのである。そして、二人をつなげているのが、山で投げたビー玉?のうち、拾い忘れた一粒(最後に出てくる青い玉)、ということになっている。さらに、この山が二人にとっての「一緒に過ごした忘れられない場所」なのだ。また、透子は4人から離れて一人になってしまった(やがて4人からは忘れ去られるかもしれない)が、それは「唐突な当たり前の孤独」ではなくもっと力強い孤独である、という意味も込められている。
{/netabare}
<まとめ>
グラスリップは、要約すれば「カケルが透子と出会うことによって人生の意味を見出した」アニメと言えるだろう。
<感想>
ここまでメモを取りながら「読む」アニメは初めてだった。何度一時停止をしたか分からない。でも「分かった」時の感動はすごいものがある。いやー感動しますよ。TARITARIをはるかに超える、爽やかな美しい感動ですよ。

<補足>
OPで少し幼い透子たちが描かれている意味
→この時点でヒロがサチに好意を抱いている。つまりこのころから5人の関係は変わり始めていたが、表面的には今まで通りのつもりだった・・・と解釈できる。ちなみに、サチと透子が親しかったらしいこともわかる。
ジョナサンがカケルならニワトリが5羽しかいないのは何故?
→ジョナサンはカケルだけでなく透子も象徴しているのではないか?二人とも最後は唐突な当たり前の孤独を共有し、最後はそれを振り切って前へ進んでいくという共通点がある・・・トビはもちろん、カケルのように「世界を外から見る冷めた視点」のようなものを表している。
「グラスリップ」の意味
→グラスとトリップ(旅)と西山監督が言っている。個人的にはこちらの方が好みですね。透子がガラスのようにキラキラしたものの向こうに「未来の欠片」を見る。これを「未来へ飛ぶ=トリップ」と捉えたイメージ。しかしそれではスペルがGlassripにならなければならない。
→Glass+slipで「ガラスが滑る」という意味もある。ガラスが滑ると割れる=5人の人間関係が壊れる、ということ

<日本アニメの終焉について>
 こういう難解なアニメが受けなかったということは、もう日本のアニメは終わりに来たのかなと思えてくる。
 ざっくりと日本のアニメ史を分けるとするならば、昭和世代と平成世代に分けることができるだろう。昭和時代の作品は「何かが起きて」物語の進行とともに大きな山「クライマックス」ができる、という素直で爽快な「格好いい」ストーリー性があった。
 しかしこうしたストーリー性のネタが次第に切れてきた。それが平成時代である。ここで登場したのが「何ですかこれ」的な作品である。それは例えばセーラームーン(ただしTV版、原作は根本的にテーマが異なる)のようなパロディ性のあるものであったり、エヴァンゲリオンや少女革命ウテナのようにストーリーの軸を視聴者の予想を「あえて」裏切る形で完結させようとする作品であった。これは、ネタ自体の新しさを追求するのに限界が生じたために、その構成の仕方について新しい手法を提案したためである。これは、ストーリーにいくつかの解釈の可能性をもたせるものであるため、「考察厨」の間で論争が起き、「話題」になることによって作品が売れる、というビジネスモデルであった。しかし視聴者はすぐにこのモデルに順応してしまい「慣れて」しまった。こういう作品を苦労して作っても、「要するにいろいろな解釈をすればいいのだな」「考えるのではなく感じろ」という風に「冷静な」感想しか出てこない。
 視聴者にインパクトを与えるにはどうしたらいいのか?昨今のマンガ作品は「どれも似たようなもの」や「既に観たことがあるもの」になってしまっている。萌えに走るとただのエロアニメとして批判され、ギャグはネタが古いorひねりすぎとして批判される。SFは既に科学の世界で実現しつつあるものか、既に実現したもののデフォルメでしかない。「技術」に走ってグラスリップのような作品を作ると、「どう解釈することもできない」意味不明な作品と受け取られてしまう。だから、新しいものを作っても新しさが今一つだし、ウケないのだ。
 どこの世界でも、最近「イノベーションの重要性」が叫ばれつつあるが、これはイノベーションが困難になってきている証拠だと思われる。
 ホント、これからのアニメ界、どうしたらいいのでしょうね。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 57
ネタバレ

け~・える・い~ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

普通の高校生かと思ったのに・・・

3話まで視聴。
{netabare}
主人公(女)は極度のKY、主人公(男)は電波。
初対面の女の子を下の名前で呼び捨てにする、しかもいきなり電波か中二病のようなことを口走る謎の少年。(ヒロインたちは、こんな失礼で、怪しげな奴とよく普通に会話できるな。もっと警戒しませんかね。ミステリアスな雰囲気を演出したかったのかもしれないですが、ただの不審者です。)
グループ内の恋愛感情に全く気付かず、KYで余計な行動をとり続けた挙句、その相談を出会ったばかりの怪しげな男に相談しようとするヒロイン。(天然さんのつもり?見知らぬ男の未来が見えるという突拍子もない話もあっさり受け入れすぎ)

なんとも感情移入しにくいキャラクターたちです(主人公2人以外は、まだましだけど、行動がやや突発的か)

ここに未来視という要素も絡んでくるのか。
普通の高校生の青春・恋愛物語かと思っていたけど、どうも期待していたものとは違う方向にいってしまいそうです。いい意味での期待外れになればいいけど、どうも望み薄な気配が・・・

途中で視聴を断念してしまうかもしれません。
{/netabare}
OP・EDはいいです。

6話まで視聴
{netabare}
相変わらず共感できないキャラクターたち。特に駆が酷い。
仲良しグループに外から入ってきた異分子だとか、達観したような物言いだとか、「凪あす」の紡と一見よく似たキャラ(見た目も)のようだが、なんか全然違う。紡が相手のことを思って行動しているのに対して、駆はなんかわかったようなことを言ってるが結局は自己中。自分と透子のことしか考えていない。そもそも透子以外とはほとんど話もしてないのに、やなぎや雪哉のなにを知っているというのだろう。それであの態度・・・

その他のキャラもどうも人付き合いの距離感がおかしい気がする。付き合いの程度と、行動がかみ合わない感じ。
え~っ、ここでこの人にその話をしちゃうのってのもすごく多い。普通出会って間もない相手にはしないだろう話を駆にしてみたり、仲間だからこそ秘密にしたいであろうこともダダ漏れ。恋愛の機微は全く感じられない。

このグダグダのお話をどうまとめるんですかね。もうまともなお話は期待してません。
今のところ、祐と幸だけが唯一の救い。
{/netabare}

最終話まで視聴
{netabare}
意地になって最後までみましたが、回を追うごとに意味不明さが増し、結局なにも解決しないまま終了。
キャラの奇行も広がって、妹や両親も謎の行動や言動をする始末。
終始、理解不能な作品でした。

ネットで検索をしてると、これは「純文学的」アニメだと評している方がいらっしゃいました。なるほどと思ってしまいました。そう言われれば納得できるところもあります。そういう見方をすればいい作品なのかもしれません。
ただ、純文学を理解できない私は、この作品を面白いと思うことはできませんでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

Nagi* さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

視聴者の知識を試すかのような挑戦的アニメ

“意味不明” “見る価値なし”
そう言われても仕方ないと思います。

凪あすに次ぐ、名作になるのでは?!
と、期待値も他作品に比べて大きかったために
その落差が激しく酷評の的に…

しかしアニメの実態は
 ▶ セリフ、設定、全てが理解できない
 ▶ True Tearsよりも謎。
 ▶ 主人公“透子”の声優が明らかに下手くそ
 ▶ 不自然に多用される止め絵
 ▶ ストーリー展開が謎。

まあ、つまり【謎】なんですね

私も思いましたよ。
なぜ最後まで視聴してしまったのかと…

きっと何かしらの謎解き展開が後半に待っている!
P.A Worksは、きっと何かやらかしてくれるんだ!
と待っていた人を奈落の底に突き落とすかのような最終話…

…と。酷評しようと思いました。

でもね?ひとつ気になることがあったんです

それは『幸が多用する文学作品の数々…』
その作品の内容が、もしかしたら意味あるのかも?と

調べましたよ。ええ。
グラスリップの解説を探しまくりました!!

そしたら、出会ってしまったんですね…
とあるサイトに。

すっきりしました
納得しました
あ、好きな作品に変わるわけではないですw

でも、みなさんに見ていただきたい\(^o^)/
きっと疑問を解決してくれることでしょう。

http://matome.naver.jp/odai/2141006607927765901


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、上記のサイトを見た上での再評価を少し。

1.ストーリー
 世の中にあふれてる“目で見る”アニメではなく
 “頭で考え心で感じる”アニメなのだとようやく理解。
 純文学的アニメなのですね…
 ん?そもそも“純文学”ってなんだ?
 ▶純文学=「娯楽性」より「芸術性」に重きを置くもの
 なるほど
  夏目漱石  『吾輩は猫である』
  芥川龍之介 『羅生門』
  川端康成  『伊豆の踊子』のような作品のことらしい…

2.未来の欠片
 この設定を、物語の中心に据えるのではなく
 あくまで若い時代の不安定な心理状態に
 少し色をつけるためのものなんですね。
 そう捉えると、未来の欠片ってあんまり気にならない!
 あれですよ。“中二病”が少しこじれた感じです(笑)

3.会話
 普通のアニメの会話の方がおかしいのだそうです。
 たしかに…リアリティを追及したからこその“意味不明”
 学生特有の言い回し、略語、仲間内でしか通じない言葉
 たくさんあるよね。
 それも含めて考え、感じてほしかったんでしょう

その他もろもろの疑問も、上記のサイトで解決したので
私としては満足です!!


▶これから視聴するひとにアドバイス。

アニメを見るのではなく
小説を読むかのように、現代文の問題を解読するかのように
この作品に触れて下さいっ!

ただ、批判するのではなく
いったん時間をおいて考えてみる。
そんなアニメの見方ができる人には
オススメできる作品ですね。

少しでも皆様の疑問が解決できますよう…

投稿 : 2024/05/18
♥ : 66
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