水族館おすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの水族館成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年03月19日の時点で一番の水族館おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.8 1 水族館アニメランキング1位
SPY×FAMILY(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (875)
2840人が棚に入れました
人はみな 誰にも見せぬ自分を 持っている―― 世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。 東国(オスタニア)と西国(ウェスタリス)は、十数年間にわたる冷戦状態にあった。 西国の情報局対東課〈WISE(ワイズ)〉所属である凄腕スパイの〈黄昏(たそがれ)〉は、東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの動向を探るため、ある極秘任務を課せられる。 その名も、オペレーション〈梟(ストリクス)〉。 内容は、“一週間以内に家族を作り、デズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入せよ”。 〈黄昏(たそがれ)〉は、精神科医ロイド・フォージャーに扮し、家族を作ることに。 だが、彼が出会った娘・アーニャは心を読むことができる超能力者、妻・ヨルは殺し屋だった! 3人の利害が一致したことで、お互いの正体を隠しながら共に暮らすこととなる。 ハプニング連続の仮初めの家族に、世界の平和は託された――。
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ハートフルスパイコメディの良作☆

舞台は東西冷戦時代に似た世界。
西側のスパイ、黄昏(たそがれ)ことロイド・フォージャーは、東側の政治家に近づくために、偽装家族を作る必要に迫られて・・
で始まるお話。

原作はかなり人気だったみたいで、作画の良さなどにも制作側の期待の大きさが感じられます。

まずはなんといってもアーニャすごくかわいいですね~♡
あの年頃の子供特有の無邪気でかわいいところがよく表現されてますね(#^.^#)
ウィって返事やちち~~って呼ぶのもかわいいし、たまに見せる(๏д๏)みたいな表情もかわいい♡

任務のために偽りの家族を作るんだけど、それぞれみんな秘密を持っているところが面白いし、家族というものを知らなかった人たちが少しずつ「家族」になっていくところがいいんですよね。

結局アニメ2話まで見たところで我慢できず、原作読んじゃいましたw
原作も面白かったですけど、アニメはさらに良くなっていると感じました!

本格的なスパイものというよりもコメディよりの作風ですので、人によっては肩透かしの方もいるかもですけど個人的にはすごく気に入りました♡

アーニャ役の声優さん、うまいなぁって思ってたら種﨑敦美さんという、Vivyやジュジュ様などされてた方みたいです。
色んな声で演技されててすごいですね!

アニメはどうやら分割2クールみたいなので、10月からの後半もとても楽しみです!

以下、各話の感想(印象に残ったシーンなど)です。
★今回のアーニャ語録☆、各話に追加しました。

1話「オペレーション梟(ストリクス)」
{netabare}任務よりもアーニャのことを思って警察へ行けというロイド。
でも警察に行かないでロイドの姿を見つけて嬉しそうに駆け寄るアーニャ。
ラストの寝てるロイドの懐にもぐりこんで一緒に寝るアーニャの絵がすごーくほっこりしました☀
★今回のアーニャ語録☆
ずっと前からちちの子供のアーニャです
ちちすごいうそつき、でもかっこいいうそつき
ははそんざいしない{/netabare}

2話「妻役を確保せよ」
{netabare}パーティで苛められてるヨルに対して、誰かのために頑張る姿は誇るべきことで素敵なことだと話すロイド。
色々とおかしい言動のロイドをまったく疑わないヨルの超天然なところも殺し屋とのギャップもあって良いです。
手榴弾が後ろで爆発してる最中に手榴弾のピンを指輪がわりにする絵が最後にきまってましたね♪
★今回のアーニャ語録☆
ア~ニャ、ははいなくてさみし~い♫
ピーナッツかいこんどけ{/netabare}

3話「受験対策をせよ」
{netabare}アーニャの舌足らずな話し方とかもう可愛すぎ~♡
アーニャ役の声優さんすごく上手です!
3人で撮った記念写真のアーニャとヨルの表情にニヤニヤしちゃいました♪
★今回のアーニャ語録☆
アーニャにははうまれてめでたい
わたすがキメラだ・・よろすおねがいするます
おでけけ記念日!
ひとがゴミのようだ・・
やっつけてくさいメシ食わせます{/netabare}

4話「名門校面接試験」
{netabare}コメディ色がより強くなった感じの4話でした。
エレガントな寮長さん、なかなか面白いキャラで好きかも♪
今回もアーニャに笑ったりほっこりしたり・・ホントいいキャラです♡
自分の気持ちに戸惑うロイドとヨル。少しずつ家族になっていく3人。
★今回のアーニャ語録☆
だいじょぶます!
オペラたべたり・・
100点満点です!
半分メガネのおっさん{/netabare}

5話「合否の行方」
{netabare}ポケットに忍ばせてたクラッカーでお祝いとか洒落てて好き♡
今回はアニメオリジナル展開も結構混じってましたね。
アクションシーンすごくよく動いてて、ロイドとヨルが闘うシーンなどもっと見たかった!
「これ桁間違ってない?」「合ってます」「え?」「あってます!!」に笑った。。
★今回のアーニャ語録☆
お城で助けられごっこ!
アーニャ、孤児院でてからわくわくいっぱい!ちちのおかげ!{/netabare}

6話「ナカヨシ作戦」
{netabare}イーデン校の制服を着てすごく嬉しそうなアーニャ♡
ターゲットの子ダミアンや、アーニャの友達になりそうなベッキー、エレガント先生も担任になって学校編も楽しくなりそう♪
必殺パンチのシーンは3回くらい見ちゃいましたw
今回はアーニャの色んな表情の顔芸がすごく面白くて楽しかったです✿
★今回のアーニャ語録☆
あざざます!
制服のアーニャです、ばーん!
おーきーどーきー
今こそ必殺のパンチを放つとき!{/netabare}

7話「標的(ターゲット)の次男」
{netabare}ベッキーはいつも本音で話してるから心の声も同じみたい。
周りを気にせずアーニャと仲良くしてくれたり・・いい子と友達になれて良かった♪
アーニャの号泣顔と上目遣いで見てる顔は可愛すぎ♡
理想の子供を求める前に自分が理想の父親になるべきと思い直すロイド。
部屋に引きこもったアーニャが自分から勉強してて寝ちゃったシーンはほっこりしました☀
★今回のアーニャ語録☆
学校へたくそでごめんなさい
せかいへいわがー{/netabare}

8話「対秘密警察偽装作戦」
{netabare}8分の2!って何度も得意げに言ってるアーニャに笑った。。
ヨルとユーリって色々と似てるところがあってやっぱり姉弟ですね。
ラスト、引っ張りましたねw
続きがどうなるか気になって思わず原作見ちゃいました。
★今回のアーニャ語録☆
ざんだんすう8ぶんの2!{/netabare}

9話「ラブラブを見せつけよ」
{netabare}キスシーン、前回から引っ張ってさらにOP後の回想シーンも挟んで・・ってちょっと引っ張りすぎかなー。
アーニャが寝ぼけてるシーンすごく可愛くて面白い♡
前回も感じてたけど、アーニャが出てこないと面白さが半減しちゃうと感じるのは私だけ?
ところで、ヨルの雇い主の組織と秘密警察ってどんな関係なんだろう?どちらも東側の組織みたいだけど。
どっちにしてもロイドとは敵対関係だし、今後その辺も描かれるのでしょうか。
★今回のアーニャ語録☆
んが・・ちきゅうのおわり・・
おはえんます・・
ちち、なんだかきょうみどりいろ{/netabare}

10話「ドッジボール大作戦」
{netabare} 久々のアーニャ回♡
今回のお話は5話と同じく、原作にアニオリを加えて膨らませた感じでした。
正直、15分くらいでもいいかな?って内容だったけど、全日本ドッジボール選手権全国大会とコラボするみたいでその辺も絡んでるのかもです。
アーニャ、相変わらず可愛いんだけど・・今回はちょっとあざとい感じもあった・・かな。
アーニャ、ベッキー、ダミアンと、キャラは揃ってるのでテンポをあげてお話が面白くなるのを期待したいです。
★今回のアーニャ語録☆
く○やろう
腰のひねりをおててにつたえて・・{/netabare}

11話「星(ステラ)」
{netabare} 心が読める能力のおかげで人命救助ができたアーニャ。
すごく得意げになってるアーニャに合わせて付き合ってあげてるベッキーがいい子で好きになりました♡
ダミアンも陰口に参加しないでビシッと周りに言ってるとこなんか意外とイケメンじゃんって。
あと種﨑敦美さんの一人四役が面白くて笑っちゃいました♪
実験されてた犬たちの中にロイド一家の絵が浮かぶ犬が・・!
次回違う話みたいだし、彼が家族になるのは2クール目かな・・
★今回のアーニャ語録☆
アーニャ、ちちのりょうりがいい
スターライトアーニャとよべ{/netabare}

12話「ペンギンパーク」
{netabare}今回はアーニャ大活躍でした!
スパイの話とアーニャの話が程よく混じってて、面白かったと思います♪
新人飼育員が、もうお前に教えることはないって言われてるところが可笑しくて。。
あとペンギンロイドとロボットヨルがアーニャとお菓子を買いに行くところはほっこりしました☀
これで前半終了ですね。10月の後半はいよいよ新キャラ登場なので、楽しみに待ちたいと思います!
★今回のアーニャ語録☆
まってー。ふつうのいい人でちち~
ペペペペンギン~
つよいけど、あとはだめだ{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 57

takato さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

話題作?、これが。「何も考えないで良い」問題。

 タイトル通り。設定が出落ちにならないといいが、ちょい不安。コメディーとしても、スパイアクションとしても中途半端な印象。ところで、本作に限らず「何も考えないで良い」って良いことなのか?。別に高度なものだけが価値あるとは思わないが、何もかも手取り足取りなソフトコーディングで、どんどん下に下に合わせてじゃあ表現できる幅は確実に狭まっていく。あと、みんなそんなに考えることが苦痛なの?。そんなにストレス溜め込んでんの?と不安になってくる。


 「何も考えないで良い」というリラックス効果が目的なら日常系を見れば良いし、「日常系」でも極まればやはり素晴らしいテーマ性を帯びるから考えることでより深い味わいを産む。「何も考えないで良い」な発想には、コンテンツをただ暇つぶしとして消費するだけな安さがどうも感じざるをえない。心が大きく揺れ動くには頭も働かざるをえないし。それもすらもう面倒な人はアニメ見なくても良いんじゃね?ってという疑問が。そもそもエンタメとはそんな簡単なもんじゃない。犬猫動画見てればええやん。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 37

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

とても素敵な家族を描いた物語

この物語をひと言で表すのはとても難しい。
アクション、笑い、アーニャの可愛さ、などもありますが、しいて言うならば、とても素敵な家族を描いています。

父のロイドは、娘のアーニャを守るためならば危険を顧みず、命懸けでアーニャを守ります。
そして彼は、血まみれになりながらも妻のヨルとの約束を守ります。
彼は仕事よりも家族を優先する優しい父親です。

母のヨルは、悪を許さない正義の心(?)を持った女性。
決して他人の不幸を見過ごしません。たとえ自分に関係なくとも自分にできる精一杯のことをします。
そして娘のアーニャに危害を加える者に対しては容赦しません。
ヨルはアーニャをとても大切にしています。

そして娘のアーニャは、常に父と母とに役立つ人間であろうとしています。
まだ幼い子供なのに、ロイドのために、そしてヨルのために精一杯頑張ります。

そんな素敵な家族なのですが…、
ロイド、ヨル、アーニャには、それぞれ誰にも言えない秘密があります。
三人は、各自の秘密を隠しながらも家族の絆を深めてゆきます。

私達は誰だって、多かれ少なかれ家族に言えない秘密を抱えていると思います。
この家族は、その秘密の度合いが大変重い。それだけのことだと私は感じましたが、皆さんはどう思われますか?


ところで、今までは影の世界でしか生きていることに意味を感じなかったロイドやヨルでしたが、二人はアーニャのおかげで日の当たる世界で生きることの充実感を感じられるようになったような気がします。

もしかして、アーニャはロイドとヨルのために神様が遣わした天使なのかもしれませんね。
いつの時代でも、子供は親のために神様が遣わした天使です。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 80

71.2 2 水族館アニメランキング2位
デキる猫は今日も憂鬱(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (167)
509人が棚に入れました
「吾輩は猫である。しかしただの猫ではない。 空前絶後の『デキる猫』である」 仕事はできるが生活能力が壊滅的な会社員・福澤幸来は、ある日凍死寸前の仔猫を拾う。諭吉と名付けたその猫はいつの間にか猫にあるまじき大きさに成長し、ダメなご主人様に代わって料理、洗濯、掃除、買い出し、ご近所付き合い……あらゆることを完璧にこなす“デキる猫”になっていた。 「うちの猫ちょっと普通じゃないかも……!?」 そう思いつつ、諭吉のおいしい料理に胃袋を掴まれ、生活の全てを支えられている幸来はもう諭吉なしの生活なんて考えられない! 夢のパーフェクトにゃんことハイパーずぼら会社員のまったりのんびり同居ライフ。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

専業主夫(婦)がいる生活の豊かさ。稼ぐことが幸せではない。

 文句をいいながら最後まで見てしまったのは、それぞれのエピソード自体が面白いのはもちろんですが、私が猫好きだからというのと、もう1つは専業主夫(主婦)がいる生活がやっぱり「豊かさ」につながるのでは?と思って見ていたからです。

 諭吉は化け猫(良性)という感じですが、彼がデキる猫になった原因は仕事に疲れた女性の生活の駄目さ加減でした。つまり、丸の内に勤める裕福なOLであっても、生活が荒れてしまうと幸せに見えないということです。

 1人が稼ぎ、1人が生活を引き受けることで、食生活を中心とした活力につながって行きます。そして、家を守ることが必ずしも虚しいことではなく、むしろ人間にとってもっとも必要な存在であるとわかります。
 諭吉の視点で見ると、ヒロインをちゃんと生活させる喜びもありました。主婦を経済価値に換算することの馬鹿さ加減がわかります。
 単なる利他ではなく、それが諭吉の存在意義であり家族の意味になります。決して一人で金は稼げないし、稼げたとしても金の代わりに健康・豊かさ・幸せの何かを犠牲にしているといえるでしょう。

 現代の疲れは、働くストレス。働かなければならないという風潮。そして経済性こそ幸せの尺度というのは思い込みではないか。
 働くことだけが正しい事だという価値観、特に女性ですね。これは果たして人間的なんだろうか?という疑問がわきます。

 旧来の核家族とは男女が入れ替わり、家庭にいる方を猫に置き換えていますので、一見、癒し系に見えますし、原作者の意図がどこまでなのかは分かりません。
 しかし、1話冒頭の通勤風景ですね。初見のレビューに書きましたが、あそこの丁寧過ぎる描写は違和感がありました。また、なぜ丸の内なんだろう?なぜ総武線(中央線)西東京エリアなんだろう?と考えたときに、幸せの形は、稼ぐことではない。男女で働ける方が働き一人が家を守り、ちゃんと生活をするための家族の役割分担があるのが自然で幸せなんだという風に見えました。

 また「福沢諭吉」が彼の名前だということを考えると、彼=家を守る能力・存在=主夫(婦)の「価値」の話なのかなあとも思います。
 ヒロインも生活力はないですが、仕事はできる女らしいので適材適所。男女を固定せず、働ける能力があるほうが働くでいいかもしれません。

 また、他人の子供の面倒を見るというのもいいと思います。これがなく全部が自己責任だから、子育てがしんどいのだと思います。近所や知り合いのコミュニティーでの助け合いは必要でしょう。

 それぞれのエピソードは結果的に、働く人と家を守る人の関係性に対する憧れな気がします。
 この先、猫と人間では子供は生まれないでしょうけど、なんか一緒に寝てるし諭吉だとそのうちオカルトパワーで作れてしまいそうです。最後の方で子供が出て来たり、仔猫を拾ったりがありました。そこはやはりピースとして幸せの形には必要だということかなあと思います。

 なお、下手をすると猫がお母さんとなりますが、一緒のベッドで寝ていることからやはり夫婦なんだと思います。肌の触れ合いもまた今の人間に不足している癒しです。

 

 この作品が癒し効果があるのは、猫だからというのはありますが、豊かな生活とは?という問いかけにもなっていた気がします。




3話 高収入女性にとっては子なしセックスレスの専業主夫家庭が理想?

{netabare}  現代の女性の幸福のイメージをそのままアニメにした感じですね。

 この作品のヒロインの「立場」に憧れる20代女性はかなり多いのではないでしょうか?自分で働くから家事からは解放されたい。家に帰ったら、風呂入ってご飯食べて酒飲んで寝るのがいい。(男と違って、女性はなぜか食事の後に酒を飲む人が多い…気がします)

 男が要らないわけじゃないけど、自己主張弱めで一緒に寝てくれるだけでいい。セックス要らない。グルーミングだけすればいい。自分はしゃべらないで愚痴は聞いて欲しい。気持ちを察して慰めてほしい。皆からうらやましがられる容姿がいい。美味しい手作り料理食べたい。外食高いからおいしい弁当が欲しい。清潔がいい。だらしない自分を管理してほしい。
 男の方は酒飲まない、でも酒の当てには詳しい。経済観念が高く、無駄使いしない。無趣味か金のかからない害のない趣味(猫缶?)。満足の水準が低く簡単なもので満足する。自分よりも大きい。面倒なこともちょっと嫌な顔をしながらもやってくれる。我儘を通してくれる。

 会社では苦労して仕事してる感が欲しい。管理職よりも平がいい。でも、ちょっとできる女という存在感が欲しい。褒めて欲しい。もちろん給料はお高め(住居の水準、立地、通勤時間から考えてお高いマンションに見えます)。

 なんか「お隣に駄目にされる」以上に成長がとまって、短絡的刹那的な快楽で、精神が駄目にされている気がします。ヒロインがここから脱出する話になればいいんですけど。

「化け猫」が主役ですし、ある意味ではホラーですね。ただ、このシチュエーションを考えた場合のヒロインの人物像は、逆にものすごくリアリティがあります。


 冒頭の街を描写するCGは正直ゲンナリでした。私はあまりこういう実写ニアリーのアニメ表現は好きではないです。それと、都会の大変さとか殺伐感とかそういうのが表現したかった?そんなのは昭和40年代から日本の当たりまえ、です。
 だったら、女性にクローズアップして、女性が会社員をやる大変さを見せてくれた方が、この作品の意味があるかなあと。要するにCG技術を見せたかっただけ?

 それとオフィス全員白ブラウス問題ですけど…なんか商社とかに見えるんですけど、まだ制服なの?銀行でも今時窓口以外は制服はない気が…でも、通勤にも使ってるからあれは社内規定で白ブラウス以外不可?というよりもCGの問題かなあという気がしますけど。

 全体的にCGを導入してコストダウンはやむを得ない流れだとは思いますが「アニメは表現したいものを表現できるのがいい」ということを忘れないでほしいです。技術と予算だけで、全員白ブラウスになっているのだとしたら良くないですねえ。あの娘は恐らく高給取りな生活に見えますが、オフィスがそうは見えません。オペレータに見えます。

 とまあ、いろいろ言いたい事はありますが、引っ掛かりが多いということは気になるということです。 {/netabare}


9話 丸の内OLで東京西部の総武線沿線暮らしに感情移入できるか?

{netabare}  丸ビル前の横断歩道とか永楽ビルっぽい映像があったので、ヒロインは丸の内勤めですよね。オフィス内部も証券・投資顧問っぽい雰囲気です。見積りとか商談とかあるので、業種はIT・商社の可能性もあります。で、痴漢の場面で中央・総武線っぽいホームだったので、高円寺~国分寺くらいに住んでいるのでしょう。転職キャリアアップ組ですが制服ですので事務職採用っぽいので、推定年収550~700万円くらいの感じでしょうか?
 弁当を持って行っていることから極端な高給ではないでしょうが、丸の内のランチの相場は1200円~1800円くらいはしますので、毎日外食は辛いエリアです。八重洲なら安いところも多いですけど。

 という感じで、ヒロインはかなりの高給取りな気がします。住んでいる家も1LDKか2DKっぽい間取りであの広さです。賃貸なら10…いや12万円は下らないと思います。あの高級住宅から徒歩圏ですので、国立や吉祥寺ならもっと高いでしょう。

 そういう感じで見ていると、あまりに上級すぎる生活をしているので癒されるか?と言われると、ウーンという気がします。癒し系というよりもやっぱり女子が望む理想の疑似結婚生活な感じです。男としてはあまり感情移入できない感じです。男女逆さにして、猫=美少女にすればまあわかりますけど。

 まあ、面白くないわけじゃないですけどヒロインは片付けられない女ではあっても結構優秀な人物なんでしょう。ファンドマネージャーや外資で2000万を狙うほどではない、丸の内としては緩い働き方の女性という感じです。{/netabare}


12話 このヒロインはペットロスは大丈夫か?なんとなく別れの時を考えてしまいました。

{netabare} 13話まであるみたいですね。一旦総括です。猫が家事をしてくれるかどうかは別ですが、ただ、猫がいるだけで仕事に行けるようになるのは事実だと思います。
 猫と人間の心の交流というのは、多分人間の思い込みではないと思います。言葉はありませんが、仕草で何かが伝わってきます。そういう部分がなんとなく、本作の諭吉からは伝わってくる気がします。

 そう、猫がいる人生は豊かになる、と言う点で本作は極端なアナロジーではありますが気分的にはリアリティがある気がします。

 猫を拾うとそこにあるのは別れの時です。猫を飼った人には経験があると思います。
 本作がどこまで描くかわかりませんが、それは人間と猫の関係においての必然です。その代わりといってはなんですが、猫と一緒に過ごした時間の充実、豊かさというのは何モノにも替えができません。
 猫との付き合いかをどういう距離感ですごすのか。12話はなんとなくですが、その部分を思い出させる話でした。

 ここまで見て、このヒロインがうらやましいと思う反面、この人はペットロス大丈夫だろうか?という気分が途中からありました。猫好きでロスの経験ある人はこのアニメどうみているのでしょう?{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 19
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日常の中の非日常癒し?アニメ(5話見ました)

会社員の福澤幸来(ふくざわさく)は、昔拾った猫の諭吉と暮らしている。
・・と一見普通な感じだけど、実は諭吉はすごくデキる猫で・・で始まるお話。
原作は4コマ漫画みたいですが未読です。

これ、作画めっちゃ綺麗ですねー。
現実感のある精細な街などの描写に、童話に出てくるような諭吉のキャラは、なんていうか日常の中の非日常が強調されてるみたいで、面白いです。

諭吉のキャラもいいですね。
人間くらい大きいけど愛嬌あるし、喋らないとこもいい。
時々つぶやくココロの声も味があるかも。。

朝起こしてくれて、ご飯作ってくれて洗濯も掃除もお買い物もしてくれる。
こんな猫、わたしも欲しいぞ(≧◇≦)

これ、毎日頑張ってる「私」のための非日常癒しアニメなのかもです。
・・と思ったけど・・↓

でも・・幸来はもう少しちゃんとしたほうがいいと思うw
ごみ部屋とか、飲みすぎて上司に送ってもらうとか・・
諭吉がなんでもしてくれるドラえもんに見えてきちゃうよ。。

でも諭吉がデキる猫というとこをキャラとして強調したいから、たぶん幸来のキャラをあんな感じにしたのかな。
個人的には幸来も一緒に分担して家事をやったりしてるほうが好感持てるけど。。

1缶め「デキる猫は今日も憂鬱」
{netabare} ご飯作って待ってるのに、遅くなる連絡しないのはダメだよー。
お風呂掃除の諭吉の恰好かわいい。{/netabare}

2缶め「デキる猫は大きく育った」
{netabare} 諭吉、すごく頭いいのに、お金で「猫缶」を買う!ってとこで笑っちゃいました。。やっぱネコやな。
スーパーに買いに行く話、好き🛒
優しくて猫好きな店長と着ぐるみだと思い込んでる店員が面白くて。{/netabare}

3缶め「デキる猫はお世話がデキる」
{netabare} 生卵も割ったことないってwギャグだろうけど笑えない。。
たぶんお米も研げないと思う・・それか研がないでそのまま水適当に入れて炊きそうw
いつも感謝してますって言われて喜んで張り切る諭吉☀
こういう一言ってとても大事ですよね。{/netabare}

4缶め「デキる猫は水族館に行く」
{netabare}メインの水族館の話よりもその後のショート小話のほうが面白かった・・かも。
というか、スーパーの話もっと見たい!猫OKとか可笑しい。。{/netabare}

5缶め「デキる猫はお誕生会にも行く」
{netabare}幸来って諭吉にお世話されてるってよりも介護されてるが近いんじゃ・・w
なんでもしてくれるスーパー猫がいていいなとは思うけど、こんなんじゃダメ人間になっちゃうわ。
会社ではデキるひとって思われてるとこもなんかツラいような。
次回予告、スーパーの店員映ってちょっとだけ次回が楽しみになるわたしw{/netabare}

また感想追加したいと思います🐈‍⬛

投稿 : 2024/03/16
♥ : 23

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ほぼ万能ネコの諭吉くん

原作未読 全13話

とあるマンションに住んでいるOLの福澤 幸来(ふくざわ さく)が、通勤の途中に拾った野良ネコ(仔猫)と一緒に住むことになります。

会社ではできる女性ですが、物が散乱しているマンションに一人暮らししているズボラな私生活をおくっていました。

そこに一緒に住むことになった野良猫の諭吉、賢い諭吉はこの現状を打破するために家事全般を行うようになります。

幸来と諭吉の生活とご近所さんや会社仲間たちと繰り広げる日常を描いた作品です。

猫の諭吉が賢すぎますねw そして大きくなった諭吉は二本足で歩く、そしてかなり大きいw、「トトロ」ほどではないですが、人間並みに大きいですw

家事全般を行うネコ、食べるのはキャットフードなのに、美味しい料理が作れるのは奇跡ですねw

ネコらしい一面もありますが、ほぼ飼い主と逆転でしたね。諭吉の心の声も面白かったです。

周りのみなさんのほのぼのとした関係も良かったですね。

気楽に観れる作品です。重い作品を観た後に観るといいかもしれません。

OPはsomeiさん、EDはasmiさんが歌っています。

最後に、そういえば幸来の家には誰も遊びに来なかったですね。諭吉いると無理でしょうねw

投稿 : 2024/03/16
♥ : 12

70.3 3 水族館アニメランキング3位
海月姫-くらげひめ-(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (696)
3309人が棚に入れました
クラゲオタクの月海が住むのは風呂・トイレ共同、男子禁制のアパート・天水館(あまみずかん)。住人は皆腐女子でニート、オシャレ人間は天敵、そんな彼女たちは自分たちを「尼〜ず」と呼ぶ。ある日、死にそうなクラゲを救ってくれた美人でオシャレな女の子と知り合った月海。だがその子は、父親の職業を継ぎたくないがために女装する正真正銘の男だった。

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

わらうことで、すくわれる物語(追記:整形美人のはなし)

 唯一のオール5。

 原作者である、東村アキコという人は不思議な立ち位置にいる漫画家だと思う。
 基本は、アイデンティティは一義的にはギャグ漫画家なのだろう。
 ギャグはもちろんじゅうぶん面白い。だが、個人的には、ギャグはそこまで笑い死にするほどまでには面白いということはない。
 面白さよりも、感動するのは、東村のギャグがそのほとんどが一歩見方をかえれば、そのギャグがあまりに切実な問題ばかりを扱っているということだ。

■他人ではなく、自分でわらいとばすということの効用

 東村のギャグのネタは、つねにあやうい。

 「コミュ障」
 「無収入」
 「ブス」etc...

 これらはいずれも「誰」が言うか、によってギャグどころか差別発言ぎりぎりになってしまうような、そういう危ういところをついている。
 東村アキコのギャグはいつもそうだ。これは、西原理恵子なんかだともっと典型的だとは思うけれども、言い方を間違えればひどい。しかし、その言い方を間違えればひどいものを、「自分で笑い飛ばす」。これは、他人にわらわれてはいけない、自分で笑い飛ばす。そのことが重要なのだ。
 いずれも、他人からわらわれてしまえば、それは、ただの攻撃で、見せしめで、みじめさがましていくだけだ。それを、あらかじめわらいのネタにしてしまうことで、すくわれる。そういう作用を、東村アキコのギャグはもっているように思う。

 たとえば、ある精神科医が自分がかつてパニック障害に陥ったときの療法として、
 「パニック障害におちいって、呼吸困難におちいっている自分を、自分で茶化すことで、呼吸をおちつかせることができるようになった」
 と言っているのを聞いたことがある。たとえば呼吸困難におちいってきたら

 「おおっと、理恵選手(仮名)、
  呼吸が困難になってきました。
  いやー、きましたねー、本日もやってまいりました。
  今日の呼吸は、なかなかいい感じですねぇ。
  斎藤解説委員、どうでしょうか。
  /はい。そうですねぇ
  …今日の呼吸困難も、いい調子ですねぇ…。
  期待できますよぉ、今日は。」

 みたいなバカなことをやっているうちに、気持ちが落ち着いてきて治ったんだそうな。

 ギャグは、自らのどうしようもない行き詰った立場を、一歩外からみつめなおすことができる。そとから自分をみなおすための、もっとも効率的な手段でもある。そとから見つめなおす視点を獲得することで、ラクになれる。力を抜くことが、できる。
 そういうタイプのギャグが、東村アキコの作品にはあふれている。だから、東村アキコのネタは、「ギャグ」という皮を脱いでしまえば、とたんにひどく深刻で、息がつまるような、切実さをもっている。東村はそれを効率的にギャグとしてみせる。それゆえに、東村のギャグはおかしく、そしてまた、強烈だ。


(※もちろん、ギャグが<常に>精神療法として機能する、というわけではないだろうけれど。) 

■ギャグと批評性

 また、こういった一定の批評性をもったギャグというのは、基本的にはその批評性とかみたいなものがほのみえてしまうと、えらくダサく見えたりするもので、「爆笑問題」のギャグは、いつも、そういうあざとさを発揮してしまったりする。(あるいは、昔のビートたけしとかも、そうだと思う)
 だが、東村のギャグは、そういうところがほとんど存在しない※1。それは、何よりも、本人にとって、あるいは本人のごく身近な人間の問題を描きだしているようにしかみえないからだろう。少なくとも、他人を攻撃するためのギャグではない。
 作中では、直接に「痛い」キャラクター本人が自虐として語るのではなく、さまざまな形でかたられるが、いずれも攻撃性がほとんどない。

 なお、原作のあとがき漫画では、東村自身が10代のころにどれほどオタク女子にありがちな痛いことを沢山やっていたか、ということがライトに語られている。まあ、本人が過去そういう人間であったということは、なるほどそうだろう。

 くわえて、少女マンガとしてじゅうぶん機能するだけの人物の心情描写の細やかさ※2を兼ねており、わたしは、もう東村さんに関しては、本当に文句がない。







■アニメとして

 東村さんの話ばかりを描いてしまったけれど、アニメはアニメで、すばらしい脚本のリライトや、キャラクタの描写力をもっており、絶賛するしかないクオリティ。個人的には、ばんばさんと、くららが超かわいくてツボ。

 OPのチャットモンチーの『ここだけの話』も、EDのサンボマスターの曲もすばらしい。とくに、OPのチャットモンチーの曲はここ数年にきいた、すべての日本人の楽曲のなかでもっともよかった。チャットモンチーらしい、わがままで身勝手な欲望をあえてかわいく歌うことで、びっくりもするし、チャーミングでもあるすばらしい楽曲になっている。映像とあわせて本当によかった。

 そういうわけで、なんだか長々と書いてしまったけれども、
 要するに、昨年は
 「ここのところいいコンテンツって、なんかある?」と聞かれたら、
 「海月姫!海月姫!海月姫!ちょう良かった!すごく面白かった!あれこそが感動的!」
 と、ドヤ顔で答える日々を送っていたわけです。


■追記1:
・東村アキコは、岡田あーみん(『お父さんは心配性』『こいつら100%伝説』)が大好きだという。わたしも岡田あーみんは大好きで、吉田戦車、うすた京介と並ぶ90年代の三大不条理ギャグ漫画家だと思っている。少女マンガ、というプラットフォームのなかで、あれだけ不条理系にごりごりと突き進むことができていた、岡田あーみんの遺伝子を東村アキコが引き継いでいるのか、と思うと泣ける。

・あと、本編だと東村さんのギャグは自虐性がたかいけれども、たまに、周囲への敵意そのものがむき出しになってるような、場合とかもあるのは、ある(笑)。まあ、それは西原さんもそうなんだけど。なので、上記の感想は若干ほめすぎているといえば、ほめすぎてるんだけれども、大筋の言いたいこと、としてはそういうことで。『ママはテンパリスト』とか、けっこうひどいな、とも思うw

■追記2:美容整形をめぐって

 ちなみに、この「眼差される対象としてのわたし」をめぐる、コンプレックスを扱った作品としては、サブカル文脈で有名なものとしては、90年代の岡崎京子の『ヘルタースケルター』という作品がある。
 わたしは、岡崎京子は好きではない。…が、教養として岡崎京子を知っている、ということには意味があると思っているので、興味のある人は読んでもらえるといいと思うけれども、話の内容としてはWikipediaの要約によれば下記のとおり

「美しく幸せになりたいという欲望を持ったモデル・りりこは、全身を作り変えるほど危険な美容整形手術の結果、その美貌でトップアイドルになっていくが、手術の激甚な後遺症に心身ともに蝕まれていた。」

 という内容。
 基本的には、まあ、「他人から見られる私の美しさ」というリソースをゲットするために、なりふりかまわず、人生のほかの大事なものをごっそりと捨ててしまう、というそれだけの話なんだけれども、しかし、少なくない数の「女性」にとっては、美貌という資源がそれほどに、めんどくさいものとして描写可能だ、という話になっている、ということだ。

 これと比べると、海月姫の「美」をめぐる描写はかなり楽天的な部類に入るだろう。
「キレイはつくれるんだよ★」
 という言い方がカバーする範囲で、基本的には話は推移する。つきみちゃんは、見てくれをちょっと変えるだけで美人っつーね。
 いや、まあ、実際に、それまで全く手を入れてないようなタイプの人の場合、
・姿勢
・ファション
・髪型
・化粧
 あたりをゴリゴリといじっていくと、相当にいじれる、とは思うけど、…それにしても、海月姫的な「美」の世界観はけっこう希望に満ちている。整形しなくても、イケる世界だからねぇ。


 …
 で、何を言いたいのかというと、
 整形したり、何かを強力に犠牲にしてまで、「美」を手に入れようという人にとっては、「キレイは作れるんだよ★」的な世界はうざい、と思われているはずで、ここに対する、何かが入ってくるといいなー、と思っています。海月姫じゃなくて、東村さんの別の作品でもいいけど。
 整形美人とかが登場して、

 非モテ(つきみちゃん) vs 整形の怨念女

 みたいな対決とかね。
 そんでもって「キレイはつくれるんだよ★うふ」な楽観でないことを示せると、もうサイコー。

*整形に対する価値観

 ちなみに、
 整形に対する価値感とか、韓国とかだといま、全く変わっていて、ヘルタースケルター的な描写が成立する、ということ自体が、いまやバカみたいにしか見えないと思う。
 (韓国にいれば)

 「整形=性格ブス」の構図とかって、なんなのそれ?w みたいな感じで笑い飛ばしてやりたいよね。前時代もいーとこだと思うんだよね。
 整形美人が性格的にストレスを抱える理由というのは、整形自体が問題というよりは、どちらかというと「整形行為」に対する社会的なレイベリング※3の問題でしょう。
 その意味で整形美人っていうのは
1.「美人であれ」という世間的要求と、
2.「むりに美を買うなんて浅ましい」という世間的要求の
 どちらにも、二重にコンプレックスを抱えやすい人になりがちなわけで、そうなっちゃうと整形美人ってのは、けっこうガチでかわいそう。笑い飛ばせる人だと、いいと思うけど。椎名林檎とかだと、なんとも思わずにやっちゃってそうだけど。
 で、岡崎さんの話は、教養人が、そのレイベリング問題を取り扱っているようにも読めるけど、レイベリングを強化しているようにも見えて、困りものなんだよね。岡崎さんのような人がそういうもんしか描けてないってのは、ほんとにねー。まったくもー、どうなの。

 整形美人、に対して、そういうわけで今後、東村さんがなんか描いてくれればなー、というのがわたしの、ごく勝手な希望で、東村さんならやってくれる、はずだ、と勝手に期待してる。※4


※1 これは、昔の古谷実のギャグマンガ(『グリーンヒル』『ぼくと一緒』)や、西原理恵子のような人のギャグにおいては。こういうことは成立していた。

※2 心情描写のセンスの良さは、現在連載中の別の漫画『主に泣いています』のほうがよく出ているかもしれない。

※3 レイベリング、というは、たとえば「おまえは不良だ!」と学校で先生からレッテルを貼られることで、それまで、さほど不良でもなかった子が、「っち、おれはどうせ不良だよ!!!」とかやさぐれて、本当に不良になっちゃうってこと。「レイベリング」でぐぐってくれれば、社会心理学系の解説のページが出てくるはず。

※4岡崎京子は、わたしにとっては「一世代前の教養」の象徴的存在でもあるので、東村さんに、そこはなんか一発やってほしいな、と思っている。
 むかし、三島由紀夫を読んでいたら、三島が太宰のことを「あんな、田舎者」とかっていうような書き方をしていて「なんのこっちゃい」と思っていたけれども、要するにあれって、「過剰な露悪趣味にたいするナルシズム」みたいなことだよね。
 そういうものが、80年代ニューアカの残滓みたいなところと結びついちゃったのが岡崎さんで、太宰の頃には、そういう教養主義って、一高文化とか東大みたいな限られたところにしかないから、太宰が教養主義にアクセスする、ということはなかったわけだ。そこが、なんか、戦後のある時期以後は、結びついちゃってるのが、わたしは嫌なんだよなー。
 太宰はコンプレックスばりばりの無教養DQNなんだけど、村上龍とか、岡崎さんは、勉強するんだよね。あの人達は。
 これって、19世紀初頭のヨーロッパの成金が、美術を介して文化資本に手早くアクセスしようとしたときの話にすごく似てる気がする。一発目は、ただの俗悪な趣味の権威化しかできなかったんだよね。あのとき。50年ぐらいたって、ようやくそれが新しい趣味の世界を構築してきたけど。
 なお、もちろん、岡崎さんが交通事故で描けなくなったこと自体は惜しい。岡崎さんには、ずっと、わたしにとってのヒールであって欲しかった。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 36

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

クララでつ

少女漫画原作、萌えはあんまないですが
じわじわ来る面白さがあります
流石はオトナファミ漫画部門1位


制作はブレインズ・ベース、監督はバッカーノやデュラララの大森貴弘氏
原作こそ映画ネタは豊富なようで、氏の才腕が余すところなく発揮されてます
グラフィックはなかなか安定してます
そして忘れちゃいけないのが、松本憲生氏によるクラゲシーン
本物の感動に随分近づいてます

月海の成長がメインかと思ってたら、サブキャラにもそれぞれストーリーがあり
それが上手い具合に重なって、「おっ、良い」と思える展開に仕上がってます
絵柄はあれですが、受け易い物語じゃないんでしょうかね
好きでしたよ

花澤さんがメインです
「ありがろん」こと神のみの汐宮栞のような演技なんですが
いや、月海殿ですので、まぁ、その、劣情を催すことはないのわけですが
他は斉藤貴美子岡村明美くまいもとこ能登麻美子斎賀みつき
地井武男が特別出演していたり、クララの声優は小学生だったり・・・

まぁ堅気向けな曲ですね
OPもEDも、EDの入りとか結構好きなんですがね
サンボマスターですか

まやや様押しです、押しと言っても、支援的な感じです
あの動きは半端ないですね
ジジ様もバンバさんも千恵子抄も魅力的ではありますが
天水館は良キャラばかりですわ
童貞兄さんェ・・・


海月姫にイカ娘と、海洋オタは存分に楽しめるシーズンでしたね
ただ、今作でのカツオノエボシの出番の無さには泣いた
好きなんですがね
まぁそれはともかく、ノイタミナクオリティ高いっすな
四畳半に引き続き、万々歳です

投稿 : 2024/03/16
♥ : 9

U-tantan-U さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あにこれがきっかけで出会えた作品。

ノイタミナ推しの自分にとって海月姫は盲点でした。なんとなーくスルーしているうちに存在自体を消してしまっていました^^;もったいない....そんななかあにこれでレビューを拝見しているうちに、あ,見ないと!と思い完走した作品です。


本作の監督さんが語っているように、原作が過去の名作少女漫画等をリスペクト、オマージュすることを意識しているということもあって、海月姫は現代風に過去の名作たちの雰囲気をアレンジしたような、そんなつくりになっているのかなーと見ていて感じました。


海月姫は、純粋無垢で内気な女の子とマジメな男の子の恋愛という王道設定<あくまで大筋は...ですがw>
それこそがアレンジとしての魅力を上手く引き出す設定で王道表現を上手く展開しているのかなーと思いました。


作中にオタクたちが登場しますが<既存のオタクの概念とは少し異なる>、彼女達のテンションが非常に良く、声優さんたちの演技がそれを際立たせていたので、私はそこですごく楽しんでいました。
特に花澤さんの振り切れた感じが良くて、今までのイメージになかったので、なかなか楽しめました^^


話の太枠、キャラ、パロディ、声優と魅力が詰まった作品でした^^


ですが、構成に少し欠点があったかな?尻すぼみ感が否めず展開が明確になっていなかったかな^^;
1クールでまとまりきってない感が伝わってきたので2クールほしかったです^^それでも全然楽しめましたが^^w


再構成部分も含めて2期もやってほしいと思います。今後の展開を描いてくれればもっと評価が高まると思います。特にキャラたちの成長とかね^^

大人向けのラブコメです^^

投稿 : 2024/03/16
♥ : 25

81.9 4 水族館アニメランキング4位
やがて君になる(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (665)
2459人が棚に入れました
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──。「私、君のこと好きになりそう」

声優・キャラクター
高田憂希、寿美菜子、茅野愛衣、市川太一、野上翔、寺崎裕香、小原好美、中原麻衣、森なな子、小松未可子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

どうも開発された感がある

2019.01.04記


原作未読


これまで百合百合どうのこうのは未経験だったのと、花田十輝氏脚本で寿美菜子さんが先輩役をされているとの情報に誘われ視聴決定。
気づけば毎週の放送が楽しみな作品の一つとなってました。{netabare}3話でスイッチが入り、6話で沼に嵌りこんだ自分です。{/netabare}

“好き”を知らず、“好き”を知りたいと思いながらも誰にも“特別”な感情を抱けない高校一年生小糸侑。
一学年上で“特別”を求められ指向するも誰も“好き”になったことがない七海燈子。
この二人の「好き」「特別」をめぐるひとつの愛のかたちを丹念な心情描写で魅せる良作です。燈子の同級生で同じ生徒会仲間の佐伯沙弥香を含めるとトリプルヒロイン?になるかと思います。

抒情的な文学をよんでいるような作品でした。そして観てて疲れます。表情や会話の間、手足の動きにジェスチャー、光の使い方や背景、OPやED、直喩に暗喩いろいろ駆使した演出で、画面からひと時も目が離せません。
演出の一つで感心するのがサブタイトルの一枚絵カットでしょうか。毎回CM前後や大事なとこで印象的なセリフと一緒にサブタイトルが映されますが、ストーリーを追っていくと膝を打つものばかりです。
{netabare}例)6話サブタイ「言葉で閉じ込めて」
⇒橋のシーンで、侑の好きになりたいという気持ちを「好きにならないよ」という自分の言葉で蓋をする。帰り道に、侑が橙子を好きにならないように、橙子が「好きだよ。君はそのままでいて」の言葉で閉じ込める。{/netabare}

話の重ね方も惹きつけるものがありました。一つは物語が“上乗せ”されていくこと。“上書き(更新)”ではありません。
{netabare}・例えば燈子について、5話で忠犬ばりのデレ具合を見せてから6話での拒絶。5話の経緯から油断してた侑(視聴者もですね)に不意打ちを食らわせる。ただそれも3話で兆候は示されてる話であり幾重にも織り重なる構成です。{/netabare}
{netabare}・例えば沙弥香について、6話「私が無邪気に信じていると思った?」と侑にマウントを取りにきてからの7話沙弥香回でのネタ明かし。沙弥香に対して“怖さ”を感じさせて、次の回で“共感”させると揺さぶりをかけてきます。{/netabare}
そのキャラの持つ引き出しが増えていくイメージと言ったらいいでしょうか。

もう一つはむやみにイベントを作らないこと。
{netabare}・槙くんが口を割ったり二人に過度に干渉して一波乱起こすこともできたでしょうに。
・沙弥香が推薦人から漏れたことで彼女が立候補するまたは立候補言い出すなどかまってエピソードを挟むこともできたでしょうに。
・水族館デートを誰かに目撃されて一悶着とかとか、ありがちなイベントを挿入して物語の波を作ることを避けてます。{/netabare}
その分、尺を心情の極々微妙な変化や行ったり来たりの揺り戻しの描写に多くを割いてました。これで冗長さとか中弛みにならないところは素晴らしいです。

話の重ね方2点を含む演出といった技術的な特長をもって、それだけでも観る価値はありそうです。全13話は原作の4巻分に相当するとのこと。巻数だけから判断するとしてもあまり端折る必要のない話数であり、丁寧に掬いあげたんだろうことがわかります。



恋愛物語としては三人の心情を慮ると、

 『ひたすら切ない』

です。侑、燈子、沙弥香が報われることのない袋小路に迷い込んで抜け出せない。これは心が千々に乱れますよ。

{netabare}燈子が“特別”を演じる自分と弱い自分両方を肯定される「好き」があることに気づけば呪いは解けそうなのだが。{/netabare}

燈子を中心に侑と沙弥香が取り巻く構図です。自己肯定感がない燈子は二面性の人。特別であろうとする燈子を支える存在が沙弥香、素の弱い(なにもない)燈子を支える存在が侑。

●沙弥香
{netabare}燈子が誰のものにもならないことを理解してて、だからこそ「想いは叶わなくても一番近くにいられる」ことを支えにしてたのに、そんな燈子が他の誰かを特別に想い始めてることを感じる。
{netabare}お願いだからそのままの君でいて{/netabare}{/netabare}

●侑
{netabare}特別を知りたい。好きを教えてあげられるのは燈子だけなのに、その燈子は侑が好きになることを拒絶する。一方で燈子は侑に好きを全面にだしてくる。
{netabare}お願いだからそのままの君を好きになって{/netabare}{/netabare}

●燈子
{netabare}自己矛盾を抱えていることを理解しつつ、拠りどころの侑が離れていくことを極度に恐れている。{/netabare}
{netabare}いくら頑張っても他人にはなれないのに。合宿で、生徒会OBに今までの自分の理想や努力を否定されてアイデンティティが揺らぐ。
{netabare}お願いだから自分を好きになって(視聴者一同){/netabare}{/netabare}

三人とも本当の気持ちを飲み込む辛さを知っているのです。

ゆっくり時間をかけて進むラブストーリーは、その進行速度とは相反して緊張感を常に孕んでます。
演出が多岐にわたるということは考察しがいのある作品になるかと思いますので、登場人物の心情をいろいろ観察してみるとより面白くなりそうです。


なお、冒頭の百合百合どうのこうの、というのはいまだよく分かりません。女性同士の恋愛ということであればそうなんでしょう。
いたく心を動かされたので、百合適性が“開発された”のかもしれませんが、じゃあ他の!とすぐなるかでいえばそれはないです。


最後に、生徒会の濃ゆい面々の中で堂島くんの存在は貴重でした。彼がいたことでだいぶ和みます。だって、けっこうヒリヒリするやりとりの連続でしたから。



-----
2019.06.16追記
《配点を修正》


どうしても「百合」ってもったいないと思ってしまう私

投稿 : 2024/03/16
♥ : 86

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

今のところとても面白いです。(顔がめっちゃ芝居する!)→第7話補完作品『やがて君になる 佐伯沙弥香について』(電撃文庫)絶賛発売中! BDにはスタッフコメンタリーも!

== [下記は第2話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
現在2話目まで視聴済みです。

原作マンガはかなり有名作品だと思うのですが、未読だったのでアニメ放送開始前からとても気になっていたタイトルです。

大正時代にはやった(生まれてないから本当にはやったのかは知らん(笑))らしい「エス」(女学生同士の恋愛物)とかの継承者的な路線ですかね。40年以上前から少女漫画とかでは連綿と続く系譜の一つですよね。男性向けの深夜アニメのメインストリームからは外れた作品だと思うので爆発的には人気は出ないと思われます。

私としてはけっこう好みかも。キャラクターデザインも、わりと好きな方です。男性も出てくるのは今風なのかな?

気に入ったので推さないとと思って評価は仮に付けましたが、途中で変更すると思いますので悪しからず。
== [ここまで。] ==

2018.10.26追記:
生徒会選挙での演説前の一幕、最高でした。

後輩なのにメンタル強な侑の強キャラ感はめっちゃ好みです。侑のお姉さんもなかなか良いですね。

表情の作画、情報量が多くて凄く良いです。原作も良いのでしょうが、今のところどストライクで好みです!

2018.10.27追記:
第4話目まで視聴完了。煽りキャラの存在で話が動いてきましたね。原作未読だけど、とりあえず見つかった脚本のキャスト表が伏線だというのはわかりました。

2018.11.3追記:
第4話からの勢いで原作既刊分の単行本を全巻読破したところで、第5話を視聴終了。

原作を忠実になぞっているようで第3話の生徒会長選挙の演説が実はアニメで補足されていることがわかったりとか。実は花田先生が目立たず良い仕事をしている…?

第5話については、原作にもあるエピソードですけど怜ちゃん(侑のお姉さん)GJ(笑)!

2018.11.10追記:
第6話を視聴終了。ストーリー展開は原作にほぼ忠実ながらもオリジナルなシーンがけっこう入っていたような。

例の川での飛び石のシーンも含めて、監督・演出・脚本みんな良い仕事してますね!

2018.11.17追記:
第7話まで視聴終了。ここまでただの脇役と目されていた箱崎先生がストーリーに参加してくるエピソードが、ついにアニメでも放送でした!

なお、本エピソードで触れられた佐伯沙弥香と先輩の中学生時代のエピソード詳細を含む『やがて君になる 佐伯沙弥香について』が11/10に電撃文庫より刊行されております。

原作漫画『やがて君になる』のスピンオフ作品という触れ込みで、歪んだ女性キャラを書くことでは定評のある(?)、入間人間(いるまひとま)先生によるノベライズとなっています。

原作未読でもアニメ第7話まで観ていれば特にそれ以降のエピソードに関するネタばれ要素はありませんので、佐伯先輩に興味を持たれた方は是非お読みになることをお薦めします!

2018.12.29追記:
第13話(最終回)まで視聴終了。原作コミックス5巻の4割くらいを消費して、エピローグ的に今後の展開を期待させる映像での締めでした。(← 悪く言えば「おれたた」END(笑))

結局原作の各話サブタイトルはそのまま残されて、特に特定の回が跳ばされることなくアニメ化されるという『3月のライオン』に近い形でのアニメ化となりました。この構成で原作がまだ続いているので最終回をどうまとめるかはかなり大変だったかと思いますが、シリーズ構成・脚本の花田先生、お疲れさまでした。

そんな中、劇中劇の内容を練習という形で少し先取る形で見せて、アクロバティックに話をまとめてしまいました。このアニメの制作スタッフの恐るべき底力!

脚本だけではなく演出もハイレベルな作品でした。

2019.2.4追記:
12/21にBD 1巻、1/30に2巻が発売されました。

BDの初回特典として付くブックレットには対談形式のキャストインタビューが収録されており、他にコンテ各1話分が付きます。そして毎回特典ですがスタッフコメンタリーが付くのですが、これが1、2巻とも素晴らしいです。

1巻:
キャストインタビュー: 高田憂希・寿美菜子
キャストコメンタリー: 高田憂希・寿美菜子
スタッフコメンタリー: 加藤 誠(監督)・仲谷鳰(原作者)
コンテ: 3話

2巻:
キャストインタビュー: 寿美菜子・茅野愛衣
キャストコメンタリー: 高田憂希・寿美菜子・市川太一
スタッフコメンタリー: 加藤 誠(監督)・あおきえい(第6話コンテ)
コンテ: 6話

特に演出関連のスタッフコメンタリーが大好物な私としては、アニメ化のレベルの高さにふさわしいパッケージでBD 1巻、2巻ともに大満足。以降のBD 3巻、4巻も楽しみです!

投稿 : 2024/03/16
♥ : 82

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

気になって参りました

<2018/12/30 追記>
最終回を見終えました。

世の中のレズビアンの皆さんに伺いたい。
実際もこんな感じなんでしょうか?

今まで同性愛の知り合いが居なかった(というか隠してる人が多いのかも)ので、わかんないんですよねー。

という感想を持ってしまうぐらいガチな作品でした。

というのがまず一つ。


そして本題。

「人を好きになるって何?」
「自分って何?」
こう書くとチコちゃんのお題みたいですが 笑

この作品、こうした本来は素朴で、普通なら安易に答えを出してなんとなく自分を納得させてしまうようなそんなテーマにがっぷり四つに取り組んでいる感じです。

観てると、余分な要素を取り除いて、深く深く潜っていくような思索につい耽ってしまう。

一見中途半端なところで終わってるような気もしますが、答えは見えてるような気もします。
でもやっぱり二期が欲しい。

ところで原作者のお名前「鳩(ハト)」だと思ってましたが「鳰(ニオ)」さんなのだそうです。
謹んで訂正させていただきます。

<2018/11/4 初投稿>
観始めなので評価はデフォルトの3です。
原作未読。

今期、続編ものを除くと個人的にクリティカル・ヒットな作品が見当たらず寂しい思いをしてたところ、キャッチしてるレビュアーさんが猛烈に推してたのを見かけて興味が湧きました。

高校の生徒会を舞台としたいわゆる「百合もの」です。
百合ものでちゃんと観たのは「青い花」くらいでいつもなら敬遠するジャンルなのですが。
お話やキャラ造形がしっかりしてて純粋に物語として楽しめそうな雰囲気。

ところで。
予備知識なしでの、漫画や小説の読み始め、原作ありアニメ観始めの頃、たまにですが作者の性別が気になりだすことが私にはあります。
「男かな?女かな?」と。

そういう時ってその作品にハマりかけてることが多いんですよね。

最近だと「あそびあそばせ」「恋は雨上がりのように」とか
ちょっと前のだと「四月は君の嘘」「ノラガミ」「おおきく振りかぶって」「鋼の錬金術師」「荒川アンダー・ザ・ブリッジ」「GOSICK」とかとか

こうしてみるとほとんど女性ですね 笑
(そうなるのも自然なのですがそこら辺の説明は割愛)

そこでこの「やがて君になる」ですが、気になって参りました。
作者の仲谷鳩さんは男性?女性?どっち?

つまり私はハマり始めてるんですね、きっと。

気になってGoogle先生に「仲谷鳩 性別」で訊いたけど分かりませんでした。
(ちなみに3番目くらいに「鳩のオスとメスの見分け方」が出てきましたよ)

女性だろな、とは思ってますがどうなんでしょう?

投稿 : 2024/03/16
♥ : 58

75.7 5 水族館アニメランキング5位
白い砂のアクアトープ(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (439)
1329人が棚に入れました
「――見えた?」くくるは、そっと、がまがま水族館のヒミツを教える。「ここではときどき、『不思議なもの』が見えることがある」夏の日差しが降り注ぐ、沖縄。那覇市内からバスに乗り1時間あまり揺られた先に、その水族館はある。沖縄本島南部、美しいビーチのすぐ脇にある、ちいさな、すこしさびれた「がまがま水族館」。18歳の女子高生・海咲野くくるは、そこでまっすぐ、ひたむきに仕事をしていた。祖父に替わって「館長」を名乗るほど、誰よりもこの水族館を愛している。ある日くくるは、水槽の前で長い髪を揺らしながら大粒の涙をこぼしていた女の子・宮沢風花と出逢う。風花は夢だったアイドルを諦め、あてもない逃避行の先に、東京から沖縄へやってきたのだ。がまがま水族館に流れる、ゆっくりとした、やさしい時間。居場所を求めていた風花は、「水族館で働きたい」と頼み込む。出会うはずのなかったふたりの日常は、こうして動き始めた。しかし、がまがま水族館は、「不思議」と一緒に、「閉館の危機」という大きな問題を抱えてもいた。迫りくるタイムリミットを前に、ふたりは立て直しを目指して動き始める。かけがえのない場所を、あたたかな寄る辺を、守るために。

声優・キャラクター
伊藤美来、逢田梨香子

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

沖縄の自然とオカルト、風花を中心にアイドル設定が活かせれば…

 まずこの作品のいいところですが、とにかく絵が綺麗です。特に前半の沖縄でも自然が豊かなエリアの美術は非常に美しかったです。くくるの沖縄風の家屋も素晴らしいと思いますし、キジムナーそして水族館の過去の人間が見える設定も沖縄の神秘性と悲しい過去、死んでいった人なども、アニメの雰囲気も上手くだせていて良かったと思います。

 つぶれそうな水族館という舞台と、夢破れたアイドルの組み合わせが良いです。その組み合わせでどんな出来事が起きて、くるると風花が自分を発見し、成長しながら、現実と折り合いあるいは夢に再挑戦するんだろうという期待がありました。
 ダブルヒロインのキャラ造形・キャラデザが非常によかったです。

 ということで、初めの設定やアニメとしての作り込みは非常に期待値がもてる前半の前半部分でした。

 が、くるるの学芸会が始まりオヤ?となります。エピソードが単発の思いつきレベルばかりで、非常にチグハグでした。あとから思えばくるるは本作を回すための狂言回しで、本作をアニメとして成立するためだけのコマ…尺稼ぎのためにいる気がします。破水のところなど何してんの?という感じでした。
 ですので、キャラに魅力がないし、やっていることに成長が感じられません。言動も騒がしいだけで不快に感じます。

 一方で、風花の方はまだいろんな考えや、過去からの出来事がキャラに厚みを持たせていましたので、そちらに期待が残りました。


 が、後半が始まると、アレ?水族館に就職って…アイドルの意味は?となってしまいました。結果的に最後の方で自分の選択がありますが、あれ風花の成長は?その考えに至る描写はあった?という感じでした。

 そしてくるるとその周辺のキャラは話を作るため、成長したねと最後に言わせるための不自然なパワハラ展開でイライラします。

 前半の沖縄の自然や風花の悩みや自分を見つめ直す部分の描写など、視聴継続の判断要素だったいいところを全て消してひどくした感じです。

 風花のアイドルから沖縄に触れて、自然と係わりたい。水族館という不自然と沖縄の自然をどう整合性を取りながら、自分の成長と夢を実現して行くのか?という部分を、アイドルか女優に戻ってからの出来事や成長・自分探しで見つけて行けばお話になったのになあ、と思います。最後の23、24話辺りの決断をセリフじゃなくてストーリーで見せるべきでした。特に環境をいいたいなら、風花にもっともっといろんな体験をさせるべきでした。

 くるるはサブにしてコメディの担い手として狂言回しにしておけば話が成立したのになあ、と思います。

 なんといっても水族館の内部の事情が体育会系の理不尽な物ばかりで水族館のウンチクも弱かったです。それとせっかくの沖縄ですから、ファンタジーを少し本筋に活かしても良かった気がします。


 初期設定と作画・美術が良かっただけに非常にもったいない作品だと思います。そしてアクアトープなんぞや?ですね。小説も漫画もそうですが、アニメも当然、題名には命をかけましょう。


 そうはいっても、最後まで見れたし、なんとなく気になってこうやって再レビューしたりするくらいな作品だとは思いますが、やっぱり再レビューしても不満が大きいかなあという作品でした。

 PAは「サクラクエスト」とか「色づく世界の明日から」が作れる力がある会社なのに、どうしてこうなっちゃうんでしょう??


 リアルタイムで視聴しながら書いた各話ごとのレビューや追記など、ごちゃごちゃしている作品をまとめ中です。主旨はほぼ変えていません。本作は21年12月までに書いた内容を、23年6月にまとめました。
 評価は3.6→3.4と下方修正しています。



 追記 他のレビュアーさんから、アクアトープのトープは場所の意味と教えていただきました。

 なるほど、水族館のこと?あるいは白い砂ですから、アクア=水=海の境目である白い砂=沖縄の砂浜、つまり人間と魚の共存ということで、自然が美しい沖縄の環境とか水族館などを象徴した言葉にしているのでしょうか。

 ならば余計に前半でアクアトープという言葉を提示して、後半に風花に考えさせればよかったのにと、思います。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 40
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

優しい未来を目指した 心が落ち着く物語

このアニメを見ると、なぜか心地良く、心が落ち着きます。
おそらくそれは、キジムナーのせいかもしれません。
物語全体が優しい色で覆われているようです。

そして、この物語が目指すものは、「優しい未来」のような気がします。
人や全ての生き物にとって優しい未来をつくること。
そしてその未来をつくるのは、水族館を訪れる幼い子供たち。
今は小さくて何もできないけど、海洋生物に興味を持った子供たちが大人になったときには、きっと優しい未来をつくってくれる。
その願いを込めた物語のようです。

そんな未来を想像すると、心が楽しくなりませんか?


主人公は高校生の海咲野 くくる(みさきの くくる)。明るく元気な女の子です。
そして、ヒロイン(?)は宮沢 風花(みやざわ ふうか)。とても美しい少女です。

物語は、くくるが高校を卒業するまでの前半部と、くくるが社会人になった後の後半部とに大きく分かれています。

■前半部:
くくるは夏休みの間は「がまがま水族館」の館長代理をしています。
両親を亡くしたくくるにとって、この水族館は人生そのものと言える大切な場所。
でも水族館は老朽化で閉館が決まっています。
くくるは何としても水族館を存続させようと奮闘します。

風花は元アイドルグループのメンバーでしたが、優しすぎる性格が災いしてアイドルグループを辞めてしまいます。
傷ついた心を癒すべく沖縄に行ったときに、彼女は偶然「がまがま水族館」に立ち寄ります。
そこで彼女は、不思議な体験をするのです。
それは、まるで魚たちが風化の傷ついた心を慰めているようでした。

壁一面の水槽に囲まれている水族館の中は、まるで神秘の世界への入り口。
私達も今度水族館へ行ったときには、風花のような不思議な体験をするかもしれませんね。

ここで風花は、くくると出会います。
くくるを応援しようと決めた風花は、くくるの家に住み、「がまがま水族館」で働くのです。

{netabare} くくると風花は、がまがま水族館を存続させるために懸命に頑張りました。しかし水族館は老朽化により閉館してしまったのです。

このときのくくるの悔しさがとても切なくて…
くくるは元気な時が一番輝いています。だから早く元気になってほしいです。{/netabare}

■後半部:
月日は流れ、高校を卒業したくくるは、新しくできた大きな水族館「アクアリウム・ティンガーラ」へ就職します。そして営業部へ配置されます。
くくるにとって生き物を飼育しない営業部は不慣れな仕事ばかり。くくるは仕事に押しつぶされそうになります。

そんなときに、いつも真っ先に助けてくれるのが風花。
風花は、くくるの姉のような存在です。いつの間にか、くくるにとって最も大切な人へと変わっていました。

自分を助けてくれる人がいつも横にいてくれたら、どんなに辛くとも頑張り通すことができます。
風花の励ましで元気を取り戻したくくるは、与えられた仕事を懸命にやり抜きます。

{netabare}17話では、くくると風花が懇親会を企画します。
皆にくつろいでもらおうと頑張ります。
贅沢な料理はありませんでしたが、二人の皆への感謝の気持ちがこもってました。
幸せの基準は人によって異なりますが、
こんな接待を受けたら幸せな気持ちになるでしょうね。{/netabare}

くくるにとって最も不慣れだった営業の仕事は、いつの間にかくくるにとって最もふさわしい仕事に変わりました。
営業部だからこそ、全ての飼育員と仕事で話をする機会ができました。
営業部だからこそ、催し物企画でお客様と身近に接することができました。
営業部だからこそ、自分が推し進めたい企画を実現することができました。

嫌だ嫌だと思い続けて仕事をするのと自発的に仕事をするのとでは、同じ仕事でも人生が180度変わります。
そして社会人になったら誰でも、くくるのように挫折感を味わうことがあります。
でも、前向きに仕事を続けていれば、きっと報われる日が来るでしょう。


くくるが企画した白い砂の上での結婚式の様子は、とても素敵で頬笑ましい内容でした。{netabare}
装飾品が殆どなく、裸足で行う素朴な結婚式。
でも、壁一面と天井には沢山の魚たちが優雅に泳いでおり、まるで海底にいるような気分になります。
こんな神秘的な結婚式は、参加された方の心に一生残るでしょうね。{/netabare}


前半部の主題歌「たゆたえ、七色」は、とても心地よい歌でした。


私は若い頃に六年間、沖縄に住んでいました。
青い空に白い雲、そして真っ青な海
サトウキビ畑にシーサー
どれも懐かしいです。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 59
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

テーマ(コンセプト)がやや迷子

【作画(キャラデザ、背景など)の評価】
私はP.A.worksの作画の虜で、同社の作品は内容に関わらず視聴することにしています。

本作も作画は大満足。特に海を見ていると沖縄行きたくなりました。
キャラデザも女性は可愛く、男性はかっこよく描かれていたので満足です。


【物語のざっくり評価】
要所要所では明るい展開がありますが、大部分はわりと重苦しいです。なんとなくスッキリしない展開がずっと続いていた印象を受けました。P.A.Worksの十八番の「お仕事アニメ」と思って手を出すには・・・お眼鏡にかなわないかも?

全体的に『厳しい現実を味わうのも一興』ということを描いている作品でしたね。


【キャラの評価】
キャラクターの深堀が物足りない部分が多かった印象です。おそらく尺が足りなかったんでしょうかね・・・。せっかくの個性が埋没しちゃっているキャラが多かったように思います。

例えば {netabare}おじぃに関しては、個性的で好きなキャラではありましたが、その伝説っぷりは全然伝わってこなかったです。空也にしても、なぜあんなにも女性嫌いになり、なぜ夏凛さんだけには少し気を許せるのか・・・もう一捻りドラマを描けたのでは。味のある個性を持っていたのに活かしきれていないのが惜しかったですね。{/netabare}

あと私の価値観と相容れないキャラや、人としてどうかと思うキャラがいたのは残念でした(後述)。

ちなみに、外見はみんな甲乙つけがたいですが、内面で見るなら、観光協会の夏凛さんと定食屋のうどんちゃんがお気に入りです。

頑張り屋だけどちょっと空回りしている くくるも好きですし、面倒見のいい風花も悪くはなかったんですが・・・、くくると風花の関係性が終始気持ち悪く感じてしまいました。くくる単体、風花単体でなら何ともないんですが、この2人が揃うと・・・何とも言えない気分に。


【物語の総評】
描こうとしているテーマ(コンセプト)がやや迷子になっていたように感じました。特に1クール目と2クール目では、別作品でも見ているのかと感じたほどに。

純粋な恋愛観を描きたいのか、複雑な恋愛観を描きたいのか、青春を描きたいのか、仕事観を描きたいのか、人生観を描きたいのか、ファンタジーを描きたいのか・・・。すべてを良いとこ取りしようとした結果、すべてが中途半端になってしまっていたように感じました。

中途半端なままだと「その要素入れる必要あった??」という印象で終わってしまいます。いろんな要素を取り入れるからには、そこに「明確な意図」があってほしい・・・かな。

P.A.Works作品の中で、
複雑な恋愛観なら「凪のあすから」、
青春(努力&友情)なら「TARI TARI」、
青春(恋愛)なら「色づく世界の明日から」、
仕事観なら「SHIROBAKO」「サクラクエスト」「花咲くいろは」など、

とパッと形容できますが、本作は何と形容していいものか・・・。

心温まる話、グッとくる話、クスッとくる話など・・・要所要所では楽しめたエピソードはちゃんとありました。ただ、ややコンセプトが迷走ぎみなせいで、全体的に見ると「何を伝えたいのだろう?」と感じてしまう部分が多かった・・・かな。

あと私が一番引っかかったのは、この作品は全体的に「不可解な価値観」が漂っているように感じた点ですね。(詳細は2クール目以降のレビューにて)


【作者に対して一言】
{netabare}くくるの人生を決めるのは「くくる自身」じゃないでしょうか。周りの大人たちが「くくるにはこれが必要だ」「くくるにはこういうことをやらせたい」と、くくるの成長像を勝手に描くのはやや傲慢だと感じました。

もちろん、自分の人生の進路が「希望通りにならない」のは仕方のないことだと思います。くくるの希望はともかく、くくるの適性から必然的にマッチングされた配属であれば、何も問題ないです。すべてが思い通りにいくわけではないことも含めて人生ですし。

ただし「くくるが望んでもいないこと」を「くくるの適性も考慮せず」、「第三者の思惑」で押し付けるのは傲慢じゃないでしょうか。くくるが最終的にどう思うかは、ただの「結果論」です。その過程が傲慢だと感じました。

ちなみに、おじぃとティンガーラ館長の思惑(意図)をもう少し詳しく描いて欲しかったです。尺の都合だと思いますが。{/netabare}


(以降、各話視聴時の不定期レビューです)

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<10話視聴時点の感想>

正直 今の所は盛り上がりに欠けるなぁと感じています。ただ10話視聴した時点で2クール目があると知ったので・・・最終評価は先送りします。おそらく劇的に展開するのは2クール目からでしょうから。

{netabare}1クール目はおそらく『のれんに腕押し』という状態を描いているのでしょうね。くくるがあれこれ試行錯誤しようが『がまがま閉館』という絶対的な未来は揺るがない、と。鳴かず飛ばず、打てども響かず。

ただ見方を変えると、ここまでの話で『明確な山場』が無いような気がするんですよね・・・。くくるが「手痛い失敗」をするわけでもないので、挫折や後悔や反省をするわけでもなく、故に壁を乗り越えて「成長する」という展開もない。

何かを試してはカレンダーと睨めっこし、また何かを試す・・・。ただひたすらに『何をやっても、何も起きない』という展開で悶々とするだけ・・・。たぶんこれが盛り上がりに欠ける理由なのかなぁ、と。

おそらく、すべては1クール目のラストで絶望を突きつけるためのお膳立てなのでしょうね。なので1クール目は終始スッキリしない展開が続きそう。たぶん劇的な展開は全部2クール目に回しているのかな?と予想してます。{/netabare}

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<1クール目ラストと2クール目予想>

まだ残り何話か残っているでしょうが先の予想を少し・・・。

{netabare}製作スタッフのプロジェクト名が、2クール目の展開を示唆している気がします。

アニメの制作チームが『Project ティンガーラ』を名乗っていて、作中で新しく建設中の水族館の名前も『アクアリウム・ティンガーラ』って言ってましたからね。喧嘩別れしたティンガーラの研修生とそれっきりなんてのも不自然ですし・・・本作の本当の舞台はそっちなんでしょうね。

ということは、『がまがま水族館はもう・・・』ってのが1クール目までの話なのかな?{/netabare}

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<11〜12話/13〜17話の感想>

{netabare}やはり がまがまは閉館する運命だったんですね。ずっとモヤモヤする物語でしたが、くくるがそれを受け入れる過程はグッとくるものがありました。

2クール目があると知った時点で、1クール目は『視聴者にとって我慢の時』なんだろうなぁと受け止めていましたが、ようやく新しい風が吹き、重かった空気が流れて行くのを感じました。

そして、2クール目からの展開が予想外すぎて笑ってしまいました。嫌味な意味ではなく「なるほど〜、そうきたかぁ〜w」的な感じで。舞台がアクアリウム・ティンガーラに移るとは予想していましたが、まさか飼育員ではなく企画の仕事だったとはw ストーリー展開もだいぶSHIROBAKO路線になりましたね。P.A.Worksの十八番と言ったところでしょうか?w

1クール目とは打って変わり、物語がテンポよく動いていてます。今の所は好印象です。

がまがまで出会った研修生との再会、彼女との衝突と和解、新しい職場での奮闘・・・テンポ良すぎて私が予想していた内容はあっという間に消化してしまい、もうこの先どういう展開になるのか読めませんw {/netabare}

先の展開が楽しみです。

ただ余計な一言を付け加えると、1クール目と2クール目は別物のアニメを見ているような印象を受けていますw

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<ストーリー全体で気がかりな点>

まだ2クール目中盤ですが、一旦この作品の気がかりな点をまとめておきます。

(※長文注意)
{netabare}私は “自分の人生の進路を他人に委ねる考え方” が好きではないので、登場人物の『進路の動機』は気に入らないです。この点は一貫して残念なアニメ。

仮に、夫婦や、きっと将来を添い遂げるんだろうなと想像できるほどの関係など、「自分の人生を委ねるに値する人間関係」において委ねることは、何も違和感は感じないですが・・・。

例えば、カイは {netabare}恋わずらいで くくると同じティンガーラに就職先を決めた点。バイト時代はまだわかります。しかし『人生の進路』ともなれば話は別です。“あの子と離れたくないからついて行こ〜”って考え方が本気で苦手。

特にカイは漁師の息子で、釣りも好きで、海も好き・・・であれば『恋わずらい』という要素を抜きにすれば漁師を継ぐのが自然。でも水族館に就職した。なぜ?それは『恋わずらい』のせい。

潔く告白はできないくせに、勝手に『くくると人生を共に歩む』という願望を抱き、就職先にまでくっついて行くという粘着さが気味が悪い。いや、その重大決心ができるならせめて告白せぇよ!w 話はそれからでしょ。就職先が同じじゃなきゃ恋愛できないなんて世界じゃないでしょうに・・・。婚約者どころかまだ恋人ですらないのに、自分の人生を「くくる基準」で決めているところがキツイ・・・。

ならば、もしも カイの知らぬ間にくくるが別の人と恋をし結婚してしまったら、『カイの人生って何なの?何でお前ここにいるの?』ってなっちゃうじゃないですか。

こういう「恋愛観」と「人生の進路」を結びつける動機は苦手。{/netabare}

あとは、風花も同様です。というか風花の方が極めて重症。ことさらに {netabare}「くくるのため」「くくるが心配」「くくると一緒なら」という感情で行動し、きわめつけは“くくるがティンガーラに行くって言った時から決めていたんだ”は寒気がしました。

ならば、もしも くくるが企画の仕事にうんざりして仕事辞めると言い出したら、風花もまた辞めると言い出すんですか?・・・そこまで行くともう気持ち悪いですよ。これもやはり『風花の人生って何なの?』案件です。

あと全然しっくりくる理由もなく くくると風花が物語冒頭からひかれあっていることに、百合っぽさが感じられて嫌です。特に2クール目で、おじぃからくくるの住所を聞き出して「隣の部屋に黙って引っ越してきた」のはもはや鳥肌もの・・・。

例えば「社員寮でたまたま隣室になった」という設定だって、同じ展開は描けたであろうに・・・。むしろ社員寮という設定の方が、仕事の合間にみんなで集まるという展開にも綺麗に筋が通るでしょうに。私は戦慄しましたが、作者としてはそこに強いこだわりがあったのでしょうね・・・。

例の母子手帳が登場した時に『あ!もしかして二人がひかれ合っている理由は、生き別れの姉妹なのか?』と期待しましたが、あれは普通に死産した双子の姉らしいですからねぇ・・・。なら なおさら二人の意味深なひかれ合いは何なのよ?って。『百合要素を入れたかった』以外での説明がつかなくなってませんか?w{/netabare}

率直に言って、こういう人たちの『人生観』は私の肌には合いません。いや、特殊な価値観(百合)については別に棚上げしても構わないですが、『恋愛観と人生観を直結させるストーリー』は苦手です。特に青春ラブストーリーでは『好きな人と同じ学校に行きた〜い!』という動機で描く作品がありふれてはいますが、正直 私の性に合わないです。

恋愛にしろ友情にしろ特殊な価値観にしろ、『自分の人生の進路』を他人を基準にして決めてしまう人には共感できません・・・。それが他人ではなく、『将来を誓い合った間柄』か『それに相当する強い関係性』であれば許容しますけど。

ちなみに異性愛だろうと同性愛だろうとそこは構いません。私にとっては『ちゃんとお互いの人生の責任を持てる関係性か』が重要なんです。それであれば、お互いを基準にして進路を考えるのは構わないです。

そういう展開を描きたいなら、その展開を迎える前に『そういう関係性をちゃんと築いてくれ!』って言いたいんです。設定上そうなんです、じゃ通らないです。視聴者がそれを受け入れるようにストーリーを描いてもらわないと・・・。

ちなみに、夏凛さんや うどんちゃんの『人生観』は好きです。

夏凛さんは{netabare}最初から水族館で働きたい想いを持っていたけど、いろんな事情があって諦めてしまったものの、移動水族館を手伝ったのをキッカケにその想いが再燃し、一大決心してティンガーラに転職したってのは共感できます。この動機なら応援したくなります。{/netabare}

うどんちゃんも{netabare}『料理の腕を磨いて自分の店を持つ』という目標に向かい、実家?の店を飛び出して新天地で様々な料理を覚えようと努力している姿勢は応援したくなります。{/netabare}

2クール目から明確に「お仕事アニメ」路線に舵を切ったと感じていますが、お仕事アニメに必要なのは夏凛さんや うどんちゃんのような人。カイと風花の設定は足かせになっている気がします。

あとは『進路』の話からは脱線しますが、知夢さんの設定はちょっと苦しい・・・。現実的に考えてしまうと、{netabare}『子供がいることを隠して働いている』方がよっぽど職場に迷惑をかけると思います。・・・現にそういう脚本に仕立て上げてますし。

この流れは『くくると知夢を喧嘩させたい』という結果(結論)から作り始めてしまった『逆算式シナリオ(結論ありき)』に見えましたね。だいたい『逆算式』で脚本を作ると、設定やそこに至る過程が強引になりがちです。

特に『自分の上司にだけ打ち明けている』って状況がよくわかりませんでした。上司がそれを受け入れてくれている前提があるなら、なおさら職場全体で共有した方が良いかと・・・。みんなでフォローするように指示を出すのも、角が立たないように職場を上手く回すのも上司(管理職)の役目でしょ。

知夢さんは過去の職場運に恵まれなかったことが「トラウマ」になっていたことは描かれましたが、だからってシングルマザーを隠す理由にはならないかと。それに、今の職場も以前と同様にギスギスしているって状況ならまだしも、今の職場は嫌味な上司でもなかったですし、嫌味な同僚でもなかったので、余計にしっくりこなかったんですよね・・・。

同僚視点で「理由のわからない仕事拒否」「何でか知らんけど特別扱いされている」なんて人がいれば、それを快く思わない人が出てきてしまうのはそりゃ当然でしょう・・・そう、くくるのように。くくるだって理由を知ってれば噛み付いたりしなかったでしょう。

トラウマを理由に隠したところで状況が好転するわけもなく、隠したがっていた動機には釈然としませんでした。喧嘩する理由を無理やり作ったように見えました。

喧嘩前後のシナリオは腑に落ちなかったですが、シングルマザーの設定が明るみになった以上は、ここから良い感じのキャラに育って欲しい。{/netabare}
{/netabare}

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<18話〜最終話の感想>

2クール目から雰囲気変わっておもしろくなり始めたと感じましたが・・・ちょっと期待しすぎたかな。

(※長文注意)
{netabare}要所要所で感慨深かったり微笑ましくなれる話もありましたが、要所要所で気持ち悪いと感じる展開が出てくるんですよね・・・。2クール目に流れ変わったと思いましたが、明るい雰囲気だったのは最初だけで、やはり大部分は重苦しい感じでしたね。

18話で朱里(バイトちゃん)の心境の変化を描いたり、19話で風花の心境の変化を描いたのは、キャラクターの深堀になっていて良かったと思います。

ただそれ以降が・・・。

心が折れて働けなくなってしまう人の気持ちはわかります。だからくくるが がまがまの最後を見届けることができず、そうまでして没頭した仕事もうまくいかず、心が折れて失踪する展開はまだ理解できます。

風花がくくるを親友として心配する気持ちもわかります。

ただ、うみやんからくくるの居場所を聞いた途端に、風花まで仕事を休んで飛び出す展開がやはり気持ち悪い・・・。うみやんの奧さんに保護されて民宿で羽を休めていると知って「ちゃんと安否確認できた」のに、自分の仕事を放り出す意味がわからないです。

それはそれで「風花の仕事に対する責任感」はどうなってんのよって・・・。これが『目撃情報のみで未だ保護されておらず、その後の行方もまたわからない」って状況が続いてたのなら、わからんでもないですが。

風花は序盤からここまでかけて「生き物の命」「生き物との関わり方」を学んできたはずなのに、突発的にシフトに穴開けるほどの事態ですかって・・・。何でちゃんとシフトを調整して有休とってから迎えに行かないのでしょうか。「生き物の命」と「くくるに “今すぐ” 会いに向かう」ってのを天秤にかけるのはおかしくないですかね?・・・もうその感情は「友情」ではなく「依存」じゃないでしょうか。

そしてUSTDプロジェクトの応募前は「くくると2年間も離れたくないからUSTDに応募できない!」、でも意を決して応募したのに、合格したらしたで「くくると2年間も離れたくないからやっぱり断る!」・・・もうどこまで気持ち悪いキャラとして描けば気がすむのでしょうか。

ここまでいくとさすがに、よくある友情や恋愛からは『逸脱しすぎた心理』ではないでしょうか?このアニメ、『強烈な共依存関係』を描きすぎですよ・・・。風花というキャラクターは、決して悪い人ではないのはわかりますが、この重度の依存関係がとにかく気持ち悪かったです。


あと最後の最後で唐突ですが、『副館長もとにかく嫌い』ということを書き忘れてました。このキャラは論外すぎて今まで触れるのを忘れてましたw

仕事に対して厳しい上司は嫌いじゃないです。むしろ「正しい厳しさ」を持ったキャラなら大好物です。ただ部下をプランクトン呼びするのは「厳しさ」ではなく「侮蔑(ぶべつ)」です。相手を見下す行為であり、上司である以前に人として失礼にもほどがあります。後から銀行員時代がどうのこうのと深堀しようとも、失礼すぎて関わりたくないです。

くくるのウェディングプランが一蹴されてしまった時に「これは想定内だ」と言いましたが、あれこそが「正しい厳しさ」でしょう。

あの言葉の真意は「相手からの厳しい指摘や要望を受けて初めて、自分のプランの見通しの甘さに気づくものだ。だから最初は一蹴されて当然だ。それを受けてお互いが納得いくプランを練り上げれば良い」という意図でしょうからね。

副館長はプランの落ち度に気づいていて黙っていたのではなく、副館長自身もどこにダメ出しされるかなんてわからんでしょうからね。「相手の話を踏まえて、お互いが納得のいくプランを練り直す・・・それが企画の仕事だ。落ち込んでいる場合ではない」と教えてくれているだけで。

この一幕で「副館長の良さ」が表現できるはずだったのに、それ以前のプランクトン呼びで全てを台無しにしてたように感じました。


あと空也とおじぃはもっと魅力的なエピソードが欲しかったなぁ・・・。すごく勿体無い。空也の立ち回りは割と気に入っていたんですが、全然活躍の場がなかったですね。ビーチフラッグの話しかまともにスポット当たらなかったのが残念。おじぃも結局何がそんなに「伝説の飼育員」たらしめていたのか深堀が不十分かと・・・。


と、ここまで結構な酷評をしてしまいましたが、夏凛さんと うどんちゃんの夢が結実したのは良かったです。そっちの展開をもっと厚く・熱く描いて欲しかったです。

特に夏凛さんは、飼育員に空いた1枠を巡り、元来飼育員だったくくるにその席を譲りかけそうになるも、意を決してちゃんと名乗りを挙げた流れはすごく良かったです。ちゃんと「譲れないもの」のために筋を通したのは格好良かったです。

くくるも、結婚式の企画成功を経て企画の仕事に魅力を感じ始め、後ろ向きではなく前向きな想いで企画の仕事を続けると言ったのは、すごく良かったです。ここはくくるの成長が表れていてグッときました。

ちなみにまた小言になっちゃいますが、おじぃとティンガーラ館長が、くくるの希望や適性をそっちのけで「企画」の仕事を経験させようとした意図を、もっとちゃんと深掘りして欲しかったです。飲み屋でのちょっとした会話だけじ物足りなかったです。

飼育員の経験を長く培ったくくるを差し置いて、夏休みにバイトしてただけのカイや風花を飼育員にするなんて、「第三者の意図」が無ければおかしいですからね・・・。おじぃと館長の話をもっと聞きたかったです。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 15

69.5 6 水族館アニメランキング6位
名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)(アニメ映画)

2016年4月16日
★★★★☆ 3.9 (184)
1174人が棚に入れました
劇場版「名探偵コナン」20作目にあたる。

物語は動画にも登場したオッドアイの持ち主である謎の女性が、記憶喪失状態でコナンたちと出会うところから動き出す。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【コナン×公安×FBI×黒の組織】の直接対決が初めて描かれる20周年に相応しい一大スペクタクルムービー

劇場版『名探偵コナン』シリーズ第20作目(『ルパンVSコナン』は除きます)
監督は『沈黙の15分』以降お馴染みとなった静野礼文
脚本は『絶海の探偵』と『業火の向日葵』の櫻井武晴
劇場版では初めて安室(公安)と赤井(FBI)が題材にされ、また原作やテレビシリーズに先立って黒の組織のNo.2と目される‟ラム”自身が登場します


警察庁で極秘に管理されていた世界各地のノックリスト(スパイリスト)を盗み出した黒の組織の女性工作員
自身も黒の組織に潜入捜査しているバーボン、こと安室透は逃走する女を追跡しカーチェイスを繰り広げる
そこにFBIの赤井秀一も乱入し大事故の末に女は海に転落する
翌日、記憶喪失になってしまいノックリストの行方や自身が黒の組織の一員であることを忘れてしまった女は偶然にもコナン達に保護される
女の記憶を取り戻してあげようと奮闘する少年探偵団だったが、灰原哀は女が黒の組織の‟ラム”である可能性を示唆し警戒する
一方で公安、FBI、黒の組織は各々に女の行方を追っていたが、ジンは女が送った不完全なノックリストに従ってノックと思しきメンバーの始末を始める
そのリストの中にはバーボン(安室透)とキール(水無怜奈)の名も入っていた・・・


黒の組織が絡む劇場版は大概しょうもないオチがついて終わるものばかりですが、今作は原作の根幹に関わる部分が描かれているとあって黒の組織を廻るキャラが総出演
20周年に相応しい大作に仕上がったと思います


冒頭の首都高11号線(レインボーブリッジ)をモデルにしたカーチェイスは『頭文字D』も真っ青の迫力のCGで描かれ、多重クラッシュや大爆発も相まってコレだけでも劇場に足を運ぶ価値ありますし、中盤までは謎の女の正体が‟ラム”なのか否かが物語を強く引っ張ってくれます


本来なら協力関係を結ぶべき公安とFBIが安室と赤井の私怨のせいで仲違いし、その仲をコナンが取り持つってのには笑ってしまうところですが、二人の対決(素手で殴り合うwガンダムかよw)は作画もめちゃくちゃ良くって大きな観どころの一つです
公安が表立って登場するということで目暮警部はじめ警視庁は蚊帳の外に置かれてしまうのもリアルでしたね


ウォッカやベルモットの静止も聞かず、ノックの始末に躍起になって暴走するジンは本当に怖い
クライマックスでは遂にオスプレイまで担ぎ出しお台場と葛西臨海公園をモデルにした舞台を大破壊する様は圧巻
最後まで全く目が離せず釘付けになりました
コレにイレギュラー的に巻き込まれる蘭や少年探偵団は最早お約束ですが【日本映画においてここまで派手に名所を破壊しまくってるのは『コナン』と『ゴジラ』ぐらい】なもんでしょうw
とにかくドキドキする映画がお好きな方には率直にオススメ出来ます!


しかしバーボンとキールを捕らえ躊躇無く始末すると断言したにも関わらず「待ってやる」と約束を守ってくれるジンは本当は優しいヤツなのかな?とも思ったりw


今作、唯一惜しいなと感じたのが鍵を握る記憶喪失の女を演じるのが天海祐希だということでしょうか
正直違和感というか・・・声優は初めてじゃないはずですし、天海祐希ほどの大女優を持ってしても声の演技とは難しいものなのか・・・と、痛感致しました


今作ラストの手放しでない結末はオイラとして最も評価をしたいポイントです
まあ、あれほど好き勝手やっておいてタダではすまんだろうとは思っていましたが
観終えた後に何色の気持ちになるか?とは今作に添えた青山剛昌先生のコメントですが、オイラは‟良い意味で”ブルーになりました
さあ、あなたは何色に染まりましたかな?

投稿 : 2024/03/16
♥ : 11
ネタバレ

ちっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ハードボイルドなコナン+ある作品のオマージュ

前回の映画がちょっとしょぼかった反動?と思えるほど、スケールがでかくなってます(笑)
ある意味、ダイハードを見ているような感覚で、今回はミステリーはほぼなく、かわりにド派手なアクションシーン満載な映画です。
黒の組織やFBI、公安などの最近の設定をあまり知らないとちょっとついてけないかもなので、予習しておくと良いと思います。
物語としては、非常に最後まで凝ったつくりになっていて、エンディングまでハラハラドキドキな物語です♪ クールなものからハートフルなエピソード、そしてガ○ダ○好きな人には思わずニヤリとするシーンもあるので、いつものテレビでは見られないコナンを見たい方にはぜひおすすめな作品かも♪
{netabare} ガンダムのライバルキャラクターといえば、アムロとシャアが有名ですが、原作者の青山先生が大のガンダム好きなおかげで、今回の作品ではアムロとシャアの戦いや、セリフのオマージュが満載な作品になってます(笑) 緊迫なシーンなのに私はちょっと笑ってしまいました。シャアのセリフのオマージュとしては、アムロくん、墜ちろ、ここからでは~、坊や、などなど細かいネタが仕込まれてます。名前もそうですが声優が同じで、そのまんまなので、狙ってやってますよね。ガンダム以外には、今回はタイトルの通り、冒頭のアクションシーンのイメージは黒色ですが、エンディングでは何色になっているでしょう?という作り手の狙いが非常に面白い作品です。今回は新一と蘭の進展は皆無でシーンもおまけ程度ですが、それ以上にハリウッド並のアクションがありますので、そんな作品好きなら見ても損はないですよ♪{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 6
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ド派手アクションと心境の変化を楽しむ作品

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第20作。

黒ずくめの組織VSコナン+安室(公安)+赤井(FBI)という構図のアクションを楽しむ作品。
そして、人の心境の変化を楽しむ作品。
まさか、コナンの映画で泣きそうになるとは・・・。

{netabare}
結果的に少年探偵団の無謀な行動が最後に吉と出たり、蘭ちゃんが活躍する場面がなかったりと、過去の作品と比べてかなり異色な作品。
ミステリー的な要素が全く無く、アクション中心というのも異色。

そして何より、{netabare}本来、敵であるはずのキュラソーの人間味あふれる行動には感動しました。{/netabare}
{/netabare}

ゲスト声優の天海祐希さんは凄く良かったと思います。
個人的には劇場版コナンの中で3本の指に入る良作。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 12

62.9 7 水族館アニメランキング7位
君が望む永遠 ~Next Season~(OVA)

2007年12月21日
★★★★☆ 3.6 (151)
798人が棚に入れました
3年間の眠りから目覚めた涼宮遙は必死のリハビリの末、ようやく退院することができたが、依然事故のトラウマに苦しめられていた。
 そんな遙は鳴海孝之や妹の茜、そして両親に支えられ、普通の生活が送られるようリハビリに励んでいた。
 しかし、自分を犠牲にしてまで一緒に居る時間を作ろうとする孝之の姿に、やがて遙は困惑してしまう…
ネタバレ

result さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

良かった!( ノД`)…

少し前に君が望む永遠の本編(1期)の方を見終わってて、ずっとモヤモヤ感があった作品でした。
アニコレフォロワーの方からこのOVAがあるの聴いててやっと見つけたので視聴できて良かった(*´Д`*)

 {netabare}
遥と孝之がハッピーエンドで終わる形を本編の頃から理想を描いていたのでまさにその形で終わってくれました。
一度二人が距離をおいたときに孝之の目に曇りは無かった。
そして遥とお母さん二人の会話のシーンから私は泣きます。
最後のあの事故現場での再会のシーンで一番泣きました。

{/netabare}

本編の様なエロシーンはぜんぜん無かったのでOVAのこの作品に関しては純粋なラブストーリーですね。
(普通はテレビ版の方が規制とかされそうなのにね(笑))
どちらにしてもこのOVAがあって私は満足のある面白い作品と思いました。

このOVA作品を含めて『君が望む永遠』と言えるのではないでしょうか(^o^)

投稿 : 2024/03/16
♥ : 9
ネタバレ

天啓 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

NEXT SEASON(アナザーストーリー)

本編のアナザーストーリー
全4話のOVA

本編が結構良かったんで、引き続きNEXT SEASONも視聴
本編が水月ルートだとすれば、これは遥ルート

本編では最終的に主人公孝之が遥と別れを告げ、水月を選択

こちらは、その逆でもし孝之が遥を選んだらというストーリー

孝之は遥を一生大事にすると決意
まあ、そうじゃなきゃ水月と別れられないからね
遥退院の日、病院の屋上で泣く水月
本編を見てるんで、切なかった。

こちらでは、最初から遥を選んでラブラブ

しかし、遥ちゃん、途中で孝之の自由を束縛しているのでは?と思うようになり
孝之に勝手に別れを告げる
(尺の関係でこの辺の心理描写不足
なんでそう思ったのか?本当はどう思っている等々)

{netabare}しかし、本当の自分の気持ちを隠していることが 妹、茜や母親に知れ
素直になることを決意
(本編で孝之は一回遥を振って、自ら再度遥に告白したが、それが伏線だった様に思える)
孝之に本当の気持ちを再びぶつけて ハッピーエンド {/netabare}


大した紆余曲折もあるわけじゃなく、既定路線ラブストーリーだけ見せられた感じ
二話での水月の回想と ラストの事故現場でのラブシーンだけが見どころだったかな、確かになんか物足りない感じだったね

全4話だけだから仕方ないが、盛り上がりに欠けた作品
本編の孝之や水月と同じく、遥ももっと精神的に追い詰められた描写が欲しかったな(俺はSか?)

作画は本編より綺麗になった
それと、遥役の栗林みなみさんがOP歌ってて、歌唱力が素晴らしかったことが良かったな
ちょと調べて見たんだけど、栗林さんは声優もやるシンガーソングライターだったんですね
どうりで上手い訳だ

投稿 : 2024/03/16
♥ : 17

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱりもどかしい、アナザストーリー

NextSeasonとサブタイが付いてますが、続編ではなくアナザーストーリーです。
本編の後日談であるOVA「アカネマニアックス」とは違い、こちらは、いたって真面目なストーリー。
相変わらず、色恋沙汰の難しさと切なさをテーマにしています。


OVAだけあって作画は高品質です。文句なし。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ストーリーはTV版のようなドロドロの展開はナシ。
それでいて”君が望む永遠らしさ”は損なわれておりません。
大局的な部分にはあまり動きがないので、セリフのやりとりや心情の表現がドラマの中心ですが、心がチクッとするような流れは相変わらず。
皆、基本的にいい奴なのに、皆が幸せになる選択肢は無いという、恋愛のパラドックスに、胸を焦がされることは請合いです。
まあ、ともかく、
TV版がお好きだった方は、こちらもオススメです。


あ、エロ描写は一切ありませんから、それを期待しちゃダメですよw

投稿 : 2024/03/16
♥ : 7

71.0 8 水族館アニメランキング8位
海獣の子供(アニメ映画)

2019年6月7日
★★★★☆ 3.7 (128)
525人が棚に入れました
光を放ちながら、地球の隅々から集う海の生物たち。巨大なザトウクジラは“ソング"を奏でながら海底へと消えていく。 <本番>に向けて、海のすべてが移動を始めた―――。 自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、夏休み初日に部活でチームメイトと問題を起こしてしまう。母親と距離を置いていた彼女は、長い夏の間、学校でも家でも自らの居場所を失うことに。そんな琉花が、父が働いている水族館へと足を運び、両親との思い出の詰まった大水槽に佇んでいた時、目の前で魚たちと一緒に泳ぐ不思議な少年“海"とその兄“空"と出会う。 琉花の父は言った――「彼等は、ジュゴンに育てられたんだ。」 明るく純真無垢な“海"と何もかも見透かしたような怖さを秘めた“空"。琉花は彼らに導かれるように、それまで見たことのなかった不思議な世界に触れていく。三人の出会いをきっかけに、地球上では様々な現象が起こり始める。夜空から光り輝く流星が海へと堕ちた後、海のすべての生き物たちが日本へ移動を始めた。そして、巨大なザトウクジラまでもが現れ、“ソング"とともに海の生き物たちに「祭りの<本番>が近い」ことを伝え始める。 “海と空"が超常現象と関係していると知り、彼等を利用しようとする者。そんな二人を守る海洋学者のジムやアングラード。それぞれの思惑が交錯する人間たちは、生命の謎を解き明かすことができるのか。 “海と空"はどこから来たのか、<本番>とは何か。 これは、琉花が触れた生命(いのち)の物語。

声優・キャラクター
芦田愛菜、石橋陽彩、窪塚愛流、稲垣吾郎、蒼井優、渡辺徹、富司純子
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

人新世の到達点

STUDIO4°C制作。

圧倒的画力で支持を受ける絵師、
五十嵐大介、彼もまた天才の系譜であろう。

多様な生命と自然界への畏敬を下地に、
14歳の少女琉花は不思議な兄弟に出逢う。
海と空に交わり導かれるままに、
琉花は水の中で身も心も自由になっていく。
色彩豊かに生命誕生の物語が動き始める。
素晴らしき海洋冒険譚であろう。

宇宙、そして広大な海の数式、
生命の躍動と神秘的な未知の世界。
サピエンスの偉大な旅、
そこには数々の螺旋状の記憶がある。

地質学では完新世から人新世へと、
観るものを圧倒する映像美と音楽、哲学。
素晴らしいアニメがまた1つ誕生した。
これは「鑑賞」ではなくもはや「体験」である。

生命はどのようにして誕生したのか。
原初の海はどのような形をしていたのか。
{netabare}パンスペルミア仮説を物語の背景とし、
隕石は精子、海は子宮、命の誕生祭が描かれる。{/netabare}

{netabare}大きく弧を描くザトウクジラの飛翔に、
生命の偉大さと美しさ、尊さを見る。
海の底で起ころうとしている奇跡に、
クジラたちのように声を合わせて歌おう。{/netabare}

美しく壮大な映像を前に、言葉はいつも足りない。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 68
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

劇場じゃなければ10%くらいしか伝わらない(劇場体験と物語評と映像評と)。

都内のTOHOシネマズのレイトショーで観てきましたが、
席は9割くらい埋まっていました。
客層は比較的若い人が多く、女性がかなり多いって印象ですかね。
音楽面だけで言っても、久石譲に米津玄師ですからねw
これだけでも客呼べるでしょうw

私は上映後の空気感というのが非常に好きですw
客のテンションをダイレクトに感じることができるからです。

さて、本作の場合はどうだったのかというと、
戸惑いとか、ため息とか、そんな感じでしたw
さらに聞き耳を立てていると、
久石譲が~、米津玄師が~、芦田愛菜の演技が~とか、
話題のほとんどがスタッフ・キャスト関連。
さらに、カップルで観に来ていた女性が、(どこか相手を気遣いながら)
「なんか、よく分からなかったけど、思っていた以上に壮大な話だったね」
なんて言ったかと思えば、
友人同士で観に来ていたであろう女性が、
「原作を映画にするとここまでコケるか~」なんて暴言を発していましたw

この体験だけでも劇場に足を運んだかいがあったってものですw
お前ら面白すぎるだろ!!w
私の聞いていた限りだと「おもしろかった」と発した人は一人も
いませんでした いませんでした いませんでした

上映後の空気がこのようなものになるであろうというのは、すべて想定内です。
何故かと言えば、実際に観に行った知り合いや、
あにこれ仲間たちに事前にリサーチしていたからです。

{netabare}「劣化版エヴァ」
「(原作の話をすれば)畳み切れていない」
「映像は今年一だけど、劇場でなく家で見ても、『意味がよく分からない』で終わりそう」{/netabare}

ここまで言われれば、もうお察し!でしょ。
だから、私は絵画鑑賞のつもりで行くと決めていました。
故に、ある意味館内で本作を一番楽しめたのは私だったのかもしれませんねw

ただ、館内の戸惑いだったり、ため息というのは当然の反応なのかもしれません。
何故ならば、本作は映画としてはあまり評価できるものとは思っていません。

さて、今回は物語評、映像評、2つに分けて語ります。


「物語評(ネタバレあり)」


{netabare}映画のストーリーにおける原始的なフォーマットというのは、
未成熟な主人公→映画的な体験→その体験を経て成長した主人公
というものです。
ハンドボール部でチームメイトに怪我を負わせてしまう琉花。
「先にやられたからやり返しただけ・・私は悪くない・・・」
実に未成熟です!w
琉花は母親ともギクシャクしています。
この未成熟な少女が、如何なる体験を経て、最後に成長した姿を見せるのか?
そういう意味で言うと、映画のフォーマットに忠実な作りと言えるでしょう。

それでは、話のコアとなる映画的な体験というのは何かと言えば、
海獣ジュゴンに育てられた「海」と「空」という二人の少年との出会い。
そして、海で起こる「生誕祭」です。

そしてその生誕祭は物語ではなく映像で語られます。
(映像を楽しんでいる中で)若干ノイズとなる解説もしてくれています。

以前にタモさんが生命の誕生かなんかのビデオを見たらしく、
如何に新たな生命が誕生するのが奇跡的なことなのか
番組で熱弁していたことがあったのですが、
本作における主張というのはそれに近いのかもしれませんね。

この世界は未知で溢れています。
我々観測者は世界のほとんどを認識していません。
たとえば、宇宙におけるダークマター(暗黒物質)なんかがそうです。
宇宙の物質の大半を、我々は観測することができないのです。

海のある星は子宮。隕石は精子。
海と宇宙は似ている。そして星の誕生は、まるで生命の誕生のようだ。
このような奇跡を前にして言語は無意味。
言語を介さない対話。これもまた奇跡。

これらを劇中で散々「言葉」で解説してくれるので、
何を言わんとしているのかは分かります。
SFでよく使われる題材なので、馴染みもありますからね。

しかし、このような既視感すら覚える主題を訴えられても
「それで?」と言いたくなりますし、
このような奇跡体験を経た琉花は成長したのでしょうけど、
その体験があまりに奇跡的過ぎで強引なんですよね。
これだと、映画的な体験前のする前の未成熟な主人公が
どのような問題を抱えていようとも、否が応でも成長してしまいます。 
つまり、何が言いたいのかというと、
「あんな体験をしたら成長するのは当然だよね」ってくらい
話作りが乱暴。

「考えるより感じろ」というのは別に構いませんけど、
これまで散々取り扱われてきた主題を、映像任せで訴えられても
話としてはあまり評価できません。話作りをぞんざいにし過ぎでしょう。
ディズニー映画なんかは、圧倒的な映像美と話作りは共存している訳ですから、
分かる人には分かるというのは、言い訳の理由にはならんでしょう。{/netabare}


「映像評」


物語評でかなり辛辣な評価をしましたが、
端っからそこの部分は期待していませんでした。
冒頭でも述べたように、私は絵画鑑賞のつもりで劇場に足を運んだのです。
伏線は?メタファーは?主題は?
極論、そんなものどうでもいいのです。圧倒的な映像体験、これが目的です。
海の描写がとか言う前に、そもそも日常描写の書き込みが半端ないです。
線の密度が半端ない。 制作期間が5年とか、6年とか。さもありなんです。
正直映像に関しては、言葉にするのが難しいですね。
四次元の水族館とプラネタリウムを合わせたようなアトラクションですかね。
閃光が走る海原を泳いでいるんですよ。
「やばっ!息継ぎしなきゃ」って感じるくらいの波がスクリーンから迫ってきました。
なんだか第六感まで刺激されるような圧倒的な映像でした。
観賞でなくて、体験ですね、もうここまでくると。

そして、私はこの体験を是非劇場でしてもらいたいと思います。
家で見ても、10%くらいしか伝わらないでしょうから。

賛否両論だし、行くか迷ってるというそこのあなた!
映像だけ見に行くと割り切っても絶対に損はしませんよ!
むしろ、そっちの方が楽しめるまである。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 33

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

言・語・道・断!

レビュータイトルの語意は、
近代、誤用が定着してしまったネガティブな慣用句としてではなく、
この熟語本来の意味と捉えていただきたい。
すなわち、
「言葉に、ならない」

そこにあったのは、
圧倒的映像体験。
これは鑑賞ではなく、祝祭なのだ。
哲学ですらなく、爆発する情動なのだ。
いや違うな。
凄まじい映像美に包み込まれ抱かれる、生命と神秘への賛歌・・・

これじゃ駄目だ、何を言っても、正しく言葉には出来ない。

ぜひ、劇場で。
体験していただきたい。

そうとしか、
言えない。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 28

62.7 9 水族館アニメランキング9位
シュガシュガルーン(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (65)
475人が棚に入れました
魔界に住む2人の少女、ショコラとバニラ。親友でも有り、魔界の次期女王(クイーン)候補のライバルの関係にある2人は人間界にやってきた。理由は人間のハート( = 自分への想いの結晶)をより多く集めてクイーンになる試験をするためである。

しかし人間界に行ってみると、魔界ではバニラよりモテたショコラがバニラに逆転された上に、謎の少年ピエールに一目惚れ。奪われたら永遠に魂をなくすと言われる唯一無二の魔女のハート。ショコラはそれを守ることができるのか?そしてクイーン試験の結末は…?

声優・キャラクター
松本まりか、井端珠里、小西遼生、津田健次郎、八十田勇一、横山智佐
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ヴァルプルギスの夜に魔女は集う

『なかよし』連載の安野モヨコ氏(※庵野秀明氏の奥様)の原作マンガを、吉田玲子氏がシリーズ構成し、吉田氏を始め金春智子氏・高橋ナツコ氏といった錚々たる女性脚本家が各話脚本を担当した2000年代の魔法少女アニメの名作、という定評が気になって視聴してみました。


◆「魔法少女」というより、そのままの意味の「魔女」アニメ?

一般に「魔法少女(magical girl)」というと、日本のありふれた学校に通う小学生から中学生(※まれに高校生)くらいの普通の少女(※実際には「伝説の~」の転生者だったり、特別な因縁で魔法の素質を備えていたりするのですが・・・)が、ある日ハプニングに遭遇して、そのとき現れた謎のマスコットに誘導されて「魔法少女」に変身する(または能力が発現する)・・・という展開が主流と思います。

でも、本作の場合は、ヒロインたちが最初から普通の少女では全然なくて、{netabare}魔界の将来のクィーンになる資格を賭けて、意図的に人間界に降下した{/netabare}、そのままの意味での「魔女(witch)」たちであり、彼女らを取り巻く関係者や敵対勢力たちも全員、(外見はともかく)最初から普通の人間とは全く違う存在として設定されている、という点で、一般にいう「魔法少女」アニメとは区別しておく必要がある、とまず思いました。

そして、ヒロインたちがそもそも普通の少女ではない、ということから、魔法少女アニメを視聴し始めて通常は間もなく生じるヒロインたちへの親近感といったものが、本作の場合は生じ難く、いかにも少女受けを意識したらしいちょっと尖ったキャラクター・デザインへの苦手意識も併わさって、(少なくとも自分の場合は)視聴の当初は見続けるのがちょっと辛い作品でした。


◆それでも、シナリオの見事さに次第に惹き込まれていく《感情描写系》の良作

ヒロインたちが普通の少女ではない、ということは、彼女たちが{netabare}「人間たちのハートが見えて、その見えたハートのゲットを目的とする」存在{/netabare}・・・ということに典型的に表現されています。
ようするに彼女たちは、『魔法少女まどか☆マギカ』のキュウベェが魔法少女たちの魂を回収して廻るのと同じ要領で、{netabare}人間たちのハートを回収して廻っている{/netabare}ので、その設定だけから見ると、私としては余り見てて心地よい作品とは思えなかったのです。

・・・そうやって一話一話の出来の良さ自体は評価しながらも、蟠(わだかま)りの気持ちを持ちつつ視聴を続けていったところ、2クール目の終わりに差し掛かる第22-23話に至ってようやく、ヒロインたちが{netabare}「ハートを獲るより大切なこと」に気付き始めて{/netabare}、いよいよ先の展開が気になってきました。

そこから第43話(※タイトルにした「ヴァルプルギスの夜」の魔女集会の回)までは、見応えのあるシリアスな心理劇が続いて目が離せなくなり、視聴し始めたときには思ってもみなかった嬉しい誤算になりました。


◆途中で期待してしまった分、終盤のまとめ方はちょっと残念

上記の第43話視聴終了時点までなら、個人評価 ★ 4.3 以上を付けようと考えていたのですが、その後のラスト8話は、そこまでの視聴で期待値が上がってしまったせいか、今度は思いがけずショボイ結末にちょっとガッカリ。
放送当時、連載中だった原作マンガ(※終盤の評判も良いらしい)の結末がまだまだ見えない段階で、強引にアニメ化企画を進めてしまったツケが、ここで出てしまったのかも知れませんね。

それでも全体として、視聴を始める前の予想を大きく超えて楽しめた作品だったので、個人評価は ★ 4.0 とちょい高めの点数に決めました。
今後、さらにもう一周すれば終盤の展開への感想も、また変わってしまうかも知れませんね。
それだけの魅力のある作品だと思います。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
「ハートは奪うもので奪われるものではない」→他人のハートをゲットする、というコンセプトの作品か?
・他人のハートが見える、ということで『彼女がフラグをおられたら』(フラグが見る少年の話、2014年)にちょっと似てると思った。
・第4話視聴終了時点
一話一話の脚本が良いと思った(これって《恋愛の達人》アニメ?)。
・第22話視聴終了時点
男子のハートを攻略していく展開は面白いのだけど、もう一歩踏み込んで考えて、そうやって発生した恋心を「魔法で摘み取っていく」という行為は果たしてどうなの?という点が、ここまで来て気になってくる(←「魔法で解決しても何にもならない=それは本当の解決ではない」という魔法少女アニメ最大のお約束のテーマ)
・第23話視聴終了時点
そう思っていたら、次の第23話で、ようやくショコラ&バニラが「ハートを獲るより大切なこと」に気付き始めて、いよいよ先が気になってくる。
・第25話視聴終了時点
ようやくシリアス展開に入り始めた感じ(魔女が魔法使いにハートを獲られたら・・・になってしまう、という設定が明らかになる)
・第26話視聴終了時点
ようやく半分を見終えたが、本作は典型的な《感情描写系》作品なので、視聴に注意が必要で、思っていた以上に視聴に時間とエネルギーが必要になってしまっている。
・第28話視聴終了時点
初の本格シリアス展開。
・第39話視聴終了時点
いよいよ鬱展開に突入。
・第43-44話以降は、オグル・ロワイヨーム両者の戦闘となるが、ここからの展開はイマイチ。{/netabare}


◆(※参考)ハートの色(・・・人の感情によって様々な色で発現する)
{netabare}
① 黄色   →ビックリした時、通称ピス(おしっこ)、一番安いハート(第1話)
② オレンジ→心がときめいた時(第8話)
③ ピンク  →はっきりした恋心の証(第3、28話)
④ 真紅   →愛情の証(第27話)
⑤ 漆黒   →嫉妬の証(第8話)
⑥ 緑    →友情の証、オレンジよりも高価(第9、33話)
⑦ 青    →尊敬の証(第35話)
⑥ 紫    →エッチな気持ちになった時{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      安野モヨコ(『なかよし』2003年9月-2007年5月連載)
監督         ユキヒロマツシタ
シリーズ構成     吉田玲子
脚本         吉田玲子、高橋ナツコ、金春智子、池田眞美子、長谷見沙貴、丸尾みほ、吉村元希
キャラクターデザイン 安野モヨコ(原案)、大竹紀子
アニメーション制作  studioぴえろ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回
*付きはアニメ・オリジナル回(全部で28回→28/51=約55%)

============== シュガシュガルーン (2005年7月-2006年6月) ===========

- - - - - OP「ショコラに夢中」、ED「月の向こうの世界」 - - - - -
{netabare}
第1話 チョコとハートの流れ星 ★ ショコラ&バニラ人間界へ、萌黄学園入学(小5、10歳)、ハート集め開始
*第2話* かえるとねずみのラブバトル ☆ 謎の美少年ピエール(中等部生徒会長、14歳)、使い魔(デューク、ブランカ)
*第3話* 新聞部とつげきインタビュー ★ 西谷君の恋心、消える恋と消えない友情 
第4話 魔法のリップは恋の予感 ★ 真鍋(学級委員長)の演劇熱、心に思ってることを口に出せるリップ
*第5話* ドキドキハラハラ!!家庭訪問 ☆ 占いブック、幸子先生来訪と偽ロビン騒動
*第6話* ハートを狙え!恋のフェンシング ☆ ピエールとの賭け、魔界の掟、ピエールVSショコラ 
*第7話* ショコラ、女王候補失格!? ☆ 元老院査問会、女王の資質、氷雪のプリンス ※キャンディ女王&ショコラのお爺登場
*第8話* レディな気分のバカンスデート ★ ピエールの別荘招待、ショコラ大人のレディに変身、恋心の発生と嫉妬 
*第9話* 緑のハートがくれたもの ☆ 同級生アキラの飼い犬捜し、緑のハート
*第10話* ロビンに学べ!ラブラブ大作戦 ☆ ショコラ&バニラのTV局潜入
*第11話* 恋より大切!?友情魔法 ★ 白鳥さんの恋愛相談(バニラ)
*第12話* ショコラ、ネコになる!? × ※お約束の動物変身回(とくに見なくてよいと思う・・・) 
*第13話* 輝けハート!女王候補試験 ★ 女の子の虹色ハート獲得競争(中間試験)、女王のプレゼント(箒)、ピエールの馬車
第14話 魔法使いの転校生 ★ ウー&ソール中等部転入、テニス対決(ピエール、百利香)、黒く冷たい影
*第15話* あべこべマカロンで大混乱!? ★ ※お約束のヒロイン入れ替わり回だが、二人の気持ちが語られる点は〇  
*第16話* ショコラ、アイドルになる! ☆ 魔女ナイツ、魔界から来た先輩ココナッツ(ココ)
*第17話* おじい襲来!恋のダンス対決 ☆  
*第18話* 超こわ!ハロウィン肝試し!? ★ 百利香の招待、憎しみのノワール(黒い)・ハート
*第19話* 使い魔ブランカのちっちゃな恋 ★ チーズ店主へのブランカの片想い
*第20話* ショコラピンチ?かわいい魔女志願 ★ 同級生・滝川クリスの妹ソフィアの心を癒す話
*第21話* 魔法のティーカップは夢気分 ★ ピエールの夢の中へ(雪と氷の世界)
*第22話* ショコラ&バニラ恋の三角関係? ★ 堅物の優等生(篠原先輩)のハート攻略作戦
*第23話* 走れ走れ!友情リレー ★ ハートを獲るより大切なこと
第24話 バイバイ、ハートの髪飾り ★ オグルの気配、本当にショコラを思ってくれる人(サッカー少年森山君)、夢のプレゼント
第25話 ピエールの秘密、手帳の秘密 ★ 敵対する魔界の一族(オグル)、ショコラのママのアドバイス、ピエールの揺さぶり
第26話 クリスマスには恋するハート ★ X'mas会で同級生の森田&マユの恋を後押しする話
第27話 小さなハート、まっ赤なハート ★ アキラの従兄弟ミハル(4歳)と過ごすお正月、真紅のハート(愛情)ピックアップ
第28話 危ない!水族館デート ★★ 漆黒のハートの刈り手、ショコラ陥落寸前、デューク大活躍 
第29話 魔界創世紀、オグルの秘密 ★ クグロフ先生の結婚式(魔界一時帰還)、オグルvs.ロワイヨームの真実の歴史{/netabare}

- - - - - - - - OP(変わらず)、ED「デート☆デート」 - - - - - - - -
{netabare}
第30話 オグル宣戦布告!ハート工場危機一髪 ★ 第二回中間試験、オルグの使い魔来襲
*第31話* お騒がせ魔女・ワッフル登場! ★ ウーの追っかけ少女(8歳、小3)、ピエールの申し出、ショコラの自問自答
第32話 ショコラ、チョコにこめた想い ★ ヴァレンタイン・デー回、バニラの義理チョコ、ショコラの気持ちを封じ込めるチョコ
*第33話* 友情のハート、大切な想い ★ 気の合う悪ガキ三村君、友情は楽しくてハッピーなのに恋は苦しくて切ない・・・
*第34話* ショコラとバニラと夢の星 ☆ 二人の幼少期
*第35話* ワッフル、女王様になる! × 魔界通販の落し物ティアラ騒動 ※ただのギャグ回(見なくてもOK)
*第36話* おじいを止めろ!ばあやの(秘)大作戦 × ショコラの祖父のバカンス ※同上
第37話 黒いハートとオグルの罠 ★ グラシエ大尉来訪、ピエールの招待、拒絶、迷宮と黒猫、傷心のバニラ
第38話 ピエールの誘惑、引き裂かれた友情 ★ 生徒会長選挙 ※バニラの心情推移の説得力がイマイチ×
第39話 誕生、オグルのクイーン ★ 嫉妬心の発生、バニラ闇落ち、悲しみの種を撒く
第40話 嫉妬の黒い針 ★ 高村先輩(海南中)の好意、仕組まれた嫉妬
第41話 バニラと対決!秘密のスパイス ★ ウーの優しさ、バニラの混乱
第42話 ショコラ・ピエール、ふたりきりの冒険 ★★ 偽の海水浴場、忘れられた通路、二人の記憶
第43話 ヴァルプルギスの夜への招待 ★ 魔女の集会、クイーン候補お披露目、オグル来襲、謎のレディ
第44話 ママからのメッセージ ☆ オルグとの戦争の危機、シナモンの手帳内容 
第45話 ピエールの策略、バニラのハート ☆ バニラのノワール集め加速、身体の異変(2つのハート) 
第46話 ココア砂漠の魔女・アンブル ☆ マンドラゴラの花捜し
第47話 凍った記憶、ピエールの過去 ★ 銀色ベリー捜し、ショコラとピエールの出遭い
第48話 ノアールと友情の涙 ★ ピエールのピンクのハート、バニラ救出、フィルトレ(ノアールを浄化する者)、闇の大公 ※問題解決過程が安易な点は×
*第49話* クイーン最終試験、開始 ☆  
*第50話* ユニコーンからの課題、試される心 ☆ 闇の大公グラース復活
*第51話* 輝くハート!次期女王決定 ☆ ピエールのハート浄化 ※この手の魔法もの長編のまとめ方としてはイマイチ{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)31、☆(並回)15、×(疑問回)3 ※個人評価 ★ 4.0

投稿 : 2024/03/16
♥ : 10

にわとり。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

色合いが素敵。にゅん

魔女ってところにすごく惹かれて
幼い頃の私は無我夢中で
毎回見てた気がする

恋愛のお話しなんだけども
友情をとるか勝利をとるか
それとも命と引き換えに恋愛をとるか

子供のアニメにしては内容が
すばらしいですね

最終的にはみんなに平等であり
みんなに優しい人が幸せになるものです


ショコラのツンデレな感じと
バニラの純粋な感じ。

みんなちがってみんなイイ!\(^o^)/

ショコラだいすきだよおおお!

投稿 : 2024/03/16
♥ : 5

もぐもぐ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

安野モヨコ♡

安野モヨコさんの絵がすごく好きで、シュガシュガルーンの漫画は私が小学校の時からとっても大事に何回も読んでいる漫画です!☆
バニラが持ってるものと似ているものをお母さんにおねだりしたのをすごく思い出す笑
とにかく、世界観が本当に好き♡
魔法少女作品で一番はこれでしょ!ってかんじです。私のなかで
でもでも、アニメも良いけどやっぱり漫画の方が私は断然好きなので、シュガシュガルーンは漫画で見てから、アニメ見て欲しいなってかんじです。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 3

68.5 10 水族館アニメランキング10位
ファインディング・ドリー(アニメ映画)

2016年7月16日
★★★★☆ 3.9 (50)
397人が棚に入れました
ドリーの秘密は、≪人間の世界≫に隠されていた。

忘れん坊のドリーが、ただひとつ忘れなかった<家族の思い出>。
その謎を求めて、ニモとドリーの奇跡の冒険が始まる。

声優・キャラクター
室井滋、木梨憲武

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ピクサーが贈る【リマインドムービー】・・・と見せかけてアドベンチャー?

ディズニー・ピクサーの17本目の長篇映画
2003年の『ファインディング・ニモ』の続編でもあります


前作でニモの捜索に一役買ったナンヨウハギのメス、ドリー
健忘症なドリーだったが実は彼女にも家族と帰るべき故郷があった
ふとしたキッカケで両親との思い出を思い出したドリーはいてもたってもいられず両親探しの旅に出てしまう
故郷への手がかりは「カルフォルニアモロ・ベイの宝石」という言葉だけ・・・
記憶を保てないドリーはニモやマーリン、そして海の仲間達の手助けを得ながらも少しずつ記憶を取り戻しては忘れ、を繰り返す
偶然も重なり遂に「カルフォルニアモロ・ベイの宝石」に辿り着いた
が、そこは海の生き物達を保護する目的で人間によって作られた海洋レジャーセンターだった・・・
果たしてドリーの両親は無事なのか?ドリーとの思い出は残っているのか?


前作『ニモ』のセルフオマージュが溢れているものの、基本的に気にしない方が楽しめると思います
と、いうより今作最大の魅力はやはり“記憶を保てないドリーがあらゆる手段を用いて記憶をサルベージしていく”という『メメント』、『ペイチェック』、『ジェイソン・ボーン』シリーズなどと同じ【リマインドムービー】であることです
この手の映画はどれも傑作ばかりですよね
国産アニメだと『東のエデン』とか『僕だけがいない街』とかですかね


大事な手がかりを思い出してはすぐ忘れ、その度に心優しき仲間たちがフォローしてくれる
基本的に悪いヤツが誰も出てこない映画になっています
ドリーと海の仲間達の絆が染み入る一本と言えるでしょう
ただ偶然に偶然が重なって進展してるシークエンスも多々あり、脚本の練り込み不足も感じました
特に最後の方は・・・;
ですので“冒険モノ”としては評価出来ても“リマインドムービー”としてはB級止まりかな、という感じです
『カウボーイ&エイリアン』を観終えた後の気持ちに似ていました(笑)


ドリーを助けるサブキャラ達はみな個性的かつ憎めない愛らしさをもってるのですが、特に足が七本しかないタコのハンクはニモやマーリンを差し置いて準主役級の活躍をみせます
地上を這いまわれる、という彼の万能ぶりは物語の世界を一気に広げた上に、その滑らかな動きやスピーディーな擬態は映像的にも観どころ
海の中の美しい描写が売りだった『ファインディング・ニモ』に対し、今作の映像美はほぼこのハンクの活躍に集中してると言っても差し支えないですね


キャストには吹替版も含めて極力前作と同じ配役が採用されています
ドリー=室井滋
マーリン=木梨憲武
は、もちろんのことですが
子役のアレクサンダー・グードルを使っていたニモ役に新たにヘイデン・ローレンスが起用されたことを受けて、吹替でも新らたなニモ役が菊地慶に交代してます
ちなみに成長したアレクサンダー・グードル自身は脇役として登場するため、彼が演じる役をこれまた前作のニモの吹替を担当していた宮谷恵多が演じる、というところには強い拘りを感じますねw


それと原語版でシガニー・ウィーバーが本人役で登場する海洋レジャーセンターの館内放送ですが、これは日本語版ではなぜか八代亜紀が起用されています
ドリーが館内放送相手に掛け合いを始めるシークエンスで「ありがとう!八代亜紀さん!」と話す様は実に滑稽ですw
八代亜紀は原語版ではsiaが歌っているソウルフルな主題歌のカバーもしています
これに関しては流石の八代亜紀でした
本家のsiaに全く退けを取っていません
ですのでご安心を
こんなに吹替版のエンドロールが心地よいディズニー映画は至極久しぶりな気がしますね(笑)
気のせいですか、そうですか

投稿 : 2024/03/16
♥ : 6

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

タコ無双

WOWOWでやってたので視聴。(吹替版)
2003年に公開された「ファインディング・ニモ」の続編になります。
ニモってそんな前だったのか~!
どうりでハッキリとは覚えてないわけだ。
でも観てるうちに、キャラ設定などは思い出せました。

ニモのキャスト変わってたんですね。
個人的には違和感なかったですが、皆さんはどう感じられているのでしょうか。


【簡単なおはなし内容】
ドリーが小さい頃にはぐれてしまった家族を探しにいく、といったものです。



前作との比較は、先ほど申しました通り記憶が明瞭ではないので控えます。
ただ、前作はだいぶ楽しめた気がします。
そして今作はというと、、

面 白 い ! 美 し い !

キャラが活き活きとしてます。
作画はもちろんのこと、ドリーたちがよく動きよく喋るので楽しいです。
ドリーとハンク(タコ)が水族館にあるキッズコーナーのタッチ水槽に入ってしまったシーンや、最後のシーンがお気に入りです。



それにしてもハンクが有能すぎるw
アクションから擬態までお手のもの。
彼がいなかったらこの作品は成り立ちません。
かっこよかった、、惚れる。。

あとはデスティニー(ジンベエザメ)が可愛かったです。
中村アンの演技が地味に素晴らしかった、と思う。
視力悪くて壁にぶつかりまくる彼女に、なぜか萌えた。
見た目はそこまで可愛くはないんですけどねw


ストーリー展開はピクサーらしい、勢いのある内容。
オイ、それは無理があるだろ!などとニヤニヤしながらツッコむのもよし、水流に流される如く駆け抜けるのもよし。
色々な見方がありそうです。
私は前者のほうで、100分なんてあっというまでした。
背景が綺麗で見入ってしまったのも要因のひとつでしょうけど。



このように、なかなか楽しませて頂きました。
癒しと笑いのある素敵な作品です。
この映画は一見の価値アリ。

是非多くの方にドリー、ニモ、マーリン(ニモの父親)など、様々な目線・角度から、水中の世界を体感してみてもらいたいものです。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 20

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

みんなとの出会いは、計画通りじゃなかった。最もすてきな事は、偶然に起こるものなのよ。

ファインディング・ニモの続編。

ファインディング・ニモに登場した、
なんでもすぐに忘れちゃうドリーが主人公。

ファインディング・ニモを観てから
この作品を観るのをおすすめします。

ドリーのキャラクターをわかっているほうが、
より世界観を楽しめますので^^

90分ほどの作品です。
同時上映作品は「ひな鳥の冒険」(6分)。


● ストーリー
故郷に帰ってきたニモたち。
壮大な冒険から1年が経った。

幼いころから
なんとなく何かを探している気がしているドリー。

それは“家族”だ!と気付いたドリーは、
マーリンとニモと一緒に、両親を探す旅に出た。

手掛かりは“カリフォルニアモロ・ベイの宝石”だ!


幼いドリーが、
家族とはぐれてしまって一人海をさまよう寂しい過去。

前作では能天気なムードメーカーだったけれど、

本作ではドリーというキャラが
より深く掘り下げられています。

忘れっぽいということは、
自分の過去や生い立ちさえも忘れてしまうということ。

今回はそんなドリーの寂しい一面も
たくさん描かれていました。

様々な困難にもめげずに突っ走るドリーの明るい魅力も
たくさん描かれていましたけれど^^

ドリーと両親は再会できるのか…
その結末は必見です!

当たり前のように涙が(´;ω;`)


● キャラクター
ラストまで息つく暇がない大冒険。

今回も海の生き物たちが
たくさん登場します。

タコのハンク、
ジンベエザメのデスティニー、
シロイルカのベイリーなど…。

生き物たちの個性の使い方がうまい!

このキャラ達に触れれば、
海の生物が大好きになること間違いなし!^^

DVDに収録されている解説は
途中までしか観ませんでしたが、

・キャラクター
・観客が物語の世界に入り込めること
・海の世界を忠実に再現

これらをとても大切にして
製作されたことはわかりました。

ドリーというキャラクターを大切にし、
感情移入しながら楽しんでもらうこと。

それは大成功だと思います♪

物語の世界とキャラクターに
どっぷりと惹きつけられました。


● 作画
作画がとても美しい。

表情だけでキャラクターの心情がとても細かく伝わってくるし、
背景は美しいし。

ニモ達が水面に体を出したときの、
ぬめった表面の描き方もリアル。

それ以上に今回私がうなされたのは、
カメラワークの工夫。

スタッフは魚の気持ちになりすぎです!笑

特に印象に残ったシーンは…

◆◇ タッチプール ◆◇

水族館によくあるタッチプール。

人間にペタペタ触られたり、
持ち上げられたり、

生き物にとってはストレスだろうなあというのは、
人間的な目線。

これを魚目線にすると…

次々水中に襲い掛かって来る無数の手。

それはまるで空から無数の爆弾が降ってくるかのよう。

この迫力…恐ろしい。笑


◆◇ ショックを受ける心情表現 ◆◇

両親に会いたい一心で
数々の冒険を乗り越えてきたドリー。

だけど両親に会うことは不可能…。

そう思ったドリーは
ショックのどん底に叩き落されます。

ここからカメラは
ドリー目線に変わります。

ドリーはただショックを受けてしまって、
何も考えられない。

しかしその間にも周りの状況は
急激に動いていく。

対してドリーの心は、
何も考えることができない。

激しい環境の変化と、
停止してしまったドリーの心。
その2つのギャップの描き方がすごい。

観ている人がまるでドリーになったかのように見せるカメラワークは、
何よりも私たちをドリーの心に近づけてくれます。


作画の美しさも当然評価したいけれど、

あれこれと工夫されたアングルや表現方法に
何よりも称賛を送りたいと思いました。

逃げ回ったり、空を飛んだり、
まるでアトラクションを体験しているかのような、

目まぐるしくてスピード感のある作画も、
こちらのドキドキ感をたくさんくすぐりました!


● まとめ
おもしろかったです♪

時間いっぱいいっぱいのストーリーでした。
パンパン。笑

描きたいエピソードが
たくさんあったのでしょうね。

だから最後まで見ごたえ十分。


何でもすぐに忘れちゃうドリー。
それは大きな短所。

大きな短所を持っていても、
それをマイナスに思って引っ込み思案にならず、
堂々と自分らしく振る舞えばいい。

そうすれば、自分らしい何かが、
いつか誰かを助けることにつながるはず。

そして自分も、
どうしようもできない短所を誰かに助けてもらえばいい。

ドリーの姿は物語の登場人物たちを通り抜けて、
大切なことを教えてくれました。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 20

56.2 11 水族館アニメランキング11位
クリオネの灯り(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (95)
334人が棚に入れました
ずっとイジメられっ子のレッテルを貼られていた実(ミノリ)。

そんな彼女の笑顔を見たいと願う方(タカシ)と杏子(キョウコ)は、ある雨の日の午後、思い切って声をかける。

けれど結局、本当の笑顔は見られないまま、彼女は体調を崩し学校に来なくなってしまう。

それから二ヶ月・・・方と杏子の元へ一通の不思議なメールが届いた。

送り主の名前もなく返信すら出来ないそのメールは、隣町の夏祭りを知らせるものだった――

声優・キャラクター
松村沙友理、大平峻也、原奈津子、佐々木李子、飯田里穂、鈴木愛奈、影山灯、藤田勇紀、大橋岬、月野もあ、葵井歌菜

sMYVP12210 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

感動作!泣ける。けどちょっとだけ残念

ひさしぶりに泣けたアニメでした。
なきっぱなしではないです。
感動作だし、おすすめします。

ただ、いくつか残念点。ダメだしではなくて、これが良ければもっと良かったと思った点。

・15分アニメじゃ足りん!なんでこういうちゃんとした物語作品なのに30分にしなかったのか疑問

・作画崩壊がすさまじい。やわらかタッチなキャラデザなんだけどもあきらかにくずれてる+画風が話数で安定しない。物語のおかげで気にはならないが、ビジュアル的な面でいまいち推せない。

2期はないだろうけども、同じお話で2時間映画で見てみたい。いつか。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 3
ネタバレ

まりす さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

(部分考察)タカシとキョウコは…

近い将来死亡するのではないでしょうか?
{netabare}
11話のミノリちゃんの回想(独白?)シーン。
夏祭りや灯台のシーンは色付きで描写されていたものが
突然白黒に変わります。

そのシーン。
ミノリは「自分が呼ばれたような気がして」振り返ってみると、
そこにはフグのぬいぐるみを手にした少女と、
大人になったタカシ、キョウコがいました。

この少女は誰なんでしょうか。何故ミノリは呼ばれたような気がした?
普通に捉えると、少女はタカシとキョウコの子です。
大人になった二人が結婚し、子供に「ミノリ」と名付けたのかもしれません。

しかし、単純に未来の姿を描くだけなら白黒にする必要があるんだろうか。
更に言うと、物語のあの流れで「タカシとキョウコが結婚する」
ことを暗示するシーンを差し挟む必要があったのか。
違和感があります。


そこで気になるのが、ミノリの両親が既に亡くなっているという点です。
セリフで少女とミノリの関係性が示唆されているということは、
二人が近い将来死ぬことを暗示しているのではないでしょうか。
白黒は葬式の配色です。

※12話でタカシは、「あるはずのない未来、ミノリちゃんを見た気がする」
 とも言っています。 ここでミノリと未来が結び付きます。

もしこの解釈が合ってるなら誰一人救われない胸糞アニメになってしまいます。
合ってようが いまいがどちらでも良いですが、
私は前者のほうがしっくりきます。

何故なら、本作はいじめを物語の中心に据えながらも話の方向性が
四方八方に行っていて 作者が何を伝えたいのかまるでわからないからです。

いじめっ子達もいじめを止められなかった子も。
皆最終話で心に闇を抱えました。
彼らに救いはなく、教訓じみた話もオカルト的な話でボカされました。
「それと気付かせず 全員を不幸にする」創作としての挑戦が込められて
いると想像したほうが面白いかなと思うのです。
{/netabare}
妄想か推理かわかりませんが… お目汚し失礼致しました。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 9

niratama さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

出だしで切った(;´ω`)

ん~いじめっ子いじめられっ子の話はもういいです O几
明るい気持ちで見たいのに落ち込むような出だし…
それを助ける主人公そしてハーレム(2~3股)状態になる…………
と言うのが見えてくる(;´ω`)
その内一人が転校or自殺で居なくなる……って感じだろうなぁ
気まずくなって擦った揉んだでなし崩しエンド
5分程で見切ったので本編とは違うと思うけど
ナイヨウガオナジダッタラゴメンネwwwww

投稿 : 2024/03/16
♥ : 3

64.7 12 水族館アニメランキング12位
でーじミーツガール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (85)
229人が棚に入れました
夏、沖縄。ひと夏の“でーじ”な出会いー。これは毎週90秒の、ちょっと不思議なものがたり。沖縄の高校一年生・比嘉舞星(ひがまいせ)は、家業のホテルでフロント係のアルバイトをしながら、だらだら夏休みを過ごしていた。ある日、東京から一人の宿泊客がやってくる。そのワケアリな男の名は、すずきいちろう(?)。すずきが来てから、ホテルの中でおかしなことが…。部屋を泳ぎ回る魚たち。ホテルの天井を突き破る巨大なガジュマルの木。二人の間に突如巻き起こる不思議な出来事とはー?監督は新海誠作品にも初期から携わる、演出家アニメーターの田澤潮。キャラクター原案・脚本は沖縄出身で、DAOKOのアニメMVキャラ原案をはじめ、漫画や書籍・音楽関係のイラストなど、幅広いジャンルで活躍する丸紅茜。気鋭のクリエイターの出会いが紡ぎだす、“新感覚”ショートアニメ、できました。※でーじ=沖縄の言葉で、「とても」や「大変」といった意味

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

でーじなこと心のこと

アニメーション制作:ライデンフィルム
監督・キャラクターデザイン:田澤 潮、
キャラクター原案・シリーズ構成:丸紅 茜
方言指導:儀武ゆう子、音楽:中村博

秋クールでは屈指の作品だった『ブルーピリオド』。
私の住んでいる地方では、放映後にこの作品が放映されていたため、
濃厚な芸大受験の世界観の後に、のんびりした沖縄の風景を
見せられてもあまり入ってこないのが正直なところだった。
それに分かりやすい話でもないのに
1話が90秒で1週間空いてしまうと、
何となく観ているだけという状態になってしまった。

でも、気になる作品ではあった。
ひとつは、アニメーションというより
漫画のような絵のタッチだったこと。
もうひとつは、主人公・比嘉舞星の声と方言が
妙に耳に残ったことだった。

絵については、少しにじんだような色も
魅力的で沖縄の風景となじんでいた。
また、比嘉舞星の声が可愛くて、
ショートアニメということで、
どこかの新人声優さんかと思ったら、
安野希世乃だったのにも驚いた。
冴えカノの加藤恵役で知られおり、
個人的には、声の作り方があまり好みではないが、
今回はとても魅力的に感じた。

そして、改めて全話を通して観ると、
とてもよくできている。
沖縄のホテルを舞台にして
「でーじ」なことが起こるわけだが、
その想像力に好感が持てる。
短い時間のなかで人の「心」をしっかり表現し、
美しい世界観を構築している。

また、方言のイントネーションが
自然なのも美点。
インタビューで読んだが、沖縄出身の原作者が
演出も行っているということもあり、
方言指導者とともに、入念な訓練が行われたそうだ。
この方言の魅力は、クドカンの『あまちゃん』を
彷彿とさせるほどだった。

『あまちゃん』では「じぇじぇじぇ」がポイントなら
『でーじミーツ・ガール』は「でーじ」となる。

「でーじ」とは

大変
大ごと
とても

という意味に加え、感嘆詞的な使用や、
相槌を打つようにして、
より優れていること、
上位の意味で多くの場面で使われる、
沖縄という風土をよく表す言葉だそうだ。
説明をいろいろ読んでも、
その土地の人の言葉に実際にふれてみないと
完全には理解しきれない気がする。

すずきいちろうが胸のうちで大切にしているもの。
それを天真爛漫な比嘉舞星と一緒に
追体験できる構成になっており、
人の想いや感情が短い時間のなかで、
沖縄の景観のなかに溶けていく。

個人的に沖縄はずっと昔に訪れる計画を立てていながら、
結局は行けずじまいになってしまった土地だ。
この作品は、そのときの憧れの感情を
呼び覚ましてくれた。
(2022年1月2日初投稿)

投稿 : 2024/03/16
♥ : 37

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

一服の清涼剤

一夏の“でーじ”な出会いと出来事が、とってもポップで温かい絵柄で描かれてゆく。
リアルでは、寂しくて長い夏がやっと終わりを告げた訳であるが、そんな季節の変わり目にぴったりな作品である。

『白い砂のアクアトープ』のような、しっかりしたストーリーがあるわけではないようだ。
かと言って、『海獣の子供』のような、厨二展開が待ち受けている風もない。

毒にも薬にもならぬ、プラセボが如き“一服の清涼剤”のようなショートアニメであれば嬉しいな。

『おくたまのまじょ』の丸紅茜さんが原案と脚本を、監督は、新海作品で作画監督を務めた田澤潮氏だそうだ。

楽しみである。
                            (2021/10/08)
(観終わって)
とても清々しい気分にさせてくれた作品であった。
あまりにも短い本編に、戸惑う向きもあるかも…。
ただ、それがまた良い。
潔く、そして一枚の絵が、力強く、そして能天気に、何より“うちなーぐち”で語り掛けてくる心地よさ。
そう、沖縄の光と風を感じるのである。
舞星ちゃんでなくても「しに ふらー」(まじ バカ)と罵りたくなるような昨今のドタバタ。
この「やっけー」(厄介)な状況と、傷ついた『石敢當』(いしがんとう)をさり気なくリンクさせた脚本に、これまた拍手である。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

でーじの宿であなたと出会い

ショートアニメ ※ショートものはデフォルト評価3.5点で統一


1話90秒×12でございます。
リアタイだと私の居住地域では『ブルーピリオド』のバーター。尺からしてちょっと長めの予告編みてるのと変わらずで駆け足なのとそもそも各話がブツ切りだったりもしてリアタイには向きません。
全12話終了後のまとめ一挙放送『30分まるごとでーじミーツガールSP!』でやっとこ理解できました。一気推奨です。

中身には触れませんが強いてなら↓

{netabare}不調のトンネルでもがいてた青年すずきいちろうの打ち返した打球がでーじの森…じゃなかった林の横をすり抜けたかどうかってところでフィナーレを迎えるお話です。
たぶんセンター前に落ちるんだろうなぁ、とハッピーエンドを予感させての結末は視聴後感が良い。{/netabare}

おすすめポイントはヒロイン役の安野さんも触れてましたが画でしょうか。
イラストをそのまま動かしたような独特な風合いを楽しむだけでも元が取れる18分と言えそうです。



※ネタバレ所感

■あちゃー

すずきいちろうの沖縄逃避行の原因が↓
{netabare}新型ウィルス流行による公演中止/延期に端を発した仲間とのすれ違い…というのがやるせない。
実際、小中高だと修学旅行や運動会/文化祭の中止や規模縮小もそうだし、大学1,2年生時のゴールデンタイムも無味乾燥。…と貴重な経験を積ませてあげられないことに申し訳なさを感じる。大人の不作為です。全国大会期間中、陽性者出して大会を去らざるを得なかったチームもありました。とてもじゃないが「うつむくなよ 振り向くなよ」とは言えない、まじで。{/netabare}

後ろめたさも残しつつ、とはいっても現状でやれることに全力投球してほしいかしら。
{netabare}ヒロイン比嘉舞星(CV安野希世乃)が走り回ってやっと見つけたドアに飛び込み光明を見つけたのもコロナ期を象徴してるようないないよな。
あくまで20世紀の出来事とお断りの上で↓
鮮やかに描かれた虹のドアを見つけるまであの頃はいくつものドアをノックしてた(できてた)と思います。1個ではなく複数。ドアそのものが少なくなってることの暗喩に見えてちょっと寂しくもありました。機会が多いに越したことはないですよね。{/netabare}

とどのつまり出会いこそ人生の宝さがしだっちゅうことです、たぶん。



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

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2022.02.01 初稿

投稿 : 2024/03/16
♥ : 27

61.9 13 水族館アニメランキング13位
おこしやす、ちとせちゃん(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (45)
140人が棚に入れました
京都に住む子ペンギン、その名もちとせちゃん。
もふもふした愛らしい子ペンギンのちとせちゃんは、
おいしいものや楽しいことが大好き。

人々と触れ合ったり、おいしいものを食べ(させてもらっ)たりーー
好奇心のおもむくまま、京都の街をうろうろします。

清水寺・銀閣寺・祇園 …
誰もが知っている京都の名所をペンギン視点から描きます。
なつかしてくてどこかあたたかい、ほっと心がやすらぐような
癒しのペンギンショートアニメ!

声優・キャラクター
遊佐浩二、小岩井ことり
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

私のPCのデスクトップは、龍安寺の石庭です(笑)

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
ペンギンが紹介する、京都の観光PRショートアニメ。、、、と、それ以外に表現しようがない(苦笑)

スポンサー、京都府なのかな?(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
では私も、京都のPRを(笑)

昔、京都旅行に行きました。目的は、龍安寺(石庭で有名なところ)。まあ、他にも色々行きましたがw

龍安寺には、私が好きなエピソードがありまして。大学の時に講義の中で(余談として)聞きました。それで、興味をもちました。

日本文学、文化の研究者として有名な、ドナルド・キーン氏が、まだ留学生として京都に下宿していた時(1940年代)の話。(「」内はキーン氏の文章)

「或る晩のことです。十五夜で、それはそれはきれいな月の晩でした。 私は大学からの帰り道、その月を見上げて惚れ惚れしながら京都の町を歩いておりました。」

……当時の京都は今ほど観光地化されておらず、龍安寺にも(他の寺にも)拝観料なるものはなく、常に門戸が開かれていたそうです。

「私は竜安寺の門をくぐって本殿に入り、あの有名な石庭を前にした縁側に座り込みました。月光に照らされた石庭の美しさ。私はしばらく身動きができませんでした。」

……私も、本当は月夜の石庭を眺めたかったのですが、17時までしか開いてなかったんで、仕方なく、昼に行きました(笑) 月夜の石庭、一度観てみたいな~。

「三十分、いえ 小一時間ほども私はぼんやりと庭を眺めていました。もう十分すぎるほど石庭に見惚れた後です。ふと傍らへ目をやると同時に私は驚きました。いつの間にか私のそばに、一杯のお茶が置いてあったのです。誰が?いつの間に?どうして?」

「想像するしかないのですが、おそらくお寺の誰かだったのでしょう。外国人の若い学生が石庭に見惚れているのを見て、邪魔をしないように、そうっとお茶を置いていってくれたのです。私は、とても感激しました。」

キーン氏は、「こんな気遣いの仕方ができるのは、日本人だけだ」と言います。曰く、

「我々(西洋圏)も、お客さんにお茶は出す。でも『やあ、良い夜だね』などと声をかけるだろう。しかし、日本人は違う。深い部分で他者を尊重していて、思いやりがある。その思慮深さ、高い教養に、私は日本人が大好きになった。」

……なんか、このエピソードを聞いたとに、素敵だな~。と、思ったんですよね。シンプルに。

ちなみに、キーン氏の留学中っていつ頃だろ?と思ってWiki調べたら、、、昨年の2月にお亡くなりになっていたんですね。享年96歳。最後は、日本に住み、日本国籍を取得し、日本人として亡くなったようです。御冥福をお祈りいたします。

キーン氏は晩年、今の日本社会の在り方に警鐘を鳴らしていました。

「日本社会の強さは、高い教養と共同体意識のはずだ。それが、世界に誇る日本独自の文化を支えている。私は以前、「日本は文化の維持、発展を国是として、アジアのフランスを目指すべきだ」と主張していた。その思いは、ますます強くなっている。急増する外国人観光客が、どこを訪れ、何に関心を持つかを考えれば、日本に何が必要かは明らかだろう。貧しくも豊かだった日本が、豊かだが貧しい国になりやしないか、危機感を持っている。」

……最近、マスコミを賑わす様々なニュース。高い教養と共同意識、思いやりの精神。変化して良いこともいっぱいあるが、忘れたらいけないものもあるよなと思いました。なんか、改めて(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 12

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ペンギンちとせちゃんの京都観光案内

原作未読 全24話 5分枠のショートアニメ

京都に住んでいるペンギンの子供ちとせちゃん、京都の町を紹介しながら住民たちとのエピソードをハートフルに描いている作品。

某N○Kの動物番組でナレーションしているからなのか、ナレーションは俳優の堤真一さんでした。

この作品の視聴は、ちとせちゃんを好きなれるかどうかでしょうね。

最後まで観ましたが、私は特に好きでも嫌いでもなかったですw

京都が好きな方、京都の観光地のことが知りたい方は観てもいいかもしれませんね。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 10

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

凄く可愛いよぉ〜(´艸`)*

ちとせちゃんは可愛いペンギンです(´艸`)*
この作品とても気に入っています^ ^
物語は数分なんですが、ちとせちゃんが京都の町を歩き回る作品でちとせちゃんが本当に可愛くて癒される作品です。
是非是非見てみてください^ ^
私は短編アニメは色々見てきたつもりですが短編シリーズではこの作品は一番好きです!
ちとせちゃんが可愛くて原作も購入しましたがかなり人気みたいで集めるのに苦労したりしましたw
ちとせちゃんは京都で大切にされてるのですが沢山の人から愛されてるペンギンさんで町の暖かさとか優しさとかも伝わるし雰囲気も素敵(´艸`)*
ちとせちゃんの鳴き声も可愛い♪
短編アニメではかなりオススメです^ ^

投稿 : 2024/03/16
♥ : 4

67.9 14 水族館アニメランキング14位
継母の連れ子が元カノだった(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (202)
630人が棚に入れました
まだお互いに、好き同士。そんな元カップルが――親の再婚できょうだいに!? 第3回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞の人気ノベルをコミカライズ! 一つ屋根の下で繰り広げられる、ひたすらに甘くて焦れったい悶絶ラブコメ!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ラブコメに見た目と雰囲気は大事だってわかった

【感想】
絵がキレイだし雰囲気のいいアニメなのでお気に入りです!

設定が変わってるのに普通のラブコメになっててなんのための設定なのかなって思うけどキャラデザかなりいいし、前向きなラブコメで雰囲気も良かった、主題歌もいい感じ
このアニメ、見た目と雰囲気の良さでだいぶ得してるとおもいます

主人公の水斗が理屈っぽすぎて好きになれないけど不快感はなくて、たぶん落ち着いたしゃべり方と顔がイケメンなのが大きいかな?
これで顔とか作画が微妙だったらたぶん不快感で途中で切ってたと思う

男性視点で水斗にちょっと都合が良い感じするのでどっちかというと男性向けかな? 不快なほどじゃないけど
ラブコメが好きならいいアニメだと思います!

おはなしに同居と元カノの設定をうまくいかせてたら良かったかも
話し方とかプライベートとかあまり高校生らしさがないかな?

【キャラクター】
{netabare}
好きなキャラクターはいさなと小暮、ツゴウガイイ感じがするけどいい友人キャラ

水斗は面倒くさい性格してるし打算的で理屈っぽくて嫌味ったらしいけど顔はイケメン
結女、いさな、暁月は性格は変だけど顔はかわいい
不快なキャラクターはいないけどみんな変な性格してて付き合ったらめんどくさそう
暁月は友人キャラだからいいけど、かなりアブナイ子でゾワッてなった、小暮君の将来がしんぱいです・・・
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
ふたりとも全然気持ち冷めてなくて特にゆめのほうは最初から主人公に気がある感じなので普通の同居ラブコメになってて
両想いだけどお互いの距離をどうしたいか探ってるだけの面倒くさいカップルでした
周りのキャラクターが二人の恋愛のために不自然な性格にされてることと、
サブヒロインもいるけどゆめの障害になってる感じじゃないのが残念
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 21

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ラブコメ・・・?コメってたかなぁ・・・特に序盤。

うーん・・・。

最初の所感はレビュータイトルのとおり。

物語は、まぁ、無さそうで、ありそうで、まぁ、あんまりないわなぁ(ってかほとんどないだろうなぁ、絶対とは言わないけど)ってシチュエーション。
そういう意味では、フィクションとして物語のカラーに据えるのは悪くないと思う。

作画は今風でとてもきれい。
キャラクターもすべてが自身の好みと言う訳ではないが、ちゃんとしていたと思う。

声優さんは、日高里菜さんのお声は好きなんだけど、今回のキャラクタ『伊理戸結女』はちょっとだけあってない気がした。

繰り返しになりますが、私はこの方のお声、ちょっと落ち着いた高貴な感じがして、高音部がピンと張った、なんというかクリック感のある様な感じがして本当に好きなのですけどね。
まぁ、違和感と言うほどでもないのですが・・・。
過去回の時のお声は割と聴きやすかったんですけどね。

その他は、特に普通に楽しめました。

音楽もフツーにマッチしていてよかったと思いました。

キャラクタは・・・そうですねぇ。
実は主人公の伊理戸結女よりも『南暁月』の方が活き活きとしてお好みでした。観ていて楽しかったですかねぇ。
ちょっと、そっち方面の香りを漂わせていたのも、まぁ、アクセントとしてはアリでしょう。

そして、さらにお気に入りだったのは『東頭いさな』でした。

作品全体での、
序盤のギスギスとは言わないまでも、ツンツンしたやり取りはなんだか、あまり面白いとも、楽しいとも、思うことなく「ラブコメっていう感じじゃないんだなぁ・・・」と思って観ていたところ『東頭いさな』が登場し始めてから、いろいろとザワザワし始め、おもしろくなってきました。

このユニークなキャラがいなかったら、コメディ色なんてほとんど出なかったのではないだろうか、とすら思ってしまいます。
ちょっと作り過ぎなような気もしましたが、とにかく、飄々としたところや、いろいろな欲求、表現に素直なところも面白かったです。
本人もいろいろと頑張ったり、無理したりという事にはなっています・・・。

たしかに、結女自身も作品の後半にかけて色々と思いの変化や気づきがあり、いさなとのアレやコレやな感情がぶつかり、面白みがアップしたという事もあるでしょうが。
とにも、かくにも、『いさな』がラブコメおもしろ部門のカロリーをあげたキャラである事は間違いないでしょう。


幸いなことに、尻上がりに面白みが増したという評価はできると思いました。
けどね、終盤はやっぱり序盤と同じような空気感になっちゃんたんだよなぁ・・・。
東頭さんが登場すると空気感が変わるので、やっぱりこの娘が重要なアクセントになっている気がするなぁ。


個人的には、序盤の「メンドクサイやり取り」を何とかやり過ごして、後半まで持ちこたえて下さい!と言わせていただきます。

悪くはないんだけどねぇ・・・。
何でか、スッキリ、サッパリとコメディ色は出てないですねぇ。
そもそもラブコメじゃないのかもw。

機会がありましたら、ご覧くださいませ。

投稿 : 2024/03/16
♥ : 17
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

12話まで観て、予想より良かったと感じたので。

原作小説については未読。
コミックは1巻だけ読んだ記憶があります(多分)。

総評と採点-----
●物語●
●キャラ●
{netabare}
『一組のカップルが、別れた直後に、
親同士の再婚で義理の兄妹?姉弟?に』
まぁ・・・まず無いだろうとは思ってしまう設定ですが、
諸々アクセントになっていたと思いますし、
やはり意味があったんだな~と感じております。
(まぁ中学3年の二人を見てると、
普通に自然消滅的な流れで別れそうな物ですが・・・)

メイン二人が揃って捻くれていて、基本テンションの起伏が激しく無く。
その分、サブキャラがかなり振り切れていて。
そのギャップで物語の起伏が作られていたようにも思います。


原作でもそうなのかは分かりませんが、
今のの二人を描きつつ、
ちょいちょい過去の二人を回想しつつ、
また今の二人が進んでいく。

視聴途中には「何回も回想する意味あるのか?」と
若干面倒臭さを感じていたりしましたが、
最後まで観てみて「あぁ、ここがこう繋がるのか」と
腑に落ちたのは、個人的に気持ち良かったです。
当時の二人が何を考えて、どう感じていたのか、
結構丁寧に描かれていたと感じました。


いさなさんは・・・
二人に一石を投じる役目が必要だったとはいえ、
フラれる前後共に、あの距離感を保つというのは・・・
可哀想というか、メンタル強いというか。
いや、普通に良い娘ですよね・・・。


二人の関係性の変化を含めて、
『無駄な』重い要素が無かったのも良かったのかな?と。


アニメにした部分でプロローグといいますか、
リスタートといいますか。
続きが気になるので、2期アニメ作って欲しいと思います。
もしくは・・・原作に手を出してみるか・・・?
{/netabare}
●作画●
{netabare}
終盤に若干不安になる部分がありましたが、
総合的には綺麗な作画だったと思います。

結女もいさなも可愛かったですし。
{/netabare}
●声優●
{netabare}
1話で初めて水斗のボイスを聴いたときは
「・・・これって誰?・・・下野さん?」と
少々不安気な予想をしてました(まぁ正解だったわけですが)。
下野さんのキャラをいろいろ観てきましたが、
この方も演技の幅広いな~と(縦にも横にも)。

個人的に、落ち着いた日高さんというのは
あまりなじみが無いものでして、新鮮に聴いてました。
{/netabare}

投稿 : 2024/03/16
♥ : 10
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