ロードムービーで熱いなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのロードムービーで熱いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月09日の時点で一番のロードムービーで熱いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.0 1 ロードムービーで熱いなアニメランキング1位
サムライチャンプルー 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2005年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (612)
3591人が棚に入れました
安芸へやってきた三人組。『昔、世話になった』という道場へ向かったジンだったが、昔日の面影今いずこ。そこは剣術ではなく、タギングに夢中になっている恩師の息子達のたまり場になっていた。一方ムゲンは、字が読めないことをフウに指摘され、一念発起!? 文字を習い始めるのだが……。

声優・キャラクター
中井和哉、川澄綾子、佐藤銀平
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

続き

ギャグ展開多めであった。ギャグとシリアスを交互に挟んでくるあたり、ほんとカオスだけど、こういうの好きだなー。
侍と冒険とヒップホップな感じが融合した、唯一無二と言ってもいい作品。特に、最終回の終わりでは、三人の冒険がまだまだ続くことを示唆する冒険ものとしては王道の展開。


以下はアマゾンプライムビデオより引用したあらすじとと感想。↓

{netabare}18話 文武両道
ムゲンたちは広島に着いた。ジンは昔世話になった道場に行ったが道場主はすでに他界し道場は荒れ放題。双子の息子たちは町のチーマーになりお互い反目しあっているのだった。ジンは二人に跡取りを決めるための勝負を提案する。勝負は二人が得意とするタギング(落書き)。最も危険な所に描いた方が勝ちとなり、二人は広島城の天守閣を目指す。

跡取り争いに加えてフウの取り合いも双子がしていると見せかけて実は連れているペットのほうというオチ。しかも、跡取り争いは字を覚えたばかりで喜びのあまり?天守閣に落書きしたムゲンの勝ち?で終わる。江戸と現代アートの融合したお話し。


19話 因果応報
一人、ムゲン・ジンの帰りを小屋で待つフウ。そこに駆け込んでくる女性、百合。キリスト教の信者で追われているという。百合を匿うフウだったが、追っ手に見つかり連れ去られてしまう。その頃、ムゲンとジンは街道でキリシタン狩りに遭遇。ムゲンがまた問題を起こしかけたその時、颯爽と馬で現れる一人の男。次々と手にした銃で役人たちを蹴散らしていく。「我が名はザビエル三世。あのフランシスコザビエルの孫デース!」

付け鼻やら色々してザビエルの孫になりきっていたただに日本人が悪事を働くお話し。悪事はすぐにばれますね。


20話 悲歌慷慨 其之壱
ある日、雨宿りで立ち寄った居酒屋で、盲目の女旅芸人沙羅と知り合いになるフウ達。意気投合した沙羅とフウ達は途中まで一緒に旅をする事に。久しぶりの美人に浮き立つムゲン、四人の旅は楽しく順調に進んでいく。が、四人の旅最後の夜、フウは沙羅から思いもよらない言葉を告げられ驚く。

沙羅は滅茶苦茶強い。作中最強じゃないかってくらい。続きが気になる展開。


21話 悲歌慷慨 其之弐
村はずれの吊橋が落ちた。村人と共に現場に着いたムゲンとフウはそこで傷ついた沙羅を発見する。ジンも沙羅と一緒に落ちたのだが消息はわからないという。あたりを必死に探すムゲンとフウだがジンは見つからない。そんな夜、意識の戻った沙羅は川原にムゲンを呼び出す。沙羅はムゲンとジンの命を狙う公儀が送った刺客だったのだ。刀を交える二人。沙羅は恐ろしく強い。ムゲンの剣はすべて見切られている。ムゲン万事休す!そしてジンは生きているのか?

沙羅は息子を人質に取られた状態のために戦いを強制されていたのだが、実は死んでいるということを悟り、力を抜き、ムゲンに切られてしまう。今までの話の中で一番切なくて、見ていて辛かった。


22話 怒髪衝天
山道を歩いていたムゲン達三人。ふと木の根元を見ると、松茸のようなキノコが生えている。一目散に駆け寄り、夢中で食べるムゲンとジン。フウが二人をたしなめている最中急に地面が割れ、三人は大きな穴の中に転落してしまう。あたりを見渡す三人。そこは、巨大な発掘現場で、平家の子孫というシゲと名乗るリーダーが率いる無数の人々が、平家の埋蔵金を探し出そうと日夜穴を掘り続けている場所だった。

ギャグ回。穴に落ちてびっくりして、居合わせた見知らぬ人の腕を切ってしまうけど、何気なくくっつけていて、そこから謎展開。どう考えても、周囲の人間は普通じゃない。三人も一緒に作業して埋蔵金探しするけど、食事がわさびだけということにも疑問を持ち始めていたところ、家系図を見つけ、よく見るとシゲが平家と何も関係ないことを発見し、フウはシゲが墓場から死者を復活させているところを目撃。無数の人々は実は死者だったのだ。EDでシゲがぬるっと登場し、ホラーな感じ。でも、笑えたので、個人的には、ギャグ。


23話 一球入魂
佐賀のとある村にたどり着いた3人は食い逃げで捕まってしまう。そこへ影丸という侍があらわれ、明日の野球の試合にでれば代金を払うと言い出す。実は黒船が村にやって来て開港を迫られ野球の試合で決着をつける事になったというのだ。話に乗った3人だが、野球が何かすら知らない。それどころかメンバーは影丸の他は老人や犬しかいない。はたして野球はベースボールに勝てるのか?!

これまた、ギャグ。アメリカ人と野球するお話し。僕の好きなのこぎり万蔵が出ている。分かりやすくバントの指示が出されているのに、フルスイングしかしない。さすが。試合は段々、白熱?していって怪我人続出。ピッチャーの影丸もなんか刺さって重症。ムゲンだけで野球するはめになるも、剛速球を当てまくり、なんとか勝利を収める。一体なんの勝負だよ。でも、日本の平和が守られたので、めでたし、めでたし。


24話 生死流転 其之壱
ついに長崎にたどり着く3人。目的の生月島はもう目の前だ。ひまわりの匂いのする侍に会ってしまえばこの旅は終わってしまう。別れが辛くなったフウはムゲンとジンに買い物を頼み、その間に船に乗ってしまう。置手紙だけ残して。生月島に渡ったフウは島民にひまわり侍の事を尋ねるが皆怯えて逃げていくばかり。途方にくれるフウに3つの影が迫る。ムゲンの命を付け狙う元薩摩藩の凶悪3兄弟である。フウ危うし!そしてひまわりの侍は何処に?

最終話に向けてシリアス展開に突入。ひまわりの匂いのする侍=父の所在に関する手掛かりを掴むが、聞き込みをしても、周囲の人間は良い顔をしない。むしろ、避けている。会えるのか気になるが、不穏な展開。首撥ねあり。


25話 生死流転 其之弐
フウはムゲンとジンを残し、ひとり生月島に渡った。だが、そこでムゲンにうらみをもつ、三兄弟の藤兵衛と馬之介に捕まってしまう。一方、ジンはムゲンを生月島に行かせるため、最強の刺客、刈屋景時を相手にひとり戦うことに。船に乗り、島に急ぐムゲン。だが、そこに三兄弟のひとりである伝鬼坊が現われて、彼に襲いかかってくるのだった。

バトルメイン。三兄弟はコザが出てきた回でムゲンに切られたせいで、人生を滅茶苦茶にされたと恨んでいる。これまた、続きが気になる。


26話 生死流転 其之参
フウを助けるために刀を捨て、馬之介に痛めつけられるムゲン。景時に太刀筋を読まれ、攻撃をかわされるジン。2人にとって、この旅最大の危機が訪れる。ムゲンとジンは、いかにしてこの危機を脱するのであろうか?そしてフウは旅の目的である「ヒマワリの侍」に出会うことができるのか? 旅の結末に訪れるムゲンとジンの勝負の決着は…?

逃がしてもらったフウは探していた父に会えたが、病床に臥しており、母を捨てたと感じていたことから、殴ろうと思っていたが、責めることができない。父も捨てたわけではないと分かるのだが、家族としては、やりきれない。再会も束の間で馬之介に父が殺されてしまう。心が痛い。ムゲンはまさかの車椅子に乗って動けないと思われた長男に撃たれ、重症。ジンは馬之介に切られたが、実は生きていて、最終奥義である自らを切らせるという相討ち覚悟の必殺技でフウを守り、馬之介を倒す。これにて、旅は終わりだが、ムゲンもジンもお互いに戦う気力を失くしたみたい。最後にフウから旅に出る前のコイントスについて出鱈目だったと種明かしされ、三人はそれぞれの道を進む。見終わると喪失感が少し。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ろーど・とぅー・すたーと。

最近何作か再視聴してますがこの作品サムライチャンプルーが1番いい意味での驚きがありました。
それも、物語、音楽、作画の3つの印象が上がるという想像を超えた変化っぷりでした。

そもそも好きだった作品の印象が更に上がった部分を何点か書いておこうと思います。

【音楽】
この作品を語るうえで時代劇×HIP-HOPというアレンジは外すことができないし、実際HIP-HOPベースのBGMが使われている部分が多いんだけど、意外とそれ以外の音楽が各話のテーマ音楽になっていると感じました。

特に作品後半ですが、実際視聴してみるといろんな音楽が効果的に使われているのが解ると思います。
中でも物語性が強い回では日本にルーツがある感じの音楽が使われていて、「普通の時代劇より時代劇らしい」といっても言い過ぎではないほどでした。

作品中盤のムゲンのルーツに纏わる話などでは、琉球を思わせる音楽と自然を描いた作画表現の良さとが相まって、言葉では言い表せないほどの哀しくて美しい‥それでいて力強い世界観が表現されていました。この回などは神回と口走ってしまいそうになるほどのクオリティーだったと思います。
それでいて全体を通しての統一感もあり、巧いなあと感心してしまいます。

1話目のスタイリッシュなイメージが印象に残りがちだけど、それは1話目としての役割、インパクト、あとテンポ感という意味合いが強く、実際は想像以上に江戸時代感がでていたと思います。


【作画】
1stシーズンのレビューでも書いたけど、よく考えられたキレッキレのアクションがこの作品の見所です。コマ送りしたくなるシーンが結構あります。
それに加え背景描写がかなりしっかり描かれている。回によっては「スゴい背景」と思うときもある。けど何より江戸時代の庶民の雰囲気や、自然がしっかり描かれているところが好印象でした。
最終話の作画は集大成といえるクオリティーでかなり見応えがありました。

正直キャラ絵は少なからずバラつきがあって所々不安定ではあるんだけど、全体を通してアベレージはでてるので、個人的にはマイナスポイントにはなりませんでした。

まだ視聴してない人に言えるのは、このアイコンから作画は想像しにくいと思うけど、実際は意外とオーソドックスな間口の広い作画ではないかということです。

【物語】
正直油断してました(笑)
思ってたよりかなり心掻き乱されました。
前半は勢いのあるストーリーに所々物語性の強い話を入れてくる感じ。
後半はその逆で、メインの物語性の強い話の合間にネタっぽい話を入れてくる感じでした。

おそらくサムライチャンプルーは、起承転結を描くタイプのアニメではありませんでした。
旅そのものや各エピソードが、そして苦楽を供にしたムゲン、ジン、ふうの3人が、それぞれの関係に少しずつ影響を与え合い、今まで持っていなかった感情が芽生えていくお話でした。
まあ、間違っても日常系には含まれないでしょうけど、「旅」という学校のような集団生活を経てそれぞれに欠けているモノを得たり、生きる上での強さを身につけたりする成長物語という印象を受けました。
エンディングは凄く気持ちのいい〆になってますが、
それはこの旅で辿り着いた場所が出発点だからではないかと思います。

詳しい描写は避けますが、
たぶん1人1人では辿り着けなかったであろう本当の意味の出発点。

その場所に辿り着く過程でかけがえのないモノを手にし、
そこから、自分の足で1歩踏み出していく。そういう印象のエンディング。

サムライチャンプルーはそういう物語でした。


【最後に‥】
読み返してみるとなんだか全肯定しすぎてる感もありますが、このアニメはお薦めしたい1本です。
よかったらご覧になってくださいませ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ひまわりはオランダが日本に持ち込んだ花

全26話のうち17話までを1期、
18話から26話を2期としている為
この2ndシーズンは18話からのお話。

音楽はHIPHOP中心。
監督は渡辺信一郎氏で、制作はスタジオマングローブ。
綿密に計算されたスタイリッシュなアクションが
テンポよく繰り広げられ、観ていてとても心地良い。

舞台は江戸末期で服装も和服ベースだけど、主人公たちは現代風な着こなし。
「ひまわりの匂いのする侍」を捜し求めている天涯孤独なフウと、
喧嘩早くてめっぽう強いが女には弱いらしいピアス男、ムゲン。
寡黙で冷静沈着、繊細そうな細身のメガネ侍、ジン。
この3人が、ひょんなことで知り合い、フウの人探し旅の用心棒として
旅をしてきて、ようやく壱岐へ辿り着いた。

相変わらず、見事なアクションは健在。
三人の時間を共にした分の絆も感じられ、
何かにつけ言い合いしていた初期が懐かしく感じられたりして。
こちらの2期は全体的にシリアスモードな展開が多かったように思う。

三人それぞれの秘密を打ち明ける焚き火のシーン以降、
24話から26話は映画を2本見たくらいの見応えがあった。
特にカメラワークが秀逸。
緊迫感漂う決闘シーンでの静と動。
水面に映る雲の流れや季節を過ぎてしまった一面のひまわり畑。
目を伏せたくなるような残酷さと、哀しみの中、
フウがようやく逢うことのできた「ひまわりの匂いのする侍」の正体とは・・

やがてすべてが片付いたあとの、メリハリの利いた真夏の空のような、
それぞれの選択が清々しい。いや、清々しすぎるでしょ。
{netabare}
あれだけ命を懸けて守ったフウに対しても、あっけなく、
良き相棒となるかもしれない仲間に、さらりと背を向ける。
まるで、さんざん遊んで満足した子どもが、「じゃあ、また明日な」
とでも言わんばかりの別れ方。
{/netabare}

でも、それがなんともカッコいい。カッコよすぎる。
ベタつくことなく、馴れ合うことなく、だけど確実に
出逢ったばかりの頃よりずっと信じ合えてる。
それがわかるから、納得できた。

なにげないセリフの中に、唸るような教えがあったり、
いろいろ感じ、気づかされ、想うことの多かった作品だった。
こんな素敵な作品に出逢えた事に、感謝です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 50

63.0 2 ロードムービーで熱いなアニメランキング2位
ローリング☆ガールズ(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (542)
2370人が棚に入れました
守られてばかりだった少女が一念発起、平和を守る旅に出る。

行く手に待つのは魔法使いか怪獣か、はたまた巨大ロボットか。

ご当地色をきわめつくした各地をめぐり、仲間とかさねる奮闘努力、汗と涙は報われるのか――。

どこまでいっても普通の子という宿命を背負い、それでもがんばる少女四人組が織りなす­新感覚・青春ロードムービー!


声優・キャラクター
小澤亜李、日高里菜、種田梨沙、花守ゆみり、中原麻衣、早見沙織、小西克幸

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

4人で旅した思い出はいつまでも色褪せない

ローリング☆ガールズ、はてさて一体何のアニメなのかと初めての方はお思いになるでしょう。
女の子4人がバイクで日本各地を旅する、簡単に言うとそんな話です。
主人公の4人、モブです↑
日本、おかしなことになっています↑
なんと他の作品だったらヒストグラムだったりシルエットだったりする"モブ"が主人公なんです。
でも実は火影の血を受け継ぐんでしょ?とかどうせ因果律が高まってたりするんでしょ?とか、そんなことは一切ありません、最後までモブです。
モブで主人公が務まるのか?と疑って当然だと思います。これはきっと恐らくアニメの分野では、「誰もやらなかったこと」でありつつ「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことなんだと思います。
声を大きくして言いますが、"モブ"が最後まで"モブ"であり、また"主人公"が最後まで"主人公"だったからこそ、私はこのアニメが大好きなんです!


主人公が特殊なら世界観も特殊です。
突如として日本に道州制が敷かれます、我が県こそが州都だと日本各地で争いが起きます、暴徒と化した都道府県民はついに東京・永田町に押し寄せ道州制に猛反発し始めます(=東京大決戦)。
東京大決戦から10年、10余りの道州から再び分割された旧都道府県がご当地色を強めながら内向きな発展を遂げた、そんな世界が舞台となります。
旧都道府県にはそれぞれ、国主と自警団が存在し、地域間の揉め事は主に自警団の団長(モサ)同士の戦いによって解決することが国の決まり(ツインタワー宣言)とされている、そんな現実的でありながらおとぎの国のような世界が舞台なんです。
例えば大阪であれば、たこ焼き店が百軒くらいずらっと道の両脇に並んでいるみたいな、47都道府県の設定とそこに住まうモサ140人弱の設定を三年間かけて考証し、世界を築き上げていったそうです。
私の出身は岐阜県ですが、岐阜は関ヶ原の戦いの舞台になったということで、県民(正しくは岐阜国のため国民)が甲冑に身を包み東軍西軍に分かれてドンチャン騒ぎをしているようです。
行き過ぎたご当地性、うんうんそうかも!と思えるようなものからこれはどうなの?と思うようなものまで、非常に楽しい"日本"という場所がこの作品には描かれているのです。

アニメでは全12話、大方は2話構成で主人公たちの住まう所沢から始まり、東京、愛知・三重、京都、岡山、広島という順に旅をしていきます。
実は他にも箱根だったり富士山だったり大阪だったり旅をしているのですが、その辺は漫画・小説の方で少し詳しく出てきます。
本来なら地域ごとに気が済むまでお話したいですが、ここでは割愛させていただきます。
所沢だったらバトル、愛知・三重だったらレーシング、京都だったらバンド、とにかくその土地で色々なことをしますが、それぞれバトルアニメ、レーシングアニメ、バンドアニメとして単体で見ても、それらを専門の題材としているアニメと比べて引けを取らない力の入れ込みようなんです!
これがすごい!
やれ総集編だの特番だのと万策の尽きるアニメが多い中で最後までハイクオリティで放送したこの作品の素晴らしさよ!
勿論、最終回付近の作画はちょっとぎこちない印象も受けますが、そこは大幅リテイクされてBD・DVDに収録されています。
設定資料集が今月発売されまして読んでみたところ、作画指導なる項目があったのですが、「常におしりを突き出して立ってたり、いつでもS字立ちしてたり、常に内股でなくても、かわいい女の子は描けると思います」「セックスアピール強い女の子より、とんでもない世界でアホみたいに生き生きとした女の子が見たいです」とこのように書かれていまして、全くその通りだと感動いたしました。
この媚びてなさ、これこそがローリング☆ガールズの最大の魅力なんじゃないかと私は思います。

モブ主人公の4人も非常に魅力的なんですが、なんといってモサのキャラクターの個性的なこと!
それぞれの地域でモサが居て、それぞれのストーリーで主役を食わんばかりに活躍します。
例えば、東村山の雇われ総長、武器使いの女帝・執行久仁子様は、その昔正義の味方を目指していたのがいつの間にか悪役になったというキャラで、所沢のリーダー、所沢の平和を守る正体不明の仮面戦士・マッチャグリーンと決死の戦いを経て互いを認め合い最後は共に国の平和を守るため共闘するというように一アニメの主役を張れる逸材がわんさかといます。
さらにいうとモサにしてもモブにしてもキャラクターの練られ具合が物凄いんです!
例えば、京都の古寺名刹の保安を担う舞子どすどす団長・豆千代さんと豆千代さんを指導する菊志乃さんの関係。
劇中では菊志乃さんのことを豆千代さんは「おかあさん」と呼ぶんですけど、これはお母さんではなくて女将さんの意味。
豆千代さんは有名な芸姑の忘れ形見で、その人に菊志之さんが頼まれて面倒を見ているというような、まぁなんとも複雑な設定が公式であるんです。
そんな細かな設定まで成されているんです、たかだた2話で出番が終わってしまうキャラクターに。
そんな強い拘りを節々に感じられるアニメは数少ないです、貴重です。
結局主人公達の名前すら出さないのは流石に不味いので一応言っておきますと、森友望未、小坂結季奈、響逢衣、御園千綾です。
今まで散々モブモブ言って来ましたが、この4人、私は本当に大好きです。
それはそれは言い尽くせないほどの魅力に満ち満ちていて、もうなんて言ったら良いのやらです。
"転がって落ちて這い回る少女達、他の誰かのため、自分達自身のために、たとえモブだという運命だとしても"
よ~く見てみると小さくタイトルロゴの下に書いてある英語、実はこんなことが書かれているんですね。
このモブの少女達がモブなりにほんのちょっと活躍するわけなんですが、それが結果的にストーリーをバッドエンドからグッドエンドに導いているんです。
彼女たちが居たことによって・・・最終的に解決するのはモサですが、彼女たちが居たことによってストーリーが成り立っているのです!
モブすごい!

声優は小澤亜李さん、日高里菜さん、種田梨沙さん、花守ゆみりさんがメインです。
放送当時・放送後含めて、ローリング☆ガールズはイベントを大量にやっていたことも印象強くって。
ロリガツアーズという劇場での先行上映会が5回、旅の寄り道というスタッフも呼んでの一挙上映会が2回、それからAnimeJapanのブースイベント、ぽにきゃん主催のP's Live、マチアソビのトークイベント、BD・DVD発売記念お渡し会、ロリガロックエクスプロージョンとまぁとにかく大量にイベントをやっていました。
先行上映会以外は参加したのですが、とにかく声優さんとの距離が近くてびっくりでした。
旅の寄り道01では、発売されたばかりの小説と原画ブロマイドと劇中でも登場したパスポートが配られていて、さらにそのパスポートにこれも劇中で登場したスタンプを押してもらえると言うとてつもない神イベ。
しかも会場でグッズ購入した人には抽選でサイン入り台本やポスターを配るという太っ腹っぷり。
いやー、あの頃が私の人生のピークでした()
さらに、これは声優さんは絡んでいませんが、舞台となった地域のアニメイトにて"モサスタンプラリー"なる企画があったり、上野のマルイでロリガショップが開催したり、古河の街角美術館でロリガの原画が展示されたり、とにかく精力的にイベントをしてくれてファンとしては感謝に尽きますね。
ちなみにモサスタンプラリーは難易度高くて、埼玉、東京、愛知、岐阜、京都、広島は行って推せたんですけど、奈良、岡山は断念しました・・・
それでも、舞台となった地方を巡ってロリガを感じることが出来て非常に楽しかったです。

曲は言わずもがな、ブルーハーツのカバーです。
まぁ萌えアニメにブルハなんてけしからんっ!と言わないでください。
私はそこまでブルハに明るくないんですが、イベント等でお話を聞いてみると熱心なブルハファンも居て、「ブルハは色々カバーされてるけど微妙なのが多くて、でもロリガ版のアレンジは良い、ガールズバンドとしては相当頑張っている」「いちいち選曲が良くて、特にネオンサインなんかは一番好きな曲だったからアニメで流れて嬉しい、こういうのをきっかけにブルハを知ってもらえればもっと嬉しい」というようなコメントをしてる方もいて、そうだよなそうだよなーと頷いてばかりいました。
BGMにもブルーハーツのカバーがいくつかあり、そのうち「シャララ」と「青空」はロリガロックエクスプロージョンで販売されたCDに歌付きで新規収録されています。
ブルハカバーではない他の横山克さん作曲のBGMも相当素晴らしく、私は特に「まぼろし軒での死闘」と「豆千代」が好きでよく口ずさんでます。
アンサーソング的な位置付のオリジナル曲、STONESですがこれもまた至高です。
8話で披露されたSTONES、プロットの段階では全然違う歌詞だったそうです
完成したものに監督が納得せず、再三作曲者に打診して最終的にあの形になったそうです。
実はイベントで配布された8話の台本に元の歌詞が載っているようです。
だからこそ、よりローリング☆ガールズにマッチした楽曲になっております。


この作品、ひっっっっじょーに奥が深いです。
アニメだけでなく、コミカライズ、ノベライズ、設定資料集、公式サイト、BD・DVDのキャラクターコメンタリー、スタッフさんのイベントやツイッターでの発言に至るまで、全てを網羅して初めてロリガの真価に触れることが出来ると思います。
とにかくアニメで説明する気がないのです、自分から積極的に突き詰めていかないと深められないというのはある意味では不親切ですが、むしろその方がオタクとして燃えませんか!?
まぁ別に深く知ろうとしなくたって、流し見で見てるだけでも雰囲気感じられて楽しいのです。
深く知ればもっと楽しいですが()

アニメが乱造され氾濫したこの時代に、これほどの名作に生まれ得るだなんて夢にも思っていませんでした。
私のアニオタ人生で終止符を飾るに相応しい、理想の上を行った、かけがえのない、まさに、"完璧"な作品でした。
こんな作品に出会えて良かった!ありがとう、ローリング☆ガールズ!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

お話のしんみりさ、キャラの魅力とは別に、明らかにコンセプトを履き違えた“迷作”…端的にバイクの扱いがオカシイ!?

2015年の冬期1クール全12話のオリジナルアニメ作品
出合小都美が監督
むとうやすゆきが全話脚本
キャラ原案をtanu
総作監を北田勝彦
音楽を横山克
主題歌や挿入歌はTHE BLUE HEARTSのカバー
映画『ハル』に続きWIT STUDIOのテレビアニメシリーズとして初の完全オリジナル作品です


戦国時代に遡った様に都道府県が国家として独立してしまった架空の日本が舞台
巨大ロボットや超能力などを振るう権力者達が跋扈する、なんでもアリの乱世
そんな日本を平々凡々な4人の少女が各地の争いごとをバイクで旅をしながら納めていくというロードムービー仕立ての旅行記モノ・・・


まずファンタジーとSFと大河ドラマが入り組んだような世界観、平凡な少女達が世の混乱の渦を突き進んでいくストーリー、個性的な無数のキャラ・・・
こういった作品の表面性、内面性はオイラも高く評価しているんです
ただどうしてもオイラにはこの作品に納得がいかないポイントが3つだけあるんです


その3つのポイント全てが今作における“バイクの扱い”にまつわる部分


まず4人の少女が乱世の日本列島をバイクで横断していくというあらすじ、彼女たちが乗っているバイクの車種、彼女たちのファッション
これらから今作のコンセプトが明らかに50~60年代を舞台にしたアメリカのロードムービーや若者のポップカルチャーの隆盛を題材にした一連の青春映画郡
あるいは片岡義男の小説を元ネタにしているのは明らかです


ノンスケは見た目Z2でエンジンはなぜか3気筒・・・なバイクにMA-1フライトジャケットの出で立ちってことで片岡義男作品の主人公がモデルでしょう
執行玖仁子の愛車は『イージー・ライダー』のキャプテンアメリカ号だし、千綾がM-51ミリタリージャケットを着てヴェスパに乗ってる姿は『さらば青春の光』のモッズと呼ばれる若者そのもの
ゆきっぺの愛車はトライアンフっぽいけど実のところコイツはA-1フライトジャケットを着てるし『モーターサイクル・ダイアリーズ』のエルネストこと若かりしチェ・ゲバラとポデローサ号がモデルでしょう


つまり今作は“往年のロードムービーを現代の萌えキャラでやる!”というコンセプトなのは明白です
コレ自体は素敵なアイデアだと思うのです

し!
か!!
し!!!

コレらを踏まえた上でオイラが今作をいま一歩受け入れ難い3つの指摘が以下です


【①準主役級の存在であるはずのバイクの描き方が雑】
これはある程度仕方のないことと認識していますが、、、ノンスケの愛車がどう見ても「Z2」(カワサキ750RS、通称ゼッツー)なのに4気筒エンジンのはずのZ2がなぜか劇中では3気筒で描写されてます
これじゃヤマハGX750になっちゃうよ!
バイク好きにとってこれは死活問題です
その車種のアイデンティティの一つですから、エンジンというものは
それにCGを多用してる一方で作画で描かれてるバイクは正直ぎこちない
ロボットアニメでロボットがダサかったらイヤですよね?
魔法少女アニメでマスコットがブサイクだったらイヤですよね?
それと同じように、世界観を演出するバイクの描写が雑ってのは如何なものかと思うのですよ?
まあ『ばくおん!!』の様にメーカーからちゃんと許諾を得て実車を登場させる、というのもメンドクサイのでしょう
権利関係に手間を掛けるのであれば他に回そう、ということなのでしょう
バイクはあくまで作中の小道具、女の子達が可愛ければそれで良い
と、いうことでこの点に関してはオイラも100歩譲ってまだ理解出来ます


【②バイクを若者を象徴する乗り物として描けていない】
なぜか今作の世界ではバイクが大流行しており、移動手段はもっぱらバイクということになっています
ノンスケ達の様な未熟な若者が自由気ままに旅をするのにバイクが丁度いい、ということでバイクが選ばれているわけではなく、兎にも角にもこの世界で旅するにはバイクが無いとお話にならないのです
ですが前述した通り今作のコンセプトには若者がバイクで旅をするロードムビーの要素を孕んでいます
だから考えてもみて下さい、若き日のチェ・ゲバラが何故ポデローサ号で南米を縦断しなきゃいけなかったんですか?
それは“彼に車を買う金が無かったからですよ”
車を買えない、飛行機に乗れない、けれど自由気ままな旅がしたい、、、こーゆー若者を解放する手段がバイクの旅なんです
なのにこの世界では誰しもがバイクに乗っており、特別な意味を持っていない
それどころか権力者側たる執行玖仁子がキャプテンアメリカ号に乗ってるって・・・
彼女は「自由人」として描かれはするが映画の中のキャプテンアメリカことワイアットは蔑視される側の人間ですぞ?
金は無いが自由な旅人=バイクとし、その対比として権力者側は車や艦にすれば良いのに、と感じましたね


【③バイクの旅を孤独の象徴として描けていない】
コレが最も残念な部分です
バイクってのは余分な荷物を持てませんし、沢山の人も運べません
極端な話、旅先でのお土産すら積めず持って帰ってくるのは思い出だけ
こんなのツーリングライダーにとっては日常茶飯事です
基本的にバイクってのは一人旅の象徴として使われるのです
ですがノンスケ達の旅はそんな孤独感とは無縁な、むしろマスツーリングと呼ぶべきものですよね
美少女が群れて旅をするのは画になるかもしれませんが、そうなるとなぜバイクなのでしょう!?という疑問が生まれます
コレをやっていいのはバイク元来の楽しさを伝導する作品である『ばくおん!!』だけですよ(或いはバイクをロードレーサーに置換した『ろんぐらいだぁす!』や『南鎌倉高校女子自転車部』もそれらに分類されるでしょう)
女子4人があんな少ない荷物をバイクにぶら下げて日本列島を縦断するなんてありえないんですよ
主人公を二人までに絞れば『ミチコとハッチン』の様な描き方が出来たとも思います
ですが、4人と3台は流石に多すぎる;
こうなると画的に×旅→○ツーリングになってしまい、だいぶ雰囲気が変わってしまいます
そして今作の場合、バイクの素晴らしさを伝えることは重要でないはず
もう“バイクである必要性はこの作品には無い”と言っても良いと思いますね
バイクを孤独の象徴として描けているアニメは沢山あります
『ルパン三世』の峰不二子は基本単独行動する時バイクで移動してます
『電脳コイル』の原川玉子や『花咲くいろは』の宮岸徹や『神無月の巫女』の大神ソウマといった一匹狼キャラもその類です
バイクで旅するアニメと言えば忘れちゃいけないのが『キノの旅』
キノの場合、何でも一人でこなそうとする無口なキノの孤独な旅に、エルメスという話し相手がいることで成立する必要最低限の条件下で進む最も洗練されたアニメの一つと言えるでしょう
話が逸れましたが主人公側を4人にもするんであればバイクの持つ孤独感が機能しなくなるんですよ
小道具としてのバイクを全く活かせてないんですね


バイクをマトモに描けてない、若者の象徴でもない、孤独の象徴でもない


もうね、出合監督といい、脚本のむとうさんといい「ああ、バイクという乗り物のことを何も理解していていないんだなぁ・・・」と言うのが筒抜けでオイラは残念なのです
この人たちはきっと『イージー・ライダー』や『モーターサイクル・ダイアリーズ』や『さらば青春の光』や『片岡義男』の萌アニメ版を作ろうとしたんだな
でもバイクの持つ演出意図を掴まず、ただかっこいいアイテムとしてアニメの中に登場させてしまったんだな
コレがオイラの今作に対する一番大きな感想です


もちろん混沌した世の中でやんわり、しかしながら強く逞しく生きるノンスケ達の旅路に思いを馳せることは出来ました
だからこそ!!!
今作はバイクでなくて1台の1BOXカーとかで美少女4人が旅をするアニメにした方が絶対面白かったと端的に思うわけですよ


ご批判は直接お願いします

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

ゆう。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ぶっ飛んだ青春アニメ

あらすじ

地方自治をめぐる内戦「東京大決戦」から10年。日本の47都道府県は解体され、かつての県や市は全て独立国家となり、そしてそれを「モサ」と呼ばれる能力者率いる「自警団」が守るという体制が確立していた。

そんな日本にいる、何の取り柄もない「普通の少女」が一念発起し、平和を守るための旅に出る。
ご当地色の増大に伴って戦乱が絶えない日本を巡り、彼女達はどのようにして日本に平和をもたらすのだろうか。

そして、彼女達が集めているという「月明かりの石」とは…

1話感想
{netabare}
単純に絵は悪くはないのであるが話の内容がごちゃごちゃしすぎ、マッチャグリーンとか最初意味が分からなかった。あれは完全に敵に中の人ばれてるでしょ。

ラーメン屋に入ってなぜか自然とラーメンの大食いバトルの流れになったが店主はなぜおかわりを出した?はなっから勝負しろと言う意味だったのか?

1話から色々謎が多いアニメだった。
{/netabare}

2話感想
{netabare}
前回の続きから始まった2話、真茶未がマッチャグリーンであることを隠していた理由が望未に真似されて危険なめにあってほしくなかったと言う理由だった。

かなり子供扱いしすぎな気もするがこのアニメのキャラがみんな子供の様な喧嘩事をしてるからなんともいえない。

今回はコメディは少なめだったがやはり色々中途半端感は否めない、まじめなシーンと笑う様なシーンの区別が出来てない気がする。

真剣な戦闘の中で1話のとき食べたラーメンを吐くシーンもその一つではないかな?


やはり色々勿体無い感じがするアニメですね。

今回流れたブルーハーツのカバーのOPは個人的には好きでした、賛否両論あるようですが、カバーなのですからその人独自のスタイルで歌い(アニメならアニメにあった曲調など)、曲自体が歌い継がれていくだけでも良いかと思います。
{/netabare}

3話感想
{netabare}
旅に出始めストーリーが動き出すかと思ったのですがやはり展開が中途半端。
ギャグシーンと真面目なシーンなどが混ざってしまっている状態、もうこの演出が当たり前なのでしょうね。

今後どう見せていくのかとも思いましたがやはりギャグと真面目なシーンはわけて欲しいものです。
{/netabare}

4話感想
{netabare}
今回は今までと違いどちらかと言えば話の内容がちゃんとしると思った回でした。

前回「双塔の騎士団」に捕まったのぞみ達だったけどアキが罪悪感から嘘だったことを話しみんな助かりました。

なくしてしまった石の方はみんなで探すことになるのですが赤い石に人の潜在能力を引き出す力があるなんてわからなかった・・・
4話にて初めて知りました、マッチャグリーンなどがあれだけ強い理由がこれなんですね。

自分と石どちらが大事か母親に尋ねる千綾がとても寂しそうでした。

ここまで見た限り赤い石が話しの中心の様ですね。
{/netabare}

5話感想
{netabare}
三重と愛知の戦いなのか?このアニメはご当地喧嘩アニメみたいな感じなんですかね?色んな地方を旅して巡り、マッチャグリーンの代行人として解決していくって話で良いのかな?

旅は始まり話も動き始めた感じですが今度はまた違う形で同じことの繰り返しになりそうな予感。
{/netabare}

6話感想
{netabare}
三重と愛知の戦いでしたが終わり方的に仲良くなったみたいな感じなのかな?

なんか変なシャチホコが出来てましたね、あのシャチホコがお互いが手を取り合った形なんでしょうか。

一応話にはなってきたけれどわかりにくい部分が多いかな。
{/netabare}

7話感想
{netabare}
物語の内容以前に色々ツッコミを入れたくなる部分が多い回でした。
鹿が懐いてる以前にどこまでついてくんだよって話wバイクで移動してるはずなのにその先にもいるしカメラ持ってるし色々おかしい。

なんか京都がロックの聖地という設定のようでしたがカリスマバンドのような存在のモミアゲハンマーズ解散の原因がボーカルがモミアゲをツルハシ型にしたせいとかw

まぁこのぶっ飛んだ設定がローリンガールズなのでしょうか。
{/netabare}

8話感想
{netabare}
今回の話は一条美沙と豆千代の友情を描く感じの話でしたが珍しく途中で余計なギャグなどを挟むこともなくしっかり二人の友情について描かれていました。

ただぶっ飛んでいるだけではなくちゃんとシーンが分けられている方がやはり良いですね。

二人の演奏のシーンなど普通によかったしこのアニメらしいぶっ飛んライブだけど友情が伝わってくる感じの回でした。
{/netabare}

9話感想
{netabare}
今回から出てきた新キャラなどが多いのですが色々つめ込まれすぎ感があり正直覚えるのが辛い回でした。

見てるとなんか一部極道者みたいな部分がありましたね。

どちらかと言うと気になった話は籾山が千綾と接触したところなどでしょうか。
籾山は母親以上に千綾の事を理解していたように感じますね、千綾の友人である望未達のことも信用しているようでした。

肝心の望未は逢衣と喧嘩をしてしまいましたがすぐ仲直りはできるかな?
{/netabare}

10話感想
{netabare}
今回はまた話の雰囲気が最初のロリガに戻った感じでしょうか。

前回まではそれなりにストーリーなどがあったような気もしたのですが少しぶっ飛んだ感じが戻ってきたかな。

以前千綾が宇宙人みたいなことを言っていてネタなのかなと思っていたのですが本当だったんですね、これもまたぶっ飛んだ設定でロリガらしいのかな。

望未と逢衣はまだ仲直りをしてないですがお互い仲直りはしたいように思えますね。
{/netabare}

11話感想
{netabare}
今回は地味にいい話あり良いバトルシーンありな回でした。

ロリガはなぜこうも話に波があるのかな?
やけにぶっ飛んでる時と普通にいい時全く意味がわからない時とバラバラすぎる。

今週になって気づいたけど話に桃太郎成分があったんですね。

籾山がモミハンのメンバーだったのも初めて気づいた、けど正直どうでも・・・

赤い石は誰が持っても力を発揮できるというわけではないようでその辺は気になるかな。
{/netabare}

12話感想
{netabare}
最終回はなにげに良い回でしたが結局赤い石は何だったのかな?
あの石は特別な力に関係無かったようですが、それとも切欠的なものなのかな?

このアニメはブルーハーツのカバーの存在が大きかったように思えます、この歌がある意味ストーリー的なものだったのかな。

まぁ良くも悪くも青春アニメって感じでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

70.9 3 ロードムービーで熱いなアニメランキング3位
ガン×ソード GUN×SWORD(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (609)
3553人が棚に入れました
宇宙の底の惑星、「エンドレス・イリュージョン」は、荒野に夢が、街に暴力が溢れる星である。

この惑星にいる流浪人・ヴァンと、少女・ウェンディは、カギ爪の男を追って旅に出る。1人は「絶望」を、1人は「希望」を見つめながら…。
ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

痛快娯楽復讐劇!00年代ロボットアニメの知る人ぞ知る不朽の名作!(けものフレンズの先輩!?)

「コードギアス」の谷口悟朗監督がコードギアスの1つ前に制作したロボットアニメです。全26話。
復讐劇でハードボイルドかと思いきや、明るく前向きな活力も満ち溢れている。
色んな要素てんこ盛りな内容や、放送局の少なさ故か、広範な層にメガヒットしたコードギアスに比べ「知る人ぞ知る」感じですが、完成度や魅力はヒケを取らぬ不朽の名作です。
私的に絶対外せぬお気に入りアニメの一角です。復讐譚史上では最高傑作。

※(皆勤は)二人旅、ロードムービーで、1話完結~からの全体貫く一貫したストーリー、要所で引き込まれる引き、完璧で無駄の無い伏線、ゲストのキャラが濃い…
2017年大ブレイクした「けものフレンズ」に感じていた懐かしい良さ、久々にガンソードを観て、(ああ、これだ!)と思った。
全っ然作風違いますが、脚本構成の基礎が相通じる。
…レビューでは、けものフレンズとの共通点も書いてみます。

{netabare}『物語』
最愛の女性エレナを殺され復讐に生きる流浪の男ヴァンと、攫われた兄を探す少女ウェンディが共通の敵「カギ爪の男」を追う旅をする。
舞台・世界観は「トライガン」っぽい「西部劇風の惑星で実はSF」(最愛の人をラスボスに殺されている、ラスボスに忠誠誓う幹部の雰囲気なども似ている)
「ロボットアニメ」「西部劇風惑星」「敵討ちで旅」「作風がポジティブ」「主人公にその気はないが、いつの間にか世界を救う一味が集う」…「戦闘メカザブングル」の系譜でもあり。
「ヨロイ」と呼ばれるロボットによるバトルも、雰囲気の異なるヨロイごった煮なのも含めて見応えバッチリでした。
ヴァンが彼のヨロイ「ダン」に搭乗するシーンやバトルは、谷口監督の後発「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」っぽい。
巨大ロボットですが、アクティヴレイド的な強化服バトルな雰囲気も。

序盤は1話完結でヴァンとウェンディのキャラや関係性を描きつつ、奇妙なこだわりを持つ変人とヨロイバトルしていく。
物語の本筋が急加速する中盤以降に比べて地味…
でも、なかなか心を開かぬヴァンと、苦悩し少しずつ成長する健気なウェンディの二人旅は良エピソードばかり。
シリアスとコミカルの配分が良い感じ。
…3話「勇者再び」が熱い!(爆笑)
過去の栄光で酒飲んで騒ぐばかりで若者からバカにされている老人たち、街の危機にスーパーロボット「エルドラV」で立ち向かう!
「忍空35話・大空の勇者」の老パイロットを彷彿とする話でした。
谷口監督の後発作「アクティブレイド」でも、同様の話あり。
いやー、お年寄りがカッコイイのは良いなぁ。

本作の凄い所は1話たりとも無駄な回がないところ。
3話の老人チームは1発ネタのゲストかと思いきや、後にレギュラー入りして大活躍したり。
まったくさりげないシーンやゲストキャラが、後の展開にちゃんと意味がある。
伏線…というよりも、全部含めて物語の一部という感じ。
17話の水着ギャグ回でさえ、ファサリナさんがミハエル君を救う重要な伏線だったりと、配慮に抜かりなし。

物語の一番大きな軸「ヴァンのカギ爪の男に対する復讐」がブレない他にも、出逢うキャラひとりひとりに各々の生き様や目的が明確、なりゆきで会ったり別れたりしつつ、ごく自然にヴァン一行に合流していく。
復讐一辺倒だと重苦しいし飽きる、ヴァンという男も序盤は魅力が分かり辛い。
だが本作はヴァン以上に芯の強い仲間たちひとりひとりのドラマが良いので、飽きさせないです。
9話「カルメン故郷に帰る」も、終盤のファサリナとの因縁で彼女ひとりを取っても主人公にヒケを取らない。
もうひとりの復讐者・レイがヴァンと共闘する話で既にユキコに婚約者の面影見ていたのが、後々意味があったり、地味なシーンにも一切無駄がない。
終盤怒涛の展開を見せる中で、序盤~前半のさりげないエピソードが尽く回収されていき、カタルシスを静かに盛り上げていく。
…ついでに序盤の敵が変人なのも、1話毎に雰囲気変わって飽きさせない。
10話の海の男カイジが面白すぎるw

中盤、ウェンディが兄・ミハエルと再開、カギ爪の男の狂気が見えて以降面白さが加速していく。
カギ爪の男の吐き気を催す「善良さ」が凄まじい!
一見、彼の方が建設的で未来を見据えている善、ヴァンやレイは過去の復讐に囚われし悪なのか?
「過去を捨て未来しか見ないのは、善であっても何かキモチワルイ」です。
多くの作品で過去に囚われるのはダメ的な主張が主流な中で、本作は「過去を捨てない生き様こそが、人間賛歌」になっている。
ここが本作の魅力で、ありがちな「復讐心は何も生まない」「過去を捨て未来に」な理屈を、理屈抜きの生き様で捻じ伏せる!
それも虚しい修羅ではなく、またセリフで語らせず、明るい活力に溢れたヴァン一行の在り方自体が示す。
カギ爪の思想を、最高に気持ち悪く描いているのも、王道な勧善懲悪のカタルシス十分。
人間性全否定な善を、人間的な悪がブチのめす!これぞ痛快!

敵幹部「オリジナル7」(ヴァン除いた6人。トライガンのガンホーガンズポジの敵幹部)たちとて過去に囚われし者多かった(過去全捨てはミハエル、ガドヴェド、ファサリナの3人)けれど、ヴァンたちとどこで差が付いたのか…
過去に向き合う事が出来なかった3人(ウー、カロッサとメリッサ兄妹)は、悲劇的な末路辿る…。
徹頭徹尾過去の復讐に囚われ続けたヴァン(とレイ)が救われたのは、良き仲間達との関係で過去と向き合えたからであろうか。
…ここら辺は明確には語られずとも、全編通したドラマから、なんとなくそう読め(なくもない)です。
序盤削って、もっとオリジナル7の個別エピソードやれば良かったという声もありますが。
あえて過去回想でテンポ損なう事無く、生き様の対立のみで語らせた事も、本作を名作足らしめていると思う。

終盤に向けて、カギ爪のヤバ過ぎる野望が明かされていき、対するヴァン一味も意外な味方が自然すぎる流れで勢揃い。
まさか3話の老人たちが合流すると3話時点では思うまい…
この他にも、初期からのキャラやエピソードが尽く回収されていく。
17話の最終決戦前のギャグ回以降が一話たりとも目が離せぬ。
悪化していく戦局、敵味方含めて各々の想いが交錯、力強く成長したウェンディとジョシュアとユキコ、吐き気を催す善意を阻止できるかどうかギリギリなハラハラ感。
レイの命を懸けた僅かな時間稼ぎ…からの大逆転!
ヴァンは中盤の敗北や師ガドヴェドとの対峙で復讐の意義を揺さぶられながらも、ついに最後まで貫いた。
痛快という他ないです。
終盤のカタルシスならば、全アニメ中でも上位に入る!

総じて…
改めて不朽の名作だと再認識しました。
復讐というネガティブな感情と行為を、ポジティブな人間性賛歌に繋げるオンリーワンなテーマ。
全26話に渡り一切無駄の無い完璧な脚本。
素晴らしいです。


『余談』「けものフレンズ」との共通点
かたや復讐劇ロボットアニメ、かたや「わーい!たーのしー!」なんですが、意外や共通点が多い。
{netabare} ガンソードはヴァンとウェンディ、けものフレンズはかばんちゃんとサーバルちゃんの2人旅
全編通しての大きな目的、序盤は1話完結で小事件解決しつつ、3話に面白回(エルドラ回、トキ回)、中盤(ガンソード12話、けものフレンズ6話)でかなり重要ワードで気になる引き、後半突入手前にガンソード17話水着回けものフレンズ8話ライブ回(どちらも実は伏線だった)、序盤から実は丁寧な伏線を終盤に全部回収、終盤仲間たちが勢揃いでラスボスと戦闘…
OPが回が進む程にキャラ増えていく作り、終盤の見せ場でOP流れる
…いくつかこじつけてますが、丁寧に伏線張りキャラ大事にする脚本構成が相通じる。
全編に渡り無駄が無いのも。
「全編通したテーマや大目的」と「1話1話の丁寧さ」が合わさった良作。
けものフレンズに感じた、近年忘れていた良さ…12年前のガンソードがまさにそれでした。
これぞ王道、お手本のような良脚本!{/netabare}

『余談2』スーパーロボット大戦K
空気読めない迷セリフの数々で悪名高いミストさんから
ミスト「復讐心は悲しみの連鎖を生むだけですよ、ヴァンさん」
ヴァン「てめぇが言うな!」


『作画』
木村貴宏さんのキャラデザ、コードギアスより好みです。
ウェンディちゃんプリシラちゃん可愛い。キャラデザは好み的に最近のアニメにヒケを取らんです。
ダンやヴォルケインなどヨロイのデザインもカッコイイ、エルドラVも別ベクトルでカッコイイ。
ロボットバトルもスピード感とスーパー系の迫力併せ持ち大満足。
何気に生身でのアクションも良いです。

本編も申し分ない以上に、OP映像が素晴らしい。
最初はシルエットで、キャラ登場(そして退場)する度に変化していく。
特にカギ爪一味登場した回のOPは鳥肌立ちました!
…OPをストーリー進行とリンクさせる、無限のリヴァイアスなど、谷口作品の醍醐味出ている。


『声優』
ヴァン役の星野貴紀さん「遊☆戯☆王5D's」のジャック・アトラスと並ぶ代表役。
ダウナー系だが復讐に滾る凄味など、ヴァンといえばこの人。
…意外とお若い、桑島さんより年下なんですな。

ウェンディは桑島法子さん、可愛らしさと芯の強さ併せ持つ好演でした。
次回予告の声はかなり大人びているのは、最終話で何故だか分かる…

カルメンの井上喜久子さんのイイ女っぷり、プリシラの千葉紗子さんの可愛い系も良いですが、ファサリナさんの倉田雅世さんの妖艶さも最高でした。
倉田さんは後の「アクティヴレイド」のボス(かわいい)でもあり。
メリッサちゃんの斎藤千和さんの可愛さもバツグン。

クールなレイを櫻井孝宏さんの美声、櫻井さんはアクティヴレイドの瀬名颯一郎でもあり。
美少年・ミハエル君は保志総一朗さん。谷口作品の主力の一人。
「スーパーロボット大戦K」では同じ保志さんキャラのキラ・ヤマトと絡んだり。

最高に気持ち悪い善人・カギ爪の男は堀内賢雄さん。
滲み出る狂気は絶品でした…憎々しい!
…銀河万丈さんの次回予告も、最終話意外な事実が。


『音楽』
OPは歌詞無いですが、雰囲気抜群の名曲。
EDも各キャラやエピソード個別の良曲用意されていてドラマを盛り上げている。
BGM含めて楽曲面でも素晴らしいです。


『キャラ』
復讐者の代表的主人公ヴァン、ダウナー系でだらしなかったり、調味料全乗せしたり、色々と欠点は多い。
決して人格者ではなく、余裕が無くイライラしてウェンディに冷たく当たる事も多かったり、必ずしも彼自身は手放しでカッコイイと褒められる主人公ではない。
…それでも。最後まで理屈抜きの生き様が、周囲を巻き込んでいくのは、抜群の魅力あればこそ。
下戸だったり通り名など色んな属性あり、コメディー要員としても欠かせぬ主人公だったり。

ラスボス・カギ爪の男が最高にクレイジー!アニメ史上最悪のサイコパスなのでは。
悪党ではなく、善良過ぎて狂っているという、最悪の敵でした。コワイ!
キャラ評価5点はヴァンではなく、彼がいるから。
後にも先にも、カギ爪の男を超える吐き気を催す気持ち悪い敵は中々いない。
…彼の絶大なカリスマは、納得できる。
舞台のエンドレスイリュージョンは世紀末状態、絶望して彼の理想に惹かれる者が多いのは理解できる。
思想に賛同する者には実際優しいですし。賛同者に慕われるのは分かる。


本作はヴァン以外の主要キャラ全員主人公と思える。
実質ウェンディも主人公。足手まとい?そんなことはない!彼女がいなければヴァン持たなかった場面多いです。
幼さ故の未熟さを痛感しつつ、最終的に自らの生き方を選んだ強いヒロインでした。

カルメンさんほんといい女でした。ウェンディから見て、大人のイイ女。
9話含めて彼女もヴァンやレイにヒケを取らぬドラマあり。

ジョシュア君もシリアス・コメディー両面で存在感大。
女子トイレ突撃で逮捕とか…美少年でなければ許されなかったw
頼れる天才肌な一方で、兄レイとのドラマ、終盤の大成長も熱い。

遅れてきたヒロイン・プリシラちゃん素直な可愛さ。
バトルも恋も屈託が無くて、萌え的にはウェンディちゃんを脅かしていた。
OP映像のシルエットでも存在感大。

クールな美形復讐者レイ、ジョシュアとの兄弟の絆が尊い。
ベジータポジといいますか、彼の合流は燃える。
意外とヴァン以外との関係性で変わっていくのが見所、ユキコさんとの出逢いや、エルドラの老人との関係も意外だがとても良かった。

本作で絶対外せない、元気なお年寄りエルドラチーム!
老害かと思いきや実際強いぞ!
人生の先達として、プリシラやレイに良い影響与えた。
年配者が活躍するアニメは良作多い。
…寝たきり状態なカルロスの覚醒が熱い&爆笑(初めまして、カルロスです)

敵幹部オリジナル7で多分視聴者から一番嫌われてそうな、ミハエル君。
若く純真に理想に殉じた…若すぎたか(ムッターカさん)
他幹部にも言えますが、先にもっと色んな出逢いがあればまた違った答え出していたのかも。

ガドヴェドは狂信者ではあったが生き様はカッコ良かった…
(意志の弱い私がヴァンだったら、なびきそう…)
全身全霊でぶつかった師弟対決も熱かった。

ウーは唯一ヴァンに土を付けた男、オリジナル7最強では。
でも性格は一番情けない。いや、境遇はムリもないのか。
同じ、過去に囚われし者でも、ヴァンとの明暗が分かれた。

カロッサ&メリッサ兄妹、特にメリッサちゃんとっても優しい良い子で可愛いです。
この双子は可哀想だった。

ファサリナさん、強さも美しさも、愛も狂気も、抜群の女幹部でした。
他メンバーよりも、ちゃんと自分自身の意志でカギ爪に殉じる生き方選んでいる強さ感じる。
ミハエル君とのオネショタ萌え、実際情が深く、絶対悪ではない深みがあった。


この他ゲスト含めて無駄キャラが殆どいない。
1発ネタキャラと思われた海の男カイジのインパクト大。
平和主義な紳士ジョー・ラッツも印象的な男、ヴァンの復讐に対するアンチテーゼとして1話退場が勿体ない程。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

コードギアスへの《前振り》として楽しめるテンポの良い復讐譚

同じ谷口悟朗監督作品の『無限のリヴァイアス』『スクライド』が、やたらと深刻ぶってたり色々と話がチグハグだったりで余り自分に合わなかっただけに、期待値を落として見始めた本作ですが・・・あれ?これ面白いじゃないですか!

◆制作スタッフ

監督 谷口悟朗
脚本 倉田英之
キャラクターデザイン 木村貴宏
メカニックデザイン 反田誠二
音楽 中川幸太郎
アニメーション制作 AIC A.S.T.A.

◆「コードギアス」は一日にして成らず - ギアスと本作との関連性 【要約】

・本作は、本サイトでもほぼ最高の評価を得ている『コードギアス』の監督を務めた谷口悟朗氏の4本目の監督作品で、本作の放送終了(2005年12月)から9ヶ月後に『コードギアス』(第1期)の放送が始まっている事、さらに両作の作品世界・内容が強い関連性を持つことから考えて、本作を「コードギアスの事実上の《前振り作》」ないし「試作・習作的な位置づけの作品」と捉えることが出来ると思う。

・本作の公式のキャッチコピーは「痛快娯楽復讐劇」となっており、かつ主要な登場キャラクターの過半数は「ヨロイ」と呼ばれる機動兵器(つまりロボット)に搭乗して戦うロボットものの顔を持っている、という点でギアスと共通性が高い。
・本作は作画・演出の技術面に関しては既にギアスと遜色ないレベルに仕上がっており、各話の引きで急に仕掛けてきて次回に緊張感を持続させる演出の手口も共通している。
・それに対して、全体シナリオ・キャラクター設定・世界観設定は、同時期の他作品との比較では決して悪くないレベルではあるものの、ギアスに比べると大分見劣りがする(設定が似ているだけに余計に見劣り感がしてしまう)。
・各話の脚本も、ギアスに比べると総じて稚拙に感じる(但し、後記する各話評価で★★とした第13,24話のようにギアスと同等レベルの脚本回も数話ある)
・キャラクターデザインは、ギアスと同じく木村貴宏氏が担当しており、両作の登場人物の印象がダブるシーンが多々ある(※なおギアスのみキャラクターデザイン原案CLAMP)。
・メカニック・デザインは、ギアスとは別人が担当しており、序盤~中盤は両作の関連性は余り感じなかったが、終盤に入ると急に本作の「ヨロイ(機動兵器)」のデザインや動き方がギアスのナイトメアフレーム(とくにコーネリア隊の特別機)と見間違うほどに印象が変わってくる。
・第24話は、それまでの回でレイ・ラングレンに強く感情移入していれば、★★★(神回)認定しても良いレベルの出来(但し、そこまでのレイの描き方が不足気味で、そこまで感情移入できる人は少ないと思うので、★★(優秀回)に留めた←結果的にここが本作のクライマックスになっている印象)。


◆谷口監督の《ROAD to GEASS(コードギアスへの道)》

谷口氏のコードギアス制作までの監督作品を時系列で並べると以下の通り(※右の★印及び数字は私の個人的評価)

(1) 『無限のリヴァイアス』 (1999年秋)(全26話) シリーズ構成・脚本(黒田洋介) × 3.1
(2) 『スクライド』 (2001年夏)(全26話) シリーズ構成・脚本(黒田洋介) ☆ 3.5
(3) 『プラネテス』 (2003年秋)(全26話) シリーズ構成・脚本(大河内一楼) ※原作マンガ(幸村誠) ☆ 3.9 
(4) 『ガン×ソード』 (2005年夏) シリーズ構成(クレジットなし)、脚本(倉田英之) ★ 4.0
(5) 『コードギアス 反逆のルルーシュ』 (2006年秋) シナリオ原案(谷口悟朗、大河内一楼)、シリーズ構成・脚本(大河内一楼) ★★ 4.7

・このうち、(3) 『プラネテス』のみ、原作マンガ付き。他の4本はオリジナル作品。
・谷口氏は、監督第1作目の『無限のリヴァイアス』から第4作目の『ガン×ソード』まで、きっちり2年置きに2クール作品を制作していて、あくまで私の個人評価であるが、作品の面白さ・見易さといった出来具合が、一作ごとに着実に向上している感がある。
・監督第5作目の『コードギアス』だけは、制作開始時期が第4作目の『ガン×ソード』(本作)の制作・放送時期と大きく重なっており、そのために前述のとおり、両作の作品世界やキャラ設定・メカ設定、さらには全体シナリオに至るまで有意なレベルでの相関性が認められる。
・ただし、両作の全体シナリオおよび各話脚本に関しては、本作(ガン×ソード)の大部分を担当した倉田栄之氏と、ギアスの方の大部分を担当した大河内一楼氏の、シナリオライターとしての力量の差?なのか、その出来具合および評価について顕著な差が生じている。
→つまり、「コードギアス」の大成功は、それまでに着実にアニメ制作技術を積み上げてきた谷口監督の功績が勿論、最大なのだろうけれども、それでもギアスのシナリオのずば抜けた面白さは、シナリオ原案担当として谷口監督と名を連ねる、シリーズ構成および脚本担当の大河内一楼氏の功績が最も大きい、ということになると思う。

以上、「コードギアス」の特別な面白さを改めて確認するとともに、その面白さが決して「突然変異」として出現したのではなくて、ちゃんとその《前振り》となり《下準備》となる作品群の制作の積み重ねがあったことを知る、という意味でも、本作の視聴価値はある、と思いました。


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=================== ガン×ソード (2005年7-12月) =================

{netabare}第1話 タキシードは風に舞う ★ ヴァンとウィンディの出遭い、ダン・オブ・サーズデイ(ヨロイ=人型機動兵器) ※OPなし
第2話 ファニーストリーム ☆ 情報屋カルメン99(カルール・メンドゥーサ)、対メタルグルー(水上大型ヨロイ)戦
第3話 勇者は再び ★ バッドローズvs.エルドラ・ファイヴ ※古臭い演出が逆に好印象
第4話 そして、雨は降りゆく ☆ ヴァン発熱、ウィンディの看病、レイ登場
第5話 ツインズ・ガード ★ レイvs.ヴァン(GUN×SWORD)、「カギ爪の男」を追う者達、ツインロック(2人乗りヨロイ)vs.ヴォルケイン
第6話 ハートに火をつけて ★ ラブデラックス(恋人クラット&バニー)、トニー3000(モンタナ親分)
第7話 復讐するは我にあり ☆ 孤島の富豪ジョー、対ゴールデン・クレイドル戦、オリジナル7
第8話 その絆に用がある ☆ ジョシュア(レイ弟)登場、対ドラッヘ(龍のヨロイ)戦、レイとの一時共闘
第9話 カルメン 故郷に帰る ☆ 幼馴染ハエッタの花園 ※ED「Paradiso」 
第10話 海よ サンキュー ☆ ヴァネチア風都市の海底遺物、対サイッコー号(カイジ船長)戦、ミハエル登場
第11話 さよならのありか ★ 兄の変貌、サウダーデ・オブ・サンデイ(ミハイル搭乗)機動、ウィンディ去る ※ED「Paradiso」
第12話 帰らざる日々… ★ ガドヴェドとの再会・喧嘩別れ、ファサリナのカルメン接触、カギ爪の男、レイの襲撃
第13話 夢の途中 ★★ レイvs.ファサリナ&カギ爪の男、対ディアブロ・オブ・マンデイ(ガドヴェド搭乗)戦、ガドヴェド敗死、ヴァン&ウィンデイの再出発
第14話 スウィフト・ブラウニー ★ 対ブラウニー(プリシラ搭乗)戦
第15話 ネオ・オリジナル ☆ ヴァンの過去回想、対メッツァ・オブ・チューズデイ(ウー搭乗)戦、ヴァン敗北
第16話 輝くは電流火花 ☆ ヴァンの苦悩~立ち直り、再戦、ウー敗死
第17話 座標Xを追え × エルドラ隊&プリシラとの再会、変な水着&ギャグ回 ※ED「S・O・S」
第18話 祈るはサウダーデ ☆ 導師(カギ爪の男)の虐殺計画「幸せの時」、ムッターカ技術長の導師への叛逆失敗
第19話 素懐(そかい)の果て ★ 対シン・オブ・フライデイ(カロッサ搭乗)&セン・オブ・サタデイ(メリッサ戦)戦、レイ銃撃により双子兄妹戦死
第20話 ワンダフル・ユニバース ★ カギ爪の男「幸せの時」計画公表、ミハイルの妹への通告 ※導師の計画自体は内容適当で×
第21話 空に願いを 地には平和を ★ 対ダリア・オブ・ウェンズデイ(ファサリナ搭乗)戦、サウダーデ・オブ・サンデイ(ミハイル搭乗)宇宙打ち上げ
第22話 誰がために ★ カギ爪の男とウィンディの再会、ダン宇宙打ち上げ、月面の異変 ※ED「A Rising Tide (acoustic)」
第23話 みんなのうた ★ バースディ起動、月の落下開始、レイ・プリシラ・エルドラ隊の「カギ爪」本拠攻撃、対サウダーデ(ミハイル搭乗)戦
第24話 夢の終わり ★★ 続き、聖誕祭の一時阻止、レイの最期 ※ED「Calling you」
第25話 バカがヨロイでやってくる ★ 聖誕祭の再開、ダン帰還、対サウダーデ再戦、最終決戦(対バースディ)
第26話 タキシードは明日に舞う ★ 続き、カギ爪の男の最期、後日譚 ※OPなし、ED「GUN×SWORD」{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)14、☆(並回)9、×(疑問回)1 ※個人評価 ★ 4.0


OP 「GUN×SWORD」
ED 「A Rising Tide」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

K-KHMM さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

悪者「平和の為に協力しましょう (⌒-⌒)」 主人公「うるせぇ!!ぶっ殺す!! (`Д´)」

[ジャンル:ロボアクション] [ターゲット層:小学生~高校生] [映像時間:全26話]
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中々楽しめて気持ちよかった作品です。

■あらすじ
荒野に夢が街に暴力が溢れる時代。ヴァンはカギ爪の男に最愛の女性を殺された事で復讐を誓い流浪の旅に!!
旅の中でカギ爪の男に因縁を持つ人々に出会うヴァン。一行は無事カギ爪の男に因縁を果たす事ができるのか?


■本作の魅力
自分が1つ魅力を詳しく上げるとするならば「一貫性」です。
ヴァン程ブレナイ主人公を自分は知りません。
名セリフを

「お前らの理屈はわかった!!だから今度は俺の理屈を聞かせてやる!!
 俺はお前を叩きのめす!!カギ爪の男の居場所を聞き出し、地獄の底まで追いかける!!
 お前らの都合なんざ知るか、そうしないと俺が、この俺の気が済まないんだ!
 ああそうさ、これが俺の欲望だ、俺の未来だ!俺が俺の勝手にして、何が悪い!!」


いやー!気持ちいい!なんてわかりやすい!
このスタンスをヴァンは第1話~最終話まで
誰に何を言われようが聞く耳持たず一貫して通します。
普通の主人公なら説得されたりすると、葛藤や躊躇いがあるものですが
本作はそういうモノを一切感じない「一貫性」を楽しむ事ができます。


もちろんこれ以外の魅力としても
ヨロイと呼ばれるロボのアクション。ヴァン一行の個性愉快な仲間達。他キャラのカギ爪の男に対しての因縁。
などもありますが書ききれないので割愛。
本作のキャッチコピーは痛快娯楽復讐劇。うん!まさしくその通り!!


■オススメする人
余韻とかなくスッキリする物語な好きな方。小難しい話が嫌いな方。ビバップが好きな方。ロボ好きの方。


■客観的批判・駄目だった点(↓ファンは見ない方が良)
良点ばかり上げても参考にならないかもしれないので客観的意見でこの作品を批判しています。
{netabare}
・序盤の流浪物の雰囲気だが後半ではアクション物として雰囲気が変わる。
・復讐劇と言うと陰謀だとか策略を想像してしまうのだが、本作は無く。良くも悪くも単純のワンパターン。 {/netabare}


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ここからは上記と違い読む側に対してのレビューを意識せず
個人的感想が主流です。一様魅力も書いていますが長いのでスルー可。ネタバレ注意


■個人的感想をダラダラと
「物語について」
{netabare} 個人的には序盤はビバップに似た雰囲気を感じます。
しかし同じような展開が続き、アニメを比較的見ている自分には少し退屈な内容。
後半は流浪から変わり物語が進むのですがなんとなく展開もわかるし
気になる謎もないので少し流し見状態になりました。どちらかと言えばアニメ初心者向け {/netabare}

「音楽面について」
{netabare} 音楽面はひじょーに満足しました。OPは超カッコよいですし、挿入歌の虹の彼方も良い曲
3話はけっこう鳥肌モノ!!{/netabare}

「視聴理由について」
{netabare}やっぱり谷口悟朗監督作品だからです。しかしプラネテスやコードギアスを見た後だとさすがに退屈ですね
監督作品を見るならガンソ→スクライド→ギアス→リヴァイアス→プラネテスの順番がオススメですかね。
小中学生向け→中高生向け→大学、大人向けといったかんじでしょうか。{/netabare}

「ヴァンの通り名について」
{netabare} 無職のヴァン・食い逃げのヴァン・寝場所を選ばない男ヴァン・二日酔いのヴァン
地獄の泣き虫ヴァン・夜明けのヴァン・縁の下の力任せヴァン・掃き溜めのプリティヴァン
いい人ヴァン・悪魔の毒々タキシードヴァン・だめのヴァン・不死身のヴァン
一番のお気に入りは童貞ヴァンです笑。あんなカッコいいのに童貞なのか笑。信じられない!!!!{/netabare}

「ヴァンの一貫したセリフ集」
{netabare}
その①
▼ガドヴェド↓
「ヴァンよ。今のヨロイが答えを出した。やはり人は明日に生きるべきもの。過去に生きるお前は次の一撃で断罪し、終わりにする!」
●ヴァン↓
「いいや、違うね!」
▼ガドヴェド
「何ぃ!?」
●ヴァン↓
「これが始まりだ。やっと見つけ…。あとは捕まえてぶっ倒すだけだ!っフッフッフ…ヒャハハッハッハァ!俺の旅は…間違っちゃいなかったぁ!!」

その②
▼カギ爪の男↓
「マザーが残した衆人惑星破壊システムこのエネルギーを使い、近辺の地系列を圧縮し歴史をやり直します。つまり死んだ人間生き返る・・・私はいなくなりあなたの花嫁は生き返る。世界は平和になり・・あなたにとっても世界にとっても素晴らしくご都合のよろしい世界になる。あぁ・・・私は貴方を救いたい・・・最後にあなたの友達に・・友達になりたいのです。」
●ヴァン↓
「エレナは死んだ!お前が殺したんだ!俺からエレナの死まで奪う気か!死んだ奴は絶対に生き返らねぇんだ!!俺はそんな与太話を聞きにきたんじゃねえ!俺はお前をぶっ殺しにきたんだ!
▼カギ爪↓
「ヴァン君…私の話を聞いていますか?」
●ヴァン↓
「俺の話を聞け!エレナの仇!!」
▼カギ爪↓
「そうか…つまり君は馬鹿なんだ!!」

ヴァンはスゴイ。とても主人公とは思えない {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
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