妄想で秘密なおすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの妄想で秘密な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月16日の時点で一番の妄想で秘密なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.0 1 妄想で秘密なアニメランキング1位
彼女、お借りします(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (583)
2047人が棚に入れました
20歳のダメダメ大学生・木ノ下和也。初めての彼女と一度だけキスをしたが、たった1ヶ月でフラれてしまった。「あぁ…やだ…もうなんか全部ヤダ…」やけっぱちになった和也は、“ある方法"を使って、女の子とデートをすることに。待ち合わせ場所に行くと、「君が和也君、だよね?」さらさらの黒髪を耳にかけながら、和也の顔を伺う美少女、水原千鶴は微笑みかけた──。

声優・キャラクター
雨宮天、悠木碧、東山奈央、高橋李依、堀江瞬、野沢由香里、赤坂柾之、梶原岳人
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

少年たちの妄想

アニメーション制作:トムス・エンタテインメント、
監督:古賀一臣、シリーズ構成:広田光毅、
キャラクターデザイン:平山寛菜、
音楽:ヒャダイン、原作:宮島礼吏

都合のいい物語というものがある。
最近の流行りだと異世界転生ものに代表されるし、
学園ハーレムものもその範疇に含まれる。
そもそも物語とは都合がいいものだろう、
と言われると全くその通りだが、
結局、その都合の良さの核がどこにあるのかによって、
こちらの受け取り方が大きく変化する。

週刊少年マガジンに連載中の作品。
連載前に作者は担当者とともに「レンタル彼女」を体験し、
その上で物語を構築したという。
時代性を意識して、まだどの漫画でもやっていない
ネタありきで進めた企画で、それは良いと思う。
ただ、こういう題材は人間をきちんと
描かなければならないので難しい。
リアルにやり過ぎると下世話すぎて夢がなくて
共感が得られないし、ファンタジーを目指すなら、
細部をしっかり構築しないと、
全く説得力のない陳腐な物語になってしまう。
この作品の場合、結局、そのハードルを
全く超えられていないということだろう。

社会人男性なら多くの人が想起するのが、
レンタル彼女=キャバクラ嬢。
対価を払って、ある時間を共有する。
金次第では、アフターや同伴をして
特別感を享受できたりする。
道端で知り合いに会って、自慢したり、
真実を話すこともあるだろう。
上手く彼女たちの心を掴むことができれば、
実際に付き合ったり、結婚することもあり得る。

お互いがかりそめの関係性を理解していることで
成立しているものなので、特別な間柄になるには、
金だけではないプラスアルファが必要。
(もちろん、莫大な金があれば金だけでもOK、たぶん)
その反面、金の切れ目が縁の切れ目になることも多く、
かなりシビアな関係性になることもよくある話。
振られた男の捨て台詞として
「お前にいくら使ったと思ってるんだ!」というのは、
キャバクラ嬢との付き合いだけではなく、
普通のカップルとの間でも交わされることもあるので、
男にとって、女性を口説き落とすために入れ込み過ぎるのは
お互いにとって良くないことのほうが多いだろう。

ただ、最初から金でつながった関係性を理解し、
楽しむことができれば、風変りな距離感によって
貴重な時間を共有できる。
そこに「情」のようなものが加わわったり、
愛を感じることができれば強く結びつくこともある。
かりそめの関係性だからこそ、
真にお互いの望むものを理解することで、
普通のカップルにはないような
本物の関係性を築くことも起こり得る。

かのかりの場合は、結局、少年たちの妄想に
とどまっていて、勘違いにも至っていない。
設定以外に惹かれる部分はほぼない。
物語の展開としては、自分が小中学生のときに
夢想していたようなことを思い出してしまう。
アパートの隣に引っ越してくるとか、
海で溺れて人工呼吸するとか。
物語の積み重ねによる必然性のようなものを
加えてくれれば、もう少し納得できるが、
色々なことがご都合主義のため、
物語に入っていくことができない。

{netabare}祖母同士が同じ病院に入院していて
仲が良いのも奇跡的すぎて笑ってしまうが、
この設定を今後上手く活かせば、
もう少しは面白くなるかもしれないと思ったりする。{/netabare}

最大の難点は、やはり主人公・和也に
男から見ても、全く魅力が感じられないことだろう。
クズ男がモテる展開にもそれなりの理由があるのだ。
物語が積み重なってきた後半になって、
ようやく自分のクズさを自覚するため、
成長が見られるのだが、いかんせんタイミングが遅すぎる。
視聴者が離れてしまった後ではなかっただろうか。

原作は人気があるようなので、
その秘密を探るために視聴していたが、
正直なところ、最後にその欠片が見えた程度だった。
{netabare}11話で登場した内気な少女・墨を上手く使えば、
和也の成長物語として読者を導くことができるかもしれないし、
麻美がレンタル彼女について気づいた最終話から
話が面白くなってきたように感じる。{/netabare}
麻美の心情をきちんと描けば、
物語に幅が出てくるかもしれない。
2期をやることは最初から決まっていたのだろうが、
原作組以外がどこまで付いてくるかというと、
なかなか難しいところだろう。
(2020年9月26日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 46

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ちなみに「レンタル彼女」は実在するらしいです、知らんけど。

== [下記は第2話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第2話まで観た時点で、このレビューを書いています。漫画原作は未読です。

法令遵守という観点からはグレーというかかなりブラックに近い感じもしますが、作中に出てくる「レンカノ事務所Diamond(ダイアモンド)」のような会社も「レンタル彼女」的な職業も実在するらしく、また男性の「レンタル彼氏」を派遣する会社もあるらしいです。

作中で「レンタル彼女」利用に際しての禁止行為などの描写もありますが個人的な感想としてはトラブル発生の予感しかしません。実際のところどうなんでしょう?

作中の「レンタル彼女」やそれに関する規約の実効性に疑問を持ち続けると視聴継続が困難になる作品のように思われますので、そこはまあとりあえず横に置いて観ています。

お話の導入としては、長らく「年齢 = 彼女いない歴」だった主人公の木ノ下和也(きのしたかずや)が大学入学後に七海麻美(ななみまみ)と交際を始めるものの、短期間でふられて自暴自棄となり、レンタル彼女「水原千鶴(みずはらちづる)」を派遣してもらってデートするというもの。

第2話終了時点まででは千鶴を本物の彼女と偽って周囲に紹介してしまうありさまや、千鶴のプライベート(家族、実名、実住所など)を知ってしまう過程が描かれています。

今後は和也を巡って、千鶴や麻美を含む複数の女性が関わってくるラブコメ的な展開を迎えるようなのですが、ここまでの話数で「とても面白い」と感じるところまでは至っておらず、今後の展開に期待しています。
== [第2話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.10.5追記:
最終話まで観終わっていましたがレビュー更新が遅れていました。すみません。

さて、本作ですがOP/EDともに出てきているために「ヒロインは4人いる」ことが早いうちから明かされていたのですが、元カノの麻美とメインヒロインと目される千鶴以外の二人がなかなか出てきませんでしたね。

三人目の更科瑠夏(さらしな るか)はまだしも、四人目の桜沢墨(さくらざわ すみ)に至っては最終2話でやっとという感じで、2期目の制作も決定している本作品的には、1期目は主要登場人物の紹介といった趣きで、本番は2期目以降といった感じになるのかなとも思います。

まあそんな1期目だったのですが、終始その場を取り繕い周囲の人間に嘘をつくカズヤくんの行動に視聴者がイライラさせられそうな展開で、全話完走にはけっこう精神的な負担がかかるかもしれません。

しかしそれを乗り越えたからといって爽快感のある作品でもなく、ほぼほぼヒロイン4人のうちの誰かを愛でるという方向で観ることになるんじゃないでしょうか。なお、キャラクターデザイン的にもアニメーションの作画的にもヒロインたちはとても可愛く描けていると思います。

ストーリーという点では、少なくとも私はあまり楽しめなかったかなあ…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

金で買えるもの、買えないもの

大学生の木之下和也。
レンタル彼女として水原千鶴とデートする事になる。
木之下の祖母と出会ってしまい、和也は千鶴の事を彼女として紹介するのであった。

メインヒロインの水原・七海・更科・桜沢。
みなさん、容姿端麗。
べっぴんさんです。
もしも、自分の彼女だったら自慢したい気持ちは分かります。
ただし、本当の彼女であればの話ですが……

物語の鍵となりそうなレンタル彼女について。
この件に関しては一言、言いたいですね。
援助交際、パパ活、レンタル彼女などと呼び方を変えていますが、
私には売春に見えます。
お金を対価にして相手の時間を奪う事。
エッチな事をしたかどうかは問題ではなく、金銭の授受で成り立っている関係が問題です。

木之下は彼女にフラれたからレンタル彼女を使って自己満足します。
私が異常なのかは分かりませんが、主人公に感情移入もできませんし、
その生き方さえも否定したいです。
エロい事をしたいのであれば、プロのお店に行くべし。
新しい彼女が欲しいのであれば、
服装・髪型・話し方などを勉強してモテる工夫をしたらいいのでは?
嘘を言って、その場を誤魔化す事もマイナス点。
まずは歪んだ性格を変えるところから始めましょう。

しかし、大学生なのにお金を持っていますね。
私が学生だった頃は万年金欠><
バイトと勉強を両立させていました。
木之下もバイトを始めますが、女性関係に財布の紐が緩く、浪費癖があります。
こんな相手と結婚したら地獄だべ。
虚言癖や浪費癖。
自然と人が離れていきますね。
優しさと優柔不断は別物。
混同するから混乱するのです。

ヒロインの可愛さだけで人気がある作品。
性格は酷い人物ばかりですね。
2期があるみたいですが、私はお腹いっぱい。
しかし、本名で登録してるのは無防備すぎます。
墨ちゃんは見守りたいですが、レンタル彼女に登録しちゃうぐらいだからなぁ。
墨ちゃんだけのために2期をチェックするかどうか悩ましいですね。

彼女が欲しいからレンタル彼女を依頼したのに、彼女になりたいと立候補した人物は遠ざける。
本当に訳が分かりません。
感情移入しづらい主人公。
完走しましたが、オススメはできないですね。
男性を妄想の世界へと誘う内容でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

82.7 2 妄想で秘密なアニメランキング2位
琴浦さん(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (2436)
12324人が棚に入れました
琴浦春香は、一見普通の女子高生に見えるものの、人の心が読める能力を持つ。
しかしそのことをきっかけに、周りを疎外するようになっていった。と
ころが転校してきた早々に出会った真鍋義久がきっかけとなり、徐々に心が解され、また彼に惹かれていくのだが…。

―2012年8月にテレビアニメ化が発表された。

声優・キャラクター
金元寿子、福島潤、花澤香菜、久保ユリカ、下野紘
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ストーリー構成、見せ方が秀逸。何度も笑ったし、何度も泣いたよ。

原作未読。

望む望まないにかかわらず、人の心が読めてしまう琴浦春香(ことうらはるか)。
幼少期から能力によって、周りを傷つけてしまい、自分の殻に閉じこもってしまっていたのだが……。


いやー、笑いました、泣きました。
まさかここまでしっかりしたストーリーで、見せ方も上手なんて予想していませんでしたよ。

このアニメを見て最初に気付くのが「ギャップ」でしょう。
それだけ1話が衝撃的でした。
でも、ただのギャップを狙ったアニメではありませんでした。
シナリオだけを追っていっても素晴らしい仕上がりです。

特に、笑いの中からストーリーの軸を引き出すテクニックがお見事です。
ギャグシーンの結果がそのままストーリーに反映されます。
{netabare}
主にエロ妄想ですね。
「心を読ませる」ことで琴浦さんの行動をコントロールできます。
{/netabare}
ポイントは、漫才をやるのではなく、視聴者にツッコミを入れさせて笑いをとるタイプのアニメだということです。
このタイプでは、ストーリー進行が止まらないため、ギャグによるごまかしがききません。


また、中盤にゆるい話がありますが、ちゃんと意味があります。
「心の成長」というテーマにしっかり絡んできますね。
{netabare}
シリアスとギャグのギャップ場面がない、中盤の話(EDテーマがギャグになる話)は、琴浦さんが人との距離感を掴むのに手間取っていることを示す、大事なエピソードだと思います。

琴浦さんにとってはすべて初めての体験。
楽しい夏休みや、友達との「普通の」距離感。
そういったものは、何もかもが新鮮だったはずです。

「信じることに慣れて、疑ってしまうこともあるものよ」

まったく人を信用しなかった状態から、信じすぎる方向に行きすぎてしまう。
人と人との距離感をうまく調整できていないことを表現して、最後の母親との和解に繋げるまでの心の成長過程を見せてくれています。
{/netabare}

・子どもの頃は何が正しくて何が間違えているか、本当にわからないものです。
・人と普通に関わってこなかった人間は、人をどこまで信用していいのか、つかめないものです。
・大人になってからは、自分をそう簡単に変えることはできないものです。

その辺を理解して感情移入すると、本気で泣けます。
視聴の際はギャグやギャップではなく、ストーリーラインと感情の変化を追って見て欲しいですね。


演出もうまいと思います。
BGMも良かったですが、見た目に関しても、二重、三重にトリックを張って、視聴者を騙しています。
{netabare}
犯人が女性警官だったことは見抜けても、その先の動機まではなかなか見抜けない。
リアルかどうかは別にしても、琴浦さんの境遇と同じだったから、というのは十分に説得力がありました。
視聴者は、今までさんざん琴浦さんが苦しんだシーンを見ているからです。
{/netabare}

ギャグも優秀、ストーリーも優秀、演出も優秀、キャラクターも優秀、音楽も優秀。
ジャンルとしてはラブコメかもしれませんが、ヒューマンドラマという言い方をしてもいいかもしれません。
{netabare}
「言(こと)葉」に「裏(うら)」がないからこそ成り立った展開。
そして、衝撃の1話を反対側から見せた、母親との和解シーン。
そこから琴浦さんと真鍋の告白シーンに繋げて締めくくったのは、タイトルに意味を持たせた、素晴らしい終わり方だったと思います。
{/netabare}
伏線も綺麗に回収し、本当に最後の最後まで魅せてくれました、大満足!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 94
ネタバレ

ゼロスゥ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

意外とシリアスな話だった

超ほのぼの系だと思っていたらスゲー暗い始まり方のせいで見るアニメを間違えたかと思ったよw
心を読めるってめっちゃ便利な能力だと思うけど実際はそうでもないんだね。

いや、まてよ・・・
よく考えるとこの能力を手に入れたのが生まれつきじゃなかったらやっぱり便利な能力だったんじゃないのか?
まだ子供だったから心を読んで思ったことをすぐ口に出してしまったのであって、ある程度成長したらそんなことはなくなるだろうし・・・

俺はやっぱりこの能力欲しいなぁ((*゚∀゚))

真鍋のエロ妄想で慌てる琴浦さんが可愛すぎますね。
キャラ目的だけでも見ていけるアニメかもしれないですw

以下各話レビュー。

2話感想
{netabare}
メインキャラの一人っぽい女の子がスッゲー悪役っぽくなってたよ!?
これこの先大丈夫なんか?
一応この子も多分部活に入るんだよね?
なんかもぉ不安要素しかないんだが(;゚∀゚)

にしても教室のど真ん中で告白とは・・・
真鍋は男だねぇ。{/netabare}

3話感想
{netabare}
重い・・・話が重いよ・・・
カラオケの件までは爆笑させてもらったのに、後半シリアスすぎるよ(-_-;)
森谷ももうちょっと考えて行動しようぜ。
好きな人をボコるって正直意味わからんし。
ヤンデレか?ヤンデレなのか?{/netabare}

5話までの感想

森谷がスゲー可愛く見えてきた。
シリアスストーリーも終わって、俺好みのほのぼのとしたギャグストーリーが始まりつつあります。
これは俺にとってうれしい展開ですねw
これから先を見るのが楽しみになってきました(^_^)v

9話までの感想

琴浦の母さんが出てきて若干シリアス感が戻ってきたり・・・
でも基本はギャグとエロ妄想のオンパレードなので楽しく見させてもらってます。

最後、両手を血に染めた森谷・・・
あれは一体どういうことなのか・・・

10話感想
{netabare}
森谷が逮捕された!
でもすぐ出てきたから良かった!
とりあえずご家族の方たち警察署の前で「モリモリ」言うのはどうかと思うよ(;゚∀゚)

でもって最後は部長がピンチになるし、最近は次回が気になる終わり方が多いので毎週楽しみですね。{/netabare}

どーでもいいけど真鍋と警察の女の人って何か似てない?

11話感想
{netabare}
まさかあの警察の人が犯人だったとはなー
二重人格ってのは一本取られたねw
でもって犯人を説得してめでたしめでたしと・・・
悪くはないと思うんだけど何かちょっとありきたりだなーとも思ったりしましたね(;゚∀゚)

でも森谷の告白はすごく良かったです。
あそこはちょっと感動しちゃいましたね。
最初のころの森谷の記憶が今はもう懐かしいですw{/netabare}

最終話感想
{netabare}
最後は無事お母さんとも仲直りしてハッピーエンドと・・・
いい終わり方でしたね。

お母さんも琴浦さんと離れるのはやっぱり辛かったんだね。
そのことがはっきりとわかってよかったです。
自分の子供のことが本気で嫌いな親なんて存在しないんですよ・・・
「守ってやれなくてゴメンね・・・」
お母さんのこの言葉にはやられましたね。
俺の涙腺が大ダメージを負いましたw{/netabare}

なんやかんや楽しんで見れてた作品だったと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 75

逢駆 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

~以心伝心~

お前がいるのが、もう俺の日常になっているんだよ!―――――


人の心が読める少女の苦悩と成長を力強く描いた心温まる作品。
予想とはまったく違った衝撃的な1話でがっつり心を持っていかれました。

主人公の琴浦春香は他人の心が読めてしまう不思議な能力の持ち主。
その能力ゆえに、ずっと他人との距離を置いてきましたが
転校先で隣の席になった真鍋義久との出会いによって世界が少しずつ変わって…。

基本はラブコメディなのでお気楽で笑えるシーンが多いのですが
そこからふっとハードな展開に突入するそのギャップが本作の特徴。
楽しい日々を描いていても、いつシリアスになるのか気にしてしまいます。
単調になりがちなストーリーも絶妙な振り幅によってとても魅力的に仕上がっていました。
このあたりは「みなみけ1期」「ゆるゆり」で視聴者を楽しませてくれた
〈 太田雅彦監督&あおしまたかし脚本 〉コンビの手腕が大きいのかなと。

意図せず人の心が読めてしまう琴浦さん。
「読めてしまう」というのがとても厄介であり困った部分です。
普段、人は誰かと話すとき声にして出す言葉と出さない言葉を選択して生活しています。
そうして人は他人との距離感をうまく保っています。
しかし琴浦さんはそのすべての言葉が聞こえてしまう。ときには映像まで見えてしまう。
つまり聞きたくないもの、見たくないもの、全部読めてしまうわけです。
それは周りからすれば恐怖の対象となります。
誰も彼女に近づこうとせず、彼女もまた距離を置いて心を閉ざし…。
それを打ち砕いてくれたのがエロスの貴公子こと真鍋くん。
裏表のない良くも悪くもバカな彼だからこそ、本当の気持ちをぶつけても受け止めてもらえる。
ありのままを肯定してくれる人がいるからこそ一歩進むことができる!
その琴浦さんの心の壁が徐々に取り払われていく過程がうまく描かれていたと思います。

前半の出来が素晴らしかったため、後半は少し失速気味にも思いましたが
ラストは感動的でとても良い最終回でした。1クールで綺麗にまとまっていた点も好印象です。
琴浦さんの心の成長が見れて素直にハッピーを感じる作品でした。


苦しいことや辛いことも一人じゃどうにもならなくても仲間がいれば大丈夫
次の扉を開けるとき、きっと皆が背中を支えてくれる
だから怖がらずに少し前に進んでみよう
いつかすべてのことにちゃんと希望の花が咲くように
この場所から始めよう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 71

89.3 3 妄想で秘密なアニメランキング3位
ひぐらしのなく頃に解(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (2911)
13630人が棚に入れました
昭和58年の夏、都会から遠く離れた鹿骨(ししぼね)市にある寒村・雛見沢の夕暮れ時にはひぐらしの合唱が木霊していた。
圭一達いつもの部活メンバーは、他愛のない日常を過ごしていた。ただ、その平穏な日常を一変させるあの日が近づいて来ていた。
毎年6月に行われる祭「綿流し」。過去4年続く、祭りの日に繰り返される惨劇…。はたして、惨劇は今年も繰り返されるのだろうか?それとも…。

声優・キャラクター
保志総一朗、中原麻衣、ゆきのさつき、かないみか、田村ゆかり、堀江由衣、茶風林、大川透、伊藤美紀、関俊彦、折笠富美子
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

解は解決の解

原作未プレイ。
1期である「ひぐらしのなく頃に」の続編にあたります。

1期のレビューはこちら↓
http://www.anikore.jp/review/388764


1期と比べての印象は、

・絵がキレイになった
・猟奇的表現が控えめになった
・ミステリーっぽくなった

つまり、あまり怖くなくなりました。

さて、「解」とは「問題に対する解答」を表すのではありません。
「問題を解決するにはどうすればいいのか」という意味の「解」です。
「解答」ではなく「解決」の「解」なんですね。

物語を通してのテーマは「信頼」でしょう。
{netabare}
今まで起きてきた事件のすべては、人を「信頼」しきれなかったがゆえの惨劇。
惨劇を回避するチャンスが与えられ、何度繰り返しても、どこかでほころびが生じてしまう。

「どうしてそこで『最後のひと押し』ができないんだ!」

何度そう思ったことか……。
{/netabare}
だからこそ、すべてが解決した時は感動でした。

正直、最終エピソードは、それほど緊張感がありません。
単発で見ると、なんだこれは? という印象になると思います。
しかし、そこにたどり着くまでの50話があったこその感動。

設定とそれを生かしたストーリーは、文句なしに良いです。
だからこそ、1期での過剰な残酷表現がもったいないです。
2期を見る前に、ドロップアウトする方がいると思うので……。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 86
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

悲しすぎる運命から逃れる「鍵」は?

制作はスタジオディーンで原作はゲームです。
ジャンルはミステリー・ホラーです。


前作「ひぐらしのなく頃に」のレビュー。
http://www.anikore.jp/review/485029/


一期に比べて作画がぐんとよくなり、かつグロ・スプラッター描写があまりなくなったので、一期を見れた人なら余裕で見れます。
というか一期見たなら見て欲しい。
「解」ということでおおよそが出題に対しての回答編ということになっています。


以下詳しいネタバレ。
{netabare}主人公たちを追っている組織は山狗と呼ばれるグループであり、それの指揮権を握っているのは鷹野ということで真犯人は彼女ということになります。

鷹野は疑心暗鬼により狂暴化する雛見沢症候群と呼ばれる風土病を、養子先の高野から引き継いで研究しています。

雛見沢大災害は鷹野の偽装工作と富竹、入江、梨花の殺害後に行われたガスによる滅菌作戦で、鷹野の言葉からすれば「神になる」ため、「東京」と呼ばれる上位組織からすれば雛見沢症候群を武器に権力維持を図る勢力を排除するためのものだということです。{/netabare}

私的には分からなかったところが判明したので満足しています。


この作品は「信じる心」が最大の鍵となっています。
「信じる心」というか、「信じられる人」が大事。
主人公たちサイドから見ても、犯人サイドから見ても同様です。
{netabare}鷹野は見向きもされなかった高野の研究を完遂するという信念をもって一連の事件を引き起こします。
それに対し梨花たちは仲間たちを信じ、あらゆる勢力を味方に引き込んで、鷹野率いる山狗との戦いに勝利します。
一人の信念は、複数人の信念には勝てないということですね。{/netabare}


閉鎖的な旧態社会を子ども達が協力して打開していくさまは見ていてワクワクします。
彼らの行動に大人たちが動き、運命が変わり始める。
全ての要素がそろった時に、悲しすぎる運命から村自体が解き放たれるかのようです。

また人間ドラマも非常に良し。
ラストには主要な登場人物全員が物語に深く関わり、収束へと繋がっていきます。

ストーリーも大半の伏線をしっかり回収しており、シナリオ・キャラのドラマもきっちりまとまっています。
その過程が熱い。
まさに「努力」「友情」「勝利」を体現するかのような展開です。
ドラマのまとまり、王道展開でなぜか泣ける。
これぞホラーだけじゃない「ひぐらしのなく頃に」の底力といったところでしょうか。


声優の怪演は二期でも健在です。
やっぱり怖いw

本作の難点は、これはミステリーと言ってはいけない所でしょう。
多分解けない。
あと、若干演出でおかしいところがあり気になる点。


総括して、一期二期通して良く練りこまれた作品だと思います。
評価されているのも納得の出来だと思います。(もう少し短くできそうな気もしますが)
ホラー・スプラッターが苦手でなければぜひ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最後まで観てスッキリしました☆

ひぐらしって内容が結構難しい気がしますね。
私の頭脳的な問題か・・っw

だけど全部観ると、
あー!そういうことか!なるほど!そうだったんだー!って
スッキリできる部分がたくさんありましたヾ(●´□`●)ノ
その瞬間が私はテンション上がりましたw
ここまで観てよかったと思える瞬間。


個人的には何回も何回もいろいろあったなー。って少し泣けました。
理解できると、なお、おもしろい作品だと思います。

あと、羽入が可愛いです*^^*

なんというか・・梨花ちゃんお疲れさま・・><。

グロいのが本当に嫌いという方にはオススメできませんが
そうでないかた、ぜひどうでしょうか♪

読んでくださりありがとうございました(○`・∀´・)ゞ★

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50

72.4 4 妄想で秘密なアニメランキング4位
さらざんまい(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (313)
1234人が棚に入れました
舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ"に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。『元の姿に戻りたければ“ある方法"でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

声優・キャラクター
村瀬歩、内山昂輝、堀江瞬、諏訪部順一、宮野真守、細谷佳正、釘宮理恵、津田健次郎、伊瀬茉莉也、帝子、加藤諒
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

煌めけ、太陽肛門

幾原邦彦×ノイタミナ。
制作MAPPA&ラパントラック。

この生命も世界もきっとパロディだ。
{netabare}人の世の裏側「欲望フィールド」を舞台に、
奇想天外な物語が展開されまず興味は尽きない。{/netabare}
自閉した群衆はピクトグラムで描かれ、
素性も知れぬものたちがこの星を運行している。

少年たちが商店街の河童像を、
破壊してしまったことから物語が始まる。
その不思議な色彩の世界で、
少年たちは尻の中に太陽光線をきらめかせる。
これこそが「太陽肛門」である。

欲望を生産するのだ。
尻の中から欲望を生産するのだ。

最終話視聴追記。
娯楽性を担保し謎が牽引する物語である。
考察は必要もなく丁寧に語られています。
{netabare}人は尻子玉で繋がっている。
それを失うと世界とは繋がれない。
世界の外部へと弾き飛ばされるためだ。{/netabare}
未来は欲望を繋ぐものたちだけが手に入れる。

人も社会も、繋がれば傷付き失う、
それでも希望はその先にあるということでしょう。
始まらず終わらず、繋がらない絶望への反撃か、
世界はいつだって試されているのだから。

このエールはきっと、
始まらないあなたへ贈る太陽光線なのでしょう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

三匹が掘る!

何を?ってそれは言わぬが花。
主人公らネーミング元ネタがまんま『三匹が斬る』でした。

そもそもの視聴動機は「ノイタミナ」だからとわりとノーマーク。幾原邦彦監督作品も当方初です。


いつから芸術に哲学というものが持ち込まれたのだろう?

と思うことがあります。美術館では音声ガイドオプションが当たり前となり、クラシック音楽も“解釈”というものが幅を利かせております。
たまには小難しさより見たまま感じたままの分かり易さを求めたくもなりますが、今回の芸術作品もところがどっこいなわけであります。

・・・抽象的な作品のレビューはちょっとやっかい(愚痴)。もといおそらく解釈いろいろで面白いレビューが数多く出てきそうなタイプ、というのが視聴後印象。


本作『さらざんまい』は浅草と上野の中間合羽橋近辺の東京下町で繰り広げられるカッパのお話。
そんなスタッフの悪ノリから生まれた浅い話かと思わせといて、それこそ正真正銘の“カッパ淵(岩手県遠野)”の水深よりかは深いと思われるちょっぴり良いお話でした。


 “テーマは繋がり”


物理的に、精神的に、「繋がること」の定義も定まらない中、善玉も悪玉も大切に思う人との結びつきを求めて苦悩します。そして「繋がるとは何ぞや?」は毎話形を変えて繰り返されます。
{netabare}カパゾンビから抜いた尻子玉をケッピに転送する時の“漏洩タイム”。インターネットでも送信する時にはネットワークを繋げる必要があるわけでして、ここで繋がるということは、不必要または心を抉られるネガティブ情報にも触れることでもあるという暗喩。
「繋がること」を無条件に賛美するでもなく、それでも「繋がること」で乗り越えられる未来に希望を見い出す内容でした。{/netabare}


合わせて面白いと感じたのが、対抗する概念であると作中で位置づけられていた


 “愛と欲”


このへん踏み込むと長くなってしまうので、今回は、皿っとサラッとさらざんまいでぃっしゅ 
※注 シラフです
{netabare}結局のところ両者を明確に分かつことはなく、むしろ一緒だねというミスリードでした。{/netabare}


この繋がりだなんだであったり、愛と欲であったり、小難しい(っぽい)のは実は話数がだいぶ進んでから自分は気づいたよというのがお伝えしたかったこと。
伏線でもなんでもないものにしばらく気づかなかったのです。
{netabare}私みたいに後から気づいた方でも、最終盤ではこれでもかと出てくるので序盤中盤100%スルーしてても問題ありません。{/netabare}

その理由は他に気を奪われていたから。小難しい(っぽい)のなんて感づく暇もないくらい圧倒的な映像表現に目がいき、中身より見た目に気を取られておりました。


 “高揚感と生理的嫌悪感”


こちらが交互に押し寄せると言ったほうが適切かもしれません。そのへんは観りゃわかる(笑)
似たようなところで、“芸術”といえるかは微妙ながら映像表現はシュールです。醸し出す雰囲気はやや淫靡かしら。
{netabare}第2話で女装がばれたり、第3話でガチホモ展開きたり、序盤からついていけません。{/netabare}
{netabare}だいたい肛門突入からの液体ブシャーッ!なんて妄想たくましい自分には相当きついものがありました。{/netabare}
目が釘付けになるんだけれどなんか嫌っ!という感覚。



とここまできてふと感じた大事なこと。
結局のところ“哲学”なんてどこへやら、見たまま感じたままを楽しめてたことに気づきました。
哲学なんて仰々しいもんではないでしょうが考察するには楽しそうな作品。繰り返しますがかっぱ淵程度の深さです。


曲はEDがすこぶる良いですよね。FM横浜でのthe peggiesのライブをラジオ経由で聴きました。MC含めて上手に空気を作っていて、将来楽しみなアーティストさんです。
実写とアニメの融合したED映像については、深夜の人気のない都会の景色をもってくるのが通ですよね。グッときます。
例えば深夜遅くだったり朝まで飲んで家路につこうかという時。周囲に人っ子一人いない景色を見たことのある諸氏は多かろうと思います。

 “世界の中に自分ひとり”

という感覚になった経験ある方いらっしゃいませんか?自分にはあります。そこにきて曲題『スタンドバイミー』“そばにいて”です。
{netabare}毎度ED直前の「繋がりたいけど○○」メッセージを最終回で全投入してくる演出もGOODでした。{/netabare}



もう少し考える系の作品だと注意がそちらに行ってたかもしれません。
生理的嫌悪感がその他の要素を上回らない限り、このシュールなアニメーションを楽しめるんじゃないかと思います。
クールで一本くらいは欲しいかな~と私が思っている “作家性の強い作品” という位置づけです。
この目新しい感じ。好奇心という名の欲望を手離すな!と劇中からの引用で締めることにしましょう。



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2020.01.27
《配点を修正》+0.1


視聴時期:2019年4月~6月


2019.06.21 初稿
2019.07.16 修正
2020.01.27 追記/配点修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

何となく目が離せない作品

== [下記は第6話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
ノイタミナ枠のオリジナルTVアニメです。幾原邦彦監督作品ということで話題になっているようです。このレビューを書いている時点では第5話まで視聴終了しています。

矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人がカッパ王国第一王位継承者を自称するケッピと出会ってそれぞれの事情でカッパにされてしまい、元に戻るためには「カッパゾンビ」と戦えと言われる羽目に。

ということで毎話様々な欲望を持った人間が変異したカッパゾンビと戦うことになります。

他に主な登場人物としては毎回占いを披露するアイドル吾妻サラ、一稀の弟の春河、謎の警官二人組(新星玲央・阿久津真武)などです。

本作でもカッパゾンビの発生、カッパへの変身などでバンクシーンが多用され、毎話での新規作画が抑えられているようです。

登場人物が皆、それぞれの内面に向かい合う話になるようですが、バンクのせいなどもあって人によっては退屈に感じるかもしれません。

が、なんとなく目が離せず観続けてしまっています。でもたぶん観終わってみるまでちゃんと評価はできない気がします。そういう意味では『輪るピングドラム』なんかと似たようなところがあるかも。
== [第6話まで視聴時レビュー、ここまで。] ==

無事に最終回まで完走。

結局のところ人の縁、つながりといった辺りがテーマの作品なのだろうかと思います。私としてはわりと楽しく観られました。

EDでのミニチュアセット実写+画像処理を使った背景や、モブを記号的な人型で描くなどのシャフト制作の作品なんかでもやりそうな風味の演出がありましたね。

歌舞伎の見得のような「さらざんまい」のアクションやサラちゃんの「当世の本流とはほど遠いけどビミョーなカワイさ」など、スタイリッシュとダサさの狭間をいくような雰囲気はけっこう好きディッシュ!

挿入歌でミュージカル風に話を進めてみたり、個人的には面白ポイントは多々あったとは思うのですが、どうも「これは面白いよ」と他人に薦めるような感じの作品でもなかったなあというのが正直な印象です…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

63.0 5 妄想で秘密なアニメランキング5位
花とアリス 殺人事件(アニメ映画)

2015年2月1日
★★★★☆ 3.6 (142)
537人が棚に入れました
2004年に岩井俊二自身が原作・脚本・監督を務めた、ふたりの少女を描いた映画『花とアリス』の新たなストーリーをアニメで描くことになる。

『花とアリス』の前日譚となり、史上最強の転校生のアリスと史上最強のひきこもり 花が出逢ったとき、世界で一番小さな殺人事件が起こった、とのストーリーになるという。ふたりの出会いの物語だ。

アニメ映画では、鈴木杏と蒼井優を彷彿させるデザインのキャラクターが登場し、さらにふたりがこの声を演じることで10年ぶりに競演するのもみどころだ。

ちなみに映画は先に声を録音するプレスコを採用している。

声優・キャラクター
蒼井優、鈴木杏、勝地涼、黒木華、木村多江、平泉成、相田翔子、鈴木蘭々、郭智博、キムラ緑子
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

少女A

監督原作脚本、岩井俊二。

映像化された「花とアリス」の前日譚。
花とアリスはいかにして出逢ったのか、
2人の少女が世界一小さな殺人事件の謎を解く、
出逢いと冒険の物語。

純朴で些細な日常を描く物語ですね。
監督らしい美麗な背景と光のレイヤー、
台詞の間や物に触れるちょっとしたしぐさ、
実写をトレースしているだけあって、
人の歩行に関しては感銘を受けます。
ゴミ出しのおばさんまで正しく歩いている。
心情の多くを語らせない演出家ですので、
その余白に感性を近づけなければいけない。
極めて文学的な作品だとも言えます。

新世代の芸術家に関して特集が組まれると、
その才能が何に影響されたのか興味は尽きません。
彼もまた多くの方に影響を与えた一人でしょう。

{netabare}私は「物語」があることに衝撃を受けましたが、
そもそも「物語」の排除が、
岩井作品の真髄ではなかったのかと。{/netabare}

不思議な魅力を持った作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

芸能人ありきのアニメかもしれない?

アニメーション制作:ロックウェルアイズ、スティーブンスティーブン
2015年2月に公開されたアニメ映画。

【概要】

 史上最強の転校生、アリス。史上最強のひきこもり、花。

二人が出逢った時、世界で一番小さな殺人事件が起こった。

 ↑公式サイトより引用

2003年、2004年に公開された岩井俊二監督による実写映画『花とアリス』
の11年ぶりの新作はアニメ作品。

二人の主人公である荒井花(鈴木杏)、有栖川徹子(蒼井優)が、
実写映画(高1)より一年前(中3)に出会い親友になるまでの経緯話。

【感想】

取り敢えず、思ったことを箇条書き。

・タイトルからしてメルヘン+サスペンスと思いきや、
 女子中学生のユーモラスな日常+ミステリーもどき。
・ジャンルは青春コメディ?
・なんでアニメにしたの?といえば、
 主演女優の鈴木杏と蒼井優。前作から歳月が流れてアラサーになった2人を、
 フイルムの中だけでも中学3年生に見えるように加工するためのツールとして、
 実写撮影→トレースというロトスコープの手法はうってつけだった!
 フォトショップでお見合い写真を見栄え良くするのとだいたいが一緒です。
・大人にタメ口の14歳がやりたいように行動してるだけの内容。親の躾がなってないね。
・会話のノリがお笑い芸人っぽい!声の出し方からして、可愛さや萌えや繊細さとは全くの無縁。
・アニオタとは全く違う客層を当て込んでる作品、ドラマ好きな若い女性向けか?
・物語に山場もなく、ほんに一つの目的を達成して主役二人のプロローグだけで終わった感じ。
・背景の色使いは好き。
・『悪の華』と比べたらロトスコープを活用できていたような?
・でも、やっぱり登場人物に感情移入できなくて心に響く場面が1個も存在しなかったので、個人的にはちょっと微妙です。

先に実写作品の『花とアリス』を観ていれば別の視点もあったかもしれませんけど、
特に観たいとは思わないですので今回はパスということでw

ほんとうの意味でアニメである必然性を感じない作品でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

【今作があればもう日本には“アニメも邦画もイラネ”ってなる!!!】「いやぁ~どぉだろぉかぁ~σ(^^;)」【第3の映画誕生の瞬間を目にした!!!】

『Love Letter』や『スワロウテイル』で有名な天才邦画監督、岩井俊二が初めてアニメ長編に挑んだ意欲作
『サイコパス』の本広克行など、最近有名映画監督がアニメに乗り込んできたことをオイラの友人は「アニメが売れると分かってシャシャり出てきてる」と批判しました
ソイツの気持ちもワカランでも無いですが、今作に関しちゃ技術的にも物語的にも完成度的にもとても素晴らしい歴史的傑作に仕上がったと思っています
どうか【食わず嫌いだけはしないで欲しい】という気持ちで今作を応援させていただきたい


事の始まりは2003年にネスレKitKat(キットカット)のホームページ上で配信された連続webドラマ
所謂「続きはwebで」と銘打ったCMドラマです
蒼井優が演じる天真爛漫な元気娘“アリス”
鈴木杏が演じるアリスに振り回されがちな内気で惚れっぽい“花”
この二人を軸に描かれる受験生応援&青春恋愛ドラマでした


webドラマが思いのほか人気だったので2004年には続編となる長編映画が公開
映画の1年後には今作のプロットが出来ていたらしいですがお蔵入りになってしまい10年の月日が経った・・・そしてまさかの10年越しの復活、それもアニメで、という斜め上に意表を突いたのが今作なんですね


さて、なんでよりにもよってアニメ?
となるところですが、コレ物語が中学3年生の花とアリスの“出会い”が描かれるという前作の前日譚になってるんです
つまり10年越しに【鈴木杏と蒼井優】を10代の【花とアリス】に若返らせる為に「残された手段はアニメしかねー!」ってワケでオリジナルキャストを尊重した結果の決断なんですね


だから演出方法は基本的に実写と同じで、実写では普通に出来るカメラワークを純粋にアニメへ落とし込むためには・・・って努力がアニメ初挑戦の岩井監督ながらとにかく凄い
3本柱となる技術がロトスコープ、トゥーンシェード、背景をパーツ化してのモーフィング


監督自らデジタルコミック作成ツールを使って絵コンテを起こす

蒼井優ら前作オリジナルキャストが集結しプレスコ録音

実写ロケハン&ロトスコ撮影専門キャストで演技撮影

撮影した実写を元にロトスコープ作画&トゥーンシェード3DCGによるアニメート
(ロトスコとCGはカットごとに使い分けてます)


すんげぇ手間が掛かってるんですよ
2013年の『悪の華』が全編ロトスコだったり、最近でもトゥーンシェードのアニメが注目を浴びたりしてますが、今作は現代映像技術で出来ること全てを投入した結果といえる
魅せる動きのカットはスーパースローで、という演出の再現は基本中の基本
すごいのがアニメではまずやらない、ってか出来ない“フォローパン”を背景の立体化も含めた技術で完全にアニメートしてること
この背景自体も美監が滝口比呂志でコミックスウェーブフィルムも関わっていたりとあの『言の葉の庭』のスタッフが集結し“超美麗”っす
つまりあの『言の葉の庭』の美麗背景がシームレスに動いてるんですよ!?
その映像はまさに目からウロコ


もちろんこの作品を手放しで賞賛する気はオイラにも無く、まだ課題が残ってたりもします
『悪の華』では実写キャストにとにかく似せよう、というスーパーリアル調なキャラデザが賛否両論となりましたが、今作の場合は岩井監督の“ヘタウマ”な絵コンテが全てのベースになっている為、表情の描き込み等が乏しいのがタマにキズ
この岩井監督の絵を、「可愛い」と取るか「単に下手」と取るかで賛否は真っ二つでしょう
目が単なる棒線になってしまっているカットとか(こんな感じの→ |0| )、みんな同じ顔してるモブキャラとか、端的に粗末でもっと作り込めたな・・・ってカットが多々あったのは残念ですかね
もっと作画監督とか立てても良かったのでは?と


さてここまでは技術の話ばっかでしたが、物語的にもホント素晴らしい


転校生のアリスはクラスメートから何もしてないのになぜか無視をされ続けている
どうも1年前に同じ教室で“ユダ”なる人物が殺され、ユダの呪いが封印された座席に転校してきたアリスが座って封印を破ってしまったらしい
アリスは謎だらけのユダ殺人事件の詳細を唯一知る人物で、1年前から不登校を続ける花に接触を図る・・・


ユダとか殺人とか謎だらけのキーワードが物語を力強く引っ張り、コージーミステリとしてとてもよく出来ています
さらに中盤からユダの謎が徐々に解け、やがて思春期特有の淡い感情が生んだ小さな事件であることが明かされる・・・


プレスコによって伸び伸びとした演技が出来たキャスト陣が個性溢れる濃ゅいキャラクター達をより生き生きとさせており、小気味良いマシンガントークのさながら撃ち合いがテンポよくお話を進める
よく「非声優をアニメに出すな下手だから」とかいう人がいますが、それはアテレコの話であってプレスコの今作はむしろ本領発揮なワケです
そういった意味でも安心して楽しめると思います


とにかくずっと笑っていられる、そんな生暖かい目で観れる青春ミステリー傑作と呼べるでしょう
『氷菓』とか好きな人は絶対観るべきです、素晴らしかった


何気に作画協力に磯光雄が携わっていて“磯さんの生存が確認出来た(笑)”ことも個人的には面白かった


今作で用いられた技法は決して安易に作品を量産出来るものではありません
しかしながらこの技法の確立によってアニメでも実写でもない【第3の映画】が生まれたんじゃないか、とオイラ思ってます
岩井俊二ってだけでアニヲタドン退き、アニメってだけで大衆ドン退き、ってことで今作はイマイチ注目度が低いようです
けみかけは『花とアリス殺人事件』を全力で応援していきます

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39

66.4 6 妄想で秘密なアニメランキング6位
超可動ガール1/6(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (142)
411人が棚に入れました
三次元(現実)の女性に興味が無い硬派なオタク、房伊田春人。ある日、大好きなアニメのヒロイン・ノーナの美少女フィギュアを購入したが、突然フィギュアのはずのノーナが動き出した!一人と一機(?)のドタバタ夫婦的生活、始まる!

声優・キャラクター
羽多野渉、木下鈴奈、千本木彩花、M・A・O、森川智之、河西健吾、松田利冴、徳井青空、深町未紗、篠原侑

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

一応「一言」では済ませられないストーリーがあります!

双葉社から刊行されているマンガ作品が原作のアニメ作品3本がまとめて30分枠に押し込まれて放送された「ふたばにめ!」なる放送枠の一作品(枠内での放送順は1番目)です。

枠の半分の時間を占めた、3作品の中では最も長い時間を与えられていた作品です。

簡単にストーリーを大雑把に説明すると、アニメ、漫画、ゲームなどが好きな房伊田春人(ぼういだ はると)がお気に入りのアニメ作品『少女→惑星探査』の主人公、惑星探査アンドロイド「ノーナ」のフィギュアを購入したところなぜか喋って動き出したというものです。その後、後から購入した他作品のキャラの美少女フィギュアも動き出し友人の冠成次郎(かんむり せいじろう)や妹のミコトなども交えてドタバタと繰り広げられるコメディー作品です。

タイトルに「1/6」とある通りフィギュアの縮尺は1/6と思われますが、だとすると作中でのノーナたちの大きさはちょっと小さすぎる(1/8くらい?)ように見えます。まあ、そこは大きな問題ではないのでスルーできますけど…。

中盤以降はそれぞれの美少女キャラの登場作品絡みのストーリーになっていて、そこそこ楽しいコメディー作品だったとは思います。

ただ「絶対にお勧め!」ってほどじゃないのも確かです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

予想外でしたが、楽しめました。

原作知らず。ショートアニメ×12話。

観終わってみれば、なかなかの良作でした。

人は選ぶと思います。作中で描かれるものに嫌悪感がないなら、観て損はない作品と思います。「得」があるかは保証できません。

絵に描いたようなオタク・房伊田春人の家で、アニメ・ゲームのキャラクター1/6フィギュアたちが何らかの理由で自我と意思を持ち、動き出してしまう。それが「超可動」と呼称されるとのこと。
そんなフィギュアたちと春人との間で繰り広げられるドタバタ劇、と、ラブコメになるのかな?お話しが進むにつれて増えていく超可動ガールたちに囲まれる、羨むべきか否か判断しづらいハーレムものという側面もあります。それほどあまあましくないので、あんまり気にはなりませんが。

作画はほどほどに安っぽさを感じましたし、後半は崩れが目立ちました(特に主人公)。ですが、見るに堪えないレベルまでは落ちなかったと思います。少なくとも、超可動ガールズのデザインは悪くないと思う。

春人の初登場シーンでの口上は、痛々しいことこの上ないです。お話しの所々で、拗らせたオタク・マニアのネタやメタファクターネタが登場します。クスリとできるものもあれば、まったく知らないものもあり、ちょっと勉強になった気もします(なんのだ)。ちょいエロもあり。エロというよりは「スケベ」がぴったりくると感じましたが、そんな微妙な時代のずれも感じました。

全体としては人とフィギュアの間の愛情、友情を描いているのだと解釈しました。全体のお話しとしては、決して凝ったものではなく、言ってみれば良くあるお話しと思います。その全体の流れに沿い、終盤を除き、基本的に1エピソードで完結する短いお話しを繋いでいます。各エピソードは、短い中でも毎回しっかりとお話しをまとめています。「超可動の秘密」のネタ晴らしはちょっと安っぽすぎる気がしますし( {netabare} っていうか何の解決にもなっていない。不思議の理由を別の超不思議サムシングに押しつけただけ。 {/netabare} )、最終盤はやや展開が雑だったように思います。が、短い枠ならではのテンポの良さ、無駄のなさが視聴を推し進めてくれたと思います。

意外と深いテーマ(自己の存在証明、アイデンティティ探求とでも言うものかな)を、それでも明るくあっさりと盛り込んでいます。これ、結構見事な手際だと思うのですが、どうでしょう。

OP曲「それゆけ!恋ゴコロ」、結構好きなテイストの曲です。作品ともあっていて、良かったと思います。はじめはヒロインフィギュアが歌っているのだと思っていました。エフェクトかかった声だし、何となく系統が同じに聞こえたのですが。違うんですね。A応P、、、、アニメや声優さんとは完全に別のユニットということでいいんですよね?

[可動が稼働してたので修正]

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

フィギュアが動き出して恋に落ちちゃう!?

原作未読。最終話まで視聴。

第1話冒頭は、「上手い!」って思いましたね。正直。

自分自身がフィギュアの趣味がないからピンと来ないところもあるけど、こういう場合、恋に落ちちゃうものなのでしょうか?

チョット破天荒なラブコメディ。

「ふたばにめ!」3作品のうち、一番面白かったかな。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

62.7 7 妄想で秘密なアニメランキング7位
Lostorage incited WIXOSS(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (232)
978人が棚に入れました
池袋――幼少期にこの街で過ごした高校2年生の穂村すず子が戻ってきた。
「ずっと友達だよ!」幼いころに仲良しだった森川千夏と誓った大切な記憶。その千夏とまた会えるかもしれない…それだけですず子の胸は高鳴る。
 転入した高校にもすぐには溶け込めず、早々に浮いた存在となっていたある日、「WIXOSS」を覚えれば友達ができるかも……そう思って学校帰りに立ち寄ったカードショップでデッキセットを購入する。
 家に帰りカードデッキを開封すると、カードの中に描かれた少女が動きだし、口を開く。

 「ようこそ、セレクター」

 selectorとして選ばれた人間は、自分の記憶のすべてが詰まった5枚のコインを賭けたバトルに参加しなければならない。コインをすべて取り戻し勝利すればこのゲームから脱出できる。逆にすべてコインを全て失い、敗北すると、そのペナルティーとして──。

 「Lostorage」―――この不条理なゲームに巻き込まれる事となったすず子の運命は!?そして、すず子と時を同じくして、千夏の手にも……

声優・キャラクター
橋本ちなみ、井口裕香、伊藤静、金元寿子、井澤詩織、久保ユリカ、興津和幸、菅原慎介、山岡ゆり、洲崎綾、後藤沙緒里、間島淳司、日岡なつみ、西明日香、生天目仁美、中村悠一

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

まあまあ面白いけど、ゲームの販促アニメとしてはダメな気も…(笑)。

カードゲームWIXOSS(ウィクロス)を使って作中でバトルするけどストーリー的にはカードゲームとは独立という、スタイルとしては『遊戯王』シリーズみたいな感じのアニメ作品です。

同じような立場の作品としては『selector infected WIXOSS』や『selector spread WIXOSS』がありますが、設定やストーリとしては「selector」シリーズとは別物ですね。登場人物にも継続性がありません。

何が「販促アニメとしてダメ」かというと、この作品を観ていても「WIXOSS」というゲームそのものにはまったく詳しくならない(カードの種類やルールなど)という点です。

またバトルの決着自体もほぼ各ルリグ固有のコイン技でついてしまうことが多く、カードバトル描写がカードゲームの販促アニメとしては致命的にダメです(笑)。

それは横に置くと、ストーリー自体は「忘れたくない記憶」や「なかったことにしたい記憶」などがテーマになっていて、それほど悪くはなかったとは思いますが…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

戦闘狂 versus 友情パワー

作画と演出が割りと好みだったので最後まで何とか見れましたが、このシナリオでは評価点数どうしても低目になってしまいました。

lost + storage → lostorage (造語) 「保管庫を失う(こと)」
incite (他動詞) ~を…に駆り立てる、刺激する

→なので、Lostrage incited WIXOSS で「WIXOSSに駆り立てられる記憶喪失」くらいの意味か?
でも、変な英語(byが欠落?)。

因みに2014年に制作・放送された 「selector infected WIXOSS」及び「selector spread WIXOSS」は、やはり事前に見ておいた方が良いと思います(前作の話がほんの少しだけ出てくるので)。
それ以上は、とくに・・・。


◆制作情報

{netabare}原作        LRIG
監督        桜美かつし
シリーズ構成    土屋理敬
キャラクターデザイン(原案)さらちよみ 
キャラクターデザイン  佐藤嵩光 
音楽          井内舞子
アニメーション制作  J.C.STAFF {/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


============ Lostorage incited WIXOSS (2016年10-12月) =========
{netabare}
第1話 記憶/裏と表 ★ すず子回(池袋帰郷・高校転入、WIXOSS、最初の対戦)
第2話 少女/理想と現実 ★ 千夏回(家庭事情、WIXOSSの報酬(記憶書換?)、初勝利)
第3話 セレクター/蜜と毒 ★ すず子vs.墨田(シスコン男)、敗北セレクターの運命
第4話 再会/光明と混沌 ★ 情報交換、ブックメーカー里見紅、千夏との再会
第5話 友達/絆と鎖 ☆ 続き、すず子vs.はんな
第6話 バトル/過去と現在 ★ 千夏の新しいバイト、千夏vs.すず子、中断(無効)
第7話 進化/純白と漆黒 ☆ 翔平vs.千夏
第8話 闇/渇望と喪失 ★ すず子の特質、はんなvs.清衣、墨田vs.里見
第9話 真実/終わりと始まり ★★ 千夏vs.清衣、夢限少女、自殺、絶望 ※前作のキャラ(繭、タマ)が初めて登場、前作みてないと話が分からないのは×
第10話 捕食/悲劇と喜劇 × ※前回の途中から真面目にシナリオを追う気持ちが失せる
第11話 二人/すず子と千夏 ☆
第12話 夜明け ☆{/netabare} 
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)6、☆(並回)4、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「Lostorage」
ED 「undeletable」


◆視聴メモ

{netabare}・第1話、今回は主人公が女子高生で、セレクターには男性もいるんだね(※前作は主人公が女子中学生で、セレクターは確か女性だけだった)。
・第2話の時点で、既に街にセレクターがウジャウジャいる様子(※犬もあるけばセレクターに当たる状態)ですが、この世界って大丈夫なのでしょうか?
・第3話、消えるというのは、君の記憶が失われる、ということではなく、人格そのものが失われる、ということ。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「selector spread WIXOSS」から2年…今度の代償は無形の宝物…

この作品はオリジナルアニメのようです。「selector spread WIXOSS」の放送から2年…満を持しての登場という形となったこの作品…個人的私見ですが、制作に踏み切るのは勇気のいる選択だったと思います。

なぜなら「selectorシリーズ」は緻密な構成に基づく溢れ出る程の痛みを抱えた作品でしたから…
繭…そして白と黒のルリグ…翻弄されるセレクター達…バトルによる明確な勝敗の線引きと敗者に対する容赦の無い仕打ち…
願いは人に対して均等に与えられた権利…その権利を餌に勝っても負けても出口の無い迷路を彷徨い続けるセレクター達…
本気で救いの無い物語だと思っていました。

だからこそこの作品には後発故の難しさがあったと思います。
前作が素晴らしかったから尚更です。
でも個人的には踏み切って貰えた事が嬉しくて仕方ありませんでした。
この作品が放つオーラ…個人的には大好物なので…

この作品の主人公は高校2年生の穂村すず子…彼女は父親の仕事の都合で転校を繰り返してきましたが、8年ぶりにもと住んでいた池袋に戻って来ることができました。
すず子はこの街に戻ってくるのが嬉しかったんだと思います。
なぜならここは幼いころの親友が住む街だったから…
だから転校を繰り返してもその親友の事だけはずっと忘れなかった…

ずっと親友だと思っていた…
出した手紙が宛先不通で帰ってきたとしても、何らかの事情があるだけでお互い顔をみたら直ぐに昔に戻れると思っていた…

だから学校の友達と仲良くなれなくても、たった一人の親友さえ傍にいてくれたら他に何もいらないと思っていた…
でも8年という歳月は振り返ればあっという間の事かもしれませんが、前を向いて歯を食いしばっている人にとっては気の遠くなるような時間…

そんな最中、すず子は気晴らしに「WIXOSS」の構築済みデッキを購入するのですが、そのカードの中に「はじまりのルリグ」が入っていてセレクターにされてしまうんです。
こうして再びセレクターバトルの幕が上がり、物語が動いていきます。

私は「WIXOSS」の細かいルールは分かりませんが、分かっているのはバトルの代償が5枚のコインに置き換わっていること…5枚のコインを全て失う、若しくは5枚全てを集めればセレクターバトルが終わるという事…
私は迂闊にもこのルールを甘く見ていました。
なぜなら「selectorシリーズ」は願いの大きさによって勝つ回数に違いがあれど3回負けたらお終いだったので、こちらの方が条件が厳しいと思ったからです。

でも蓋を開けたら全然違っていました…
代償が5枚のコインに置き換わる…という事は1枚1枚のコイン全てが意味を持っているんです。
だからコインを1枚失えば自動的に1枚分の代償が支払われる…という事なんです。
これがセレクターの精神をどれだけ傷付けるか…少し考えれば分かる事です。
だって、ある瞬間を境にポッカリと穴が開いてしまう訳ですから…

こうして自分の開いた穴に気付きながら、その穴を塞ぎたいと思ってもその保証はどこにもなく、むしろその穴が更に拡大する事を恐れてしまう…
今回のセレクターバトルは自らの意志で死地に赴く…そんな類のバトルだと思いました。
自分自身を構成するモノですからそう思うのも仕方ないと思います。
中途半端に穴が開いた状態…もしそれが自分の身に起こったら本気で怖いと思います。

すず子の大切な親友である森川千夏…ちーちゃんとはセレクターバトルの最中に出会う事となります。
再開を素直に喜ぶすず子…ちーちゃんも一緒だと思っていた…
ですが、ちーちゃんの言動はすず子の予想とは真逆のモノだったんです。
空白の8年…この間にちーちゃんにも色々あったようです。

すず子は大好きだった昔のちーちゃんを取り戻すことができるのか…
そして今回のセレクターバトルの抱える痛みは…
気になる方は是非本編でご確認下さい。
一つ確かなのは、今回のバトルも決して甘くない…という事です。

オープニングテーマは、井口裕香さんの「Lostorage」
エンディングテーマは、Cyuaさんの「undeletable」
井口さんのオープニングが断然恰好良くてお気に入りです。

1クール12話の物語でした。最終話で続編の制作が発表されたのも嬉しい限りですが、この物語の本質はむしろここからだと思います。
これまではこのバトルを知るための前哨戦…きっとこの物語の闇はもっと深く…もっと暗い…
そんな深淵で何が見られるのか…今から楽しみです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

66.8 8 妄想で秘密なアニメランキング8位
GOLDEN BOY さすらいのお勉強野郎(OVA)

1995年4月1日
★★★★☆ 3.7 (54)
286人が棚に入れました
主人公・大江錦太郎は、東京大学に入学するも、机の上だけの勉強では本当の勉強にはならないと、大学を自主退学。その後は真の「お勉強」をする為に自転車で日本中を旅し、その先々で知り合った人達と触れ合い、時に騙され、罵倒されながらも彼らを軽蔑することなく、救済の手を差し伸べていく。そして学んだことを「お勉強ノート」に事細かに記していく。ところが、ある街でおでんの屋台を営んでいる時に知り合った青年、正彦の悩みを聞いた事で、ある組織の陰謀に巻き込まれていくこととなる。その組織のトップはかつての大学時代のクラスメイト、金剛寺正宗であった。
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

これはひどいアニメ!!絶対に見ないでください!(酷評注意)

『男はつらいよ』のアレンジに見えなくもない・・?
女に惚れられて、別れて。惚れられて、別れて。
そんな放浪記。

でもこれはかなり下品で低俗です。
あ、でもOPはカッコイイぞ!OP詐欺ですこれは。
音楽だけは硬派にイカしてますね。

キャラクターが大体アホです。
そして作者は絶対アホの変態です。
こういう作品大嫌いなので、恨みつらみを長々と書いてやります。


設定がもう、ひどいもんです。

主人公の大江錦太郎(CV:岩田光央)は東大法学部に入学後、全課程を修了した後自主退学。
フリーターをしつつ全国を放浪中の25歳。
{netabare}
好みの女の子を見つけると、使用後のトイレに入って便座にほおずりする。
{/netabare}

そこまでしたなら卒業しろよって感じです。
ちょっとバブリーすぎます。
あと、もう変態として許されない段階まで来てます。
{netabare}
可愛い子いるな→便座にあの子の温もりが・・・!って発想の飛び方が怖いです。
{/netabare}
この変態が!


あと全部で6人出てくるヒロインの設定。
{netabare}
・女社長(CV:鶴ひろみ)
ソフトウェア開発社の若手社長。
クールな性格でいつも乳首の浮き出たラバースーツみたいなのを着てる、歩くわいせつ物。
乳揺れが激しいです。
{netabare}
錦太郎が一人でソフトを開発してしまってメロメロ~っていう、有り得ない展開で堕ちます。
頭の良い敏腕社長って設定ぶち壊しです・・。
{/netabare}


・勝田奈緒子(CV:皆口裕子)
地元の大物政治家の一人娘。
一見清楚でお淑やかに見えるのだが、実は男を誘惑して楽しむ変態娘。
この子、一番頭おかしかったです。
{netabare}
路上をノーパンノーブラで走り回るわ淫語を連発するわ・・。
なんかかんやで錦太郎に惚れて自分の下着をプレゼントします。おかしい。
{/netabare}


・紀子(CV:白鳥由里)
老夫婦の営むうどん屋の看板娘。のりちゃん。
一途でどこか垢抜けていない、今時珍しい娘さん。
この子は天使です。薄汚れたヒロインばかりの中美しく輝いていました。
ただ、男に騙されやすい将来が心配になるタイプです。
この子にだけは錦太郎も綺麗な錦太郎になりました。


・速水鮎子(CV:井上喜久子)
水泳教室の主任を務めるスタイリッシュな美女。
女が憧れる女みたいな感じで第一印象は良かったのですが、やっぱりアホでした。
水泳になると前が見えなくなるタイプみたいです。


・寺山麗子(CV:玉川紗己子)
由緒正しき家柄のご令嬢。趣味はバイク。
なんとなく予想できていましたが狂っていますねー・・・。
{netabare}
自身の愛車こそが恋人だと言って半裸でバイクにまたがって喘いでる変態さんです。
私を抱きたいなら峠のレースで私に勝ってみなさい!→錦太郎勝利→素敵!抱いて!
・・・・・・・・・。
{/netabare}


・知絵(CV:かないみか)
新人アニメーター。気が利く娘さん。ちえちゃん。
なんかここにきてやっとまともな子が来たという感じで、感動してしまいました。一番可愛いです。
{netabare}
唯一錦太郎にアタックしていかなかったのが印象的です。
身を引いちゃうタイプなのかな。
すごいリアリティのあるキャラだったからドキドキしました。
気立てが良くてでもどっか頼りない、助けてあげたくなる女の子でした。
{/netabare}
{/netabare}
のりちゃんと知絵ちゃん以外は変態!変態!
知絵ちゃんは僕の中でかなり上位に来るヒロインです。
他のナイスバディな女性より何故かエロい気がする。
ポニーテールからのうなじ、とか。うんうん。
かないみかさんはキンキン声より落ち着いた声の方が可愛らしいと思います。
それがより知絵ちゃんを魅力的にしています。



ヒロインの設定≠物語の設定というくらい、女の尻を追っかけまわすお話です。
一応錦太郎には目指してることがあって、そのために色んな場所で経験を積んで‘お勉強’してるみたいなんですが・・・多分作者が描きたいのは行く先々で超人的な才能を見せつけ女をはべらすとこだけ。

何がしたいんだ江川達也!
本当にエロが描きたいだけなのか!
そうなんだな、よし!!


川元利浩さんのデザインする女性は肉感的で生々しさがあって非常によろしいです。
関係ないけど08MS小隊の女性もセクシーでしたよ。
江川達也さんの絵より江口寿史さんの絵の方がセクシーだと思うけど、このアニメは作画が良くてやらしい。
あと最近のアニメと違ってお姉さんヒロインばかりなのが嬉しいです。


声優のキャスティングは変態的にベストマッチでした。
北久保弘之さんもきっと変態ですよ。
「この声優にこのエロい台詞を言わせたい!」って一心で選んでる気がしました。
もしかして江川さんが関わっていたのかも。
ていうか、出演してました作者。本当に図々しい。マイナスしとこ。


岩田光央さんのスケベっぷりがひどかったです。
男の下心丸出しのいやらしさを存分に発揮してくれました。
こんな気持ち悪い演技をできる声優はめったにいないと思います。
この役を松岡禎丞さんがやってみたら面白そうです。


ヒロインが、すごい。90年代のオールスターという感じ。
かき集めてきてますね。金で。
皆口裕子さんの下品な台詞と井上喜久子さんのボーイッシュな感じが貴重でちょっと衝撃でした。特に前者が。
だって凄い事言わせるんですよ!!
{netabare}
「○起してるじゃない・・」とか「○ン○ンもあんなに○っちゃって・・」とか、エロ漫画みたいな台詞を・・。ああ恐ろしい・・!!
{/netabare}
皆口さんのイメージが・・・。
声優って大変ですね。

ED、ヒロイン役6人で一緒に歌うんですが、間奏で雑談が入るのがこの頃にしては斬新で驚きました。
ただ毎回全部同じやり取りだったのでどうせなら6話全部録り直してほしかったですね。
最後の白鳥さんの台詞がすごくすごく可愛い。
「STUDY A GO!! GO!」・・作詞、北久保さん・・。やっぱり変態だ・・。



こんな作品は変態向けのキワモノOVAです。
絶対に許せません。
皆さんは間違えて見ないように気を付けてください。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

古い作品だけれどシナリオは単純ながら面白い

東大法学部を全課程履修した後に自主退学し、机の上では得られない真の勉強をすべく
自転車で全国を放浪しながらバイトをし、人助けをするフリーターの物語。

主人公・大江錦太郎は天才的な頭脳を持っているが、
歳相応の健全な男子なので、エッチな妄想もかなりのもの。
アホか!と思うほどドスケベだが、声優さんがうまくて笑える。
時には騙されたり、ボコボコにされたりなんてこともあるのだが
人の良さと機転の良さで、さまざまな人を救っていく姿は
観ていてとても心地良いし面白い。

そして彼の大切にしているお勉強ノートが興味深い。
あれはいわゆる、シナリオライターや小説家、漫画家などが
必ず持っているネタ帳にかなり近いかも。
きっと原作者の江川達也氏も、あんなノートをつけていそう(笑)

90年代初めの作品なので作画はもちろん、ファッションもヘアスタイルも
すごく古いし、今現在とは女の子たちの雰囲気も全然違うから
特にキャラデザの好みはすごく分かれそう。

でも全6話と短いながらも、最後まで無駄がなく、錦太郎が関わったバイト先や
ふれあった人々が1つの場所に集まってくるシナリオ運びも自然だった。
フリーターと言えど、そのバイト経験や出会った人の数、質は
一種の宝物なんだよなとあらためて気づかされる。
また、最近の作品では観られないようなセリフやシーンもたくさんあるので
それこそ「お勉強」になるかも(笑)

ちなみに6話はアニメ制作会社が舞台となり、アニメが仕上がるまでの行程や
仕事ぶりが垣間見れるのも面白かった。
それにパソコンがめちゃ古くて懐かしく、思わず時代の流れを感じた(笑)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

Britannia さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

良い女がいっぱい♪

仕事と女で結果を出す男のお話(^o^)

趣味はお勉強w

う~ん

勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強
勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強勉強

勉強になるなぁw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8
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