兄弟で友情なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の兄弟で友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の兄弟で友情なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.8 1 兄弟で友情なアニメランキング1位
鉄コン筋クリート(アニメ映画)

2006年12月23日
★★★★☆ 3.8 (341)
1698人が棚に入れました
宝町で暮らす親を知らない少年クロとシロ。町で“ネコ”と呼ばれるふたりは、かつあげやかっぱらいで暮らしていた。その町で“子供の城”の建設話が持ち上がる。しかし、それは古めかしい宝町を近代化して支配しようとするヤクザの仕業。昔気質のヤクザのネズミは反対するが、彼のボスは謎の男“蛇”にこの計画を一任していた。残酷な蛇はクロとシロを邪魔者だと判断し、刺客をおくる。ケンカでは誰にも負けない凶暴なクロだったが、刺客の前では手も足も出ない。そして追いつめられたシロは刺されてしまう…。

声優・キャラクター
二宮和也、蒼井優、伊勢谷友介、宮藤官九郎、田中泯、大森南朋、岡田義徳、森三中、本木雅弘
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

一級愚犯少年の闘争

雑多な宝町の少年2人組シロとクロ。血を好み腕っぷしで居場所を守るクロと、ちょっと電波でピュアな…「降りてきた」みたいな言動をするシロ。
古い場末の街の片隅で、警察に睨まれながらチンピラやヤクザと戯れながら生きている。街の外からの開発の手が伸びたとき、積み上げられてきた街の空気や、均衡を保ってきた2人の陰陽バランスが危うくなり…

大きいショッピングモールが進出したために駅前がシャッター通りになっていくのを思い浮かべます。

映画としては珠玉的に質が高いと思います。

個人的なタラっとした視聴後感では、アラ?こんなに原作はセンチメンタルだったかな…という違和感ポケットに入っていたんですが
見直すと
すごーく作品を丁寧に掘り下げて美しく作られたがゆえに、耽美すぎないか…と感じたんだな。あの絵を生かした画面なのに耽美っていうのも妙な言いがかりですが。
メロドラマ調というのかな。
でもやはり作品の細かいところを余さず拾っていて、素晴らしいと思います。

街の不良や警察もいい人がいて、シロをかわいがってくれるところがじんとくるんだ。
ヤクザ鈴木の最後も、大げさにせず淡々としていて、胸にくるよ…。
ドライなようで、根底に暖かなものが潜んでいて。生まれて大人に育ちその後も生きる間に人間が生み出してしまう、どうしようもない部分が吹き溜まっているような街、これをなかったことのように抗菌加工して掃除しないでほしいという愛着。

ショッピングモール的なシンボルタワー開発をやめたところで、街の変化は止められないんだろうけどね。シロとクロが生きられる道を見つけたらならよかったなと思う。



それにしても問題は声優が芸能人多用で。イタチと木村が、目をとじれば浮かんで来る…本当のあなたはチンピラなんかじゃない…そうでしょう、あなたは中身はイケメンさんですね。キャラからズレて喋ってる人が感じられてしまうのが惜しいです…。 {netabare} イタチはネタバレするとクロの暗黒面なので、だから一緒の人が起用されてるんですが、クロはまだ若々しい俳優の声でよしとしても {/netabare} イタチはもっと禍々しい迫力が欲しい。足りない。
頭のネジの足りないシロ役の蒼井優は案外テンポよく合っていると感じました。
台詞がいいんですよ。


ゴチャゴチャした描き込みの細かい街並みや、怪しいヤクザビルの中に入っていくシーンなど、CGで立体感を生かして見せていて面白いです。
飄々としたデッサンの絵柄ながら、闘争シーンに街を跳ぶスピード感や、敵のデカブツがやって来るときの重量感などドキンとしますよ。音も冴えてて。

ラストの街に残された景色の変化が、美しく詩的です。

原作が好き過ぎてうまく捉えられないアニメ作品のひとつでした…
学生時代、劇団黒テント公演の演劇になったときも、観に行きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生まれ故郷はコンクリートの街 野良猫クロとシロのバイオレンスな日々に光を見た

2006年公開の劇場アニメ 111分

原作 松本大洋 監督 マイケル・アリアス 脚本 アンソニー・ワイントラープ
制作 STUDIO4°C

監督のマイケル・アリアスさんは米国人の映画スタッフで、
「アビス」や「トータルリコール」に参加した人のようです。
「もののけ姫」や「アニマトリックス」の制作にも関わるCGのプロフェッショナル。
その後は「ヘブンズドア」や「永遠の0」などの実写、
アニメ「ハーモニー」の監督を務めたようです。

クロ CV二宮和也
シロ CV蒼井優

スラム街のようでいて美しいコンクリート近代建築の美を醸し出す宝街。
そこに暮らす<ネコ>と呼ばれる驚異的な身体能力を持つ二人の少年の物語。

宝街を地上げして街を破壊し開発しようとする「ヤクザ」と、
二人の少年の戦いを描いた近未来バイオレンスアニメ。

さすが、外人の方が監督なだけあって一味違いますが、
深夜アニメの苦闘の時期にこれほどすごい作画の劇場アニメが作られていたことに驚きました。

大したストーリーも無いバトルアニメにも見えますが、
何を考えているのかは視聴者に丸投げした登場キャラの生き生きとした躍動は、
考察次第によっては深みが増してくる懐の広い作品かと感じられます。

テッコンキンクリートという擬音は懐かしの「はじめ人間ギャートルズ」で使用されたものですが、
作者的には関係のないオリジナル登録だそうです。

二人のホームレス少年の信じられないようなアクション、頭脳的攻撃は、
まるで「ノーゲームノーライフ」の空と白のようです。
絶対に影響を受けているでしょう。

CGの世界的プロが監督なだけあって、背景の技術は現代でもそうは観られない、ものすごいものです。
人間が落書きっぽいところも、「けいおん」や「四畳半」や「ノゲノラ」や「虹色ほたる」など、
後の作品への多大な影響が見られます。

ストーリーは深くも浅くもなく観る人の思い入れに任されたものですが、
時代性とその後への影響を考えると、必見の作品と言えると思います。
シロとクロの魂の叫びは作中では描かれることもなく淡々と物語は進みますが、
だからこそ静かに訴えかけてくる不思議な力強さに満ちた名編になったと思います。

観る人の心に触れてくるような魂のアニメーション。
個人的にはとても感動しました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

che さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

唯一無二の再現力!

僕は基本的に、原作(小説や、漫画等)を見た作品は、アニメや映画で見ない主義なんです。
漫画や小説って想像力が働くじゃないですか、
その想像はやっぱりその人の理想を想像すると思うし、それは一人一人違うので、それとのギャップがやっぱり埋まりにくいと思うんですよね。
そこに落胆を覚えてしまう、ので僕はまずみません。
テッコンは特に個々の想像力をかき立てる部類の漫画だと思うし、その雰囲気(松本大洋の作品は雰囲気がかなり特殊で、それが魅力)等からまず再現なんて僕にとって「絶対無理」と思ってました。
それが、映画化され、さらに友人から凄いと耳にしました。
この漫画を映像化するにあたり、「可」以上の評価が出るなんてあり得ないと思っていたので、本当に驚いて映画館にわざわざ足はこびましたw
いやぁ凄まじい再現率でしたね、原作がある物って監督やっぱり変えたがるんですよね、映画の監督は特に。
もちろん気持ちはわかるんです、でもこの監督はあえて全てを変えること無く映像でテッコンの世界を表現しました。
まさに、脱帽の再現力でした、本当に凄かった、おそらく日本人の監督じゃなかったと思います。
僕が見た原作→映像することで、原作同等、それ以上かも知れない評価だったのはおそらくこの作品のみです。
テッコン自体面白いので、原作を見てない方は特にオススメです!原作を見た人にもオススメできる唯一の作品でもあります!
気になる人はぜひ見てください!

こんな人にオススメ
松本大洋の人
雰囲気の人
原作レイプに耐えられない人
極彩色のシロとクロの人

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

66.4 2 兄弟で友情なアニメランキング2位
ベイマックス(アニメ映画)

2014年12月20日
★★★★☆ 3.8 (206)
1176人が棚に入れました
ヒロは、幼いころに両親を亡くし、兄タダシと2人きりの生活を送っていたが、ある日、謎の事故により兄タダシは帰らぬ人となる。
ひとりぼっちになり深く心を閉ざしたヒロの前に現れたのは、つぶらな瞳と空気で膨らんだ白くて大きな体を持つ"ベイマックス"。彼は、亡き兄タダシが、人々の心と体の健康を守るために開発したケア・ロボットだった。
「どのくらい痛いですか?」「泣きたい時は泣いていいのですよ」と優しく寄り添う"ベイマックス"のおかげで、ヒロは少しずつ元気になる。
そして、兄の死に疑問をいただいて謎を追うと、世界の脅威となる巨悪の存在を知り、兄のために戦う決意をする。ヒロの味方は、戦闘能力・戦闘意欲のない優しすぎるベイマックスのみ。果たして彼は世界を救うことができるのか、そして、兄タダシがベイマックスに託した驚きの使命とは。

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ジョン・ラセター(ピクサー&ディズニー)と宮崎駿(スタジオジブリ) -中編-

2014年公開のディズニー作品。
監督はドン・ホール氏とクリス・ウィリアムズ氏。
製作総指揮はジョン・ラセター氏です。

あるブログで本作のレビューをされている方がいて、
「初めてアイフォンに触れた時のことを思い出した」という風に表現されていました。
すなわち、本作のクオリティに衝撃を受け、
こんな作品を出されちゃ邦画は太刀打ちできないという趣旨だったのですが、
私としては邦画にも素晴らしいクオリティの作品は存在すると思っていますし、
そこまで言い切るつもりはないですw
ただ、このアイフォンというのは、
本作を端的に紹介するのに非常に優れた表現だと思います。
高品質、高性能、欠点らしい欠点がない、
これらがアイフォンの特徴だと思いますが、そのまま本作にも当てはまります。

本作の舞台は東京とサンフランシスコを合体させた架空の未来都市
「サンフランソウキョウ」なのですが、
その作り込み具合を見ただけで本作の完成度の高さは窺えます。
特にアニメーションにおいて「舞台」設計は非常に重要な要素で、
ジブリやファイナルファンタジーシリーズなんかもそうですが、
「うわ~なんかこの景色(世界観)すげー好き、画面の向こうに行きたい~」と
ワクワクさせることによってすんなりと作品の世界に誘導できる効果があると思いますが、
そのような舞台を作り出す為には妥協なき徹底した作り込みが必要です。
そんなサンフランソウキョウの舞台を
主人公のヒロがベイマックスに乗ってビュンビュンと飛び回る。
これはもう映像的快楽ですよw
「ファインディング・ニモ」のレビューで、
海の中をジェットコースターで駆け巡るような爽快感、まさに極上のアトラクションと
表現しましたが、本作のアトラクションも超気持ちいいですw
「これがディズニーのアトラクションのクオリティだ!」と言われているみたいでしたw

シナリオも本当に隙がない作りになっていて、
対比と反復の使い方がいちいち上手い。
対比については、いろいろな対比法がありますけど、ここで言う対比は、
前後に同じような状況を設置して、
その状況下におけるキャラの言動を比較させるという演出手法です。
分かりやすい例でいうと、あの時は手を振り払ってしまったけど、
成長した後に同じような状況に遭遇して今度はしっかりと手を握るとかですかね。
一方で反復というのは、通常パートの何気ない言動を
重要なシーンで文字通り反復させることによって
そこに深い意味を持たせるというような演出手法です。
もうすべての言動が伏線になっているんじゃないかと思わせるくらい
きっちりかっちり作られていますw
本作は前半はヒロとベイマックスのハートフルストーリーですが、
後半はヒーローアクションとかなり性格を違えています。
しかし、キャラの動機づけ、成長過程の描かれ方もきっちりかっちり作り込まれているので、
その移行も非常にスムーズですし、違和感はほとんど感じませんでした。

「ファインディング・ニモ」では
どこか宮崎駿ジブリ作品との通底性を感じましたなんて書きましたけど、
本作に至ってはそれはほとんど感じませんでしたw
それよりもこれまでジョン・ラセター氏が手がけてきた作品のイズムが
しっかりと継承されている、そんな印象です。
10年の月日によるものなのか、あるいはディズニーブランドを背負っているからなのかは
分かりませんが、「ファインディング・ニモ」よりきっちりかっちり作られています。

アイフォンのように高品質、高性能、欠点らしい欠点がない本作ですが、
敢えて欠点を挙げるならば、完成度が高すぎて面白みがないということですかね。
ほとんど褒め言葉ですけどねw
これは本作をはじめてするジョン・ラセターが手掛けるピクサー&ディズニー作品に
共通して言えることなのかもしれません(まだ未視聴の作品はたくさんありますが)。

そしてこれに対をなすのは、別にアンドロイドという訳ではないですけど、
「後期宮崎駿ジブリ作品(ここでは「もののけ姫」以降の作品とします)」が
そうなのではないかと私は思っています。
「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」は、
宮崎駿ジブリ作品の中でも1位、2位を争ってもおかしくないくらいの大ヒット作品ですし、
海外での評価もすこぶる高いです。
ですが、私は「もののけ姫」以降の宮崎駿のジブリ作品(後期宮崎駿ジブリ作品)は、
作家性が全面的に押し出されていて、誰もが楽しめる安定性をやや欠いているようにも思えます。
素晴らしい世界観、印象に残るキャラやシーン、そうしたものは充分に楽しめるのですが、
些か話が難しい・・・。
それまでの宮崎駿ジブリ作品が子供も大人も楽しめる童話だとしたら、
そこに芸術作品を鑑賞するような余所余所しさが目立つようになってきたという印象です。
多分に考察の余地は残されてるのですが、
それらを自ら咀嚼していくのはかなりハードルが高いです。
つまり説明書が必要なんです。
「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」等の作品は子供の頃から何度も視聴していて
説明書がなくてもすんなり消化できていたんですけどね。
これらの宮崎駿ジブリ作品は、本作のように説明書がなくとも楽しめる作りなんだと思います。
エンターテインメントとしての安定性と
狂気を孕んだ宮崎駿監督の作家性とのバランスが絶妙だったということでしょう。
本作は、後期宮崎駿ジブリ作品にやや欠けているエンターテインメントとしての安定性を
これでもかと言うくらい感じます。
ディズニーブランドを背負っている以上、
安定性を欠いて、作り手独自の作家性を全面に押し出した作品を、
世に送り出すことはできないということかもしれませんね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ディズニー・ピクサー作品を見るのはインクレディブル以来だけど

2014年12月20日公開(日本版) 上映時間102分
ウォルト・ディズニー第54作目の長編アニメーション映画


タイトルの通りディズニー・ピクサー作品を見たのはMr.インクレディブル以来だったんだけど映像美は流石だった
髪の毛の質感だったり背景の繊密さだったり
相変わらずバービー人形みたいな造形してて人間キャラはあまり好きじゃないけど
(いつまでトイ・ストーリーのトラウマ引きずってんだよって話だが)

加えてアクションシーンも迫力満点
冒頭のロボットバトルはロボティクス・ノーツ難民救済必至だし
ジャパニーズ・カラテを下地にしたアクションシーンや
パニック映画ばりのカーチェイスシーンも見所
きっとあの車は日本製だね

日本製といえば本作の舞台になってるサンフランソーキョーも魅力的
名前の通り東京+サンフランシスコな世界なんだけども
アメリカらしいフリーウェイや西海岸の街並み、ゴールデンゲートブリッジだってしっかりあると思えば
漢字やカタカナで表記された看板、神社や五重の塔が存在し、墓の前には線香を立てる文化だってある
それらが違和感なく融合しロボット工学の発展した近未来な世界と
ディズニーらしいファンタジーを崩さない高次元のデフォルメセンスがやばい
おそらく徹底的なリサーチしたんでしょうな
スタッフの"日本愛"をひしひしと感じる世界観でした


ストーリーは飛び級で高校を卒業した超天才の主人公ヒロ・ハマダが
その才能を非合法なロボットバトルでの小銭稼ぎにしか費やしていなく
それに見かねた兄のタダシが自分の通う大学のラボにヒロを連れて行き
ラボメンたちの手がけた数々の発明品、タダシの作ったケアロボット「ベイマックス」に刺激を受け
ヒロ自身も大学でロボット工学を追求したいと願うところから始まる

そんな中、兄のタダシは不幸な事故で亡くなってしまう
兄の残したベイマックスと共に哀しみから立ち上がり
強く成長していくというとても分かりやすいテーマ

テンポ厨が歓喜の涙を流すほど物語は小気味良く進んでいき
変に取り繕った演出や無駄な表現を一切省きながらも
主題となるヒロの成長物語は決して見失わない脚本・構成が見事
タダシの残した「まずは物の見方を変えてみる」という言葉が随所で効果的なキーワードになっていたり
ギャグシーンの挿入で物語に緩急をつけて見やすくしていたりと
割とかなり結構ガチでマジで隙の無い脚本に驚いちゃった

しかしテンポが早過ぎるせいか主人公ヒロの心の動きも早過ぎる
即断即決はいいことだけど14歳という年齢設定を考えるとどうしてもメンタル出来すぎだよなぁと思ってしまう
深い悲しみや心の葛藤などの心理描写はほんの数分で終わってしまって
どうしても薄味な感じは否めなかったです
まぁディズニーにウジウジ悩むシンジ系男子なんて誰も求めてないし
制作側もはっきり意識して排除した要素だとは思うんですけどね


あと最後の展開にもちょっと引っかかった
兄貴の願いとやらがなんか曲解されてねぇ?って思っちゃったんだけどエンディングの絵を見て納得
これアメコミ原作だったんだ!!なんだ早く言ってよー
ってことはこの先ヒロがダークサイドに堕ちたり
死んだはずの両親が実は…な展開もあったりってことですか!?
ディズニーは絶対作らないと思うけど「ベイマックス ビギンズ」なストーリー妄想しちゃうよねー


【総評】
老若男女、おはようからおやすみまで
誰が見ても一定の楽しさは保証できる映画ですよ
日本リスペクトな世界観がとにかく素敵だったのでそれだけでも楽しめると思います
私みたいにディズニー・ピクサー作品からしばらく離れていて
なおかつアナ雪ブームに完全に乗り遅れた人にオススメかな(笑)

見たあとな~んか違和感あるなぁって思って考えたんだけど
随分前に日本版の予告を見ていたことに気がついた!
改めて予告だけ観直したんだけどこれ全然印象違って見えますね
予告詐欺とまでは言わないけどこれから見る人は予告はスルーするのが無難かもですね


洋画全般に言えることだけど日本のどっかズレたプロモーションって何なんだろうね

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「私はベイマックス。あなたの健康を守ります。」

2014年公開。
ディズニーの長編アニメ映画54作目。
(前作:アナ雪、次作:ズートピア)

感動作だと聞いていましたが、
確かに感動しました(´;ω;`)

と同時に、ベイマックスのマイペースなキャラに笑い、
近未来な発明品たちにワクワクできて…。

1つの作品で多様な楽しみ方ができました^^

100分ほどの作品です。


● ストーリー
14歳で高校を飛び級で卒業したヒロ・ハマダ。

科学に対する天才的な頭脳を持ちながらも目標がなく、
非合法のロボット・ファイトに熱中していた。

そんな彼を見かねた兄・タダシは、
自分の大学の研究室へヒロを連れて行く。

科学オタクたちの発明品や、
タダシの発明品『ベイマックス』、
そして憧れの教授に出会ったことで、

ヒロは大学入学を目指して研究を始めた。


この作品で鍵となるのは、
“ベイマックス”というキャラクターです。

ベイマックスは、
タダシが発明した心と体を癒すケア・ロボット。

人の健康状態や体の傷をスキャンして、
適切な処置をしてくれます。

さらにボディは、
思わず抱きしめたくなるようにできているという完璧さw

ちょっと体は大きいけれど、
一家に一体いれば、心も体も健康的に過ごせそうです^^


≪ ベイマックスというキャラの使い方 ≫

このベイマックスというキャラの使い方が、
とても上手です。

ヒロは天才的な科学の知識を用いて、
様々な発明品を作ります。

他にも、タダシの友だちが研究しているような、
近い未来に実現するかも…というような発明品がたくさん。

そんな彼らの活躍は、
とても勢いがあってワクワクします。

それに対して、
ケアに特化したベイマックスはとてもおっとりさん。

緊急事態にもマイペースで対処w

そんなベイマックスのキャラを生かすことで、
作品に“緩急”が生まれます。

ベイマックスの緩さは笑える場面でもあり、
よりキャラクターに愛着が湧いてきます^^


≪ 感動。だけどオチは… ≫

物語は100分があっという間に過ぎてしまうほど、
とても引き込まれて楽しめました。

近未来な発明品たちにワクワク。
ベイマックスの緩さに笑う。
そして感度的なシーンも。

私は視聴中に2回泣かされました(´;ω;`)
({netabare} 1回目はタダシの研究途中の様子が録画されたものを見た時、
 2回目はベイマックスとの別れのシーン。 {/netabare})

ディズニー映画の最後は、
「クスッ」と笑える小さなギャグで終わる事が多いように思いますが、

今回も同じように笑えるシーンで最後は締めくくられました。
が、この笑いがとてつもなく微妙で…。

「今までの感動を返して!」と
作品を台無しにされた気分になりました。

これなら無理して笑いで締めくくろうとせずに、
感動的な余韻で終わってくれた方がよかったです。

アメコミヒーローな後日談もいらないと思ったけど、
原題が「Big Hero 6」なので仕方がないのか…。


● 作画
舞台は「サンフランソウキョウ」という、
東京とサンフランシスコを混ぜた架空の都市です。

作中にも東京の街並みが取り入れられていたり、
ベイマックスの頭部は神社の鈴がモチーフにされていたりと、
日本的な要素も多いです。

さすがディズニー、
作画がすごいと感じるところはたくさんありました。

特にベイマックスが街を飛び回るところが印象的です♪
…ケア・ロボットに空飛ぶ機能が必要なのか疑問だという意見には同意ですw


● まとめ
ヒロの頭脳とその発明品もすごいけれど、
それを見せる演出はもっとすごい。

ベイマックスのキャラは緩いけれど、
その緩さは愛されるキャラとして十分な魅力。

私もベイマックスに日々の疲れを癒してもらいたいわ…。笑

ストレス社会なんて言われる現代にこそ、
ベイマックスというキャラは必要とされる存在ですね。

人々のために、という願いを込めて、
懸命にベイマックスを開発したタダシ。
実は一番好きなキャラです。

ベイマックスのプログラムは、
彼の優しい心をしっかり受け継いでいますね^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
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