プラモデルでロボットなおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのプラモデルでロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番のプラモデルでロボットなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.2 1 プラモデルでロボットなアニメランキング1位
ガンダムビルドファイターズ(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (448)
2075人が棚に入れました
時は近未来。 アニメ作品『機動戦士ガンダム』のプラスチックモデル ――通称『ガンプラ』が、1980年代に一大ブームメントを巻き起こしてから早幾年。 今、第2次ガンプラブームと呼ぶべき、新たな波が世界を席巻していた。 その人気を牽引しているのが、『ガンプラバトル』の存在である。 仮想空間のCGなどではなく、製作したガンプラそのものを操作して戦うという、 画期的なバトルシステムの登場により、その人気は拡大、 毎年、ガンプラバトル世界大会が開催されるまでに至っている。 本編の主人公、イオリ・セイも、ガンプラを愛し、ガンプラバトル世界大会への出場を夢見る、 若きガンプラビルダー(製作者)である。 模型店の一人息子ということもあり、高いガンプラ製作能力を持つ彼だが、 バトルの操縦には疎く、大会に出場しても初戦敗退を続けていた。 そんな彼が、卓越したガンプラ操縦技術を持つ謎の少年、レイジと出会い、 コンビを組んで世界大会に挑む! ガンプラビルダー、セイ。 ガンプラファイター、レイジ。 セイが作って、レイジが戦う。 彼らが、噂のビルドファイターズ! 目指すは、ガンプラバトル世界大会への出場――その優勝だ!

声優・キャラクター
小松未可子、石川由依、中村悠一、三石琴乃、國立幸、佐藤拓也、藤井美波
ネタバレ

GvwT さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ガンダムオールスター

「プラフスキー粒子」を使ってガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」を遠隔操作して戦わせることができる世界
ガンパラバトル世界大会優勝を目指す"イオリ セイ"と"レイジ"のお話
今までのガンダム作品とは全然趣向の違ったアニメとなりました

注目点その1 今までのガンダム作品パロディ
キャラやセリフなど、至るところに過去のガンダム作品のパロディが散りばめれられています
あまり詳しくない自分でも楽しめました
最たる例として挙げられるのがラルさんですね
もうまんまラルさんですww
初めて見たときは爆笑しました

注目点その2 登場するガンプラが多種多様、そしてかっこいい
主人公機などの有名機だけが出ると思ったらそんなことはない!
なかなか日の目を見ることのない機体も登場するのです
ガンプラバトルでは原作の機体性能よりも、ガンプラの精度の方が優先される
そのため、各自が好きなガンプラを作れるというわけですね
まあ実際は改造された有名機の方が多いですけど(^_^;)
でもムチャクチャかっこいいです!!

注目点その3 熱すぎるほどのガンプラバトル
なんだかんだでこれが一番重要
もう言葉なんていりません
皆このアニメを観て、熱いバトルに感動してください
ガンダムがわからなくても、バトルの熱さは伝わるはず!!!
それなりに解説もついているから大丈夫ヽ(´▽`)/

とにかくこのアニメは非常に面白いと思います
だから皆観てねーーーーーーーーーー


好きなキャラはアイラ・ユルキアイネン
常軌を逸した可愛さに俺はもうメロメロです
アイラ・メッチャカワイイネン


以下各話感想的なもの
第1話
{netabare}ガンプラバトルって実際にガンプラ壊れちゃうの!?
子供の財布に厳しすぎるじゃないですか
常連のラルさんには盛大に笑わせてもらった
ちょいちょい歴代ガンダムのパロディをぶっ込んでくるのが( ・∀・) イイネ!{/netabare}

第2話
{netabare}ゴリラくん、いやゴンダくんよ
スモー(ゴールド)とはいい趣味をしている!
なぜ常連のラルさんがここにΣ(゚д゚lll)
紅の彗星とかマジかっけえっす
レイジ何者やねんww{/netabare}

第3話
{netabare}ラルさん弱いのかよ!
ジーク・ジオン!ジーク・ジオン!
ボールに負けるようじゃ話にならないよおじさんたちww
ビルドストライクかっけえ
そして委員長もとうとうガンプラに手を出した!?{/netabare}

第4話
{netabare}委員長が完全に恋する乙女ですね
これが若さか・・・
ラルさん相変わらずのネタキャラぶりwww
ガーベラ・テトラがキタ━(゚∀゚)━!
そしてアイドルって大変なんですね
声が悠木碧だったことを高く評価します!{/netabare}

第5話
{netabare}今回はネタが満載すぎだった
店員「ガンプラでございます、あちらのお客様からです」
リカルド「(`・ω・´)キラーン」
セニョリータ「(//∇//)ズキューン」
俺もやろうかなww
熱すぎる脳内バトルに感激した
核に耐えうるシールドをいとも簡単に破壊するビルドストライクすごすぎ!
翔べ、ガンプラ!!!{/netabare}

第6話
{netabare}ギャンギャギャンにクソワロタwww
ユウキ先輩強し!
バトルがかっこよすぎてみとれてしまうレベル
そしてビルドガンダムMk-2が登場
このまま世界大会出場が決まることでしょう
Cパートで強そうな女の子キタ――(゚∀゚)――!!
これが僕たち/私のガンプラだ!!{/netabare}

第7話
{netabare}ガンダムDXとGビットだとおおおおおお
弱かったなあ(>_<)
僕らのガンプラは伊達じゃねえ!
そして相変わらず委員長が可愛くて辛い
灼熱のタツですら知ってるんだねラルさんのこと
超すごい人なんじゃないか!?
アプサラスⅢキタ――(゚∀゚)――!!
タツヤ会長がカワグチに?
逢戦士たちってwww{/netabare}

第8話
{netabare}開幕百式で俺のテンションは上がりまくり!!
ジェガンでデビルガンダム倒しやがった!?
戦国アストレイかっけえっす
ニルスのスペックが高すぎてビビります
世界レベルの実力者が次々と噛ませ犬に・・・
恐ろしい世界です
お、乙女だwww{/netabare}

第9話
{netabare}ガンプラの絵で特賞とれるんだね
絶対審査員ガンプラ好きだろ
ベアッガイⅢのトレーニング姿が可愛すぎる
癒されるわ〜
まさかの綿入りガンプラとは
発想が自由すぎるwww
チナちゃんは完全にセイの嫁だな{/netabare}

第10話
{netabare}ついに始まった世界大会!
予選はポイント制みたいです
これは盛り上がる気がする
復活のキララwww
スタービルドストライクTUEEEEEEEE
ビームは消すし、光の翼というか月光蝶(?)みたいなやつ出すし
まあでも今回の一番の驚きは、アイラちゃんが全然クールじゃなかったことかな
肉まん食べようとするシーンが可愛すぎる{/netabare}

第11話
{netabare}名人にとって勝利とは、必要最小限の絶対条件である( ー`дー´)キリッ
正体がバレバレなのも定番ですね
チナちゃんがメガネ外してパジャマだとおおおお
ガウの嫉妬同盟ワロタww
ちゃっかり兄弟がいたことを高く評価します
ラストにでかいザクキタ――(゚∀゚)――!!{/netabare}

第12話
{netabare}やっぱりファイターは熱い生き物です
みんな滾ってますな
やはりビームを消していたのではなく吸収していたのね
会長の小物感が異常すぎるwww
いったいレイジの何を恐れているのか?
腕があああああ{/netabare}

第13話
{netabare}やはり腕が逝ってしまってましたか・・・
なんか俺もケツが痒くなってきたかも?
アイラのツンデレすごくいいです

第3ピリオドは武器がランダムで決まる闘い
みんなの武器の使い方が多様で面白いぞ
さてと我等がスターの武器は、、、ボール?
地面から野球場??
ルワンさんがバット持ってる???
なぜか野球バトルになってる!
しかもルワンさんの野球歴が凄すぎるwww
とにかく熱いバトル(?)でした{/netabare}

第14話
{netabare}アイラちゃんの私服姿可愛すぎいいいいい
OPがチェンジ!
そしてハイライト形式でどんどん予選が進んでいく
今のところ全勝してるものの、ラルさん曰くまだまだ油断ならない状況にあるみたい
そんな中コードネーム"C"が動き始める・・・

ついに始まったガンプラレース
うん?ガンプラレース??
兄弟が同じレースに出てるのかあ
とか思ってたら"C"の妨害ががががが
ラルさんの大活躍によりなんとか妨害から抜け出せたものの、結局勝てずじまい
これで次のピリオドで絶対に勝たなくてはならない状況に(>_<)
まさかのレイジが会長を襲撃{/netabare}

第15話
{netabare}ガンプラマフィアってなんやねんww
アリアン第一王子ってなんやねん!!

ガンプラと筋トレとの因果関係について知りたいものです
第8ピリオドは1VS1のバトル
相手はなんとフェリーニさん!
シールドが即効で破壊され、アブソーブできない展開に
なんだこの熱すぎるバトルは!!
もう目が(´;ω;`){/netabare}

第16話
{netabare}妄想が捗ってますなお母様
ソフトクリームで目を輝かせちゃうアイラちゃんカワユス
レイジとアイラの元に髭面のおっさんが現れた!
こいつがセイのお父さんか?
"C"が再び動き出したか!?

作ったばかりのガンプラでCと対決
ピンチに陥ったレイジを助けるためにアイラたんが参戦!
コマンドガンダムたんも可愛いです
おっさん付け髭かよヾ(・∀・;)オイオイ
正体は国際ガンプラバトル公式審判員だった!?{/netabare}

第17話
{netabare}決勝トーナメント開始!
1回戦の相手はマオくん
トーナメント表を見る限りだと、ニルス、アイラ、名人の順に戦うことになりそうだな
そんで名人は途中で兄弟に苦戦するかな
そんな読みきった展開になるかどうか・・・
ガキンチョマオくん可愛らしいなww
マオくんはエマさん推しで師匠はマリューさん推しだそうですどうでもいいことですけどね

そしてついに始まったガンプラバトル
まさか魔王の切り札がビームサーベルとはね
これには意表をつかれました
またもや熱いバトルをありがとうヽ(*´∀`)ノ
ルワンさんが噛ませ状態に!{/netabare}

第18話
{netabare}結局アイラたんとレイジは似た者同士ってことだな
レナート兄弟のビームは一体どういう仕組みなんだ?
まるでマジックだな・・・

名人VSレナート兄弟
自走砲を使った攻撃によって建物内に追い込まれた名人
まさかのジオン兵フィギュアをつかった爆弾攻撃
ガンプラ関係ないwww
さらにはレナート兄弟がEXAMシステムだと!?
どんな魔改造ですか(´▽`){/netabare}

第19話
{netabare}戦国アストレイの刀は相手のビーム系の粒子と同調させるのか
よくわからないけれども・・・
いつの間にかニルスがキャロラインの彼氏に!?
プラフスキー粒子にしか興味ないニルスとガンプラにしか興味ないセイ
方向性が違うだけで似た者同士なのじゃなかろうか?

ストライクVSアストレイ戦開始!!
ビーム兵器は効かないということで即効で打撃戦に
熱いガンダムファイトです!!!
アストレイが発勁を使いよった( ゚Д゚) ス、スゲー!
名人のツッコミどころはそこかよww
結局ニルスもガンプラが好きなんだねヽ(*´∀`)ノ{/netabare}

第20話
{netabare}まさかメイジンは機体を替えるのか!?
ネメシスのオーナーがただの孫バカな件について
ラルさんはやはり"青い巨星"の異名をもっているんだな
アイラが勝つんだろうけど、いったいどんな試合内容になるのか

次の試合のことを考えてしまっているアイラたん
そんな彼女の隙をつきクリアファンネルを破壊し、ダメージを与えたフェリーニさん
しかしオーナーの命令で暴走状態にさせられたアイラたんが途中から圧倒!
ウイングお得意の自爆キタ━(゚∀゚)━!!
と思ったらキララちゃんがすごいイケメンぶりを発揮してそれを止めた!?
そしてレイジに正体がバレた━━━━!!
あのオーナーマジで死んでくれないかな
アイラたんが可哀想すぎて俺が泣きそう{/netabare}

第21話
{netabare}さりげなくレイジの本名が明かされましたね
アイラたんプラフスキー粒子の流れが見えるとかすげえな
フェリーニさんが男前すぎて惚れた(´∀`*)ポッ
それぞれの思いが錯綜する中とうとう試合へ・・・

レイジは吹っ切れたようで何よりです
しかしアイラたんは吹っ切れずにまた暴走状態へ
宝石が共鳴してプラフスキー粒子が光りだした
これは心の光だとでも言うのか!?
まさかの痴話喧嘩でみんな( ゚д゚)ポカーン
そういうことは2人きりでやってくださいね〜{/netabare}

第22話
{netabare}メイジンの次の相手はマッケンジー准将
78歳とかやべえなと思ってたらいきなり心臓を押さえて苦しみだしたぞ!?
いきなりシャワーあがりのアイラタンキタ━(゚∀゚)━!!
准将の代わりに孫のジュリアンが試合に出ることに
マオをボッコボコだと!?!?
強すぎる・・・

あのユウ、、、じゃなかった、三代目メイジンが7連敗してるとは
ジュリアンはF91イマジン
やっぱり質量を持った残像を使いますか
そしてメイジンのアメイジングエクシア
トランザムキタ━━( ゚∀゚ )━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━( ゚∀゚ )━━!!!!
これが私の覚悟だ!!!!{/netabare}

第23話
{netabare}決勝前夜祭のお客様の中に見たことある人がいっぱいwww
サザキくんもギャンバルカンで再び登場
さらに"ガンダムフェニーチェリナシータ"も乱入し、その後はキララちゃんも乱入
お祭り状態ですヽ(*´∀`)ノ
これは神回確定ですわ

マオが報われてしまった( ゚曲゚)キィィィィィ
ただクロスボーンガンダム魔王はかっこいい!
そしてセイVSレイジ
セイの操縦技術が上がっている!?
エクシアが真っ黒になってるし、メイジンもなんか変だぞ・・・{/netabare}

第24話
{netabare}なぜこうも会長系のおっさんはクズなのかヽ(`Д´)ノ
メイジンが完全に操られてるし超強いし2代目の戦い方とそっくりらしいし
決勝でなんてことやらかしてくれてんのさ( ゚Д゚)ドルァ!!
てかクズ会長もアリアンの出身だったのね
スタービルドストライクが圧倒的な力でボロボロにされてしまった・・・

メイジンが操られていることに気づいた!
さあ反撃開始といこうじゃないか!!
バトルから目が離せなかった
なんならまばたきするのも忘れてしまうほどの戦いでした
次回最終回とかまじかよ(´;ω;`){/netabare}

第25話
{netabare}プラフスキー粒子が暴走して、ア・バオア・クーが出現!
暴走を止めるべく詳細に突撃するものの大量の敵が、、、
グフに乗ったラル大尉とマスターガンダムに乗ったマオの師匠が圧倒的に強い!?
ただのおっさんじゃなかったんですね、お見それしました(^_^;)

互いの妻に守られたイオリとレイジ
ピンチに駆けつけたのはユウキ会長
エクシアリペアに乗ってるじゃないですかああああ( ;∀;) カンドーシタ
レイジがアリアンに帰っちゃった(>_<)
でも約束がある限り必ずまた会えるさ!
最高のガンプラバトルをありがとうございました!!!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

スポンサーも大満足、視聴者も大満足、よく考えたなという2010年代アニメ稀代の名作候補

ガンダムと言えばガンプラである。

これはもう切っても切り離せない。
互いに無くてはならない存在なのである。実は。

放映当初はお世辞にも世間を賑わせた作品という訳ではなかったファーストガンダムこと『機動戦士ガンダム』は放送終了後のガンプラブームによって熱狂的な人気を獲得するに至り、その後様々な形でガンダムは発展を遂げていく。

今でこそ「ガンダム」という言葉は単なる日本アニメとして留まらずに世界的にも日本を代表する文化として捉えられているのが実情だ。ここまで発展してきたのにはガンダムがこれまで積み重ねてきた”戦略”が物語っている。

時代を経るごとにガンダムは既存のファン層だけではなく様々な世代を取り込もうと試行錯誤してきた。ファーストガンダムの流れを受け継いで発展させ、富野節と共に独自のガンダム像を確立してきた「富野ガンダム」

従来の「富野ガンダム」からの脱却を図り、ガンダムを軸に作品ごとに全く違うスタイルで勝負してきた「90年代ガンダム」

平成前期ガンダムの持ち味である作品ごとのスタイルを受けつきながらもより多角的にファン層を取り込もうとメディア発信も積極的に行ってきた「00年代ガンダム」

ガンプラ販促の更なる仕掛けという意味で世界観をよりシンプルにすると同時にバリエーションの豊富さを持たせる事で子供の心をグッと掴んだ「BB戦士」の存在。

その他にも小説・ゲーム・漫画といった分野でもガンダムはその名を冠しつつも様々な世界観を作り上げて今も尚ファンを楽しませている。

個々の作品の完成度も嗜好の違いがあって評価が分かれるとはいえ、どのガンダム作品にも一定のファンがついているという現状は偉業であると言わざるを得ない。個人的にはガンダムの成功は現状に甘んじることなく失敗と成功を恐れずに果敢に開拓に挑んでいったのが大きいと感じている。

アニメを作るにはとてつもなくお金がかかる。そのお金を出す人間が所謂スポンサーに当たるわけだが、そのスポンサーも勿論商売ありきでお金を出すのであって、ガンダムというブランドで様々な関連商品で売り上げを伸ばそうと目論んでいるのが昔も今も根底という意味では変わらないのではないかと思う。

つまり極端な話をしてしまえばスポンサーが見据えているガンダムは登場人物の群像劇等ではなく、とにかく視聴者受けのするかっちょいいロボットが毎回毎回ド派手な戦闘シーンを行って商品を買って頂くという事に尽きる。

だが必ずしもスポンサーが視聴者の心を掴んでいるとは限らない。格好いいロボットが毎回素晴らしい戦闘を繰り広げるというのは決して悪い目の付け所ではないが、ガンダムが人気を博したのは何もロボットの格好良さだけではない。

能力的には優れていても、登場人物が年齢相応に思い悩み、もがき、苦しんでいく姿を戦争を通して慎重に描いて話に深みを持たせる丁寧な作りが視聴者の関心を呼び込んだのである。

物語を構成する設定の深さや前述した登場人物の等身大の悩みそして勿論機体のデザイン、激しいバトル・・・諸々全てがガンダムの魅力と言える。人が乗るからこそロボットは輝く訳で乗る人間にバックグラウンドがなければ視聴者は何の思い入れも出来ない。そこを無視してしまっては単なるロボット同士の味気ない戦争ものになってしまう。

とは言ってもガンプラの売り上げというのはガンダムの将来を非常に左右する重要なファクターだ。富野監督がこのスポンサーの意向と自分が本来作りたい作品との板挟みに悩んで一時期アニメ制作の意欲が低下していた。『Vガンダム』放映中に作品に搭乗するMSの売れ行きが悪いといった意見で制作現場がゴタゴタしていたのは有名な話でもある。

『機動戦士ガンダム』の後に作り出した富野監督のロボットアニメ『伝説巨神イデオン』はとにかく<イデオンが格好悪く>プラモが売れなかった。またこれまで以上に富野節が哲学的に語られた方向性であった事も災いして、人気は伸びずテレビ版は無理矢理最終回にさせられてしまった過去がある。

このように関連商品の売れ行きを阻害するような作品にしてしまうと作品自体の生命を脅かしかねないし、かといって売り上げに注視した作品にしてしまっては視聴者の心が離れてしまうだろう。特に最近アニメを視聴する層はインターネットの普及もあって目が肥えてしまっているので、そういった動きにはかなり敏感である。

『ガンダムSEED』はガンダムが再び富野氏から離れて21世紀最初の新世代ガンダムとして銘打たれて展開された作品だったが、これは販促という意味では上手いことやった。若い世代にも受け入れやすい洗練されたデザインや思春期の男女の悩みを惜しげもなく話に組み込んでいる。つまりSEEDを一言で言えば―

ひじょ~にわっかりやすかったガンダムだった。

ロボットアニメというジャンルは話が難しいと思われがちで(実際触れてみると案外そうでもないのだが)ガンダムに至ってはその際たる例だったのだろう。

以降ガンダム人気は再燃し、今までガンダムを知らなかった・知っていたが興味がなかった層にも好評を博し、更なるガンダム人気の向上にSEEDは一役買っている。

そして軌道エレベーターによる新エネルギー・世界各国の格差を火種により戦争という側面に踏み込んだ『ガンダム00』を経て、ガンダム新作を作るに辺り、ガンダムの人気を低年齢層に浸透させたいという意向で『ガンダムAGE』がスタートした。

しかし作品の完成度はさておいてもAGEの場合は登場人物の世代交代という試みであってもガンダムの新規ファン層の参入を呼び込めたとは言い難い。ダンボール戦記・イナズマイレブンのヒットで知られる日野氏を起用した賭けは負けたという見方をするしかないだろう。

とガンダムビルドファイターズのレビューを書く中で大幅に脱線してしまってこれまでのガンダムの歴史とファン層の開拓とスポンサーとの関係について少し触れた。しかし本作を語る上ではこの要素は絶対に触れなければいけないと考えている。

その上でこの『ガンダムビルドファイターズ』出来はどうなのだろうか?

良く出来ていると『名作・・・いや神作』と太鼓判を押せるのではないか。

最終回を迎えていないのにこの結論は些か早計ではないかと思う人もいるだろうが、例え最終回がどんなに酷かったと仮定しても自分としてはこの結論を変える気はさらさら無い。

これまで本作を視聴してきて作品への信頼が回を重ねるごとに揺ぎ無いものになってきたという所もあるし、脚本を書いているのは自分が好きな黒田氏という贔屓目もあるが・・・

一番大きいのは上で長々と書いたスポンサーの意向と視聴者が作品に求める面白さが噛み合わないといった点を見事に両立させている事だろう。

これだけで快挙と言える。

ガンダムではなくガンプラに着目し、作品の世界観を現実世界と何ら変わらない所に放り込んできた(まあ若干技術が進みすぎている感じはあるが)のと、これまで積み重ねてきたガンダムの30年を超える歴史とその全てに関わったサンライズという強さを存分に活かしている。

従来のファンには自分が好きだったあのMS/MAが時を越えて戦闘を行っている姿を。そして思わずニヤリとするネタを随所に散りばめながらビルダーが戦術を駆使して戦う様を。

新規層にはガンダムのデザインの格好良さと派手なエフェクトが見せる戦闘とそして少年ジャンプのような誰の目から見ても分かり易いストーリーと毎回最終回のようなテンションを見せる血をたぎらせるような熱い展開を。

主人公がダブルヒーローのように2人いるのも特徴的だ。ガンプラ作りが得意でガンダムの知識は豊富だが、操縦技術が未熟なセイ。ガンダムの知識は皆無で勿論ガンプラも作れないが、卓越した反射神経でガンプラを手足の様に操るレイジ。お互い足りないところを補い合って強敵に勝ち進んでいく姿は王道ながらもチームワークを重視しているという点で日本人の気質にあった作品に仕上がっていると感じさせる。

そして2人の前に対峙するのは魅力的なライバル達。彼らに共通するのは勿論ガンプラにおける卓越した才能とそれを十二分に発揮する為の努力。

主人公達だけでなく彼らにもまたそれぞれのガンプラに身を投じるドラマが繰り広げられるだけに真剣勝負でのぶつかり合いは見ている人間の心を本当に奮わせる。

そしてこの作品で登場人物の心を代弁するのは彼らの魂と言ってもいいガンプラ。

ガンプラが戦う姿に憧れつつ、実際にリアルでその機体が手に入り想像してニヤニヤする特権が我々には存在する事は誠に素晴らしい。

ガンダムというとファースト以外認めない!とかSEED以降じゃないとヤダ!とかファン層がそれなりに細分化されているジャンルであるが、古い世代のガンダムであっても新しい世代のガンダムであっても「ガンプラ」という括りでは皆等しい存在でありそこに一種の優劣は存在しない。

「作品」という枠を超えて「ガンダム」という1つのジャンルに集ったものだからこそ―

垣根なく楽しめるアニメとして『ガンダムビルドファイターズ』は今の所さしたる批判も受ける事なく、毎週の様に視聴者に懐かしさと新鮮さと感動を届けている。

最後に自分がこの作品に抱いた素直な気持ちを。

子供向け?いいえ。
むしろ大人ターゲットなアニメ。

だって子供はガンプラほいほい買えないでしょ?w

きっかけは子供かもしれないけど、知らず知らずのうちに大人もドハマりしてしまうような作品で親子両方とも取り込む気マンマンの作品。やらしい見方をすれば。

見れば見るほど本当に良く出来ている。

企画段階から関係者ニヤニヤしてたんじゃないのかと思うぐらい。ガンダムって所に目をつけて展開したのが凄いんだけど。

だから穿った気持ちを持ってしても、このアニメを見てしまうとああ!もうしょうがねーな~。バンダイとかの戦略にむざむざ乗ってやるか!とつい財布の紐が緩んでしまう。

見事に狙いに乗ってしまっているのは本当は悔しい。

でも制作側も作品を楽しんで作ってるんだろうなというのは随所に感じるし、大会が進むに従ってギアもどんどん加速していってますます面白くなってきている『ガンダムビルドファイターズ』

金出してやってもいいかなとか思っちゃうんすよねえ。

BDも買ってやれば満足なのかしら。バラ売りしない所が分かっている。BOX2つで発売とかね。買えばいいんだろ!買えば!!

まだ放映中だから☆を付けられないのがもどかしい。

見るなら今でしょ!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

いおりょぎ  さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全てのガンダム・ガンプラ世代に贈る!!ガンダムシリーズでも屈指の名作です!!ガンダムに興味が無くても一見の価値がありますっ!!(全話視聴完了再レビュー)

全話視聴しました!!

⇒あまりに興奮して、ちょっと盛りすぎかもなので、以下2割引き程度でご覧下さい(^^ゞ(視聴完了日の翌日追記) 

今、興奮の余韻に浸っており、今すぐこの気持ちを伝えないと、と思いながらキーボードを叩いています。

本作は、間違いなくガンダム史に残る代表作になったと思います。
そして、ガンプラという題材だったからこそできた、ガンダム集大成の作品となったとも思います。

1クールは敢えてガンダム初見の方たちも取り込もうとした意欲の表れだったのでしょうが、成功したとは言い難い出来でした。

それに反し本当に同じ作品とは思えないほどの2クールでの物語の濃縮度は想像を絶します!!特に終盤はとても1話とは思えないくらいの密度の連続で、ちょっとした映画を見たくらいの圧倒感がありました。

でも、最後まで見た今は、その1クールの長い尺があったからこそ、この感動があったとも思いますし、また、ガンダム初見の人たちにもお勧めできるとも思います。
結果的に当初の意図を超えて進化できたと言ってもいいんではないでしょうか。

抽象的なもの言いになってしまいますが、「ベアッガイさん」(クマをイメージしたガンプラ)が、あんなにも格好良く見えたのは、本作のそれこそ自分たちと等身大の一般の人達が活躍し「ガンプラを実際に戦わせる」という世界観だったからこそ実現できたのではないでしょうか。

もちろん一度でもガンダムに興味をもった方なら、間違いなく面白いと思いますし、ロボットやバトルが苦手じゃなければ、初見の方にもお勧めします。

長い尺が持たない方なら2クールからでも面白いし、本当の感動を味わいたい方なら1話から視聴することをお勧めします。

「ガンプラ」という世界観からは想像もできない、楽しい世界が待っていますよ!!

そして、最終的にまだまだ明かされていない秘密も多々ありますし、続きを期待させる終わり方にもなっているので、続編が楽しみです!



以下前回レビューになりますが、当レビュー初見の方がいたら、参考になると思いますので是非読んでみてください!!


《見続けて良かった!!面白くなってきましたよ(*^_^*) ガンダム好きなら今からでも見るべし(21話まで感想)》 

21話まで視聴しました。

「ガンダム」の名前付いているだけで観てしまう習性で見てましたが、ここに来て俄然面白くなって来ました!!

「ガンダム」や「ガンプラ」に興味があれば見て損は無い作品だと思います。

「ガンダム」について今更説明は不要だと思いますが、本作の特徴は「ガンプラ」を実際に戦わせることができる世界であることです。

正直言うと、1クール12話までは、子供向けかガンダム初心者向けという感じで、設定自体は面白いけどストーリーに面白さは感じませんでした。
なんかOP・EDも、敢えてそちらの層をターゲットにしているような感じで、あまり期待していませんでした。
そのままだったら断念していたかもしれません。

が、2クール「ガンプラバトル世界選手権」に入ってからOP・EDもガラっと雰囲気が変わって、ストーリーも加速度的に面白くなっています!!

まず、本作の特徴である、好きなガンプラで戦えるという設定を最大限に生かした、メカが格好いいです!!

特に世界選手権から登場した主人公機「スタービルドストライクガンダム」は、傑作機です!!
あの大河原邦雄氏が携わっている機体で、今まで歴代人気の機体のいいとこを上手く活かしてると思います。
他の機体たちも歴代のガンダムシリーズを集大成したように様々なバリエーションで登場してきます。

ガンプラを戦わせる場所も自在に設定できるとあって、バトルも様々な場所で行えることから、話数に関係なく期待できます。

そしてバトルシーンもかなり魅せます!!
さすがにサンライズがガンダムの名前を使って作るだけのことはあると思います。

特に16話以降は、毎週のように本格バトルの連続で見ごたえ十分です!!

ただ、「え~っ、それバトルじゃないじゃん」っていうのもあるのですが、そこはご愛嬌ですかね(^^ゞ

まあ、ここまではガンダムが好きならそれでいいじゃん・・・ってとこですが、ストーリーもかなり面白くなっています!!

主人公はイオリ・セイとレイジの二人ですが、レイジは異世界の人間で、2クールに入ってから徐々にその秘密が明かされてきて、それが現実世界でガンプラを実際に戦わせることが可能なシステムと密接に関係していることが、ストーリーを面白くさせています。

さらにライバルキャラたちも、個性豊かで大いにストーリーを盛り上げています。

また意外にもラブコメ要素もあって、これがこれまでのガンダムシリーズには余り無かった要素で、想定外に楽しめます(*^_^*)

特にレイジとアイラの関係は、自分にはかなり受けが良かったです(>_<)

現時点で物語が最高潮に達しており、未視聴の方がいたら、是非今からでも視聴することをお勧めします。

1クールで見切った方も少なからずいるんではないでしょうか。
⇒自分がかなりそれに近かったです(-_-;)

が、今から見ても面白いし、メカやバトルを見るだけでもかなりいけますよ!

キャラはやはりサンライズなので、好き嫌いが出てしまうかもしれません。
でも、それを補うだけのメカやバトルの作画と、ガンダムらしく無いけど面白いストーリー展開があると思います。

ガンダム作品で盛り上がったのはSEED以来ですかね。

今クールで終わるかどうかわかりませんが、毎週月曜が楽しみになりました!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

67.5 2 プラモデルでロボットなアニメランキング2位
フレームアームズ・ガール(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (291)
1195人が棚に入れました
ある日の早朝、普通の女子高生あおの元に届けられた謎の小包。
開けるとそこにはフレームアームズ・ガールと呼ばれる完全自立型の小型ロボット「轟雷」が入っていた。

おもちゃだ!プラモデルだ!

しかし轟雷はただのフレームアームズ・ガールではなかった。

通常の人工知能以上に高度な、人格を有する人口自我、AS(アーティフィシャル・セルフ)を搭載した最新型の試作機だったのだ。
しかも轟雷を起動できたのは世界中であおたった一人。

バトルデータを収集し、感情を学んでいく「フレームアームズ・ガール・轟雷」。
フレームアームズ・ガールの知識0(ゼロ)の「少女・あお」。

かくして、あおと轟雷、少女とフレームアームズ・ガールの奇妙で楽しい、きゃっきゃうふふな日常がスタートする!


主人公「あお」と「轟雷」たちFAガールたちの日常生活と成長する感情のストーリー!

声優・キャラクター
日笠陽子、佳穂成美、綾瀬有、長江里加、山崎エリイ、山村響、樺山ミナミ
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かつてプラモ少年(非モデラー)だった人の感想

2話までの感想
{netabare}てっきり武装神姫の新シリーズかと思ったのだけど、関係ないの?
スカイガールズとストパンみたいに紛らわしいことによく顔を出すなぁ、島田フミカネって。
いや、そういいつつ実は世界繋がってました~とかやるんじゃないの?(願望)

内容は…うん、現時点では武装神姫なのでこれといって感想はナシ。{/netabare}

6話までの感想
{netabare}5話まではキャラ紹介って感じだったのかな。
次から次へと新たなフレームアームガールズが加わり、どいつもこいつもなし崩しでアオの家へ居候することになる。
ってことでマトモに話が動くのは6話からかな~と思ったけど、これまで通り日常生活を描くのみでした。
別にそれは良いのだけど…どうしても武装神姫のイメージを引きずったまま見てるせいか、その作品の社会での立ち位置が見えないのはどうもシックリ来ない。
要は武装神姫からの設定を拝借するなら「世間ではフレームアームズが大流行で、オモチャ屋には本体やパーツが並び、ちょくちょく大会も行われてる」…くらいは描いて欲しいなぁ。
そうでないとお買い物の回とか、酢はちゃんと代金を支払えたのかどうか気になって仕方ない。

それと童心に帰ってプラモにハマってた頃のつもりで見てみると、一応そうは描いてるけどまだまだピーキーさが足りないような?
ゴウライは空を飛ぶのを捨てて地上戦用特化なのだから、もっと重量級を意識してもいい気が。
相撲の回とか、空戦用がいくらぶちかましをかけてもビクともしない(場合によってはゴウライ無傷で空戦機体が壊れる)とか、掴むことさえできれば負ける要素が無いとか。
ってかそれくらい差がないと空戦用が圧倒的に強すぎる気が…。
あ、それとパーツ換装ね、他の機体との。
コアファイター挟んでガンタンクダムにしてみたり、エルガイムにバスターランチャー持たせたくて買いたくもないバッシュのプラモ買った人は少なくないハズ。
(さすがにアトールⅤの再現はできませんでした、お小遣いがねぇ…)
古くは変身サイボーグ、現代でもねんどろいどがそういった「楽しみ方」で需要を満たしてるんじゃないのん?
…って、そこら辺ってビルドファイターでやってるんだろうか?自分そっちは全く見てないので。
折角模型屋が原作なんだからもっとそっち寄りの魅力を前面に出しても良い気がするんだがのう。

一方で誉める点。
バーゼラルドがストパンのハルトマンとルッキーニを足したようなキャラで(それがパクりだと非難してるワケではない)、ブレパン見てた時「なんか足んないんだよなぁ」と思ってたのはコレだと気付けました。
トラブルメーカーって言っちゃっていいのかな、それでいてムードメーカー的なキャラの配置は重要だなぁと思った次第。
本作だとどのキャラもトラブルメーカーになりえる感じだけど。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}↑の6話までの感想にて換装してくれないかなーと書いたけど、どうやらアオ宅に居るFAGはどれも特注品らしく、装備も専用のでないといけないらしい。
って設定が明かされてガッカリしたと思ったら…8話で装甲強化したゴウライキター!
更にアーキテクトがフレズヴェルクに化けたシミュレーションなので実戦ではまだどうなるか不明だけど、取っ組み合いをしてパワー勝ちしてるし!
ゴウライはもっと重量級・パワータイプにしてくれんかのうと書いたらホントにそれが実現してしまいました。
雑誌の月間あらすじとか公式予告とか見てないですよ?
いやぁ驚いた。
っていうかさすが模型屋というべきですね、何が望まれてるかちゃんと把握してたのねー。

ってことで評価がドドンと上がったところで話は戻って7話…モ、モグタン!?
ゴンとオリーブも含めればかなり長いこと放送されてたのでマニアックとはいわんけど、3Dを実写パートになぞらえて、工場見学パートをアニメでやる辺りなかなかニクい演出。
できればナレーションは局アナにやって欲しかった…というのは贅沢な望みか。
でもって9話では鬼公園ネタ。
色んな作品のロケ地になってるそうでこれまたマニアックとはいわんけど(普通のご当地ネタかと)あんなにグッズは出てないよね?
ってか昔リアルで何度か通り抜けたことがあるけど、立川周辺はもっと散策すれば良かったなぁ…当分行く用事無いよ。
そして病状を聞いた時の反応で「一回関節外して~」と言ってるので、ああやっぱりそういうことができる設定なのねーと思いつつも多分実際にそうやるシーンは見せないんだろうなぁ。
残酷表現に引っかかってしまうんだろうか、バラバラに分解した姿は見せてくれないんだよなぁ、武装神姫もそうだった。
そこから組み立てなおしてガンタンクダム状態とかやって欲しいんだがのう。{/netabare}

12話までの感想
{netabare}まず11話、あおがフレズベルクに会うべく本社へ…って近所かよw
しかも恐らくアポなし。
「試供品送った客(唯一ゴウライを起動させた重要人物)が突然本社へやって来た」となれば、すわクレームかと社員は色めき立ったと思うのだが、相手があおで助かったな。
あっさりフレズベルクと面談できて「あれ?」と違和感をあまり抱かないのはこれまであおを能天気なアホキャラとして描いてきた功績かと。
でもって最後のフレズベルク暴走シーン…ちょ、ウイルスファージww
「なにかに浸食されてる」ってのを絵で表現するなら、これ以上分かりやすいのは存在しねーだろってくらいの潔さ。
親切心なのかヤケクソなのかもーワカランぞ。

そして12話。
↑でエルガイムのアトールV(ウルトラマンのタイラントの方が通じる?)のことを書いたけど、それが最終回で実現んん!!!
腕外したり首もげたりするのがNGであるなら、恐らく作中の描写が精一杯のキメラモード。
おおお、わかってるねぇ。

こ れ を 見 た か っ た ん だ

もし自分が未だプラモ少年だったら全キット集めて再現目指さずには居られなかったと思います。
または、既にキットを持っててゴチャゴチャ組み替えて遊んでたらそれが本編で実現して大興奮だったかと。
これで更にあの形態が可能なのはパワー自慢のゴウライだけってことなら大歓喜だけど、そこまでは説明されませんでした。
ってか…金ピカ…だと?
金ピカ…メッキ…ハイシャルタット専用ウィンガル…うっ頭が(※)。
とはいえ、CGで金属を表現した時ってあり得ないほどテカテカしてるのをよく見るけど、この作品はかなり自然に描かれてました。
(気付いてないだけで最近のCGはこれ位普通にできてる?)

でもってラストのステージシーン。
実は今まで書かずにいたけど、秘かに期待してたことがありまして…。
それは「実物のキットを使ったコマ撮りシーン」をやってくれないかなー?というもの。
ガンプラでアニメのダンスシーンを再現した動画だったかを見かけたことがあるので、もし踊らすことがあるならあんなのをFAGでやらんかなぁ?と思ってたり。
なので最後のステージシーンがCGだったのはガッカリ…と思ったけど、いや待てよ?
これは…「キミも実際にキットを買って作中のダンスを再現させてみよう」って意図なのかも?
さすがにそこまで動画を追う気力無いけど、居そうじゃない?ってかもう居たりして??
そういう人に向けたメッセージかあれは、と思えばなるほど納得、CD売りたいとか大人の事情もあるんだろうけどうまく作品コンセプト(キット売りたいってのも大人の事情ではあるのだけど、これはもう最初から提示されてるコンセプトかと)に落とし込んだなぁと思います。

それとこれは自分語りになってしまうけど…自分はプラモは動かしてナンボと思ってます。
関節ダルダル接合部カパカパになるまで動かし倒して最後は空気銃の的…がプラモの一生かなぁ、と。
ヤマトのプラモならまだしも、ロボットでわざわざ可動部分があるんだから動かさなきゃ勿体ないというか。
(なのでプラモのコマ撮り動画は究極形態だと思ってます)
で、そのことを友人に話したら、どうやらリアルのFAGは動かそうとするとパーツがポロポロ取れてしまいそういう楽しみ方は困難なんだそうな。
「現実はそんなものかー、残念だなー」と頭の片隅に置きながらアニメを見てたら、ドローンに運ばれるゴウライを追おうとしたフレズベルグが、燃料切れだかで地面に落ちてあっさりとパーツが取れてしまうシーンがあったり。
「ナルホドこうなっちゃうのか」と思うと同時に「え、そこでリアルネタ入れるの?」とビックリ。
現実と空想の匙加減が絶妙というか…さすが原作コトブキヤというべきか、しっかりキットとしての性質を描いてて感服しました。
(ってか友人から実際のFAGのこと聞いてなかったらそのシーン何も感じなかったと思う)
FAGコマ撮り動画で「動く度にパーツが落ちる轟雷」なんてのあったらウケるんじゃないかな?



ガリアンの敵メカ。
全身銀ピカって設定でプラモデルもランナーの状態からメッキ加工済み。
接着剤効かないヤスリかけられない塗装できない、で当時の自分は「こんなの作れるか!」と投げ捨てた苦い記憶が。
自分はただのプラモ少年で“モデラー”に足を踏み入れずに卒業しちゃったのだけど、モデラー的にはメッキ処理って面白いのだろうか?
(百式やナイトオブゴールド見るに){/netabare}

総評
{netabare}「自分が未だプラモ少年だったら~」って視点(つまり玩具の販促アニメ)で見ると、痒いところに手が届くというかよく分かってるじゃんと感心するというか、ニーズをよく理解した出来だったと思います。
モデラーじゃないので断言はできないけど「モデラー心をくすぐる」って表現がシックリ来るかな。
まぁ腕外したり首もげたりして欲しかったってのはあるけど…これは仕方ないか。
スポンサーが作品の内容に口出すとロクな結果にならないことが多い中、これは非常に上手く行った珍しい例かと。
(コトブキヤがどこまで口出ししてるのかは知らないけどね)

一方でバトルモノだったり社会描写モノとして見ると、まー緊張感が無いこと、ワザとだろうけど。
早めに「そういうアニメじゃないですよ」と示してくれれば良かったのだけど、暫く自分は戸惑ってしまいました。
だってさぁ、エンディングでオモチャ屋の売店と思われるシーンあるじゃない?
本編でそれ出るんだろうなーと予想してしまうのは仕方ないと思うんだが…。
そうそう、エンディングで思い出したけどオープニングの方、分身したアーキテクトに囲まれてるシーンを見て「量産機(市販品)相手に多対一の戦闘もあるのかなー?CGだったら楽そうだし」と思ったけどそれもありませんでしたね。
登場したFAGはどれも試作品らしいので、市販品との違いなんてのも見たかったかもー?
もし続編が出るようなことがあれば、そこら辺に期待でしょうか。


余談
バーゼが金髪なんだか銀髪なんだかよーワカラン。
アニメ見るだけだったらプラチナブロンドって解釈でいいんだろうけど、公式のキットの写真見てみると黄色…う~ん?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

アレク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ダイレクトマーケティングも愛があってこそ

監督が好きなというか個人的に注目してる人だったので視聴、と思いきやフレームアームガールズ達の
柔らかで丸っこいキャラデザ、それ以前にOPにいきなり拝めるパンチラならぬパンもろ
どこかで見たノリだなと思いきやキャラデザは島田フミカネ氏というビッグネームでしかも作中で活躍する
プラモも同氏のデザインで実際販売され詳しい経緯は知らないがその販売元の肝いりで今回のアニメ化まで
こぎつけたらしい。

なのでこのアニメは販促色が濃くアニオタにとってそういうのっていい予感がしないもんなんですが意外や意外
面白いですよこれ。(実写化でもアニメでもムーブメントを作りたいのか原作売りたいのか知らんけど宣伝に
予算をかけて制作陣も下請け的に無感動に作った作品ほど見てて萎えるもんはありませんからね)

{netabare}

愚痴はさておき実際このアニメは販促色が濃い、濃いがだからといってダメなわけでは決してなく
プラモ素人のあおちゃんと一緒にプラモの組み立てからそのプラモが出荷されるまでの様々な工程などを
一緒に学んでいくチュートリアル的機能もある作品。
自分はプラモいじりの趣味はないがオタ知識には無関心でいられなかったし知らなかったからこそ
一昔前に流行ったクイズ番組での工場見学のような知的好奇心がくすぐられる感じもあり(実際に
工場見学パートもあったしね)その道の人には物足りなかったであろうが初心者の自分としては
楽しく学べました。




そして個人的にはこちらの方がより楽しめた最終的にフレズヴェルクも含め8体の主要なプラモが
登場するがその彼女たちが各イベントやハプニングて巻き起こす掛け合いや会話劇。

色んな意味で純真無垢で感情を学ぶという設定にふさわしい轟雷
逆に今時珍しいテンプレートなツンデレでこのメンバーの中ではむしろ常識人の突っ込み役スティレット
一見おバカだが実は頭がいいデレマスでいう杏ポジ、バーゼラルド
変態お色気枠マテリア姉妹
古風だが頑固で融通がきかない実はトラブルメーカー迅雷
ググる枠で優等生なアーキテクト
そして終盤登場し緊張感を与える戦闘狂フレズヴェルク
そして忘れちゃいけないイベント好きで金にがめついのも含めて生活感のあるいい子源内あお
(デフォルメたっぷり属性盛り盛りの子もいいけどAチャンネルのユー子とか最近では天使すぎるきらいがあるが
ガヴドロのヴィネットちゃんとか実際にそんな人は現実にいるのか、いたとしてお近づきになれるかは
いったん置いといてこういった実際にもいそうなデフォルメ控えめないい子っていいよね( ´∀`)b)



そんな今時珍しくはない属性のキャラたちだが少ないシーンでのキャラクターの個性の際立たせ方を心得てる
印象でどのキャラも来てすぐ覚えられたし大爆笑ってわけじゃないが所々クスリとさせるようなギャグセンスは
流石、正直あおちゃん役の日笠陽子以外は新人らしくあまりうまく感じられないんですがキャラが生き生きした
脚本を見ているとそれすら好意的に感じてしまう不思議。
こうなってくるとアイマスのようにいろいろな組み合わせのカップリングやユニットを妄想したくなるが
最終回のライブシーンはその兆候か、それもこれもキャラとしての土台がしっかりしていればこそ。
感情を学んできた轟雷が後半恐れや不安などといったマイナスな感情も出すようになったという
描写が軽いタッチながらも盛り込まれていてそういうとこまで踏み込むのは個人的にポイント高かったり。


しかも舞台は資本元のコトブキヤのお膝元立川市ということで街並みや背景はもちろんのことさりげなく名産品を
作中に入れてみたりご当地アニメの側面から見てもぬかりなく肝心の内容も面白かったしプラモに関する描写も
愛があるかは本人にしかわからないが少なくともしっかり下調べしてから作品におこしている印象で
やらしい話スポンサーの意向にも沿ってるしこれからプラモを始めたい人にとって入口としてふさわしいアニメ
これぞまさにプロの仕事。
(個人的にたまにある百合、またはフェチズムを感じさせる艶めかしい描写も好きでしたヾ(*´∀`*)ノ)



このアニメの監督どこまでが監督の功績かわかりませんが今までクレジットされてる作品をざっと見ても
個性を押し出すタイプじゃないが原作の魅力をよく引き出せてる印象の作品が多く今回の件でますます
好きになりました(∩´∀`)∩



特に印象に残ったのは6話の怪談話は画面越しだが思わずぞっとした
あんなうっかりミスやろうもんなら自己嫌悪でその夜眠れない(((( ;゚д゚)))
プラモに限らずコレクターにとって使い込まれた各用具というものは愛着沸くしコレクションの一部なのです。
高価なものならなおのこと
そんな知識だけじゃなく心理まですくい取ってるところも本作の美点




最後にふとした疑問なんですけど自分はプラモをいじる趣味はないんですが昔いじってる奴眺めてたのと今回の
アニメで気付いたんですが昔は塗装は買い手の裁量に委ねられていてクリエイターと買い手共同の作品という
印象だったんですが今回出てくるプラモはみんな塗装済みで買い手は組み立てるだけなのでクリエイターの作品
というウエイトが大きくなってるのかな?誰か詳しい人いたら絶賛メッセ募集中です(/・ω・)/

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今期(2017春)のダークホース ~シガラミの少ない、清々しいまでの販促アニメ~

[文量→小盛り 内容→感想系]

原作が「プラモデル」ってのは変わってるね。まあ、ガンプラを原作にした「ビルドファイターズ」は面白かったし、やりようだよね(自由度はかなり高いはず)。

【総括】
「どうせ、美少女プラモの可愛い仕草を観て、ブヒブヒ言わせるだけのアニメでしょ? 販促目的の低クオリティアニメでしょ?」なんてナメた態度で視聴開始しましたが、いや~、良い意味で予想を裏切られました。

バトルものの側面もありますが、わりと日常ギャグよりで、そのギャグがなかなか面白い。面白いというより、微笑ましい!

これは「食わず嫌いは勿体ない作品」だと思います! 今期(2017春)、一番のダークホース(期待以上に面白かった)でした!

(まあ、元の期待値が低かったというのはあるけどねw)

《以下ネタバレ》

【視聴終了】
{netabare}
販促も、飛び抜けると面白い! が、現実はただのプラモな(バトルが出来ない)わけで、本当に販促になってるのかな(笑)? まあ、知名度は上がったか。

バーゼの天然に見せかけたやや黒い性格と、白黒姉妹の漫才、あお の拝金主義(なのにちゃんと優しい)で現実味のある性格が良かった!

個人的には9話(風邪回・夢回)が一番好きだった。プラモ原作の自由度(なんでもアリ)をフル活用していましたね。キャラが良いからできる変化球回。あと、7話の反則的販促回w や、最終話のメチャメチャな感じも好きだった。なんか、制作も楽しんで作っているんだなというのが伝わる、良いアニメでしたがたね♪
{/netabare}

【余談 歴史上No.1のバトル玩具システム】
{netabare}
今まで日本では、様々な玩具が発売されました。その中で「戦い」をメインにしたもので、私が思うNo.1の玩具(システム)は、

「バーコードバトラー」

という玩具です。知ってますか?

これ、市販の(何でも良いので)商品のバーコードを切り取って厚紙とかに貼り、「バーコードバトラー本体」で読み取ると、そのバーコードに応じて「攻撃力」や「防御力」が決まり、カードゲームのように戦えるという商品です(まあ、モンスターファームと同じ理屈です、って、モンスターファームも知らないかw)。

バトル自体にはさほど工夫はなく、そこは面白くなかったです。でも、とにかく面白かったのが、「強いバーコード探し」という遊びでした。まるで、宝探しのような楽しさ(んで、バーコード貼った紙に、自分で絵とか数値を書いて、カードっぽくしてたw)。

この遊びの良さは、とにかく「親の経済力に左右されにくい」という点です。だって、「1万円のラジコンのバーコード」に、「30円の駄菓子のバーコード」が勝つこともザラですから。

だから私たちは、ムリヤリ毎回違うお菓子を買ってもらったし、親が買い物に行ったら、ごみは全部もらったし。たまに旅行に行き、地域限定の商品を買ってもらうときは、2倍の喜びでした。

いや~、あの、新しいバーコードを試す時のワクワク感と、それが弱かった時のガッカリ感、鬼強かった時の喜び、たまらなかったな~。

「ゴミが玩具になる」なんて、すげぇECOな商品で、今の時代に超マッチしてるとも思います(けど、結局、販売元が本体の分しか儲からないから、生産中止になったけどね)。

ただこの「バーコードバトラー」、今、売ってもダメでしょうね(アプリ版もあったようですが)。【バーコードバトラー 最強】とネットでググって、Amazonでポチっとやって、すぐにみんなが最強になれちゃうから……。(まあ、当時も改造バーコードとか流行ってから、つまんなくなりましたね)

あぁぁ、あの「え~! ナニソレ!? そのバーコード超強いんだけど! 何のバーコード? ねぇ、教えてったら、教えてよ!」「うーん、ダメぇ~♪」「ケチ! マジムカつく!」という友達とのやり取り。あの「自分だけが知っているという優越感」。今の子供は経験できないんですねぇ(何事においても)。

調べれば何でも分かる時代。恵まれてるんだか、可哀想なんだか……。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
丁寧なプラモデルの説明ですね。嫌いじゃないです(こういう導入系アニメ)。

2話目
やはりの百合展開。三者三様。キャラがたってきましたね。

3話目
武器庫(笑)? いや、語尾w ヤギに小便かけられるヒロインってw Aパートの伏線を上手く使う展開。

4話目
相撲、シュールw タダ働きに嘆く主人公ってw

5話目
新キャラ&日常回

6話目
なぜかたまにあるサービスシーン。迅雷の頭に落ちるギャグ的重りが100gで、笑ったw

7話目
製造過程をガッツリ見せるなんて、新しい(笑) 個人的には、振り切ってて好きでしたね♪

8話目
ハイブリッドアーマー(笑) みんなの出し物、良いね~。マテリア姉妹の漫才と、あおの手紙は面白かった♪

9話目
なんか、「プラモデル原作」という自由度をフルに使う生かした回でしたね。今まで一番好きかも♪

10話目
鍋回。なかなかよかったです。特に、ホルモン鍋のクダリが(笑)

11話目
ああ、バトルアニメだったんだな、と。

12話目
作画、いつも以上に頑張ってましたね。Bパート、遊び過ぎでしょ(笑) まあ、作品の〆としては、平和で良かったかな、と。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

66.4 3 プラモデルでロボットなアニメランキング3位
ガンダムビルドダイバーズ(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (75)
336人が棚に入れました
電脳仮想空間(ディメンション)内で、ガンプラを使用したさまざまなミッションを楽しめる最新ネットワークゲーム“ガンプラバトル・ネクサスオンライン(GBN)”。中学生のミカミ・リクと親友のヒダカ・ユキオは同級生のヤシロ・モモカを巻き込んで、その広大な世界へと飛び込んだ。GBN内の住人“ダイバー”となった彼らは、ガンプラに対する不思議な感性を持つ少女サラと出会い、彼女とともに行動することになるが……。リクにとって憧れのチャンピオン“クジョウ・キョウヤ”を始めとした有名ダイバーの存在。複数のダイバーで構成された部隊システム“フォース”の結成。非公式ツール、ブレイクデカールを扱う“マスダイバー”たちによる妨害。多くの出会いと経験を経て、リクたちはガンプラだけでなく、自らの冒険をもビルドしていく!

声優・キャラクター
小林裕介、藤原夏海、稗田寧々、照井春佳、笠間淳、速水奨
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

濃い物語と販促を両立する難しさ

2018年春アニメ。全25話。
ガンダムビルダーズ、ガンダムビルドファイターズの流れを汲むガンプラアニメの新シリーズ。
キャラクターデザインのシンプルさ、すっきりした絵柄が凄く好みです。作画・演出や音楽もとても好きです。OPとEDは前半の方が好きだったかな。

今回長いので、ネタバレ内は興味のある人だけどうぞ。

【最終話まで視聴しての総括】
不満はちょいちょいありましたけど、概ね楽しめました。
最終バトルでサブキャラクターの扱いにもう少し気を遣ってもらえたら、駆け足になっても描写不足があっても、もっと評価が上がったとは思います。
とりあえず終わりよければすべて良しという所でしょうか。

全体のテーマは本当に良かったと思いますし、和やかな作風も見ていて楽しかった。
「何かを好きという気持ちを肯定する」…強さも憧れも楽しさも否定される苦しさもすべてを内包するもので、私が最初に感じたよりずっと大きな主題だったと思います。

個人的には脚本家によって各回好みが分かれてしまいました…。
ですが屋台骨であるシリーズ構成の木村暢さんが概ね私が好きな方向性で脚本を書いてくれたのはありがたかったです。

ガンプラ販促アニメとして、新規ファンを獲得しようとする姿勢がとても良かったです。序盤では特に初心者が興味を持ってもらう努力が多くて楽しく見られました。
ですが、後半では尺配分の難しさも露わになったように感じました。


【キャラクター】
やっぱりキャラクターの魅力は大きなポイント。
{netabare}
リクを始めとした子ども達が見ていて本当に和んだし、チーム内の描写もとても良かった。
あらゆる点で優秀なコウイチさんががっちりサポートしてくれ、でもちょっと押しに弱いのに対して、リクやモモが積極的に動くので、主人公たちの活躍を喰うこともありませんでしたし。
後半でドージとユッキー・サラの交流が描かれたのは本当にうれしかった。17話大好きです。

オーガにはもう少し活躍が欲しかったなあ…ドージとの関係も少しで良いから描いてほしかったのですけど。
リクの「サラも助けてGBNも守りたい」気持ちを引き出してくれたのはとても良かったと思います。ただ、個人的にはライバル役としてはチャンピオンよりオーガに注目していたんだなと、最後まで見て自覚しました。
最終戦はオーガ自身の戦いたいという欲求と一緒に、サラを助けたいというドージの思いを汲んでリクたちに味方してくれたら、兄弟両方の人間関係を多少なりとも補強して描けてさらに良かったのかも。

シバさんとても好きなキャラでした。
強い思い入れが歪んでしまうことは誰にでもあるし、私も強く共感した心理です。
人間は広い視野を持とうとしてもなかなか難しい生き物で、主観を廃して物事を見ることは出来ないものです。本作の「全ての人の好きという気持ちの肯定」は、主観と共感(客観ではなく)が必要となる。だけど、それは誰も彼もが同じ気持ちになればいいわけじゃないし、マイノリティを否定すれば成立しないことです。本作はマイノリティを掬い上げる展開が多かったのがとても良かったですし、それを最も体現した人物となりましたね。

あとやっぱりマギーさん!子ども達を常に見守ってくれるマギーさんが居てくれて良かったです。
最終戦で私が思ったこと全部言ってくれたマギーさんに感謝。{/netabare}


【「新しい自分」を作り上げ、「新しい世界」へ】
{netabare}
この作品て自分の分身はダイバーではなくて本来はガンプラなんでしょうね。
だから、新しいガンプラを作り上げるということは新しい自分を作り上げるということ。
とは言ってもダイバーに意味がないわけではないことは、サラや、ガンプラを持たないユーザーがいることが証明しています。そういう意味ではガンプラを持たないユーザーの回も見たかったなあ。

14話のプチ総集編を見ていて思ったのは、原点に返ろうという時に、GBN内で出会った「人に会いに行く」のが象徴的だということ。
ネットワークの世界であるGBNでは互いに認識しあうことが新しい何かを作る原点です。チャンピオンやマギーが受け入れる側として初心者ユーザーに関わり、時に助けようとするのもそうですね。
シャフリのインスピレーションはGBNの世界を見てさえ得られるものと語られます。
「作り物の世界」で得た感動をリアルでガンプラにアウトプットしていく、というのが面白いですよね。

リクはアヤメのガンプラを取り戻すために自身のガンプラをボロボロにしながらシバと戦い、自分と相手のガンプラを傷つける痛みを知ります。
GPDでは自分のガンプラは自分と一心同体。ガンプラとは別にダイバーというもうひとつの姿があるGBNとはその点が最も違うのでしょう。

壊れたダブルオースカイの胸の傷はリクの心の傷でもあり、過去・経験・リアルとの繋がりでもある。
サラが自身の目でリアルを知ることはありません。すべて仲間を通して、あるいは13話でリクの所在を知った時のようにガンプラの心を通して、リアルを知っていく。
「リクが大変な事わかるのに、会いに行けない。何もできない。何も届けられない」とサラは言います。ですが生まれ変わったダブルオースカイの傷はサラとリクの繋がりであり、サラとリアルの接点にもなっている。ダブルオーダイバーの傷がダブルオースカイ…リクの「新しい自分」の土台を作っていて、その土台にはサラとの出会いも含まれています。

シバは傷を傷と自覚しないために、ずっと新しい自分を作り出せずにいたのかもしれません。GPDでの人との繋がりが断たれたことによって、ガンプラ(自分)を作り直す機会をも失っていた。
シバの言う通りGBNは作り物なんだけど、シバは自分から「作り物の世界」を壊そうとして逆に繋がりを持ったようなものです。リアルには存在しないサラと出会い、新しい時代しか知らないリクと出会い、過去を知るコウイチと再会し、自分の心が傷付いていたことを自覚し、それをサラとリクとコウイチが受け入れたことがシバの再生につながる。

「作り物の世界」からアウトプットしてリアルに構築する…シバがGBNから構築したのはサラなのですね。
サラとシバの接点は本当に少なくて、「ならどうして泣いているの?」って言われたことだけ。でもシバが自分の心が傷付いていると初めて意識したのはこの時で、サラはその気持ちも受け入れていたのだと思います。

ブレイクデカールに拒絶反応を起こしていたサラはある意味でシバに傷つけられてもいたし、ビルドデカールによって救われてもいる。そしてサラのリアルのボディを作ったのもシバ。
シバにとってGBNは「作り物の世界」だったけど、逆にサラにとってはリアルが触れられない世界でした。それが受け入れる誰かの存在によって「新しい世界」になる。
最後にはシバが「受け入れる側」としてサラを新しい世界に招いたことがとても良かったと思います。{/netabare}


【気になった点】

{netabare}
カツラギさん(ゲームマスター)はもう少し良い描き方があったんじゃないか、というのが正直な感想です。
泥をかぶる役回りになるのは仕方ないとしても、サラを消去してでも確実にGBNを存続させようとする理由付けが弱いなあと。「有志連合不参加のプレイヤーのため」という視点もあったら良かったかも。有志連合に参加したプレイヤーは勝負が着けばある程度納得するだろうけど、それ以外のプレイヤーはそれで納得できるのかな?と私は見ていて感じたので。
最終話で味方してくれた流れからして、本来なら「いろんなキャラクターのそれぞれの立場と対立と想い」を描きたかったのでしょうけど、描写が良くなくてちょっと勿体なかったな、と。
正直フォローが全然足りないよ…(切実)

あと、チャンピオンにあまり良い印象は残りませんでした。
ブレイクデカールの件でGMを頼るのはわかるし、旧知の仲だからサラの件でGMに協力するのも理解はできるけど、リクを焚きつけて決闘による解決に持ち込む流れはGMや有志連合のメンバーに対して不誠実だと思う。なら最初からGMに義理立てなどせず、リクとGMの橋渡し役になった方が良かったのではないかと思います。

ミス・トーリはメインシステムの開発者(で良いんですよね…?)なら運営に全面的に協力すべきではないのかなあ…。こちらも、リク達とGMの橋渡し役になれる立場だったと思う。

あと、ロンメルさんとシャフリさんが主人公チームに敵対する理由付けにちょっと無理を感じました。
全体的に話の流れありきでキャラクター描写が歪んだ印象でした。
{/netabare}


【販促アニメとして】
{netabare}
私はガンプラに全く触れたことが無い人間ですが、本作は玩具販促アニメであるという視点を無視して評価することは出来ないと痛いほど感じました。(私自身が最近玩具販促アニメを多く観ているせいもあるかもしれませんが…)
後半でメインのストーリーが尺不足のために上手く回らなかった印象があって残念でした。本筋のボリュームは、最序盤でやったようなガンプラとその楽しみ方の紹介を含めて、2クールで少し話数が残るくらいだったと思います。
だけど玩具販促って意外と尺が取られちゃうので、さらに話数がかさんでラストが巻き気味になってしまったのかな…なんて私は感じたのですけど。

昔の子ども向け販促アニメによくあった一話完結形式は尺の融通が利きやすかったですが、現在の販促アニメは一部のカードゲームアニメなどを除き一話完結形式はあまり使いませんね。2000年代初め頃から2010年代半ばまでは長期販促アニメが激減していたので、現在では一部のベテランや決まった制作会社のスタッフしかこういう作品の経験が無いのかも…。もちろん一話完結形式が必ずしも最適なわけじゃないですけど。

本作の場合、ガンプラにはダイバーがいるのでその掘り下げが必要になるし、それに加えて連続性の強いストーリーを2クールで両立するのは実はかなりしんどかったのではないかな、と。
販促アニメで今回くらいのボリュームの物語をやるなら4クールくらいが適切に見えます。
ただ根本的な問題は販促の大変さと尺の兼ね合いなので、本作に限った問題でもないんですが。

少なくとも、ビルドダイバーズは個人的にはこのシリーズの中では一番好きだし、ガンプラ未経験者として置いてきぼりに感じなかったことに好感を持ちました。
本作は子どもも視野に入れて新規ガンプラファンを増やしたり、視聴者層を広げようとする努力をしていたのだと思います。
本作のみならず現在展開中のシリーズもの全般が新しいファンを獲得しようと試行錯誤していることは、もっと前向きに捉えられるべきだと思います。

…とは言っても単純に好きじゃない作風だと見るのやめちゃうんだけど(爆)
{/netabare}


【SDガンダムフォースファンとして】
私はSDGFもビルドダイバーズも、ガンダイバーもカツラギさんも好きですが、GM(カツラギさん)のアバターにガンダイバーが採用されている点について思ったことを率直に書いておきます。
{netabare}
カツラギさんというキャラクターは憎まれ役になるのはしかたがないんですよね。もっと良い描き方があったとは思うけど。
ただ、SDGF知らない人は元々のガンダイバーの「ガンダムフォースの新人・頑張り屋・健気・献身的で可愛らしい」キャラを見たら驚くと思うw

正直、GM登場当初から「ああ、これアカン奴や…」とほぼ諦めモードではあったんですが…(苦笑)
元のキャラと違い過ぎて早いうちに別キャラとして割り切れてしまったのも本当のところなんですけど。

ただ、こういった作品でSD作品のキャラを搭乗機体以外の形で出すのであれば「意思のあるキャラクター」として扱うのが妥当ではないかと。
同じガンダイバーだとしても、「本作のオリジナルキャラクターが搭乗するMS」として登場するならパイロットが悪役でも憎まれ役でも全然良いんだけど、「GMのカツラギさん」という別キャラクターにしてしまったのは最初はちょっと抵抗感がありました。
(本作ではダブルオーのコーラサワーも同じように台詞ありで登場していますが、そちらは楽しく見られました。でもそれは性格付けがはっきりわかるような台詞がほぼ無かったからです。)

それに繰り返しになりますが、ガンダイバーのこととは別にカツラギさんが結構一方的な憎まれ役になってしまったのは好きなだけにちょっと複雑…。

とはいえ、15年も経って手描きのガンダイバー・ガンチョッパーが見られるとは思わなかったなあ。本当にありがとうございました。
受付嬢や運営スタッフのアバターがSDGFのオペレーター衣装だったり、運営の管理室がSDGFの秘密基地の指令室だったりするのも嬉しかったです。
あと20話でジム顔のタライのオバケみたいなの1カットいたけど、あれ2004年のイベントのSDGFの短編アニメに出たタライゴーレムっていうののジム版…?さらに元ネタがあるのかな。SD系はSDGFと三国伝しかわからない。にわかでごめんなさい。とりあえずインパクトはあったねw
{/netabare}
(2018.10.11)


【2話視聴時点での感想】{netabare}
この時点では純粋に子ども向けになりそうな雰囲気ですね。どちらかと言えばガンダムファン向けであったビルドファイターズの第一話よりもガンダムパロ台詞はかなり少なくなってます。
純粋なガンプラの楽しさと憧れ、それを糧に強くなっていくことを最後まで一貫して描いてくれたら良いなと思います。

正統派ボーイミーツガール(友達)のような始まり方がまた良いですね。
サラはガンプラに込められた気持ちがわかるという設定で、ガンプラを作品の中でただの道具にしないために存在するキャラクターかな。そういう所も良い意味で子ども向けホビーアニメらしい。

マギーさんの言ったガンプラバトルで強くなる三つの要素…ガンプラ作りの腕、高い操作技術、愛というのが良いですよね。
リクはまだオーガに歯が立たず彼の言葉に反論はできませんでしたが、「強さ」と「楽しさ、憧れ」が対比してしっかり描かれれば上手く話が回りそう。これがひとつの愛と言えますしね。

キャラクター造形もかなり好きですし、全体的に配役も好みです。リク、ユッキー、サラの可愛らしさと集まった時のバランスの良さとか。
個人的にはドージがとても良いですね!愛嬌たっぷりの悪い子で良い感じに憎めなくて。今まで見た松岡さんのキャラクターの中で一番好きかもしれません。よく合っていますし何より楽しそうで、幅広い演技を披露していて本領発揮という印象です。

個人的にとても嬉しかったのが、オペレーターの衣装がSDガンダムフォースオマージュなこと。パロ・オマージュが少ない(利権関係のためと推測されていますがどうなんでしょうね)SDGFなのでファンとしては嬉しいです。フォースの説明の時のコラサワさんとか各作品の舞台とか、絵的にわかるパロは楽しいですね。

子どもの可愛らしさ、童心に返る作風で今後も楽しみです。{/netabare}
(2018.4.16)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

プ・ラ・モ・じ・ゃ・な・い!! プラモジャナイ……否、プラモである!

ビルドファイターズ、ビルドファイターズトライと続いた、ガンプラを題材にしたアニメの第三弾。

前2作を経て心機一転、※1プラフスキー粒子などのファンタジー寄りの要素は影を潜め、よりリアルな、ネットワーク内の仮想空間を舞台にした物語が展開されます。キャラの引継ぎも今のところなし。惜しむらくはシリーズ屈指の名物キャラ、ラルさんが登場しない事(笑)

1期ではブレイクデカール(チート行為)、2期では近年話題沸騰中?の人工知能と、いずれも現実から地続きの問題を扱っている所に、これまでのシリーズとの方向性の違いを見ました。

チート行為は※2ネトゲ黎明期から存在する問題で、これでゲームをやめてしまった人をわたしは何人も知っています。クラッカーがツールをアップすれば、運営が一歩遅れて修正パッチを出すという、正にイタチごっこ。

本作中でも描かれている様に、強くなりたい、勝利したいという気持ちは、ゲーマーなら誰しも持っているものなので、それが不健全なものだとは思いませんが、不正行為までして勝とうとする人は、それで目的が達成出来て、本当に嬉しいのか?と常々疑問に思う事があります。わたしには、ただただ楽しみを棒に振っている様に見えます。

過程よりも結果を欲する短絡思考、焦燥にも似た競争心、そんなものが原因なのでしょうけど、例えば、夏休みの宿題を誰かにやってもらったり、丸暗記の勉強をしてテスト結果ばかり気にしたり、※3ゆうていみやおうきむこうほりいゆうじとりやまあきらぺぺぺ…とか打ったり、すごくつまらないですよね…(笑)

人から見下されたくない、一目置かれたい、必要とされたい、尊敬されたい、こんな感情が人を不正行為へと走らせるならば、人口過密の競争社会って、犯罪の温床なんじゃないかって、わたしは時たま思います。

作中では、上で挙げた様な、現代病の一種と言っても言い過ぎではないノイローゼ的思考に、リク君を中心とした主人公勢が、友愛と許し、※4スポーツマンシップでストレートに対抗します。これが清清しくも美しい! でも、どうなんでしょう…冷静に考えてみると、最後のにはちょっと無理があるんじゃなかろーか?

愛と友情で仲間の目を覚まさせるというのは理想的だし、手段としても大いに賞賛したいんですが、チート行為をスポーツマンシップで打ち負かすという点についてだけは、どうしても疑問を覚えてしまうのです。これが辛うじて通用するのは、アナログ的なものに限ってでは?と指摘出来るからです。

アナログのスポーツではドーピング使用がチート行為の代表格に挙げられると思いますけど、デジタルの世界では数値が全て。不正プログラムを使えばアナログには存在する物理的制約を無視して、どこまでもプレイヤーの数値を操作出来るので。これと真っ向から戦って勝利するというのは、はっきり言って不可能に近い事なので、ゆえに、古くからある少年漫画の筋書きを、ただ安直に貼り付けただけという印象が拭えないのです。※5せめてリク君(がダメなら、いわゆる噛ませとしてユッキーとか)の敗北シーンを早々に描いて、チート行為の卑劣さをもっと強調してくれても良かったんじゃないかと思いました。

ブレイクデカール事件の収束のさせ方については、前半のガッツで押す展開とは一味違って、合理的な説明があり、2期への伏線もしたたかに張り巡らせており、お見事でした。手放しで高評価したいです。


そして2期、※62045年問題という言葉が、そこかしこで囁かれる様になった昨今ですが、このテーマを扱うアニメは急速に増えていますね。記憶に新しいものを挙げてみると、プラスティック・メモリーズ、planetarian、beatless、遊戯王vrains、 STEINS;GATE 0辺りでしょうか、私的にとても興味のあるテーマなので俄然目が離せなくなりました。
{netabare}
未知なる生命の誕生を祝うか、GBNへの脅威と見なし排除するか? 安堵の時も束の間、先のブレイクデカール事件に連なる新たな問題の発生。運営、システム開発者、クラッカーを巻き込んだ、二つに割れた勢力の主義主張がぶつかり合う緊迫の展開に至ります。
{/netabare}
と、ここまで書いてきて思ったんですが、このアニメ、ガンプラアニメ? MMORPG的なものに、そっくり首を挿げ替えても、普通に通用するお話だったりして?(笑)

シナリオ、演出ともに秀逸だし、女子キャラがとてもかわいい。バトル作画もかなりスゴイ!

でもそこじゃないんですよ! モデラーが一番注目しているところは。削り出しや表面処理、塗装とかの、ガンプラ製作風景なんですよ!!

なので、わたしの一押しキャラは、サラちゃんでもアヤメさんでもなく、ケイワン先輩!

ガルバルディβを"リベイク"する渋さ、1/144MSキットを3機収納出来る大型シャトルを、短期間で、箱組み、パテ盛り、フルスクラッチし、可動部分や内部メカまで完璧に仕上げた手腕…この青年、化け物かッ!?(池田秀一さんの声で、笑)


24話まで見終えて
{netabare}
2期クライマックスの、"フライング抱っ転がり"は、空から降ってきた少女を機械工の少年がお姫様抱っこ!を越えるインパクトがありました(笑)憧れのチャンプへの挑戦、ライバルとの共闘、幾多の試練(王道展開とも言う)を乗り越えて、辿り着いた大団円。リクとサラ、幸せそうな二人の溢れる愛に、感極まってもらい泣きしてしまいました。

と思ったら、唐突に新たなる敵の出現!? うーむ、いい最終回だったのに(笑)蛇足的な展開にならない事を祈りつつ、最後まで見届けたいと思います。
{/netabare}
※1:ビルドファイターズ、ビルドファイターズトライでは、この謎の粒子を介して、ガンプラそのものを自由に動かせるという設定の元にガンプラバトルが行われていた。

※2:ハックアンドスラッシュ系ARPG「ディアブロ」で良く見かけられた。続編の「ディアブロⅡ」に至って、サーバーがセーブデータを管理するシステムが一部導入され、ネトゲ全般に徐々に定着し始め、今ではそれがスタンダードとなっている。でもイタチごっこは終わらない(汗

※3:ファミコン版ドラクエⅡの、ほぼ無敵状態でスタート出来るパスワードの一部。子供時代は無節操なんで、わたしもこれでやった事あるんですけど、はっきり言ってつまらない。普通にプレイした方がずっと楽しいです。

※4:スポーツマンが模範となっていないので、わたしはこの言葉があまり好きではありませんが、便宜上(汗)gentlemanshipもChivalry(騎士道)も似たり寄ったりですし…。

※5:強キャラには結構負けてるリク君ですが、小者にやられてしまっては、さすがにガンプラ売れ行きが怪しくなるので、無理に決まってますけど(笑)

※6:AIがヒトの知力を超える(かも知れない)とされる、技術的特異点のこと。

最終話まで見終えて

ガンプラ(玩具)がテーマという事で、軽い気持ちで視聴し始めたアニメでしたが、内容は、ネットワーク、ゲーム及び仮想現実との向き合い方、モノ造りの楽しさ、友情の芽生えと崩壊、再生、AI問題と、多岐に渡り、捨て回無しの密度の濃い作品として最後まで楽しませて頂きました。

それと(タイトルの)お詫びも兼ねて付け加えておきたいのが、ガンプラ要素の有無。製作風景の描写は乏しいものの、モブキャラ描写、台詞の端々のそこかしこに、一周しただけではとても拾い切れない小ネタが満載でした。{netabare}「コンパウンドで合わせ目が見えなくなるぐらいピカピカに磨いてやる!」とか、「ハハハハハ!(中略)お前達の頑張り過ぎだ!」とか、{/netabare}プラモ好きやガンダムファンなら、もれなくニヤリとしてしまうのではないでしょーか(笑)

因みにわたしの琴線に最も響いたシーンは{netabare}「あなたもゲーマーなら、トゥルーエンドを目指すべきだと思いますよ?」「世界の命運がかかっている…遊びではないのだ!!」「いいえ、遊びよ❤」の3強の台詞の応酬です。ネトゲはもちろん人生もまた遊びという事を、実にスマートに表現した楽しい掛け合いでした。

それとお気に入りキャラのK-1兄さんの「へぇ。各関節を最新のKPSにしてるのか。ノズル系も金属パーツに変わってる。しかも色を塗り替える際に表面処理を一からやり直してエッジを効かせて…」なんかも、地味ながらツッコミが鋭過ぎて、思わず笑いが出てしまいました。愛がある!(笑){/netabare}

物語のキーとなるELダイバー(電子生命体)の設定については、現在進行形で発展途上の技術、クラウドAIを髣髴させるものがあり、その存在の相が、ネットワーク上に散らばった情報、わたし達一人一人の選択―人体における細胞の如きちっぽけなものの意思―の累積によって決定されるという事を、簡潔に説明しており、ネット社会における責任の不在の危険性、転じて、個々の行動の重要性を暗に示している様でもありました。

個々の行動の重要性と言えば、先日あにこれ内で誹謗中傷を受けているレビュアーさんに多数のレビュアーさんが助け舟を出し、ついには運営さんを動かしたという、とても感動的な出来事がありまして、個々が孤立し、見て見ぬ振りやコトナカレを通していては、決して目にする事の出来ない結束の大切さを、リアルで(敢えて言わせてもらおう。リアルであると!笑)垣間見させてもらった次第。

人と人とが絆を結び成し得る事の大きさ、※7見利忘義がもたらす不利益、個性の尊重、遊ぶ喜び、大人になると言葉に慣れ過ぎて、徐々に忘れていってしまう大切な事、たくさん思い出させて頂きました。


ありがとうビルドダイバーズ!!


※7:読んで字の如し、利益に目が眩んで道義を忘れること。


付録・プラモ作りについて
{netabare}
ガンプラのみならず、プラモ全般の改造に欠かせないのが、プラ板やプラ棒。でも模型店で買うと、これがなかなか値が張ります(汗)そこで代替品のご紹介をば。

ずばり豆腐パック! トタンの様な凹凸にも使い道はありそうですが、フラットなものが普通のプラ版として利用できます。それとアイスの容器とかも。透明プラ板が欲しければ、電気機器とかのパッケージを利用するのが吉。割としっかりとした厚みがありますので、クリアパーツの製作に役立ちます。そしてプラ棒の代わりに使えるのは※aランナーと、プラスチック製のハンガー。ハンガーにはH型鋼みたいなのとか丸棒とか、色んな形のがあります。服をクリーニングに出すと大抵付いてくるので、家の押入れとかに眠っているかも…。お母さんに聞いてみましょう(笑)

他にも、ビーズ、ケーブル、ペットボトルなど…。わたし達の身の回りには、沢山のプラモパーツが眠っています。プラ回収を徹底している地域は、残念ながら多くはないと思いますので、ただ捨ててしまうのはもったいないとばかりに、じゃんじゃん使いましょう。

プラモ狂四郎だって、ガラクタ同然の腕時計のバンドをプラモパーツとして採用している! かの※メイジンカワグチだって「ガンプラは自由だッ!!」とおっしゃっているのだから!!(笑)

※a:プラモパーツがくっついている枠部分の事。キットと全く同じ素材なので、削りやすく、接着剤の食い付きも◎。ポリキャップとの相性も良し。パーツ作成、製作道具(以下参照)としても幅広く活躍します。

※bビルドファイターズ、ビルドファイターズトライに登場した"アメイジング"という言葉が大好きな凄腕ビルダー3代目メイジンカワグチのこと。なお本シリーズにおける"ビルダー"の呼称は"モデラー"とほぼ同義。ボディビルダーの略ではない(笑)

追記:段ボールとランナーを利用した塗装台もオススメです。スプレーした後や、筆塗りした後、パーツを干す時に重宝します。ダンボールを使いやすい形にカッターで切って、台座も同じくダンボールで作って、断面の所にランナーを差し込んで利用します。手間は掛かりますが、水で薄めた木工用ボンドや糊などを使ってダンボールを猫の爪研ぎみたい加工しても○
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

マスコットキャラは「ユイ」ちゃん・・・ではなく「サラ」ちゃんです。

◆西暦2000年代ガンダム(00、SEED)の事前視聴が前提のファン向け作品?

地球圏周辺の宇宙空間や地球上で、生きるか死ぬかの激しいメカ&ロボット・バトルが繰り広げられる通常の《ガンダム・シリーズ》ではなく、「ガンプラ」(ガンダムのプラモデル)ホルダーたちが特殊な装置を使って、あくまで趣味としてのバトルを繰り広げる《ガンダム・ビルダー・シリーズ》のTV企画第3弾です。

但し、前々作『ガンダムビルドファイターズ(GBF)』、前作『ガンダムビルドファイターズトライ(GBFT)』が「対面型テーブル・ゲーム」の体裁を取っていたのに対して、本作は、大ヒット作『ソードアートオンライン(SAO)』の仕組みとよく似た「フルダイブ型オンライン・ゲーム」の体裁へと変化しており、登場キャラも一新されています。

そして、
(1) GBF・GBFTが、ラルおじさんが解説役を務めるなど、どちらかというと『機動戦士ガンダム(初代ガンダム)』を始めとする「U.C.(宇宙世紀)シリーズ」の諸作品('80年代ガンダム)の事前視聴が前提とされていたのと比べると、
(2) 本作の方は、“トランザム”というパワー・ブースターの発動が戦況を左右する点などから、西暦2000年代ガンダム、つまり『機動戦士ガンダム00』及び『機動戦士ガンダムSEED』の事前視聴が前提とされている感じがしました。
(※この他、'90年代ガンダム(Gガンダム、∀ガンダム)に出てきた機体も幾つか出てきたような・・・←曖昧で済みません)

・・・ということで、私が個人的に高く評価している『機動戦士ガンダムAGE』『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』といった西暦2010年代に入ってからの作品の事前視聴は残念ながら特に期待されてないみたいですね。

で、肝心のシナリオは・・・キャラデザが『ログ・ホライズン』と同じハラカズヒロ氏(原案)だったので、同作みたいに最初は余り面白くなくても徐々に盛り上がって熱くなっていくかも?と淡い期待をもって見続けていたのですが、全体の折り返し点の第12-13話の結末の安直さに結構ガッカリ。
その後は“ながら視聴”になってしまい、結局《ガンダム・ビルダー・シリーズ》の中では一番低い評価になりました。

《結論》
「ガンプラ」マニアの人、あるいは『00』『SEED』のファンの人ならまずまず楽しめる作品でしょう。
(※あと『SAO』のマスコットキャラ=ユイちゃんが好きな人も?)。
そのどちらでもない私には、ちょっと厳しい作品でした。
(※それでも『ログ・ホライズン』のシロエ&アカツキちゃん&ニャン太さんが割と好きだったので何とか完走できました←キャラデザの力は意外と大きいのかも?)


◆視聴メモ
{netabare}
・第2話視聴終了時点
“トランザム”バリバリ起動させるらしいので『機動戦士ガンダム00』の事前視聴は必須みたいだね。
・第3話視聴終了時点
今度は『新機動戦記Gガンダム』由来の機体が登場。
・第13話視聴終了時点
本作の折り返し地点だが、マスダイバー事件の解決が安直過ぎる・・・ここでとうとう「本作は真面目にシナリオを追いかけていく作品ではないな」と見切りをつけて後は“ながら視聴”に切り替えてしまいました。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           矢立肇、富野由悠季
監督           綿田慎也
シリーズ構成      木村暢
脚本           木村暢、黒田洋介、野村祐一、むとうやすゆき
キャラクターデザイン ハラカズヒロ(原案)、戸井田珠里
メカニックデザイン   大河原邦男他
音楽           木村秀彬
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= ガンダムビルドダイバーズ (2018年4-9月) =================

 - - - - - - - - - OP「Diver's High」、ED「明日へ」 - - - - - - - - -
{netabare}
第1話 Welcome to GBN ★ リク&ユッキー(中2・14歳の同級生)のGBNデビュー、謎の少女(サラ)と初心者狩り(ドージ)、リクのフリーバトル初勝利
第2話 百鬼オーガ ☆ フォース結成、リクvs.オーガ、初めての敗戦
第3話 守る者 ☆ モモのゲスト参加、キョウヤ(現役チャンピオン)との出逢い、マスダイバー乱入事件
第4話 霊山の虎狼 ☆ アジアン・サーバーへ、近接格闘術修行、流れの賞金稼ぎ来襲・撃退
第5話 聖地・ペリシア ☆ アヤメ接近、ビルダーの聖地、シャフリアールからの勧誘、リクのフォース結成宣言
第6話 過去と未来 ☆ 腕利きビルダー(ナナミの兄コーイチ)、ビルドダイバーズ結成
第7話 フォース戦 ★ デビュー戦(対ロンメル新人隊)、サラへのプレゼント
第8話 フェス! ★ ベアッガイフェス参加、マスダイバー化した女性ダイバー(ステア)
第9話 オーガ再び ☆ バトランダムミッション参加、対百鬼戦、ドージ機暴走、不正コード(ブレイクデカール)蔓延
第10話 有志連合 ☆ チャンピオンの呼びかけ、初心者用サーバー(エリア11)の戦(有志連合vs.マスダイバー軍、アヤメ裏切り)
第11話 アヤメの涙 ☆ 続き(アヤメの過去、回心、黒幕)
第12話 光る翼 ☆ 続き(巨大ビグザム出現、GBN崩壊の危機、トランザム発動)
第13話 デュエル‐決闘‐ ☆ アヤメ音信不通、GPデュエル(リクvs.シバ・ツカサ){/netabare}

 - - - - - - - - OP「Infinity」、ED「スタートダッシュ」 - - - - - - - -
{netabare}
第14話 新しい力 ☆ フジサワ・アヤ(アヤメ)との対面、00ダイバーの代替わり
第15話 ロータス・チャレンジ ☆ 
第16話 再会、友よ ☆ 対SDガンダム・フォース(le chat noir)戦、アライアンス締結
第17話 共同戦線 ★ 新フォースネスト完成、ドージ&ユッキーの成長 ※もう一人のサラ登場回
第18話 男の意地 ★ リクTOP10入り、リクvs.タイガー(リクの必殺技、タイガー勝利)
第19話 ナデシコアスロン ☆ GBNイメージガール選手権(ナミ参戦)
第20話 真実 ☆ ナミのフォース参加、GBNメイン開発者(鳥アバター)の依頼、新種のバグの原因(電子生命体(Lダイバー))、サラ抹消の危機、サラ逃亡
第21話 君の想い ☆ サラ捜索、ツカサへの依頼、リクvs.オーガ、有志連合再結成・Lダイバー確保
第22話 誓う心 ☆ コーイチのサラ救済策(ビルドデカール)、サラの消滅志願、サラ救出戦開始(有志連合vs.ビルドダイバーズ+アライアンス)
第23話 宿命の二人 ☆ 続き(ビルドダイバーズ苦戦、ツカサの技術支援開始)
第24話 決戦 ☆ 続き(チャンピオンvs.リク、オーガ割込み参戦、ビルドイバーズ勝利)、変異体レイドボス出現
第25話 新しい世界 ☆ レイドボス討伐戦、サラ実体化(※ほぼSAOのユイだな笑){/netabare}
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)5、☆(並回)30、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5


※この他に、第2話と第3話の間の出来事を描いたOVA(プロローグ・・・13分40秒)が配信されています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

65.0 4 プラモデルでロボットなアニメランキング4位
ガンダムビルドダイバーズ Re:RISE(Webアニメ)

2019年10月10日
★★★★☆ 3.4 (42)
161人が棚に入れました
伝説のフォース、ビルドダイバーズがELダイバーを救った第2次有志連合戦から2年。その舞台となったガンプラバトル・ネクサスオンライン(GBN)は感覚をフィードバックしてより臨場感のあるプレイが楽しめるようにバージョンアップしていた。しかし、さらに盛り上がりを見せるGBNとは関係なく、様々な想いでプレイするダイバー達もいる。傭兵プレイを続けながらディメンションをひとりさまようダイバー、ヒロト。憧れの存在を目指し、様々なパーティを渡り歩くが孤高のお調子者ダイバー、カザミ。ガンプラバトルに明け暮れ、謎めいた雰囲気を漂わせるソロダイバー、メイ。協力プレイに興味を持ちながら、引っ込み思案でいまだそのきっかけを掴めずにいるひとりぼっちの初心者ダイバー、パルヴィーズ。それぞれが孤独な彼らは、ある出来事がきっかけでもうひとつの「ビルドダイバーズ」を結成してしまうことになる。ヒロト達を待ち受けていたのは、GBNをこえる果てしない超体験だった。

声優・キャラクター
小林千晃、水中雅章、渕上舞、南真由、加隈亜衣、水瀬いのり、若山詩音
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

90年代少年向けロボットアニメの系譜

2019年冬アニメ。1クール目全13話。WEB配信がメインですがBS11で少し遅れて放送中。
分割2クールの1クール目のため、物語評価は星3で固定しています。

キャスティングに若手さんが多くて、生き生きしていて聞いてて楽しいです。カザミ役の水中雅彰さんの演技が好きで、リアルとアバターの演じ分けもとても良かった。
作画・演出もとても好き。旧ジーベックの作画スタッフが参加しているからか、シンプルで子ども向け寄りの雰囲気で生き生きと動きます。そのキャラクターらしく動くんですよね。良いなあ。演出もとても解りやすく、カメラワークも毎回決まっていてストレスなく見られます。
OPは歴代ビルドシリーズの中で一番好き。コンテ切ってるのは今回も大張さんだけど、今作はバトルよりもキャラクター重視・ドラマ重視で作られたOPですね。
音楽も好き。OP、ED、BGM、その使い方も上手だと思います。


1クール目は脚本もしっかり練ってありますし、描写も丁寧に積み重ねていて楽しく見られます。
作り物の世界でも人の想いが介在すればそれは新しい世界であるという点も前作から繋がっていていい。

【第10話視聴時点での感想】
{netabare}9話まではメイン4人を掘り下げつつチームとなっていく過程を丁寧に描いています。9話はチームバトル要素においてキー回でとても良かったです。
ここまでに並行してヒロトのリアルの生活と山の民の生活を掘り下げ、普通のダイバー・ELダイバー・山の民の誰もが同じ命であることを描いています。土着の祭り・弔いの意味も含んだ祭祀をストーリー上のキー回に持ってきているのも好き。これは前作第8話のフェスとの対比かも知れません。
今後は山の民がNPDではないらしいことが深刻な事態を招きそう?

難点は前作ビルドダイバーズを見ているほうが楽しめる点でしょうか。特にメイの素性に関しては前作視聴済みの人の方が衝撃が大きいと思いますし、伏線も十分に機能します。前作キャラクターがちらっと登場したのも個人的には嬉しいですが、初見さんはわからないよね…。
配信メインになって誰でも視聴しやすくなっているので、この点は少し勿体ないかも知れない。しかも1週間限定かと思っていたら今でも何話かは見られるし、7話までの編集版も公開されています。
{/netabare}


【玩具販促について】
{netabare}今作は「ガンプラアニメ」ではなく「初心者のためのホビーアニメ」であると理解しています。配信メインなのも子どもに見てもらうため・経費を削減するためなのかなと。

毎回配信の最後に「ジャスティスカザミのリライズニュース」が入るのもそういう事だと思うんですよね。
商品展開が機体少なめ・武装や手足のパーツは組み替えて遊べるようなラインナップですから、各キットを薄利多売したいのかなと。BS11で放送された特番の内容や公式サイトで紹介された遊び方から考えるに、塗料や道具をできるだけ使わずに、初めてガンプラに触れるユーザーでもマイガンプラを作る楽しさを味わえるようにしているのだと思います。
何となくですが、この手軽さなら一番のターゲットは子どもなんじゃないかな?ガンプラの対象年齢って8歳からなんですよね。(…個人的にはキッズ向けへの路線変更がちょっと遅すぎるように感じるんだけどね。バンダイさんとサンライズさん…)

とはいえ、私はそういう方針ならすごく応援したい。子どもやファミリーをターゲットにするなら、ホビーアニメとしてニチアサのように定番になるまであきらめずに続けてくれることを願っています。 {/netabare}
(2019.12.7)


【第13話まで視聴終了感想】
1クール目終了時点では期待を裏切らず予想を超えた良作。2クール目も是非丁寧に作って欲しいと思います。
{netabare}
既に王道とも言える(ほどに手垢が付いた)ネトゲネタと異世界召喚ネタを二重に仕込んで、ガンダムシリーズとしては新しい切り口で作品を作っています。
4人がそれぞれの葛藤を抱えつつチームになっていく過程と、世界の謎の提示が並行しているのも面白かった。

私は主人公を持ち上げ過ぎる作品や現地でのギャップを描かない異世界召喚系はちょっと苦手なんですよね。
けれども本作では現地住民の生活をしっかり描き、ヒロト達と衝突する展開もあり、それを乗り越えて仲良くなっていくのも良かったです。フルンの「(次の祭りは)ニンジンが2回採れたら」という台詞で二期作しているのかな?とか思えちゃうのがなんか好き。
ヒロトたちは救世主のような扱いをされながらも、いくつものミッションを遂行しなければ山の民の信頼を勝ち取れなかった。けど、それだって現地の人からすれば当然のことですよね。その衝突を緩和する案内役のフレディの役割は非常に大きい。

そして、10話のお祭り回からの急展開。
その地で生きる命を人間ともELダイバーとも対等であると描いたからこそ、大量虐殺のショックをヒロトたちと視聴者が共有できる。

王道展開であってもテーマを織り込んで肉付けすることで、作品の独自性と方向性を堅持する。スピーディーな展開が好まれる風潮に染まらずに「過程」に重きを置いたのがこの作品の最も良い所ですね。
90年代の少年向けロボットアニメに連なる内容になっている気がしますね。もっとも、本当に90年代なら主人公はカザミのような少年になっていたかも。ヒロトが主人公であることに地味に時代を感じますなw

配信が現在も続いているのでその長所を最大限に発揮できる環境でもあります。1月から再放送もあり、興味があれば今からでも途中参加できるのもバンダイの狙いかも知れません。
{/netabare}

【雑感】
公式サイトの更新が丁寧で好感度が高いです。名有りキャラ・メカはちょっとした出番でも全員載せるという徹底ぶり、スペシャルコーナーでのガンプラ作例など色々と楽しいですね。公式ツイッターも頑張ってます。両方きちんと情報発信してる。
配信の最後に付いているリライズニュースも楽しいですし。広報は大事。
(2019.12.28)
{netabare}
【追記】
YOUTUBEにて第1話から第5話のオーディオコメンタリー公開中です。13話までのネタバレありますので注意。
公式が至れり尽くせりすぎる…。

それから、現在公式サイトにてキービジュアルが1日4回変化します。小さなドラマが仕込まれていますので、興味があれば是非。朝、昼、夕、夜で変わります。
(2019.12.29)

【さらに追記】
この部分はそのうち消すかも…
「ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 登場モビルスーツ関連エピソードセレクト配信」だそうです。
この企画思いついた人は頭が良いというかガンダム好きだなあとw
【1月02日】ガンダム 第13話(コアガンダム)
【1月09日】Gガンダム 第22話(多分エルドラアーミー?)
【1月16日】SEED HD 第11話(度々立像として登場するエールストライクガンダムだそうですよ)
【1月23日】DESTINY HD 第42話(ジャスティスナイト)
【1月30日】∀ガンダム 第3話(ウォドムポッド)
(2020.1.8)

【さらにさらに追記】
2月6日より6話以降のオーディオコメンタリー配信決定です。
毎週木曜日20時にガンダムチャンネルにて。
声優さんだけでなくチーフメカアニメーターやプロデューサーもゲストに決定しています。内容に言及したお話が聞けそうで楽しみ。
(2020.2.2){/netabare}

オーコメ全部聞いたので感想。
{netabare}1期2期ともにキービジュアルはチーフメカアニメーターの久壽米木信弥さんのデザイン。1期のキービジュアルは前作と対になるデザインにしており、背後の大きな瞳はフレディだそう。
てっきりイヴかと思ってけど、14話見たらなるほどなあと。内容がある程度決まっていて制作されたのだと思います。
プロデューサーによると、これまでビルドシリーズの明るく楽しい路線から飽きられないようにそろそろ変えて行こうという意図がはっきりとあるようです。ホビー部門とのすり合わせもしっかりしているそうですし、ガンプラを「組む」だけでなく「遊ぶ」ことを推しているとのこと。玩具雑誌の特集とも合致する内容でした。
興味があればバンダイホビーサイトも覗いてみてください。何を推してどう遊んで欲しいのか、とてもわかりやすいですよ!アニメの内容と併せて見ていくとリライズ関連の作品・商品全体でどう展開したいのかよくわかります。{/netabare}
(2020.4.18)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ガンダムビルドダイバーズから2年後の世界を描いた物語

この作品の舞台設定は、ガンダムビルドダイバーズから2年後の世界となっています。
物語の設定や単語の一部に分からない点が出ると思いますが、主要登場人物は一新されているので、前作をみなくてもそれなりに話は通ると思います。


伝説のフォース、ビルドダイバーズがELダイバーを救った第2次有志連合戦から2年。
その舞台となったガンプラバトル・ネクサスオンライン(GBN)は
感覚をフィードバックしてより臨場感のあるプレイが楽しめるようにバージョンアップしていた。

しかし、さらに盛り上がりを見せるGBNとは関係なく、様々な想いでプレイするダイバー達もいる。
傭兵プレイを続けながらディメンションをひとりさまようダイバー、ヒロト。
憧れの存在を目指し、様々なパーティを渡り歩く孤高のお調子者ダイバー、カザミ。
ガンプラバトルに明け暮れ、謎めいた雰囲気を漂わせるソロダイバー、メイ。
協力プレイに興味を持ちながら、引っ込み思案でいまだそのきっかけを掴めずにいるひとりぼっちの
初心者ダイバー、パルヴィーズ。

それぞれが孤独な彼らは、ある出来事がきっかけでもうひとつの「ビルドダイバーズ」を
結成してしまうことになる。ヒロト達を待ち受けていたのは、GBNをこえる果てしない超体験だった。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

前作を見ていないと、まず「伝説のフォース、ビルドダイバーズがELダイバーを救った第2次有志連合戦」が分からないと思います。
でも分からなくても本作を楽しむ分にはあまり問題無いかと思います。
具体的単語が分からなくても、本作は物語の中で補間してくれるので…

改めて思うのがガンダムの人気の高さです。
機動戦士ガンダムが放送されたのが1979年で、それから約40年もの間、何らかの形で紡がれているんです。
そして見るだけじゃ飽き足らず、この作品の様なガンプラを用いた実践型の作品に派生していますし…
それに今でもガンダムのプラモデルは新作がどんどん作られているようですので。

物語の方ですが、本作品でも「ビルドダイバーズ」が登場します。
ですが、2年前に結成されたフォースではなく、それぞれソロダイバーとして参加していたメンバーが偶然集まって結成された「もう一つのビルドダイバーズ」でした。

その結成のきっかけになったのが4人の前に突如現れた隠しミッションでした。
何でも既存のミッションには無い設定や展開が盛り込まれているとか…
そこでゲットできるアイテムだって超レアなアイテムかもしれません。
そんなチャンスが目の前に転がってきたら…進まないなんて選択肢はありませんよね。

でも4人の目の前に現れたのは只の隠しミッションじゃなかったんですけどね。
この辺は物語の進展に伴い明らかになっていきますが、物凄いミッションだったんです。

どう凄いか…
少年少女がガンプラで事を成し遂げるには、あまりにも重たいからです。
ミッションの真実を知った4人…正確には4人のうちの3人は躊躇します。
でも当たり前です。
だって、みんなはガンプラで遊ぶためにGBNにログインしているんです。
それなのに、遊びの範疇を遥かに凌駕していたら誰だって躊躇しますよ。

でも、これまで紡いできた時間が3人の心を揺さぶるんです。
約束をした…
笑顔や泣き顔をたくさん見た…
こうして物語は2020年4月から放送される2nd Seasonに続いていきます。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
公式HPではまだ第13話が視聴できるみたいですよ。

オープニングテーマは、スピラ・スピカさんの「リライズ」
エンディングテーマは、スダンナユズユリーさんの「MAGIC TIME」
どちらも通勤中に聴く1曲になっています。

1クール全13話の物語でした。
私はガンプラには疎くて登場する機体に殆どは分かりませんでしたが、それでもそれなりに楽しめたと思います。
これがガンプラを熟知した人なら盛り上がり方が違うんでしょうけれど…
4人にはミッションをクリアするだけじゃなく、彼らの願いや思いも叶う事を続編に期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

qKPKR13003 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ガンダムビルドシリーズでよくこの重いテーマを通せたと思う

ガンダムビルドシリーズはタイトルが「ビルド」の形式となっていること、従来の作品とは異なり基本的に平和な世界で死人が出ないケースが多く、良くも悪くも「いつも通り」の展開が多かったです。しかし今作では「バーチャル空間で生まれた命がバーチャル空間のシステムによって抹消されてしまう」というビルドシリーズのイレギュラー中のイレギュラーな内容を扱っています。しかし扱っている内容の重みを理解しており、重いテーマがキャラクターの心情の変化にとても影響を与えていますし、成長過程をしっかりと描写してくれているため、常に続きが気になる作りになっていました。前作であまり描写されなかった現実世界での主人公の時間、キャラクターとの関わりもちゃんと描かれており、舞台と登場人物も少なめに絞っているため脇キャラから主役まで一人一人にフォーカスしやすいフィールドが形成されています。主人公もとても深い悩みを持ちつつも、それらの苦しさを「憎しみ、僻み」ではなく純粋な「哀愁」で表現しているので、不快感を感じにくく、我々に応援したくなるような特殊な共感を与えてくれます。平和な世界の多かったビルドシリーズでこの案を通せたこと自体が本当にすごいことだと改めて思います。久しぶりにある程度資金のある企業が作る骨組みからキレイに作られたアニメーション作品だったように感じました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
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