2018年度の体育祭おすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2018年度の体育祭成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の2018年度の体育祭おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.9 1 2018年度の体育祭アニメランキング1位
やがて君になる(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (668)
2468人が棚に入れました
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──。「私、君のこと好きになりそう」

声優・キャラクター
高田憂希、寿美菜子、茅野愛衣、市川太一、野上翔、寺崎裕香、小原好美、中原麻衣、森なな子、小松未可子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

真面目な百合アニメ、、、いや、青春群像劇かな。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
これまで観た百合アニメでは、トップレベルに面白かったです。

私は基本的には「ほら~。女の子同士がいちゃいちゃしてるなんて萌えるだろ~」みたいな百合モノは苦手なんですが、本作は、心理描写がメインであったこともあり、そういう部分で楽しめました。

逆に言えば、ライトなノリの微百合モノや、エロ系の百合モノが好きな方には、あまり合わないかもしれませんね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
百合というより、同性愛。

それに対して、かなり真面目に描いていると思う。

ただ、そういう「同性愛」という部分とは別の、「闇(病み)」「歪み」がそれぞれのキャラにあって、独特の魅力があった。

侑は「誰も好きになれない」。七海は「誰にも好かれたくない」。槙は「他人の恋路を楽しむ」。紗弥加だけがシンプルに「同性愛の悩み」。

彼ら彼女らは、それぞれが主人公に成り得るだけの魅力が、深みがあるキャラクターだった。だから、本作は青春群像劇なんだと思う。恋愛の悩みの裏にあるのは、アイデンティティの確立。まだ「何者かになりかけている」彼ら彼女らだからこその、輝き。

原作者は百合作品を描く理由として、(Wikiから引用)「{netabare}人を好きになる気持ちがあまりにも当たり前で説明不要なものとして描かれている作品を自然に受け入れられなかったが、同性愛を題材とした恋愛作品には、相手を好きになる理由や葛藤、あるいは理屈をねじ伏せてしまうような強い関係性が描かれていることが多く惹かれていった。{/netabare}」と述べている。

世の中にある大半の作品は、「人は恋愛するもの」「恋愛は正義」という前提に立ち、「どう恋愛するか」「誰と恋愛するか」を中心に描くが、本作は「そもそも恋愛する必要があるのか」という根底部分からの問題提起をしている。この点は特に面白く、本作がただの百合萌えアニメと一線を画している最たる点だろう。

そんな「自分を確立できていない」登場人物達の中でも、アニメで描かれた範囲では七海が魅力的だった。

自分のことが嫌いだから、そんな自分を好きになる相手のことは嫌いになる。でも、自分のことは誰かにさらけ出したい。さらけ出して嫌われたら嫌だし、さらけ出したして好きならたら、それも嫌。

つまり、もし自分のことが好きになれたら、自分を好きになる相手のことも好きになれる。メンドクサイながらも、可愛い女の子。

完璧な姉に憧れ、そんな姉が死に、家族や周囲は沈み、だから姉自身になろうとした。

このあと、七海はどうなるのだろうか? 死者(姉)は成長しない。生者(七海)は成長し続ける。だから、いつか必ず姉に追い付き、追い越さなければならない日がある。その時、初めて七海は「君」になる。つまり、これはある種の「姉殺し」の物語である。

物語は、かなり良いところ(中途半端)で終わる。最後、生徒会劇までやらないのは意外だった。普通なら「放り投げるなよ」と評価を下げたくなるところだけど、本作に関しては「これもアリ」だと思った。

原作連載中のアニメのラストは主に3パターンで、Aアニオリにして完結。B俺達の闘いは続く。Cキリの良いところでキッチリ終わらせる。

Aはうまくいけば好評、下手すれば大バッシング。Bは大抵叩かれる。Cは一番良いが、尺の問題で毎回できる訳じゃない。

本作はBの俺たたエンドだと思うけど、なぜ腹が立たないかというと、①繊細なテーマだけに、下手にいじってほしくない。②最終話までに丁寧に心理描写を重ねてきたから、十分に行間を読める(満足できる)。③最終話の気合いの入った作画や美しい挿入歌といった演出が見事で、単なる日常回にある程度のカタルシスを持たせたアニメスタッフの手腕。 などが、重なったからだと思う。単純に2期を観たいし、2期やらんなら原作読みたい。良いラストだった。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
本作は百合アニメだが、登場人物達は同性愛以外にも悩みを抱えており、同性愛の要素を除いたとしてもなお、魅力があるキャラクター達だった。特に七海はメンドクサイながらも可愛い良ヒロイン。

本作の凄さは「そもそも恋愛ってする必要あるの?」という根底からの問題提起。そして、ある種の「姉殺し」とも言える成長ストーリー。

ラストも深みがある「俺たたエンド」で、2期が楽しみになった。
{/netabare}

【余談~優秀な兄、姉に持つ気持ちの、性差?~】
{netabare}
七海が、「姉になりたい」と言った時、「きっと作者は女性なんだな」と思いました(勿論、他にも女性らしい視点は多々ありましたが)。

私にも優秀な兄がいるので、七海の気持ちは半分理解できます。確かに兄には憧れましたが、どちらかとライバルで、追い越すべき存在でした。これが10歳も違えばただの憧れだけど、1~3歳なら、下手すりゃ勝てるしね。けれど、特に小学生くらいの数年間って、スポーツにしろ勉強にしろ遊びにしろ、絶望的な差があって。周りからは「兄貴と同じ年になったら勝てる」と言われたけど、それじゃあ嫌で。あくまで、「今、対等な条件で」勝ちたかった。それが、男兄弟の一般的な感覚だと思います(多分)。

だから、「姉になりたい(同化)」という欲求は、共感はできないけど、なんか、「女性っぽい」と思いました。女性って、お揃いとか女優が使ってるコスメとか、好きだしね(多分)。

と、ここまで書いて、原作者が男性だったらどうしよう。まあ、だったら「女心が分かる素敵な男性」ということで(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
侑の視点(オウンビュー)が多用されるってことは、侑に感情移入しながら観てほしいってことかな? これは男子君、可哀想だな~。普通にいけるって思っちゃうよな。てか、これでありがとうって、この男子君、人間出来すぎだよな。百合なんだな~。完走できるかな?

2話目 ☆3
沙弥香さん、完全に嫉妬闇落ち要員くさい(笑) ここでキスかあ。意外と展開早いな。侑の性格というか、性根が独特ですね。

3話目 ☆3
アカリの方がちゃんと恋愛っぽい。七海がやけに可愛らしく迫ってくるし、侑の塩対応が男前だな。その演説は、、、悪目立ちしないか(苦笑)

4話目 ☆4
剣道やろうよ(笑) この学校の生徒会役員は、会長の任命なんだな。台本に七海がいたな~。七海はいつも発情してるな~。ソッコーで見られてますやん(笑) 槙くん、実は腹黒い? 槙くん、攻めるな~(笑) 槙くん、サイコパスやな~。

5話目 ☆3
小説で、ひと波瀾? ウチくる? 七海が完全に負けてるな。

6話目 ☆3
ついに、沙弥香の怖さが表に出てきた。なんかこう、難しいな。歪んでる感じだな、お互いに。

7話目 ☆4
沙弥香さんはガチだからな~。現文なんて、やることない、確かに(笑) 歪んでるな~。大人の百合カップルだな~。LGBTのことに、(多分)真面目に踏み込んでいる感じがなんか良いね。

8話目 ☆3
これ、本当に「今」となっては、なんだろうな。紗弥加さんの、怖さよ。七海がまた、怖いな、やっぱり。

9話目 ☆3
喫茶店のお姉さん、素敵だな。あれ? 惚れた?

10話目 ☆3
嫌われない一番の方法は、好かれないことかな。私も遊びでいくつか書いたことあるけど、わりと難しいよね。「なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き」って感じかな。

11話目 ☆4
着替えのシーンが、やけにリアル(いや知らんが)w 姉さん、全然タイプ違うんだな。姉になりたい少女が頑張った結果、似てないとか、酷い話だよな。

12話目 ☆4
この脚本、うまく出来すぎだよな(苦笑) かなりすごく甘えちゃう。これ、男と女なら、批判されてるのかな?

13話目 ☆4
水の表現、良いね。お、踏み込んだ。電車の隙間から景色見えるところとか、めちゃリアル。レズビアンやバイセクシャルじゃなく、女性と付き合うという立ち位置なわけね。劇で終わらせず、放り投げたな。原作連載中で、アニオリラストにするより、行間を読めってことか。タイトル、「やがて君になる」じゃないんだ。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 53
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それでも、向き合っていくんだ

高校1年生の小糸 侑が、好きという感情に向き合う作品。
{netabare}
本作は百合作品です。それは作品が七海 燈子という人物に、主人公へ告白させたから。
ですが、同時に、本作は百合というジャンルの中にありながら、恋愛対象への「好き」という感情を解き明かしていくことがテーマになっていると感じました。

それは小糸侑という少女が、高校1年生で人を好きになるという感情が「わからない」としたからです。

1話の例を出せば、侑は、卒業式に中学生時代の男子に告白されていた状態から始まります。高校生活が始まっても、彼への返事を出せずにいました。
さて、1話の内容そのまま書いてしまいそうなので、詳細は省きますが、
要は、侑にとって、男性に告白されようが、同性に告白されようが、彼女は好きがわからない、
もしくは、侑いわく、少女マンガやドラマみたいな、きらきらしたものがないと、感じているのです。

彼女にとって、きらきらと、好きと言ってきた相手に感じてしまう心こそが、彼女のイメージしてきた、「好き」なんですが、
現実ではそんな事はなかったことが、彼女の疑問を生むことになります。

また、「好き」というテーマを、燈子という、同性愛の視点から、男女の垣根を越えたテーマとして、扱ってしまっています。
燈子という、「好き」がわかってしまった側の侑へのアプローチによって、侑はどう「好き」を考えていくか?

「好き」を考えることと、燈子を好きになるかは別の事です。
これが好きってことなんだと、燈子の行動をみてわかったと感じるのではなく、
彼女の疑問の初期衝動、好きといわれた人に、その時にきらきらを感じない。その感情を大事にして欲しいなと思い、期待してみさせていただきます。

PS.百合作品はあまり好きではないので、燈子が侑に何かするたび、これは、
友人のやり取りとしてなのか、それとも思い人へのやり取りとして、正しいのか、
困惑しつつ、セーフ、アウト・・・セウトな感じで見ています。

【恋に恋して、人に恋せず】
{netabare}
どこかで侑の気持ちにわかるところがあるなあ、と感じていたんですよね。
彼女、恋に恋してたんですよ(と解釈してみました(我ながらチキンな))。
中学生までの侑は、恋愛に対し、素敵な理想を描いていたのでしょう。
「結婚したいなあ~」という言葉は必要に駆られてる面がありますが、
「恋愛したいなあ~」という言葉は心を満たすものを求めているんじゃないかな。(侑が言ったわけではないので、あしからず)

心が満たされるもの、それって自分の満足感のためにあって、お相手がいない。
恋愛をすれば満たされると思っていた、中学生時代の侑はお相手と関係をつくる事は考えていなかった。

それが、男子に告白されて、恋愛というものが、お相手がいて、自分がお相手をどう思うかがあって、自然とだれかに与えられるものじゃないと気付いた。
そう考えると、かなり身近な事で侑は悩んでいるのかもしれないと思えますね。

{/netabare}



{/netabare}


【2話以降から11話付近までの話】
{netabare}
やはり最初にえ?と来たのは、七海さんによる「好き」の再定義の回からかなあ。
「好き」が暴力的だとしているのに小糸に「好き」を使う七海。つまり、作り手も七海も、暴力的自覚を持ちつつ「好き」を小糸になげかけていること。
作品内での個人の言葉の再定義という、七海の性格の歪みの演出がエグい。そして好きをあえて使う七海がさらにきつい。七海を支配しているのは優しさではなく、暴力的な愛と捉えました。

それに対比するかのように、小糸の七海への感情は優しい。七海が小糸を、優しいと言うのは、ある種
正しいと思います。
七海が嫌がるから、七海に好きと言わない小糸。七海の中では暴力的な言葉で、それを使わない小糸は、確かに暴力的ではないわけです。
その定義を当てはめて見ていくと、小糸は七海を好きになっていくにつれ、暴力的にみえるわけです。
でも、この描写、自分ルールを自分の好きな人、もしくは自分が好きな人におしつけている(特に、小糸が七海の事を軽く好きといっただけで、態度をこわばらせたシーン)ので、七海が自己中、暴力的なことから、好きになれないんですよね。
そういう演出なんだけどね!
そんな暴力的な七海を、小糸が好きになっていくのを見て、小糸が暴力側におちていくようで、見ているのがつらいんですよね。
七海はゆうの優しさを利用しないでよね!プンプン


そして、七海が誰にも譲れないと考えていた、お姉さんになるという思想。この考え方はもう真っ向から嫌いだったのですが、かわいそうともとれます。
七海という人が生徒会活動を通して、どう変わっていくか、それもこの作品の楽しみです。
七海の姉の人物像が揺らぐストーリーが来たとき、やっぱ作り手も全て考えた上だったんだなあと、安堵しました。
{/netabare}


まとめ【12話感想含む】
{netabare}
侑があのスタンスの強い姿を見せることがこの作品のラストであるのは実に良かったと思います。

人物を最終的に整理すると、
見せ掛けの姿が強く、内面が弱い燈子。他人になろうとするのも、好きを侑に言うのも、弱いから。燈子が他人になろうとするという思想を打ち砕く侑という構図にしたことでおのずと作品のメッセージがわかると思います。

好きな人の心の中に自分を置こうとしなかった沙弥香の、性格のささやかな変化。嫉妬心などの醜さを内包しつつ、ささやかな燈子との進展で喜びを感じる描写で少女性をギャップで強調したのかな。

誰も好きになれないと思っていた侑を第三者(槙)的目線で見たときの変化。誰かを好きになることが無い槙君が普通じゃない側の人間として侑がもう好きを知っていると判断した事からも、侑は普通の子であり、侑の好きは普通の恋心を描こうとしていたと思います。
侑と沙弥香で、燈子のすることに対して、否定と肯定によって二人の性格の明確な差別化がされました。また、好きであるから生まれる欲求の差、相手に幸せな方向に代わってほしいと思う侑と、相手のすることを許容し、相手に受け入れられたいと思う沙弥香、燈子が好きであるのは変わらないのに、欲求や行動のベクトルが違う事がはっきりと出ていて、キャラ立ちという意味でよかったと思います。
侑に関しては、最初のきらきらとした恋愛に対する憧れを失っていないような終わり方だったのでそれはよかったと思います。燈子の好きに始まる恋愛に対する考えが、自分を守ったり利益を得るための自分勝手なもので在るとするならば(同時に、相手の変化を許さない事まで含んでいる)、侑の恋愛像はその逆であり、相手に変化を求める最終回はまさに二人の恋愛観が対立しうるものであることを表現していたと感じています。


{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

特別への欲求たる青春を百合で描いた作品

世界観:6
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:8
情感:7
合計:36

<あらすじ>
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、
中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。
そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。
燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──
「私、君のこと好きになりそう」
(公式サイトより)

今期はシーズン中の作品を、評価が高い噂があるものを積極的に視聴する試みをしており、7話までの時点で引っかかったので視聴を開始した経緯です。
(前情報では百合物(しかもガチなやつ)といったものであり、一般受けはしないだろうに、それでも評価されているようだということで興味がわきました)

先に結論から言うと、とても面白かったです。
私は恋愛物自体あまり得意ではないので、そこにもハードルがあったと思うのですが、それを乗り越えてきました。

{netabare}1話では、主人公の侑が生徒会の手伝いをすることになった経緯で、たまたま、自分と同じく恋愛の感覚がわからないという先輩の燈子に、自分が回答できていない告白の答え(お断り)について相談して、その場で相手に電話することになり、その直後に燈子から「好きになりそう」と告白されるというやや唐突な話で、よくわからない状態のまま、続く2話でキスもしてしまうという展開はとっつきにくく、{/netabare}1話か2話で切ってしまった人もいるのではないかと推測されます。

この、燈子が恋をした理由というのは後ほど説明もできるものとなるのですが、それはそれとして、続く3話あたりまで見ると、この作品の美しさであったりユーモアであったり、私の重視する心情描写やリアリティが結構しっかりしているので継続視聴する気になりました。

キャラデザは正直、そんなに魅力を感じていません(途中、数話で作画崩壊しないか心配になりましたし)。しかし、多くの場面では綺麗に描けていますし、目や表情を多用した心情描写があり、違和感はなくなりました。背景作画は今期の作品の中で上位ではないでしょうか。キャラデザについて、原作者及び原作ファンのために徹したように感じられたのが、(私は原作を知らないので、ネットの画像検索でいくつか見ただけですが)嬉しく思えました。

作画崩壊してしまったりすれば、原作者はもう絶対アニメ化したくない程トラウマになりそうですし、ファンも悲しいですからね。

良かったのは恋愛の機微の部分。{netabare}私は3,6,7,12話を優良回と評価していますが、このあたりは素晴らしかったです。何というか、恋愛の対象は異性である必要があったのだろうかとか、人生のパートナーに選ぶべき、気心が知れて、信頼ができる人物が同性であった場合、その関係を否定するほうが難しいように思いました(もちろん、生物学的に二人の子供ができないという面はありますが)。

学生間の恋愛をテーマとしてリアリティのある綿密なものを作ろうとすると、男性は若すぎてしまうんだろうなとか、精神的な繋がりを求める関係を純化すると、女性カップルというのが自然なんだろうなとか思います。

本作を見て気づいたこととしては、世のアニメの多数は二十にもならない学生を主人公にしていて、その世代の価値観(青春)を描くとすれば、普遍的なテーマのひとつになるのが「特別になること」だと思います(今後、私は「特別欲求」と言おうと思います(笑))。自分が好きな人の特別になること(⇒恋愛)、自分が友達や誰かの特別になること(⇒親友や承認)、自分がなりたい自分になること(⇒自我、自尊心)、自分がやりたいことで自立すること(⇒進路、専門分野での成功)といったように。

6話で燈子が侑の言葉に折れず、「死んでもそんなこと言われたくない」と突っぱねるシーンがあって、個人的に好きなシーンです。燈子には恋愛だけではない、特別欲求があって当然なのです。そして、人物描写としても、燈子はその特別な自分を認められることで、自分を支えている人間だということも見えてきます(人間には、譲れない物があったりします)。

続く7話では、侑と燈子の関係を快く思っていないように見えた沙弥香の回で、彼女の境遇と心情描写が加わることで、大幅に深みが増しました。本作は伏線的なカットや、巧みな心情描写が多く用いられており、このあたりではストーリー評価が9点にまで上がっていました。

情感面。泣ける作品はそれだけでも評価を上げる要素になりますが、化学調味料による泣きではない、なぜ泣いているのか説明がうまくできない涙が流れる作品のほうが好みです。本作は様々な演出が幾重になっていることによるためか、特に泣かせようとしているように見えないシーンでも涙腺を刺激されることがあり、充実感も大きかったです。(これが「尊さ」なのか?)

9話、11話で作画が危うくなって声が浮いているように感じたところがあったり、物語が若干停滞したことで少し評価が下げてしまいましたが、{/netabare}7話時点で今期の覇権だと思ったほど、見応えのある良作でした。

OPも物語の進展につれて良くなり、しばらくはYoutubeで聴いていましたが、その後、デジタル音源を購入しています。

ということで、恋愛物の苦手な私にしては高評価です。百合が苦手な方も、リズ青が好きな人はストライクゾーンに入る可能性が高いと思いますし、3話までは続けて視聴し、判断していただくのが吉かと思います。

<2018.12.30追記>
今期の上位作品を比較してみたところ、やはりこの作品だと思ったので評価を微修正させていただきました。

(参考評価推移:3話4.1→6話4.3→7話4.5→9話4.3→11話4.2→12話4.3→13話4.2→調整4.3)
(視聴2018.10~12)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 36

77.9 2 2018年度の体育祭アニメランキング2位
寄宿学校のジュリエット(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (537)
2627人が棚に入れました
寄宿学校、ダリア学園。孤島に佇むこの名門校には、敵対する2つの国の生徒が通い、日々、争いを繰り返していた……。そんな状況の中、東和国寮の1年生リーダー、犬塚露壬雄と、ウェスト公国寮の1年生リーダー、ジュリエット・ペルシアは、実は秘密の恋人同士! 犬塚の告白ではじまったこの恋は、学園中の誰にも! 絶対!! 何があっても!!! バレちゃダメ!

声優・キャラクター
小野友樹、茅野愛衣、佐倉綾音、嶋村侑、日高里菜、小倉唯、神谷浩史、杉田智和、細谷佳正、下野紘、立花慎之介、喜多村英梨、興津和幸、上坂すみれ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アレンジされたロミオとジュリエット セミドンもあったよ

ダリアはウェストと東和の間に挟まれた島で両方の国から学生が来ている。平和を装っているが、裏で敵対しており、犬塚とペルシアは秘密の恋人。1話の告白シーンがすでにクライマックスでちょっと竜頭蛇尾気味な感じはあったかもしれない。なので、内容の評価は個人的にはそんなに高くはない。それでも、飽きずに最終話まで見ることができるくらい良いテンポであった。原作がまだ続いているので、もしかすると2期があるかも。アニメを見て原作を読みたい気持ちになった。

女の子のキャラクターはみんな可愛い。ペルシアを慕うスコットが完全にギャグキャラで扱いのひどさは面白い。

OPはfripSideのLove with You。1番と2番で歌詞の視点が変わるらしい。EDは飯田里穂のいつか世界が変わるまで。犬塚とペルシアが世界を変える決意を表している。どちらもアニメにしっかり寄り添った歌詞。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。

寄宿学校、ダリア学園。孤島に佇むこの名門校には、敵対する2つの国の生徒が通い、日々、争いを繰り返していた……。 そんな状況の中、東和国寮の1年生リーダー、犬塚露壬雄と、ウェスト公国寮の1年生リーダー、ジュリエット・ペルシアは、実は秘密の恋人同士! 犬塚の告白ではじまったこの恋は、学園中の誰にも!絶対!!何があっても!!!バレちゃダメ!

1. 犬塚露壬雄とジュリエット・ペルシア
寄宿学校・ダリア学園には、2つの国の生徒が通っている。東和国とウェスト公国。隣り合う両国は敵対関係であり、学園においてもその関係は変わらない。そのせいで、東和国の1年生リーダー『犬塚露壬雄』は恋に悩んでいた。長年の想い人は……敵国ウェスト公国の1年生リーダー『ジュリエット・ペルシア』。悩みに悩んだ末、告白の決意を胸に犬塚が動き出す!

2. ロザリオとジュリエット
今日も今日とて対立しあう東和国・黒犬の寮(ブラックドギーハウス)の生徒と、ウェスト公国・白猫の寮(ホワイトキャッツハウス)の生徒。そんな中、犬塚とペルシアは初々しくも秘密の交際を続けていた。そして迎えた3か月に一度のダリア街への外出許可日。誰にもバレずにペルシアとデートをするため犬塚は秘策を考えていた。それはペルシアに黒犬寮中等部男子生徒の変装をさせること! ハプニング続出、綱渡りのデートが始まる!

3. 露壬雄とシャル姫
付き合って1か月の記念日を祝う約束をした犬塚とペルシア。その頃学園はある生徒の復学にざわついていた。その生徒の名は、ウェスト公国第一王女『シャルトリュー・ウェスティア』。白猫の生徒たちからの歓声を受け、悠然と赤絨毯の上を歩くシャル。その姿に反発する黒犬生徒を代表してシャルにつっかかろうとした犬塚を、予想だにしないシャルの言葉が襲う。「君、ペルシアと付き合ってるでしょ」。--秘密の恋、早くもバレる!?

4. 露壬雄と蓮季
迫る中間テストに向けて勉強合宿をはじめた黒犬の生徒たち。犬塚に頼まれたペルシアも、『ジュリ男』に変装して合宿に参加することに。合宿で教師役を務めるのは、犬塚の幼なじみの『狛井蓮季』。ひょんなことから犬塚は、その蓮季の献身が自分のためのものだと知ってしまう。ペルシアとの本当の関係を告げられない自分の不誠実さに思い悩んだ犬塚は、ある決心をして……。

5. 露壬雄と体育祭
体育祭が近づくダリア学園は、練習に励む生徒たちでいつもより賑やか。どうしても乗り気になれない犬塚の前に、白猫の少年・『アビ・シニア』と、彼を慕う少女・『ソマリ・ロングヘアード』の2人があらわれる。監督生(プリフェクト)を目指すアビは、白猫の寮内での人気を不動のものにするためにペルシアへ接近しようと試みる。当然、黙ってはいられない犬塚だったが……!?

6. ジュリエットと体育祭
ダリア学園の生徒たちが『MVP』を目指しそれぞれの闘志を燃やす中、ついに体育祭がはじまる。中でも「MVPを取ったらペルシアになんでもひとつ言うことを聞いてもらえる」という約束をした犬塚の気合いはものすごかった……。黒犬、白猫ともに一歩も譲らぬまま競技はすすみ、ついに同点のまま7種目目の「棒倒し」--「スティック・ダウン」を迎える。事件は、その時に起こった。

7. 露壬雄とジュリエットと体育祭
体育祭は最終競技「騎馬戦(キャバルリー・バトル)」での、犬塚対アビの対決によって決着したかのように思われた。そんな時、犬塚の挑発によって、前代未聞の延長戦が実現。満足な結果を出せないまま体育祭を終えようとしていたペルシアへの、犬塚の思いやりだった。しかし、勝負は勝負。お互いの気持ちを尊重しているからこそ手抜きはできない。全力でぶつかりあう2人の、そして体育祭の決着は、思わぬ形で訪れる!

8. 露壬雄と監督生
学園近くの湖岸で豊作祈願の祭りが行われることを知った犬塚は、いつものようにペルシアをデートに誘い、約束を取り付ける。祭りを前に浮かれる犬塚の前に現れたのは、『王 胡蝶』と『王 手李亞』の双子姉妹。見た目こそ幼い2人だが、実は14歳にして高等部2年にまで飛び級し、黒犬の寮の監督生(プリフェクト)をも務める天才児だった。2人に行動監視されながら、犬塚は無事にペルシアとデートできるのか!?

9. 露壬雄とシャルとプレゼント
ペルシアの誕生日を一週間後に控え、プレゼントの入手方法に悩んでいた犬塚は、双子のお使いでダリア街へ外出する許可を得る。しかし、勢いよく街に繰り出したものの、なかなかプレゼントを決められない。そんな時、街中で偶然シャルと遭遇。プレゼントのアドバイスをもらうために、しばらく一緒に行動することに。予想だにしなかった、犬塚とシャルの買い物デートはトラブルばかりで……!?

10. 露壬雄と藍瑠
シャルとの買い物を終えて部屋に戻ろうとした犬塚の前に立ちはだかったのは、黒犬の寮の監督生(プリフェクト)にして犬塚家当主、そして犬塚の兄である『犬塚藍瑠』だった。いくつかの不審な点を挙げ、犬塚が白猫と内通しているのではないかと疑う藍瑠。兄に対しては従うことしかできない犬塚は、一週間の監視生活を受け入れる。しかし、それはペルシアの誕生日と重なっていて……。

11. 露壬雄とジュリエットと誕生日
ペルシアの誕生日当日。前夜のことを挽回するため、なんとかしてペルシアと話そうとする犬塚だったが、犬塚の身を案じるペルシアから「今は会いたくない」と拒絶されてしまう。目に見えて落ち込み、完全に授業に出る気を失くしてしまった犬塚の姿を見かねたのは、蓮季だった。「授業、サボっちゃおっか?」。犬塚を元気づけるため、蓮季による楽しい学校めぐりがはじまる--!!

12. 露壬雄とジュリエット
白猫の寮に乗り込んでペルシアの誕生日を強引に祝おうとする犬塚。寮内でペルシアを探すうちに、白猫の寮の監督生(プリフェクト)代表『ケット・シィ』と遭遇してしまう。ペルシアに会うためにケットに立ち向かうが、まったく太刀打ちできない。監督生代表との力の差に打ちのめされながらも、犬塚は諦めず、猛然と窓に走りはじめる。その先に待つものは--。犬塚とペルシア、世界の壁を越えて、2人の手は繋がるのか--!?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久々の正統派ラブコメ♪

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
クラシカルな良さの目立つラブコメでしたね。EDの90年代感からいっても、狙っているのかな?って思いました。

アニメの登場人物に萌えたのは、かなり久々かもしれません。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
むしろ犬塚が可愛い(笑)

いや、それはさておき、本作で一番好きだったのは蓮季かな。やはり、「報われないサブヒロイン好き」としては、ね(笑) 久々に、アニメのキャラに萌えましたw

さて。

ラブコメは、これで良いんだと、再確認しました。

捻った展開も必要ない。シリアス過ぎる展開もマストではない。

ちゃんとキャラクターが良くて、適当にラブラブコメコメしてればそれで良い。

あとはやっぱり、主人公(男)の魅力は大きいですね。基本、アニメの女の子なんて大抵可愛いく作られてるのでw、あとは、二人の仲を応援したくなる主人公かなんですよね、ラブコメの成否って。

サブキャラも、ちゃんとサブキャラらしい程よい立ち位置とキャラの強さ。特にマル君は良かったですね。最初はただの外道雑魚でしたが、次第に可愛くなっていきました(笑)

2期が楽しみな展開で終わりました。待ってますよ♪
{/netabare}

【余談~ 剣道通信簿(10話剣道シーン) ~】
{netabare}
「まあ、防具もつけないで剣道やるなよ」というのは今さらなので、それ以外の減点項目を。

①犬塚兄の袴の結び方、結び目が蝶々結びになってますが、小学生とかがやるダサい結び方です(-1点)。

②犬塚兄の竹刀、よく見ると鍔の上(刃部に近い方)に鍔止め(ゴム性の部品)がついてます。逆です(-2点)→次のコマでは正しくついてたけど。

③通常、竹刀の竹は4ピースで1本になりますが、作画を見る限る6ピースで1本になってます。ごくわずかに、素振り用でそういうのも見たことありますが、通常は使いません(-2点)。犬塚の中結いの位置が竹刀の真ん中辺りにありますが、規程上、全長の4分の1と決まっています(-1点)。

ということで、短いシーンでしたが、ほぼ良いところなし。5段階で1って感じですね。道着や袴の色合いや質感は悪くなかったです。加点はそこくらいかな。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
どんな世界観? THEラブコメって感じだな。好きな娘にイジワルするとか、そんな感じだなw 恋愛要素もギャグ要素もバランスよく、なかなか良い感じだな。

2話目 ☆4
犬(スキスキしつこい犬塚)と猫(ツンデレペルシア)か。顔芸(笑) 匂い(笑) なんだろう? むしろ犬塚に萌えるw ラメーンw

3話目 ☆3
ペルシアの為に、従うか。本当に何があったの?(笑) シャル姫をいじめている時の犬塚、楽しそうだなw 嫉妬か、、、。友情なら、まあ良し。しっかし、蓮季は、「報われないサブヒロイン好き」としては、なかなか萌え度が高いかな♪

4話目 ☆5
蓮季、眼鏡っ子だったか♪ 勉強って、真面目か(笑) 子羊のおっぱいは笑ったw あれ、何次方程式のグラフだよ(笑)? 因数分解って、中学の範囲じゃねぇか(笑) 即バラすなよ(笑) 蓮季、好きだからこそ、だよな。泣き顔に萌えたw 犬塚の好感度が下がる回だったな(笑)

5話目 ☆4
不埒(笑) 犬塚は可愛いな~(笑) ペルシア、ダメダメだなw なんか、作画怪しい? 私の為に争わないで(笑) いや、好きな子(彼女)の料理なら、男はなんでも美味しいさ。ただ、嫁さんになって毎日ならキツいかもだけど(いや、未婚だが)w 蓮季、切ないな~。新キャラ? 頭踏んでたの忘れてたわ(笑) エヴァネタw こういう生真面目さと可愛さが、犬塚の良さだよな。

6話目 ☆4
しょう、らい(笑) 王女様の怖さ、好きだな。マルみたいな立ち位置も、好きだな♪ 死ぬぞ(笑)

7話目 ☆4
まあ、おっぱいクソ野郎、は、ラブコメ的には良いラインかな。剃毛しよっか(笑) まさかの盆踊りw お見舞イベント。定番ながら安定の萌え。

8話目 ☆3
新キャラのロリ双子。マルくんトリオ、可愛いな~。ロミジュリ、目立ち過ぎだろ。誰だよ、クソ返事おじさん(笑) ほっこり良い話。ペルシアさん、マジ天使w 兄貴なんだね。

9話目 ☆3
メガネパンツおじさんのフィギア(笑) いやいや、彼女いて、手を引く理由なんてないだろ。シャル、ドM?

10話目 ☆3
ブラで、即捨てられたw

【剣道通信簿】
「まあ、防具もつけないで剣道やるなよというのは今さらなので、それ以外の減点項目を。①犬塚兄の袴の結び方、結び目が蝶々結びになってますが、小学生とかがやるダサい結び方です(-1点)。②犬塚兄の竹刀、よく見ると鍔の上(刃部に近い方)に鍔止め(ゴム性の部品)がついてます。逆です(-2点)→次のコマでは正しくついてたけど。③通常、竹刀の竹は4ピースで1本になりますが、作画を見る限る6ピースで1本になってます。ごくわずかに、素振り用でそういうのも見たことありますが、通常は使いません(-2点)。犬塚の中結いの位置が竹刀の真ん中辺りにありますが、規程上、全長の4分の1と決まっています(-1点)。

ということで、短いシーンでしたが、ほぼ良いところなし。5段階で2って感じですね。道着や袴の色合いや質感は悪くなかったです。加点はそこくらいかな。」

負け前提の作戦は、なかなか熱いね。犬塚の場合、片想い期間が長いから、説得力も増すな。ロミオとジュリエットだからな~。

11話目 ☆4
作画怪しいかな? どんな壁ドンだよ(笑) 蓮季はかわいいな~。犬塚の高感度、下がるな~。アビ、変わりすぎだろ(笑) こんにちんちん、お坊っちゃま君かよw

12話目 ☆
ブラが証拠品だ(笑)! ガチ決闘。マジで死んでたらどうするって話だな。いやいや、ロザリオの防御力、半端ないだろ。揺れるし。なぜ赤ちゃん言葉w 2期、全然いけそうだな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31
ネタバレ

dbman さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ギャグ満載のロミオとジュリエット

原作未読/※最新話視聴にあたり最下部に追記

私は昔から『週刊少年ジャンプ』や『週刊少年マガジン』などのラブコメ枠にある作品が大の苦手で、まともに最後まで観終えるほどに楽しめた作品があまりありませんでした。ともあって、この『寄宿学校のジュリエット』も少年マガジン連載中のラブコメ漫画をアニメ化したものとあって、あまり期待せずに視聴したところ…。

物語の簡単なあらすじから“犬塚の告白ではじまったこの恋は~”と事前に知っていたにも関わらず、第1話の告白シーンでちょっとうるっと来てしまったw 続けざまに第2話を視聴したところ、ベッタベタなネタながらも笑ってしまう自分がいたりと、どうやらこの作品は私でも楽しめるものとなっているようで、すでに結構ハマり始めている。

ヒロインのジュリエット・ペルシア(声:茅野愛衣)をはじめ狛井蓮季(声:佐倉綾音)など登場する女の子が可愛い点も良かったが、ペルシアの側近・スコット・フォールド(声:神谷浩史)や、悪っぽい空気を醸し出しているがどこか残念なキャラ・丸流千鶴(声:杉田智和)など脇を固める男どもがツボで、神谷さんと杉田さんの演技力も相成ってかなりお気に入りのキャラとなっている。

上記の声優さんに加えてナレーションは黒田崇矢さんだし、小野大輔さんや上坂すみれさん、喜多村英梨さん、小倉唯さんなどなど声優陣も豪華絢爛。

今期視聴中のアニメにおいて、私の中でダークホースとなった一作。


▼第1~11話
{netabare}このレビューをアップしたその足で続けて視聴したところ、最新話となる第9話まで一気に観終えてしまった。テンポがいいので止まりませんねこれ。少年漫画誌が原作ともあって、男心をくすぐるパンチラだったり適度なえっちさも好印象。

さて、前述に記したキャラに加え続々と新キャラが登場してきたわけですが、どのキャラも多種多様に個性的なものばかり。シャル姫はその王女気質で物語を盛り上げてくれます。百合的キャラかと思えばそうでもないようで。

体育祭で登場したアビやソマリはキャラが良くお気に入りコンビとなりそうだったけれど、それ以降登場せず。使い捨てってわけでもないんだろけれど、もう少し観たかった。

話としては、第8話・王姉妹とのお祭りエピソードが好きでした。先が読めてしまう王道展開だったけれど、期待を裏切らないやさしい結末に和まされました。

この作品はラブコメなので女の子の登場シーンが多いのは仕方ないし喜ばしいんだけれど、スコットと丸流が出てくるとやっぱ笑いが増えるのでもう少し出番を増やしてほしいw 特にスコットはいまのところほぼハズレなしで笑わせてくれる素敵なキャラなので現時点で一番のお気に入りとなってしまった。

ちなみにナレーションの黒田崇矢さんは、黒犬の寮の寮監だけでなく、モブキャラの警官としても登場してました。私の中ではどうしても龍が如くの桐生一馬をイメージしてしまうのだけれど、かなり桐生さんとは違った声質で警官を演じられていたのが新鮮で面白かったw

第9話では、シャル姫、ロミオに惚れちゃったかな? といった展開。最後にロミオの兄でお堅そうな藍瑠との対面で終了。険悪そうな空気が漂っていたがこの兄弟はどうやら因縁めいたものがありそうなので楽しみだ。

第10話、ペルシアの誕生日を祝いたいがために奔走するロミオ。そしてその二人を邪魔するためだけに登場したようなロミオ兄の藍瑠。物語上、弊害となるキャラが必要なのは分かっているけれど、キャラデザも良かったし演じているのが小野Dなので、ちょっと使い方が勿体ないなあなんて思ったり。

第11話、えっちネタ大目のおっぱい回だった印象。ビリヤードのキューでおっぱいを小突いたり、バター犬ならぬ餌ヒツジだったりと少年誌の連載モノに相応しい? えっちなものでした。またここに来て新キャラとして登場した残念なイケメン・ケットがなかなかに良かったのでもうちょい早めに登場して欲しかったなあなんて思ったりw M・ジャクソンの「ポゥー!」は笑ってしまったw{/netabare}

▼最終話&総評
{netabare}この作品は、ストーリーよりもギャグが私のツボとあっていたこともあり、ギャグアニメとして観ていたことや、上記のバレなしレビューで記したように登場するキャラに魅力ある人物が多かった点で、楽しませて頂きました。原作を読んでいないので詳細は分かりませんが、アニメ版の閉め方としては綺麗に終われたものかと思います。完全に私的見解だけれど欲を言うならば、私のツボキャラ・スコットをもっと観たかったw{/netabare}


▼キャスト
犬塚ロミオ:小野友樹
ジュリエット・ペルシア:茅野愛衣
狛井蓮季:佐倉綾音
シャル:嶋村侑
王胡蝶:日高里菜
王手李亞:小倉唯
スコット:神谷浩史
丸流:杉田智和
ソマリ:喜多村英梨
サイベル:上坂すみれ
ケット:興津和幸
藍瑠:小野大輔

▼制作
アニメーション制作:ライデンフィルム
原作:金田陽介/漫画:既刊11巻
監督:宅野誠起
助監督:臼井文明
シリーズ構成・脚本:吉岡たかを
キャラクターデザイン:森本由布希

▼主題歌
オープニングテーマ「Love with You」歌:fripSide
エンディングテーマ「いつか世界が変わるまで」歌:飯田里穂

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

63.8 3 2018年度の体育祭アニメランキング3位
新妹魔王の契約者 DEPARTURES(OVA)

2018年3月28日
★★★★☆ 3.3 (50)
345人が棚に入れました
上栖綴人のライトノベルをアニメ化し、2015年にテレビシリーズが計2期放送された「新妹魔王の契約者(テスタメント)」の新作OVA。主人公の東城刃更が新米魔王の美少女・成瀬澪と義理の兄妹関係になったことから、勇者族や魔族の繰り広げる戦いに巻き込まれていく姿を描くラブコメ&バトルアクション。魔界全土を巻き込んだ覇権争いに決着をつけ、平穏な日常を取り戻した刃更たちは、ある日、プールに出かける。ところが刃更のふとした行動がきっかけで、澪が催淫の呪いを発動してしまい……。

声優・キャラクター
中村悠一、朝井彩加、ブリドカットセーラ恵美、福原香織、野水伊織、吉田聖子、浅川悠、杉田智和

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

えー、ここで終わっちゃうの…!?

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版の第1期~第2期は視聴済です。
とは言え、視聴したのは今から5年前…記憶もおぼろげだったので、本作の視聴に際し、再度第1期から再マラソンしました。

結果的に再マラソンしたのは正解でした。
何故なら、本作は第2期からの続きを描いた物語だったからです。


魔界全土を巻き込んだ覇権争いに決着をつけ、平穏な日常を取り戻した刃更たち。

澪たちによる「いけない浴室泡三昧」から始まったある日、万理亜の勧めで一行は屋内プールに。
ところが、刃更のふとした行動で澪が催淫の呪いを発動してしまう! 
切なく悶える澪のため、意を決した刃更はプールの中で……!? 

一方、不穏な動きを見せる勇者の里から、柚希と胡桃にある指令が下される。
束の間の休息、刃更たちの色めくバケーションの幕が上がる!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して振り返ってみると、本作は「箸休め」的な立ち位置の作品だったと思います。
まぁ、第2期では魔界で散々暴れまわりましたからね…
元々の本分は学生なんですから、普通の生活を送るのは当然の権利だと分かってはいます。

ですが、その日常をサキュバスのマリアの悪戯でちょいちょいハーレム臭漂う展開がやってくるので、決して平穏に見えないのが彼らにとっての日常なんですよね。

本作もR15+指定であること、wikiをチラ見して知りましたが、かなり過激なお色気シーンが支持を集めている作品らしいので、原作ほどでは無いようですがそれなりのお色気シーンは描かれています。
ですが、そこにどうしても納得できない点があるんです。

ヒロインで刃更の妹である成瀬 澪と、刃更の幼馴染である野中 柚希は、学校で「澪姫」「柚希姫」と言われるほど絶世の美少女…
それに刃更の取り巻きはマリア、第2期からくるみ、第2期の中盤からゼストと着実に増殖しているんです。
しかも容姿端麗な美少女揃い…

彼女たちたくさんのヒロインが懸命に刃更に屈服されようと懸命に頑張っているにも関わらず、刃更の反応が回を増すごとに鈍くなっているような気がしてならないんですよね。
淡々とした口調で「あぁ…」とか「分かった…」という反応ってどういう事!?
「妹を…家族を守る」と豪語している刃更と、どうにもギャップを感じてしまいます。
勿論、絆を深める方法は一つじゃないので、その他の方法で頑張れば良いんですけど、でもそこで目一杯の優しさを感じさせるのも、刃更のお役目だと思うですけどね。

この作品は「箸休め」的立ち位置だと先述しましたが、その一番の理由は物語の構成にあります。
この先彼らを待ち受けるのは一世一代の大舞台…
これから起こるであろう展開の激しさに期待もテンションも最高潮…
というところで終わっちゃうんですよね^^;

途中から時間配分がおかしいなぁ…とは思いましたが、敢えて考えないように視聴していました。
ですが、やっぱりこうなったか…という感じです。
正直、これで続きが無いなんて有り得ない…と思いますが、アニメーション制作はプロダクションアイムズさんなんですよね。

これは続編は難しいのかな…?
でも、ハイスクール・フリートの様な事例もありますよね。
TVアニメ版はプロダクションアイムズさんでしたが、劇場版のアニメーション制作ははA-1 Picturesさんに担当が変わって上映されたケースです。
どうせ大人の事情が絡むなら、前向きな結論を期待したいです。

上映時間はが約1時間の作品でした。
原作も完結しているようなので、この作品もアニメで結末が見られるのを期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

マージマジマジーロ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファンのためのサービスOVA

【物語】
初っ端からエロ全開のOVA。二期の続きからではあるが、話はそこまで進まず、ファンに向けてのサービスがメイン。
勿論戦闘シーンはおまけ程度。
三期の制作を匂わせる終わり方だったが、本作公開後から4~5年経っていたり、制作会社が潰れているとなると可能性は低い。それでも箸休めとして本アニメは続きが気になる作品である。

【作画】
一・二期と左程変わらないデザイン。

【声優】
遂に浅川さんまでセクシーボイスが堪能できました。
一・二期に引き続き女性陣の頑張りが凄い。恥じらいなく演じることで視聴しててかなり興奮した。

【音楽】
主題歌は二期OP(Over The Testament/Metamorphose)を採用。

【キャラ】
長谷川先生、好きです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

フランホーファー線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

エロいだけじゃない、そこがいい!

BDを買いました。10150円と値段は、しましたが、いろんなのが付いてきてお得だったと思います。
買って良かったです。

さて、ネタバレ程度にならないように書くと、
2期が来るのかな?って感じの終わり方でした。内容は個人的には面白かったです。
中には、ありきたりと思う人もいるかも。
そして、
僕的には、1期、2期通して、
ただエロいだけ、内容ぐちゃぐちゃ。そんなアニメでは無いのがいいと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2
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