世界の終わりで未来なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの世界の終わりで未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月05日の時点で一番の世界の終わりで未来なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.5 1 世界の終わりで未来なアニメランキング1位
神様になった日(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (750)
2205人が棚に入れました
高校最後の夏休み、大学受験を控えた日々を送る成神 陽太の目の前に、ある日突然「全知の神」を自称する少女・ひなが現れる。「30日後にこの世界は終わる」そう告げるひなに困惑する陽太だったが、神のような予知能力を目の当たりにし、その力が本物だと確信する。超常的な力とは裏腹に天真爛漫であどけないひなは、なぜか陽太の家に居候することが決まり、2人は共同生活を送ることになる。「世界の終わり」に向けて、騒がしいひと夏が始まる。

声優・キャラクター
佐倉綾音、花江夏樹、石川由依、木村良平、桑原由気
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

君には期待してない

ある夏の日。突然「30日後に世界は終わる」と告げる一人の少女が現れてのすったもんだ。
こういったへんてこなツカミは大歓迎。多少アニメを観てる層にはおなじみの『KEY×P.A.WORKS』のゴールデンコンビ。独特なクセの強さにハマるとこのコンビが翼くんと岬くんに見えてくるわりと業界でも成功しているカップリングでございます。
当然のように2020年秋期を牽引することを期待されてた作品だったといえましょう。


さっそくの結論。感想は“つまらない”であり、端的にその理由を述べると主人公がダメ。
その前提で以下長々と失礼します。


keyはわりとプロトコルがきっちりしていて前半のドタバタとおおむね3分の2終わったあたり(8話近辺)での超展開。救いなさげなネタを投じてからのやや前向きな内容で終幕。音楽は独自性ありで映像は綺麗。演出面で秀でてるなと感じるところ。
今回も手順は同様でした。悪い意味ではなく、笑点をマンネリだと眉を上げないのと一緒です。

そのため過去の自身の立ち位置が参考になります。これまでの評価は以下

 クラナド3.9
 アフター4.6
 kanon 3.9
 Air 4.2
 AB 4・0
 シャーロット3.9

面白い/普通の分水嶺を4.0に置いており多くがボーダーライン上なのです。アフターストーリーが突出してプラス。見方を変えればムラがないともいえる実績。
完走し良いほうに転ぶと前半のドタバタ劇は「あの時は平和だったよね」となり、パッケージ全体で落ち着くところに落ち着くのですが今回はそうはいきませんでした。
高い要求レベルを求めるとそもそもクールで一つはある4.3点以上の評価に届かないKey作品群。

 共通する弱みはなにか?

尺不足だと考えます。閉じてない群像スタイルの合う作風でキャラの増加は妥当。超展開を支える骨子の説明に時間を割くのも妥当。
そうするとどうしてもキャラの深掘りはできず説明不足に陥ります。ただしこれは構成上やむを得ない二律背反。超展開止めたらそれこそブーイングの嵐でしょう。工夫は見てとれ、尺を使うキャラの“心情掘り下げ”よりも、キャラの持つ“クセの強さ”でのインパクト狙いにやや軸足置いてますよね。

充分すぎる尺をとった『CLANNAD』や1クールなら登場人物を絞り気味だった『AIR』の評価が高いためより一層そう思ってるところがある私です。


 キャラの心情描写に期待してない
 1クールでそこそこまとめてくるだろう


そんな高すぎない私の期待値すら下回ったのは、ひとえに主人公陽太くんのキャラクター性に負うところが大きい。これは好みではないかと。
私が嫌いなタイプ

 {netabare}やる気のある無能{/netabare}

そのまんまでした。花江さんこういうのやらせるとほんとに上手ですよね。さらにさらに、好き嫌いはしょうがなくても作品評価に直結してしまったのには別の理由があります。

それは大黒柱の性格。好き嫌いじゃないですよ。これまではいくらメイン/サブ問わず歴代ヒロインがぶっ飛んでいても、♂は堅実に狂言回しするタイプを配置してたんだと思います。

【歴代♂】
 岡崎朋也(CV中村悠一)
 国崎往人(CV緑川光)
 相沢祐一(CV杉田智和)
 音無結弦(CV神谷浩史)
 乙坂有宇(CV内山昂輝)

下衆いの一人{netabare}(乙坂くん){/netabare}混ざってますがそんな彼すら当時それほど気にならなかったのは、みんな一歩退いてたり、やや皮肉屋だったりどこか冷めてるところが共通していて既視感があったから。
それが本作では前に出てくるタイプへと変貌を遂げて、バランス崩壊の決定打となりました。

いくら「そう来るか!」のびっくり要素がきても
終盤の泣き要素をかぶせてきても


※ネタバレ
{netabare}ひと夏の恋で廃人の人生を背負うと決意し行動するのが意味不明。{/netabare}
{netabare}ひな父のスタンスが至極真っ当できちんとそういった人も描けているのにどうしちゃったんだろう?{/netabare}


茶番劇にしか見えなかった此度のKEY×P.A.WORKSでした。
プロトコル変にいじっちゃって途端につまらなくなっちゃった例になるのかしら。
おそらく大喜利の特番なんかで座布団運びを山田たかおじゃないアイドルにやらせちゃったことで感じる「コレジャナイ」感に近しいもの。
なんだかんだいつもながらの壮大なマンネリを強く期待してたのは私だったのかもしれません。



※ネタバレ所感

■強く擁護する

腹を抱えて笑いました。牛乳飲んでる途中でなくてほんとよかった。

{netabare}第4話麻雀回。
「二色同順」「ドラ隣」「途中まで通貫」「喰い七対子」で腰を抜かす。
アガられるか?のピンチでスキップとリバース。UNOかよ!
やってることは無茶苦茶でルールを無視したゲームは成り立たないのは承知の上で、「二色同順ドラ隣ドラ隣(2300点)」でドヤられたのが心地よかった第4話でした。{/netabare}


■絆(余談)

10年前に感じた嫌悪感。覚悟無き善意の押しつけと言ったら妥当だろうか。

{netabare}奪還するために施設に乗り込むのは構わないんですけど、普通なら施設で療養を続けるべき事案です。
そんなのを超越する情が芽生えるにはひと夏の恋で説明するには強引と思うのは既述のとおり。
後日譚が描かれることはありませんしできません。単独での介護は不可能で必ず家族を巻き込む未来が見えてます。仕事の選択も限られるし仕事中誰が面倒みるの?とかそもそも高校生は養うための収入がありません。子犬を拾ってきてもおかんに「誰が世話するの?」となるわけだし、おかんに怒られるかもと拾う時に迷うものですが、そんなの描いてたら成立しない物語となってます。

リアリティはないし、ファンタジー路線ですら寓話にもならないんですよね。
キャラクターの弱みがもろに出てました。繰り返しますが“やる気のある無能”なんです。10歳満たない子供が同情心から衝動的に捨て犬を拾うことはあるかもしらんし、「毎日僕(私)が散歩に連れてく!」くらいの言い訳は用意するだろうに、それすら微塵も感じさせない高校生というのが自分には致命的でした。しかも犬ではなく人間だもの。

これは覚悟無き善意の押しつけです。
覚悟の定義にもよりますが、気合だけで思慮のない浅い行動をとることを覚悟とは言いませんよね。考えた形跡がなくヒロイックな気分に浸って酔ってるようにしか見えませんでした。{/netabare}


さらに10年前ということで刃をあなたにも突きつける。


{netabare}「絆」「私たちにできること」という機運が生じた10年前。
震災がれきの受け入れを拒否した人少なくなかったですよね。測定して数値がほぼゼロだったと言おうががれき撤去が進まず復興が進まないと言おうが、測定値が信じられないとか漠たる不安とかやらない理由をあげつらった善意の市民。
当時の東京都知事石原慎太郎が四の五の言わず「受け入れる」と決定したのに反感をもった方々もまあ同じ穴のナントカでしょう。文句言うだけの楽な商売です。某体操選手が言ったように「どうやったらできるかを考えてほしい」の数段前にいながらこういうのに限って似非ヒューマニズムをまき散らす。非を認めず他に責を求める。ついでに感謝の意を示さないと怒る。なんで被災した身ながらお前らの感動ポルノに配慮しなきゃいかんのよと思いましたね。
いまさら掘り返して怒る気もないし、日本全国動揺しまくってた時期だとの情状酌量もあるので「当時私はそう強く思ってた」というそれ以上でも以下でもないです。{/netabare}


同情が欲しいわけではなく関心寄せるなら適切な行動を取ってくれという事案。
身近なものなのに身近なものとして捉えることを拒否したアニメ作品と身近なものになった途端逃走した現実の出来事。
災難だったり不幸を目の前にして当事者意識がないのは一緒なのですよ。


プロトコルの変更(主人公♂)で生じたメッセージ(善意の押しつけ)への非共感で沈んだ一品です。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2021.01.31 初稿
2021.09.28 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 57
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

神様の変容

酷評されてはいるが、一般人の感覚では十分楽しめる作品だったと思う。

聞くところによると、本作では「原点回帰」が目指されていたとか。
ゲームをしない自分は、Keyも麻枝准もよくは知らず、
アニメも「Charlotte」「Rewrite」くらいしか観ていないので
「原点」の意味するところは分からないのだが、素人の想像を逞しくすると
あるいは初心に帰って、シンプルで明快なテーマ性をもった人間ドラマを作ってみる、
そんな意図だったのかとも思う。本作には時間を生きる人間の自然な姿が描かれていて
幸福とは何かという、重要なテーマへのシンプルな答えも織り込まれている。

「麻枝准=泣かせ」といった予断を一旦クリアして
ごくありふれた、平凡なヒューマンドラマとして本作を観た場合、
一貫したテーマとして追求されているものが何であるかを考えてみた。


{netabare}ひな、陽太、伊座並さん。
この三人による恋愛コメディが展開される前半パートは
第五話の伊座並さん回で締め括られ、それに続く後半パートでは
ひなと陽太の二人に焦点が絞られるが、テーマ的な次元では前半部と連続している。

キーワードはおそらく、「変化」である。

前半部のひなは無闇矢鱈に周囲に変化をあおる存在だ。
世界の終わりが目前に迫っていることが直接の理由だが、
彼女自身、生まれて初めて普通の生活を手に入れることができた
その限られた時間を謳歌するためには立ち止まっていられないのだ。

ストーリーの軸となる恋愛では、子供時代からの固定した関係を変化させるに至らず、
実は陽太自身もそれほど強くは変化を望んでいなかったふしもある。
むしろそこから派生的に生じたエピソードに「変化」というテーマが濃厚に表れてくる。
ラーメン回などもこのギャグバージョンとして観られそうだ。
勿論、テーマが凝縮されているのは伊座並家をめぐる変化と再生の物語であって、
この第五話は後半への布石と見なすことができる。それは、この回で追求されたテーマが
後半部の陽太とひなの関係の中で再現されているからだ。
そのテーマとは、「苦しみながら変化を受け容れる」というものである。


後半、陽太は変わり果てたひなと再会する。

ひなを連れ帰るために自分たちのことを思い出させようとする彼の懸命の努力は
ひたすら空回りする。この部分のかなり誇張気味の描写が意図するものはおそらく、
まさに神レベルとも言える、ひなのドラスティックな変化を受け容れることができず、
逆に強引に元の関係を受け容れさせようとする陽太の苦悩の表出ではないだろうか。
本来の彼は高い受容性をもっている。それが時間の制限による焦りに加え、
ひなへの感情がすでに恋愛のそれに変わっていることから来る切実な想いが
この醜態を招いてしまっているように思う。


そして、陽太が強制的に退去させられる問題の場面。

ひなの記憶が戻るのはおかしいという点について自分はこう考える。

記憶が戻ったというのとは多分違うのだろう。
レビュアーさんの一人がいみじくも書いておられるように、
脳ではなく心に刻まれている感覚のようなものを想定してみたい。
記憶を失った人でも、特定の恐怖心などで以前の反応を示す場合があるように、
精神ではなく身体的な次元に残存する何かがあるはずだ。

このシーンが第九話の(反転した)再現であることに注意したい。
連れ去られようとしているひなを陽太が必死に追いかけようとした
あの時と同じく、陽太と引き離されて二度と会えなくなる不安をひなは感じていて
その時の恐怖と悲しみの感情がとっさに甦ったと考えられるのではないか。
だから、その同じ瞬間に陽太に対して抱いていた気持ちが同時に反復されて
「ようたすき。」という言葉がこぼれ落ちたのではないか。

「残ってたんだ、あの時の気持ちが。僕たちは今も想いあっているんだ。
 そんな気持ちもわからずに、そんな想いも僕は気づかずに・・・」

彼の自責の念は要するに、ひながとっくに彼を受け容れていたにもかかわらず
自分の方がそれに気づかずにいたということだ。だがそれも無理はない。
ひなにはもはや持続的な自我はなく、断片的な反応を示しているだけなのだから。
それでも、一個の人格の統合性は精神のみではなく、存在全体に関わるものである。
ひなは確かに、自分の存在のすべてを傾けて陽太を受容した。


記憶は失われても想いだけは消えずに残っていてほしい。
それはひなの最後の願いでもあった。
連れ去られる直前にひなはこう言い残していた。

「貴様と過ごしたこの夏は消えてなくなるが、今感じているこの気持ち、
 せめてそれだけは残っていてほしい。そう願うわしがおる。」

ここでさらにもう一つ、重要な要素がテーマに加えられる。
変化を受容すること。それが出来るのは、変わらないものがあるからなのだ。
そして、変わらないものを心に保つことは、さらに変わってゆくためでもある。
伊座並さん父娘にとってのお母さん、それから鈴木少年の束の間の学校生活。
それぞれがかけがえのない思い出を抱きながら変わっていこうとしている。
ひなにもまた、永遠に変わらない宝箱のような奇跡の夏の思い出がある。
作品冒頭で出会ったのは、それらの日々を回想しながら永遠の幸福感に包まれている
心象の中の現在のひななのだろうか。


人生の本質的な相貌である、「変化」の肯定。
これがヒューマンドラマとしての本作が内包するメッセージだろう。

無事帰宅したひなの変化を周囲は自然に受け容れる。
そもそも友人たちのほぼ全員が、直近に変化を経験している点がポイントだ。
陽太はさらに、ひなの変化をまるごと自分の人生に受け容れる決意によって
自分が変わるきっかけをつかむ。

だが、これは決して感動的な結末ではないように思う。
「奇跡は一瞬だから強く光り輝いて見える」とひなの父も言った。
神様ではなくなったひなには、この先の変化はもはや望めない。
陽太はその奇跡をもう一度起こすために自分の人生のすべてを賭ける決意をする。
これはある意味、ひなの父の予言が的中した事態とも言えるのではないか?
二人で夜景を眺めながら陽太がひなにかけた言葉は、ほぼ完全に
プロポーズになっていることに気づいてはっとした。そして見方によってはこれが
慄然とするような残酷なエンドであることを改めて理解したのだ。

終末の風景の中にただ二人だけがいて、荒涼とした世界と向かい合っている、
映画のこのエンディングは、二人の未来を暗示しているようにも思える。
あるいはゲーム原作者らしく、二つのルートのエンドを並置してきたのだろうか。
だとすればこれがこの作品の本当のエンドだと言っていいのかも知れない。
{/netabare}

(初投稿:20021.1.8)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

地に足をつけた神は、神か?

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
P.A.WORKSの作画&演出×Keyのシナリオ(麻枝准)。
これは、『Angel Beats!』『Charlotte』と同じであり、期待値は当然上がる。

それが、、、少し足を引っ張ったかなという印象。これ、P.A.でもKeyでもなければここまで批判されてないかもですが、まあ、期待の裏返しと思って受け止めてほしいと思います。

個人的には☆3.5(65点)くらいで、そこまで悪くないアニメだったと思いますよ。作画は勿論綺麗ですし。ただ、この布陣なら80点は期待しちゃいますよね。シナリオが足引っ張っちゃった印象です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
挑戦したいことは分かった。Keyと言えば、現実にファンタジーが混ざる、不思議な世界観が魅力。

しかし、本作では、おそらく意図的にファンタジーを廃している。一応、「ロゴス症候群」「量子コンピューター」など、空想的な要素は入れてますが、あくまで現実の延長線上にあるもの。

物語の結末も、「奇跡的な何かで、ヒナが全快してめでたしめでたし」とせず、リアルの範疇に納めている。これらは、「視聴者の予想を裏切る」結末だったが、同時に、「視聴者の期待を裏切る」結末になってしまったのは、大きな皮肉。

まず、「世界終了まであと○日」とさんざん視聴者を煽っておきながら、「ひなが病気に戻る」というスケールの小さなところに着地してしまった。あれは、視聴者の期待の斜め下をいってしまった。

予想を裏切るのなら、期待の斜め上にいかないと、そりゃ叩かれるわな。

陽太の行動やキャラクターも微妙。

このアニメは、ユーザーの平均年齢が高めのあにこれでは、特に評価されにくいと思う。

ヒナの介護の問題だが、私世代(30代中盤)にとっては、親や子のリアルと重なってくる。介護なんて、陽太が言うほど簡単なもんでも綺麗なもんでもない。

あれだけ恵まれた施設にいて、しかも回復の傾向があるならそのまま施設に預けるのが一番だし、その間に自らは勉学に勤しみ、量子コンピュータの開発に邁進すれば良い(ていうか、ヒナと陽太が過ごしたのは1ヶ月弱で、ヒナが施設で過ごしたのは半年くらい。むしろ、施設が家なんだよね)。

それをガキのヒロイズム振り回されてもね。大人の視聴者は引いてしまうと思う。

例えば、陽太の頑張りが認められて一時帰宅が許可→映画撮りきる→ヒナによい思い出が出来る→泣く泣く施設に戻す→Cパートで量子コンピュータ開発の感じを出す。くらいの流れなら、リアルの範囲内かと。

こんな難癖、「Angel Beats!」にはつけない。なぜならファンタジーなので、「感動」できれば良い。でも、本作は自らリアリティーに舵を切ったので、「納得」させなければならない。

基本的にこの作品は、ミスリードを狙ったけど、それが全部裏目って、騙しや肩透かしになってるのが残念なんだよな~。

まあ、全部を全部否定するわけじゃないんだけどね。

基本、ギャグパートは単純に面白かった。あのまま日常系ラブコメにしても良かったくらい。

キャラクターも魅力的。特にヒナは良かった。作画は勿論、バッチリですし。

メッセージ的にも、「佐藤ひな」という「ありきたりな名前」をヒロインに据えることで、「誰でも誰かの神様になれる」ということを伝えたかったのかな。

P.A.WORKSの「アニオリで勝負しよう」という姿勢は尊敬に値します。

最近、「P.A.らしくない作品」でコケていて、それはまあ「挑戦」と言えたので良いんですが、今回は「P.A.らしい作品」でコケてしまったので、ちょいと厳しいですね、ブランド力として。

残るはもう、お仕事シリーズだけですね。個人的には、P.A.には、「朝ドラのアニメ版」をつくり続ける制作でいてほしいんですよね。

レビュータイトル、「地に足をつけた神」とは、本作の「佐藤ひな」のことであり、「ファンタジーを使わないKey」のことです。

P.A.の良さは、「小さな世界を地味に丁寧に描くこと」だと思っているので、神様じゃなくていいから、地に足つけて地道にいきましょうよ。大河やハリウッドは、他の制作会社に任せて、P.A.らしい作品が観たいです。大好きな制作会社であることには変わりないので。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
ノリ突っ込み(笑) テンポが良いし、作画は流石。とにかく、シナリオが楽しみだな。

2話目 ☆4
佐藤陽菜(笑) アルマゲドンじゃねぇか(笑) 出発から帰還までが早い(笑) ギャグ展開からの素敵さへの緩急が良い。

3話目 ☆4
神のこめかみ(笑) 意外とちゃんとしたラーメンアドバイス(笑) なんか、また少し作風に変化?

4話目 ☆3
麻雀、ゲン担ぎ(笑) 印刷ミス(笑) 一色足りない(笑) 途中まで通貫(笑) 東西南北(笑) ドラ隣(笑) ポー(笑) もう麻雀じゃない(笑) うちらもオリジナル役作ったりしたけど、ただ、ちょっと悪ふざけが長いかな? 麻雀の時間は半分で良かったかな。また確かに、麻雀が話題にはなるわな。素人がフリテンとかけて上手いことなんか言えるか?(笑) あとは、このふざけた話が、どう伏線となってくるかだよな。それをやらないなら、駄作になるけど、PAだし、大丈夫と信じたい。

5話目 ☆4
母の話。前回からの落差がすごい。問題は、この色んな話をどうまとめるかだよな。

6話目 ☆3
型抜き=バーリトゥード(笑) こういう日常系のギャグ回はクオリティ高いよな。童貞を殺しにかかるほどのロリ(笑) それは普通に停められるんでない?

7話目 ☆4
映画撮影。なんだあの、ムダにすごい卵の作画は(笑)

8話目 ☆3
なるほど、ロボ的なあれなのなね。

9話目 ☆3
ちょいと性急過ぎるかな。

10話目 ☆3
今度はゆっくり。時間経過を。Keyコーヒー(笑) 

11話目 ☆4
かなりデリケートな問題。あれは機械との記憶。めちゃくちゃ正論だな。ただ、逆とも言えるな。ゲームは、脳には良さそうだけどな。

12話目 ☆
そんな、殴らなくても。なるほど、絵じゃないと。う~ん、家族愛より、恋愛の方がよかったかな? 
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37

72.6 2 世界の終わりで未来なアニメランキング2位
planetarian ~星の人~(アニメ映画)

2016年9月3日
★★★★☆ 3.9 (373)
1897人が棚に入れました
始まりは、どこかの国が放った遺伝子細菌兵器であった。やがて、その報復として核弾頭が使われ終わりのない世界大戦がはじまった。地上では星すら見えなくなり、雨が降り続く世界へと変わっていった。滅びゆく世界の中、空から降り続ける雨は、気が付けば雪へと変わり人々の暮らしは地下へと移っていった。
かつて貴重物資を回収することを生業とし“屑屋”と名乗っていた男は、若いころあることがきっかけで、多くの人々に星の素晴らしさを伝えるようになり、訪れる集落で星の世界を語り継いでいった。いつしか人々は彼のことを“星の人”と呼び、敬うようになった。そんな彼は、ただ一つの“心残り”を持ちながら、世界を旅していたが、志半ばにして行き倒れてしまう。
一方、地下集落に住むレビ、ヨブ、ルツは外の世界に興味津々。大人たちに隠れて、地下の集落から抜け出て外の世界を探索していた。降り積もる雪の世界の中で興奮冷めやらぬ中、三人は埋もれていた一人の老人を発見する。
彼は、三人に助けられて、無事一命をとりとめた。そして、村の長エズラと話をしていく中で、彼が星の人と分かり歓迎されることになる。
「あなたを歓迎します、星の人」

無邪気に話しかけてくる、レビ、ヨブ、ルツ。三人と話していくうちに、若いころ自身が訪れた【封印都市】のことを思いだしていった。そこは、世界大戦初期の遺伝子細菌兵器の影響で、人々から放棄された街。彼は、まだ見ぬお宝を求めて、探索していた最中、追跡していく戦闘機械(メンシェン・イェーガー)から逃れて、デパートのプラネタリウムに迷い込んだのだった。
そんな彼の前に、一人のロボットの少女が現れた―。

「プラネタリウムはいかがでしょう。どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき……。満天の星々がみなさまをお待ちしています」

星すら見えなくなった滅びゆく世界で、彼は何を見たのか。

一人の男が生涯を賭して旅する中で、出会ったものとは ― 。

声優・キャラクター
すずきけいこ、小野大輔、櫛田泰道、滝知史、佐藤利奈、篠塚勝、福沙奈恵、日笠陽子、津田美波、石上静香、桑原由気、竹口安芸子、大木民夫
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

人生は思い通りにいかず儚いものであるということだろうか

世界観:5
ストーリー:4
リアリティ:4
キャラクター:5
情感:6
合計:24

<あらすじ>
始まりは、どこかの国が放った遺伝子細菌兵器であった。やがて、その報復として核弾頭が使われ終わりのない世界大戦がはじまった。地上では星すら見えなくなり、雨が降り続く世界へと変わっていった。滅びゆく世界の中、空から降り続ける雨は、気が付けば雪へと変わり人々の暮らしは地下へと移っていった。
かつて貴重物資を回収することを生業とし“屑屋”と名乗っていた男は、若いころあることがきっかけで、多くの人々に星の素晴らしさを伝えるようになり、訪れる集落で星の世界を語り継いでいった。いつしか人々は彼のことを“星の人”と呼び、敬うようになった。そんな彼は、ただ一つの“心残り”を持ちながら、世界を旅していたが、志半ばにして行き倒れてしまう。
一方、地下集落に住むレビ、ヨブ、ルツは外の世界に興味津々。大人たちに隠れて、地下の集落から抜け出て外の世界を探索していた。降り積もる雪の世界の中で興奮冷めやらぬ中、三人は埋もれていた一人の老人を発見する。
彼は、三人に助けられて、無事一命をとりとめた。そして、村の長エズラと話をしていく中で、彼が星の人と分かり歓迎されることになる。
(公式サイトより)


Webアニメ(ちいさなほしのゆめ)の続編ということで引き続き視聴しました。
そちらを先に見たため、総集編的な作画の使い回しが多い(ほとんど2度目の視聴をしたようなもの)のは気になります。飛ばしたかったのですが、違いがあるかもしれないと思い、全て視聴しました。プラネタリウム解説の部分はやはりいいですね!

多くのプラネタリウムでは既に録音放送となっていて、前回はそれをAIロボットにさせる意義があるのかについて若干疑問に思っていたのですが、可愛らしい容姿で、動いて、イレギュラーな対応もしてくれて、入り口でマスコット的対応もしてくれるのはなかなか効果的だと思うようになりました。

さて、以下、辛口コメントになります(好きな方には申し訳ございません)。
老人は{netabare}やはり前作の主人公(屑屋)でしたね。しかし、容姿はもちろん、声や口調がかなり変わってしまっていて、同一人物として見るのに抵抗ありました(どこかのシーンで一人称が「わたし」ではなく「俺」となっていた所は良かった)。途中のエピソードも入れてもらいたかったです。

主人公が老人になっている時代において、プラネタリウムの技術を持つ人は主人公だけのようでしたが、「星の人」とまで言わせるほどに、それを生業にすることはできるのでしょうか(しかも、プラネタリウムを投影するための暗幕すら持っていない?)。また、本当の星空を知らない人が多くなっていく中、その投影に「綺麗」という以外の付加価値を感じられる人がどれだけいるでしょうか。星の見える世界を生きている我々でさえ、星空を見たい欲求は(たとえ、見られなくなったとしても)、そこまで大きいと感じないのが実際のところかと。

このあたりの世界設定は、前作に増して、あまり考えられているように思えませんでした。また、主人公の後継者を見つけたいという思いは理解できるものの、子供たちが星の人になりたいと言うことに共感できず、主人公たちが目指したい方向に気持ちが寄り添えませんでした(むしろ、大人たちの反応が当然である)。

最後の妄想?による再会シーン、感動的ではあるのですが、この物語の締め括り方としては至極残念。物語主義者から見れば夢オチみたいなものです。ゆめみから抜いたメモリーカードを、外見が違っても(ゆめみと同タイプの躯体があったとすればいいだけの話。元々ベタなのだから、ここはベタでいかなきゃ)、自動人形に差し込んで、現実世界で再会するシーンが見たかったし、そのために見ていたといっても過言ではなかったので。

自動人形を見つけてから、メモリーカードを挿し、ゆめみが起動し、その言動を子供たちも見て、星の人を継承する、という流れまでやるのは尺もかかりますが、Webアニメの再放送に使った時間を圧縮すればできなくはなかったはずです。

耳のスロットを確かめようとするシーンまで描いているので、もしかしたら、上記展開を望む人に向けて、人生(物語)は意外性をもって終わるということを表現したかったのかもしれませんが…。

あと、女神様が老人の枕元で祈りを捧げていたのは、なぜなのでしょうか。その動作理由が不明です。子供たちは星の人を継ぐと宣言しますが、投影機の使い方や星座にまつわる神話等の説明に関する知識のない彼らに何が継承できるのでしょうか。{/netabare}

とりあえず、全部見たい人にWebアニメ版は視聴不要。本作だけ見ればよいですが、上記の不満点が大きかったので、おすすめはしないです。

(参考評価:3.1)
(視聴2020.6)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

星の人の物語は続いていく‥

かつて屑屋を名乗り、やがて星の人と呼ばれる様になった老人の、長い旅の果てに辿り着いた終着点、ある集落での出来事、※1ヨブ、レビ、ルツ、3人の子供との交流を老人の回想を交えて描きます。

物語には新しく加えられたカットも多数有りますが、回想シーンが多くを占めていますので、完全な新作を期待するなら、すでに「Planetarian~ちいさなほしのゆめ~」を視聴済みの人にとっては物足りなく感じるかも知れません。

私はというと、前もって予告編に目を通していたので、総集編+という内容になるのかな? という気構えが出来ており、抵抗無く視聴する事が出来ました。「ちいさなほしのゆめ」の内容がほぼ全て収録されていますので、この作品に初めて触れる方はこちらから入っても良いかも知れません。

上映時間2時間程の内、約1/3だけが追加カットになります。なので続編や新作としてでなく、新編集版、ディレクターズカットとしての視聴をお勧めします。

物語の舞台は「ちいさなほしのゆめ」の終幕から40~50年後の世界。冒頭の子供達3人組が登場するシーン、教会の地下シェルターを中心に作られた集落で生きる朗らかな人々の描写からして、物語の雰囲気は過去パート-ちいさなほしのゆめ-にある荒涼とした無人都市にたった二人という、寂しげなものとは大きく異なります。

そんななので現在パートの方は、見方によってはジブリ作品とか世界名作劇場の一場面を見ているかの様な、穏やかな空気に満たされている印象を受けました。登場人物も増えていますので「ちいさなほしのゆめ」ではほんの少ししか触れられていなかった世界の現状や、そんな世界の中で希望の見出せない、変遷していく人々の心についても、僅かながらですが情報の開示がありました。「ちいさなほしのゆめ」の世界観を補完する側面も持ち合わせている作品なのではないかと思います。

人にせよ、ロボットにせよ、いつかは死に、壊れていくもの、消えていく命が後に残る者に何かを託すという事、子供を残したり、物を作ったりするという事だけじゃなく、言葉によって、関わりによって知識を残すという事、それも命を残すという事。

この作品では、そうやって脈々と受け継がれる命のリレーの中に、人もモノもない交ぜになって紡がれていくという、そんな当たり前の世の理を、殺伐と絶望ではなく、静けさと希望をもって優しく描いている様に感じました。その語りかけは深く心に染み入るものでした。

願わくば遠い未来のお話、いずれ自分が命を失う時、誰かに何かを渡して、笑って死んでいければなと、そんな感慨に耽ってしまうブリキ男なのでした。


※1:旧約聖書に含まれる書の題に見られる名。作中にはエズラ、エレミヤの名も確認出来ます。いずれも預言者や祭司などの名を指します。こういった名付けは、彼等の住んでいるシェルターの上に教会があるという事に起因しているものと思われます。

※2:作中には人間以外の動物が登場しません。絶滅してしまったのでしょうか? でも動物が天国に行けなかったらと思うと寂しい気がします‥。本作ではロボットのゆめみさんを通して、人間にのみに与えられるというキリスト教の天国の概念に対して、問いを投げ掛けている様にも感じました。

{netabare}
終幕近くの星の人の台詞「例の門、二つじゃないだろうな?」
この一言から、屑屋さんがゆめみさんの事を生涯愛し続けていた事がはっきりと伝わってきました。‥泣くしかないですね。

物語終了後のスタッフロール、宇宙(そら)を飛ぶソーラーセイルはどこへ向かうのでしょう、速度を速めたり遅めたり、明るくなったり暗くなったり、延々と続く命の輝きを象徴しているかの様にも思えました。
{/netabare}

久しぶりに映画鑑賞した感想
{netabare}
今回劇場に足を運ぶに際して、予め(初めて)ムービーチケットというものを購入しておきました。普通の前売り券として使えますが、加えてネット上から視聴席の予約が出来るというスグレモノ。でも劇場によっては上記のネット予約が出来ないとの事、私の住んでる近所の映画館ではそれが無理だったので、ただの前売り券と化しました。でもムービーチケットは普通の前売り券と違ってカード型、ゆめみさんカードもらえたので少し得した気分でした。

上映中に奏でられる音楽は全て素晴らしいものでしたが、シオマネキの杭打ち機のアスファルトを突き破る音、レールガンの轟音は強烈でした。屑屋さんの感じたであろう耳鳴りも観客の私にそのままの形で伝わって来ました。家でのほほんとアニメを見る事が好きな私にとっては、良いのか悪いのか、若干の緊張感を覚えました。映画館での視聴を予定している人は覚悟すべし(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

星とAIと浜松と

<2018/11/18 初投稿>
原作はゲームらしいですね。

keyのアニメは根本的に自分と合わないようなのですが、本作は完走できました。
珍しい作品です。

keyが苦手な自分がなぜ見始め、なぜ完走できたか

・星やプラネタリウムが好きだから見始めました
・よく知ってる場所が出てきたので見続けられました
・シナリオが落ち着いてて良い感じだったので完走できました

核や細菌兵器かな、などが使用された戦争により荒廃した地球が舞台。

おかげさまで、常に空は分厚い雲で覆われ、
寒冷化が進み、
シェルターの外はマスクなしでは生きられない、
ナウシカの世界より住みにくそうな世界になってます。

当然、星空なんか見えない。
つまりそこに生きる人々は
「星空なんて見たことないから知らない」

そんな世界のお話です。


というわけで気になったポイントを二つほど

まずは「よく知ってる場所」のことからです。
予備知識無しにボーッと見てたら「封印都市」のシーン。

あれ?これ、アクトシティだよね。
これは松菱デパート?
市街戦もこれはどう見ても「浜松市」の駅そばだ!
テンション上がりましたよー。
だって私、浜松出身ですから。

浜松って特筆するようなもんが鰻と餃子くらいしかない地味な街なんで、まさか映像作品に使われるとわっ!

でもよくよく考えたら、枯れて寂れた「封印都市」にぴったりのロケーションかもしれません。
だって全く盛らずに現実のまんまでも十分に枯れて寂れてるし 笑。
人口は60万くらいいるはずなのに豪勢に再開発されたはずの浜松駅周辺の寂れっぷりはなかなかのもんですよ。

評点は浜松補正で少し高めです 笑


もう一つはAI

「自我を持つ一歩前のAI搭載ロボ」という今の時代にマッチしたテーマを扱ってます。

昨今のAIブームの前から様々な映像作品で「自我を獲得したAI」が描かれてます。
ですが、「その一歩手前のAI」を取り上げ上手く物語にした作品は意外と少ない。
そんなところが気に入ってしまいました。

ほしのゆめみというゆるキャラみたいな名前の自立型の案内ロボが出てきます。

お客さんの質問や要望に都度応える学習機能付きの人型チャットボット。
チャットボットとしては今実用化されてるものよりちょっと高性能な感じ。
なので明確な自我はありません。
ロボとしては人間そっくりの外観と挙動で、現在より格段に高いレベルにあります。
これが本作のヒロイン。

封印都市で半ば朽ち果てたプラネタリウムに配置されたままほったらかしにされてました。
何十年も放置されてたせいか壊れかけ。

主人公はこの壊れかけのRadioなゆめみさんと出逢います。

今、AI業界は機械学習の面で大幅な飛躍を遂げました。
データを与えると自分で考える機能のこと。
でも人間のような自我を獲得するにはまだまだ道のりは遠いようです。
そこで自我を持つAIの前に「意味を理解するAI」の開発が必要とか言われてるそうですが、これが猛烈に大変らしい。
10年や20年のスケールじゃ無理なんじゃないのという声もあるそうです。
(つか、「意味を理解できたら自我の獲得と殆ど同義なのでは?」と私なんかは思ってしまうのですが。)

ゆめみさんはまだ「物の意味を理解する」能力までは獲得していないようです。
ですがその一歩手前ぐらいまで行っている感じ。
主人公が求めるものを必死に理解しようとしてるようにも見えます。

そんなゆみめさんと触れ合ううちに主人公はゆめみさんに「自我」のようなものを感じてしまったようです。
チューリングテストのように。

そんな二人のやりとりが物語になっていくわけですが・・・



不満もあります。

正直言えばキャラデザイン苦手ですし。
シナリオも後半はちょっと冗長。
最後の方はしっくりとはきませんでした。

でも、
チャレンジングなテーマで、
上手くまとまっていて、
ちょっと心に残る。

そんな良作だと思います。

<2018/11/18 追記>
主人公の声を大木民夫さんが演じられてたのを思い出しました。
昨年他界された名優です。
それこそ数えきれない数の役を演じらた名バイプレイヤーでしたが、個人的には「灰羽連盟」の「話師(わし)」役が心に残ってます。
本作、大木さんの主役でしかも遺作というだけでも作品の価値が上がってると思います。
なので評価値を引き上げました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 50
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