ミリタリーでロボットなTVアニメ動画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のミリタリーでロボットな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番のミリタリーでロボットなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.3 1 ミリタリーでロボットなアニメランキング1位
86-エイティシックス-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (627)
2153人が棚に入れました
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう、表向きは。本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区"》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)"となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる!

声優・キャラクター
千葉翔也、長谷川育美
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

外側で戦う少年少女と内側で戦う少女

この作品は内容が結構重いです。
何から書けば良いか上手く纏まりませんが、順番に。

作中に出てくる、サンマグノリア共和国……この国……控えめに言って腐ってます……

まず1つ。
この国では差別があります。
壁の中に住む者達と外に住む者達。

壁の中は平和です。
毎日好きな場所へ出掛けて、好きな物を食べて、好きな事をしている。

壁の外は戦う以外の選択肢はない……1秒後に……1分後に……明日、明後日、自分が仲間が死ぬかもしれない。
それでも戦い続ける86と呼ばれる者達。

壁の中はそんな人達の努力と犠牲の中で成り立っている平和……サンマグノリアは、その為に差別で86と呼ばれる人を追い出して、戦わせている。

壁の中では、今日の戦いの犠牲者は0でしたなんて幻想で真実を隠して、真実を知る者は人が命を落とした事に、無関心であったり、ゲームの様な楽しみ方、命を失うのを見て笑う人まで居ます。

これを見た時、私は、この人達は本当に人間なんだろうか?と思いました。
自分が守られてる事にすら気づけないお花畑の頭な上に、人が死んでいるのに、何も感じないの?と思いました。
その犠牲の上にある平和が続いているのは彼らのお陰なのよ?って…………

でも、こんな腐った人達の中に救いがありました。
レーナ……彼女はサンノマグリアの軍人。
彼女は86の真実を知り、それをどうにかしようと考えて動いている人です。

{netabare} でも、周りの人達は変わろうとはしません。
レーナの話を真面目に受け取ろうとしません。
1番ショックだったのは86を人間とすら思っていないこと…… {/netabare}

戦死者0は無人機が戦っている設定。
{netabare} 国の人達は、戦死者はいないと言う……何故なら……壁の中にいる人は人間で壁の外にいるのは人間じゃないと本気で思っている。
だから、戦死者0なのです。
86は無人機が搭載する補充の効くパーツと変わらないと考えられています。{/netabare}

正直、凄くムカムカしますね!
更に、レーナは軍人達の間で戦死者0の裏にある残酷な真実を告げますが、それを聞いた彼ら彼女らの言葉にはショックでした……レーナの言葉は何一つ伝わらない……

でも、レーナは負けません!
{netabare} 彼女は86の理解者で味方です!
彼女は、戦場の恐ろしさを知っている。
命の尊さを知っている。
86が自分と変わらない人間だと知っている。 {/netabare}


では、同じ国で育ったレーナと他の国民との違いはなんだろうか?
{netabare} 私の第一印象では、この国の人は腐ってる。
でも、考えて見たら悪いのは人より国の方にあるのかもしれません。

レーナに関して言えば戦場の残酷さや86に助けられた過去もありますし、それも影響があると思います。

ただ、それ以外の理由も考えて見ました。

産まれた時から、86は人間ではない、差別するものだと、社会が学校が……親が先生が大人が教えているのです……彼らの中で差別は当たり前で、おかしな事ではなく当たり前の環境がそこにあったのかもしれません。 {/netabare}

だからと言って許される問題ではありません。
{netabare} それを知った上で一人一人が考える事が出来たはずなんです。
考えることを放棄し、おかしい事を疑問にすら思わない人達が、この国の人達。{/netabare}

でも、一方で、おかしい事に気づける人達がいる。
{netabare} レーナを始めレーナパパやセオトの昔の部隊の隊長などです。
彼らはサンマグノリアの人間でアルバです。 {/netabare}

勿論、彼らはアルバですが86の人を人間だと知っています。
同じ命の重みを解っていて決して見下さない。
誠心誠意で接して居ます。

でも、それが本心で偽りなくても!
{netabare} その誠意が……86には中々伝わないのです……
彼らは対等に接して居ても、86の人間から見れば簡単に信用出来ないのです!
それだけ、サンマグノリアと言う国は彼らを傷付けてきたのです…………

それが、解るから……アルバの人間は自分の想を伝え続けるしかない……86に何を言われようと受け入れるしかない……

サンマグノリアのアルバが86にしている事を考えたら、受け入れて貰えないのも解って居ても……その人達は何もしていないのに……悪くないのに……寧ろ味方なのに……こんな辛い事が悲しい事がありますか…………

でも、アルバの人間には代わりありません。
だから、受け入れるしかない……アルバの人間として…… {/netabare}

さて、スペアヘッドとレーナについて。
1個団体と1人を繋ぐのは無線です。
無線しかありません。
映像もデータ上の地形や配置マップくらいで……声しか届かない。

声しか届かない上にアルバと86は基本的には犬猿の仲みたいなものです。
だから、そのイメージが邪魔をして、スピアヘッド部隊にはレーナの気持ちが中々伝わりません。

彼女はスペアヘッドを気遣い。
戦闘の話や何気ない話をしてコミニケーションを図ろうとします。
視聴者側から見ればレーナって凄く優しくて、思いやりがあり他のアルバと比べても凄くいい子だと解ります。

でも、スピアヘッドの皆から見たらどうでしょう?
{netabare} 声しか聞こえない……無線機を切った後には悪口を言ってるかもしれない、バカにしてるだろうと思うと思います。
それだけに、信頼関係を結ぶのは大変な事です。

私が印象に残るエピソードが、スピアヘッド部隊のカイエが戦死する話。
レーナは彼女の死を「残念でした」と言います。
でも、この言葉にセオトが、ぶちギレる。

仲間の死をアルバ(レーナ)が「残念」だと言う……彼女は決して簡単に口にした訳じゃない……お互いの顔が見えていたら、もしかしたら拗らせなかったかもしれない言葉のズレ……

きっと、スピアヘッドの面々は……言われて来たのでしょう……心がない偽善の言葉を。
だから、レーナの言葉も信用出来なかった。
上辺で言ってるようにしか聞こえないのです。

スピアヘッドからすれば当然です。
偽善にしか聞こえない……私なら、そんな言葉を並べるくらいなら、本当に少しでも苦しみが解るなら、この状況を何とかしてって思いますもの………… {/netabare}
でも、レーナに当たっても何も変わらない。

レーナの思いやりが伝わるのが、和解のエピソード。
セオトも自分が言い過ぎたと反省する。
このシーンって凄く救いのシーンなんです。
きっと、心無いアルバの人が相手なら反省しなかったと思います。

反省したって事は、少し……それは本当の本当に少しだけかもしれない……それでもレーナの本心が間違えなく伝わっていたんだって私は本当にそれを感じる事が出来ました。

ライデンは謝罪します。
{netabare} レーナの事を裏で偽善者のブタだとバカにしていた事を……それは少なくともレーナは、これまでのアルバの人とは違うと、解ったから……これは本当に大きな進歩です!

仲間にも友達にも、まだなれなくても……それが解って貰えた、それだけで心は救われる。
信頼関係ってそうして積み重ねていく。
世界一小さな信頼は世界一大きな一歩。{/netabare}

そして、「黒羊」がやってくる。
レーナは死者の声を聞いてしまう。
そして、黒羊の残酷な真実。

実はレーナがスピアヘッドを担当する時にハンドラーを壊すと言う話を聞かされて居ました。
担当したハンドラーは退役申請、担当変更、自殺をする者がいる。

私は、死霊の声を聞いた人を情けないと思いました…………
{netabare} 退役?担当変更?自殺?
何……それ?……だって……気づいたんでしょう?

86と呼ばれる人達の苦しみを!
辛さを悲しみを!聞こえるのが何なの?
戦場で無念に死んでく辛さが、死霊の声が聞こえる戦場の人達が1番怖いし苦しいのが……分かったのでしょう

なのに……真実に目を背けて、自分達は逃げるの?背を向けずに戦う86の人々が戦ってくれてるから実現してる平和に縋りついておきながら、自分が恐怖を感じたからって、怖い事に目を背けて誰かに恐怖と苦しみを押しつけて、退役して部隊変更して逃げられないから、最後は自殺……

動いてよ……それなら……1人の人間に出来ることなんて、限られてるけどさ……それでも動いているよ……間違えなく現状がおかしいと気づいてる人もいるのに……1人でも多くの人が声をあげれば変えられる事もある……小さな力でもあつまれば何かを変えることも出来るかもしれないのに…………逃げ出すなんて卑怯よ……情けない…… {/netabare}

この世界では2年ほどでレギオンとの戦争が終わり勝利すると言われていたようですが……

{netabare} スピアヘッドの隊長のシンは、それは間違えで86を含めたアルバ達も敗北すると言います。

そして、86が全滅したら次はアルバの全滅ですが、シンが言うにはアルバだけになると戦いを放棄したアルバは戦えないといいます。

当たり前です……当たり前なんです……武器を取らずに生きて来た人達が明日いきなり戦えと言われて戦えるほど甘くは無い……

正直、それくらいしないとサンノマグリアの人間は国は解らないと思うのです……
だから、そうなれば少しはこの救えない国は学ぶと思う……それくらいの事が起きないと変えられない……私なら少なくともそう考えちゃう。{/netabare}

でも、シンとレーナは必ず勝とうと約束する。
この2人は本当に強い。

そして、86の優しさを感じるエピソードがあります。
{netabare} レーナはスピアヘッドの人員補給が必要だと各部署に資料を送るも返答はない。
でも、レーナの要求する人員補給が準備されていると聞き彼女は喜ぶ。
私も、やっとレーナの気持ちを少し解って貰らえたと思ったのに人員補給の真実は酷かった。{/netabare}

でも、86は知っている。
{netabare} 人員補給は来ない。
スペアヘッドが処刑場である事をレーナに伝える……
でも、86はレーナを傷つけたくなくて、期待しているフリをする。
そこにレーナを思いやる優しさを感じます。

それでも最後は真実を明かす。
そして、それでも復讐しようとはしない。
何故なら、86はアルバの人が全員が悪ではない事を知っている。
彼らの戦う理由と意味がしっかりある。
戦いを放棄するのは、今まで守ってきた人達の犠牲が無駄になってしまう。

86は、アルバ事を含め自分達の事もよく考えています。
だからこそ復讐じゃなく戦う茨の道を行く。
そこには、彼らの優しさと強さを感じました。
本当に素敵です。 {/netabare}

レーナは真実を知って怒りと絶望を感じる。
そこで、救いを求めたのは親友のアネット。
でも、彼女の言葉は酷いものでした……

{netabare} アネットは実はシン兄弟と知り合いで、友達だったから虐めにあった……それが辛くてシン達を拒絶した……
そうして、レーナの事も同罪と言い放つ。

そうしてアネットは「アンタが余計な事をして長生きさせたからソイツらは死ねって命令されたんでしょう」と言います。

このセリフは本当に頭にきます。
レーナは何一つ間違えてはいません。
それだと、死ぬしかないじゃないですか!
誰かに死なないで欲しい、死なないで欲しいから行動をしようとするのは余計な事でしょうか?{/netabare}

でも、結局、アネットは怖かったのだと思います。
{netabare} 自分は拒絶して86を見捨てて、彼ら兄弟だけでも助けようとした父に反対する選択肢しか出来なかった。{/netabare}

逆にレーナは見捨てない。
{netabare} ずっと、1人で立ち向かい諦めずに戦い続けて上層部に掛け合い意見し、犠牲を出しながらも全滅回避に成功した。

アネットからすれば同年代の同じ1人の女の子が、ここまでの事をしているのです。
自分には何一つ出来ずに見捨てると言う選択肢しか出来なかったアネットからすれば、自分が情けなく感じたのかもしれません。 {/netabare}

だからこそ、レーナの言葉や行動に心は締め付けられてゆくのかもしれません。
{netabare} 酷い言葉を浴びせて必至にレーナも私と同じなんだよって自分に言い聞かせて、レーナに言い聞かせてる……

それでも、気持ちの変わらないレーナから逃げ出して「もぅ、会いにこないで」の逃げの一言……現実から逃げ出したのだと思います。{/netabare}

一方、最終司令でシンは兄の亡霊と対峙します。
シンは亡霊になったお兄さんを救いたかった。
でも、兄もシンを救いたかった。

{netabare} お兄さんの救いは明確に解りませんでしたが、守りたい気持ちは伝わりました。
戦いの中でシンが他の機体からトドメを刺されそうになった時、攻撃から守るシーンがあります。

シンは、それを「殺すなら自分の手で……か……」と解釈をしましたが、私は単純に守りたかっただけに感じました。
殺し合いをしているのですが、兄はシンに殺すとは一度も発言していなかったからです。

亡霊の兄の表情が殺意と苦しみに歪むシーンが有りますが目を見てると、本当は殺したくないのかな?と思える目をしていたように感じる部分があったからです。

兄の回想にもシンに酷い言葉と暴力を振るうとは裏腹に心の声は自分の言葉の全てを否定して心はシンを守ろうとして居たってのも理由の1つです。 {/netabare}

この戦いでレーナは視覚共有を使います。
{netabare}視覚共有はハンドラーに失明の可能性があるらしいのですが躊躇なく使います。

更に許可のない命令違反覚悟の迎撃砲

それに対してレーナは86が気にしないように言葉を伝える。
私は、これはレーナの覚悟だと思います。
言葉や地図でのナビゲーションならハンドラーなら当たり前に出来る。 {/netabare}

でも、そうじゃない。
{netabare} それ以上に皆と一緒に戦ってるんだよって覚悟の現れ。
彼女は補給を要求する時に「私達の部隊」と言っていました。
「スピアヘッド部隊」ではなく「彼らの部隊」でもなく「私達の部隊」

自分も仲間の一員である覚悟を感じます。
そして、この行動こそが、その証明。 {/netabare}

で、レーナがシンの兄に不発弾を撃ち込むシーンで、小さい頃のレーナがビンタをするシーンがありました。
{netabare} このシーンは、過去に助けられたレーナが、次はレーナからの救いのビンタ……弟を殺したくないのに殺そうとする兄への救いの一撃。
本当に助けられ保護して生かしてくれたから……感謝してるから打ち込める優しい一撃だと感じました。 {/netabare}

実はレーナは親友であるアネットに協力させていました。
{netabare}それは脅しですが……これには優しい理由がある気がします。

1つは今まで見捨て続けたアネットへのチャンス……見捨てた幼なじみは生きている。
アネットは、見捨てた事を少なからず後悔していました。
なら、その幼なじみを救うチャンスを与える……見捨てたまま気に病んで生きるか……救って貴女だって救えるんだよって伝えて、少しの償いと勇気を与える……

2つ目は脅し。
2人で協力すれば2人は命令違反で罰を受ける……でも、レーナが脅してアネットを従わされたのなら……罪はレーナだけが被れる……アネットは罰を免れるか軽くなる。 {/netabare}

それがレーナの言葉と行動に隠された優しさだと思います。
否定されても罵られても、やっぱり大切な親友なのかな?って。

そして、戦いの後……
{netabare} 沢山の罰を受けようと失明を覚悟してでも生きて欲しかった仲間達……
自分の命令違反よりも失明なんかよりも優先したかった仲間の橘……

彼らは勝利の後にレーナと言葉を交わして楽しそうに旅に出る……彼らの言う自由になるの本当の意味……
レーナの「待って……待ってください……置いて行かないで!」

凄く切ない……勝利で喜びを分かちあって居たのに……その先の……彼らの選択……凄く楽しそうな会話には未来への希望…… {/netabare}

シンの最後のセリフ「少佐、先に行き(逝き)ます」
レーナは間に合うはずもないのに走り出す。
そうして、外へ出た彼らはレーダーから消え去ったる……レーナだけを残して。

外へ出た彼らは凄く楽しそうに生きていました。
{netabare} 伸び伸びしてるように感じました。
生活は裕福ではなく不便で大変なことの方が多いと思いますが心は清々しいと言いますか。{/netabare}


そして、ファイドの記憶(メモリー)
この子は、見ていたら凄く可愛くて心があるのかな?って思います。
仲間想いで優しくてシン達の必要なものを探してくれたり。

ファイドの記憶を見ているとファイドは皆の人気者の様な子かもしれませんね。
皆と喜びを分ちあって。
沢山の人が人の様に接してくれて、楽しい事や嬉しい事、悲しい事やら沢山の言葉と笑顔を記録して……ファイドの記憶を見るとファイドは本当に皆が好きだったんだって解る。
そして、シンが大好きなんだって。

ファイドの視覚レンズから液体が流れているシーンがあります。
{netabare}涙を流してる様に見えるだけなのか涙を流しているのか……私には、泣いてる気がします。
最後の焼け野原の大地でファイドが見たメモリーはファイドの幸せで楽しくて大切な記憶。

でも、泣いたのは壊れるのが嫌とかじゃなくて……あんなに楽しい時間を共に過ごした仲間が減ってしまった事に涙したのかな……って思いました。
それとも、シン達を残して壊れちゃう事が心残りなのか…… {/netabare}

さて、シン達は廃校に辿り着きます。
これは、少し切なかった。
{netabare} 廃校で学生の様に振る舞うけど……この子らも普通に生活してたら学生生活を楽しんでいたんだろうなぁ〜って。
そんな普通が当たり前にあったはずなんだよなぁ〜って。{/netabare}

道中……シンは敵を発見します。
{netabare} 機体は1機しかなくて当番制で乗っている人が戦う約束でしたがシンが優しい嘘で戦いに出ます。

それは仲間を守るため。
シンの立場ならそうすると思う。
生きて欲しいと思うから……でも、それは仲間も同じでシンに戦わせて逃げるなんて出来るわけもなくて……

結局、皆が来ちゃう……
機体はないから銃1つで……それで勝てるハズがなくても……
シンは「馬鹿だなぁ〜そんな武器でレギオンに勝てるわけない」って言う。
馬鹿だ馬鹿だと言うけど……

多分、私はシンの立場だと、そんな馬鹿が嬉しいかもしれない……死んで欲しくはないけど……それでも一緒に最後まで居て駆けつけてくれるのは幸せだと思います。{/netabare}

一方、レーナは最前線に視察に来ます。
前回の命令違反は謹慎処分で、時間が出来たので訪れた。
彼女は見てみたいと思ったのでしょう。
スピアヘッド部隊が過ごし生きたその場所を……

そこでレーナは彼らのメッセージを受け取ります。
{netabare} で、ファイドが記念撮影で撮った写真が同封されていてレーナはそこで初めて彼らの顔を知る。
レーナの口元が移されて涙を流すシーンがあるけどそれだけで泣けちゃう。{/netabare}


「いつか俺達が行き着いた場所まで来たら花でも備えてくれませんか」
シン達のメッセージを受け取ったレーナもまた。

{netabare} 「私もまた歩んで行ける。彼らはそう信じてくれた。
戦おうこの身の命運尽き果てるその最後の瞬間まで」と決意します。 {/netabare}

シンはどこかで無事でいる事を信じて自分に出来る全力で戦う決意をする!

86は10月に2クール目が放送らしく、これはかなり楽しみですね。

シン達は生きてるのか?死んでるのか?
レーナは、これから救いようのない国を世界を、どう変えて行くのか?
楽しみです!(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱり冗長で差別問題の掘り下げ不足だと思います。原作読後追記です。

原作の第1巻を読みましたので改めてレビューします。2クール目を見終わった後、冗長すぎて2クールの物語として成立していない気がしましたので確認のためです。

 やっぱり、アニメ版は相当引き延ばしがありますね。まったく1巻にないシーンがあります。ラノベは後から話を補ったり整合性を調整したりするために過去編とか補足を入れることがありますから、それを入れたんでしょうか。あの学園での講演のシーンって原作1巻にはありませんでした。スピアヘッドのシーンもアニメ版はやたらと冗長でした。

 話の構造についてはアニメ同様「差別問題」の不足感はありますね。差別問題はやっぱりセリフだけの説明に終始してしまいました。アニメ版の方がシーンで見させれれている分まだ感情的に動く部分がなくはないです。

 なんといってもSF設定として、社会の人口構成とか食料問題とか86の具体的な歴史とか兵器やITの技術レベル、部隊運用が差別とかの必然性が全く描かれていないので、セリフだけで終わってしまいました。差別はリソースの解消が主な理由ですが、86として有色人種を差別するという、その解決方法をとる必然性にまったく納得感がないと思います。
 また、差別の方法についても、自分の首を絞めているような馬鹿さ加減がリアリティを失わせていました。

 というように差別ありきのストーリ展開になっていますが、差別の結果の悲惨さをシンたちを使って描いた部分はわからなくはないですし、5人が生き残る経緯とレーナちゃんとのやり取り、過去の話は悪くはないです。

 で、原作と比較した印象と、アニメ版を改めて振り返って、アニメ版、本作の2話3話と最後数話の逃避行の部分が顕著ですが、そこの引き延ばしが冗長でしたね。

 原作は、SF小説ではなく「ラノベ」だと割り切って、楽しみ方は別にある。レーナちゃんとシンたちの素性の説明だと思えばまあまあかなあ、という印象でした。ちょっと厨2で熟語使い過ぎですがまあ雰囲気でしょう。
 これは原作が1巻に収まったからそう思えるので、1クールかかってやる話ではないです。一般論ですがラノベ原作なら1クールである程度丁寧にやっても普通3、4巻消化しますからね。
 あの設定過剰と言われる魔法科高校の劣等生ですら2クールで6巻分やってます。

 あのアネットの喧嘩と屋敷の実験の話はアニメ版が良かった気がします。あそこがあるから1クール目は成立した気がします。
 そして、最大の相違ですけど、レーナとスピアヘッド…特にシンとの交流が思ったよりも淡泊ですね。確かにレーナを見直してシンとのコミュニケーションはありましたが、それだけでした。

 つまりアニメ版 {netabare}レーナちゃんとの再会というか邂逅を2クール目のカタルシスに持ってきましたけど、原作ではその意図はもうちょっと違った感じです{/netabare}。その点ではアニメ版の方が上手く行ったかもしれません。それとも2巻3巻ではレーナちゃん、アニメよりも沢山でるんでしょうか。

 私に原作を買わせた点においては、アニメは成功?これから2、3巻チェックします。

 ただ、アニメのクオリティ、そして制作する姿勢は数多ある異世界ものより格段に丁寧だし、2クールの視聴に耐える内容はあると思います。
 私はSFには厳しいので酷評する部分もありますが、根本になるレーナちゃんとシンを中心にしたストーリーの出来は良いと思います。

 




以下 再視聴初回完走時の視聴時のレビューです。

 きっかけあって再評価しました。ちょっと面白いかも。

 かなりひどいレビューを以前しましたが、白い砂のアクアトープを見ていたら1クール目でJK館長の無力さを表現していました。で、その時「あれ、ひょっとして86も同じ構造だった?」と思いついて、断念した3話目の最後から視聴しました。

 なるほど、やっぱりそんな感じでしたね。まずレーナちゃんの挫折と覚醒の物語をやったわけですね。3話までのダラダラした展開と、レーナちゃんのミニスカとあまりに無能で独善的で押しつけがましかったのでムカムカして断念しましたが…その意味では以前の私の批評がそのまま演出意図だったのかもしれません。

 初回、2回目視聴時はレーナちゃんがケーキ喰ってるところ見るだけで「お前が死ね」という感じでイライラしましたが、それは自分事になっていないレーナちゃんの甘さの表現だったと。最後の方でアネットちゃんがちゃんと言ってくれたので、スッキリしました。

 で、あのアネットちゃんの話になるわけですね。これ勿体なさすぎます。1話か2話からもっとはっきり伏線這っておけば、興味が持続したし導入部として謎を上手く作れたのに。さらに兄の件もからめた伏線がはれれば結構分厚いストーリー展開になったと思います。(一応王宮の前云々という伏線はありしたね)

 後付けで説明みたいに見せられる感じがして、なんというか脚本の弱さで評価的に非常に損している可能性があります。本作の最大の欠点は1~3話の視聴者を引き込む力が弱かったことだと思います。原作がどうかしりませんが、ここは脚本と構成でなんとかすべきだったかと。

 4話~9話は結構入り込んでみることができました。10話の最後のあのメモリーの部分を演出に取り込んで、スピアヘッドの過去の皆の半年をもっと早い段階で見せれば2話、3話はもう少しうまくできた気がしました。

 ということでSF設定も落ち着いて考察しましたが、やっぱり本作のSF設定は非常に甘いと思います。社会の人口比問題とか、レギオン側の戦略の問題、AIの発展度合い、貴族無能すぎて社会が維持できないだろう、9年でそこまで豚扱いできるの?とか言いたい事はいっぱいあります。
 また、過去の個人の因縁にみんなつながりがありすぎて、おいおいそれはご都合主義だろうというのもありました。

 あのレギオンと脳波が繋がるような設定は、シンは死にかけたからと言っていました。自覚してませんでしたが昔実験した後遺症なんですかね?
 あと帝国って日本だったってこと?で86は帝国と同じ人種で日本人の子孫だったっていうことになるんでしょうか?これは深読みし過ぎですね。2期で確認しますけど。

 ただ、話として、貴族社会で正義を叫ぶ無力で独りよがりな正義感に浸っている少佐と、自分たちの運命を知っている被差別側のスピアヘッドという関係を作りたかったのはわかりました。
 この関係をあまり深く考えず受け入れれば、それなりに面白い話だったといえるでしょう。という意味で先ほどいった1~3話がもったいなかったですね。


 やっぱりアニメは最後まで見て評価した方がいいかもしれません。特にSFとか作り込んだ話は、今後は(なるべく)切らないで最後まで見るようにします。
 言い訳ですが、最近3話以降の結構遅い回から面白くなる作品が増えてきた気がします。まあ、1話のキャッチ―さばっかり気にするとおかしな話になるからいいのですが、3話または9話くらいまでひどすぎる話が多いきがします。

 ということで、2期に期待できる終わりかっただったし、結構面白かったです。批判しすぎました。ごめんなさいと言っておきたいと思います。評価上げておきます。

(追記 あの混血の子の背中の文字ってわかるんでしょうか。見えてるところがaughなので第一印象では笑うlaughなんですが、ちょっと横棒が見えるのでaughtだとするとcaught(つかまった)、daughter(娘)、naught(ゼロ、無い、無価値)あたりでしょうか)

 あと作画はムラがありますが、アベレージで見ると良かったですね。こちらもごめんなさいと言っておきます。





以下 1回目、2回目の途中断念時の視聴時のレビューです。

{netabare}
 2回目挑戦して結局断念しました。少し冷静にレビューしたいと思います。
 
 断念の理由は、1つは、ヒロインの日常生活時の描写が戦場で戦っている人間を想っているようには見えないこと。人間として扱っていないのはヒロインじゃないか、とも思いました。結局は86という制度を肯定している、といいましょうか。
 もう1つは、本当に戦う人間が必要な状況なら誰かが戦わなければなりません。戦争ですから。誰をチョイスするかで、人種差別があってはいけませんが、死そのものは避けられません。ヒロインはそれを忘れてしまっているように見えました。じゃあ誰が変わりに死ぬんだ?他の貴族に行けって?なら、代わりにお前が死地に赴けよ、と。

 さらに、SFをやるなら「取材」「研究」「教養」「想像力」が不可欠です。なんといってもサイエンスのフィクション、ですから。Fがファンタジーならいいですけどね。
 SFをするなら裏で相当頑張って脳みそを働かせないと、いい物はできません。異世界転生ものや、VRMMO、日常ものなどなら、テンプレ設定でそこそこ面白い話が描けても、このSFの世界はその点は甘くありません。まして、差別とか戦場での死とかをSFで主張するなら、なおさらです。そこの不足感が相当ありました。世界観、兵器、社会制度、AIのテクノロジーの度合い、等々です。

 SFに挑戦しようとする意気込みは買います。が、やはり、取材不足でSF作品、戦争作品として成立していない気がします。
 途中で断念したのでこの辺りの説明があったらすみません。


以下 視聴中のレビューです。

 原作等全く知りません。レビューもあらすじも見てません。それくらい楽しみにしておりました。

 第1話からヒロインの作画の同一性が厳しいですね。場面によって別人に見えます。髪の艶、背景など低予算の感じですね。ディスプレイの映像や光の演出などでがんばって雰囲気はだしていますが。

 女性の制服、いい加減ミニスカにするのやめられませんかね。他の良作アニメの女性の服装のリアリティはどんどん上がっています。安っぽく見えますよね。せめて学校の制服とは区別してよ、と。
 少佐が無能力なティーンですか。貴族特権ですよね。他人の批判する前に自分の能力を磨いたほうがよろしいのでは?

 第1話でヒロインサイドにコミカルな雰囲気は必要なし。そのくせエピソードも演出も陳腐ですし。
 第1話は状況の厳しさ、命の軽さを嘆くヒロインの心情や人柄、または舞台や技術設定などにフォーカスすべきでしょう。やっているつもりなら全然できていません。

 戦闘シーン、兵器のCGはなかなかいいのが救いです。

 「壁の中の貴族」が差別階級に戦わせる。設定は、亡国のアキトとかマージナルオペレーション的ななにかの雰囲気ですね。でもハンドラーの役割の意味がちょっとわかりません。

 科学技術の差が大きすぎます。少数の人間の犠牲で持ちこたえるには不自然でしょう。銀髪軍団たちは、無気力の極みですし。一人優秀な人間がいたから何とかなってたんですか?1国を滅ぼした戦闘機械軍団なのに?なら、それほど脅威じゃないですよね。

 情報の伝達方法をハンドラーがいきなり間違うとかそれは軍隊の最低限のルールでしょう。
 相手がAIに滅ぼされているので、AIは使えないという設定なのですかね。それにしては研究所らしきところではコンピュータ使ってましたが。戦闘記録は人力で作成するレベルらしいですね。

 まあ、どこかでいろいろ説明があるのかもしれませんが、ちょっとこの辺りを考察する気力もなくなってきました。
 何かを主題にして、それを軸に、というのが3話くらいまでに読み取れるなら、ここまで設定とか作画、演出にこだわらなくていいんですが、世界観もヒロインの目的もなにも提示できていません。言葉で「命は大切」って言ってるだけで、お前主体的に何かしたのかよって言いたくなります。演出が上手くて引き込まれるわけでもありません。

 ああ、いい言葉が見つかりました。クリエーターの気持ちが伝わってきません。

 楽しみにしていたのでちょっと辛辣になりました。お好きな方には申し訳ありません。残念ながら第3話の延々とつづく日常シーンで心が折れましたので、視聴は継続しないと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

何もかもがダメ

ラノベ勢からやたら注目されていた作品だが、期待外れにもほどがある。
先に書いておくと個人的に良いと思ったのは9話、作画、声優、ED一曲のみ。

{netabare}
まず、設定からして既視感がありまくり。
自分はこういう批判の仕方は大嫌いだけど、この作品はほんとにアルドノアや亡国のアキト、オルフェンズ...の寄せ集めだった。
まあ既視感があるっていうのはまともな批判にはなってないからこの辺で。

設定が雑なのも良くない。
酷い時で5分おき毎ぐらいに突っ込みたくなる。

まず、差別描写が雑。「戦死0の戦場」や「有人の無人機」という売り文句や舞台設定に頼りすぎで作品内での差別の描写が甘すぎる。
それどころかほぼそんな描写がない。この作品内で「色付き」という単語なんて全然聞かないし、直接的な差別も戦場に送り込まれているという点をのぞいて全然ない。
講義で白銀種に対して「有人の無人機」の真実を平気で話せるのもおかしい。この世界観でこういうことしたら普通お咎めがあるのでは...?
ところで、この作品で最も印象に残る差別表現は「白豚」っていう単語。

あれ...? これを言ってるのって86側...。
ほんとに、86の方がレーナに対して高圧的でむしろ逆に86側が差別しているように感じる。

てか、そろそろ日本人(86)が白人(白銀種)に差別されていて、それに抗うみたいな話は日本人=正義、白人=悪と取っているように思えて気持ち悪く感じるからやめてほしい。コードギアスとかもそうだけど。
勿論そんな設定はないけど、そういう話を作りたいってことが目に見えてしまう。

他に違和感を感じるのは86が反抗しない点。
86は白銀種よりも戦場に詳しいし、新型レギオンの仕組みという重要事項も86だけが握っている状況。そして共和国は武器も枯渇しているし、白銀種は全然戦っていない模様。
そもそも、何でレギオンを鹵獲して研究してないんだよっていう点は突っ込んだら負け。
こんな状況なら簡単に反抗できるのでは?
戦い続けても自分らが死ぬということを理解しているようだし、それならまだたとえ死んだとしても反抗した方がマシ。
作中で一応反抗しない理由が述べられたが、意味不明で全く感情移入できなかった。

レギオンの設定も雑。死んだ敵の脳を使っているというのはいいんだが、後半になると、レギオンが敵意がないのに後をつけてきたり(=意志がある)する。これなら、死んで脳を利用されると、敵対して国を攻めてくる理由が分からない。逆にむしろ脳が利用されたらレギオンとして、レギオンと戦えるのでは?

とまあ短く書いたつもりだったけど色々突っ込んでしまった。
こんなに書いておいてなんだけど、自分は別に既視感があろうとも設定がガバガバであろうとも、話が面白ければ一切マイナス点にはしない。

けど、このアニメは設定とか以前に単純に話が面白くない。
話が面白くないから粗が目立つのかもしれない。
せっかく作画がいいのに戦闘シーンは何やってるかわからないし、そもそも少ない。指令の様子ばかり写される。(2話と9話の戦闘は良かった)
キャラの死に方も雑。もしかしたら戦場のリアルさを表してるのかもしれないが、それなら数話にかけて死人を出さなくてもと思う。
○○が死んだってなっても何も思わないし、そもそも「いやそいつ誰だっけ?」って感想にしかならなかった。
キャラの死と言えばこのアニメは何回死ぬ死ぬ詐欺をするんだ。
そもそも、やってることもワンパが過ぎるんだよね。

あと、設定の解説不足。無線が使えないとか壁でおおわれているとか空中戦はできないとかファイドとか調べないと分からなかった。脚本家もあまり設定理解してないんじゃないか。

キャラも微妙。86側は人数が多すぎてシン意外空気だし、レーナはどうかというと微妙。
キャラデザだけで言えばかなり可愛くてよかったが、あまりに無能でイライラさせられる。
司令官のくせに、人を殺めるところをまともに見られないし、指示も一切役に立っておらず足を引っ張るだけという...。
ある回で86に「綺麗ごと言うな」ってキレられたのに次の回以降ではまた普通に綺麗ごとばかり言ってて笑った。
あと、こういうアニメでところどころ萌えアニメの空気感を持ち込むのは違和感があったかな。

まあそんな中で唯一良かったのは9話。
シンが兄と決着つける回だけど、話も単純に良かったし、戦闘も珍しく滅茶苦茶面白かった。ここまでの戦闘は"強敵"と言えるような相手がいなくて、モブばかり殲滅しているようだったから。そしてそこまでは口だけで綺麗ごとばかり言っていたレーナが実際に行動に写し街を走るという。シンが先に行くといって、レーナに後で来いと暗示するのも良かった。

11話で兄がまだ消えてないという展開になってちょっと興ざめしたけど。
あと、結局まだレーナと合流してないのも残念。

↓一話毎の感想
{netabare}
1話
銀髪好きには最高かもしれない。
髪の色に意味を持たせてるアニメって珍しい。
86ってギアスのイレブンか?
専門用語多くてわかりにくい。
この作風で萌えアニメ見たいなコメディは余計かなぁ。
世界観とか戦争相手わからないけどまあ面白そう。
ただこういうリアリティのない差別表現は好きじゃないな。
誰でも書ける感じの雑な差別表現。
とりあえず設定でだけ迫害しとけみたいな。
あと、服がなんちゃって軍服。戦争ごっこ。
なんだこの自分に酔った奴が歌ってそうなOP。
息入れるの気持ち悪い。最後の尺余りも酷いし。

2話
敵がどんな国なのか描かれないのがわかりにくいな。
完全に相手無人機だし。戦闘がめっちゃかっこいい。この戦闘だけでも見る価値があるアニメ。
戦闘かっこいいけど注視しないとすぐ敵味方がわからなくなるw 
西暦ってことは地球舞台なのか? 
レーナめっちゃ真実ばらしてるけどこれ即捕まえられるだろ。
ええ...国の管理体制ガバガバすぎんか。
お咎め展開展開か、せめて注意喚起ないの?

3話
急にラノベっぽいノリになった。普通に暗い空気感でやった方がいいのに。今回話は何も進まなかったけどレーナと86の人らの仲を深めたいい回だったと思う。
こういう話が丁寧に描写されるのはいい。
誰かがが死んだ、誰だよ。
86が差別されてる感が足りないなあ。
むしろ逆に白銀種のほうが差別されているように感じる。
めっちゃ切れてたけど、こんな世界観なら本来歯向かってはいけない雰囲気になってるはずでは。
これ、戦闘シーンが一切描写されないし、誰が死んだのかも全くわからない。(ちゃんと見たらわかるんだろうけど)
指揮官視点実際の戦闘の情景なんてわからなくて、誰が死んだかなんて対岸の火事だということを暗示してるのか?
そういう意味があっての見せ方ならかなりうまいと思う。

4話
ほんと差別してる側じゃなくてされてる側みたいになってるじゃねーか。
レーナが綺麗ごとばっかだから怒るのはわかるけどさ。
あんな怒ってたくせにもう空気感戻ってるという。
人が死んだ翌日みたいな空気感じゃねーな。
高みの見物というのはその通り。今後一緒に戦うのか?
結局電話越しに謝罪って前と同じじゃないのか?
このアニメありふれた設定で目的もなく無難に進んで言ってる感があるんだよなぁ。

5話
赤髪メガネに助けられるロリの頃のレーナ。
この年齢なのに、差別してるのに何で助けてくれるのってセリフは言わされてる感が。
ギアーデ帝国がレギオンの開発国でこの物語の敵?
ほんとに共和国の人は現場のこと分かっていないんだな。
レギオンの核には人間の脳が使われているっていう重要事項。
鹵獲して研究してないのか?
そもそも黒羊の情報、そんなにいっぱいいるならなんで上に伝わってないんだ?反乱でも起こそうとしてるから伝えてないのか?
結局レーナは指示をするだけで、現場にも出ずに1年でレギオンを殲滅出来たら...と理想論を語ってるで笑った。

6話
ほんとにむしろ逆に白銀種が差別されているようにしか見えないな。
キャラがあっさり死ぬなぁ。
てかレーナいる?全く命令役に立ってないじゃん。
人が撃たれるところすら見たことないのかよレーナ。
なんで司令官なの?見るのが責任ってなんだよ。
なんでレーナが司令官務まってるのかわからん。
話も何も見えてこないのがなぁ。
モブを倒してるのとキャラが死んでるだけで話が何も進んでない。
軍の司令のままに全員が動くだけでなんかなぁ。
迎撃砲とかいう王国の武器があるかと思えばもう動かないらしいし、86もそのことを把握している。
ほんと反乱起こせば勝てるんじゃないの?
何かシリアスから急に萌えアニメの雰囲気になったりもう滅茶苦茶だな...。
こんな状況で死んだ人からもらったチョコレートをもらって笑顔になってるし。
主人公も前に怒られたのに結局理想論ばっかで何もしてないじゃないか。

7話
86に正論を言われるレーナ。またこの展開か。
ほんとレーナ耐性なさすぎだし、情に任せすぎだしなんで司令官なんだ。
これ以上誰も死なせないって、司令官がどうやって。
キャラの死亡シーン雑すぎる...。
これリアリティ重視でわざとやってるのかなぁ。にしても雑だなぁ。
レーナの頭がお花畑すぎる。理想論しか言わない。何もしない。
反逆しない理由も意味わからん。
叛逆した方がこの状況の場合正義だろ。しかもレーナの前で白豚呼びとかほんと逆に差別じゃねえか。

8話
レーナ理想論しか言わんからイラつく。
行動に移さずに他人に頼ろうとするばかり。
いやいや何が86はほろぶべきだよ。滅んだら共和国と戦えなくなるだろ。
しかも負けた後86の存在を完全に隠蔽とか無理もある。
それにレーナは何で平気で毎回国を裏切ってんだ。
もう通信つなぐなってレーナ何のためにいるんだよ。
なんでこんな体制ガバガバなんだよ。

9話
珍しく戦闘が面白い。兄との決着。
兄の掘り下げもうちょっと欲しかった感と、もう回収しちゃうの感はあるけど今回結構面白い?とうとうレーナも行動に写すか?
やっと口だけのキャラじゃなくなった。
シンが先に行くと言って後でレーナも来いって暗示するのもいいな。
ほんとに今回どうしたんだってぐらい面白かった。

10話
いや逃げるんかよ。結局これなら反逆しても良かったじゃないか。
このロボ何者。
てかレギオンに意思があって近づいてきたみたいになってるけどこれなら死んで脳をレギオンに利用されたら自分の意思で操れるんじゃないか?
EDはやいな今回
ファイドってなんだ? これ死ぬ流れか?
この世界北極あるってことは地球なのか
ああ、そういう系の回想か。え、このロボ殺す意味あった?
ファイドの出番ここまでにもっと欲しかった。あったなら感動してた。

11話
日本語!?
結局日本人=正義 白人=悪ってしたかったような作品か。
コードギアスとかもそうだけどこういうの気に入らないな。
シンがせっかく囮になってくれてるのに他の奴がもたもたした後に加勢する。
こういう展開ほんと嫌い。何のために囮になってんだよ。兄まだ生きてたんかよ。
戦闘が唐突すぎて一切盛り上がらないラストバトル。
いや、結局加勢してピンチになるしほんと何のための囮だよ。バカすぎて呆れる。このおじさん誰だ。
ほんとむしろレーナらの方が差別されてるじゃねーか。合流もしないのか。まああの4人はどうせ生きてたオチかな。

{/netabare}

OPはミュートするほど微妙でした。自分がミュートしたアニソンはこれが3曲目です。EDはいつもの澤野音楽といった感じだけど良かった。
澤野氏が曲歌ってるアニメは地雷の法則。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

59.8 2 ミリタリーでロボットなアニメランキング2位
マブラヴ オルタネイティヴ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★☆☆ 2.8 (147)
419人が棚に入れました
それは、極限の世界で戦う人々の絆の物語―この時空に存在する、無数の並行世界のひとつ―そこで人類は、戦術歩行戦闘機(戦術機)と呼ばれる人型兵器を駆り、人類に敵対的な地球外起源種「BETA」と数十年にわたる戦いを続けていた。滅亡の危機に追い詰められた人間たちが、過酷な運命の中でどのような生き様をみせていくのか―
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

いつものエロゲ原作

やたら持ち上げられてる気がするエロゲが原作のアニメ
今期アニメでワーストだと思います。
褒めどころが戦闘シーンしかない

{netabare}
とにかく展開が早すぎて初見だと理解するので精一杯。
SCARLET NEXUSが超良心的なアニメに思えるほどには意味が分からなかった。
まだそれでも序盤は何とか理解できたんだが、クーデター編に入ってからは、全然クーデターの全貌が描かれないし、唐突にアメリカが出てきたり、征夷大将軍というワードが出てきたり、ほんとに意味が分からなかった。
この辺分からなかったのでちゃんと調べて、現実の日本とは別の日本が舞台だってこととかしっかり理解したけど、ほんとに説明不足すぎる。

それと、恐らく端折りすぎてるせいだからだろうけど、アニメだけ見ると主人公が夕呼に無理難題を言いまくって発狂してるウザイキャラという印象にしかならない。声優が下手なことも相まって。
ヒロインも特に魅力がない。というかこの作品周りが女しかいなくてエロゲ特有の気持ち悪さがある。男は戦場に駆り出されたから、とか一応理由付けはあるんだろうけど普通に生徒以外だと男いっぱいいたしね。

話も正直脱線しまくり...。ベータとの戦闘が見たいのにずっと人間同士の争いを見せられてかなり退屈。ベータ出てきたの一話だけじゃないか?

作画も良くない...。そもそもOPからして怪しいし、一話のベータが壁倒すシーンとか笑った。

全く持って面白いと思えなかったので、原作からつまらないか、原作の魅力が0%しか発揮できていない作品だと思いますね。
OPは非原作勢でもこのアニメのOPに文句を言いたくなる気持ちがわかる。
EDは普通に良かったと思うけどね。

どうせ後に「アニメなんてなかった」って言われるいつものエロゲ原作アニメって感じ。2期いらないです。
エロゲとかいうなろう原作よりもアニメ化成功率の低い媒体はもうアニメ化しなくていいよ。

{netabare}
1話 ☆7
有名なエロゲだけど内容あんま知らないんだよなこれ。ゴーウィゴーウィの奴とは関係あるのかな。
なんか一人声優下手なのいるな。
不気味なCG なんというかもうすでにアニメ化失敗してそうな雰囲気...。壁より掘の方がよさそう
壁壊れるとこ演出酷すぎでしょ。
まあなんやかんや一話はそこそこ面白かった。

2話 ☆5
OP、JAM PROJECTじゃないのかよ。
なんだこの歌い方w は?
唐突すぎだろ展開w
地球に残ってる人はもう死が確定してるようなものか。
? いや地球放棄なの?
主人公リープでもしてる?
13万人って一般市民だから消えても関係ないんじゃないの?
ああ、オルタネイティブ4を実行しないとダメなのか。
女ばっかだなぁ。

3話 ☆5
たぶん男はもう駆り出されていないから女ばかりなんだろうけどちょっと見ていて違和感があるな。
いつ教えたし。おい作画w
スミカって誰だよ。ああ、世界系ね。
何で今まで根拠出してなかったんだよw
一話が一週目ってことか。

4話 ☆3
何でこの状況で海で泳いでるんだよw
このエロスーツどうにかならんのかね。
くっそ違和感あるわ。今回話も割とついていけてないかも
プログラムは簡単そうだな。
けどコンボなんてなくても手動でその攻撃ができるようにすればいいのでは? GBAなっつ
HSSTってなんだよ。なんか似た構図を死ぬほど見た。
ベータの巣だって!?って言われてもベータの印象が全然ないんだよ。

5話 ☆5
ノリが00年代エロゲで寒い。息を吸うようにセクハラ。
何で戦争中なのにこんな空気。
主人公何もしてないくせに文句ばっかり言うじゃん。

6話 ☆4
いや実験短すぎるわ。ダイジェストだなぁ。
ということは主人公の周り全員死んだら元の世界戻るのか。
カスミがスミカの名前の入れ替えなのは露骨に何かあるな
何で意識の移動のはずが物体まで移動するんだよww 
何も感情移入できねえ

7話 ☆1
主人公があっちの世界に戻る理由が分からない。
エロゲってほんとトンデモ設定連発するよな、グリザイアとか。
カスミの設定意味不明すぎる。
こんな状況で一発逆転の手があるのも不自然
主人公がうざすぎる。
あのユエユエ言ってるヒロインもきつい
作画崩れすぎ。
いきなり喧嘩始めてて草、と思ったら仲直りしてて草。
いや何が起こってんだよ、てか彩峰誰だよ。

8話 ☆1
クソアニメの時間。
はよベータとの戦闘シーンを見せてくれや。
いつまで内輪もめばっかしてるねん。誰だよ。
主人公の声がむかつくわ。何でクーデター起こしてるの?
敵前逃亡で投獄ねえ。
ちょっと今回から本気でストーリーが理解できてない。
ここまではなんとなくわかったんだが。
この状況で国が孤立したらまずいだろw 

9話 ☆1
演技下手じゃない? 止まれ両手を後ろにの言い方ww
征w夷w大w将w軍w で、こいつら誰なん。マジでわからん。
こいつはクーデター側じゃないのか。
対ロボじゃなくて対ベータを見せてくれよ。
アメリカが干渉してるのかよw 何のためにw 
wiki見てきたけどめっちゃ説明不足じゃん。
日本の政治体制が違うとか、アメリカは大して侵攻の影響を受けてないとか説明すべきでしょ。
ロボの戦闘シーンは割といい。

10話 ☆1
主人公とヒロインの顔見るだけでムカつくアニメ。
切っていれば良かった。いや高原誰だよ。
はよしろや。アメリカと組んでるのか。
眠らせてメリットあるんか? 

11話 ☆4
ほんといつまでベータそっちのけでやってんだ。
せwっwとwくw 理想論やめろや。謎エロ。

12話 ☆1
やっと終わりか。このOP最後まで好きになれんかったな。
こういうの実在の国でやられると気持ち悪さを感じるわ。
世界観理解出来たばっかだし、全く感情移入ができないんだよ。
これ反米作品?クーデターの全貌が全く見えん。
早すぎて全く感動できねえよ。
男普通にいるのにハーレムアニメ...w
はよ終わって。演説まだ終わらんの?
このEDめっちゃ好きってわけではないけどこのアニメの中では唯一の救いだな。
どうせ誕生する奴人間型ベータなんでしょ

曲評価(好み)
OP「輪廻」☆5.5
ED「TRISTAR」☆7
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人類敗北――抗え、迫り来る絶望に。

この作品の原作ゲームは未プレイです。
「トータル・イクリプス」「シュヴァルツェスマーケン」に引き続き、1967年の地球侵攻から現在に至るまで無差別に侵略活動を続けているBETA(人類に敵対的な地球外起源種)」と対峙する作品として位置付けられています。

「トータル・イクリプス」は、2012年の秋アニメから2クールで放送され、「シュヴァルツェスマーケン」は、2016年の冬アニメとして放送されました。

ですが、この2つの作品は「マブラヴ オルタネイティヴ」のスピンオフ作品なんです。
「マブラヴ オルタネイティヴ」のゲームは2006年に発売されているので、先にアニメ化された2つの作品の根幹となる訳ですが、どうしてアニメ化されたのが一番遅かったんでしょうね^^;?


それは、極限の世界で戦う人々の絆の物語―
この時空に存在する、無数の並行世界のひとつ―

そこで人類は、戦術歩行戦闘機(戦術機)と呼ばれる人形兵器を駆り、
地球外起源生命体「BETA」と数十年にわたる戦いを続けていた。

滅亡の危機に追い詰められた人間たちが、
過酷な運命の中でどのような生き様をみせていくのか―

『マブラヴ』は、ゲームブランド:âge(アージュ)が企画・製作した2003年発売のアドベンチャーゲーム。
2006年発売の『マブラヴ オルタネイティヴ』と合わせてひとつの壮大なストーリーを成し、
多くのシェアードワールドタイトルやメディアミックスを展開しているプロジェクトである。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

INTRODUCTIONに記載されている通り、「マブラヴ オルタネイティヴ」は「マブラヴ」の続編です。
「マブラヴ」は、青春恋愛アドベンチャーゲームで、何と「君が望む永遠」とストーリー的には直接的な関係はありませんが、舞台が共通していたり、「君が望む永遠」のメインキャラクターが登場することから、間接的な続編と位置付けられているそうです。

まさか、BETAと生き死にを懸けて戦う物語と、ドロドロの三角関係を描いた物語に接点があったとは思いもよりませんでしたよ^^;

満を持して輩出されたこの作品ですが、不満じゃない訳じゃありません。

第一に、前作を知らないと分からない設定があるのに、前作の「マブラヴ」がアニメ化されていないので、物語の展開には???という点が多々ありました。

案の定、完走後にwikiをチラ見するとこう書かれていました。

「当初は『マブラヴ』と一体のものとして開発が進められていたものの、製作に膨大な時間がかかってしまうことから、『マブラヴ』発売時に『マブラヴ オルタネイティヴ』として分割して発売されることが発表された。
その為、『マブラヴ』よりも先に『マブラヴ オルタネイティヴ』をプレイしてもストーリーを理解するのは難しい。
公式ページ開設当初は、『マブラヴ』をプレイした上で本作をプレイする事が推奨されていた。」

当時の技術でゲームを分割するのは仕方ないと思いますが、この都合をアニメの世界にまで持ち込む必要は無いと思いますし、そもそも媒体が異なるので最初から『マブラヴ』として制作するのに、どの様な問題があったのでしょうか。

私は『マブラヴ』をプレイしていないので細かいことは分かりませんが、ゲームの様にアニメもブツ切りになっていたとしたら、ついていけないのも無理はありません。

それと、前2作よりBETAとの戦闘シーンが激減していました。
目の前で繰り広げられるのは、BETAとはかけ離れたものばかり…
今後の展開で必要な要素なのかもしれませんが、途中から何を見ているか分からなくなってきたのも事実です。

その背景には敵味方が分かり辛かったという点が否めないと思います。
原作を忠実になぞるのも大切ですが、アニメとしてもう少し分かりやすく構成できなかったのかな、とは思いました。

ですが、アニメーションのクオリティ自体が上がっているので、作品としては見易かったと思います。
主人公の白銀 武の台詞が少し一本調子に聞こえたようにも思いましたが、鏑木さん、みっく、いおりんやLynnさんの熱演が光っていたので結果オーライといったところでしょうか。

戦術機の格好良さや、バトルシーンの迫力は一級品で、文句の付けどころは無かったと思います。
この辺りは作り手の気合が感じられて好印象でした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、V.W.Pさんによる「輪廻」
エンディングテーマは、STEREO DIVE FOUNDATIONさんによる「TRISTAR」
個人的にはオープニングが大好きでした。

1クール全12話の物語でした。
第2期が2022年に10月に放送されるとのことなので、総評は第2期視聴後になると思いますが、回想編でも良いので前作との関係や設定の補足があると嬉しいかな。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

レオン博士 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

話が全然わからない。

【紹介】
PCゲーム原作。人類が戦術機と呼ばれる人型兵器を使って敵対エイリアンであるBETAと戦う話。
名前だけは聞いたことあるんですが、原作ゲームは知らないので初見です。
原作のシナリオ知っている人がどう感じるのかはわかりませんが、知らない私にはわからないことが多すぎてつらい

原作を知っている人のためのアニメで、知らない人は見るなってことでしょうか?

【音楽】
OPテーマの「輪廻」はアニソンらしいアニソンで結構好き。
ED曲も好み分かれそうな曲調ですが嫌いじゃないです。主題歌は悪くないと思います。

【作画】
人物作画は良くない。顔が崩れすぎ。
その反対にCGがとても良い。戦術機の作りこみが凄くてめっちゃカッコいいですね!
特に戦闘シーンの出来が素晴らしい。
ずっと戦闘だけやっていればいいとすら思ってしまいますね。
でも残念ながらあまり戦闘シーンは多くないです。

【シナリオ】
第一話見たら結構面白そうで、戦闘がメインの話かと思ったら、2話以降ほとんど戦わないのが残念。
せっかく戦術機のCGとか、戦闘の動きとかカッコいいのに勿体ない。

話はかなり面白そうな雰囲気は常にしているんですよね、設定も良いと思うし。
でもなんか、いろいろ知っている前提で話が進んでいく感じがつらい。
視聴者に理解させる気がないような不親切さ、部外者にされている居心地の悪さ。
キャラクターとか、出来事の背景とか分からな過ぎて、なんかもったいない感じがしますね。

【声優】
主人公の声が保志さんっぽい。

【キャラクター】
女性ばかりの中一人だけいる男性の主人公。
かなり変だと思いますが、そういう細かいことよりも女性キャラクターに魅力を感じなかったのが残念。

キャラクター同士の関係性がよくわからないしキャラクターの掘り下げが少なすぎて愛着が持てない。
もっと時間かけてキャラ掘り下げするべきじゃないでしょうか?

【総評】
良かったのは主題歌だけ。

人物作画が微妙で戦術機のCGが最高なのに、学園生活ばかりで全然戦わないのがモヤる。
早く敵攻めてこいって何度も何度も思ってしまった稀有なアニメ

たぶん原作ファン向けのアニメなのでしょう。
2期やるそうです。え、2期やるの? 
戦闘シーンある回だけ教えて欲しい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

63.6 3 ミリタリーでロボットなアニメランキング3位
ブレイク ブレイド(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (462)
2778人が棚に入れました
化石燃料が採れないクルゾン大陸では、人々は石英に命令を与えることで動力源や熱源にしてて暮らしていた。この力は「魔力」と呼ばれほとんどの人々が持っていたが、ライガット・アローは生まれつき魔力を持っていなかった。そのため、能なしと呼ばれ続けてきたが、あるとき、地中から発掘されたゴゥレム(魔動巨兵)「デルフィング」は魔力を持たないライガットでなければ動かすことができなかった。折しも、ライガットの暮らすクリシュナは隣国アテネスとの戦争に臨んでおり、親友であり国王のホズル、同じく旧友で王妃のシギュンを助けるため、ライガットはデルフィングを駆り、戦いに身を投じることになる。

声優・キャラクター
保志総一朗、斎藤千和、中村悠一、神谷浩史、花澤香菜、井上麻里奈、鳥海浩輔、白石稔、河相智哉、菅原正志、緒方賢一、葛城七穂、柳沢真由美、浅野真澄、中井和哉、寺島拓篤、白石涼子、土師孝也、喜多村英梨、林和良、宝亀克寿、ささきのぞみ、井上喜久子
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

折れたのはストーリー

石英を動かす力で成り立っている世界でその力を持たず
無能の烙印を押された主人公ライガットが
誰一人動かすことの出来なかった古代のゴーレムを駆り
葛藤しつつも戦場で活躍してゆくストーリー。


無能だと思われ続けていた者が友情をキッカケに立ち上がり、
結果として自身を蔑んできた世間や国を助ける事になってゆく
ありがちなストーリーのロボットものですが
己が信じる正義を貫き、人としての優しさも感じさせる姿勢には共感できますし
無骨な戦いながら無双する強さには爽快感と憧れを感じます。
使い回されてはいますがやはり人気の既定路線という感じで
「ロボ格闘モノ」として割り切って観れば楽しめる要素はあります。
ただし途中までは…ですが。(後述)

ロボットものでも良くあるビーム等の近未来的な武器兵器が無く、
単発式のブレスガンや槍・大剣で戦う設定には
いわば「ロボット戦争」ではなく「ロボット合戦」の趣を感じ一目の価値はありそうで
戦術戦略を含めどのような戦いになるのか楽しみにしつつ観ては居たのですが
個人の技量に頼った戦闘の結果が即戦争の優位性に結びついていて
大局的に観ると非常に荒く感じてしまいました。
(小隊や個人の勝利=戦争の勝利な感じになっている。)

細かく注文を付けると、
編成がゴーレムか歩兵それと一応の偵察用バイクというのも極端で違和感があります。
陸戦メインならちゃんと車両兵器や補給車、砦には固定砲台なんかも描いてくれれば
「戦争」としてのリアリティは大分増したと思います。

また背景が描かれていないので作中の情報を頼りに考察すると
ボルキュス隊のクリシュナ進軍は電撃作戦だったのだと思わざる得ないのですが
常勝を計算に入れた進軍は傲慢で相手を過小評価していますし
国境の要塞陥落に時間が掛かった事を鑑みても
首都に兵力を集結させているクリシュナ軍対して取る作戦として無謀に感じ疑問でした。
{netabare}実際敗戦し一時アテネスまで引き返す憂き目にあうのですが
前線基地や補給路があれば一度の侵攻で無理せずとも
数回で落とせたんじゃないかなと思ってしまう訳です。{/netabare}
ついでに言うと迂回して村を襲った行動も謎のまま…。
ボルキュス将軍ってちょっと壊れていそうなのでその表現の一環だったんでしょうか?
ボルキュスが優秀な指揮官だったとは到底思えないんですよね…。
この点も「戦争」ではなく「戦闘」に見えてしまう一因です。

クレオ達が敵国を蛮族だと教育されていたりして、
この作品で描きたい物は「戦争」の筈なのに
結局「戦争や合戦」を描き切れず「戦闘や格闘」を描いたものになって
しまっているのがとても残念です。

更に更にそれにも増して残念なのがブッツリとした終わり方。
最初の方の感想通り期待感は確かにあったのですが…。
ライガットとその友人の運命や現実を知ったクレオのその後の行動、
それにアンダーゴーレム建造の謎など投げっぱなしにも程があります。
TV版ならもう少し描いた形になっている可能性もほんの少しあるかも知れませんが、
観終わってガックリ&モヤモヤしてしまうのはまず間違いないでしょう。
(追記:やはりガックリエンドでした。)
劇場で6度に渡りお金を出してご覧になった方は気の毒だったかも知れません。

とにかく続きをやらない限り二進も三進も行かない作品。
作画は良いのでその場その場の無骨なロボアクションを楽しむ位しか見所はないです。
それなりに熱さは秘めてはいるのですけどね。

※後半にかけて劇場版と違う所があるので追記しておきます。
{netabare}
10話で登場する「ステルタ部隊」はTV版用で
ジルグの活躍を演出する為の新たなカットになっている模様。
ジルグの死に様も劇場版では戦闘中だったものがTV版では捕虜の後射殺となっている。

またTV版ではバデスが戦死しニケは生き残っている様だが
劇場版ではニケが戦死しバデスは存命。
これによりラストの首都攻防戦でバデスVSバルドの堂々たる戦いがTV版では観られなくなる。
ただしニケが生存なら新たなシーンはあるかも。
個人的には「憎しみに捕らわれたままのニケ」と「事実を知り憎しみから解放されたクレオ」
の対比に期待したいところだが時間的に無理かな…。
なんて思ってたけど結局ニケ全く出て来ず。ぇー。(^_^;)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

劇場版全6章をテレビ用に再編集した作品です^^

原作未読、劇場版も未視聴でこの作品の視聴に臨みました。
この物語の世界は、誰もが魔力を当たり前の様に使い、その魔力を源にして電気や動力を生み出しています。
この物語の主人公は、ライガット・アロー・・・彼は100万人に1人の確率で生まれる「魔力を持たない者」でした。
誰もが持っている能力を持っていない事から、幼い頃より差別を受けて生きてきました。

その後、ライガットは士官学校に入学するのですが、そこでホズル、シギュン、ゼスといったかけがえのない友人と出会う事になるのです。

時は過ぎ、現クリシュナ国王となったホズルとその王妃となったシギュンにライガットは呼び出されます。
そこで、軍事大国であるアテネス連邦が攻めてきたこと・・・そしてアテネス軍の前線部隊の隊長が親友のゼスである事を聞かされるのです。

そして、偶然にもクリシュナ国で発掘された古代人が作った古代ゴーレム・・・これまで誰も動かせなかったロボットを魔力を持たないライガットが起動させてしまったのです。
その古代ゴーレムは、1000年以上前に建造されたもの・・・なのに、最新鋭のゴーレムが足元にも及ばないくらいの運動性能を持っていました・・・

それでも、戦争はライガットの目指す道ではない・・・と誘いを断ろうとするのですが、ホズルが降伏条件・・・ホズルやシギュンら王族に対する処刑を飲もうとする態度を見て、軍隊に入り・・・物語が動いていきます。

前置きがかなり長くなってしまいました^^;
でもこの作品は、物語の設定を理解しないと物語の進行から置いていかれてしまう感じがありました。
正直、私がその状態に陥っています^^;

ロボットが同じような色と形なのでパッと見で敵味方の区別がつけにくい・・・
たくさんの登場人物が出てくるので、誰がどこの所属なのかがひと握りの主要キャラ以外は分からないし、キャラの名前を覚えるようとすると、更に難易度が上がります。
その上、○○部隊とか、○○団とか色々分かれているのも頭を混乱させる要因でした^^;

でも、物語の大きな幹の部分・・・ここは面白いんですよね^^
クリシュナ側からの視点が中心だったので、ライガット、ホズル、シギュンといった旧友や物語の中盤から登場するクレオといった主要メンバーの人となりはしっかり表現されています。

そして、肝心のロボットですが・・・ライガットの搭乗する古代ゴーレムの運動性能が半端ないのは早々に理解できます・・・ライガットの操縦技術が伴っていないのが苦しいところですけれど^^;
バトルシーンも迫力があって良かったと思います。

でも、あとのロボット・・・主要搭乗人物と○○将軍が乗っていたロボットは印象にあるのですが・・・
その他のロボットの多くはマントを被ってるんですよね・・・^^;
機体から運動性能を敵に察知されるのを防ぐため・・・?
手にしている武器を隠すため・・・?
ロボットにマント・・・この組み合わせがアンマッチだったように感じたのは私だけでしょうか・・・^^;?

物語を完走して一番印象に残ったのは・・・シギュンとクレオのやり取りだったかもしれません^^;
この二人のやり取りは好きでしたね・・・最初は仕方ありませんが、時間と空間がお互いの距離を少しずつ縮めていくのがしっかり表現されていたと思います。

一番気になったのは、ライガット、シギュン、ホズルの関係です。
ホズルとシギュンや王と王妃・・・けれど、???という場面がいくつもあったように思います。

そして、一番ビックリしたのが終わり方だったと思います。
まさか、あの場面がエンディングとは想像すらしていませんでした^^;
物語の展開上、あの切り方しかなかったのでしょうか・・・?

1クール12話の作品・・・色々と難しい作品でしたが、気になる点も残っています。
劇場版を視聴したら解消されるのでしょうか・・・?
それとも一部原作の連載が継続されているようなので、それで解消されるのかな・・・?
まずは時間を作って劇場版からトライしてみたいと思います^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

魅力半減? いや、それ以上かも

【1話感想】
{netabare}
  私の現在に至るまで。
  ≪劇場版見たいなぁ→でもやっぱり先に原作読もう→中々良い感じ→あれ?アニメやってる→とりあえず1話見ようかな→さてどうしよう?(今ここ)≫
  劇場版未視聴、原作途中まで、アニメ1話だけ、という中途半端な状況にありとても困っています。
  一応『完全新作』らしいので、オリジナルストーリーもあるかもしれないとふんで、とりあえず読んでるところまでは見る予定です。

  内容については、現状はテンプレ展開。
  ただ、面白いことは確かなので、テンプレより王道と呼ぶべきかもしれません。飽くまで現状は。
  ネタバレになるとアレなので多くは触れませんが、実は作品として大分重量感があるんですよね。
  なので割と人を選びます。
  (『戦闘のカッコ良さ』とか『魅力的な女性陣』とかである程度は緩和できるかもしれませんけど、
  やはり『重い話』が苦手な人は駄目かもしれません)
  逆に言うと好きな人は好きになると思うので、上記のワードが気になる方は一度見てみると良いと思います。
{/netabare}
------------------------------------------------------------
【視聴後】
  これは……ダメとしか言いようがないですね。
  と言うのも、ストーリーではなく、あらすじをそのまま映像化した状態に極めて近いです。
  原作厨と言われても構いません。原作読んでください。
  理由は以下に。

  まず驚くべきはシーンカットの嵐。
  普通は2クールでコミック9巻相当の映像化となるのですが、これ1クールで9巻分になってます。
  つまり原作の半分近くはカットされているということです。
  (アクションシーンが多い作品なので、多めに消費されるとしても……ね)
  ではどこがカットされているか。
  主にキャラ周りです。キャラ付け描写とか心理描写とか行動理由の説明とか。
  ここがカットされているわけですから、キャラの魅力は損なわれているし、その上意味不明な行動を起こしているように見えてしまっています。
  
  次にアニメオリジナル展開。
  正直、原作読んでないのでは? と思うほどに色々と崩壊してます。
  こちらも顕著なのはキャラなんですけど、まあこの際置いておくとしましょう。
  私が一番突っ込みたいのは、ED後の台詞。
  「そのまんま、ライガットで」
  これは、あの重要なキャラがあの重要な行動をしてこそ深みを持つ台詞でしょうに。
  何をしたかったのかがわかりませんでした。
  小耳にはさんだ裏話→{netabare}一応原作者さんが監修されているようですが、監修って実は名前貸しだけだったり、
  出来上がったものをチェックするだけだったりと、実際にはほとんど関与しない(できない)らしいです。{/netabare}

  まあ作品の雰囲気を知るにはいいかもしれませんが、ブレイクブレイドをきちんと楽しみたいなら、原作をどうぞ。
  因みに原作基準の評価なら☆4~4.5付けます。
(2014.6.24)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

66.7 4 ミリタリーでロボットなアニメランキング4位
へヴィーオブジェクト(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (636)
3720人が棚に入れました
結局、戦争はなくならなかった。地球という惑星の隅々まで開発の手が及び、一部の権力者達が月面に別荘を建てるような時代になっても、人と人の心の隙間までは埋まらなかった。ただ変化はあった。くだらない殺し合いに夢中になる彼らにも、変化はあった。泥臭い兵隊達の運用は時代遅れとなり、各国の地球の支配権の奪い合いは、『クリーンな戦争』で決まる。そんな世界の、戦争の代名詞。それは――。

声優・キャラクター
花江夏樹、石川界人、鈴木絵理、伊藤静

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

世界と世界観

【2015/11/15 追記】


超兵器によって戦争の概念が一変し、パッチワーク状に戦場が拡散して日常と戦争が混淆し、地球を覆い尽くした世界。

現代的な問題意識を強く想起させる設定と、超兵器にそっけない普通名詞を与えるネーミングが洗練されたSFセンスを感じさせる。

にもかかわらず、視聴後にこうまで粗雑感しか残らないのは何故だろう。


超兵器ヘビィ―オブジェクト(HO)が歩兵によって撃破される描写に矛盾を感じる視聴者が多いようだが、この点についてだけは擁護する余地がある。

缶切りが発明されたのは、缶詰が生まれてから数十年後だった。
いつ発明されてもおかしくなかった非常に単純な道具だが、誰かがこれを思いつくまで数十年の間、缶詰は開封が厄介で運用を限られる包装だというのが社会通念であったわけだ。
似たような例は、ほかにもいくつもある事だろう。

最大限に好意的に解釈すれば、歩兵によるHOへの攻撃は、「ありえない」というのが社会通念であり、これに備える必要など思いつくことができなかったゆえに防ぐことが不可能であったとみることはできる。
鑿と金槌を持ち出さなければ開封できなかった缶詰が、誰も思いつかなかった簡便な缶切りで容易に開封されるように。
主人公たちの窮鼠猫を噛むHOへの直接破壊工作は、結果的に戦術思想のコペルニクス的転換となったのだ、と解釈すれば一応は活劇上の飛躍の範囲内とはみなせるだろう。
「あり得ない」という社会通念の描写が作品上に明瞭な形では見られない、という弱点に目をつぶれば。

粗雑感を生み出すものは、もう少し深い階層にある。


次々と異なる環境で行われる戦争の描写は、あたかもシューティング・ゲームの「ステージ」のようだ。
まさしくゲームのように、さまざまな「ステージ」でボスキャラ=HOをどう倒すかが興味の焦点なのだろうが、ステージを支えるはずの世界の描写はそっけない。

バラエティ豊かな戦場を呼び出す世界の設定は、このレビューの冒頭のような文章を読み上げるナレーションがあるだけで、それ以上の描写はそれっきり無い。
それこそ、ゲームの取扱説明書に「これは、こういう世界という設定です」と一文があるだけでステージ上でのゲームにはまるで関係しないように、「ステージ」の描写がスタートしたらもうそれ以上は用がないと言わんばかりだ。

そのような描写と楽しみ方はあるだろうが、混乱させるのは、この「世界」がどのような意味を持つものであると把握されているのかという、いわゆる「世界観」が半端に導入されてくる部分にある。

主人公の主観的なセリフによって語られる「世界」の「見え方」は、ステージ外の描写がないため、そのまま作品の「世界観」として視聴者に提示される。曰く、

「戦争は、実質的にエリート=HOパイロットだけが担っている」
「エリートに戦争を押し付けることで、人は戦争について考える事を止めている/止めることができる」
「戦場以外の地域では、戦争は無いもののように生活することが可能」

そして主人公が「平和ボケ」を自覚し「現実」とやらに目覚めた後は、ジャーナリストに対して
「平和なところから見世物のように戦争を見物している」
とくる。

混乱の元は、このような世界観は、「国家のような輪郭鮮明な交戦主体が、軍隊のような暴力装置を一元的に独占して管理し、前線と後方を明確に分割して、戦時と平時を意思的にコントロールして行われる戦争」を前提としてしか生み出されないもので、設定されている本作の「世界」=作品内的な「事実」と完全に矛盾している事だ。

超兵器が世界中に分散、配置されて戦闘を行っている「世界」で、国家の領域である国境=ボーダー・ラインが安定的なものでありうるだろうか。
戦闘が恒常的に行われて日常化しているならば、「戦時」と「平時」、「前線」と「後方」の境界=ボーダーも無効化され、戦争と日常世界を区別するという概念を失った異様な「世界」とならざるを得ない。必然的に、「兵士」と「非戦闘員」のボーダーも無意味化するはずだ。

どうしても、この異様な「世界」を、特定の存在に戦闘行為を疎外して、平和ボケした感性を維持できるという「世界観」で把握できる条件が思いつかない。

多様な「ステージ」と、この良く分らない「世界」を媒介するものとして軍の「上層部」が持ち出されてくるのだが、こちらの描写も「世界」と「世界観」の分裂に引き裂かれている。
「現場」から離れた密室で、背広や正装に身を固めた中高年の男たちが、データ処理をするように「人間」を動かす作戦立案をする「上層部」の描写は、陰謀論に目覚めた中学生がイメージする「えらい人」そのままで、はっきりとステロタイプの陰謀家だ。

が、陰謀家が戦争に干渉出来るのは、「戦時」「平時」や「前線」「後方」といったボーダー・ラインを陰謀で動かす/動揺させる事で人や状況を操作するからで、これが陰謀家の力を生み出す根拠でもある。
確かに「世界観」には適合しているのだが、本作のボーダーレスの「世界」では、陰謀家が操作すべきボーダー自体が存在せず、状況をコントロールできる要素が見当たらない。
まして、主人公が開発した「戦術思想のコペルニクス的転換」は、まさしく缶切りのごとく、いったん開発されればマネや改良が誰にでも可能なものだ。
貧困で少数の交戦主体でも大規模軍隊と交戦可能にする戦術革命は、全世界が戦闘状況の中、参戦する交戦主体を爆発的に増やすに違いない、戦争を泥沼状態の一層の混沌に導くパンドラの箱で、力の源泉を絶たれる「陰謀家」の息の根を止めるものだろう。
が、「陰謀家」=「上層部」は何らの危機感も対策もなく、例の「世界観」に安住しきっているかのようだ。

どうも製作者は「世界観」とは設定を並べることだと誤解しているか、設定を並べた「世界」に自動的に適合した「世界観」が生じると勘違いしているように感じられる。

世界観を提示する必要がないシューティング・ゲームであれば、「ステージ」と取扱説明書内の一文に過ぎない「世界」を創るだけで済むだろう。

が、映像作品として観る視聴者の側では、ゲーム制作の方法論で鑑賞するのは無理があるようだ。

この先「世界」の様子が緻密に描かれることがあるのだとしても、「世界観」との矛盾が解消されるわけではありえない以上、視聴を続けていても粗雑感が打ち消されることはないだろう。


【追記】

第7話に、真実の報道の為と称して戦闘行為を行う「ジャーナリスト」が登場し、「隠された真実」(「軍隊」によって隠されていた「真実」)を知らされて悔恨の涙を流す茶番が描かれる。


かつて、紛争地で死んでゆく子供を撮影した報道写真が議論を呼んだことがあった。
シャッターを切る前に子供を助けるべきではなかったのか、と。

救いの手を差し伸べたいという人間的感情と、ジャーナリストの職業倫理に引き裂かれながらシャッターを切ったカメラマンの深い苦悩に比べ、この「ジャーナリスト」の屈託のないデクノボウぶりは何なのだろう。

この、キャラの人格造形の破綻は、製作者の未熟や偏向ではなく、「世界」と「世界観」の破綻がそのまま反映されざるを得ないという必然を示している。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

オブジェクトで雌雄を決するクリーンな戦争時代における「変化の兆し・・・」

この作品の原作は未読ですが、著者が「とある魔術の禁書目録」と知って視聴を楽しみにしていた作品です。それに早々に2クール作品と決まったのも期待に拍車を掛けてくれました。

物語の舞台は近未来・・・この近未来では戦争のスタイルが従前から大きく変化しており、これまでの武器では一切歯が立たない「オブジェクト」と呼ばれる超大型兵器が用いられるようになっていました。
オブジェクトの保有台数との性能差が国力に等しいことから、無駄な流血は避けてオブジェクト同士が戦う「クリーンな戦争」に大きく舵が切られていました。

そんな中、正統王国のオブジェクトのパイロットであるミリンダに出会った、オブジェクトの設計士を目指す留学生のクウェンサーと貴族出のヘイヴィアは、第37機動整備大隊に配属され・・・物語が動いていきます。

あちこちが色々と痺れる作品です・・・^^
まず、留学生のクウェンサーと貴族出のヘイヴィアは共に17歳の若さ・・・
その二人はあらゆる兵器の頂点に君臨しているオブジェクトに生身で向かっていくんです。
向かっていく前から戦力差が尋常じゃないのは誰が見ても明白・・・

核爆発にも耐えうる装甲・・・実弾やビームなど大小100門以上砲門を有する直径50m以上の球状のボディが時速500km/hのスピードで動き回るんです。
どんなに足掻いても人間が太刀打ちできる相手ではありません。

でもここからがこの作品の真骨頂・・・「オブジェクトは所詮人間が作り上げた兵器・・・突破口は必ずある」
クウェンサーの類まれなる設計思想とヘイヴィアの行動力が交錯した次の瞬間・・・オブジェクトが想像を絶する姿に早変わりするんです・・・
小柄な選手がリーチも1発の重さも桁違いの相手をやっつけると気分が爽快ですが、オブジェクトとの戦いはその究極といっても過言では無いと思います。

そしてオブジェクトも海上特化型や下位安定式プラズマ砲を搭載するなど性能も様々・・・
勿論弱点や切り口だってそれぞれ異なってくるのですが、クウェンサーが閃き、ブツブツ文句を言いながらヘイヴィアが強力する・・・これが定番となっていましたが、二人の活躍は目を見張るモノばかりです。

少しだけ冷静に考えると、弱冠17歳の若者・・・しかも一人は軍人でも無い只の留学生・・・
そんな二人に大切な作戦を任せる軍は先見の明があるのか・・・或いは何も考えていないのか・・・
まぁ、見ていて熱くなれるし面白いのでどっちでも構いませんけれど・・・^^

「オブジェクト vs 生身の人間」・・・構図としては確かに面白いですが、2クール分ずっと同じ調子だと中だるみしてしまいそうですが・・・この作品では中だるみという概念すら吹っ飛ばしてしまいそうな綺麗な華が用意されています^^

ミリンダ=ブランティーニ・・・正統王国軍のオブジェクト「ベイビーマグナム」のパイロットとしてエリート街道を進んできた線が細く繊細で儚げな14歳の少女・・・見ていると思わず手を差し伸べたくなるような雰囲気の持ち主です。
「エリート」聞こえは良いですが実態は散々です・・・
・該当者の人権を侵害しても文句を言わず国家の思惑通りに従う人格であること。
・個人の思惑を抑え国家の各オブジェクトに合わせて自分の身体・脳を調整される。
クウェンサーは物語の中でこんな事を言っていました・・・
「オブジェクトが現代の戦争の象徴なら、エリートはその歪みの象徴だ・・・戦争の帰趨を背負わされる・・・たった独り・・・オブジェクトの外郭の厚さの分だけ人との間に壁を作ってる・・・お姫様はいつも独りぼっちだった・・・そして今もあの分厚い壁の中にたった独りだ・・・たった独りで皆んなを守るために戦い続けている・・・」

そんな彼女が普通の14歳としての立ち振る舞いを見せてくれる時があるのですが、これまで彼女が歩んできた軌跡を思うと、涙が出そうになります。
好意を抱いて・・・不機嫌になって・・・時には嫉妬もする彼女は、貰ったプレゼントをとても大切にして喜びや嬉しさを前面に出せる彼女・・・一挙手一投足が可愛らしくて仕方ありません(//∇//)

それでは素直にお姫様推しでこの作品を視聴していたか・・・と問われると答えに困ります。
性格上、一人のキャラを推しながら作品を堪能したいのですが、最近そうさせてくれない作品が増えたような気がするのは気のせいでしょうか^^;?

もう一人の気になる存在は、正統王国の女性将校であるフローレイティア=カピストラーノです。
第一印象は銀髪紫眼でタイトスカートが似合う爆乳のスーパーウルトラハイパーミラクル美人さん・・・(//∇//)
しかもタイトスカートには際どいスリット・・・実在したら目のやり場に困りそうですし、あの足で踏んで貰いたい・・・そんな欲求が脳裏を横切ったのも私の初体験でした(//∇//)
でも・・・彼女の最大の魅力は自分の運命に必死に抗っているところです・・・
中には彼女を道具程度にしか見ていなかった貴族がいましたが、そんな言動を彼女に吐き捨てた登場人物には正直イラッとしました。
本人の事は何も考えない・・・頭にあるのは保身と家の存続の事だけ・・・
フローレイティアが戦場に身を置きたくなる理由が良く分かります^^
だからこそ、クウェンサーとヘイヴィアとは同じ戦火をくぐり抜けた仲間同士として本音で接する事ができる・・・ある意味心の安らぎの場だったのではないでしょうか^^?
これはお互いの利害も一致しているので問題は無いと思います・・・でもお姫様が嫉妬しなければ、ですけれど^^;

それと、この物語のキーパーソンとして「おほほのひと(CV:金元寿子さん)」と「ワイディーネ(CV:新井里美さん)」は外せません。
エンディングのテロップを見て「おほほ」と見た時には思わず吹いてしまいましたが、エリートとして魅力的なキャラだったと思います。

オープニングテーマは、「One More Chance!!」「Never Gave Up」
どちらもALL OFFさんが歌っています。
エンディングテーマは、鹿乃さんの「ディアブレイブ」と井口裕香さんの「変わらない強さ」
重低音の効いたオープニングは格好良いと思い、カラオケでチャレンジしてみましたが、思った以上にキーが高く苦戦しました^^;

2クール全24話の作品で、思い切り堪能させて貰いました。
続きを示唆する終わり方でしたが、原作のストックはあるのでしょうか^^?
この作品・・・続きがあったら絶対見るのに・・・^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

設定を考えるのが好きなんだろうなぁ・・・

【3話まで見て を追加】
ここでリタイアです。

【1話見て 冒頭5分の設定ドヤ顔感】
{netabare}その世界、その世界観に入り込めるかどうか、が重要な1話。
そんな1話の冒頭5分が苦痛だった。
なんか、ドヤ顔を至近距離に寄せて迫られる感じ。

 俺、すげぇ設定考えついちゃったんだよね!
 君たち。設定とか、適当だと五月蝿いっしょ。
 だ、か、ら。
 考えちゃいましたー! 
 どうどう?こんな技術考証。
 どうどう?こんな装甲設定。
 すげぇっしょ。
 すげぇっしょっ!
 こんなん出来たら。
 そりゃ~世界の覇権図も変わるよね~!!
 だよね?だよね?
 俺ってこんな設定とか考えついちゃうんだよね~!
 これなら、煩型の人々も文句出ないっしょ?
 こんな設定の世界の物語、楽しんで下さいよーっ!!

みたく。
分かりました。
分かりましたよ、設定に拘りがあるのはね。
でも。
こんな独りよがり極まりない、暑苦しさしかないオナニーショー見せられても困るって。
冒頭からこんな暑っ苦しいもん見せて
「この世界観に引きずり込んでやるー!」
とかやられたらたまらんって。
「マクー空間に引きずりこめー!」
じゃ視聴者は厳しいって。
拒否反応示しちゃうって。

ガールズアンドパンツァーで、物語の冒頭から
「戦車道とはっ!」 
とかやらんでしょ。
作品見せ場となる戦車戦のサワリを冒頭で見せて、作品世界に対して、観客が自ら進んで行けるようにしてるわけじゃん。
引きこまれていくわけじゃん。
引きずり込むわけじゃないじゃん。

本作ならさぁ、締めでやった巨大ボールが撃ちぬかれるシーン。
アレを最初にやる。
で、時間を巻き戻して、長官とか整備ババァとの話の中で、世界観を示していきゃいいじゃん。
オブジェクトの設定は、主人公がエンジニア志望なんだから、その中でやれるじゃん。
「あれ?オブジェクト無敵みたいな話してるけど、冒頭でぶち抜かれてるぞ?」
みたく視聴者に思わせて興味を引こうよ。
原作本がどうなってるのか知らないけど、
もうちょい、本を読み解いて、
もうちょい、視聴者に魅せてほしい。


各話タイトルに”ガリバーを縛る”とかあるから、巨大ボールをぶち抜いたロボを歩兵でどうにか、みたいな話になるんだろう。
どういう風にロボ対人を描くのか楽しみだ。
ま、さ、か。
 戦闘がオブジェクト対オブジェクトで決まる世の中になっちゃってるから、
 極端に振ったトンガッた機体だから、
 オブジェクトに対人能力がありません
みたいな、陳腐でくだらない設定じゃないよね?
設定に拘りがある作品なんだよね。冒頭にやるくらいだもんね。
思わず唸ってしまう設定や戦術に期待したい。{/netabare}

【3話まで見て 鎌池らしさ】
{netabare}キリもいいし、ここまでで十分かな、という感じでリタイアです。

原作鎌池和馬らしさに溢れてますね。

バディものにしてるけど、上条さんの自問自答芸を2人に分けてるだけ。
それだと何だからと、付け加えたのが、どっかで聞いたことがある安っぽいテンプレ戦場台詞。

科学的なゴチャゴチャした解説。
電気の能力=直接電撃ビリビリではなく、それを応用したレールガンとか砂鉄攻撃とか、
ちょっとひと癖置いてみましたよ設定、みたいな。

「オブジェクトが絶対なんていうその幻想をぶち殺す!」
「(また戦場送りなんて)不幸だーっ!」
という展開。

らしい、と言えばそうなんだけど、ちょっと、これを今後も楽しめってのは苦しい。


あと、想像と違ったんだよね。
1話感想の最後でも書いたけど、
”絶対無敵巨大ロボvs人”だと思ってたから、
「”アルドノア・ゼロ+進撃の巨人”みたくなるのかなぁ、」
と思ってたのだ。
  手持ちの限られた武器で、
  敵オブジェクトの弱点を探って、
  トラップをそこらに仕掛けまくって、
  暴れ狂うオブジェクトにワイヤーで取り付いて、
みたいな。
ある種、荒唐無稽な方向を。

で、提示されたのが
「巨人だって眠るはずだろ?
 生態を観察して、寝床を探して、寝込みを襲おう!」
え、あ、あぁ・・・
そっちに行くのね。
いや、まぁ、現実的だよね。そっちのほうがね。
それに、「ロボvs人」の直接対決は無理だよね。
「整備・警備兵vs人」だよね、やっぱ。
でもね、ドキドキもワクワクもないんだよね。
科学考証で現実的なところを提示してるからって、そんな現実的な解決法にせんでも。

かと思えば、ラストのオブジェクト大爆発に巻き込まれても死なない非現実。
ちょっと前に、天津での大爆発、って現実を見ちゃってるわけじゃん。
ネットに色んな写真とかがアップされてたわけじゃん。
大爆発の恐怖とか惨状を実際に知ってるわけじゃん。
散々、現実的にやっておいて、
 ラストの爆発絡みだけ荒唐無稽なご都合主義、
ってそりゃないわ、と。


なんか、世界観に入り込めなかったなぁ・・・
そういや、禁書2期も合わなかったなぁ。
鎌池和馬原作作品と相性悪いのかなぁ、俺。
レールガン1期は面白かったけどなぁ・・・{/netabare}

作画、声優、音楽は未評価。
物語はドヤ顔設定、キャラは安っぽさに対してです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

64.1 5 ミリタリーでロボットなアニメランキング5位
シュヴァルツェスマーケン(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (326)
1677人が棚に入れました
アージュの人気ゲーム『マブラヴ オルタネイティヴ』のスピンオフ作品。

1983年のヨーロッパを舞台に、東ドイツ軍の戦術機部隊“第666戦術機中隊”(通称:黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン))に所属する青年・テオドールの物語が描かれる。

声優・キャラクター
鈴村健一、田中美海、山本希望、南條愛乃、安野希世乃、安済知佳、加藤英美里、村瀬迪与、三宅健太、田村ゆかり、成田剣、沼倉愛美

浩平 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

前作トータル・イクリプスから17年前の世界を描いた作品、世界は絶望の色に染められていく。はたして人類の敵とは・・・

(評価は保留のため3)


-あらすじ-
第二次大戦後ドイツは東西に分断され両国民はお互いを敵として生きることになった。
1967年、人類は月面で異星起源種「BETA」と接触。戦争が勃発。6年後BETAは中央アジア・カシュガルに落着した。
BETAとは人類に敵対的な地球外起源種のことで、人類は冷戦の只中BETAとの生存を賭けた戦いに突入することになった。
そして10年後、その最前線となっているのがドイツ民主共和国・東ドイツだ。
BETAのヨーロッパ進行により窮地に追い込まれた東ドイツは国家保安省・シュタージによる国民の監視体制を敷き戦力の維持を図った。
人々は国家への恐怖からお互いを監視する社会。戦場で死ぬか、粛清されるか、機械のように生きるか・・・。俺達に選べるのはそれしかなかった。


第1話の公式のあらすじ
1983年のヨーロッパ。東ドイツ陸軍に所属する戦術機部隊『第666戦術機中隊"黒の宣告"(シュヴァルツェスマーケン)』は、東ドイツ軍最多のBETA撃墜数を誇っていることから、東ドイツ最強の戦術機中隊と謳われていた。
中隊に所属するテオドール・エーベルバッハ少尉は、過去のトラウマから自分以外の何者をも信用せず、ただ己の生存の為だけに戦い、国家保安省の影に怯える日々を過ごしていた。
そんなある日、テオドールが中隊長のアイリスディーナ・ベルンハルト大尉と共に、戦場で孤立していた西ドイツ軍の少女、カティア・ヴァルトハイムを救出した事から物語は始まる。

いきなり血みどろなグロテスクなシーンから始まる。前作トータル・イクリプスと比較して、よりシリアスそうな印象を持った。

隣の人間でさえ信用できない東ドイツ。事態は混迷の色を見せる。
BETAだけでも脅威なのに、さらに人間まで敵。この非常時にそんなことしてる場合じゃないと思うんだけどね(´・ω・`)


第2話の公式のあらすじ
救出した少女、カティア・ヴァルトハイムに東ドイツの現実を突きつけるテオドール。カティアはそんな彼に、ある目的があって東ドイツにきたと告げる。理解し難いカティアの行動に戸惑うテオドール。
さらに中隊長アイリスディーナからカティアを監督するように命令される。そんな中、カティアを捕らえるため、国家保安省のハインツ・アクスマンがベーバーゼー基地に現れ・・・。

第2話放送早々に女の子のおもらしをばらすアニメ( *´艸`)
はずかしがっててかわいい(≧◇≦)
そして、女子たちの話に入って行けずに舌打ちをするテオドールさん(笑)

『私達の敵はBETAのはず。全ての人間がお互いを信じ力を合わせないとBETAには勝て・・・』
敵の敵は味方にはならないのか・・・?
シュタージは対BETA戦でも敵になるのか?BETAが来てるときぐらいは協力体制を取るかと思っていたが、そうではないらしい・・・。


第3話の公式のあらすじ
カティアを信頼できないまま出撃したテオドール。結果として、カティアと副隊長ファムがノイェンハーゲン要塞陣地に取り残されてしまう。生き残るために、己の行動は間違っていないと自分に言い聞かせるテオドール。一方、カティアは要塞陣地で戦場の現実を目のあたりにするのだった。

落ちちゃいけない基地大爆発でこれからベルリンがやばい。
一方、テオドールがもう舌打ちしない主人公キャラになっていた(笑)
かつて守れなかった妹の登場で物語はどう動くのだろうか?
妹・・・あやしさしかないが、はたして・・・?


第4話の公式のあらすじ
悪夢のようなノイェンハーゲン要塞防衛戦から帰投した第666戦術機中隊に補充衛士が送られてくる。それはテオドールの行方不明となっていた義妹リィズ・ホーエンシュタインだった。

突然の衛士補充。疑惑の目を向けられるリィズ・・・。
アイリスディーナは妹リィズが国家人民軍に送り込んだスパイではないかと疑う。
そこでテオドールへリィズの真意を見極めるよう密命を受ける。

妹は敵のスパイなんかじゃない。そう信じるテオドールであったが・・・。


第5話の公式のあらすじ
義妹リィズへの疑念を抱いたまま、海王星作戦に参加したテオドール。だが本来は敵同士である東西両陣営を結集した作戦は混迷を極めていた。
お互いを信じられぬまま悪化していく戦場。第666中隊は味方の協力を得られぬまま、決死のレーザーヤークトを開始するのだが・・・。

西と東、人が協力してBETAを倒して、作戦も成功して次回に続く!・・・なんてことにはなりません。
中隊メンバー全員が代わる代わる映るカットでリィズが不穏な感じに・・・?


第6話の公式のあらすじ
海王星作戦で得たものは大きく、そして失ったものも大きい。だが、テオドールはカティアとアイリスディーナの夢の欠片を確かに目撃したのだった。
帰途についた第666戦術機中隊に、再び国家保安省の魔手が伸びる。テオドールは監視を振り切り、政治将校グレーテルと共にベルリンへと赴くのだが・・・。

中隊の仲間から疑惑の目を向けられるリィズ。
スパイなのは十中八九間違いない。・・・だが確証はない。

敵のスパイになってるっぽい義理の妹が、
突然すっぽんぽんになって、
露骨すぎるハニートラップを仕掛けてきた!
「お兄ちゃん、抱いて」
妹から急にこんな一言を告げられ、お兄ちゃんとしてどうするのか?
次回はどこから始まるのか気になるところですね!


第7話の公式のあらすじ
東ドイツ戦史上、最大級のBETA侵攻が始まった。重レーザー級の出現によって防衛線は切り刻まれていく。
窮地に追い込まれる国家人民軍。第666中隊は奮闘するものの・・・。

おいぃ、前回の続きはどうなったんだー!抱く抱かないの問題はどうなったんだー!!!
前回のラストはエロゲ展開だったのに・・・。

重レーザー級の殲滅をはかるため、第666中隊は決死の覚悟で重レーザー級に対してレーザーヤークトを行う決断をする。
はたして、無事、作戦を成功させ生還する者は・・・。


第8話の公式のあらすじ
国家保安省による東ドイツ支配が進んでいく。長官エーリッヒ・シュミットは東ドイツ総帥の地位を手に入れる。
すべてを失ったテオドールはカティアと共に山中を彷徨う。後悔という泥濘に脚を取られ、前に進むことができなくなったテオドール。
その横顔を見つめるカティアの心に火が灯る。

シュタージの手に落ちたアイリスディーナ・・・無念の撤退を余儀なくされるテオドールとカティア。
シュタージの策略の前に万策尽きたかと思われたが・・・。


第9話の公式のあらすじ
西方総軍と合流したテオドールとカティアの前に、権力争いに敗れた国家保安省ベルリン派のアクスマンが姿を現す。
テオドールは仇敵アクスマンと協力して反攻作戦を開始する。奪われたものは必ず取り返す――血気に逸るテオドールの前に最狂の敵が立ち塞がった。

今後、リィズを超えるヤンデレの妹は現れないだろうな・・・。
リィズは本当に可哀想な娘です。一線踏み越えてしまった彼女に救いはあったのかな・・・?


第10話にて、とある人物の死をむかえたことで物語は一旦の区切りを見せる。
そして、物語は終末へと動き出す・・・。


最後に一言「総員、傾注!∠(`・ω・´)」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

MbsHL22207 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

5話以降、一気に化けました

トータルイクリプス(以下:TE)に続く、マブラヴオルタネティブのスピンオフ作品2作目。9話まで視聴済み。

一言で説明すると、「宇宙人と戦って人がばたばた死ぬアニメ」です。
ブルージェンダー、ガンパレードマーチ、進撃の巨人 この類のアニメです。十分ご注意下さい。

序盤(5話まで)は作品の地盤固めに全力投球。延々と地盤固めの工事が敢行されるのを傍からただ見ているだけの状態が続く。
ただし、これ以降別作品なのかと思う程一気に緊迫感が高まりおもしろくなる。

理解を得られるか分からないが、ジャッキーチェン辺りが出ている香港アクション映画とストーリー展開のさせ方が似ているんですが、コメディ部分を鬱にひっくり返したようなアニメです。
自分で書いておいてなんですが、ちょっと想像難しいですね。



1話を見終わって
{netabare}
シナリオは1話にも関わらず山場と言えるような山場は無い。完全に状況とキャラの説明に徹している。
TE1~2話ではもっと上手く見せていたがそこまで求めるのも酷か、と自分で納得する必要がある程度には全体的に安っぽい。
また作画崩壊するのかなぁと今から楽しみである。
{/netabare}

2話を見終わって
{netabare}
相変わらず山場は無い。
戦闘があって少しストーリーが進むだけ。

TEの時も思ったのだが、なぜこんなにつまらないのかは「明確な終わり」か「終わりそうな糸口」が見えないアニメだからだと思う。
アルドノア・ゼロ辺りを見習って、人類側にもチート級の何かを用意するくらいは許されても良い。
ダイジェストで済ませてもなんら問題無い内容を延々と見せられると流石に来るものがあります。

やはり人を選ぶアニメのように思う。

{/netabare}

3話を見終わって
{netabare}
相変わらず山場は無い。
戦闘があって少しストーリーが進むだけ。

そして最後に妹参上。
芽生えかけていた主人公とロリっこヒロインの関係はどうなるのか!?
みたいな終わり方だけど、たぶん視聴者はそんなのどうでも良いと思いますよ・・・。

この3話で切るのでつらつら書きます。

オマージュ(パクリ?)の順番として私が思っているのは

・・・→ブルージェンダー → ガンパレード・マーチ → マブラヴオルタ → 進撃の巨人

の順番です。

どれもこれも話を盛り上げる為の”バランサー”として人類側にチートが用意されております。

ブルージェンダー→{netabare} B細胞覚醒主人公{/netabare}
ガンパレード・マーチ→{netabare} 速水・新井木{/netabare}
進撃の巨人→{netabare} エレン{/netabare}

アニメを娯楽として楽しむ場合、このバランサーとも呼べる仕組みは必要不可欠です。
一方的に点差が開いていくサッカーや野球なんて見ていてツマラナイのと同じです。選手交代で強力な選手を導入すれば「なんとかしてくれるのでは?」という期待から娯楽性が高まります。

その点マブラヴオルタはそんなものは無く、良く言えばリアル志向と言えるのかもしれませんがさすがに楽しみ方の幅が狭すぎて原作未プレイ組みが楽しめるとは言い辛い仕上がりになる(実際にそうなっていると思う)わけです。

更にリアル志向の戦争物の中で人間ドラマをメインに沿えるとは正気の沙汰とは思えません。

そこまでして視聴者をふるいに掛け、厳選し、一体何がしたいのでしょうか。
少なくとも原作未プレイの私はその魅力に気付けず、また原作に興味を持つことはできませんでした。

原作は非常に評価が高いので見せ方・脚本をどうにかして焦点を当てる場所・はしょるべきところを見極めテンポ良くしないと改善は難しいでしょうね。
{/netabare}

5話まで見終わって
{netabare}

3話で切る予定でしたが惰性で観てました。
そして戦闘シーンが多かった為か意外にも5話はおもしろかったです。

ただ、チラチラ見え隠れする「微妙に熱くなりきれてない熱いノリ」がむず痒くてちょっとイライラしてしまいます。
やるならしっかりやって貰いたいです。中途半端な男は嫌われますよ?

しかし、毎回ノルマの如く人を殺すアニメですね。
声優さんのお仕事が奪われてしまうみたいで心苦しいので今後は控えてもらいたいものです。
{/netabare}

9話まで見終わって
おかしい・・・普通におもしろいぞ・・・?
{netabare}
5話以降、何かが変わった気がします。
ただ何が変わったのかが具体的には分かりません(テンポが良くなったような気もしますし、5話にしてやっと物語初めの地盤固めが終わったようにも感じます。もしくは私がこのアニメに調教されちゃったのでしょうか?)
ただただ素直な気持ちで毎週楽しみに観ている自分がいます。

「男子三日会わざれば刮目して見よ」とは言いますが、一体スタッフに何があったのでしょうか。
計算ずくで序盤は致し方なくだった、と言われれば納得できちゃうほどに5話以降加速度的に良くなってます。

第666中隊がこれまでは至って平穏に部隊として機能できていたんですが、シュタージュ(主人公の実妹含む)により部隊員は拉致され拷問されるという展開。更にシュタージュはクーデターをほぼ成功させて政府機能も乗っ取っちゃったよさぁ大変!
とってもハラハラしてしまいますね。

んでもって妹の振る舞いにショックを受けた主人公が廃人→復活というちょっと熱い展開もGoodです。
んまぁ実妹抱いてるんですけどね。

それにしてもこの妹、完全に壊れてますね。
今更救えるとは思えないので主人公が殺す流れだろうなぁとこの流れから安直に思いついてしまいますが、その辺りを壮大に裏切って欲しいものです。

でも無理だろうなぁとも思います。
原作を未プレイなので断言はできませんが、このストーリーを作ってる人はとても真面目な気がします。要所や基本は押さえてるんですが奇抜さがなく、唐突な展開も予想の範疇を出てはくれないんですよね。

理解が追いつかない程奇抜なことをされると一気に安っぽくなるのでやらないのかなぁと思いますが、作品を大事にしすぎてチャレンジ精神を忘れているのではないか、とも思います。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「総員傾注。これよりBETA梯団光線級群へのレーザーヤークトを敢行する。光線級を掃討するぞ! 第666中隊、シュヴァルツェスマーケン出撃!」

この作品の原作は未読ですが、この作品自体が「マブラヴ オルタネイティヴ」のスピンオフとしての位置付けになっており、「マブラヴ オルタネイティヴ」が2012年に「トータル・イクリプス」という名称でアニメ化された作品の方は視聴済です。

この作品は、「トータル・イクリプス」から18年前の1983年のヨーロッパ・・・それも東西に分断されたドイツにおけるドイツ民主共和国(東ドイツ)側の視点で描かれた作品です。
「トータル・イクリプス」ではBETAは1997年に韓国から日本列島に侵攻してきました。
その間約14年もの間、ユーラシア大陸ではBETAとの激しい攻防が続いていたと考えると感慨深いモノがあります。

この物語における人類共通の敵はBETAと呼ばれる未知の人外生物なのですが、極めてやっかいな敵なんです。
BETAには「「レーザー級」「グップラー級」「デストロイヤー級」など異なる形態がお互いの弱点を補い合うかの様に徒党を組んで膨大な数で押し寄せてくるんです。
単体での能力では間違いなく人類側に分があると思います。
でも、一人の人間が一度に相手にできる数には限界があります。
BETAはその限界を上回る数で押し寄せ、人類から抵抗力を少しずつ削ぎ落としていくのですから、どうあがいても疲弊は免れません。

そして不幸は連鎖します・・・ヨーロッパ諸国の援助は得られたのですが、その代償となったのは東ドイツの国そのもの・・・東ドイツがBETA戦線の盾となる形になってしまったんです。
愛する祖国が戦場になる・・・何より東ドイツを愛してやまない国民を犠牲になんてできない・・・

でも彼らにも希望の光は途絶えていませんでした。
BETAとの激戦区であるが故、東ドイツ軍の中から最多の撃墜数を誇る部隊が誕生したんです。
その東ドイツ最強の戦術機部隊名は、アイリスディーナ・ベルンハルト大尉が率いる「第666戦術機中隊"黒の宣告"(シュヴァルツェスマーケン)」
この作品は彼らシュヴァルツェスマーケンの戦いの軌跡を描いた物語です。

「トータル・イクリプス」における敵は、国ごとに多少のイザコザはありましたがあくまでBETAです。
そのため物語的には勧善懲悪モノとして分かり易い展開でした。
ところが、この作品では東ドイツ国内におけるレジスタンスが並行して進められる事から、敵はBETAだけではないんです。
BETAによる東ドイツ存亡の危機なのに派遣争い・・・つくづく人間の持つ業にへ辟易してしまいますが、現実においてもきっとこれが実態なのだと思います。

でもレジスタンスに至る思考には激しく納得です。現行の東ドイツではお互いがお互いを監視し密告する・・・例えそれが身内であってもです。
そして一度捕まったら激しい拷問・・・中には生きて帰れない人もいる・・・
これが常態化した世の中・・・生きることに対する充足感なんて得られないと思います。
只でさえBETAは目の前まで来ているというのに・・・

そして現体制とレジスタンスの狭間で揺れる人達に対しても焦点が当てられましたが・・・正直辛いの一言です。
疑われたのは、666中隊に転属してきたたった一人の肉親・・・
幼い頃、一家総出で西ドイツへの亡命を試んで失敗し両親は死亡・・・行方不明だった妹が目の前に現れてくれた・・・兄としてこれほど嬉しいことはありません。
妹も・・・大好きなお兄ちゃんの傍に居たかった・・・ただそれだけなのに・・・

亡命する時・・・妹の手を離さなければこんな事にはならなかったのに・・・
でも軍という組織の規律が許してくれなくて・・・
この悲しい事の顛末は是非本編でご確認下さい。
私は涙無しには見れませんでした^^;

そして物語の終盤で壊滅しかけたレジスタンスに最後の希望が舞い降りて・・・
物語にドライブがかかったように激しく動いていきます。

完走して思ったのは、登場人物の死に対して容赦が全く無い事・・・
「トータル・イクリプス」もそうでしたが、いなくなって欲しくないキャラの生命をあっさりと奪っていくんです・・・
先に書いた兄妹もそうでしたが・・・物語のラストで訪れた死は半端なく辛かったです。
どこまでも実直で仲間を信じ、自分を貫き通したその雄姿・・・堪りませんでした。

オープニングテーマは、fripSideさんの「white forces」
エンディングテーマは、Zahreさんの「哀しみが時代を駆ける」
fripSideさんらしさが出ているオープニングと、メロディアスなエンディング・・・どちらも甲乙付け難い格好良い曲でした。

1クール12話の作品でした。BETA侵攻を軸だと捉えると物語は半ばとなりますが、レジスタンスや666中隊の人間模様と捉えると、12話でしっかりと纏まっていたと思います。
「トータル・イクリプス」が2クールだったので、こちらも2クールを期待しましたが・・・
もし2クールだったら、ラストの展開に至るまでの道筋にあるたくさんのドラマについても描けたのではないか・・・と思ってしまいますが、こればっかりは仕方ないのでしょう。

次に続く・・・という意味では「トータル・イクリプス」も次に繋がる展開の前で終わっちゃいましたし・・・
このBETAとの戦いの結末は見る事ができるんでしょうか・・・^^;?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

63.6 6 ミリタリーでロボットなアニメランキング6位
スカイガールズ [TV版](TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (261)
1617人が棚に入れました
世界を襲った謎の機械細胞群「ワーム」により人類は人口の三分の一を失うものの、人類軍の最終破壊兵器により壊滅した。それから10年の年月が過ぎた。

桜野音羽、園宮可憐、一条瑛花の3人は神奈川県横須賀市追浜の基地に集められる。そこで目にしたものは今までの戦闘概念を根本から覆す新兵器、飛行外骨格「ソニックダイバー」であった。ワームとの戦いでの負傷によりパイロットを引退した冬后蒼哉中佐の下、ソニックダイバーパイロット候補生として3人の訓練の日々が始まる。しかし危機は迫っていた。10年の時を経てワームが復活したのである。桜野音羽、園宮可憐、一条瑛花の3人は、人類の未来と希望を乗せ、ソニックダイバーで大空を駆る。

dbman さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

冷たく重い鉛のような日々が あたたかさに消えてく

2007年の放映当時に視聴。

キャラクターデザインが“ストパン”こと『ストライクウィッチーズ』や『ガールズ&パンツァー』の島田フミカネとあって、とても可愛らしいキャラクターが多数登場。物語は謎の生命体「ワーム」を殲滅するというもので、凄惨な場面もあることから分類するならばエヴァンゲリオンに近い作品といえるかもしれない。

表題にある“スカイ”どおり空での戦闘がメインとなっており、外見はスク水のような装甲のパイロットスーツを身にまとって中空を自在に飛び回って戦うといったもの。そのスク水のような姿のままロボットに乗り込むのだが、その際自転車のサドルのような座席に立ちながら座る為、股間が食い込んでおり結構なエロさを感じてしまうこともしばしばある。いや、多々ある。

登場するキャラクターは、見た目の可愛らしさとは裏腹にエロい目で見てきた男を殴り飛ばしてしまうような強い一面もあったり、天然っぷりも愛らしい主人公・桜野音羽(声:川澄綾子)をはじめ、どの子も個性溢れる人物ばかり。主要人物たちの背景がそれぞれ事細かに設定されているためとても感情移入しやすかった。なかでも後から加入するエリーゼ(声:辻あゆみ)は、その生い立ちからして涙してしまう場面もちらほらあり、応援せずにはいられなかった。

メインの女の子たちだけでなく、縁の下の力持ちとばかりに彼女らを支える男共も皆いい味出しており、指揮官の冬后蒼哉(声:藤原啓治)は普段こそ軽い男だがやるときはやるという反則的な格好さを持っている。さらにメカニックを務める橘僚平(声:谷山紀章)は、その愛嬌あるキャラクターで物語を明るいものとしてくれるのでこの物語になくてはならない存在だ。そのほかのオッサンどもも愛すべきキャラが多すぎてとても綴りきれない。

どうしてもあらゆる面で類似しているストパンを比較してしまうが、大きく異なる点として、こちらは作画こそ可愛らしいものの萌えといった要素は少なく、あくまで戦いに殉ずる女の子たちなので物語の展開は王道を走っておりどなたでも観やすい印象。あまり比べるものでもないしそれぞれの作品に良いところ悪いところがあることも重々承知の上で、こちらのスカガに軍配を挙げたい。もちろんストパンも好きな作品ですよ。

ちなみにオープニングテーマ「Virgin's high!」はめちゃくちゃかっこよく歌詞も素敵で、10年以上たったいまでも聴いているほどに飽きることが無い秀逸な一曲となっています。(レビュー表題はこの曲の歌詞小節から)って、まったく同時期の2007年7月から放送していた『ドージンワーク』のエンディングテーマ「夢みる乙女」もいまだに聴いているほど大好きなんだけれど、もう10年以上経つのかいw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

oriba0311 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ストライクウィッチーズより面白いと思います。

 自分の中では女子空を飛ぶ、未知の敵と戦うところがストライクウィッチーズとどうしてもかぶり比較対象していまう作品です。こちらはロボットで戦いますが。以下特に記憶が残っていないので適当レビューになりますが書きます。
 まず、作画について。パンツがズボンなんてことはありません。パンツがズボンと言い張ることを苦手とする人は安心してください。むやみやたらに萌要素を入れてません。戦闘シーンについて他のロボットものに比べると見劣りするような気がします。そして敵を倒すシーンは若干見るの飽きていました。
 次に内容面について、初回の何話かは話自体に引き込まれませんでした。どういう内容だったかも思い出せないです。ただし、全体を見た後は、まとまりのある良い内容だったと思っています。その内容で面白く感じた部分を覚えている範囲でいうと、基本軍艦にのって敵と戦っていくんですが、軍艦に乗っているときの搭乗者との人間模様を面白く思いました。そしてその船の中で明らかに伏線とわかる伏線が張られています。結末はそういう落ちにしたのかと冷静に思える程度ですが、話の流れから一応見たというぐらいの満足感?みたいなものは得られます。
 個人的にはストライクウィッチーズとよりこちらのほうが面白いと思いますので勧めます。
 他のレビューにあったんですがキャラのデザイン?作画というのかな?を書いた人がストライクウィッチーズと同じ人らしいです。詳しく調べたわけではないので本当かわかりませんが、比較してしまうのはその面もあったかもしれません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

レッシー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「萌え」だけでなく

見所はまずやはり、可愛い女の子が空を飛んで戦う様子を楽しめるというところ。

ソニックダイバーの飛行・戦闘シーンはとてもカッコよく、キャラクターは可愛いです。
音葉たちソニックダイバー隊を支える男性陣にも魅力があるという点が特徴の一つでしょうか。

しかし本作がキャラクター有りきの「萌え」アニメに止まらないのは、ストーリーが普通に面白いから、各要素のバランスが良いからだと思います。

王道展開のストーリーは目的がハッキリしていて感情移入しやすく、一緒に「燃える」ことができます。

物語は基本的に一話完結で進み、ゆるーく見られる彼女らの日常パートと、シリアスな展開、バトルシーンによってメリハリがきいており視聴者を飽きさせることがないのです。

こうしたバランスの良さがあって、とても楽しく一気に視聴してしまいました。
僕の大好きな作品の一つです。


以下蛇足ですが、しばしば比較対象となる「ストライクウィッチーズ」とは微エロ要素の出し方が違います。
あちらは制作陣の執念が感じられるほどのあざとさで全面的に押してきます。
一方スカイガールズは物語のスパイス程度に止めているので、そういう点ではおススメしやすいかもしれません。

まあ僕はストライクウィッチーズも大好きだし、スカイガールズだって何だかんだ理由をつけて女の子を薄着一枚で空を飛ばせるわけですから十分狙っているんですけどね(笑)

ストライクウィッチーズの影に隠れがちなスカイガールズの魅力が少しでも伝われば幸いです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

55.6 7 ミリタリーでロボットなアニメランキング7位
白銀の意思 アルジェヴォルン(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (303)
1586人が棚に入れました
アランダス連合王国とインゲルミア諸国統合体。長きに渡る二国間の戦争は、アランダス建国以来の不抜の城塞、グレート・ウォールを挟んで膠着していた。
しかし、固く閉ざされていたはずの砦の門が音を立てて開かれ、戦況は大きく動き始める。

アランダス東方山地の隠し砦に駐屯する独立第八部隊。そこには初陣を控えた新兵、ススム・トキムネの姿があった。
命令に従い、サモンジ・ウキョウ中尉の指揮の下、本隊と合流すべく移動を始めた彼らは、民間人を襲撃するインゲルミア軍と遭遇する。
罠の可能性を顧みず先行したトキムネは、トレーラーに乗っていた技師、ジェイミー・ハザフォード、そして白銀のトレイルクリーガー・アルジェヴォルンと運命の出会いを果たす。

戦うことが当たり前となった世界の片隅で起きた出会い。この小さな偶然は、トキムネたち独立第八部隊の未来を変えると同時に、戦局に大きな影響を与えることになる――。

声優・キャラクター
逢坂良太、大西沙織、土田大、大原さやか、櫻井浩美、浜田賢二、手塚秀彰、赤﨑千夏、橋本ちなみ、愛美、櫻井孝宏、速水奨、葉山いくみ、松本忍、千葉進歩、吉野裕行、小林裕介、山本格、興津和幸、近藤孝行
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

運命という戦況に、白銀の意思は、如何に抗うか?

ミリタリーテイストが強めの単純ロボットバトル系とみせかけて
実は人間ドラマ重視で人物描写が巧み、メッセージ性も強く、
よく噛みしめるほど旨味が感じられる味わい深い作品。
(第1話で違和感でもなんでもいいからなんか気になる要素を
興味として見出せるか否かで本作に対する好き嫌いが分かれると推測)

オマージュに満ちているがそのオマージュが上手く生きており、
ロボット系作品を見尽くして、もうロボットバトルはお腹一杯
という印象を持っている自分にはかなりのストライク作品だったかも。
逆に言うとロボットバトルに期待する人には・・・

登場キャラのそれぞれの思い、政治的思惑、運命が
戦場という舞台装置の上で交錯する、多元重層ワールド。
夢、友情、裏切り、郷土愛、復讐、後悔、信念、命、生きがい
視聴する側の感受性次第でいろいろなテーマを見出せるのが本作の魅力。

航空戦力がないとか、主人公サイドの分が悪い戦況とか
いろいろな細かい設定が見事に嵌まっている印象を受けた。

少しヘタレな主人公と葛藤に溢れた物語が好きな人には結構お奨め。
{netabare} ヘタレ系主人公にある種の嫌悪感を感じるのも王道的設定のひとつ。{/netabare}

個人的には機動戦士ガンダムの正統な後継者の地位を与えたいくらいに完成度は高いと評価する。
(完成度が高い=一般的に楽しめる、ということでないのであしからず)

一般論で言うならば、見る前から偏見をもって作品に触れるのは望ましくないのだが
本作に限って言わせて貰うなら、本作の真の主人公はナンジョウという名の
テストパイロットであるかもしれないという仮説、
それを是非とも念頭において見て貰いたく願うものである。

☆以下は内容に更に踏み込んだ感想等々につき閲覧注意!
{netabare}印象的に描かれてた握手にはどんな意味があったのか考えてみた。
手と手を繋ぎ、人と人を繋ぎ、人の温かさや思いを繋ぐ。
人間関係と因果関係の繋がり、過去と現在と未来の繋がりがなかなか上手い
という印象を本作に持った故の邪推にすぎないが。

NRシンドロームそれ自体が厄介な病であるのだが、その影響を間接的に受けた
サモンジ隊長もNRシンドロームの最大にして最重度の被害者、感染者であるように思えた。
NRシンドロームというよりそれに基づくトラウマ体験。
それが彼の心に重くのしかかり、自虐的で破滅的な道を歩ませることになる。

頭脳明晰で元帥に成り得る器のエリート軍人であったサモンジウキョウは
型破りの軍人ナンジョウレイカとめぐりあい…考え方が360度引っくり返る。
180度はナンジョウレイカの情熱や思いに触れたことにより、
そこからの180度は実験の失敗と何も出来なかった自分への後悔の念により。

かくして彼は、軍律命令より部下の命を重んじ、自分の保身のために
平気で部下を見殺しにする上官はぶん殴るエリート街道から転落した男になり
その一方でトラウマ体験が、生来皮肉屋だった彼をよりいっそう皮肉屋にする。

しかし皮肉な運命は、皮肉な男が最も望まない形で廻り続け、めぐりめぐって
再びめぐりあう・・・
実験失敗に終わった機体の後継機と実験機のパイロットであった彼女の実の弟。

指揮官は重大な決断をしなければならない、部隊を全滅させないためにも。
新型機体アルジェボルンを有効に活用することは状況的に見てベストな選択
だったのだろう。
軍人として、部隊を預かる指揮官として・・・
指揮官は部下をコマのように扱うのだが、一人の人間として考えた時
その決断が誤りだったと彼には思えたのかもしれない。
上官に鉄拳制裁を加えたように自分自身にも制裁を加えるべきではないのか?
皮肉な運命も、自分のケジメつけろと彼を促しているようであった。
だからこそ、死にたがりの男を射殺するのは、まさに「慈悲」以外の何者でもなく
サモンジ同様に皮肉屋で切れ者であるカイエン准将の本質をついた言葉に
微笑で応えるサモンジの姿がとても印象的だった。
{/netabare}

☆本作の内容を理解する上で重要なのが設定
{netabare}恐らく製作者が描きたかったことは従来型のロボットバトルでも、リアルな戦争でもないのだろう。
はっきり言って主人公が搭乗する新型ロボが、戦闘シーンで活躍したことはほとんど印象にないというか
戦闘に勝利したシーンがほとんど描かれていない。
省略されたり、主人公の機体がいろいろと間に合わなくて、隊長が事前に仕掛けた爆弾を
強行爆破させる命令を下すシーンが何度かあったり。
機体が動かず中に閉じ込められてた主人公を民間人のヒロインが徒歩で救出に向かうとか・・・
敵の新型とライバル同士で激しいロボットアクション的対決が始まったかと思ったら
耳をつんざくような唸り声や奇声をお互いに発しているだけで、その状況を見守っている人が唖然としてる状況をただ描写してるとか・・・

結局これはどういうことなのかと言えば、確かに戦争の話なのだが
戦争は戦争でも負け戦に特化した物語ということがミソ。
第1話で軍事的重要拠点グレート・ウォールが陥落し、降伏しか選択肢が無いことが
早くも確定してしまったところが物語の始まりなのである。
だから今更新型の機体を手に入れその性能を存分に生かして局地戦に連勝したところで
戦争の大局にはほとんど影響がないのだ。
局地戦に何度勝っても、和平交渉の時期や条件がやや変わるくらいで
勝利をもぎ取ることができないという設定が確定している。

負け戦の撤退戦をいかに上手くこなし、いかに生き延びるかということがむしろメイン。
そしてもう一つ重要な要素は、将官たち率いる司令部は既に瓦解しているということ。
本作の終盤でカイエン准将の謀反により敵と通じていた和平派の将官は粛清されのだが
ある意味、第1話で既に司令部は有名無実となり、戦争を遂行する上では
何の役にも立たない存在になってしまっている。
司令部はグレート・ウォールを死守せよとの命令を下したのだが
この戦力差ではとても荒唐無稽で無茶苦茶な命令であり、
少しでも「センス」のある戦人ならばそれがどれ程無意味なことか言うに及ばず。
戦力を建て直し反撃の期を窺うために一時的に戦略的撤退すると称し
拠点は即時明け渡すのが妥当な考えであるはずなのだ。
勝ち目の無い戦争の局地戦で勝ち目の無い戦いを挑んで全滅ではただの無駄死に。
こういう特殊な状況下ではお偉いさんの命令を無視してでも、現場の判断で
臨機応変に戦術を駆使してなんとか生き延びる選択肢を選ぶ方が賢いはず。

例えば「死亡フラグ」を回避するためにも・・・{/netabare}

☆ロボット系作品と見せかけて単体のロボット戦はどうでもよかったりとか・・・
{netabare}戦術論についての一定の理解を暗黙の了解として視聴者に求めるとか・・・
思えばいろいろと敷居が高い作品なのかもしれない。
敵味方を問わず登場キャラが発する言葉をすべて聞き逃さず、何を言わんとしてるか
把握できないと現状と今後の展開が理解できないかもしれないという少し厄介な要素があるようにも思える。
もしかしたら第1話が一番理解するのが難しいと言えるかも。
重要拠点であるグレート・ウォールの攻防戦の不利な情勢に怖気づき尻尾を巻いて逃げていく
将官たちの姿から将来的敗戦が確定したことを読み取らなければならなかったり。
主人公の命令違反は問題にならないどころか、実は隊長も主人公と同じ結論を
出そうとしていた可能性を読み取らなければならなかったりとか。
主人公の命令違反よりもより深刻なのはイズミ大佐の命令違反の方なのだが
それが問題にならない理由も状況から読み取らなければならなかったりとか。
(イズミ大佐により「生きて不退の大門に戻れ」と全軍に送られた指示は
将官が「死守」せよ発した命令に明らかに違反する)
推理小説というわけでもないのに一々引っかかった発言などを覚えておかな
ければならないというある種の煩わしさが付きまとう。
イズミ大佐の命によりグレート・ウォール守備隊は速やかに降伏。
それにより敵方のインゲルミア軍は多勢に無勢の掃討作戦に移行するのが戦術の定石。
なのだが、そもそも守備本隊とは別行動の独立第8部隊の近くに掃討戦を行う敵主力がいるわけもなく
もし運悪く敵主力と遭遇したらあっという間に取り囲まれて一巻の終りなのは当然。
(それを熟知してるからこそ独立第8部隊は得意技の先手必勝で逃げまくっている「テキパキ!」と)
掃討戦というものは圧倒的に戦力的優勢の状況で行われるものなので
百歩譲って陽動作戦が必要?だとしてもわざわざ民間人に偽装する意味がない。
いずれにしても、掃討戦を展開してる大部隊が近くにいるのなら独立第8部隊の目利きの偵察が
事前に察知しているはずなので、副隊長と軍曹が話していたような非常に消極的慎重論は当てが
外れているとしか言いようがない。
あの状況を総合的に判断すると民間の車両が小部隊の敵に襲撃されているのは間違いなく。
自国の領土内で民間人が敵軍に襲撃されているのにも関わらず見捨てるとしたら軍律命令違反以前に
軍隊の存在意義すら否定することになり、部下を見殺しにして逃げた保身の将官と
同じことをやっているオチになるのだ。
迂闊に部隊を危険に晒すような真似はしないのは隊の方針だとしても、
民間人の生命を守るという話では少し事情が異なるはず。
その時、隊長が終始無言で最後まで迷っていたのは、民間人を救出した後の追っ手を
振り切れるかどうかの一点だけだったのかも。
そしてその命令違反のシーンで当の主人公が発していた言葉も押さえておく必要がある。
「わかってるよ、わかってるけど・・・」ついやっちまう性質(たち)らしく。
わかっているはずなのに「どうして俺はいつも・・・」と後悔の繰り返しなのだが、
それこそが未熟者の証という趣旨の描写シーンであろう。

その時の主人公の判断、意思決定自体は間違いではなかった。
直感的「センス」も悪いわけではなくむしろ良いのだが、どうせ命令違反、
いや意思を通したいならイズミ大佐のように「センス」のあるやり方を選んだ方が
「幸せになる」という趣旨の。
そういう意味合いで、先輩パイロットの色男は、撤退戦は「テキパキ」、
「戦場ではセンスが大事」、「幸せになるためのセンスを磨こう」
と未熟な後輩の主人公に助言していたようだ。

負け戦における撤退戦上手、処世術上手の猛者たちが集まる独立第8部隊が
航空戦力がない、ロボット兵器の(対装甲)火力の弱さという設定の中で
生き残るのは意外と簡単なことなのかもしれない。

訓練で2度死ぬも、本戦では死亡フラグを覆したのも、言わば色男の処世術のなせる業なのだろう。
逆に言うと訓練でいくら勝っても本戦で死んだら意味がないということを
主人公に叩き込むために行われたのがあの模擬戦の目的と言えよう。

もし「元帥」になれるなら、きっと色々なことを自分で意思決定し
色々なことを思いのままに変えられるのだろう。
軍政を改革し、腐敗を絶ち、第三国からの介入によって自国を食い物にされるような
惨めな事態も防げるはず。
「元帥」とはある意味勝ち組の象徴であるが、誰もが容易になれるものではない。
世の中の大多数の人は「元帥」にはなれず、意図しない不利な戦を強いられたり
第三者の介入を受け主導権が握れないような戦いを余儀なくされる。
思うようにならない戦況に翻弄され、消耗し、一進一退、時には撤退戦の連続・・・
時に途惑い、時に立ち止まり、戦いの意義を見失い、士気は落ちてゆく。
思うように攻められない形勢不利な戦いを毎日のように繰り返していくうちに
白銀の鎧はどんどん錆びつき、鉛のような重さだけが体に圧し掛かる。
それでも白銀の戦士たちの終り無き戦いは容赦なく続く。
この辛くて果てしない戦いを生き延びるために不可欠なことは死亡フラグを回避すること。

例えば「オープン回線」で仲間に呼びかけてみるとか。
どんな有能な戦士でもすべての問題を単独で解決するのは不可能なことなのだ。

有能な指揮官であるサモンジ隊長が最終的に「連絡将校」という過酷な役目を負わされたのも
恐らくは「オープン回線」を使いこなせるようにと考えたイズミ大佐の配慮であったのかもしれない。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

戦う兵士の“意思”を感じる骨太ロボアニメ(でもかなり惜しい

なんとも不思議なバランス感覚のアニメでした。
まず、空を飛ばないロボアニメっていまどき珍しい! と思いませんか?
ロボ開発できるのに航空機・戦闘機がないSFアニメってのも珍しい! と思いませんか?

ビーム系の武器はなしで、ミサイルとマシンガン、もしくは斧か剣で戦うスタイルなのがいい。
ガンダムのオルフェンズやクロムクロのロボもだけど、地味にロボにもくんずほぐれつしてほしいんですよね。

そんなわけで、意外にシリアス、見ていても兵士の生の声ぽさが伝わってくるアニメでした。
最近立て続けにいまどきガンダムを見ていたからか、妙に生ぬるいキャラクター像に慣れてて、
すごく新鮮に感じるところがありました。

ロボで戦うアニメだけど、あくまで搭乗者は人間でしょと。
なら見せる場面は人間ドラマでしょと。

まぁ、全部が全部ってわけではないのが惜しいところで、ご都合主義ぽく見えるんですが、
最後も少し拍子抜けしちゃうんですが、それでも十分に楽しませてくれたという意味で良作ですね。

簡単なあらすじを~

とある架空世界を舞台に、アランダスとインゲルミアの二大列強国による領土戦争が本格的な全面戦争に突入しようとしていた。
西欧史でいえばイギリスとフランス、フランスとドイツのような関係が近いかもしれない。
二国間の戦争の歴史は長く、休戦しては再び開戦しと、ほぼ常態化していたといってもいい。

この時代の兵器は人型ロボの開発が決め手になっており、最新鋭機をそろえるインゲルミアに
押し捲られて、アランダス王国は無茶な作戦による失敗もあり、敗色濃厚となってしまう。

遊軍的なあつかいの独立第八部隊に所属する新米パイロットの主人公トキムネは、
退避中に遭遇した開発中のロボに搭乗する機会を得て、インゲルミアに一矢報いる存在として
軍部から注目を集めるのだが…。

とりあえず、ロボアニメのお約束である、偶然すぎる偶然による最新ロボのゲットチャンス!
そして未熟なパイロットの主人公による暴走、敵国の腕のたつかっこいいパイロットの存在、
劣勢の中でも主人公のまわりだけ常勝軍団化するけど、これからというときになって訪れる
負の連鎖と究極の選択。と、ツボはおさえています。
というか、どれもかなり作りこまれているんで、見ごたえがあるといってもいいかもしれません。

たとえば主人公の未熟度について、これはもう序盤に見ていてイライラするほどわがままで、
正義感を使命と履き違えて命令を無視しまくりであり得ないレベルなんですが、
それでも4話、5話と進むにしたがって影をひそめてこなれていきます。

そんなわがままパイロットを支える仲間もいい感じで、モブだけどそれ以上の存在として
丁寧に繰り返し登場してはいい発言してくので、とってもバランスがよい感じ。

敵方のエースパイロットもちゃんとデキる風に描かれていて、主人公に対しても
『機体のおかげか』とか、まんまガンダムを彷彿させるセリフをビシビシ言ってくれて
これが存外に聞いていて気持ちいいw
あんたがあれに乗っていたら完勝できるのにねと慰めてあげたいくらいです。

個人的に評価が高かったポイントは、両国の軍指導部の姿勢と変化のわかりやすさですね。
中盤までは匂わす程度なんですが、若手主体による抗戦派と古老たち穏健派それぞれの思惑とでもいうか。

このあたりのイメージ付けをおろそかにしていると、戦うための闘うアニメになったり、
なぜ戦うのか意味不明にならず、ドラマの起伏をスムーズに見られるんですよね。

そして最後に肝心要のロボについて。
旧世代機が操作するロボなのに対して、主人公の最新鋭機は想像するだけでその通りに動くロボっていう
おそろしく発達しすぎたファラオのロボなんじゃね?てくらいスーパーエキセントリックな設定なんですが、
そんなもんどこがひっそり開発できるのよ?てのと、そんだけズルしてなんのハンデもないの?
といったあたりにもきちんとツケがまわってきます。
それは見てのお楽しみ。

ただ、その開発秘話として悲しい出来事が隠されており、後々、物語の中核をになって
くることだけはお伝えしておきます。

以下ネタバレで。
核心にふれることについても書いてるので、視聴前には読まない方が…。

{netabare}
戦場で戦う兵士たちのメンタルな部分を相当に描いてると思えるんですが、それでも
部隊の誰も死なない不自然さとか、命令違反しても文句ひとつ言わない上官の態度に
理由はあるのかもだけど見終えて納得いかないところもあります。

ラスト、あんたの身勝手、すべては自己満足だろう!みたいなセリフを主人公がいいますが、
お前が言うのか!! て感じでしたw

てか、サモンジもトキムネもなぜ無事でいられたのかよくわかりません。
姉のエピソードを見せられたら側とすれば、当然のように同じ結末が待ち受けていると考えるけど、
それぞれいたって健康に老後をすごせそうとかズルすぎます。
せめてカミーユみたいに車椅子生活にしてほしかった。
(敵パイロットのリヒトフォーヘンは発狂寸前まで追い込まれたまま終わってたけど、無事なのか?)

それと、最後までロボの起動に必要な承認作業にヒロインちゃんが必要だったけど、
本国もどったときになんで修復プログラムしなかったのか。
トキムネしか扱えない設定だったのに、簡単にシステムを乗っ取られてしまう最後の展開は
あれはやらない方がよかった思う。
(見せ場なシーンの演出としてはおもしろいけど、これまで見てきた物語が破綻するならしないほうがましかなとも)
{/netabare}

とまぁ、終盤になるほどご都合ぽいところも目に付きますが、まず見て損はない骨太ロボアニメでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

トトと申しますよ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

ここまで話題にならないとは…

 2013年がロボアニメにとって話題・物語・ネタの様々な方面で視聴者に香ばしい物を提供してきたのは事実明白。今後のロボアニメにおける方向性を示した年といえる。

 それだけにガルガンティア・ヴァルヴレイヴ・マジェスティックプリンスの放送はロボアニメにとってある意味重要性があったのかもしれない。
 実際、この3作はそれぞれの領域で作品をアピールし、他にはない要素で互いに競い合っていたように思える。
 

 ガルガンティアは話題を、ヴァルヴレイヴはネタを、マジェスティックプリンスは物語を。
 

 放送話数や時期は若干異なれど、ほぼ1年を通して我々に何かを語りかけていたように感じられる。

 しかし2013年がロボアニメにとって激動の年だったのか、今年は展開が地味である。いや、地味どころか下火とさえいえる。
 
 その一つが「アルジェヴォルン」だ。

 アルジェヴォルンは気候の変動で航空機が使用不可になった戦場で、主人公達の部隊が前線で敵と戦う物語である。戦場最中、主人公はヒロインが運搬していたアルジェヴォルンを駆動させ、そのままパイロットなって戦うのだ。
 前線で戦う兵士達を主人公として捉えたのは良い。軍人が主人公というのは面白みがある。

 ……と思ったが、アルジェヴォルンは2014年ロボアニメが如何に地味であるかを語ってしまっている。
 
 まず「話題になっていない」のだ。
 
 軍人が前線で戦うという要素である以上、いくらかリアルロボットの要素を受け継ぐのだが、主人公が乗るアルジェヴォルンは見た目からにしてスーパーロボットの意匠が感じられる。実際、1話ではそれこそ「ガンダム機動す」に代表されるようなシーンが見受けられた。思えばあれが盛り上げ所だったのだろうが、既視感のある展開で盛り上がることはなかった。
 1話の視聴後は感想を伝え合うスレを見たが、それ以降盛り上がっているかは不明である。

 また物語としても微妙だという点が挙げられる。

 戦争をテーマにし、軍人を取り扱った内容である以上はやはり戦争の悲惨さや人の死といった悲しみが物語に取り込まれやすいのだが、この作品ではそれが薄い。いや薄すぎるのである。
 出てくるロボットはライフルをまとも受けても大破することはなく、砲弾を直撃されても爆発はしない。戦車に豆鉄砲を浴びせているかのようだ。
 確かに実際の戦場では航空機のガトリング砲を受けたところで、戦車が怯むことはない。だがいくら何でも破壊効果が薄いのでは携帯する武器の必要性が疑われることは免れないだろう。
 主人公達は前線で戦ってはいるが、それにしても部隊のメンバーも脇役も死ぬことはない。戦場でヒロインの傍にいた歩兵が砲弾の直撃で死んだと思われるシーンがあったが、そんなことはなく爆風で吹き飛ばされただけに終わってしまった。大抵死ぬのは敵だけでそれも僅か。血腥いシーンは皆無に等しい。
 
 確かに実際の戦場では如何に味方を失わずに戦うか重要になる時もあるが、だからといって死の描写が薄いのは戦争ものとして如何なものだろうか。リアルだとしてもリアルさがない。ましてや戦争中だというのに。
 ガンダムの死に対する病的なまでの描写もなければ、カタルシスもない。一応、主人公には姉の死がついてくるがストーリーにあまり影響はない。
 他に感想を書いた視聴者の正直な感想を交えるが、はっきり言って戦争というよりもスポーツに近い感覚である。

 ネタとしてもはっきりいって特筆することもなければ挙げられる要素もない。むしろネタ要素はアルドノア・ゼロに注目すべきである。

 それとロボットの性能に関しても記しておきたい。今作に出てくるアルジェヴォルンは確かに最新の機体であるが、機動性・運動性ばかりが挙げられるだけで特殊性能はない。戦力を傾けるような能力はないのだ。
 リアルロボットでやるつもりがアルジェヴォルンは世界観を間違えたかとでも思う程のスーパーロボットな見た目。しかし作中では既存の兵器よりも性能が高いだけであって特化した性能はない。スーパーロボットとしても微妙である。

 他にも主人公が軍人なのにやたら反抗的で命令を無視したり、民間企業でまだデータが少ないとはいえ最新鋭機を易々と前線の兵士に譲渡するなど気になる点は多い。

 まだ放送中ではあるが、スタッフはスーパーロボットなのかリアルロボットなのか、一体どちらでやりたいのかわからない。どちらかを選んだとしても微妙なのは変わらないが。というかロボでやる必要性が少ない。戦車でもいいのでは思う。寧ろ、そちらの方がまだリアルだろう。

 筆者自身は「革命機ヴァルヴレイヴ」を2013年最大のショックアニメとして勝手に認定しているが、アルジェヴォルンはそれを超える様な要素が全くない。雲泥の差で敗北しているのだ。


 前半がそろそろ終わるという頃合いで書いた感想なので、後半になって面白い&話題になるとの情報があればその時は編集して再評価するが、もはや覆せない状況に陥っているのは言うまでもない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

71.8 8 ミリタリーでロボットなアニメランキング8位
フルメタル・パニック!Invisible Victory(IV)(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (280)
1311人が棚に入れました
相良宗介たち「ミスリル」に、敵「アマルガム」が逆襲!
今度は本気の闘いだ!!

敵<アマルガム>のガウルン、ゲイツといった強敵を倒し、いつもの平和な日常が戻った「陣代高校」。
しかし、そんな日々は長くは続かなかった・・・。
失態続きの<アマルガム>は、本気で相良宗介たちに襲いかかってくる。
世界各地の<ミスリル>の基地が強襲される!
テッサ率いるトゥアハー・デ・ダナンが格納されている「メリダ島」もたくさんのミサイル、アームスレイブによって攻撃される。
一方、日本の宗介、かなめにも魔の手が追っていた!!

再び、宗介、かなめ、テッサたちに試練が訪れる!!!

声優・キャラクター
関智一、ゆきのさつき、木村郁絵、森川智之、夏樹リオ、ゆかな、三木眞一郎、根谷美智子、大塚明夫、西村知道、浪川大輔、山路和弘、杉田智和、てらそままさき、井上麻里奈、内田彩、茅原実里、津田健次郎、玄田哲章、速水奨、山口勝平、遠藤大智、斉藤次郎、代永翼、櫻井トオル

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

俺はすべてを守る。君に属するすべての世界を護衛する!

この作品は「フルメタル・パニック」の4期に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

本作品の最大の特徴でもあると思うのですが…
これまでアニメーション制作は京都アニメーションでしたが、今回からXEBECに変わっています。
XEBECといえば、しーぽんの愛称が懐かしい「宇宙のステルヴィア」や「蒼穹のファフナー」が頭に浮かびますが、調べてみると「To LOVEる -とらぶる-」シリーズや、「這いよれ! ニャル子さん」などの作品も手掛けられているんですね。

京アニからアニメーション制作が変わる事を知り、少しビックリしましたがXEBECと聞いて安心しました。
XEBECといえば「蒼穹のファフナー」の様な半端ないクオリティのロボットバトルを輩出した会社です。
直近では「蒼穹のファフナーEXODUS」が放送されましたが、この作品のスタッフには子供の頃にファフナーを見て、自分もこの様なアニメを制作したい、という意志を持った人たちが参加していたそうです。
こういうモチベーションの高いスタッフが一緒だと心強いですよね。

一方、本作品の物語の方ですが…
これまで「アマルガム」というミスリルの敵の名を幾度となく聞いていました。
アマルガムの執拗な攻撃に相良宗助らは、何とか辛勝してきました。
ですが、今期のアマルガムは本気です。
本気でミスリルを潰しに襲ってくるのです。
彼らの本気…実はこの目にするまで皆目見当が付きませんでしたが、本作品で彼らの実力が明らかになります。

明らか…とは未だ言えないかもしれません。
アマルガムは底の見えない組織なんです。
だから、これが彼らの本気であることを証明する手立てがないんです。

しかもアマルガムはミスリルを同時多発的に襲ってきたんです。
個々の能力では拮抗するかもしれません。
でも最新式のアームスレイブを多数揃え、圧倒的火力の差を持って襲われては流石のミスリルも堪りません。

そして当然ですが、アマルガムの手は相良宗助…いえ、かなめにも迫っていたんです。
きっと状況はこれまで見てきた中で最悪と言っても過言ではないと思います。
そしてこの物語は、ミスリルにとって組織も心も瓦解した最低最悪の底辺から動いてきます。

今回はどのキャラを見ても心が痛みます。

成す術なく選択を強制・受諾させられた相良宗助。
これまで手を伸ばせば触れられる位置にいたはずなのに、一体どれだけの溝が開いてしまったのだろう…
でも再び歩き始めた矢先で彼を待っていたのは絶望…
襲い来る数々の痛み・苦しみを味わいながら、それでも宗介は顔を上げ叫びます。
だって…約束したから。

一番心細いのは、かなめかもしれません。
普通の高校生活を送りたいだけなのに、どうして自分の身の廻りでは騒ぎばかりが起きるんだろう…
でも、今度の騒ぎは普段の宗介のバカ騒ぎが可愛く思えるくらいに激しく、友達を容赦なく傷つけていくんです。
だからもう全部駄目かも…と思っていました。
けれど、物語ラストの叫びはズシンと胸に響きましたよ。
やっぱりかなめはそうじゃなくちゃ…

でも一番心を痛めたのはテッサで間違いないと思います。
自分の一声で人を生かしも殺しもするんです。
現在の状況を踏まえ、一番正しい選択が出来ていたのだろうか…
彼女の心にはこの問いがずっとついて回るのではないでしょうか。
いえ、今回の一件だけじゃありません。
自分が大佐としての言動全てについて回るんです。
その重みを受け止めるには…正直テッサは華奢すぎです。
更に寄りかかりたい人の消息は分からない…
組織としての自分、本心の欲求に対する自分…
きっと心はグチャグチャだったのではないでしょうか。

そういえば、今回新たに一人紹介したい人ができました。
宗介が立ち寄ったナムザクで知り合ったナミという女ん子です。
明るく聡明で…彼女もかなめやテッサに負けず劣らず良い娘なんですよ。
暗い話ばかりが続く中、彼女はオアシスの様な存在だったと思います。

混沌は留まる事を知りません。
そして一旦は停止を余儀なくされましたが、これで終わるミスリルではありません。
これまでも圧倒的不利な状況の中から、僅かな勝利条件を掴んできました。
この戦いにおいてもその奇跡を信じています。

オープニングテーマは、山田タマルさんの「Even...if」
エンディングテーマは、山田タマルさんの「yes」茅原実里さんの「Remained dream」
何このオープニング…ムッチャ痺れるんですけどっ!
って、エンディングも…!
どちらも大好きで通勤電車でリピートしながら聞いている曲です。
特に好きなのはオープニングです。
今期のアニソンBEST10の上位にどれだけ食い込んでくるかが楽しみです。

1クール12話の物語でした。
作画は、ロボットのクオリティーが素晴らしいです。
キャラデザは京アニとの違いは感じましたが、違和感は無かったと思います。
まさか…これで終わりじゃありませんよね。
原作は完結しているようなので、最後まで描ける条件は整っていると思います。

以前、とても悲しい思いをした経験があるので、なにとぞ続編…からの劇場版という改悪パターンだけは無い様にお願いします。
これはそうしちゃいけない作品だと思いますので…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この愛に壮大な名前をつけよう

序盤 あぁ

中盤 うーん

終盤 うーーーーんんんん

四期です。お察しの通りInvisible Victoryの頭文字をローマ数字のⅣと見立てています。
三期の続きなのでだいぶ暗いです。四期もシリアスメインとなってきます。コメディシーンはやはり少ないです。個人的には嬉しいんですがね?

時代というものは無慈悲にすぎるもので、三期放送から13年の月日が立ちました。流行りや一般受けが変わる中で、作風が変わるのはとてもどうしようもないことなのでしょうが、個人的にあの作風が好きだったので残念です。

序盤から攻めてきます。恋愛系から始まるのですが、いきなりシリアスシーンになったり戦闘になったりと忙しいです。そしてあいも変わらず血は跳ね首が飛ぶので苦手な方はご控えを。まぁ三期を見れるくらいなら余裕でしょうが。
やはり前に三期あったとはいえ13年のときが経っているので、覚えているか正直微妙でしたが視聴し始めれば徐々に思い出してくるので安心してください。しかし、導入が雑だったのは些か見過ごせませんが。
中盤は新キャラがメインになってきます。主人公はソウスケのままなのですが、時間的にも空間的にも間ができるのでちょっと最初は驚きます。しかし、そこはフルメタ。もちまえの「なんやかんや」と「非情」を使い切り抜けます!
おおとここで終盤に差し掛かる!止まる様子はまったくなく、ゴールもどんな形かわからない。この状況で不安にならない視聴者はいるのでしょうか。{netabare}実際ものすごく中途半端で終わりましたからね。続きはあるのでしょうかね。また13年待つのは厳しいですよ。{/netabare}
物語の全体的な印象としては悪くないです。なんやかんや言ってもフルメタは四期まで続いているだけあってちゃんと物語としては成り立っています。無駄なシーンもあることにはありましたが、それが無ければ納得するかと言われれば微妙なとこです。要はフルメタが好きならば問題ない、ということです。個人的にはセカンドが一番好きですが、本作が一番好きという視聴者がいてもおかしくは無いと思います。そういう感じです((

{netabare}あと個人的な読みではソウスケが「愛」を知るのに時間がかかったり、何かしらのアクションがあると思ったんですが、案外あっさり愛を伝えてますね。私が見逃しただけなのかな。だとしたら結構重要なとこ見落としてますね。世界を巻き込んだ恋愛なのですから、一括いに愛の力と表現するのはなんか癪です。かと言ってなんと表現すればいいのか。やはり愛なのか…できれば下限も知ってほしいところです。発送としては良いのですがね?
あとナミの声優さんは茅原実里さんだそうです。茅原さん救われない役多くない?気のせい?いつも死んでるか救われないイメージしかないんだけど。気のせいかな(汗){/netabare}

先程も行ったとおり制作会社がかわり作風がガラリと変わっています。一期と二期ではもちろん差はあったにしろ大きな変化ではありませんでした。しかしこの三期と四期の間には深すぎる溝ができてしまいました。主人公たちや生徒たちはもちろん、ロボットや車などが大分変わり果てていました。人はキャラデザの変更を疑うくらいには違いましたね。見た目から元気いっぱいだったあの少女が今では恋するうら若き乙女に。まぁ言動とかが女々しくなったのも原因でしょうが。個人的にはやはり昔のほうが好き。
ロボットは3DCGをつかっていました。モーションは丁寧でしたが、ちょっと陳腐な感じはしました。対象年齢が低めのアニメにでてきそうなやつ(伝わってほしい)。まぁ大の大人がロボット変形に対し「その稼働はおかしい」と批判する業界もありますからね(そっと宇宙世紀から目をそらす)。ほ、本当にガンダムは面白いですよ?(必死のフォロー)
あと恭子ちゃん扇情的になった?ちょっと気に食わないんだけど。前の元気で天真爛漫な恭子ちゃんに戻してよ!(過激派)びっくりしたね。一瞬誰かわかんなかったもん。

監督は中山勝一さん。planetarianのシリーズディレクターをされた方ですね
原作・シリーズ構成・脚本は賀東招二さん。
キャラデザは堀内修さん。不動
劇判は佐橋俊彦さん。不
アニメ制作はXEBECさん。ファフナーやニャル子などを制作したところですね

opは山田タマルさん作詞曲歌唱、山本陽介さん編曲の「Even...if」
edも山田タマルさん作詞曲歌唱、山本陽介さん編曲の「yes」
ちなみに個人的に好きなのが8話ED畑亜貴さん作詞、菊田大介さん作編曲、茅原実里さん歌唱のゴールデンコンビの「Remained dream」が大好きです
声優さんはよく、主人公の関さんが初期とは大違いの演技力でした。いや初期も味があってよかったんですけどね

総合評価 受け入れられない人もいると思う

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

今回のフルメタは死者・怪我人続出の本気戦闘モード!

本シリーズに関しては、サブヒロインのテッサ隊長が可愛いだけの、温(ぬる)くて展開の散漫な「なんちゃってロボット&学園ラブコメ」アニメとばかり思っていて、この新作の視聴前はほとんど期待していなかっただけに、第1話から・・・ちょービックリ!!!!
前作まで(1~3期+OVAの計50話)は、長~い前座だった!?

何か見続けているうちに、主人公=宗介君が『装甲騎兵ボトムズ』のキリコ君に見えてきた!
これは、《リアル志向ロボット&軍事アニメ》の思わぬ拾い物でした。

チンタラしてなかなか話の進まなかった前作までを余り確り見ていない私が、この新作はこれだけ楽しめたということは、コレ単独で新規に見始めてもいい作品なのかも?
というか、私の場合、この新作を見終えて、初めて前作の方をじっくり再視聴してみたくなりました。
原作の方は、さらにこの後シリアスな展開が続くそうなので、何とか最後までアニメ化して欲しいところです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      賀東招二(『富士見ファンタジア文庫』1998-2011年刊)
監督         中山勝一
シリーズ構成・脚本  賀東招二
キャラクターデザイン 堀内修
メカニックデザイン  海老川兼武、渭原敏明
音楽         佐橋俊彦
アニメーション制作  XEBEC{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

======== フルメタル・パニック! Invisible Vicrory (2018年4-7月) ========
{netabare}
第1話 ゼロアワー ★ テロ組織「アマルガム」の本気宣言(レナード)、普通の学園生活の終り、世界各地のミスリル基地への大攻勢開始
第2話 損害制御 ★★ メリダ島基地への敵襲、宗介&かなめへの襲撃、スペック伍長懲戒(テッサ大佐)、かなめ動揺
第3話 BIG ONE PERCENT ★★ ベヘモス迎撃(スペック戦死、キャステロ中尉戦死)、Mr.クラマの卑劣な罠(人質・常盤恭子)、宗介とかなめの約束
第4話 オン・マイ・オウン ★★ 学園の戦闘(人質解放、レナード来襲・かなめ投降)、メリダ基地放棄・テッサ隊脱出、宗介の決意{/netabare}

 - - - - - - - - - - - シナリオの切れ目 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第5話 WELCOME TO THE JUNGLE ★ 東南アジア・ナムサク市編(AS闘技場(アレーヌ)、ナミ&レモンとの出遭い、参戦)
第6話 腐敗のまどろみ ☆ 続き(地元警察署長の接触、宗介の目的)
第7話 ジャイアント・キリング ★ 続き(闇バトル(ロートル機サベージvs.最新鋭機M9)、再びクラマの卑劣な罠(人質・ナミ))
第8話 ワン・マン・フォース ★★ 続き(ナミ死亡、宗介の復讐戦、クラマ戦死・宗介重症、かなめの行方) ※ED「Remained dream」{/netabare}

 - - - - - - - - - - - シナリオの切れ目 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第9話 堕ちた魔女 ★★ 旧アーバレストAI(アル)の機能回復、テッサ大佐サンフランシスコにて発見、アマルガムの尻尾あぶりだし作戦
第10話 前へ、前へ ★ レモン隠れ家への襲撃、囚われのかなめ、フロリダ軍事キャンプ(宗介回復)、カリーニン少佐の裏切り
第11話 ストーミー・ナイト ★★ メキシコ・レナード隠れ家強襲、かなめ奪還作戦(クルツ&メリッサ合流)、レナードの待ち伏せ
第12話 メイク・マイ・デイ ★★ かなめ奪還失敗、新機レーバティン無双(AIアル&宗介のコンビ復活)、かなめからの連絡・約束、テッサとの再会・宗介&アル原隊復帰{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)7、★(良回)4、☆(並回)1、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.3

OP 「Even...if」
ED 「yes」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

58.4 9 ミリタリーでロボットなアニメランキング9位
イノセント・ヴィーナス -INNOCENT VENUS(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (74)
431人が棚に入れました
西暦2010年。 地球規模で同時多発的に発生したハイパーハリケーンは、世界各国に甚大な被害をもたらした。 80億まで膨らんだ人口は一気に50億が失われ、30億まで減少。 経済・軍事のバランスが崩壊した。日本政府は経済特区を各地に作り、限定的な復興を成し遂げた。 かねてより開発されていたパワードアシスト技術が復興に大いに貢献することになる。しかし、特区以外の地域は貧困が拡がり、スラム化が進んでいく。 支配階級は自らを「ロゴス」と名乗り、パワードアシスト技術を軍事に転用。貧困層を「レヴィナス」と呼び、壁の外へ締め出した。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

”イノセンス”を汚すのは

2006年7月放送開始のオリジナルTVアニメ。全12話。

川越淳さんが監督を務めた、現在のところ唯一のオリジナルアニメーションです。
ずいぶん昔にどこかで3話位まで見てなんとなく中断してしまった記憶が…。
今見ると、単純な面白さよりも良かった、好きだなって感情の方が先に来る作品。


【あらすじ】
舞台は西暦2035年。
2010年に起きた天変地異により、地球の地理も国家も大きく様変わりした世界。
日本の特区に住まう支配層「ロゴス」の特殊部隊〈ファントム〉を脱走した葛城丈と鶴沢仁は「ヴィーナス」と呼ばれる少女・登戸沙那を〈ファントム〉から守りながら逃亡生活を送っていた。
心に虚無しか持たない丈、純真無垢で謎多き沙那、二人を強く牽引する仁。
軍とレジスタンスの戦い、重装甲兵器・グラディエーターの秘密、沙那の謎、三人の関係の変化を描く物語。


ジャンルとしては近未来SFロボットものであり、体制と反体制の抗争劇もあり。キャラクターデザインもデフォルメ弱めで、バイオレンス・グロも強め。
古い言い方をすれば「リアル系ロボットアニメ」。その中心に主人公達の人間ドラマを置いています。
監督としては好きなように見て何を感じて考えてもらっても良いですよ、ってスタンスみたいですね。


【物語】
{netabare}本筋が王道でわかりやすいのは美点。
世界観が頭に入ればあとは割とストレートな展開なので、キャラクターに感情移入しながら楽しめます。
何気にOP映像で展開(人間関係)を読み取れるようになってるんですよ…。キャラクターばかりのOPって個人的に良いイメージがないけど、これは凄いですね。(脚本家曰く「必要な要素がOPのタイトルバックに全て描かれている」)

ロボットものとしてはグラディエーターの設定が物語にしっかりと絡んでいるのが好き。個人的には作品テーマにもしっかりリンクしていると思います。

倫理観の線引きが明確なのも良いですね。
この世界がどんな倫理観で成り立っていて、それをどんな風に表現するかが一貫しています。
敵にも味方にもそれぞれの倫理観や考え方を持つキャラがいるので、その点で現実味を感じられます。キャラクターの役割と立ち回りが明確なので、行動原理も伝わりやすいんですよね。
{/netabare}

【映像面】
{netabare}格闘戦のコンテが丁寧なので、アクションも地に足が着いた印象になっています。加えてパワードアシストスーツがあるため多少派手な白兵戦を描いても現実感を損なわないし、第1話のスーツの機能の描写も良かった。
ロボットアクションについては、モデリングには時代なりのぎこちなさはあるのですが、動きや重量感・質感は回が進むごとに良くなっていきました。

ミリタリーの描写も良い。
特に第1話、仁の拳銃の描写や劇場での三人のシーン、映画的演出を意図したというだけあってとても丁寧でわかりやすいです。
第1話は最も情報の詰め込み方が上手い回と言っていいかもしれない。初回で世界観ほぼ説明できてるのは凄いですね。
たまに妙に外連味のあるデザインがあるのはご愛敬。

ドラマパートについても、時に実写的な見せ方をする絵コンテと、それを活かす質の高い作画が最初から最後まで嵌まっていました。コンテ演出の意図をしっかり汲んでいます。(助監督の河村智之さん、本作と鋼鉄神ジーグで助監督されてから、色々お仕事して最近だとラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の監督やってる…。すごいな…)
感情表現のための間がしっかり取られているのも情感があって好き。
キャラデザの長町英樹さん、生き生きした素晴らしい作画をされてますね。(この後NARUTOやMAGI、アイマスへ。こっちもすごいな…)
ピアノの連弾の作画は作曲者の演奏を録画して作画に起こしているとのこと。手描きは大変だったと思いますが、凄く良かった!{/netabare}

【音響関係】
{netabare}視聴前は沙那の名塚佳織さんが楽しみで、想像通りに良かったです。
丈の声の変化、だんだん感情が声に出てくる微妙な演技が好き。
音楽も素晴らしいですね。連弾のピアノ曲などの楽器演奏も良いですし、エレクトリック系の曲の異質感も好きです。サントラCD買いましたがとても聴きごたえがあって、作曲石川智久さんの入れ込み具合も熱い。{/netabare}


【勿体なかった点】
{netabare}沙那はもっと能動的に活躍しても良かったかも。
前半は仁が牽引役なので、丈と沙那はどうしても受動的になってしまう…。ただ、後述しますが無力だからこそ出来ることがあったのだとも感じます。

セリフに頼らない丁寧な描写をされている分、視聴者側の知識や注意力が要求されます。伏線も張られていますがもう少しわかりやすい演出でも良かったかも。
当時WOWOWでの放送だったこともあり、知る人ぞ知るレアアニメになってしまったのが心底勿体ない…!!

たまにBGMの使い方の細切れ感があって、これは好みの問題だとも思います。
ピアノの連弾のシーンなどはしっかり長く聞けて、曲の良さも活きているのは凄く良かった。{/netabare}


【主人公三人の関係性と”イノセンス”を汚すもの】
{netabare}三人の関係性をしっかり描いて消化しきったのが素晴らしかったと思います。

沙那の扱いを通して丈と仁の人間性が対比されているのが上手い。
人間性を失わなければ戦えない兵器を空虚だから扱える丈と、父の失脚によって生まれながらに持っていた人間性の土台を失った仁の姿には、真逆の答えがあったなと。

仁は第8話で沙那と丈を裏切ったことで後戻りできなくなるわけですが、それまでに変われたかもしれないポイントがいくつかあったんじゃないかな…。仁の過去を知ってしまうと、仁は誰も信用しないし、自分の欲望を捨てることも出来ないとも感じますが。
仁の動機が矮小で残念だという感想はたまに見かけますけど、私はこういう自分の存在意義を掴むために足掻くキャラクターが好き。他の理由だったら好きになっていなかったと思いますね。
周囲の動きを見てると、可能性は僅かながら残っていたのかなと私は思っていました。虎二や千倉が仁に沙那を任せたこともそうですし、特に丈が沙那にピアノを弾かせるのを止めようとするシーンは顕著ですね(もっともあのシーンの演出意図は、仁が自分のやり方を変えない頑なさだとは思いますが)。何をされてもどんな感情を向けられても、仁は変われない所まで来てしまっていた。
仁は無条件に自分を信頼していた丈と沙那を手酷く裏切ったあの時に、自分自身を汚しきったのだろうなと。

仁が二人を利用していたとしても、その関係は仁と沙那にとっては本物だったし、それが彼らの心の強さの土台になったのかも知れないとも感じました。
丈と沙那が裏切られて傷ついても仁を恨まなかったのは彼らの純粋さの証だと思いますし、二人が仁を恨むような精神性であればセブンチルドレンが心を開くこともなかったでしょう。

他者を信じることは、時として相手への過度で間違った期待であったりする。でも丈と沙那は裏切られても仁を責めず、自分の心と使命に従った。二人はある面では最後まで仁を信じ、仁を信じた自分の心を偽らなかった…自身の純粋さを自分自身で汚すことをしなかったのだと感じています。

丈役の野島健児さん、インタビューで「丈の心は虚無」だと監督から言われたそうで(大変な役だ…)。
そんな丈の空虚な心に流れ込んだものが深い悲しみと恐怖でも、それは丈が知らない感情のひとつで、丈にとって新しい発見ではあったのですよね。
セブンチルドレンの沙那への想いが、丈の心に生まれた感情とシンクロしていくのがすごく良かったと思う。
他人の感情でしか泣かなかった丈が、最後に仁のために泣いたのは丈自身の心の動きです。その空虚でなくなった心を抱えて、自分の意思で旅立って行くラストもすごく良かった。
丈の過去を気にする人もいますけど、私は過去が描かれなかったということは「何も無い」し「何も持っていない」し、「何も無いことにこそ意味がある」ということなのだと思っています。

沙那は無力で無知で純粋な少女です。
純粋さは時として愚かですが、悲しみが憎しみに変わりかけたセブンチルドレンの心を癒せるのは彼女だけでした。それはヴィーナスである沙那が、仁に裏切られた悲しみを憎しみに変えずにいられたからです。
沙那の心を支えたのもまた、丈の純粋さと愚かさであったと思います。
沙那もラストでは新しい一歩を踏み出し、丈を送り出す強さを手に入れている。再会が楽しみになるような爽やかさもすごく良かったです。
あのラストめっちゃ優しくて微笑ましくて好き。


おまけで、ごらのことも少し。
ごらはトラブルメーカーで、シリーズ構成がごらをもう少し上手く動かせれば良かった、と反省点として挙げているキャラクターです。
結果的には、レヴィナスの一般人の感覚を視聴者に提示するのが一番重要な役割となりました。生き延びるために倫理観も優しさも捨てて、はらわたまで腐った人間のひとりなわけですね。
ただし、終盤で少し様子が変わっています。ごらは大怪我をした丈を心配したり沙那への恋心を見せたりする。
私は彼を「人は純粋さを取り戻すことも出来る」と感じさせられるキャラクターだと思っています。人は自分で自分の心を汚していくけれども、良い出会いや自分自身の決断で純粋さを獲得していくこともある。
この世界にも少しは明るい未来を期待しても良いのではないかと感じられて、ごらはこれで良かったのだと思います。{/netabare}


【第1話「奈落」だけちょっと詳しく】
{netabare}劇場の内部に裸婦像とか鳥かごとか仮面とか示唆的なオブジェがあって、キャラクターの性質と合わせた演出だろうと思っていたら、やっぱり監督がコンテ切った時に意図したモンタージュとのこと。
沙那が助けたのがウシガエル。もっと可愛い生き物にするアニメもあるだろうけど、沙那の純粋さを示すにはあまり女子好みではない動物のほうが適していると思う。後に丈が、特区も貧民街も「同じ腐ったはらわたの匂い」と言っているし、見た目や住処が違っていても中身は変わらないということかなと思うんですよね。
放射性廃棄物や毒物が入っていたドラム缶が簡易的な橋をかけるのに使われてしまっていたりとか、この世界やばいなあっていうのをしっかり押し出してくる…。
地下壕変わりに沙那を避難させた舞台下の奈落。サブタイも「奈落」というのが、この先暗い展開になるのだろうと思わせる。
最終話でもまたここに戻ってくるのですが、モンタージュに使用されたものがどうなったか確かめるのも面白いですよ。{/netabare}


【余談】
{netabare}DVDに付いてる冊子に監督インタビューがあり「現時点での僕の代表作です」とあって、40年以上のキャリアの中で現在唯一のオリジナルアニメなんだよなあと遠い目になってしまった…。オリジナルも出来るとは思っていたけど、リアル系でもここまで突き詰めた作りができるとは失礼ながら思ってはいませんでした。作中の描写に少しでも説得力を持たせるために最初に特大の嘘を吐いておく手法も良い。
最近こういう素直で丁寧なロボットアニメ見てなかったので、なんだか心が洗われました(笑)。

公式サイトの監督インタビュー
http://www.innocent-v.com/special_interview.html

これによると準備期間が一年ちょっと位みたいなんだけど…。それでオリジナルアニメ作るとか、ハードワーク過ぎてどういうことなの…???(この前後数年は川越監督は休みなく働いているので…いや、多分暇が出来ればTVアンパンマンのお仕事が常に入るんだから途切れることは無いだろうな…)
それからミリタリー描写のバランス(アメリカの軍人さんからは褒めて貰えるような描写でも、私達一般人にとっては馴染まない)の難しさ等についても語られていたり。

川越監督はジャンルごとにストーリーの王道を掴むのが上手で、元々実写を志していただけあって演出の引き出しも多い。アニメ的な演出とそうでない演出を織り交ぜることもできる。アンパンマンシリーズとダイナミック作品を並行できるのは、ジャンルに求められる倫理観・リアリティの線引きを明確化して最後まで一貫できるから。
監督はいつも少しづつ新しいことを、普段通りにやり続けて、かつやり通している。スタッフとのコミュニケーションもきちんと取れる方のようですし、アニメ監督としては優秀な人だと思っています。職人的かと思えば独創的な部分も見せてくれたりしますしね。懇意のアニメプロデューサー南喜長さんの存在も大きいです。
ここ何年かの間にもコンスタントに新作を担当されているので、追いかけるのがすごく楽しいです。
{/netabare}
(2023.3.19)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

グリーン馨 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

面白くなりそうなアニメだった。

以前DVDのCMを見て気になっていたタイトルでした。WOWOWでやっていたので当時は放映している事にまったく気が付かなかったです。

前半まで良いテンポで進み、話も先が気になる感じで程良く情報が小出しにされるのでとても面白い!と思って見ていました。

ですが、ラストにかけて話にもたつきを感じました。
設定も世界観もとてもいいです。丈と仁と沙那のキャラクターもとても魅力的です。
CGでのロボットアクションもスピード感があってバトルも見やすい!

それだけにラストにかけて話をまとめきれなかった感じがあり残念に思いました。
構成が問題というよりは全体的に話数が足りなかった故に…という感じが。
前半が面白く期待値が高いだけに後半のぐだりが余計に目立ちます。

うーーーーーん、悪くはないけど…もう一度見たいとは思わないかな、という感じです。


{netabare}





話も悪くない。丈と仁の対比も面白いしキャラも立ってていい。
ただ綺麗にまとめきれなかった感じがして話の評価が微妙になる。

対比させるなら仁をとことん悪役にしてラスボスにしたほうが面白かったのでは、と思ってしまいます。仁が裏切ったシーンはそれまでの話の積み重ねがあっただけにとても衝撃的でしたし、面白い展開だと思います。

なのにラスト、なんであんな小悪党になってしまったんだ…という感じ。
ドレイクがラスボスだったとしても、あの仁の終わり方はちょっと雑な感じがします。

1クールだと仁が裏切るまでが長い気もする。でもあれだけの長さがあったから仁が裏切ったときのインパクトがあって面白い。じゃあ2クールにしたらっていうとあの話があと12話膨らんだところで…とも思ってしまう。

うーん…2クールだったらラストが違ってたのかな〜なんて。

過去がなかなか語られないのでやきもきしながらすごい期待して見るのです。
でもいざ過去がわかったときが薄い!!こんだけ焦らしてバラすんだからもっと派手に!!濃く!!やって欲しかったと思いました。

うーん…やっぱり2クールだったら…と思ってしまいます。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

タイトルなし

ファントムを脱走した葛城丈と鶴沢仁は
「ヴィーナス」と呼ばれる登戸沙那を連れ逃亡生活をしていた
一人の少女を巡り時代が大きく動こうとしていた


~感想~
各キャラはそれぞれの私欲でのみ行動しているところに
スケールの小ささを感じてしまう
丈は無口で仁を信頼し常に仁と共にいて
自分の意志で行動するタイプではなく最初はそれでもよかったが
後半もう少ししっかりしてほしかったかな

全体的にシリアスで世界観がはっきりしていない
1クールでは少し無理があったのでは?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
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