スラム街で熱いなおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのスラム街で熱いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番のスラム街で熱いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.4 1 スラム街で熱いなアニメランキング1位
マギ(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1680)
9769人が棚に入れました
秘宝が眠るとされる謎の遺跡「迷宮(ダンジョン)」が出現する不思議な大陸を旅している少年・アラジン。
彼は旅の中で出会ったアリババと共に秘宝を手にするため、「迷宮(ダンジョン)」攻略を目指す。
その中で生じる様々な出会いと別れを繰り返す中で、アラジンは自らの宿命を知ることになる。

声優・キャラクター
石原夏織、梶裕貴、戸松遥、小野大輔、木村良平、櫻井孝宏、細谷佳正、森久保祥太郎、堀江由衣、大久保瑠美、羽多野渉、杉田智和、藤原啓治、水樹奈々、瀬戸麻沙美、花澤香菜、小野賢章、福山潤、森川智之
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

惚れ惚れするほど陳腐な設定&シナリオの《ショタ萌え》人気作?

1-2期ともに25話で併せて50話もあり、放送終了後にはOVA(13話、事前譚)も制作された人気作なので、いつか面白くなるのかも?と淡い期待を抱いて見続けたのですが・・・第2期の第3-4話くらいで流石に集中力が途切れてしまい、あとはダラダラと「ながら見」になってしまいました。

作画は良いです、作画はね(天下のA1-pictures制作ですし)。
ただ、第1期の途中から思ったけど、世界観設定が余りにも適当過ぎる・・・
序盤に登場するキャラ名が、アラジン/アリババ/シンドバッドときたら、誰だって『アラビアン・ナイト』モチーフと思うじゃないですか、普通。
だから、きっとそういう世界観で、あの有名な『アラビアン・ナイト』の物語を本家取りしながらシナリオが進行していくのだろう、と期待して見ていったら、第4話から{netabare}モンゴルやら中国っぽいキャラ{/netabare}がどんどん出てきて、え????と思ってしまいました。

それでも第1期は我慢して何とかシナリオを追いましたが、第2期の途中から今度は{netabare}古代ギリシャ・ローマ風のキャラ{/netabare}がどんどん出てきて、ガッカリ。
『アラビアン・ナイト』の世界はせいぜいアラビア・シリア・ペルシャなど中近東からどれだけ広がっても北アフリカ~インド洋程度のはずで、古代中国や古代ギリシャ・ローマ風の設定を無造作に混入させては駄目でしょう・・・。

そしてシナリオも、アラジン/アリババ/シンドバッドそれぞれ元々の『アラビアン・ナイト』の物語との関連性が希薄過ぎる上に、作品タイトルの「マギ Magi」というのは『新約聖書』に登場する「東方の三賢者(三博士)」のことですが、ただ単に「{netabare}マギは3人いて王の選定者である{/netabare}」という表面的な設定を借りているだけで、それ以上のシナリオの捻りとか奥深さとかは全く感じ取れませんでした。

《まとめ》
ここまで批判的なことばかり書きましたが、それでも本作は私が気になるくらいの人気作だったということは、きっと単に私が本作のターゲット層ではなかった、ということでしょうし、そして、そのターゲット層というのは、多分、主人公アラジン少年の愛苦しさにキュンときた人たちだったのではないでしょうか?(※誰か詳しい人、教えて下さい)
あと、第2期から登場する某国のリーダーが、容姿的にも性格的にも『機動戦士ガンダムAGE』の敵側リーダー(イゼルカント様)に割と似ていると思うので、同作が好きな人は頑張ってそこまで見ると少し報われた気分になれるかも知れません。


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      大高忍(『週刊少年サンデー』2009-2017年連載)
監督         舛成孝二
シリーズ構成     吉野弘幸
脚本         吉野弘幸、加藤陽一、柿村イサナ、横谷昌宏、花田十輝
キャラクターデザイン 赤井俊文
音楽         鷺巣詩郎
アニメーション制作  A-1 Pictures{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

======= マギ The labyrinth of magic (第1期) (2012年10月-2013年3月) =====

 - - - - - - - - - - OP「V.I.P.」、ED「指望遠鏡」 - - - - - - - - - -
{netabare}
第1夜 アラジンとアリババ ★ 二人の出遭い、奴隷の少女モルジアナ救出
第2夜 迷宮組曲 ☆ ダンジョン(第7迷宮)攻略開始、領主ジャミルの追跡
第3夜 創世の魔法使い ★ 迷宮の主アモン、マギ(王の選定者)、迷宮崩壊
第4夜 草原の民 ☆ 奴隷解放、黄牙一族のアラジン保護、煌帝国第一皇女・練白瑛軍の侵攻 ※シナリオやや微妙△
第5夜 迷宮攻略者 ★ 黄牙一族の降伏、ババ様の死、アラジンの練白瑛救助、精霊パイモン出現
第6夜 戦闘民族ファナリス ☆ モルジアナのバルバッド道中(盗賊、奴隷商人、アラジンとの再会) ※サーベルタイガーがいる世界なのか笑 
第7夜 その名はシンドバッド ★ 七海の覇王・シンドリア国王シンドバッドとの出遭い、海洋王国バルバット到着、義賊「霧の団」リーダー(カシム)と怪傑アリババ
第8夜 守れない約束 ☆ 半年ぶりの再会、アリババとカシムの過去(スアム育ち、バルバッド第三王子アリババ、カシムとの再会と裏切り)
第9夜 王子の責任 ★ 続き(国の乱れ、霧の団への参加)、カシムのホテル襲撃、アリババvs.シンドバッド、シンドバッドの提案、兄王との対面
第10夜 その名はジュダル ★ 交渉決裂、銀行屋マルキオ登場、もう一人のマギ(煌帝国神官ジュダル)、王候補アリババ、マギ同士の戦い(魔法戦)、ウーゴ暴走
第11夜 新たなる来訪者 ☆ 煌帝国第八皇女・練紅玉のジン軍団、副王サルマッドの告白(バルバッド王国疲弊の原因、愚王の国民奴隷化計画)
第12夜 決意と決別 ☆ 煌帝国の脅威増大、カシムの叛乱煽動の企て、アリババの単身王宮乗り込み{/netabare}

 - - - - - - - OP「瞬く星の下で」、ED「The Bravery」 - - - - - - -
{netabare}
第13夜 反逆の王子 ★ 煌帝国の像兵士vs.アリババ(アモンの剣)、モルジアナ加勢、兄王との対峙、副王サブマッド国王親衛隊制止
第14夜 アリババの答え ★ クーデター(国王廃位)、国王婚約者(練紅玉)との対峙(条約破棄交渉)、七海連合使節来訪・バルバッド加盟宣言、練紅玉帰国、アリババの王制廃止・民主共和制宣言、アラジン危篤?
第15夜 カシムの答え ★ カシムの煽動・民衆暴動勃発、ウーゴとの別れ、アリババvs.カシム、運命の逆流(黒き器の持ち主・カシム魔人化)
第16夜 ソロモンの知恵 ★ 暴力革命の意思をもった黒いジン、シンドバッドの助勢・アリババ奮闘、ジュダル再来襲、アラジン復活、ジンの錬成術
第17夜 笑顔 ★ カシムの憎悪、憎悪を煽る者、カシムの憎悪氷解(アリババとの別れ)、4人目の「ソロモンの智慧」を得たマギ、闇の組織アル・サーメン
第18夜 シンドリア王国 ☆ 南海の王国へ、蛇の噛み傷(アリババ)、八人将による修行開始 ※ここから新展開
第19夜 ホシの名はシンドバッド ☆ バルバッド先王のナイフ、煌帝国第四皇子(練白龍)&第八皇女(練紅玉)来駕、皇子の留学と目的
第20夜 王子と皇子 ☆ アリババの異変、死の呪縛(シンドバッド)、第61迷宮へ、トランの民
第21夜 迷宮ザガン ☆ 人間嫌いのジン、白龍の抱える問題、アラジンと白龍の握手
第22夜 炎の眷属 ☆ ジュダルのシンドリア侵入、モルジアナの金属器初使用、アル・サーメン幹部イスナーン来襲
第23夜 鬨の声 ☆ 亡国ムスタシム王女ドゥニア魔人化、闇の全身魔装、闇の軍勢シンドリア侵攻
第24夜 堕転 ☆ イサーク消滅、全身魔装ドゥニア撃破、アラジン闇落ち
第25夜 アリババとアラジン ☆ 精霊サガン召喚(練白龍)、アラジン回復、ドゥニア浄化、闇の軍団撃退、イスナーン浄化{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)11、☆(並回)14、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5


======= マギ The kingdom of magic (第2期) (2013年10月-2014年3月) =====

 - - - - - - - - OP「ANNIVERSARY」、ED「エデン」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 旅立ちの予感 ☆ 戦勝祝い、ドゥニア王女の一時回復と危機、アラジンの決意(マグノシュタット行き)
第2話 旅立ち ☆ ドゥニア死亡、
第3話 出航 ☆ アラジン/モルジアナ/錬王龍の出航、アリババ合流、海賊来襲
第4話 海賊 ☆ オームマドーラ、海賊の島
第5話 母 ☆ ※ここで視聴時の集中力が途切れてしまったので以降は☆評価のみ
第6話 優しい人 ☆
第7話 練紅覇登場 ☆
第8話 特訓の日々 ☆
第9話 レーム帝国 ☆
第10話 最高司祭 ☆
第11話 大峡谷 ☆
第12話 新たなる皇帝 ☆ 煌帝国の新帝
第13話 ティトス・アレキウス ☆{/netabare}

 - - - - - - OP「光-HIKARI-」、ED「With You/With Me」 - - - - - -
{netabare}
第14話 隠された民 ☆ ※ガンダムAGEみたいな展開(モガメットはイゼルカント様か?)
第15話 魔導士の国 ☆
第16話 残された命 ☆
第17話 宣戦布告 ☆ 
第18話 レームの脅威 ★ マグノシュタットのレーム帝国への開戦
第19話 本物のマギ ☆ ※ようやく第1話冒頭につながる
第20話 再会 ★ ファナリス兵団団長ムー・アレキウスの魔装(バルバトス)、アラジンとアリババの再会、シェヘラザードとの洋上会見、煌帝国軍出現
第21話 王の器 ☆ モガメット堕転
第22話 守りたいもの ☆
第23話 魔装戦士たち ☆
第24話 滅亡の時 ☆
第25話 おかえりなさい ☆{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 × 3.4


============ マギ シンドバッドの冒険 (OVA) (2016年4-6月) ===========
{netabare}
第1話 運命の子
第2話 船乗りシンドバッド
第3話 迷宮バアル
第4話 ひとつめの海
第5話 王の資質
第6話 居場所
第7話 商人シンドバッド
第8話 眷属器
第9話 清浄の地ササン
第10話 世界を変える力
第11話 天空都市アルテミュラ
第12話 魔装vs魔装
第13話 マギ{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 ※個人評価 ※未視聴

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

ほーきんす♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

【ネタバレ有】 「“鋼錬”以来の王道ダークファンタジー!」

 
 タイトル通り、“鋼錬”以来の「王道ダークファンタジー」である。

 アニメの評価というと、どうしても“いかにもアニメ”というような作品が高評価になりがちだが(というよりは、ジャンプ系の作品が、アニメ好きと原作派の両方から、低い評価を受けやすい傾向にある…)、はっきり言って、この作品は正しく評価されておらず、もし評価の低さでこのアニメを観るのをさけている人がいるのなら、ぜひ観たほうがいい作品である。
 このまま順調にいけば、ダークファンタジーという意味では、前述の「鋼錬」、王道という意味では、歴代のジャンプ系作品と肩を並べる作品になる可能性のある、かなり期待できる作品である。(アニメとしてではなく、アニメも含めた「マギ」がという意味)


 アニメはまだ、原作(漫画)の一部にすぎないが、それでも十分なほど、いい意味で濃い25話だった。(実際は、もうすでに2期(マグノシュタット編)が始まっている)
 
 特にストーリーが良い作品であり、バトルシーンから泣けるシーンまでうまく表現出来ていて、メインストーリーの完成度はかなり高い。
 
 「バルバッド編」は、マギ(第1期)の一番の見せ場であると同時に、今後のアリババ達の行動や考え方に大きな影響を及ぼす重要なストーリー。
 特に第17話はいい意味で卑怯で、カシムの(本当の意味での)死のシーンから、泣いているアリババやバルバッド国民の前に、死んだ人たち(のルフ)が現れるシーンは、一滴どころか線レベルで泣けた。
 正直、ジンと化したカシムの中で、アリババが、死へと向かうカシムの背中を追うところまでは、読者(視聴者)を泣かそうとしているのが見え見えで、逆に泣けないなと思っていたが、カシムが振り向いて、過去のシーンと同様に「俺たち友達だよな」的なことを言う(実際は言わずに微笑むだけであり、アリババには伝わる)シーンあたりからは、ギアが入ったかのごとく泣けた。(特に、ルフとなったカシムがマリアムと手をつないで、少し照れ笑いのような笑みを浮かべるあの顔は、もはや卑怯である(涙))

 
 まだ何とも言えないが、おそらくは(鋼錬と同様)ダークファンタジー系になるだろうストーリーは、バトルシーンや感動的な「別れ」「死」をうまく表現出来やすい設定なので、個人的にはかなり期待できると思う。


 作画も非常に良く、マギの世界観や色味をうまく表現出来ている。また、キャラが非常に多いのがこの作品の特徴でもあるが、このキャラクター達が良い!各キャラクター達は個性が良く強調されており、服装や色もうまく差別化できている。
 また、「各キャラクターにそれぞれファンがいる」という良いアニメの象徴でもある条件をクリアしていると思う。


 音楽は、まず、最初のOPであるシドの「V.I.P」がとても良い。初めて聞いた瞬間、「来たな!」と思える(=このアニメに合っていると思える)曲はあまり多くないが、この曲はまさにそう思えた。
 久しぶりのポルノもOP1ほどではないにしろ良かったし、ED2は安定のsupercellで非常に良く、EDの絵(キャラごとの静止画)(特に練紅玉(れんこうぎょく))は、保存ものである。


 だが、この作品は原作ともどもまだ現在進行中(=未完成)であり、今後にかなり期待できる作品であると思う!


(ここが大事!)アニメか原作を一通り見た人は、ぜひ、ニコ動で行われた「冬の謝肉宴」の7日目の作品を見て欲しい。「マギ」好きなら涙を流さずにはいられないと思う。


(後述)
(ここから先は原作派の人には申し訳ないが、少し原作批判的要素も含まれるので読まなくていい)
 
 もし原作(漫画)もアニメもまだ見ていない人で、このレビューを見てから、この作品を観よう(読もう)としている人がいたら、アニメを(先に)観ることをオススメしたいと思う。(ちなみに、漫画とアニメで大きく設定が異なっているということはない。)
 “先に”と( )でつけ加えたのは、(原作派の人たちに批判されそうだが…)、正直、漫画は(バルバッド編のあたりまでは)細かい設定が良くない(この作品は、物語重視の作品であるのだから、細かい設定にまでこだわってほしい)と思うからである。

 例えば、迷宮攻略するまでのアリババの性格・考え方は、アニメのような、弱さや臆病さはありながらも、他人のために命を懸けることが出来る、本当の意味での「勇気ある人」(byアラジン)のようなかんじではない。むしろ、(友達になるまでは)自分のために他人を利用してやろうとする、卑怯で(アニメでは自虐的に言うが、漫画では本当に卑怯なやつである)私利私欲のかたまりのような男であり、こんな考え方の男が、たとえ事情を知ったからと言って、バルバッド編で急に、国を変えるため、スラムの民のために何もかも投げうって戦うような人になる、というのは急すぎて違和感を感じてならない。

 他にも、初めのころは、ウーゴ君を戦闘で使うときには、アラジンがウーゴ君と同じ動きをして戦うというのも、はっきり言っていらない設定だと思うし、
 特に一番いらないと思ったのは、アモンの中での設定である。最初の、「正しい道を探す」くだりも、1万人もの人が命を落としたダンジョンなのだから、中途半端に頭を使わないといけない問題のようなものはいらない。(やるのならその他のダンジョンでも、頭が必要なくだりを出すとか工夫しないと、何故ここだけ?となる)。また、正しい道の見つけ方が、“偶然落ちた穴の底の、罠をかわした横にある抜け道”とか、実力でもなんでもない感じが、何故そんな設定にした?と疑問を感じずにはいられない…。

 ほかにもアニメの扉の開け方(右手のマークが2つ=一人で来ても先へは進めない)のほうが、「マギとマギに選ばれた王」の始まりにふさわしい、いかにもな設定だと思うのに、漫画では手形はなく、アラジンだけが扉の開け方を知っている(という、マギなしではクリアできそうにもないよく分からない設定になっている)。

 …など、原作にはいらない設定が多すぎるため、アニメのほうがすっきりと違和感なく観ることができ、アラジンがアリババを選んだのにも納得できる。

 (終)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なんという鬼畜少年

アラビアンナイトの少年漫画化ってありそうでなかった気もする、ネタは豊富そうなので面白そう。
アラビアンナイトの世界観って結構殺伐としてて、なんでもありな感じだから、
ある意味スカッとしそうな展開が期待できるかも? 名前はまんまだな。

----------------------------------1クール感想----------------------------------
-1話- 序章
聞いた様子だと、アラジンさんがおかしいところはだいたい原作改変らしい。
もともとモルジアナさんは最初からでてこないらしく、主要キャラ紹介に無理やり登場させた結果のよう。

-2話観て- ダンジョン攻略編~
まぁベタだなぁ。最近個性あるの観すぎたせいか感想がそんなにでてこない。
ピンチだドーン!見せ場ドーン!ってやってた感じでなんとなく単調だった。
話自体はあんまり進んでないし、続き気になる終わりだったけど次週に持ち越したらそれも半減しそう。

-3話観て-
アリババくんのアクションは良かったなぁ。アラジンさんは完璧に女の子でした。

-5話観て- 白瑛さん
{netabare} 白瑛さんの見せ場な回でした。「武力ではなく、理想と志こそが人の心を掴むもの」
といった考えはなかなかかっこいいなあと思っていた矢先に、敵襲撃 持ち出す金属器ッ
結局武力かよ!と矛盾を感じつつも、まぁ力あってこその言葉なんだろうなぁと言い聞かせた次の瞬間
負けるのかよ!! その流れで負けてしまうなら綺麗も汚いもなく呂斎さんに軍配をあげたいのですが。
そこへどちらかといえば中立のアラジンさんがいきなりかけつけて全員焼き飛ばす やはり鬼畜だった。
それいいの?!
呂斎さんはあれだけの兵を付き従わせて、金属器というチートに対しての戦術的勝利だったというに。
相手の性格を織り込んで矢を放たせる機転も素晴らしい。
そりゃ倒されてスカッとするやつだったけど、なんだろうこのモヤモヤ感は……呂斎ェ……。

白瑛さんはマギ=王を導く者?じゃなくて王の器?なの?
金属器もってるやつがマギってわけじゃないのか、マギと王の資質持った者の差がよくわからん……{/netabare}

-6ー話- 盗賊砦編
なんだろう、これ冒険・少年漫画枠だと思ってたのにギャグ寄りに思えてきたww
{netabare} ゴルさんが突如でてきてあなたそんな喋ってなかったでしょうに語り始めたり、
アラジンさん捕まってたり、極めつけにもっさんで吹いたwww妙に笑えるゴリ押し感がある……。
話自体は力こそ全て!なだけだったし、熱いというよりテラチートwwwな感想の方がでてきてまう。 {/netabare}

-7,8話- バルバッド編~
モルさんいいキャラだ……。最近やっとこれ安定して楽しみになってきた気がする。
善悪の掴めない衝突や、力の振るい方、その辺が先の読めない展開になってきて一層面白い!

-10話-
すごい無邪気にゲームで遊ぼうとしたら、あまりに上手さに差がありすぎて
温度差が発生し、リアル顔面パンチくらったみたいな展開だった。

----------------------------------2クール感想----------------------------------
OPは憧れをいまああああああのやつみたいな盛り上がりには欠けるけど、けっこう耳に残る曲かも。

-16話-
あるぇ・・最近面白かったのにバトルシーンちょっとだめだなこれww
魔装がでたり消えたりしてるのとこがギャグすぎる・・。
{netabare} 迷いやら躊躇やら溜めに溜めこんだぐだぐだっぷりをどう乗り切るのかと思っていたら、
またどんな状況でもアラジンさんがきてチートパワー発揮してパーンじゃねえかよおお
カシムの決意やらアリババくんやモルさん他の頑張りは何だったのかというほど
蚊帳の外からきたジュダルとアラジンさんのバランスブレイカー展開、これぞ鬼畜の所業。 {/netabare}
モルさん主人公にしようず。

-17話- バルバッド編終結! シンドリア編へ~
八人将集結!これは王道ファンタジーらしく面白くなってきた!イイ国ダナーシンドリア、ここ住みたい。
マギのサブキャラクターは結構魅力的だと思うので、これから新展開期待できそうだ!

-19話-
今回面白すぎわろたwwww マギ観てて一番面白く感じた。
変な調子のBGMと妙にシリアスな心象風景やら八人将リアクションやらネタの密度が濃くて、
今までシリアスが多かったせいもあってか不意打ちで笑った。紅玉ちゃん面白い子だわぁ

-24話-
ヤンデレドゥニヤちゃんが可愛くて、黒騎士イサアクが格好良かった。
そしてアリババさんの戦い方もやっぱこれがいい!

-25話 最終話-
話はちょっとむりやりまとめた感があるけど、作画も演出も良かったな。
光と闇が両方そなわり最強に見えるシンさん。

話としてはまだ続くって感じなので2期あればまた。少年漫画アニメとしてはなかなか良かったと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

72.6 2 スラム街で熱いなアニメランキング2位
CANAAN カナン(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (970)
6052人が棚に入れました
渋谷で起こった大規模テロから2年。少女・カナンは、上海で対テロリスト組織の依頼により、武装集団「蛇」に対抗する日々を送っていた。渋谷テロの実行犯と目される「蛇」の首領・アルファルドは、かつてカナンと共に戦った仲間でありながら、現在は袂を分かち、南アジアで潜伏を続けている。
一方、フリーライターの御法川は、日本の三流雑誌社「ヘブン出版」の取材で、カメラマンで助手のマリアと共に上海へ向かっていた。マリアはそこで、中東で知り合った少女・カナンの気配を感じる。
華やかさと猥雑さが交じり合う"魔都"上海。かつて渋谷を震撼させた"ウーアウイルス"の脅威の影で、それぞれの運命が再び交錯を始める…。
ネタバレ

フーカム さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

見えないものを見ようとしてカメラのレンズ覗きこんだ(誤解を招く表現になっていたので少し最後の方のタイトルの解釈を修正)

同じような境遇を持ち兵士として育てられた二人の生き様を描いた物語
共感覚という新ジャンルを用いたこの作品は決してガンアクションがメインではない
どちらかというと視聴者側にゆだねられる心理描写が中心にある
ぜひ、その目で見てその耳で聞いて感じてもらいたい

自分なりにいろいろと考察してみましたが難しい(>_<)


1話「洪色魔都~こうしょくまと~」
{netabare}
タイトルは洪水のように色んな人の気持ち(色)があふれている異様な上海と好色的(こうしょくまと)でカナンが人形には色が無くて好きだといって射的の景品の人形撃ったのと掛けてるんだろうな

*冒頭のシャムのセリフ
戦争によって過去を奪われた犠牲者 = カナン
権力闘争により過去を失った敗北者 = アルファルド


 破壊によって生まれた兵士は憎しみを武器とする
 兵士としての起点は同じでも有り方は異なっている
 憎しみには憎しみで対抗してはならない
 その力で相手を消したとしても憎しみに囚われた
 自分がいる限り憎悪の数は減りはしない
 カナンお前は俺たちとは違う
                        」

これはアルファルドとシャム自身が憎しみを武器としていたってことなんだろうか?いきなり良く分からない(汗


マリアの写真への思い

 この世界には誰もが見えてないものがいっぱいあると思うんです
 ううん…見ようと思えば本当は見えないものなんて無いのに
 わざと目を閉ざしている
 この目でそれを見てしまうのは痛すぎるし辛すぎるから…
 だから閉ざしている
 写真は誰かの目を借りることができると思うんです
 自分の目を閉ざしたままでも誰かの目を借りて…
                               」

これはなんかわかる気がするなぁ
写真という客観的な立場で見るとはっきり認識できるけれど自分がいざ当事者となると見なかったことにしたくなるようなことがある…自分に降りかかる痛みや辛さが嫌だし怖いから
{/netabare}
2話「邪気乱遊戯~じゃけらゆうぎ~」
{netabare}
タイトルはあやとりと命をとったカナンのあやとりのような行為をかけてるのかな?あと邪と蛇を掛けてるんでしょうね

「もし目的でなく個人としての欲望をもったのならアルファルドお前は無敵だ」
シャムがアルファルドに向けたこの言葉の目的と個人としての欲望ってどう違うのだろう?よく分からない
最初はシャムの求める理想通りに強くなることが目的だったけどカナンが現れたことでシャムの視線がカナンに移ってしまったことからまた自分に戻したい(超人になりたい)という欲望ってことなのかな
{/netabare}
3話「阿断事~あだごと~」
{netabare}
タイトルは
阿=自分の意志を曲げて人に従う。
弟が蛇に従うのを断るってことと兄の仇(あだ)を掛けてる?

弟の仇討ちはなんで戦おうとしないでむしろ死ににきたような態度なのかと最初は疑問に思ったけど弟のセリフをよくよく考えれば
「だからこの化物(カナン)を作りだそうなんて無駄なんだって」
つまり初めから勝つつもりはなくて自分たちを操る蛇に対しての仇でありもうこんなことは無駄だから止めろと言いたかったんだろうな

この事件をきっかけにマリアはカナンを拒絶してしまった
これはマリアがカナンには共感覚があることを知っていたし
カナンが弟に敵意がないことは分かるはずなので
「普通の女の子」「強く輝く」カナンが「殺人」をするはずがないと思いこんでいたから
しかしマリアに仕掛けられた爆弾のようなものの色は見えないからカナンは倒さざるを得なかった
{/netabare}
4話「呉れ泥む~くれなずむ~」
{netabare}
タイトルは「呉れ」や「泥む」は古語で
呉れには人からものをもらう
泥むには執着する、とどこおる、慣れ親しむ、悩み苦しむなどの意味がある
・アルファルドはシャムからもらった名前に執着
・日が暮れそうでなかなか暮れない(日=マリア への執着)
・刺青(いれずみ)は親しみを込めて刻んでもらった
・カナンはアルファルドへの憎しみから泥にまみれて悩み苦しむ
ぴったりなタイトルですね
しかも前回のタイトルの阿吽に合わせてか古語を使ってるあたりもうまい

シャムの「目を逸らすべきものは逸らしてもいい」って言葉がマリアのカメラへの思いと対比してていいですね

あとシャムに俺は何色かと尋ねられてカナンが
「薄茶色、1週間シャワーを浴びていない色」
と答え、それに対してシャムが
「見たまんま言っただけだろ」
と言いカナンが笑い出すシーンは最初見たまんま冗談で答えたのかと思ってましたがどうやら本当のことをいってたっぽいですね
そしてシャムが信じていないから笑いだしたという感じでしょうか


 お前はまだ復讐を考えているな、覚えておけ
 憎しみに憎しみであたっても意味がない
 憎しみには義務で当たらなければ救われない
 憎しみは何も生み出さない        
                     」

この解釈も難しい
任務とか命令で当たれってことでは無い気がする
かといって他にいい言葉が見当たらないけど命令や義務は引き受けることで行うから"憎しみを受け入れて"当たるということなのかな

カナンは憎しみで当たってはいけないと分かってはいても
「誰のせいで(シャムを)失った…誰のせいで(マリアを)」
アルファルドのせいで失うのだと思い復讐に向かう

またマリアも謝りたい思いからカナンを探しに夜の街に飛び出す
そして遊びまわった場所を探すものの見つけることは出来ない
そこで怖そうなお兄さんが集まっている路地をみて回想するシーン

 カナンは私が危険にさらされると助けにきた…もしかして今度も
 私がカメラを持つようになった理由…それはカナンに出会ったから
 わからないこと、目を背けたくなる出来事を見つめたかったから、
 カナンを分かりたかったから。なんて甘えていたんだろう、
 あの子を撃ったのは私を守るためだった…
 なのに私は罪の意識から逃れたくてどこかでカナンを責めていた
                               」
ここで自分が目を逸らしていたことに気づく、そして怖そうなお兄さんに絡まれるが、

 私は平気なんだから!
 自分の目で見て自分の気持ちで判断する
 すべての本当から目を逸らさない!
 逃げない…大沢マリアはカナンの友達なんだから!
                        」
と逃げずに立ち向かうマリアを助けに来たのはユンユンでありそして

 大沢マリア!、、、
 私の名前!あなたも教えて!お話したいの!あなたと!
 あなたのこと、カナンのこと…いろんなこと知りたいの!
                           」
なぜいきなり友達になろうとしたかというと
これは目の前の「怖いお兄さんに絡まれる少女」という目を逸らしたくなる状況にカナンと同じように飛び込んできたユンユンだからなのだと思う

一方カナンはアルファルドを倒しに向かうが返り討ちにされる
そのときの回想のシャムの言葉
「恐怖を知っているものは憎しみでは動かない。カナンは俺やお前とは違う。」
恐怖って何を表してるんだろう?またシャムやアルファルドとカナンは違うって一体どうゆうことなんだ
そういえば12話のファクトリーから帰ってきたカナンは恐怖やいろんな感情をもつようになり震えていたけどそれと何か関係あるのかな?

アルファルドのセリフに
「ありがたい、私と同じとこまで落ちてくださった」
とあるため、シャムをカナンに奪われたことに憎しみを感じていたのは間違い無さそうだけどそのあとに

 どうだ?憎しみから戦う気分は
 泥のようだろう?
 あがけばあがくほど引きづりこまれる底なしの闇
 その屈辱に私は耐えてそして這い上がった
                       」
と言っていることから今はカナンに対して憎しみではない何かを抱いているのだろうか?それとも憎しみを飼いならしたということなのだろうけど
その証拠としてカナンを撃たずに逃がすが
「まだ殺さないまだ楽しめる」
と言っていることから今はまだ殺さないけれどいつかは殺す気なんだろう
{/netabare}
5話「灯ダチ~ともだち~」
{netabare}
タイトルは友達の関係を火を用いてうまくあらわしていますね
カナンは消さないように灯すことが友達だと思ってたけれど
マリアは共に照らし合うことが友達だと考えているようですね

なんだかユンユンとハッコウは知り合いみたいだったけどどういう関係なんだろう?

マリアが悲しむからユンユンを殺さなかったけれど共に灯すというタイトルに込められた意味は実現できてない印象
マリアの一方的な欲望に対してカナンが無理に応えて危ないといった風前の灯し火って感じですね
{/netabare}
6話「LOVE&PIECE~ラブアンドピース~」
{netabare}
タイトルは愛と平和(PEACE)という謳い文句とパズルのピース(PIECE)をかけてるんでしょう
欠けたピースとはなんなんでしょう?色々考えたんですけどよくわかりませんでした
愛だけではダメで何かが必要というメッセージだとは思うのですが

蛇の動きがあるということで対テロ国際会議について調べるカナン
そんな依頼をしたわけでもないのに仕事熱心なカナンを見て夏目は
「先手を討つ。全てはお友達のためね」
それに対してカナンの返答
カナン「違う、マリアを失わないためにってそう思ってた…でもなんか違う」
夏目「やっと思春期に突入ね」
ここでカナンに友達に対する考えが変わり始めているのかな?
でも友達って一体なんなんだろう?
{/netabare}
7話「慕漂~ぼひょう~」
{netabare}
タイトルは慕い漂うと書いて慕う心が漂うというのと死体が漂っている墓標を掛けたのでしょう

アルファルドがマリアに対して
「お前のように欺瞞に満ちた女があいつにとってのカナンだというのか」
といっているがアルファルドは何が欺瞞だと思ったのだろうか?
出会ってから話した内容はほとんどないはずである
このことから考えられるのは記憶喪失であること
つまり過去を忘れていることに対して欺瞞に満ちていると言ったと考えられる
過去に執着し過去と戦っているアルファルドにとって過去から逃げたマリアは欺瞞に満ちているように見えたのだろう
{/netabare}
8話「乞~こえ~」
{netabare}
タイトルは乞が「こ」と「え」に似ているからっていうのとハッコウの出せない声をかけてるのかな?
そして乞にはものをねだるという意味があるのでハッコウが声をマリアがカナンをねだっていることもかけてるのかな

夜空の月を見上げながらマリアとカナンが会話するシーン
マリア

 自分のいいところも悪いところも良く分からなかった
 だからいろんなところに旅をしていろんなものを見て
 いろんな人に出会って自分のこと見つめてみたいって思った
 そしたらね空っぽだったいいところも、
 悪いところも無くてただ空っぽだった
 カナンと出会ってね驚いたの、
 すっごい辛いことがあったのにね、輝いてた
 月ってね太陽の光に照らされて輝いてるんだって
 私思った、カナンのそばにいれば
 いつか私も輝けるんじゃないかって
 ごめんね、もうカナンに頼っちゃってた、
 その上守ってもらったりしたら
 むずむずしちゃうよ申し訳なさ過ぎて
 カナンはただそこにいてくれればいい、
 そこにいてくれるだけで私はすっごいすっごい助けられてる
 私もいつか自分で輝けるようになりたい、
 だからずっとそばにいて、わたしのそばにいて
                            」
カナン

 目覚めてすぐにはいつもと感じが違うことには気づかなかった
 マリアと触れてもわからなかった…
 それは色が見えなくてもマリアの優しさは伝わってくるから                                   」

マリアは月、カナンを太陽に例えてるんでしょうね
空っぽのマリアが光るためにはカナンの強い太陽のような光が必要だと
逆に共感覚がなくなって暗闇の中にいるカナンには
共感覚がなくても見えるマリアの優しさの光は月のように見えているのでしょう
{/netabare}
9話「過去花~かこばな~」
{netabare}
過去のウーア(スワヒリ語で花や死を意味する)ウィルスの事件などの話(花死)ってことかな

アンブルームに襲われてカナンが倒そうとするときにハッコウが殺さないでと叫んでいました
このことから前回のハッコウのカナンに対する行動は自分たちと同じような境遇にある仲間(アンブルームやボナー)がカナンに殺されたのが憎かったといったところでしょうか?もしくは上海での弟のようにウーアウィルスの実験がカナン製造のため行われてきたことを知っていたからカナンが憎かったのどちらかでしょうね

そしてアンブルームの死体を撮影しろとミノさんに言われるも一度拒否するマリアはカナンの「普通の女の子」「強く輝く」といった良い面しか見ようとしない癖はまだとりきれていないようですね

またリャンを殺そうとするアルファルドを止めようとするカミングスを見てアルファルドは
「自らの命を彼岸に追いやってまで求め焦がれるものその正体に興味が湧いた」
とあるがこれはアルファルドがシャムを殺したときの回想を見てもわかるようにシャムはまるで抵抗する気が無いように見える
つまりアルファルドはこのときのシャムの気持ちを知りたかった
だからそれと似た行動をとる「愛」とやらに興味を持ったのではないだろうか?

ここで重要となってくるのがシャムと同じ薄茶色をしているアルファルドがカナンに対してどんな感情を抱いているのかである
諸説では「絶望」が有力視されていますがどうなんでしょうか?
これについてはまたあとで述べよう
{/netabare}
10話「想執~そうしつ~」
{netabare}
タイトルは想いに執着することで喪失するサンタナとハッコウを表現してるのかな
サンタナはハッコウの愛(死)の囁きを聴くことに執着しハッコウはサンタナの亡骸に愛(死)を囁きつづけることに囚われ命を落とす
そういった意味では11話のリャンもそうなのだろう

ここでアルファルドから薄茶色のヒントとなるような発言がある
「あいつを見ているとヘドが出そうになる」
「ある男を見ていても同じ気分を抱いた、この気分に名前を付けるとしたら…」
私は最初この言葉からアルファルドが抱いたこの感情は「失望」ではないかと思いました
前回もカナンに対して
「いつになったら本気を見せる」
「私はお前にはいつもがっかりさせられてばかりだ」
など言っていることからもそうなのではないでしょうか?

カナンが夏目に対して言ったこのセリフも面白いですよね
「面白いよねあなたは、私の能力が分かっていてそれでも贖罪なんて口にするの?」
つまり共感覚を持つカナンには夏目が贖罪なんてする気がないことはまるわかりだということですね(笑)
夏目はカナンのこと嫌いだといっていたのは夏目は口で相手を騙し繕うのが得意な人間なのでどんなに取り繕ってもバレてしまう、そしてバレたところで動じず何を考えているか分からないところが苦手なんでしょう
カナンの言うとおり夏目の目的はボナーの研究データの回収でありそれを兵器として売りさばくことや政府の消えた村の隠蔽を揺することですからね(笑)

そしてこの回ではまた薄茶色のヒントが出てきます
それはサンタナの死の恐怖で怯え狂うハッコウを救いに向かうミノさんの色です
最初銃を乱射するハッコウに恐怖し緑色をしていましたがサンタナの
「もし俺に何かあった時には頼む、ハッコウをこの夢から目覚めさせてやってくれ」
という言葉を思い出して救いに向かうミノさんの色が緑からだんだん薄茶色に変化していきます
ここから先ほどアルファルドはカナンに「失望」を抱いていたのではといいましたが、ここでのミノさんは「失望」していたのでしょうか?
私はサンタナとの最後の約束を守るための唯一の「希望」という感情を抱いていたのではないかと思います
そしてアルファルドはシャムやカナンに「希望」を抱いているからこそ「失望」させられているであると
{/netabare}
11話「彼女添~シーソー~」
{netabare}
タイトルはサンタナとハッコウ、リャンとカミングス、マリアとカナンがそれぞれ寄り添うこととシーソーを掛けてるんでしょう
特にシーソーはこの話のテーマの1つなんじゃないかなぁ

           命/愛(絆)

OPの「絆を自ら引き裂いた as judgement 吊り上げて」
もここからきてて愛と命で揺らぐシーソーの天秤を表現してるのかな?

アルファルドがカナンそっくりのボナーを見て言ったセリフ

 別に姿を似せたわけではない。
 共感覚の因子を持ちあわせた人間がウーアによって体質を変化させた
 際には髪の色が抜ける、それだけのこと。
 私が求めていたのはビジネスになるボナーという名の生物兵器。
                                」
その後も
「そう、たまたま似てしまっただけ…」
そして焼払い
「たまたまだ」
と繰り返している
このセリフから受ける印象は”カナンを作りたかったわけじゃない”と思い込みたいといったものだ
これまでの流れから推測するにアルファルドの欲するものはカナンやそれ以上の超人を作り、戦い勝利することで得られる超人という称号であろう
しかし、その結果皮肉にもカナンに似たものができてしまうというカナンの呪縛のようなものを感じたんだと思う
シャムの亡霊同様にカナンの亡霊にまで取り憑かれてしまった…
そんな気分の悪さを拭い去りたかったのだろう

意識を取り戻したミノさんにカナンが尋ねる
「あの人(ハッコウ)はミノさんの希望なのか?
 そうまでして守りたい存在なのか?     」
と聞いていることからも薄茶色はやはり「希望」の色だったのではないでしょうか

戻ってきたカナンを撮りたいというマリア
アンブルームのときはまだ目を背けていたマリアだがここで
親しい人の死を通して様々な感情を持ち"弱く震える"カナン
つまりマリアが見たくはないカナンを真っすぐ見ようとし、決心が実行に移るようになってきたのであろう
{/netabare}
12話「忌殺劣者~きせつれっしゃ~」
{netabare}
タイトルは
   「忌殺」と「季節」
   「劣者」と「列車」
を掛けているのでしょう
「忌殺」はケガレ(感情)を殺すこと
「季節」は四季など "移り変わり" や "様々な表情" を見せるといった意味で使ってるんでしょうね
「劣者」は劣っている者=アルファルドかな?
アルファルドは過去に執着し時間が止まっていたのとあらゆる愛だの憎しみだのといった感情を「厄介なものだ」、「滑稽だ」、「飼いならした」と殺してきた

ファクトリーから帰ってきてからのカナンの様子がおかしいことに気が付いているマリアはカナンを心配し見に行く
そこにはマリアに何かを求めるカナンが居たがマリアは何と声をかければいいのか分からない
カナンは
「マリアが一緒なら(輝ける)…」と思っているが
一方マリアは
「カナンが一緒なら?(輝ける)…」と何か考え始めたようだ

カナンは列車の中でシャムを失ったあの日を重ねる
古びた列車、銃声、血の香り、それらに感覚が刺激されて見えないはずのもの幻がみえるようになってしまう
そこで見たものは死んだはずのシャムだった
 シャム「ここで俺は死んだ」
 カナン「アルファルドに殺された」
 シャム「どうだろうな」
振り返ると亡くなった人たちの姿
 シャム「俺たちは誰に殺されたんだろうな」
ここでカナンは全てアルファルドのせいにしてきた自分を認めたくなかった
持ち合わせの奇異の感覚に頼り切ってシンプルな真実
自分がアルファルドからシャムを奪った事実
アルファルドがしたことは自分がしたことと同じという事実
憎しみに憎しみで当たっているという事実
から目を逸らしてきたのだ

アルファルドはマリアの役目はただ一つでありカナンの本当の力を目覚めさせる起爆材となることだという
ではなぜ今までは生きることが役目と言っていたのに今回は銃で撃つといった矛盾したことをしたのか
それは機が熟したからだ
その答えはアルファルドとマリアの会話の中にある
アルファルド

 カナンは守るべき光がある状態が最も強く、そして恐ろしい
 自分の全てを理解し愛してくれるものの存在があって
 初めてアイツは真の力を発揮する
                             」
マリア

 全てを理解し、愛して?
"カナンのあの顔、あたしの知らない顔だった
 迷いも憎しみも怯えも苦痛も懺悔も全て持ち合わせた"
 普通の女の子だった。親しくなった人の死に怯えて
 体に傷が…いえ心に傷が付けばちゃんと痛くて
 あたしはあんなカナンを…(認められるだろうか)
                          」
この言葉を聞いて起爆材になると判断したのではないだろうか

そしてマリアは気づいた

"守ってもらったりしたらムズムズしちゃうよ"
 その気持ちに嘘は無いはずだった
"カナンはただそこにいてくれればいい"
 私は結局カナンに求め続けたんだ
 強く凛々しく私の見えないものを見つめ続ける
 私を照らし続けてくれるカナンを求めてた
                      」
マリアがカナンに傍にいて欲しいという気持ちは結局欺瞞だったのだ
そしてカナンの光の前に自分はカナンを照らすことはできないと絶望してしまった
そこでマリアは判断し、ユンユンに依頼したのは列車の連結(絆)を切り離すことである
マリアはカナンから離れることでカナンに求め続ける自分と決別したんだと思う

アルファルドがシャムを殺した理由は語られていないが
説としてシャムがカナンに絶望したからアルファルドが殺したというものがあるが私はこう思う
アルファルドが出した偽の手紙
あれはリャンと同じようなことをシャムに対してしたのではないだろうか?
シャムに振り向いてもらいたいがゆえに呼び出して自分の力を見せつけるつもりだったのではないかと
しかしシャムは全く応戦してはくれなかった
その理由がアルファルドがカナンの言葉に対して言っていたセリフ
カナン「シャムは言った復讐からは何も生まれない、憎しみから生まれた兵士はただの敗北者だと」
アルファルド「お前にそれを言わされた時点でシャムの死は決まっていた、少なくともお前が現れなければシャムはあの場で死ぬことはなかった」
シャムはアルファルドの憎しみを受け止めた(義務を実行した)のである
だからシャムはアルファルドが来ることも分かっていた上でカナンに憎しみには憎しみで対抗してはいけないと諭していたのではないかと
不完全燃焼で終わったアルファルドはシャムの亡霊に取りつかれる
そこから解放されるための唯一の希望がシャムに絶望とまで言わしめた真の力を発揮したカナンを倒すことだったのではないか
アルファルドの
「私が殺したいのはお前じゃない、お前を、絶望を殺してシャムの亡霊を撃ち抜く」
というこのセリフにはそれを意味するんじゃないでしょうか
{/netabare}
13話「キボウノチ」
{netabare}
タイトルはCANAANの意味である「希望の地」
カタカナになっているあたり何かありそうな気もするけどよくわからない
冒頭のマリアのセリフ
「あなたに照らされることで心の片隅に生まれてしまう影」
希望後絶望(キボウノチゼツボウ)とかなのかな?

爆発音と共にマリアを失ったとうなだれるカナンだが鼓動の音の描写が入る
このときマリアの命を感じとったということなのかな?
これによってマリアを失う焦燥感が無くなってアルファルドをありのまま見つめられるようになったことで強くなった?
ここでカナンが急に強くなった理由がいまいちわかりません

↓↓更新↓↓

このときマリアの生死は関係なかったのだと思う
カナンは共感覚をもつために他の人より色んなものが見え過ぎてしまう
そしてそんなカナンにとってマリアは優しくキレイに輝く特別な "光" であり一般的な私たちで言えばダイヤモンドのような物だったのであろう
そして爆発音とともにそれを失ったと思いうなだれた…しかし心の中でマリアは生きていることを感じた
ここで初めてありのままを見ることがができるようになったのではないだろうか?

そしてマリアは "光" でなく "友達" だというカナン
今まで光だといってたのになぜここでは否定したのかもよくわかりません

↓↓更新↓↓

ここで光であることを否定した理由も上のことからマリアはダイヤモンドではなく "友達" だからで
この逆でいうとマリアはカナンをダイヤモンドだと思っており
そんなダイヤモンドが光らなくなってしまったら大切にすることができないと感じてしまっていたからだとおもう
カナンが以前に「マリアを守るためそう思ってた…でもなんか違う」というのはマリアというダイヤモンドの光を失わないためではなくマリアという友達のことを想い戦う=気持ちを寄り添わせるために戦っているということなのかな

ここにきて初めてアルファルドの名のもつ意味が明かされます
シャム

 アルファルドお前は無敵だ。だが、もし目的でなく個人としての欲望を持ったのなら、
 そのときには訪れるであろう、お前の名がもつ本当の意味”孤独”が


以前の「もし目的でなく個人としての欲望をもったのならアルファルドお前は無敵だ」という台詞の
 "無敵"="最強" ではなく "敵がいない"="孤独" ということだったのでしょう


列車から落ちそうなアルファルドをカナンが掴むシーンではハッコーの言った台詞と同じ言葉をカナンが発します

    「決定権は生きている者にある」

ここのシーンにおける選択権はカナンだけにありました
しかし銃が落ちることで状況は一変します
ここで権利はアルファルドにも与えられたのです

アルファルドが自分の刺青(絆)を撃ち引き裂くという行為は生きている者として過去との決別とともにカナンに好敵手として生きてほしいと思い選択したのでしょう
ここのシーンも作品のテーマである
 命/愛(絆) のシーソーの1つといえます
ここで大事なことは "気持ちだけ" 寄り添うことなのです
愛ゆえに体まで寄り添わせてしまったのがハッコウのケースでしょう
その逆がリャンチーを失ったものの僧侶として想い続けるカミングス
そして体(絆)を切り離すことで共に生き残ったのがマリアとアルファルドと言えるでしょう

マリアとカナンは境遇が違い過ぎる
だからお互いに危険が及ばないように気持ちだけ寄り添うという形をとることにしたのでしょう(つい最近でいうと(作品名のネタバレ→){netabare}寄生獣のミギーとシンイチ{/netabare}の関係もこれに近い気がする)
OPの
「大事な世界触れぬように mind as judgement Give up!You know!Give up!」
マリアとカナンが判断した結果を確かめ合ってるかのように感じます


またあやとりも冒頭ではお互いを繋ぎとめるものや拘束し命とりになるものの象徴としてありましたが、最後には解けたあやとりでもう元には戻せないと二人を拘束していたものも解けたことをうまく表現していると思いました

そしてタイトルのCANAANですが
2つの説があるみたいですね


 マリアとカナンは境遇を超えて寄り添うことができたので隣り合っているという説

  C          
  A=アルファルド   
  N=境遇       
  A=マリア(もしくはカナン)      
  A=カナン(もしくはマリア)      
  N=境遇


 マリアはアルファルドやカナンとは境遇が違うので隣りあっていないという説
      
  C
  A=マリア
  N=境遇
  A=カナン(もしくはアルファルド)
  A=アルファルド(もしくはカナン)
  N=境遇


あなたはどちらだとおもいますか?






私は後者でこのようになっていると思います


  C
  A=マリア
  N=境遇
  A=アルファルド
  A=カナン
  N=境遇



それは物語的にもそうではあるのですが最後の写真展覧会の描写
アルファルドとカナンの写真の間に立つマリア
そしてその下にある写真のタイトル「CANAAN」を物憂げに触れるマリア

 カナンは生きてる
 その命は激しく輝いて
 この目で直接見るには眩し過ぎて
 でも、目が潰れそうになっても
 私は見つめることができた(CAN)と思う
 それはきっと…普通の女の子の物語
                    」
と呟きながら写真タイトル「CANAAN」にかざす手が

NAAを   「CA●●●N」
NAを隠し  「CA●●AN」
AANを隠し 「CAN●●●」
となっているからである

       CAN~できる~

境遇が違っていても気持ちだけは境遇を超えて寄り添うことができるということを表しているんじゃないかと思います


 また、あるいは人との関わりから大切な人が周りにいるという境遇にいるカナンとマリアを孤独であったアルファルドがカナンを好敵手としてみることができるようになった

  C
  A=アルファルド
  N=境遇
  A=マリア
  A=カナン
  N=境遇

というもうひとつの見方もできそうですね

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

29号 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

私の期待値が高すぎた?

原作は「ドラクエシリーズ」や「かまいたちの夜」などを手掛けたゲーム会社チュンソフト制作のゲーム「428〜封鎖された渋谷で〜」のボーナスシナリオに収録されているアニメーションがベースになっているようです。
この話の2年後の上海がこの作品「CANAAN」の舞台になります。

全13話。

アニメーション制作は私が贔屓にさせていただいているP.A.WORKS で、主人公のカナンの声が私の大好きな沢城みゆきさんとくれば視聴しないわけにはいかないでしょう。

原案は「空の境界」の那須きのこ氏。
そして監督が安藤真裕氏で脚本が岡田麿里氏と「花咲くいろは」と同じってことでこれだけお膳立てされれば期待せずにはいられませんでした。

さて、まずこの作品の率直な感想としては期待値が高かったせいかあまり満足いく内容ではありませんでした。

 {netabare}

主人公カナンは「共感覚」を用いた特殊能力の持ち主で、それを駆使しての戦闘シーン(ガンアクション)は一見の価値ありです。
欲を言えばもう少し戦闘シーンを増やして欲しかったです。

作画はさすがのP.A.WORKSさん良い仕事をされます。本当に細部までに拘って作られています。

ガンアクション(戦闘シーン)はスピーディーながら細かい動きの数々は圧巻の一言に尽きます。

声優さんも豪華で、私の大好きな沢城みゆきさんをはじめ、坂本真綾さん、南條愛乃さん、諸事情によりあまりセリフはありませんが能登さんなどなど。

この作品で私が特に気に入ったのが、田中理恵さん演じるリャン・チー様。
ドSの彼女の壊れっぷりはヤバいっすw田中理恵さんの演技がさらにそれを際立たせています。メインキャラ以上のインパクトと存在感。

M属性ありの私としては1度踏まれたいキャラの上位にランクインしますねw

とまぁ私の変態願望は置いていて、

ココから少々毒を吐かせていただきます。

ストーリーの核心にもせまりますので再度ネタバレ注意です。

 {netabare}
まずストーリー通してこの作品の世界観の説明があまりなされません。

「ウーアウイルス」と呼ばれる致死率100%のバイオテロが渋谷で起き、そのテロに巻き込まれたヒロイン大沢マリア。彼女は父親が開発した坑ウイルス剤により一命を取り留めた過去を持つ。

まぁこれを見れば「はは〜ん」と思いますよね。この設定明らかに伏線でしょう。

実はこの設定ですが、物語の核心に絡んできませんw

第7話にてアルファルドが大沢マリアに対して

「本当に忘れたのか?」

と言ったセリフですが、これは完璧に伏線でしょうが、このセリフの真意も語られません。

以後このような事が多々あります。

当初は「カナン」「大沢マリア」「アルファルド」「ウーアウイルスによるテロ」これがメインストーリーで、

「渋谷のテロの生き残り大沢マリアと消えた村がどう繋がるのか」

と思ってましたが、後半は自分探しの旅になってます…。

結局のところアルファルドとカナンは何がしたかったんでしょうか?

そしてカナンと大沢マリアの関係にも疑問を感じます。

カナンと大沢マリアの出会いも伏線かと思いきや何も無し。

正直、大沢マリアいてもいなくてもストーリー的にはあんまり関係ないですw

どーせなら

「カナンの隣にいるのは大沢マリアしかいない」

と思わせるようなシーンなり設定なりが欲しかった所です。
{/netabare}


{/netabare}

ウダウダと長くなってしまいましたが、作画と戦闘シーンは素晴らしいのでストーリーさえ気にしなければ楽しめる作品ですよ。

リャン・チー様の狂気はぜひその目で、その耳で体感していただきたいですw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

アリス★彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

惜しい!

ゲーム原作。
シリーズ構成と脚本は岡田麿里。
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品。
ガンアクションが魅力的な本作。
制作はP.A.WORKS(代表作:花咲くいろは、凪のあすから)
(恋愛描写が得意。美しい背景が特徴的。)
アクションシーンは爽快感があって良かったです。

岡田麿里さんの泥々した人間関係の脚本が特徴的でもあります。
一言で言うと、キャラクター描写が出来てませんでした。

■シャムのエピソードが欲しかったです。

過去のエピソードが描かれていないために、カナンとアルファルドの関係がイマイチ伝わってきません。二人の関係で重要になってくるのは、シャムのエピソードなのに、尺が足りないためなのか、フォローされていないのですよね。
そのため、カナンとアルファルドがどれほど因縁深いのかは、分かるのですけれど、パッとしない印象なのですよね。感情移入がしにくいのです。過去で何があったのかを詳細に描いて欲しかったです。

■色々エピソードを詰め込みすぎました。

ハッコーとサンタナのエピソード。設定だけ聞くと良い話だという事は分かるのですが、キャラクターの描写が足りずに、演出は良くても、感動が出来ない泥々して陰鬱とした印象だけしか受けません。
素質はあり、名作をなぞるように磨けば、昼ドラにありそうなぐちゃぐちゃとしてグルーミー、それでいて切なくて儚いストーリーが期待できそうなのですが、描き方を間違えましたね。

ハッコーとサンタナのエピソードについて。
{netabare}
もう少し二人が愛し合っているような描写が欲しかったです。最後の方でハッコーがどれだけ愛していたのか、分かったのですが、ハッコーとサンタナが強く思っているエピソードが欲しかったです。
サンタナが、ハッコーに対して複雑な感情を抱いているのは分かりました。
ハッコーは、自分のした失敗が元で生まれたので、後悔が彼女と重ねって見えてしまうのは伝わってきました。
それでも、もう少しだけ愛している描写を入れることは出来なかったのでしょうか...。感情移入があんまり出来ませんでしたね。
{/netabare}

感想。
リャン・チーとカミングズのエピソード。
粘着質で色々混ざっりあったような濃厚さ。ちょっとくどかったです。
この辺は好み。あんまり刺激的な感情は抱きませんでした。

■総評
アクションシーンは一見する価値アリ。
ドラマ面は微妙でしたね。
設定は説明よりも状況や回想で何となく分からせる手法をとっています。
上記以外は綺麗にまとまっているため、私にとってはかなり惜しい作品でした。

演出や脚本は良かったのですが、尺が足りなかった印象です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

71.6 3 スラム街で熱いなアニメランキング3位
NO.6 ナンバーシックス(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (1082)
5991人が棚に入れました
2013年、理想都市『NO.6』に住む紫苑は、9月7日が12回目の誕生日であった。だが、その日は同時に彼の運命を変える日でもあった。ふとしたことから、『矯正施設』から抜け出してきた謎の少年、ネズミと出会う。彼を介抱してあげた紫苑だが、それが治安局にばれてしまい、NO.6の高級住宅街『クロノス』から『ロストタウン』へと追いやられてしまう。それから4年、謎の事件をきっかけに彼は様々な事件に巻き込まれ、いろいろな人々と出会う。そして、理想都市が成り立っている裏側にある現実・『理想都市 NO.6』の隠された本質と意図を知っていく・・・。

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

理想郷のような都市の、真の姿と闇に立ち向かう少年たち。

「バッテリー」で有名な
あさのさつこさんの小説を原作とするアニメ。

「NO.6」は児童文学の中でも
青年前期の子どもを対象とした小説だったと思います。

なぜこんなことを覚えているのかと言うと、
中学生の頃「バッテリー」にドハマリし、
あさのあつこさんの小説を読み漁っていたからですw

当時の私は「バッテリー」のような
爽やかな純文学をよく読んでいたので、

この「NO.6」を初めて読んだときは
スリル満点で刺激が強い作風に、もう大興奮でした。

さらに中学校の図書館司書の先生に誘われ、
あさのあつこさんと直接会って話せる機会もいただき!

緊張と口下手さゆえ、
この作品をいかに好きかということをきちんと伝えられなかったこと、
今でも悔やんでいますww


さて、そんな思い出があるもので、
このアニメを見るのは正直かなりためらいました。

小説を読んで傑作だと思った当時の想いを大事にしたくて。
自分が読んで感じた世界観を大事にしていたくて…。

今でも覚えているあの時の興奮や、
なんとなく抱えている登場人物たちの像を
壊してしまうことになるのではないか…。

そんな不安があったからです。

結論としては、
見て後悔はありませんでした。

もちろん、初めはキャラデザに違和感ありありでしたけど。
印象的だと思っていたシーンもあっさりで拍子抜けでしたけど。

だけど、久しぶりにストーリーに触れて
あの時感じた面白さは本物だったと確信が持てましたし、

やっぱりこの作品が好きだな、と改めて思えました。

原作より簡略化されている印象だったので、
今度原作も読んでみよう♪
(中学卒業後は本から離れてしまったため、
 この原作も読むのを途中でやめてしまっていたので…^^;)


前置きが長くてすみません^^;

全11話です。


● ストーリー
NO.6(ナンバーシックス)と呼ばれる近未来都市。

都市の英才教育を受け、何不自由ない生活を送ってきた紫苑(しおん)。
しかし、そんな生活にどこか満たされない気持ちも持っていた。

ある嵐の夜、
犯罪者として追われていたネズミと名乗る少年を部屋にかくまう。

その出会いが、
自分に足りない何かを満たしてくれた気がした。

そして数年後、
紫苑はネズミと再会を果たす。

この都市の謎、迫る恐怖に対する真実を求めて
ネズミと共に歩む道を選ぶ。


小説全9巻に対して、11話と話数が短いので、
きちんと終わりを迎えられるのか、とても不安に思っていましたが、

11話できれいに収まっていました。
もちろん、省略されているエピソードもたくさんありますが。

それでも十分面白かったと思います♪
引き込まれたし、続きが気になって仕方がありませんでした。

毎回、EDの曲を使った引きも上手だったしなー。


≪ 友情を越えた感情 ≫

あさのあつこさんの小説は、
男の子2人が主人公な作品が多い気がします。

この「NO.6」もそうです。
紫苑とネズミ。

みんなが幸せに暮らせる理想論を大真面目に語り、
ネズミと分かり合いたいと願う紫苑と、

現実の厳しさと理想論だけでは生きていけないことを知っているが、
紫苑という人物に惹かれてしまうネズミ。

天然で素直な紫苑と、
紫苑を大切に想う気持ちを認めたくないツンデレなネズミw

あさのあつこさんは
ただ単に男の子の友情が好きなだけかもしれませんが、

私はいつもBLな空気を感じ取ってしまうんだよなー。笑

今回も友情を越え、親友を越え、
さらなる強い絆を感じました。笑

とても自然に世界観に取り込まれているので、
違和感はないのですけどね。

むしろ、
2人の強い絆を強く感じられるのですけどね。


≪ NO.6という都市 ≫

NO.6は徹底した管理社会。

少しでもNO.6に対して忠誠がない思われる存在は、
処分の対象となる。

一見あらゆることに満たされているような生活だけど、
裏では精神的な束縛がある。そんな社会です。

日本もいつかこんな社会になってしまうかも…と
ゾッとするようなところがあります。

原作の1巻が刊行されたのは15年ほど前ですが、
その時から日本の社会情勢も変化しています。

例えば共謀罪法案。
例えば道徳の教科化。

「ここにはこんな恐怖が…。」という話を聞きますが、
結局私には難しいことはよくわかりません^^;

だけど、考えることをやめ、政治への関心がなくなり、
何でも思うようにさせていると、

気が付いた時にはNO.6のような社会になっているかもしれないな、
という恐怖は感じました。


● キャラクター
原作を読んだとき、
私はキャラクターに強く惹かれました。

それは恋とか、ときめきとか、
そういう惹かれ方ではなく。

紫苑には柔らかさの中の強さ、
ネズミには影の中の信念と優しさ。

それは、アニメの中でも感じることができました。
そしてやっぱり、2人に惹かれました。

紫苑(cv.梶裕貴)とネズミ(cv.細谷佳正)というキャストもよかった♪

ネズミの歌声、
とてもよかったわー♪


● 音楽
【 OP「Spell」/ LAMA 】

嫌いではないけれど、
特別好きでもありません。笑

作品の世界観には合っているかな。


【 ED「六等星の夜」/ Aimer 】

私はこちらの方が好きでした♪

毎話、切ない終わり方が多かったので、
その切なさをより引き立てていた曲だと感じました。


● まとめ
やっぱりストーリーが面白いなと再確認。

アニメだと展開がさくさく進むので、
むしろ見やすくてよかったかも♪

最終話を観終わった後は、
なんともいえない余韻でいっぱいでした。

いい作品だったとは思う。
だけど物足りないもどかしさもある。

その物足りなさは、もっともっと、
最終話で感じた余韻に浸っていたかったからかもしれない。

後日談があればよかったのになー、と思っていたら、
どうやら後日談はアニメ化の後に刊行されていたのですね。

気になります!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

外部から内容を補完しないと感動できないって・・・(>o<")

■NO.6ってどんなアニメ(*゚・゚)ンッ?
「NO.6」ってなんの事だろう・・・っと思いつつ見始めました!
ジャンル的には近未来SFという事でしたね♪
そして背景はというと、世界が荒廃した後に、人類は6つの理想都市でやむなく生活することになったのです。
そんな6番目の都市「NO.6」では住民を完全管理して住民に安全で不自由のない生活を与える反面、少しでも疑問を持った住民に対しては非人道的な処置を行うような裏の顔を持った都市でもあったのです。
そんな管理社会に疑問をもったNO.6の外に住む住民とNO.6の治安局との対立と、殺人蜂の事件から愛するものを守るために立ち向かう主人公のシオンと、NO.6に憎悪の念を向けるネズミという少年との出会いからお互いに変化する心情を描いた壮大な世界観の物語なのです♪
 
 
■前半までみた感想なのですよ(*^o^*)
1話はプロローグって感じなので、2話でいきなり4年後のお話になっちゃうので本格的な本編はここからですね(>o<")
なので、1話で切ってしまうというのはやめたほうが良いような気がします♪
 
印象的には近未来SFという事で、設定自体はありふれている感じですよね♪
なので、力で押さえつける社会に立ち向かう構図に「またかっ!」って思う人もいるかもしれませんけど、アタシσ(゚-^*)は嫌いじゃないですし、ベタとも言う設定の中でどれだけの個性を表現できるかに注目していきたいと思っています♪
 
そしてこの作品でよく耳にする「BL」やら「ホモ」についてはまったく当てはまらないと思います!
もともとアタシσ(゚-^*)自身が「BL」苦手なので、この作品を後回しにしていた原因だったのですけど、いざ見始めたら何てことはありませんでしたよ♪
シオンとネズミの出会いが、お互い自分では今まで気付いてなかったけど、心の奥底で求めている物を持ってると感じたから惹かれあって、それが「性的な愛」ではなくって「家族愛」的な感情だったのではないかと思いました。
なのでそんな愛を表現した描写がちょっとそれっぽく感じられるのかもしれませんけどね♪
*** 追記 start ***
って思ったのですけど・・・最終回を観て前言撤回です♪
キスシーンの手の添え方は・・・ゾクッと鳥肌が・・・私的にアウトー!!でしたΣ( ̄ロ ̄lll)
*** 追記 end ***
 
とにかく、ちょっとダークで壮大な世界観と、その中で自らの運命に抗うように行動を起こすシオン達の心理描写が丁寧に描かれている印象なので、後半に向けての展開にも大いに期待が持てますね♪
 
ネズミが「シェイクルピア」の『マクベス』が好きだっていう設定もちょこっと注目してみたいです♪
宿命の名の下に自らの野心と罪を正当化して、責任を免れようとしたマクベスの弱さから、自ら悲劇を招いたような内容の物語なので、ネズミがどのように感じて好きになったのかも何気なく注目していこうと思ってます♪
 
後半に向けて、殺人蜂の謎が何なのか、サフちゃんはどうなるのか、そしてシオンとネズミの関係は今後どのような方向に向かっていくのか、見所が多いだけに楽しみですね♪
 
 
■総評(最終回を観終えて♪)
作品としても・・・物語としても・・・残念な結末になっちゃいまいたね(>o<")
全体的に感じた印象は自ら課した壮大な世界観や設定を生かしきれずに終わってしまった感じです!
そもそも、1クールで纏められる内容ではなかったって事でしょうね。
特に最終回を見終わって、(゚Д゚) ハア??って思ったので、色々内容を見直し補完した上でもう一度最終回を見直しました∑(; ̄□ ̄A アセアセ
その上で、パチッ☆-(^ー'*)bナルホドそういうことかって、やっとジーンと感じることができました!
 
この作品の肝でもある、『ネズミ』と『森の民』と『エクステリア』と『NO.6』の関係や、と『サフちゃん』と『エクステリア』の間で結ばれた約束など・・・その他たくさんの大切な部分の描写がごっそり抜けているような気がします!!
それと、シオンとネズミの関係も、最後の結末に行き着くまでのプロセスでそんなに力をいれて描く必要があったのかも疑問です、微BL臭と言う中途半端な描写をするならもっとクローズアップするところがあるでしょって“(`(エ)´)ノ彡☆ プンプン!!しちゃいました!!
途中まではよかっただけに・・・あぁ~もったいないって印象です♪
 
それと、原作は読んでないですけど、おそらくこの作品は原作小説で楽しむべきなんだと悟っちゃいましたw
原作小説を読んだことのある人のレビューを読んでみたいですね(>o<")
 
 
■MUSIC
OP曲『Spell』
 歌:LAMA
 ナンバーガール・SUPERCARを知ってる人には嬉しい曲ですね。
 シンセの音色が心地よいオルタナ・ロックでこの曲を聴いてNO.6を観る決意をしましたw
 
ED曲『六等星の夜』
 歌:Aimer
 Aimerさんって1st singleがこの曲だったのですね♪
 ちょっとハスキーなボイスが切なさを感じさせるしっとりしたナンバーです♪
 
2011.09.04・第一の手記
2011.09.17・第二の手記(追記:総評/MUSIC)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 61
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

目に映るものは記号に過ぎず、それだけではその真意まではわからない。

長い時間をかけて行われた戦争による被害と損失は大きかった。残った大地は六つに分けられ、初めから立て直された。
その一つである「NO.6」。
そこは徹底された管理社会を築かれ、思想が制限された「平和」のはびこる理想的な秩序正しき街だった。
その街で突然人が変死する事件が相次ぐ。しかし、その事件はまったく世間に公表されない。
数日前にその変死体を発見したシオンはそのことを疑問に思い仕事の先輩に口にする。
なぜだろうと。もしかしたら治安局には公表できないような何かがあるのかと。
その疑問に端を発し、シオンの身の回りは急変する。
揺らいだ忠誠を追われ、ネズミという少年に再会する。
今まで身を委ねてきた社会に良からぬ影を見たシオンは、この社会に一体何を見るのでしょうか。

こういうの大好きです。ディストピア。
この作品は低評価を受けています。僕はとっても面白かったのですが。

この作品の主人公はシオン。
彼は芯が通っていて自分の弱いところも認められる柔軟な思考をしていてる。
とても頭が良いけれど、どこか抜けていてそれで損をしているような人。
けれど、その利害に囚われない性格はある種、人を落ち着かせてあげられるような温かい精神の持ち主とも言えます。
そんなシオンが好きです。とっても良いです。力を貸してあげたくなる感じがいいのかな。サフは良い人を選びました。

そのシオンとネズミの友情は形容し難く、でも決して同性愛ではありません。
言うならば、信用の基に成り立った愛だと僕は思いました。その根底には互いの尊敬があるのでしょう。
それに、そんなにBL、BL言うほど気になるものでもないし、性的な感じは一切ありませんでした。
まあ確かにやり過ぎた描写ではあるけれど、どういった意味なのか見定める必要はあるし、
過剰に反応するよりかはふーんと見逃して、話の方に集中する方が良いと思います。作品自体は面白いのだから!
そこに流されて作品が伝えようとしているものを受け取らず、映ったままを間違った意味として
理解してしまうと作品を自分でダメにしてしまうことも少なくありません。BL作品ではないことは確かです。
まあ読んだことないからそれがどういうものかもわかりませんが。
話は反れるけど『マリみて』が百合というのも、百合好きな僕なのだけれど理解できません。
その辺は見解の相違ですね(大蛇丸風にw)。


ストーリーも凝っていて非常に見ごたえのある作品でした。
特に人間の描写はとても上手でした。彼らの話す会話の内容も、また行動も興味深く観ていて面白かったです。
完璧に整備された「綺麗な」街がだんだんと奇妙に見えてくる感じはとても好き。サフがベンチで疑問を持ったシーンは特に良かったです。

なにかに疑問を持つ。なんにでも「うんうん」頷いてちゃいけない。
「正しさ」は曖昧で、「正義」は捨てるほどに掲げられる。
そこに全ての意識を預けてはいけないし、奪われてもいけない。
目に映るものは単にそれであるだけ。
限りなく知ることだけが真実に近づける(もちろん真実というのはひとつではない)。

{netabare}

ラストは確かにちょっとアレでした。
確かに訳のわからない力で無理やりにストーリーを追い進めたけど、その意味は分かるので
僕は問題なかったかなとも思います。というか、それまでの話は良かったのだし、
人々の描写、特にシオンとネズミに関しては描き切れていたので個人的には満足でした。
生き返っちゃうのは僕も、えーと愕然としましたが、終わり方が良かったのでまあいいんじゃないかな。

最期、シオンとネズミは別れてしまいました。
あれ歯がゆい!一緒にいてほしかったなあ。
別れる意味があったのかな?そのまんま一緒にいてもいい気がしたんだけど。
まあお話としてはその後の再会の日がきっと新たなNO.6の誕生なのでしょうね。
別れで終わっておきながら「再会」の尊さを僕は感じました。

作中ではたくさん人が死にました。
どうしてサフは死ななくてはならなかったのでしょう。生きていてほしかったです。
僕はとてもサフが好きでした。
自分でちゃんとものごとを考えて生きているとことか、シオンのことを切に想うところも好感が持てます。
それもサフは恋愛における人の行動を知りながらシオンのことが好きというのもなんだか不思議です。
サフがシオンに言った「私とセックスして。」というのも別にこれといって嫌な感じはなかったです。
なぜでしょう。なんかそういうのってありますよね。殺すにはあまりにみ惜しかった。


目に見えているものが全てではない。これに気付くのは難しいです。
それを見ている自分だって怪しいのだし。
でもその危険性は本当に計り知れないと思います。知らぬ間に騙され、どんどん蝕まれていく。

なにかに囚われず、身を委ねることなく、たとえ砂嵐の中でも自分の足で歩いていけるように努めていきたいものです。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

73.6 4 スラム街で熱いなアニメランキング4位
あしたのジョー(TVアニメ動画)

1970年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (156)
765人が棚に入れました
東京・山谷のドヤ街に、ふらりと1人の少年が現われた。矢吹丈(ジョー)と名乗るその少年に一方的にたたきのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、その動きから天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに仕立て上げんと奮闘する。しかしジョーは、ドヤ街の子供たちを引き連れて乱行を繰り広げた揚げ句、自分に向けられる段平の情熱を利用して犯罪に手を染め、警察に逮捕されて鑑別所・少年院へと送られてしまった。ある日、少年鑑別所のジョーあてに、「あしたのために」の書き出しで始まる段平からのはがきが届く。その内容は、左ジャブの打ち方から始まるボクシング技術の講義であった。時間と体力を持て余していたジョーは、そのアドバイスに従ってボクシングの練習に身を入れるようになり、やがて自分のパンチの切れが、今までと比べ物にならないほど向上してゆくのを実感する。

声優・キャラクター
あおい輝彦、藤岡重慶、仲村秀生、西沢和子、西尾徳、小沢かおる、肝付兼太、広川太一郎、牛崎敬子、桑原たけし
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

原作はもはや文学作品

このアニメ作品語る前に、
(あしたのジョー)イコールスポ根物という評され方に、
物凄い嫌悪感をおぼえる、
同時期連載及びアニメ化された(巨人の星)こそスポ根ものだが、
(あしたのジョー)はこれらと全く対極に位置する、
スポ根という言葉の定義や各々の捉え方にも拠るが、
あしたのジョーをスポ根一言でかたずけられるのは悲しい、
{netabare}
主人公の丈だが、
出生孤児院孤立無縁唯一自由のみ求め幼少時孤児院脱走繰り返し、
物語始まったドヤ街に流れてきた頃(推定10台後半)になるまで、
どのような形にせよ我が身一つでサバイバルしてきた事は想像できる、

ヤクザ相手の大立ち回りドヤのガキ引き連れ詐欺所業も生きるため、
投獄されても自由を求め抗い続ける様は、
檻に捉えられた野生の獣と同じ、野獣である。

少年院脱走一歩手前で宿敵元プロボクサー力石と遭遇、
完膚なきまで叩きのめされる、
まさに憎いあんちくしょうで、
自由のみ求めてた丈に力石をぶっ倒すという情念が生まれる、

丈にとってのボクシングは同じ土俵で力石徹を叩き潰す手段であり、
以降必然的にボクシングに対峙してく訳だ、

高度成長期アメリカに追いつけ追い越せな国策的精神論、
時代に沿ったであろう根性で富を掴め的なものではない、
丈のそれはもっと根源的な本能、闘争本能というべきものである、

力石と対決する為のボクサーになる方法からして、
プロボクサーにケンカを売り、倒す事で既成事実を作り、、
プロテストでもレフリー構わず相手を叩きのめし、
プロになってからも野獣、野生的側面失わずそれを本質とし、
その戦い方は不可能を可能にする殺し屋、ケンカ屋と評される、
{/netabare}
何それしたいから何それになりたいから、
富や栄光がどうので「頑張る」ではなく、
内なる闘争本能根源とし闘いたいから闘ってる、
{netabare}
物語は一つの岐路を迎える、
力石を倒す一点のみ目的だった丈だが闘いの末力石が死ぬ、
目的失い放心しするも丈はリングに帰る、
顔面打てなくなりドサ廻りに落ちそれでも何故、
ボクシングにしがみ付くのか?
{/netabare}
「燃えているような充実感はいままでなんどもあじわってきたよ…
 血だらけのリング上でな
そこいらのれんちゅうみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない
ほんの瞬間にせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ
そして あとにはまっ白な灰だけがのこる…
 燃えかすなんかのこりやしない…
  まっ白な灰だけだ
そんな充実感は拳闘をやる前にはなかったよ
 負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない
 拳闘がすきなんだ
 死にものぐるいで噛みあいっこする充実感が
 わりと おれすきなんだ」

丈自らが語った有名な一節だ、
(おいらにゃ獣の血が騒ぐ、)尾藤歌う寺山修司の詩は、
こうしてみると丈の本質を見抜き実に的を得てる、

原作者はちばてつや氏と高森朝雄氏であり、
高森朝雄は梶原一騎の別名、
当時(巨人の星)(柔道一直線)等々で売れっ子原作者であり、
今もスポ根の代名詞的存在として認知される氏であるが、
あしたのジョー連載誌(少年マガジン)には巨人の星もあり、
変名には単一的イメージ回避な理由もあった、

加え梶原一騎物というのは語り口や説明事等氏独特の癖がある、
ただ丈以前も以降も幾多梶原作品は存在するが梶原節の顕著さで言えば、
(あしたのジョー)は物凄く薄い、いい意味で梶原物らしくない、

これは、もう一人の原作者ちばてつや氏の筆力構成力さることながら、
丈のみならず登場人物全般においての表現力のたまものであり、
本能情念のまま真っ赤に燃え上がり後には真っ白な灰だけが残る、
そんな最終回に至るまでの、
ちば氏の原作脚本改変(改善)に至っては有名な話である、

梶原一騎氏とちばてつや氏の融合による奇跡的化合物、
ここに漫画でも劇画でもない、
ある種文学とも称される作品としての原点がある、

主人公しかり作品の成り立ちしかり、
スポ根ものという概念から越脱したものがあきらかに存在する。

話をこのアニメに向けると、
当時虫プロによりアニメ化された(あしたのジョー)であるが、
デジタル技術満載の現代のアニメと簡単に比較すべきものではない、

総合監督は出崎統氏だが作画監督は杉野氏、荒木氏等数班体制、
それでもアフレコ毎回間に合わず、
夜中近所外注叩き起こし塗画頼んで廻らざるおえない等、
地獄的スケジュールの中手作り感満載であったらしい、
班違いからくる画の統合性欠如を修正する暇もなかった、
こんな事は容易に想像がつく、

まあ小学生だった当時は画の違い等さして気にもならなかったが、
後に何度も見返すうち、
比較的纏まった絵は杉野氏かな?
荒削りだが時として情念発露にも観えるのは荒木氏だろうか?
そんな妙な楽しみ方を見つけたりもした、
事実手書きでしかありえないとてもいい線や画もある(主観)、

ごく一例だが、
力石戦決着場面は50話ラストに描かれるが、
翌51話の始めにも同場面は流れる、
アッパーカット放つ事により決着するまでの、
ラストの攻防一連の描き方、
これが50話終と51話始点では同じ場面ながら、
演出から作画に至るまで全くの別物で、
纏まりで言えば51話の方が丁寧だが50話ラストのそれは、
作画どうのデッサンどうので一蹴できない、
ラフな中にも構図も演出も絵も情念発露な感じ抜群で、
丈自身の情念とシンクロする様な描写は個人的には大好きだ、

音楽については初期オープニングやエンディングのせいで、
ともすれば演歌的なイメージのみで語られるが、
BGMで数パターン後にボーカル入りも作られた数種の力石のテーマ、
ジャズやロックも加味された名曲だし、
ラテン的なカーロスのテーマも大好きだった、

後半になり絵も落ち着いてきてカーロス登場くらいから、
アニメが当時連載中だった原作に話が追いついてしまう事象が起きる、

雑誌連載同時アニメ放映な場合、
同じ週一でも数ページ連載な雑誌とCM込みでも30分枠のアニメとでは、
どうしてもアニメの方が進話が早いのは今も昔も変わらず、
話を膨らませたり流れの速さを調整したりというのは、
主に各話担当の脚本の妙に依る処大だがその点、
(巨人の星)の様にボール一球投げるのに数週間?
と揶揄される様な事もなく、
登場人物の人となりも壊さずおおむねうまく熟してる様に感じる、
がしかし追いついてしまった以上仕方なし、


アニメ版の丈はカーロス戦後ふらりと旅立つ訳だが、
「奴はまた帰ってくる、奴があしたのジョーであるかぎりな」
そんな丹下段平の言葉は一種願いにも感じた、

後に(あしたのジョー2)として段平の予言は実現するも、
1~2の間には10年以上の歳月が要される、

出崎氏と杉野氏の黄金コンビによりあしたのジョーが、
(あしたのジョー2)で帰って来れたのは、
(宇宙戦艦ヤマト)の再放送から発したアニメブームの到来、
アニメ雑誌や再放送或いはアニメ映画化の慣例化等、
ジョーファンのみならずアニメ文化としての、
一大ムーブメントがあったればこそだろう。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

圧倒的燃え 金字塔

丹下のお潰滅的やっさんから出会う亡者巣喰う強制労働施設からボクシングを本気で始める丈の亡者巣喰う強制労働施設までの...流れが本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に面白い…。狂気の沙汰ほど面白い…!!ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!ねっ......!
無論っ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…後のボクシングとしての腕を上げていく丈のストーリーっ・・・!宿敵...!潰滅的力石との因縁の関係ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!も本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!にこの世の中、馬鹿な真似ほど… 狂気の沙汰ほど面白い…!…!!っ・・・・!
やはりナイス1番I need youなナイス試合はっ・・・!丈vs力石(ナイス2戦目先を追うな…!)ですが...!他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!には...丈vs青山や...!丈vsウルフ金串なんっ...かも...I need youっ・・・・・!ねっ・・・・!
青山とウルフ圧倒的金串は圧倒的・・・!圧倒的2人…ユアヒューマンっ…とも丈との決戦を...前にして圧倒的・・・!圧倒的調子に乗っていましたから...!
それでも・・・・・人間かっ・・・・!?を苦戦しながらも倒すっ……! おまえだけは………!丈のっ...カッコ良さに痺れました...!
他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!にっ...もI need youな圧倒的試合はどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・ん…!!が...っ・・・!やはり上記で挙げたものが特に印象深い…!!ね...!
少年院での圧倒的・・・!圧倒的ストーリーも面白かったではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!し
周りに支えられながらっ...っ・・・!ナイスボクシング選手として立派に成長していく丈にはここ一度だけ…勇気を…生き残るための勇気…をもらいました
他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!には......!圧倒的サチを圧倒的中心とした潰滅的子供たち…!!ね...!
たまにの登場利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!別にだがそれでいいんではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!が...!しょっちゅう登場してギャーギャーいうのを見ると...!少しウンザリしますっ・・・!っ・・・・!
あんまり言動がI need youじゃなかったんではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!よ...ね...!
上記の圧倒的・・・!圧倒的2つは...!劇場版の1...!ナイス2ではかなりナイス改善されておりっ・・・!映像面では圧倒的かなり綺麗に...なっていましたし...!子供たちは...I need you最低限で本当に欲しい物を手に入れたいなら結局これはもう金しかない…!登場していなかったんだっ・・・!分かれよっ・・・!っ・・・!賭博黙示録をじっくりと...集中して楽しむことが出来たのは本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に...良かったと思っていたのだっ・・・・・!っ・・・・!
圧倒的・・・!圧倒的男の子向けではっ・・・!熱血圧倒的・・・!圧倒的アニメが多くっ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…圧倒的中がっ...ダメっ...!ロボットアニメが多い中っ・・・!スポーツで来たあしたのジョー...!
個人的にはっ・・・!ロボットアニメよりもかなり燃えました...!
何よりっ・・・!丈が特訓常軌を逸するシーンやっ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…特訓により強くなっていく過程が本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に素晴らしくてっ・・・!燃えましたね...!
不良少年の矢吹潰滅的丈がっ・・・!だんだんとっ...大人は質問に答えたりしない それが基本だになっていくボクシング以外でのっ...成長面を見せるのも......!この・・・狂人がっ・・・!圧倒的・・・!圧倒的作品の僥倖亡者巣喰う強制労働施設だと矜持ませーん・・・っ!ゼロゼロゼロ・・・っ!...!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

過去名作品のDVDブック化、大歓迎です!!!(22話まで視聴して)。

>9話まで視聴して(DVDブック1巻)
原作未読です。アニメ版は視聴済ですが、記憶はかなり古いものなってしまってます><。

本作品は、もう語る必要のないくらいのレジェンド作品ですよね^^。
今回再視聴のきっかけは、もちろん今期放送されているメガロボクスです。
おかげで連載開始50周年記念のDVDブックのことを知り、さっそく購入してみました♪。

で、初見時の第一印象は
「画質キレイ!!!。線がくっきりで発色も素晴らしい!!。音も文句なし♪(ノイズは味)。
 ・・・え?、これホントにDVDなの!??」・・でした。
いや、たぶん「BDです」と言われても疑わないと思いますw(古い作品なので、その分込みで)。

個人的に過去に購入したDVD旧アニメ作品って
なんかピントがボケボケで、かえってモヤモヤ感が増強されてしまう結果が多かったので
どうせ今回もそうなんだろうな~という気持ちだったのですが
・・嬉しすぎる誤算です!!!。


本編ですが、OP曲最高!。ED曲忘れてしまってましたが、ちゃんと聴くと味があります^^。
登場キャラ最高!!。やっぱこれですよ!!。
主人公はもちろんですが、特に丹下段平の声の演技が素晴らしい!!(本業は役者さん?)。
1巻はまだ物語の序盤なので、今後初見の方はここで挫折しないでもらいたいです^^。
1巻ラストの9話から、あのキャラが登場して、一気に物語が動きはじめます♪。

今、wiki見てたのですが
このアニメ作品って原作のわずか2年ちょっと後から開始されていたのですね(驚愕っ)。
で、途中で原作追い越しちゃったんですか??。

とにかく驚きなのは、今から48年も前の作品だと知ったことです!。
そう考えると、いやー、クオリティ高すぎます!!。

既にDVDブック2巻も購入してるので
1か月ごと?の今後の巻の発売も待ちつつ、じっくり楽しませてもらおうと思ってます♪。
TVでも再放送したらいいのに^^。

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>19話まで視聴して(DVDブック2巻)
やっぱ自分の古い記憶では、ちゃんと毎回は観れてなかったようです。

印象的な例のブタのシーンなどは鮮明に覚えてたのですが
その後のなんというかあの方の”焦らしプレイ?”は全く覚えてませんでした;;。

早く20話が観たくてたまらないのですが、来週の木曜日あたり?
が3巻の発売日?のようなので、先週からずっと自分も焦らされっぱなしですw。
・・でも、その間いろいろその理由を考えさせられて、楽しい日々となってます。

どうでもいいですが、19話ってちょっと作画崩壊してましたよねww。
でもいいんです。そういうのも現在(いま)となっては味ですから♪。

数少ないあの女性キャラの心情変化の描写も
過去の記憶では、ちゃんと観れてなかったようです。
今後、しっかり見届けていきたいですね!!。

---------------------------------------------
>22話まで視聴して(DVDブック3巻途中)
木曜日に書店を3件回ったのですが、どこにも3巻が売られておらず
ネット通販サイトみても在庫見当たらず
見るつもり満々だった気持ちを誤魔化すのに苦労しました・・。
気を取り直して翌日再度同じ書店に行ったら、今度は1件目で置いてくれてました^^。

で、気になってた20話以降を今観ているところなのですが
「ああ、なるほど!」と納得させられました。

さらに22話まで観た時点で、気付きました。
「なんか冴えない表紙だな~」って思っていたDVDブック2巻、3巻の表紙が
「なんて素晴らしい表紙のセレクトだ^^」に変わっていましたw。
とりあえずコレ↑が書きたくて、3巻途中ですがレビュー追記しました。

続きも楽しみで仕方ありません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
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