半人半妖で熱いなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの半人半妖で熱いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月09日の時点で一番の半人半妖で熱いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.9 1 半人半妖で熱いなアニメランキング1位
おとめ妖怪ざくろ(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (809)
4619人が棚に入れました
改暦をした文明開化の時代、妖怪(妖人)と人間が共存する世界。月の満ち欠けと共に生活を営んでいたこの国が、突如として太陽の巡りとともに生活するようになったことで、「改暦」に反対する妖怪の過激派の取り締まりのために組織された「妖人省」。そこは妖怪側の代表と人間側の代表とで作られていた。妖人達の起こす不思議な事件の数々を解決するために、半妖人の西王母桃(ざくろ)、薄蛍(すすきほたる)、鬼灯(ほおずき)、雪洞(ぼんぼり)の4人の少女と、陸軍少尉の総角景(あげまきけい)、芳野蔓利劔(よしのかずらりけん)、花桐丸竜(はなきりがんりゅう)の3人がタッグを組んで、悪さをする妖人たちと可憐に戦うというストーリー。奔走するざくろ達妖人と、若き軍人達の姿がコミカルに描かれる。

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初戀は、イジワルな柘榴の果実

<2019/11/25 初投稿>
原作未読。
少女漫画かと思ったらコミックバーガーの流れを組む雑誌に掲載されてたんですね。
びっくり!
でも立て付けは少女漫画風

アニメは10年前の本放送時になんとなく見たのですけど、印象は「まあまあ面白い」くらいでした。

ところが今回、なんとなく録画を腰を据えて見返したら、
おおっ!
めちゃくちゃ面白い!

なんでも腰を据えるのは大事ですね。
というわけでレビューです。

時は江戸から明治へ移り変わり、
そこかしこで文明開化の音が鳴り響く日本。
この開明的な社会への転換を契機に、
それまでは未知の領域だった妖怪を「妖人」として人間社会が受け入れて・・・という一風変わった世界観。

いきなり日の光の元に隣人としてその姿を晒し始めた妖人に対して、人間の反応はつまるところ人種差別。
忌み嫌う人も多く。
妖人も簡単には人社会に溶け込めないようで。

そんな人間と妖人の融和の為、いろいろ悪さをしてしまう妖人に対処するために新たに設立された「妖人省」が物語の舞台です。

何が良いかと言えばまず雰囲気。
この時代は黙ってても絵になるのですが、作者さんとアニメスタッフのセンスがさらに磨きをかけてます。

戦闘シーンも好み。

「わたしゃ、花か
 蝶々か、鬼か・・・」

の唄は夢に出てきそうなくらい雰囲気あります。


登場人物は、
皆さんある意味定番の性格なのですが、
定番とはちょっとずつ味付けが違う感じでそこも良いです。
「なんだ今日もまたオデンかぁ・・・あれ?出汁変えた?」って感じで。

ところで皆さん、名前の読みが難しい。
女子の名前は風情があって好みなのですが
男子はもう唯の難読人名トリオ 笑
変わった名前は覚えやすいけどみーんな変わってると逆に覚えらんないよ
こういう作品、多いですけどね。

◆西王母桃
主人公。
半妖女子その①
西王母桃と書いて「ざくろ」と読むそうです。
(このアニメで初めて知りました)
跳ねっ返りで気が強く、
でも心優しく純情
という少女漫画の主人公らしい性格。
戦闘力最強。
中原麻衣さんの声が良かった。

◆総角景(あげまきけい)
ざくろの相方
人間男子その①
帝国陸軍少尉でイケメン
声は安定のイケボ櫻井孝宏さん。
「アゲマキ」「パツキン」「へたれ」「景坊ちゃん」とか呼ばれてる。
妖人コワイヨー

◆薄蛍(すすきほたる)
半妖女子その②
すすきは苗字ではないようです。
なので読む時は一息に「すすきほたる」でお願いします。
「そんな、はしたないこと・・・(´・_・`)」とか言ってしまう儚げな「おしとやか」さん。
声はざーさん。
つまり守ってあげたい枠

◆ 芳野葛利劔(よしのかずら りけん)
薄蛍のパートナー
人間男子その②
やはり帝国陸軍少尉でイケメン
「君に届け」で言えば真田龍
つまり誠実/寡黙/長身/丸刈りイケメン枠。
つかこんなん、この世の女子どもはみんな惚れてまうやろ 笑

◆ 雪洞(ぼんぼり)、鬼灯(ほおずき)
半妖女子その③と④
双子。
その言動と金髪ぐりぐり巻き毛から高価なキャバ嬢みたいでちょっと印象悪かったんですが、途中のあるお話から好感度爆上げでした。
声はそれぞれ別の人が当ててるとは思えないユニゾンぶり。

◆花桐丸竜(はなきり がんりゅう)
雪洞と鬼灯のおもちゃ?
人間男子その③
ついでに帝国陸軍少尉でイケメン
声は梶裕貴さん。
つまりショタ童貞キャラ。

こんな感じです。

ちなみに女子たちはみなケモミミ。
すごーい!きみたちは妖力をもったフレンズなんだね!


つらつらと書き連ねてきましたが、
ただのよくある妖怪系少女漫画の焼き直しとかではないです。

本質は世界観と物語の質の高さ。
よく考えられてます。
そして「和」の風情。
原作者とアニメスタッフ双方の力量センスが素晴らしいのだと思います。

こういう良い作品、原作はまだ続いてるようで、アニメも是非二期をお願いしたいのですが・・・難しいんでしょうね。

レビュータイトルは3つあるEDテーマ曲の一つ
「初戀は柘榴色」の歌い出しです。
これが病みつきでなかなか頭から離れない
櫻井孝宏が被せてくる恥ずかしい台詞も笑えるし

<2019/11/29 追記>
言い忘れてました。
ラブコメです。
それも甘々なザ・少女漫画って感じの。

もし観るときは、事前にスピードワゴン・世界のオザワさんの甘い言葉で身体を馴らしてから入ってください( ・∇・)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

弦之介様 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

たくさんの方に観ていただきたい、素敵な作品

原作は星野リリィの漫画:未読(~9巻)、アニメは全13話
ずっと前に観て気に入った作品、DVD購入(BD未発売)後
久々に観返しての感想


 人間と妖怪、半妖が共存する文明開化の頃の日本が舞台
 日本陸軍が妖怪がらみの問題を解決するため、
 「妖人省」が結成され・・・物語が始まる

■半妖とは・・
子をはらんだ人間の女性が神隠しに遭うと、
(もしくは、子を宿している女性にいづなを憑依させる儀式が行われ)
腹の中の子は半妖の子と化してしまうとされている。← 一部wiki.より
産まれた子は通常すぐに母親のもとから取り上げられてしまう。
人間でも妖怪でもない半妖の存在はどちらからも忌み嫌われることが多い。
女児は頭に獣耳を持ち、男児は姿を保てず現実の世界には存在せず、
また妖力を持たない子は「もの」として扱われる・・・

■主要登場人物:妖人省 (パートナー同士で記載)
・西王母桃(ざくろ)cv.中原麻衣 :主人公、半妖・・非常に強い妖力を持つ
・総角景(あげまき けい)cv.櫻井孝宏 :主人公、帝国陸軍少尉

・薄蛍(すすきほたる)cv. 花澤香菜 :ざくろの幼馴染、半妖
・芳野葛利劔(よしのかずら りけん)cv.日野聡 :帝国陸軍少尉

・雪洞(ぼんぼり)cv.豊崎愛生、鬼灯(ほおずき)cv.堀江由衣 :双子の半妖
・花桐丸竜(はなきり がんりゅう)cv.梶祐貴 :帝国陸軍少尉

■キャラクターデザイン:
きれいめかつ丁寧な印象で個人的には好み
頬をぽっと赤らめた笑みや瞳や唇を震わせる泣き顔など、表情豊かで、
その表情に心を動かされることも多かった。
・ざくろ、薄蛍、雪洞、鬼灯は着物姿
大きなリボンの帯、袖口にあしらわれた細いリボンがかわいく好み(*^^*)
ざくろの大きなリボンの髪飾りもかわいいと思う。
雪洞、鬼灯の髪型や髪飾りは、the少女漫画風で、
「チョロギ」に例えられたのには笑ってしまった^^
・総角景、芳野葛利劔、花桐丸竜の軍服姿(カーキ/白色)は凛々しく素敵☆
とりわけ、個人的には総角景が好みだったけど、
主要キャラ(それ以外のキャラ達も^^)が皆それぞれとても魅力的。
ただひとつ…着物姿の彼女達のうなじが実に色気ない・・^^;
(何故あの大雑把なデザインになっちゃったのだろう)

アイキャッチ:
話によって描かれるキャラクターが違っていて、つい注目してしまう♪

■■内容:
この物語は、決して人間vs妖怪・半妖のバトルがメインではない。
もちろん、ざくろ達と妖怪が戦うシーンはあるけれど
物語の趣旨は、
自分と違うものを解り合おうとする気持ちの大切さや
母と子の深い愛、仲間との絆・・ではないかなと思う。
半妖として生まれ、半妖としての苦しみを背負って、
その悲しみに必死に戦いを挑んでいくざくろ達
・・・様々なことを考えさせられ、胸をうたれる物語。
いつもは明るく強い彼女たちもそれぞれに生い立ちを持ち、
それらが語られるシーンでは悲しく、胸があつくなる。
そして、パートナー同士の純粋過ぎる恋心にキュンとさせられる。
時にはほろっと涙したり、心がぽっとあたたかくなったり・・
そして、最終回で大粒の涙がこぼれる。そして、ラストは笑わされる^^

ざくろ達を引き取り育てた、櫛松(くしまつ)雨竜寿(あまりょうじゅ)
の思いにもぐっとくるものがあった。

ざくろ達が妖怪と戦う際の決まり文句も好きだったりする。
『~・・・いざ、妖々と参ります!』
中原麻衣さんの声がとても素敵。


■OPは個人的には普段は聴かないような曲調の歌だけど、
作品にとても合っていてとても好感がもてる。
OPアニメーションは作品の世界観がギュッと凝縮されてます♪

■EDはキャラクターソングになっていて、以下の通り。
「初戀は柘榴色」(第1、3、7、10話)
歌 - 西王母桃(中原麻衣)・ 語り - 総角景(櫻井孝宏)
「二人静」(第4・6・8・12話)
歌 - 薄蛍(花澤香菜)・芳野葛利劔(日野聡)
「純情マスカレイド」(第2・5・9・11話)
歌 - 雪洞(豊崎愛生)・鬼灯(堀江由衣)・花桐丸竜(梶裕貴)
EDアニメーションは、星野リリィのイラストで構成

『おとめ妖怪ざくろ』
タイトルからあまり興味をそそられない方も多いのでは・・と思うけれど、
ぜひ、たくさんの方に観ていただきたいと思う素敵な作品。
全13話、短すぎず、長すぎず・・ちょうどよかった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

ぬるま湯 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

半妖ヒロインの謎をめぐるドラマとザ・大正ラブロマンスがかけ合わさったラブコメ。ざくろがホント乙女で可愛い。

文明開化が進む明治(おそらく)。人間と妖怪は共存してはいたが価値観などは異なり、妖怪は人間に疎まれていた。人間と妖怪の間で起こる様々な問題に対処するため「妖人省」がつくられた。人間に近い半妖の少女たちと軍人が共同で問題にあたっていく。

物語。少女漫画風で、半妖少女と軍人カップル×3の「ザ・大正ラブロマンス」を軸に展開される。(時代は明治みたいだけど「大正ラブロマンス」って言った方がわかりやすいかも。)そこに主人公ざくろが行方不明になった母を追い求めるストーリーが絡む。
ラブコメとシリアスが上手くかけ合わさっていると思う。

声優。皆さん素晴らしい。櫻井孝宏さんのちょっと情けない感じが良かった。
梶裕貴さんの声の幅に驚いた。少年と青年の中間のやや幼さの残る声は名前を見るまで梶裕貴さんの声だとわからなかった。

キャラ。個性的で面白いキャラばっかり。
ざくろ。{netabare}ちょっとしたことでときめいたりなかなか素直になれなけどたまに素直になったり。いろんな表情があって魅力的。{/netabare}
あげまき。魅力の宝庫。{netabare}妖怪が怖いくせに見栄を張って怖くないふりをしてるのにすぐビビり、それをごまかすためにざくろにキザなセリフを吐くも結局バレる流れが面白かった。ヘタレといいつつ妖怪に襲われた子供を颯爽と助けるのがかっこいい。そしてそのまま腰を抜かすかっこ悪さ。←これ全部第1話。さらりと天然にざくろをときめかせた瞬間に鈍感っぷりを発揮して怒られたり。などなど挙げれば切りがない。{/netabare}
すすきほたる&りけん。大正ラブロマンスのお手本みたいなカップル。

作画。舞う花びらが美しい。

音楽。OP。かっこよくてかわいい。
ED。カップルごとに3パターンあるけどどれも好き。歌劇っぽさがあっておもしろい。
戦闘時の唄。わらべ歌のようで、でも「この世」とは違う世界に通じてそうな神秘的な趣があって惹き込まれる。
OPもEDも一度も飛ばすことなく毎回聴いてた。

まとめ。女性向けな感じだけど男でもかなり面白かった。ストーリーがしっかりしてるし魅力的なキャラが多くて楽しめた。次回予告も楽しいので最後までしっかり見てほしい。


思うがままに感想。まとまってない。
{netabare}おもだかさん、正体現したときはかなりキモかった。「ざくろも自分に気があるでしょ」とか言っちゃって。しかも異父妹って。心の中で何度「キモい」と言ったことか。でもそれは力を欲する里長として、又は母に復讐する息子としてざくろを求めただけで恋愛感情ではなかったんだよねきっと。つくはねが本当の愛を知って他の男と結ばれるっていうのはすごくわかるし良かったねって思うけど、それを目撃した息子としては絶対に受け入れられないよね。その気持ちもすごくよくわかる。どっちもかわいそうでつらかった。そもそもの元凶は先代の里長だし。ホント最低。全てを里のための道具として扱って。でも自分のことも里のための道具として考えてたのかもね、代々。とはいっても自分を道具扱いするのと他人を道具扱いするのは大違いだから同情はしないけど。おもだかさんびゃくろくちゃんと結ばれるといいね。まあびゃくろくちゃんも恋愛感情というより畏れ多いって気持ちだろうけど。でも尽くしてもらううちに感謝するようになってそれが愛情に変われば二人とも幸せになるよね。
人間と半妖の子供ってどうなるんだろうね。男の子でも人の形保てるのかな。とか考えちゃったけどきっと大丈夫だよね。新たな悲劇とかつらいからそういうことにはならないと信じる。
ざくろがあげまきに嫁いだら楽しそう。絶対にお父さんとケンカするでしょ。早いうちに。そしてなんだかんだで仲良くなりそう。お母さんや妹ちゃんとも仲良くなるだろうし。妹ちゃんや猫と共謀してあげまきにいたずらしてそう。いろいろ想像すると楽しい。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

71.4 2 半人半妖で熱いなアニメランキング2位
CLAYMORE クレイモア(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (623)
3518人が棚に入れました
人間を捕食する妖魔が巣食う世界。妖魔に対抗すべく、人間は妖魔の血肉をその身体に取り入れた半人半妖の女性戦士を生み出した。
銀色の瞳と巨大な剣を持つ彼女たちは、その大剣の名から"クレイモア"と呼ばれる。"クレイモア"の一人であるクレアは、かつて少女の頃、テレサと名乗る最強のクレイモアと出会う。クレアを救うため、クレイモアの鉄の掟を破り、人間を殺めてしまうテレサ。掟を破ったテレサは、討伐隊に追われる身となる。そして、妖力の暴走を止められずに「覚醒者」となった討伐隊の一員・プリシラの強大な力の前に、テレサは敗れ、殺されてしまう・・・。テレサの敵を討つため、クレアはテレサの血肉を受け継ぎ、自らクレイモアとなる道を選ぶ。クレアの闘いは、ここから始まるのだった・・・。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今では貴重種?! 「2クールもの」の重厚なダークファンタジー

【レビューNo.25】(初回登録:2023/2/1)
コミック原作の2007年作品。全26話。

(ストーリー)
人を喰らう「妖魔」が存在する中世ヨーロッパ風の世界。
その妖魔に対抗するために生み出された「半人半妖」の女戦士「クレイモア」。
そんな女戦士の一人「クレア」の復讐劇を中心に、大剣を武器に敵をなぎ倒し、彼女たちが背負う
過酷な運命に抗いながら懸命に道を切り開いていく姿を描いたダークファンタジー作品。
よく言われることですが、「ベルセルク」の影響を色濃く受けている印象ですね。

(評 価)
・入念に作り込まれた世界観
 ここまでのネタバレは本位ではないのですが、これを知らないとこの作品の良さが伝わらない
 かなっと。以下特大ネタバレ
 {netabare}
 ・クレイモアは人の喰らう妖魔に対抗するために生み出された「半人半妖」の存在。
  (人間に妖魔の血肉を埋め込み製造。自らの意思でクレイモアになったのはクレアだけ?)
  それを生み出したのが「組織」と呼ばれる存在。討伐指令やその際の部隊編成も管理。
  (組織は街から妖魔討伐の依頼を受け、報酬を受け取ることで資金稼ぎをしている。
   ある意味彼女たちはその道具)
  白いアンダースーツに鉄の鎧、白いマントを羽織り、背中に大剣という装備。
  妖魔の力が宿しているため、平素でも高い身体能力と回復能力を有している。
  そして「妖力解放」することにより更に能力を向上させることもできるが、使いすぎると
  人間の部分がなくなり、「覚醒者」と呼ばれる妖魔の上位種族に「覚醒」してしまう。
 ・クレイモアは女戦士のみ。かつては男戦士もいたが、男戦士はすぐに覚醒してしまうので、
  今では製造されていない。
 ・この国の47地区に担当のクレイモアが一人づついる。それぞれのクレイモアには1~47のNo.
  が付与されている。これが強さの序列を表す。クレアはNo.47つまり最弱。
  (通常は一人で戦うが、敵戦力の強さに応じて召集され部隊を編成する)
 ・敵は妖魔の他に強敵ぞろいの覚醒者、時に組織も(組織に不要な)クレイモアの抹殺を画策。
 このように彼女たちは強制的に戦うことを宿命づけられた上、時に覚醒する恐怖に怯えながら、
 組織の裏切りにも神経を配るという過酷な運命を背負っているのです。
 また上述の通り装備や妖魔を始め全体的に色彩を抑えた作画により、さらにこの作品のダーク
 さを演出している感じですね。{/netabare}

・安定の王道展開
 ストーリーとしては妖魔や覚醒者との闘いを描きながら、クレアがクレイモアになるきっかけや
 他のクレイモアの掘り下げ、そして彼女らとの共闘を通して絆の深めていくといった王道展開。
 作品のキモとなる大剣を武器に妖魔たちと渡り合う戦闘シーンはスピード感・迫力があり、主要
 キャラには独自の必殺技もあり、十分に見応えがある作りになっています。
 (敵味方問わず「手足が飛び、串刺しで血しぶきドバーッ」といった描写は日常茶飯事なので、
  グロが苦手な方にはちょっとキツイかも)
 また不安の共有や仲間のために命を懸ける熱い展開、死にゆくものの思いを受け継ぐ等のヒュー
 マンドラマは、「半人半妖」という存在に苦悩しつつも「自分たちは人間でありたい」という彼
 女たちの思いが痛いほど伝わってきて、感情が揺さぶられるものがあります。

・評価が分かれる終盤のアニオリ展開
 当時はまだ連載中という事情もあったのですが、原作ファンからは強い不満の声があるようです。
 私は原作未読なのでどこまでがアニオリかはわからないのですが、個人的にも終盤にいくほど雑
 になっていく展開はマイナスポイントではありますね。
 以下特大ネタバレ 
 {netabare}
 ・敵との戦力差がありすぎて絶望感しかない→ 一方的な展開にクレイモアの存在意義って?
  → クレアの「覚醒」による大幅戦力アップで解決→ 他のクレイモアが更に空気
  ちょうど「ドラゴンボール」が、悟空だけがスーパーサイヤ人とか覚醒チート野郎になって
  今まで皆で積み上げてきたものは何だったのか?みたいな。
  (そもそも勝算0という無謀な討伐指令を下す「組織」の思惑がなんだかなあって・・・)
  それにインフレ感出すために戦闘シーンが力押しみたいな感じになって、それまでの細やか
  な描写がなくなってきたのもねえ。
  また復讐劇(プリシラ戦は完全アニオリ)のその結末にも不満の声が多いみたいですね。{/netabare}

女性キャラが多数登場するにもかかわらず、そこに「萌え」や「色気」といった要素は一切なく、
過酷な運命や救いようのない絶望感等、終始陰鬱な空気が延々26話まで続くという・・・
それこそ「進撃の巨人」位原作に話題性がないと、今の時代ここまで重厚なダークファンタジー
を「2クール」かけて作ろういう機運はなかなか生まれないのではないかなあっと。
それだけに本作はダークファンタジーの世界を十二分に堪能できる貴重な作品といえるでしょう。
(ただ今のアニメ世代だと、戦闘シーンや回想・ヒューマンドラマ等長くくどいと感じるかも)

あとOP/EDもかなり「アニソン」って感じでよかったです。
OPのロックのリズムで高揚感を煽り作品に入り、EDで彼女たちの悲哀感を演出して締めるという。
(EDタイトルが「断罪の花」っていう時点でもうねえw)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

らしたー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

クレイモア再評価。バトルものを楽しむ素養とかの雑談

過去に評点だけつけたタイトルをざっと見直していて、どうしてこの作品をここまで低評価したのだろうってのがある。そのひとつがこの「クレイモア」。レビュー数もそこまで多くないので軽い気持ちで投稿してみる。
※当初は2.4点をつけていた

どうも他の方のレビューを拝見すると、連載中の漫画と最低限の整合をとるために無理くり終わらせたストーリーがイクナイてのが低評価の主たる原因のようで、じゃあ原作漫画なんか1ページも読んでない自分でここまで楽しめなかった理由って何だろうと。

この手のダークファンタジーは雰囲気としては好きな方。綺麗なものが血と泥で汚れていく様は絵になるし、女性だけで集団を作るとこうなるよね的なものも描かれていて実に新鮮。キャラが多いといろんな得物を持たせたくなるのが人情だのにそこをあえて大剣のみでいく潔さにも感心していた。実際クレアの過去編あたりまでは当たりアニメを引いた感が確かにあった。

そこからバトルがメインの展開になるにつれて坂道を転げ落ちるように失速していく。バトルシーンがどんどん単調になっていったせいもあるが、もっと根本的なところで自分にはクレイモアを楽しむ素養に欠けているのではないかと。

で、Wikipediaを眺めていてなんとなく原因がわかった。
たとえば戦士ミリアの紹介。(一部抜粋)

--ここから--
ミリア
声 - 井上喜久子
身長175cm 右利き 攻撃型
組織の127期、No.6の戦士。責任感が強く統率力に富み、数回の覚醒者狩りを経験しているベテラン。
瞬間的な妖力の急上昇により、超スピードを発揮する移動術「幻影」を得意とし、緩急をつけた移動で敵に残像を見せて翻弄する戦い方から「幻影のミリア」の異名を持つ。
--ここまで--

なんていうか、こういうので少しでもwktkできなきゃつらいのよね。

ファイアーエムブレムなんかでキャラのステータス画面を見てニヤニヤできる才能というか、パラメータやスキル欄だけ見てワクワクできる素養。モビルスーツのスペック表を眺めて楽しめるセンス。設定というと意味が広くなりすぎるので、どちらかというと「仕様」ですな。それが物語の中でどういう意味を持つのかとは無関係に、こういった仕様それ自体に楽しみを見いだせる感性が必要だと思うの。

自分には致命的にそれが足りない。そんなの作者のさじ加減ひとつじゃんかって思っちゃう。なんだろうね、例えて言うならドラゴンボールでスカウターが登場した時に、ちゃんとwktkできた人と、それやるとつまんなくなるよ…と不安を感じた人の違いというか。ちと違うかもしれんが。

加えて言うと、クレイモアって作品は必殺技の説明やら原理やらをご丁寧に解説してくれるのだけれど、それがもう致命的につまらない。上のミリアの例で言うと、「これこれこーいう原理で幻影剣が繰り出されるのです」てなもんで、正直どうでもいい。ベルセルクで、「ガッツの強力無比な斬撃は限界まで鍛えこまれたインナーマッスルと強大な広背筋の伸縮によって繰り出されるのである」なんてやられた日にゃ寒いことこの上ないでしょ。

で。もしこういうスペック解説それ自体に娯楽性を持たせようとすると、刃牙やジョジョや、あるいは冨樫的な才能が要求されると思うわけですよ。それこそ突き抜けたセンスが。

残念ながらそういうのはクレイモアからは微塵も感じない。だからバトルものとして極めて中途半端な印象となり、バトルがメインになっていく中盤~終盤で急激に失速していく。


…てところまでが前置きで。

序盤詐欺みたいな部分は大きいとはいえ、なんだかんだでちゃんと26話まで完走させたんだから2.4点みたいな評価はちょっと違うかなっていうお話でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

気高い花

中世の世界観、
街の様子、人々の暮らし、背景の薄暗さ
全体的に漂う雰囲気。
作りこまれた世界観が、私を物語の中に連れて行ってくれました。
ダークファンタジーです。

最初みた時に登場人物たちの表情が乏しく、印象も地味で、
本当に面白いのかなぁと思いながら渋々観たのですが
重厚なストーリーに惹き込まれました。

男性向き、或いは大人向きのアニメだと感じました。
けれど、女戦士の物語なのでどこか美しい。
私はとても好きですけどね。

妖魔を倒すために組織に創りだされた、半人半妖の女戦士「クレイモア」

強く、そして気高く美しい女戦士たち。

皆、それぞれ胸の奥に気高い花を抱き
花は咲き誇る。

女の花はいつまでだって枯れないのですね。
命終わる最期の瞬間まで 咲き続ける。

散ってしまったのだとしても
確かに咲いていたのです。

私はそんな女戦士たちをみていて、
幼い頃に憧れた女性を思い出していました。


女戦士だけで、ここまで面白くて惹きこまれるストーリーは珍しいです。
男性はラキという少年しか出てきません。
{netabare}
ラキ、彼は主人公クレアの大切な存在です。
心を開かない孤独なクレア。
ラキに出会い、彼女の中で何かが変わり始め
時折みせる女性らしい優しさや温かさは和やかな気持ちにさせられました。
ラキの存在は、
物語に、そしてクレアの戦う理由に意味を持たせはじめるのです。


戦士の中でも、
「高速剣のイレーネ」と呼ばれている片腕のイレーネ。

すごい高速なんですよ。剣の太刀筋が高速でみえない程です!
伝わったかな…。
(ドラゴンボールZで戦闘のとき、あまりにも速すぎてヤムチャには見えないのと同じです)

クレアに剣の手ほどきを教えてくれました。
まさか、その腕をクレアに捧げるとは思いもよらなかったです。

「餞別だ。もっていけ。」

自ら切断した腕を、ドサッと地面に放る。

「受け取れ。お前が生きるために。」

す・すごい…
これは格好よすぎではないでしょうか。
イレーネは両腕を失ってしまったのですよ。

13話~14話は素晴らしい出来でした。

倒すべき敵の名前「オフィーリア」
名の由来がシェイクスピア作の悲劇「ハムレット」に登場する同名のヒロイン、オフィーリアです。
天を仰ぎながら川に沈んでいくという、双方同じ最期を迎えています。
そんな素晴らしい描写もよかったです。
{/netabare}


仲間との共同戦線なんかも、見応えありました。
毎回出てくる敵がしつこいくらい強い!です。

妖魔退治のために、組織によって創り出された女戦士たち。
けれど結局は妖魔よりも「覚醒」してしまった戦士たちのほうがタチが悪く
覚醒者狩りに奔走されます。


どこまでが味方でどこからが敵なのか。
味方も敵になり、 ならば先手を打って殺す。
しかし、敵はなくならない。

怯えているヒマはなく、
戦う腕がある、なので戦うべきだ。

だから戦うことをやめない。

収めたい戦いのはずが…悲惨な悪循環です。

なんて狭い世界、なんて愚かな哀しい世界。
胸に凛とした花を咲かせながら、散っていくのです。



最後の展開は原作と違ったようで、
原作を読んでいない私でも
あまりにも急展開だったので気がつきました。

とても丁寧に物語が進んでいたのに、そこだけがとても残念。。

OP
レゾンデートル ナイトメア

どこまで歩いても終わりがみえない~…
そう!その通りでした。
どこまでも終わらない、彼女らの物語。


進撃の巨人、ベルセルクが楽しめたなら、
この作品きっと面白いです。

長すぎました。。
熱くなってしまいました。最後まで読んでくださった方ありがとうでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25
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