ディズニーでミュージカルなおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのディズニーでミュージカルな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番のディズニーでミュージカルなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.7 1 ディズニーでミュージカルなアニメランキング1位
アナと雪の女王(アニメ映画)

2014年3月14日
★★★★☆ 3.9 (400)
2277人が棚に入れました
運命に引き裂かれた王家の美しい姉妹、エルサとアナ──触れるものを凍らせる“秘密の力"を持つ姉エルサはその力を制御できず、真夏の王国を凍てつく冬の世界に変えてしまう。妹のアナは、逃亡した姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、“夏に憧れる雪だるま"のオラフと共に雪山の奥深くへと旅に出る。アナの思いは凍った世界を溶かすことができるのか? すべての鍵を握るのは、“真実の愛"…。

声優・キャラクター
イディナ・メンゼル、クリステン・ベル、ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、ジョナサン・グロフ
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

人気が出たから好きなわけではないです。低評価の人にありがちな誤解。

2016.12.23加筆

好き嫌いは人それぞれなので個人の評価をどうこう言うつもりはないですが、アナ雪は単純なストーリーなのに意外と理解されていないと思うことがあります。
批評するなら最低限以下のことは理解しておいて欲しいです。(伝わらないから駄目と言うのも評価のうちですが)

1.姉妹愛の物語
2.主人公はアナ
3.エルサの魔法を解いたのもアナ

{netabare}レリゴーがヒットし過ぎたせいか、そこに社会的な意義を見出そうとする人が多く、女性の自立だとか、マイノリティーからの脱却とかさらにはレズビアンまでorz。考察するのは自由ですが、間違った視点に拘っていると、メインのテーマが見えなくなってしまいます。この映画は最初から最後まで『姉妹愛』がテーマです。男女の恋愛でもなく姉妹愛。単純なテーマのようで、とても深い話だと思います。ディズニーで『真実の愛』とか言っちゃうと「王子様からのキスね!」と安易に考えてしまいがちですが、この作品は既成観念を覆しました。それは姉妹だからということではなくて、愛は求めるものではなく与えるものであるというメッセージを物語中に込めたのてす。
物語の前半では、愛情に飢えたアナがそれを求め、でも大好きな姉には受け入れて貰えず(舞踏会のシーン)、代わりに会ったばかりのハンスに愛情を求めます。自分が幸せになりたかったから。(自己愛)でも、終盤のエルサが殺されそうになるシーンでは、自らの命を投げ打って彼女を助けます。(無償の愛)例え姉が自分を見てくれなくても、自分の命や幸せよりも姉を守りたかった。見返りを求めず、エルサを守ったその姿こそ真実の愛でした。魔法を解いたのは、エルサではなくアナ自身です。
あえて男女の恋愛を選ばなかったのは、普遍的なものとして愛を描くためだと思います。(恋愛と愛は似ているようで大きく異なるので、男女だとこの違いが見えにくい気はします。)
{/netabare}

4.ハンスは心を映す鏡(説)
5.オラフは姉妹の幼い頃の思い出

{netabare}アナ雪はスタッフが皆でアイデアを出し合って、そこから不要なものを削ぎ落とし出来上がった作品だそうです。物語に深みがない?私は細部までよく練られた作品だと思っています。
意味のない描写がほとんどないのです。大半の描写は姉妹の関係に繋がります。

ハンスとの恋愛も姉妹の関係に繋がる話です。アナはエルサと仲良くしたいのにそれが叶わず愛情に飢えていた。エルサの代わりに自分を愛してくれる存在を求めたのです。だからハンスとは最初から本当の愛ではなかった。
ハンスとのやり取りは一見ただのラブコメに見えますが、ハンスが鏡の役割だと考えると、アナの孤独や積年の思いが見えてきます。

オラフは姉妹の幼い頃の思い出です。そして、それを作ったエルサの思いがオラフに宿っていると考えると、オラフがアナを大好きなのも、夏に憧れているのも納得がいきます。
オラフは言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」その台詞はまさにこの物語のテーマであり、彼がただの愛玩キャラクターでないことが分かります。

トロールの歌も、一見アナとクリストフの歌に見えますが、実際はアナとエルサの関係を示唆する歌になっています。(アナの表情を見ていると、トロールの言葉に真剣に聞き入っているのが分かります)

ラブコメがないわけではないですが、メインテーマではないので。ラブコメを期待していた層(若年層が多い?)は姉妹愛の結末にガッカリしたようです。
一応ラストはディズニーらしいラブコメハッピーエンドでしたが、アナ自身はまだ恋愛のことよく分かっていなさそうです。クリストフのことは好きだと思いますが、これからかな。まあ、彼が誠実な人なので、アナを大事にしてくれるでしょう。

男キャラが活躍してないと不満に思う人もいるようです。
キスしてお姫様を助けた方が格好良かったでしょうか?見せ場がないからつまらない?

でも、アナのために吹雪の中駆け付けたクリストフは勇敢だったし、抱き合う姉妹をそっと見守り心から喜んでいた姿はとても誠実に見えました。
{/netabare}



以下は2016.06.19のレビュー内容

アナ雪は人気が出過ぎた反動か、過度に拒絶反応を示す人も多く、従来のディズニーアニメではありえないほど叩かれていたと思います。
否定派の人は、歌が良いだけでストーリーがスカスカだとか、ブームに乗せられてるだけだとか、言いたい放題で自分の考えが全てみたいな論調ですが、それこそブームに踊らされてニュートラルな見方が出来なくなっているのではないでしょうか?

好みは人それぞれなので、この作品が肌に合わないと言うなら納得しますが、こんなに持ち上げられているのはおかしい、○○の方が面白いのに!という論点でのレビューは意味がないと思います。

私は、アナ雪はブームになる前にCMでエルサが歌うシーンを見て、このシーンが観たい!という思いで劇場に足を運びました。実際、そのシーンだけでも観に行く価値はあると思っています。なので、歌が大きな魅力であることは否定しませんが、それだけではありません。ストーリー含めて予想以上に良かったので、生まれて初めてリピートしてしまいました。近くの劇場で3D上映がなかったことだけが悔やまれます。

というわけで、今更のアナ雪レビューです。
書きたいことが沢山ありすぎて、上手くまとめられそうにないので箇条書きで。
尚、今更ネタバレ気にすることもない気がしますが、長いので所々ネタバレタグを付けました。



1.主人公はアナかエルサか?

レリゴーのイメージが強いのと、序盤は自分の力に苦悩するエルサに共感しやすいので勘違いされがちですが、『アナと雪の女王』なんですよね。主人公はアナの方です。

{netabare}エルサだけに感情移入してアナを見ると、何も知らないくせに!と腹が立つでしょうし、ただの自分本位な尻軽女にしか見えないかもしれません。
主人公はこうあるべき!みたいな理想が強い人ほどアナというキャラクターを受け付けないのかもしれませんが、アナの心情を理解しないと物語の真意は汲み取れないと思います。

私はわりと駄目な子の行動を追うのが好きなのですが、何故彼女が間違ってしまったのか?を考えながら物語を眺めると色々なことが見えてきたりします。すごくリアルなんですよね。(ファンタジーなのにリアルはおかしいと言われるかもしれませんが)心の動きにリアリティを感じました。もちろん、私自身同じ経験をしたわけではないので、実際にそうなのかはわかりません。でも、十二分に心に響くものがありました。

アナ雪はアナに共感出来るかどうかで評価が変わってくると思います。ストーリー自体は単純な作りなので(むしろいらないものを省けるだけ省いて重要な要素だけ残した)、入り組んだ難解なストーリーを好む人には物足りないかもしれません。
あと、歌もストーリーの一部であり、キャラクターの心情や物語の真意が隠されていたりするので、そこを見逃してしまうと肝心なものが見えなくなってしまうと思います。(日本語訳は若干誤解されやすい表現になっています)
この作品はキャラクターの心情の掘り下げと演出が素晴らしいので、物語の表面だけでなくキャラクターの心情をしっかり追って見て欲しいと思います。
{/netabare}


2.『ありのままで』の意味するところ

日本語版の歌詞がポジティブで希望に満ちたイメージを持っているせいか、マイノリティの自立とか抑圧からの解放みたいなニュアンスで解釈する人が多い気がします。確かに、あの時のエルサにはそういう思いもあると思うので決して間違いではないでしょうし、私自身もエルサの悲しみ苦しみには共感しました。
でも、

{netabare}原語の方はもっと投げ遣りな歌詞で、最後の扉の演出が示唆するように、引き篭もってしまっただけなんですよね。エルサ自身はありのままに生きる!と思っていても、結局は現実(社会)から逃げているだけ。(あくまでも物語の意図として)本当の幸せはそこにはない。エルサ自身が乗り越えていかなければならない壁なんです。
{/netabare}


3.何故アナは間違ってしまったのか

アナはディズニー主人公らしく明るく元気な性格なので、心に抱える闇の部分が分かりにくいかもしれません。

{netabare}仲の良かった姉に突然避けられ、閉ざされた城の中で13年間。両親は姉に掛かりっきりだったでしょうし、話し相手もいなかったように思います。リアルに考えたら、もっと暗く歪んだ性格になってもおかしくありません。流石にそこまで鬱々した物語にはしませんでしたが。
アナはエルサが何故自分を避けているかも知らないんです。でも、幼い頃優しかった姉のことをずっと思っていました。(この心の闇は相当深いはずです。)

そんなある日両親が不慮の事故で亡くなり(この辺はかなり端折られています)、姉と二人きり。でも、相変わらず姉は引き篭もっていて…

戴冠式の日、久しぶりに城の門が開き、アナは希望に胸を躍らせます。恋に恋する乙女にも見えますし、エルサの苦悩を知らない能天気な妹に見えるかもしれません。
この映画では所々で扉の演出が効果的に使われています。エルサが心を閉ざす演出だったり、鬱屈した日々の終わりを告げる演出だったり。そこにも注目して欲しいところ。

この時は、アナは一人ぼっちの日々が終わると信じていたんですよね。また姉と一緒に暮らせると。でも、久しぶりに姉と交わした会話で彼女の期待は打ち砕かれました。(ここも日本語訳は若干伝わりにくいです)
エルサはアナの結婚を反対しました。当然です。でも、アナから見れば、姉には避けられるし結婚には反対される、自分が孤独から抜け出す道も閉ざされてしまう。挙句の果てに出て行けと言われる。アナにはエルサが自分を拒絶する本当の理由も分かりません。アナは姉に受け入れて貰えない悲しみと失意のまま広間を飛び出します。本当は姉と一緒にいたいだけなのに。

そこに現れたのがハンスです。ハンスとのデュエットシーンや後の台詞でも分かりますが、アナは愛情に飢えていました。姉と仲良くしたいのに受け入れてもらえない。そして、戴冠式が終わればまた一人ぼっちになってしまう。そんなのは嫌だと。だからハンスに愛情を求めたのだと思います。ハンスもアナと似たような境遇の持ち主でした。互いに傷を舐め合う相手として意気投合したのだと思います。(実際はこの時点でハンスには腹積りがあったようです)

アナの選択は浅はかですが、彼女の心情を思うと同情せずにはいられません。ハンスとの結婚については作中でも散々否定的に描かれていました。(それでも期待していた人は多いようですが)
{/netabare}


4.ハンスの役割と心変わり

以前どこかのサイトで、ハンスは心を映し出す鏡としての役割があるという考察を読みました。

{netabare}デュエットシーンはまさにそれですよね。姉と仲良くしたいのに自分を見てくれない。誰かに愛されたい。寂しい二つの心は瓜二つ。ハンスの存在はアナの寂しい心そのものを映し出していました。

一方では一人のキャラクターとしてのハンスの心情が分かり辛かったというのはあります。本人の台詞から察すると、最初から王位に就きたくてアナに近付いたようです。具体策はないものの、いつかエルサから王位継承権を奪おうと機を伺うつもりだったのだと思います。
エルサが城を出た後、アナの代わりに城を守っていました。この時の彼はアナの伴侶として国を守るつもりでいたと思います。(彼にとっても利害一致しているので)人々を守ろうとする彼の姿は誠実で、家臣達も信頼のおける人物だと思ったことでしょう。
でも、エルサを確保し、凍り付きかけたアナが戻って来た時に転機が訪れました。家臣に「もしもアナ王女に何かあったらあなただけが頼りだ」と言われ、ハンスの心に悪魔が宿ります。
ハンスが王位を得るためにアナはそこまで邪魔ではなかったと思いますが、エルサがいる限りハンスの思惑通りに事を進めるのは難しそうです。エルサを殺すにしても、アナにその事実を知られるわけにはいきません。姉妹のどちらか一人を殺すよりも、二人とも死んでもらう方が確実ですし、アナが死に掛けているこの機を逃すまいと思ったのでしょう。
{/netabare}


5.オラフは良キャラか?

否定派の中でもオラフだけは良キャラだと言う人がいます。マスコット的な場を和ますためのキャラと言うこと?でも、私はもっと重要な意味を持つキャラクターだと思っています。

{netabare}オラフは幼い頃の仲良し姉妹の象徴であり、エルサの心そのものだと思います。「ぎゅっと抱き締めて!」と言ったのも、夏に憧れているのも、アナが大好きなのも、エルサ自身が作ったものだからと思うと見方が変わってきませんか?
{/netabare}


6.愛か恋か

以前、別件で考察したことがあるのですが、恋愛は自己愛に近いものだと思います。相手への欲求(相手から愛されたい)を満たすことが最大の目的になっている。それに対して、愛は与えるもの。(無償の愛)

{netabare}オラフが言うように、「愛とは自分より相手のためを思うこと。」簡単なようでいて難しいことです。
恋愛も美しいのですが、より尊いのが愛だと思っています。そして、愛というのは性別や年齢関係なく誰にでも向けられるものです。

物語の前半アナはずっと姉の愛情が欲しくて、でもそれが叶わず寂しさを埋めるためにハンスに愛情を求めます。(自己愛)でも、やっぱり城を飛び出した姉が放っておけなくて追い掛けます。山を登りながら、「言ってくれれば良かったのに。本当嫌になっちゃう。」と苦笑いします。愚痴のような台詞ですが、自分の行為が姉を追い詰めてしまったこと、そして一人でずっと苦しんでいた姉の辛さを知り、もっと早く教えてくれれば一緒に問題を解決出来たかもしれないのにという後悔の念を感じました。
人々はエルサの力を怖れますが、アナだけは違いました。怖れるものは何もない。だって姉なのだから。エルサの力になりたい、また一緒に仲良く暮らしたいという思いに突き動かされて彼女の後を追います。
でも、アナが思っていた以上に事態は深刻で、エルサの力を止めることは出来ませんでした。

傷付き城に戻ったアナはハンスにまで裏切られ、自分の考えが甘かったことを思い知らされます。彼の愛は真実の愛などではなかった。
「愛が何なのかもわからないのに。」とつぶやくアナにオラフが言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」それは溶けても良いからアナのそばにいたいと言うオラフの行動であり、アナの望みを優先してハンスのところに行かせたクリストフの選択でした。
仮に、ハンスとキスしたとしてもアナは助からなかったでしょう。アナ自身の中にハンスへの愛がないのだから。

アナは死の瀬戸際で姉の危機を知り、自分の命と姉を天秤にかけます。それまで自己愛でしかなかったアナがエルサのために自分の身を捧げた、その行為こそが真実の愛であり、自らを救う結果となりました。(勘違いしている人もいるようですが、エルサの魔法を解いたのはアナ自身の行動です。)
たとえエルサが振り向いてくれなくても彼女を守りたい。エルサのことが大好きだから。その思いはとても尊く見えました。
{/netabare}


7.王子役不在

ここまでの考察で分かると思いますが、この作品は姉妹愛がテーマになっています。男女の恋愛ではありません。(ましてや同性愛とか論外)

{netabare}一応恋の話もありますが、ハンスとの恋は姉への欲求が歪んだものでした。
この作品ではアナが従来の王子のような役回りをしています。白馬に跨りエルサのところに向かうアナはまるで王子のように勇敢でした。
{/netabare}


8.クリストフは損な役回りなのか

{netabare}終盤の城のシーン、クリストフはアナのために危険を顧みず駆け付けたのに、美味しい場面は姉妹に持っていかれてしまいました。従来のディズニーアニメならここは二人のキスでハッピーエンドの場面かもしれません。でも、この物語はそれでは駄目なのでしょう。アナ自身の愛の変化(自己愛→無償の愛)がキーになっていますから。

クリストフは抱き合う姉妹を見て一瞬困ったように笑みを向けます。でも、アナのことを思うからこそ心から喜んでいたと思います。美味しいところで活躍出来なくても、彼の誠実さはしっかり描かれていますし、キャラクターの格好良さは華々しいシーンがあったかどうかだけで決まるものではないと思います。クリストフはとても勇敢で格好良かったと思います。

ラストのキスは彼にとってはご褒美でしょうか。いつものディズニーっぽさの演出(大団円)だと思います。
でも、アナはまだ恋愛についてはよく分かっていないんじゃないかと思ったりもします。好意は持っていると思いますが。ても、クリストフが誠実な人なので上手くリードしてくれることでしょう。
{/netabare}


9.トロールの歌

トロールの歌もクリストフとアナではなくて、物語的にはアナとエルサに掛かっていました。

{netabare}孤独に暮らしているのは愛されたいから、とか、怯えていると道見失う、でも愛さえあれば最高の道選べる。誰もが完璧じゃない。それを補うために必要なのが真実の愛だと。アナの表情をよく見ていると、この歌の持つ意味が分かります。
{/netabare}


10.余談

一時期のテレビでの持ち上げっぷりには流石に私もうんざりしていました。それこそ人気作に便乗して視聴率を取りたいだけ。面白くもない芸人のネタもうんざり。作品に対するリスペクトなんて一切感じられませんでした。

それはともかく、アナ雪は良くも悪くも色々な方面に影響を与えました。アニメにもアナ雪の影響は波及しています。実は私の一押しアニメの『レディジュエルペット』がアナ雪精神を踏襲しています。演出も似た部分があり(おそらく意図的)、私自身最初は嫌悪感を抱いたのですが、いつの間にかのめり込んでいました。アナ雪の愛の考え方を踏まえつつその遥か先へ行ってしまった印象です。アナ雪ではあまり描かれなかった男女の愛はもちろん、様々な形の愛がこれでもかと描かれていたので、アナ雪絶賛する自分がはまるのは当然の結果かも。是非こちらも観て欲しいです。(ステマ失礼しました)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

True Love is ...

2D字幕版で観ました。
予想外に良かったです!素晴らしい!すっごい泣いてしまったよ!
いや、泣いたっていってもアレだよ?涙がぼろぼろこぼれただけだから!!!

宣伝などでもお分かりになる通り本作ではキャラクターがよく動き、よく歌います。
走ったり、跳んだり!顔の表情だけを観ていても目が追いつきません。
非常に立体的な映像です。奥行きがあり、遠近感がはっきりと表れています。
まるで実際にアニメーションの世界の中にカメラを持っていって撮ってきたもののように思えます。

映像美で言えば短編映画を3Dで観たら声が出るくらい感動したんじゃないかなと思います。
もちろん本編も良かったのだけれどこっちもこっちで虚を突かれます。

歌はとにかくすごい!実際にミュージカルを観ているような気さえしてきます。
台詞からちょっとずつ歌に入っていく感じが上手で、台詞を言うように歌を歌い、歌うように高らかに台詞を言う。
そんな演技の良さが全面にスクリーンいっぱいに広がっています。
どうしてもこればかりは素晴らしいの一言に尽きてしまうのが歯がゆい!実際に観てほしい!

ストーリーの方もよく考えられています。骨組みがしっかりしていて文句の付けどころがありません。
安易でなく、逃げもなく、堂々たる出来でした。ラストに向かえば向かうほどそれがより実感できます。

この作品は歌がたくさん挿入されているせいか、僕は観ていて時間感覚を失いましたw
今ストーリーのどの辺だろうとか、あとどんくらいだろうなど思いつかないほどにこの世界に夢中でした。
でも決して時間が早く経つわけでもないのです。たった100分なのにすごおく引き伸ばされた時間の瓶の中にいたようでした。
それが僕は不思議でした(笑)

{netabare}

物語はとても良い出来でした。それは映像にもはっきりと見てとれました。
雪山に入ったアナとクリストフ、スヴェン、オラフの息が白くありませんでした。
町の人間たちは息が白いのです。彼らは雪山に登っても白いままです。

姉妹の決別を視覚的に、または比喩的にも示したのはエルサが川を渡ったところでした。
これが今回の物語の、非現実への「入り口」となりました。
アリスは穴へ落ちて薬を飲みました。千尋はトンネルを抜けました。漫画でのナウシカは心の中の風景をそれとしました。
今回の「入り口」は地を隔てる川でした。そこを越えると山は言わば、エルサの心の中なのです。
ここはエルサの思い通りになる世界です。
空中に階段を作ることも、雪だるまが動くことも、雪の巨人が人を襲うことが起こっても不思議ではありません。
そして正式な招待を受けることができたのは、アナ、クリストフ、スヴェン、オラフの4人です。
エルサにコミットできるのは初めからこの4人だけだったのです。
他の人たちの息が白く、彼らの息が白くなかったのはそこをはっきりとさせるためにあったと思います。

では「出口」は?
出口の無い物語ほど悲惨なものはありません。救いがないし、無意味だ。
あえて言うならば「True Love」です。

エルサがアナと別れ、山に城を築く際に求めたのは
"No right, no wrong, no rules for me, I'm free!"
「善悪なんて私にとっては意味を持たない。私は自由なんだから。」意訳ですがこういうことでした。
こどもの頃はそれをアナと遊びにも使っていた魔法がそのときでさえその制御することのできませんでした。
その力は守りたいものまで意志にそぐわず傷つけてしまいました。
そういった自責の念はなぜか城の内部から内側に向かって生えるつららにも見られました。
こうした経緯から、また「王女」でありながら民衆に恐れられ挙句の果てに「モンスター」と罵られたエルサは
自分の力が、また同時に自分の存在すらそれらに板挟みにされ分からなくなってしまいました。
しかし、それを救ったのが「True Love」でした。
ひとりの人から愛し愛され、そして支配できるようになった魔法の力は人々に笑顔を与えました。
善悪なんて関係ない?違うわよ、エルサ。あなただってみんなと同じように愛される権利を持っているの。
だからもう大丈夫。あなたは大丈夫よ。

素晴らしい愛の形です。True Loveなんて良い響きでしょう(笑)
そしてひとつの物語としても丁寧に作り上げた本作は評価に値します。


このお話はアンデルセンの『雪の女王~七つのお話からできている物語~』をモデルにしたものらしいですね。
タイトルに少し注目したいです。
本場アメリカでは『Frozen』。こちらはマクロな視点で付けられたのではないかと思います。
大地のことも言えるし、エルサにも関わっているし、包括的です。
日本では『アナと雪の女王』でした。
これはただ単に”雪の女王”という言葉を入れたかったのでしょうか。
僕はアナの1人主人公として分かりやすくはっきりとアナとエルサを対比させ、分けていたように思えます。
物語の一部の構成から、そしてタイトルに名前を出すことから
ブロンドのエルサより、赤毛でそばかすのついた活発なアナに感情移入させることが狙いでしょう。
しかし実際映画を観てみると、どちらのキャラも非常によく立っていましたし、それぞれに物語がありました。
僕はこの映画の二人の主人公で同時進行していく面白さを評価したいです。
決してアナがエルサを助けにいくという一元的で平面な構造ではなかったと僕は思います。

{/netabare}

アニメなんてのはそのほとんどが泡のようなものだと僕は思っています。
自分の体の中で何処と言うには探れなければ、元を辿ることもできないような場所から生まれては消えていく。
僕は自分の視聴形態をその連続に例えることができます。
しかし、湧き出てくる泡の中に、稀に、ほんの一部だけが形を崩さずに自分の中に残ります。
それは靴の中に入った石ころのように気持ちを落ち着かせないこともあれば、
急になにかを思い出したかのようにせわしなく僕のドアを叩くこともあります。
僕はそんなふうにして残った泡を長い時間をかけてゆっくりと眺めます。
近くから見たり、遠くから見たり、いろんな角度からも見てみる。座って見ることもあれば、立って見ることもあります。
急な呼び出しにも雑な返答はせずに落ち着いて応えます。
そうしているとだんだんと見えてくるものがあります。
不確かではあるけれど鍵を手にしたという実感が生まれます。すると泡から薄っすらと白く光る糸が見えるようになります。
僕はそれを繭から糸を引くのと似た要領で優しく優しく引いていきます。切れないように、決してほどき過ぎないように。
そうやって僕はたくさんの物語と関わっているつもりです。まだ完全にほどかれたものはないけれど。

それとは逆に本作のような巨人が山に大槍を突き刺すようなインパクトを持ち、
ファンタジーの可能性を限りないものにしてくれる、極めて単純な感動と希望のようなものを与えてくれる作品です。
音、映像など感覚的なものに結び付き焼きついた記憶は生きるための熱源の一部となり、
自分がすり減ってしまった際には少しの元気とわずかばかりの勇気を与えてくれます。

「俗的かい?酔狂かい?いいや、違うね。これはひとつの作品との極個人的な尊い繋がりなのさ。」

本作は本当に素晴らしい作品でありました。ぜひ一度観てほしいです!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

歴代史上最大ヒットするわけだ、全世界がコレを待っていた~そして古典の中に織り込む『Wヒロイン&Wヴィラン』という新たな挑戦の意欲作でもある

生まれつき雪や氷を作り出す事が出来る魔法を身に着けていたアレンデール王国の王女エルサ
しかし上手く魔法をコントロール出来なかった彼女を不憫に思った両親は彼女を人目から隠すように育ててきた
一方、好奇心旺盛で破天荒な妹のアナは幼い頃から閉ざされきっていた城の門や自分と顔も合わせようとしない姉との生活に退屈し、外の世界へ憧れを抱いていた
やがてエルサは成人し、女王となるための戴冠式の日を迎えたがアナの軽はずみな行動から言い争いになった矢先、力を抑えきれずに魔法を暴発させてしまう
秘密だった魔法を知られてパニックに陥ったエルサは王国を捨てノースマウンテンに作り上げた氷の城に引き篭もるのだが、エルサの魔法の影響で夏季であったはずのアレンデール王国全体が極寒の世界となってしまった
エルサを追い詰める原因を作ったアナは責任を感じ、姉との“仲直り”を望み独り身で旅立つ・・・


まず昨今のディズニー映画・・・というかディズニー作品とピクサー作品で作風が2極化してるようにオイラは感じてます
インパクトあるキャラクターを重視して物語自体は比較的子供向け、寓話的な構成が目立ち奥底に抱える「アニメタ魂を隠し切れないピクサー」
(あくまでオイラの主観です、『トイ・ストーリー』のようにシリーズ化してよりキャラを掘り下げに入る場合もあります)
主人公に強過ぎる個性を求めず、感応的、情緒的、ロマンティシズムある物語を重視する「あくまで映画屋なディズニー」
『ニモ』にしろ『カーズ』にしろ、キャラは立ってるけど話しはダルいんですわ、正直
今作はディズニー制作ということで例の通り後者、キャラよりお話が先に立った作品だと感じてます


アンデルセンの童話『雪の女王』をベースとしながらもカイやゲルダが主人公ではありません
独自のキャラクター、全く新しい解釈、21世紀の今日らしいストーリーの中に力強いメッセージの作品に仕上がっており、やはりディズニーというチームはこういった元ネタをアレンジしていくのが上手いんだな!と再確認


実際視聴してみるとエルサが氷の城に引き篭もった事で大寒波に襲われるアレンデール王国の様はなんか「天岩戸伝説」っぽい
ハンスに初めて会った時のアナのたどたどしい喋りと後退りは隠し事をする「トイ・ストーリーのウッディ」に見えなくもない
アナとハンスがパーティーの夜に語り合う中、船のマストの向こうに見える二人の影はどことなく「ミッシェル・オスロ監督作品」に思えたのはオイラだけ?
クライマックスはどう見ても『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』ですね!わかります!


いえいえ;
この作品をコケにしたいわけでなく、いい意味で既視感のあるお話と映像だったな、と
よくもまあこれらと『雪の女王』を結合したと、オイラはその辺り心の底から拍手を送りたいのです


歴代作品と比較すると毒々しさはかなり薄めで、そういった部分は昨年の『シュガーラッシュ』の方が風刺が効いていましたね
ディズニー作品に悪役の醸し出すオドロオドロしさや狂気染みた冒険のスリルを求める方には少しパンチが弱めな作品と言えます
伊集院光が毒舌で批評したように、ハッキリと好みは分かれます
ちなみにオイラは泣きませんでした


今作やはり一番讃えたいのは音楽、そして歌
もうホント、なんで今の今まで歌わなかったのか!?
ディズニーといえばやはりミュージカルなのです
2013年夏に主題歌が公開された時点から今作がミュージカル映画になると察していたオイラにとっては日本公開までの間そのハードルは上がる一方・・・
しかし、本編を見終えてみてオイラの想定を遥かに超越した圧倒的ネ申曲達のラッシュ!
途切れない!!歌が途切れないんですよ!!!
音楽に5.0評価あげてますが気持ち的には7.0ぐらいあげてやりたいんです!
「Let it go」だと?
今作の最大の見どころはどう考えても
「Na~na~na~heyana♪
Hahiyaha naha~♪
Naheya heya na~yanuwa~♪
Hanahe yunuwana~♪」
だろーがぁ(@д@


お話重視でキャラ立ってないというわけでもなく、今作でキャラクター性成分を補っているのがエルサに命を与えられた雪だるま、オラフ
彼の今作への貢献度は大き過ぎます
彼の存在で適度にコミカルな場面展開が計られ、鑑賞者(特に子供)を飽きさせない工夫がなされています


各所で話題になっているのが「原語で観るべきか?」「吹き替えで観るべきか?」
これに関しては甲乙付け難い、つまりどっちでもいいと思います
特に既に監督自身が賞賛している様にアナの吹き替えを担当した神田沙也加が素晴らしい
が、オイラとしては何よりも褒め称えたいのが前述したオラフを担当したピエール瀧でしょう、面白いw面白すぎるw
松たか子ももちろん悪くない
が、演技は別として歌声となるとやはり本家ブロードウェイミュージカルで活躍していたイディナ・メンゼルの足元には遠く及ばない
ってことで歌を楽しむつもりなら原語で、そこに拘らなければ吹き替えで、という選択をオススメしたいです
(まあMay.Jの“アレ”はいらんかったと思うが・・・)
ああそれと、「雪だるま作ぅろ~♪」は諸星すみれちゃんですねb
【すみれちゃんマジ天使】


ちなみに公開当初「2D吹き替え」「2D字幕」「3D字幕」という3つの選択肢しか無くなぜか「3D吹き替え」だけが後出しで約1ヶ月半ほど遅れて公開されました
よくわからんがこれが新しい商法?らしい
上映館数や1日の上映本数が東京ですら1/3になるというかなりレアな限定公開です、観れたアナタはラッキー
「3Dで観る価値は?」と聞かれたら「同時上映の『ミッキーのミニー救出大作戦』の面白さが全然違うよ」と真顔で答えます


昔ながらの“ミュージカル”に回帰しつつも、ディズニー史上初の“Wヒロイン”という新たな試みに挑んだ今作
流石、アナもエルサも両方魅力的ですb
しかし今作、これもディズニー初じゃないかと思われる“Wヴィラン”作品でもあったんですよね
そう、今作には悪役が2人おるんです
問題はこれ、試みとしては面白かったんですが正直一切何の含みも持たせていない所謂「超展開」でして・・・
昨今のディズニーは如何にもソレっぽい悪役を配することをせず、黒幕をサプライズ的に隠す傾向にあるんですが、、、やっぱ超展開は映画としてやっちゃダメよね・・・;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 49

69.8 2 ディズニーでミュージカルなアニメランキング2位
美女と野獣(アニメ映画)

1992年9月1日
★★★★☆ 3.9 (82)
653人が棚に入れました
第64回アカデミー賞でアニメとしては初の作品賞ノミネートされた、芸術的仕上がりのディズニー・アニメ。有名な、真実の愛によってしか救われない野獣と化した王子の寓話が原作。彼が心優しい少女ベルと知りあって、頑な自閉状態から脱却すると、奇跡は起こって……と言うお話。セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンが唄う主題歌(オスカー受賞)は「アラジン」のそれとどう違うんだ、と作者のA・メンケンに聞きたいが、この映画で素直に泣けない女の子とはつきあえない気がする……という10代の意見も貴重? こちらの関心は自ずと、ギャグ部門担当のポット夫人(声はA・ランズベリー!)とその息子に向かう……。

声優・キャラクター
ペイジ・オハラ、ロビー・ベンソン、レックス・エバーハート、リチャード・ホワイト、デビッド・オグデン・ステイアーズ、ジェリー・オーバック、アンジェラ・ランズベリー、ブラッドレイ・マイケル・ピアース、ジェス・コルティ
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

もはや見すぎてどれがアニメの話だったかw

フランスの民話“美女と野獣”が元になったアニメーション映画。

1991年制作なのですけど、もっと昔な気もしますね。

最近、実写映画の美女と野獣あったじゃないですか?
あれ凄く良かったんですけど、ひとりで見に来てるのが自分だけでちょっと所在がなかった思い出w

普通は恋人同士で見に来るタイトルですよね。アニオタの自分は場違いだったw

それで、このアニメ自体観たのは数回観ましたけど、最後に観たのは少なくとも20年前くらいなんですよね。なのに内容しっかり覚えてるのは何度も擦られるタイトルだからでしょう。劇団四季ミュージカルの美女と野獣も数回見に行きましたから、もうお腹いっぱいだったのに実写はとても丁寧で世界観を絶妙に表していました。近年のディズニー映画でもかなりの意欲作。

エマ・ワトソンがめちゃめちゃ可愛かった。はまり役ですねえ~♪
ガストンもいい味出してたなー。ルーク・エヴァンズが完璧に演じてたw
{netabare}
異類婚姻譚としての代表作とも言える本作は、個人的には野獣のままでも良いのにーと思ってたんですけど、もしかしたら少数派かもしれない。いや、だって野獣のほうがかっこ良くないですか?どうなんだろ?何度もこのタイトルを観て、毎回ラストであーあーと思ってしまう。駄目なやつです(笑)
{/netabare}

アニメの感想を書いてないな・・。この当時のディズニーアニメらしい良い出来でした(雑w)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

王子には野獣のままでいて欲しかった

「美女と野獣」はディズニー版の電車男だと言っても過言ではなく、コミュニケーション障害の引きこもりとこの野獣がほとんど同じようなタイプの男である。

不器用で無作法でだらしがないのだが、女性に触れると垢抜けたがごとく穏やかで気品を纏い出すという童貞そのものである。

しかし、男というのはそもそも精神的にはいつまでたっても童貞みたいなものである。

バカみたいにデカいものや強いものが好きだし、ロボットやスーパーヒーローには夢中になるしで精神的には子供のままである。

だからこそ野獣は「王子様」になっては欲しくなかった。できればシュレックのように怪物のままで純粋でいてほしいと思ったのは私が男だからかも知れない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人間賛歌

全編ミュージカル風ディズニーエンターテイメントアニメ。
音楽がない場面でも、オーバーアクションです。

ツッコんで良いのやら悪いのやら。
猪突猛進的ストーリーには清々しさを感じます。

物語の骨子は美女と野獣の関係。
人の心を見つめることのできる美女。
性格に難点はあるけど素直な野獣。
この二人の結末は・・・自然とそうなるわなあ。

呪いのお城は楽しいお城。
表情豊かに動くおしゃべり静物がコミカル。
こんなお城なら住んでみたい。

あと、ひとつ感心した所。
自動薪割り機は伏線だったんだ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

67.6 3 ディズニーでミュージカルなアニメランキング3位
リトル・マーメイド(アニメ映画)

1991年7月1日
★★★★☆ 3.8 (73)
653人が棚に入れました
“ディズニー・ニュー・クラシック”と称される、近年のディズニー・アニメの流れを作るきっかけとなった作品。童話としてはスタンダードな人魚姫の素材をディズニー風ミュージカルにアレンジして描いている。アメリカ本国で大ヒットを記録し、しばらく低迷していたディズニー・ブランドがこれで息を吹き返した。ヒットの要因は、現代風の軽快なテンポや、レゲエをふんだんに使った音楽のノリの良さ等様々あるが、中でも注目されたのが、従来の説教臭さを一新し、主役の人魚姫を中心にティーンエイジャーの青春ドラマとして仕上げた点。これが、アメリカでは十代二十代の観客の絶大な支持を集め、以後ディズニーの大作が注目を集めるようになった。'82年に大量採用した新人スタッフを大胆に投入したのもこの作品からで、その効果がよく出てリニューアルに成功した。映画の成功を受けてTVシリーズ化もされている。

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

2Dお姫様アニメ最終作。画面は良いが内容は無い。

 この作品の位置付けとして重要なのは、ディズニーの2次元アニメのほぼ最終作というところだと思います。(リロアンドスティッチもありますけど、過去の名作の映像化という点とはちょっと文脈が違います)

 実はディズニーアニメ。1970~80年代にはあまり作られなくなっています。一度ラインナップを検証してみてもらえばわかると思います。

 で、1990年代に入って「アラジン」「美女と野獣」のデジタルと融合した優れた2次元画像のアニメ作品により復活しました。特徴は目のサイズで分かると思いますが、おそらくは日本アニメの影響を受けていることです。要するにヒロインが美少女化しています。
 それで一時成功をおさめ、ライオンキングで爆発的なヒットになるわけですが、しかしその後衰退していきます。と、同時にトイストーリーの1作目が公開されています。

 何が言いたいかと言うと、本作はディズニーの2Dアニメの集大成ということです。線の美しさ、華やかさ、動きの良さなどディズニーのアニメ技術の集大成として楽しむことができます。
 見どころはミュージカルシーンや気持ちを込めて歌い上げる歌だとおもいます。

 が、話は面白くはないです…オリジナルの絵本で読むような話をミュージカル仕立てにしてハッピーエンドにしたような作品です。ただでさえ、児童向け的話に悲劇性もないので含意が希薄になっています。

 お姫様願望のバリエーションの一種、つまり、シンデレラ、眠れる森の美女、白雪姫等々につらなる王子様と結ばれることが目的のような映画です。要するに内容的には6歳くらいまでの児童書の更にマイルド版です。

 もう童話の中に夢をみる時代が終わったということだったのか、アメリカ人を初め、世界的に2Dよりも3D映像が見たいという欲求にとってかわられたのか。

 ですので、この手のお姫様願望的ストーリーは打ち止めになります。興行的にもあまり良い成績では無かったみたいです。


 でまあ、例のポリコレの件にちょっと触れておくと、ディズニーはもともと戦争のプロパガンダ作品を作る会社でした。反共産を経て、その後はマーケティングを徹底して行う大衆の分析者になって行きます。
 その時の大衆が何を望んでいるかのか、をアニメ化してきたのがディズニーです。ですので、過去のお姫様願望は多分核家族、大量消費のハッピーなアメリカの家族像の表れだったのでしょう。
(思想の洗脳者的陰謀論も考えれますけどね…実際作品の中身をみるとそう取れるのでは?と思ってしまうくらいべったり政治よりです。まあ、政治がそのままポピュリズムの国ですから、つまり大衆の気分なんでしょう)

 アナ雪は女性の独立心…というか勝手に生きていいんだよ、というエクスキューズを与える免罪符として機能しました。まあ、そういう会社ですから、ポリコレがどうこう言われても元からそういう会社じゃん、としか言いようがないです。要するにアナ雪の成功をポリコレでやっているようなものです。

 スターウォーズを殺したのも、ルーク・ハンソロ・レイアを「人気のために」もう一回だせ、というだけの話です。ポリコレどうこういっても今更何をと。ディズニーはもともとそう言う会社です。

 何作かは失敗するかもしれませんが、そのうちマーケティングの力で見事にポリコレ作品で面白いのを作ってくると思います…まあ、東アジアの市場で通用するのは難易度は高いでしょうし、私は興味ないですけど。

 話的にはこの作品を誰がやろうとたかが知れています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

前田定満 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

DVDで観るべきは本編だけではない!

1989年に公開された、ディズニー長編アニメ第28作目の作品です。
1966年にウォルト・ディズニーが亡くなってから、
しばらくヒット作が無く、ディズニー暗黒期と呼ばれていたそうです。
しかし、この「リトル・マーメイド」をきっかけに暗黒期を脱します。
「リトル・マーメイド」、「美女と野獣」、「アラジン」、「ライオン・キング」は後に、
ディズニー第2黄金期と呼ばれるようになります。

原作は ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「人魚姫」という童話です。
原作では声と引き換えに人間になり、
「王子にキスされないと海の泡になる」と言われます。
原作では人魚姫は最後泡になりますが、
さすがディズニーではアリエルと人間の王子エリックは結ばれて、
ハッピーエンドで終わります。
この話の名シーンであり名曲はやはり、
蟹のセバスチャンが歌う「Under The Sea」です。
人間に憧れるアリエルに海底の素晴らしさを伝える歌です。
またセバスチャンの声は歌ってる人の顔が想像できるような声です。



さあ、ここからが本題です。
リトルマーメイドのDVDを持っている方、
もしくはTSUTAYAで借りようと思っている方は、
本編だけでなく特典映像を観ることをオススメします。
特典映像には同じアンデルセンの「マッチ売りの少女」の約6分間の短編アニメが収録されています。
有名な童話ですね!
あにこれにディズニー「マッチ売りの少女」のレビューページがあれば、そこに書きたかったのですが、
ないのでこちらに書かせていただきます。

あらすじは{netabare}
両親にマッチを売り切るまで帰ることを許されない少女が、
街中で必死にマッチを売ろうとします。
しかし時代はライターのある時代。マッチは売れません。
雪の中、寒さに凍えながら少女は手元のマッチに火をつけます
すると幻覚が見えはじめ、最後には亡くなった大好きなおばあさんまでが幻覚にあらわれます。
そして辺りは朝を迎え、天国のおばあさんは少女の魂を迎えに来てお話は終わります。{/netabare}

少女が死ぬという点ではバッドエンドと思われるかもしれませんが、
実は苦しみの末に大好きなおばあさんに会えたという、
形は違いますがハッピーエンドなのです。
本編の「リトルマーメイド」とは全く正反対のハッピーエンドです。

「幸」という漢字の象形文字は「手かせ」を表し、
手かせの刑で苦しみから解放されるという意味が元々の「幸」という漢字の意味だそうです。
ですから「マッチ売りの少女」は幸せの真の姿を描いているような気がいたします。
非常に奥が深いです。

映画の演出はファンタジアと同じで、
クラシック音楽にアニメーションを当てるというスタイルです。
曲は「ボロディン弦楽四重奏第2番 第3楽章 ノクターン」という曲です。
物悲しいですが、大変美しい曲です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

Part of Your World

リトル・マーメイドの主題歌Part of Your WorldやUnder The Seaは飽きるほど聞いているのですが、全編見たのは初めて。英語・字幕無しで視聴。
原作はラダーシリーズ・レベル1・アンデルセン・クラシックスで既読w

地上に憧れを持つ人魚のお話。

原作はバッドエンドなので、原作魔改造のディズニー版の方が好き。
喜怒哀楽の感情が全て詰め込んであるのはディズニーとして当然ですが、喜怒哀楽の山と谷が次々出てきて2時間で10回は泣けますw

アリエルは好奇心旺盛な思春期の女の子。アリエルが地上への憧れを漏らす度に切なくなり、何度もため息が出てしまいます。アリエルがたまらなく愛おしい。父親のトリトンとの微妙な関係も必見。意外と細い父と思春期の娘の描写があって驚いた。

男なのに何故だかディズニー・プリンセス物が大好物なんですが、アラジンとリトル・マーメイドどっちが好きかと言われると辛い選択かも知れない。もっと早く見ればよかった・・・色々挙げるとキリがないのですが、100回見ても泣ける文句なしの名作。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

69.7 4 ディズニーでミュージカルなアニメランキング4位
ライオン・キング(アニメ映画)

1994年7月1日
★★★★☆ 3.9 (68)
629人が棚に入れました
ディズニー32作目の長篇アニメーションはまたしても音楽の勝利。ここ数年の作品のいかにもブロードウェイ風の大仰なメロディにサヨナラして、アフリカン・フォークをうまく消化したE・ジョンのポップなナンバー(作詞はいつものティム・ライス)に映像がノリに乗って、ミュージカルとしても楽しめる。しかし、出だしの主人公シンバの誕生が告げられる壮大なシーンは我等が「ジャングル大帝」の構図から何から非常に酷似しておりました。さて、邪悪な叔父スカー(声=J・アイアンズ)に父王(J・E・ジョーンズ)を謀殺されたシンバは国を追われ、イボイノシシ等サヴァンナのはぐれ者たちと暢気なその日暮らしを送ります(食物連鎖から自由だ--とか言いながらうまそうに極彩色の虫を食べるのがグロテスク)が、恋心を抱く幼なじみのナラに、故国の窮状を訴えられ、皆を引き連れ帰郷、スカーと一対一の決闘に臨むのです……。成長してからのシンバの声はM・ブロデリックが担当。

声優・キャラクター
ジェームズ・アール・ジョーンズ、ジョナサン・テイラー・トーマス、マシュー・ブロデリック、ニキータ・カラム、モイラ・ケリー、ジェレミー・アイアンズ、ネイサン・レイン、アーニー・サベラ、ローワン・アトキンソン、ロバート・ジローム、マッジ・シンクレア、ウーピー・ゴールドバーグ

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

期待したほど・・・

何となくディズニー映画を見始めたら止まりません。
ディズニー映画を見た後、物凄く良い気分で眠れる事が判明。なんだこの幸せ感〜

と思ってまだ見てなかった、ライオン・キングを。
アニメーション映画としては、世界一の動員数を誇る映画。ミュージカルも何年も続いているので、ちょっと期待し過ぎたかな。

感動したのは口の動き。
人間だと大きく顎を開けないが、犬や猫は真下まで顎が広がる。
大きく開いた顎の迫力は人間には出せないなぁと感じた。
発音一つ一つの口の動きにいちいち感動してしまう。

今回音楽で参加してるエルトン・ジョンがあまり好きではないので、
曲は好き嫌いあるなぁ。ちょっとだけw曲の感想を。

Circle of Life
 伝説のOP。言葉が無くても全てが伝わる。
 圧倒的過ぎる迫力で身震いがする。盛り上げ過ぎ?

I Just Can't Wait to Be King
 マジか〜こんな曲だったのか〜ハピネスで流れる間奏しか知らなかった〜
 カッコいいけど、ジャクソン5に似てる気がするのは気のせい?

Hakuna Matata
 ドン底から救い上げてくれる曲。スワヒリ語で「どうにかなるさ」という意味らしい。
 そういやEaglesのTake It Easyを目覚まし音にしてたことがあるなぁ〜

The Lion Sleeps Tonight
 ちょっとだけ鼻歌程度に流れる曲。1961年 The Tokensの曲。
 自分的には、今ココwwwという感じ
 ジャングルを抜け出したいと思う程、王に魅力を感じなかった。
 誰にも連れ出されたくないなぁwww

物語の方は、序盤は名曲続きで盛り上がるけれど、後半サクッと終わりすぎかなぁ。虫ばかり食べていたシンバが、努力もせず、サクッと百獣の王として君臨するのは納得いかないなぁ。

ムーラン見た後だから、成長ストーリーに期待しすぎたのかも知れない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

ひろゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ライオンキングにレヴューがないだって!?

〇〇にレヴューがないだって!?

たぶんもう他のひとがやってそうですがやってみたいと思います

自分の評価が全部響くなんて責任重大だ(笑)

さすがはディズニーの名作、画や音楽は完璧です!

ただアニメをいっぱい見ているとストーリーがありふれたものに見えますが、1994年に上映したことを思うとすごいですね

僕はこの頃のディズニーの画の方が好きだなぁ

なんかあったかいから(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

父と子の物語

冒頭の空から見下ろしたサバンナのシーンに、鳥肌が立ちました。

キャラクターの魅力も去ることながら、主役のシンバの生い立ちを通して、メインテーマの、「サークル・オブ・ライフ」が、見事に描かれています。

楽しさとドラマティックさを兼ね備えた展開に、全てのシーンが心に残る映画です。この作品を、父と息子で見れたら最高でしょうね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

69.8 5 ディズニーでミュージカルなアニメランキング5位
アラジン(アニメ映画)

1993年8月7日
★★★★☆ 3.9 (83)
624人が棚に入れました
街で城から抜け出してきたジャスミン姫と出逢った貧しい青年アラジンは、ジャスミンの結婚相手に相応しい富を得るため、猿のアブーと共に魔法の洞窟に入る。煮えたぎる溶岩にまさに落ちんとする時、魔法のじゅうたんに救われる。アラジンが手に入れたランプからは魔人ジーニーが現れ、三つの願いを叶えるという。『アラビアン・ナイト』を下敷きにした、93年度、興収第一位の42億円に輝くラヴ・アドヴェンチャー。CGを多用しスピード感にあふれるアクションや魔人ジーニーの動きが魅力。作品の核を握る、お調子者の魔人ジーニーの声はロビン・ウィリアムズが熱演。アラジンとジャスミンの魔法のじゅうたんでのランデヴーに流れる『ア・ホール・ニュー・ワールド』(レジーナ・ベル&ピーボ・ブライソン)は、前年の「美女と野獣」に続きアカデミー主題歌賞に輝いた。続篇「Aladdin/ジャファーの逆襲」は(本国でも)ビデオ発売のみ。

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

タイトルなし

ギャグコメディ・ラブロマンス・アクションアドベンチャーこの三つがめっちゃ良い配分でてんこ盛りなのに物語が破たんしてないってのが凄いです。

これほどの普及の名作、今更レビューなんて野暮でしょ。
にわかを晒すだけ…
じゃあなぜ書いたかって
久しぶりに観たらとっっっても面白かったからです!

しかし、そんな面白い作品だって、1年も経てばまた内容が思い出せなくなってしまうでしょう。そうならないために、思い出せるようのリンク集です。

◆キャラクター・声優(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3_(%E6%98%A0%E7%94%BB)#%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9

なんと三木さんは2代目のアラジン。
初代は羽賀研二。
これは驚きました。変わる前も観たことあるはずなんですが、改めて聞き比べたら全然違いますね。羽賀版は声質が若者っぽいのがキャラに合っている一方で、喋り方がちょっとくさいです。そして三木さんはやっぱりカッコいいです。


◆物語・小ネタ(NEVER)
https://matome.naver.jp/odai/2142332053920575401?&page=1

パロディ系は知らないとやっぱり面白くないですよ。
半分も分からなかった…もっと勉強しないとね。


◆音楽(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3-%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB%EF%BD%A5%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88-%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88/dp/B013K420UK

<アラビアン・ナイト>
アーラヴィアナァーーァァイッ アラヴィアナァーーァァイ
駄目だ、癖になってくる。

<フレンド・ライク・ミー>
TDLでよく聞く曲でした。
ジャズかと思えばクラシックのようなテイストもあるのに、ポップに仕上がっている曲がワクワクします。

<ホール・ニュー・ワールド>
アラジンどころかディズニーを代表する曲ですね。
ディズニーの三大デュエット曲なら
「美女と野獣」「輝く未来」「ホール・ニュー・ワールド」を推します。


◆その後…ジャファーの逆襲(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3_%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%80%86%E8%A5%B2
実質アラジンとジャファーのバトルの決着編です。
ジャファーのお母さんってどんな人なんでしょうね。


◆完結編(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3%E5%AE%8C%E7%B5%90%E7%B7%A8_%E7%9B%97%E8%B3%8A%E7%8E%8B%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%AA%AC

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

叶えたい最後のひとつのお願いは......

ディズニーが1992年に制作したアニメーション映画です。
意外と最近の作品だったんですね。ちょっと驚き。
お話は、盗みをしながら非常に貧しい生活をするアラジンと
宮殿から一度も出ることが叶わず、父から愛のない結婚を迫られるジャスミンの恋の物語。
2人は偶然の出会いから共通点もありお互いに惹かれあいました。
豪華絢爛で食べ物に不自由しない宮殿での生活にあこがれるアラジン。
一方で、自由が欲しかったジャスミン。彼らの悩みは違うようで本質はまったく同じ。「今の生活から抜け出したい」
互いを羨んだり、嫉妬することなくその気持ちを十二分に分かち合うことができました。
でもそこからが波乱の幕開けでした。
結婚は王族同士でないとできなかったり、国務大臣である魔法使いのジェファーに邪魔されたりといくつもの壁がありました。
アラジンはランプの魔神ジーニーと協力しながら奮闘します。
最後の結末はまさにHAPPY END!!とても良い物語の結びでした。

本作の目玉はやはりジーニーです。
ランプの魔神と聞いて浮かぶ僕のイメージは、
主人に呼ばれると煙と共ににゅるにゅると出てきて「ご主人様お呼びでしょうか?」なんて陰気くさい感じだったのですが、
ジーニーはランプの魔神と呼ばれながら、お呼びがかかるとびゅーんと出てきて、まるでパーティーの主催者みたいにガンガン喋ります。
気さくでとても人懐っこい性格で、喋り出したらしばらく止まりませんw
加えてジーニーはいろんな変身をしながら軽快にしゃべり続けます。とても愉快です。
彼は単に面白いだけでなく、アラジンと築いたその友情はとても輝いたものでした。
これは本作を観て頂ければお分かりになるかと思います。最も感動させられました。

{netabare}

アラジンがジャスミンを取るのではなく、ジーニーを取ったときの衝撃はすごかった。
そりゃあ見捨てるわけはないと思ったけれどジャスミンを蹴ることもできないだろうと思ってたからなあ。
「君がいてくれなきゃ寂しいよ。」と言って抱き合うシーンは涙ぼろぼろでしたw
でもジャスミンとの結婚が決まった後、すぐに旅行に行っちゃったのはなんでだろうw まあ笑えたけど。

ジェファーから魔法のランプを奪う際に、作戦とはいえジャスミンのキスはこっちも心をえぐられるような気持ちになりました。
あれは痛かった。すごく痛かった。
けれどアラジンとジャスミンが結ばれて本当に良かった。良い物語でした。

{/netabare}

本作はラストに向けての盛り上がりも非常に上手く、十分に楽しめる作品です。
もしまだ観たことがなかったらぜひ一度時間があるときに。きっと面白いですよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

.:*゚..:。:ご主人様 さあ願いをどうぞ.:*゚..:。:.

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*

旦那ってば

まだご自分の手に入れた物の価値を
ご存知でない

そこでごゆっくり お聞き下さい これがどういうことか

説明しましょう

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*

アグラバーの街で貧乏暮しをする青年『アラジン』と相棒である猿のアブーは盗んだパンで生計を立てる程の極貧ぶり。
市場で出会ったジャスミン王女に身分違いの想いを抱くが王女誘拐の嫌疑をかけられ投獄されてしまう。

『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』の『アラジンと魔法のランプ』を元にしたディズニー制作のアニメ映画。

この作品で語られるのは二人の声優。アラジンの声優を務めた、羽賀研二の若々しくミュージカルを意識した演技と
ランプの精『ジーニー』の声優、山寺宏一が『Friend Like Me』ミュージカルシーンで“ロビン・ウィリアムズ”の
完璧な吹き替えをやってのけたこと。逸話としてミス無し一発撮りだったとの噂も。(アラジンの声優は後に変更)

作中で出てくる数々のミュージカルシーンは勿論、3Dでなく2Dのディズニーアニメーションは圧巻の表現力。
宮殿から抜け出し魔法の絨毯で空を駆け巡るシーンで、アラジンとジャスミンが歌う『A Whole New World』は
アカデミー歌曲賞他、数々の賞を獲得しました。


アラジンで一番すきなシーンはどこ、と問われるなら

自分の中では“冒頭”の一幕。露天商が月夜の砂漠をラクダに乗りながら語り部として登場し、物語がはじまるのです。

千夜一夜物語の通り、歌われる曲は『Arabian Nights』。

曲と映像の雰囲気がアラビアンナイトの世界観に引きこんでくれます。実は露天商には、ある“秘密”が。
この露天商、指が四本しかありません。作中で指が四本の人物といえば・・・ 続きは是非、砂漠の夜の、夢の中で。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

72.2 6 ディズニーでミュージカルなアニメランキング6位
アナと雪の女王2(アニメ映画)

2019年11月22日
★★★★☆ 3.9 (39)
244人が棚に入れました
なぜ、エルサに力は与えられたのか――。命がけの妹アナによって、閉ざした心を開き、“触れるものすべてを凍らせてしまう力"をコントロールできるようになったエルサは、雪と氷に覆われたアレンデール王国に温かな陽光を取り戻した。そして再び城門を閉じることはないと約束した。それから3年――。深い絆で結ばれたアナとエルサの姉妹は、王国を治めながら、失われた少女時代を取り戻すかのように、気の置けない仲間たちと平穏で幸せな日々を送っていた。しかしある日、エルサだけが“不思議な歌声"を聴く。その歌声に導かれ、仲間のクリストフやオラフと共に旅に出たアナとエルサは、エルサの持つ“力"の秘密を解き明かすため、数々の試練に立ち向かう。果たしてなぜ力はエルサだけに与えられたのか。そして姉妹の知られざる過去の“謎"とは? 旅の終わりに、待ち受けるすべての答えとは――。

声優・キャラクター
クリステン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョナサン・グロフ、ジョシュ・ギャッド
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

吹き替え版が観たい!(字幕版も良かったですが)

字幕版にて鑑賞。
アナ雪は前作から大好きなので続編を楽しみにしていました。エルサの魔法の秘密をやって欲しいと思っていたので期待値MAX、でもそれを上回る出来でした。すごいやディズニー!
まあ、前作が大大大好きな人間なので、当然☆5つです。少しだけ残念なのは主題歌がレリゴーほど印象に残らない点。とは言え、劇中歌はどれも良曲ばかりなので贅沢な注文ですが。

今作は冒険要素多めなので1作目のストーリーが合わなかった人でも楽しめそうです。自分はどちらも好きですが。
でも、字幕版を観たせいで会話に集中し切れなかった気がするので次は吹き替え版が観たいです。

内容についてはエルサがヒーローのようだったり、クリストフのMVだったり、オラフの寸劇が見れたりと盛り沢山ですが、以下にネタバレ含むアナ雪2考察を。(長いです汗)


テーマについて

{netabare}
1作目は姉妹の愛、真実の愛とは?がテーマだったと思います。アナは姉と仲良くしたかったけどそれが叶わないので自分の幸せを求めていた。ハンスなら幸せにしてくれるかもしれない、クリストフなら自分を救ってくれるかもしれない、でも、真実の愛は求めるものではなく与えるもの(無償の愛)だった。たとえ自分を受け入れてくれなくても、エルサを守りたい。姉のために命を捧げたアナの行動が魔法を解いた。(魔法を解いたのはエルサじゃないです!そこ勘違いするとテーマがよく分からなくなります)

アナ雪2では、真実を見つめ、自分が出来ること、正しいと思うことを実行する。これ、『モアナと伝説の海』のテーマとかなり似てると思いました。モアナは自分が何者なのか、真実を知り、自問自答しながら答えを見付けた。アナ雪2の場合はエルサとアナ二人がその役目を負っています。
真実を探し求めるのはエルサ、それを引き継ぎ行動したのはアナ。エルサはとても強い魔法が使え、ヒーロー顔負けの強さを持っているけど心は薄氷のように脆いのかも。真実を受け止めきれずに凍ってしまったのだと思いました。アナは辛い真実を受け止め、挫けそうになりながらも立ち上がります。オラフを失い、エルサを失った。(オラフ消失と同時にエルサの死を認識したはずなので)アナが立ち上がったのはアレンデールの人々のため、祖父の間違いを正すため。自分が助かるためではありません。

劇中歌で『ずっとかわらないもの』と言う歌がありました。色んなものが変わっていく、それは自分かもしれないし周りの世界かもしれない。でも、姉妹や仲間との絆は変わらないと。アナがエルサの見付けた真実に気付けたのも、姉妹の絆があったからだと思います。
アナは姉やオラフの死を嘆くことをやめ、その死を無駄にしないためにも歩き続け、自分の頭で考えます。出来ることをしよう。力もないし、エルサのような魔法も使えない。弱い自分が出来ることはダムを壊すこと。それが正しいのか確証はない。でも、悪しき目的で作られた物はあってはならないと。
ダムを壊したことでエルサに掛けられた魔法も解け、水の馬に乗ってアレンデールを守ります。エルサが白馬の王子様のようで格好良かった。
ダムの下流にアレンデールがあったのですね。このダムってやっぱり森の民のためと言うよりアレンデールの水害対策が目的な気がします。尚、人々は地震(地の精霊が暴れた)の時に高台に避難したままだったらしい。(まあ、この辺りご都合主義なのはやむを得ないけど)
水の馬に乗れるエルサだからと言うのもあるけど、ノーサルドラの住む森とアレンデールってそんなに遠くないように思えます。フィヨルドで入り組んだ地形なので、亡き両親は海から回り込んで行こうとしたみたいですが。と言うか、森に入れないから船で調査しに行ったのかも。

ラストの姉妹の立ち位置について、これまでの二人の成長を思えば納得のいくものだったし、これ以上ない綺麗な終わり方だったと思います。
エルサとアナが互いを大切に思い、支え合って生きていくのはこれからもきっと変わらないと思うし、それぞれの役割がある。ちょっぴり住む場所が離れるけど、エルサはいつでもアナの所に遊びに来られるみたいだし。
離れていても心は一緒、今度こそ二つの国を繋ぐ架け橋になろうって凄く綺麗な終わり方じゃないですかね?エルサとアナが姉妹である理由が続編で示されるとは思っていませんでした。
偶然かもしれないけど、ハンスが言ってた王位継承権の話がここに効いてきましたね。アナは1、2通して成長を感じたし、為政者としての素質ありそうです。
一方のエルサは為政者と言うよりは、ノーサルドラの守り神(シャーマン)的な存在になるのでしょうか?でも、一作目と違うのは決して一人ではなく森の民と共に生きていくと言うこと。彼女を必要としている人々がいる。精霊の言葉が聞けるのはおそらくエルサだけなので、劇中で言われたように人々と精霊を繋ぐ存在になるのでしょう。
でも、森が平和であれば普通にアナの元へ遊びにやって来ると思うので、もののけ姫とは違うかな。
{/netabare}


エルサについて

{netabare}
前作は演出で扉が象徴的に使われていたけれど、今作ではほとんど使われていない。なので、前作みたいな拒絶や孤立と言う要素はないと思う。
日本語訳にするとネガティブな感情が誇張されてしまうのかレリゴーの時もかなり曲解されていた気がする。確かに抑圧されていた環境から解放されて清々したと言う思いはあるんだろうけど、ありのまま生きていけばいいじゃん!では駄目で、直後の扉が閉まる演出からも“開放”ではなく引き篭もってしまっただけなんですよね。英文だとかなり投げやりな歌で。それは現実から逃げているだけだと。現社会で抑圧されているマイノリティを結び付けて見てしまうとしつこく連れ帰ろうとするアナは迷惑な偽善者でしかない。流石に、そんな描き方はしてないのでマイノリティのための物語って考えちゃうと楽しめないと思う。^^;
最後は姉妹の思いが通じ合い、魔法をコントロールする術に気付く。それは愛する人達がいたから。アレンデールの人々も温かく女王としてのエルサを迎え入れる。まあ、この辺りはご都合主義ですけど。ディズニーなので大団円。

今作では、アレンデールで姉妹仲良く暮らしていて、楽しい仲間もいる。満ち足りた日々を送っていた。あの声が聞こえるまでは。
エルサは前作のように自分の力を隠したりしないし、他人と違うことで劣等感を抱いてはいないと思う。ただ、自分が何者なのか真実を知りたければここに来いと誰かが呼ぶ。そして、その声はアレンデールにとっても不吉なものに感じられたから自分が行かねばならないと決意したのだと思う。
前作と違うのはネガティブな感情からの家出ではないこと。でも、エルサの危うさを知っているアナは一人では行かせないと付いて行く。結果的にはアナを守るために魔法で自分から引き離してしまうのだけど。
エルサは国を守るためにも自分が声のする場所に行って真実を見極めなければいけないと思ったのだろう。固い意志で困難を乗り越え、その場所に足を踏み入れる。
水の記憶が過去に何が起こったかを見せる。母親の面影が浮かび上がるが、あれが魂なのか水の記憶なのかは不明。個人的には水の記憶で魂のようなもの、けれど双方向の意思疎通は出来ない幻影だと思ってる。
エルサが凍り付いてしまったのは耐え難い過去の真実を知ってしまったから。アレンデールの人々が幸せに暮らすその裏で非道なことが行われていた。それも自分の祖父が。森に住む人々を傷付け、森の精霊達を怒らせたのだと。(あまり怒っているようには見えなかったけども)森が霧に閉ざされてしまったのも祖父達のせい。トロールがアナに「お前なしではエルサは自分を見失う」と言っていたように、エルサはその事実を受け止め切れなかった。だから、凍ってしまったのだと思う。

アナによってダムが破壊されたことで、霧が晴れエルサの凍り付いた心も溶ける。そして、アナが自分の出来ることをしたように、エルサも自分がすべきことをする。自分がすべきことはアレンデールを守ること。(尚、人々は高台の上に避難していた)

ラスト、エルサはノーサルドラ達と共に暮らすことを選ぶが、森やアレンデールを守るためにも精霊のそばで暮らすことは理に適っているのかなと。ノーサルドラの人達も彼女を必要としているだろうし、何か異変があればいち早く察知出来る。水害からアレンデールを守ることも出来る。
アレンデールはアナが治めればいい。エルサは、どんな時でも立ち上がれるアナを誇らしく思ったと思う。そして、彼女のそばには支えてくれる仲間達がいる。
エルサはエルサにしか出来ないこと、すべきことをしようと。もう二度と誤ちを犯さないために、アナと二人で二つの国の架け橋になろうと。
エルサもアナもそれぞれが自分がすべきこと、出来ることをしようと決意した上での別離だが、エルサならすぐに遊びに来れると思うので、そこまでしんみりした気分にはならなかった。立場が変わっても姉妹の心は一つ、互いを思い合う気持ちは変わらない。まあ普通にジェスチャーゲームをしたり、お城にお泊りとかしてるイメージが湧くので。

ところで、エルサが精霊だったと言っている人がいるけど、精霊と人々を繋ぐ存在、じゃなかったですかね?この辺もうろ覚えなのでもう一度観たい。あくまでもエルサは人間で、過去の事件がきっかけで精霊から特別な魔力を授かったと理解したのですが。精霊の声が聞けて水の記憶を見ることが出来る存在。
前作では扉の演出が秀逸だったけど、今作は水の使い方が上手かったですね。水の記憶がエルサからアナに伝わったり、オラフを復活させたり。亡き人の魂も全て水が記憶していると。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

洗練された続編

2019年11月公開の映画。
映画「アナと雪の女王」の正統な続編です。

前作はどちらかというとアナ主役、今作はどちらかというとエルサ主役。
前作よりもストーリーがすっきりしていますし、全体的に完成度も高い。私は1回しか見ていないのでわかってない所もあるかも?
でも劇場で見て損は無いと思いますよ。

【音楽】
メロディも歌唱も歌詞もとても良かったです。
前作はレット・イット・ゴーの日本語訳詞が物語の流れに則したニュアンスじゃないと感じてしまってミュージカル要素として非常に残念だったけれど(CDで聴くなら間違いなく名曲ですよ!)、今回はそのような齟齬も感じませんでした。
前作に比べると全体的にしっとりした曲が多くて、口ずさむより聴き入りたくなるタイプかな。

【ビジュアル面】
エルサとアナのドレスが相変わらず綺麗。純粋なデザイン性だけでなく、立っていても動いていてもシルエットが美しい。
秋の風景がとても綺麗でした。冬が来る前に秋がある=紅葉のノーサルドラの森から氷に覆われた島へ向かうことで真相に迫っていくという演出だったのかな?
氷と水の世界もさらに美しくなっています。氷の中は異世界、水のある場所は現世と感じるような印象的なシーンが多かったです。


【感想】
{netabare}
父と母の想いを受け継ぎ祖父の過ちを清算する、継承と変化の物語だったのかなと思います。

前作では自分の力を恐れていたエルサの「魔法はそういうものじゃないわ」という祖父への言葉が印象的でした。
エルサにとって、平和に暮らすだけなら魔法は必要ないのは以前と変わらない。でも王国を救うためにノーサルドラに赴き、魔法の力を持つ自分にしか果たせない使命を知り真っ直ぐに向き合いました。
精霊の存在と自身の魔法の力、王国・異民族間の軋轢とエルサの出自。世界とエルサの力を結ぶ要素が対比的にストーリーに組み込まれています。

アナは結婚し国を治める立場になります。暖炉の前で恋人と笑い合い女王を影から支える私的な立場から、王婿を迎え国を背負う女王(公人)へ。
一人で負うべき責任を自覚したエルサにどこまでもついていきたがるのは、もしかすればアナの幼い我儘だったかもしれません。アナとクリストフとのもどかしい恋模様も結婚という社会的責任を伴う変化への躊躇いや不安を描き出していると思います。

前作でエルサは、力を持つ自分を誰も理解してくれなくても、愛することは出来ると気づいた。それが魔法を制御する鍵でもありました。
今作は愛のある暖かな場所を守るばかりでなく、自身の責任を受け入れて生き方を選ぶ物語でした。愛は変わらないものであり愛を与え合いながらも、エルサとアナはそれぞれの使命を得たのですね。
{/netabare}


【雑感】
{netabare}
…ところで「冒険ものになって残念」という感想をあにこれ以外でたまに見かけるんですが、私はそうは思わなかったなあ…。魔法は前作から登場していたし、冒険ものの要素が無かったとは思わない。
エルサの魔法は「他人には理解できず逃れられない絶対的な個性」を視覚化し、エルサの孤独を浮き彫りにするギミックだったと考えています。
今作は人と精霊の架け橋という孤高の存在となることを受け入れていて、孤独とは違うけれどやっぱりエルサの立場を完全に理解できる人間はいない。だから前作と今作に通底する命題は、発展はしているけれど同じだと思います。

固有名詞がちょっとエキゾチックな響きで好きなんですが、予習せずに行ったのでちょっと覚えにくかった…w
EDのクレジットが結構長くて、最後に小芝居があるのに辿り着くまで辛抱が要ります。お隣の家族連れが物語終了と同時に席を立ってしまってて、最後にオラフも出るのに勿体なかった。余計なことですけど…。
{/netabare}
(2019.11.27)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

真実の愛の次は、第5の精霊 +

 アナ雪続きのお話で、エルサ大活躍、それを引き継ぐアナだったデス。吹替版、見たです。

 幼い頃のアナとエルサと両親、父親から語られる自己体験による魔法の森のお話だったデス。
 皆んな幸せの中、エルサにだけ聴こえる謎の「あーあっあっあー」歌声だか?雄叫びが、エルサを突き動かし、住んでる国に災害を招くことから話は、タイミングの良すぎる急展開の連続へと誘うのです。
 役者は、エルサ、アナ、クリフトフ、スヴェン、オラフと決まったパーティ。
 エルサに感知できる、魔法の森、見るからに仕組まれているとしか思えない展開、登場人物はわかってても見逃せ無かったです。

 エルサ魔法冴えまくりで、{netabare} 終盤にみせるイメチェンも{/netabare}なかなかです。

 全体的にミュージカルが、良かったです。エルサの歌が、抜きにでてた感あったけど、クリストフの歌、素晴らしかったです。
 アナに対する思い、{netabare} アナの幻影を見て婆さんに告白する所が、うけたです。また、トナカイ達と奏でるミュージカルが、{/netabare}良かったです。

 エルサの突き止めた真実、エルサ大丈夫?、オラフは?それを引き継ぐアナ、タイミングよく駆けつけるクリフトフは、要必見です。

 正しき行いの後に訪れる幸せは、無くてはならないものだと改めて思い知らされたです。終わりよければ全て良し、「これで、いいのだ!」です。

 CG、魔法演出など、歌も良かったです。
字幕版も楽しみです。
    【2019/11/22】



字幕版見たです。

 やっぱり、雰囲気、歌が違います。{netabare}出だしのアナ&オラフ→クリストフ→エルサの歌がよりよくなってたです。

 エルサにしか聞こえない、エルサを眠らせない「あーあっあっあー」は、まんまだったです。
クリストフ男前増した感じだったし、オラフもなかなか、エルサの歌も断然違ったです。{/netabare}

 吹替版見て、字幕版見たほうが、より楽しめると思えたです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

66.1 7 ディズニーでミュージカルなアニメランキング7位
ムーラン(アニメ映画)

1998年9月1日
★★★★☆ 3.6 (27)
151人が棚に入れました
ディズニー・アニメの第36作目。2000年前から語り継がれてきた『木蘭辞』に登場するムーランの伝説をもとにアニメ化したアドベンチャー・ファンタジー。フン族の軍勢に苦しむ戦乱の中国。皇帝は各家から一人の兵士を出すように命じる。ムーランは、老いた父親に代わって軍に兵士として加わることを決意。髪を切り名前をビンと変え、勇猛な兵士に変装する。ムーランは過酷な訓練を経て、戦場で目をみはる大活躍を繰り広げる。

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女性が「女」を捨てるとき。

1998年に中国の伝説『花木簡』を題材に制作されたディズニーアニメーション作品。
主人公はファ・ムーラン。女性です。両親にお見合いを勧められ、結婚を願われますが本人にはまったく興味がありません。
その時代に求められる美しい女性像は彼女に当てはまらず、ついでに礼儀もなっていませんでした。
そんなことよりも、何も気にせず自由なままでいることの方が彼女の性分に合っていました。
ところがある日、フン族が攻めてきたことをきっかけに各家男子1人に対し徴兵がかかりました。
男は1人しかいないファ家の父は前の戦争で生活に支障が出るほどの傷を足に負っていましたが、
そんなことは聞いてはもらえず、戦争に出ざるを得なくなりました。父のことが大好きなムーランは見ていられませんでした。
自分は結婚もせず、父は苦しむばかりだ。ムーランは一大決心をします。
長く美しい髪をばっさりと切り落とし、体を鎧に包み、雨の降る明け方に父の代わりに出兵しました。
女が出兵したと知られれば大変です。さあムーランはばれずにやり遂げることができるのでしょうか。

すごく好きな作品です。
あなたはジャンヌ・ダルクを知っていますか?僕は大好きなので名前とほんのちょっとだけ詳しく知っています。
時は15世紀初頭。英仏百年戦争の後半。
「フランスは1人の女によって沈められ、1人の少女によって救われた。」と言います。
前者はイザボー・ドゥ・バヴィエールという淫乱女で数多くの貴族と肉体関係を持ち、国をめちゃくちゃにします。
そしてそれを戦いによって救ったのが後者であるジャンヌダルク。本名ジャンヌ・ド・ピュセル。
13歳で天命を受け、命を懸けてそれを実行し見事やり遂げますが、異端審問により(私怨もあり)19歳で火刑を宣告されます。
ジャンヌは天命を受けてから男装に身を包み、神を誰よりも深く信じ、ずっとそれだけを見つめてきました。
しかし19という若さで死刑に処されてしまいます。火刑で炎に体が焼かれる中、彼女は神の名前を叫び続けたと言います。
悲しいお話です。
僕はムーランにも似たものを感じます。彼女の場合はジャンヌのように悲しくはなく、むしろその頑張りが報われるお話です。
しかし、女性に生まれてきながらそうしては歩むことはできずに、なにかのために自分を捨てる姿はすごく悲しい。
ほんとうに悲しいけれど、どうしてかそういう姿に僕はとても惹かれてしまいます。

本作『ムーラン』でもムーランは決して女性であることを嫌がってたわけでも、また戦闘に長けていたわけでもありません。
ひ弱でちょっとわがままな可愛い女の子です。
そんな彼女が父のために戦地へ赴く姿を見ると身を切られるような冷たい感覚に襲われます。
しかし、訓練を重ねて愉快な仲間と立派な隊長の下で成長していく姿や、戦いで功績をあげたときには得も言われぬ感動がありました。
ひとりの少女の生活や戦いにおける苦しみがよく描かれ、またそれが報われるストーリーには救いがありました。

本作ではディズニーおなじみのお騒がせも出てきます。
その名はムーシュー。かつて守り神であったけれど失敗して1人死なせてしまい、ドラ叩きに降格した龍です。
そしてもう一匹。クリキーと言う名のコオロギです。それも「幸運のコオロギ」という嘘のコオロギ。
そういう役って大抵は1人なのですが、今回は2人。この2人でこそこそと色んな企みをしているのがなかなか笑えました。

女性が「女」を捨てるとき。
それは男がなにかを捨てるときとは違った切なさや苦味が口いっぱいに広がります。
なぜそんな運命を辿らなくてはならなかったのか。どうしようもない哀しみがとめどなく溢れ出てきます。
しかし、それでも凛として生きる彼女のたちの背筋の伸びたまっすぐな姿にはどこか惹かれます。
この作品でもそれは十分に感じられました。とても良い物語でした。
ラストの、娘であるムーランを迎えるシーンでの父の対応も素晴らしかったです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

男装の道化師

日本語版をTVで観たので
原曲がどんなだったのかわかりませんが、セリフを兼ねたミュージカルな歌の日本語版のリズムや歌詞がアイタタ タ…でした。声優さんがとっても歌いにくそう。歌についてはそれ以上あまり考えないようにして観ました。


主人公ムーランは不器用で情けなくも芯のある女性で。
いわば男装の麗人、なんだけど帳尻合わない感じでカッコ悪くて、一生懸命で。親近感が湧きました。
男装ならではのお風呂シーンの混乱も、ディズニーならではなのか?品の良さがありました。

紛れ込んだ軍隊のメンツ、凸凹おかしな奴らで楽しかったです。
(でっかい大らかなひょうたん顔の人が誰かに似てるな〜?と思っていたら、四畳半神話大系のお師匠でした。)

敵の強烈な邪悪さや、戦で焼かれた町に漂う無言の哀しみの表現など、言葉でなく絵の力で見せてくるシーンが印象強かったです。


家の面目を保つためには、一旗あげなければ帰れないと思っていたムーラン。
面目なんて考えると窮屈だろうけど、出来うる限りの柔軟さで挑んだ姿は、かっこよかったな。

働く女性を意識した現代的なテーマを絡めてたのかもしれないけど、そういうこと考えなくても子供の頃にディズニーの色気が苦手だった私にはサッパリ観やすくて良かったです。

これはディズニーの中でも好きな作品になりそうです。



一旗挙げたあとの皇帝による表彰のスピーディーさ(日を改めずその場で!)が面倒なくて良かったけど、速いね。エコだね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

スカルダ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

Who I am inside? 最悪から一転。

日本ではあまり人気が無い本作ですが、アメリカだとかなり人気の高い作品。
日本語に訳すと臭過ぎるセリフなので、出来れば字幕を切って見て欲しい。

さて、最初の10分の印象は最悪。
期待せずに見たけれど、期待を裏切るクソさ。
ここは、はっきり文句を言っておこう。

「登場人物が全員釣り目!!」

アメリカ人から見た中国人のステレオタイプに吐き気がする。
人種差別も甚だしい。ディズニーに対して激しく抗議したい!

が・・・主題歌のReflectionが流れてから一転。完全に涙腺が崩壊しました。

「本当の自分とは何か?」

というテーマが見えてからは、もう涙が止まりません。神曲多すぎっす!
泣きすぎて右の袖がびしょ濡れっすwww


大量の水分を奪われてしまったので、これから中華粥作ります!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
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