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75.4 1 大人向けアニメランキング1位
DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー](Webアニメ)

2018年1月5日
★★★★☆ 3.9 (256)
824人が棚に入れました
永井豪さん漫画家デビュー50周年を記念し、2018年に新作アニメとして蘇る『デビルマン』。タイトルを『DEVILMAN crybaby』とする本作は、「Netflix」にて全世界190カ国に、日本語のほか9ヶ国語の吹き替え版と、25ヶ国語の字幕版で配信される予定です。

声優・キャラクター
内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、津田健次郎、木村昴、KEN THE 390、YOUNG DAIS、般若、AFRA
ネタバレ

一言 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人間を人間たらしめるものって何だろう

一言で言えば、人間の醜く汚く脆く弱い、負の部分に真摯に向き合ったアニメ。


この作品を語る語彙力を持ち合わせていない…いや、語れるほどこの作品を理解しきれていないので長文レビューは控えようと思っていたのだが、、多分一度語ってしまえば長文になってしまうのだろう。

自分はデビルマンという作品を見るのは初めてで、世代も全く違う。
幼少期流行っていたアニメと言えば、おジャ魔女どれみとか、犬夜叉とか、そんな世代です。

まず興味を持ったのは、ほとんどの人が何かしらこの作品に衝撃を受けている点です。神アニメ、とかそんな容易な言葉を使っている人があまりいない。
のにも関わらず、確実に、言葉にしがたい何かを皆が感じて、衝撃を受けている。

衝撃的トラウマ、絶望感、やるせなさ。
そのような言葉に興味をそそられ、視聴。

キャストも深夜アニメでもよく見かける有名な声優で安定感がある。
作画は少し古臭く、ちょっと単調なタッチではあるが、独特の世界観があってよい。
一体どんな話なんだろう。そう思い、一話を見た。


別の意味で衝撃があった。

一話を見たとき、視聴をやめようかと何度か思った。
{netabare}
ネット限定ということもあり、女性の乳房は普通に解禁。さらに普通なら雰囲気や、上半身だけ、一部分だけの描写なのに、普通に性行為がなんの規制もなく、画面に広がっている。

エロい、とかそういう単純な言葉ではない。
生々しい。非常に生々しい。

この監督の、独特で、単調な絵柄なのにサイコパスチックな色使いとも相まって、すごく気味の悪い、気持ちの悪いものに見えた。
自分のような深夜美少女アニメのラッキースケベを見て満足しているようなオタクには、ちょっと刺激が強すぎる。。
というより、一話だけで判断するのはよくないかもしれないが、これの何が絶賛されているんだろうか…?
{/netabare}
こんなものがずっと続くなら、自分にはちょっと早すぎる作品なのだ。
やはり保留にしよう。。

そう思いながらも、2話を見て。3話を見て。
この話がどのようになるのか気になってしまって、どんどん見てしまい。
他にも見たいアニメが溜まっているのにもかかわらず、一つの作品を一気見したのは初めてだった。


というわけで、見終えてみて。

冒頭でも述べたように、完璧には理解できていない。
原作も知らないので、伏線などを完全に理解できていないし、なにぶん理解力の低い人間なので、意味を理解しないまま見終えてしまっているシーンはいくつかあると思う。


しかし。何かとんでもないものをみた、そんな衝撃が走った。
見て良かったーとか、神アニメだったー、とか誰かにおすすめしたいなーとか。
そういう感情はない。

ただ、凄い作品を見た。目の当たりにした。

見終えてから数時間、何度か気になるシーンを見直してみたり、感想レビューを片っ端から読み漁ったりした。
それでもまだ、うまく言語化できそうにないが、出来る範囲で述べてみる。(前置きが長くて申し訳ない)



この物語は、タイトルでも述べているように、「人間を人間たらしめるものとは何か」を描いている。
そのために、人間の汚く、醜い部分をこれでもかというくらい見せつけている。
{netabare}
動物のようにおこなわれる理性のかけらも感じられない、本能のままの行為である性行為や、自慰行為などの様々な性に関する描写、一話を見たときは嫌悪感しか抱かなかったが、これも作品を語る上では重要で必要なものだったのだと今になってわかる。
なぜなら、人間がシンプルに本能で行っている数少ない行為だからである。
「しかし人間には理性がある」を語る上で、動物的本能のままの行為を描くことは必須だ。


人間には心がある。思いやりがある。
他者の為に涙を流せる、不動明はまさしく人間そのものだ。
人格や見た目が変わっても、人のために涙を流す優しい人間であり、本能のまま人間を殺害する悪魔から、人間達を守ろうと必死だった。


しかし、人間はどうか。
サタンの記憶を取り戻した飛鳥了が、悪魔になる前の人間を殺さねばならない、と言ったことにより、パニックになり、次々と人を殺していく人間。

特に、牧村家の父が、妻を食べている息子を庇うシーンで無残にも殺されているシーンは見ていられなかった。

皆、悪魔が怖い。誰が悪魔なのかわからない。
しかし生きたい。誰だって死にたくない。それが生き物の本能だ、必然だ。
(自殺を考える生き物なんて理性のある人間くらいだろう…)
生きたい、ではどうする?
もちろん、絶望して自殺を選ぶ人間もいただろう。
でも、人間は理性があると同時に本能だってある。


生きたいから、悪魔のような疑いのある人間は殺す。異質なものは殺す。弱い者は殺す。少数派は殺す。
そうして生きるために、次々と排除していく。

果たして、これが理性をもった人間と言えるだろうか?

自分が生きるために、本能のままに暴力を行い、弱い者を倒して生きる悪魔。
そのような悪魔と、何の違いがあろうか?
そのように問いかけられているような気がした。


このことを踏まえると、牧村一家は皆、明と同じ、人間だった。
それも弱くない。強い人間だ。一家心中を選んだり、無差別に殺害をして生き延びる選択をしなかったのだから。

息子を悪魔と知っても、息子を殺さず。娘と父に被害がないよう、息子と二人で家を離れた母親。
悪魔に負け、とりつかれてしまったというのに、涙をいっぱい流しながら母親を捕食する息子。
そんな悪魔化した息子を打つことが出来ない父親。

そして最後、悪魔狩りをしている人間(のような悪魔)たちに、無残にも殺されてしまう牧村一家。


これほどの悲劇があっただろうか。



悪魔は人間とは違い、本能的で、動物そのものである。
暴力衝動を抑えることが出来ず、殺害をする。弱肉強食の世界。
強いやつが残る、弱いやつは死ぬ。単純明快。動物そのもの。

しかし、シレーヌとカイムという悪魔たちは違った。
明を倒すためにカイムがシレーヌのために命を投げ打ち、またそのことに驚いて、愛を感じたシレーヌは、目的であった明を殺すことなく、満足に死んだ。
これを考えると、悪魔にも愛はある…、となる。
ここがまだうまく解釈しきれていないのだが、今の時点で思うに、人間と悪魔は同じとまではいかなくとも、似たようなものだと伝えるためのシーンなのではないだろうか。

となると、愛とは何か。という話に発展していくのだが、あまりにも哲学的になりすぎる故、また自分がそこまで考察できそうにない故、ここでは置いておく。


そして物語の後半。9~10話にかけて。
あの悪魔化した明の映像をみてもなお、明を家族と信じ、人間であるとSNSを通して世界へ向けて主張した美樹。
そのSNSのコメント欄は本当に酷いもので、しかし妙にリアルさがあった。
きっと日頃から自分もネットでそのような人の争いや誹謗中傷をたくさん目にしているからだと思う。

一方、了のところへ向かった明は、悪魔狩りと称して人間を痛めつけている人間たちを見かけ、止めに入り、涙を流す。
まるで悪魔のように人を痛めつける人間の姿をした人間たち。
悪魔の姿をしてもなお人間の心をもって、涙を流し止めに入るデビルマン。

どちらが人間かなんて明白だ。

悪魔狩りは、美樹のSNSでの投稿と平行して、だんだんと治まっていく。。
「人のために泣いて、人のことを考えて そんなの夢かもしれない。でも、そんな心を持っている人なら、それが悪魔でも、人間でも、受け入れます。無条件で愛します。みんながそう思えば、平和が訪れる。私一人が無力でも、一人一人が無力でもみんながそう思えは、世界は一瞬で変わる。」

人間は集団で生きる生き物だから、数の多い方が正解として、異質なものを排除しようとする。
たとえそれが正しくても、正義でも。
それが弱さ。ある意味で、悪魔にはない弱さだと思う。

そんな時、明が助けたデビルマンの一人、幸田が明を襲うのも皮肉だ。
幸田は悪魔に屈さず、己で抑えたが、デビルマンとして人間を守ることはせず、助けてもらった明を裏切ってでも、悪魔側についた。
この幸田というキャラクターを一人とってみても、悪魔と人間は似たようなものだと言わざるを得ない。

幸田の裏切り行為は、ある意味人間らしく、また悪魔らしくもあるように見て取れる。


もうここからは悲劇でしかなかった。
美樹は、陸上界の魔女だという別名が物語の序盤で何度か出てきていた。
最初、魔女という言葉が美樹というキャラクターにぴったりこなかった。どちらかと言えば天使…とは言わなくとも、陸上界のスターとか女神とか。
とても可愛らしく、凛とした、魅力的なヒロインなのだから、こちらの方がしっくりくるのにと思っていた。


きっと、魔女と言う名は、この最終局面に意味を持たせるためだったのだろう。

デビルマンを庇うマイノリティな存在、この異質なものを排除しようと悪魔狩り…もとい魔女狩りをしている人間から、ミーコと共に必死で逃げる。
しかしミーコは傷つき、美樹だけが走る。

この時、悪魔の姿をしたミーコが、人間たちに、「お前たちに問う。人間であること、善良であるということは?正義とは…?」と問いかけるシーンがある。
それに真面目に返す人間などだれ一人おらず、早く死ね!とミーコに銃を撃つ姿。

ミーコの台詞は、このシーンを見ている視聴者への問いかけであると感じた。
人間の定義とは何だろう。
悪魔の姿をしているからミーコは悪魔なのか?
人間の姿をしている彼らは人間なのか?

美樹は逃げ切れるはずもなく。挟み撃ちにされ、背中をナイフでざっくりと引き裂かれ、悲痛な叫び声が広がる。
絶望という言葉以外何もなかった。
この人間に対する怒りとか、美樹が引き裂かれた悲しみとか、そんな生ぬるい表現では到底表せない。
呆然と画面を見つめることしかできなかった…。

明が戻ってきたころには更なる絶望だった。
ミーコや、味方になってくれたラッパーの少年、そして美樹。
皆、手、足、上半身、下半身、生首とバラバラにされ、その体を棒に指しながら、悪魔を倒したぞと踊るように喜んでいるシーン。

ラッパーの4人のうち2人が裏切って、悪魔狩り側へついていたのも、幸田と同じような、人間的な悪魔的なものを感じられる。

これが、明が身を呈して守ろうとした人間の姿なのか?

人間とは、悪魔とは何か?
その問いかけがこのシーンに凝縮されている。

そしてこの作品、ここまできて救いがすでにないのだが、最後の最期まで絶望的だった。
サタンとなり覚醒した了を殺すと言い切る明。
お前のために流す涙も枯れ果てた、というセリフが印象的だった。

明のような、人のために涙を流す人間が。愛する人をすべて失い、その元凶であり、しかしそれでいて友人である了を殺す、という形でしか道が残されていないのが、本当に絶望的だ。

その後、抗いもむなしく人類は当然悪魔たちから滅ぼされ、明が集めたデビルマンたちも、必死に戦うが死に、次々と死に、最終的に了と明のみになる。
了は明に優しく幼少の頃の思い出を話し始めるのだが、明はすでに上半身のみで、目は黒く、唇は渇ききっており、返答はない。死んだのだ。


了についての考察と理解がまだ不十分で、いつから記憶が神にあやふやにされたのかとか、結局目的はなんだったのかとか、一つに絞れないのだが…、おそらく、サタンではなく飛鳥了として、不動明をそばに置きたい…しかし、人間は弱いし滅びる、だからアモンと合体させ、共に生きたいという気持ちが深層心理のさらに深いところにあったのではないだろうか。


しかしそれが何かが分からなかった。
何度も描かれたバトンのシーン、あのバトンを何度渡されても受け取らなかったが、あのバトンとは、愛を表現しているように解釈したい。
家族だったり、友人だったり…そのような他者から愛を受け取り、また自分も他者へ愛を渡す。つなげる。

美樹の言葉を少し借りるなら、マイノリティでも、一人一人が無力でも、他人を思いやって、慈しみ、愛を受け取り、それをまた他者へとつなげる。
そうしたら世界は変わる。
まだ抽象的な解釈かもしれないが、あのバトンに「人間とは何か」の全てが詰まっているような気がする。


最後、了が死んだ明に狼狽し、涙を流しながら「今の俺の気持ちを感じてくれ。いままで俺と一緒にいたことを忘れるな。俺をひとりにしないでくれ」と言ったシーン。

あそこで初めて了は、バトンの意味を理解したんじゃないだろうか。
しかし、受け取らなかったバトンは、落ちたバトンは、そのままで。
明が再び口を開くことは一度もなかった。


一話の冒頭を思い出す。
了が「愛はない。愛などない。故に悲しみもない。そう思っていた」という台詞から始まる。
これは、この最後のシーンに繋がる。

この台詞は、きっと了が明を失ったときに涙を流した時の台詞なのではないだろうか。

バトンを受け取らなかった。
愛はない。愛などない。故に悲しみもない。涙を流したことなんてなかった。
しかし、明を失って気づく。
これは愛だったのだ、と。
友人を失って悲しむ、泣く、それこそが愛だったのだと。



サタン(悪魔)だとか、デビルマンだとか、人間だとか。

果たしてこれらに、明確な違いはあるのだろうか?

自分はまだその答えを出せないでいる。 {/netabare}
自分にはまだ、この作品の全てを理解することはできないのだろう。
これから先も、理解できるかはわからない。
なんせヘビーで壮大なテーマを扱った作品だから、そう頻繁に見返せそうにない。


しかし、短文でレビューしようとしていた自分が、改めて言語化することによって、視聴直後より理解を深められたこと。また、様々な方の解釈や感想を読んで、この作品と自分なりに向き合えたこと。

何時間もこうして長文にしてこの作品への思いを書いたが、この行為こそ、この作品を視聴した意味があったと思う。



物語の内容ばかり語っていたので、他を簡単に。
BGMが凄く良かった。
終末世界感がひしひしと伝わって来るあの物悲しいBGM。
救われない、報われない、絶望感を掻き立て、さらに視聴者を追い込む。
とても良かった。
OPは不気味な感じがものすごくマッチしてました。ポップで不気味な作風とも合うし、頭にもかなり残る。

そしてキャスト。了役の村瀬さん、この方、女性のような声も出せる方なんですよね。{netabare}なのに、ちゃんと冷徹なサタンらしさが出ていたし、何より、両性を持つサタンの声に非常にあっていた。男とも、女ともとれる中性的な声。{/netabare}いい演技でした。声幅もとても広い方ですよね。
明役の内山さんも、 {netabare} 初期明のナヨッとした演技から、デビルマンの男らしい明の切り替え、良かったです。 {/netabare}主人公らしい声質ですよね。
そして美樹の藩めぐみさん。 {netabare}引き裂かれるシーンの断末魔は凄かった…{/netabare}そして、美樹の、男勝りなのにヒロインらしい可愛さが表現されていてとても良かった。


やはりアニメは、見るだけを目的とせず、こうして真面目に考えることこそ意味があるのだろうなあ。
美少女が沢山出るアニメも大好きですが、やはり色んなアニメ作品を見て刺激を受けたいですね。

ここまで目を通した方がいるかは分かりませんが…お疲れさまでした。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 6
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

繰り返される破滅

【少し書き足し修正。大意は同じです】

永井豪のマンガ『デビルマン』を原作としたアニメ。

マンガ連載時に同時放映されていたTVアニメは、「原作」マンガとそのアニメ「化」という関係ではなく、タイアップ=今でいうメディアミックスであったが、途中から、永井豪の作家性が爆発して大きく路線が分れ、まるで別種の物語となったと、多くの証言がある。

本作は、正しくマンガを「原作」として、21世紀の物語として咀嚼し、アニメとして提出したアニメ「化」だ。

「物語」が、完結まで語りきって初めて物「語」となるとすれば、「原作」マンガ『デビルマン』の、初めての「アニメ化」と言えるかもしれない。

もう45年も前に描かれた著名なマンガが原作であるから、あまり「ネタバレ」にはこだわらずに思いつくまま感想を書きたいと思う。

とりあえず忘れないうちに、「飛鳥了」役の村瀬歩の英語が意外に(失礼)上手で驚いたことを記しておきたい。
字幕が無くても何を言っているかちゃんと聴き取れるし、おそらく外国人が声を担当している外人キャラとの会話も、感情を込めたセリフのやり取りとして自然に聴こえる。

別に英語が話せればエライということは無いが、こうしたところで「もっともらしさ」が試練にさらされる。

上手に英語を話せれば、「世界的な」天才科学者という設定が、「英語も話せないのに?」という「減点」をされることを防ぐことが出来るだろう。
たどたどしい棒読みの英語であれば、「減点」を越えて「逆効果」になる。

こうした意味では、作中で頻繁に挿入されるラップが、「もっともらしさ」を拡張しているかどうかは大いに疑問だ。
どのようなプラスの効果があるのか、なんの減点を防いでいるのか、ラップになじみのない視聴者にはよく分らなかった。



原作からエピソードや人物配置を再構成し、ストリーラインを再構築する製作者の手際は、製作者の独自性を表現するというよりも、原作で語られていたものを、現代に抽出してくるための手続きに見える。

序盤から終盤まで、飛鳥了の意図がかなり見えやすく描写していることは、特にこのことを明確に示しているようだ。

映像面では、陰影や細部の描き込みではなく、輪郭線で構成する平面的な絵柄は、本作の「世界」を効果的に表現している。
出来事の連鎖を記述する「叙事詩」的な一般的物語世界というよりも、黙示録=「神話」的な世界を。

マンガ連載時、モダンホラーという「物語」世界から、黙示録=「神話」へと飛躍した永井豪の作家性の爆発的な転換が、当時のいたいけな少年読者たちにトラウマを植え付けた「あの」後半の狂気的な描写の数々を生んだ。
規範やルールや倫理などの「約束事<コード>」を軽く踏み越える跳躍は、永井のマンガ「世界」が、世俗的出来事の記述である「物語」から、<コード>以前の、あるいは<コード>が無化される「神話」へと変質した結果だ。
理性が<コード>に規定されるものならば、<コード>以前の世界は「狂気」に見えるに違いない。

マンガの後半に頻出する、作者を突き動かす「作家性」という「狂気」がほとばしるような歪んだ絵の数々は、整ったデッサン、などという評価など矮小でむなしく感じさせる。

本作もまた、ラノベ的に半端な「現実的」設定を追加して叙事詩的に整えることをせず、原作の「神話」性をそのまま抽出し、黙示録=神話世界として提出することを選んでいるようだ。

プリミティブな原初の「アニメーション」が、震える「線」の連想から、次々と姿を変えてゆく「変化」の愉悦であったように、本作の、どこか不安定な輪郭線の変形で「動き」を表してゆく映像は、人間や悪魔の肉体が放埓に変形する、原初のカオスの記憶に憑かれた「神話」世界に相応しい。

「線」の震えが、パイプから煙、雲、煙突、船、等々へと、「理屈」ではなく「連想」によって変化していく原初の「アニメーション」の記憶が、理性=事実=出来事を律する<コード>以前のカオスである、「神話」世界の肉体変形に絶妙に共鳴する。
「世界」を表現するための「作画力」という意味で、本作の平面的映像は、細密的な書き込みや陰影に彩られた「作画力の高い」絵柄よりも、はるかに上だ。



{netabare}こうしたビジュアルによって一気に視聴者が引き込まれる神話世界で語られるものは、原作と同様、人が滅び、「世界」が崩壊する黙示録だ。

本作において黙示録の引き金を引き、人を滅ぼすものは「人間の愚かさ」だ。
この点では「原作」と変わらない。
いや、原作を咀嚼して21世紀によみがえらせる過程でも、この点を変えて人類を救い上げるよう改変することは不可能だった、といった方がいいのかもしれない。

45年以上が経過しても、なお「愚かさ」を回避する道筋は見いだせなかったと。

しかしながら、その「愚かさ」は、原作と本作では、同じものではない。
時代的なへだたりに応じて、位相が異なっている。


原作マンガが黙示録世界へと転換したのは、連載当時の社会に流布していたオカルト的な終末感が、大きく読者の心象世界に影を落としていたからだ。
「ノストラダムスの大予言」や「背後霊」や「スプーン曲げ」といった言葉を、どこかで聞いたことがある人も多いだろう。

核兵器に怯える冷戦や、公害による環境破壊、差別感情による人種的偏見などなど。
当時の閉塞的な気分は、このような社会不安から醸成されていたが、この不安が「オカルト的な終末観」に収斂していったのは、「科学技術的進歩が人間社会を発展させる」という進歩史観が破綻を見せてきたことによる。

「オカルト」が選択されたのは、「科学的」進歩観への直接的な反発の現れだ。
そもそもの「不安」要素は、「科学」が生み出したのではないか、と。

原作で「人間」こそが愚かな諸悪の根源として徹底的に糾弾されるのは、こうした時代精神の反映であったのだ。

ここでは「愚かさ」は、知識の欠乏=「無知」として理解されている。
蔑視感情などの悪が人間存在そのものの奥底にあることを知らない「無知」、科学のような「人為」行為は必然的にそのような悪を内包する事に対する「無知」、それらが人間を苦しめているにもかかわらず周知しない「無知」の隠蔽。

原作で人間に対する憎悪の限りをぶつけるような糾弾は、最終的には人間の「無知」に向けられている。
どうしてこの程度のことを「知らない」のか、と。

だが、人間の「無知」に対する激しい呪詛は、反面では「啓蒙」への希望でもあったろう。
「無知」が悪の根源であるのなら、「啓蒙」によって無化することが出来る。

ここにこうして「愚かさ」を描き出した以上は、もう「無知」ではない。
「無知」を突きつけることは、「無知」であるという「知」を与えることでもある。
「無知の知」を得た以上は、「愚かさ」もまた消え去る希望がある。

70年代の作者が叩き付けた狂気に満ちた黙示録の終末世界は、啓蒙=再生への希望の大きさの裏返しでもある。

だが、21世紀の黙示録である本作では、「啓蒙」は世界を救うことはできない。

スマートフォンとインターネットが席巻する21世紀は、常識的に考えれば「啓蒙」が行き渡っている。
その気になれば、原作マンガ家の見出した不安の根源にあるものが何であったのか、全て簡単に検索して知ることが出来る。
「無知」は、「無知の知」を持つ限り、瞬時に克服できるはずだし、IT産業はそのように自己宣伝しているではないか。

しかし、本作の製作者が21世紀に見出した「愚かさ」は、現代の人間は「無知の知」など持たないという「愚かさ」だ。

70年代に原作マンガ家が「愚かさ」の根源として摘出した「無知」は、答えを見出せば解消する。
21世紀のIT時代の製作者が析出するのは、答えがあるのは明白なのに検索しようとしない「愚かさ」だ。

現代の愚かさは、「知らない」ことを解消しようと答えを探す代わりに、「知っている」事だけを検索してフィルターバブルにこもる、「無知」を保持し続けることに抵抗を感じない/感じられない「愚かさ」だ。

「知らない」もの=他者へと向かうのではなく、他者に直面することをあらかじめ回避するために「知っている」ものだけの検索結果に囲まれたいと欲望する「愚か」さ。

破局的な状況が加速する後半の描写が、明らかにネットいじめや「炎上」に類比的に描かれていくのは、その現れだろう。
(気分的に)気に入らない意見が呟かれるやいなや、イナゴの様に蝟集して罵言を投げつけて攻撃するSNS作法が、道行く「気に入らない」態度の人間を取り囲んで攻撃する物理的暴力に直結する。

罵言でコメント欄を埋め尽くして他者の意見を覆い隠して不可視化する行為と、他者を物理的に抹殺して存在を不可視にする行為のシンクロ。

死の直前、美樹がSNSに書き込む「新事実」が、まったき「事実」であるにもかかわらず、たちまちクソリプの罵言に埋没してゆく描写が象徴的だ。
ネット上での発言が「殺さ」れるのと類比的に、美樹は物理的に「殺さ」れる。

事実を無視して、脊髄反射の気分で吐き散らされる発言を「愚か」であると自覚できない人間どもは、世界を破局へ蹴りこむ「愚かさ」を克服できるはずがない。
「世界」は、45年前の破局をなぞるように、黙示録的な破滅へ転がり落ちてゆく。

社会に蔓延する「愚かさ」に対して、デッサンの崩れもものともせずに叩き付けるように描かれた絵が、当時の永井豪の抱く怒りの大きさを表現していた。
しかし、本作の、人間に対する怒りや絶望が希薄に感じられる描写は、永井の感じていた怒りと裏腹の「希望」が、現代では信じられないという製作者の姿勢を示しているのだろうか。

魔女狩りのように殺されようとする人々の前に立ちふさがるデビルマンが虐殺を止めたり、ラッパーが態度を変えて美樹を守ろうとするように、直接の対面によって人は変わることを描き出そうとしているかのようにも見える。

が、SNSのクソリプの拡散の、妙に諦観の漂う冷静さを感じさせる描写からは、ネットに集合される人間の「無知」性に対して、全く希望というものが見いだせない。

神話世界で合理性を考慮することにあまり意味はないが、社会が崩壊する中で最後までネット環境が保持されているのは、人間の無・知性を極大化するために悪魔によってネット環境は最後まで維持され続けていた、という解釈もできないことは無い。

本作内で絶望感が希薄であるのは、もともと「希望」が無い裏返しであるのだろう。

ネット上で弱者=少数者を叩いて多数派であるという自己満足を得ても、「世界」は破滅を与える事を躊躇わない。
「多数」は、本質的に、何かを正当化したり保証したりすることと無関係だからだ。
「自分は多数派」という安堵は、破局を回避するなんの力もない。

そうであれば、微かな希望とも見える、「対面」による対話も、弱々しく説得力に欠ける理由も納得がいく。
結局は「気分」を変える手段の違いに過ぎないのであって、「無知」のフィルターバブルを突破して「知らない」他者に直面するためには、もっと根源的な何かが必要とされるのであろうから。
レヴィナスが「他者」の「顔」として見出した暴力性は、直接に対面するだけで乗り越えられるほど安易なものではない。

悪魔という「究極的な他者」に直面して融合した「デビルマン(たち)」というモデルがありながら、その存在を否定して他者と直面できる可能性に目を塞ぐ、美樹にクソリプを投げつけるSNSユーザーたちの最終的な運命に、製作者の視線が垣間見える。

おそらく、レヴィナスが憑かれた、「私」に加えられる他者の暴力に、「私が」責任を取り得るかという倫理と共通したものを、製作者もまた感じ取っているのだろう。

フィルターバブルで他者が不可視化されても、他者は「私」の外部に在り続ける。

最終話で「バトン」のリレーが途切れるのは、バトンの「価値」を「知らない」からではない。
バトンを差し出す「他者」という存在が見えていないことを、おそらく表現している。


安直に「答え」を設定しない態度が、原作通りのハルマゲドンによる破局へと本作を導いたのだろう。

作中では、「何十年も前」に『デビルマン』というテレビアニメがあった、という描写があり、冒頭とラストの描写と共に、この「世界」は、かつて起きたハルマゲドンの後に「繰り返された」世界であるかもしれないと想像させるところがある。

原作者の永井豪が、平行世界的な想像力に強力に憑かれたマンガ家であるから、本作がそれをなぞっても不思議ではない。

45年後の再登場「世界」では、人間の自滅的な破滅は繰り返された。

しかし、ラストの砕けた月のビジュアルからは、繰り返しは単純なリセットではないという、新たな絶望の始まりとも、絶望の連鎖を解脱する希望とも、決定不能の両義性を感じさせる。

だが、「どちらともいえない/どちらでもある」という相対性にとどまる限り、破局はどうやっても止められないだろう。
相対主義の美名の陰に隠れて、薄笑いでクソリプを「意見」と言い張る自堕落さの行き着く先を、本作は見せているのだから。


21世紀に蘇えったハルマゲドンは、45年前の原作マンガと同様に、時代性を的確に描き切っている。

オジサンとしては、原作マンガと読み比べて、違いを見比べてもらえるとうれしいなと思う。{/netabare}



ここまで言及せずにきたが、本作程度の性表現や暴力描写であれば、深夜帯ならTV放送しても良いのではないかなと思えた。

それらを不快に思う視聴者がいるだろうということは、十分に理解できる。

が、「お笑い」の看板を付けた集団リンチの不愉快な映像は平然と地上波で垂れ流されているのに、本作の「不快」が放送できない理由となるのは、なんだか納得がいかない。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 7
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

いろいろ考えさせられた

【あらすじ】
 まだ人間のいなかった地球に君臨していた悍ましき生物、悪魔。人間を駆逐し地球を奪い返そうとする悪魔たちと戦える存在はただ一つ。人の心を持ったまま悪魔の体を手に入れた「デビルマン」だけ。

【成分表】
笑い☆☆☆☆☆ ゆる☆☆☆☆☆
恋愛★★☆☆☆ 熱血★★★★☆
頭脳★★★☆☆ 感動★★★☆☆

【ジャンル】
シリアス、ヒーロー、セックス&バイオレンス

【こういう人におすすめ】
正義とか愛とかについて深く考えたい人。「なんかすげえモンを見せて俺の心をぶち壊してくれ!」みたいなこと考えてる人。深いことはわからなくてもセックス&バイオレンスに無条件で引き寄せられる人。

【あにこれ評価(おおよそ)】
67.0点。評価上昇途中?

【個人的評価】
すごいガツンとくる。疲れた。けどすごい。けど万人には薦めない。

【他なんか書きたかったこと】
 伊集院光さんのラジオで湯浅さんの名前が出てたのでびっくりして視聴。
 ネットフリックスで見れます。初月無料っぽいです。
 {netabare} デビルマンという単語?は知ってましたが、他はなにも知りませんでした。あ、テーマソングと、プラチナジャズがテーマソングをアレンジした曲は知ってました。←これおすすめ(youtubeで聞けます)。
 アニメ見た後で原作漫画を読みました。このアニメを観た後だったので、すんなり理解できてしまいました。原作だけ読んだらどうだったんだろう。

 一連のストーリーの中で「人の世に確かに存在する見たくないもの」はだいたい見せてもらいました。疲れました。
 ものすごい色々なことを考えさせられましたが最終的に3つ。
・正義と愛はもうよくわからん。関わりたくない。(おいw)
・「遠くからの声」ってこんなダサいんだ。
・湯浅政明監督は地上の星を教えるツバメ。

 単純にわからなかったのは「神は攻撃を開始した。人間には手を下さず、悪魔だけを」みたいなことを了が言ってたけど、あれは原作にはない設定だし、結局その後は神の追撃(人間に加勢する様子?)もなく、人間も滅び、結局地球も神によって第二の月にされてしまったわけで、なんか意味ない設定だったかなあと。もしかして神が無差別爆撃するような展開はキリスト教からクレームきたりするのかな。まさかね。
 ↓以下、うじうじ考えている。
{netabare}  あと「愛、人の心」ってバトンでほかの人に繋ぐようなものなのかな、と。明→了でバトンを渡したいけどつながらないっていう展開はもちろんわかるけど、明はミキから、ミキはミーコからそれを貰ったのか……?ミキに関しては「知ってた」って言ってたけど……。でもこのへんを否定しちゃうと陸上部っていう追加設定がまるまる意味なくなっちゃうな…。
 あ、違う。わかった。ミーコ→ミキ→明→了っていう順で、「対立する存在だったのに愛した」っていう共通点がある。つまりはそれが無償の愛?それが湯浅さんがデビルマンという漫画に感じた真実?でも明は最後までは了を愛していない。むしろバトンの向きはミーコ→ミキ→明←了で終わる。最後の殺し合いが明から了への愛なのか?あの、仲間を千切って武器にするような惨劇が?それとも遥か昔、猫をめぐって「対立したのに愛した」あの時に、明の役目は終わっていたとでもいうのか?
 それすら否?ミキが死んだあの時から、リレーの完成はもはやあり得なかったのか……? よくわからない。
 あと明を「純粋な正義、人間の味方」とは思わない。彼は明らかに「知り合い」が死んだときと、「人間」が死んだときの怒り方が違う。「人間を守る、人間のために」というのは大義名分で、真意をあからさまに言えば「俺の仲間に指一本触れさせねえぞ」って感じになる。でも人間が死んだときもちゃんと悲しんでいるし、考えてみれば知り合いのほうが感情が大きくなるのは純粋なことなわけで。そうなると私が認める正義とは了のように合理的に無感情に「人間平等に救います、悪魔平等に殺します。行ってきまーす」みたいな存在なのか?それはそれで違うような……。
 あと自分でもびっくりだが、ミキがSNSでみんなに思いを告げる感動的な(はずの)シーンが、全然心に来なかった。これはもちろん、「私が何も知らない、このSNSを見ただけの人だったらどう感じただろう」という気持ちで見たからだが、ほぼ画面に流れる言葉と同じようなことを思った。現実だったとしても私は「なんだこいつ、怖っ」と思って画面を閉じるだけのモブだったと思う。だって松居一代さん事件がそうだったから。あの事件とこのミキのSNSでの告白になんの違いがあるのか。当人は心から必死に訴え、しかしほかのメディアでは違うことを言っているという、あの状況に。
 このアニメで流れる軽薄な外野からの発言を見て、「あいつらは酷い奴だ。俺はあいつらとは違うから、ちゃんと真実を見極めるんだ」と思っているならば、そうじゃない。
 そんなの絶対無理。あれに居合わせて「聡明」という体裁を保ちたいのであれば、何も発言しない以外にない。私のように、画面の向こうでこたつに入って鼻ほじりながらスマホをスイスイやっている人間に、当事者だけが知っている真実を見極めることなど絶対にできない。
 それが怖い。あんなダサくて、軽薄で、泥を煮詰めた混沌の底から浮かび上がる臭いあぶくのような発言をしたくない。しかし画面をのぞき込む以上、私は常にそっち側にいる。それが怖い。
 それが怖い、というのが、このアニメで得た私の武器。
{/netabare}

 話を戻すけど、了はなぜ死にかけた猫を殺そうとしたんですかね。
 本当に合理的な考え方しかしないなら、あの場面では死にかけの猫なんかほっといて三味線の練習でもすればいい。「雑菌まみれの禿げた雑巾にカッターを突き刺しても刃の無駄遣いでしかない」と思わなかったのか。「苦しんでるから、解放してあげよう」っていうのも、慈悲の心なんじゃないですかね。「りょうちゃんも泣いてる」っていうのは、それを感じ取ったからの言葉かもしれません。
 つまりあれは思い返すと「二つの正義が戦ってるだけのシーン」だったのかも。いや、もっと言えば「悪魔の側」も「人間の側」も正義としてなんの違いがあったのか。「人間の側」なら正しいのか、「弱い側」なら正しいのか、「他人を助ける側」なら正しいのか、「愛がある側」なら正しいのか。
 うん。やっぱ正義とか愛とかわからん。むりぽ。

 湯浅政明さん、知らない間に有名になってました。いや、私が知る前から数々の賞を取ってたっぽいんで「さらに有名になってた」っていうほうが正しいのか。たぶん近いうちに表のメディア(?)にも出てくる存在になりそうです。君の名の新海さんといい、宮崎駿さんの引退?を受けてアニメ監督戦国時代が始まってたんですね。私は誰押しで行こうかなー。オッズ高そうだからスタジオ六花にしとこうかな(笑)
 今のところ私が知ってる湯浅さんの魅力は「原作選び」と「原作への深い理解」という2つで、挑戦的な絵の躍動感はその結果かなあ、みたいな認識です。森見登美彦さんとか松本大洋さんとか。
 今回のアニメのコラムをネットでぱらぱら読んでたんですが、やっぱり原作を理解することには相当力を入れているようです。今まで「天才を理解する天才」かと思ってましたが意識したうえでの努力の結果なのかもしれません。
 というわけで逆に気になり始めたのが「夜明けを告げるルーのうた」で、こっちは原作のない湯浅政明さん自身が見れそうです。全然詳細を知らないけど、ポニョじゃないんだよね……?まあ気が向いたら見るってことで。
 っていうか公開時期的に「夜は短し」はただの客集めで片手間で作ったのか??くそう、片手間で私の心をつかみやがって。

 あ、あと書き忘れてましたが9話
 {netabare} あれでいいですよね。あれがあったからこそデビルマンという物語が後世に残ることになったんですよね?多分。永井豪さんも「それまでの展開を否定することになるから、やるしかなかった」みたいなことをネット記事のインタビューでおっしゃってました。
 逆になんか、うーん、現代の漫画ももっとこれやったほうが……。
 しっかり設定がある重要人物で、主人公に近くて、主人公の周りの人とも今後どんどん絡んでいって物語を紡ぐだろうと思われる人物で、むしろそのキャラが今後の展開を引っ張っていくだろうみたいな。これまでのストーリーで主人公たちと積み重ねてきた歴史があって、なにより「絶対にこいつだけは死んじゃダメだろ」と思われるようなキャラ。
 そういうキャラが全く唐突に、道半ばで、何度も助かりそうなフラグを立てながら、無残に、「その展開だけはやめてくれ」と読者に思われながら、それでも妙にあっさりと死んでいく。
 それが「戦闘」ってもんなんじゃないですかね。
 いや、戦闘というものについてあんま知らんけどさ。
 死ぬために出てきたようなキャラが慌ててフラグ立てて死んでもなんか逆に命が軽く感じてしまうというか……。
 でもわかる。物語の筆者的にもこういうキャラを捨てたくはないんだろうなあ、と。一番手塩に掛けたキャラだろうし。でもそこを一歩踏み出すと名作になるのかなあ、ってちょっと思いました、まる。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 19

82.4 2 大人向けアニメランキング2位
PSYCHO-PASS サイコパス2(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (2237)
12452人が棚に入れました
システムが正義を下し、銃が人を裁く近未来。
銃の射手として犯罪者を追う刑事たち。
システムを逸脱する犯罪に直面したとき、果たして──

人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった近未来。人々はこの測定値を「PSYCHO-PASS (サイコパス)」の俗称で呼び、その数値を指標として「良き人生」をおくろうと躍起になっていた。

犯罪も数値によって対処される。厚生省公安局の刑事たちは、高い犯罪係数を持ち犯罪者の心理に迫る猟犬「執行官」と冷静な判断力で執行官を指揮するエリート「監視官」がチームを組み、包括的生涯福祉支援システム「シビュラシステム」によって解析された犯罪に関する数値「犯罪係数」をもとに、都市の治安を守る。彼らは、数値が規定値を超えた罪を犯す危険性のある犯罪者「潜在犯」を追い、「犯罪係数」を瞬時に測定し断罪する銃「ドミネーター」で執行するのである。

「犯罪係数」が正確に解析できない「免罪体質者」槙島聖護の事件を経て、刑事として成長し、シビュラシステムの真実を知るに至った監視官の常守朱は、人間性と法秩序を信じながらもシステムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。

システムを揺るがす怪物が、すぐ目の前まで忍び寄っていることを知らずに──

声優・キャラクター
花澤香菜、野島健児、佐倉綾音、藤原啓治、櫻井孝宏、伊藤静、沢城みゆき、浅野真澄、井上麻里奈、木村良平
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

新生公安一係

人の個性、感情などを完全に数値化した世界で
執行官(犯罪計数が高く犯人逮捕にのみ世間と関われる者)と
監視官(執行官を監視するもの)がチームとなって事件を解決していくストーリー。
本作は1期から一年半後からのスタート。


今期のストーリー物の本命はコレ。
秋のラインナップを見る限り、他に奥深さを持つ対抗作品も無さそう…かな。
音楽も相変わらず良いし非常に楽しみな超期待作。

あれから一年半の歳月が過ぎ、朱は狡噛イズムを継承し更に成長しているようです。
凛然とし観察力&プロファイル力もUP。デコポン撃った後はかなり決まってました。
シビュラ頼りではなく自分で考えて行動する逞しさも持ち、今や公安のエースです。

王陵事件で親友を殺され涙した霜月ちゃんも立派な社会人。
あの後、色々と決意しここに至っている事が伺えます。
「先輩は間違っている!」
彼女なりの経験から導き出された正義が朱とぶつかっていきそうです。

他にも「訳」と「一癖」をもってそうな二人の新たな執行官が加わった
公安一係の活躍が楽しみです。


注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※1話感想{netabare}
「表」の事件は朱の判断もあり犯人確保で決着。
さり気なくドミネータの3形態を紹介していたり、
執行官を一係では人として扱い、二係では駒として扱い対比させたりして
導入としては上手い見せ方でした。
冒頭がクスリのCMでしたから今期は薬絡みなのかな?というのも予感させます。

そして成長した朱の裏の裏を突く新たな知能犯、鹿矛囲桐斗の登場で
物語に深みある期待感が漂っています。
どうやら数値以外も完全コピーするヘルメットの強化版の様なものを持っている様子。
うーん、強敵要素満載ですね。
公安一係との戦いを予想を交えながら観て行きたいと思います。
{/netabare}

【予想】メッセージ「VVC?」の第一印象{netabare}
パッと見てトイレ?とか思ったけどね。(笑)
反転や鏡面で見ても何も無さそうです。
最後の「私という色を問う私自身の戦い」
と言う台詞通り、色に関係してそうなんですけどね。
何色にも染まる白色「WhiteColor?」なのか、
WはどうもVが重なったような書き方なので「ViVid Color?」
お前の原色は何だ?と言う問いになってるとか、そういう感じかな。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
捜査を進める公安だが次第に深まる謎や違和感。
朧気に共犯者の影にも気付く朱達はホロに隠れた透明人間を見つけられるのか…?

しかし今回のトリックはヘルメット以上の難物ですね。
鹿矛囲はどうやって喜汰沢に近づきどうやって色相を戻したのか?
ホロコーティングで人やカメラの目を騙してよしんば侵入できたとしても
他人の色相変える能力は何だろう?催眠術くらいじゃ無理だろうし…。
またシビュラが欲しがりそうな人材ですね。

喜汰沢は折角前回助かったのに…いや助けてもらったのに結局エリミネーターの餌食。
鹿矛囲は必死に喜汰沢を逃がそうとして叶わず朱を恨んでたみたいだけど
逆恨みじゃん。
お前が余計な手を出さなきゃ少なくとも生きてたし
時間かかっても回復に向かっただろうに…。

今の所、鹿矛囲なりの正義の形が見えないのでこんな感想になってますが
1話の事件起こした時から既に色々あるんでしょうね。
彼の目的が見えてくればガラリと様相が変わりそうなので期待しています。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
悪魔の証明=『全く無い』事を証明するのは非常に困難の意。
朱たちは手掛かりを求め奔走するが未だ不明のまま鹿矛囲の存在だけが大きくなる。

鹿矛囲のマッドぶりが怖い。酒々井さんも可哀想に…。
青柳さんも含め今期序盤は二係にとっては試練ですね。
そのうち一係にも降ってきそうですが。

一期で逃亡した執行官は撃たれてたんですね。
公安の内情も知っているし、もう少し深く関わるかと予想してたんですが
意外とあっさり退場の様です。

雑賀さんは隠遁生活かと思ってたら変人施設に収容されてました。
でも意外と快適そうですが。
地味ですけど知的な言葉のやり取りは面白かっです。
自身への問いを敢えて投げかけ確かめている感じのする朱も
彼女らしくて聞き応えあるシーンでした。

鹿矛囲の目的が未だ判らず不気味さがじわじわと広がりを見せていて興味深い展開です。


予想の方は細かなヒントはあるもののまだ範囲が広く
『鹿矛囲は実は居ない(人じゃない)説』、『東金と繋がってる説』
等々、ぐるぐる巡っています。
『鹿矛囲=逃亡執行官説』もあったんですけど今回で可能性低くなりましたかね。
「WC?」=WhatColor?にも更に深い意味が隠されていそうな気もします。
もう少し整理がつき、絞れたらここにも書こうかなと思いますが
予断を許さぬ展開で隙がないんですよね。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
「監視官をドミネーターで裁けるのか?」を意図とした鹿矛囲の実験が成功。
まるで犯罪計数養成ゲージと成ったメンタルケア施設での結末は見るも無惨。

前半のドローンどうのこうのってのは中に酒々井さん入れて運んだって事かな?
別の用途もあるのかな?

直接描かれてはいないけど青柳さんと会話していた薬剤師くんが鹿矛囲のホロでしょう。
青柳さんが撃たれるのをしっかりとその目で確認した鹿矛囲の思うがままの事件。
何れは朱や公安、その先のシビュラにも牙が向きそうです。

でも、シビュラの意志(ドミネーターの判断)を無視してまで
市民を守り正義を執行しようとした青柳さんの刑事魂は天晴れでした。
結果として何一つ叶わなかったのが哀れで悔し過ぎますが…。
シビュラの判断のままその市民にまで引き金を引いた三係の執行と対照的で
どちらが正義なのか印象に残る事件でした。

その構図は一係の朱と霜月にも投影されていて、
何れはコチラも交錯しそうな匂いが強くなってきました。
霜月の銃口の向く先にも注目しないといけなくなりそうです。

1話の冒頭が『ラクーゼ』という薬のCMだったので今期は薬が絡むなとは思いましたが、
『Uストレス欠乏症』と言うのが物語の底にある様です。
自分の色を抑えてまでシビュラの社会に合わせる必要があるのか?
1期と似たような命題が突きつけられています。

※小メモ:鹿矛囲ホロの区別は雛河クンor水場近くでのノイズ
{/netabare}

※5話感想{netabare}
またしても鹿矛囲による公安を狙った罠が仕掛けられ
朱達が埠頭に集まった時、無人の軍事ドローンが暴走を始める。

雑賀さんがいつの間にやら分析官に召集されていました。
優秀で向いていそうなので活躍して行きそう。
おじさん不足だったし好きなキャラでもあるので結構嬉しい人事。

若さ故もあるんだろうけど霜月さんは相変わらずとんがっていて痛い。
禾生さんの「あれは食われるな」には即同意してしまいました。
近々やらかすでしょうね…。
1期からの流れを見ると買える所もあったはずなんだけど
一人空回りしてどんどん株が下がってしまってます。
公安への志望動機も王稜事件の後、正義に目覚めたんじゃないかと想像してたけど
六合塚さんへの憧れの方が強いのかも。

鹿矛囲の方はどうやらシビュラと昔関わりがあった模様。
正確にはシビュラの内の一人との関わりかな?
今回禾生さんに降りてきた人物とは旧知の仲な雰囲気でした。
個人的に引っかかっているのは
【予想】{netabare}ホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の飛行機事故。{/netabare}
ここで関わったんじゃないかと思っています。
埠頭にあった皮膚や臓器、手足も気になります。
ホロだけでなく人を作ろうとでもしてたのかな?
増田議員は作品なのかな?謎が深まります。

そして東金さん…朱の事を良く見てるな…とは思ったけどここまでとは。
犯罪係数レコードホルダーだっただけの事はありますねやはり普通じゃない。
写真は東金少年と祖母? 
赤ペンチェックしてたけど朱と目元口元とか似てるのかな? 
こちらの謎も深まります。

祖母といえば気がかりはのが朱の祖母。
朱の色相を濁らすのに利用され巻き込まれやしないかハラハラしています。
まぁ次回は朱本人がピンチなのですけどね。
{/netabare}

5話時点で色々と【予想】{netabare}
3話感想で少し触れましたが、
ここまでで私の中で出ている説や疑問を書き留めると共に簡単に紹介しておきます。

『鹿矛囲はいない(人じゃ無い)説』
鹿矛囲自体がホロや機械人形で犯人は別の所にいるのではないか?
という疑念があったのですが、涙や血の描写も出てきたので
少なくとも「中の人」はいる模様。
酒々井さんの眼を奪ったり埠頭に生体標本があったりするので
色々な人間のパーツの継ぎ接ぎで構成された者なのかも。

『鹿矛囲=逃亡執行官説』
公安の内情に明るいですし1期で逃亡した執行官が犯人なのかと疑いましたが、
3話で撃たれた事が判明し可能性は低くなりました。
青柳さんも鹿矛囲とグルって事は無さそうですし、
情をかけて引き金を引かずに逃がしたとなれば色相濁るのでそれも無さそうです。
あるとすれば青柳さんや検死、シビュラの目を完全に欺いたという事になるけど
ハードル高すぎる。

『鹿矛囲は東金と繋がってる説』
元セラピスト、親族が薬品会社経営、過去最高の犯罪係数と怪しさの三拍子が揃い、
5話では朱のストーカーなのも判明。
鹿矛囲の協力者や寧ろこちらが本当の黒幕の可能性もあります。
4話まではこの線が一番怪しく思えていました…が、
5話があからさまだっので直感的にはミスリードっぽく見えていて、
東金の本意は朱を守ろうとしている様に思えて来ています。
祖母か狡噛の絡みで『朱と繋がってる説』が生まれつつあります。
ただ「朔夜」という名前ですし月と太陽が表裏一体…つまりは二重人格で
裏の顔が鹿矛囲と繋がっている可能性はあると思います。

『飛行機事故怨恨説』
最初の事件のホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の事故が絡んでいる説。
鹿矛囲は事故の生き残り(顔の傷はその事故のものかも)または遺族で
飛行機を落とした犯人が今のシビュラを担う一人になっているとか、
乗客の中にシビュラのめぼしい人物がいて飛行機を落として手に入れようとして巻き込まれ
それに対して復讐しようとしている。
鹿矛囲が作るホロの元は全員乗客だった者かも。
怨恨ではなくとも
この事故が鹿矛囲、東金、シビュラの接点や引き金、起点の様なものになってはいそうです。

『名前から予想』
1期も「常守朱=サイコパスが平常を守りレッドゾーンに行かない」
「槙島(maximum:最大の)『聖護』」等、名前遊びがあった様に思うのでその観点から。
「鹿矛囲」にはシビュラの目をかい潜る神の衣、
「朔夜」には光と闇の二面性の意があるような気がしていますが他にも
今回、鹿矛囲の周りで目に付くのが『水』に関わる名前。
監視官の酒々井水絵やホロ元の染水、爆弾魔の喜汰沢も。
増田議員は無理あるけど「水増」や「水田」でなんとなく連想…。(笑)
今後、二係の蓮池クンや一係では雛河クンが鹿矛囲に関係してくるやも!?
『WC?』もWater Cleanup(水を浄化)みたいな意味もかかっているのかも。
公園にも増田の講演会場にも噴水があり、
メンタルケア施設にも池があり、下水道も埠頭も水場なんですよね。
強引な気はするけど無色透明なこの『水』をちょっと気にかけています。

『鹿矛囲複数説』
「鹿矛囲とは個人名ではなく神の衣(カムイ)を纏った者達の総称」なのでは?という考え。
鹿矛囲とは飛行機事故の被害者や遺族達が作った組織で有能な者が知識を共有する集団。
シビュラシステムに対して言うならカムイシステム。
シビュラの実行隊長が禾生さんならカムイは桐斗。セラピストや東金もカムイの一員。
ホロや生体移植、ハッキング、心理療法等を駆使してシビュラに対抗しようとしている。

今の所考えつくのはこんな感じかな。
まだ色々な可能性があってコレだ!っていう太い線は掴めてないです。
ちょいちょい掠っているとは思うんですが…。
何れにしても東金がどちらに転ぶかによって風景が大きく変わりそうです。
後は六合塚の親友リナやレジスタンスの動向が絡む余地があるのかな?って事と
朧気ながら朱がもう一人出て来そうな気がしてるんですけどね。
6話以降もどうなるのか楽しみつつまた何かあれば予想していこうと思います。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
三係に大きな犠牲を出しつつもチームワークと朱の活躍で生き残った一係。
鹿矛囲との対面を果たすが捕らえられず、未だ主導権は鹿矛囲に。

また死者が出るだろうな…と思っていましたが案の定。
三係はほぼ全滅。(パラライザで撃たれた奴は生きてる?)
前回に続き無能過ぎて流石に何しに出てきてんだよ!っと言いたくなります。
まがりなりにもシビュラ判定くぐってきた筈なんですけどね。
サブキャラが屑だと物語が安っぽくなってしまいます。

一係は須郷も含めそれぞれ活躍。特に朱のアクションヒロインぶりはスゴかった。
暗黒面が見えてきた東金と
雛河クンの「おねえちゃん」発言はちょっと引っかかりますけどまぁ無事で何より。
あ、言うまでもなく霜月ちゃんは安定の無能ぶりでした。
嫌いじゃないキャラだけど流石に良い所なさ過ぎ…
みんなに当てられて覚醒する気配も今の所無いし不憫な子。

しかしながらどれもこれも鹿矛囲の想定内。
エリアストレスも折り込み済みとは恐れ入ります。
みたらし(見たら死)ラーメンはキツイ皮肉でニヤッとしてしまいました。
甘じょっぱそうですが美味しいんでしょうか?
眼は移植してた様ですし、眼帯が似合う水絵ちゃんも完全に支配下。
躊躇無く元部下を抹殺して清々しい気分になるとはね…。
『WC?』にはWorldCreate=世界の創造って意味もあるのかな。
着々とドミネータを我が物としシビュラへの一撃を企てている様で次回も気になります。
(奪われたドミネータはOFFに出来ないの?って疑問はあるのですけどね。)
{/netabare}

鹿矛囲をドミネータが認識しない理由【予想】{netabare}
①『居ない者説』
鹿矛囲は飛行機事故で死亡扱いになった人物の可能性があり、
実際は命を取り留めましたが記録上では居ない(データに無い)事になっている。

②『ツギハギ説』
酒々井の眼だけでなく多くの者(Uストレス患者含む)の部位を繋ぎ合わせているので
「個人」として認識できない。

他にもハッキングや機械人形とか禾生さんの様な複数の人物の器だとか考えられたけど
どれも穴があって没りました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
鹿矛囲の存在が確定しその正体に迫っていく一係。

朱のおばあちゃん登場…似てて可愛い。
ドローン暴走の報には流石の朱もやや取り乱し、大切な存在なのが伝わります。
『朱←→葵』補色の関係にもあるし色相を黒くするのに関係しそうでやはり気がかりです。
今期はキャラの扱い乱暴だけどおばあちゃんに関しては人質程度で死なないで欲しいな。

事件はやはり飛行機事故と大きく関わってきました。
シビュラも噛んでいそうですし、
東金も元執行官と判り15年前に犯罪計数跳ね上がった事とも関係していそう。
諸々の予想もなかなか良い所突いていて考察の甲斐が出てきて楽しめています。
ドミネータを集めた鹿矛囲の次の行動にも注目が集まります。
{/netabare}

[番外~2期の不満を少々]{netabare}
楽しみながらも1期に比べちゃうと色々と雑で安っぽく不満な所もある2期。
ここらで不満も纏めておきます。期待の裏返しでもありますが…。

・殺戮のインフレ
殺戮や暴力は衝撃的だけど要所要所で決めて欲しい。
折角1話では民間人を巻き込まない犯行だったのに段々と無差別に。
一歩譲ってストレスケア施設は仕方なかったとしても港は完全に無意味な民間人殺戮。
鹿矛囲の訴えの正当性も弱まってしまわないか?

・霜月ちゃん貶めすぎ
1期では学生ながら勘の良さと正義感を持ち、
そして軽率な言動で友達を失った後悔もある中で意を決して監視官の道を歩み始めた彼女。
良い返事&活きた眼をしていた彼女がこんな残念なキャラになるとは
信じられないし信じたくない。
そりゃ鼻っ柱は強かったけど良い娘だったんだよ!?
既に時遅しなんだけどそれでも覚醒して欲しいキャラです。

・二係、三係無能すぎ(青柳以外)
監視官も執行官もシビュラ判定で適正がないと成れない筈なんですが心身共に脆弱すぎる。
安物のアクション映画みたいになるので大概にして欲しい。
散るなら散るで気骨が見えないと意味がない。
1期はサブキャラも含め有能な者同士の凌ぎ合いでハラハラさせ
作品を高尚なものに引き上げてたのですけどね…。

・多くの臓器移植はサイコパス移植に等しい?
シビュラ判定は思考とその傾向から判定してる…つまり脳を見ているので
他の臓器は関係ない筈なんだけどね。
泉宮寺も全身機械に変わってたけど数値はちゃんと反映されていたし。
移植は一応自分でも予想してたけど、この辺の事は引っかかってて腑に落ちなかった点。
もう一押し説得力ある描写が欲しいです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
ついに鹿矛囲の透明人間化の謎に到達、そしてシビュラと東金の関係も…。

鹿矛囲のツギハギには注目してたけど
まさか脳7人分、体をを184人分とは恐れ入りました。
医療の進歩と言っても生きているのが不思議で怖い。
でも多脳移植以外では辻褄合わないなと思っていたのでその点はまぁ納得。
それにしても増田達の替え玉が密入国した者ってのは、もの凄い裏技。
でも宜野座の言う通りなぜなんだろう?
鹿矛囲に心酔する要素が無いし日本語も堪能ではない筈なのに…。
脳の部位を用途に合わせて組み合わせて移植しているのかな?

5話で禾生さんに降臨したのが東金ママでしたか。
老けてるから祖母とか言っちゃってましたが…。
これで一気に繋がって来ました。
交通分野で成果を上げていたパノプティコンに取って代わる為に
シビュラが干渉し飛行機の墜落も巻き起こしていたのでしょうね。

霜月ちゃんは今回、彼女なりにいい仕事してたんですがね。
脳移植技術はシビュラの種の一つですから…パンドラの箱開けちゃいましたね。
次回は彼女が墜落してしまう様です…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
シビュラの秘密を受け入れた霜月。
霜月をも取り込んだシビュラとその申し子東金は
朱を黒く染めようと動き出す、鹿矛囲を葬るために。
一方、鹿矛囲は「地獄の季節」を黙認した役人達を粛正し、いよいよ対決の時が近づく。

東金は完全に暗黒化。出自の謎も大分明らかになってきました。
東金ママとは血縁関係では無い感じかな?生みの親なのは確かですが…。

そして、やはり気がかりだったおばあちゃんが…。
無事…とは言え無くなってしまいましたが解放を願ってやまない気持ちです。
親友を目の前で殺されても色相が変わらなかった朱が
この件で変わるのか疑問もありますが興味も高まってきました。
今回の拉致、東金が鹿矛囲側に情報リークして起こさせたと思いましたが
「朱を試したい」東金と桑島の共謀の様です。
鹿矛囲と桑島では朱に対する考えが違うようですが
桑島と通して間接的には東金も鹿矛囲と繋がりがある事が判り、もう一波乱ありそうです。

霜月ちゃん、色相が濁るかと思ったけど
良いのか悪いのか全てを受け入れ抵抗せず流されてしまいました。
シビュラの元で育った世代ですからね、ゆとりならぬシビュラ世代と言うことでしょうか。
ここまで自分の意志・自我を捨てられたら大した者かも。
感情的で尖った性格の割には…っと、オカシくも感じましたが
全てに於いてシビュラ絶対主義者なら言いなりもありえるのかな。
(1期の彼女の印象とは違ってきていますが…)
それでも朱のおばあちゃんを助けられる可能性があるとすれば彼女なので
覚醒を期待してしまいます。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
東金の魔の手により黒く染まり掛かる朱だったが
彼女の経験や信念、心で息吹く狡噛の存在により回避。
思考を巡らせ辿り着いた結論へ向かい歩み出す。

懸念だったおばあちゃんが…ううっ。
何かのトリックであって欲しいけどそれは無理な様子。
2期の殺伐とした雰囲気の中、ここだけはホッとした展開になって欲しかったんだけどな…。

そんな状況でも自分を保ち己で考え動く朱がカッコ良く
悟りを開いた全能感すら感じてしまいます。もう狡噛さん越えてる!?
全てを見通し独りでシビュラに問いかける存在にまで成長するとは!
…まぁ、やりすぎな気もするけどね。

朱、鹿矛囲、東金と三つ巴の状況で気になる佳境へ向かっています。
あぁ霜月ちゃんが蚊帳の外すぎる。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
いよいよ審判の時。
シュビラは集合体である鹿矛囲、そして己自身の存在を認識する事となる。

自分自身が消える事も含め鹿矛囲の計画通りという感じの幕引き。
184人の生きた証・生き様を感じる事もできましたが、
無駄な血が多く流れ過ぎていて大義が薄く同情は出来ないです。
「地獄の季節」の役人の粛正と公安の数名の犠牲は仕方ないとしても
一般人をターゲットにした殺戮は過剰。
これだけの計画遂行能力があるなら被害を少なくする事も出来た筈。
人の命を大切にする努力の跡や描写があれば彼の死にも感動でき
余韻に浸れた気がするだけに勿体無く思います。
殺戮の衝撃を入れたいあまり、人の心の琴線に触れるのを放棄してしまった様です。
感激より刺激を優先したツケが最後に回ってきたという所でしょうか。

また、鹿矛囲が東金美沙子を撃った所も少し違和感がありました。
ココで引き金を引けたのはシビュラ自身が「集合的サイコパス」を認めたからで
東金美沙子個人を裁いた訳ではない(個人は免罪体質者)のだけど、
「これがお前の色か、東金美沙子」など台詞や言動が個人を裁いた様に見えました。

東金に関しては自身も暗黒に染まり
知的で有能な部下から愚直なマザコン殺人鬼への墜ちぶりが衝撃と共に描けていたと思います。
憎たらしさ満点で許しがたい存在という役割を十二分に果たしていました。

朱は後半から特にスーパーウーマンぶりに拍車が掛かり過ぎていて
(考えて行動できる)人間代表というキャラの位置を飛び越え全能なる審判者の様に。
最終話でも全てお見通しで体術でも東金を圧倒(2話でその体術に朱自身が驚いた相手)
狡噛が居ない分、全てを背負わされてしまっておかしな事に。
アクションなら宜野座や六合塚、知識なら唐之杜や雑賀など一係のメンバーで
負担し合うべきだったと思います。
朱だけが打って投げて守って大活躍で他メンバーが外野で見せ場も無いのでは不満も残ります。
(唯一雑賀はキャッチャーしてましたが)
一期では素晴らしかったチームワークが薄れていたのは残念です。

(考えない人間代表の)霜月さんへの不満の詳細は既出なので省略しますが
一期には確かにあった意志や個性が見る影もなく…
彼女はシビュラに流されて公安を選んだ訳ではなく、己の意志でこの道を選んだ筈なのに。
最後にフラグめいたものも立ち【予想】{netabare}いずれは大好きな六合塚さんに殺されそう{/netabare}な気がします。

邪魔者が全て消え、後腐れのない終わりでしたので改めて3期を楽しみにしようと思います。
{/netabare}

【総評】
内容的なものは毎話感想に書いてしまったので割愛。
鹿矛囲の正体を中心に予想を絡め1クールで観られるサスペンスとしては楽しめましたが、
サイコパスのファンである自分としては不満も残る内容でした。

映像作品に関しては「2」は「1」を越えないのは宿命なのでしょうけど
もう少しやれた様に思いますし、
前作のキャラを過分にイジってしまうと(朱は昇華させ過ぎ、霜月貶め過ぎ)
前作にもキズが付くのでもう少し初期設定を大切にして欲しかったです。
まぁ、過剰に期待しなければ楽しめる出来ではありますが
サイコパスが好きなら期待してしまいますよね…。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 59

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

BD『劇場版 サイコパス』初週で2万3千枚以上のセールス! 初登場オリコン総合BDランキングでの気になる順位は……

人々の精神が数値化される近未来で、正義を問われる警察のドラマを描く人気アニメーション作品『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ。

7月15日(水)に『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』Blu-ray&DVDが発売となり、7月27日付のオリコン総合Blu-rayランキングにて、Blu-ray Premium Editionが初登場1位を記録!

さらに、Blu-ray Standard Editionは総合Blu-rayランキングにて9位にランクイン! DVD Premium Editionは総合DVDランキングにて3位! また、DVD Standard Editionは10位と、それぞれがチャートの上位にランクインしました。

総合1位となったBlu-ray Premium Editionは、初週で23,000枚以上のセールスを突破し、大ヒットを記録。現在も好調な売上げを記録しています。

『PSYCHO-PASS サイコパス』は、『踊る大捜査線』シリーズを生み出した本広克行氏(総監督)が新たに挑む警察ドラマであり、『魔法少女まどか☆マギカ』を手掛けた虚淵玄氏(ニトロプラス)が緻密且つ大胆に書き上げたディストピアSF作品。TVシリーズ放送終了後も、劇場版の公開をはじめ、様々な展開を発表しています。

【アニメキャラの魅力】シビュラ的「理想的市民」!?新人監視官「霜月美佳」の魅力とは?
ノイタミナ枠で2期まで放送された『PSYCHO-PASS サイコパス』。「シビュラシステム」という統治機能に支配された近未来の日本を舞台に、支配下の平穏と精神の自由の拮抗が描かれたSFアニメです。この世界ではシビュラシステムによって人間の精神が「サイコパス」という数値として測定され、犯罪係数の基準値を超えると有無をいわさず「潜在犯」として逮捕、もしくは殺害されることで治安が維持されています。シビュラシステムの導入により警察と裁判システムがなくなったこの世界で、犯罪捜査から潜在犯に対する対処までを担うのが、シビュラシステムとリンクした銃「ドミネーター」を持つ監視官と、監視官の下で「犬」として働く潜在犯である執行官です。

今回ご紹介する「霜月美佳」は、主人公「常守朱」が所属する厚生省公安局刑事課一係に配属された新人監視官です。

■「六合塚弥生」への憧れ
霜月は本作1期で起こった女子校での「王陵璃華子」による猟奇殺人事件で初登場しました。当時は高校生で、幼なじみの「大久保葦歌」と「川原崎加賀美」を殺害されています。加賀美が殺されたのは、璃華子の危険性に気づいておきながら、加賀美が葦歌のことばかりを気にして自分の事を見てくれないことへの嫉妬から、璃華子を訪れることをすすめたためで、そのことに後悔の念を抱いた霜月は、事件の捜査に来ていた執行官の「六合塚弥生」に慰められ、その胸で泣いています。

その後公安局に配属された霜月は、他の執行官には尊大な態度を取りながらも、弥生だけは“さん付け”で呼び、プライベートでは仕事の相談をしたり弱音を吐いたり。弥生に対しては顔を赤らめるなど仄かな想いを抱きながらも、実は弥生が分析官の「唐之杜志恩」の恋人であることには気づいていない様子です。

■朱と鏡合わせのキャラクター
サイコパスはその状態が「色相」として表わされます。サイコパスの数値が正常であるほど色相はクリアになります。そして霜月は、自分の色相がクリアであることに異常な執着を持っています。

もともと高校生のころから、学校で「よくないこと」が起こっていることに気づきながらも「近づくと危ない」からと、事なかれ主義の性質がありました。それが監視官になってからは顕著になり、職務に対してはマニュアル通りであることを良しとし、色相が濁らないように“自分に責任がかかること”を極力避けています。

これは、自らの色相が濁ることなど気にせず、「狡噛慎也」の薫陶を受け事件の表層よりもその背後に隠れる真実を探ろうとする朱とは正反対で、そのためか後輩でありながら常に反抗的な態度をとります。

また、法は遵守すべきとしながらも、法はあくまで人間のためにあるべきであるという朱とは逆に、霜月は法に対して思考停止した盲従を見せます。潜在犯を毛嫌いし、同僚といえども潜在犯である執行官は監視官の盾になるべきと思っており、潜在犯であろうと極力命を守ろうとする朱の行動を理解しようとしません。

■理想的市民
シビュラシステムの正体は、「免罪体質者」と呼ばれる人間の脳の集合体で、将来的には市民にその正体を明かし、それでも市民がそれを了解した上で統制を享受する社会を実現しようとしています。それを知った朱は、治安を維持するためにシビュラの存在を容認しながらも、いずれシビュラを必要としない道を人間が見つけ出せるという希望を示し、シビュラには服従せず、利用するというスタンスをとっていました。

しかし、シビュラの正体を知らされた霜月はそのシステムを褒め称え、一切を忘れると宣言。その姿はシビュラをして「理想的市民」と言わしめました。そのような霜月の姿は、矛盾に気づきながらも目をそらし、他者を蔑むことで自らを高いところへ置こうとする現代日本人への皮肉のようでもありました。

シリーズを通して朱は主人公らしく人類の英知に期待を持っていますが、それはシビュラの言うように楽観的過ぎるともいえます。一方「霜月美佳」は、視聴者からのヘイトを集めるキャラではあっても、実際の大衆はシビュラが目論む通り、その支配に盲従してしまう事でしょう。理想に対する現実を見せる役割を持たされた「霜月美佳」。見方によっては“貧乏くじをひいたキャラ”といえるかもしれません・・・。せめて「弥生」が別の女性と恋人関係にある事を知り、彼女の色相が濁ることがありませんように・・・。

【アニメキャラの魅力】公安局の前に立ちはだかる最悪の犯罪者「槙島聖護」の魅力とは?
近未来の日本が舞台。「シビュラシステム」の導入により、人間のあらゆる心理状態や性格を数値化し、その値を「PSYCHO-PASS(サイコパス)」と表現するようになりました。

厚生省管轄の警察組織「公安局刑事課」の監視官である「常守朱」や執行官である「狡噛慎也」を中心に、犯罪者との戦いや「監視官」と「執行官」の立場の違い、「シビュラシステム」のあり方に焦点をあてて物語は進んでいきますが、物語第1シーズンでは陰で暗躍する「槙島聖護」が物語の中心人物の1人となります。

■表、犯罪者として公安局に対峙する
年齢や過去、経歴等のデータは作品中において、謎に包まれています。「人間は自らの意志で選択・行動するからこそ価値があり、魂を輝かせることが出来る」という思想のもと、シビュラシステムの存在に疑問を投げかけており、数多くの事件の首謀者として陰で暗躍。公安局刑事課の前に立ちはだかるのです。

序盤は、槙島自身が手を下すことはあまりありませんが、話が進むにつれ徐々に槙島自身が直接事件にかかわるようになります。朱と同じく、サイコパスが悪化しにくいという特性から、シビュラシステムにより潜在犯として判定されず、朱や狡噛を苦戦させます。公安局の執行官である狡噛に興味を持っており、物語の中盤ではシビュラシステムの正体を自身の目で確かめるよりも、狡噛との戦いを優先したりも。

身長180cm、体重65kgで、身体能力は非常に高く、1対1の格闘戦では狡噛を戦闘不能に追い込んだほどの腕の持ち主。とはいえ、朱に不意をつかれるあたり、詰めが甘いところもあるようです。

あらゆる作品の「悪役」と違い、本作品では公安局の執行官が犯罪者に手を下すシーンも数多くあることや、シビュラシステムの正体から、槙島の存在自体もかなり主人公に近い位置にいるといえるでしょう。

■裏、意外にもオシャレに気を遣う?日常の姿
多くの他作品の悪役と違い、物語当初から槙島の登場するシーンは多く描かれています。槙島は読書家で、作品中で主流の電子書籍ではなく、紙の本を好んでいます。読む本のジャンルは純文学、ミステリー、戯曲、SF、怪奇小説、哲学書、政治書、ノンフィクション、聖典など多岐に渡り、また、犯罪協力者との語らいのひと時など、穏やかな日常(?)も描かれています。登場する度に服装が変わるあたり、オシャレにも気を配っていると思われます。

「槙島聖護」の存在なくして『PSYCHO-PASS サイコパス』は語れません。

【アニメキャラの魅力】公安局刑事課の新鋭!監視官「常守朱」の魅力とは?
近未来(2112年からスタート)の日本が舞台。「シビュラシステム」の導入により、人間のあらゆる心理状態や性格を数値化し、その値を『PSYCHO-PASS(サイコパス)』と表現するようになります。これがこの作品のタイトルにそのままなっており、厚生省管轄の警察組織「公安局刑事課」の監視官であるである「常守朱」を中心に、犯罪者との戦いや「監視官」と「執行官」の立場の違い、「シビュラシステム」のあり方に焦点をあてて物語は進んでいきます。

■監視官「常守朱」とはどのような人物?
2092年4月1日生まれの女性で、作品初期では20歳。血液型はA型で、身長163cmのスレンダー体型でショートボブのボーイッシュな女の子です。ちなみに千葉県出身。

公安局刑事課一係に所属し、物語開始時に刑事課に配属されたばかりの新任監視官。性格は「不器用だが天真爛漫で正義感が強い」と評され、作中でもこの性格がうまく表現されています。物語が進んでも独身・・・。今日も公安局は大忙しです。

■朱の監視官としての「顔」
学生時代、職業適性診断において、あらゆる官公庁の職業にトップレベルの適性を示しており、非常に優秀な成績です。その中で、同期生の中ではただ一人公安局監視官としての適性があると診断されたことから、監視官の職業を選択することになります。

正直、あらゆる選択肢から「楽ができる」方向へ流れていくのが人としての常であるように思えますが、朱があえて公安局という苦難の道を選択したのは、それだけ自分の中に強い信念があるから。朱の魅力はこの信念に基づいているといえます。

監視官という職業は、実際に犯罪者に手を下す「執行官」を監視する立場であり、常に犯罪に直面するストレスから、サイコパスの状態が悪くなると“監視官から執行官へ降格”という処分が下されます。実際、朱も親友が目の前で殺されたり、犯人を捜査するため、そのシーンを追体験することとなり、常人なら執行官への降格するほどサイコパスの状態が悪化するであろう事件を多く体験しながらも、降格のような著しいサイコパスの悪化はありません。作中ではお酒を飲みませんが、途中から喫煙するようになるのは、やはりプレッシャーやストレスがあったからかもしれません。

■朱の女の子としての「顔」
監視官の顔とは相反する、女の子としての顔は作品中ではあまり多くは描かれていません。それでも仲のいい親友である「ゆき」と「佳織」と進路や仕事の事を相談していたり、外出時の服装選びについ時間をかけてしまったりも。外出時の服装は、女の子らしさを追求したかわいらしい服装が多い一方で、家では下着姿でうろつくなど、監視官の時には見られない“生活感”を感じる場面もあり、彼女の女の子らしい魅力が随所に表現されています。

また、とてもおばあちゃんを大切にするおばあちゃん子であり、公安局入りについて両親に相談するなど家族との関係も良好のようです。ネット上では、レモネードキャンディという名前でチャットやネット上の仮想空間に出入りするなど、時代相応の若者「らしさ」が出ており、うまく物語にも生かされています。日常生活では、親友と遜色ない「女の子」の朱。公安局所属の朱を彼女にするなら、それこそ自分の命をかけるくらいの覚悟が必要です。

作品が進むにつれて女の子としての顔よりも監視官としての顔が前面に出て「表情がだんだん無表情になっている」との意見もあります・・・。これからも、彼女の公安局の第一線での活躍を期待したいところですが、一方で文部科学省の役人になった朱の姿を見てみたい気もしますね。

2014年素晴らしかったアニメって何?
■ 新編集版、2期と続いた『サイコパス』に支持集まる
2014年はアニメ本数の多さが話題になった年だった。本数の多さだけでなく、話題作、良作も次々に飛び出した。
そうしたなかで読者の支持を最も集めたのは『PSYCHO-PASSサイコパス』だった。2014年夏の新編集版、秋からの『PSYCHO-PASSサイコパス2』など多様な展開をした作品だが、無表記の票のみでも1位となったため、これらをまとめて『PSYCHO-PASSサイコパス』として集計した。
すでに記事で紹介した「2015年劇場上映アニメの関心度」ランキングでも、 『劇場版PSYCHO-PASS サイコパス』が1位になっている。作品への高い人気が窺える。

決定!2000年代以降のオススメアニメ
日夜放送されているTVアニメ作品。2000年以降に限っても、多くの名作が放送されているが、その中でオススメの作品はどの作品だろうか。教えて!gooにも、「2000年以降でオススメのアニメ作品を3つ挙げると」という質問があった。
「2000年以降の作品(TVアニメ・OVA・劇場版)であなたのオススメ3作品を教えていただきたいです」とのこと。どんな回答が寄せられたのだろうか。

■あなたのオススメ作品は?
回答の中で一番多かったものはなんだろうか。
一番多かったのが、「魔法少女まどか☆マギカ」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「日常」の3作品。

魔法少女まどか☆マギカ
新房昭之×虚淵玄×蒼樹うめ×シャフトが描くオリジナル魔法少女物語
「化物語」「ひだまりスケッチ」シリーズなどヒット作を多数手がける新房昭之監督とシャフトがタッグを組んで送る初のオリジナル作品として注目される本作。
脚本をPCゲームメーカー「ニトロプラス」所属のシナリオライターとして、その重厚な作風でファンを魅了し、小説「Fate/Zero」でもその才能を如何なく発揮した虚淵玄、「まんがタイムキララCarat」(芳文社刊)連載中の「ひだまりスケッチ」原作者・蒼樹うめが、初のオリジナルアニメのキャラクター原案を担当する。

大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんなどこにでもある日常。
見滝原中学校に通う、普通の中学二年生・鹿目まどかも、そんな日常の中で暮らす一人。
ある日、彼女に不思議な出会いが訪れる。
この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。
それは、彼女の運命を変えてしまうような出会い―
それは、新たなる魔法少女物語の始まり―

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
アニプレックス、フジテレビ、A-1 Picturesが手がける完全オリジナルアニメーション企画「ANOHANA PROJECT」として2010年12月に始動した。

幼馴染の死という過去を抱えた若者たちの淡い恋や罪の意識、絆や成長といった内容を扱う、ドラマ性を重視した内容が志向されており、物語の展開に従って複雑化していく人間関係なども描かれる。死んだはずの幼馴染であるヒロインが幽霊として主人公の前に現れるというファンタジー的な題材が用いられてはいるが、作中では彼女をアニメ的な幽霊のように描写することは避けられており、生きた人間と変わらず振る舞う姿を描写しながらも、その姿が鏡に映らなかったり、主人公以外の人物たちにその姿が見えていないことを示すことで、彼女が霊的な存在であることを描写している。

「日常」はあらゐけいいち原作のギャグアニメ。NHKでは2012年1月から3月まで放送された。

これらの作品に次いで多かったのが、「psycho pass」「スクライド」「涼宮ハルヒの憂鬱」といった作品。

「psycho pass」は人間の心理状態や性格傾向の計測できるという「シビュラシステム」下の警察組織「公安局」の刑事たちの活躍を描く近未来SFアニメ。これまで第2期まで放送されており、2015年1月には劇場版が公開。「魔法少女まどか☆マギカ」に続いて虚淵玄脚本作品が登場。作品の根強い人気がうかがえる。

「スクライド」は2001年7月から同年12月にかけてテレビ東京系列で放送されたアニメ。日本本土から隔絶され、その後独立自治領として特殊な社会を形成してきたロストグラウンドを舞台に、アルターという特殊能力を持つカズマと対アルター能力者特殊部隊の隊員・龍鳳の友情と戦いを描いた作品。

他には「STEINS;GATE」は5pb.の同名のゲームソフトを原作としたアニメ作品。2011年4月から9月までテレビアニメが放送、2013年には映画化された人気作品。

「犯罪係数」を表示する広告が話題
東京メトロ丸ノ内線新宿駅メトロプロムナードに設置されている、アニメ映画『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』(1月9日公開)の広告が話題となっている。

『サイコパス』は、人間の心理状態や性格などを計測する「シビュラシステム」が導入された西暦2112年の日本を舞台とした近未来SFアニメ作品だ。この「シビュラシステム」は、犯罪者になる危険度を「犯罪係数」として計測。実際に罪を犯していなくても、犯罪係数が高いと“潜在犯”ということで、特殊拳銃「ドミネーター」による身柄の確保や排除が執行される。

今回、新宿駅に設置された「シビュラシステムゾーン」と名付けられた広告は、ゾーン内にあるディスプレイに通行人の姿が映し出され、その「犯罪係数」が表示されるというもの。高い犯罪係数をマークすると、『サイコパス』に登場する主要キャラの9人の公安局員が出現し、「ドミネーター」を疑似体験できる。

劇場版サイコパス、関智一は英語にカタカナを? 場面写真も大量公開
天野明がキャラクター原案を務めるアニメ「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」の完成披露試写会が、本日12月19日に東京・お台場シネマメディアージュにて行われた。

イベントには常守朱役の花澤香菜、宜野座伸元役の野島健児、霜月美佳役の佐倉綾音、六合塚弥生役の伊藤静、雛河翔役の櫻井孝宏、唐之杜志恩役の沢城みゆき、そして塩谷直義監督、本広克行総監督が登壇。ドミネーターの声が、それぞれ演じるキャラクターの犯罪係数とともにキャストの名前を読み上げる。塩谷監督は犯罪係数999、本広総監督は犯罪係数0の免罪体質と紹介されると、会場からは笑いが沸き起こった。

さらにサプライズゲストとして、狡噛慎也役の関智一も登場。花澤が「作中で狡噛さんにやっと会えた!」とうれしさを噛みしめると、関は「大好きだもんね、狡噛のこと」と、朱が狡噛のタバコの煙を吸って思い出していいることに触れ「結構イタイところあるよね!」と冗談を言い、客席の笑いを誘った。

劇場版は海外が舞台であることから、英語を喋るシーンも多い花澤と関。司会の吉田尚記アナウンサーからそのことを問われると、すかさず関は「アーハン?」と返答。しかし関は英語のセリフにカタカナをふってアフレコに臨んでいたことを花澤から暴露されると、少しうろたえる様子を見せる。

また劇場版で宜野座の髪型がポニーテールになっていることを野島が「ポニチカ」と呼ぶと、会場からは拍手と笑いが。さらに野島は宜野座について「遅めに来た反抗期もあったけど、最後のシーンではやっと成長できたんだなと」と、親目線で感慨深げに語った。

なお本日「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」の場面カットも大量に解禁。映画は2015年1月9日より、R-15指定で全国公開される。

刑事ドラマの定番も踏まえダークな世界観でひきつける「PSYCHO-PASS サイコパス」の魅力とは!?
「踊る大捜査線」シリーズの本広克行や『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄らトップクリエイターが手掛け、12年10月からフジテレビの“ノイタミナ”枠で放送されるやアニメファンから絶大な支持を受けたSFアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」。1月9日(金)からは待望の映画版『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』が公開となるが、多くのファンを引き付けてやまないその魅力をお教えしよう。

本作の魅力はそのディストピア的なダークな世界観にある。舞台は人間の心理状態や性格的傾向を数値化できるようになったいまから100年後。人々は犯罪者になる危険を表す“犯罪係数”によって管理され、実際に犯罪を起こさずとも潜在犯とみなされた場合は、監視官や執行官と呼ばれる刑事によって社会から排除される。

エリートである監視官に対し、犯罪者を捕まえる執行官は自らが高い犯罪係数を持っていて、犯罪者になる可能性を秘めている。犯罪者に近い心理状態を有するゆえに、一度は不適格者として社会から弾かれたゆえのトラウマを抱えた執行官がいかにして犯罪者と向き合うのか。近未来的な設定ではあるものの、リアリティあふれる描写やしっかりとした人間ドラマが描かれている。

テレビの第1期では、監視官の常守と元エリート監視官で執行官の狡噛との関係が描かれた刑事ドラマにはおなじみのバディものとしての面白さもあり、難解なテーマではありつつも、物語に引き込む分かりやすい導線が敷かれていた。近未来ものになくてはならないガジェットとして登場する、刑事たちがもつ、被疑者に銃口を向けるだけで相手の“犯罪係数”がわかるドミネーターと呼ばれる拳銃も本作ならではユニークなアイテムといえるだろう。

近年、原作ものが多く、物語の全貌を知りながら見ているような作品が多いなか、虚淵玄が手掛けるオリジナル脚本によって紡がれる物語は、まさに一瞬先も読めないようなミステリアスなものとなっており、その知名度もさながら、アニメファンから大きな話題を呼んだ。

第2期のその後を描く劇場版には第1期の後、失踪していた執行官の狡噛が再び登場し、常守らにどのように絡んでくるかにも注目。ある程度の予習は必要だろうが、その世界観にはまり込んでしまえばあっという間。年明けの公開が楽しみになってくるはずだ。

“犯罪係数”が正確に解析できない“免罪体質者”槙島聖護の事件を経て、刑事として成長した常守朱。彼女は、シビュラシステムの真実を知りつつも、システムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。そして、そんな彼女に新たな化物が迫っていた……。

オープニングテーマ
「Enigmatic Feeling」

エンディングテーマ
「Fallen」

投稿 : 2020/04/04
♥ : 37
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

旧態依然から面目一新となるか!?

(2014.10/22)
まず、OP・ED1期と共に変わらず「凛として時雨」と「EGOIST」なので前作の延長線上として楽しめている感はあります。

OP映像の東金の怪しさと言ったら犯罪係数300オーバーですよ!
だって、公安局局長の後に東金が映りさらには狡噛と半身を共有するなんてねぇ。さらには狡噛と同じタバコの銘柄を嗜んでいるのも怪しさ極まりない。

事件の犯人である喜汰沢旭の名前聞いた時、「東のエデン」の滝沢明に聞こえたのは気のせいwww?

まぁ、新しく監視官と執行官を新たに迎えた朱たちですが、未成年である霜月に関してはシュビラシステム=絶対的なもの、と捉えている為に朱や宜野座たちと馴染めていない様子…
また新任の執行官、東金は前述しましたが雛河は何か東金とは別の危うさがありますね。声優も前作の槙島と同じ櫻井さんですし^^;


1期では社会を運営するsystemの姿を暴いた訳ですが、2期ではその社会に生きながら如何に自分らしさ・自分らしい色をだせるのかがミソになってくる!?


(2014.10/24 3話)
{netabare}犯罪係数を下げる一因となるのは悲しみなどの感情? 
だが、色層が濁っても犯罪者になるし、クリアカラーになっても人間らしい生き方とはかけ離れてしまう(クリア=透明という事はシュビラシステムの言いなりになっているに過ぎない。過度な耐ストレスケアやラクーゼがそうであるように…)

OP曲の「奪われ続けるなら、もう狂ってしまうよ」は、シュビラの傀儡になるのではなく、あくまで自分らしさを提示したように思えます。
また、その歌詞の後の朱の動作がしばらく変わらなかったのも傀儡として生かされるではなく自分の力で動く・生きる事の重要性を示しているのではないかと。{/netabare}


(2014.11/6 4話)
{netabare}OP映像の1~2話まであったFree Whiteの描写が再び戻ってますね。それと、その後に東金が映るのは朱の色相が今後濁っていく事を示唆している!?
また、4話タイトルの「ヨブの救済」はヨブ記が由来なのかな?(wiki参照)
「何も悪い事をしていないのに、苦しまなければならない」まるでシュビラに対する皮肉ですね。

なんか、殴りにいった人質と殴った犯人とのシーンが機械的というかどちらも感情が無い感じに見えたのは、シュビラシステムという社会の中にいる人々は生きている人間ではなく生きている人形なのだという隠喩?

霜月監視官は学識はあるかもしれませんが、仕事のできる人ではなさそう。自分の保身の事を最優先にしている時点で、キャリアって感じ。敢えて朱と対比するような性格なのでこれから何かありそうです。

鹿矛囲の正体は、1期で青柳監視官が執行した逃亡執行官かな?中の人が木村良平さんなのと、もみあげの所にある傷がまるで顔の皮を剥いでくっつけたような感じだったので…って安易すぎるかな?{/netabare}


(2014.11/13 5話)
{netabare}犯罪係数を下げ色相をクリアにする薬物「ラクーゼ」、一方シュビラシステム下での過度なストレスケアの弊害ともいえる「有ストレス欠乏症」。
共に人間が積み上げてきた人格、もしくは意思を奪う結果になったわけですがWCはweak character(意思が弱い)という意味!? 
そこに冒頭で鹿矛囲が言った「人には固有の処方がある。それを無視して、ただ強い薬を飲ませるのは暴力をふるっているのと同じだ」を合わせると!? 
何かの強い意思(シュビラシステム)によって人々は意思を弱くせざる負えなくなり、それを失ってしまったからシュビラを裁くと言った感じでしょうか?
あと鹿矛囲と東金、今回2人とも監視官にドミネーターを向けましたがどうみても東金の方が悪役にしかみえないww

調査先の現場である軍事ドローン施設で朱たちが見た人体の部分パーツと代議士の演説の変化、そこから導き出される結論は…かつての代議士は何らかの理由で殺され今の代議士は元「有ストレス欠乏症」患者かサイボーグ(1期の泉宮寺みたいな感じ)という事ぐらい。

あれ?東金さん実は陰湿なストーカー!?って言うぐらい朱の写真がありましたけど、幼い東金少年と一緒に写っているのは祖母かな。そういえば朱もおばあちゃんっ子だったような…もしかして2人は生き別れた兄弟!?んな訳ないかwww

まぁ、ともあれ犯罪係数が過去最高を記録している東金執行官の新たな一面が今後どういった見せ場を作るのか?また、それに鹿矛囲は絡んでくるのか?{/netabare}


(2014.11/20 6話)
{netabare}一般市民が犯罪を犯している自覚がないまま犯罪行為に加担する様子を鹿矛囲は、どんな表情で見つめているのだろう?
シュビラシステムに生かされている人たちへの憐みの表情か?
それとも、どんな色にでも染まる事ができてしまう人間そのものの力への期待からくる喜びの表情?

また前作の槙島は思想犯、今作の鹿矛囲はクラッキングを中心としている(国防省へのクラッキングやホログラムの偽装など)サイバー犯罪型、どちらも犯人として目星を付けている者の確かな関与が無いと逮捕できない。

さらに前作の槙島は複数の犯罪にも関与していた1期の“黒幕”的存在でした。というか実際に黒幕だったわけですが^^;
だとすると、鹿矛囲の裏で糸を引いている“黒幕”がいる!?いや、監視官の目そのものを奪ってまで行動を起こしているのだから可能性としては低いか。でも毎日、朱の犯罪係数をチェックしている東金なら適任じゃ…
シュビラシステムが記録した中で最高値の犯罪係数をたたき出した東金が、サイコパスをクリアにする事のできる鹿矛囲に手を貸している線もありえそう(東金・鹿矛囲共犯説)

霜月監視官の「濁っちゃえばいいのに」発言!これは、OPにもあった闇堕ち(執行官への降格もしくは、鹿矛囲の共犯となる)予兆!?

鹿矛囲がドミネーターに認識されないという事は、“鹿矛囲”自身が偽装ホロでホログラムを纏った者が居る事も考えられそう。そうなると、ホログラムに詳しい雛河執行官も怪しくなってくるが…{/netabare}


(2014.11/27 7話)
{netabare}“透明人間”鹿矛囲が存在し、シュビラにハッキングまで行った事件は未だ解決には至っていない。にも関わらずシュビラシステムに頼るしか方法はない。そんな中、唐之森と雑賀がシュビラシステムに疑念を抱き始めていた…

シュビラシステムは個人の管理する事で成り立っている。まぁ、槙島は免罪体質なので例外だが^^;
という事は、個人の管理から外れた人、つまりはシュビラシステムの監視下で死んだ人達はシュビラシステムが認識しなくなる(ドミネーターに反応しない)ので、鹿矛囲は偽装ホロか航空機事故で亡くなった子供たちの臓器を自身に移植しつづける事でサイコパスをクリアな状態に保っている“誰か”だろう。

その鹿矛囲だけが15年前の航空機事故でただ一人生き残った。
また、東金執行官が監視官を免職および閲覧履歴が秘匿とされた年は、ちょうど航空機事故が起こった年でもある。
それは、単なる偶然なのか? にしても東金の犯罪係数、769!? 異常なまでの数値だがだからこそ犯罪係数を白くクリアに保てる朱を監視し続けている? 769(“し”ち“ろ”く“く”=白く)なんてねwww


シュビラシステムの槙島と鹿矛囲の扱いの違いにも疑問が残る。槙島は思想犯であるのにシュビラは有能だと判断し生きて捉える事を命じた。しかし、鹿矛囲に対してはシュビラに取り込む訳でもなく殺処分すべきだと言った。その違いの理由こそがシュビラシステムを根幹から覆す“何か”なのだろう。

次回、公安1課にとって鹿矛囲の正体に近づく大きな一歩となるのか!? 楽しみにせずにはいられないです!{/netabare}


(2014.12/4 8話)
{netabare}鹿矛囲の正体は航空機事故で亡くなった184人の子ども達の肉体・臓器を移植された生き残りだった。
「7人の脳を含む184人の肉体と人格的存在」これって、シュビラシステムと似ているような…

また、臓器移植・脳の多体移植によってその人が持っていた記憶や物事の考え方はどうなってしまうんだろう?
鹿矛囲桐斗本人の脳で考えた事と他の6人の脳で考えた事がそれぞれ違うとしたら、“鹿矛囲”は皮肉ながらもシュビラシステムの本体(犯罪者の脳をいくつも用いて判定している)と同じという事になる。

さらに、前回(7話)のレビューでも書きましたが鹿矛囲のサイコパスが測定されない事をシュビラは槙島の時とは違って殺処分とキッパリ言い切った。
槙島の場合は、シュビラが自分達の都合の良い・または良くなる可能性が合ったから(免罪体質という特性をシステムの中に取り込む事で今後同じような事が起こった時に対処し易くする為)。
だが鹿矛囲の場合はシステムに取り込む事が出来ないイレギュラー、1期の何話か忘れましたが局長が「システムは絶対的なものでなくてはならない」みたいな事を言っていたのでその絶対性を示す為かと。

鹿矛囲のもう一つの特異性、サイコパスのクリア化ですが薬剤の調合技術とメンタルケアとしてセラピーにも精通している事。
その点で、執行官落ちした東金もかつてはセラピストだった。ん~、気になる木ぃ~ですけど考えても分からないので保留ww

その東金ですが、先天性特異体質(鹿矛囲のような多体移植者・AA)みたいだがその肉体や精神はシュビラシステム本体達の肉体?だったとしたらサイコパスが最高値の769をたたき出したのも納得ですね、霜月さん。
また、特定人物の入れ替わり(全体的な移植)について不法入国者というキーワードが出てきましたが今冬に公開予定の劇場版の舞台設定が海外なのと関係があるんでしょうか?

霜月監視官が朱と同様にシュビラシステムの事実を知って平気でいられるか?いられないでしょうね、どうみても^^;
そんな彼女は今後どうなっていくのでしょう!?{/netabare}


(2014.12/9 9話)
{netabare}東金朔夜は人工的に造られた免罪体質者だった。それは、鹿矛囲と雑賀の会話のシーンであったシュビラシステムに変わるシステムが頓挫した要因の一つなのか?朔夜はシュビラシステムに取り込まれる目的で生まれてきた存在!?(その頃にパノプティコンに欠陥が相次いだとしたらの話ですが…)
だが、人工的に造られた故に副作用が起こってしまった。それが犯罪係数769という異常なまでの数値に至った?

例えば、通常の免罪体質者を歩行者とすると、人気のない場所で信号待ちをしていた場合それが赤でも渡ってしまう。
人工的な免罪体質者を車に例えると、人のいない交差点での信号待ちはしなければならない。なのに、歩行者の信号無視は罰せられないのに乗り物だと罪になってしまう。
まぁ、東金朔夜はストレスを知らず知らずの内に感じてしまっていたのではないかと。
また、朔夜は朱に鹿矛囲を殺させる事でシュビラシステムの完全性・全能性を示そうとしている。

桑島といい、あの医者といい、鹿矛囲には何らかのカリスマ性があるのか?まぁ。桑島は友情の為って感じでしたけど、あそこまでヤルか普通!?

鹿矛囲と東金、互いの目的は違えど朱が必要なのは変わりはない。ただ、その為に祖母が利用されるのは、あまりにも可哀想だろ…

ついに鹿矛囲がシュビラとの因縁?とも言える決着に向けて本格的に動き出した。
ここで鹿矛囲が拉致した酒々井水絵監視官ですが、10月1日生まれと10月18日生まれだとする説があります。10月1日は法の日・18日は統計の日。
法の日はシュビラシステムと接点ありそう。また18を1+8=9とすると9日は、ウガンダやエクアドルの都市の独立記念日でもある。

以上の理由と鹿矛囲の目的から察するに拉致する監視官を予め決めていた事になる?
それにしても朱のサイコパスが曇らないかが気になります。最後は鹿矛囲と組みサイコパスをクリアにして東金朔夜と、あいまみえる展開になったりして!?{/netabare}


(2014.12/18 10話)
{netabare}今更ですが、2期OPの歌詞は“透明人間”鹿矛囲桐斗の事を唄っていてED歌詞の意味は東金執行官の事だと信じたいですww

禾生局長(今は東金美沙子)が鹿矛囲の事を「地獄の季節の再現だけで満足する程度なら、とっくに処分できているわ。」と言ったのは処分がドミネーターによるものではなく東金朔夜を使った、あくまで執行官が暴走して撲殺しましたという事にするとシュビラシステムの絶対性を誇示できると思っての発言だろう。

その絶対性とは?どんな状況においても平時の状態を維持する事だとするなら、ドローンがハッキングされた時点でそれは失われている。

鹿矛囲の目的は、シュビラシステムに対する報復・革命と言ってもいい。だが、朱はシュビラシステム下で今までよりも良い社会を築く事ができるかをシステム自体に問うた。

その朱の問いをシュビラはどう解くのか解き方次第で、良い最終回だったかどうかが決まる気がします。
また、シュビラシステムによる弊害=有ストレス欠乏症だとするなら鹿矛囲が行ってきたメンタルケア(サイコパスをクリアにする事)も最終的には欠乏症に繋がるんじゃ…
1期の槙島はシュビラシステムの正体を暴いた訳ですが、鹿矛囲はシュビラの存在意義を曝け出させる形になる!?

最後に東金の隠していた経歴が明らかになったとき榊原高校とありましたが、だいぶ前に神戸で起こった事件をモチーフにしているのでしょうかね^^;{/netabare}


(2014.12/28 11話)
「貴様は存在してはならない!!」それはシュビラシステムの総意ではなく、東金自身の母親を清らか(クリア)に保ち続けたいと言う思い。しかし、その言葉を鹿矛囲と同じ“集合体”であるシュビラに言えるのか?
確かに朔夜から見れば母親(美沙子)はクリアかもしれない。けれど鹿矛囲から見た東金美沙子はどうだろう?

所変わって、シュビラの目と自負する東金朔夜に因んで?ではないですが、朱・鹿矛囲・酒々井の瞳の色について調べてみました。
朱→橙色(深い洞察、ショック、依存) 鹿矛囲→紫色(浄化、神秘) 酒々井→水色(意志、慈愛)

まぁ調べたのはいいけれど、これと言って新しい発見はなかったです^^;


シュビラが鹿矛囲を認識した事は大きな一歩と思いたい。だが鹿矛囲も言っていたように“集合体”であるシュビラがドミネーターを向ける人によって色が変わると言う事は、ある人から見ればクリアでも違う人から見るとクリアではないという事。

それって部落差別、いや同和問題と似たようなものなのかも…

所で今回の事件の犯人は鹿矛囲と東金? それとも鹿矛囲の目的(シュビラの執行)の為に朱に目を付けた鹿矛囲が東金を利用した時点で真犯人は、やはり鹿矛囲か。

また、シュビラが集合的サイコパスを認識した“だけ”であって処理・執行すると決めた訳ではない。「全能者のパラドクス」回で朱が述べた「持ち上げられない岩を造り(ry」の事をシュビラは実行したに過ぎない。


さて、シュビラシステムの存在を揺るがしたこの事件を皮切りに劇場版ではどのような変化がシュビラに訪れているのか!?
来年もPSYCHO-PASS(サイコパス)に期待バハリMAXですww

投稿 : 2020/04/04
♥ : 14

74.8 3 大人向けアニメランキング3位
マスターキートン(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (237)
1429人が棚に入れました
元SASのキートンがさまざまな難事件を鮮やかに解決していく推理サスペンス。原作=勝鹿北星、作画=浦沢直樹の人気同名マンガが原作。かつてイギリス陸軍特殊空挺部隊SASに所属していた平賀・キートン・太一は、現在は保険の調査員をしている。本当は考古学者をめざしており、考古学だけで食べていきたいのだが望みはかないそうにない。そんな太一は、保険の調査の仕事のほか、SASの要請や考古学の研究などで世界各地を飛び回り、数々のやっかいな事件に巻き込まれる。それらを太一はSASや考古学の研究で培った技術や知識、持ち前の機転で解決していく…。

声優・キャラクター
井上倫宏、桑島法子、永井一郎、菅原正志、辻親八、キートン山田
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

一話完結の仕事人

普段は柔和で実は…「能ある鷹は爪を隠す」キートンさん。かっこよすぎです。
離婚して未練タラタラなくらいがバランス取れてていいんでしょうか。

携帯電話などなくポケベルもあったかどうかの時代。
今の時代だと「この日本人すご過ぎww」などとすぐSNSに乗っかっちゃって顔が割れてしまうんでしょうか。

台詞で必要なことは語ってくれるので、作業しながらの「ながら観」にも最適でした。
(かわいい女の子も出てこないので画面に目が釘付けにはならないしね)
かと言って、大切な締めの部分では言葉で多くを補い過ぎず…という大人な引きの良さもありました。
味わい深くもアッサリとした一話完結式なので、そこをもっと掘り下げて長く観たいのに物足りない‼、という感覚を残す話もありました。



〜好きだった話〜

{netabare}4話・爺さん回
この老いぼれ、実は…のパターンで、婆さん回もあった。

5話・屋根の下の巴里
「人はどんな時でも学べる」というストレートな勤勉メッセージ。

7話・チャーリー
幼馴染との邂逅。最後、どんな風に受け止めていたのか。
嫉妬とか尊敬とか、…?多くを語らないで、ママへの一言が印象に残る。

12話・御婦人たちの事件
イギリスが舞台だから、ミス・マープルみたいなおばあちゃんも登場。

13話・穏やかな死
テロリストの使用する爆弾を造り続けてきた男の、ある日の気づきとは。手に汗握るスリリングさと、チョコレートの甘さと。もっと早く気づけやと言いたい。

15話・長く暑い日
キートン vs 孟犬。もうちょっと続きどうなったのか(とくに、犬のその後!)観たかった。
若き日の覇気あるキートンお父さんが、かっこよい。

18話・フェイカーの誤算
「一流の仕事人は…」が口癖の詐欺師。なんかおかしい。キートンが対決するのと思いきや、「一流」のこだわりにより二転三転。
ちょっとうまいこと行き過ぎだけど、正直者がバカを見ない話でホッとする。

19話・空へ…
めんどくさい鬱屈少年の話。
「こんなにいい天気なのに学校なんてもったいない」と言えちゃう娘はいいなあ。
平賀家が息子でなく娘なのが、何となく家風が分かるような気がする。

20話・臆病者の島
爺さんかっこいい!回。動きのキレがね。

21話・アザミの紋章
歴史上の逸話から探る人物像。見てきたかのような、個人的記憶のような演出の切り替わり、とても見応えがあった。アニメ独自の演出なのか、原作からなのか知りたいところ。巻物が動く演出はアニメだからな、面白さかな。

22話・シャトー・ラジョンシュ1944
「だんなさまのお考えになる事は、だんなさまが生まれる前から、わかっております。」
忠誠心ですよ…おとっつぁん(誰)!!(T_T)
戦火の中で採りごろの実を採りに行くとか、ほんのちょっとだけ、その気持ち分かる…。たぶん私の中のソレはみみっちいけど

25話・砂漠のカーリマン
キートン賢くかっこよすぎ。
砂漠の過酷なサバイバル。
砂漠に行く前に原作もぜひ熟読しておきたいです。でも砂漠にとても行きたくないです。

26話・家族
かつての金メダリストが夢から目覚める…冒頭のシーンが絶妙に切ない。
26話、27話、28話は面白いけどちょっと似てるかな。ヨーロッパの内紛や分断を下敷きにしていて深みが感じられるぶん、え、深刻な内容なのにもう終わり?ってなる。

33話・背中の裏町
女の求める父の姿。あえて真実を突きつけないキートンはんに惚れてまうで…

34話・瑪瑙色の時間
大人の情けなさやふがいなさを見ている子供達。たぶん私も見られてる。
「俺はもう一度立ち上がろうと思う。自分を憐れんでいる時間なんか、ないんだ。」うむ。

…しかし「瑪瑙」のグリーンて結構、人工染色されてるような…

35話・五月の恋
婆さんかっこいい回。
ここだけミセス向け恋愛漫画みたいなムードだけども。キートンの娘さんステロタイプなお節介やきだけども。

38・39話・狩人の季節
キートンと上官の邂逅。器用貧乏なんだねキートンさん。
あー、見終わっちゃった…という寂しさが募ります。
もっと長く見せて欲しいと度々感じていたものが最後に2話連続になると?時の流れは余裕をもって感じますが、そんなに内容のボリュームアップはしないものですね。むしろこれまでの一話完結の簡潔な強さを感じました。まことに勝手な話ですが。 {/netabare}


原作は、原案やら原作者やらの表記について一悶着あったらしく、長らく再版されなかったらしいですね。
とても面白かったので読んでみたいです。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 38
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

浦沢作品では一番好き

<2019/5/26 初投稿>
原作既読。

主人公の平賀・キートン・太一さんは名前からわかる通りハーフで母が英国人、父が日本人。

さらに多様な経歴、極めて高い経験値とスペックの持ち主です。

ところが容姿はどーみてもコテコテの和風で、お人好しでうだつの上がらないおにいさん。
今は冴えない考古学の大学講師という謎キャラです 笑。


キートンの経歴をもう少し書くと・・・

ネタバレというほどでもないけど一応閉じておきます。
{netabare}
オックスフォード大を考古学専攻で卒業(中退だったかな?)

在学中に大学で出会った英国人女性と結婚、一女をもうけるも離婚。

で離婚のショックでなぜか英国陸軍・特殊空挺部隊(SAS)に入隊、そこで伝説級の活躍。
実績と特にサバイバル技術が高く評価されSASの教官まで務めます。
(SASは米国のデルタフォースみたいなもんらしいです。)

でもなんか違うと思ってSASを辞職(除隊)。{/netabare}

そして今は日本に住み普段は大学講師をやりながら、たまに娘に世話を焼かれたりしながら、考古学の発掘調査に勤しむ毎日。

しかし大学講師だけでは食えないキートンはイギリスの保険会社ロイズ(※)のオプ(調査員)もやってます。

なので日本と欧州を行ったり来たり。
飛行機代だけで足が出そう 笑

そんなキートンが保険事故の調査や発掘調査などでさまざまな事件や出来事に遭遇、
時に事件を解決し、
時に出会った人々と暖かく柔らかい交流があったり、
せつないやるせない思いをしたり、
とかそんな話。

(※)正確にはロイズは保険会社や保険引受人の組合組織で、特定の保険会社ではありません。ちなみにロイズは世界最古の保険を取り扱った組織とも言われ、保険会社だけではなく個人、つまりお金持ちが保険の引受人として取引できるようになってます。日本の保険の常識とはかなり異なった組織・制度です。
キートンは個人の保険引受人からの依頼で調査を行うこともあり、物語に厚みを加えています。


原作は浦沢直樹さんの漫画なのですが、浦沢作品の中では一番好きです。

他にはMOSTERやPLUTO、パイナップルARMYも好きですが、本作はパイナップルARMYにやや近い印象。


浦沢作品の特徴は登場人物の表情。
無言のシーンでもどんな感情なのかが一目でわかる画力は流石です。
キャラクターの書き分けも完璧。
日本人と欧米人がパッとみで区別つくキャラクターデザインって案外少ないと思うんですよね。

前述の通り欧州が舞台となることも多いのですが、その背景や会話、出てくる料理なども本当に自分がその国にいるような気分になれてしまいます。

基本1話完結のお話も、変な外連味はなく地味ですが、1話1話心に染み入る深みと温かみがあります。

いずれも高品質な短編の良作・佳作を何十本も積み重ねたような。


そんな原作をアニメでは丁寧に忠実に再現しています。

この「マスターキートン」
私は超有名作だと思ってたのですが、時間というのは情け容赦ないですね。

隠れた、というより時代に埋もれた名作だと思います。

今時のアニメとはかなり趣が異なりますが、「最近のアニメに少し食傷気味」「ストーリーのしっかりした物語を楽しみたい」という方にオススメしたい作品です。。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 37

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人間はなぜ学ぶのか?

浦沢直樹原作の名作漫画のアニメ化作品。
基本的に1話完結×全39話。
推理、救出、人探し…等々、各話ごとに大きく話が変わるため飽きさせない構成。

主人公である平賀・キートン・太一は、イギリス人と日本人のハーフで、オックスフォード大学に進学したエリート。

考古学者でありながら優秀な保険調査員。(ただし、就職口の大学を目下探し中)

複数の言語を使いこなすマルチリンガルであり、特殊部隊「SAS」でも数々の戦果を上げた異色の経歴を持つ。当然戦闘力もかなりのもの。戦闘やサバイバルの際には、軍の知識だけでなく、考古学の知識を活かすことで、危機的状況を脱する…。
 
そんな超人にもかかわらず、性格に嫌味な部分がなく、世界中の多様な考えを持つ人物たちとも直ぐに打ち解けられる魅力的な人物。(抜けてる部分もある点が彼の魅力の一つになっている)

顔も声も髪型も地味だけど…正直格好いい!!


主人公が超人なので「俺TSUEE!」系の作品の一つではあるかもしれない…。
しかし、物語が現実的なので、そういう「臭さ」はない。
同時に「爽快感」も薄い。

俺TSUEE!系作品が好きな人が観ても楽しめるかは謎。

とりあえず「地味な作品」「大人向け作品」も楽しめる人にオススメ。
1話1話が濃いため、一気見はキツい。
1話1話丁寧に観ていきたい作品。(ビールとか飲みながら)

●個人的に特別好きな回3つ

①5話:「屋根の下の巴里」

 人間はなぜ学ぶのか? そんな問いにキートンなりの回答をしてくれます。
 教授がまた最高の人物でね…この回が個人的にはベストです!!
 「学ぶこと」の楽しさを知っている人に是非観てもらいたい!
 勉強は辛い面もあるけど、それ以上に楽しいものだと思うんです…!
 (研究室生活に戻りたいとは思わないけど…)

②25話:「砂漠のカーリマン」
 あにこれのサムネ画像はこの回ですね!
 とにかく格好いい回!痺れる回!
 この作品って面白い知識が詰まっていて、そこも魅力的ですね!
 しかし砂漠でスーツは本当に正しいのかな…?

③35話:「五月の恋」
 この回はキートンの娘、百合子が主人公な回です。
 百合子の優しさと温かさに涙。
 父譲りの優しさに加え、若さゆえの真っすぐさやパワーが彼女の大きな魅力です。
 
以上の3つが特に好きだったのですが、きっとファンごとに違う意見を持っちゃう作品なので、あまり参考にならないかな…。

それぐらいレベルの高い話が揃っている名作です!
(ただ「学ぶ」のが好きな方は、5話だけでも観てみてほしいな…なんて。)

投稿 : 2020/04/04
♥ : 15

70.7 4 大人向けアニメランキング4位
ジパング(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (232)
1142人が棚に入れました
西暦200X年の6月。日米新ガイドラインの下で海上自衛隊の自衛艦隊が海外派遣でエクアドルへ向かう途中、その中の最新鋭イージス艦みらいがミッドウェー沖合で突如嵐に巻き込まれ落雷を受ける。
その直後からレーダーからの僚艦喪失や故障していないにも関わらず衛星通信が不能になったり、雪が降るなどの不可思議な現象に直面し、さらに戦艦大和以下大日本帝国海軍連合艦隊に遭遇。ミッドウェー海戦直前の1942年6月4日の太平洋上にタイムスリップした事に気づく。
そこで帝国海軍通信参謀、草加拓海少佐を救助し、彼に未来世界の情報を公開したことから、みらいは徐々に変化してゆく歴史の流れに巻き込まれてゆく…。

声優・キャラクター
稲田徹、東地宏樹、星野貴紀、うえだゆうじ、屋良有作
ネタバレ

medicsan さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

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ジパングとは

マルコポーロが13世紀末に「東方見聞録」という本を書きました。
莫大な黄金と真珠の国として、
日本をジパングと呼びヨーロッパに紹介しました。
社会の授業で習ったよという方もいらっしゃると思います。
 今回はそんな”日本”を題材にした作品です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私のタイトルの説明

和文モールスで
「こういうのもよい、かいひとてんまる」
→「こういうのも良い、改ヒト点マル」
→「こういうのも良い、改(訂版)1(.)0」
と打たせてもらいました。 お使いのPCは正常です

本作では艦隊が多く登場します。私は軍事や通信に疎いですが
モールス信号を少し調べ、このようなタイトルにさせてもらいました。
私はモールス信号に関して右も左もわかりません。
不快にさせてしまったら申し訳ありません。

本当は
「もしもの話は時間の無駄というが、こういうのも良い」
和文モールスで
「-・・-・ --・-・ -・・-・ ・・-- -・・・ ・-・

--・-・ -・・・ --・-・ ・・ ・-・・ ・-・-・ 

・・-- - -・ ・・ ・・--・・ ・- ・・- ・-・・ ・・

・-・-・- ---- ・・- ・- ・・- ・・-- -・・-・ 

-- ・-」と全文打ちたかったのですが

タイトルの限界文字数に到達したのでできませんでした。残念...

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
長文を読むのが面倒な人のためにこの作品を3行でまとめると


 戦時中に時空移動した海上自衛隊艦艇と旧日本軍その他との接触
 世界の均衡を根底から覆す力を手にした人々の葛藤と理想を描いた
 バタフライエフェクト作品


 といったところでしょうか。
(3行でまとめるという危険性を覚悟の上で参考にしてください)
 
  バタフライエフェクトの意味は後で記します、
  下の  =私のレビューの目次=  を見てください


ーーーー注意ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 この作品は歴史と戦争を取り扱っています。戦闘もありますので、

それらに興味がない人はしんどいかもしれません。

 もうひとつ、この作品は話が完結していません。

結末を知りたい方は原作を読むことになると思います。


私の状態:男性
    :原作読んでない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

表紙左の青い作業服の男性が、自衛隊の方で主人公です。

表紙右の白い軍服の男性が、旧日本軍の方で鍵を握る存在です。

あらすじはあにこれ様のを参照してください。

 




=私のレビューの目次=

ネタバレタグは目次の読みたいところだけ見れるように省略しました

★ネタバレ注意★と書いていなければ、ネタバレしないように書いています



①バタフライエフェクト(バタフライ効果)とは
{netabare}

 北京で蝶が一匹はばたけば、その小さな気流が一か月後

ニューヨークに嵐を引き起こすこともありうる

ミクロな現象でもマクロに大きな影響を与えることがある

                      <本作より>
{/netabare}

②本作の良かったところ
{netabare}
Ⅰ.登場人物の豊かさです。 

 戦時中、旧日本軍は上層にいけばいくほど愚かだと聞いていたので、

この作品でも威勢の良い軍人ばかり描かれているのかと思っていましたが

切れ者が何人も登場して飽きることなく視聴できました。

 もちろん旧日本軍の切れ者だけが魅力的なわけではありませんでした。

自衛隊の切れ者も、信念、任務を全うする者も戦うことに迷い

苦悩する姿が描かれていました。ほんの一部だとは思いますが

自衛隊の方々の気持ちを知れて良かったです

 最近のニュースを聞いていると、元気いっぱいな国のために

本当に自衛隊の力に頼るときが来るかもしれないと感じます。

そうなる前に前線の気持ちを知っておく必要があると私は考えます。


Ⅱ.名言が多かったように思います。

先入観を持ってほしくないのでここまでで、、、


Ⅲ.自衛隊の信念を貫きながらも戦時を切り抜けていく

心理戦も興味深かったです。


Ⅳ.オープニングとエンディングも本作にあっていて良かったです。

私は毎回楽しみに見ていました。

{/netabare}


③本作の残念なところ
{netabare}
やはり今のところ2期が存在しないことです。

「これからどうなるのか?!」というところで終わってしまうので、

私は続きが知りたくて発狂しそうになりました。

仕方がないので機会を見つけて原作を読もうと思います。

{/netabare}


④参考:類似作品からの本作の紹介:類似順 {netabare}

1.『ジョーカー・ゲーム』 (小説)  著者:柳広司
 時代背景と雰囲気が似ていると思いました。
 小説を読んで想像した東南アジアと軍の雰囲気を
 アニメで見られたのは想像以上に心が躍りました。
  調べたところ映画化されたようですが、
 大概原作から変換された作品は劣化する傾向があります
 私は映画からこの作品への紹介はできません。

2.「JIN-仁」(テレビドラマ)
 バタフライエフェクトと
 現状とは違う場所へ飛ばされる点で共通点を感じます。

3.「STEINS;GATE」 [シュタインズ・ゲート] (アニメ)
 バタフライエフェクトという点で共通点を感じます。

4.「ログ・ホライズン」(テレビアニメ)
 世界の秩序と規則を創る点と
 現状とは違う場所へ飛ばされる点に共通点を感じます。

{/netabare}


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戦争と歴史の話なので好き嫌いのわかれそうな作品ですが、

もしよかったら挑戦してみてください。

ここまで読んでくれてありがとうございます。<(_ _)>

投稿 : 2020/04/04
♥ : 16
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

山本五十六といふ男

イージス艦がもしタイムスリップしてしまったら?
という架空戦記。
モーニングを読んでるので原作は既読。

アニメ版でとにかくすごいのが自衛隊監修らしく、描写がかなりちがうんです。セリフの言い回し、細かい兵装からww笑っちゃいます。操舵の方法もちゃんと自衛隊の法にのっとったものだとか。
零戦なんかもちゃんと私が好きな初期のグレーへ変更。かっこいい・・。ニワカでも知ってるようなことをなんで原作間違ってたんだろう・・いやまぁどうでもいいんですけど、そのミリオタくさいこだわりこそがアニメ版の要かなってw


ストーリーはタイムスリップものなのでどういう時間軸になるかってわかっちゃうと後は落とし前をつけるだけ。
原作よんでてても最初しか面白くなくて、あとはグダグダ・・。核兵器を大和に積み込んで『オワフ島沈没』でいいじゃんwって思っちゃう。鳥肌実的?w
『みらい』が横須賀へいくまでの序盤で終了。あとは原作読めな販売促進。続編作るには人気がないよね。


初期の部分を扱っているので山本五十六が出番多し。
このじいさま、とんでもない慧眼をお持ちだったようで、現在の空母主体の戦略をいち早く考えた人物といわれる。
なんせ開戦のはるか前から訓練してたんだから・・赤城の艦長だっけ?当時は艦載機って斥候だったらしいんですよ。
レーダーがありませんから。
でもそれで戦艦を沈められる時代がすぐに来ると・・
その予想は大いにあたり、大戦初期の雷撃の命中率は9割を超えたとか。本作で本人が語るとおり、パイロットが一番大事なんですかね。氏の細かい航空機の運用については賛否あるらしいので・・ジパング山本はそうなってるよと。


真珠湾奇襲を立案した人物とされながら、米国の在外武官だったため頭も柔らかかったそうで・・。
真珠湾の立案を無謀ととるか、それしか道がなかったかどうかはわかりません。
その成否わからぬ逸話の数々からさまざまなアニメでネタ元にされる男。大艦巨砲主義の否定、死んだ部下の名前と人数を全部メモしてるとかねw

ニワカ知識の限りでは
・軍縮会議で当時の主力戦力である戦艦以外に空母の廃止を求めた。
・米国との開戦は避けるべきとした(絶対に負けるから)
・三国同盟に絶対反対
太平洋戦争開戦をかたくなに反対していたのは確実らしく、命を狙われ続けたとかなんとか・・。だから大和なんぞに左遷してもらってるとか言うよね。内地にいたら謀殺される。
戦後の教育でネガなイメージを植えつけられた旧日本軍。
でもこんなじーさんがいたんですよってのは覚えておくべきかと思います。
日本が誇る英雄、名将と評されながら、時代の流れ、国家という大きな力に勝てず翻弄され散っていった、というのが現代の日本人の心にけっこうツボるようで。

映画観たくなってきました・・役所さんじゃなくて三船さんのやトラトラトラが。。


アニメ版で結構意識されてるのが現在の日本の状況。
自衛隊の思想もはっきりと打ち出している。これは自衛隊からの希望なんだろな。日本軍とどっちがいいって話じゃなくておかれた立場も仕事も全然ちがいますと。うちらは軍隊じゃねえよってね。

アニメ版追加のアバンを見る限りでも、戦争反対とか右翼ぶってるとかじゃなくて、なぜ戦争になったのか?というのを強調してる気がします。

本当にそうせざるを得ない時代だったのかどうかはご本人たちにきいてみないと分からないことですから。
ただ現在のように安穏といしてたらあっというまに植民地にされちまうぞってのは間違いなのかな・・。そういったことを知っておくべきだというメッセージを感じました。


エンターテイメントとしては架空戦記、タイムスリップものとしては『戦国自衛隊』が偉大すぎる。
『織田信長は俺だった』みたいな結末 あれには勝てん。
ジパングも山本五十六が俺だったでよかったんじゃ・・。{netabare}
近いエンディングだけどな・・・。マッカーサーが俺だ!だよね。。{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 16
ネタバレ

lZQnV50529 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

正直さが感じられた

 日本の最新鋭のイージス艦が1942年の太平洋のど真ん中にタイムスリップしてしまうお話で、総じて、単なるミリタリーもの、タイムスリップものと簡単に片付けられない真面目さ、正直さを感じた作品です。
 まず、{netabare}40機のドントレス(という戦闘機)と戦闘するシーンでは、技術的にはシースパローや主砲を使ってイージス艦が圧勝するはずなのに、ちょっとした心の緩みからハットン中佐の操縦によるドントレスの船舶への体当たりを許してしまうところなど、戦闘シーンは、リアルで正直だと思いました。イージス艦を圧勝にさせないところが感心しました。{/netabare}自衛隊は普段から十分演習をしているようですけど、実戦に出ればこんなもんかもしれません(自衛隊の人読んでいたらごめんなさい)。
 太平洋戦争末期の日本の都市への空襲や広島長崎における原爆で死んだ人の数はとても多いので、1942年を生きる人なら誰でも、もし未来を知れば、空襲や原爆を避けたいと思うもの。さらに、大日本帝国と敗戦後の日本のどちらも見てしまったために、そのどちらでもない新しい日本(ジパング)を作っていきたいと思う草加拓海の心の動きと行動はとてもよくわかる。他方で、自衛隊の理念をこの時代に入っても困難を伴いながら貫きたいという「みらい」クルーの気持ち、帝国海軍将校のあるものは「みらい」を活かそうと考え、またあるものは「みらい」を沈めてしまおうと考えており、それぞれの思惑もとてもよく描けています。
 これらの登場人物の気持ちをしっかり描きつつ、みなさんの思惑が絡んで新しいタペストリーが作り出されて、事態が進んでいくところがとても上手いと思いました。おそらく、こういう設定を設けて、現代と戦前の違いを浮き彫りにし、現代のいい点と問題点を探るというのがこのアニメの意図の一つのように思えます。圧巻なのは、最後の方に出てくる{netabare}米内光政の日本批判でしょう。米内は、日本が帝国主義など100年早い。日本国100年の計にとってこの戦争は勝ってはならない。日本はいま蜃気楼を見ている。敗戦という現実でしかその夢は覚めない。と当時の日本を強く批判し、「みらい」に、この横須賀のドックで鉄くずになって欲しいと要求します。米内光政という人物をここまで踏み込んで描いたところに作者の強い歴史観を感じます{/netabare}。ここは見ものです。
 また、過去へのタイムスリップというのは、物理学者ホーキングの発言からもわかるように、まず不可能だと言われています。このお話では過去へのタイムスリップが可能だとすると起こりうる矛盾の問題「母殺しのパラドックス」に近いお話を取り入れておりここにも正直さを感じました。すなわち、{netabare}「みらい」が横須賀に入港したとき、角松二佐は父の子供のころの様子を見に行こうとします。父の生家のあたりを見に行くと、なんと父は、海軍の車のよそ見運転のために轢かれて死亡しており、そのよそ見運転は、「みらい」が60年後から来た船でありそれが信じられないと軍人同士が運転中も雑談したことが原因だったというものです。因果的に「みらい」が1942年世界に現れたため角松二佐の父が死亡してしまったということになります。{/netabare}
 このアニメ、テーマからややとっつきにくい方もいると思いますが、淡々と正直に事象を描いていくところをもっと評価されてもいいと思います。
 
 

投稿 : 2020/04/04
♥ : 10

67.7 5 大人向けアニメランキング5位
異世界居酒屋 ~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~(Webアニメ)

2018年4月13日
★★★★☆ 3.4 (162)
611人が棚に入れました
居酒屋・のぶが、異世界の古都アイテーリアの裏路地とつながり、異世界の住民たちが見たこともなかった料理を楽しむ……というストーリー。

声優・キャラクター
杉田智和、三森すずこ、久野美咲、阿部敦、森久保祥太郎、小西克幸、内田真礼、津田健次郎、チョー、小松未可子、小山剛志、黒田崇矢、置鮎龍太郎、星野貴紀、植田佳奈、井上和彦、諏訪部順一、浪川大輔、南條愛乃、小野友樹、島﨑信長、野島裕史、新井里美、楠大典、木村良平、大塚明夫、立木文彦、下田麻美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

異文化コミュニケーションのNOVU

2018.12.23記

原作未読。
比較対象によく挙げられる「異世界食堂」は観てない。


もともとは1話10分ちょっとのWEBアニメ。全24話を「1話10分×2本」+「居酒屋紹介おまけパート」をつけてTV放送用12回分に再構成したものを視聴。
だぶん脳裏にあった「異世界食堂」と勘違いして観始めたものと思われます。

タイトルから想像できるように居酒屋を巡るエトセトラで、日本のふっつうの居酒屋が異世界に繋がっているという設定。

“のれんをくぐると、そこは異世界だった”

向こうの人から見てもそうなんでしょうね。
毎話、居酒屋メニューに舌鼓を打つ異世界の人達とのちょいと心温まるエピソードを絡めて1話完結型の全24話(放送回数は12回)となってます。
異世界といっても客にスライムやゴブリンがいるというわけでもなく、中世(or近世)ヨーロッパと思しき世界の住人達が“居酒屋のぶ”に訪れてます。
{netabare}「シュニッツェル」なり、乾杯は「プロージット」だったり、ドイツ系と思われ、3話で南部出身の徴税役人がパスタを懐かしいものと挙げていることから類推するに、版図も考慮してハプスブルク家の神聖ローマ帝国あたりがモデルでしょう。・・・いらんか、この考察。{/netabare}


「これは細かいこと気にしちゃイケない系だ」飯テロを堪能しながらちょいとした人情話にほっこりしようとモードを切り替えとくと楽しめます。

細かいこととはこんなこと↓
{netabare}・メニューは読めないが言葉は通じる
・使用通貨が違うのに経営が成り立つのだろうか?客は異世界の人達ばかりなのに。。
・食材は異世界で調達できないものばかり ※あ、これちょっと重要(後述)
・希少価値のあるものなら王国で激烈に重宝されるか、さもなくば略奪対象になりそう
・そもそも店主のぶさんと看板娘しのぶちゃんがこの状況を受け入れている
{/netabare}


さて、この“居酒屋のぶ” 日本の個人経営の居酒屋の佇まい、メニューというよりお品書きという趣き、出てくる品々は馴染みの一品ばかりなり。常連客も含めて異世界住人たちが美味そうに食すので、空腹時に観ると危険です。
そしてちょいと人情話。内容には触れませんが、そもそも酒と人情とは相性が良いもの。1話10分程度と短めの単発話は、日々のちょっとした停車場でもある居酒屋の性質とも合うちょうどよい尺の長さなのかもしれません。


飯テロについては実写パートなぎら健壱の居酒屋探訪が拍車をかけてくれます。こちとら夜にしか観れないのに夜に観ちゃいけない罪作りな仕様となってます。
そんな“のぶ+PLUS”と銘打った居酒屋探訪はこちら↓ ※もちろん実写

{netabare}・地鶏唐揚げ居酒屋 心 ~浅草総本店~ / 唐揚げ
・浅草 魚料理 遠州屋 / 海鮮丼
・てんぷら 味覚 / きすの天ぷら
・とんかつ まさむね / 豚汁
・[多国多種ワインとお肉料理] 東京丸鶏 / カツサンド
・鮮魚居酒屋 あげ屋 高田馬場本店(戸山口店) / 栃尾揚げ
・和醸良酒 ぺし / ポテトサラダ
・炭火焼鳥・鰻 居酒屋 鳥長 清澄白河 / うな重
・炭火道場 別邸 / から揚げ、竜田揚げにチキン南蛮
・旬菜 おぐら家 / おにぎり
・素潜り漁師の店 鮮魚 浜んこら 新橋本店 / オコゼの刺身
・銀座ぼくじん 炭火和食と日本酒 / 銀鱈の西京焼{/netabare}

ただしお店まで行くかというと微妙。店舗の雰囲気や従業員の接客も含めて居酒屋の総合力なので、料理だけ切りだして紹介されても本編とのシナジーはないかなあ。ぐるナビがスポンサーということでけっこう実験的な仕掛けを施してきたというのが実状でしょう。
「のぶを観た!と言ったら会計から5%OFF」確認はしてませんがそれくらいはやってるんでしょうか。宣伝効果があれば地上波は無理でもWEBアニメに戻って続編ができるかもしれません。




ここでちょっと箸休め。私のメシもの経験は遠く「美味しんぼ」「ミスター味っ子」まで遡り、他に「ラーメン大好き小泉さん」くらいと浅めです。
比較対象少なめ&実はそんなに食指が動かないかもという前提で、本作についてはちょっとした既視感があり完走できたと思ってます。それは、、、

“日本にやって来た外人さんをアテンドした時の感覚”

も少し分かり易く言い換えれば、、、

“おまえはまだ本当の日本食を知らない。どやっ!この○○美味いだろ~と鼻高々になる感覚”

これを味わえます。
「ようこそ、日本へ」のおもてなし精神と「おまいらの国にこんな美味いもんないやろ?」とどこか心の片隅で思っている邪な心が混在している状態を想像してみてください。
事実、イギリスを代表とするプロテスタント圏の食事はひどい、というか私の味覚に合いません。ホームステイ先でおもむろに肉の塊が出てきて、試しに塩振ってみたら「Fantastic! You're a magician.」と言われた知人がいます。私自身も、カロリー取れればいんじゃね?と感じる局面とか、毒々しい色合いのデザート類とか、とりあえずケチャップかけときゃいいんだろ?のマクドナルドケチャップポンプとかとか、異文化交流の範疇とはいえ500円弱で吉野家の牛丼にありつける国から来た身としては受けつけ難いシーンに遭遇することがままあります。
旅行でも日が経過するにつれ知らず知らず日本食が恋しくなるのは常であり、長期滞在ならなおさらなのですが、これで適応力なく拗らせると「日本食サイコー!」トリップ状態に陥ります。ちなみに、海外滞在1ヶ月もせずにこのトリップ状態に陥る自信が私にはあります。こう思うんですね。「きっとこいつらは美味いものを知らない。」
※注 ちゃんと金払えばどこでも美味いものは食えますよん。悪しからず。。。


作品内での異世界人達はすべからく、店主のぶの料理に「こんなん初めて~」人生未経験の領域に至ったことを自覚します。
初めて見る料理しかり、調理法次第で芳醇な味わいになるなじみのある食材しかり、基本的にはこの繰り返し。あたかも蛮族を啓蒙するが如く店主のぶの料理が猛威を振るうのであります。

{netabare}味気のないカルトッフェル(馬鈴薯)しか食したことない客がおでんのじゃがいもに感動するシーンとかね。なお、ヨーロッパ圏で主食は何かを聞くとパンと同じくらいじゃがいもと答える人が多い。そんなコア食材です。{/netabare}

{netabare}それに、異世界は冷蔵技術が未発達という設定ゆえ冷えたビールが珍しいとか、揚げ物のために大量の油を使ってもったいないぜとか、現代以上に異国=食の未開地設定が高めで、より強調されてたりします。{/netabare}

{netabare}おしぼりも日本のおもてなし文化だったりしますね。生魚にビビるのも文化相違といえます。{/netabare}

{netabare}さらにおまけ、4話で蛇口があれば濾過せずとも飲める水が手に入ると盗みに入った娘(エーファ)がいましたが、これ米国に敗けての日本撤退後に台湾に入島してきた蒋介石国民党軍が民家に押し入り同じことやらかしてましたね。つい70年前の話です。誤解なきよう、国民党軍(当時)と違ってエーファちゃんは良い娘さんです。{/netabare}

「日本食サイコー!」を(食に関しては)未開の異世界人の反応を通して悦に浸ることが結果的に可能です。これは差別を助長するとの理由でそのうちポリコレフィルターがかかって有害アニメ指定されるかもしれません(嘘)。これでもかの日本食讃歌と私の眼には映りました。


それにアテンドした時のあるある、「これって日本語で何て言うんだ?」コミュニケーションにも本作はそつなく対応してました。

{netabare}ビールは「トリアエズナマ」だし、店主を「タイショー」と呼ぶし、しっかりツボを押さえてます。{/netabare}
{netabare}脱線すると、南洋パラオでは、ビールが「ツカレナオース」ブラがそのまんま「チチバンド」と旧帝国時代の交流遺産が残ってたりもします。{/netabare}

実際のところ、日本にやって来た外人さんからマウントを取ろうという気はさらさらなく、せっかく日本に来たんだから楽しんでってよという意識が強いのが実情です。それを体現しているのが看板娘しのぶちゃんの「お客様の美味しいがなによりです」なんだと思います。

{netabare}そう思っていたら、最後の最後のエール差し入れで古都アイテーリアからの意趣返し。美味いもの交流が一方通行でないことを示してくれました。{/netabare}


見事に食を通しての異文化コミュニケーションを表現した作品!(盛り)
外人さんが日本食に触れて“こんな反応してくれたらうれしいな”の願望も込みで、飯テロで片付けるのはもったいない佳作だと思います。



■余談 / 不肖ぺーの乾杯の音頭(対アングロサクソン向け)

{netabare}To beer or not to beer! …Cheers!!!{/netabare}

よく分からん時はウィリアム シェイクスビアさんにでも聞いてみてください。
「は?どこがquestinなんだ?言うまでもないだろう」という反応が返ってくると思われます。


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2019.05.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2020/04/04
♥ : 39

四文字屋 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

異世界食堂の劣化版二番煎じだ・・・ 何?こっちの方が原作発表が2ヶ月早いって?知ったこっちゃないですよ。放送の早いモン勝ちでしょ。っていうか中身が肝心でしょ。

ま、実際のところ、どっちが二番煎じか?なんてことは視聴する分には関係無いんだし。どっちの方が面白いかが、視聴者にはすべてなんだから。

しかしここで私は、作品のレビューはほとんどしない。
つまり、酒と居酒屋のはなしであります。


洋食屋と居酒屋では、単純に比較ってのも芸はないのだけど。

まあぶっちゃけ、食堂のほうは地上波オンエアを勝ち取れて、居酒屋のほうはWEBアニメとなったのだが、これはコンテンツとしての魅力の差である以前に、食べさせる店と酒を飲ませる店という、業態の違いのせいだとは、率直に言えると思う。



洋食屋って、人は普通、月に何回行くか?
月4回(≒週1回)でも相当な頻度でしょう。

では居酒屋は?
わたしは多いときで、月に30回。
今はちょっと過酷なスポーツをしてるんで、頻度はかなり落ちたが、
30代・40代の頃には、気に入った居酒屋には月に10回とか15回とか、普通に通っていた。

つまり何が言いたいのかというと、リピート率と、偏差が全く違うわけだ。

こういうとき、あまり居酒屋に行かない人のパターンを詮索しても意味はなくて、ヘビーユーザーの目と鼻と舌とハートがどこまで掴めるかがポイントになるだろう。


食は生きるものにとって不可欠な要素。
異世界の、自分の知らない美味に満ちた食文化なら当然期待は大きく、しかも週にいっぺんしか訪問できないというのは、非常にモチベーションがあがるのは間違いない。異世界食堂はまさにそれで、中世の食文化世界に現代の料理技術が闖入し、しかもそれを週に一度しか味わえないとなったら、お気に入り料理から手を広げる心の余裕などもっていられない、というのも納得できる。またもし大して美味しくなかったとしても、生きるための捕食のためならば、異世界人でもそうでなくても、相応な対価を支払って、洋食を食べるだろう。

では、ひるがえって居酒屋はどうか。
まず第一に、食とちがって、人は酒はなくても生きていける。
わたしは生きていけないけど。

で、食堂なら週一で、それでは多いなら月イチでもありだが、ある程度の訪問頻度の設定が可能だが、居酒屋は気に入れば毎晩でも行きたいし、気に入らなければ一生行かない店だって当たり前にできてしまう。


で、そういう前提で、この居酒屋「のぶ」という店を見てみると、実に心許ない。
中の下か、まあいいところ、中の中の飲み屋だ。
たとえ食文化の異なる異世界の街中に繋がっていたとしても、しかも毎晩繋がっているというありがたみの薄さまであって、これでは魅力無い店は、光ることはないだろう。

のぶの何処がだめか。

まず、酒がだめ。

とりあえずの生ビールだ。がっくり。
二人で切り盛りしてる店が、ビールホースやボンベの管理をどこまでできるのか、甚だ疑問。スタッフ数の多い中規模店や、酒匠とかソムリエとかバーテンとかの酒専門のスタッフがいないなら、瓶ビールのほうが確実に美味い。古くからある固定客が通い続ける街の居酒屋が、瓶ビール提供がデフォルトなのは実はこんな簡単な理由からです。

そして、酒が置き湯せんの熱燗。完全にアウト。
まず熱燗を日本酒のデフォルトにしてる段階でいい日本酒は置いてないと見て取れる。でもまだNG確定じゃない。普及酒をメインに扱っていて、熱燗の美味い店というのもあるから。

ではダメはどこで確定するか。置き湯せんで判明。はいここです。この店で、日本酒はいただくことはできません。
ちょっといい店(=中の上以上)なら、安い普及酒でも、湯せんにかけるときに手で転がして燗をつける。まあ常識以前だけど。
そしてもっといい店なら、燗つけは銅壺で。さらにちゃんとした店ならチロリで燗をつける。

そういう店は大概はぬる燗だけど、熱燗だって注文すればつけられるし、美味しく飲める。

そして肴。肉じゃがって。おでんに牛すじ串って。どっちも少量で作っては効率が悪い、小体な居酒屋向きじゃない肴だし、大規模店でなければ大量に作っては店の原価率が確実に悪化する品だ。この「のぶ」ってお店、モンテローザグループですか。

こういう店が存在することも、全面否定はしないけど、団体でとか、仕事の付き合いで、しょうがなく行くって程度の店だ。
街にあっても、ひとりでは決して行きたくはない。
そして、こんなことは、異世界でだって呑み助なら確実に判別できる筈。
わたしは呑み助の目と鼻と舌とハートを信じている。

こういうタイプの居酒屋を素材に選んだというのが敗北要因のすべて。
つまりは作者が酒も肴も居酒屋もわかってないんだというのが結論。




予想完視聴確率:0.1%
クール内BEST10到達予測:0%
予想涙腺刺激度数:0%
平均エロチックメーター指数:4.9%

投稿 : 2020/04/04
♥ : 16

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

君は黄金に輝く酒"トリアエズナマ"を知っているか?

異世界食堂「ねこや」ならぬ、異世界居酒屋「のぶ」で、飲み、食い、語らう人々の姿を描いた15分番組。公式サイトにて1話と2話が無料配信中。

番組の構成は、アニメ12分+実写パート3分くらい。

「居酒屋のぶ」は表口が異世界に、裏口が現代の日本に繋がっている奇妙なお店。

設定に若干の違いはあるものの、異世界住人がこちらの世界の料理を食し、カルチャーショックを受けつつも舌鼓を打つというお話の骨子、レギュラー枠に男性店主&女性給仕が据えられている点、毎話異なる料理とゲストキャラが登場する点など、一見すると異世界食堂そっくりのアニメです。

両者の違いをいくつか挙げてみると、先ず目に付くのが構成の違い。異世界食堂がドラマパートとグルメパートを同じくらいの比重で描いているのに対し、こちらは会話劇がちらっとあるもののほぼグルメ一色。

演出面に関しても相違あり。前者がシリアス&ハートフルをバランスよく配合したオーソドックスな作風のアニメであるのに対し、こちらは※1味皇様もびっくり!な大仰な台詞回しや、壮大な脳内妄想描写があったりと、古きはミスター味っ子、新しきは食戟のソーマに例えられる様な、ややギャグ寄りの作風になっています。加え、漫画よろしく画面上に擬音が表示されたり、バラエティ番組ばりにキャラ台詞がちょくちょく字幕表示されたりなんかもするので、チープかつフレンドリーな成分が多分に加味されているよーな印象も受けました(笑)

お料理描写に関しては、意外や意外、とても丁寧。キンキンに冷えたトリアエズナマ(笑)しっかりと味の染みた感じのアツアツのおでん、外はカリッと中はふんわりの鶏の唐揚げの美味しそうなこと! 絵と音で存分に楽しませて頂きました。ジョッキに注がれたトリアエズナマ、グラスに凍り付く霜、滴る酒の表現に至るまで、とてもリアルに描写されていました。

作画について他に言う所があるとすれば、お料理描写が丁寧な一方で、キャラおよび衣装の表現が割とてきとーなところ。特に兵士達の身に付けている※2スケイルアーマーの作画は、ヒ、ヒドイ! 色々な意味で笑かされてしまいました(汗)でもまぁ、そういうところで魅せるアニメでは無いので、これはこれで良いのだと思います。スタッフの方の負担も減りますし(笑)

タイトル名に関してもちょっとだけ残念。どちらかと言うと酒よりも料理が主役なお話なだけに、居酒屋という単語で視聴者層を狭めてしまっては勿体無いな~という印象を受けました。「のぶ」という純和風な店名にしても、敢えて狙ってるんでしょうけど、※3中世ヨーロッパ風の世界観の中で調和を乱している風にも見えてしまいました。ついでに言わせてもらうと、異世界居酒屋(いせかいいざかや)のゴロも若干悪い(汗)

上記いずれも些細な点ですが、何となく落ち着かなかったので挙げさせて頂いた次第。気にならない人は気にならないんじゃないかと思います。


前期のポプテピピックや、今期の実験品家族など、最近は、番組の時間枠をあれこれと自由に利用して視聴者を楽しませようという試み、あるいは予算節約?をしているアニメが増えている様ですが、本作にしても、擬音、字幕表示、実写パート程度ですが、実験的な試みを通して、新しいアニメのスタイルを模索する製作者の努力が垣間見られる様でした。

因みに実写パートは今の所、3分クッキングと居酒屋探訪の2種類。一回毎に代わる代わる放送されます。

実験作っぽくはあるものの、ポプテの様な破天荒さは無く、挑戦的な趣向も控えめですので、割と保守的なわたしでも(笑)好意的な目で最後まで見続ける事が出来そうです。

原作は異世界食堂よりもこちらの方が2月半だけ古い様ですが、上に書いた作風の違いからパクりパクられの印象は薄く、それぞれの個性、魅力がある様に感ぜられました。


※1:美味なるモノを食すと、口からビーム出すわ、車椅子で階段駆け昇るわ、巨大化して天守閣突き破るわ(イメージ映像)で有名?な、アニメ「ミスター味っ子」に登場する元気溌剌なおじいちゃん。

※2:金属などの小片を、布や皮に隙の無い様に縫い付け、並べ、爬虫類や魚類の鱗の様に美しく仕上げた鎧。柔軟性があり動き易く、斬撃および刺突に強い耐性があるとされる。

※3:ドイツっぽいんですが、イメージ画像内でネクタルとオーディンを結び付けているところとか超テキトー(笑)オリュンポスの神様がいない世界だったりして?

投稿 : 2020/04/04
♥ : 30

59.2 6 大人向けアニメランキング6位
秘密-トップシークレット(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (58)
345人が棚に入れました
青木と薪は、MRI捜査専門の「科学警察研究所 法医第九研究室」の研究員。個人のプライバシーをすべて見る捜査であるため、倫理上の問題があるとの指摘がされており、警察庁の中でも正式な機関としては位置づけされていない。
ただ、検死では解明されない事件が解決できる手段として、捜査員たちは常軌を逸した映像と日々向き合っていた。多くのものが、慣れることも正気を保つことも出来ず辞めていく中、青木は第九に憧れていた。配属された途端、薪に異動を薦められるが、青木はあきらめなかった。
しかし、その仕事はあまりに厳しいものだった…。
ネタバレ

糖尿猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

原作ファンは完全に別物と割り切って見るしかないかも

原作ファンです。


内容を簡単にいうと↓
◆犯罪犠牲者の脳を解析して生前見ていた映像を再現して、それを元に事件を捜査していく【第九】と呼ばれる部署。
そこに配属された新人の青木。
小柄で、女性と間違われるほど美しい容姿の第九の室長、薪さん。(モデルはHYDE。作者談)
そして他の第九のメンバー達が難事件、怪事件を捜査、解決していきます。


全26話。アニメオリジナル回が半分程あったのですが、オリジナル回は序盤の数話以外見ていません。
原作回と比べると第九の仕事にしては内容が薄っぺらく感じたので・・・。

ちなみに原作回はこちら↓
{netabare}
2.3話   アメリカ大統領
5.6話   絹子と盲目の少年と犬
12.13話  貝沼
18~20話  電車バイオテロ(雪子さん登場!!
23.24話  天地

それ以外はオリジナル回だったはず。
{/netabare}


原作回は、『事件内容』は、原作にそっていましたが、捜査の過程、設定などの変更はあって少し残念。

でもそんなことより作画が残念すぎました。
薪さんのタレ目具合がひどい。
薪さんが全然美しくない!女性に間違われる位の美貌のはずなのに!ついでに雪子さんももっと綺麗!
その2人だけではなく、他のキャラ、生前の映像の描写、
様々な場面において原作絵の繊細な雰囲気がありません。

キャラクター達も、第九のメンバーが数人削られ、代わりにアニオリキャラが追加されています。
その追加メンバーによって捜査中の「これじゃない感」もありました。
(小池と今井の出番がほしかった・・・)
また、キャラの設定の変更があり、???と思うことも多々。(天地が青木の先輩とか。青木が姉を好きとか)
そして薪さんの性格がなんだか落ち着いていました。
激怒したり、怯えて震えたり、もっと危うさや脆さなどの描写が欲しかったです。

グロ描写はあれが限界ですかね。

あとこれはただの私の好みの問題ですが、薪さん役の関智一さん。好きな声優さんですが、薪さんとは少しイメージが違いました。

もうなんか・・・どうしても原作と比べてしまって、原作贔屓で見てしまうのでガッカリ感はすごかったです。

原作を知らない方は素直に楽しめる作品かもしれません。

ED曲は内容にあっていたように思いました。素敵でした。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 3

ワッキーワッキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

サイコパスを待っている間にオススメした作品

西暦2060年以降の「科学警察研究所 法医第九研究室」、通称「第九」という組織で行われるMRI捜査を中心にした話。

MRI捜査とは
死後数時間以内に摘出した脳に、特殊な機械を接続する事によって、死の直前の被害者の記憶を映像化して操作する方法
(死の直前以外も観れるが、生きている人間同様に、過去に行けばいくほどあいまいになってしまう)

「第九」
MRI捜査を実験的に取り入れた機関で、その操作方法から非倫理的と外部機関や一般人から敬遠また妨害されている。

と結構昔に観た作品でしたが、設定がとても印象に残っている作品です。

また年代が、2060年となっていますが、MRI以外はほとんど現在と変わらないので、そこまでSFしているわけではないと思います。

さらに、倫理としては何とも言えませんが、この捜査方法が現実に導入されたら、警察の捜査はかなり向上するというリアリティーもあると思います。

残念な点としては、キャラクターデザインが少女マンガ風?であるため、一般受けはしにくいかと思います。

そして、アニメとしては認知度が低いですが、漫画では当時かなりヒットしたらしく、私の最寄のレンタルショップにも置いてありました。

サイコパスや、攻殻機動隊シリーズが好きな方には観ていただきたい近未来警察SFストーリーです。

こういった経過を経て、電脳化していくのかなぁとひそかに思っています。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 6
ネタバレ

弥月 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

原作直行をオススメします

主人公が所属するのは、科学警察研修所 法医第九研究室。
事件の被害者や死刑囚の脳を取り出し、その記憶を解析することによって事件を解決に導く部署。
サイコパスの世界観に通じるところもあって、設定がとても面白い。

原作は長編のようで、アニメ化できたのは一部のよう。
ちょこちょことその後に繋がりそうな伏線があったので、原作に手を出してみたくなった。

ただ、アニメにはいろいろと残念なところが。
・作画が好きになれない(清水玲子さんの絵は好き)
・BGMが気になる(シーンとのミスマッチ、多用し過ぎ)
・演出(迫力不足、もっと違う構図があっただろう…泣)
・その他「え、それでいいの?」と気になるシーンあり
{netabare}病室(おそらく警察病院)から飛び降り自殺→MRI捜査て、かなりムリが…
セキュリティに関することや証拠品の取り扱い、人物の発言などいろいろ{/netabare}

とはいえ、人の秘密を覗き見る罪悪感や世間からの非難に苛まれながらも、事件解決のために奮闘する仲間たちの物語は熱い。
見た目に騙されず、がっちりと作りこまれた世界を観てほしい。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 7

77.0 7 大人向けアニメランキング7位
東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)

2003年11月8日
★★★★☆ 4.0 (605)
3160人が棚に入れました
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。

声優・キャラクター
江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山イヌコ、山寺宏一
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

さて第九でも聞きますか

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。90分のハートフルコメディ。
 今敏監督作品は、千年女優→パプリカ→パーフェクトブルーに続く4作目になります。
 今敏監督の特徴である厚いシナリオそのままに、笑いあり涙ありの正統派ハートフルコメディに仕上がっていました。シナリオ面に関しては今敏監督作品の中で最も良かったのではないでしょうか。

 今敏監督作品は、映像表現を使って主題を隠すのが非常にうまいという印象を持っていたのですが、この作品では映像表現ではなく、セリフとコメディを使っていたようです。重要なセリフでは、「誰かが誰かに」の「誰かに」の部分が別の人であるのが基本となっていますし、主題となる部分はシリアスにならないように、その後のコメディシーンであっという間に打ち消されたりしますからね。「パーフェクトブルー」も「千年女優」も「パプリカ」も、テーマは前向きなものだと思うのですが、描き方は斜に構えたものでした。クサいことを正面切って言えない監督の照れみたいなものが、この作品ではセリフとコメディに出ていたんだと思います。
 ホームレスを主人公に置いているのに、悲壮感みたいなものがあまりなく、むしろ力強さを感じたりもしますから、あえて言うならそこが映像表現として隠された部分なのかもしれません。

 シナリオの良さ、つまりフラグ回収の巧みさは見れば分かるものですので、細かい部分は省略して、私が注目した部分を少しだけ述べておきます。


オープニングと奇跡:{netabare}
 シナリオの一つの特徴として、徹底したご都合主義があると思います。いわゆる「奇跡」の連続でストーリーが進んでいくのですが、これを許容させる基礎はオープニングにありました。
 オープニングでは劇中劇を使って、奇跡を起こすことが宣言されています。視聴者は、監督が用意した舞台に上がってくることをある意味強要されるわけです。こういう監督側からの主張というのは、個人的には結構好きです。そもそもパーフェクトブルーも千年女優も、劇中劇からスタートしていますし、パプリカは夢の世界からスタートしています。一つのステップを用意してから実際のストーリーに入っていくという「視聴者に対する段階的な意識付け」は、監督自身が狙っているところなのかもしれません。

 こういうオープニングの作り方は、ファンタジーやSFに近いと思います。
 ファンタジー等では、架空設定を視聴者に説明する必要があります。例えば、ラピュタでは「石が浮く」ことをオープニングで説明しているから「城が浮く」ことを受け入れられるわけです。
 一方、時代劇や現代劇などリアルを前提とした作品は、架空設定の説明が不要なため、オープニングでは時代や舞台、キャラクターの紹介が中心となることが多いです。風立ちぬみたいな作品ですね。
 これらに対して現代ファンタジーは、現実の中にファンタジー要素を押し込めるのが基本です。日常の描写の中に魔法の存在を描いている魔女の宅急便などがこれに当たります。

 この作品は、現代劇であるにも関わらず、劇中劇から入っています。つまり、作り方としては、現代劇よりもファンタジーに寄っていて、現代ファンタジーの枠内に入るものだと思います。オープニングを見逃したり、現代劇への先入観が強すぎたりすると、ご都合主義が鼻につくかもしれませんが、オープニングの作り方からすれば、キキが「空を飛ぶ」のと同じ感覚で、「奇跡が起こる」ことを許容出来るようになっていたと思います。あくまでもオープニングの作り方の問題で、この作品がファンタジーだと言っているわけではないですよ。
{/netabare}

ハナと家族観:{netabare}
 ストーリー展開上の重要キャラクターは、間違いなくオカマのハナだったと思います。母親役である彼女(?)がなぜオカマでなければならなかったのかという理由については、消極よりも積極のが多いように感じました。

 まずは、コメディ要因として。オカマというキャラクター自体が非常にコメディ要素が強く、失礼な話かもしれませんが、「いるだけで笑える」という部分は少なからずありました。前2作と異なり、コメディを追及する上でオカマの特異性に白羽の矢が立ったのだと思います。

 次に、ステレオタイプ化です。男性の女性化というのは、大きく分けて二つの方向性があるように思えます。一つ目が、現実の女性に近づく方向で、いわゆるニューハーフのような「綺麗な」タイプです。二つ目が、ステレオタイプ化された女性に近づく方向で、いわゆるオカマのような「汚い(←失礼)」タイプです。この作品では二つ目が採用されていました。
 オカマというのは、誰が見ても女性を目指していることを認識するわけですが、現実の女性にこのようなタイプの人を見たことはないはずです。つまり、オカマというのは、女性を目指していて、かつ女性をイメージしているにも関わらず、現実の女性からは乖離していった存在なのだと思います。ある意味ステレオタイプ化された有り得ない女性像を持っているわけです。
 この作品では、家族というのが、ハナ・ギン・ミユキというキャラクターによって偽装されたものとして登場します。彼らを見ると誰もが家族だと認識するにもかかわらず、実際には家族たり得ないという構造を持っていました。これも家族のステレオタイプの活用であり、ハナの概念と一致します。ハナというステレオタイプ化された存在によって、ステレオタイプ化された家族を演出するという二重構造を作り出したのではないでしょうか。

 最後に、ギンとの関係です。ハナはギンへの恋愛感情を否定しています。実際にどういう感情を持っていたかは分かりませんが、作中では偽装化された家族でなければならなかったというしがらみが確かにあったはずです。つまり、男と女が並んだ際に、恋愛要素が前面に出てきてしまっては、不都合があったはずです。恋人ではなく、あくまでも偽装された家族であり続けるために、現実の家族ではありえない夫(男)と妻(男)という構図が必要だったのだと思われます。

 実際に監督がどういう意図をもってこのキャラクターを採用したのかは分かりませんが、私は好意的に受け止めました。近敏監督のキャラクターは現実感が強すぎるために、突出したキャラクターは存在していなかったように思います。没個性に基づく現実感と言い換えてもいいかもしれません。この作品で初めて突出したキャラクターであるハナが登場したわけですし、描けるキャラクターの幅の広さは確かに感じました。
{/netabare}

ただいまとエンディング①家族関係の成立:{netabare}
 「ただいま」という挨拶は、家族ものにおいては重要なキーワードだと思います。「おはよう」のように誰に対してでも使えるものではなく、家などの「自分の帰る場所」に帰った時のみに使える、家族を象徴する挨拶であると考えられます。
 そんなわけで結構注目していたのですが、この作品で「ただいま」が使われるシーンは、二か所しかありませんでした。一つ目は中盤で、赤ん坊(キヨコ)の自宅である「べき」場所に全員で到着した「廃墟への到着シーン」です。そして二つ目は終盤で、「偽の」母であるサチコの手にキヨコが戻った「疑似母子成立シーン」です。
 いずれにも言えることは、超重要シーンだったということです。どちらのシーンも、「本来であればエンディング」という節目のシーンです。一つ目は廃墟になっていたため、二つ目は、偽の母であったために、念願叶わずでしたが、仮のエンディングという役割を持っていました。

 で、どちらのシーンがより重要かと聞かれれば、迷うことなく一つ目だと答えます。後述しますが、どちらも仮のエンディングであって、重要なのは変わりません。ただし、一つ目のシーンだけは、もう一つの意味を持っていたと思われます。それは4人の「家族関係の成立」です。
 家族関係の成立が描かれたシーンは、この前にもありました。ミユキの夢です。この夢のシーンの前では、言葉の通じない女性を前に、父親を刺したというミユキの告白が入ります。女性はやさしい母親像を持っていますから、母親への懺悔に等しいのものです。ミユキは言葉が通じないからこそ本音を言える環境にいました。このときミユキが見た夢が4人の家庭ですから、ミユキの深層心理上は確かに家族関係が成立していたのだと思います。しかし、あくまでもこれはミユキ個人のものですし、現実における家族としての儀式が不成立であり、片手落ちという状況でした。

 廃墟への到着シーンを整理してみます。4人で廃墟に到着し、ギンだけが家を出て、改めて鍵を使って家に入り、「ただいま」という流れです。ドアが壊れるコメディシーンでぼかされていますが、父親が家に帰ってきて「ただいま」ですから、この時点で、実質的な家族関係の成立を見るべきだと思います。ホームレスが家を獲得しているというメタファーもあります。
 夢のシーンでは、ミユキの心理上の家族関係の成立に過ぎなかったものが、廃墟の到着シーンによって、実質的な家族関係へと昇華されたのだと思います。この後には、ミユキが自宅に電話するシーンが待っており、これは疑似家族からの離脱フラグの訪れです。つまり、このタイミング以外に家族関係の成立を描けるシーンはありませんでした。

 ここで、ミユキの重要性を述べておきます。ストーリー上の重要キャラクターはハナだと思いますが、テーマ上の重要キャラクターはミユキです。
 ギンとハナは、やや短期的にフラグ回収がされていきますが、ミユキのフラグ管理は長期的です。なかなかストーリーが進まない割に、進む時にはかなり前進するのが特徴です。また、帰宅のフラグ成立が最も早いのもミユキです。エンディングもミユキのためのものですし、間違いなくテーマを背負ったキャラクターです。東京ゴッドファーザーズというタイトルからも察することが出来ます。主要キャラクターにも関わらず、ファーザー要素が皆無なミユキは、意味を持ったキャラクターであったはずです。

 で、先に述べた廃墟への到着シーンというのは、ミユキのストーリーが大きく前進する手前、つまり、フラグ的には最も拡散した段階にありました。それゆえに、この時点で家族関係が成立し、あとは徐々に疑似家族が解消していくという流れになるわけです。
{/netabare}

ただいまとエンディング②ミユキのエンディング:{netabare}
 ここで、前述の二つのシーンで「ただいま」を言っているキャラクターに注目してみます。
 「廃墟への到着シーン」はギンです。妻と娘の元に戻りたいギンが、ハナとミユキ(とキヨコ)という妻と娘に対して言っています。
 「疑似母子成立シーン」はハナです。出生(母子)を知らないハナが、キヨコとサチコという母子の間に立って言っています。
 ギンとハナは、この「ただいま」のシーンを通じて、ある意味本懐を遂げていることが分かります。だからこそ、この二つの「ただいま」のシーンが仮のエンディングだと言えるのです。実際、ギンは娘に、ハナはバーのママに再会出来ています。
 唯一言っていないし、再会出来ていないのはミユキだけです。帰宅のフラグが一番早く、受入先が確実にあるミユキだけが「ただいま」を温存したまま、エンディングを迎えてしまいます。
 そして、エンディングで描かれるのは、ミユキと父の再会です。あの後にミユキがどんなセリフを言うのか、描かれていないとしても想像に難くありません。

 ちなみにですが、ミユキの帰宅が確定するのはエンディングではありません。その前の、ビルの階段を駆け上がるシーンです。
 このシーンでは、手すりにコートをひっかけたミユキがそのコートを脱ぎ捨てています。その後は帽子を自分で投げ捨てています。これは、急いでいるという描写でもあるのですが、それより重要なのは、「偶然にホームレスの衣がはがれ」その後「自らの意志でホームレスの衣を捨てた」ことにあります。
 ミユキは常に受動的でした。ハナに引きずられ、事件に巻き込まれ、父親との電車での再会も偶然の産物です。能動的に起こした行動は電話くらいのものですが、予定通りに実行できませんでした。
 このミユキが、階段のシーンでは、受動態から能動態へと一瞬で変貌し、その後母子を救うまでに行動力を見せています。
 つまり、この階段のシーンでは、ミユキの問題が既に解決されていることが再度遡及され、自ら解決のために行動を起こせることが明示されているのです。エンディングにおいてミユキは偶然父に再会していますが、自分からあのセリフを言うだろう、という予測が、階段のシーンから成り立つのです。
{/netabare}


 この作品は、フラグが次々に立ち、次々に回収されるという性質上、他の今敏監督作品に比較すると、エンディングにおけるカタルシスというのは、非常に弱くなっています。最後のミユキのセリフはあった方が良かったんじゃないかなぁとは思うんですが、やはり説明しすぎるのを好まない監督なのかもしれません。とはいえ、そんな私の感想などどうでもいいくらい完成度の高い作品だと思います。
 特に次々に回収されるフラグの中で、回収されないフラグのみでエンディングを作る構成力は、他のどの作品に比べても特筆すべきものだと思います。

 最後に。過去作品とのオープニングの類似性を前述しましたけど、エンディングも前2作と同じ病院エンドですからね。なんかあるんですかね?たまたまだとは思うんですけど。ちょっと驚きましたw


対象年齢等;
 家族ものですし、10代からでいいと思います。奇跡をご都合主義よりはやや柔軟に受け止められる姿勢があれば、確実に楽しめると思います。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドブネズミは美しかっただろうか?

劇場版オリジナル


それは年の暮れのこの物語と同様に全くの偶然でした。
・・・ともったいぶる必要はなく、年末に録り溜めてたものを観忘れていたのを思い出してついぞ最近観ましたというやつです。

私にとっての初“今敏”監督作品になります。
タイトルだけは記憶にあって、とはいえ氏の作品とは知らずにOPクレジットを見て気づいたくらい。
その氏についても早世したアニメ監督らしい、程度のニワカ全開、先入観なし状態で鑑賞突入です。

絵は独特。このタッチはけっこう好き。
ん?劇伴がたまに邪魔してセリフが聞き取りづらい。
声は職業声優さんではないのね。劇場版あるあるなのでそのへんはスルーしよう。


≪クリスマスの奇跡≫タイプの作品、と使い古されたモチーフながら、主人公がホームレスの三人という面白い組み合わせ。
ひょんなことから捨てられてた赤ん坊を拾った三人が、赤ん坊の親を探しにいく道中で、ハプニングが起こりすったもんだしながら、自身の過去にも向き合い、最後は≪クリスマスの奇跡≫タイプらしい、ちょっと心温まる終幕を迎えた良作でした。

おそらく監督も狙ってたのかもしれません。
多少のご都合主義は“クリスマスだしね”で私の場合納得しました。基本、ちょろいんです。
それで手に入れたのがテンポの良さ。92分あっという間です。すったもんだは一つや二つではありませんでしたが、ありえない都合の良さで見事に収束していきます。エンタメはこれくらいでいい。


そしてテンポの良さと相性がいいであろうドタバタコメディやアクションムービーといった方向にあまり舵を切らなかったのがこの監督のすごいところなのかもしれません。
ホームレス三人の主役たち。ギン(CV江守徹)、ハナ(CV梅垣義明)、ミユキ(CV岡本綾)の過去を掘り下げます。赤ん坊という家族の幸せの象徴みたいな存在を媒介にして、宿無しに身をやつした経緯とそれぞれの家族への思いが明かされていく中盤以降がなんとも心に沁みるのです。
本作とそれほど変わらない時期に公開されてる実写映画『ホテルビーナス』とも共鳴するような

{netabare}“社会の底辺から愛を叫ぶ”{/netabare}

心の繋がりを描いた物語でした。社会の繋がりの最小単位である“家族っていいよね”が根っこにあるので、クリスマス映画としての評価が高いのも頷けます。

{netabare}それぞれ三人に帰ることのできる場所を用意してあげたのもクリスマスらしくて良いですね。{/netabare}

なによりそれぞれの家族がいるのと同じいやそれ以上に、このギン、ハナ、ミユキの三人もひとつの家族でした。っていう家族愛をちょっと斜めから捉えた視点もけっこうお気に入り。

社会の最底辺から社会の最小単位を見つめた本作。
監督の他の作品にも興味をそそられますし、テーマや絵柄、そして先述のテンポの良さとクリスマスムービー的な立ち位置を鑑みると、非ヲタ一般人の敷居も低そうな作品です。



■この声あてなら不問
・その1 ハナちゃん
 梅ちゃんの起用は卑怯。そのまんまですやん。
 {netabare}「ろくでなし」熱唱。いつ鼻からピーナッツ飛ばすかワクワクしてたぞ!{/netabare}

・その2 ミユキ
 岡本綾さんがキャスト名に出てきてビックリ。
 当時めっちゃ好きでした。活動期間短かったのも「あの時期の人!」って感じがして懐かしさを誘う。


■日本のホームレス
諸外国と比較し恵まれてます。残飯にはありつけるしダンボールハウスを敷設できる材料や場所に事欠かず、共○党に頼めば党にほぼピンハネされますが生活保護にもありつけます。
ガチで底辺ではあるものの日本社会は優しいし、働けとは思いますが、それはそれでいいと思ってます。海外はそうはいきません。まぁ悲惨の一言です。
また、そういう環境からなのか文化の土壌の違いからなのか、私は後者の影響が強いと思うのですが、日本のホームレスは“良心”が残ってるほうでしょう。

この物語はホームレスが人として大事なものを失ってないよね、が土台となってる話になるので、そもそもその設定を受け入れられる背景がなければ成立しなかったんじゃないかなあ、と感じます。



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2019.08.03追記

視聴時期:2019年2月初頭
その後、今監督の作品を3作立て続けに観てどれも面白かったです。
そんな素敵な出会いのきっかけを与えてくれたのが本作でした。
ご都合主義なところはクリスマスが免罪符ってことで良いと思います。
今度は12月に観ることにしようかしら(^^)



2019.02.10 初稿
2019.08.03 追記

投稿 : 2020/04/04
♥ : 40
ネタバレ

このままじゃダメだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

リアリティと奇跡

今敏監督ってこんな大衆的な作品も作られていたんですね

クリスマス、三人のホームレスがゴミ捨て場で赤ちゃんを拾ってから
正月、親元に戻すまでの壮絶な1週間がコミカルに描かれます。

日本の12月25日~1月1日と言う期間は、ホームレスにとっては厳しい寒さに堪える季節、一般の人も家族や親戚に会いに行こうかなと考える時期ですね。

人々の流れ、人々の動き、音楽の節々に日ごとの変化が読み取れ
ただの詰め込み過ぎとは違う濃厚な作品になっていたなと感じました。

どこをとってもホント最高の出来でどうにか表現できないかと思ったのですが、どんな言葉も薄っぺらいなと思ったので、

ざっくばらんにリアリティと奇跡という言葉を置いておきますね。

リアリティ(英訳reality)
説明するまでもありませんが、現実性、真実性、実在という意味ですね。
アニメですからもちろん演出として現実から離れた表現も行いますが、風景、背景、音楽、出来事どれをとっても現実的でありそうな範疇でありながらそれを突き詰めているのがこの作品のおもしろポイントです。
要はあるあるネタです。
あるあるネタは知っていた方が当然面白いですよ。
大衆的でありながら視聴者を試しているなんて挑戦的ですよね。

奇跡(英訳miracle / marvel / wonder)
この作品のテーマです。
ですが、この作品でホントにあり得ないことはちょっとした偶然が重なり続けたことと、最終局面{netabare}のビルから落ちて助かったこと{/netabare}だけなんじゃないかと思います。

起こったイベントを時系列でまとめてみました
{netabare}
25日
協会の配給を手に入れる
ゴミ捨て場にて赤ちゃんを拾う
ビルの屋上から落ちてきたペンキを回避する
交差点にて交通事故を回避する
赤ちゃんを清子と命名する

26日
母親を探す旅に出る。
母親が働いていたと思われるクラブの名詞と母親と思われる写真をを入手する
ミユキ、電車内で立ち往生中に別の電車に乗っていた父と遭遇し、逃げたところでミルクを落とす
墓場にてミルクとオムツを入手する
道で車に押しつぶされていたやくざのオッサンに出会う
母親と思われる写真の女性の名前が幸子と判明する
オッサンに連れてきてもらった結婚式場で発砲事件が発生、ミユキと清子が犯人に人質として連れ去られる
ハナとギンが喧嘩
発砲事件の犯人の奥さんが清子に母乳を与えてくれる
ギンが路上に倒れていたホームレスを介抱し手がかりを入手する
ギンがホームレス狩りに合う

27日
ハナがミユキを発見する
ギンが天使に助けられる
ハナが昔働いていた店でギンと再会する

28日
ファミレスで一夜を明かす

29日
泊まった空家が幸子の家の写真と一致する
現住所の手がかりが手に入る

30日
コンビニで酔っ払いのサラリーマンともめる
店を出たところで救急車が店に突っ込む
ハナが倒れる
運ばれた病院でギンと娘のキヨコが再開する

31日
幸子と清子が再開する
清子は幸子に連れ去られた子だと判明する

1日
初詣にてギンとハナ、ミユキが再開する
幸子の乗ったトラックが横転もけが人なし
幸子が清子を連れてビルの屋上から飛び降りようとする
落ちた清子を助けようとしたハナと、清子は風によってゆっくり降りてくる
ミユキが病院で父と再会する

クリスマス・大晦日・正月はちゃんとした描写があるので間違いないのですが、27日から30日は日が立つのが早かったのでもしかしたらずれがあるかも。

いかがでしょうか、銃撃と最後のトラック横転で死傷者が出なかったことと、ビルの屋上から落ちてハナさんが無傷だったことは、ちょっと盛りすぎたなと思いましたが、単体ならどれもあり得そうだとではありませんか。
{/netabare}


印象に残ったシーンは
{netabare}最初のミユキとギンのバトルロワイヤルシーン、連れ去られたミユキを取り戻すためにギンとハナが式場をかけるシーンです。{/netabare}地味なシーンなのに動きが良かったのでなおさら印象に残りました。
節々でも手を抜かない監督の力量を感じました。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 18

63.9 8 大人向けアニメランキング8位
スカイクロラ - The Sky Crawlers(アニメ映画)

2008年8月2日
★★★★☆ 3.6 (410)
1903人が棚に入れました
現代に似たもうひとつの世界。平和を実感するために“ショーとしての戦争”が行われる中、思春期のまま戦闘機のパイロットとなることを余儀なくされた通称“キルドレ”たちの運命を描く。
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Innocent Aces

原作は未読
ゲームはプレイ経験有です

数年前に
本作ゲームを
親戚の子(♂、当時小学5年生)を相手に興じ
年甲斐もなく悔しい思いをしたこの作品

当時を振り返ると
若気の至りというのか(そんなに若くないか^^!)
思考が単純なだけだったのか

悔しさのあまり
ゲームの攻略方法や
作中に出てくる戦闘機をネットで検索して
かなり本気でゲーム対策など練ったものです
(全く参考にならなかったけど^^)


そして最近になって
このアニメ作品を視聴

そのときの煽りなのでしょうか
空中戦のシーンでは
それこそ液晶画面に穴がいくつも開くくらいに
DVDが擦り切れるくらいに(そんなことには絶対ならないけど)
何度も何度も
空中戦のシーンを観察してしまいました


とにかく
空中戦
そして
戦闘機の描写がハンパないです

作画の細かさや綺麗さもさることながら
縦横無尽に動き回るカメラワークや
所々にスローモーションを入れたりして
戦闘機の動きを
よりダイナミックに見せる演出

さらに戦闘機の細部に至るまでの設定

いたるところに
細かくて
しかもツッコミを入れたくなるくらい

ある意味
マニアックな設定が施されていることが分かってしまい
数年前の無駄な努力がこんなところで日の目を見るなんて
ちょっと空しくなるくらいテンションがあがりました


特にすごいと思ったのは
主人公の「函南優一」(かんなみゆういち)くんが操る
「散香」(さんか)という戦闘機

「エンテ型」と呼ばれる
プロペラが機体の後方に設置されている
独特のスタイルの戦闘機で

Wikiによると
「実際に飛びそうな単発単座のプッシャ機を模索した結果、外観が旧日本軍の『震電』と似てしまった」
と記述されてますが

ホントは
その「震電」自体を”モチーフ”にしてるのでは・・・
と思われるような描写が随所に見られます

被弾してパイロットが緊急脱出するときは
パイロットが怪我をしないように
エンジンと本体を繋ぎ目で爆発させて切り離したり

プロペラへの損傷を防ぐため
機銃発射時に機体外部への薬莢の排出をしないなど
(他の戦闘機はジャラジャラとバラまいてる)

その独創的なスタイル故
実機で実際に取り入れられていた特殊な仕様を
とことん盛り込み映像化するこだわり
(って勝手に思い込んでるのですが^^)

さらには
作画描写が難しいはずなのに
あえて
実機には採用されなかった二重反転プロペラを
惜しげもなく採用し
運動性能の向上を図ったり

普通なら機体が空中分解してしまうくらいの
激しいマニューバ(急激な旋回)を
いとも簡単にやってのけてしまう
等々
(ここら辺になるとかなりテキト~に書いてますよ^^)

まあ
実際には
「震電」の機体については
試作機段階で終戦を迎え
実戦での運用実績がないので

想像の範囲内での無茶な設定くらいおおいにアリなんでしょう^^
(って超エラソ~なこと書いてしまった^^!)


反面
ここまで書いておいて
お話のほうは
よく分かりませんでした!(キッパリ!)

「大人」にならない(なれない?)
だけど
お酒を飲んだり
喫煙したりする
「キルドレ」と呼ばれる「子供」(?)

私にとっては超うらやまし~(歳取らないところが)
キルドレという運命を背負わされた
主人公のゆういちくんをはじめとする
戦闘機パイロット達の
戦闘に明け暮れる

現実からかけ離れた“日常”・・・

なのかな?

戦争や空中戦よりも
彼らの日々の生活や
キルドレである自身の苦悩や葛藤が
淡々と描かれており

表情の薄いキャラデザも手伝って
ちょっと気持ちが沈んでしまいそうになります


ストーリーは
ヒロインで指揮官
そして
こちらもキルドレの「草薙水素」(くさなぎすいと)(♀)の元に送られてきた
或る一人のパイロット(今回はゆういちくん)のエピソード
という感じ

最後は
{netabare}次の男の子が基地にやってきて
“ふりだしに戻る”
みたいな感じ{/netabare}

{netabare}すいとのおめがねにかなう
「どストライク」の男の子が現れるまで
このループが繰り返されるお話・・・{/netabare}

なのかな?

{netabare}何人もの若い男の子を吟味できるなんて
うらやまし~
な~んて{/netabare}

{netabare}ちょっとだけ筋違いな嫉妬をしてしまいました^^{/netabare}

抑揚のないエピソード・・・
戦争モノなのに日常モノみたいなお話・・・
いったいどこに主眼を置いてこの作品を観ればいいのか?


でも
よ~く考えたら
こんな展開そのものが
この作品の隠れたテーマなのかもしれません

作品を構成する要素
そのどれもが
途中経過
成長過程
そんな印象を受けます

出てくる飛行機のほとんどが
現実世界では
構想段階で終わったものや
開発途中で断念されたのものばかり

キルドレという
見た目は子供
頭脳は戦闘マシーンみたいな
中途半端な状態の子供達

そして
喜怒哀楽の
感情の起伏の少ない
途中経過のストーリー

なんだか
お話が醸し出す無限ループ展開のようなものに引き込まれていくような感じ

観ていて
ちょっと違和感を覚える作品でした

投稿 : 2020/04/04
♥ : 19
ネタバレ

ワッキーワッキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

音のしないメトロノーム

監督押井守作品に触れたのが、中学の頃で、私をアニメ好きに引き込んだ、または私にとってアニメの入り口となるので、評価の方は少し甘くなってしまっていると思います。

ですが、今作の映像美やテーマ性は一見の価値があったと思います。

物語は、近未来戦争がなくなり科学が発達し、人間の不老不死が現実となりつつある世界、人々は戦争をゲームやショウのように楽しむ、その戦争を行うのは会社であり、不老不死の子供「キルドレ」と呼ばれる存在でした。

登場人物として函南 優一が主人公でエースパイロット
草薙 水素が優一の所属部隊の隊長で、この二人を中心に描かれています。

また敵軍のエースにティーチャーと言う存在がいて、出会ってしまったら最後という、最強キャラ

他にパイロットや娼婦、喫茶の店長などが出演しています。

続いて作中の考察をさせていただくと

まず「キルドレ」と言う存在
{netabare}作中の表現から、キルドレとは新薬の製造過程で偶然生まれた不老不死で、新薬の名前をそのまま付けたのがキルドレという人種とされています。
では、その新薬がどういったものかと考えると、おそらくクローンを作る物だと推測できますが、さらに私は、細胞の培養速度を上げテロメアの問題も解決する薬品ではないかと考えました。
またキルドレという人種の製造には、「アクメツ」という漫画の装置の劣化版を創造しました。
そして、子供のままというのは、その新薬の弊害として、成長より、優先して状態の維持にタンパク質を使うから、子供のままであり、老化もしないといったところだと想像できると思います。
さらに、作中の表現から、記憶の操作も行われていて、無意味な戦争や殺人に対するストレスの軽減のため、忘れやすく、あまり執着しないように製造されたのが、「キルドレ」という商品ではないかと、私は勝手に考察しました。{/netabare}

作品のテーマについて
{netabare}私は、草薙水素のセリフがこの作品の伝えたかった事ではないかと考えています。
「人は、どこかで戦争が行われていないと、自分の幸せを実感できない」
(ちゃんと覚えていないので、こんな感じの言葉です)
これは、哲学や心理学の初歩的な考えですが、言葉をそのままとらえるのではなく、作られた人間「キルドレ」の言葉として観ると、空想の世界から私たちに投げられた言葉のように感じます。
時系列的におかしくなりますが、私はこの言葉から、東京都青少年の健全な育成に関する条例の非実在青少年の事を考えました。

創作のキャラクター達は、都合よく生み出され、殺されさらに凌辱されてきましたが、そのことが文学や創作には必要であった事は確かですし、
こういったものが、児童に見せてはいけないというのもわかりますので条例の賛否は置いておくとして、

キルドレも非実在青少年も人々の勝手な都合で次々に生み出され、殺され、不確かな過去しか持っていないという点で類似していると思います。

はじめ創作する事に疲れてしまったのでは、と考えましたが、後半になるにつれて違うように感じてきました。

そして、死にたいと言ったから存在が悪であるということでも、生きろと言ったから肯定でもなく、この作品は葛藤をするという事が伝えたかったテーマなのではないかと私は考えました。
(全く違うという、お叱りを受けるかもしれませんが、私の感想なのでご了承ください){/netabare}

ティーチャーについて
(ラストを書いているので未視聴の方はご遠慮ください)
{netabare}作中最強の存在として描かれており、優一のクローンの元として存在していますが、序盤では撃墜した爆撃機から脱出した人間も狙い撃ちしたり、ラストでは優一を撃墜後も執拗に打ち続けています。
これは、ティーチャーなりのキルドレに対する優しさなのではないかと思います。同じ遺伝子で同じ記憶を持っているキルドレですが、一人の人間として見て終わらせてあげているという事なのかもと思いました。

レビューのタイトルについて
この作品のキルドレという存在が、音のしないメトロノームのようだなと思っています。感情の起伏も少なく、同じところを行ったり来たりして、半永久的に動き続ける、そして音がしないので、観続けないと存在が理由づけられないといった事からです。

また今作は現代版違約のロミオとジュリエットの舞台なのではないかなといったことも考えました。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 8

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

非常にテンポが悪い

この作品は、森博嗣氏原作の小説スカイ・クロラを原作とした
アニメ映画である。このアニメ映画を鑑賞した後に
小説の存在を知ったため原作についてのコメントはできない。
情報収集のために、スカイ・クロラの解説サイトもいくつか調べたが
小説とは異なる点が多いらしく、作者が否定しているようなので
別物として考えた方がいいようだ。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
戦争が、見世物のショーとしてのビジネスに変化した世界が舞台。
そこでは、殺されない限り永遠に若い姿のまま生き続ける
キルドレが戦争の駒として利用されていた。
そして、そんな生活が日常として認知されるようになってきた。
そんな中、基地に赴任してきた若きエースパイロット函南優一と
元エースパイロットの女性指揮官・草薙水素が出会う。

今作においては、気になった点がかなり見受けられた。
只、良かった点もあったので、まずはそれから書いていこうと思う。

特筆すべきは、戦闘シーンにおける作画であろう。戦闘機の細部にも
手を抜かない徹底ぶり。空中で武器が飛び交う場面は正に
戦場と呼ぶにふさわしい。
音のこだわりも素晴らしい。劇場で見れば、確実に
臨場感を味わえるはずだ。

押井作品の中では、比較的内容が分かりやすく、メッセージ性も強い。
ただし、それが判明するのは終盤間際になってからなので、かなりの
忍耐力を要求されるのはつらい。そのため、
テンポ重視の人は見ないことを推奨する。

一番気になったのは、物語のペース配分が非常に悪いことだ。
序盤と中盤のストーリー展開はとても退屈だ。その上、
前にも観たことのある光景を、ちらほら出してくるので
睡魔が顔を覗かせてくることもしばしば。
横断歩道を敢えて逆立ちしながら渡っていくような錯覚に陥った。

終盤になってやっと、物語の世界観や設定、用語が
説明されるのだが、余りにも遅すぎる。
確か、酒場において水素が優一に語るシーンだったような。
明かされないよりは一向にましだが、とにかくセリフが長い。
また、詰め込みすぎたのが災いして、ストレスを感じた。
既に踏切警報機が作動しているのにも関わらず、自転車あるいは
バイクで疾風のごとく通り過ぎるような感覚だ。
私が劇場で見ると確実に激昂するだろう。
もういっその事、作り直すべきではないかと一瞬思ってしまった。

草薙水素が、戦死したパイロットを「かわいそう」と
言った一般女性に対して、言い放った場面があるのだが、
原作の一部を省略したのだろう、かなり違和感を生じる
シチュエーションだった。彼女は常に冷静沈着ではない
ことを示唆する上での重要なシーンであるのは伝わるが、
明らかに説明不足だ。
傍から見るとただの危ない人にしか見えない。

この作品には、敵として登場するティーチャーがいるのだが、
彼について深く掘り下げていない。キーパーソン
のはずなのに。なぜなのか。
その上、ティーチャーが所属している組織の存在は一切明かされない。
物語の全体像を把握する上で重要だと認識しなかったのか。
気合を入れるべき箇所を間違えているとしか思えない。
無駄に、同じ映像を繰り返すくらいならこういう部分に尺を
使用すべきだろうに。思わず、溜息が出てしまった。

後、致命的だったのは声だ。谷原氏が演じた
土岐野尚史は特に違和感がなかったのだが、
草薙水素と函南優一の声を担当した二人にはかなり耳を傾けた。
耳をすませば聞こえるレベルなら良かったのだが、とても苦労させられた。
その上、演技も微妙なのでマッチングミスではないかと思われる。

天使のたまご程ではないが癖は強いタイプの作品だと
感じたのが私の感想だ。押井守ファンなら観る価値は
あると判断した。テンポ重視の人が見ると確実に
苦痛に感じるので無理してみる必要はないと思う。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 7

65.7 9 大人向けアニメランキング9位
Witch Hunter ROBIN-ウィッチハンター・ロビン(TVアニメ動画)

2002年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (182)
1229人が棚に入れました
数千年もの間、ソロモンと呼ばれる組織が「ウィッチ」たち("witch"とは本来魔女のことだが、本作品では反社会的な超常能力者を指す)から人々を守ってきた。近年、日本でも能力を使って犯罪を行うウィッチが増加、これに対しソロモンの日本支部であるSTNJは、「オルボ」と呼ばれる薬剤を用いてウィッチを無力化・捕獲する戦術で、彼らと拮抗した戦いを演じていたが、主力メンバーの一人が謎の死を遂げ、戦力不足に陥る。代替要員としてソロモンから送られてきたのは、発火能力を持ったクラフト使いである、15歳の少女ロビン。彼女はチームの一員としてウィッチ狩りに力を発揮し始めるが……。
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

狩る者と狩られる者

舞台は近未来の日本。国際機関「ソロモン」に属するウィッチハンターとウィッチの対立、犯罪捜査、組織内の陰謀を描くサスペンスドラマ。SFに加えオカルトものの側面もある一風変わった作品です。

全26話。前半15話までは1話完結の色が強く、後半16話からは概ね続きものという構成。

本作における"※1ウィッチ"とは、パイロキネシスやテレキネシス、サイコメトリーといった特殊な能力を操る、いわゆる超能力者の事。体制側に組みするウィッチである"ウィッチハンター"達は犯罪者を追う猟犬の如く、もとい刑事よろしく、反社会的存在と見なされたウィッチを次々と探し出し狩っていきます。

超能力者(ウィッチハンター)対超能力者(ウィッチ)という図式だと、何となくバトルものを想像される方もいるかも知れませんが、徒党を組むウィッチハンターに対して、ウィッチは常にと言って良い程孤独ですので劣勢は必至、捕り物としてはあっさりと片が付いてしまう展開が多くなっています。

また、ハンター達が携帯している"※2オルボ"という液体の威力も彼等の優位性を高め、狩るものと狩られるもののパワーバランスを不動のものとしてしまってい感があります。オルボには※3ウィッチ能力を弱体化ないしは無力化する効果があるのです。

いずれも反社会的存在となり得る可能性を秘めているという点で、ウィッチとウィッチハンターの関係は、後に製作されたアニメ「PSYCHO-PASS」における潜在犯と執行官の関係に類似しますが、両作における管理者に相当するもの、ソロモンとシビュラの違いに目を向けると、前者が目に見える力を、後者が目に見えない力を脅威の対象としている点で異なる事が分かります。

権力者が力そのものを危険視し、それの所持を制限する法を定める事が体制の維持に有益である事は、古来からある刀狩や現代における銃刀法などを見ればなんとなしに分かりますが、それでは"力"とは具体的に一体何を指すものなのでしょう?

銃や刀剣等の武器の類は既に上で触れたので除くとして、それ以外のものを羅列してみると、知能、美貌、体躯、知識、金、人脈、社会的地位、モノに視点を移すと、(ネット接続した)PC、自動車、といったところでしょうか。

人の情動さえも管理の対象としてしまうのが「PSYCHO-PASS」のシビュラですが、本作のソロモンはそれを含まず、あくまでも上に挙げたものの延長上にある力を監視、管理する程度に権力の行使を留めている点で、ファンタジーながら一定のリアリティを感じさせます。(現代の倫理観から大きく外れてはいないという意味で。時代設定は2056年との事)

力が、例えばわたしの目の前にあるPCや、より古典的な技術で作られた自動車でさえ、人の心を増長させる危険があるという証拠は、その辺を見渡せばそこかしこに転がっているもので、特に探さずとも容易に見つけられます。ネット上でなければ、しょっちゅう暴言吐いて回ってる人とか滅多にいませんし、徒歩でベル(クラクション)鳴らして怒りを露にする人だって、まずいませんものね(笑)

力そのものが人の心を歪める可能性があるのだとしたら、本作における、生来の超能力を持った"ウィッチ"は、わたし達(非超能力者)以上に堕落しやすい存在とも言え、ソロモンによる彼等の監視、管理は、正当か否かは別として、犯罪やテロ抑制の手段として、合理的と言わざるを得ない気もします。ですが、それでは、そのソロモンに管理された"力"は一体どこへ行くのでしょう?

ある者は飼いならされ、ある者は消され、またある者は……。権力者が被支配者層に対して冷酷である様に、ヒトがそれ以外の生物に対して残酷である様に、ウィッチの力を掌握するソロモンもまた、その業の報いを受け、必然の結果として、堕落する宿命を負う事になるのです。

本作のテーマの一つである「正義の所在」を問う、後半にかけての目まぐるしく流転する展開に注目されたし!

※1~3
{netabare}
※1:ウィッチ(Witch)って日本語でも"魔女"って訳される事が多く、女性名詞扱いになっていますが、元々は男女双方を指す言葉だったりします。なので作中における使い方は本来の意味に忠実。

※2:ハンター達が首から下げているシリンダー型のペンダントトップに充填された、きらきらと輝く緑色の液体。オルボを身に付けていると自身のウィッチ能力をも無力化してしまうので、任務遂行に役立つ能力の持ち主であるロビンだけは、これに頼らず自身の力を用いて任務に当たる。製造方法はSTNJ(ソロモン日本支部)内でも極秘となっている。

※3:本作において、"ウィッチ能力"は生まれ持っての力"魔法"であるのに対し、"クラフト"は知識や技術によってその運用を円滑にする"魔術"に近い意味を持つ。そんななので後者は英単語のwitchcraftとほぼ同義。
{/netabare}
キャラについて、登場人物の殆どが腹に一物抱えている様な人たちなので(汗)ストレートな感情表現とは縁遠く、謎めいた印象を漂わせます。表情、口調の端々、その立ち居振る舞いからおぼろげに心情が汲み取れる様になっています。丁寧な作画の成せる業ですね。こういった奥ゆかしい表現はキャラの魅力を大いに引き立てます。
{netabare}
ツンデレだとかシャイだとか言ったら身も蓋もないんですが(笑)特に亜門とマイケルの行動や表情からそれとなく読み取れるロビンへの愛情表現はとても心地良く感じられました。元ネタは多分、海外ドラマ「※4NIKITA1997」に出てくるマイケルとバーコフ、って知ってる人多分少ないですね(汗)

※4:スパイ活動や暗殺などを秘密裏に行なう対テロ組織「セクション・ワン」に所属するエージェント達の活躍を描く実写ドラマ。アクションの他に尋問シーンや人間ドラマにも重きが置かれたハードな作風。拷問担当のマデリーンが超コワイ(汗)
{/netabare}
物憂げな表情やゴシック調のロングドレスを身に纏った奇抜な外見とは裏腹に、人との関係を一生懸命模索するロビンの、たどたどしくも真摯な姿勢にも心打たれます。以前ちらっと見た時にはロビンって不思議ちゃんのイメージが強めだったんですが、改めて全編通して視聴してみると印象が大きく変わりました。びみょーに違う気もしますが、多分彼女は萌えキャラと呼ばれるものです(笑)

名前の後に続く、敬称および接尾語のあれこれも、友情らしきものはあるけれども友人未満の、キャラ間の微妙な距離感を表している様で、とてもスマートな表現になっていたと思います。※2ちゃん、君、さん、様、氏とか(笑)

音楽について、OP「Shell」ED「half pain」は、けだるい感じのジャズ風味。葉菜さんのハスキーボイスが渋い! 作中BGMは自己主張は控えめの、視聴者を無闇に煽る様な事はしない上品な映画音楽という趣きで、両者とも作風にぴったりです。

この作品の翌年に放映されていた「キノの旅(無印)」と、今放映している「キノの旅 -the Beautiful World-」のOPなんかを聴き比べると歴然としていますが、この当時の深夜アニメは、音楽面に限った事ではありませんが、視聴者に媚びる所が少なくて、作品そのものを非常に大事にしている事が伺えます。

総評として、SFや刑事物としてのシナリオの緻密さにはやや欠けるものの、サスペンスとしての十分な牽引力、クールな表情に隠された熱い想いが交錯する重厚なドラマ、ロビンの成長物語としての魅力、それらが見事なバランスでまとまった、落ち着きのある大人向けアニメと評価する事が出来るのではないでしょうか?

たとえ体制側に付く身だとしても、ひと度イレギュラーのレッテルを貼られてしまえば、瞬く間に狩る者から狩られる者へと転じてしまう、そんな人間社会の危うさを、中世の魔女狩りになぞらえて暗喩的に描き出す物語。

狩る者としての宿命に抗うロビンの、亜門の、ウィッチハンター達の葛藤と優しさ、括目してご覧下さい。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 25

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

隠れた傑作

 2002年にテレビ東京で放映されたものの、映像が地味なせいかあまり評判にならず、低い知名度に甘んじている作品だが、『FLAG』や『ライドバック』などと並ぶ隠れた傑作として高く評価したい。
 この作品で取り上げられるのは、中世ヨーロッパの魔女狩りを思わせる超能力者に対する排斥活動。作中でウィッチと呼ばれる超能力者は、犯罪性向の高い危険な存在として、STN(ウィッチと対抗し得る超能力者を擁する組織)の専従班による捕縛・抹殺が進められている。物語は、STNの日本支部に、失われた超能力者の交代要員として、パイロキネシス(発火能力)を有するロビンが着任するところから始まる。
 魔法使いとは異なるリアルなキャラとしての超能力者は、進化論と遺伝学の知見が普及する20世紀になって生まれたSFの華である。超能力者をフィーチャーした最初期の作品であるステープルドン『オッド・ジョン』(1935;SFファンなら必ず読んでおくべき傑作)で早くも社会から異端視される姿が描かれ、新人類・スランに対する弾圧を描いたヴァン・ヴォークト『スラン』 (1946;今読むと悲しいほど時代を感じさせる)が人気を呼んだことから、「超能力者の排斥」はSFの定番テーマとなった。日本では、竹宮恵子『地球へ…』、萩尾望都『スターレッド』など、漫画に傑作が多い。『Witch Hunter ROBIN』もこの系譜に属する作品だが、『スラン』以降の諸作に目立つ表面的な派手さを追い求めず、排斥がどのように行われるかを淡々と描き出す点に特徴がある。
 前半(~第15話)では、ロビンを含む対ウィッチ専従班によるウィッチハントのエピソードが1話完結スタイルで紹介されていくが、何を考えているかわからない寡黙なリーダー・亜門をはじめ、事なかれ主義の署長や遅刻サボリの常習者であるギャルなど、特殊犯罪の撲滅を目指すチームとは思えない覇気のなさが目立つ。しかし、エピソードを重ねるにつれて、登場人物の多くに何か裏があることが少しずつ示され、さらに、魔女狩りの歴史に触れたエピソードを経て、第15話「Time to say Goodbye」で話の流れが一変する。視点がハントする側からハントされる側へと変わり、それとともに、STNという組織自体が抱える内部矛盾と、ウィッチハントを巡るさまざまな謀略が明らかになってくる。前半は、後半に備えて伏線を張り巡らす準備段階にも見えるが、それだけでなく、日常的な光景をきちんと描き込むことによって作品世界の奥深さを際だたせ、後半のテーマを明確にする役割がある。この部分で作者(監督の村瀬修功と考えて差し支えない)の意図を正しく読み取れなければ、ミステリアスな雰囲気だけのアニメと誤解し、最終回で明かされる真相を肩すかしだと憤る結果になるだろう。
 『Witch Hunter ROBIN』最大の魅力は、ヒロイン・ロビンのキャラにある。イタリアの修道院で育てられたハーフという設定で、強大な能力を持つにもかかわらず、生真面目でストイック。世間ずれしていない故のささやかなミスも可愛い(私は、第25話でソバを配るエピソードが好き)。ふだんは足下まである黒のロングコートというゴシック風ファッションを身につけているが、邪魔にならないように縛った髪をほどくと、驚くほどあどけない少女の顔立ちになる。夜、全裸で寝る姿は、妙に色っぽい(裸で寝る風習は欧米では珍しくなく、ネグリジェのような虚飾をまとわないという意味もあって、彼女が修道院育ちであることを思い出させる)。後半では、ロフトに敷かれた寝具以外には剥き出しのバスタブと便器しかないガランとした部屋で生活するが、彼女の禁欲的な精神世界を反映しているようで、愛しい。
 ロビンの持つ超能力が、炎を操り全てを焼き尽くすパイロキネシスだという点も重要である。超能力者をメインに据えたアニメは数多くあるものの、私が優れた作品と評価するのは、本作と『DARKER THAN BLACK』くらいで、それ以外(盛り込みすぎの設定が上滑りした『スクライド』『ギルティクラウン』、人物描写にリアリティがない『とある魔術の禁書目録』『新世界より』など)は、あまり高く買わない。このジャンルに優れたアニメが少ないのは、小説や漫画のように地の文で超能力の実態を説明できず、激しい爆発や光の明滅といった視覚効果が優先されて、人間と超能力の関わりに深く踏み込めないためではないかと想像するのだが、その点、パイロキネシスは、何が起きるかイメージしやすく、小説・漫画よりもむしろアニメの方が迫力を出せるので、ストーリー展開を阻害しないというメリットがある。さらに、炎が宗教的な浄化作用を思わせることもあって、ストイックなロビンに相応しい能力である。本作における超能力者同士のバトルが、しばしばあっけないほど一方的になるのも、超能力が何を象徴するかを考えれば、きわめて当然と言える結果である。
 …ところで、ロビンが15歳というのはともかく、烏丸の19歳は冗談ですよね?

投稿 : 2020/04/04
♥ : 6

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

異端者

キャラのタッチと
作中の潰滅的音楽から醸し出される雰囲気は上質っ!
ロビンは...特に昨今の...萌えねらいの絵柄では表現できありませーん・・・っ!!ゼロゼロゼロ・・・っ!!可愛さがありますっ・・・!し...!
クラフト使い・・・というあたりジョジョの奇妙な冒険のスタンド使いを連想してしまったのは私だけでは...皆無っ・・・・・・!はず...!個人ナイス個人の能力の個性化がもっと図られていればもっと堪らない作品になっていたと矜持ませーん・・・っ!ゼロゼロゼロ・・・っ!っ・・・・!それでもこの世の中、馬鹿な真似ほど… 狂気の沙汰ほど面白い…!作品の評価を...最高にしているのは上で上げた作中の雰囲気ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!がそれをねじ曲げたら…なにがなにやらわからない…を補って余りあるからですっ・・・!っ・・・・!
クラフト...!ウィッチという定義が曖昧な感じがしたのが少し圧倒的・・・!圧倒的不満っ・・・・・!がかなり楽しめた作品でしたっ・・・・!さりげなくお笑いポイントも圧倒的点在している作品ですっ・・・!...!
ナイス笑い所ではゼロゼロゼロっ..ありませ~~んっ...の…基本も基本…大原則だっ…!うが賭博黙示録の冒頭で亜門にナイスハントされたウィッチ...!ウィッチ能力をナイス発言させたときのあの表情で爆笑してしまいましたっ・・・・!スラムダンクの「いっ」っ・・・・・!かゲヘへヘヘヘ・・・・アリウープを仕掛けるような
エンディングもなかなか余韻の残るぐにゃ~だったと矜持たのだっ・・・・・!...!潰滅的終盤どこか駆け足の...ように見えたナイス作品でしたが深夜のいたずらに時間だけが流れていく…!帯に放送されるアニメ圧倒的・・・!圧倒的作品としては良作の部類に入ると矜持ませーん・・・っ!

投稿 : 2020/04/04
♥ : 0

66.8 10 大人向けアニメランキング10位
へうげもの(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (231)
1171人が棚に入れました
時は戦国乱世。織田信長が今まさに天下を獲らんとするその陰に、茶の湯と物欲に魂を奪われた一人の武将がいた。
のちに数奇者として天下に名を轟かせる「古田左介(織部)」である。
「出世」と「物」、二つの欲の間で葛藤と悶絶を繰り返す日々の中、時代は大きく揺れ動く。やがて左介は「数奇者」としての天下獲りを心に決め、「へうげもの」への道をひた走る。
天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、戦国時代を駆け抜けた男/知られざる傑物の物語。

声優・キャラクター
大倉孝二、小山力也、江原正士、田中信夫、田中秀幸、鶴見辰吾

じぇりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

この物語は限りなくノンフィクションにて候

① 明智光秀 「敵は本能寺にあり!」

② 織田信長 「・・・是非もなし」

③ 信長、自分の首を明智に取らせないために、部下(大抵の場合、森蘭丸)に、本能寺に火を放つよう命じる

④ 信長、敦盛を舞う "人間五〇年~"

⑤ 信長、炎の中に消えていく、あるいは自害する

・・・というのが、同じNHKの大河ドラマで戦国モノだった場合の「本能寺の変」のお決まりの流れである。
今年の軍士官兵衛でも恐らくそうなるであろう。
要は、この決まりきった流れを、どの役者がどういう演出の元行うか、みたいなのが見所になってしまっている。

本作の序盤の見所も、やはり本能寺の変と「三日天下」と言われた明智のその後になってくるが、上記のようなテンプレ本能寺ではなく、実にオリジナリティーに溢れている。これは原作が良いのであろう。

本能寺の変は、陰謀説・真の黒幕が誰であったのか、など日本の歴史上最大の大事件として、様々な解釈がなされている。
「へうげもの」における、本能寺の変の顛末は実にこの作品らしさが出ていて面白く、その後の展開にも上手く繋がっていくので、実に巧妙である。

さて、この作品の登場人物はごく一部を除き、主人公・古田織部を始めとして殆どが歴史上実在した人物である。さらに、それぞれの人物が成したことや、政治や戦の時期・内容もほぼ史実の通りである。

フィクションとなっている部分の大半は、歴史的にはあまり知られていない主人公・古田織部の人柄や行動の部分であろう。
古田は決して、善人ではない。武人である前に「数奇者(すきしゃ)」(茶道や茶道具に熱心な人)としての己を高めることに飽くなき探究心を燃やし、時に他人の持つ名器をネコババしたり、狡猾な行動を取ることも厭わない。当然だが、イケメンでもない。

しかし、どうにもそんな彼のキャラクターが憎めないのだ。
血なまぐさい戦国の世にあって、武人として生きながらも、美しいものや、茶道のわびさびに傾倒する古田の姿は、一種の救いのようにも感じられる。

しかし、冒頭から最後まで時に古田以上に圧倒的な存在感を放っていた千利休がまた、このアニメに程よい緊張感を与えている。

しいて言うなら、「数奇の戦 in 茶室」と言ったところであろうか。戦国の世の様々な出来事や謀は、茶室から生まれたのではないかと思わせる程に、この作品における利休の怪しさが怖い。

豊臣秀吉がなぜ、一介の茶人でしかなかった千利休に切腹という重い刑を下したのか・・・というのは、理屈では分かっていても、理解し難く思っていた。
しかし、本作ではフィクションとはいえ、そのプロセスが精巧かつ、納得のいくように描かれており、非常に興味深かった。

さて、★に関しては全体的に過大評価と思われるかもしれないので、一応今回は理由を:

① 作画:私自身、茶道は嗜まないものの、陶器収集が趣味の「チョッピリ数奇者」である。その観点から、それぞれの茶道具や名器のもつ色合い、つや感、質感などが実によく再現されていた思う。あとは、ギャグ要素の多いこのアニメらしく、古田を始めとしたキャラクターの見せる変顔もGood!

② 声優:俳優・ナレーター・吹き替え声優・アニメ声優とごった煮状態であるにも関わらず、ほとんど違和感がなかった。主人公・古田を演じた大倉孝二さんも、主に舞台やTVドラマで活躍する役者さんのようだが、この人以外に古田は演じられないのではないかというくらい、ハマっていた。具志堅用高はちょっちゅねー・・・だが、そこも愛嬌に思えてくるほど、どのキャストも役にピッタリ合いすぎている。これが本来のキャスティングというやつなのだと思った次第。

③ 音楽:EDテーマの斉藤由貴が歌う「KIZUNA」は、歌詞から明らかに、登場回数は少ないが古田にとっては重要な人物である妻のおせんの心情を歌った内容だ。一見この曲の歌詞は、おせんのように、男にとっては実に物分かりの良い大和撫子的な女が、愛しい相手を陰から応援しているように表面上は受け取れるが、どうにも私にはその裏に、「私をほったらかしにして、数奇にばかり興じて!コラ!!」という恨み節が見え隠れして仕方がない。このこっそりと皮肉を込める感じが素敵★

本作で利休が投げかけ、それにより古田が迷走するきっかけとなる「創意ある侘び数奇」がこの作品にはある。歴史モノでギャグ満載なのに、どことなくハードボイルド感もあって、カッコいい。

歴史的事実をできる限り踏襲しつつ、創意・・・つまりオリジナリティーある解釈とエピソードを足すことで彩られたこの作品は、39話と長いが、観る価値は十分にあると思う。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 13

アジェル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

実は3回目の見直しでしたが、やはり良い作品です☆彡

感想タイトルにある通り、実はこの作品を観るのは3回目に
なります。何回見ても面白さを感じられる作品であり、ご存
知の方はアレですが、私の前の登録キャラ時代のレビューが
多くの方に評価されてましたので、今回は新しくした今の私
のキャラとして、内容は同じですが宣伝の意味を込めてまた
このレビューを書く事に致します(-^〇^-)

まずこの作品は、日本歴史の中でも人気の高い戦国時代をモ
チーフに書かれております。織田信長、豊臣秀吉などの天下
取りに名を馳せた大名や、伊達正宗、徳川家康などの後の世
で拡大してきた大名、はたまた福島正則、加藤清正、前田慶
次、真田幸村などと言った人気的な武将などが・・・
登場してくる!?のですが、主人公ではありません@@;

【古田織部】【千利休】皆様ご存知でしょうか?
利休に関しましてはそれ相応の大茶人としてゲーム、小説、
ドラマに映画と様々なメディアに名前を聞く人物です。
しかし、もう一方の古田左介・・・織部!?
ご存知の方は、なかなかの戦国通ですよ(笑)
そうなんです。その作品の主人公は、【古田左介】こと、
のちの従五位下織部正という官職を持たれた有名な方なの
です。また大茶人である利休の弟子の中でも筆頭とされ、
利休死後はその後を任された人物でもあります。

さて、本作品はこの【古田織部】を主人公として、【数寄】
についてを語る物語でございます。
【数寄】とは簡単に言いますと、本来「好き」の意味であり
特殊な当て字として流布しています。古くは「すきもの」と
は和歌を作ることに執心な人物をいい、桃山時代になってか
ら連歌から茶の湯へと意味を変えています。江戸時代には、
数寄のための家「数寄屋」も茶室の別称としてています。
この数寄者による、天下の裏事情というものが題材にされた
新しいジャンルの物語になっております。

その他にも、豪商、大名、有名武将など、茶の湯を心得た人
物を中心として、天下の形成について分かり合ってきた人物
達の違った方向からのせめぎ合い、または裏事情、交渉事、
実は・・・歴史はこうだったのではないかという通説などを
うまく組みう合わせたフィクションで構成されています。

ここだけの話、ネタバレではありませんが「利休」役の声優
様は「田中信夫」さんです。ご存じの通り「トリビアの泉」
「さんまのスーパーからくりTV」などでお馴染みのナレーシ
ョンをされている名優様です。
聞いていてなんだか説得力があると言いますか、なかなかの
しっくり具合に別の意味での感動を覚えます。

その他にも作画やグラフィック等においては、CG合成的な部
分や書き込み具合、織り込み等に関して、なかなか良い方か
と思われます。古い美術品におけるアニメ的な作画の再現力
やグラフィックとしては、数寄を題材にしているだけあり、
なかなかの魅力ある仕上がりになっている方だと感じます。
また登場キャラに関しても、面白系、コミカル系、おふざけ
的キャラ、本格派などの様々な人物が描かれており、作画も
さることながら、それぞれのセリフや口癖にも注意して観る
となかなか面白く仕上がっております。


今回も簡単なさわり部分のコメントだけに留めさせて頂きま
したが、是非ご覧になってみてください。
この作品は、総合的な評価こそまぁまぁな数値ではあります
が、戦国時代を愛する方や、芸術、文学を愛する方が観ても
悪い気はせず、楽しく見る事が出来る作品かと思われます。

それでは、また次回デビューにて^^

投稿 : 2020/04/04
♥ : 8

にゃんた さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

感性類似判断のメルクマール

『侘び数奇とは?』

これを、アニメ作品全体で体現している。

作画、声優、BGM、演出、どれもこれも気に入らない部分が少しずつある。
「完璧」とはいえない。
どこか欠落している。

しかし、それが・・・なんとも「面白い」。

他のアニメ作品も素晴らしいのだが、完璧になろうなろうとして、
どこか力み過ぎている。みていて疲れる。
面白いように見えるけれども、なんだか面白くない。

そんな境地に達しているアニメ数寄者には、心地よいアニメになるのではないか。



アニメ数寄者の皆様は、これ以降をお読み頂く必要はございません。
蛇足というべきものにて。





~~以下蛇足~~

このアニメを「面白い」と感じる人とは感性が近いと思う。
その辺の嗜好を判断する良いメルクマールになるだろう。


よく知られている、織田信長らが活躍していた戦国時代。
この時代に、血縁ではなく、軍事力でもなく、経済でもなく、人と人を結びつけ、勢力構造に影響を及ぼしたファクターがあった。

「文化」である。

ここにスポットを当て、
それがどのように人々を結びつけ、成長させ、変化させ、破滅させていったか。
その点について、さすがNHKともいうべき、奥深い人物描写がなされている。

しかし、この作品、それらの表現がどことなく垢抜けない。ちょっとカッコ悪い。
だがそれがいい。

有名な画家の描いた風景画を見てみるとわかると思うが、山にしろ人物にしろ、決して主題となる対象物をキャンバスの中央に描かない。
中央に書かれているように見えるかもしれないが、必ず少しだけ左右にズレて描いている。

キッチリし過ぎは美しくない。
そういうこと。

キッチリした方が美しく見えるって?
気にしないことです。
それもまた「あなた」なのですから。







~~~以下、6話までの感想~~~

主人公は戦国時代に文化人としても生きた実在の武将。作中では使番(敵軍への使者)の任務をこなす。

冠婚葬祭など、ピーンとした緊張感が張り詰めた場所で、俗物的で場違いなことを考えたり、したりすると、無性におかしくなる気持ち、お分かり頂けるだろうか。
この作品、この種の笑いを描いていると思う。
これがハマる人にはハマるだろうし、ダメな人は全くダメだろう。
ただ、この笑いはおそらくメインではない。
茶の湯のシーンや有名武将同士の駆け引きなど、心のやりとりはとても深く、かつ緊迫感があって楽しませてもらった。
このような心理描写がメインだと思われる。

歴史モノは大好物なので、ここは文化面のみならず、その時代の作法、生活、合戦の状況など、細かい設定にまでこだわって描いて欲しい。
初回、丁寧な説明を省いて、いきなりストーリーが開始される。
なので、ある程度戦国史の知識がないと入りづらいと思う(「松永久秀の信貴山城篭城」と聞いて、すぐ把握できる方ならば大丈夫だろう)。

所々気になる部分はあるものの、現段階では、史実に沿ったストーリー展開、描写。
それでも、時代設定を維持したまま、ギリギリのところで笑いを取っている。
今後は、このラインを維持していって欲しい。
全39話が予定されているようだが、同じNHK放送の「十二国記」並みの好物アニメになるかもしれない。期待が高まる。

・・・しかし、秀吉のCVに江原正士さんは、ちょっと違和感がある。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 22

64.9 11 大人向けアニメランキング11位
リストランテ・パラディーゾ(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (183)
1099人が棚に入れました
舞台はイタリア。田舎からローマに出てきたニコレッタは、リストランテ『カゼッタ・デッロルソ』を訪れる。それと言うのも、幼くして両親が離婚し、母親が再婚する為に祖父母に預けられたニコレッタは、自らの再婚の為、成人するまで娘を置き去りにした母を恨み、彼女の再婚相手がオーナーを勤めるリストランテにやってきた。娘がいることを知らない母の再婚相手に、全てを話そうと機会を窺っていた。

そこで、ニコレッタは何とかオーナーの店『カゼッタ・デッロルソ』の見習いとしてに働き始めたが、そこは従業員全員が、老眼鏡着用が必須の紳士という店だった。老眼鏡紳士が目当ての女性客で連日予約でいっぱいのリストランテだが、ニコレッタもサント・クラウディオ・パラディーゾが気になり始める。

声優・キャラクター
折笠富美子、山野井仁、立川三貴、黒田崇矢、喜山茂雄、西松和彦、上田燿司、七緒はるひ、渡辺美佐、乃村健次、沢海陽子、岡和男、木村はるか、中原麻衣

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

こんな素敵なリストランテがあるなら今すぐ行きたい

ローマにある小さなリストランテ「カゼッタ・デッロルソ」を舞台に
老眼鏡着用で50歳以上という採用条件を満たしたシェフ、ソムリエ、
カメリエーレ達と、生き別れた母親を訪ねてやってきた二コレッタが繰り広げる、
しっとり落ち着いた全11話の群像劇。

OP、EDとも音楽&映像がおしゃれ。
キャラデザは作品のサムネの雰囲気とは違い、もっと繊細で表情豊か。
ローマの石畳の街並みや名所の数々も美しく、
登場する料理やドルチェもすごく美味しそう!
お店に到着するまでの路地を、歩いてる人の視点で映したカメラワークは
子どもの頃から大好きだった人形劇を観るときのような期待感があって良かった。

それと色彩設計がお見事! シーンごとのインテリア、小道具、
人物が着ている服の色などの配色の調和がすごくとれていて、
こういう部分に拘った作品が好きな自分としては、
それだけでもかなり気に入ってしまった。
観ている人が、作品の中で一緒に寛げるような感覚になれたとしたら
きっとこの色彩設計と、穏やかであたたかい物語の流れと口調のせいだと思う。

主な登場人物が、それぞれ個性豊かな初老の紳士7人っていうのも珍しいし
まさか彼らの癒し効果がこんなにあるとは想像したこともなかったよ(笑)
老眼鏡かけたおじさん?加齢臭が・・なんてそんなイメージは一気に消え失せ
「ローマの紳士は適度な色気も感じさせつつ、何をしても絵になってカッコいい」
「イタリアの男はスーツ姿でジェラート食いながら歩いていてもカッコいい」と
友人からさんざん聞いていたが、この作品でもそれはまさにその通りだった。
もちろん、アニメだからなおさらそう見えるのだろうけど。

歳を重ねた人にしかない奥行き、落ち着き、品の良さ、やさしさが
何気ない会話や動作、立ち居振る舞いから滲み出ていて、
自分も50代になったら、こんなふうになっていたいものだと真剣に思った。
今の自分がこのままいくと性格的にはクラウディオかフリオに近い感じだけれど
ルチアーノみたいなクールな渋さに、すごく憧れる。

スピード感ある展開や号泣するような感動はないけれど、じんわりホロっときたり、
日本だとジメジメになりそうな展開も、意外にさわやかだったり、
ちょっとしたイタリア語会話や日常のあれこれが学べたり、たりたりイタリア~ノw
リストランテが舞台にしては調理風景のシーンが少なかったけれど
その分、人物描写やストーリーに焦点を絞っていたのも特徴。
それでも、今すぐローマに飛んで、このお店に行ってみたい・・
そう思わせてくれる作品だった。

メガネ紳士萌えの人はもちろん、落ち着いた作品が好みの人や
寝る前にほっこりしたいなって時にもオススメだ。

--------------------------------------
ここでちょこっと余談を。

イタリアの場合の飲食店の分類は、以下のようになります。

■リストランテ・・きちんとした食事ができる高級レストラン

■トラットリア・・リストランテよりは気軽に行けるやや大衆的なお店

■オステーリア・・ワインが豊富な居酒屋や郷土料理の店的な位置

■ピッツェリア・・ピザがメインの軽食屋

■バール・・カフェ。コーヒーやお酒、軽食向き

■ビッレリア・・ビールとおつまみが出される店

■パスティチェリーア・・お菓子やケーキの店。

---------------------------------------
ちなみに、イタリアの中でも特に北イタリアは、男女とも歳に関係なく仕事を持つ人が多く
共稼ぎも当たり前なのだそうだ。
それでカトリック教という宗教上の理由と、離婚しにくい法律のおかげで
離婚率もかなり少ないらしい。しかし、その一方で結婚に拘らない同棲は多く
浮気も多いとか・・・さすが色男の多いイタリアというべきか(笑)
でも自分が知ってるイタリア人夫妻は、いくつになってもアツアツで
始終当てられっぱなし。ですw

投稿 : 2020/04/04
♥ : 31

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ワインを飲みながら観たくなる、小粋でお洒落な味わいと雰囲気

☆物語&感想☆

「ACCA13区監察課」が記憶に新しい、オノ・ナツメ原作漫画の2009年作品 
「ジョジョの奇妙な冒険」を手掛けるDavid Production初の元請制作作品

イタリア、ローマの片隅にある小さなレストランを舞台に、
田舎から、とある理由で出てきた主人公のニコレッタが、
従業員たちとの交流を通じて成長する姿や恋模様を描いた物語。

このレストランは他の店とは一風変わった趣向があり、
従業員たちが皆老眼鏡を着用した紳士ばかりだと言うこと。
客の多くも従業員目当ての淑女が多かったりするものの、
腕利きのシェフにソムリエも居て本格的なサービスが提供されていて、
料理アニメ的な観点でもそこそこ楽しい。

登場人物の平均年齢が高いこともあり、
皆それぞれの過去、ドラマが各エピソードを通じて満遍なく描かれおり、
中でもやはり恋愛に関しては、これほど大人の恋を描く作品というのはかなり珍しく、
新鮮な気持ちで鑑賞させていただいた。
見た目も含めてイタリア人だから成立するキャラや物語、というところは確かにあるだろうとは思うものの、
歳を取っても異性を惹きつける存在でありたいとは誰しも思うんじゃないかな?
各人の気持ちや身のふりようで、紳士にもなればオッサンにもなる…そんな事を考えされられた作品でした。

女子ウケが良さそうな作品ではあるものの、落ち着いた大人向けのアニメとして、
音楽もとてもお洒落なこともあり、一見の価値のある作品になっていると思います。
最終話はちょっとホロっと来ましたね~良かったですよ。


☆声優☆

リストランテの従業員の面々はベテラン声優で構成され聴き応えと安心感がありますね。
そんななか主役のニコレッタ役を、最近ではリトルウィッチアカデミアでのロッテ役が記憶に新しい、
折笠富美子さんがとても上手く演じられてました。
声質も最近の声優には居ないタイプの綺麗な声で、個人的にはもっと多くの作品に起用されて欲しいと思います。

☆キャラ☆

何と言ってもやはり老眼鏡の紳士達がどのキャラも癖があったり個性豊か。
一見すると女子ウケを狙ったキャラのようにも思えますが
(たぶん原作者の好みが大いに反映されたものでしょう)同じ男から見ても魅力的。
舞台がイタリアということも有るでしょうが、
年をとっても色気があって、ほんと自分もこういう年のとり方をしたいな~と憧れますね。
登場人物で一人若い主人公ニコレッタの、
親子関係や恋なんかは非常に等身大に描かれてて好印象でした。

☆作画☆

キャラデザインは原作準拠か女性キャラにやや癖があるようにも思えますが、
男目線を意識してない作品でしょうから、特に不満はないですね。
作画枚数的にはそこまで多い作品ではないでしょうが、
背景も綺麗だし2009年の作品ということを考えれば充分な出来かと思います。

☆音楽☆

OP,ED共にお洒落な大人向けアニメにピッタリのもので高評価。
それにも増してコーコーヤが担当した作中BGMの出来が素晴らしく、
雰囲気アニメとしても本作を味わい深いものにしてますね。


ACCAのように劇的な物語ではないですが(ACCAも全体としては地味ですけど)、
派手さはなくても落ち着いて観れるお洒落な作品として、とても好印象です。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 10
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

老眼鏡をかけた紳士が饗する、リストランテ 「カゼッタ・デッロルソ」にようこそ。

イタリアのローマが舞台の群像劇。

主人公は若い女性で老眼鏡をかけた老紳士に囲まれる。


男が見るもんじゃないなと思ってたら、落ち着いた雰囲気と穏やかに流れる音楽が視聴継続に結びつけてくれました。

子供の頃に両親の離婚で祖父母の家に居たニコレッタが上京し、母のいるローマへ着いた場面から物語は始まります。

この作品に出てくる老紳士たちの自己紹介をするシーンで、「この中で誰が一番モテるの?」と主人公のニコレッタが
聞きます。イタリアの男らしい瀟洒な答えが帰ってきて、これは大人の男を楽しむアニメだと理解しました。

思わず笑ってしまったシーンが、
{netabare}
クラウディオを押し倒す肉食なニコレッタ。クラウディオも憂いた表情で「やめて下さい・・」って・・(笑)

自分が女性だったら楽しいんでしょうね。力も年齢も上の男をソファーに押し倒して表情を曇らさせるなんて、この上
なくトキメクでしょう。乙女モードに振り切ってニコレッタ(20代女子)に感情移入全開でいけば余裕(錯乱)
{/netabare}

若い奥さんを貰ったイタリア男に、歳の差ってどう?と聞くと、あまり気にならないとサラリと返したり・・
なんてセクシーでスマートなんでしょうか・・・。日本人の男性ならしどろもどろで言い訳するでしょう。

イタリアと日本じゃ恋愛観が違うので、恋して家庭を放り投げる事があまり珍しくない空気が“らしい”です。
ニコレッタの母であるオルガが、恋する“じゃじゃ馬”さんなので、ダメな母親かな?と思ったらちゃんとお母さん
してました。日本と違い恋愛に対して陰鬱さがなくて好感が持てます。母と娘で同じ女性同士なのもあるのかも。

最終回まで傾斜のあまり無い展開ですが、温かい空気感と温かい人とのつながりを描き続け物語は終わります。


一部抜粋して・・

4話冒頭。
(↓こんな雰囲気です。一応伏せます)
{netabare}

(雨音が聞こえる店内で。。。)

カウンターに座る 憂いた表情の女性。

常連であろうその女性に
コーヒーを出すカメリエーレ。

“ありがとう”と受け取った女性が、
いつもと違う味に顔を上げる。

「お疲れのようですから、
少し濃い目にしてみました・・違いましたか?」

心遣いを受け女性は
“美味しい”と顔を綻ばせる





離れた席でオーナー夫妻が
そのやりとりを聞き、微笑する。

「傘がなくて良かった」
 
「ん?」

「長居する理由になるわ」

「・・そうだね」


(静寂に包まれた店内に、雨音だけが鳴り響く。。)


{/netabare}


あくまで日常のほんのスパイスとして恋愛を描くことが「リストランテ・パラディーゾ」の最大の魅力かと思います。


落ち着いてコーヒーを飲みたい午後のおともにどうぞ。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 15

63.6 12 大人向けアニメランキング12位
デスビリヤード(アニメ映画)

2013年3月2日
★★★★☆ 3.7 (219)
1029人が棚に入れました
「ここがどこなのか、という問いにはお答えできません」
「これよりお二人にはゲームをして頂きます」
「ゲームは命をかけて行なって頂きます」
「そして、ゲームが終わるまで当店から出ることはできません」
強制的にルールを課せられた男二人。
やがて剥き出しになっていく人間の本性。
デスゲームの果てに待ち受けるものは?

声優・キャラクター
前野智昭、中村悠一、筈見純、瀬戸麻沙美
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アニメで8ボール!

<2018/1/20 初投稿>

---その若い男は気がつくと知らないエレベーターに乗っていた。
エレベーターが止まり扉が開くとそこは先客の老人が一人座るカウンターバー。
そして慇懃で冷たい眼をした銀髪のバーテンダーにカウンターの中からこう告げられる。

「お二人には今から"命"を賭けてゲームをしていただきます」

こんな感じでお話は始まります。
文化庁の補助金で製作された30分アニメで後に「デス・パレード」としてテレビシリーズ化されてます。
「リトルウィッチアカデミア」と同じですね。

バーテンダーの宣言通りに若い男と老人は「命を賭けて」ビリヤードで勝負することになります。
ゲームの種類は8ボール。
ビリヤードやってる人にはお馴染みですが、やらない人にはほとんど知られていないゲームです。
なのでちょっとマニアックな感じ。

私は長いこと趣味でビリヤードやってるのですが、ビリヤードのシーンは経験者から見てもかなり自然でした。
相当ビリヤードのこと研究したか、もしくは製作スタッフにビリヤード好きがいたか。
もちろん「なんでそんな狙い方するの?漫画かよ!」とか言いたくなるところは多々ありましたが、そこはそれアニメなので。

謎めいた設定、バーの雰囲気、バーテンダーとバーテンダー助手(?)の女性のキャラクターどれも結構好きでした。

そして肝心のお話ですがこれもまた結構好き。

以下、重度なネタバレ。
{netabare}若者と老人は同時刻に亡くなっています。
そしてこのバー「クイーン・デキム」は同時刻に死んだ二人が死亡直後に訪れる場所。
ここで二人はバーテンダーのデキムの判断により行き先を「天国」と「地獄」に振り分けられます。
その判断の材料が「ゲーム」。
と言ってもゲームの勝敗と「天国」「地獄」の振り分けは無関係です。
(テレビシリーズで明かされた話だと「天国=現世への生まれ変わり」「地獄=魂の消滅」のような感じです){/netabare}

ただし、この「デスビリヤード」はお話が謎だらけ。
テレビシリーズで明かされる部分もありますが、そうでない部分も多々あります。

なぜ結果がああだったのか
老人は最後デキムに何を伝えたのか
なぜ老人は最後に笑ったのか

正直いくら考えても分からなかったのですが、でも面白いからまあいいや、という気分になりました。

{netabare}「スカイハイ」{/netabare}とか好きな方におすすめです。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 15

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

チクショウw何を言ってもネタバレじゃねぇかw

ハッキリと今年のアニメミライは失敗だったんじゃないかと思います
大手制作会社や著名なスタッフが実制作に介入し過ぎたと各所で騒がれたのは言うまでも無く、オイラ個人としてはヲタ向けに振り切った作品ばかりで子供と一緒に観れるようなファミリー向けな作品が皆無だったのが残念でなりませんでした
多くの人へアニメミライというプロジェクトへの理解を深めてもらうために、ヲタ向けの作品ばかりに偏るのはちょっと違うじゃないかと思うからです


そんな中でも今作、『デスビリヤード』はシリアスな内容ながらも普段アニメに親しみの無い方でも楽しめるような受け口の広い「大人向け短編映画」と呼べる作品に仕上がっております
今年度のアニメミライ最高傑作に相応しいでしょう


エレベーターを降りると知らない間に見覚えのないバー『クインデキム』へ来てしまっていた腰の曲がったヨボヨボの老人
カウンターには一人の若い優男
バーテンダーは二人に“命をかけて”ゲームをしてもらうと告げる
ゲームが終わるまで店からは出られない
ゲームの内容がビリヤードに決まる、命をかけた勝負の行方は如何に・・・?


往年の名画『ハスラー』に福本伸行『カイジ』をプラスしたような作品です
正直、何を言ってもネタバレになるため内容を深くお伝えできないのが残念ですw


丁寧な作画
中村悠一の熱演
前野智昭の怪演
しっとりと、しかしジワジワ来る音楽
時折入るギャグ?w
全てが緊迫した空気感を生み出す要素へと繋がっている短いながらにも丁寧に作り込まれた作品です
最後までドキドキしながら楽しめること間違いないでしょう^^b


“命をかけて”の言葉に炙り出される人間の本性
短編アニメがお好きな方はこの作品を観ない手は無い
濃厚な25分間、是非ご堪能あれ!

投稿 : 2020/04/04
♥ : 31

maruo さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この世で一番怖いものを描いた A+

経験済みのことや、想像できることから沸き起こる恐怖心をはるかに越えたものがあるとすれば、それは「未知への恐怖心」ではないでしょうか。

このビリヤードで勝敗が決した後に何が起こるのかは、主人公達には全く明らかにされていません。そのような状況下では、否が応でも緊迫感を高めることになります。

そして、我々視聴者にとっては、その緊迫感は楽むべきものに、未知への恐怖心は好奇心へと転化されます。主人公達があがけばあがく程、我々の期待は高まるという、少し悪趣味な楽しみ方をする作品ですね。

また、この作品では、未知への恐怖に対峙した人間の姿が対極的に描かれています。同じような状況になったら、自分はどちらになるのだろうかという視点で見ても良いでしょうし、1度目と2度目で視点を変えて見るのも良いかも知れません。

25分という短い時間に綺麗に纏め上げられた作品です。見ていて納得できないところも出て来ると思いますが、それは、このような境遇に陥った主人公達の心情そのものなのではないでしょうか。


追記:
この作品はネタバレのラインが非常に難しいです。核心には触れていないつもりですが、「ネタバレじゃない?」と思ったら気軽にメッセに書き込んで下さい。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 34

63.7 13 大人向けアニメランキング13位
ケモノヅメ(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (176)
904人が棚に入れました
食人鬼を狩るため古より続く戦闘集団「愧封剣」。その師範代である桃田俊彦は、事もあろうに愧封剣館長殺害の疑いをかけられた食人鬼の上月由香と恋に落ち逃亡してしまう。俊彦の弟の桃田一馬は、逃げた二人の追跡と愧封剣の館長職を継いで愧封剣の運営に乗り出す。元愧封剣メンバーの大葉久太郎の助力を得て組織の近代化を進める一馬だが、最近の食人鬼の激増による連戦で疲労の頂点にある隊員達と、 これを機に影の存在であった愧封剣を社会にアピールしたい一馬の間で亀裂が生じはじめる。

声優・キャラクター
木内秀信、椎名へきる、吉野裕行、柿沼紫乃、筈見純、内海賢二

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

エロティックバイオレンスホラーラブコメディ~?とある家族の壮絶な愛の味

2006年8月から11月までWOWOWで有料放送されていたせいで
知名度が低いのか。
あにこれでもレビュー数がとても少ないのが残念でならない。
監督は湯浅政明氏。全13話。70年代によくあったようなOPの演出と
ジャズのビッグバンドっぽい音楽、気性の激しさを感じるフォントがカッコいい。

【愛と欲と哀しみと】

食人鬼を狩るため、いにしえの時代から続く戦闘集団「愧封剣」
「愧封剣」という技は元々、「己の心の中にある鬼を封ずる技=救済でもある」
ということが1話で語られるのだが、この言葉に納得しながらも、
観終えた翌日の今日もまだ、余韻に浸りながらこの意味を考えていたりする。

「愧封剣」の師範代である桃田俊彦は、食人鬼の上月由香と恋に落ち逃亡。
しかし単なる逃亡劇にとどまらず、恋愛だけではない家族愛、親子愛、
そして無償の愛へと話が発展していく壮大さは見応え充分。

食うものと食われるもの、いわば天敵なのだが、見方をガラリと変え
食欲と性欲という密接に繋がった本能を主軸においた場合、
この作品はまさしく「愛と欲望の物語」なのだということに気づく。

しかし、愛や欲望なんて言葉にしてしまうと、ただただ相手の身体をむさぼり
溺れていくイメージが強くつきまとってしまいそうだが、、
それだけではない重みや、複雑な哀しみがこの物語にはあって、
各登場人物たちの過去や心情、事情などが明らかになっていくにつれ、
観れば観るほどに、どんどん惹き込まれていった。


【魅力ある登場人物たち】

ネタバレになるのであまり詳しくは書けないが、
食人鬼のボス的存在の男も、なかなか男気があって魅力的だったし
6話や最終回で見せた異常なほどの大男、”ぼんちゃん”の気の優しさや、
ぼんちゃんのパパで、この物語の大きな鍵を握る大葉氏の狂気も
必要不可欠な存在であり、人間離れしながらも人間的なところは
あまりに哀れすぎて同情してしまうほどだった。
また、本能に素直で正直で、不死身かと思うほどの強靭な身体能力と
精神力の持ち主である俊彦は由香や利江でなくとも、
惚れてしまうセクシーさがあってすごくいい。

でも、俊彦の腹違いの弟で、父亡き後の「愧封剣」のため奔走した一馬や
一馬を支えつつ、許婚だった俊彦への自己犠牲的な深い愛情を示した利江、
そして彼らの父親たちの複雑でせつない想いにも泣けてしまった。
もちろん、由香と俊彦の深い絆と信頼、愛情にも・・・
それを象徴する、最終回のエンディングに登場する一枚の写真には、
「愧封剣」の真の意味を感じ取ることができ、こみ上げるものがあった。 


【印象に強く残った食事風景】

また、9話での老夫婦のエピソードもなかなか良かったし、
塩湖での、つかのまの幸せなひとときはちょっと幻想的で、
心に刻み付けたいシーンだった。 
それだけに、その直後の光景は衝撃大きかったのだけどね。。
ただ、6話の由香の誕生日と9話での老夫婦との食事のシーン、
利江の父親を訪ねていった時に出されたコーヒーなど見るに、
料理や飲み物は、その味そのものはもちろん大事だけど
それ以上に、「美味しいね」と微笑み合える関係と信頼のほうが
重要なんだなとあらためて考えさせられた。


【この作品の魅力】

映画やドラマのパロディも、シーンやセリフの中にちらほらあり、
ギャグとシリアスのメリハリあるバランスが絶妙で、
スパイスの効いたロマンスと辛口なアクションの匙加減にしても、
人間のエゴや愚かさ、本当の悪とは何かを、これでもかというほどに醜く描き
悪夢としか言いようのないグロテスクさとエロの曖昧な境界線までをも
露にしようとした試みにはほんと、飽きさせないなんてもんじゃなく、
恐れ入りましたという感じ。
また、アクションで特に発揮するカメラワーク、音楽の使い方も良い。
特にサンタラの唄うエンディングテーマ『好き』は、この物語のために
書き下ろされたとしか思えない歌詞で、その言葉選びも秀逸。
ちなみに全13話のサブタイトルを見ると、甘い、辛酸、苦味、しょっぱい、
隠し味や蜜の味、などの味覚を表す言葉が含まれているのだけれど、
最終回のタイトルは「味は関係ない」と締めくくっているのも、
いろいろな含みがあって素敵。

どれひとつとっても個性が強くて、おそらく万人受けはしないのだろうけれど、
個人的には今まで観てきたアニメの中のベスト10に入る作品になった。

そして湯浅氏の作品での特徴かなと最近気づいた雨の多用、
激しいアクションシーンで、しかも人の感情の昂ぶりや怒りに比例するがごとく
効果的に使われており、雨の降り方も強弱つけてあって、
そういうさりげなく繊細な部分も好みだ。

つくづく、アニメって総合芸術なんだな、と改めて気づかされたことが
観て良かったなと思ったし、嬉しかった。


最後に、記憶に残ったセリフのひとつ・・・
「気持ちだけで話すな。現実を見ろ!」

自分自身にも時々言い聞かせたい言葉だった。


【観終えたあとに考えていること】

それにしても、人を食べる・・いわゆるカニバリズムとは何だろう?
密林の奥地の人食い族には、どんな秘密と真実があるのだろう?
遭難などして飢餓状態にある時の、生き延びる手段だったり
宗教的なものの他に、確実に太古の昔から存在する事実。
学生時代、この「カニバリズム」について少しだけ探求してみたことが
あっただけに、今回の物語はすごく興味深かったわけなのだけれど、
側面的なことしか、まだ答えが出せていない。
もしかしたら、SMというフィルターを通すと案外、
わかりやすい答えが叩き出せるような気もしている。

究極の自己愛か、本能100%の真の性愛なのか食欲なのか。
冒頭で若い男が「食った(寝た)女の話」を友達に自慢するシーンが
描かれていたが、本当に「食う」のはそんな生ぬるいものじゃないなと
観終えてみてそれだけは今、感じている。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 42
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

湯浅デビルマンの次に観ると湯浅監督の主張が分かりやすい

【あらすじ】
普段は人の姿をしている「食人鬼」と、それを狩るために続く「愧封剣」の道場という二つの集団が暗躍する日本。そこで恋に落ちる一組の男女を阻む逃れられない宿命。

【成分表】
笑い★☆☆☆☆ ゆる☆☆☆☆☆
恋愛★★★☆☆ 感動★★★☆☆
頭脳★★☆☆☆ 深い★★★☆☆

【ジャンル】
セックス&バイオレンス、爽やかじゃない恋愛

【こういう人におすすめ】
少なくとも子供にはおすすめしない。見ても何のことか分からないと思う。……というかR15指定でした(笑) 湯浅デビルマンで湯浅監督に興味を持った人が、湯浅作品を巡回するつもりならこれ見たほうがいいかなってくらい。

【あにこれ評価(おおよそ)】
63.6点。

【個人的評価】
高校生くらいの時に観て一度断念。意味不明でした。その後、湯浅デビルマンを観てから見直すと、湯浅監督の伝えたいことが分かる。ような気がする。主張がしっかりしてて個人的には興味深くみることができた。が、デビルマン同様、観ると精神を削られるのでもう観ない。

【他なんか書きたかったこと】
{netabare}
 私のベストアニメが「四畳半神話大系」。「夜は短し」はあざといの作りやがってと思いつつ観て、結局べた褒め。「ピンポン」も最高のアニメ化だと思っているし、「ルーのうた」はポニョのパクリだと指摘しつつポニョより好きだったという、憎らしいほど私の心を掴み続ける湯浅監督。デビルマンは非常にガツンとくるので全員におすすめは出来ませんが、私には原作の思い出補正がないので、非常に力強い良いアニメだったと思います。

 しかしやっと「別に見なくてもいいと思うよ」と言える湯浅作品に会いました(笑)
 
 とにかく分かりにくいので全力で見る必要があります。意外とノリ&勢いを重視しているので、「この猿なんなんだろう」とかは別に考えなくていいです。ストーリーは「手を放して、よそ見しながら」書いているような、直感的で俯瞰的な感じがします。なんて言えばいいのか難しいですが。肩の力を抜きすぎってことかな。


〇いいとこ
・9話、老夫婦のストーリー。この回がめちゃくちゃ面白いです。

・OP「オーヴェール・ブルー」唄:勝手にしやがれ
 ED「好き」唄:サンタラ

・「どっちだと思う?(俺の子か、お前の子か)」このセリフえぐいわ(笑)でもそれをサラッと言うところがカッコいいわ(笑)

・ラスト。{netabare} これが言わば、デビルマンに対しての湯浅監督の主張。状況、流れ、倫理、配慮などをすべて裏切っての、唾を吐きたくなるほど、涙が出るほどの「ハッピーエンド」。「味は関係ない」というのがラストのサブタイトルですが、「愛以外はすべて関係ない」みたいな感じ。この「どうしようもないハッピーエンド」がデビルマンの「どうしようもないバッドエンド」と対比されて良いですね。でもこの良さはデビルマン(もしくは他のバッドエンド作品)ありきですが。
 デビルマンのネットインタビューで、原作者の永井豪さんが「ラストまで描いてくれたことが一番良かった」みたいなことを仰ってましたが、もしかして「ラスト変更しませんか」みたいな議論があったのかな?それを皮肉ったインタビューの回答だったのかなってちょっと思いました(笑)
  (↑これは邪推)
{/netabare}

 主人公の突然来る下痢は多分、過敏性腸症候群というちゃんと実在する病気です(笑)
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 15
ネタバレ

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

肉欲と愛と B+

一番最初に断らなければいけないこととしては、この作品は絵柄を重んずる人にはお勧めできないということです。最低限、公式HPでキャラクターの絵柄を確認してみてからにしてください。

物語をごく簡単に述べると、食人鬼を狩る「愧封剣」の師範代である桃田俊彦と、食人鬼の上月由香の許されざる愛の行方についてです。公式HPでは「ホラーテイストのバイオレンス・ラブ・コメディ!」と謳っています。

本来なら、この作品について満遍なく述べることができればよいのでしょうが、私の感じたことが少し偏っていると思いますので、どうかご了承下さい。また、読み手によってかなり卑猥と感じるような内容を含みますので、この先のかなりの部分を隠させていただきます。

{netabare}「愛した男は敵だった。抱いた女は殺人鬼。」とあるのをそのまま体現するかのように、濃厚なセックスシーンがあります。非常に生々しくて、いわゆる萌えとはかけ離れていますが、情欲をかきたてるのはむしろこのような描写なのだと感じました。よくあるエロアニメとは一線を画していると思いますので、この点もご注意いただきたいと思います。

この作品では肉欲とボーダーレスなものとしいて愛が描かれているように思えます。何も肉欲を蔑んでいる訳ではありませんし、むしろそこから発展する愛なんて無数にあるように思います。むさぼるように求める愛というのは描こうとしてもなかなか難しいように思いますが、この作品ではそれを直接的に表現しようと試みているので、見る人によっては拒否反応を示す可能性があります。

さらに徹底していると思ったのが、エンディングに花が出てきていることです。花は雄しべと雌しべ、それを護るように花弁があります。これらをそれぞれ、男と女、そしてベッドと置き換えてみるとどうでしょうか。OPがバイオレンスを表したものとすれば、EDはラブを(特にその秘め事の部分を包み隠して)表現したものであると思います。勝手な想像でいやらしいと思われたかもしれませんが、これは私が他でも見かけた隠喩です。{/netabare}

等々・・・私のように余り気にし過ぎなければ、普通にエログロアニメと捉えるでしょうし、それが妥当だと思います。

本作の絵柄は、荒々しいイメージのアクションシーンをより引き立てている反面、グロシーンに余りリアリティを与えずに済んでおり、視聴を容易にする役割を果たしていると思います。ストーリー展開も、最後の方で「んー?」と思う部分もありますが、落とし所はまあ納得できるまとめ方をしていると思います。ちょっと変わった絵柄に惹かれた方はぜひご覧になってください。OPだけでも是非。思わぬ拾い物をするかもしれませんよ。

色々と述べてきましたが、単に私がスケベなだけなので、許してくださいね。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 16

57.1 14 大人向けアニメランキング14位
闇芝居(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (149)
776人が棚に入れました
昭和の紙芝居風に語る日本にある都市伝説的なストーリーの大人向け短編アニメーション。アプリとも連動し、都市伝説キャラを捕獲するゲームが配信され、番組放送中に仕掛けが施されている。

声優・キャラクター
津田寛治、村井良大、平野良、植田圭輔、相沢梨紗、大西礼芳、田中稔彦、白水桜太郎、深海誉、増本庄一郎

ほーきんす♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

【ネタバレ有】 「”おつまみ”みたいな短編怪談作品!」

 

 まさかの1話当たりわずか5分の短編怪談作品である。

 それでいて13話しかないから、(小学校を卒業している人はわかると思うが…)全部で1時間足らずで観れてしまう、時間のない人には、何ともありがたい作品となっている…。


 タイトル“闇芝居”からも分かる通り…、アニメーションなのだが、紙芝居テイストで画が構成されており…、
 滑らかさがない分、昔の“トイレの花子さん”のようなかんじに仕上がっている(小さいころ観た花子さんはガチで怖かった…(特に、夜枕元にバナナを置いて寝ないと、足首から先をハサミで切られて持っていかれてしまう…という話があったが、冷静に考えれば、怖すぎる話である…))。


 1枚画のまま、セリフだけが進んでいくというようになっており、次のシーンで急にくる怖さや、ずっとそのシーンの画を観なければいけない、という怖さを出せるというメリットがあるように感じる。


 また、(ある意味失礼な言い方だが…)声がプロの声優というよりは、むしろ一般人に近い声の感じになっており、そこがリアル感を出すことに成功している。


 しかし、1話ごとの時間が、わずか5分ほどしかなく、どうしても、ホラーもの独特の“間”だったり、設定を詳しく説明する時間がなく…、
 “オチ”が視聴者に伝わらない、何を伝えたくて、どこに恐怖を感じてほしいのか…製作者の意図が伝わらない回がいくつかあった…(というよりは、そういう回の方が多かった)。


 だが、まぁ怖かった回を上げるなら、“第2話”“第11話”“第13話”は正直、怖かった…。
 
 これはあくまで、自分がそういうのに恐怖を感じるタイプなのだけかもしれないが…、
 なめらかな、およそ人間とは思えない動きに対して、恐怖を感じることに気付いた…。
 
 まさにこの、第2話と第13話はそうで、第2話の“惨拝(ザンバイ)”、腕を振り上げる“バンザイ”ではなく、腕を振り下ろす“ザンバイ”の動きや、第13話の最後の双眼鏡越しに霊に憑りつかれた友だちが走って来るシーンは、鳥肌ものだった…。


 最初、画のひどさに、さすがにちょっとと思っていたけど、観ているうちに、これくらいのレベルの作画の方が、怖さを感じることに気付いた…。


 本当に怖さを感じたくて観ようと思っているなら、わざと部屋を真っ暗にして、(できるなら“深夜”)(当然“一人”で)観ることをオススメしたいと思う…。


 また機会があれば、公式サイトで配信されていたらしい、他の話も観てみようと思う…。

 (終)

投稿 : 2020/04/04
♥ : 3

だわさ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

何か書こうと思ったので…闇芝居について少々。

5分ショートアニメ全13話
短編ホラー


それなりに怖い短編ショートアニメなので、お手軽。裏を返せば、内容は薄い。
ホラー系に割と耐性のある人なら、はっきり言って怖いとは言えない内容だと思う。
しかし、このショートアニメは紙芝居というモチーフを扱い、古き良き日本再生に一役かっているばかりか、
美化が進んできた映像界に対し、静画の可能性を見せつけるという点で一石を投じている。

まず、闇芝居というタイトルだけあって、紙芝居のような見せ方をする。
毎回、冒頭に「よってらっしゃい見てらっしゃい」と
紙芝居(闇芝居)をしてくれる知らないオッサンが広場で子供に語りかけ、紙芝居が終わると最後は「おしまい」で締める。
今時、知らないオッサンが寄ってらっしゃい見てらっしゃいなんて言ってると子供は
「お母さんが知らないオッサンに話しかけられたら逃げなさいって言ってた。キモイ」とか普通に言って逃走しそうだが、
本編においては、1960‐70くらいのノリで子供が集まってくる。

もちろん本編、完全な形での紙芝居ではない。
登場人物は喋るし、ある程度絵も動かしている。
ここで注目したいのは、静画の使い方がうまいと思うこと。
静画と動画のコントラストによって視点が操作され、静画に想像力を膨らまさせる。
それは動くアニメが発達した今だからこそ新鮮であり、独特なホラーを生む。
静画の可能性と古き良き日本を一石二鳥で再生するというのだからなんともおもしろい。

そしてそこに輪をかけるように、
闇芝居本編で扱っている話の内容が古き良き日本の都市伝説。
やろうとしていることが全くブレていない。

以上の理由で、一見の価値があると思う。

怖いかどうかは、静画と動画から受け取った情報を
あなたの脳みそがどう受け取り、どう再生するか。
そのあたりなんじゃないだろーか。

なので、怖くなかったからといって偉そうに人に言うのは少し残念な奴に思えてくるワケだが、
何を隠そう俺は怖くなかったよ。
俺の想像力は少々残念なのかも。
むしろそれが怖いわwww

投稿 : 2020/04/04
♥ : 19

ぱこ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

(怖い話のような)雰囲気アニメ

雰囲気アニメにも色々と種類はあるが、これはこの作品のあらすじが銘打つ通り「よく聞く都市伝説や怖い話の不気味さを意識して、雰囲気だけ出来上がった作品」。

 もともとホラー系は苦手で(実写映画はスプラッタとホラーが混在しているため)あまりその方面の作品に通じている方ではないとはいえ、そんな私であっても展開が容易に読めるほどシンプルな、ある意味でホラーとしては間違っている(?)親切設計。

 特に8話と13話は2ちゃんねるのオカルト系でも特に有名な話なので、わかる人はすぐにピンとくるだろう。

 古き良き昭和の紙芝居の絵柄を意識していると思われる作画も、狙いすぎては味が薄れるというケースの見本なのかもしれない。また、ドッキリ系の演出も一昔前のホラー系FLASHには一歩及ばないという印象。

 声優陣の演技に関しては、アニメらしい演技を避けた自然なニュアンスを目指しての事だと思うので、特に気にはならなかった。

 最後にあえて付け足すとすれば、私はアンチボーカロイド派ではないとはいえ、EDテーマのボーカロイド曲は歌詞の表記がないため結局最後まで完璧に聞き取ることができず、曲の良し悪しは別として、この作品への起用が正解だったかどうかについては首を捻らずにはいられない。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 2

65.1 15 大人向けアニメランキング15位
ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略(アニメ映画)

2012年6月23日
★★★★☆ 3.8 (159)
736人が棚に入れました
グリフィスの夢に取り込まれる自分に気づき、対等の友となるため鷹の団を離れる決意をするガッツ。同時に、ミッドランド王国より鷹の団に、難攻不落のドルドレイ要塞の攻略を託される。ミッドランド王国正規軍として栄光を手に入れたかに見えた鷹の団。だが、全ては破滅への序章にすぎなかった……。

声優・キャラクター
岩永洋昭、櫻井孝宏、行成とあ、梶裕貴、寿美菜子、藤原貴弘、松本ヨシロウ、矢尾一樹、豊崎愛生、小山力也、三宅健太

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

エログロの極致。圧巻の映像美。(劇場版Ⅲ降臨のレビューです)

すいません。興奮のあまり作品追加を待てませんでした。
それでも読んで頂けると嬉しいです。
ネタばれがあるにゅ!とのご指摘を受け、考えられる箇所のネタばれを修正いたしました。申し訳ございません。

一応、ネタばれ無しを心がけますw
今回はどちらかというと絶賛レビュです。


ベルセルク黄金時代篇三部作の最終章。

コミック史上最も残酷なシーンと評され、ベルセルクの名を一気に世に知らしめることになったエピソード『蝕』ついに待望の映像化。今作一番の見所です!

前の劇場版二作は悪い意味で期待を裏切られ、不満をタラタラ言っていたわけですが
今作は良い意味で裏切られた。期待値を軽く飛び越えてきました。(期待値低めに構えていたからかもですけどw)

言葉を失うほどの、凄惨で過激なエログロシーンが長い尺をかけて展開されますが、圧巻の映像美によって生み出される凄まじい吸引力で目が釘付けに。
鬼気迫るガッツの表情・動き・声が印象的でした。

前作Ⅰ・Ⅱに比べ、モブの表情がより丁寧に描かれ、カクついていた3DCGの動きも気のせいか良くなっていた気がします。なので気が散ることなく、蝕のシーン本来の良さがかなり際立っていました。

私が今までに見てきた作品(アニメ・実写問わず)の中で、そのエログロさは間違いなく最高レベル。
まさに地獄絵図。あっという間に館内を絶望と恐怖が支配してしまいました。
視聴後は強烈な喪失感を味わうこと必至w
R15とかそういう問題じゃないw
TVでは決して味わえない映画の醍醐味!というやつなのかも知れません。

なので、観て楽しめる内容か?と聞かれると首を傾げてしまいますが
今作のビジュアルショックはヱヴァQをも凌ぐ一見の価値ある素晴らしいものだと思います。
(予算では圧倒的に負けてそうだけどw)
でも、それだけに映像面では良い仕事をされた。……ということなのでしょうね。
『蝕』のシーンに関しては、原作ファンの方でも十分満足できる作りになっているのではないでしょうか。

それだけに残念なのが、省略されたエピソードの数々ですね。
せっかくほぼ完全に再現された蝕なのに、感情移入できるキャラの掘り下げが十分になされなかったため、原作を読んだときに流れた涙を同じように流すことが出来ませんでした。
(でも、他からすすり泣く声も聞こえてはきたので、人によりけりなのでしょう)

前作での演出や構成の失敗が悔やまれます。予算のせい?尺の問題?
というよりは窪岡監督が描こうとしていたベルセルクと私の期待していたベルセルクがはなから違っていたんでしょうね。
この劇場版では主人公のガッツはもちろん、キャスカの描写に力が入っており、二人の関係を軸に物語が描かれている気がします。
ガッツ役の岩永さんは声優が本職でないとは思えない素晴らしい演技でしたし、キャスカ役の行成さんの声も合っていました。しかし、グリフィスの影がウッスーくなっている。
櫻井さんのせいではありませんがw描写が圧倒的に足りない。
むしろ原作では黄金時代篇のキャスカはおまけ程度なんですけどw
最後の最後で最高の映像を見せてもらい嬉しいのですが、最後だけ良くされても……意味無くね?
なんていう腹立たしさもあったり。複雑な心境ですw
ともあれ、今作は三部作の中では一番見応えがありました。

原作とちが~う!などと今まで散々不満を言ってきたわけですが、なんだかんだ言って映画の観賞自体は結構楽しんでいます。
実際、今作に関してはオールナイト一挙上映会イベントに参加して観ましたw
ゾッド役の三宅さんのキャラが面白かった。(あと、ファッションが胡散臭かったw)
ベルセルクがこんなにもメディアに取り上げられ、盛り上がることは恐らくこれが最後なので
思い出にと、中野ブロードウェイでこじんまりと催されているベルセルク展にも行ってきました。
(詳しくは http://pixiv-zingaro.jp/exhibition/berserk/ )
数々の原画が飾られていて、劇中にそれを発見できると嬉しくなります。
なので劇場で視聴する際、機会があれば前もって立ち寄っておくのがオススメです。
原画集を購入したら原画が1枚ついてきました。ガッツ15歳時の。
(でも原画ってもらって嬉しいけど、どう処理していいか悩みますよねw)
恩田尚之氏を中心とし完成された実写的な原画は惚れ惚れとするくらい美しく、最高の目の保養になります。

これで劇場版も終わり。なんか寂しくなります。
正直なところ「こんな中途半端に映像化されるんだったら最初から無いほうがマシだった」
という思いもあります。
でも、彼らの過酷な旅路の先に希望があると信じ、いつまでも追い続けていたいと願う。
そんなファン心なのでした。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャッチコピーは「訣別もまた、宿命。」

劇場版の第2作目です。この作品の特徴として内様が段々過激になっていくらしく、1作目はG指定でしたが、この作品はPG12指定になっています。
確かに、物語の核心に近づけば近づくほど描写が過激になっていると思います。

でも人間だから・・・その核心だからこそ過激になるんだと思います。
我々は通常理性で感情や思考をコントロールしています。
普通に生活する上において、感情や思考をコントロールできなくなる事はまずありません。
そこまで切羽詰った状況じゃないからなんですが、人間の核心に迫り理性という箍が外れた先に何が待っているか・・・
きっとこれまで抑え続けてきた欲求の爆発や反射による考え無しの言動なんじゃないかと思います。
そしてそれらは一切がオブラートに包まれることはないのでしょう・・・
だから核心に迫れば迫るほど過激になっていく・・・人間として当然の摂理なのだと思います。
また描写の過激さが増すことで、リアリティも向上していると思います。

今回の物語は、タイトル通りドルドレイという難攻不落の居城を攻略が中心となっています。
これまで何人たりとも寄せ付けず、既に多くの軍勢と共に戦意を失いかけようとしている中、「鷹の団」が立ち上がります。
この難攻不落にグリフィスやガッツがどう挑んでいくのか・・・この作品の見どころだと思います。

これだけだったら、タイトルとキャッチコむしピーとの間に何の繋がりもありません。
居城の襲撃と訣別との因果関係・・・むしろこちらの方が大きく心が揺り動かされると共に、過激な描写への一翼を担っていると思います。

全ては上手くいっていたと思います・・・
キャスカに訪れる絶対絶命の大ピンチ・・・でもちゃんと守ってくれました
華やかな晴れ舞台・・・雰囲気も決して悪くありませんでした。

それでも踏み出さずにはいられない・・・
何がそんなにせき立てるのか・・・

すべてが上手く機能していた歯車に入った亀裂がもたらすモノとは・・・?
これまで何より優先してきたモノを見失うほど打ちのめされ、行き場の無くなったその男の足が向かったのは・・・?
これまでと変わらない日常を過ごしている・・・何も知らないから・・・
それでも変化が急速に足元まで迫ってくる・・・それに気づいた時にとるべき行動は・・・

物語の中盤以降・・・片時も画面から目が離せませんでした。

3部作のうち2作品の視聴を終えました。
物語のラストに描かれていた眼・・・何を見据えていたのでしょう・・・
次が怒濤のクライマックスになると思うと期待もひとしおです。
引き続き、3作目を視聴したいと思います。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 18

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんというRシネマっぷりwww

前作はユリウス暗殺後のガッツがグリフィスの語った「友とは対等な関係」という言葉を聞いて、彼の中の価値観が変化しかけたところまででした


今作では100年戦争の天王山となるドルトレイ要塞の戦いがメインに描かれます


特に見所となるのは鷹の団、唯一の女千人長たるキャスカの過去が明らかとなる場面
グリフィスとキャスカの出会い、グリフィスに拘るワケ・・・
さらに彼女がトラウマを乗り越えて成長、宿敵との決着を果たすまでが最大のカタルシス


てかキャスカってこんなに可愛かったか?w
(いや、千羽由利作画でみやむーvoiceのキャスカはくぁわいかったがw)
間違いなく今作のヒロインはキャスカ
彼女の魅力が存分に描かれた章だったと思います


さてさてw
前作でも大胆な殺戮シーンや全裸のシーンなど、多々大人向けな要素を惜しむことなく映像化してみせた「ベルセルク・サーガ プロジェクト」
今作のラストでは原作ファンの皆様ご存知、シャルロット姫との×××が超じっくり描かれますwww


そりゃもう^q^


もはやファンタジーがメインなのかこっちがメインなのかわからんwww
豊崎さんの演技もしゅごいwwwいや、しゅっごいwww


と、いうことでレーティングは【PG12】にこそなってますが、【絶対に子供に見せてはいけません】www


あと最近になって気付いたのは何気に舞踏会にセルピコとファルネーゼがいますね(笑)

投稿 : 2020/04/04
♥ : 16

62.6 16 大人向けアニメランキング16位
よみがえる空 RESCUE WINGS(TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (133)
654人が棚に入れました
ジェット戦闘機のパイロットになりたかった内田一宏は航空自衛隊に入隊。だが自分の希望とは裏腹にパイロット養成の選考過程でヘリコプターの操縦士になってしまう。同期の小坂隆が希望通りイーグルドライバー(F-15戦闘機のパイロット)になるなか、それでも気持ちに折り合いをつけて配属先の小松基地にやってくる。そんな中、配属間もなく災害が発生し、現地に向かうこととなるのだが…。

声優・キャラクター
宮崎一成、能登麻美子、石塚運昇、星野充昭、飯塚昭三、笠原留美、伊井篤史、小野坂昌也、志村知幸、さとうあい、高村尚枝、ゆみ、大本眞基子、ふくまつ進紗